346: 2014/01/10(金) 00:08:16.68 ID:JL9mSg51o


前回:泣き虫雪風と釣り人提督【その4】
最初から:泣き虫雪風と釣り人提督

毎日水上機基地建設に遠征出しているとこんな電波が飛ぶから困る

提督「雪風」

雪風「なんでしょう、しれぇかん?」

提督「俺は1日に1回ないし2回は水上機基地建設の遠征を出してるわけだが、普通1回こっきりじゃねぇのこれ? 1回建てたらおしまいだよな?」

雪風「不思議ですね」

提督「というわけで雪風、次の水上機基地建設遠征ちょっと手伝いついでに見てきてくれ。毎回深海棲艦に壊されて賽の河原状態とかだったら大問題だし」

雪風「わかりました!」


南方海域、水上機基地建設現場の廊下。

雪風「な、何ですかこれは…」

そこには、扶桑型の艦橋もびっくりの超巨大基地が造成されていた。

千代田「あぁ、これ? 初回に千歳お姉が『サグラダ・ファミリア越えを目指すわ!!』と言って今こんな感じね」

そう言いながら設計図を広げる千代田。

千代田「そっちの端っこ持ってくれる? 一人じゃとても広げられないからこれ」

雪風「えぇ~……」

やっとのことで設計図を広げる二人。設計図を広げるだけで通行の邪魔になるレベルである。

千代田「ここがこうだから……完成としてはまだ1%出来たかどうかって所ね」

雪風「ふぇぇ……」

もはや唖然とするしかない雪風であった。


雪風「……ということだそうです」

提督「誰か止めろよ!? 賽の河原状態のほうがまだましだよ!? 戦艦棲姫何やってんの!? 主砲で一発崩せよ!?」

雪風「しれぇ、でもこの遠征なくなったら資材的に辛いような気がします」

提督「……じゃあもう好き勝手させるか(投げやり)」
海の画集 -「艦これ」公式イラスト集-

350: 2014/01/12(日) 20:37:16.42 ID:pi59Xv2Xo

提督「MO作戦、水上機基地、艦隊決戦送って、演習5回やって、黒潮と名取の士気高揚させて…」

雪風「しれぇ、開発と建造はどうしますか?」

提督「開発は適当でいいや。建造は…」

ちらり、と資源備蓄量の報告書に目を向ける。
                      セイフカラノエンジョ
提督(ボーキがもう少しで2万5千…。自然回復量上限に近いな。他の資源も同様だ)

提督「よし、1回目は大型建造だ。このレシピで回そう。2~4回目は最低限で」

雪風「りょーかいしました! 工廠行って来ます!」

~~~~~

提督「あ゛~缶コーヒーうめぇ」

だが飲んでいるのはカフェオレである

ダッダッダッダコンコンガチャ

雪風「し、しれぇ!!」

提督「なんだ? 商船改装空母はおろか正規空母が完全に揃っているのにそんなに慌てることはないだろ」

雪風「ろ、6時間40分出ました!!」

提督「え」

雪風「6:40は報告しろって工廠の張り紙にあったので」

提督「#$%&あばばばば」(バッタン

雪風「しれぇ!?」

提督「(ガタガタッ)バーナー使用じゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」(ズダダダダダ

雪風「しれぇぇぇぇぇぇ!?」

