193: 2014/08/27(水) 22:50:03.62 ID:NP3UfaEgo
前回:泣き虫雪風と釣り人提督【その13】
最初から:泣き虫雪風と釣り人提督
2014 Summer AL/MI Operation Final Chapter ホンド・ヘル・オン・アース ~キリング・ウェル・イズ・ザ・ベスト・リヴェンジ~ 後編
194: 2014/08/27(水) 22:51:03.40 ID:NP3UfaEgo
「……マジで分身するとはな。あん畜生最初から知ってたな」
『アッハハハ!! 脆いものね!! 皆、皆沈んでしまえばいい!!』
二人揃って嘲笑する戦艦棲姫。
『テイトクとやら、いるんでしょう? 聞きなさい。今ここで降伏して私たちに下るならあなたの命だけは保障してあげるわぁ』
『さもなくば、ミ・ナ・ゴ・ロ・シ、だけどねぇ!!』
サラウンドで響く戦艦棲姫の降伏勧告。
「……なに、あれ……」
怖気づく丹陽と裏腹に、二人の空母を沈めてなお提督の表情が変わることはない。
通信機の電波出力ダイアルを最大にまで回してマイクのスイッチを入れる。
「お断りだ。そのクソ降伏勧告を駆逐イ級に食わせて帰ってその腐れ砲塔しゃぶって頭弾けろこの錆びた鉄塊の隙間から生まれたファッキンビXチが」
『じゃあ、沈みなさい。あの二隻のように!!』
口汚く罵りつつ、戦艦棲姫の話をばっさり切り捨てる。それを聞いた戦艦棲姫は砲の照準をぷかぷか丸に合わせる。それが何を意味するかは明らかである。
「させるかっ!!」
その動きに即座に反応したのは武蔵であった。戦艦棲姫たちの射線上に割り込み、全門斉射。
他の三人も援護するように砲撃や艦載機を繰り出す。
戦艦棲姫の片方はその動きに呼応し、もう片方の陰から応戦した。
海上のそこらかしこで盛大に火柱が上がる。
「まだだ…まだこの程度で、この武蔵は…沈まんぞ!」
16インチ三連装砲の斉射を受けて艤装も服もボロボロになりながらもなお、武蔵は海面に立っていた。
大和や大鳳も無傷とは行かず、服の一部が破れ、艤装が軋んでいる。実質無傷なのは北上のみ。
一方の戦艦棲姫は、盾になった方が小破、もう片方はほとんど無傷であった。
『……ふん、ざまぁないわね』
砲をこちらに向けて警戒しながら徐々に遠ざかっていく。
『アッハハハ!! 脆いものね!! 皆、皆沈んでしまえばいい!!』
二人揃って嘲笑する戦艦棲姫。
『テイトクとやら、いるんでしょう? 聞きなさい。今ここで降伏して私たちに下るならあなたの命だけは保障してあげるわぁ』
『さもなくば、ミ・ナ・ゴ・ロ・シ、だけどねぇ!!』
サラウンドで響く戦艦棲姫の降伏勧告。
「……なに、あれ……」
怖気づく丹陽と裏腹に、二人の空母を沈めてなお提督の表情が変わることはない。
通信機の電波出力ダイアルを最大にまで回してマイクのスイッチを入れる。
「お断りだ。そのクソ降伏勧告を駆逐イ級に食わせて帰ってその腐れ砲塔しゃぶって頭弾けろこの錆びた鉄塊の隙間から生まれたファッキンビXチが」
『じゃあ、沈みなさい。あの二隻のように!!』
口汚く罵りつつ、戦艦棲姫の話をばっさり切り捨てる。それを聞いた戦艦棲姫は砲の照準をぷかぷか丸に合わせる。それが何を意味するかは明らかである。
「させるかっ!!」
その動きに即座に反応したのは武蔵であった。戦艦棲姫たちの射線上に割り込み、全門斉射。
他の三人も援護するように砲撃や艦載機を繰り出す。
戦艦棲姫の片方はその動きに呼応し、もう片方の陰から応戦した。
海上のそこらかしこで盛大に火柱が上がる。
「まだだ…まだこの程度で、この武蔵は…沈まんぞ!」
16インチ三連装砲の斉射を受けて艤装も服もボロボロになりながらもなお、武蔵は海面に立っていた。
大和や大鳳も無傷とは行かず、服の一部が破れ、艤装が軋んでいる。実質無傷なのは北上のみ。
一方の戦艦棲姫は、盾になった方が小破、もう片方はほとんど無傷であった。
『……ふん、ざまぁないわね』
砲をこちらに向けて警戒しながら徐々に遠ざかっていく。
195: 2014/08/27(水) 22:54:49.81 ID:NP3UfaEgo
水平線の向こうで日が沈む。闇夜が来る。今を逃せば、戦艦棲姫は更に戦力を増強して戻ってくるだろう。
ザザ、と通信が入る。
『提督、聞こえる?』
「北上か。どうした」
『あいつ逃げてくけどどうする?』
「ここで逃したら厄介だ。追撃できるか?」
『アタシだけならなんとかなるかな』
「しかし、両方相手にするのはさすがに辛かろう」
『多分だけどあいつ、陰に隠れてるほうが本体だと思うんだよね。あれ潰せばなんとかなるんじゃないかなー』
「本体を倒せば分身は潰える、ってことか。そうじゃなかった場合が怖いが」
『それは倒してから考えよっ。ほんの一瞬でいい。隙、作れない?』
「と言ってもなぁ……」
『ちょっと目を逸らす程度でいいから』
「……うまく行かなくても怒るなよ」
提督は艦橋に立てかけていた銛を手に取り、発射装置に取り付けた。
ディープスレイヤー
「深海頃しの銛、また使うことになるとはな……」
中二病臭い事を言っているが何のことはない、過去二度深海棲艦に向けてぶっ放した銛である。別にそれが致命打にはなっていない。
「乾坤一擲、当たるも八卦当たらぬも八卦だ」
照準を合わせる。狙いは戦艦棲姫の心臓。分身がカバーに入れない方角からの一撃。
「いけっ!!」
風を切って銛が戦艦棲姫目掛けて突き進む。しかし……。
ドスッ、と鈍い音ともに銛が刺さる。彼女の巨大な艤装の右手の甲に。
『そこまで氏にたいの? いいわ、今一度沈めてあげる』
防御した右手を退け、戦艦棲姫は砲を構えた。いや、構えようとした。
ザザ、と通信が入る。
『提督、聞こえる?』
「北上か。どうした」
『あいつ逃げてくけどどうする?』
「ここで逃したら厄介だ。追撃できるか?」
『アタシだけならなんとかなるかな』
「しかし、両方相手にするのはさすがに辛かろう」
『多分だけどあいつ、陰に隠れてるほうが本体だと思うんだよね。あれ潰せばなんとかなるんじゃないかなー』
「本体を倒せば分身は潰える、ってことか。そうじゃなかった場合が怖いが」
『それは倒してから考えよっ。ほんの一瞬でいい。隙、作れない?』
「と言ってもなぁ……」
『ちょっと目を逸らす程度でいいから』
「……うまく行かなくても怒るなよ」
提督は艦橋に立てかけていた銛を手に取り、発射装置に取り付けた。
ディープスレイヤー
「深海頃しの銛、また使うことになるとはな……」
中二病臭い事を言っているが何のことはない、過去二度深海棲艦に向けてぶっ放した銛である。別にそれが致命打にはなっていない。
「乾坤一擲、当たるも八卦当たらぬも八卦だ」
照準を合わせる。狙いは戦艦棲姫の心臓。分身がカバーに入れない方角からの一撃。
「いけっ!!」
風を切って銛が戦艦棲姫目掛けて突き進む。しかし……。
ドスッ、と鈍い音ともに銛が刺さる。彼女の巨大な艤装の右手の甲に。
『そこまで氏にたいの? いいわ、今一度沈めてあげる』
防御した右手を退け、戦艦棲姫は砲を構えた。いや、構えようとした。
196: 2014/08/27(水) 22:57:18.50 ID:NP3UfaEgo
戦艦棲姫が腕を退けたら目の前に何の感情も浮かべていない重雷装巡洋艦がいた。
197: 2014/08/27(水) 22:59:09.92 ID:NP3UfaEgo
パァン、と奇妙な破裂音がした。
戦艦棲姫の左足首には甲標的の魚雷、右脇腹には61cm五連装酸素魚雷、左肩には14cm単装砲砲弾、そして額には53cm艦首酸素魚雷。
そして目の前の重雷装巡洋艦は消え失せていた。
いや、正確には前方宙返りをしながら戦艦棲姫を飛び越していたのだ。魚雷と砲弾を撃ち込んだ反動で飛び上がったというのか!!
戦艦棲姫の左足首には甲標的の魚雷、右脇腹には61cm五連装酸素魚雷、左肩には14cm単装砲砲弾、そして額には53cm艦首酸素魚雷。
そして目の前の重雷装巡洋艦は消え失せていた。
いや、正確には前方宙返りをしながら戦艦棲姫を飛び越していたのだ。魚雷と砲弾を撃ち込んだ反動で飛び上がったというのか!!
198: 2014/08/27(水) 23:00:05.01 ID:NP3UfaEgo
戦艦棲姫が状況を把握してきっかり一秒後、彼女を中心に凄まじい火柱が上がった。それと同時に分身も消え失せた。
北上は片膝立ちの姿勢で見事着水した。
こつん、と北上の頭に何かが当たる。彼女はそれが海に落ちる前に素早く掴み取った。
「ん、何だこれ? アイツのドロップ?」
北上は片膝立ちの姿勢で見事着水した。
こつん、と北上の頭に何かが当たる。彼女はそれが海に落ちる前に素早く掴み取った。
「ん、何だこれ? アイツのドロップ?」
199: 2014/08/27(水) 23:01:22.79 ID:NP3UfaEgo
「……やったか。全艦帰投せよ」
火柱を見て帰投命令を出す提督。
「でも、翔鶴さんと、瑞鶴さんが……」
丹陽が今にも泣きそうな顔をして俯く。
「ちょっと後ろ見てみ」
「え?」
丹陽が振り向くとそこには白い髪を眼前に垂らした女性が船に這い上がってくるところだった!!
「お、お化けー!!?」
わたわた慌てふためく丹陽を優しく抱きとめるのは……
「ただいま、提督」
「おかえり。そしてすまんな、翔鶴」
瑞鶴もあとを追うように甲板へ上がる。
「ただいまっ。提督さん、これ心臓に悪いよ!?」
「瑞鶴もすまんな。心臓に悪いのは知ってる」
何故二人が無事だったか?
そう、二人ともダメコンこと応急修理要員を連れてきていたのだ!!
「え? え?」
とまどう丹陽。
「俺は何の考えもなしに仲間を氏なせたりはしないよ?」
ネタばらしといわんばかりに提督は肩を大げさにすくめる。
「でもあれホント氏ぬほど怖いわよ!? と言うか何で沈むまで何もしてくれないのあの子達!?」
瑞鶴はなんだかんだと騒ぎ立てる。
「瑞鶴、落ち着いて。それは別に提督のせいじゃないわ」
翔鶴はそっと瑞鶴の頭を撫でる。だが、その手はわずかに震えていた。
「まぁ、なんだ。お疲れ様だ。今はゆっくり休め」
そう言って二人を休憩室に押し込む。
火柱を見て帰投命令を出す提督。
「でも、翔鶴さんと、瑞鶴さんが……」
丹陽が今にも泣きそうな顔をして俯く。
「ちょっと後ろ見てみ」
「え?」
丹陽が振り向くとそこには白い髪を眼前に垂らした女性が船に這い上がってくるところだった!!
