900: 2016/04/23(土) 21:47:13.13 ID:n9e1/ZNNo
前回:泣き虫雪風と釣り人提督【その30】
最初から:泣き虫雪風と釣り人提督
――― あれは一体何なんだ ―――
鎮守府秋祭りの頃
提督「名取も浴衣姿か。似あってんな」
名取「え、あ、はい……」
提督「それは金魚すくいでとったやつか」
名取「はい、結構得意なんです」
提督「……その黒いのは」
名取「黒金魚では?」
提督「どう見ても深海の駆逐だが……」
名取「じゃあ私はコレで……」 ススス
提督「おい待てせめてそれ出してた店を吐いてからにしろ!」
907: 2016/04/27(水) 21:06:31.08 ID:LKrP4fV3o
――― 内火艇改修は潜水艦にお任せ ―――
提督「内火艇手に入れたけどコレも改修できるのかな」
はち「出来ますよ」
提督「マジで」
はち「実は潜水艦も装備できるんですよ」
提督「まるゆもか」
はち「積めますね」
提督「元は積めるような艦だったか?」
はち「まぁ妖精の方が潜水艦と認識してるようなので」
提督「めっちゃ判定ガバガバだな」
はち「それで、改修しますか? 明石さんと協力すれば出来ますよ」
提督「あぁ、頼むわ」
はち「7.7mm機銃が足りませんでした」
提督「ふぁっきん!」
提督「内火艇手に入れたけどコレも改修できるのかな」
はち「出来ますよ」
提督「マジで」
はち「実は潜水艦も装備できるんですよ」
提督「まるゆもか」
はち「積めますね」
提督「元は積めるような艦だったか?」
はち「まぁ妖精の方が潜水艦と認識してるようなので」
提督「めっちゃ判定ガバガバだな」
はち「それで、改修しますか? 明石さんと協力すれば出来ますよ」
提督「あぁ、頼むわ」
はち「7.7mm機銃が足りませんでした」
提督「ふぁっきん!」
911: 2016/04/29(金) 21:17:32.32 ID:Xh7NxNDHo
――― 軌条ないよね ―――
木曾が改二なりたての頃
木曾「いいねぇ、こういうの」
提督「これで木曾も重雷装巡洋艦か。甲標的が装備できるわけだが……どこにつける?」
木曾「そういや姉さんたちは何処からともなく出してたな」
提督「とりあえず魚雷発射管のあたりにつけておくか」
木曾「おう」
甲標的妖精「ソレチガウソレチガウ」
提督「よし、試し撃ち行ってみようか」
木曾「見てろよー!」
甲標的を取り付けたまま高速回転する魚雷管。特に意味は無い。
甲標的妖精「アババババババババ」
木曾「行っけぇぇぇぇ!!」
放たれる甲標的。そのまま進むことなく沈降する。
提督「……あれ?」
木曾「おっかしーなー……」
このあと二人して妖精さんにめっちゃ怒られた
木曾が改二なりたての頃
木曾「いいねぇ、こういうの」
提督「これで木曾も重雷装巡洋艦か。甲標的が装備できるわけだが……どこにつける?」
木曾「そういや姉さんたちは何処からともなく出してたな」
提督「とりあえず魚雷発射管のあたりにつけておくか」
木曾「おう」
甲標的妖精「ソレチガウソレチガウ」
提督「よし、試し撃ち行ってみようか」
木曾「見てろよー!」
甲標的を取り付けたまま高速回転する魚雷管。特に意味は無い。
甲標的妖精「アババババババババ」
木曾「行っけぇぇぇぇ!!」
放たれる甲標的。そのまま進むことなく沈降する。
提督「……あれ?」
木曾「おっかしーなー……」
このあと二人して妖精さんにめっちゃ怒られた
917: 2016/05/07(土) 20:49:42.80 ID:1mXJwRPzo
それは、礼号作戦が終わってしばらくしてからのことであった。
「まーたウェーク島が占拠されたのか」
「ピーコック島です」
「あのゴス口リのようだしとっとと取り返すか」
猫吊るしのツッコミに聞く耳持たず、部隊を編成して送り出すまではよかった。
「え? うそ? んなバカな」
時津風のセリフではない。提督のセリフである。
精鋭部隊を送って少しも削れない。
「どーすんのこれ」
「今、揚陸用の装備とかの準備してますがそれだけでは不足ですね……」
そして時は流れ……
「機銃が足らんしまぁ内火艇の改修はこんなもんか。夜偵も改修できるようになったし」
そこに飛び込んでくる猫吊るし。
「良いニュースと悪いニュースが有ります」
「絶対どっちもろくでもないだろ」
「では良いニュースから言いますね」
提督を無視して話をすすめる猫吊るし。
「このたび、基地航空隊を設営することになりました!」
「ほう?」
「北太平洋のこの辺りです」
プロジェクターのスイッチを入れ、映しだされた地図の一点を指し示す。
「ここに航空基地を設営することでウェーク島やあわよくば敵の中枢を叩くことも出来るでしょう」
「今サラリとすごい事言わなかったか?」
「えぇ、今回は肝煎りですから破壊力バツグンですよ」
「そうじゃなくて、敵の中枢って」
「さぁ、設営しに行きましょう!」
「おい! 話を聞け!!」
「まーたウェーク島が占拠されたのか」
「ピーコック島です」
「あのゴス口リのようだしとっとと取り返すか」
猫吊るしのツッコミに聞く耳持たず、部隊を編成して送り出すまではよかった。
「え? うそ? んなバカな」
時津風のセリフではない。提督のセリフである。
精鋭部隊を送って少しも削れない。
「どーすんのこれ」
「今、揚陸用の装備とかの準備してますがそれだけでは不足ですね……」
そして時は流れ……
「機銃が足らんしまぁ内火艇の改修はこんなもんか。夜偵も改修できるようになったし」
そこに飛び込んでくる猫吊るし。
「良いニュースと悪いニュースが有ります」
「絶対どっちもろくでもないだろ」
「では良いニュースから言いますね」
提督を無視して話をすすめる猫吊るし。
「このたび、基地航空隊を設営することになりました!」
「ほう?」
「北太平洋のこの辺りです」
プロジェクターのスイッチを入れ、映しだされた地図の一点を指し示す。
「ここに航空基地を設営することでウェーク島やあわよくば敵の中枢を叩くことも出来るでしょう」
「今サラリとすごい事言わなかったか?」
「えぇ、今回は肝煎りですから破壊力バツグンですよ」
「そうじゃなくて、敵の中枢って」
「さぁ、設営しに行きましょう!」
「おい! 話を聞け!!」
921: 2016/05/10(火) 21:47:09.31 ID:URsL9zwDo
「それで、悪いニュースってなんだ」
「当然この立地を敵が押さえてないわけないので制海権を確保してください」
「どこが適地じゃ。敵地じゃねーか!!」
「ま、このご時世、深海棲艦がいないほうが珍しいですよ」
猫吊るしの返事に、提督は大きくため息を付いた。
「……で、編成は? 水雷か?」
「まず連合艦隊を送り、そののち上陸部隊を島に送ります。簡単でしょう?」
「連合艦隊使えるなら容赦はいらんな……」
よっこらしょっとと言いながら提督は立ちあがる。
「さくっと攻略して基地立てるぞ」
「当然この立地を敵が押さえてないわけないので制海権を確保してください」
「どこが適地じゃ。敵地じゃねーか!!」
「ま、このご時世、深海棲艦がいないほうが珍しいですよ」
猫吊るしの返事に、提督は大きくため息を付いた。
「……で、編成は? 水雷か?」
「まず連合艦隊を送り、そののち上陸部隊を島に送ります。簡単でしょう?」
「連合艦隊使えるなら容赦はいらんな……」
よっこらしょっとと言いながら提督は立ちあがる。
「さくっと攻略して基地立てるぞ」
922: 2016/05/10(火) 21:47:39.07 ID:URsL9zwDo
開設! 基地航空隊編 Chap.1 砲台の保護者
エレワイナ島近海。敵旗艦のタ級が沈んでいくのが双眼鏡で確認できる。
『敵島嶼防衛艦隊旗艦、撃滅完了しました。旗艦榛名以下11隻、これより帰投します』
「了解。お疲れ様」
ぷかぷか丸にて作戦完了の報せを受け、通信を切る。
「さて、前線を掃除していよいよ上陸だが、猫吊るし?」
「はいはい、少々お待ちを。あ、広げるんで雪風さんそっち持って」
「はい!」
島周辺の地図を広げる二人。付近の海流と敵遭遇ポイントが記されている。
「敵は陸上型、それもあの砲台小鬼なんで相応の準備はしてくださいね」
「あぁ」
頷きながら海図を睨む。
「こう、南から行くのが早いか?」
「そちらはダメです。いや行きたいなら止めませんが」
「何故だ?」
「水雷戦隊で制空権確保してるフラグシップのル級と戦いたいならどうぞ」
フラルがいるという情報に露骨に顔をしかめる提督。
「なんでそんな余力があるんだよ……。と、なるとこう島を大きく回って東側からか」
「そうなりますね」
「しれぇ、雪風の出番はありますか?」
「島嶼攻略だし……内火艇とか積めるの優先だから無いな」
「むー……」
925: 2016/05/13(金) 21:55:40.68 ID:LFO5MOBFo
再び、エレワイナ島付近。
『敵PT小鬼群、掃討しました。これより敵防衛施設の破壊に向かいます』
「あいあい」
大淀からの通信を受ける。万事は順調。そう思った矢先。
『……なっ!? 敵陸攻確認!? 全艦対空戦闘用意!』
珍しく焦った大淀の声に続き、砲火と銃声。
「陸攻? 砲台が? バカな……」
『敵に姫級反応! 集積地棲姫です!』
「なんで出張ってきてんだよ!?」
『被害甚大、撤退します!』
「詳細は後でいい、さっさと戻れ!」
『敵PT小鬼群、掃討しました。これより敵防衛施設の破壊に向かいます』
「あいあい」
大淀からの通信を受ける。万事は順調。そう思った矢先。
『……なっ!? 敵陸攻確認!? 全艦対空戦闘用意!』
珍しく焦った大淀の声に続き、砲火と銃声。
「陸攻? 砲台が? バカな……」
『敵に姫級反応! 集積地棲姫です!』
「なんで出張ってきてんだよ!?」
『被害甚大、撤退します!』
「詳細は後でいい、さっさと戻れ!」
926: 2016/05/13(金) 21:56:41.40 ID:LFO5MOBFo
「全く、どんな采配してんのよ!」
「いやまさか集積地が居るとはなぁ」
「まぁまぁ」
ぷかぷか丸、作戦室。一通り入渠したあと、作戦の練り直しである。
霞に罵声を浴びせられるがそれもいつものこと。
「鈴谷と熊野にWG42を持たせていたが集積地が居るとなると話は別だな」
「そもそもこういう大一番は利根たちの仕事じゃありませんこと?」
「いつの間にか水上機の搭載量強化されてたし、難海域でも運用できるか試しておきたいわけだよ」
熊野の質問に手を振り答える提督。
「でもさー、三式弾やら積むならあたしたちの場合一緒じゃない?」
「それもそうだな」
鈴谷のもっともなツッコミ。
「まぁともかく、三式弾をWGの代わりに持ってもらって、大淀と江風に……一つ余るな」
「かすみんと大潮ちゃんは内火艇だしね」
「いやまさか集積地が居るとはなぁ」
「まぁまぁ」
ぷかぷか丸、作戦室。一通り入渠したあと、作戦の練り直しである。
霞に罵声を浴びせられるがそれもいつものこと。
「鈴谷と熊野にWG42を持たせていたが集積地が居るとなると話は別だな」
「そもそもこういう大一番は利根たちの仕事じゃありませんこと?」
「いつの間にか水上機の搭載量強化されてたし、難海域でも運用できるか試しておきたいわけだよ」
熊野の質問に手を振り答える提督。
「でもさー、三式弾やら積むならあたしたちの場合一緒じゃない?」
「それもそうだな」
鈴谷のもっともなツッコミ。
「まぁともかく、三式弾をWGの代わりに持ってもらって、大淀と江風に……一つ余るな」
「かすみんと大潮ちゃんは内火艇だしね」
927: 2016/05/13(金) 21:57:47.41 ID:LFO5MOBFo
再び島に戻る。今度こそ準備は万端。
「敵要塞に集積地棲姫確認、対空戦闘用意! そののち接近しこれを撃滅します!」
大淀の号令のもと、敵基地に総攻撃を仕掛ける艦娘たち。
「砲台と魚雷艇は水雷戦隊で抑えます! 鈴谷さんと熊野さんは集積地を!」
「了解!」
「承りましてよ!」
立ち上る水柱の間をくぐり抜けながら集積地棲姫の待つ島へ肉薄する鈴熊コンビ。
「ほらほら、そんなんじゃ当たんないよ!」
「鈴谷、行きますわよ!」
「オッケー! 射角、風向きよーし! いっけぇーっ!!」
鈴谷の放った三式弾は集積地に積んである燃料に引火、大爆発。後追いで放たれた熊野の弾が過たず集積地棲姫に止めを刺した。
「敵要塞に集積地棲姫確認、対空戦闘用意! そののち接近しこれを撃滅します!」
大淀の号令のもと、敵基地に総攻撃を仕掛ける艦娘たち。
「砲台と魚雷艇は水雷戦隊で抑えます! 鈴谷さんと熊野さんは集積地を!」
「了解!」
「承りましてよ!」
立ち上る水柱の間をくぐり抜けながら集積地棲姫の待つ島へ肉薄する鈴熊コンビ。
「ほらほら、そんなんじゃ当たんないよ!」
「鈴谷、行きますわよ!」
「オッケー! 射角、風向きよーし! いっけぇーっ!!」
鈴谷の放った三式弾は集積地に積んである燃料に引火、大爆発。後追いで放たれた熊野の弾が過たず集積地棲姫に止めを刺した。
928: 2016/05/13(金) 21:58:54.57 ID:LFO5MOBFo
「……よし、作戦は成功したようだな」
ぷかぷか丸、甲板上にて敵基地の破壊を確認した提督。
「これで基地ができるわけだ」
「そうですね。物資を運ぶ必要がありますが」
「え? 何それ聞いてない」
提督の素っ頓狂な声に猫吊るしは溜息をつく。
「全く、資材もなしに飛行場が出来るわけ無いでしょう? 輸送船団作ってください。物資はこちらで用意してあります」
「ぷかぷか丸でガーッと運べないの?」
「資材積み下ろししてる時に沈められたいんですか。ある程度丈夫にしてあるとはいえ限度があるのは知ってるでしょう」
「ぐぬぬ」
「とにかく一旦戻って再編しましょう」
歯ぎしりする提督をよそに、猫吊るしは帰りの航路を設定する。
「ほら、そろそろ艦娘達も帰ってきますよ」
「お、おう」
基地隊が出来るまであと少し……
ぷかぷか丸、甲板上にて敵基地の破壊を確認した提督。
「これで基地ができるわけだ」
「そうですね。物資を運ぶ必要がありますが」
「え? 何それ聞いてない」
提督の素っ頓狂な声に猫吊るしは溜息をつく。
「全く、資材もなしに飛行場が出来るわけ無いでしょう? 輸送船団作ってください。物資はこちらで用意してあります」
「ぷかぷか丸でガーッと運べないの?」
「資材積み下ろししてる時に沈められたいんですか。ある程度丈夫にしてあるとはいえ限度があるのは知ってるでしょう」
「ぐぬぬ」
「とにかく一旦戻って再編しましょう」
歯ぎしりする提督をよそに、猫吊るしは帰りの航路を設定する。
「ほら、そろそろ艦娘達も帰ってきますよ」
「お、おう」
基地隊が出来るまであと少し……
931: 2016/05/19(木) 22:59:08.43 ID:/x/aGOOTo
「物資の輸送は順調か?」
『えぇ、問題はありません。敵空母も今のところこの近辺には見られません』
「オーケイ。そのまま作戦を続行せよ」
『了解です』
ぷかぷか丸甲板上。千歳率いる輸送船団により、エレワイナ島に航空基地が急速に建設されつつある。
「しかし、小分けにして運ばねばならんのが面倒くさいな」
「まぁ主に妖精が使うものですし、艦娘が管理したほうが普通の船で運ぶより安全ですしね」
積み荷の上に座って答える猫吊るし。
「沈まないのはいいが……あと何往復だ?」
「二、三往復ってところですかね」
「敵が来る前に完了したいところだが……」
『……提督、新たな敵艦隊を発見しました!』
『えぇ、問題はありません。敵空母も今のところこの近辺には見られません』
「オーケイ。そのまま作戦を続行せよ」
『了解です』
ぷかぷか丸甲板上。千歳率いる輸送船団により、エレワイナ島に航空基地が急速に建設されつつある。
「しかし、小分けにして運ばねばならんのが面倒くさいな」
「まぁ主に妖精が使うものですし、艦娘が管理したほうが普通の船で運ぶより安全ですしね」
積み荷の上に座って答える猫吊るし。
「沈まないのはいいが……あと何往復だ?」
「二、三往復ってところですかね」
「敵が来る前に完了したいところだが……」
『……提督、新たな敵艦隊を発見しました!』
932: 2016/05/19(木) 23:00:08.13 ID:/x/aGOOTo
開設! 基地航空隊編 Chap.2 発艦! 基地航空隊!
『敵艦隊、エレワイナ島に接近中!』
「よし、輸送は中断。敵艦隊を迎撃せよ!」
『了解です!』
通信を切る。
「ま、そううまくは行かないもんだ」
「タダで航空基地を建設させてもらえるほど敵も甘くはありませんからね」
などとうだうだ言っている間に通信が入る。
『敵主力艦隊、発見しました。敵旗艦は……ザザッ』
突然途切れる通信。
「ん、機器の調子が悪くなったか?」
「10年保証ですよこれ」
『ダカラサ……。ソンナノ造ッタッテサ……。何ニナルノサァ!』
割り込んできた通信、その直後に魚雷が当たったかのような音。
『吹雪、中破! 敵は鬼クラス、開幕魚雷を持っているみたいです!』
「解説はいい! そいつを追っ払わないと基地建設どころじゃないぞ!」
933: 2016/05/19(木) 23:00:58.06 ID:/x/aGOOTo
「全く、冗談じゃないわ!」
第一艦隊の霞が叫ぶ。
「私が護衛艦隊だったらあんなのどうとでもなるのに!」
「まぁまぁ、大発運用出来るからこっちにいるんだし、ドーンと構えていきましょう!」
「それが歯がゆいのよ!」
大潮が霞をなだめるが
「まー、この距離じゃ砲撃も互いに当たんないしね」
江風が持ってる砲で前衛の援護を試みるが彼女の言うとおり射程が足りない。
一方で前衛はというと
「ま、ドラム缶持って輸送も手伝ったけど」
「巡洋艦の火力ならこの程度、一捻りですわ!」
鈴谷と熊野のコンビが敵旗艦――駆逐古鬼を追い詰めていた。
「ヨォシ……喰ラエッ!!」
古鬼の左腕についている艤装の顎からほうが飛び出す。
「遅くってよ!」
だが、熊野の砲撃が一瞬早かった。
古鬼の艤装の大半をふっ飛ばし、水面に叩きつけた。
「熊野、やるじゃーん!」
「当然ですわ。ところで……鹵獲すべきかしら?」
第一艦隊の霞が叫ぶ。
「私が護衛艦隊だったらあんなのどうとでもなるのに!」
「まぁまぁ、大発運用出来るからこっちにいるんだし、ドーンと構えていきましょう!」
「それが歯がゆいのよ!」
大潮が霞をなだめるが
「まー、この距離じゃ砲撃も互いに当たんないしね」
江風が持ってる砲で前衛の援護を試みるが彼女の言うとおり射程が足りない。
一方で前衛はというと
「ま、ドラム缶持って輸送も手伝ったけど」
「巡洋艦の火力ならこの程度、一捻りですわ!」
鈴谷と熊野のコンビが敵旗艦――駆逐古鬼を追い詰めていた。
「ヨォシ……喰ラエッ!!」
古鬼の左腕についている艤装の顎からほうが飛び出す。
「遅くってよ!」
だが、熊野の砲撃が一瞬早かった。
古鬼の艤装の大半をふっ飛ばし、水面に叩きつけた。
「熊野、やるじゃーん!」
「当然ですわ。ところで……鹵獲すべきかしら?」
934: 2016/05/19(木) 23:02:12.82 ID:/x/aGOOTo
ぷかぷか丸、甲板上。鹵獲された駆逐古鬼が吊るされている。
「捕まえといてなんだけどやっぱこの光景慣れないなー」
「そうは言うがな鈴谷よ、俎上だとやりづらくて仕方ないんだよ」
「配置じゃなくて捌く方なんだけど」
「しょうがないだろ。見る必要はないんだし、とりあえず部屋戻って休め」
「はーい」
鈴谷が船内に戻ったのを確認して解体作業に入る。
「……? 手触りに馴染みがない……?」
中から取り出した雫は、ひと回り小さく、儚げであった。
鎮守府、工廠。
「これ、頼むわ」
「あいあいさー」
先ほどとった雫を建造担当の妖精に投げ渡す。程なくして大正風味の艦娘が現れる。
「待たせたわね、司令官。神風型駆逐艦、一番艦、神風。推参です!」
「……? 12cm単装砲ってことは睦月型の亜種か?」
「睦月型の前級に当たるのが私達神風型なのよ」
そう言って胸を張る神風。
「つまり、旧型……」
「旧型ですって? 馬鹿ね。駆逐艦の実力は、スペックじゃないのよ?」
「だが、練度なくばその実力も発揮できなかろう」
「ま、まぁそうだけど」
「じゃ、特訓だな。雪風」
「はい、しれぇ!」
「いろいろ教えてやってくれ。そろそろ基地航空隊の準備も出来てるはずだしそっちの様子見てくる」
「了解です! 神風ちゃん、まずは一緒に施設見て回りましょう!」
「あっ、ちょっと待って……」
雪風に引っ張られていく神風を見送りながら、提督も工廠をあとにする。
「さて、基地航空隊の力、見せてもらうとするか……!!」
「捕まえといてなんだけどやっぱこの光景慣れないなー」
「そうは言うがな鈴谷よ、俎上だとやりづらくて仕方ないんだよ」
「配置じゃなくて捌く方なんだけど」
「しょうがないだろ。見る必要はないんだし、とりあえず部屋戻って休め」
「はーい」
鈴谷が船内に戻ったのを確認して解体作業に入る。
「……? 手触りに馴染みがない……?」
中から取り出した雫は、ひと回り小さく、儚げであった。
鎮守府、工廠。
「これ、頼むわ」
「あいあいさー」
先ほどとった雫を建造担当の妖精に投げ渡す。程なくして大正風味の艦娘が現れる。
「待たせたわね、司令官。神風型駆逐艦、一番艦、神風。推参です!」
「……? 12cm単装砲ってことは睦月型の亜種か?」
「睦月型の前級に当たるのが私達神風型なのよ」
そう言って胸を張る神風。
「つまり、旧型……」
「旧型ですって? 馬鹿ね。駆逐艦の実力は、スペックじゃないのよ?」
「だが、練度なくばその実力も発揮できなかろう」
「ま、まぁそうだけど」
「じゃ、特訓だな。雪風」
「はい、しれぇ!」
「いろいろ教えてやってくれ。そろそろ基地航空隊の準備も出来てるはずだしそっちの様子見てくる」
「了解です! 神風ちゃん、まずは一緒に施設見て回りましょう!」
「あっ、ちょっと待って……」
雪風に引っ張られていく神風を見送りながら、提督も工廠をあとにする。
「さて、基地航空隊の力、見せてもらうとするか……!!」
938: 2016/05/25(水) 21:56:10.13 ID:93DuYTuxo
「これが基地航空隊か……」
「えぇ、陸攻だけでなく空母用の艦載機もおけますよ」
基地航空隊は遂に完成した。猫吊るしから説明を受けながら視察している。妖精たちがせわしなく右往左往している。
「今は4中隊しか置けませんが」
「が?」
「ちょうど北東の方から敵艦隊が来ててですね。これを叩き潰せば安心して拡張工事できます」
「全く、落ち着きのない連中だ」
「早速使ってみますか?」
いかにも悪の参謀が邪悪な提案をした時の表情で言う。
「いいだろう」
「えぇ、陸攻だけでなく空母用の艦載機もおけますよ」
基地航空隊は遂に完成した。猫吊るしから説明を受けながら視察している。妖精たちがせわしなく右往左往している。
「今は4中隊しか置けませんが」
「が?」
「ちょうど北東の方から敵艦隊が来ててですね。これを叩き潰せば安心して拡張工事できます」
「全く、落ち着きのない連中だ」
「早速使ってみますか?」
いかにも悪の参謀が邪悪な提案をした時の表情で言う。
「いいだろう」
939: 2016/05/25(水) 21:57:34.47 ID:93DuYTuxo
開設! 基地航空隊編 Chap.3 ラバウル奇襲戦!
「あれが航空隊ってやつね……。上を気にせず戦えるのはありがたいけど、酸素魚雷撃つ機会減っちゃうじゃない」
とは、中破しながらも重巡棲姫を倒し、鹵獲した大井の言。
「とは言いながら敵旗艦の首級挙げてるじゃねーか」
「たまには北上さんにいいとこ見せないといけませんから。では、入渠してきますね」
そう言いながら船内へと引っ込む。
「……さて、これで敵中枢への道は開けたか」
「その前に」
「何だよ猫吊るし」
「この地図を見てください」
猫吊るしが広げた地図は南方海域、アイアンボトムサウンド近辺。
「なんか別の敵拠点でも見つかったというのか」
「ビンゴです。敵も飛行場を建設してるみたいで、これが完成した暁には南方の制空権は危険が危ないデンジャラスです」
「取り返せ、と」
「えぇ、程なく第二航空隊も完成しますし向こうが完成し切る前に撃滅しましょう」
「よし、敵中枢侵攻の前に後方の安全を確保する!!」
940: 2016/05/25(水) 21:58:02.17 ID:93DuYTuxo
南方海域、ラバウル。
「てーとくさんによると、ここに新たな敵基地が出来たからパーッとやっつけるっぽい」
航行しながら旗艦の夕立がものすごくふわっとしたブリーフィングを行う。
「しかし航空基地ということは向こうも航空機を飛ばしてくる。航空戦力が我輩と筑摩だけでは少々心許ないのではないか?」
「心配は要らないっぽい」
夕立が指差した方向には敵の陸上攻撃機。
「ってちょっと待たんか! 早く瑞雲を飛ばさんと」
「間違えたっぽい。あっちだった!」
夕立が反対方向を指差すと烈風の群れ。猛禽類が獲物を見つけたかのごとく敵機に飛びかかる。
「今のうちに対空戦闘用意! 素敵なパーティーしましょ!」
「てーとくさんによると、ここに新たな敵基地が出来たからパーッとやっつけるっぽい」
航行しながら旗艦の夕立がものすごくふわっとしたブリーフィングを行う。
「しかし航空基地ということは向こうも航空機を飛ばしてくる。航空戦力が我輩と筑摩だけでは少々心許ないのではないか?」
「心配は要らないっぽい」
夕立が指差した方向には敵の陸上攻撃機。
「ってちょっと待たんか! 早く瑞雲を飛ばさんと」
「間違えたっぽい。あっちだった!」
夕立が反対方向を指差すと烈風の群れ。猛禽類が獲物を見つけたかのごとく敵機に飛びかかる。
「今のうちに対空戦闘用意! 素敵なパーティーしましょ!」
941: 2016/05/25(水) 21:58:41.69 ID:93DuYTuxo
「あれが基地航空隊ね、利根姉さん」
空襲も大した被害なく抜け、その次の艦隊も航空隊による先制攻撃により一方的に事を運ぶことが出来た。
「凄いもんじゃな。これなら安心して敵基地を叩けるな!」
飛び交う戦闘機は敵航空隊と丁々発止。観測射撃の隙を与えない!
「これならいけr」
だが油断は禁物。敵基地、リコリス棲姫も砲撃はできるのだ。
「利根姉さん!?」
「こ、この程度では吾輩は沈まん……」
「大破してるじゃないですか! ここは下がってあとは任せて!」
そう言うなり反転して敵基地に単身突撃する筑摩。
ル級が二隻立ちふさがるが、
「その程度では、止められません!」
砲撃の合間を縫って跳躍、片方の砲塔に乗り、更に高く。
「そこっ!」
「片腹痛イノサ……ソンナ攻撃ハッ!」
筑摩の砲弾がリコリス棲姫の艤装に刺さる。だが、致命傷には程遠い。
「不発カ……?」
「こっちが、本命です!」
続けて放たれた弾は一発目の着弾地点に違わず命中し、大爆発。
「これで、終わりですね」
連鎖爆発が生じ、リコリス棲姫とその基地艤装は完全に破壊された。
『敵基地、撃滅したっぽい!』
「よし、全艦帰投せよ」
提督は通信を切り、地図を見る。
「いよいよ、敵の中枢か……」
空襲も大した被害なく抜け、その次の艦隊も航空隊による先制攻撃により一方的に事を運ぶことが出来た。
「凄いもんじゃな。これなら安心して敵基地を叩けるな!」
飛び交う戦闘機は敵航空隊と丁々発止。観測射撃の隙を与えない!
「これならいけr」
だが油断は禁物。敵基地、リコリス棲姫も砲撃はできるのだ。
「利根姉さん!?」
「こ、この程度では吾輩は沈まん……」
「大破してるじゃないですか! ここは下がってあとは任せて!」
そう言うなり反転して敵基地に単身突撃する筑摩。
ル級が二隻立ちふさがるが、
「その程度では、止められません!」
砲撃の合間を縫って跳躍、片方の砲塔に乗り、更に高く。
「そこっ!」
「片腹痛イノサ……ソンナ攻撃ハッ!」
筑摩の砲弾がリコリス棲姫の艤装に刺さる。だが、致命傷には程遠い。
「不発カ……?」
「こっちが、本命です!」
続けて放たれた弾は一発目の着弾地点に違わず命中し、大爆発。
「これで、終わりですね」
連鎖爆発が生じ、リコリス棲姫とその基地艤装は完全に破壊された。
『敵基地、撃滅したっぽい!』
「よし、全艦帰投せよ」
提督は通信を切り、地図を見る。
「いよいよ、敵の中枢か……」
945: 2016/06/01(水) 22:24:25.44 ID:KyACG7bEo
『何故ダ……ドウヤッテ…キタァ…………。ドウ…ヤッテ……?』
「まぁ、障害をひたすら排除し続ければ辿り着くよな」
北太平洋、深海中枢泊地。ラバウルの敵飛行場を撃滅後、取って返して怒涛の勢いで攻め込んだ。
降り注ぐ爆弾と砲弾の雨霰。それは確実に敵中枢の戦力を削っていった。
「これで終わりです! 全門、斉射ァ!!」
霧島の放った砲弾は、中枢棲姫に着弾し、大爆発した。
『やったか!?』
中枢棲姫は艤装に突っ伏し、もはや虫の息と思われた。
「敵中枢反応、微弱になって……!? エネルギー反応増大!?」
『馬鹿な!? かつての鉄底海峡でもこれほどの回復力はなかったぞ!?』
中枢棲姫から多量の赤黒い霧が放出される。
「可能なかぎり全速にて全艦撤退! 急いで!」
第一艦隊旗艦の大淀の指示に従い、艦娘たちは撤退を急ぐ。その間も霧は放出し続ける。
「まぁ、障害をひたすら排除し続ければ辿り着くよな」
北太平洋、深海中枢泊地。ラバウルの敵飛行場を撃滅後、取って返して怒涛の勢いで攻め込んだ。
降り注ぐ爆弾と砲弾の雨霰。それは確実に敵中枢の戦力を削っていった。
「これで終わりです! 全門、斉射ァ!!」
霧島の放った砲弾は、中枢棲姫に着弾し、大爆発した。
『やったか!?』
中枢棲姫は艤装に突っ伏し、もはや虫の息と思われた。
「敵中枢反応、微弱になって……!? エネルギー反応増大!?」
『馬鹿な!? かつての鉄底海峡でもこれほどの回復力はなかったぞ!?』
中枢棲姫から多量の赤黒い霧が放出される。
「可能なかぎり全速にて全艦撤退! 急いで!」
第一艦隊旗艦の大淀の指示に従い、艦娘たちは撤退を急ぐ。その間も霧は放出し続ける。
946: 2016/06/01(水) 22:25:37.53 ID:KyACG7bEo
開設! 基地航空隊編 Chap.4 波濤を超えて!
「まだ余力を残してたか……」
「敵航空機もブンブン飛んでますね。基地に攻撃を仕掛けてくるかもしれません。まぁ資材があれば再建は容易ですが」
ぷかぷか丸、作戦室。地図を挟んで猫吊るしと向かい合い作戦を練る。
「一隊を防空に回して他を敵中枢にありったけぶち込んでやれ。出撃はいつでも出来るな?」
「出来ますね」
「敵の反攻準備が整う前に是が非でも黙らせる必要がある。一度戻って艦隊の再編成、再度出撃だ」
「しれぇ、雪風に出来ることはありませんか?」
「ふむ、そうだな。やる気に満ちた駆逐ひとりと爆撃支援装備の整った正規空母四人とともに、決戦支援を頼む」
「了解です!」
とてとてと立ち去る雪風。
「さてあとは主力だが……」
「そうそう、今回アメリカ側にも協力仰ぎましてね」
「いつも思うんだがどうやって敵地の向こうに渡ってるんだ、猫吊るしよ」
「内緒です。ともあれ時期的にそろそろ出来上がる頃だと思われます。戦力に厚みが増しますよ」
いつもの表情で持ってる猫をぶん回しながら答える。これ以上追求したら次はお前がこうなる番だという構えである。
「ふーん……」
提督はそれ以上追求しないことにした。
947: 2016/06/01(水) 22:26:13.73 ID:KyACG7bEo
鎮守府、駆逐寮。
「やる気のある、と言ってもそういう子はたいてい遠征行っちゃってますし、改二の子はだいたい出撃しておつかれですし……」
資源集めに東奔西走、駆逐艦娘はフル回転である。
「ふー、今日の演習もおしまいっと」
そこに現れるは演習帰りの神風。ものすごく好調そうである。
「神風ちゃん!」
「どうしたの、雪風?」
「出撃です! 神風ちゃんが旗艦で!」
「え、え? えええ!? そ、装備は!?」
「そのままで大丈夫です! いざとなったら雪風がサポートします!」
「対潜装備なんだけど!?」
「問題無いです! さぁ、行きましょう!」
「やる気のある、と言ってもそういう子はたいてい遠征行っちゃってますし、改二の子はだいたい出撃しておつかれですし……」
資源集めに東奔西走、駆逐艦娘はフル回転である。
「ふー、今日の演習もおしまいっと」
そこに現れるは演習帰りの神風。ものすごく好調そうである。
「神風ちゃん!」
「どうしたの、雪風?」
「出撃です! 神風ちゃんが旗艦で!」
「え、え? えええ!? そ、装備は!?」
「そのままで大丈夫です! いざとなったら雪風がサポートします!」
「対潜装備なんだけど!?」
「問題無いです! さぁ、行きましょう!」
948: 2016/06/01(水) 22:27:13.78 ID:KyACG7bEo
北太平洋、敵中枢泊地付近。
「まさか艦娘になってからの初出撃がこんな大一番だなんて……」
支援艦隊旗艦として駆りだされた神風。
「大丈夫ですよ、神風ちゃん。陸上攻撃隊の攻撃に合わせて発艦命令を出すだけですから」
「と言われても……」
随伴は赤城に飛龍、蒼龍に翔鶴。いずれも歴戦の正規空母艦娘である。しかも決戦の地。
「あっ、来ました! しれぇたちも、陸攻も!」
「本当に私が……?」
「絶対、大丈夫!」
「……うん!」
神風は自らの頬をパンパンと張り気合を入れた。
「よし! 全機発艦、目標敵中枢基地及びその護衛艦!」
号令一閃、合図とともに四人の正規空母が立て続けに矢を放つ。およそ300機の艦載機が飛んで行く。
「凄い……」
「あとは帰還を待って上手くいくのを祈るだけです」
「まさか艦娘になってからの初出撃がこんな大一番だなんて……」
支援艦隊旗艦として駆りだされた神風。
「大丈夫ですよ、神風ちゃん。陸上攻撃隊の攻撃に合わせて発艦命令を出すだけですから」
「と言われても……」
随伴は赤城に飛龍、蒼龍に翔鶴。いずれも歴戦の正規空母艦娘である。しかも決戦の地。
「あっ、来ました! しれぇたちも、陸攻も!」
「本当に私が……?」
「絶対、大丈夫!」
「……うん!」
神風は自らの頬をパンパンと張り気合を入れた。
「よし! 全機発艦、目標敵中枢基地及びその護衛艦!」
号令一閃、合図とともに四人の正規空母が立て続けに矢を放つ。およそ300機の艦載機が飛んで行く。
「凄い……」
「あとは帰還を待って上手くいくのを祈るだけです」
949: 2016/06/01(水) 22:29:35.06 ID:KyACG7bEo
「あと一歩……!」
随伴はほぼ沈み、中枢もほぼ虫の息。
「これで……終わりじゃ!」
WG42を打ち込んでからの三式弾。
「まだまだ、筑摩のやつには負けんぞ!」
この一撃で中枢棲姫の艤装の大半を吹き飛ばした。
「……そんな、まだ、動いて、再生の兆しが……!?」
敵の反応をモニターしていた大淀が悲鳴を上げる。
そこに放たれる大口径主砲音。
「Take this!!」
氏角から飛んできた砲弾が中枢棲姫を叩き伏せる。
「艦娘……!?」
弾の飛んできた方角を見やるとそこには金色の長い髪を持つ艦娘――主砲は41cmクラスの三連装砲を持つ――がいた。
随伴はほぼ沈み、中枢もほぼ虫の息。
「これで……終わりじゃ!」
WG42を打ち込んでからの三式弾。
「まだまだ、筑摩のやつには負けんぞ!」
この一撃で中枢棲姫の艤装の大半を吹き飛ばした。
「……そんな、まだ、動いて、再生の兆しが……!?」
敵の反応をモニターしていた大淀が悲鳴を上げる。
そこに放たれる大口径主砲音。
「Take this!!」
氏角から飛んできた砲弾が中枢棲姫を叩き伏せる。
「艦娘……!?」
弾の飛んできた方角を見やるとそこには金色の長い髪を持つ艦娘――主砲は41cmクラスの三連装砲を持つ――がいた。
953: 2016/06/07(火) 23:42:52.81 ID:SVZ6YhMNo
「何があった!?」
『正体不明の艦娘が中枢棲姫を攻撃、敵反応、減衰していきます!』
提督と大淀の通信にその艦娘が割りこむ。
『Youがこの艦隊のAdmiralなの?』
「あぁ、そうだが……一体誰なんだ?」
『Oh, sorry. アイオワ級戦艦NameShip、アイオワよ』
「ということは……あいつが言ってたアメリカの艦娘というのは」
『Exactly!! 本日付けでそちらに合流するわ。よろしくね!』
「よし、じゃあうちの艦隊についてってくれ。こっちの母艦についたら改めて挨拶しよう」
『Roger!』
『正体不明の艦娘が中枢棲姫を攻撃、敵反応、減衰していきます!』
提督と大淀の通信にその艦娘が割りこむ。
『Youがこの艦隊のAdmiralなの?』
「あぁ、そうだが……一体誰なんだ?」
『Oh, sorry. アイオワ級戦艦NameShip、アイオワよ』
「ということは……あいつが言ってたアメリカの艦娘というのは」
『Exactly!! 本日付けでそちらに合流するわ。よろしくね!』
「よし、じゃあうちの艦隊についてってくれ。こっちの母艦についたら改めて挨拶しよう」
『Roger!』
954: 2016/06/07(火) 23:44:22.37 ID:SVZ6YhMNo
開設! 基地航空隊編 Final Chapter まだまだ戦は終わらない
ぷかぷか丸、作戦室。改めて提督とアイオワが対面する。
「つまり、猫吊るしのいってたアメリカの協力ってのは」
「Meのことね!」
「確か今も現存する艦だったはずだが」
「Ah,それはShip spirits? そういうのから引っ張ってるからNo Problemね!」
「そういうもんなのか? ……ところで、その小脇に抱えてるのは何だ?」
アイオワが抱えているもの。よく見るとそれは、神風と同じ和服を着た、サイドヘアーがロールしている少女。
「Oh, 紹介が遅れたわね。さ、Wake up!」
アイオワが床におろすと、二、三度まばたきし、
「神風型駆逐艦の3番艦、春風と申します。司令官様、どうぞお見知りおきくださいませ」
「神風型ということは……神風の妹か」
「はい。姉さんともどもよろしくお願いします」
深々とおじぎをする春風。
「確か下で他の皆と休んでるから挨拶がてら行ってくると良い」
「はい、それでは失礼しますね」
静々と退室していく春風を見送ったあと、提督はアイオワに向き直った。
「一体どこで春風を?」
「ちょっと艤装の試運転中に来たEnemyを返り討ちにしてね。鹵獲してネコツルシ?に預けたら翌日彼女も連れてって、って」
「マジか……」
955: 2016/06/07(火) 23:45:35.33 ID:SVZ6YhMNo
その後、北太平洋の深海棲艦残党を退治する中で、親潮が着任。
「陽炎型駆逐艦四番艦親潮、参りまし……うわっと!?」
「親潮姉さーん!!」
「気をつけろ、雪風が抱きついて……って警告が遅かった」
と、ドタバタやっているのを眺めていると後ろから猫吊るしがやってきた。
「ちょっとお耳に入れたい話が」
「何だよ、早よ言え」
「こないだ破壊した中枢ですが……復活の兆しがあります」
「マジかよ。完全破壊とか出来ないのか」
「今はちょっと。瘴気が濃すぎますね。何度か出てきたらその都度叩くことになるでしょうね」
「まったく、面倒くさい」
「他にも中枢に相当するものがないとは限りませんし、とにかくまだまだ休めませんよ」
提督はため息を付き、そのモヤを打ち消すように頭を振り払う。
「まずはピーコック島から潰すか。航空隊の準備はできてるか?」
「空襲でだいぶやられましたからね……もうしばらくお待ちを」
まだまだ戦は終わらない……。
「陽炎型駆逐艦四番艦親潮、参りまし……うわっと!?」
「親潮姉さーん!!」
「気をつけろ、雪風が抱きついて……って警告が遅かった」
と、ドタバタやっているのを眺めていると後ろから猫吊るしがやってきた。
「ちょっとお耳に入れたい話が」
「何だよ、早よ言え」
「こないだ破壊した中枢ですが……復活の兆しがあります」
「マジかよ。完全破壊とか出来ないのか」
「今はちょっと。瘴気が濃すぎますね。何度か出てきたらその都度叩くことになるでしょうね」
「まったく、面倒くさい」
「他にも中枢に相当するものがないとは限りませんし、とにかくまだまだ休めませんよ」
提督はため息を付き、そのモヤを打ち消すように頭を振り払う。
「まずはピーコック島から潰すか。航空隊の準備はできてるか?」
「空襲でだいぶやられましたからね……もうしばらくお待ちを」
まだまだ戦は終わらない……。
959: 2016/06/10(金) 21:29:04.79 ID:B1Zn3JPIo
――― Android版実装記念 ―――
浦風「提督、何手元でピコピコいじりよん?」
提督「あぁ、これな。なんでもスマホから出撃・編成、果ては遠征命令まで出せるようになったんだ」
浦風「つー事は執務室外からでも指示できるんか」
提督「そういうことだな。えーとここはこうして」
浦風「効率化はええことじゃけんのぉ」
提督「そうだな」
<ダイグンシノキュウキョクジンチ カエラズノジン!!
浦風「……任務と関係ない音声が聞こえたような」
提督「……気のせいでは」
<シニハッタラヨロシオス センシバンコーシンベンキドク
浦風「……くらそうか?」
提督「ギニャッァァァァ手首ひねったららめぇぇぇぇぇ!!」」
浦風「提督、何手元でピコピコいじりよん?」
提督「あぁ、これな。なんでもスマホから出撃・編成、果ては遠征命令まで出せるようになったんだ」
浦風「つー事は執務室外からでも指示できるんか」
提督「そういうことだな。えーとここはこうして」
浦風「効率化はええことじゃけんのぉ」
提督「そうだな」
<ダイグンシノキュウキョクジンチ カエラズノジン!!
浦風「……任務と関係ない音声が聞こえたような」
提督「……気のせいでは」
<シニハッタラヨロシオス センシバンコーシンベンキドク
浦風「……くらそうか?」
提督「ギニャッァァァァ手首ひねったららめぇぇぇぇぇ!!」」
964: 2016/06/12(日) 22:55:47.79 ID:p70yagFHo
――― 梅雨時 ―――
提督「今日もまた雨か……」
春風「こういう時は傘の出番ですね」
提督「番傘ねぇ。大正風味でそれはそれでいいと思うが使ってる奴なんて他に早々おらんだろ」
春風「でもあれみてください」
提督「ん?」
春風が指差した先、窓の外には……
千代田「キャッキャ」
千歳「ウフフ」
春風「ね?」
提督「Oh...」
提督「今日もまた雨か……」
春風「こういう時は傘の出番ですね」
提督「番傘ねぇ。大正風味でそれはそれでいいと思うが使ってる奴なんて他に早々おらんだろ」
春風「でもあれみてください」
提督「ん?」
春風が指差した先、窓の外には……
千代田「キャッキャ」
千歳「ウフフ」
春風「ね?」
提督「Oh...」
971: 2016/06/14(火) 22:16:36.38 ID:8P0Bg1Nko
――― 鯨のほうが貴重では? ―――
提督「今日は沖波がステーキを作ると言ってたが……」
沖波「ビフテキは……材料がなかったので、鯨のステーキにしてみました。どうでしょうか?」
提督「うむ、これはこれでなかなか……だが」
沖波「何でしょうか?」
提督「深海棲艦が跳梁跋扈してるのに一体どこで鯨を」
沖波「鎮守府の近くに打ち上げられてて、可哀想ですがもう氏んでたので……」
提督「それならわかるが一体誰が解体を……」
沖波「間宮さんですよ。あれは凄かったなぁ」
提督「くっ、いいものを見そこねた!」
提督「今日は沖波がステーキを作ると言ってたが……」
沖波「ビフテキは……材料がなかったので、鯨のステーキにしてみました。どうでしょうか?」
提督「うむ、これはこれでなかなか……だが」
沖波「何でしょうか?」
提督「深海棲艦が跳梁跋扈してるのに一体どこで鯨を」
沖波「鎮守府の近くに打ち上げられてて、可哀想ですがもう氏んでたので……」
提督「それならわかるが一体誰が解体を……」
沖波「間宮さんですよ。あれは凄かったなぁ」
提督「くっ、いいものを見そこねた!」
975: 2016/06/17(金) 20:12:56.14 ID:PCzN3y1Eo
――― 次の次の改二は誰ですかね ―――
提督「もう6月か……雪風の改二突然来たりしないかなぁ」
高雄「さすがに事前情報は来るでしょう」
提督「一昨年だっけか、妙高の改二が来たのは。高雄もそろそろ来てもいいと思うんだがねぇ」
高雄「摩耶も鳥海も改二になって大活躍してますしね」
雪風「しれぇ、次の改二の情報が来ました!」
提督「雪風か!?」
高雄「私かもしれませんよ」
雪風「朝潮型駆逐艦だそうです!」
提督「ぬ。そうか」
高雄「違いましたね……」
雪風「というかだいぶ前に朝潮型の改二がもう一隻来るって話あったじゃないですか、しれぇ」
提督「忘れてた」
提督「もう6月か……雪風の改二突然来たりしないかなぁ」
高雄「さすがに事前情報は来るでしょう」
提督「一昨年だっけか、妙高の改二が来たのは。高雄もそろそろ来てもいいと思うんだがねぇ」
高雄「摩耶も鳥海も改二になって大活躍してますしね」
雪風「しれぇ、次の改二の情報が来ました!」
提督「雪風か!?」
高雄「私かもしれませんよ」
雪風「朝潮型駆逐艦だそうです!」
提督「ぬ。そうか」
高雄「違いましたね……」
雪風「というかだいぶ前に朝潮型の改二がもう一隻来るって話あったじゃないですか、しれぇ」
提督「忘れてた」
979: 2016/06/20(月) 21:37:14.12 ID:niYhKcLDo
――― ザル ―――
提督「……うん、まぁ、そのなんだ。何故カウンターバーセット一式が出てるんだ」
ポーラ「執務室にバーがあると聞きましたので~」
提督「……まぁ、加古やイクもたまにやってるが……。呑み過ぎんなよ。俺は寝る」
ポーラ「あ~い」
翌朝
提督「嘘、まだ飲んでるよ!? 酒瓶全部空にするつもりか!?」
ポーラ「ウェーイ提督~がふたり~ウェッヒヒヒ」
この後二人してめっちゃザラに怒られた
提督「……うん、まぁ、そのなんだ。何故カウンターバーセット一式が出てるんだ」
ポーラ「執務室にバーがあると聞きましたので~」
提督「……まぁ、加古やイクもたまにやってるが……。呑み過ぎんなよ。俺は寝る」
ポーラ「あ~い」
翌朝
提督「嘘、まだ飲んでるよ!? 酒瓶全部空にするつもりか!?」
ポーラ「ウェーイ提督~がふたり~ウェッヒヒヒ」
この後二人してめっちゃザラに怒られた
985: 2016/06/21(火) 21:38:57.40 ID:zgn01HTHo
――― 水上戦闘機の強化は便利でしたね ―――
日向「提督よ」
提督「何だ日向、藪から棒に」
日向「この前、水上戦闘機が強化されただろう」
提督「あぁ、そうだな。おかげで南方任務が楽に消化できた」
日向「これを機会に瑞う……水上爆撃機も強化を」
提督「俺に言われても困るんだよなぁ。そもそも爆弾抱えながらドッグファイトやるほうが無茶だろう」
日向「しかしできたら戦力が大幅強化されると思わないか」
提督「というか水戦も熟練度依存だろう。妖精に訊くべきでは」
瑞雲妖精「ムチャイウナ」
提督「だとさ」
日向「くっ」
日向「提督よ」
提督「何だ日向、藪から棒に」
日向「この前、水上戦闘機が強化されただろう」
提督「あぁ、そうだな。おかげで南方任務が楽に消化できた」
日向「これを機会に瑞う……水上爆撃機も強化を」
提督「俺に言われても困るんだよなぁ。そもそも爆弾抱えながらドッグファイトやるほうが無茶だろう」
日向「しかしできたら戦力が大幅強化されると思わないか」
提督「というか水戦も熟練度依存だろう。妖精に訊くべきでは」
瑞雲妖精「ムチャイウナ」
提督「だとさ」
日向「くっ」
989: 2016/06/25(土) 21:23:26.16 ID:93gvuzyGo
――― 梅雨時は走るには不向き ―――
長良「今日も雨ですね、司令官」
提督「まぁ梅雨だからな」
長良「これじゃあ走りこみも出来ないし……」
提督「室内で走るわけにもいかんからな。演習場も……ん?」
長良「どうしたんですか?」
提督「もともと艦船なんだし雨天でも海上で走ることは出来るのでは」
長良「そっか! 海の上ならいくら走っても平気ですね!」
提督「そうだろうそうだろう」
長良「時化とか考慮に入れなければですけどね」
提督「あっ」
長良「司令官、本当に船乗りなんですか」
提督「いだいいだい手首に握撃かけるのやめでぇぇぇぇ!!」
長良「今日も雨ですね、司令官」
提督「まぁ梅雨だからな」
長良「これじゃあ走りこみも出来ないし……」
提督「室内で走るわけにもいかんからな。演習場も……ん?」
長良「どうしたんですか?」
提督「もともと艦船なんだし雨天でも海上で走ることは出来るのでは」
長良「そっか! 海の上ならいくら走っても平気ですね!」
提督「そうだろうそうだろう」
長良「時化とか考慮に入れなければですけどね」
提督「あっ」
長良「司令官、本当に船乗りなんですか」
提督「いだいいだい手首に握撃かけるのやめでぇぇぇぇ!!」
995: 2016/06/28(火) 22:16:18.77 ID:Dn4DtaYxo
――― 近代兵器がない理由 ―――
提督「アイオワってWW2のあとも活躍してたよな」
アイオワ「Yes!!」
提督「トマホークとかそういうの持ってこないの? 接敵前に沈められれば楽じゃない?」
アイオワ「それ、ネコツルシが言ってたんだけど……」
猫吊『近代兵器に妖精さん憑かないんですよね』
アイオワ「ArmがあってもFairyがいないと使えないのよ」
提督「そんな事情が……」
提督「アイオワってWW2のあとも活躍してたよな」
アイオワ「Yes!!」
提督「トマホークとかそういうの持ってこないの? 接敵前に沈められれば楽じゃない?」
アイオワ「それ、ネコツルシが言ってたんだけど……」
猫吊『近代兵器に妖精さん憑かないんですよね』
アイオワ「ArmがあってもFairyがいないと使えないのよ」
提督「そんな事情が……」
990: 2016/06/25(土) 21:30:54.49 ID:93gvuzyGo
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります