1: 2024/10/08(火) 19:29:54 ID:???Sd
私には妹2人と弟がいる

4人兄弟の長女だ

ほぼ毎日私が食事を作る

お風呂に入れ寝かしつけるまでの面倒も見る

保育園の時は送り迎えもしていた

2: 2024/10/08(火) 19:32:04 ID:DDHHHRqMSa
これはもう中学生の頃からの日課になっている

これが当たり前になり苦では無くなった

仕事が忙しいママの力になりたいし

長女としてやれる事はやりたい

弟や妹も私を慕っていて嬉しく思う部分もある

3: 2024/10/08(火) 19:32:57 ID:DDHHHRqMSa
今日も放課後、夕食の材料を買いにいつものスーパーに来ている

にこ「今日は鯵のフライにしようかな」

にこ「野菜が高くなったわねぇ」

家計も私に任されているので節約を心掛ける

にこ「よし、こんなもんか」

5: 2024/10/08(火) 19:34:00 ID:DDHHHRqMSa
買物を済ませて店を出た

今日は部活で遅かったからもう暗くなったわね

早く帰って私を待ってるチビ達の食事を作らないと

凛「あっ、にこちゃん」

にこ「凛じゃない」

6: 2024/10/08(火) 19:34:56 ID:rzMk7YTMSa
にこ「買物?」

凛「ラーメンの具を買って帰るにゃ」

にこ「あんたラーメンばっかりね」

凛「寝る前のラーメンは欠かせないにゃ」

にこ「よく太らないわね」

7: 2024/10/08(火) 19:35:43 ID:rzMk7YTMSa
凛「にこちゃんとは運動量が違うからね」

にこ「やってる事変わんないでしょ」

凛「にこちゃんは何を買ったの?」

にこ「晩ご飯の材料よ」

凛「どれどれ」

8: 2024/10/08(火) 19:36:05 ID:rzMk7YTMSa
にこ「あっ、勝手に見るな」

凛「少しくらいいいじゃん」

凛「ん、なにこれ」

にこ「ちょっと!」

にこ「なにしてんの」

9: 2024/10/08(火) 19:36:33 ID:rzMk7YTMSa
凛「魚と」

にこ「しつこいわよ」

凛「まぁまぁ」

凛「矢澤家の今日の献立は」

にこ「やめなさい!」

10: 2024/10/08(火) 19:37:14 ID:rzMk7YTMSa
ドン!

凛「うわっ」ズルッ

ドスッ ゴツン!

にこ「もう」

にこ「調子に乗るからよ」

にこ「凛?」

11: 2024/10/08(火) 19:37:38 ID:rzMk7YTMSa
にこ「…」

にこ「また騙そうとしてんでしょ」

え、頭から血が

にこ「凛?凛!」

にこ「動かない、どうしよう…」

12: 2024/10/08(火) 19:38:17 ID:rzMk7YTMSa
にこ「誰か…」

あ、救急車…

いやまって、これ私退学になる?

かなり強く突き飛ばしたし

事故になるの?暴行?氏んだら殺人?

13: 2024/10/08(火) 19:38:38 ID:rzMk7YTMSa
逮捕される?

ママや妹達は…

うわぁぁ!

周りを確認する

誰もいない、見てない

14: 2024/10/08(火) 19:39:08 ID:rzMk7YTMSa
隠さないと

あ、あの大きいポリバケツなら


ハァ、ハァ

早く逃げないと

家に着いた

15: 2024/10/08(火) 19:39:45 ID:rzMk7YTMSa
食事を作るどころじゃない

妹達にはパンを買って食べさせた

ニュースを見るのも怖い

パトカーの音がする

にこ「どうしようどうしようどうしよう」

胸が苦しい

考えれば考えるほど苦しくなる

16: 2024/10/08(火) 19:41:00 ID:rzMk7YTMSa
気になりネットで調べる

故意無く突き飛ばした場合でも 傷害罪 傷害致氏罪?

過失は不注意の場合?

怖くなってやめた

その晩、私は一睡も出来なかった


次の日の朝

フラフラだけど落ち着かず登校した

17: 2024/10/08(火) 19:42:00 ID:rzMk7YTMSa
凛のクラスを見に行ってみた

花陽「凛ちゃんが昨日から行方不明なの」

にこ「私を見つけた花陽が泣きながら言った」

真姫は泣いては無いが俯いている

夢でなく現実なのだ


花陽「にこちゃん...」

にこ「え?」

花陽「…ううん」

にこ「……」

18: 2024/10/08(火) 19:42:59 ID:rzMk7YTMSa
放課後部室に集まる

絵里「昨日まで普通に練習してたのにね」

希「心配やね…」

まだ凛の身体は見つかってない

学校が終わったら確認しに行こうか

いや、もし監視カメラとかに写ったら怪しまれる

あ、あそこにカメラはあったのかな?

あったらにこはもう終わり

あの時すぐに救急車を呼べば良かった

殺意なんて無かったのに

19: 2024/10/08(火) 19:44:30 ID:rzMk7YTMSa
凛の身体を隠し逃亡した時点でもう重罪決定よね?

もし生きてて隠したせいで氏んだとしたら…

馬鹿馬鹿馬鹿

にこの大馬鹿

轢き逃げのニュースでよく聞く気が動転してしまい逃げたと言うのはこういう事だったんだと

あの場面では混乱し冷静に判断が出来なかった

後の事のつまらない事ばかり考えてしまって

返って大事になってしまうのに

今更後悔しても遅い

なんとかしないと

20: 2024/10/08(火) 19:45:51 ID:rzMk7YTMSa
希「にこっち」

希「にこっち!」

にこ「え!なに?」ビクッ

希「にこっち、顔色悪いよ?」

にこ「…こんな時に顔色悪くない方がおかしいわよ」

希「そうやね…」

にこ「当分部活は無理でしょ?」

絵里「出来る状態じゃないわね」

絵里「多分μ'sのメンバーは警察から色々聞かれると思うし」

希「事件って事になってまうんかな」

穂乃果「え、事件?」

絵里「今日も帰って来なかったらそうなるかもしれないわね」

真姫「凛は無断外泊するような子じゃないわ」

真姫「何かに巻き込まれたのかもしれない」

21: 2024/10/08(火) 19:48:29 ID:fX1kLfBcSa
花陽「やめてよ…そんなの」

真姫「ごめん、でも考えられるのはそれくらいよ」

真姫「昨日はいつもの凛と変わらなかったし」

花陽「昨日は真姫ちゃんが用事があったから私と2人で帰ったんだけど」

花陽「別れるまで凛ちゃん変わり無かったよ」

穂乃果「みんなで探そうよ!」

絵里「それは多分先生に止められると思うわ」

海未「勝手な行動はしないようにと言われるでしょうね」

希「何が起こったのか分かって無いんやもんね」

ことり「私達で何か出来る事は無いかな?」

にこ「無いわね」

絵里「警察に任せるしかないわね」

絵里「後から先生に言われると思うけど」

絵里「皆も夜はなるべく出歩かないようにしましょう」

絵里「部活動はしばらく休みにします」

絵里「いいわね?部長」

にこ「聞かなくても当たり前でしょ」

希「今日はこれで解散にしよか」

絵里「暗くなる前に帰りましょう」

22: 2024/10/08(火) 19:49:10 ID:fX1kLfBcSa
絵里「なるべく学年の皆で一緒に帰る事にしましょうか」



穂乃果「誘拐とか無いよね…?」

ことり「穂乃果ちゃん」

海未「滅多な事言わないでください」

穂乃果「じゃあ凛ちゃんどうしちゃったの!」

海未「それが分からないから困ってるんじゃないですか」

海未「探しに出たりしないで下さいよ」

穂乃果「分かってるよ」

ことり「お母さんから何か聞けたら連絡するよ」




絵里「大変な事になったわね」

希「連絡も無いってのは真姫ちゃんが言うようになにか巻き込まれたんやろうね」

絵里「1年生の前では言えなかったけど迷子になるような歳でも無いし」

絵里「事故なら連絡が来る筈だし」

絵里「何かで身動き出来ない状態になってるとしか」

23: 2024/10/08(火) 19:49:54 ID:fX1kLfBcSa
希「連れ去られたとかじゃ無けりゃええけど」

にこ「やめなさいよ」

希「あ、そうやね…」


私がやったのよ

今は凛が生きてるのか氏んでるのか分からない

あの時は動転してろくに確認もしなかった

でも生きてたらもう出て来てるわよね

情報が来ないからまだ誰にも見つかってないはず

まだ行方不明のニュースにもなってない

幼児でも無いしいなくなって24時間も経って無いしね

なにをしたらいい?

