234: 2010/07/06(火) 22:39:20.50 ID:gNJ079Ao
浜面「ふー、いい湯だった」

 タオルを頭に乗せて出てきた浜面。
 髪はまだいくらかの水分を含んでいる。

滝壺「ごめんはまづら。ドライヤーこっちに持ってきたまんまにしてた」

浜面「いいよ別に、ほっときゃそのうち乾くだろうし」

滝壺「かぜひいちゃう」

浜面「こんなんで風邪ひくほどヤワな体してねえよ」ヨッコラショ


滝壺「……」ジー

浜面「どうした?」

滝壺「私が乾かしてあげる」

浜面「えっ、いや、別にいいって」

滝壺「嫌なの?」

浜面「いや、嫌じゃないけど、なんていうか」

滝壺「一度してみたかったんだけど。……だめ?」

浜面「だ、だめじゃないです」

259: 2010/07/07(水) 00:34:49.17 ID:FelnT6AO
テン♪テケテケテケテン♪テン♪テケテケテケテン♪
  カコォ~ン パシャンッ

削付き添い「え~、今日の良き日、ご両家がこうしてお揃いになられた事は、大変めでたき事で御座います」

木原「あのな、堅っ苦しい挨拶してねぇでさっさと二人っきりにするぞ。要はこいつらがヤって百合子孕ませんのが目的なんだろうが」

百合子「木ィィ原くゥゥゥゥゥゥン?」

木原「ケッ、ガキが色気づきやがって。出てねえ胸でそいつの○○○おっ勃たせられんのかあ?」

百合子「木原くン木乃伊って好きィ? 全身の水分飛ばしてヒラヒラにして素敵なオブジェ応接間に飾ったげよっかァ?」

木原「ハッ、ヤベェヤベー、百合子ちゃんの迫力に思わずお漏らししちゃいそーになっちゃったあ、百合子ちゃんカワイクてツヨクて辛抱たまんねぇなぁオイ!!」

百合子「チックソ木原」
とある魔術の禁書目録 外典書庫(4) (電撃文庫)
235: 2010/07/06(火) 22:40:35.60 ID:gNJ079Ao
滝壺「はまづら、ここ座って」

浜面「お、おう」チョコン


浜面(こういう妄想も何度かしたことがあるが、いざやってもらうとなると思ったより恥ずかしいな。ただ髪乾かしてもらうだけなのに)


