92: 2012/04/14(土) 00:03:53.33 ID:DKSCHurp0






[14.Mar.AM10:25]



岡部「なんのかのと言っていたら、とうとうこの日が来てしまったではないか……」

岡部「バレンタインの時はルカ子やまゆりの手を借りたが、肝心な時にどこかへ行ってしまった……」

岡部「はっ、これもまさか機関の謀略か?!」

岡部「ふん……ならば、俺は機関になど屈せぬ。運命に抗ってやろうではないくぁ!!」

岡部「フフフ……フゥーハハハ!!」
STEINS;GATE 15周年記念ダブルパック - Switch

94: 2012/04/14(土) 00:05:47.79 ID:DKSCHurp0
岡部「……と、意気込んだはよかったものの」



ぐちゃぁ

岡部「これはひどい」

96: 2012/04/14(土) 00:09:11.05 ID:DKSCHurp0
岡部「だぁーっ!そもそも、お菓子作りに精を出すマッドサイエンティストが何処の世界にいるというのだ!」

岡部「……ま、まぁ味は身をもって立証済みだが……如何せんこの奇怪なフォルム……」

岡部「ある意味、混沌を生み出す我が魔手に相応しい代物ではあるが……」

岡部「……よもや、これをプレゼントというつもりか、鳳凰院凶真……!?」ワナワナ

97: 2012/04/14(土) 00:10:49.90 ID:DKSCHurp0
岡部「……そうだ、よく考えろ。あの研究一筋の実験大好きっ娘が、わざわざ今日のことなど覚えてなどいまい」

岡部「平常心、平常心だ我が頭脳よ……今日一日何も無いように振舞えば、この惨劇は回避されよう」

岡部「ふん……俺は世界を騙した男、IQ170の天才、鳳凰院凶真……これしきの試練を潜ることなど、造作もない!」

岡部「いざ、欺きし狡猾な邪神作戦(オペレーション・ロキ)を開始する!!」


ガチャ







紅莉栖「あ、お、おかえり岡部! ドクペ、ケースで買っておいたぞ////」ニッコニコ

岡部「」

98: 2012/04/14(土) 00:13:27.63 ID:DKSCHurp0
岡部「どういうことなんだダルよ」ヒソヒソ

ダル「いや、お前が言うなと小一時間」

岡部「なんだと」

ダル「牧瀬氏、ラボに着くなりそわそわして、買い物行ったり掃除したりスレ立てたり……落ち着かないにもほどがあるお」

岡部「むうぅ」

ダル「一体今日をどれだけ全裸待機してたんだと小一時間問い詰めたい。それもこれも、オカリンがもったいぶらせるからだお」

102: 2012/04/14(土) 00:17:02.39 ID:DKSCHurp0
岡部「な、何故俺なのだ!」

ダル「そりゃそうだお。今日までろくにラボに顔見せず、せっせと自宅でヒッキーしてたくせに」

岡部「し、仕方なかろう! あんなチョコでべったべたな姿、助手に見られてたまるか!」

ダル「その結果がごらんの有様だお」



紅莉栖「あ、岡部。洗濯物は全部やってきといたからな。食器も洗い終わってるし、そ、その、浴室も掃除しといたから//」

岡部「う、うむ……」

103: 2012/04/14(土) 00:20:43.02 ID:DKSCHurp0
ダル「染まった頬、目の中にハート、にやけた口……今時の堕モノ工口ゲでも見かけないだろ常考」

岡部「まるで洗脳か催眠術ではないか……あんな扇情的にされては、犯リンされても文句は言えんぞ」

ダル「それ牧瀬氏的にはジャックポットじゃね? まぁする気概もないヘタレ乙リン」

岡部「黙れダル!」

106: 2012/04/14(土) 00:24:10.44 ID:DKSCHurp0
紅莉栖「お、岡部」

岡部「な、なんだぁクリスティーナよ」

紅莉栖「さ、最近未来ガジェットに入れ込んでたみたいだからな。か、肩がこってるんじゃないか?」

岡部「んん?! ああ、まあ、あー。 その、こってるというか、いないというかー」

紅莉栖「ほらっ、揉んでやるから、さっさと後ろ向け!」ニコニコ

岡部「のわっ?! 一々背中を叩くな!」

ダル「はじけてまざれ」

108: 2012/04/14(土) 00:27:43.99 ID:DKSCHurp0
紅莉栖「ど、どう? 気持ちいい?」

岡部「う、うむ……もう少し強くてもいいんじゃないか?」

紅莉栖「こう?」ギューッ

岡部「うおっ、い、いいのではないか……」

紅莉栖「そ、そっか。やっぱり固くなってるな」

岡部「ま、まぁ最近忙しかったからな。仕方なかろう」

紅莉栖「なんかパンパンに張ってるし……痛くない?」

岡部「別にそうでもないが……ま、まぁ、今はお前のお陰で随分楽だが……」

紅莉栖「そ、そう////」



ダル「なにこの仕打ち」

110: 2012/04/14(土) 00:30:58.80 ID:DKSCHurp0
岡部「んぉっ?! おい助手よ! 肩叩きには寄りすぎだろう?!」

紅莉栖「んっ、べ、別にいいじゃない。あんたより私のほうが背が低いから、これぐらいでしっかり肩を掴めるのよ!」

岡部「だ、だがそのしかしだな!」

岡部「(むおおおぅ?! む、胸が!)」

岡部「(普段貧Oと煽ってはいたが、実際当てられるとこれはこれで……)」

岡部「(ぬうぅぅ! 機関からのハニートラップが予想以上だ! 至急、至急救援をおおぉぉ!!)」



ダル「もげろ」

113: 2012/04/14(土) 00:34:39.09 ID:DKSCHurp0
岡部「あ、ああー! そうだー! そういえばまゆりから、から揚げを買って来いと伝言があったなぁー!」

岡部「これは今すぐ買いに行かねばなー! というわけで今k」

紅莉栖「それじゃ、ちょっと買ってくるわね。ちゃんと留守番してなさいよ?」

バタンッ



岡部「……oh」

ダル「駄目だこの牧瀬氏、早くなんとかしないと……」

115: 2012/04/14(土) 00:38:46.58 ID:DKSCHurp0
ダル「つか、オカリンいつまでひっぱるんよ。マジで作ってきたん?」

岡部「む、無論だ。確かに作りはした。だが……」

ダル「なんぞ」

岡部「そこまで言うなら、この中身を見てくれ……こいつをどう思う?」




ぐちゃあ


ダル「すごく……ウェイストランドです」

岡部「そこまで言うか」

ダル「にしたって、これはないっしょ……僕だってもう少しマシに作るお」

岡部「むぐ……確かにダルは器用だからな……」

ダル「工口ゲシナリオに出てくるレシピは侮れないお」

117: 2012/04/14(土) 00:45:04.29 ID:DKSCHurp0
ダル「で、どうするんよオカリン」

岡部「はっ! そうだ、今のうちにチョコを買いに行かねば!」

ダル「え、市販で済ますん?」

岡部「当たり前だ、こんな暗黒物質を渡せるか!」

ダル「手作りくれるの分かってるのに既製品で返す気満々とか、オカリンマジ鬼畜」

岡部「シャラァップ! ……ん? 手作りだと?」

118: 2012/04/14(土) 00:47:28.32 ID:DKSCHurp0
ガチャッ


まゆり「トゥットゥルー♪ おはよーオカリン」

岡部「おお、まゆり。最近姿を見ないと思っていたが、どうしていたのだ」

まゆり「えへへー、まゆしぃはクリスちゃんのところにいたのです」フンス

岡部「助手のところだと?」

まゆり「フェリスちゃんやルカ君と一緒にね、オカリンのチョコ作ってたの」

岡部「なん……だと……?」

119: 2012/04/14(土) 00:51:02.51 ID:DKSCHurp0
まゆり「こないだはオカリンと一緒にがんばったからねー。今回はクリスちゃんの番なのです」

まゆり「と、いうわけで、はいオカリン。まゆしぃからのチョコなのです」

岡部「あ、ああ。ありがとう……」

岡部「……ではなぁい!」

まゆり「オカリンどこいくの?」

岡部「お返しを買いにに決まっているだろう! そこまでされて、あんな酷いもの渡せるか!」

まゆり「えー……クリスちゃんかわいそうだよぉ」

岡部「し、しかし、だな」

121: 2012/04/14(土) 00:54:47.75 ID:DKSCHurp0
まゆり「クリスちゃん、とってもとっても楽しみにしてたのです」

まゆり「オカリンとチョコ交換するんだーって、がんばってたのです」

岡部「だ、だからちゃんと応えようと、それなりのものを用意してだな……」

まゆり「どんなに高いチョコでも、オカリンの手作りのほうが嬉しいはずなのです」

まゆり「オカリンも、自信持ってクリスちゃんに渡せばいいんだよ」

岡部「う、うむ……そうか……」

ダル「まゆ氏マジ天使」

123: 2012/04/14(土) 00:57:48.36 ID:DKSCHurp0
ダル「つーわけで僕はメイクイーン行ってくるお」

岡部「えっ」

まゆり「まゆしぃもとらのあな行ってくるのです」

岡部「えっ」

ダル「正直これ以上あのだだ甘空間につき合わされたら、アヘ顔Wピース晒してストレスがマッハだお」

まゆり「えへへー。オカリン頑張ってねー」

岡部「なにそれこわい」

124: 2012/04/14(土) 01:00:49.89 ID:DKSCHurp0
紅莉栖「ただいまー……って、まゆり来てたんだ」

まゆり「クリスちゃんトゥットゥルー♪」

紅莉栖「丁度良かった。はい、からあげ」

まゆり「? ありがとー。冷やしとくねー」

ダル「それじゃオカリン、アディオス」

まゆり「クリスちゃんもがんばってね」

紅莉栖「ふぇっ?! え、ええ////」

岡部「」

127: 2012/04/14(土) 01:04:30.88 ID:DKSCHurp0
バタンッ




岡部「……」

紅莉栖「……」

岡部「あー、その、なんだ、助手よ」

紅莉栖「な、なに?」

岡部「……い、いや、なんでもない。気にするな」

岡部「(くそっ、面と向かってチョコを渡すなどと言える訳ないではないか!)」

128: 2012/04/14(土) 01:07:40.33 ID:DKSCHurp0
紅莉栖「ね、ねぇ岡部」

岡部「ぬおっ、な、なんだセレセブよ!」

紅莉栖「セレセブ言うな! その、さ。きょ、今日って、何の日か覚えてる?」

岡部「きょ、今日か、そう、今日な。そうだな」

岡部「今日は3月14日であるからして、今日が何の日かといえば……」

紅莉栖「(wktk)」

130: 2012/04/14(土) 01:11:35.59 ID:DKSCHurp0
岡部「さ、3月14日といえば、1873年に明治政府が国際結婚を認めた頃だな!」

紅莉栖「それじゃなくて」

岡部「あ、ああ、あと電車男が最初に書き込んだのもこの頃だったか」

紅莉栖「いやいやいや」

岡部「おお! アインシュタイン生誕も今日だったな!」

紅莉栖「はぐらかすにも限度があるぞ」



岡部「……ホワイトデーです」

紅莉栖「うむ」

131: 2012/04/14(土) 01:15:37.88 ID:DKSCHurp0
紅莉栖「そ、それでね。ま、まぁ先月のお返しって事で」

紅莉栖「その、まゆり達にも手伝ってもらったんだけど……これ」

岡部「(ふおぉ……まばゆいばかりの包装……)」

紅莉栖「い、一応みんなで味見したから、味は確かなはずよ!」

岡部「そ、そうか」

133: 2012/04/14(土) 01:18:53.30 ID:DKSCHurp0
紅莉栖「う、うん……そ、それで、受け取ってくれたらなぁって……べ、別に迷惑とかだったら無理に貰わなくてもいいからな!」

岡部「な、何をいうか! お前からのものでいらないものな、ど……」

紅莉栖「え?」

岡部「あ、その……」

紅莉栖「お、岡部、もう一回言って?////」

岡部「う、うるさぁい!!」

134: 2012/04/14(土) 01:22:11.53 ID:DKSCHurp0
紅莉栖「……」

岡部「……」

紅莉栖「……お、岡部」ウズウズ

岡部「なんだクリスティーナ」

紅莉栖「ティーナ禁止! べ、別になんでもないけど……」

138: 2012/04/14(土) 01:26:43.41 ID:DKSCHurp0
岡部「……っ!」

岡部「……ふぅん! もしや助手よ、まさかこの鳳凰院凶真からチョコがもらえるなどと考えているのではないか?」

紅莉栖「!」

岡部「ふっ……先月のは単なる気の迷い……そう何度も機関の手に堕ちるほど、このマッドサイエンティスト甘くは無い!」

岡部「残念だったな助手よ! フゥーハハハ!!」

143: 2012/04/14(土) 01:35:50.10 ID:DKSCHurp0
紅莉栖「……」

岡部「はは、は……は?」

紅莉栖「……」

岡部「……じょ、助手?」

紅莉栖「……」グスッ

岡部「」

145: 2012/04/14(土) 01:43:58.73 ID:DKSCHurp0
紅莉栖「……ぅ」グス

岡部「……お、俺だ。機関からの攻撃が予想以上に酷く……」

紅莉栖「ぅ゛……ぇ」ヒグッ

岡部「く、クリスティーナ」スッ

紅莉栖「っ……ぅ」パシッ

岡部「……紅莉栖」

紅莉栖「……」ズビッ


岡部「……ええい! 渡せばいいんだろう渡せば!」バシッ

147: 2012/04/14(土) 01:48:06.98 ID:DKSCHurp0
紅莉栖「へ……?」

岡部「その……チョコだ! それ以上でも以下でもない!」

紅莉栖「え……だってあんた、さっき……」

岡部「あ、あんなの嘘に決まっているだろう! ……ただ、出来が酷すぎたから、なかったことにしたかっただけだ」

紅莉栖「……なんだ。岡部、やっぱり作ってくれたのか」

岡部「む、無論だ。貴様に貰うだけ貰っておくなど、こっちの立場がないではないか」

紅莉栖「ん……岡部のチョコ……」

151: 2012/04/14(土) 01:51:28.34 ID:DKSCHurp0
紅莉栖「……えへへ」ギュー

岡部「こら! チョコを抱きしめるな、溶け出すだろう!」

紅莉栖「そ、そっか。……ふふ」ニコニコ

岡部「(やばい可愛い)」

154: 2012/04/14(土) 01:54:50.23 ID:DKSCHurp0
紅莉栖「開けてもいい?」

岡部「あ、当たり前だ……お前のも開けるぞ」

紅莉栖「ん、どうぞ」


かぱっ


岡部「(おお……整ったフォルム、鮮やかなデコレーション、甘美な香り……パーフェクトではないか)」

岡部「(それに比べ……)」


ぐちゃあ


紅莉栖「はは……ぐちゃぐちゃだな」

岡部「うるさい。嫌なら食うな」

紅莉栖「ううん……頑張ってくれて嬉しい」

156: 2012/04/14(土) 01:58:46.77 ID:DKSCHurp0
ひょい

紅莉栖「ん……美味しい」

岡部「当たり前だ……貴様の味覚など知り尽くしておるわ」

紅莉栖「へ? そ、それって……///」

岡部「なっ、ち、違う! ラボメンの好みを知っておくことは、ラボを率いるリーダーとしての義務であり、それ以上の意味はない!」

紅莉栖「ふ、ふーん。そう……///」

岡部「ぬわーっ!」

160: 2012/04/14(土) 02:02:16.22 ID:DKSCHurp0
紅莉栖「今日は岡部のツンデレバーゲンセールね」モグモグ

岡部「お前が言うなスレは」

紅莉栖「ここよ」

岡部「ここだったか……」モグモグ

紅莉栖「……ふぅ、ごちそうさま。あとはお楽しみにしとく」

岡部「さっさと食べてしまえ。そんなものでよかったら、また気が向いたら作ってやる」

紅莉栖「ふふ、ありがと」

162: 2012/04/14(土) 02:06:08.35 ID:DKSCHurp0
紅莉栖「けど、さっきは不安だったんだからな」

岡部「む……すまない」

紅莉栖「私ばっかり空回りして……迷惑だったんじゃないかって」

岡部「……心配するな。お前の迷惑など、普段から慣れきっている」

紅莉栖「なんか腹立つわね」クスクス

岡部「もう機嫌も直ったか」

紅莉栖「……甘いわよ」

岡部「ホワイトデーだけにか?」

紅莉栖「うるさい」

163: 2012/04/14(土) 02:10:37.42 ID:DKSCHurp0
ぼすっ


岡部「うおっ」

紅莉栖「今日一日甘やかせ。それでチャラよ」

岡部「む、ぐ……そ、それで気が済むなら、致し方あるまい」

紅莉栖「言っとくけど、ここ最近会ってなかったから、へぁんぱなく構ってやるからな。覚悟しなさいよ」

岡部「ふ、ふん! 貴様こそ、途中で後悔しても知らんぞ!」

紅莉栖「望むところよ!」

168: 2012/04/14(土) 02:22:28.80 ID:DKSCHurp0








             冷汗三斗のホワイトデー

                  おわり


               

169: 2012/04/14(土) 02:24:05.21 ID:DKSCHurp0
長々とお付き合いいただきありがとにゃんにゃん。
またご縁があればよろしくお願いします。
エル・プサイ・コングルゥ

引用: 岡部「む、助手がワゴンセールか」 クリス「オカベー」