今にこはなにをするべき

あれじゃ隠したうちに入らない

近い内に見つかってしまう

24: 2024/10/08(火) 19:50:30 ID:nJyahVsESa
あのバケツをなんとかしないと

でも凛の身体をあそこから移動させるには力の無い私じゃ無理

リアカーとかに乗せる?

それでもそんなに遠くには行けないだろう

行けたとしてその後は?

途中で警官に会ったら

無理ね

車にも乗れない、力も無いにこには移動させるのは無理

考えるのよ にこ

あの証拠を消すには

誰かに頼む?

協力してくれる人なんていないでしょ

いたとしても後々危険な関わりが出来る

なに考えてんの

論外だわね

26: 2024/10/08(火) 19:51:35 ID:nJyahVsESa
火をつける

騒ぎを起こすだけでなんの意味も無いか

証拠も消える訳じゃない

放火の罪って重いわよね

罪増やしてどうすんのよ

カメラがあれば残るし

いや、カメラがあったのなら今更何をしようと無駄

もうあそこにカメラは無いと考えよう

すぐになにか行動しないと

あ、凛のスマホは?

警察が動いてるならもう位置がばれてるんじゃ

あの時にそこまで頭回らないわよ

出来る事がなにも無い

もう駄目か




真姫「ねぇ花陽」

真姫「花陽?」

花陽「…凛ちゃんは襲われた」

真姫「え?」

花陽「真姫ちゃん」

27: 2024/10/08(火) 19:52:20 ID:nJyahVsESa
真姫「なに?」

花陽「……」

花陽「ごめん、なんでもない」

真姫「花陽…」

┈┈


落ち着かない

寝られない

あそこに確認しに行きたい

でも怖い

もう自首しようかな

でも結局罰を受けて家族に迷惑かけるのは同じ

どうしたらいいの

夜が明けた

家に居ても落ち着かない

登校した

28: 2024/10/08(火) 19:53:37 ID:vTNTX4WISa
教室に着く前にメールが

絵里から?

絵里に呼ばれたみんなが部室に集まった

絵里「理事長から少しだけど凛の話を聞
きました」

絵里「ことり達はもう知ってるわね」

ことり「……」

絵里「凛が見つかったわ」

うわ…

血の気が引く

皆が騒ぐ

花陽「凛ちゃんは無事なの!?」

絵里「…意識が無いそうよ」

生きてたんだ…

花陽「何があったの!?」

真姫「事故なの?それとも誰かに」

絵里「詳しい事はまだ教えて貰えなかったわ」

絵里「発見されて意識不明としか」

絵里「病気では無いと思うけど」

29: 2024/10/08(火) 19:53:59 ID:vTNTX4WISa
絵里「いずれニュースに出るでしょうけど」

絵里「この事は他言しないで」

穂乃果「病院も分からないの?」

絵里「ええ」

絵里「分かったとしても今は面会出来ないわ」

花陽「凛ちゃん…」

穂乃果「私達じゃなにも出来ないんだね」

希「でも最悪の結果じゃ無かったから」

にこ「……」

真姫「凛の意識が戻るまで待つしかないわね」

花陽「戻るの…」

真姫「え?」

花陽「どうしよう、凛ちゃんが起きなかったらどうしよう!」

真姫「花陽!」

ことり「落ち着いて、花陽ちゃん」

30: 2024/10/08(火) 19:54:49 ID:vTNTX4WISa
しばらく頭が真っ白になってた

見つかったか…

やっぱり早かったな

どうする

このままどこか逃げよっか

どこによ?

気持ち悪い

足が震えてる

貧血?

ママ

あれ?

あ、倒れ…

希「にこっち!」

ことり「にこちゃん!」

海未「保健室に!」

┈┈┈

31: 2024/10/08(火) 19:55:37 ID:vTNTX4WISa
にこ「うぅ」

希「あ、起きたよ!」

穂乃果「にこちゃん!」

倒れたんだ…

にこ「凛は?」

絵里「まだ新しい情報は入ってないわ」

にこ「そう…」

海未「にこ、大丈夫ですか?」

にこ「寝不足みたい」

絵里「今日はもう帰った方がいいわね」

仕事中のママに連絡されて連れて帰られた

凛が生きてて良かった

でもまだ意識が無い

このまま氏ぬかもしれない

そうなると殺人?

32: 2024/10/08(火) 19:56:04 ID:vTNTX4WISa
殺意は無かったのに

どこかに逃げたい

行く所なんて無いし

絵里に相談しようか

しても警察に行けってなるだけか

私が捕まったら家族はここで普通に生活していられるんだろうか

ワイドショーみたいにマスコミが家に群がる

ママや弟妹達を確実に苦しめる事になる

μ'sはどうなるの

メンバーから犯罪者が出たら終わりよね…

ニュースに写真は出なくてもネットに出回るんだろうな

メンバーの今までの苦労が全てにこのせいで…

私は退学よね

それどころじゃないか…

気が狂いそう

33: 2024/10/08(火) 19:57:08 ID:f.a5w9MYSa
今ならまだ自首扱いになるかもしれない

もう無理だよね

捜査中だろうし絶対分かるわよね

いつ私ってばれるんだろう

もう氏んじゃおうか

氏んだら許して貰えるかな

どうせこれから生き地獄よね

皆にも顔向け出来ない

もう5時か

全然眠くない

チャイムが鳴った

6時20分

こんな時間に

あ?