「お、お化けー!!?」
わたわた慌てふためく丹陽を優しく抱きとめるのは……
「ただいま、提督」
「おかえり。そしてすまんな、翔鶴」
瑞鶴もあとを追うように甲板へ上がる。
「ただいまっ。提督さん、これ心臓に悪いよ!?」
「瑞鶴もすまんな。心臓に悪いのは知ってる」
何故二人が無事だったか?
そう、二人ともダメコンこと応急修理要員を連れてきていたのだ!!
「え? え?」
とまどう丹陽。
「俺は何の考えもなしに仲間を氏なせたりはしないよ?」
ネタばらしといわんばかりに提督は肩を大げさにすくめる。
「でもあれホント氏ぬほど怖いわよ!? と言うか何で沈むまで何もしてくれないのあの子達!?」
瑞鶴はなんだかんだと騒ぎ立てる。
「瑞鶴、落ち着いて。それは別に提督のせいじゃないわ」
翔鶴はそっと瑞鶴の頭を撫でる。だが、その手はわずかに震えていた。
「まぁ、なんだ。お疲れ様だ。今はゆっくり休め」
そう言って二人を休憩室に押し込む。
200: 2014/08/27(水) 23:02:26.16 ID:NP3UfaEgo
甲板に戻ると他の四人もちょうど戻ってきたところだった。
「おかえり。瑞鶴や翔鶴もだが皆よくやってくれた」
皆ほっとしたような顔を浮かべている。武蔵を除いては。
「ん、武蔵どうした。傷が痛むのか?」
「……いや、なに。もう少し力があれば、ここまで苦戦することはなかったんじゃないかと思ってな」
その言葉に提督はニヤリ、とする。
「力が、欲しいか……?」
「何だ、やけに思わせぶりだな。どっかの小説じゃあるまいし何が出来ると」
武蔵の言葉を最後まで聞かずに、提督は青い箱を武蔵の手に押し付けた。
「……これは」
そう、ケッコンユビワである。
「俺は強くなれるっつーならケッコンカッコカリの遠慮はしないよ?」
「雪風が聞いたら悲しむんじゃないか?」
「雪風はもう知ってるよ」
「そうか……」
武蔵は納得したように指輪をはめる。
「これからもよろしく頼むぜ、相棒?」
「おかえり。瑞鶴や翔鶴もだが皆よくやってくれた」
皆ほっとしたような顔を浮かべている。武蔵を除いては。
「ん、武蔵どうした。傷が痛むのか?」
「……いや、なに。もう少し力があれば、ここまで苦戦することはなかったんじゃないかと思ってな」
その言葉に提督はニヤリ、とする。
「力が、欲しいか……?」
「何だ、やけに思わせぶりだな。どっかの小説じゃあるまいし何が出来ると」
武蔵の言葉を最後まで聞かずに、提督は青い箱を武蔵の手に押し付けた。
「……これは」
そう、ケッコンユビワである。
「俺は強くなれるっつーならケッコンカッコカリの遠慮はしないよ?」
「雪風が聞いたら悲しむんじゃないか?」
「雪風はもう知ってるよ」
「そうか……」
武蔵は納得したように指輪をはめる。
「これからもよろしく頼むぜ、相棒?」
201: 2014/08/27(水) 23:03:18.32 ID:NP3UfaEgo
次回予告!!
「あら、新規着任した皆さん、ごきげんよう」
「すっかりバカンス気分になってるじゃねーか」
いっときの平和が訪れた。だが、まだ終わらない!!
「貴方のその覚悟が見たかった」
「ふざけんなこのスカム野郎」
提督の怒り!!
「あの、輸送任務は……」
「ドラム缶を持とうなんざ百年早い。代わりに爆雷を持て!」
無慈悲な鬼教官!!
「司令官、なにか忘れてないかしら……?」
「さて、何のことやら?」
「私の妹……」
行方しれずの夕雲型末妹!!
「皆さん、今までありがとうございました!」
「向こうでも元気でやれよー!」
そして、別れ!!
2014 Summer AL/MI Operation Epilogue アンダー・ザ・ホワイト・サン
「今夏の掘り運はダメだなこれ」
「早霜さんと大鯨さん出てきたのが絶頂期でしたね」
「あら、新規着任した皆さん、ごきげんよう」
「すっかりバカンス気分になってるじゃねーか」
いっときの平和が訪れた。だが、まだ終わらない!!
「貴方のその覚悟が見たかった」
「ふざけんなこのスカム野郎」
提督の怒り!!
「あの、輸送任務は……」
「ドラム缶を持とうなんざ百年早い。代わりに爆雷を持て!」
無慈悲な鬼教官!!
「司令官、なにか忘れてないかしら……?」
「さて、何のことやら?」
「私の妹……」
行方しれずの夕雲型末妹!!
「皆さん、今までありがとうございました!」
「向こうでも元気でやれよー!」
そして、別れ!!
2014 Summer AL/MI Operation Epilogue アンダー・ザ・ホワイト・サン
「今夏の掘り運はダメだなこれ」
「早霜さんと大鯨さん出てきたのが絶頂期でしたね」
204: 2014/08/28(木) 22:40:46.83 ID:iY4nOAq0o
ぷかぷか丸、甲板。深海棲艦の総大将が討ち取られたことにより、本土侵攻部隊は総崩れとなり、近海に陣取っていた深海棲艦たちは撤退を開始した。
後は戻るだけである。
「そうそう、提督」
後ろから声をかけてきたのは北上だった。
「何だ?」
「はい、これ」
北上が渡してきたのは黒焦げて半ばからへし折れた銛と、握りこぶし大の結晶……『雫』だった。
「ドロップはともかく銛も回収してたのか」
「まぁねー。何はともあれ助かったよ。ありがとね」
手を振り振り船室へ戻る北上。
「……銛、直すか」
後は戻るだけである。
「そうそう、提督」
後ろから声をかけてきたのは北上だった。
「何だ?」
「はい、これ」
北上が渡してきたのは黒焦げて半ばからへし折れた銛と、握りこぶし大の結晶……『雫』だった。
「ドロップはともかく銛も回収してたのか」
「まぁねー。何はともあれ助かったよ。ありがとね」
手を振り振り船室へ戻る北上。
「……銛、直すか」
205: 2014/08/28(木) 22:41:56.51 ID:iY4nOAq0o
2014 Summer AL/MI Operation Epilogue アンダー・ザ・ホワイト・サン
鎮守府、埠頭。
遠征およびアリューシャン・ミッドウェーに行った者以外、ずらり勢ぞろいしていた。手にクラッカーをもつ艦娘も見受けられる。
ぷかぷか丸はゆっくり港に近づいていく。
「まーた大層なことやりやがって」
ぶつくさ言う提督だが、
「提督、口ではそう言っても顔にやけてるじゃん」
北上に突っ込まれる。
「まぁな。いい仲間に恵まれたもんだよ……ん?」
桟橋から飛び降り、ぷかぷか丸のほうへ高速で突進する艦娘。左舷に垂れ下がった縄梯子を掴み、その勢いで甲板へ跳躍!!
「きったかみさぁぁぁぁぁぁん!!」
敬愛する姉の名を叫びながら飛び降りてきたのは球磨型四番艦、大井である。
「北上さんが決めたんですって? すごいじゃない!」
「も~、大井っちってばぁ~」
イチャイチャし始めるが提督は特に気にする様子はない。
「ま、いつものことだしな……」
206: 2014/08/28(木) 22:43:25.92 ID:iY4nOAq0o
一通りの歓迎を受けた後、工廠に入る。
そこには猫吊るしが立っていた。
「まずはおめでとうございます。で、心臓は?」
「アイツのドロップでいいんだろ? ほれ」
先ほど渡された『雫』を猫吊るしのほうへ放り投げる。
「うん、確かに。建造妖精さんかもーん」
ノータイムで建造妖精にたらいまわし。
「おおー、まごう事なきほんものだー」
「これで磯風が呼べる」
「呼べるな」
「呼ぼう」
わきゃわきゃ言いながら建造ドックへ引っ込む妖精たち。
「……あれ? 装置の作成に必要とか言ってなかったか?」
「私は頼まれれば無料で大掛かりな装置を作るマシーンではない。おかしいと思いませんか?」
「お前自分から造ると言ってただろ」
提督の突込みを無視して猫吊るしは言葉を続ける。
「本土を、そして海を護ると言う貴方のその覚悟が見たかった」
「ふざけんなこのスカム野郎。異世界に放り込まれた少女の命運を俺の覚悟に任せんな」
「まぁでも実際勝ったじゃないですか。終わりよければ全て良しってね」
そう言いながら猫をぶんぶん振り回す。
「で、実際出来上がってるのか?」
「もうちょっと時間がかかるんで新規着任艦娘の修練でもしたらどうですかね」
そこには猫吊るしが立っていた。
「まずはおめでとうございます。で、心臓は?」
「アイツのドロップでいいんだろ? ほれ」
先ほど渡された『雫』を猫吊るしのほうへ放り投げる。
「うん、確かに。建造妖精さんかもーん」
ノータイムで建造妖精にたらいまわし。
「おおー、まごう事なきほんものだー」
「これで磯風が呼べる」
「呼べるな」
「呼ぼう」
わきゃわきゃ言いながら建造ドックへ引っ込む妖精たち。
「……あれ? 装置の作成に必要とか言ってなかったか?」
「私は頼まれれば無料で大掛かりな装置を作るマシーンではない。おかしいと思いませんか?」
「お前自分から造ると言ってただろ」
提督の突込みを無視して猫吊るしは言葉を続ける。
「本土を、そして海を護ると言う貴方のその覚悟が見たかった」
「ふざけんなこのスカム野郎。異世界に放り込まれた少女の命運を俺の覚悟に任せんな」
「まぁでも実際勝ったじゃないですか。終わりよければ全て良しってね」
そう言いながら猫をぶんぶん振り回す。
「で、実際出来上がってるのか?」
「もうちょっと時間がかかるんで新規着任艦娘の修練でもしたらどうですかね」
207: 2014/08/28(木) 22:44:28.84 ID:iY4nOAq0o
ミッドウェー。艦娘達はここを拠点に北太平洋の諸島にて輸送や哨戒を行なっている。……はずなのだが。
春雨、大鯨、時津風、雲龍、磯風、早霜を連れてミッドウェーに来た提督は、浜辺ですごく寛いでいる水着姿の南雲機動部隊の姿を目撃してしまった!!
