758: 2018/04/25(水) 02:13:32.15 ID:3CQoTWXS0


前回:第十四話 胸部格差鎮守府

ブラック?鎮守府:サバイバル鎮守府
被害艦:最上型4人 初春

海の画集 -「艦これ」公式イラスト集-


770: 2018/04/27(金) 06:24:04.41 ID:nZmiXHdD0

現在より289日前 とある南の島 海岸 無人島生活 0日目



?「それじゃ・・・君たちは今日からここで働いてくれたまえ」

鈴谷「ちょっと!ここ何にもないじゃん!こんなところでどうやって生きて行けっていうのさ!?」

?「はっ・・・あれだけの事をしておいて・・・命があるだけマシと思え」

サバイバル提督「・・・」

?「誇り高き軍人なら生き残って見せたまえ。ははははは!!」

熊野「ぐぐぐ・・・!」ギリッ…

?「あ、今食べているビーフジャーキーを選別に置いてってやろう、ほれ」ポイッ

    ポトッ…

?「大事に食べるんだぞ?はははは!!」

?「ではまたな。君たちの無病息災を祈っているよ!」

?「出港したまえ」

  グォンッ…
   ザザザァ…


  「・・・」

771: 2018/04/27(金) 06:25:06.80 ID:nZmiXHdD0

鈴谷「誰がお前の口付けたジャーキーなんぞ食うかぁーっ!!」ゲシッ

最上「ちょっと、ものに当たるとかみっともないよ?」

三隈「でもどうしましょう!?ある程度の食料を持ち込んだとはいえ・・・」

初春「慌てるでない!腹も減ったし、とりあえずむこうの美しい砂浜で昼餉とゆこうではないか!!」

熊野「賛成ですわ。熊野、美味しいサンドイッチを作ってきてますの。食べましょう」

鈴谷「おぉー!良いね。そのあとは泳ごうか!」

三隈「素敵ですね!」

サバイバル提督「なぁお前ら・・・ピクニックか何かと勘違いしてるんじゃねぇだろうな?」

鈴谷「提督心配しすぎ!鈴谷たちは艦娘だよ?」

鈴谷「網を持ってきたし、艤装に括り付けて海をくるくる回るだけで食糧難に何てならないから!」

サバイバル提督「・・・燃料の事、ちゃんと考えてんのか?」

鈴谷「・・・・・」

鈴谷「あっ・・・」

サバイバル提督「んなこったろうと思ったよ・・・」

サバイバル提督「とりあえず艤装を使うのは魚を捕るほんの数分だけだ。それを他の艦娘でローテーションしていけば、それなりの間は動けるだろ」

鈴谷「・・・燃料がなくなったら・・・?」

サバイバル提督「その時までにある程度生活ができる環境を整えておくぞ。まずは飲み水が確保できる場所から探していくぞ!」

サバイバル提督「・・・こうなっちまったのは俺のせいだ。これでもサバイバルの知識は軍人としてある程度はある」

サバイバル提督「使えるもんはなんでも使って生き延びるぞ!」

5人「おー!!」

772: 2018/04/27(金) 06:26:42.17 ID:nZmiXHdD0
......
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現在より286日前 山中 無人島生活3日目


初春「ほりゃぁぁあ!」ギギギ…

 バキバキ…
 ズズンッ…

初春「どうじゃ?これで家が作れるのではないか?」

三隈「結局使ってしまいましたね・・・艤装・・・」

サバイバル提督「家を作るためには仕方ねぇ・・・さっさと作っちまおう」

鈴谷「ふふ、テレビ番組みたいでドキドキする!」

サバイバル提督「楽観的なのはいいが危機感ってもんを持とうぜ?」

最上「いいじゃないか。確かにボクもワクワクするよ!提督はしないのかい?」

サバイバル提督「この先の事を考えるとちょっと・・・な」

最上「ま、今のところは上手くやっているんだからそれでいいじゃないか!提督!」

サバイバル提督「・・・元凶の俺が憎くねぇのか?」

最上「何言ってるのさ提督!ボク達だって提督に協力したし、頑張ったじゃないか!」

最上「後悔はしていないよ。こうなったら、一緒にどこまでも行こうよ」

サバイバル提督「・・・すまねぇな」

最上「きにしないでよ」ニコッ

鈴谷「提督ー!最上―!早く手伝ってよー!」

最上「おっと、そろそろやろうか。提督」

サバイバル提督「だな、やってやろうぜ!TOKI〇もびっくりするくらいになぁ!!」バキボキ…

最上「ふふっ、そっちの方が提督らしいよ!」

773: 2018/04/27(金) 06:28:53.72 ID:nZmiXHdD0
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現在より150日前 山中 無人島生活139日目



カピバラ「ブモォォォーッ!」

熊野「そっちに逃げましたわ!誘導してください!」

鈴谷「おうさ!」ブンッ!