うそ

来たの…

ごめんね ママ チビ達

34: 2024/10/08(火) 19:57:56 ID:ww5Q/MeMSa
想像してたより警察が多い

「矢澤にこさんですね」

「心当たりありますよね?」

にこ「…はい」

ママは何が起こってるのか分からないで動揺してる

女性警官と話している

隠してたポリバケツが店員に見つかった

頭部強打による脳挫傷

意識不明の重体

やっぱり防犯カメラに凛といる所が写っていた

完全に言い逃れ出来ず

犯行を認めた

未成年でも手錠するんだ

なんて馬鹿な事思ってる

こんなクライマックスに

35: 2024/10/08(火) 19:59:10 ID:ww5Q/MeMSa
傷害と救護義務違反の疑い

6時52分

逮捕

わたし終わった

┄┄┄┄┄



ことり「…本当なの?」

希「嘘やろ…」

絵里「にこは認めたらしいわ…」

穂乃果「うぅ」

海未「穂乃果…」

花陽「…にこちゃんが何か知ってるかもと思ってました」

絵里「え?」

花陽「あの日の朝礼前に花陽のクラスに来たんです」

花陽「上級生でにこちゃんだけが」

花陽「真っ青で様子もおかしかった」

36: 2024/10/08(火) 19:59:59 ID:/6hhbWsESa
花陽「確認しに来たんだと思います」

穂乃果「なんで…」

ことり「どうしてこんな事になったの?」

絵里「まだ詳しくは分からないの」

真姫「…μ'sもお終いね」

穂乃果「やだよ!そんなの」

海未「信じられませんよ…こんな」

希「事故やないの?なにか理由があったんよ…」

真姫「にこちゃん…」

37: 2024/10/08(火) 20:02:08 ID:/6hhbWsESa
取調べ

原因を聞かれた

正直に全て話した


その結果

少年鑑別所から少年院へ

さよなら みんな

ごめんね

38: 2024/10/08(火) 20:02:41 ID:/6hhbWsESa
┈┈


にこ「…朝か」

蒸し暑くてろくに眠れなかった

にこ「食パン残ってたはず」

にこ「無いわ、あと1枚あったのに」

にこ「ネズミか?」

にこ「朝は抜きね」

昼は無いから晩まで我慢しないと

にこ「背中痛い」

にこ「寝起きが一番だるいわ」

にこ「あーあ、また1日が始まるのか」

にこ「暑い…」

にこ「10時半か、耐えられなくなってきた」

昼前にはここにはいられなくなる

夏なんて永遠に来なければいいのに

にこ「早目にスーパーに行くか」

歩いて20分くらいで毎日のように行くスーパーがある

夏はそこに涼みに行く

いつものベンチに座る

あぁ涼しい

平日のこの時間は年寄りが多い

39: 2024/10/08(火) 20:03:54 ID:FqXQ84sESa
もう常連の顔を覚えた

にこ「喉が渇いたな」

にこ「39円の水を買うか」

にこ「でも39円あればうどん玉が買える」

にこ「やっぱトイレで飲むか」

トイレに行き水を飲みベンチに戻る

このまま横になって眠りたい

でも注意されるから出来ない

お腹空いたな

まだ何も食べてないよ

にこ「今日は何を買おう」

にこ「うどん玉ともやしとあとなんか安い物」

いつも似たようなもんだ

冷蔵庫が無いので生物は買い溜めは出来ない

夕方までは暑くて帰れない

座ってると腰や尻が痛い

時間が経つのが遅い

空腹だから歩くのきつい

明日は仕事だから体力温存しとかないと

17時半 食料を買ってスーパーを出る

40: 2024/10/08(火) 20:05:00 ID:yDq8bk2ASa
日差しが強い

にこ「まだ暑いわね」

ずっと暑いんだからキリがないし

住処に戻る

買った物が痛まないうちに早速夕食を作る

カセットコンロを外に出す

フライパンを出す

ボンベを振る

にこ「もう残り少ないわね」

にこ「はぁ」

火をつける

買ってきた物を炒める

味付けは醤油のみ

今日初めての食事は2分もかからず食べた

フライパンを洗う

ペットボトルに水を溜める

中に入るとまだ暑い

21時まで外で過ごした

ベニア板に囲まれたテントの中に入る

ここが私の寝床

というか家

わたしはホームレスになった

41: 2024/10/08(火) 20:06:17 ID:m9W08D46Sa
少年院出所の日にはママが来た

家族の元に帰った

ママは私への接し方が変わったが気遣ってくれた

弟と妹達は口も聞いてくれなかった

私のせいで虐めとかあったみたいだ

ママは当時勤めていた職場を退職しパートを掛け持ちしていた

収入はかなり減ってしまったようだ

秋葉原の家はもう帰る事が出来なかった

古いアパートに引っ越していた

家族みんなにもかなり迷惑をかけてた事を再確認した

自分もなにか収入になる仕事をしないととは思うんだけど

やる気が起こらず寝ていた

妹に蹴られた

こころ「なんで寝てんの」

にこ「あ、ごめん…」

こころ「犯罪者の約立たずがなんでいるの」

こころ「出て行け」

にこ「ごめんね」

こころ「お前がいると迷惑」

こころ「氏んでよ」

42: 2024/10/08(火) 20:08:15 ID:m9W08D46Sa
夜中に妹達に袋叩きにされた

妹達には思った以上に嫌われていた

私のせいで酷い目にあったのだから

当然の罰だわね

ママには言えない

居たたまれなくなって院から出て1ヶ月足らず

家を出た

ママは引き止めてくれた

でもママも内心は良かったと思ってるかもしれない

正直に言うと殺されるのが怖かった

3人は別人になっていた

懐かれてて面倒見てた頃が懐かしい

もう会う事も無いんだろうな

1人で生きなきゃいけない

家が無くなった

とりあえず住込みの仕事を探した

ハローワーク 就職情報雑誌

高校中退、職歴無しの私には中々見つからない

おまけに住所も無い

身元保証人もいない

まともな所は無理だ

そんな私を雇ってくれる所

夜の商売くらいしか無い

でも身体を売るのは嫌

残るのは水商売くらいだ

キャバクラの面接を受けた

43: 2024/10/08(火) 20:09:10 ID:WYU/8D4ISa
怖い人感じの人が出て来るだろうと緊張していた

しかし出て来たのは普通のおじさんだった

こういう店で働くのは初めて?

週に何回出勤出来ますか?

こんな質問をいくつかされた

質問の後すぐに条件を聞かされた

体験入店 時給1300円

給料は月4回手渡し

募集の案内には体験入店でも時給2000円~って書いてたのに

全く経験無いし仕方ないのか

寮があるのでその場で決めた

何日もホテルに泊まる余裕無いし

初出勤

と言っても研修期間がある

そこでマナーやお酒の作り方等を習う

キャバドレス等はレンタルや自前

何もかも用意してくれると思ってたのにシビアだ

源氏名も自分で決めろと言われた

以前ファンだったアイドルから取った

44: 2024/10/08(火) 20:09:45 ID:WYU/8D4ISa
初めての接客

緊張して胃が痛い

ライブの時よりガクガクになる

いつも愛想が悪かった私が接客とは

先輩のフォローがあるとは言え酷いものだった

思ったよりお酒が飲めない

すぐに酔ってクラクラする

気分が悪くなる

声が上ずる 小さくなる

会話が続かない

女子高から少年院上がりの私だ

大人の男性も社会も知らない

いきなり酔ったおじさんとの会話はハードルが高かった

何度も失敗してマネージャーに怒られた

これ無理かなぁ

早くも辞めたくなった

辛いと思ってたダンスの練習の方が余程ましだ

でも他に雇ってくれるとこなんて無い

また家無しに逆戻りだ

頑張るしかない

生きる為に続けた

先輩は優しい人もいれば意地悪な人もいる

仕事だけでも大変なのに

人間関係どころじゃないのよ今は

キャバ嬢になって1ヶ月過ぎた

次第に小柄で中学生並の見た目の私がいいという偏った客が何人かついた

45: 2024/10/08(火) 20:11:20 ID:WYU/8D4ISa
下手な会話も許してくれてる

意外と客が話す方が多い

会社や家族の愚痴

下ネタは苦手だけど笑って誤魔化す

触ってくる人もいる

それはやめて

説教する人もいる

泣く人とかいるし

色々いるけど交わし方もなんとなく覚えた

会話も自然に出来るようになった

お世辞も言えるようになった

慰め方も上手くなった

お酒も結構飲めるようになってきた

指名も増えた

マネージャーにも怒られなくなった

本指名の常連に新型のスマホを貰った

これ15万以上するやつよね

私のスマホもう古くてボロボロだったんだ~

その話覚えててくれてたんだ~

ありがと~

売ったりしないよ~

嬉しいし!

給料以外にもこういうメリットがある

欲しい物リストを見せたりする

図々しさも覚えた

時給が上がった

時給より肝心なバックも増えた

マネージャーが優しくなった

私の歳の平均月収なんて軽く超えた

なによ、早くやっとけば良かったわ

46: 2024/10/08(火) 20:11:53 ID:mKywCeRISa
客にハイブランドのバッグやアクセも貰える

贅沢も出来る

普通の女子社員じゃ住めないようなマンションを借りた

水商売の方が全然いいじゃない

売れないアイドルなんて生活悲惨でしょ

おじさんの会えてお酒が飲めるアイドルでいいや

ダンスも歌も必要が無い

あの頃の経験でキツくても笑顔を作るのは役に立ってる

今はお金貰えるプロだしね

やるじゃない にこ

金使いも荒くなった

でも順調だった

にこの天職かも

希望が持てるようになった

逮捕された時は人生終了だと思ったのに

顔が可愛いとなんとかなるものね

これもにこの才能よね

ナンバークラスなったし

No.1目指すし 宇宙No.1キャバ嬢

若い内に思いっきり稼いでやろう

47: 2024/10/08(火) 20:12:41 ID:mKywCeRISa
30代のホステスも結構いるわよね

あと15年?くらいはこの仕事やれるかな?

そろそろ貯金でもしようっと

将来の事まで考える余裕が出来た

幸せになってやるんだから!


しかし人生そんなに甘くはなかった


お酒のせいで胃が荒れた

食欲が無い

頭痛やむくみも酷くなった

病院へ行った

胃だけでなく肝臓も腎臓もダメージを受けてるのが分かった

アルコールは止めるように言われた

そんな事したら仕事出来ないじゃない

生活出来なくなる

薬だけ貰って無視した

身体がだるい

48: 2024/10/08(火) 20:13:31 ID:ms0cEgiASa
疲れてるのに眠れない

やる気が出ない

イライラする

体力も無い

店の子に言われた

「メンタルにきてんじゃないの」

「多いようちの子も」

「薬もらったら?」

心療内科に行った

眠剤を飲むのが習慣になった

体重が減った

元々小柄なのに40kg切った

階段登るのも息切れがする

にこ「今日は無理」

にこ「仕事休もう…」

限界が来た

身体も精神的にも完全に参ってしまった

1ヶ月の休暇を貰った

でも仕事を始めるとまた同じ事に

完全に治してから来てよって言われた

49: 2024/10/08(火) 20:14:35 ID:ms0cEgiASa
にこ「解雇ですか?」

「もっと上に行けると期待してたんだよ」

「勿体ないけど今の状態だと駄目だよ」

「治ったらまた考えるから」

クビになった

高い家賃で貯金なんてすぐに飛んじゃう

早いとこ出るしかない

私にはもう水商売しか無かったのに

他に仕事なんて

そもそも身体もまだキツいし

実家なんて絶対帰れないし

もう駄目だ

今度こそ終わり?

ダメ元であの子に相談してみようか

あの店で仲の良かった同僚

「大ピンチだし ウケる」

笑い事じゃないわ

「太客んとこに転がり込む」

絶対嫌だわ

「通院してんだよね」

「じゃあ生活保護受けたら?」

にこ「生活保護」

「この業界結構いるよ」

「あんたみたいに壊れてさ」

「金少しは隠しときなよ」

50: 2024/10/08(火) 20:16:05 ID:gGzApnPISa
ニュースとかで聞いた事はあったけど

考えてもみなかったな

私みたいに若くてもなれるのかな

でもそれしかないわね

区役所に行ってみた

でもやはり若い私には当たりがきつかった

怖気付いて帰ってしまった

調べると支援団体があるらしい

電話して直接行き相談した

そこの人は優しく大丈夫ですよと言ってくれた

区役所に着いて来てくれた

申請の手伝いをしてくれる

一人の時と違いあっさり申請出来た

家族には援助を断るよう連絡してくれた

本当に大丈夫なんだろうか

ソワソワする日が続いた

駄目だったらどうしよう

10日後に開始決定通知書を貰った

生き延びれた

大袈裟でなく本当に感じた

支援団体から連絡が来た

アパートの一室を用意してくれた

しかも食事付きだと言う

こんなに良くして貰っていいのだろうか

世の中には親切な人もいるもんだ


でもそれは罠だった

51: 2024/10/08(火) 20:17:56 ID:VK6ka4pwSa
家賃込みで月13万円程度支給される

しかし私に渡されたお金は月6000円だけ

残りは家賃と食費と手数料として抜かれた

食事は朝晩2回のレトルト食品とパックご飯のみ

その時は知らなかったが貧困ビジネスってやつだった

文句を言ったら怒鳴ってきた

暴力を振るわれた

同じアパートの人に逆らわない方がいいと言われた

役所に事情を話した

面倒くさそうな態度を取られた

駄目だこいつは

話にならない

生活保護は打ち切ってもらう事にした

もうアパートには帰らない

食い物にされるのはごめんだ

路上生活しかないという結論

公園とかで食べ物が貰えるのを知った

炊き出し 食料支援

毎日とはいかないが食事はこれを主に頼る事にした

そこで知り合ったホームレスのおばさんに色々聞いた

女性のホームレスも少ないけどいるらしい

収入源はアルミ缶、銅線、古雑誌などの廃品回収

自転車かリアカーが必要

住む所は自分で確保しなければいけない

あんたはまだ若いから男っぽい格好をしときなさいとアドバイスを貰った

52: 2024/10/08(火) 20:18:50 ID:VK6ka4pwSa
住処を手伝って貰いながら作った

おばさん達の助けもあり何とか生活出来るようになった

そして今に至る

明日は空き缶拾いだ

これも縄張りがあって結構面倒くさい

1kgの買取り値は時によって変動する

1日10000円以上稼ぐ人もいる

私には1日1500~3000円が精々

おばさんに若いのに情けないと言われる

3~6日分の食費にはなる

カセットボンベとか他にも買わなきゃいけない物もあるけど

寝袋や毛布や服などをNPOに支給してもらった

シャワーや洗濯機を時々役所で貸してもらえる

支援は思ったより色々あった

髪は男みたいに短く自分で切った

携帯は解約した

誰とも連絡は取らないので必要無い

元々ネットを使うのは気が進まなかったし

あの時の情報が出て来そうで

たまに駅とかの無料WiFiで天気を調べるくらい

夏は特に辛い

テントの中は40℃を超える事もある

長時間いると氏んでしまう

外に出ても暑い

体力を奪われる

53: 2024/10/08(火) 20:20:40 ID:E83ll56gSa
あの事件を起こさなければ今頃どういう生活してたんだろう

たまに思う

目指してたプロのアイドル、は現実的じゃない

普通に会社員になってたんだろうか

あんなつまんない事でこんなになって

本当に馬鹿だわ

あーどうでもいいや

明日は体力使うから早く寝ないと

暑いなぁ

夏は始まったばかり



夕方住処に戻るとスーツの男がいた

話しかけられた

怖くてすぐに逃げた

遠くから覗くと数分でいなくなった

私の名前を言ってたな

区役所の職員かなんか?

なんなんだろあいつは

まぁいいや


それから3日後

顔を洗っていた私に近づいてくる人がいる

女性?

嘘でしょ…

絵里?

54: 2024/10/08(火) 20:21:55 ID:E83ll56gSa
絵里「にこ」

にこ「なんで…?」

高校の頃とは違うけど分かる 絵里だ

絵里「久しぶり…ね」

絵里「やっと見つけた…」

にこ「なんで来たの」

絵里「にこに会いたかったの」

絵里「ずっと心残りだったのよ」

にこ「帰って」

絵里「大変だったでしょう」

にこ「哀れみに来たの」

絵里「違うわ」

絵里「心配してたのよ」

にこ「私はあんた達に合わせる顔が無いのは分かるでしょ?」

絵里「確かに酷い事をしたけど」

絵里「もう罰は受けたでしょ」

にこ「凛はそうは思ってないわよ」

にこ「凛は…」

絵里「その事を含めて話を聞いて」

にこ「やめて!」

にこ「聞きたくない!」

にこ「聞かされてもどうしようも無いでしょ!」

にこ「私に出来る事は無い」

絵里「あれから苦労したんでしょ?」

絵里「家に行っても会ってくれなかったし」

絵里「その後に家を出たと聞いて」

絵里「随分探したのよ」

絵里「こんな生活してるなんて…」

にこ「余計なお世話よ」

にこ「もう帰ってよ…」

55: 2024/10/08(火) 20:23:12 ID:T1pAld5USa
居辛くて住処に入る

絵里「にこ…」

数分後 誰かが入ってきて髪を掴んで引きずり出された

「ふざけんな」

顔や腹を殴られた

絵里「穂乃果!」

ことり「にこちゃんだ」

にこ「ゴホッ」

にこ「…穂乃果?」

絵里「穂乃果!暴力は振るわないって約束したでしょ!」

穂乃果「許せるもんかこんな奴」

穂乃果「お前のせいで皆どんな目にあったか分かってんの!」

穂乃果「μ'sは解散」

穂乃果「皆が頑張って来た意味も夢も無くなった」

穂乃果「その後もみんなは犯罪者の仲間扱いされてずっと嫌な思いをしたんだ!」

穂乃果「お前が馬鹿な事したせいだ!」

絵里「穂乃果!」

穂乃果「お前がみんなを不幸にした」

穂乃果「どうしてくれんだ!」

にこ「……」

ことり「穂乃果ちゃん、もういいよ」

穂乃果「ことりちゃんも殴りなよこんな奴!」

穂乃果「ことりちゃんもお前のせいで!」

ことり「やめよ?」

穂乃果「なに隠れてんだ!」

穂乃果「なにか言えクズ!」

にこ「……」

にこ「穂乃果、ことり、絵里」

にこ「ごめんなさい」

にこ「でも元に戻す事は出来ない」

56: 2024/10/08(火) 20:24:44 ID:LXc3vxe2Sa
穂乃果「開き直るなよ!」

ドスッ

にこ「ぐっ…」

絵里「にこ!」

絵里「穂乃果もう止めなさい!」

穂乃果「氏ね!お前なんか氏ね」

穂乃果「なんでまだ生きてんだ!」

にこ「頃してくれていいわ」

穂乃果「自分で氏ね!」

穂乃果「見ててやるから氏ね!」

絵里「ことり、穂乃果を連れて帰るわ」

絵里「お願いね」

ことり「うん」

絵里「行くわよ穂乃果」

絵里「にこ、今日はごめんなさい」

絵里「また来るわね」

にこ「……」

穂乃果「なんでこんな奴許してんの?」

絵里「いいからもうやめて、行くわよ」

穂乃果「これで終わったと思うな!」

穂乃果「お前が灰になっても許さないから」


ことり「にこちゃん」

ことり「久しぶりだね」

にこ「ごめんなさい」

にこ「解散したんだろうなくらいにしか思ってなかった」

にこ「ことりにも迷惑かけてしまって」

ことり「うん、そうだね」

ことり「順調に進んでたものが全部壊れたし」

ことり「3年生も私達も1年生もみんな笑って卒業出来るんだろうなと思ってたのにな」

ことり「でも今更にこちゃんを責めても意味が無いよね」

にこ「…ごめんなさ

「本当に悪いと思ってる?」

にこ「!…え」

ことり「にこちゃん明日にでもここから出て行くでしょ?」

ことり「誰かがまた来るから」

ことり「でもここにいてね」

にこ「でも私にはもうなにも出来」

ことり「いいからぁ!!」

ことり「いいから」

57: 2024/10/08(火) 20:26:57 ID:lWAxFjbwSa
ことり「ここにいてね 絶対」

ことり「絶対に」

にこ「……」

ことり「今日はこれで帰るね」

ことり「あ、」

ことり「凛ちゃんがあれからどうなったのか知ってる?」

にこ「…知らないわ」

にこ「知りたくないから…言わないで」

ことり「ねぇにこちゃん」

ことり「なに言ってるのか分かってる?」
にこ「…ごめんなさい」

ことり「ふざけた事言わないで欲しいな」

ことり「また会うかもね」

ことり「じゃあね」


わたしの罪はまだ終わってなかった


次の日の朝

ここから逃げたいと思った

でもことりの事が

暴力を振るう穂乃果よりことりのあの目の方が恐ろしかった

あんなに温厚で優しかった子があんな目を

どれだけ辛い思いをしたんだろう

私のせいで

58: 2024/10/08(火) 20:28:07 ID:lWAxFjbwSa
真姫「絵里」

絵里「あ、お疲れ様」

絵里「悪いわね忙しい時に」

真姫「大丈夫よ」

真姫「会ったんだって?」

真姫「矢澤にこに」

絵里「えぇ」

絵里「穂乃果が暴れてすぐに連れて帰ったんだけどね」

真姫「そりゃそうなるでしょうね」

真姫「私でも殴るかも」

絵里「真姫」

真姫「冗談よ」

真姫「今更会って意味があるの?」

絵里「酷い暮らしをしてるのよ」

真姫「ホームレスだっけ」

真姫「尚更お互い会っても気まずいでしょ」

絵里「真姫は話す気は無い?」

真姫「立ち直ってとか?」

真姫「最近花陽に会いに行った?」

絵里「先々週家に行ったけど…まだね」

真姫「凛と花陽の事を考えるとね」

絵里「真姫の気持ちは分かるわ」

真姫「そろそろ戻るわ」

59: 2024/10/08(火) 20:28:36 ID:lWAxFjbwSa
絵里「あ、ごめんね時間取らせて」

絵里「また時間がある時食事でも」

真姫「絵里は矢澤にこをどうしたいの?」

絵里「え?」

真姫「復讐したいの?」

絵里「…何を言ってるの」

真姫「…」

真姫「じゃあ行くわね」

┈┈

60: 2024/10/08(火) 20:30:12 ID:zSky9QQoSa
「何度もごめんなさいね」

海未「いえ、ではまた伺います」

今日もろくに話も出来なかった

花陽は一向に改善しません

原因が原因だけに

凛は一命を取り留めたが意識不明の状態だった

1週間後に意識を取り戻した

しかし会話が普通には出来ずご両親をも識別出来なかった

意味の無い言葉を時々呟いていた

いずれ改善すると思っていた

しかし主治医はこの先も改善は難しいと判断した

それでも毎日のように見舞いや世話に花陽は病院に通った

私達も初めはしょっちゅう病室に顔を出したが段々間が空くようになった

見ているのが辛かった

花陽だけが続けて通った

しかし花陽もとうとう絶望したのか精神を病んでしまった

部屋に閉じこもるようになり凛の所にも行かなくなった

私達で花陽を元気付けようとするも中々心を開いて貰えず

未だにあまり話が出来てない

にこが捕まった翌日からメンバーはマスコミに付き纏われた

校内でも騒がれ噂をされた

私達の評判はネット上でも悪くなっていく

普段から部内で体罰を行っていた

裏では啀み合う仲だった

虐めがあった

無い事まで噂になっていった

次第に周りから避けられるようになった

みんな精神的に参ってしまった

勿論活動は休止

解散の意見が出始めたが穂乃果だけは最後まで反対した

しかしもう表舞台に出られる状態じゃないし皆やる気も無くなっていた

穂乃果は酷く憤りを感じたのだろう

部室を滅茶苦茶に壊し停学になった

廃部と同時にμ'sは解散した

61: 2024/10/08(火) 20:31:29 ID:Z7hkDIdASa
穂乃果が部室を荒らした後に泣きながら言った言葉が忘れられません

穂乃果「ことりちゃん、海未ちゃん」

穂乃果「巻き込んでごめんね」

穂乃果「本当はやりたくなかったよねアイドルなんて」


μ'sはあの時まで順風満帆だっただけに皆落胆した


花陽は放課後 凛の所へ通い続けた

真姫は今まで以上に勉強に身を入れるようになった
ピアノを弾く事は無くなった

絵里と希は噂の中でも生徒会の仕事を続けた

ことりは裁縫やお菓子作りもしなくなった

穂乃果は一番変わってしまった

停学になった後も素行が悪くなっていった

私が叱っても放っといてと返される

幼い頃から知っている穂乃果では無くなりました

私は穂乃果が恐ろしくなっていた

ことりに頼ろうとした

ことり「穂乃果ちゃんのやりたいようにやらせてあげたらいいんじゃないかなぁ」

いつもの声で信じられない言葉が返ってきた