「あら、新規着任した皆さん、ごきげんよう」
赤城が手を振って歓迎する。
「すっかりバカンス気分になってるじゃねーか」
「敵空母がすっかり鳴りを潜めましたからね……」
そう言って赤城は空の向こうを見やる。
つられて上を向くと、彩雲が哨戒を行なっていた。
「なんというイージーワークス」
「まぁそういうことです」
「そうもいかないんだな、これが」
「え?」
ばっさり否定する提督に素っ頓狂な声を上げる赤城。
「まだこの近くうろついてる潜水艦どもを相手にちょっと鍛錬積ませようと思ってな。機動部隊組むのに手伝ってもらうぞ、赤城」
そう言って赤城の手をとる。
「え、そんな急すぎます」
「待ってくれる敵などおらん! まぁ大鯨が改造されるまでの辛抱だ」
ずりずり引っ張られていく赤城。彼女の休息の時はもう少し先になりそうである。
春雨、大鯨、時津風、雲龍、磯風、早霜を連れてミッドウェーに来た提督は、浜辺ですごく寛いでいる水着姿の南雲機動部隊の姿を目撃してしまった!!
「あら、新規着任した皆さん、ごきげんよう」
赤城が手を振って歓迎する。
「すっかりバカンス気分になってるじゃねーか」
「敵空母がすっかり鳴りを潜めましたからね……」
そう言って赤城は空の向こうを見やる。
つられて上を向くと、彩雲が哨戒を行なっていた。
「なんというイージーワークス」
「まぁそういうことです」
「そうもいかないんだな、これが」
「え?」
ばっさり否定する提督に素っ頓狂な声を上げる赤城。
「まだこの近くうろついてる潜水艦どもを相手にちょっと鍛錬積ませようと思ってな。機動部隊組むのに手伝ってもらうぞ、赤城」
そう言って赤城の手をとる。
「え、そんな急すぎます」
「待ってくれる敵などおらん! まぁ大鯨が改造されるまでの辛抱だ」
ずりずり引っ張られていく赤城。彼女の休息の時はもう少し先になりそうである。
208: 2014/08/28(木) 22:45:22.83 ID:iY4nOAq0o
ぷかぷか丸改二、司令室。集まるは急造の機動部隊。
「今回は、対潜部隊の付き添いに参加するだけで練度が上がる謎システムをフル活用する。何か質問は?」
ミッドウェー周辺はいまだに潜水艦部隊がうろついている。これの撃退は急務である。
「あの、輸送任務は……」
「ドラム缶を持とうなんざ百年早い。代わりに爆雷を持て!」
質問をしようとした春雨に爆雷とソナーを押し付ける。
「司令官、なにか忘れてないかしら……?」
早霜がジト目でにらみつけながら意味深なことを言う。
「さて、何のことやら?」
「私の妹……」
「知らない子ですね?」
そう、清霜はついに発見できなかったのだ。早霜にぺこぺこ叩かれるが仕方ない。
「今回は、対潜部隊の付き添いに参加するだけで練度が上がる謎システムをフル活用する。何か質問は?」
ミッドウェー周辺はいまだに潜水艦部隊がうろついている。これの撃退は急務である。
「あの、輸送任務は……」
「ドラム缶を持とうなんざ百年早い。代わりに爆雷を持て!」
質問をしようとした春雨に爆雷とソナーを押し付ける。
「司令官、なにか忘れてないかしら……?」
早霜がジト目でにらみつけながら意味深なことを言う。
「さて、何のことやら?」
「私の妹……」
「知らない子ですね?」
そう、清霜はついに発見できなかったのだ。早霜にぺこぺこ叩かれるが仕方ない。
209: 2014/08/28(木) 22:46:15.63 ID:iY4nOAq0o
「撃って撃って撃ちまくれぇ!!」
「撃ち方、はーじめー!!」
「ふっ、バカみたい」
「しっかり護衛しないと……」
ソ級フラグシップとはなんだったのか。
次々と現れては爆雷を喰らっては沈み行く潜水艦たち。イムヤたちが見たら失神ものであろう。
「あっ、煙幕張って逃げるよ!!」
「残敵を掃射する! 磯風に続け!!」
闇夜の中でも何故かまともに爆雷が当たる。
その間第一艦隊は少女たちが爆雷をぶつけるのを見守るだけである。
手持ち無沙汰なのか雲龍は式紙の数を確認している。
「なんと言うか実戦感がないわね……」
「改造したら速攻珊瑚海へ出撃だから安心しろ。最前線だぞ」
ぼやく雲龍に振りかかる無慈悲な予定。
「それはそれでちょっと……」
「撃ち方、はーじめー!!」
「ふっ、バカみたい」
「しっかり護衛しないと……」
ソ級フラグシップとはなんだったのか。
次々と現れては爆雷を喰らっては沈み行く潜水艦たち。イムヤたちが見たら失神ものであろう。
「あっ、煙幕張って逃げるよ!!」
「残敵を掃射する! 磯風に続け!!」
闇夜の中でも何故かまともに爆雷が当たる。
その間第一艦隊は少女たちが爆雷をぶつけるのを見守るだけである。
手持ち無沙汰なのか雲龍は式紙の数を確認している。
「なんと言うか実戦感がないわね……」
「改造したら速攻珊瑚海へ出撃だから安心しろ。最前線だぞ」
ぼやく雲龍に振りかかる無慈悲な予定。
「それはそれでちょっと……」
210: 2014/08/28(木) 22:47:12.43 ID:iY4nOAq0o
鎮守府、工廠。
何か物々しい装置を背に、猫吊るしがドヤ顔をしている。
「ついに出来ましたよ、異世界転移装置! 時間も空間もぶっ飛んだときからミリ単位制御!! 悪用防止のため一回こっきり!!」
「戻る手段もないのに使う気ねーからよ」
「念のためです」
つまりは、丹陽が帰るということである。
彼女は知り合った一人ひとりと握手をしている。
雪風など人目をはばからず泣いている。いつものことだが。
「提督さん、いままでありがとうございました」
「前にも言ったが礼を言われることなぞしちゃいねぇよ」
そういった提督の顔面に猫がぼふんと叩きつけられる。
「あー、こいつこういうスカしたスカム野郎なんで気にしなくていいですよ」
「何しやがるこの野郎」
猫を引き剥がして投げ返しながら猫吊るしに問う。
「いやいや本当は寂しいんでしょう。わかりますよ、その顔見れば」
猫吊るしは気にした様子もなく猫をキャッチしながらニヤニヤ顔で言う。
「まぁ寂しいのは事実だが顔に出てたか?」
「ただのカマかけです」
「……ファック!!」
騙されたと知って口汚く罵る提督。それを尻目に猫吊るしは装置のスイッチを入れる。
「さ、転移装置作動させますよ。そこの台に乗ってくださいな」
丹陽は台に乗り、振り返って手を振った。
「皆さん、今までありがとうございました!」
「向こうでも元気でやれよー!」
その言葉を最後に、彼女は光とともに、去っていった。
「……これで、終わったか」
「いえいえ、一区切りではありますが、深海棲艦との戦いはまだまだ続きますよ?」
こうして、夏の一大作戦は終わり、鎮守府に日常が戻った。
深海棲艦との終わりなき戦い。いつ終わるかは誰にもわからない。
何か物々しい装置を背に、猫吊るしがドヤ顔をしている。
「ついに出来ましたよ、異世界転移装置! 時間も空間もぶっ飛んだときからミリ単位制御!! 悪用防止のため一回こっきり!!」
「戻る手段もないのに使う気ねーからよ」
「念のためです」
つまりは、丹陽が帰るということである。
彼女は知り合った一人ひとりと握手をしている。
雪風など人目をはばからず泣いている。いつものことだが。
「提督さん、いままでありがとうございました」
「前にも言ったが礼を言われることなぞしちゃいねぇよ」
そういった提督の顔面に猫がぼふんと叩きつけられる。
「あー、こいつこういうスカしたスカム野郎なんで気にしなくていいですよ」
「何しやがるこの野郎」
猫を引き剥がして投げ返しながら猫吊るしに問う。
「いやいや本当は寂しいんでしょう。わかりますよ、その顔見れば」
猫吊るしは気にした様子もなく猫をキャッチしながらニヤニヤ顔で言う。
「まぁ寂しいのは事実だが顔に出てたか?」
「ただのカマかけです」
「……ファック!!」
騙されたと知って口汚く罵る提督。それを尻目に猫吊るしは装置のスイッチを入れる。
「さ、転移装置作動させますよ。そこの台に乗ってくださいな」
丹陽は台に乗り、振り返って手を振った。
「皆さん、今までありがとうございました!」
「向こうでも元気でやれよー!」
その言葉を最後に、彼女は光とともに、去っていった。
「……これで、終わったか」
「いえいえ、一区切りではありますが、深海棲艦との戦いはまだまだ続きますよ?」
こうして、夏の一大作戦は終わり、鎮守府に日常が戻った。
深海棲艦との終わりなき戦い。いつ終わるかは誰にもわからない。
211: 2014/08/28(木) 22:48:55.47 ID:iY4nOAq0o
―― おまけ・NGシーン ――
提督「いよいよラストダンスだ。戦艦を足して火力を増強だ。正規空母にかわりちとちよを入れる」
長門「ついに艦隊決戦か!! 胸が熱くなるな!!」
空母棲姫マス突破
提督「千歳が大破したがダメコンつけてるから問題ない。往くぞ!!」
千代田「敵艦隊、ロストしました」
提督「えっ」
空母棲姫マス再突破
提督「千代田が大破したがダメコンつけてるから問題ない。往くぞ!!」
千歳「敵艦隊、ロストしました」
提督「」
( ゚д゚)
(゚д゚ )
(゚д゚)
長門「こっちみんな」
このあと正規空母3構成に戻してめちゃくちゃ出撃した
提督「いよいよラストダンスだ。戦艦を足して火力を増強だ。正規空母にかわりちとちよを入れる」
長門「ついに艦隊決戦か!! 胸が熱くなるな!!」
空母棲姫マス突破
提督「千歳が大破したがダメコンつけてるから問題ない。往くぞ!!」
千代田「敵艦隊、ロストしました」
提督「えっ」
空母棲姫マス再突破
提督「千代田が大破したがダメコンつけてるから問題ない。往くぞ!!」
千歳「敵艦隊、ロストしました」
提督「」
( ゚д゚)
(゚д゚ )
(゚д゚)
長門「こっちみんな」
このあと正規空母3構成に戻してめちゃくちゃ出撃した
217: 2014/08/29(金) 19:42:30.74 ID:ehZYmxAxo
―― 遠征とは言ったが護衛とは一言も言ってない ――
提督「春雨よ。改造も終わり近代化改修もだいたいなされた。と言うわけでいよいよ遠征だ。爆雷ソナーの時間は終わりだ。ほれ、連装砲だ」
春雨「ありがとうございます!」
提督「この遠征は春雨が旗艦で行ってもらう。できるな?」
春雨「はい、頑張ります!」キラキラ
春雨「白露型五番艦春雨、出撃です!」
彼女の随伴艦は、綾波、ちとちよ、霧島、榛名であった。
春雨(私の初めての遠征だから強い人を一緒につけたのかな? 司令官も心配性ね……)
南方海域、珊瑚海。
春雨「え? え? あれ? 本当にこっちであってるんですか?」
綾波「間違ってないと思いますよ~」
海図を見ると確かに指定地点である。他の4人は全員戦闘準備を整えている。