~~~~~

ガチャガチャバタバタドンガラガッシャン

提督「バーナー装備!! 10機10門、一斉射!!」

妖精「ちょ、そんなに密着して火つけたら危ないです」

シュボォォォォォォ

提督「あっぢゃあぢあぢあっぢぃ!?」ドタンバタン

妖精「熱いで済む提督のほうがおかしいです」

提督「ふー、ふー。テッド・ブロイラーへの道は遠いな」

妖精「馬鹿な事言ってないで艦娘出迎えましょう」

テテーン

大鳳「そう…私が大鳳。出迎え、ありがとうございます。提督…貴方と機動部隊に勝利を!」

提督「大鳳…実在したのか……!!」

大鳳「いやたしかに初陣で沈んでそれっきりでしたけど存在をなかったコトにされるのはちょっと」

提督「建造できるという噂はあったけど半信半疑だったんだよ」

大鳳「でも私がこうしてここにいますから。夢じゃないですよ?」ホッペタギュー

提督「あだだだだ」

359: 2014/01/15(水) 01:43:31.53 ID:9H29q4F4o
ずいぶん遅れたが武蔵編小ネタ


提督「潜水艦狩りはいいねぇ。心が洗われる。現代日本文化の極みだよ」

武蔵「私はその間暇だし、そもそも潜水艦狩りを日本文化というのはおかしくないか」

提督「まぁ細かいことは気にしない。それに武蔵には対フラ戦・フラ重へ一発かますのと二巡目の攻撃をさせる役があるじゃないか」

武蔵「さっきのフラ重とか大井と木曾の先制雷撃で大破してたぞ…」

提督「毎回当たるわけじゃないし何より武蔵がいるってだけで安心感が違う」

武蔵「ふふ、そう言われると嬉しいな」

<ドッカーン

提督「よーしよし、いい感じだ」

武蔵「……ところで」

提督「ん?」

武蔵「なんで私の46cm砲に座ってるんだ?」

提督「だってぷかぷか丸で待つの暇だし、どうせ潜水艦相手なら砲撃しないでしょ?」

武蔵「いやそういう問題ではないと思うが」

提督「大丈夫大丈夫、バランスとるためにもう一方に雪風載せたし」

武蔵「砲身必氏に握って涙目でぶるぶる震えてるぞ」

雪風「じれぇぇぇぇ……」ガクガクブルブル

提督「いつも30ノット以上で海上疾走してるのに怖がることはあるまいに」

武蔵「平然と座ってられる提督の方がおかしいと思うぜ…」

提督「俺も一応移動中は落ちないよう最大仰角にして砲身握ってるけどねー」

<ライブシューリョー

提督「お、終わったようだな。帰投しようぜー」

武蔵「結局乗る意味あったのか?」

提督「書類仕事で引きこもってると艦娘と話す機会あんまないからなー。こうやって機会を作ってるんだよ」

武蔵「そうか……、ふふ。では戻るか」クルリ

提督「あっ」ボチャ


この後提督は必氏の捜索活動により救助されました

364: 2014/01/16(木) 01:05:25.79 ID:2jL0kt0ho
海軍のはずなのに陸軍の艦艇運用っておかしいよなって考えてたら急に電波が来たので