ことりも変わってしまったのか

いや、前と同じ甘やかしなのかどうか分からなくなってしまった

私達と殆ど話をしなくなった

珍しく遅刻をせず登校して来た日

からかって来た生徒に暴力を振るった

怪我をさせてしまった

穂乃果は退学処分となった

62: 2024/10/08(火) 20:32:50 ID:RMY1tkD.Sa
始めた時はよく考えてませんでしたが全国、世界中で見られるネット

そこに本名で顔出しをするという行為はかなりリスクが高い事でした

特にスクールアイドルという特殊な事をしていた女子高校生

それも界隈でそこそこ有名になってしまっていた

そのメンバーの1人が犯罪を犯した

しかも同メンバーに対して

残った私達も同罪と追い続けられます

たまたまその中の1人が運悪く捕まったに過ぎないと

ファンやアンチもマスコミ同然です

学園の生徒のリークもあるのでしょう

家まで特定されメンバーのあらゆる情報がネット上に広まる

家族にまで迷惑をかけてしまいます

それが消えずに残ってしまうのです

クラスでは私とことりが孤立してしまった

私達と関わりたくない気持ちは分からなくもありません

あんなに朗らだったことりが笑わなくなった

卒業後予定していた留学も白紙になった

励まそうとしたのですが

自分自身も落ち込み覇気が無くなった私では

二人で何度か泣きました

穂乃果の事も心配ですが何もしてあげられません

私もことりも憔悴し鬱気味になっていった

ことりは泣かなくなった代わりに段々と情が消えてしまったように思えた

自分で言うのもおかしいですが私はやる気だけは人一倍強かったと思います

努力するのも苦ではありませんでした

それが抜け落ちてしまったのかもしれません

登校するのが辛い

家を出る時に吐き気がしてしまう

弓道部は続けようとしたものの途中で折れ退部してしまいました

日舞の稽古にも身が入らず失敗ばかりしています

63: 2024/10/08(火) 20:33:53 ID:JjNHhDBgSa
悪い評判が広まった私に将来お弟子さんの指導が出来るのでしょうか

もう無理です

跡継ぎになれそうもありません

父と母に申し訳なくて仕方ありません

私は自分が思うより気が小さく弱いというのを自覚しました

私も変わってしまったのですか

幼い頃は気が弱く泣いてばかりいた

元に戻ってしまったのですか

彼女を許せるかどうか

今は許せそうもありません


穂乃果

初めはアイドルなんてとんでもないと

あなたが言うように突然の思いつきに巻き込まれたと

正直言って嫌でした

恥ずかしかった

でも皆で頑張って認められ始め

やり甲斐が有りました

毎日が今までで一番充実していました

出来る事なら卒業するまで続けたかった

これは本心です

64: 2024/10/08(火) 20:36:29 ID:DQjf9uToSa
真姫「私は元々医学部に行く事が目標だったから」

真姫「解散してもやる事は変わらない」

真姫「父にはアイドルなんてやるからだって言われたわ」

真姫「当然よね」

真姫「父や母や病院にも迷惑かけたしね」

真姫「これからは医師になるのに専念するわ」

真姫「でも悔しいわね」

真姫「あんなに苦労して曲を沢山作ったのに」

真姫「ダンスも歌も頑張って」

真姫「頑張って」

真姫「なんだったんだろあの時間」

真姫「恨んでるわよ」

真姫「私はそんなにお人好しじゃない」

真姫「少しは認めていいかと思った事もあったけど」

真姫「間違ってた」



花陽「私はこれから凛ちゃんのお世話をしていく」

花陽「きっと良くなります」

花陽「前みたいにお話も出来るようになります!」

花陽「遊びに行く事も出来ます」

花陽「アイドルとかもうどうでもいいです」

花陽「私には向いてなかった」

花陽「時間の無駄でした」

花陽「私がアイドルなんてやろうとしなかったら凛ちゃんはあんな事には…」

花陽「私のせいでもあります」

花陽「許せる訳無いじゃないですか」

花陽「一生恨んでやります」

花陽「氏ぬまで少年院から出さないでください」

花陽「ずっと不幸なまま氏んでください」

65: 2024/10/08(火) 20:37:24 ID:DQjf9uToSa
希「うちはまだ信じられん感じやね」

希「でもμ'sも本当に終わったんよね」

希「これからって時だったのにね」

希「受け入れるしかないね」

希「絵里を手伝って高校生活は終わり」

希「どうせ卒業近かったしね」

希「これからなにしよかな」

希「占い師でも目指そか」

希「他になんかあるかな」

希「恨んでるって言うか」

希「何があったんかよく分からんし」

希「ちゃんと聞きたいかな」

希「あ、やっぱり嫌やわ」

希「もう関わらん方がええね」

希「このままあの事は終わりでええんやない」



絵里「辛いわね」

絵里「何も出来なかったのが悔しいわ」

絵里「短い時間だったけど楽しかったから」

絵里「生徒会引退したら卒業するだけね」

絵里「学園はどうなるのかしらね」

絵里「どんな理由があってもやってはいけない事をしたわ」

絵里「でも誰か1人でも支えてあげる人が」

絵里「偉そうな事は言えないけど」

絵里「1人でもいないとね」

絵里「寂しいじゃない」

66: 2024/10/08(火) 20:39:11 ID:DQjf9uToSa
ことり「なんか夢見てるみたいだね」

ことり「悪い方の夢」

ことり「崩れるのは早いなぁ」

ことり「穂乃果ちゃんのサポートのつもりで始めたんだよね」

ことり「アイドルになりたいって気持ちは皆より少なかったかなぁ」

ことり「でも衣装造るのも楽しかったし」

ことり「ダンスや歌も面白くなってきて」

ことり「μ'sが認められ始めて」

ことり「みんなが…」

ことり「うん、もういいや」

ことり「ファッションデザイナーかぁ」

ことり「もう無理みたい」

ことり「色々と」

ことり「疲れちゃった」

ことり「全部が」

ことり「恨み」

ことり「それより」

ことり「あの人が一番アイドル目指してたのにね」

ことり「あんまり自覚無かったのかな」

ことり「失格だと思うな」

67: 2024/10/08(火) 20:40:36 ID:DQjf9uToSa
穂乃果「始めなきゃ良かった」

穂乃果「やらなきゃ良かったんだ」

穂乃果「私のせいだね」

穂乃果「みんなに無駄な事させちゃったな」

穂乃果「ごめんね 海未ちゃん ことりちゃん」

穂乃果「あんなに迷惑かけてこれって」

穂乃果「あいつと一緒に頃して欲しい」

穂乃果「穂乃果も罰を受けなきゃだね」

穂乃果「この先とかもうどうでもいいよ」

穂乃果「わたし頭悪いし何やっても駄目だったし」

穂乃果「これからもそうじゃない」

穂乃果「学校なんかもういい」

穂乃果「勉強嫌いだしね」

穂乃果「辞めちゃおうと思う」

穂乃果「もう夢なんて無くなったし」

穂乃果「海未ちゃん怒らせてばっかりで」
 
穂乃果「ことりちゃんには迷惑ばかり」

穂乃果「2人がいなきゃどの道駄目になってたよね」

穂乃果「あはは、最初から駄目か」

穂乃果「なんなんだろ私って」

穂乃果「みんなにアイドルなんかやらせてすみませんでした」

穂乃果「無責任に突っ走ってすみませんでした」

穂乃果「みんなを不幸にしてしまいました」

穂乃果「私が馬鹿だったんです」

穂乃果「みんな」

穂乃果「ごめんなさい」

穂乃果「本当にごめんなさい」

69: 2024/10/08(火) 20:42:08 ID:169m7f0MSa
あれから数日後

真姫が来た

真姫「会うつもりは無かったんだけどね」

真姫「絵里がねぇ」

真姫「とことん落ちたみたいだけど」

真姫「それは自分への罰かなにか?」

にこ「違うわ」

にこ「少年院から出て私なりに生きて来たけど」

にこ「失敗しただけ」

にこ「それも罰なのかもしれないけど」

真姫「更生しようとは思ったんだ」

にこ「更生とは違うと思う」

真姫「これからもこのまま?」

にこ「…多分」

真姫「見た感じ元気そうだけどね」

真姫「普通に生きようとすれば出来るんじゃないの」

にこ「産まれた時から高い位置にいる真姫には分からないと思う」

真姫「それを維持するには人より努力しないと無理だけどね」

真姫「恨み言の一つでも言おうと思ってたけど」

真姫「その姿を見てその気が無くなったわ」

真姫「穂乃果に殴られたんだって?」

にこ「当然の事だと思ってる」

にこ「私はあの後のあなた達を知らないから」

にこ「穂乃果みたいに思ってる事を残らずぶつけてくれる方がいい」

にこ「真姫にもここで全部出して欲しい」

パシン!