春雨「え、あの、護衛対象は……?」
綾波「主力艦隊ならそろそろ来ると思いますよ。たしか比叡さん、金剛さん、北上さん、加賀さん、雲龍さん、龍驤さんですね」
最近改になった雲龍を除けば全員一線級のツワモノである。護衛など本来必要ない。
春雨「そもそもこの任務って……」
綾波「艦隊決戦支援任務ですよ」
それを聞いた春雨の顔から血の気がさっと引いた。
春雨「そ、そんな……」
綾波「あ、主力艦隊来ましたね、準備しましょう。緊張しなくても大丈夫ですよ、実際霧島さんたちの攻撃がメインですから」
震える春雨を尻目に、綾波も砲撃準備に入った。
支援砲撃開始から鎮守府に戻り自室のベッドに倒れこむまで春雨は震えっぱなしだったという。
提督「春雨よ。改造も終わり近代化改修もだいたいなされた。と言うわけでいよいよ遠征だ。爆雷ソナーの時間は終わりだ。ほれ、連装砲だ」
春雨「ありがとうございます!」
提督「この遠征は春雨が旗艦で行ってもらう。できるな?」
春雨「はい、頑張ります!」キラキラ
春雨「白露型五番艦春雨、出撃です!」
彼女の随伴艦は、綾波、ちとちよ、霧島、榛名であった。
春雨(私の初めての遠征だから強い人を一緒につけたのかな? 司令官も心配性ね……)
南方海域、珊瑚海。
春雨「え? え? あれ? 本当にこっちであってるんですか?」
綾波「間違ってないと思いますよ~」
海図を見ると確かに指定地点である。他の4人は全員戦闘準備を整えている。
春雨「え、あの、護衛対象は……?」
綾波「主力艦隊ならそろそろ来ると思いますよ。たしか比叡さん、金剛さん、北上さん、加賀さん、雲龍さん、龍驤さんですね」
最近改になった雲龍を除けば全員一線級のツワモノである。護衛など本来必要ない。
春雨「そもそもこの任務って……」
綾波「艦隊決戦支援任務ですよ」
それを聞いた春雨の顔から血の気がさっと引いた。
春雨「そ、そんな……」
綾波「あ、主力艦隊来ましたね、準備しましょう。緊張しなくても大丈夫ですよ、実際霧島さんたちの攻撃がメインですから」
震える春雨を尻目に、綾波も砲撃準備に入った。
支援砲撃開始から鎮守府に戻り自室のベッドに倒れこむまで春雨は震えっぱなしだったという。
227: 2014/08/31(日) 11:22:40.93 ID:u/363UwQo
――― 雨は止む! 止むとは言ったが(以下略) ―――
シトシト降りの雨の鎮守府。出撃は出先の天候も考慮するのでそれすなわち出撃中止ということはないが今日は特に予定もない。
時雨「いい雨だね」
提督「布団を干そうと思った矢先でなければな」
外を見て眉をひそめる提督。
時雨「雨は、いつか止むさ」
提督「まぁそれもそうか」
翌日。雨は降り続いている。
提督「まだ降ってるが」
時雨「秋の長雨というからね」
一週間後。雨は降り続いている。と言うか天候が悪化している
提督「……晴れ乞いの儀式するかファック」
時雨「台風が近づいているみたいだよ。外でたら危ないんじゃないかな?」
提督「なんで布団干させてくれないんだ畜生」
時雨「ドラム缶に布団入れて南方海域かどこかで遠征のついでに干してもらってくればいいんじゃないかな」
提督「……その手があったか、というか先に言えよ!!」
シトシト降りの雨の鎮守府。出撃は出先の天候も考慮するのでそれすなわち出撃中止ということはないが今日は特に予定もない。
時雨「いい雨だね」
提督「布団を干そうと思った矢先でなければな」
外を見て眉をひそめる提督。
時雨「雨は、いつか止むさ」
提督「まぁそれもそうか」
翌日。雨は降り続いている。
提督「まだ降ってるが」
時雨「秋の長雨というからね」
一週間後。雨は降り続いている。と言うか天候が悪化している
提督「……晴れ乞いの儀式するかファック」
時雨「台風が近づいているみたいだよ。外でたら危ないんじゃないかな?」
提督「なんで布団干させてくれないんだ畜生」
時雨「ドラム缶に布団入れて南方海域かどこかで遠征のついでに干してもらってくればいいんじゃないかな」
提督「……その手があったか、というか先に言えよ!!」
234: 2014/09/01(月) 19:08:35.07 ID:nu3bs0wRo
――― 留守番役の憂鬱 ―――
これまでのあらすじ:MI作戦完遂!! 一方鎮守府では……
鎮守府艦娘寮、長門型の部屋。
陸奥「MI作戦、敵増援部隊も撃破完了したそうよ」
長門「結局、私たちの出番はなかったか……」
陸奥「まぁ、数の暴力だしねぇ」
長門「だが、提督の言う本土侵攻部隊があるとすれば、艦隊決戦が……!!」
陸奥「大和型の二人が出るんじゃないかしら?」
長門「まぁ待て。戦艦が三人以上必要になる可能性もなくはない。そうすれば私にも出番はある。41cm三連装砲も貰ったしな」
そんなこんな言い合っていると、鎮守府内に緊急出動用のサイレンが鳴り響く。
つまりは、敵が来ているという事である。
長門「いよいよ艦隊決戦か……腕が鳴るな」
提督『あー、鎮守府内の艦娘全員に告ぐ。南西海域から敵が近づいている。
またなんか客人がこのクソアブネェ時に南西海域に飛び出したと言う情報が入っているファック。
というわけで丹陽の保護および敵主力の撃滅、これを主力艦隊の任務とする』
長門「くるぞくるぞ……」
提督『主力艦隊は旗艦北上、随伴大和・武蔵・大鳳・翔鶴・瑞鶴。支援艦隊は綾波・夕立・千歳・千代田・霧島・榛名。以上十二名工廠に集合』
長門「……」
提督『また、呼ばれなかった者たちも万一の事態に備え、哨戒を怠らないこと。繰り返す……」
長門「」グデーン
陸奥「あらあら」
長門「……しかし、ここで腐ってるわけにもいかん。見回りに行ってくる」
陸奥「いってらっしゃい」
なお鎮守府付近まで辿り着く根性があったのはいつもの1席だけの駆逐だけだった模様
これまでのあらすじ:MI作戦完遂!! 一方鎮守府では……
鎮守府艦娘寮、長門型の部屋。
陸奥「MI作戦、敵増援部隊も撃破完了したそうよ」
長門「結局、私たちの出番はなかったか……」
陸奥「まぁ、数の暴力だしねぇ」
長門「だが、提督の言う本土侵攻部隊があるとすれば、艦隊決戦が……!!」
陸奥「大和型の二人が出るんじゃないかしら?」
長門「まぁ待て。戦艦が三人以上必要になる可能性もなくはない。そうすれば私にも出番はある。41cm三連装砲も貰ったしな」
そんなこんな言い合っていると、鎮守府内に緊急出動用のサイレンが鳴り響く。
つまりは、敵が来ているという事である。
長門「いよいよ艦隊決戦か……腕が鳴るな」
提督『あー、鎮守府内の艦娘全員に告ぐ。南西海域から敵が近づいている。
またなんか客人がこのクソアブネェ時に南西海域に飛び出したと言う情報が入っているファック。
というわけで丹陽の保護および敵主力の撃滅、これを主力艦隊の任務とする』
長門「くるぞくるぞ……」
提督『主力艦隊は旗艦北上、随伴大和・武蔵・大鳳・翔鶴・瑞鶴。支援艦隊は綾波・夕立・千歳・千代田・霧島・榛名。以上十二名工廠に集合』
長門「……」
提督『また、呼ばれなかった者たちも万一の事態に備え、哨戒を怠らないこと。繰り返す……」
長門「」グデーン
陸奥「あらあら」
長門「……しかし、ここで腐ってるわけにもいかん。見回りに行ってくる」
陸奥「いってらっしゃい」
なお鎮守府付近まで辿り着く根性があったのはいつもの1席だけの駆逐だけだった模様
239: 2014/09/02(火) 22:17:04.89 ID:UBvtRe5co
――― やっつける敵がいなければやっつけることは出来ない ―――
吹雪着任直後ぐらいの話。
提督「今回は吹雪旗艦で出撃してもらう」
吹雪「!? 本当ですか、司令官!?」
提督「あぁ、もちろんだ。装備を整え、出撃するのだ。僚艦にはすでに出撃の件を伝えてある」
吹雪「私がやっつけちゃうんだから!」フンス
そして出撃。
飛鷹「敵艦隊、発見したわ!」
吹雪(よーし、頑張って司令官にいいとこ見せないと!!)
ここはキス島周辺。
隼鷹「よーし、攻撃隊、発艦しちゃって!!」
僚艦は飛鷹、隼鷹、千歳、千代田。そして……
千歳「敵艦、残り1!」
ゴーヤ「魚雷さん、お願いします!」
ゴーヤにより最後の一隻もあっけなく撃沈。キス島出撃地点北ではよくあること。
吹雪「あ、あの」
隼鷹「なぁに、気にすることはないさ。一緒に出撃するだけでもいい経験になる。実戦に参加する、この空気が大事なんだよ」
何か言いたそうな吹雪に、艦載機を着艦させながら語る隼鷹。
隼鷹「そうすればいつか晴れ舞台に立つときが来るってモノさ!」
吹雪「……はい! 頑張ります!」
……その後、隼鷹は改二となり、吹雪はドラム缶を背に遠征業務に従事していた。
吹雪「アルェー……」
白雪「駆逐艦が活躍しようにもここは層が厚すぎますからね……」
ドイツ艦のZweiを除いても、提督の嫁である雪風を筆頭に、島風、ヴェールヌイ、綾波、夕立、時雨と、一艦隊まるごと組めるほどに強い駆逐艦が揃っているのだ。
私は改二なりたい。強くそう思う吹雪であった。
白雪(そのダジャレ、既に使い古されてますよ)
吹雪(この子、脳内に直接……!!)
吹雪着任直後ぐらいの話。
提督「今回は吹雪旗艦で出撃してもらう」
吹雪「!? 本当ですか、司令官!?」
提督「あぁ、もちろんだ。装備を整え、出撃するのだ。僚艦にはすでに出撃の件を伝えてある」
吹雪「私がやっつけちゃうんだから!」フンス
そして出撃。
飛鷹「敵艦隊、発見したわ!」
吹雪(よーし、頑張って司令官にいいとこ見せないと!!)
ここはキス島周辺。
隼鷹「よーし、攻撃隊、発艦しちゃって!!」
僚艦は飛鷹、隼鷹、千歳、千代田。そして……
千歳「敵艦、残り1!」
ゴーヤ「魚雷さん、お願いします!」
ゴーヤにより最後の一隻もあっけなく撃沈。キス島出撃地点北ではよくあること。
吹雪「あ、あの」
隼鷹「なぁに、気にすることはないさ。一緒に出撃するだけでもいい経験になる。実戦に参加する、この空気が大事なんだよ」
何か言いたそうな吹雪に、艦載機を着艦させながら語る隼鷹。
隼鷹「そうすればいつか晴れ舞台に立つときが来るってモノさ!」
吹雪「……はい! 頑張ります!」
……その後、隼鷹は改二となり、吹雪はドラム缶を背に遠征業務に従事していた。
吹雪「アルェー……」
白雪「駆逐艦が活躍しようにもここは層が厚すぎますからね……」
ドイツ艦のZweiを除いても、提督の嫁である雪風を筆頭に、島風、ヴェールヌイ、綾波、夕立、時雨と、一艦隊まるごと組めるほどに強い駆逐艦が揃っているのだ。
私は改二なりたい。強くそう思う吹雪であった。
白雪(そのダジャレ、既に使い古されてますよ)
吹雪(この子、脳内に直接……!!)