滝壺「ドライヤーの前に、まずはタオルで軽く拭こう」

浜面「オーケー」

 滝壺は、浜面の頭に乗ったタオルを取り払う。

滝壺「髪の毛ぺったんこだね」

浜面「濡れるとこうなるんだよ。なんかすごくダセえよな」

滝壺「これはこれでありだと思うよ」

浜面「そうか? 水も滴るいい男、なんてちって!」

滝壺「大丈夫。私はそんなはまづらを応援してる」

浜面「あれー、今俺何か応援されるようなこと言ったっけー」

ガシガシ

浜面「もうちょい強く。ちょい右。あー、そこそこ。あ゛ー」

滝壺「はまづらオッサンみたい」

浜面「うるせえよ」

滝壺「大丈夫。私はそんなオッサンはまづらを応援してる」

浜面「俺こうやってすました顔でいるけど地味に傷ついてるからな。好きな子にオッサンって呼ばれて悦ぶ奴はレアだからな」

237: 2010/07/06(火) 22:42:17.48 ID:gNJ079Ao
バサッ
カミノケクルーン

滝壺「あ、いつものはまづらだ」

浜面「いつものってなんだよ。にしてもだいぶ乾いたな。もうドライヤーする必要なくね」

滝壺「何言ってるの。ここからが本番だよ」

 ドライヤーを取り出す滝壺。

滝壺「熱かったら言ってね?」

浜面「ああ」

ヴゥゥゥン
ワシャワシャ

滝壺「髪痛んでる」

浜面「やっぱそうなの? 髪とか気にしないから特別な手入れなんて全然してないからな。染めてるし」

滝壺「……はまづららしいね」

浜面「どういうことだよ。やっぱ細かいところに気を使わない男は駄目か?」

滝壺「ううん。そうじゃないよ」

238: 2010/07/06(火) 22:43:17.10 ID:gNJ079Ao
 滝壺はドライヤーのスイッチを切った。
 髪はすでに乾いていた。


滝壺「はまづらは、もっと自分を大切にしたほうがいい」

浜面「何言ってんだ。自慢じゃないが、俺はスキルアウト時代『他人に厳しく自分に甘く』をモットーにしてたような男だぞ」

滝壺「麦野と戦ったときも、ロシアに行ったときも。はまづらはいつも自分のこと二の次にしてた」

浜面「ッ……」

滝壺「私怖かったよ。はまづらが傷つくのをただ見ることしかできなくて。本当に怖かった」

浜面「滝壺……」

滝壺「はまづらは、私にできた新しい居場所なの。だから、もっと自分に優しくしてあげて」


滝壺「……」

浜面「……」

滝壺「よしよし」ナデナデ

浜面「……なにやってんだよ」

滝壺「はまづらのかわりに、はまづらを大切にしてるの」

浜面「……小っ恥ずかしいんだが」

滝壺「大丈夫だよ。私たち以外に誰もいないし、恥ずかしがらなくても大丈夫」ナデナデ

240: 2010/07/06(火) 22:45:41.01 ID:gNJ079Ao
浜面(……ちくしょう、ガキ扱いしやがって。俺のほうが年は上なんだぞ。それに確かに俺はお姉さん好きだけど、どっちかっていうと誘惑系悪女的お姉さんが好きなのであって、こんな風に子ども扱いされても俺のプライドが許さないというかなんというか)ゴニョゴニョ


浜面(だー、くそっ。……幸せすぎる)

浜面「はあ」

滝壺「どうしたの」

浜面「いや、なんかさ、あまりにも幸せすぎてつい溜息が出た」

滝壺「何それ」

浜面「スキルアウト時代もそれなりに楽しかったけど、こんな風に落ち着いた幸せってのは感じなかったな」

 浜面は滝壺に向き合う。
 二人の目が合った。

浜面「それもこれも滝壺、お前のおかげだな」

滝壺「はまづら……」


浜面「俺は別に、自分を大切にしてないわけじゃないんだぜ。俺が傷ついたら悲しむ人がいるってのも理解してる。ただ、自分よりも大切なものを守るには、俺が傷つく以外に方法がなかったってだけで」

滝壺「だからそれが」

浜面「それに、滝壺だって俺のことは言えないぞ。お前ももっと自分のことを大切にしてくれ。見てるこっちがヒヤヒヤするんだよ」

滝壺「……」

浜面「お前は、俺にできた新しい居場所なんだからな」


滝壺「……」

浜面「……」

浜面「おりゃこのやろっ」ワシャワシャワシャー

滝壺「何するの」ウー

浜面「よし、明日は俺が髪乾かしてやるよ」



浜面「滝壺の変わりに、俺が滝壺を大切にする。これでおあいこだ」

滝壺「……うん」

おわり

241: 2010/07/06(火) 22:47:13.61 ID:e9zpX.Io
っしゃ滝壺かわえええええええ!

はまづら乙

260: 2010/07/07(水) 00:35:38.57 ID:FelnT6AO
――――


削板「…………」

百合子「…」

削板「あっ、あのう、ごっ、ご趣味はっ!?」

百合子「……ねェよ」

削板「こっ、根性はお好きですかぁっ!?」

百合子「……はァ?」

削板「根性があれば何でもできます!! わたくしこと、削板軍覇も根性根性ド根性で学園都市第七位になりましたあ!!」

百合子「……そうなンだァ」(めンどくせェな…早く終わンねェかな…)

削板「百合子さん!!」ユリコノテヲワシヅカミガシィッ!!

百合子「ヒッ! 何だよゥ!?」

削板「子供の名前は軍子と百合覇どちらにしまガヴルゥッ!?」ドガッキラーン☆

百合子「早ェ早ェよ早すぎンだろ流石によォ!?しかも娘に決まってンのかァ!!」



木原「ほー、見込みあんじゃねえか」ソギイタミアゲナガラ

削付き添い「あれでですか!?」

木原「大抵の奴は沈黙に耐えきれねえか、ぶっ飛ばされて再起不能だからな。アレ銃で撃たれても平気なんだろ? アレしかいねえだろうが実際」

削付き添い「はぁ……」


百合子「ハァ…ハァ…ンだアイツ……反射突き破って手ェ握ってきやがったぞ化けもンか……」



    はるか上空

削板「うアチィィィイ!?ここは大気圏?成層圏?よくわかんねえ!!だがここは根性だろ!!根性で耐えて根性で百合子さんに再アタックだ!!うおおりゃあああああああああ!!」ドバーン!!


※その日、赤青黄色のカラフルな飛行機雲が観測され、夕方のニュースに取り上げられました。

      終

261: 2010/07/07(水) 00:55:11.53 ID:jpiGXW.o
こういう最強の嫁いたよな……そう…子萌先生チックな……
やっぱ百合子は天使だな

引用: ▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-9冊目-【超電磁砲】