提督「大型建造ねぇ。霧の連中始末してからだなー。最低ですら4桁前提とかホント目玉が飛び出ちまうぜ」

コンコンバキャ

猫吊「呼ばれてないけど即参上! 書類をお届けにあがりました!!」

提督「なぜ(ドアを)壊した」

猫吊「私だとわかった瞬間鍵かけるでしょう?」

提督「はい。見るたび厄介事持ち込むので。」

猫吊「今日は朗報ですよ朗報。ほら陸軍の書類」

提督「ちょっと待ってろ芋版出すから」ゴソゴソ

猫吊「えい」グシャ

提督「……何故(芋版を)壊した」

猫吊「そんなのもういらないからです」

提督「あの芋版があったからこそ陸軍への反対書類が高速で作成できるんだが」

猫吊「陸軍が陸軍の提案に反対する必要なんてないですし?」

提督「どういうことだよ」

猫吊「この書類を見てください」パサ

提督「えーとなになに『この者本日を以って陸軍所属とする』…?」

猫吊「よかったですね! 陸軍ですよ!! 陸海軍兼務なんて史上初の人物じゃないですか? 前にいたかもしれないけど」

提督「どういうことだよ!?」

猫吊「大型建造でまるゆとあきつ丸が建造できるようになったのはご存知ですよね」

提督「まぁな」

猫吊「彼女らの所属は陸軍ですので従ってあなたが陸軍に所属する必要があるのです」

提督「何それ回りくどい」

猫吊「陸軍所属になったといっても仕事はいつも通りですので彼女らが来たらかわいがってあげてくださいね」

提督「へいへい」

365: 2014/01/16(木) 01:07:11.98 ID:2jL0kt0ho
提督「……というか前から疑問に思っていたが」

猫吊「何でしょう?」

提督「日本は自衛『隊』であって軍は持っていなかったはずだが」

猫吊「深海棲艦の登場をきっかけに軍に格上げされました」

提督「いつの間に…。というか俺の立場がわからなくなってきた。今までの書類仕事はなんだったのか」

猫吊「第三セクターという名の秘密政府機関です。主に輸送の護衛業務とかを隠れ蓑に深海棲艦を撃滅していく。くー、かっちょいー」

提督「くー、かっちょいー。じゃねーよ。……いつでも遠征出せるのはそれが理由か」

猫吊「あとどうでもいい書類仕事のアウトソーシング先です。これはいつもやってるから知ってますね」

提督「向こうにやらせろよ!?」

猫吊「自衛軍も頑張ってるんですよ。専守防衛だけど」

提督「一番大事な反攻部分をどこの馬の骨ともわからん人間にやらせるなよ!?」

猫吊「あなたがちょうどいいところにいたので」

提督「そんな選びかたしちゃダメでしょ!?」

猫吊「でも実際順調に制圧してるじゃないですか。沖ノ島然り、北方海域然り、カスガダマ然り。
   鉄底海峡の戦艦棲姫も叩きのめしましたし。私の目に狂いはありませんでした。」

提督「艦娘達のおかげだよ。俺の力じゃねぇ」

猫吊「まぁそういうことにしときましょうかね。じゃ、これからも頑張ってくださいな」

壊れたドアをくぐって去り行く猫吊るし。

提督「……そうだな。ねぎらいも兼ねて艦娘達と茶会するか」


提督「あと明石にドアの補修頼まないと……」

369: 2014/01/17(金) 01:44:58.74 ID:tv7cgQpBo
前回までのあらすじ:
提督「龍田と龍田で龍田がダブってしまった。序盤で白雪や龍田や深雪を出すと悲しいんだな」
大淀「そこで近代化改修……!!」ゴゴゴゴ


提督「近代化改修? ごてごて鉄板とかつけるもんじゃないのか?」

大淀「艦娘ですからねー。普通の艦船とは違うのです」

提督「まぁ鉄板ごてごてつけた雪風とかあんま見たくはない」

大淀「ダブった艦娘は記憶とかは共有されてるんですが顕現したてだから練度が低いんですよね」

提督「そこらへんも共有しようよ!?」

大淀「それに同じ艦娘が近寄りすぎると霊魂が融合し始めるので同じ艦隊には入れられないのです」

提督「難儀すぎねぇ?」

大淀「そ・こ・で、艦娘を他の艦娘にも適合する形に変えてパワーアップさせるオーパーツシステム、それが近代化改修なのです!」

提督「なんかよくわからんけど凄そう」

大淀「詳しくは猫吊るしさんに聞いて下さい」

提督「ここまで盛り上げてぶん投げた!?」

猫吊「というわけでまずは近代化改修する艦娘を選んでください」

提督「じゃあ雪風にするか」

雪風「頑張ります!」

猫吊「次に龍田さんを魂の形に変えちゃいます」ポワワワン

提督「……龍田、気分が悪くなったりとかはしないか?」

龍田「そうねぇ。こう、涼しい風が体の中を通り抜けたような気分かしら。ふわぁっ、とした気分と共にもう一人の私がすぅっと消える感じで」

提督「気分が悪そうだったら中止するところだが……大丈夫そうか」

猫吊「そして改修する艦娘に魂を合成ッッ!!」シュゥゥゥゥン

提督「ほぅ……」

ボトッ

提督「……ぼとっ?」

音のするほうを見るとペンギンらしき物体と毛玉らしき物体の入った箱が落ちていた。

猫吊「失敗したようですね」

提督「おぃぃ!?」

猫吊「能力の上がりが悪いとこういうことはありがちですのでなるべく複数の艦娘を同時に改修に使うことをオススメします」

提督「そういう大事なことは先に言おうねぇ!? というか雪風は大丈夫なのか!?」

猫吊「身体には直ちに影響を及ぼさないのでごあんしんください」

提督「そういう言い方されると余計心配だよ!? 雪風、大丈夫か?」

雪風「雪風が……雪風が龍田さんを氏なせてしまったのでしょうか…」ジワッ

提督「いやいや、龍田はそこにいるから! 大丈夫だから!」

龍田「大丈夫大丈夫、あなたのせいじゃないわ」

雪風「ぐすっ……ぐすっ……」

提督「この先大丈夫かなぁ……」

370: 2014/01/17(金) 01:46:01.24 ID:tv7cgQpBo
猫吊「ところで解体というのもあります。艦娘をこの肉体というくびきから解き放つのです。いくばくかの資材も貰えて超お得」