真姫「少しは楽になった?」

にこ「…全然ならないわ」

真姫「当たり前よ」

真姫「楽になられちゃ困るわ」

70: 2024/10/08(火) 20:42:56 ID:169m7f0MSa
にこ「楽にはならない」

にこ「多分ずっと」

真姫「そう」

にこ「真姫」

にこ「ごめんなさい」

真姫「絵里はわざと」

にこ「え?」

真姫「なんでもない」

真姫「もう会う事も無いわ」

真姫「さよなら」





「花陽、高坂さんが来てくれたわよ」

穂乃果「花陽ちゃん、来たよ」

穂乃果「最近来れなくてごめんね」

花陽「…穂乃果ちゃん」

穂乃果「花陽ちゃんに教えてあげたい事があってね」

┈┈

71: 2024/10/08(火) 20:47:05 ID:bBskaDXgSa
「にこちゃん」

「にこちゃん、入っていい?」

また誰か来たのか…

凛「にこちゃん」

にこ「え?凛…?」

にこ「どうしたの?なんでここに!」

凛「凛ね、怪我も治って元気になったんだ」

凛「だからにこちゃんに会おうと思ってね」

にこ「どうして?」

にこ「私の事憎んでないの?」

凛「憎んでないよ」

にこ「あんな事したのに!」

凛「もういいんだ、凛もふざけちゃったしね」

凛「だから仲直りしよう?」

凛「またμ'sのみんなとアイドルやろうよ」

凛「だからね、一緒に戻ろう」

凛「みんなもね、もう怒ってないよ」

凛「みんなでまた歌って踊ろう」

にこ「凛…ごめんね!」

にこ「ありがとう」

凛「あんなバケツなんかに入れられて苦しかったなぁ」

にこ「え、」

凛「にこちゃんってほんとに馬鹿だにゃぁ」

凛「憎んで無いわけないじゃん」

凛「凛氏んじゃったのに」

わあぁぁぁ!!

にこ「はっ!」

え?

…寝ぼけてたの?

久々に凛の夢をみた

凛は今…

1時過ぎか

72: 2024/10/08(火) 20:48:13 ID:1BaSuukkSa
まだ早いな

もう少し眠ろう

音がする

誰か来たの?

今度は夢じゃない

え?

誰か入ってきた?

灯りを付ける

女…

なんか持ってる

ナイフ?

「…さない」

この声

花陽

73: 2024/10/08(火) 20:49:52 ID:1BaSuukkSa
痛っ!

腕が…

刺された?

にこ「え、待って花陽」

構わず刺してくる

あ…

脇腹を刺された

にこ「…痛」

花陽「…凛ちゃん」

花陽「ハァ ハァ…」

花陽「あ…」

74: 2024/10/08(火) 20:50:12 ID:1BaSuukkSa
花陽「あぁ…」

震えてる

にこ「…行きなさい」

花陽「…え」

にこ「いいから、早く」

花陽「…」

にこ「早く!」

にこ「ごめんね 花陽」

花陽「ああぁ」

そう、早く逃げな

75: 2024/10/08(火) 20:53:42 ID:rwdZefsMSa
痛…

でも歩ける、かも

浅かったのかな

血が

傷口洗わないと

76: 2024/10/08(火) 20:55:08 ID:rwdZefsMSa
にこ「つっ、痛い」

洗っても血がどんどん流れるだけだ

血を止めないと

コンビニで包帯とか売ってたかな

縫わないと駄目なやつかな

77: 2024/10/08(火) 20:56:56 ID:rwdZefsMSa
歩くのキツイ…

あともう少し、だけど

買える?

こんな状態で

というか警察呼ばれるよね

78: 2024/10/08(火) 20:57:44 ID:rwdZefsMSa
血だらけだし

痛みが凄い

あ、無理だ

暗くなる

もう立てない

79: 2024/10/08(火) 20:58:42 ID:rwdZefsMSa
気が遠くなってく

終わりかぁ

まぁいいや

花陽なら仕方ない

みんな これで許して

無理、だよね…

┈┈┈
┈┈

87: 2024/10/10(木) 20:39:35 ID:F9r13Kq6Sa
真姫「誰よこんな時間に」

真姫「はい」

花陽「真姫ちゃん…」

真姫「花陽!」

真姫「開けるから入って」

88: 2024/10/10(木) 20:40:46 ID:F9r13Kq6Sa
真姫「よく来てくれたわね」

真姫「でも、どうしたの?こんな遅くに」

花陽「やったよ…」

花陽「凛ちゃん喜ぶよね」

┈┈┈
┈┈

89: 2024/10/10(木) 20:41:51 ID:F9r13Kq6Sa
希「えりち!」

絵里「どうしたの」

希「にこっちが」

絵里「ん、あぁ」

絵里「刺されたみたいね」

90: 2024/10/10(木) 20:42:58 ID:F9r13Kq6Sa
希「え?」

絵里「なに?」

希「なにって…」

希「心配やないの?」

絵里「あぁ、そうね」

91: 2024/10/10(木) 20:44:55 ID:5nzCt8EkSa
絵里「凛の時みたいに意識無いみたいだけど」

絵里「どうなるのかしらね」

絵里「覚めるのかそのまま終わるのか」

絵里「希はどっちに賭ける?」

92: 2024/10/10(木) 20:52:39 ID:WBzck1FQSa

┈┈

にこ「…う」

にこ「ゴホッ」

布団

チューブが鼻に

点滴バッグ

93: 2024/10/10(木) 20:55:12 ID:WBzck1FQSa
目が覚めると病院のベッドだった

看護師が気づき先生を呼んだ

あの後の説明をしてくれた

通行人が救急車を呼んでくれた

94: 2024/10/10(木) 20:58:29 ID:WBzck1FQSa
出血性ショックとやらになりかけていた

腹部外傷で手術した

そのまま今まで眠っていた

私は氏ななかった

運が良いのか悪いのか

95: 2024/10/10(木) 21:04:17 ID:WBzck1FQSa
ベッドに寝るのは久し振りだな

朝昼晩と食事が出てくるのが不思議に思える

何より焼け付くような陽射しと暑さが無い

鎮痛剤の点滴の効き目が切れると傷が疼く

でも私にとってはこの待遇は極楽みたいなもんだ

96: 2024/10/10(木) 21:07:09 ID:WBzck1FQSa
次の日警察が来た

刺し傷だったので事情を聞かれた

花陽の事は言わなかった

自分でやったと

でも自分で刺した傷では無いのは分かるらしい

97: 2024/10/10(木) 21:08:57 ID:WBzck1FQSa
その後歩いてるし

嘘には無理があった

追求された

でも言わなかった

それとは関係は無いんだろうが

家族に連絡されてしまった

103: 2024/10/14(月) 21:26:29 ID:Pyh0h29.Sa
ママが来た

家に帰って来いと言われた

大きな声で泣いてしまった

入院して弱くなってしまったのか

許して欲しい

104: 2024/10/14(月) 21:27:58 ID:Pyh0h29.Sa
家に帰らせて欲しいとお願いした

ホームレスはもう嫌だ

氏ぬほど暑いのは嫌

食べる物の心配をするのも嫌

男に襲われないか怯えるのが嫌

105: 2024/10/14(月) 21:29:51 ID:Pyh0h29.Sa
虫やネズミが嫌 

雨漏りで眠れないのも嫌

缶を拾い集めるのはもう嫌

朝起きて自分が何なのか思い出すのが嫌

先の希望が無いのが怖い

106: 2024/10/14(月) 21:31:39 ID:Pyh0h29.Sa
二度とあの住処に戻りたくない

退院したら家に帰る

弟や妹達に許してもらえるまで何度でも頭を下げよう

殴られるのも我慢しよう

出来る事はなんでもやろう

107: 2024/10/14(月) 21:32:46 ID:Pyh0h29.Sa
家族に少しでも貢献出来るように

そしてまた自立出来るように

家さえあれば

普通の仕事が出来る

これからはまともな人生を送ろう

108: 2024/10/14(月) 21:34:06 ID:Pyh0h29.Sa
刺されて一度氏んだと思って

生まれ変わろう

やり直そう

決めた

あそこにはもう戻らない

109: 2024/10/14(月) 21:38:10 ID:Pyh0h29.Sa
花陽が自首した

殺人未遂

示談で不起訴になる可能性もあった

しかし花陽が拒否した

私の情けは受けたく無いのだろう

110: 2024/10/14(月) 21:39:16 ID:Pyh0h29.Sa
穂乃果「用ってなに」

真姫「あんた何したか分かってんの」

穂乃果「何の事?」

真姫「花陽に教えたんでしょ」

穂乃果「あーうん」

111: 2024/10/14(月) 21:40:27 ID:Pyh0h29.Sa
穂乃果「それが?」

バシ

穂乃果「痛いなぁ」

穂乃果「隠す必要無いでしょ」

穂乃果「花陽ちゃんがそうしたかったからやったんでしょ」

穂乃果「あのままだと花陽ちゃん廃人だったし」

112: 2024/10/14(月) 21:41:21 ID:Pyh0h29.Sa
穂乃果「みんなあいつのせいでしょ」

穂乃果「なんか問題あるの?」

真姫「だったら自分でやりなさいよ」

真姫「ずるいのよあんたは」

穂乃果「親友があんなになっちゃったんだよ」

113: 2024/10/14(月) 21:42:10 ID:Pyh0h29.Sa
穂乃果「ことりちゃんや海未ちゃんだったら私がやってたよ」

穂乃果「一番恨んでる人がやるべきだと思うけど」

穂乃果「花陽ちゃんもあのまま駄目になるより仇討ちした方が気が済むでしょ」

穂乃果「真姫ちゃんも凛ちゃんの親友じゃなかったの?」

穂乃果「本当は喜んでんじゃないの」

114: 2024/10/14(月) 21:42:54 ID:Pyh0h29.Sa
真姫「…」

真姫「一番近くにいた花陽や凛がこんな事になって」

真姫「そんな気分になれる訳ないでしょ」

穂乃果「だったら真姫ちゃんがやれば」

穂乃果「あいつまだ生きてるみたいだよ」

115: 2024/10/14(月) 21:43:43 ID:Pyh0h29.Sa
穂乃果「花陽ちゃんみたいに親友の仇をとったら?」

穂乃果「将来有望なお医者さんがやれる訳ないか」

穂乃果「真姫ちゃんが花陽ちゃん自首させたの?」

真姫「拒んだけど強引にさせたわ」

穂乃果「余計な事するよねぇ」

116: 2024/10/14(月) 21:44:30 ID:Pyh0h29.Sa
真姫「μ'sを始めた責任感じて苦しんでた時は気の毒に思ったけど」

真姫「おかしな方向に狂っちゃったわね」

真姫「あんたの顔はもう見たくないわ」

穂乃果「そうなの、残念だなぁ」

穂乃果「でもずるいのは真姫ちゃんもでしょ」

┈┈

125: 2024/10/17(木) 20:10:46 ID:J548rFHwSa
絵里「大変だったわね」

絵里「心配したのよ」

ことり「はい、お花どうぞ」

ことり「食べ物の方が良かった?」

絵里「傷はどう?」

127: 2024/10/17(木) 20:12:34 ID:J548rFHwSa
にこ「近いうち退院出来ると思うわ」

絵里「何かしてあげる事は無い?」

にこ「大丈夫よ」

絵里「遠慮しないで言ってね」

絵里「こんな事になってしまったけど」

128: 2024/10/17(木) 20:13:17 ID:J548rFHwSa
絵里「花陽を許してあげて」

にこ「謝るのはこっちよ」

にこ「私が追い詰めたんだから」

にこ「ほんとに花陽にも悪い事したわ」

絵里「自分を責めても仕方ないわよ」

129: 2024/10/17(木) 20:14:27 ID:J548rFHwSa
絵里「退院したら実家に戻るんでしょ?」

絵里「にこの力になりたいの」

絵里「なにかあったら私に連絡して」

絵里「同級生だった私に頼ってくれていいのよ」

にこ「絵里」

130: 2024/10/17(木) 20:15:39 ID:J548rFHwSa
にこ「少しは気が晴れた?」

絵里「え?」

ことり「あはははは」

にこ「…ごめん」

にこ「言える立場じゃないわね」

131: 2024/10/17(木) 20:16:58 ID:J548rFHwSa
ことり「絵里ちゃん下手だよねぇ」

絵里「あ…」

絵里「長居するのも悪いしそろそろ戻るわね」

ことり「そうだね、帰ろっか」

ことり「バイバイ にこちゃん」

132: 2024/10/17(木) 20:18:03 ID:J548rFHwSa
ことり「あぁそうだ」

ことり「にこちゃん」

ことり「あのね、凛ちゃんね」

ことり「みんなの事誰も分かんなくなっちゃったんだよ」

にこ「え…」

133: 2024/10/17(木) 20:19:38 ID:J548rFHwSa
ことり「自分が誰かさえ分かんなくなったみたい」

ことり「全然笑わないんだよ」

ことり「泣きもしない」

ことり「ご飯も自分で食べられないんだ」

にこ「…やめて」

134: 2024/10/17(木) 20:21:00 ID:J548rFHwSa
ことり「ぼーっと見てるの」

ことり「なんにも無いとこを」

ことり「なにを思ってるのかな」

絵里「…ことり」

ことり「にこちゃんの事かな」

135: 2024/10/17(木) 20:22:05 ID:J548rFHwSa
にこ「…お願い…やめて」

ことり「凛ちゃん駄目になっちゃった」

ことり「もうずっと治らないんだって」

ことり「だけど一つだけ出来る事があってね」

ことり「たまに歌うんだ」

136: 2024/10/17(木) 20:23:01 ID:J548rFHwSa
ことり「呟いてる感じだけど」

ことり「私たちみんなが歌ってた歌」

にこ「…ぁぁ」

ことり「誰の顔も分かんないのに」

ことり「これだけは出来るんだって」

137: 2024/10/17(木) 20:24:27 ID:J548rFHwSa
ことり「私泣いちゃった」

ことり「にこちゃんに聴かせたいのかもしれないね」

絵里「…ことり…もう」

ことり「にこちゃんにも聴いて貰いたいなぁ」

ことり「あの変わり果てた声」

138: 2024/10/17(木) 20:25:37 ID:J548rFHwSa
ことり「でも」

ことり「でもね」

ことり「凛ちゃんまた寝ちゃったんだ」

ことり「また寝ちゃったんだよ」

ことり「にこちゃん」

139: 2024/10/17(木) 20:27:05 ID:J548rFHwSa
ことり「次はいつ目が覚めるのかな」

ことり「ねぇにこちゃん」

ことり「いつかなぁ」

140: 2024/10/17(木) 20:28:58 ID:J548rFHwSa
あの時 

凛を隠さなかったら

救急車を呼んでいたら

どっちにしろμ'sは終わっていただろう

でも直ぐに治療出来てたら凛はもしかすると

141: 2024/10/17(木) 20:32:35 ID:J548rFHwSa
あの後も私は罪から逃れようとした

生きてて安心したのは罪が軽くなるからだ

終わらない

私の犯した罪にはずっと終わりは来ない

142: 2024/10/17(木) 20:33:56 ID:J548rFHwSa
花陽「後悔ですか」

花陽「してないです」

花陽「反省」

花陽「する必要ないです」

花陽「悪いと思ってません」

143: 2024/10/17(木) 20:35:00 ID:J548rFHwSa
花陽「ただ悔しいです」

花陽「氏ななかった」

花陽「これには後悔も反省もしてます」

花陽「私の心が弱かったせいで」

花陽「もし出れたらやり直します」

144: 2024/10/17(木) 20:36:18 ID:J548rFHwSa
花陽「その為に生きます」

花陽「もういいですか」

花陽「長くて疲れました」

花陽「なんでもいいです」

花陽「早く決めてください」

┈┈

145: 2024/10/17(木) 20:37:13 ID:J548rFHwSa
…朝か

身体中が痛い

今日は食欲が無いわ

朝食はいいか

あまり眠れなかったな

146: 2024/10/17(木) 20:38:24 ID:J548rFHwSa
9時か

そろそろ準備しないと

今日も缶集め

これじゃ体力持たないわね

やっぱり少し食べとこう

147: 2024/10/17(木) 20:39:33 ID:J548rFHwSa
今日はいい天気ね

行くかぁ

この自転車もう錆びてボロボロね

またパンクしたら嫌だな

あーあ

にこ「まだまだ暑いわねぇ」



148: 2024/10/17(木) 20:51:17 ID:???00

鬱ss久しぶりに読めて良かった
後スレ埋め立てや板爆破の中完結してくれてありがとう

引用: 【SS】にこ「私がおかしくなった理由」🆓