   ドカッ!

カピバラ「ブルル・・・」サッ

サバイバル提督「よし・・・動きを止めたな・・・三隈!最上!」

最上「任せて!」スチャッ…

三隈「くまりんこ突き!」ヒュッ

   ズドッ!

カピバラ「ブムォォオオッ…」ジタバタ…

最上「よし!ちょうど心臓の位置だ!」

三隈「毎度この時は嫌になりますね・・・」グリッ…

カピバラ「グゥウ…ゴフッ…」ピクピク…


774: 2018/04/27(金) 06:30:18.28 ID:nZmiXHdD0

初春「うぅ・・・わらわはまだ慣れん・・・」

サバイバル提督「今まで多くのカピバラの皮を剥いで服にしてきた奴がよく言う・・・」

初春「生きているのを頃すのと既に氏んでいるのを加工するのは訳が違うのじゃ!!」

サバイバル提督「なにはともあれ、これで全員分の服が揃いそうで良かったな。持ってきたすべての服がボロボロになる前に用意できてよかったぜ」

最上「実写版ギャートルズみたいだね」

サバイバル提督「よく知っているな・・・」

熊野「今夜も美味しい晩御飯が食べれそうですわね」

初春「・・・」

鈴谷「どったの?初春」

初春「・・・羊やカピバラ・・・果てはワニを見ても食料や服の素材としか見えなくなってきた当たり、だいぶ毒されてきたと思ってのう・・・」

熊野「ワニ革は高級品ですの!熊野、一度持ってみたかったんですわ!」

熊野「・・・こんな形で持つことになると思っていませんでしたが・・・」

初春「人間の適応力はすごいのう・・・」

775: 2018/04/27(金) 06:31:28.68 ID:nZmiXHdD0
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現在より89日前 サバイバル鎮守府 無人島生活200日目



三隈「うぅ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

最上「提督大変だ!三隈がデカいクモに噛まれてから高熱がひどい!」

サバイバル提督「おいおい・・・ひどい熱だ・・・!とりあえずそこのベッドに寝かせろ!」

三隈「熱くて寒くて痛い・・・助けて・・・提督・・・」ガタガタ…

サバイバル提督「今助けてやる!鈴谷!川で水を汲んでこい!熊野!毒に使える薬草を取ってきてくれ!」

鈴谷「わかった!」ダッ

熊野「承知しましたわ!」ダッ

初春「わらわは解毒剤を作る準備をする!」

サバイバル提督「頼んだぞ!」

三隈「提督・・・もがみん・・・」ガタガタ…

最上「三隈・・・」ギュッ…

サバイバル提督「最上!どんなクモだった!?」

最上「て、手のひらよりデカくて・・・毛がたくさん生えてた・・・」

サバイバル提督「タランチュラ系統か・・・なら命を失うほどの毒じゃないぞ」

三隈「提督、もがみん・・・お願い、近くにいて・・・」

最上「もちろんだよ・・・三隈」ギュッ…

サバイバル提督「離れたりなんてしない、ずっとそばにいる」

三隈「うぅっ・・・」

最上「すぐに助けてあげるから・・・!」

776: 2018/04/27(金) 06:33:49.40 ID:nZmiXHdD0
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現在 サバイバル鎮守府 無人島生活289日目



 プスンッ…
   ギギィッ…

鈴谷「あぁ・・・艤装が・・・」ガクッ…

サバイバル提督「どうした?」

鈴谷「とうとう・・・私の艤装も動かなくなっちゃった・・・」

初春「これで艤装は全て使えなくなってしまったのう・・・」

サバイバル提督「もう大掛かりな作業ができないな・・・」

鈴谷「それは痛いけど・・・まぁ、今のままで十分じゃない?雨風凌げる家もあるんだし」

熊野「本当はクーラー付きの家が欲しいところですの」

初春「そうじゃのう・・・暑いのはきらいじゃ・・・」

サバイバル提督「お前らはほんっとうにここの生活向いてねぇな」

初春「じゃが、たくましくはなって来とるじゃろう?ここに来たときに比べれば・・・」

最上「そうだね・・・ボクもあの時はさすがに氏ぬと思ったよ」

サバイバル提督「お前らが持ち込んだ食料を何も考えずに二週間で食べつくしたせいだけどな」

三隈「ぎくりんこ・・・」

サバイバル提督「だがまぁ・・・マジでたくましくなったと思うぜ。本当に」

サバイバル提督「よくやってるよな、俺達」

初春「今日も一日・・・生き延びたのうっ!」

サバイバル提督「おう、忘れねぇうちに壁に彫っとけ。今日で生存何日目だ?」

最上「そーだねぇ・・・289日ってところかな」ガリガリ…

777: 2018/04/27(金) 06:35:20.74 ID:nZmiXHdD0

鈴谷「すっごいじゃん!こんなの並大抵の事じゃ成し遂げられないっしょ!」

三隈「三隈達、こんな無人島でこんなに長い間生きてきたんですね・・・」

熊野「今日は贅沢にアサイーのデザートも食べましょうか」

鈴谷「おおっ?熊野いつの間に!」

熊野「ふふん、罠を仕掛けるついでにこっそり取っておきましたの!」フンス

最上「熊野すごいね!高いところに実る果物なのに!」

熊野「もっと褒めてもいいですのよ!と、言うわけで・・・はい、提督」

熊野「ここまで生きてこられたのも提督のおかげですわ。なので、一番大きくて甘そうのをあげますわ!」ニコッ

サバイバル提督「・・・」

最上「どうしたんだい?提督」

サバイバル提督「いや、ここに来ちまったのは俺のせいだってのに・・・悪いな」

熊野「ふふふっ・・・まだそんな事気にしてらっしゃったのですか?」

最上「そうだよ!ここに来たのは全員の責任みたいなものさ!」

三隈「この島での生活は確かに大変ですけど・・・あのことは別に後悔していません!」

鈴谷「らしくないじゃん提督!ほら、みんなで食べようよ!」

初春「いつの日か戻って、あの男の顔に一発食らわせてくれようぞ!」

サバイバル提督「ふっ・・・最高だよ、お前ら・・・んじゃ、食べるとするか」


778: 2018/04/27(金) 06:38:05.77 ID:nZmiXHdD0
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長門達の基地 


長門「青葉、一体何を見ているんだ?」

青葉「例のキャバクラ事件の時に居た上層部の人たちの携帯端末やPC等を覗いているんですよ。何か見つからないかなぁと・・・」

長門「さらっとすごいことをしているな・・・何か見つけたか?」

青葉「それが・・・尻尾を隠すのは上手いみたいで・・・証拠らしいものは何も・・・」

長門「見た目はあんなにも間抜けそうだというのに・・・そういう所には脳が回るみたいだな」

提督「どんな些細なことでもいい、何か手掛かりとなるような情報はあるか?」

青葉「それがですね・・・経費帳に妙な記録が・・・」

提督「なんだ?」

青葉「この男、どうやら一度南米のアマゾン近くに行っているみたいなんですよ・・・」

明石「アマゾン・・・?旅行でしょうか?」

青葉「にしてはかかった経費が安すぎるんです。旅行というよりは単に行って帰ってきた燃料費だけって感じで・・・」

明石「まるで・・・“何か”を運んだって感じですね」

提督「行った場所を特定できるか?何かわかるかもしれない」

青葉「もちろんですよ。なにか見つけた時のことも考えて、輸送機もチャーターしておきますね」

提督「頼んだ。長門、準備しておけ。長旅になるかもしれないぞ」

長門「よし、宝探しと行こうか!」パンッ

787: 2018/04/28(土) 23:39:42.09 ID:hbg+1LdW0
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サバイバル鎮守府  無人島生活290日目


  ザザアァァァ…

鈴谷「今日もまた一段とすごいスコールだね~・・・」

熊野「これでは川辺に張った罠は全滅ですわね・・・」

三隈「また作り直しますわ。初春、準備いたしましょう」

初春「仕方がないのう・・・」テキパキ

最上「にしてもひどいスコールだ・・・ここまでひどいのは初めてじゃないかな?」

鈴谷「川の氾濫が心配だね・・・」

サバイバル提督「・・・なんだか嫌な予感がしてきた」

熊野「ここは川からだいぶ離れていますし・・・大丈夫ですよね・・・?」

      ドドド…

サバイバル提督「・・・何か聞こえないか?」

最上「聞こえるね・・・・」

   ズドドドドド….

三隈「大量の水が押し寄せるような・・・音・・・」

熊野「・・・熊野のせいではないですよね?」

サバイバル提督「言ってる場合か!走れ!!」

メキメキメキ…
 ズズズズズ…

788: 2018/04/28(土) 23:42:25.10 ID:hbg+1LdW0
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輸送機内 


パイロット「燃料補給の為、一度リオデジャネイロに止めさせてもらいます」

提督「了解した」

長門「まだつかないのか・・・」

提督「言っただろう、長旅になるかもしれないと。ところで・・・」

加賀「・・・」

提督「あんなことがあったのにすぐ呼び出して済まないな。君の偵察機の力が必要だったんだ」

加賀「いえ、私ももう落ち着きました。赤城さんの事は本当に残念でしたが・・・」

加賀「悲しんでいたところで何も変わりません。あなたの言う通りです、今は信じてただ待ちます」

加賀「それに・・・また任務がしたい気分だったのよ」フフッ

789: 2018/04/28(土) 23:44:18.19 ID:hbg+1LdW0

提督「そう言ってくれて助かるよ」

加賀「この後の動きはどうする予定なの?」

提督「青葉が調べた情報によると、どうやらアマゾン近海のとある無人島に向かった痕跡があるらしい」

提督「この輸送機は海にも着水できるようになっている。無人島近くの海に着水し、そこからは各自艤装を使って島まで向かう」

提督「島についてからは・・・チームでひたすら痕跡をたどって隠されたものを見つけ出す」

青葉「地上からは青葉の鼻と勘に明石さんの様々な探知器具。空からは加賀さんの偵察機ですか・・・」

明石「案外早く終わるかもしれませんね!」

提督「その探検隊みたいな服を着てくる必要はあったのか・・・?」

青葉「気分を上げるのには重要なことなんですよ!」

青葉「加賀さん!どっちが先に見つけ出すか勝負といきませんか?」

加賀「ふふ・・・望むところよ」

790: 2018/04/28(土) 23:45:42.10 ID:hbg+1LdW0
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翌日 サバイバル鎮守府 無人島生活291日目


サバイバル提督「・・・全部流されちまったな・・・」

鈴谷「・・・」

初春「あそこまでの大雨になるとはのう・・・・」

最上「て、提督・・・どうする?家も食料も全部流されてしまったけど・・・」

熊野「もう艤装の力も借りれません・・・また前のような環境をつくるのは難しいですわ・・・」

三隈「また0からやり直しですわね・・・」

サバイバル提督「・・・やれるさ、俺達なら」

鈴谷「ふふ、そうだね!こんなこと、昔にも散々あったしね!」

最上「確かに。三隈がクモに噛まれた時よりは焦りを感じないや!」

サバイバル提督「あれはたしかに焦ったなぁ・・・」

サバイバル提督「個人的に一番焦ったのはやっぱあれだな、ジャガーと戦った時だな」

鈴谷「鈴谷もさすがにあの時は氏んだなっておもったよ」

初春「6人がかりでようやく仕留めたのう・・・。惜しむらくは記念に取った毛皮も流されてしまったことじゃな・・・」

熊野「最初に捕まえた魚の味に感動したり、軍隊アリに襲われたり・・・」

三隈「最初は皆叫んでいたムシさんも今となっては素手で捕らえて餌に使うあたり、成長を感じますわね・・・」

サバイバル提督「さ、まだまだ新しい思い出をみんなで作っていこうぜ。ここでな」

サバイバル提督「戻れる日がくるまで・・・!」











青葉「司令かあああああああん!!!発見しましたああああああ!!」

799: 2018/04/29(日) 00:46:30.83 ID:39DAOgB40



     「!?!?」


鈴谷「なっ・・・げ・・・幻覚!?」

三隈「提督!三隈・・・なにか変なキノコを食べてしまったのでしょうか・・・」

初春「開いた口がふさがらん・・・」

サバイバル提督「お・・・お前は・・・誰だ・・・?」

青葉「青葉型1番艦、重巡洋艦の青葉です!」

青葉「同じ艦娘とお見受けしますが・・・大丈夫ですか?」

熊野「え、えぇ・・・最上型4番艦・・・熊野ですの・・・」

青葉「助けに来ました。今すぐこちらに・・・」

最上「ボ・・・ボクたち・・・助かるの・・・?」

青葉「詳しい話はあとで説明します。輸送機まで案内しますのでついてきてください・・・」


800: 2018/04/29(日) 00:53:31.01 ID:39DAOgB40
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無人島 海岸


