300: 2015/06/26(金) 21:57:04.76 ID:BAw826qJo
前回:泣き虫雪風と釣り人提督【その24】
最初から:泣き虫雪風と釣り人提督
――― スエズ運河行くと思っていた ―――
第十一号作戦の頃の話
提督「そうか……リランカ攻略した後ヨーロッパ方面への打通作戦するのか……。こりゃ最終決戦は運河かな……?」
しおい「えっ、運河いくんですか!?」
提督「いくんじゃないかなー。運河行かなかったら大陸大回りしなきゃいけないからなぁ」
しおい「いいですよねー、運河。楽しみー」
提督作戦攻略中……
しおい「ろーちゃんが泊地攻略した、って話してたしそろそろ私の出番かな。提督のところ行ってみよっと」
リランカ臨時泊地執務室。
しおい(提督と猫吊るしさんがなんか話してる。ちょっと聞き耳立てちゃお)
~~~~~~
猫吊「泊地水鬼に打撃を与えたことで敵主力がステビア海まで出張ってきましたね。いよいよ最終決戦です」
提督「これで最終か……運河はどうすんだ?」
猫吊「まぁ向こうも向こうで水際でナントカしてたんで何とか守られてますよ」
提督「じゃあ別に行かないのか」
猫吊「そうですね。挟み撃ちにされて頓氏するのを避けるために広いステビア海を決戦のバトルフィールドにしてるわけですし」
~~~~~~
しおい(えっ、運河行かない……? 嘘……!?)
提督「よしブリーフィングしに行くか、ってうぉっ、しおいどうしたこんなところで」
しおい「」マグロメ
提督「おい、しおい、しおい!?」
305: 2015/06/29(月) 22:37:28.73 ID:qWMSRVDSo
――― 装備更新の確実化はとてもコストが高い ―――
提督「ほほー、21号電探が改修できるようになったのか……」
伊勢「私と日向の担当ね」
提督「これで大量に余っていた21号電探の在庫処分ができる。100個の21号より21号改+10を1個の方が役に立つのだ」
伊勢「改は大和さんたちの担当だからそれは忘れないでね?」
提督「まぁまずは改を作らねばな。千里の道も一歩からってヤツだ」
数週間後……
伊勢「提督、21号改完成しましたよ!」
提督「……今気づいたんだが」
伊勢「何?」
提督「めっちゃネジ消費するのな……特に確実化した場合……」
伊勢「残りいくつだっけ」
提督「30個超えてたのが2個にまで減ってる……」
伊勢「うわぁ」
提督「しばらく1個消費のだけにしよう……改+10はまた今度だ……」
伊勢「諦めてはいないのね……」
提督「ほほー、21号電探が改修できるようになったのか……」
伊勢「私と日向の担当ね」
提督「これで大量に余っていた21号電探の在庫処分ができる。100個の21号より21号改+10を1個の方が役に立つのだ」
伊勢「改は大和さんたちの担当だからそれは忘れないでね?」
提督「まぁまずは改を作らねばな。千里の道も一歩からってヤツだ」
数週間後……
伊勢「提督、21号改完成しましたよ!」
提督「……今気づいたんだが」
伊勢「何?」
提督「めっちゃネジ消費するのな……特に確実化した場合……」
伊勢「残りいくつだっけ」
提督「30個超えてたのが2個にまで減ってる……」
伊勢「うわぁ」
提督「しばらく1個消費のだけにしよう……改+10はまた今度だ……」
伊勢「諦めてはいないのね……」
311: 2015/07/01(水) 22:18:38.27 ID:hTnwRNspo
――― 練度より装備 ―――
衣笠「提督、艦隊練度表見てたんだけど……」
提督「うん」
衣笠「私、いつの間にか重巡のなかで下から数えたほうが早くなってない!?」
提督「改二実装が相次いだし、青葉か加古かわからないから70にしたしなぁ」
衣笠「初の改二だったのもいまや昔……うぅ」
提督「それに最近なんか猫吊るしからバフ受けただろ」
衣笠「それはそうだけど……3号砲のために別の私育てる分の経験合わせたら練度99ぐらいいかないかなぁ」
提督「冗談抜きで行きそうなんだよなぁ……」
衣笠「提督、艦隊練度表見てたんだけど……」
提督「うん」
衣笠「私、いつの間にか重巡のなかで下から数えたほうが早くなってない!?」
提督「改二実装が相次いだし、青葉か加古かわからないから70にしたしなぁ」
衣笠「初の改二だったのもいまや昔……うぅ」
提督「それに最近なんか猫吊るしからバフ受けただろ」
衣笠「それはそうだけど……3号砲のために別の私育てる分の経験合わせたら練度99ぐらいいかないかなぁ」
提督「冗談抜きで行きそうなんだよなぁ……」
316: 2015/07/06(月) 22:48:41.56 ID:y/p+aRhvo
――― 人の頭をむやみになでてはいけない ―――
提督「ふむ、最近ナデポとか言うのが流行っているらしいな」
ナデポ。要するに頭を撫でて仲がよくなるとかそういうアレである。
提督「ツンケンしている子もこれで態度を和らげるかもしれん。何か減るもんじゃないし早速やってみよう」
~~~~~~
提督「おーい、満潮ー。ちょっとこっち来てくれ」
満潮「何よ?」
提督「」ナデナデ
満潮「……なにそれ、意味分かんない」
提督(撫で方が足りないのか?)ナデナデ
満潮「……で、なに?」
提督(もうちょっと撫でてみよう)ナデナデナデナデ
満潮「……うざいのよ!!」
そう言うと満潮は提督の腕を掴み、270度ほどねじった。
提督「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ちぎれるちぎれるぅぅ!!」
提督「ふむ、最近ナデポとか言うのが流行っているらしいな」
ナデポ。要するに頭を撫でて仲がよくなるとかそういうアレである。
提督「ツンケンしている子もこれで態度を和らげるかもしれん。何か減るもんじゃないし早速やってみよう」
~~~~~~
提督「おーい、満潮ー。ちょっとこっち来てくれ」
満潮「何よ?」
提督「」ナデナデ
満潮「……なにそれ、意味分かんない」
提督(撫で方が足りないのか?)ナデナデ
満潮「……で、なに?」
提督(もうちょっと撫でてみよう)ナデナデナデナデ
満潮「……うざいのよ!!」
そう言うと満潮は提督の腕を掴み、270度ほどねじった。
提督「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ちぎれるちぎれるぅぅ!!」
321: 2015/07/07(火) 22:32:24.32 ID:2cXJCpd/o
鎮守府、執務室。提督の机の上にはいつも通り資料が山と積まれていた。だが、いつもと違うところが一つあった。
「今度は偵察作戦ねぇ……」
書類の一番上に載った紙を取り上げる。それは新たな作戦指令書。
作戦名は――
「K作戦、か……」
泣き虫雪風と釣り人提督 6-3 Operation K
「史実では二式大艇を使った偵察作戦だったらしいな……」
「大艇ちゃんが活躍するかも!?」
二式大艇という単語に反応して勢いよく執務室に飛び込んできた艦娘、秋津洲。この鎮守府で唯一、二式大艇を扱える艦娘である。
「次の作戦、この秋津洲にお任せかも!」
「そうだな、有用そうなら艦隊に組み込むことも考慮に入れるか」
うきうきしている秋津洲をよそに、グアノ環礁沖海域の敵艦隊資料を捲る。
「1戦目、潜水艦……これはいい。2戦目、エリツ……? 駆逐が少ないとエリネとぶつかるのか……」
「ふんふふ~ん♪」
秋津洲は大艇ちゃんを手入れしている。
「うん、偵察後近くにいる駆逐棲姫沈めて来い……ってどういうことだよ!? 偵察じゃなかったのかよ!?」