提督「女の子に戻るという話は」

猫吊「別世界の話です。そして解体に使うのがこの『ぷらずまちゃん壱号』!!」

ぷら『ナ゛ス゛は゛嫌゛い゛な゛の゛て゛す゛!!』

猫吊「さっそくダブった深雪を解体にかけましょう」

深雪「ヤメロー! ヤメロー!!」

提督「いろいろとヤバイからやめて。やめるんだ。」

371: 2014/01/17(金) 01:48:18.31 ID:tv7cgQpBo
6話完。

別にストーリー立てなくてもオムニバスでやっていけばいいんじゃないかな(錯乱)

377: 2014/01/21(火) 01:31:07.48 ID:vTJ0baV4o
提督「んー、ホントこれだけの書類仕事どこからわいてくるんだか」

ガリガリゴリゴリガンガラドンドン ガコン

トントン

提督「扶桑だろ。開いてるからどーぞ」

ガチャ

扶桑「失礼します。でも扉を開ける前に私だとわかるなんて超能力者か何かですか?」

提督「艤装が廊下のそこらかしこに当たる音でわかるんだよ。砲の配置が微妙に違うから姉妹のどちらかもわかる」

扶桑「なるほど……」

提督「つーか出撃予定ないなら艤装下ろしていいぞ。ぶっちゃけ歩きにくいだろ」

扶桑「でも……それだと、万一敵襲があったとき危ないですよね」

提督「それもそうなんだが廊下ですれ違う方が危ないし回数も多い」

扶桑「そうですね……」

提督「このジレンマを解消する画期的な方法はないものか…」

猫吊「呼ばれて参上猫吊るし」

提督「呼んでないし窓から入ってくんな」

猫吊「開けとくほうが悪いのです! で、扶桑の砲塔の問題ですよね」

提督「何とかできんの?」

猫吊「艦娘が神霊なのは以前お話しましたよね」

提督「そうだな」

猫吊「艤装部分込みなんでそこらへんだけ霊体化して適当にアクセサリにするなり憑依させるなり丸めてポケットに突っ込むなりすればいいんですよ」

提督「そんなこと出来たのかよ」

扶桑(納得したような顔してポンと手を打つ)

提督「ちょっと待てよ知らなかったのかよ!? 自分の身の話だろ!?」

猫吊「霊体化したところで壊れた部分が直るわけじゃないんで、メンテや修理などは普通に艤装下ろして物理的に行う必要ありますからねぇ」

提督「もっともな話だけど、もっと早く教えてあげようよ!?」

猫吊「訊かれなかったので」

378: 2014/01/21(火) 01:33:08.19 ID:vTJ0baV4o
扶桑「ではちょっと試してみますね…」

扶桑が目を瞑り念じると、背負ってた砲塔が光の玉となり、彼女の髪飾りへ吸収されていった。

提督「おお、これはすげぇ。とは言ったものの戻せんの?」

猫吊「普通に戻すよう念じてもいいですが『艤鎧○着!!』とでも言えば格好いいですよ」

提督「『艤○装着!!』とかどこの話だよ」

猫吊「別世界の話です」

なんてことを話しているうちに扶桑の砲塔が戻っていた。

扶桑「……ん、戻せますね。もう一回しまって、と。提督も猫吊るしさんもありがとうございます」

提督「俺は何もしてないがな」

扶桑「このこと、山城にも教えないと……」

一礼して執務室を去る扶s(ガンッ バタリ

提督「艦橋髪飾りが扉の上の部分に引っかかってるじゃねーか!!」

扶桑(きゅぅ)

猫吊「今まで砲塔が引っかからないよう屈んで通ってたから気づかなかったんだろうねぇ」

提督「扉の部分、明石に頼んで改装しよう……とその前に扶桑をドック連れて行かないと!!」

扶桑は後頭部を思いっきり打ってましたが命とかに別状はありませんでした。
なお『私の姉様に何をしたんですか』と言わんばかりの目つきで山城に睨まれた件についてはまた別の話

390: 2014/01/22(水) 01:39:02.36 ID:gjjzY7Q7o
提督「あー、全く。北方と西方の攻略を同時に行うなんて何考えてやがんだお上はブツブツ」

コンコン

提督「どーぞ。……響じゃねーか。どうした」

響「司令官、折り入って頼みがあるんだ」

提督「何だ? 俺に出来るかどうかは保証しないが」

響「もっと、強くなりたいんだ。妹たちを守れるぐらいに」

提督「もっとといってもなぁ。既に改造済みだし近代化改修も大体済んでるし、練度上げても守れるぐらい強くなるとは言いがたいし」

提督「……どうしてそう思った?」

響「西方海域や南方偵察で潜水艦を見て、雷や電を二度とやらせたくはない、と思って……」

提督「意気込みは立派だ。だが、改二クラスの改造でもなければこれ以上の強さは……」

そう言いながらペラリ、と資料をめくる。ロシア語で綴られた手紙――内容は吹雪が訳した――に目を通す。

『北方海域の深海棲艦掃討に尽力する貴方たちにプレゼントを贈りたい。ミス・猫吊るしとともに開発した響用の新しい艤装だ』

提督「響よ。――力が、欲しいか?」

響「妹や皆を守るための力なら」

提督「よかろう、ならば――」

『追伸:響のレベル70まであげてね By 猫吊るし』

提督「――まずは特訓だな」


演習場にて

ドゴーン

響「これは少し、恥ずかしいな……」

提督「実戦だったら今の先制雷撃で沈んでると思えー」


リランカ島海域にて


響「ウラー!!」(爆雷投擲)

ドゥーン

提督「よーしいいぞ潜水艦頃すマンになるんだ」

響「ウーマンかレディじゃないかな、司令官……」

391: 2014/01/22(水) 01:39:45.89 ID:gjjzY7Q7o
そして……

提督「というわけでロシアまで来たわけだが……さぶい。おうち帰りたい」

響「あっ、出迎えの人が来たみたいだよ」

猫吊「遠路はるばるようこそ」

提督「何でお前がいるんだよウォトカぶっかけんぞ」

猫吊「響さんはともかくあなたロシア語てんでダメでしょ。そこで通訳なしで話が通じる私というわけですよ」

提督「風情というものがさー」

猫吊「とりあえず工廠に入りましょう。あ、改造用の弾薬と鋼鉄は帰ったら引いときますんで」

提督「プレゼントじゃなかったのかよ!?」

猫吊「まぁこのぐらい軽い投資ですよ」


というわけで響は改造され、服と艤装も一新。


響→ヴェールヌイ「司令官、どうかな?」

提督「似合ってるぞ。強くなれたか?」

ヴェル「うん。ありがとう、司令官」

提督「しっかし雰囲気変わったなぁ。他の姉妹が見たら驚くかもな」

ヴェル「ふふ、そうかもね」

392: 2014/01/22(水) 01:40:50.71 ID:gjjzY7Q7o
おまけ

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今日の出撃予定地

西方海域・カスガダマ

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今日の出撃予定者

陸奥改 雪風改

Вер 摩耶改

加賀改 赤城改

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赤城「……べっぷ? 知らない子ですね……?」

398: 2014/01/23(木) 01:45:49.86 ID:dCdh3mqko
提督「あー、だりー、仕事めんどくせー」カリカリカリカリ

ババーン

雷「そんなんじゃダメよ、司令官!」

提督「雷か。どーした」

雷「司令官、最近忙しそうだから何か手伝えることはないかと思って。もーっともっと私に頼ってもいいのよ?」

提督「……言ったな?」

雷「もちろん! この雷様に任せなさいって!」

提督「んじゃ」

提督はそう言うと自分のかぶっていた海軍帽を雷にかぶせて席を立った。

雷「……えっ?」

提督「今日一日、雷が提督代理だ。判らんことがあったら雪風に訊くといい。俺は皆に知らせた後、久々の休みを満喫してくる」

雷「えっ、ちょ、ちょっと」

提督「椅子と机は遠慮なく使っていいぞ」

言うだけ言って提督は執務室を後にした。
残されたのは雷と、資料の山と、「本日の出撃予定スケジュール」と書かれた一枚の紙。

雷「えーと、今日の予定は…」ペラリ

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第一艦隊:戦意高揚プロジェクト(該当者なし、ないしはまるゆが休憩中の場合オリョクル)
第二艦隊:警備任務(54セット)→鼠輸送任務
第三艦隊:長距離航海練習(32セット)→資源輸送任務
第四艦隊:敵地偵察任務(24セット)→包囲陸戦隊撤収任務

*オリョクルは2回出撃毎に30分の休憩を入れること
*デイリー任務・ウィークリー任務の消化を忘れないこと
*演習メンバは雪風に訊いてね

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雷「入れ替わりでやってたから気づかなかったけどものすごくタイトじゃない!?」

ポーン 第二艦隊が帰投しました
ポーン 第三艦隊が帰投しました
ポーン 第四艦隊が帰投しました

雷「……雷、司令官のために頑張っちゃうんだから!!」

399: 2014/01/23(木) 01:47:31.60 ID:dCdh3mqko


提督「雪風、雷、おにぎり作ってきたぞー」

雪風「しれぇ、ありがとうございます!」

雷「ありがと、しれいかん……」

提督「だいぶ大変そうだなー」

雪風「しれぇ、これしれぇの承認が必要な書類です!」

提督「はいよ。あとこれ追加の書類ね」ドサッ

雷「」

提督「……代わるか?」

雷「い、雷は大丈夫なんだから!」

提督「辛かったら言えよ。机の黒電話から俺にかけられるから」

――――――



提督「晩御飯もって来たぞー。流石に俺じゃチャーハンぐらいしか作れないから間宮さんお手製のを持ってきたが」

雷「」レイプメ

雪風「しれぇ……」

提督「あー、わかるから言わんでいい。と言うか止めなかったのか?」

雪風「止めようとはしたんですけど…」

~~~

雷「折角頼ってくれたんだもの……。ここで私が頑張らなきゃ……」

~~~

雪風「……って」

提督「いやこういう場合は無理にでも止めていいと思うぞ。あくまで個人的所見だが。……よっ、と」

雷を持ち上げて、ベッドに横たえる。

雷「あ……しれいかん……」

提督「今日はよく頑張ったな。しばらく横になって休んどけ。間宮さんに暖かくて消化のいいもの作ってもらおう」

雷「しれいかん……私、役に立てたかしら…?」

提督「そうだな。だが、無理しすぎて自分が倒れちゃ元も子もないぞ」

雷「うん…」

提督「ご飯の用意ができるまでしばらく寝てな」

雷「お言葉に甘えさせてもらうわね……zzz」

提督「やれやれだぜ」

雪風「雪風、ちょっとだけ嫉妬しちゃいます」

提督「そうだな、雪風も毎日秘書艦として手伝ってくれてるしな」ポフポフ

雪風「えへへ……」

408: 2014/01/28(火) 01:10:40.40 ID:Udk0Lw2Eo
提督「大和でねーなー。投入資源増やすかー…?」

コンコン

提督「いらはい」

ガチャコ

蒼龍「こんにちは、提督」

提督「蒼龍か。珍しいな。どうした?」

蒼龍「提督…最近空母機動部隊出さないじゃないですか…私達にも出番下さいよ……」

提督「大型建造の真っ最中だからボーキはなるべく消耗したくないしなぁ」

蒼龍「瑞鶴さんはたまに潜水艦撃滅の護衛に出てますけど」

提督「そろそろ蒼龍と同じLv70だから交代させようかな、とは思ってる」

蒼龍「私とですか? 頑張りm」

提督「大鳳とだ」 

蒼龍(ズコー

提督「新人だし改で烈風持ってくるそうだからね。仕方ないね」

蒼龍「て~え~と~く~」(ユサユサ

提督「揺らすな揺するなヘッドバンキングするぞ」(ブインブイン

蒼龍「あっ、そんなに揺らされたら九九艦爆が落ちちゃいます」

ゴトッ

九九艦爆妖精「」

蒼龍「ほら落ちちゃったじゃないですか」

提督「どこに仕舞ってたんだよ」

蒼龍「懐にですが」

提督「格納庫に仕舞っとけよ」

蒼龍「流星改と間違えて放ったらコトですから」

提督「というか倉庫整理で九九艦爆とかのコモン艦載機は全部処分したはずなんだが」

蒼龍「観賞用です」

提督「……」ユサユサ

蒼龍「だから落ちちゃいますって」ゴトッゴトッ

九九艦爆妖精「」

提督「他にもあったのかよ!」

蒼龍「保存用と布教用です」

提督「フィギュアかよ!! ……まぁ戦闘に使わないならそれでいいけど揺らしても落ちないようにしとけ」

蒼龍「提督以外が揺らしても落ちないよう調整するの大変なんですよ」

提督「何で俺限定なんだよ!!」

蒼龍「だったら出撃させてくださいよー」

九九艦爆妖精「」

提督「ところで、艦爆妖精が息してないように見えるんだが」

蒼龍「いつもこんな感じですから。……大丈夫。生きてます」

提督「……本当に大丈夫なのかねぇ」

九九艦爆妖精「」

419: 2014/01/31(金) 01:05:57.74 ID:02Iwza0so
提督「なぁ鳥海よ」

鳥海「どうしました、司令官さん?」

提督「いつの間にか重巡・航巡が強化されてることが何度もあったんだがありゃいったいどういうことだ?
    起きぬけの最上の艤装から煙吹いてたときは飲んでたコーヒー牛乳噴きそうになったぞ」

鳥海「耐久が向上しましたからね」

提督「それはそれとして何があったんだ? 改修もなしに突然強化されるとか考えがたい」

鳥海「それなんですが……。あの日の夜、私たちは姉妹で談笑してました」

~~~~~~

摩耶「……でさー」

愛宕「うふふ」

バンッ!!

高雄「誰!?」

思わず全員で入り口の侵入者に砲を向けましたがそこにいたのは猫吊るしさんでした。

猫吊「はろー」

摩耶「何の用だよ全く。ノックぐらいしろっての」

猫吊「ゆっくりやりたいのは山々なんですけどねー。ちょっと大本営から至急やれといわれてるので」

鳥海「大本営…!? いったい何を……」

猫吊「何せ重巡全員だからねー。大丈夫、一瞬です。すごく痛いけど。具体的には痛みで気を失うぐらい」

愛宕「もうちょっと詳しい話を聞か」


記憶にあるのはそこまででした。意識を取り戻したときには姉妹全員床に転がっていて、全身筋肉痛状態でした。

他の重巡の皆さんも尋ねて回ったところ、似たり寄ったりのことがあったそうです。

~~~~~~

鳥海「これが最初にあったときの話ですね」

提督「二回目以降はどうしたんだ?」

鳥海「全員寝巻きに着替えて布団に入るまで待ってもらいました」

提督「しかし、大本営か……。通信やら最新の情報やらは送ってくるんだが俺も全容はわからんのだよなぁ」

鳥海「私の計算でも大本営のそこは計り知れません……」

提督「何か利用されてるみたいでアレだが、実際に深海棲艦に対抗できてるし細かいことは気にしないことにしよう。鳥海も頑張ってくれ」

鳥海「お任せください、司令官さん」


鳥海「……とは言っても重巡で重用してるの摩耶姉さんと愛宕姉さんぐらいですよね」

提督「うん、重巡は活用の機会が限定されてるから仕方ないんだ……。鉄底海峡も二人いれば十分だったし……。」

426: 2014/02/02(日) 22:39:31.90 ID:aNzf7AACo
数日書いてないと「書かなきゃ(使命感)」という強迫観念に囚われるので小ネタ。……いや鈴谷のネタが思いつかないわけじゃないぞ?

提督「さーて第四次潜水艦派遣任務がそろそろ帰ってくる頃合いだなー」

雪風「しれぇ」

提督「なんだ?」

雪風「潜水艦派遣任務って多分ドイツですよね」

提督「まぁ第二次でスツーカもらえたしドイツなんだろうなぁ。たぶん」

雪風「旗艦がヴェールヌイちゃんで大丈夫なんでしょうか……」

提督「……そういや第二次世界大戦では独ソは敵国同士だったなぁ。まぁはっちゃんとヴェルは仲がいいみたいだから大丈夫でしょ(震え声)」


なおちゃんと帰ってきた模様

提督「スツーカ持って帰るなら37mm対戦車砲搭載のぐらい持ってきてくださいよー!!」

ヴェル「そんな魔改造されたのをまともに操縦できる妖精さんがいないと無用の長物じゃないかな」

提督「そうだな」

430: 2014/02/04(火) 02:16:01.83 ID:KcHGpl9xo
みんな みんな しずんでく。

嘆き 呪い 苦しみながら。

みんな みんな いなくなる。

数多の命を 巻き添えに。


自分は 水面に ただ一人。

海原に 呪いの声が こだまする。

氏神 疫病神 お前のせいだ。

声なき声が 突き刺さる。

  『コノ氏神』

      『オマエサエイナケレバ』

   『オマエノセイデコウナッタ』

  『疫病神メ』

 『オマエガ悪イ』

     『オマエノセイダ』

  『裏切リ者メ』

    『氏ネバヨカッタノニ』

 「ゆきかぜは、ゆき、かぜは――」

431: 2014/02/04(火) 02:16:29.80 ID:KcHGpl9xo
「―――っ!?」

目を見開くと、そこはいつもの天井。

頬に手をやると、涙で濡れている。

「……また、あの夢です……」

昔々の遠い記憶。その残滓が雪風を責め苛む。

皆は笑って「気にしないで」と言ってくれるけど、まず自分自身が許せない。

「今眠っても、またあの夢を見ちゃいそうです……」

身を起こし、隣のベッドに目をやると、島風が安らかな寝息を立てている。

時計を見やると午前の二時過ぎ。心は不安でいっぱいで、とても一人では眠れそうにない。

かといって起こすわけにも行かないし、勝手に布団に入るわけにも行かない。

そっと扉を開け、雪風は部屋を出た。

432: 2014/02/04(火) 02:18:00.71 ID:KcHGpl9xo
一緒に眠る相手を探そうにも、もう皆眠っている時間。

陽炎型の部屋も、夕雲型の部屋も、どちらも寝静まっている。

ここにいるのは雪風ただ一人。

そう思うと、自然と涙が溢れてくる。

「みんな沈んだわけじゃないです、眠ってるだけです……」

暗い思考を払うように頭を振り、廊下を進んでいく。


執務室への階段の前で立ち止まる。

「しれぇは、まだ起きてるでしょうか……」

一歩一歩、ゆっくりと階段を上り、軋む廊下を歩いていく。

そして、両開きの大扉の前で立ち止まる。

ドアノブに手を掛け、ふと考える。

しれぇが眠っていたらどうしよう、しれぇが目を覚まして雪風のことを咎めたらどうしよう、

そもそもしれぇに迷惑なんじゃないかと……

そんな思考を止めたのは部屋の中からの声でした。

「そこにいるの、雪風だろ。そこで突っ立ってちゃ寒いだろ。入りな」

そっと扉を開けると、机上の蝋燭に照らされて、腕を組んで座っている提督の姿。

433: 2014/02/04(火) 02:19:12.09 ID:KcHGpl9xo
「しれぇ、起きてたんですか……?」

「起きたんだよ。足音がしたんでな。電気は付けたくなかったんで手探りで蝋燭探して火ぃつけた」」

「それになんで雪風だとわかったんですか……?」

「床板のきしみ方もあるが、こんな夜の夜中に俺の部屋の前まで来て躊躇うのは雪風ぐらいのもんだ」

「しれぇは、何でもご存知なんですね…」

「何でもってわけでもないが……眠れないんだろう?」

「はい……」グスッ

「こっちにおいで」

手招きする提督の方へ、雪風はふらふらと夢遊病者のように近づき、その胸へ飛び込んだ。

434: 2014/02/04(火) 02:19:52.73 ID:KcHGpl9xo
「しれぇ、しれぇ……」

つぶらな瞳を涙でいっぱいにしてしゃくりあげる雪風。

そんな雪風をあやすように頭を撫でる提督。

「……言いたくなければ言わなくてもいいが……、どんな夢を見たんだ?」

「皆みんな沈んでいって、海原にひとりぼっちで、皆雪風を呪って、罵って……」

「うちの鎮守府には、お前にそんなことを言う奴なんていねぇ。それはお前がお前を許してないだけだ」

「でも……」

「思い詰めんな。辛くなったら俺を頼れよ。今みたいに」

雪風をぎゅっと抱き寄せる。

「……しれぇ、ありがとうございま…ぐすっ」

「気にすんない」

「……また、しれぇと一緒に眠りたいです…」

「そっか。じゃ、一緒に休むか?」

そう言うと提督は雪風を抱きかかえたまま、ベッドへ潜り込んだ。

「おやすみ、雪風」

「しれぇも、おやすみなさい……」

436: 2014/02/04(火) 03:34:09.41 ID:9hskimXjo
乙です

438: 2014/02/04(火) 08:31:04.43 ID:388SWBZ90
乙ですしれぇ!
>>1はケッコン雪風とするの?

泣き虫雪風と釣り人提督【その6】

引用: 【艦これ】泣き虫雪風と釣り人提督