サバイバル提督「つまりあんたらは・・・あの上層部の男を追ってここまで来たってのか!?」

提督「そういうことだ。何かの証拠を隠ぺいするためにこの島に来たことまで突き止めたわけだが・・・」

提督「いざ島に来てみれば・・・人間が住んでいた痕跡を見つけ・・・君達を発見した」

提督「本当に驚いたよ」

青葉「記録は300日近く前の物でした・・・つまり、あなた方は・・・」

サバイバル提督「あぁ、俺たちは・・・この島に置き去りにされ、今日まで生きてきた」

明石「すごい・・・そんなことが・・・」

サバイバル提督「まぁ、それは良いんだ。あんたらは一体何者なんだ?何故艦娘があの男を探っていたんだ?」

青葉「それは・・・」

長門「ここまで来たらもういいだろう。我々は憲兵に依頼を受け、ブラック鎮守府を潰して回っていたんだ」

サバイバル提督「・・・!」

801: 2018/04/29(日) 00:56:26.05 ID:39DAOgB40

鈴谷「うっそぉ・・・」

最上「そ、それってまさか・・・!」

サバイバル提督「あんたら・・・ブラック鎮守府バスターズか!?」

青葉「ふぇっ!?」

加賀「!」

提督「何故・・・君たちがそのことを知っている・・・?」

サバイバル提督「知ってるも何も・・・・」















サバイバル提督「俺たちがブラック鎮守府バスターズだ」

807: 2018/04/30(月) 23:29:27.23 ID:BlzK8Yff0


提督「なに・・・?」

サバイバル提督「正確には・・・“だった”・・・というべきだが」

提督「詳しく教えてくれ」

サバイバル提督「俺達がここに来る前は・・・あんたらと同じようにブラック鎮守府を潰して回っていた・・・」

サバイバル提督「最初は単に・・・演習相手の艦娘の様子がおかしかったから、こっそり話を聞いた」

サバイバル提督「そしたらその子は何て答えたと思う?」

サバイバル提督「笑顔で“なんでもない”・・・ただそれだけだ。普通ならそれ以上は聞かねぇ」

サバイバル提督「おせっかいしちまったかと・・・どことなく寂しげなその子の笑顔を見ていた時だった」

サバイバル提督「風でなびいた前髪の隙間から・・・見ちまったんだ」

サバイバル提督「その子の額に・・・夥しい数の火傷の跡があるのを・・・」


808: 2018/04/30(月) 23:31:06.69 ID:BlzK8Yff0

サバイバル提督「すかさず聞き直した。どうしてそんなところに傷がある?なにがあった?大丈夫なのか?・・・ってな」

サバイバル提督「そしたら・・・消え入りそうな声でたった一言・・・」

サバイバル提督「“たすけて”“これ以上は耐えられない”って・・・あの時の顔は今も忘れられねぇ」

サバイバル提督「話を聞けば、その子が所属していたところの提督は・・・戦闘においてミスを犯した者に過剰に罰を与える奴だったみたいでな」

サバイバル提督「ただの演習にも関わらず・・・敗北の原因となったその子の頭を・・・タバコの灰皿代わりに使ってたそうだ」

青葉「ひ・・・ひどい・・・」

サバイバル提督「その話を聞いた瞬間に俺はブチ切れ・・・周りに人がいるにも関わらず演習相手の提督に殴りかかった」

サバイバル提督「ほんの二、三発殴るだけでべらべらとしゃべったよ。いままでどんなことをしてきたかをな」

サバイバル提督「その提督を憲兵に突き出し、虐待を受けていた艦娘の何人かを、俺が引き取ったんだ」

サバイバル提督「引き取った艦娘達は・・・そういったブラック鎮守府はほかにもあると言ってきた・・・」

サバイバル提督「ふざけた変Oの為に何度も金で売り飛ばされたりして、あらゆる鎮守府をたらい回しにされた艦娘も中にはいた」

サバイバル提督「人を守るために戦っている艦娘達が・・・何故自分勝手な野郎の都合で嬲られなければならないんだ?」

サバイバル提督「俺は終わりにしたかった・・・そんな状態化にある艦娘がいる現状を」

809: 2018/04/30(月) 23:32:07.10 ID:BlzK8Yff0

サバイバル提督「それからだ・・・憲兵が気が付いていないような場所や、手が出せない場所を見つけては・・・俺が襲撃して艦娘を助けていた」

サバイバル提督「気が付いたら・・・こんなにもメンバーが増えてたけどな・・・」

提督「・・・」

最上「ちなみに、ボクが提督に最初に助けてもらった艦娘だよっ♪」

サバイバル提督「お前の為にわざわざ伏せて言ってやったのに・・・」

最上「むしろここで明かす方がロマンがあるってもんじゃないかい?」

明石(気が合いそう)

長門「なるほどな・・・ならば、ここに送られた理由は・・・」

サバイバル提督「ああ・・・俺たちはあんた達みたいに憲兵に依頼されて動いたんじゃない、完全な自警団だ」

青葉「・・・」

サバイバル提督「憲兵に追われたこともあったが・・・次第に彼らの中にも協力的な人たちが増え始めた」

サバイバル提督「だが・・・限界が来た。俺達の存在を邪魔に思うやつらが・・・力を合わせて俺達を排除しようとしてきたんだ」

サバイバル提督「素顔を隠し、必氏に戦ってきたが・・・見つかってしまった」

810: 2018/04/30(月) 23:33:12.36 ID:BlzK8Yff0

サバイバル提督「やつらは俺たちを処刑しようとしたが、俺たちに協力的だった憲兵達のおかげでそれは免れた」

サバイバル提督「だが、それで奴らの腹が収まるわけなく・・・」

サバイバル提督「俺たちに新たな鎮守府への転属と称してこの島に・・・」

提督「・・・なるほど、よくわかった。本当に・・・今までよく戦ってきた」

提督「君たちを心から尊敬する。この輸送機で故郷まで送ろう」

サバイバル提督「すまねぇな・・・わざわざ」

提督「きにするな。戻ってからは・・・俺が君たちを匿う」

鈴谷「戻ったら・・・また鈴谷たちも戦うよ!!」

初春「うむ!このままでは終わらぬぞ!!」

サバイバル提督「・・・いや、駄目だ」

熊野「えぇっ!?なんで?」

811: 2018/04/30(月) 23:34:28.43 ID:BlzK8Yff0

初春「戻ってあの男に一発食らわせると言うたじゃろう!?」

サバイバル提督「俺が好き勝手やったせいで・・・みんなまとめてこの島に送られたんだ」

サバイバル提督「俺は・・・身の回りの仲間さえ守れなかったんだ!!」

サバイバル提督「もう危険は冒せない、ここで終わりだ。俺にもう力は無い、俺たちの代わりになる人たちも今はいる」

サバイバル提督「俺はどんな目にあっても耐えられる・・・だが、お前らがまたこんな目に合うのは・・・耐えらんねぇ」

サバイバル提督「わかってくれ」

鈴谷「提督・・・」

最上「提督がそう決断したなら・・・ボクは聞くよ」

三隈「・・・」

長門「あとは私達に任せてくれ。あなた達の無念・・・必ず晴らすと約束しよう」

サバイバル提督「・・・悪いな。丸投げしちまって」

提督「丸投げなんかじゃないさ。君たちからのバトンは確かに受け取った」

提督「君の彼女たちを想うその気持ちも・・・な」

提督「さぁ、帰ろうか」


812: 2018/04/30(月) 23:36:09.65 ID:BlzK8Yff0
......
....
..
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長門達の基地



青葉「はぁーっ!輸送機の中は大変ですねぇ!!」

提督「帰りの道は楽しかっただろう?」

青葉「ええ、いろんな武勇伝が聞けて楽しかったです!」

加賀「すごい子たちだったわね。大きな技術力や情報力が無くてもあれだけ戦うことができて・・・」

提督「見習うべき点がたくさんあった」

明石「彼らのスーツ・・・作ってあげたかったな・・・」

長門「そのうち機会が来るかもしれないぞ?」

明石「え?」

長門「あの男の目・・・まだ戦士の目をしていたからな」

813: 2018/04/30(月) 23:38:44.97 ID:BlzK8Yff0
サバイバル鎮守府編はこれでおしまいです。ひょっとしたらまた彼らに出番が来るかも・・・?

次回のブラック鎮守府を決めます

第十六話 カルト鎮守府

引用: 提督「ブラック鎮守府バスターズ?」