「駆逐棲姫? 見たことないかも」
「そりゃ見たことないだろうよ。あいつが出たのは半年ほど前の1回だけだしその時お前はいなかった」
更に資料を読み進める。
「随伴艦は……フラタ2、フラリ1、後期ニが2。おいおい、水雷戦隊で挑む戦力じゃないぞこれ」
「戦艦がいるの? 手強いかも……」
その他情報にざっと目を通した後、資料を机に放る。他にたいしたことは書いてない。重要なのは航路と敵戦力である。
「秋津洲」
「はい!」
「第四艦隊が帰ってきたら千歳と交代、遠征よろしく」
「秋津洲、了解したかも!」
元気のいい返事。だが、はたと気づく。
「……えっ、ちょっと待って大艇ちゃんの偵察任務は!?」
「別に普通の水偵でいいみたいだし、ツ級に制空用の水上爆撃機落とされると辛い。せめて6機ぐらい積めればねぇ。それと」
「それと?」
「甲標的。駆逐ひとつ落とすだけでも戦況は変わる」
「私、甲標的母艦じゃないからそういうのは無理かもー!」
「つまりはそういうことだ。どっかで活躍の場があるさ、多分」
「うわぁん!」
「今度は偵察作戦ねぇ……」
書類の一番上に載った紙を取り上げる。それは新たな作戦指令書。
作戦名は――
「K作戦、か……」
泣き虫雪風と釣り人提督 6-3 Operation K
「史実では二式大艇を使った偵察作戦だったらしいな……」
「大艇ちゃんが活躍するかも!?」
二式大艇という単語に反応して勢いよく執務室に飛び込んできた艦娘、秋津洲。この鎮守府で唯一、二式大艇を扱える艦娘である。
「次の作戦、この秋津洲にお任せかも!」
「そうだな、有用そうなら艦隊に組み込むことも考慮に入れるか」
うきうきしている秋津洲をよそに、グアノ環礁沖海域の敵艦隊資料を捲る。
「1戦目、潜水艦……これはいい。2戦目、エリツ……? 駆逐が少ないとエリネとぶつかるのか……」
「ふんふふ~ん♪」
秋津洲は大艇ちゃんを手入れしている。
「うん、偵察後近くにいる駆逐棲姫沈めて来い……ってどういうことだよ!? 偵察じゃなかったのかよ!?」
「駆逐棲姫? 見たことないかも」
「そりゃ見たことないだろうよ。あいつが出たのは半年ほど前の1回だけだしその時お前はいなかった」
更に資料を読み進める。
「随伴艦は……フラタ2、フラリ1、後期ニが2。おいおい、水雷戦隊で挑む戦力じゃないぞこれ」
「戦艦がいるの? 手強いかも……」
その他情報にざっと目を通した後、資料を机に放る。他にたいしたことは書いてない。重要なのは航路と敵戦力である。
「秋津洲」
「はい!」
「第四艦隊が帰ってきたら千歳と交代、遠征よろしく」
「秋津洲、了解したかも!」
元気のいい返事。だが、はたと気づく。
「……えっ、ちょっと待って大艇ちゃんの偵察任務は!?」
「別に普通の水偵でいいみたいだし、ツ級に制空用の水上爆撃機落とされると辛い。せめて6機ぐらい積めればねぇ。それと」
「それと?」
「甲標的。駆逐ひとつ落とすだけでも戦況は変わる」
「私、甲標的母艦じゃないからそういうのは無理かもー!」
「つまりはそういうことだ。どっかで活躍の場があるさ、多分」
「うわぁん!」
322: 2015/07/07(火) 22:33:54.70 ID:2cXJCpd/o
鎮守府、工廠。
「えー、K作戦の艦隊は旗艦、雪風」
「はい!」
「で、随伴が神通、島風、夕立、綾波、そして水母千歳」
「あの、提督」
「何だ千歳」
「今回偵察任務ですよね?」
「そういうことになっている」
「でも、この編成って……精鋭もいいところですよね」
「うむ。我らが鎮守府でも屈指の水雷戦隊だな」
今回は偵察の要である水上機母艦を軸に、水雷戦隊を護衛として挑む作戦である。
「それに……私に探照灯?」
「夜戦用だ。夜偵は神通が飛ばす」
雪風と綾波は五連装酸素魚雷を装備している。
「綾波、念のため見張員つれてけ」
「了解です!」
「……あの、偵察ですよね?」
千歳が念押しと言わんばかりに訊ねる。
「そういうことになっている」
「明らかに『絶対頃す』といわんばかりの編成と装備って必要なんですか?」
「なんか偵察地点の近くに駆逐棲姫がタ級おともにうろついてるらしくてそれの排除も作戦に含むんだとさ」
「……偵察ってなんなんでしょうね」
「俺が訊きたいよ」
はぁ、と二人揃って溜息。敵主力の撃沈も作戦に含まれている。最早、強行偵察というレベルではない。
「えー、K作戦の艦隊は旗艦、雪風」
「はい!」
「で、随伴が神通、島風、夕立、綾波、そして水母千歳」
「あの、提督」
「何だ千歳」
「今回偵察任務ですよね?」
「そういうことになっている」
「でも、この編成って……精鋭もいいところですよね」
「うむ。我らが鎮守府でも屈指の水雷戦隊だな」
今回は偵察の要である水上機母艦を軸に、水雷戦隊を護衛として挑む作戦である。
「それに……私に探照灯?」
「夜戦用だ。夜偵は神通が飛ばす」
雪風と綾波は五連装酸素魚雷を装備している。
「綾波、念のため見張員つれてけ」
「了解です!」
「……あの、偵察ですよね?」
千歳が念押しと言わんばかりに訊ねる。
「そういうことになっている」
「明らかに『絶対頃す』といわんばかりの編成と装備って必要なんですか?」
「なんか偵察地点の近くに駆逐棲姫がタ級おともにうろついてるらしくてそれの排除も作戦に含むんだとさ」
「……偵察ってなんなんでしょうね」
「俺が訊きたいよ」
はぁ、と二人揃って溜息。敵主力の撃沈も作戦に含まれている。最早、強行偵察というレベルではない。
323: 2015/07/07(火) 22:34:58.42 ID:2cXJCpd/o
グアノ環礁沖海域。途中の潜水艦隊や水雷戦隊を蹴散らし、偵察を行っている。
「赤黒い霧……ここまで濃いなんて……」
試製晴嵐を飛ばし、妖精とリンクして偵察を行っている千歳が驚嘆の声を上げる。
大規模作戦の時を除けばここまで濃い霧が出ているのはAL海域ぐらいのものである。中部海域の敵本拠地に近づいているのだろう。
『偵察の調子はどうだ?』
「晴嵐でも厳しいですね……二式大艇くらい丈夫なら奥まで偵察できるかもしれませんが」
『まぁ無いものをねだっても仕方ない。敵主力はいたか?」
「ここから北東で哨戒してますね。事前の資料の通り、駆逐棲姫を中心とした水上打撃部隊です」
『……よし、千歳の晴嵐が戻り次第、全艦突撃。駆逐棲姫を討ち果たせ!』
~~~~~~
口で「倒せ」と言うのは簡単である。だが、実際の戦闘はそうもいかない。
そもそも水雷戦隊の砲撃戦で戦艦を倒すというのが無茶振りなのだ。駆逐棲姫も艦種こそ駆逐艦なものの、そこらの戦艦を凌駕する装甲と耐久を持つ。
つまりは夜戦に賭けるしかないが、それも昼間の猛攻を凌いだ上で、である。
『雪風、状況報告!』
「千歳さん大破、神通さんと夕立ちゃん中破、雪風小破、敵艦は駆逐撃沈で残存5です!」
「あの、提督」
雪風の報告に千歳が割り込む。
『どうした?』
「敵の攻撃で探照灯が壊れてしまったようです……」
『仕方ない。あるだけの札で勝負するしかない。千歳は下がって水雷戦隊で決着をつける!』
「赤黒い霧……ここまで濃いなんて……」
試製晴嵐を飛ばし、妖精とリンクして偵察を行っている千歳が驚嘆の声を上げる。
大規模作戦の時を除けばここまで濃い霧が出ているのはAL海域ぐらいのものである。中部海域の敵本拠地に近づいているのだろう。
『偵察の調子はどうだ?』
「晴嵐でも厳しいですね……二式大艇くらい丈夫なら奥まで偵察できるかもしれませんが」
『まぁ無いものをねだっても仕方ない。敵主力はいたか?」
「ここから北東で哨戒してますね。事前の資料の通り、駆逐棲姫を中心とした水上打撃部隊です」
『……よし、千歳の晴嵐が戻り次第、全艦突撃。駆逐棲姫を討ち果たせ!』
~~~~~~
口で「倒せ」と言うのは簡単である。だが、実際の戦闘はそうもいかない。
そもそも水雷戦隊の砲撃戦で戦艦を倒すというのが無茶振りなのだ。駆逐棲姫も艦種こそ駆逐艦なものの、そこらの戦艦を凌駕する装甲と耐久を持つ。
つまりは夜戦に賭けるしかないが、それも昼間の猛攻を凌いだ上で、である。
『雪風、状況報告!』
「千歳さん大破、神通さんと夕立ちゃん中破、雪風小破、敵艦は駆逐撃沈で残存5です!」
「あの、提督」
雪風の報告に千歳が割り込む。
『どうした?』
「敵の攻撃で探照灯が壊れてしまったようです……」
『仕方ない。あるだけの札で勝負するしかない。千歳は下がって水雷戦隊で決着をつける!』
324: 2015/07/07(火) 22:36:33.29 ID:2cXJCpd/o
夜戦はいわば至近距離でのガチの殴り合い。敵残存戦力が少なければ数に任せて一方的に叩きのめすだけだが、同等数いる場合話は別である。
随伴艦が守りを固め、本命である駆逐棲姫への攻撃を許さない。
雪風の必殺の魚雷はニ級を盾に防がれ、駆逐棲姫の反撃で島風が大破させられる。
「こちらが交戦したタ級、撃沈しました」
神通からの報告。中破してなお戦艦を屠るだけの火力。
(後は無傷の綾波が姫を狙えば……)
神通が飛ばした夜偵からの通信映像を見ながら黙考する提督。だが。
「……っ!」
もう一隻のタ級が綾波に砲撃を浴びせる。
「まっ……まだ、戦える、はずです……!」
大破こそ免れたものの、決して浅くはないダメージ。追撃を狙うタ級。そこに夕立が飛び込む。
「綾波ちゃん、ここは夕立に任せて! 早く追わなきゃ逃げられるっぽい!」
「はい!」
リ級を護衛に、戦闘海域から離脱し始める駆逐棲姫。主砲が捻じ曲がっている以上、この距離から砲撃で倒すことは不可能。
ならば、接近して撃滅するより他に無し。
(……機関は、何とかいけそうですね)
狙うは大将首ただ一つ。マストに載せた見張員が駆逐棲姫の行く先を指し示す。
「方位三六○、機関一杯です!」
速度を目一杯上げる。リ級が立ちはだかり砲撃を仕掛けてくるが狙いをつけさせない。
両者の距離がどんどん縮まる。あわや正面衝突する直前、綾波は水面を蹴って飛び上がり、更にリ級を踏み台にして更に高く飛び上がった。
眼下には駆逐棲姫。両太ももに装着した五連装の酸素魚雷管に触れる。
「角度よし、深度調定よし……ってーっ!!」
降り注ぐ魚雷。しかし、全て駆逐棲姫から左右にずれた場所に沈む。姫は目で追って自分に向かっていないことを確認する。
随伴艦が守りを固め、本命である駆逐棲姫への攻撃を許さない。
雪風の必殺の魚雷はニ級を盾に防がれ、駆逐棲姫の反撃で島風が大破させられる。
「こちらが交戦したタ級、撃沈しました」
神通からの報告。中破してなお戦艦を屠るだけの火力。
(後は無傷の綾波が姫を狙えば……)
神通が飛ばした夜偵からの通信映像を見ながら黙考する提督。だが。
「……っ!」
もう一隻のタ級が綾波に砲撃を浴びせる。
「まっ……まだ、戦える、はずです……!」
大破こそ免れたものの、決して浅くはないダメージ。追撃を狙うタ級。そこに夕立が飛び込む。
「綾波ちゃん、ここは夕立に任せて! 早く追わなきゃ逃げられるっぽい!」
「はい!」
リ級を護衛に、戦闘海域から離脱し始める駆逐棲姫。主砲が捻じ曲がっている以上、この距離から砲撃で倒すことは不可能。
ならば、接近して撃滅するより他に無し。
(……機関は、何とかいけそうですね)
狙うは大将首ただ一つ。マストに載せた見張員が駆逐棲姫の行く先を指し示す。
「方位三六○、機関一杯です!」
速度を目一杯上げる。リ級が立ちはだかり砲撃を仕掛けてくるが狙いをつけさせない。
両者の距離がどんどん縮まる。あわや正面衝突する直前、綾波は水面を蹴って飛び上がり、更にリ級を踏み台にして更に高く飛び上がった。
眼下には駆逐棲姫。両太ももに装着した五連装の酸素魚雷管に触れる。
「角度よし、深度調定よし……ってーっ!!」
降り注ぐ魚雷。しかし、全て駆逐棲姫から左右にずれた場所に沈む。姫は目で追って自分に向かっていないことを確認する。
325: 2015/07/07(火) 22:42:17.45 ID:2cXJCpd/o
その後頭部に、硬いものをぶつけたかのごとき衝撃が伝わった。
それは落ちてきた綾波が振り下ろした主砲であった。帽子のような装甲の上から伝わる衝撃。一瞬の意識の喪失。
その隙は、綾波に二撃目を与えるに十分な隙であった。着地の勢いを使ったボディチェック。その体当たりは駆逐棲姫のバランスを崩し、転倒させた。
急いで体を起こす駆逐棲姫。だが、遅すぎた。
大爆発。沈んだ後浮上してきた酸素魚雷を避けることはかなわなかった。
駆逐棲姫の撃沈を見たリ級はなすすべなく撤退していく。
『や、やったのか……?』
「司令官さん、やりましたー!」
綾波の歓声。
「しれぇ、任務達成しました! これより帰投します!」
『あ、あぁ。お疲れ様。気をつけて帰って来い』
通信を切り、一息つく。
「綾波、魚雷と見張員載せて夜戦特化にしたとはいえ、思った以上にやってくれたなぁ……」
それは落ちてきた綾波が振り下ろした主砲であった。帽子のような装甲の上から伝わる衝撃。一瞬の意識の喪失。
その隙は、綾波に二撃目を与えるに十分な隙であった。着地の勢いを使ったボディチェック。その体当たりは駆逐棲姫のバランスを崩し、転倒させた。
急いで体を起こす駆逐棲姫。だが、遅すぎた。
大爆発。沈んだ後浮上してきた酸素魚雷を避けることはかなわなかった。
駆逐棲姫の撃沈を見たリ級はなすすべなく撤退していく。
『や、やったのか……?』
「司令官さん、やりましたー!」
綾波の歓声。
「しれぇ、任務達成しました! これより帰投します!」
『あ、あぁ。お疲れ様。気をつけて帰って来い』
通信を切り、一息つく。
「綾波、魚雷と見張員載せて夜戦特化にしたとはいえ、思った以上にやってくれたなぁ……」
326: 2015/07/07(火) 22:44:21.94 ID:2cXJCpd/o
後日
「私も活躍したいかもー!」
秋津洲が二式大艇片手に提督に訴える。
「大体なー、その二式大艇が爆装や雷装してるならともかくなぁ、対潜・触接補助だけじゃ……ん、待てよ」
「?」
「そうかその手があったか! これなら活躍できるかも!」
「あっ、それ私の口癖! とらないでー!」
北方海域、アルフォンシーノ方面
「さぁ、やるわ! 第六○一航空隊、発艦始め!」
「よし、第一次攻撃隊、発艦始め」
「天城航空隊、お……お願いします!」
「稼働全艦載機、発艦はじめっ!」
空母から放たれる艦載機の群れが敵艦隊を蹂躙する。それを援護するは秋津洲の二式大艇。
「大艇ちゃん、いっけー!!」
二式大艇は触接の成功率を大幅上昇させるという。艦載機で先手を取って敵艦隊を壊滅させる戦法において、その効果はとても有用である。
残敵も戦艦が先手を取って沈めるため、艦隊の被害は最小限に抑えられる。
「やっぱり後方支援ならバッチリかも! ね、大艇ちゃん!」
適材適所である。
「私も活躍したいかもー!」
秋津洲が二式大艇片手に提督に訴える。
「大体なー、その二式大艇が爆装や雷装してるならともかくなぁ、対潜・触接補助だけじゃ……ん、待てよ」
「?」
「そうかその手があったか! これなら活躍できるかも!」
「あっ、それ私の口癖! とらないでー!」
北方海域、アルフォンシーノ方面
「さぁ、やるわ! 第六○一航空隊、発艦始め!」
「よし、第一次攻撃隊、発艦始め」
「天城航空隊、お……お願いします!」
「稼働全艦載機、発艦はじめっ!」
空母から放たれる艦載機の群れが敵艦隊を蹂躙する。それを援護するは秋津洲の二式大艇。
「大艇ちゃん、いっけー!!」
二式大艇は触接の成功率を大幅上昇させるという。艦載機で先手を取って敵艦隊を壊滅させる戦法において、その効果はとても有用である。
残敵も戦艦が先手を取って沈めるため、艦隊の被害は最小限に抑えられる。
「やっぱり後方支援ならバッチリかも! ね、大艇ちゃん!」
適材適所である。
330: 2015/07/08(水) 22:47:31.93 ID:6Ywysmhbo
――― 19世紀末ごろには渦巻き型蚊取り線香は既に実用化されていた ―――
提督「あぢーなー……蚊だ。よっと」パチン
白雪「ううん……この季節、飛び交う虫は苦手です」
提督「そうだなー」
白雪「ぐるぐる型のお香を焚きましょ! 白雪にお任せください! 一網打尽です!」
提督「そんなの使わなくとも、てい」ポチッ
白雪「電気蚊取りだなんて風情がないですよ、司令官……」
提督「あぢーなー……蚊だ。よっと」パチン
白雪「ううん……この季節、飛び交う虫は苦手です」
提督「そうだなー」
白雪「ぐるぐる型のお香を焚きましょ! 白雪にお任せください! 一網打尽です!」
提督「そんなの使わなくとも、てい」ポチッ
白雪「電気蚊取りだなんて風情がないですよ、司令官……」
334: 2015/07/10(金) 22:34:46.04 ID:0ZkSl8Ypo
――― 武士の命 ―――
神通「提督」
提督「何じゃらほい」
神通「姉さんは魚雷をクナイのように逆手に持ってますよね」
提督「忍者みがあるな」
神通「那珂は高角砲をマイクのように握ってますよね」
提督「アイドルみがあるな」
神通「そんなわけで私も明石さんの協力のもと、作ってみました」
そう言って彼女がとり出したるは魚雷。だが川内型が標準で装填してるものの二倍から三倍の長さがある。
提督「なんだよこれ。これで敵艦を撲頃するつもりか」
神通「近いですがちょっと違いますね」
神通が魚雷の根元部分を引っ張ると中から刃が現れる。
提督「仕込み杖ならぬ仕込み魚雷かよ……」
神通「砲が折れ、魚雷が尽きてもこれで最後まで戦えます」
提督「物騒だなオイ」
神通「戦とはそういうものです」
なお、バランスの問題などがあることが判明したため使用されなくなった。
神通「提督」
提督「何じゃらほい」
神通「姉さんは魚雷をクナイのように逆手に持ってますよね」
提督「忍者みがあるな」
神通「那珂は高角砲をマイクのように握ってますよね」
提督「アイドルみがあるな」
神通「そんなわけで私も明石さんの協力のもと、作ってみました」
そう言って彼女がとり出したるは魚雷。だが川内型が標準で装填してるものの二倍から三倍の長さがある。
提督「なんだよこれ。これで敵艦を撲頃するつもりか」
神通「近いですがちょっと違いますね」
神通が魚雷の根元部分を引っ張ると中から刃が現れる。
提督「仕込み杖ならぬ仕込み魚雷かよ……」
神通「砲が折れ、魚雷が尽きてもこれで最後まで戦えます」
提督「物騒だなオイ」
神通「戦とはそういうものです」
なお、バランスの問題などがあることが判明したため使用されなくなった。
338: 2015/07/13(月) 22:37:20.55 ID:axTClY4Do
――― 最初に思いついたの誰だよ ―――
瑞鳳「私の作った玉子焼き、食べるぅ?」
提督「食うが……鶏の卵だよな?」
瑞鳳「そうだけど……ウズラとかダメなの?」
提督「……この資料を見ればわかる」
瑞鳳「?」
提督が差し出した資料。空母艦娘についての資料らしい。
ぱらり、とページを捲る。そこにある文字列を認識した瞬間、瑞鳳の身体は固まった。
瑞鳳「な、に……これ……」
一番目の大見出しが「空母は卵生」とか書いてあればそうなるのもむべなるかな。
瑞鳳「空母は卵産んだりしないよ!?」
提督「猫吊るし曰く、この世界での与太話は別世界の真実であるという。つまり産む世界線があるって事だ。怖いな」
瑞鳳「知りたくなかったぁ……」
提督「俺もだ」
瑞鳳「私の作った玉子焼き、食べるぅ?」
提督「食うが……鶏の卵だよな?」
瑞鳳「そうだけど……ウズラとかダメなの?」
提督「……この資料を見ればわかる」
瑞鳳「?」
提督が差し出した資料。空母艦娘についての資料らしい。
ぱらり、とページを捲る。そこにある文字列を認識した瞬間、瑞鳳の身体は固まった。
瑞鳳「な、に……これ……」
一番目の大見出しが「空母は卵生」とか書いてあればそうなるのもむべなるかな。
瑞鳳「空母は卵産んだりしないよ!?」
提督「猫吊るし曰く、この世界での与太話は別世界の真実であるという。つまり産む世界線があるって事だ。怖いな」
瑞鳳「知りたくなかったぁ……」
提督「俺もだ」
344: 2015/07/14(火) 22:19:49.43 ID:VoL2pJRco
――― ご飯かライスかお米 ―――
酒匂「司令? お風呂にする? ご飯にする?それとも……さ か わ?」
提督「それはちょっとまずいだろ」
酒匂「えっ? これってだめなの? なぁんでぇ!?」
提督「そりゃさぁ」
雪風「しれぇは雪風のものです! あ、いや雪風はしれぇのもの? とにかくダメです!!」
雪風は提督に背中から飛びつき、ほっぺたを膨らまして酒匂を威嚇する。
酒匂「えー、独り占めするのよくないよー」
雪風「むー」
酒匂「ぴゅぅぅぅ」
提督「はいはい、二人とも落ち着け。一緒に飯食いに行こう」
雪風「はい!」
酒匂「わぁい!」
酒匂「司令? お風呂にする? ご飯にする?それとも……さ か わ?」
提督「それはちょっとまずいだろ」
酒匂「えっ? これってだめなの? なぁんでぇ!?」
提督「そりゃさぁ」
雪風「しれぇは雪風のものです! あ、いや雪風はしれぇのもの? とにかくダメです!!」
雪風は提督に背中から飛びつき、ほっぺたを膨らまして酒匂を威嚇する。
酒匂「えー、独り占めするのよくないよー」
雪風「むー」
酒匂「ぴゅぅぅぅ」
提督「はいはい、二人とも落ち着け。一緒に飯食いに行こう」
雪風「はい!」
酒匂「わぁい!」
349: 2015/07/15(水) 21:59:03.00 ID:Bpn7shDZo
――― 長門の個人的趣味ではないか? 提督は訝しんだ ―――
長門「艦隊、水着で浜辺に集合だ! 演習、ビーチバレーというのをやるぞ!」
提督「去年、深海棲艦とやりあったな。つーか白露が言ってた夏季特別演習ってこれのことか……」
長門「チーム分けはこの長門が考えておいた! ところで提督」
提督「なんだ?」
長門「ビーチバレーのルールを知っているか?」
提督「知らんぞ、というかお前知らずに開催しようとしたのか」
長門「提督は去年ヤツラとビーチバレーでやりあったのだろう?」
提督「あれは殺人ビーチバレーであって普通のビーチバレーは知らんぞ」
長門「むぅ、割と当てにしていたのだが」
このあとルールを知ってた陸奥がナントカして解決した。
長門「艦隊、水着で浜辺に集合だ! 演習、ビーチバレーというのをやるぞ!」
提督「去年、深海棲艦とやりあったな。つーか白露が言ってた夏季特別演習ってこれのことか……」
長門「チーム分けはこの長門が考えておいた! ところで提督」
提督「なんだ?」
長門「ビーチバレーのルールを知っているか?」
提督「知らんぞ、というかお前知らずに開催しようとしたのか」
長門「提督は去年ヤツラとビーチバレーでやりあったのだろう?」
提督「あれは殺人ビーチバレーであって普通のビーチバレーは知らんぞ」
長門「むぅ、割と当てにしていたのだが」
このあとルールを知ってた陸奥がナントカして解決した。
354: 2015/07/16(木) 22:26:42.29 ID:VbM3q0KLo
――― ま、まぁ榛名よりは待たずに済むだろうし(震え声) ―――
提督「これで翔鶴・瑞鶴も練度最大か……」
翔鶴「やりました!」
瑞鶴「これが五航戦の力よ!」
提督「そんな二人に悪いニュースと良いニュースがある」
瑞鶴「何?」
提督「どっちから聞きたい?」
翔鶴「では悪いニュースから……」
提督「恒例のケッコンカッコカリ指輪だが二人ともしばらくお預けだ」
瑞鶴「えっ、何でよ? 赤城さんたちには渡してたじゃない」
翔鶴「それでは良いニュースは……?」
提督「近々空母の改二が来るという話があってな。もしマリアナ・レイテで生き残ったらというIf改装になるらしい」
翔鶴「それってもしかして……!」
瑞鶴「私たちの改二!?」
提督「あぁ、まず間違いないだろう。そのときに指輪を渡そうと思う」
瑞鶴「よしっ、これで加賀さんを見返せる!」
提督「そういうわけで装備は回収させてもらうよ。しばらく出撃することはないと思うからゆっくりやすんでいってね!!」
~~~~~~
翔鶴「瑞鶴、暇ね……」
瑞鶴「榛名さんなんか三ヶ月ぐらい待たされたらしいわ」
翔鶴「いつごろになるか聞いておけばよかったわね」
提督「これで翔鶴・瑞鶴も練度最大か……」
翔鶴「やりました!」
瑞鶴「これが五航戦の力よ!」
提督「そんな二人に悪いニュースと良いニュースがある」
瑞鶴「何?」
提督「どっちから聞きたい?」
翔鶴「では悪いニュースから……」
提督「恒例のケッコンカッコカリ指輪だが二人ともしばらくお預けだ」
瑞鶴「えっ、何でよ? 赤城さんたちには渡してたじゃない」
翔鶴「それでは良いニュースは……?」
提督「近々空母の改二が来るという話があってな。もしマリアナ・レイテで生き残ったらというIf改装になるらしい」
翔鶴「それってもしかして……!」
瑞鶴「私たちの改二!?」
提督「あぁ、まず間違いないだろう。そのときに指輪を渡そうと思う」
瑞鶴「よしっ、これで加賀さんを見返せる!」
提督「そういうわけで装備は回収させてもらうよ。しばらく出撃することはないと思うからゆっくりやすんでいってね!!」
~~~~~~
翔鶴「瑞鶴、暇ね……」
瑞鶴「榛名さんなんか三ヶ月ぐらい待たされたらしいわ」
翔鶴「いつごろになるか聞いておけばよかったわね」
359: 2015/07/21(火) 22:08:55.46 ID:6RsZLcTzo
――― 皆ここらの記憶あやふやですよね ―――
プリンツ・オイゲン着任直後あたりの話
提督「で、こっちが工廠で……」
プリンツ「んっ? あ、長門だぁ! おーい、なーがとー!」
長門「おお、プリンツ・オイゲンだったか? 久しいな」
提督「あれ、まだ互いに紹介してなかったと思うが……その前に会ってたか?」
プリンツ「……ん? どこで会ったかって? それはもちろん! ……っと……あれ? えっと…どこだっけ…?」
長門「そういえば私も、そうだな……一目見て誰だかわかったが……うーむ」
酒匂「あっ、しれぇ? その子新しく来た子?」
プリンツ「酒匂! 久しぶりー!」
酒匂「プリンツちゃん? ぴゅう! おひさー!」
提督「酒匂とも知り合いなのか」
プリンツ「そうそう! ……あれ、でもどこで知りあっ……うっ頭が」
提督「……えーとプリンツ・オイゲンの艦歴は……あっ。やめようこれ以上深く追求するのはやめよう」
プリンツ「……うん」
プリンツ・オイゲン着任直後あたりの話
提督「で、こっちが工廠で……」
プリンツ「んっ? あ、長門だぁ! おーい、なーがとー!」
長門「おお、プリンツ・オイゲンだったか? 久しいな」
提督「あれ、まだ互いに紹介してなかったと思うが……その前に会ってたか?」
プリンツ「……ん? どこで会ったかって? それはもちろん! ……っと……あれ? えっと…どこだっけ…?」
長門「そういえば私も、そうだな……一目見て誰だかわかったが……うーむ」
酒匂「あっ、しれぇ? その子新しく来た子?」
プリンツ「酒匂! 久しぶりー!」
酒匂「プリンツちゃん? ぴゅう! おひさー!」
提督「酒匂とも知り合いなのか」
プリンツ「そうそう! ……あれ、でもどこで知りあっ……うっ頭が」
提督「……えーとプリンツ・オイゲンの艦歴は……あっ。やめようこれ以上深く追求するのはやめよう」
プリンツ「……うん」
363: 2015/07/23(木) 06:53:37.39 ID:txkTW7F8o
鎮守府、執務室。今日も今日とて提督は資料に目を通し書類仕事を行っていた。
「ふーむ、これが阿武隈改二の一部か……この軌条、どっかで見たことがあるな?」
そこに突然開くドア。扉の向こうで仁王立ちするは猫吊るし。
「せめてノックして返事を待てよ」
「別に床や天井から入っても良かったんだけど」
「良くねぇよ俺の部屋だぞ」
繰り返されるいつものやり取り。突然入ってくるのを止めた試しがない。
「そうそう、グッドニュースを持ってきました」
「何だよ」
「キス島の羅針盤条件が緩くなりました。軽巡旗艦、他駆逐艦でもキス島に近づけるルートにいけます」
「もう2回か3回はいっただろ。今更緩めてどうするんだよ」
「他の平行世界ではまだ救出できてない人だっているんですよ。まぁそれはともかく」
「何だよ?」
「新しい任務です。任務の消化がてら、羅針盤の正常動作をご確認ください」
そう言って提督に書類を投げ渡す。
「ふむ、『阿武隈を旗艦とし、響、初霜、若葉、五月雨、島風の編成を組め』、でこっちが『同艦隊でキス島主力に打ち勝て』と……」
「まさか難しいとか言いませんよね?」
「どうせ羅針盤次第だろ。昔と違って資材もバケツも大量にあるし、あとは繰り返すだけだ」
「ふーむ、これが阿武隈改二の一部か……この軌条、どっかで見たことがあるな?」
そこに突然開くドア。扉の向こうで仁王立ちするは猫吊るし。
「せめてノックして返事を待てよ」
「別に床や天井から入っても良かったんだけど」
「良くねぇよ俺の部屋だぞ」
繰り返されるいつものやり取り。突然入ってくるのを止めた試しがない。
「そうそう、グッドニュースを持ってきました」
「何だよ」
「キス島の羅針盤条件が緩くなりました。軽巡旗艦、他駆逐艦でもキス島に近づけるルートにいけます」
「もう2回か3回はいっただろ。今更緩めてどうするんだよ」
「他の平行世界ではまだ救出できてない人だっているんですよ。まぁそれはともかく」
「何だよ?」
「新しい任務です。任務の消化がてら、羅針盤の正常動作をご確認ください」
そう言って提督に書類を投げ渡す。
「ふむ、『阿武隈を旗艦とし、響、初霜、若葉、五月雨、島風の編成を組め』、でこっちが『同艦隊でキス島主力に打ち勝て』と……」
「まさか難しいとか言いませんよね?」
「どうせ羅針盤次第だろ。昔と違って資材もバケツも大量にあるし、あとは繰り返すだけだ」
364: 2015/07/23(木) 06:55:37.16 ID:txkTW7F8o
ケ号作戦、推進中!
鎮守府、工廠。任務に必要な駆逐艦娘を集め、ブリーフィングを行っている。阿武隈は改装中である。
「……と、まぁそういうわけで諸君らには阿武隈の指揮の元、キス島へ向かってもらう」
「奇跡の作戦、キスカ……!?」
「そういうこった。昔は駆逐のみでないといけなかったから軽巡の指揮が出来なかったが、今日からは違う……はず」
改装用のドック――実質更衣室みたいなものだが――の方を向く。
「阿武隈、準備はいいか?」
「あたしの出番? そうこなくっちゃ! 阿武隈、出撃です!」
ドックから姿を見せた少女は改装前とは違って、自信に満ち溢れた顔をしていた。
「よーし、いい面構えだ。この作戦、旗艦はお前だ。成功を期待しているぞ」
「阿武隈、ご期待に応えます!」
キス島沖、南方。陸戦隊が撤収した今も、何かを守るように深海棲艦がうろついている。
「ここに来るのもいつぶりだか」
出撃する阿武隈たちを見送る提督。あいては最早顔なじみ同然の水雷戦隊。
接敵前に敵駆逐艦が沈む。阿武隈の甲標的による先制攻撃だ。続けざまに砲撃が飛び交う。昔と違い練度の高まった今、苦戦する要素はない。
「よしよし、次が本番だ。気を引き締めてかかれ」
『はぁい……』
進撃を指示するが阿武隈の声に覇気がない。出撃前は結構やる気があったはずだが。
365: 2015/07/23(木) 06:56:18.67 ID:txkTW7F8o
問題の地点。リ級やル級のEliteクラスが回遊する恐怖の海域。軽巡洋艦を連れて行けるようになった今でもワンパン大破は十分ありうる地点。
「皆さん私の指示に従ってくださーい!」
甲標的で敵の数を減らしつつ阿武隈が指示を飛ばそうとする。だが。
「さて、やりますか」
「おっそーい!」
以前参加したことのある島風と響は聞く必要はないとばかりに先行し、
「おい初霜、ちょっと近づきすぎうわぁ」
「きゃぁ!?」
若葉と初霜が衝突し、
「もう、なんでぇ!?」
五月雨は何もないところでずっこけていた。
どう見ても阿武隈の指示を聞いていないか聞くどころではない。
「こりゃいっぺん戻って立て直しかなぁ……」
ぷかぷか丸の甲板で頭を抱えていると通信が入った。
『こちら阿武隈です……今なら北上さんの気持ちちょっとわかる気がします』
「あぁ、誰か大破したか?」
『いえ、皆小破すらしてません』
「見た感じかなりぐだぐだだったように見えたが」
『うー……ともかく進撃には問題ありません』
唸りながら答える阿武隈。若葉と初霜が思いっきりぶつかってたはずだが平気ならそれに越したことはない。
「よし、進め。海流はどうだ?」
『東に流れてますね』
「よしよし、キス島の主力は輸送艦がいる都合上大したことないし撃滅もたやすい。全艦、突撃せよ!!」
「皆さん私の指示に従ってくださーい!」
甲標的で敵の数を減らしつつ阿武隈が指示を飛ばそうとする。だが。
「さて、やりますか」
「おっそーい!」
以前参加したことのある島風と響は聞く必要はないとばかりに先行し、
「おい初霜、ちょっと近づきすぎうわぁ」
「きゃぁ!?」
若葉と初霜が衝突し、
「もう、なんでぇ!?」
五月雨は何もないところでずっこけていた。
どう見ても阿武隈の指示を聞いていないか聞くどころではない。
「こりゃいっぺん戻って立て直しかなぁ……」
ぷかぷか丸の甲板で頭を抱えていると通信が入った。
『こちら阿武隈です……今なら北上さんの気持ちちょっとわかる気がします』
「あぁ、誰か大破したか?」
『いえ、皆小破すらしてません』
「見た感じかなりぐだぐだだったように見えたが」
『うー……ともかく進撃には問題ありません』
唸りながら答える阿武隈。若葉と初霜が思いっきりぶつかってたはずだが平気ならそれに越したことはない。
「よし、進め。海流はどうだ?」
『東に流れてますね』
「よしよし、キス島の主力は輸送艦がいる都合上大したことないし撃滅もたやすい。全艦、突撃せよ!!」
366: 2015/07/23(木) 06:57:15.63 ID:txkTW7F8o
鎮守府、埠頭。任務は無事成功した。
「はぁー、疲れたー」
「よしよし阿武隈よくやったな」
阿武隈の頭をぐしぐし撫でる。
「わあぁ! あんまり触らないでくださいよぉ! あたしの前髪崩れやすいんだから!」
そんな感じで戯れていると猫吊るしが近づいてきた。
「どうやら無事任務を達成したようですね」
「さすがは阿武隈改二だ。よくやってくれた」
「だから止めてってばぁ!」
もう一回撫でようとしたが止められた。猫吊るしは気にせず懐から書類を取り出す。
「で、追加任務ですがもう一回キス島行ってもらいます」
「は? さっき行ったじゃん」
「えぇ、五月雨、初霜、若葉OUT、秋雲、夕雲、長波INで」
「阿武隈は」
「響、島風とともに続投です」
前髪を必氏で直している阿武隈に向き直り、
「というわけでもう一回頼むぜ」
「うぅー、やりますけど今度は撫でないでくださいね?」
結局同じように吶喊して同じように撫でられたのであった。
「はぁー、疲れたー」
「よしよし阿武隈よくやったな」
阿武隈の頭をぐしぐし撫でる。
「わあぁ! あんまり触らないでくださいよぉ! あたしの前髪崩れやすいんだから!」
そんな感じで戯れていると猫吊るしが近づいてきた。
「どうやら無事任務を達成したようですね」
「さすがは阿武隈改二だ。よくやってくれた」
「だから止めてってばぁ!」
もう一回撫でようとしたが止められた。猫吊るしは気にせず懐から書類を取り出す。
「で、追加任務ですがもう一回キス島行ってもらいます」
「は? さっき行ったじゃん」
「えぇ、五月雨、初霜、若葉OUT、秋雲、夕雲、長波INで」
「阿武隈は」
「響、島風とともに続投です」
前髪を必氏で直している阿武隈に向き直り、
「というわけでもう一回頼むぜ」
「うぅー、やりますけど今度は撫でないでくださいね?」
結局同じように吶喊して同じように撫でられたのであった。
370: 2015/07/23(木) 22:22:15.01 ID:txkTW7F8o
――― イタリアの昼カットインって青少年の何かがめっちゃ危なすぎでしょこれ ―――
イタリア「新しい水着も用意したの。うふふ」
提督「主砲はつけるのな」
イタリア「戦艦ですし」
提督「金属部分肌に直接触れてるけど熱くねぇの?」
イタリア「平気ですよ。私の一部ですし」
提督「でも取り外しは出来るんだよな」
イタリア「えぇ。よいしょっと。ほら、火ぶくれとかもありません」
提督「ほほー……。いい事を思いついた」
イタリア「?」
提督「おーい清霜ー。これ新しい戦艦の装備だぞー。つけてみるかー?」
清霜「つけるつけるー!!」
イタリア「駆逐の子がつけて大丈夫でしょうか……」
提督「ほれ、よいしょっと」
清霜「どぉ? 清霜かっこい(ゴキッ」
提督「……肩脱臼してる。やはりダメか」
イタリア「やっぱり……」
清霜の肩は入渠したら治ったのでご安心ください
イタリア「新しい水着も用意したの。うふふ」
提督「主砲はつけるのな」
イタリア「戦艦ですし」
提督「金属部分肌に直接触れてるけど熱くねぇの?」
イタリア「平気ですよ。私の一部ですし」
提督「でも取り外しは出来るんだよな」
イタリア「えぇ。よいしょっと。ほら、火ぶくれとかもありません」
提督「ほほー……。いい事を思いついた」
イタリア「?」
提督「おーい清霜ー。これ新しい戦艦の装備だぞー。つけてみるかー?」
清霜「つけるつけるー!!」
イタリア「駆逐の子がつけて大丈夫でしょうか……」
提督「ほれ、よいしょっと」
清霜「どぉ? 清霜かっこい(ゴキッ」
提督「……肩脱臼してる。やはりダメか」
イタリア「やっぱり……」
清霜の肩は入渠したら治ったのでご安心ください
371: 2015/07/23(木) 22:23:19.21 ID:txkTW7F8o
――― 航空機ぽんぽん量産できるのって恐ろしくない? ―――
大鳳「未帰還機……って言葉は嫌な言葉よね。なるべくなら出したくないけれど、戦いだから」
提督「艦載機って中に妖精がいるんだよな」
大鳳「えぇ」
提督「あいつらはどうなるんだ?」
大鳳「海面に無事落ちた子は回収するけど、戻ってこなかった子は……」
提督「子は?」
大鳳「実際見てもらったほうが早いですね。これが流星改入りのマガジン。そしてこれがボーキサイト」
提督「うん、わかる」
大鳳「これをこうして、こうして、えいっ」
ポンッ、という音とともにボーキサイトが流星改とその妖精に変化した。
提督「おお」
大鳳「あとは艦載機を矢にしてマガジンに補充すれば完了です」
提督「ボーキを贄に呼び出すのはいいとしてどっから湧いてくるんだ」
大鳳「さぁ……。猫吊るしさんに聞いたら『むつーでりーとさいこーちく方式』なんだとか。よくわかりませんけど」
提督「……思ったよりヤバイ技術なのでは」
大鳳「未帰還機……って言葉は嫌な言葉よね。なるべくなら出したくないけれど、戦いだから」
提督「艦載機って中に妖精がいるんだよな」
大鳳「えぇ」
提督「あいつらはどうなるんだ?」
大鳳「海面に無事落ちた子は回収するけど、戻ってこなかった子は……」
提督「子は?」
大鳳「実際見てもらったほうが早いですね。これが流星改入りのマガジン。そしてこれがボーキサイト」
提督「うん、わかる」
大鳳「これをこうして、こうして、えいっ」
ポンッ、という音とともにボーキサイトが流星改とその妖精に変化した。
提督「おお」
大鳳「あとは艦載機を矢にしてマガジンに補充すれば完了です」
提督「ボーキを贄に呼び出すのはいいとしてどっから湧いてくるんだ」
大鳳「さぁ……。猫吊るしさんに聞いたら『むつーでりーとさいこーちく方式』なんだとか。よくわかりませんけど」
提督「……思ったよりヤバイ技術なのでは」
375: 2015/07/24(金) 22:38:41.38 ID:ufB2/nTmo
――― 他のUボートや呂号潜水艦出るのかどうか ―――
ユー「ドイツ海軍所属、潜水艦U-511です。ユーとお呼びください」
ビスマルク「Uボートの子かぁ。懐かしいわね……」
提督「ほう、前世での知り合いか」
ビスマルク「この子じゃなくて同じUボートのU-556だけどね。私の騎士に当たる子よ。実際宣誓だってしたんだから」
提督「なるほど。ところで」
ビスマルク「何かしら?」
提督「伊号潜水艦たちの通称は番号名もじったものになってるがU-511は番号名の方もじらずユーだよな。もしかして他のUボートdグエッ」
ビスマルク「そこまで」
ビスマルクの腕が提督の首に絡みつく。
ビスマルク「こっちじゃコトダマとかいって言った事が真実になったりするんでしょう? あの子が来ないなんて認めないわ」
提督「ぐるじい……ぐび……ぐびじまっでる……」
ユー「ドイツ海軍所属、潜水艦U-511です。ユーとお呼びください」
ビスマルク「Uボートの子かぁ。懐かしいわね……」
提督「ほう、前世での知り合いか」
ビスマルク「この子じゃなくて同じUボートのU-556だけどね。私の騎士に当たる子よ。実際宣誓だってしたんだから」
提督「なるほど。ところで」
ビスマルク「何かしら?」
提督「伊号潜水艦たちの通称は番号名もじったものになってるがU-511は番号名の方もじらずユーだよな。もしかして他のUボートdグエッ」
ビスマルク「そこまで」
ビスマルクの腕が提督の首に絡みつく。
ビスマルク「こっちじゃコトダマとかいって言った事が真実になったりするんでしょう? あの子が来ないなんて認めないわ」
提督「ぐるじい……ぐび……ぐびじまっでる……」
381: 2015/07/27(月) 22:44:55.49 ID:kAMUsNALo
――― 丈短いよね ―――
提督「さて、レーベが建造依頼することによってマックスが来るというが……24分、来たかな?」
マックス「私が駆逐艦マックス・シュルツよ。マックス、でもいいけれど。よろしく」
提督「あぁ、よろしくな」
レーベ「マックス、久しぶり!」
マックス「えぇ、久しぶりね。それにしても……」
レーベ「?」
マックス(服の丈が短くないかしら? レーベもだけど)
マックス「いえ、なんでもないわ」
提督「んで、この子がウチの秘書艦にして筆頭艦娘、雪風だ」
雪風「マックスさんですね! よろしくお願いします!」
マックス「ふぅん……よろしく」
マックス(この子も短いわね)
島風「てーとくー!! 爆雷とソナーどこー?」
提督「対潜哨戒か。確かレーベが持ってたな。装備受け渡せ」
レーベ「うん、ちょっと待ってね」
島風「はやくー!」
マックス(!? あの子のスカート、もう用を為してないレベル……。艦娘はあのくらいの丈がデフォルトなの!?)
マックス「ふ、ふぅん……」
この誤解は他の駆逐艦娘に会うまで続いた
提督「さて、レーベが建造依頼することによってマックスが来るというが……24分、来たかな?」
マックス「私が駆逐艦マックス・シュルツよ。マックス、でもいいけれど。よろしく」
提督「あぁ、よろしくな」
レーベ「マックス、久しぶり!」
マックス「えぇ、久しぶりね。それにしても……」
レーベ「?」
マックス(服の丈が短くないかしら? レーベもだけど)
マックス「いえ、なんでもないわ」
提督「んで、この子がウチの秘書艦にして筆頭艦娘、雪風だ」
雪風「マックスさんですね! よろしくお願いします!」
マックス「ふぅん……よろしく」
マックス(この子も短いわね)
島風「てーとくー!! 爆雷とソナーどこー?」
提督「対潜哨戒か。確かレーベが持ってたな。装備受け渡せ」
レーベ「うん、ちょっと待ってね」
島風「はやくー!」
マックス(!? あの子のスカート、もう用を為してないレベル……。艦娘はあのくらいの丈がデフォルトなの!?)
マックス「ふ、ふぅん……」
この誤解は他の駆逐艦娘に会うまで続いた
386: 2015/07/28(火) 22:43:13.74 ID:K6mLwuN9o
――― 図鑑のあの部分の疑問 ―――
涼風「涼風だよ。特型駆逐艦として数々の攻略作戦に参加したんだ。その後は」
提督「ちょい待ち」
涼風「なんだい提督?」
提督「なんかおかしい部分があった気がする」
涼風「えー? 歴戦艦に見えないって? そりゃあまぁ雪風には負けるけどさぁ、あたいも」
提督「そっちじゃなくてもうちょっと前」
涼風「え、特型駆逐艦としてってとこ?」
提督「そこ。どこぞの一人前のレディーが暁型が最終完成形だって言ってたし暁型でも綾波型でも吹雪型でもないだろ」
涼風「ふふん、これを見なよ」
提督「ポケット海軍年間だぁ?」
涼風「ここの記述に初春型以降も特型と呼んでる記述があるし間違いじゃないさ!」
提督「……これ、1935年のだよな。お前まだ進水してないよな。初春型以降9隻ってまだ村雨までしか進水してないよな」
涼風「こまけぇこたぁいいんだよ!!」
涼風「涼風だよ。特型駆逐艦として数々の攻略作戦に参加したんだ。その後は」
提督「ちょい待ち」
涼風「なんだい提督?」
提督「なんかおかしい部分があった気がする」
涼風「えー? 歴戦艦に見えないって? そりゃあまぁ雪風には負けるけどさぁ、あたいも」
提督「そっちじゃなくてもうちょっと前」
涼風「え、特型駆逐艦としてってとこ?」
提督「そこ。どこぞの一人前のレディーが暁型が最終完成形だって言ってたし暁型でも綾波型でも吹雪型でもないだろ」
涼風「ふふん、これを見なよ」
提督「ポケット海軍年間だぁ?」
涼風「ここの記述に初春型以降も特型と呼んでる記述があるし間違いじゃないさ!」
提督「……これ、1935年のだよな。お前まだ進水してないよな。初春型以降9隻ってまだ村雨までしか進水してないよな」
涼風「こまけぇこたぁいいんだよ!!」
390: 2015/07/29(水) 22:22:01.59 ID:QTDKAKE2o
――― デザインの相互影響 ―――
阿武隈改二直前あたりの話
提督「改二になるとだいたい艦娘のデザイン変わるよなぁ」
初風「何よ、藪から棒に」
提督「睦月・如月は改二になって月型のアクセサリがついただろ」
初風「そうね」
提督「摩耶・鳥海も改二になって高雄・愛宕に近いデザインになったろう」
初風「えぇ、それで?」
提督「初風が改二になったら他の十六駆の三人に近いデザインになるんじゃね?」
初風「……何考えてんのよ」グイー
提督「痛い痛いほっぺつねるな」
初風「妙高姉さんに言わないだけマシと思いなさいよ」
提督「完全に脅迫じゃねぇか」
初風「それに初春と初霜は互いの姉妹デザインに近づいた感じはないでしょ」
提督「それもそうだな。じゃあ一つ賭けをしようじゃないか」
初風「何かしら?」
提督「近々阿武隈が改二になる。確かデザイン担当は初風と同じはずだ。俺は長良たちと同じようなデザインになる方に間宮券を賭ける」
初風「ということは私は現状に近い方に賭けることになるわね」
提督「ククク、実装当日を首を洗って待っているがいい!!」
初風「そっちこそ、券の用意忘れないようにしなさいよ」
当日
阿武隈「あたし的には、とってもOKです!」
初風「主砲も変わったし、缶部分も変わったわね……」
提督「かいt甲標的軌条もついたし魚雷発射管も足首についた……服も一新されてる……」
初風「まさかここまで変わるなんてね……」
提督「金剛型の服はそう変わらなかったのに……」
初風「これ勝敗どうなんの……」
提督「ノーコンテスト、かな……」
阿武隈改二直前あたりの話
提督「改二になるとだいたい艦娘のデザイン変わるよなぁ」
初風「何よ、藪から棒に」
提督「睦月・如月は改二になって月型のアクセサリがついただろ」
初風「そうね」
提督「摩耶・鳥海も改二になって高雄・愛宕に近いデザインになったろう」
初風「えぇ、それで?」
提督「初風が改二になったら他の十六駆の三人に近いデザインになるんじゃね?」
初風「……何考えてんのよ」グイー
提督「痛い痛いほっぺつねるな」
初風「妙高姉さんに言わないだけマシと思いなさいよ」
提督「完全に脅迫じゃねぇか」
初風「それに初春と初霜は互いの姉妹デザインに近づいた感じはないでしょ」
提督「それもそうだな。じゃあ一つ賭けをしようじゃないか」
初風「何かしら?」
提督「近々阿武隈が改二になる。確かデザイン担当は初風と同じはずだ。俺は長良たちと同じようなデザインになる方に間宮券を賭ける」
初風「ということは私は現状に近い方に賭けることになるわね」
提督「ククク、実装当日を首を洗って待っているがいい!!」
初風「そっちこそ、券の用意忘れないようにしなさいよ」
当日
阿武隈「あたし的には、とってもOKです!」
初風「主砲も変わったし、缶部分も変わったわね……」
提督「かいt甲標的軌条もついたし魚雷発射管も足首についた……服も一新されてる……」
初風「まさかここまで変わるなんてね……」
提督「金剛型の服はそう変わらなかったのに……」
初風「これ勝敗どうなんの……」
提督「ノーコンテスト、かな……」
396: 2015/07/30(木) 23:02:19.72 ID:XaK2D9Kyo
――― 流行り廃り ―――
最上「提督、最近15.5cm主砲を集めてるらしいね」
提督「あぁ、そうだ。軽巡にフィット概念が出来たらしくてな。集めたのを軽巡艦娘に装備させてるわけだ」
最上「へぇ~」
提督「だから最上のドロップや建造は喜ばしいのだ」
最上「なんか喜ぶべきかどうか微妙な気がするなぁ」
後日……
提督「……」
最上「あれ、15.5cm主砲外してる?」
提督「フィットの対象外らしいことが明らかになったのだ……」
最上「ありゃ~……これどうするの?」
提督「とりあえず保管だ。OTO砲の改修にまわそう……」
最上「でも最近は徹甲弾の改修ばっかなような」
提督「それはいいっこなしだ」
最上「提督、最近15.5cm主砲を集めてるらしいね」
提督「あぁ、そうだ。軽巡にフィット概念が出来たらしくてな。集めたのを軽巡艦娘に装備させてるわけだ」
最上「へぇ~」
提督「だから最上のドロップや建造は喜ばしいのだ」
最上「なんか喜ぶべきかどうか微妙な気がするなぁ」
後日……
提督「……」
最上「あれ、15.5cm主砲外してる?」
提督「フィットの対象外らしいことが明らかになったのだ……」
最上「ありゃ~……これどうするの?」
提督「とりあえず保管だ。OTO砲の改修にまわそう……」
最上「でも最近は徹甲弾の改修ばっかなような」
提督「それはいいっこなしだ」
395: 2015/07/30(木) 01:05:28.54 ID:W91IgJaCO
乙です
次回:泣き虫雪風と釣り人提督【その26】
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