240: 2014/09/02(火) 22:17:56.05 ID:UBvtRe5co
――― 旅行とは言ったが休暇とは言ってないし仕事がないとも言ってない ―――
デイリー任務の一つとして、補給艦三隻撃沈がある。やらなくてもいいがやると資材が貰えるアレである。
それを容易く黒字に出来るのは潜水艦娘である。また、制海権任務や他ウィークリー任務や燃料回収などもあって、潜水艦娘はこき使われると言う共通認識が艦娘のいる多数の世界で広まっている。
この鎮守府も例外ではない。喜ぶべきことか悲しむべきことか、伊号潜水艦娘の練度は非常に高い。改二がきても安心ね、と断言できるくらいに。
そして、今日もまた……。
提督『あーあー、本日は晴天なり本日は晴天なり。以下の伊号潜水艦は……』
ゴーヤ「またオリョクルでちね」
イムヤ「早く埠頭行きましょ」
提督『……執務室に集合のこと。イムヤ、ゴーヤ、イク、はち、しおい。繰り返す……』
ゴーヤ「!?」
イク「直接じゃないなんて何か裏がありそうなのね」
鎮守府、執務室。
提督の後ろの壁には『ワ級頃すべし』『制海権』『輪形陣許せないぜ』などと威圧的な文言の並ぶ掛け軸がかかっている。
提督「全員揃っているな? 新しい艦娘を紹介しよう」
ゴーヤ「その前に一つ質問いいでちか?」
提督「どーぞ」
ゴーヤ「何でゴーヤたちだけを呼んだの?」
提督「彼女を見りゃわかるよ。ほれ、カモーン」
大鯨「こんにちわあ。潜水母艦、大鯨です」
五人「!!」
提督「というわけでプロジェクト『三泊四日大鯨と行く南方海域の旅』をプレゼント!! いつも頑張っているお前らへの労いだ!!」
五人「やったぁぁぁぁぁぁぁ!!」
南方海域。広い海に魚雷の発射音と深海棲艦の爆沈音が響く。
大鯨「魚雷はまだまだありますからねぇ」
大鯨が全弾発射し終えた潜水艦娘に魚雷を補充していく。新規着任とは思えぬ器用な手つきである。
魚雷再装填、索敵、発射、撃沈、補給……。もはや完全にルーチンワークである。
しおい「そういえばあったね……。30時間長期遠征の任務……」
はち「3セットで90時間……。確かに3泊4日だけど……」
イムヤ「というか大鯨さん、軽空母に改装されてなかったっけ……?」
大鯨「私はきっと、三人目だから……ホントは二人目だけど」
ゴーヤ「あー、だいたいわかったでち」
イク「例の作戦終わっててーとくが捕鯨の発作起こさなくなったのはそういうことだったのね……」
潜水艦娘達の苦労は続く……。
だが忘れてはならない。潜水艦娘達がオリョールの強襲揚陸部隊や空母を撃破したり、南方に出て敵艦を撃沈することで陸海空の安全が確保されていることを……!!
まるゆ「そういえばまるゆは……?」
提督「すまんな、この遠征6人用なんだ。5人で条件満たせるらしいけど」
まるゆ「そんなぁ……」
デイリー任務の一つとして、補給艦三隻撃沈がある。やらなくてもいいがやると資材が貰えるアレである。
それを容易く黒字に出来るのは潜水艦娘である。また、制海権任務や他ウィークリー任務や燃料回収などもあって、潜水艦娘はこき使われると言う共通認識が艦娘のいる多数の世界で広まっている。
この鎮守府も例外ではない。喜ぶべきことか悲しむべきことか、伊号潜水艦娘の練度は非常に高い。改二がきても安心ね、と断言できるくらいに。
そして、今日もまた……。
提督『あーあー、本日は晴天なり本日は晴天なり。以下の伊号潜水艦は……』
ゴーヤ「またオリョクルでちね」
イムヤ「早く埠頭行きましょ」
提督『……執務室に集合のこと。イムヤ、ゴーヤ、イク、はち、しおい。繰り返す……』
ゴーヤ「!?」
イク「直接じゃないなんて何か裏がありそうなのね」
鎮守府、執務室。
提督の後ろの壁には『ワ級頃すべし』『制海権』『輪形陣許せないぜ』などと威圧的な文言の並ぶ掛け軸がかかっている。
提督「全員揃っているな? 新しい艦娘を紹介しよう」
ゴーヤ「その前に一つ質問いいでちか?」
提督「どーぞ」
ゴーヤ「何でゴーヤたちだけを呼んだの?」
提督「彼女を見りゃわかるよ。ほれ、カモーン」
大鯨「こんにちわあ。潜水母艦、大鯨です」
五人「!!」
提督「というわけでプロジェクト『三泊四日大鯨と行く南方海域の旅』をプレゼント!! いつも頑張っているお前らへの労いだ!!」
五人「やったぁぁぁぁぁぁぁ!!」
南方海域。広い海に魚雷の発射音と深海棲艦の爆沈音が響く。
大鯨「魚雷はまだまだありますからねぇ」
大鯨が全弾発射し終えた潜水艦娘に魚雷を補充していく。新規着任とは思えぬ器用な手つきである。
魚雷再装填、索敵、発射、撃沈、補給……。もはや完全にルーチンワークである。
しおい「そういえばあったね……。30時間長期遠征の任務……」
はち「3セットで90時間……。確かに3泊4日だけど……」
イムヤ「というか大鯨さん、軽空母に改装されてなかったっけ……?」
大鯨「私はきっと、三人目だから……ホントは二人目だけど」
ゴーヤ「あー、だいたいわかったでち」
イク「例の作戦終わっててーとくが捕鯨の発作起こさなくなったのはそういうことだったのね……」
潜水艦娘達の苦労は続く……。
だが忘れてはならない。潜水艦娘達がオリョールの強襲揚陸部隊や空母を撃破したり、南方に出て敵艦を撃沈することで陸海空の安全が確保されていることを……!!
まるゆ「そういえばまるゆは……?」
提督「すまんな、この遠征6人用なんだ。5人で条件満たせるらしいけど」
まるゆ「そんなぁ……」
245: 2014/09/03(水) 22:19:01.21 ID:aluoQZ/Xo
――― オンリーワンがオンリーワンでなくなったとき ―――
鎮守府、工廠。艦娘の使用する兵装および使用しない兵装はここに山と積まれている。なおそろそろ満杯。
その片隅ですすり泣きながら砲の手入れをするものがいた。
夕張「ううっ……ぐすっ」
提督「手入れが辛いなら妖精にやってもらえばいいのでは」
夕張「他に辛いことがあるから装備の手入れで気を紛らわせてるんです……」
提督「俺でよければ話聞くぞ?」
夕張「……私って他の軽巡洋艦と違って耐久面が柔らかい代わりに4スロットありますよね」
提督「小さな船体に対し積めるだけ積む方法を模索するための実験艦だったことの反映だろうな」
夕張「えぇ。防御面に不安はありますが昼に対潜、夜に連撃とかしたり、15.5副*3に魚雷でパワフルな夜戦力」
提督「うん。対潜と夜間連撃の組み合わせは実に美味しい」
夕張「で、大淀さん着任したでしょう?」
提督「MI作戦ではお世話になりました」
夕張「彼女も4スロ、しかも私と違って水上機積める!!」
提督「3号3号夜偵探照灯とか昼夜問わずオラオラな組み合わせとかできるね」
夕張「その上耐久力も改二軽巡に負けず劣らず! こんなのライバルどころか勝てっこないじゃない! うわーん!!」
提督「まぁ落ち着け。魚雷や爆雷の扱いに関しては夕張に分があるじゃないか。対潜も出来るし夜戦の火力自体は同じ装備なら夕張のほうが上だ」
夕張「……そうですね! 長所を伸ばしていけばいいんです! さ! 新装備試しましょ!!」
鼻歌を歌いながら砲をがっつり持って工廠を出て行く夕張。
提督(……そういや大淀って生き残り組で運高いんだよな。カットインを考慮したらどうなるか……いや、よそう。夕張が元気になったのに冷や水を浴びせることはない)
鎮守府、工廠。艦娘の使用する兵装および使用しない兵装はここに山と積まれている。なおそろそろ満杯。
その片隅ですすり泣きながら砲の手入れをするものがいた。
夕張「ううっ……ぐすっ」
提督「手入れが辛いなら妖精にやってもらえばいいのでは」
夕張「他に辛いことがあるから装備の手入れで気を紛らわせてるんです……」
提督「俺でよければ話聞くぞ?」
夕張「……私って他の軽巡洋艦と違って耐久面が柔らかい代わりに4スロットありますよね」
提督「小さな船体に対し積めるだけ積む方法を模索するための実験艦だったことの反映だろうな」
夕張「えぇ。防御面に不安はありますが昼に対潜、夜に連撃とかしたり、15.5副*3に魚雷でパワフルな夜戦力」
提督「うん。対潜と夜間連撃の組み合わせは実に美味しい」
夕張「で、大淀さん着任したでしょう?」
提督「MI作戦ではお世話になりました」
夕張「彼女も4スロ、しかも私と違って水上機積める!!」
提督「3号3号夜偵探照灯とか昼夜問わずオラオラな組み合わせとかできるね」
夕張「その上耐久力も改二軽巡に負けず劣らず! こんなのライバルどころか勝てっこないじゃない! うわーん!!」
提督「まぁ落ち着け。魚雷や爆雷の扱いに関しては夕張に分があるじゃないか。対潜も出来るし夜戦の火力自体は同じ装備なら夕張のほうが上だ」
夕張「……そうですね! 長所を伸ばしていけばいいんです! さ! 新装備試しましょ!!」
鼻歌を歌いながら砲をがっつり持って工廠を出て行く夕張。
提督(……そういや大淀って生き残り組で運高いんだよな。カットインを考慮したらどうなるか……いや、よそう。夕張が元気になったのに冷や水を浴びせることはない)
250: 2014/09/04(木) 21:12:38.49 ID:h7AlXqJ8o
――― 描写外にだってドラマはあるのです ―――
時はMI作戦後、敵艦隊の来襲が確認されたとき。
提督「よーし、全員装備は整えたな?」
北上「潜水艦組から艦首・五連魚雷とってくるとか本気だね、提督」
提督「当然だ」
翔鶴「彩雲多すぎません?」
提督「深海棲艦は神出鬼没だからな」
大鳳「烈風改に友永江草……この鎮守府でも最強の部隊じゃないですか!」
提督「中破でも攻撃できる大鳳が適任だ。30スロがあるしな」
なんだかんだで主力艦隊と支援艦隊の準備を終え、提督と13人の艦娘達はぷかぷか丸に乗り込む。
北上「重雷装巡洋艦北上、出撃しまーす」
……今、13人といったか?
大井「重雷装艦大井、出撃します!」
提督「なんでや!! 大井は呼んでないだろ!?」
大井「北上さんが出るなら私も出るでしょう?」
提督「今までそういう運用してたのは確かだけど今回は違う」
大井「そんな! 北上さんと私の仲を引き裂くつもりなの!?」
提督「いやそういうわけじゃないが……仕方ないブツブツ」
後ろを向き何事か思案する提督。
提督「大井、お前にはもっと重要な任務を与える」
大井「鎮守府に迫りくる敵艦隊の主力撃破以上に重要な任務なんてあるんですか?」
提督「それはな……敵主力を見事討ち取った北上を温かく迎えることだ!! これに関してお前以上にうまくやれる者などいない!!」
大井「!!」
提督「というわけで鎮守府で待っててね」
大井「はい!」
提督(……まぁ大和か武蔵が沈めちまうかもしれないけどなー)
だが実際に北上が討ち取ったので心配は無用であった。
時はMI作戦後、敵艦隊の来襲が確認されたとき。
提督「よーし、全員装備は整えたな?」
北上「潜水艦組から艦首・五連魚雷とってくるとか本気だね、提督」
提督「当然だ」
翔鶴「彩雲多すぎません?」
提督「深海棲艦は神出鬼没だからな」
大鳳「烈風改に友永江草……この鎮守府でも最強の部隊じゃないですか!」
提督「中破でも攻撃できる大鳳が適任だ。30スロがあるしな」
なんだかんだで主力艦隊と支援艦隊の準備を終え、提督と13人の艦娘達はぷかぷか丸に乗り込む。
北上「重雷装巡洋艦北上、出撃しまーす」
……今、13人といったか?
大井「重雷装艦大井、出撃します!」
提督「なんでや!! 大井は呼んでないだろ!?」
大井「北上さんが出るなら私も出るでしょう?」
提督「今までそういう運用してたのは確かだけど今回は違う」
大井「そんな! 北上さんと私の仲を引き裂くつもりなの!?」
提督「いやそういうわけじゃないが……仕方ないブツブツ」
後ろを向き何事か思案する提督。
提督「大井、お前にはもっと重要な任務を与える」
大井「鎮守府に迫りくる敵艦隊の主力撃破以上に重要な任務なんてあるんですか?」
提督「それはな……敵主力を見事討ち取った北上を温かく迎えることだ!! これに関してお前以上にうまくやれる者などいない!!」
大井「!!」
提督「というわけで鎮守府で待っててね」
大井「はい!」
提督(……まぁ大和か武蔵が沈めちまうかもしれないけどなー)
だが実際に北上が討ち取ったので心配は無用であった。
256: 2014/09/05(金) 21:24:02.94 ID:JAghvyOSo
――― ガキのつかい ―――
提督「もしかしたら改二が来るんじゃないかと思ってちまちま練度上げてた初霜、もう65だな……」
初霜「そうですね」
提督「つまり、この作戦が出来る……!! 初霜、お前が旗艦だ!」
初霜「ええっ、私がですか!?」
提督「本来は神通や夕立が旗艦担当だったが……この作戦の後継者となるだろう……!!」
南方海域。艦娘達が海を往く。
先頭を進むは初霜。
あとを追うは睦月型の子ら。
物資を満載したドラム缶を背に、島々を駆け巡る。
初霜(あれ、戦艦の護衛とかじゃなくて物資輸送なの……? でもこれも大事な仕事よね)
人呼んで東京急行。深海棲艦から自衛可能な艦娘による輸送は下手に通常の船を送るよりはるかに安全である。
その代わり、旗艦はもとより、メンバー全体で高い練度が必要とされる。
東京急行弐は駆逐艦だけで遂行可能だが、これまで練度の高い駆逐艦娘は雪風か、島風か、改二勢しかいなかった。
提督「これで東京急行しながら夕立たちを主力作戦に送れるな……。次は天龍たちを東京急行の旗艦を勤められるようにするか……」
割と打算的な提督であった。
提督「もしかしたら改二が来るんじゃないかと思ってちまちま練度上げてた初霜、もう65だな……」
初霜「そうですね」
提督「つまり、この作戦が出来る……!! 初霜、お前が旗艦だ!」
初霜「ええっ、私がですか!?」
提督「本来は神通や夕立が旗艦担当だったが……この作戦の後継者となるだろう……!!」
南方海域。艦娘達が海を往く。
先頭を進むは初霜。
あとを追うは睦月型の子ら。
物資を満載したドラム缶を背に、島々を駆け巡る。
初霜(あれ、戦艦の護衛とかじゃなくて物資輸送なの……? でもこれも大事な仕事よね)
人呼んで東京急行。深海棲艦から自衛可能な艦娘による輸送は下手に通常の船を送るよりはるかに安全である。
その代わり、旗艦はもとより、メンバー全体で高い練度が必要とされる。
東京急行弐は駆逐艦だけで遂行可能だが、これまで練度の高い駆逐艦娘は雪風か、島風か、改二勢しかいなかった。
提督「これで東京急行しながら夕立たちを主力作戦に送れるな……。次は天龍たちを東京急行の旗艦を勤められるようにするか……」
割と打算的な提督であった。
260: 2014/09/08(月) 20:38:47.77 ID:eoykQzETo
――― しずま氏の駆逐艦娘はどれもとてもいい。そうでしょう? ―――
鎮守府、執務室。深夜。
提督は何らかの資料らしきものを読み耽っている。雪風は既に布団に入って寝息を立てている。
時津風「はーぁ、疲れた疲れたー。艦隊戻りま……ん?」
時津風が執務室に入ってくると同時に提督は引き出しを開け、読んでいた資料を丸ごと叩き込み、再び閉めて施錠した。この間ジャスト1秒!!
鍵を右手に握り締め、顎の下で手を組む。
提督「おお時津風か遠征お疲れ様書類はそこに置いとけばいいぞ」
あからさまに棒読みである。
時津風「あのー……しれー? 何してんのー?」
提督「資料を読み終わったところだが?」
時津風「隠すことないじゃーん。わたしにも見せてよー、しれー」
提督「ダメだダメだ。お前らには見せられん」
時津風「しれー、わたしに隠し事とかよくない。よくないなぁー!」
提督「そう言われてもこれだけは見せられないな」
時津風「雪風にも?」
提督「当然だ」
時津風「じゃあ実力行使ー!」
提督「戦艦棲姫とどつきあった俺に肉弾戦を挑もうなど百年早いわ!!」
なお事実と比べて100倍ぐらいに誇張されています。
時津風「しれーと格闘戦すると疲れるー……。最後まで隠し通すなんて……」
提督「ぜー、ぜー……俺も疲れたからいい加減寝させろ。ほら自室へ戻った戻った」
時津風「まぁいいや。後で雪風たちと一緒に、しれーのいない間に探ろーっと」
提督「……後悔するなよ」ボソ
時津風「今何か言った?」
提督「空耳じゃね?」
鎮守府、執務室。深夜。
提督は何らかの資料らしきものを読み耽っている。雪風は既に布団に入って寝息を立てている。
時津風「はーぁ、疲れた疲れたー。艦隊戻りま……ん?」
時津風が執務室に入ってくると同時に提督は引き出しを開け、読んでいた資料を丸ごと叩き込み、再び閉めて施錠した。この間ジャスト1秒!!
鍵を右手に握り締め、顎の下で手を組む。
提督「おお時津風か遠征お疲れ様書類はそこに置いとけばいいぞ」
あからさまに棒読みである。
時津風「あのー……しれー? 何してんのー?」
提督「資料を読み終わったところだが?」
時津風「隠すことないじゃーん。わたしにも見せてよー、しれー」
提督「ダメだダメだ。お前らには見せられん」
時津風「しれー、わたしに隠し事とかよくない。よくないなぁー!」
提督「そう言われてもこれだけは見せられないな」
時津風「雪風にも?」
提督「当然だ」
時津風「じゃあ実力行使ー!」
提督「戦艦棲姫とどつきあった俺に肉弾戦を挑もうなど百年早いわ!!」
なお事実と比べて100倍ぐらいに誇張されています。
時津風「しれーと格闘戦すると疲れるー……。最後まで隠し通すなんて……」
提督「ぜー、ぜー……俺も疲れたからいい加減寝させろ。ほら自室へ戻った戻った」
時津風「まぁいいや。後で雪風たちと一緒に、しれーのいない間に探ろーっと」
提督「……後悔するなよ」ボソ
時津風「今何か言った?」
提督「空耳じゃね?」
261: 2014/09/08(月) 20:39:28.89 ID:eoykQzETo
翌日。提督は潜水艦組とオリョールへ行っている。つまり、チャンスである。
時津風「しれーが引き出しに何か隠してるのみたんだって!」
天津風「気にすることないんじゃないの?」
時津風「でもわたしが部屋に入った瞬間引き出しに仕舞って鍵掛けて、どんなにせがんでも見せてくれなかったんだよ! 気になる気になる!」
初風「提督も男だしその……えr……春画かなにかじゃないの?」
雪風「しれぇが隠し事……雪風の事信じてないんでしょうか……」
初風「まぁ、その、恥ずかしいものだったら見せられないかも知れないし」
時津風「鍵は持ってってるみたいだけど、針金でちょちょいの、ちょいっと」
カチャリ、という音とともに、引き出しの錠前が解かれる。時津風が中に入っていた書類の束を取り上げる。見た目普通の書類である。
時津風「何かな何かなー、ふむf
時津風の声が止まり床に倒れるのと、書類の束がばさりと落ちるのとはほぼ同時だった。
初風「!? 時津風、時津風!?」
天津風「いったい何が書いてあっt
時津風の落とした書類に目を向けた天津風も同様に倒れた。
雪風「ふぇ!? な、何!? 雪風の、雪風のせいなの!?」
初風「バカいってないで早く明石さん呼んできて!! 私は書類片付けるから!」
雪風「は、はい!!」
ぱたぱたと駆け出す雪風。
初風はぎゅっと目を瞑り、手探りで書類を集め始めた。
初風「妙高姉さんに比べれば怖くない、妙高姉さんに比べれば怖くない……」
幸いそれほど散らばっておらず、目を瞑ったまま引き出しに入れて、閉じたところで目を開けた。
ちょうど雪風が明石を連れて戻ってきたところであった。
明石「大丈夫、二人ともちょっと気を失ってるだけで命に別状はないわ。ベッドに運んで休ませればよくなるわ」
雪風「よ、良かったぁ~……」グスッグスッ
初風「書類は元に戻したし、一安心ね」
ちらり、と提督の机に視線を向ける。
明石「さ、二人を部屋まで運びましょ。わたしが天津風ちゃん運ぶから二人は時津風ちゃんお願い」
初風「えぇ、そうね……」
あの書類のことは忘れよう、という風にかぶりを振り、時津風を雪風と持ち上げる。
雪風「んしょ、っと」
初風(こうしてトラウマが増えていくのね……)
あの書類にいったいどんな秘密が隠されているのか……彼女たちが知る由はない……。
時津風「しれーが引き出しに何か隠してるのみたんだって!」
天津風「気にすることないんじゃないの?」
時津風「でもわたしが部屋に入った瞬間引き出しに仕舞って鍵掛けて、どんなにせがんでも見せてくれなかったんだよ! 気になる気になる!」
初風「提督も男だしその……えr……春画かなにかじゃないの?」
雪風「しれぇが隠し事……雪風の事信じてないんでしょうか……」
初風「まぁ、その、恥ずかしいものだったら見せられないかも知れないし」
時津風「鍵は持ってってるみたいだけど、針金でちょちょいの、ちょいっと」
カチャリ、という音とともに、引き出しの錠前が解かれる。時津風が中に入っていた書類の束を取り上げる。見た目普通の書類である。
時津風「何かな何かなー、ふむf
時津風の声が止まり床に倒れるのと、書類の束がばさりと落ちるのとはほぼ同時だった。
初風「!? 時津風、時津風!?」
天津風「いったい何が書いてあっt
時津風の落とした書類に目を向けた天津風も同様に倒れた。
雪風「ふぇ!? な、何!? 雪風の、雪風のせいなの!?」
初風「バカいってないで早く明石さん呼んできて!! 私は書類片付けるから!」
雪風「は、はい!!」
ぱたぱたと駆け出す雪風。
初風はぎゅっと目を瞑り、手探りで書類を集め始めた。
初風「妙高姉さんに比べれば怖くない、妙高姉さんに比べれば怖くない……」
幸いそれほど散らばっておらず、目を瞑ったまま引き出しに入れて、閉じたところで目を開けた。
ちょうど雪風が明石を連れて戻ってきたところであった。
明石「大丈夫、二人ともちょっと気を失ってるだけで命に別状はないわ。ベッドに運んで休ませればよくなるわ」
雪風「よ、良かったぁ~……」グスッグスッ
初風「書類は元に戻したし、一安心ね」
ちらり、と提督の机に視線を向ける。
明石「さ、二人を部屋まで運びましょ。わたしが天津風ちゃん運ぶから二人は時津風ちゃんお願い」
初風「えぇ、そうね……」
あの書類のことは忘れよう、という風にかぶりを振り、時津風を雪風と持ち上げる。
雪風「んしょ、っと」
初風(こうしてトラウマが増えていくのね……)
あの書類にいったいどんな秘密が隠されているのか……彼女たちが知る由はない……。
272: 2014/09/09(火) 22:07:56.14 ID:qo6iXuEWo
――― 三ヵ月半にわたりビスマルクが出てこなかった。これは厳然たる事実だ ―――
鎮守府、工廠。ドイツ艦娘をつれて大型建造をすることによりビスマルクが建造できるという通知が着てから早二ヶ月。
提督「おかしい……。何故だ。何故来ない!?」
マックス「資材の割合の問題じゃない?」
提督「いや、普通の大和レシピでいいはずなんだ俺は詳しいんだ俺は間違ってないはずなんだ」
マックス「ふぅん」
提督「というわけで今日も艦娘達が集めた資材を投入する仕事が始まるお……」
マックス「噂のビスマルクとは、艦隊を組んでみたいと思うけど……こんなに資材使って大丈夫なの?」
提督「とはいっても他に手はないし……ん? 5時間? よしバーナーもってこい!!」
一方その頃!!
ラバウル沖の海上に浮かぶ謎の軟体生物から鎮守府に向けて謎の光線が放たれた!!!
視点は戻り鎮守府、工廠。
提督「来るか、来るか……!?」
バーナーの放射を終え現れた艦娘は……!!
陸奥「長門型戦艦2番艦の陸奥よ。よろしくね」
提督「グワーッ!? 長門型グワーッ!?」
マックス「ふぅん……」
時は5月半ばの話。提督がビスマルクと出会うのはまだ先のことである……。
鎮守府、工廠。ドイツ艦娘をつれて大型建造をすることによりビスマルクが建造できるという通知が着てから早二ヶ月。
提督「おかしい……。何故だ。何故来ない!?」
マックス「資材の割合の問題じゃない?」
提督「いや、普通の大和レシピでいいはずなんだ俺は詳しいんだ俺は間違ってないはずなんだ」
マックス「ふぅん」
提督「というわけで今日も艦娘達が集めた資材を投入する仕事が始まるお……」
マックス「噂のビスマルクとは、艦隊を組んでみたいと思うけど……こんなに資材使って大丈夫なの?」
提督「とはいっても他に手はないし……ん? 5時間? よしバーナーもってこい!!」
一方その頃!!
ラバウル沖の海上に浮かぶ謎の軟体生物から鎮守府に向けて謎の光線が放たれた!!!
視点は戻り鎮守府、工廠。
提督「来るか、来るか……!?」
バーナーの放射を終え現れた艦娘は……!!
陸奥「長門型戦艦2番艦の陸奥よ。よろしくね」
提督「グワーッ!? 長門型グワーッ!?」
マックス「ふぅん……」
時は5月半ばの話。提督がビスマルクと出会うのはまだ先のことである……。
277: 2014/09/10(水) 22:50:31.20 ID:j4jVBoHPo
――― 機密漏洩はよくない、よくないねぇ ―――
鎮守府、司令室。掛け軸には「ヌ級頃すべし」「黙秘権」「い号作戦完遂」などと書かれた威圧的な掛け軸が飾られている。
主が不在のときに部屋に忍び込む、一人の少女。
青葉「青葉、見ちゃいました! 謎の書類を見て運び込まれる16駆の子たちの姿を!」
今日はワ級虐待^h^h撃沈のためにオリョールとバシーへの出撃がある。
そして、秘書艦である雪風は僚艦の見舞いのため不在。つまりは千載一遇のチャンスである。
青葉「初風さんの話によると目を瞑ってみないようにして回収したという話ですし見たら危ない類ですねきっと」
提督の机へそっと近づき、引き出しをゆっくりと開ける。
青葉「なんか相当分厚いらしいですし最初の数枚引っこ抜いてスキャナかなんかでコピーしましょう」
表紙と思しきページを捲り、数枚ほど目を合わせないように抜き取り、脇下に挟むように持つ。
青葉「これは面白い特ダネになりそうですよ……!!」
口の端が自然と吊り上がる。はやる心を抑えながら執務室から出るために扉を開ける。
扉を開けて一歩進まないうちに、ぼふ、と何かにぶつかる。
提督「よぉ。俺の部屋で何をしてたんだい?」
そう、南西諸島にいるはずの提督が、扉の前で立っていたのだ!!
青葉「ななな何でもありませんよ司令官ところで南西諸島に行ってたのでは?」
提督「いや別に俺が見なくても大丈夫そうだから一人代表決めて勝手にやらせてる」
青葉「そうでしたか。じゃあ私はこれで……」
そそくさと去ろうとする青葉の肩を提督はがっしりと掴む。
提督「それは名取の台詞だろ? ところでその脇下に挟んでいるのは何かなー?」
青葉「しゅ、取材のためのメモ紙です!!」
提督「へー、機密書類をメモ紙代わりに使おうとしてたのか。斬新な命乞いだね?」
青葉「!?」
提督「時津風たちが来る事はわかってたから待機してたんだがお前の姿がチラッと見えてな。せっかくだから何かするまで待ってたわけよ。そしたら案の定だ」
青葉「あ、あは、あはは……」
提督「でも俺は心が広いからね! この書類に目を通すだけで許すよ! やさしくってごめーんね!! 返事は『はい』か『Yes』だよ! 今すぐ選んでね! ゆっくりしないで選んでね!」
青葉「」ガクガクブルブル
もはや意識と書類を置いていくしかないのか……。
なおその後、青葉は意識不明状態から回復して取材活動に励んでいる模様
鎮守府、司令室。掛け軸には「ヌ級頃すべし」「黙秘権」「い号作戦完遂」などと書かれた威圧的な掛け軸が飾られている。
主が不在のときに部屋に忍び込む、一人の少女。
青葉「青葉、見ちゃいました! 謎の書類を見て運び込まれる16駆の子たちの姿を!」
今日はワ級虐待^h^h撃沈のためにオリョールとバシーへの出撃がある。
そして、秘書艦である雪風は僚艦の見舞いのため不在。つまりは千載一遇のチャンスである。
青葉「初風さんの話によると目を瞑ってみないようにして回収したという話ですし見たら危ない類ですねきっと」
提督の机へそっと近づき、引き出しをゆっくりと開ける。
青葉「なんか相当分厚いらしいですし最初の数枚引っこ抜いてスキャナかなんかでコピーしましょう」
表紙と思しきページを捲り、数枚ほど目を合わせないように抜き取り、脇下に挟むように持つ。
青葉「これは面白い特ダネになりそうですよ……!!」
口の端が自然と吊り上がる。はやる心を抑えながら執務室から出るために扉を開ける。
扉を開けて一歩進まないうちに、ぼふ、と何かにぶつかる。
提督「よぉ。俺の部屋で何をしてたんだい?」
そう、南西諸島にいるはずの提督が、扉の前で立っていたのだ!!
青葉「ななな何でもありませんよ司令官ところで南西諸島に行ってたのでは?」
提督「いや別に俺が見なくても大丈夫そうだから一人代表決めて勝手にやらせてる」
青葉「そうでしたか。じゃあ私はこれで……」
そそくさと去ろうとする青葉の肩を提督はがっしりと掴む。
提督「それは名取の台詞だろ? ところでその脇下に挟んでいるのは何かなー?」
青葉「しゅ、取材のためのメモ紙です!!」
提督「へー、機密書類をメモ紙代わりに使おうとしてたのか。斬新な命乞いだね?」
青葉「!?」
提督「時津風たちが来る事はわかってたから待機してたんだがお前の姿がチラッと見えてな。せっかくだから何かするまで待ってたわけよ。そしたら案の定だ」
青葉「あ、あは、あはは……」
提督「でも俺は心が広いからね! この書類に目を通すだけで許すよ! やさしくってごめーんね!! 返事は『はい』か『Yes』だよ! 今すぐ選んでね! ゆっくりしないで選んでね!」
青葉「」ガクガクブルブル
もはや意識と書類を置いていくしかないのか……。
なおその後、青葉は意識不明状態から回復して取材活動に励んでいる模様
284: 2014/09/11(木) 20:02:38.02 ID:yXwl7oWio
――― 機密漏洩してるじゃないですかーやだー!! ―――
鎮守府、工廠。ビスマルク建造のために日々資材が消費されている頃の話。
提督「うん、レーベ。ひとつ訊きたい事がある」
レーベ「ん、何かな?」
提督「大和型は古来、大日本帝国海軍の最終兵器として秘密裡に建造された最終兵器だ。実際どうだったかはともかく」
レーベ「最終兵器って表現重複してない?」
提督「それは今はどうでもいい。つまり、第一級の機密なわけだよ。建造に関わったものも担当以外の情報はとめられてたと聞くし」
レーベ「うん」
提督「しかるに、これだ」
提督が指差すは建造ドックの完成予定時刻。そこには7:57:42と刻まれ、カウントダウンが進んでいくところであった。
提督「どうしてドイツ艦いるのに大和型が出来ちゃうのぉぉぉぉぉぉぉぉ!? ビスマルク持ってきてよ!? 大和型の機密とかどこ行っちゃったの!?」
レーベ「実際建造してるのは妖精さんたちだから……。うん」
ちらり、とドックの中を見やる。なにやら大勢の妖精による怪しげな儀式が行なわれている。
レーベ「僕のせいじゃないよ……多分」
バーナーで炙ればすぐ終わるのにバーナー使用まで律儀に踊り続ける妖精達の意図はレーベには理解出来ないことであった。提督も理解してないが。
なお出来上がった大和は武装解除されて今も保管されているという。
鎮守府、工廠。ビスマルク建造のために日々資材が消費されている頃の話。
提督「うん、レーベ。ひとつ訊きたい事がある」
レーベ「ん、何かな?」
提督「大和型は古来、大日本帝国海軍の最終兵器として秘密裡に建造された最終兵器だ。実際どうだったかはともかく」
レーベ「最終兵器って表現重複してない?」
提督「それは今はどうでもいい。つまり、第一級の機密なわけだよ。建造に関わったものも担当以外の情報はとめられてたと聞くし」
レーベ「うん」
提督「しかるに、これだ」
提督が指差すは建造ドックの完成予定時刻。そこには7:57:42と刻まれ、カウントダウンが進んでいくところであった。
提督「どうしてドイツ艦いるのに大和型が出来ちゃうのぉぉぉぉぉぉぉぉ!? ビスマルク持ってきてよ!? 大和型の機密とかどこ行っちゃったの!?」
レーベ「実際建造してるのは妖精さんたちだから……。うん」
ちらり、とドックの中を見やる。なにやら大勢の妖精による怪しげな儀式が行なわれている。
レーベ「僕のせいじゃないよ……多分」
バーナーで炙ればすぐ終わるのにバーナー使用まで律儀に踊り続ける妖精達の意図はレーベには理解出来ないことであった。提督も理解してないが。
なお出来上がった大和は武装解除されて今も保管されているという。
288: 2014/09/12(金) 22:12:44.51 ID:PcShwbH7o
――― メイドな雪風ください ―――
漣「綾波型駆逐艦、『漣』です、ご主人様」
提督「俺はいつお前の夫になったというのだ」
漣「チッチッ、マイマスターのほうですよ、ハズバンドじゃなくて」
提督「まぁ上官と部下ということには書類上とかでもなってるけど、ご主人様とはまたぶっ飛んでるなぁ」
漣「実際主従関係なわけですし、それに……」
提督「それに?」
漣「ご主人様も男の人ですし、メイドとかに憧れ持ちません?」
提督「まぁ無いと言えば嘘になるが、服装とかどう見ても女子sy…中学生だろう」
漣「細けぇこたぁいいんですよ、ご主人様!」
雪風「……」
翌日、雪風がメイド服になっていた。が、出撃時いつもの服に着替えねばならないので3日ほどで元に戻った。
漣「綾波型駆逐艦、『漣』です、ご主人様」
提督「俺はいつお前の夫になったというのだ」
漣「チッチッ、マイマスターのほうですよ、ハズバンドじゃなくて」
提督「まぁ上官と部下ということには書類上とかでもなってるけど、ご主人様とはまたぶっ飛んでるなぁ」
漣「実際主従関係なわけですし、それに……」
提督「それに?」
漣「ご主人様も男の人ですし、メイドとかに憧れ持ちません?」
提督「まぁ無いと言えば嘘になるが、服装とかどう見ても女子sy…中学生だろう」
漣「細けぇこたぁいいんですよ、ご主人様!」
雪風「……」
翌日、雪風がメイド服になっていた。が、出撃時いつもの服に着替えねばならないので3日ほどで元に戻った。
294: 2014/09/14(日) 20:28:14.11 ID:9kXjUem1o
――― 3-5実装記念 1st contact ―――
提督「北方海域のEO?」
猫吊「はい」
提督「どうせフラレが満載なんだろあぁやだやだ」
猫吊「どこのデマのでっち上げ情報ですかそれ」
提督「違うというなら資料よこせよオラッ」
猫吊「ふっふーん、そう言うだろうと思って既に用意してありますオラッ」バサッ
資料黙読中……
提督「駆逐艦オンリーでボスまで最短ルート? しかも見た感じ道中そこまで手強そうではない」
猫吊「はい」
提督「招集するか……」
一方、深海のどこか、深海棲艦の拠点
北方棲姫「うー、あいつ絶対許せない!!」
港湾棲姫「まぁまぁ」
フラル「なんか不機嫌ね北方ちゃん」
北方「何あいつ理不尽すぎる!!」
港湾「まぁ『震電改よこせ』と言いながらボコボコに殴られれば、ねぇ?」
フラル「だいたいわかったけど戦艦棲姫はどこだい? 最新鋭の軽巡が出来たから報告しようと思ったんだけど」
港湾「まだ療養中よ。……しかしついに出来たのね」
フラル「レ級以来の傑作だ。ソまで造ってるから次はツかな」
港湾「そういえばテストはしたのかしら?」
フラル「まぁそれも兼ねて、だな」
港湾「とりあえず繋ぐわね。ナースコールで」
プルルルル、ガチャ
戦艦棲姫『こちら戦艦棲姫。怪我人を起こすとかどんな用事?』
フラル「これこれしかじか」
戦艦棲姫『そうね。まだ諦めたわけじゃないって誇示するためにも北方のALあたりでテストしましょうか。詳細は任せるわ』
フラル「了解」
ガチャ
フラル「まぁ長期的にやることになるだろうから輸送艦のワ級はいるわよね。後はどうするかブツブツ」
北方「私も連れてけ」
フラル「新鋭艦の実験だっていうのに貴方が出たら実験にならなくなるでしょ萎縮しちゃうでしょ」
北方「ぶー」
フラル「むくれたってダメ」
北方「ル級嫌い!! 帰れ!!」ダッ
フラル「帰れってここがいわば自宅なんだけど」
提督「北方海域のEO?」
猫吊「はい」
提督「どうせフラレが満載なんだろあぁやだやだ」
猫吊「どこのデマのでっち上げ情報ですかそれ」
提督「違うというなら資料よこせよオラッ」
猫吊「ふっふーん、そう言うだろうと思って既に用意してありますオラッ」バサッ
資料黙読中……
提督「駆逐艦オンリーでボスまで最短ルート? しかも見た感じ道中そこまで手強そうではない」
猫吊「はい」
提督「招集するか……」
一方、深海のどこか、深海棲艦の拠点
北方棲姫「うー、あいつ絶対許せない!!」
港湾棲姫「まぁまぁ」
フラル「なんか不機嫌ね北方ちゃん」
北方「何あいつ理不尽すぎる!!」
港湾「まぁ『震電改よこせ』と言いながらボコボコに殴られれば、ねぇ?」
フラル「だいたいわかったけど戦艦棲姫はどこだい? 最新鋭の軽巡が出来たから報告しようと思ったんだけど」
港湾「まだ療養中よ。……しかしついに出来たのね」
フラル「レ級以来の傑作だ。ソまで造ってるから次はツかな」
港湾「そういえばテストはしたのかしら?」
フラル「まぁそれも兼ねて、だな」
港湾「とりあえず繋ぐわね。ナースコールで」
プルルルル、ガチャ
戦艦棲姫『こちら戦艦棲姫。怪我人を起こすとかどんな用事?』
フラル「これこれしかじか」
戦艦棲姫『そうね。まだ諦めたわけじゃないって誇示するためにも北方のALあたりでテストしましょうか。詳細は任せるわ』
フラル「了解」
ガチャ
フラル「まぁ長期的にやることになるだろうから輸送艦のワ級はいるわよね。後はどうするかブツブツ」
北方「私も連れてけ」
フラル「新鋭艦の実験だっていうのに貴方が出たら実験にならなくなるでしょ萎縮しちゃうでしょ」
北方「ぶー」
フラル「むくれたってダメ」
北方「ル級嫌い!! 帰れ!!」ダッ
フラル「帰れってここがいわば自宅なんだけど」
295: 2014/09/14(日) 20:30:01.31 ID:9kXjUem1o
北方、AL海域
フラル「北方ったらあんなところに拠点造っちゃって……」
北方「烈風置いてけ烈風置いてけー」
フラル「ま、いいや。相手が空母連れてきたら北方のところまで送るようにしましょう」
後ロ級「敵きましたぜ。南から」
フラル「うん、南から? 北方経由じゃなくて?」
後ロ級「全部駆逐艦クラスですぜ。舐めプ?」
フラル「どれどれ…… !!」
フラルが遠眼鏡で確認する。確かに近づいてくる駆逐艦が六隻。
雪風、島風、ヴェールヌイ、綾波、夕立、時雨。改二ないし改時点で改二に匹敵する駆逐艦ばかりである。
白露型の二人が中破しているがおかまいなしである
フラル「バカタレ!! どう見ても本気布陣じゃないか!!」
後ロ級「えー、二人ほど中破してるし大丈夫じゃないですかね?」
フラル「こっちの半分は新人と輸送艦だぞ!! 寝ぼけてんのか!?」
ツ級「あっ、突っ込んできましたあっロ級の片方沈みました」
フラル「ええいもう! 反撃だ反撃!!」
艦娘戦闘中……
ツ級「」ブクブク
フラル「」ゴボゴボ
綾波「殺~りました~」
時雨「失望したよ」
提督「まぁ夜戦までやればこんなもんだろ。こっちもだいぶやられたし帰投だ帰投」
雪風「了解しました!」
提督「……しかし、どれが最新鋭だったんだ?」
北方「……来ない。何故だ」
護衛要塞「空母連れてきたらこっちに誘導するようになってるんですけどね、海流」
フラル「北方ったらあんなところに拠点造っちゃって……」
北方「烈風置いてけ烈風置いてけー」
フラル「ま、いいや。相手が空母連れてきたら北方のところまで送るようにしましょう」
後ロ級「敵きましたぜ。南から」
フラル「うん、南から? 北方経由じゃなくて?」
後ロ級「全部駆逐艦クラスですぜ。舐めプ?」
フラル「どれどれ…… !!」
フラルが遠眼鏡で確認する。確かに近づいてくる駆逐艦が六隻。
雪風、島風、ヴェールヌイ、綾波、夕立、時雨。改二ないし改時点で改二に匹敵する駆逐艦ばかりである。
白露型の二人が中破しているがおかまいなしである
フラル「バカタレ!! どう見ても本気布陣じゃないか!!」
後ロ級「えー、二人ほど中破してるし大丈夫じゃないですかね?」
フラル「こっちの半分は新人と輸送艦だぞ!! 寝ぼけてんのか!?」
ツ級「あっ、突っ込んできましたあっロ級の片方沈みました」
フラル「ええいもう! 反撃だ反撃!!」
艦娘戦闘中……
ツ級「」ブクブク
フラル「」ゴボゴボ
綾波「殺~りました~」
時雨「失望したよ」
提督「まぁ夜戦までやればこんなもんだろ。こっちもだいぶやられたし帰投だ帰投」
雪風「了解しました!」
提督「……しかし、どれが最新鋭だったんだ?」
北方「……来ない。何故だ」
護衛要塞「空母連れてきたらこっちに誘導するようになってるんですけどね、海流」
296: 2014/09/14(日) 20:31:11.44 ID:9kXjUem1o
ひとくぎり。そういえば明石が出るとかでないとかそういう噂がありますね
297: 2014/09/14(日) 20:57:08.09 ID:ttPPrmNLo
乙です
次回:泣き虫雪風と釣り人提督【その15】
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります