504: 2014/06/19(木) 19:16:04.08 ID:s/ziuria0
前回:提督「つれづれなるままに」【その5】
【イクの捕鯨作戦】
「提督!ちょっと話があるのね!」
「なんだ、イク?執務中だ、話は聞くが、手短に頼む」
「なんで大鯨を迎えに行くのが筑摩と熊野なの!?イクも行きたいの!」
「あの二人を選んだのは信用できるだからだ、イク、お前と違ってな」
「なっ!?うぅー、なんなのね!まるでイクが信用できないみたいな言われかたなの!」
「…この前、ボールペンのインクが切れた時、お前は買いに行くといって何処に行った?」
「デ、デパートには大抵のものがあるのね!」
「そうだな。だが問題は、わざわざそんなところに行かずとも、代えの芯等は買えると言うことだ」
「しかも、お前が帰って来たのは、頼んでから何時間後だった?」
「……4時間後、なの…」
「備品把握を怠った私にも、もちろん非はある。だが、ここから遠い所でわざわざ物を買う必要はない」
「しかも、お前は結局何を買ってきた?」
「夏の、新作水着…なのね… 」
「…イク、お前達潜水艦が泳ぐことに非常に関心があることは、私も知っている」
「ご理解いただけて、とっても嬉しいのね…」
「だが、ボールペンの代えを買ってくるといって、水着を買ってくるのは…少々…」
「そんなイクのことだ、大鯨を迎えに行って、そのまま街でウィンドウショッピングしそうだし、な」
「うぅ~、何となく想像できちゃうのが悲しいのねぇ~」
「で、でも!今度は大丈夫なの!大鯨はイク達のお姉さんみたいな人なのね!」
「だから、寄り道なんかしないで、さっさと帰って、体を休めて欲しいの!」
「イクが、迎えに行きたいの!」
(…大鯨は潜水母艦。イクが姉と慕うのも、無理はない、か…)
505: 2014/06/19(木) 19:18:20.00 ID:s/ziuria0
「…イク」
「はい?なんなのね?」
「…筑摩と熊野に迎えに行かせるのはキャンセルだ」
「!じゃ、じゃあ…」
「その代わり、イクだけじゃない。ゴーヤ、シオイ、ハチ、イムヤ、まるゆを含め、全員で行くこと」
「寄り道は、なるべくしないこと」
「この二つを厳守することが条件だ、できるか?」
「うん、イクさんに、お任せください!なのね!」
「イク、大鯨を迎えに、行くのー!」
「で、条件厳守の件は、どうなったんだ、お前達…」
「「「「「「…ごめんなさい」なの」でち」」」」
「あ、あの、イクちゃん達をあんまり責めないであげてください…わたしも悪いんです…」
518: 2014/06/19(木) 22:48:14.67 ID:s/ziuria0
【本当に望んだものは】
※閲覧注意
「望みが叶う装置?…正直、半信半疑ですが、本当なら凄いですね」
「明石と一緒に作ったの、私達二人で既に試運転は終えて、データはバッチリとってあるわ」
「青葉には、これの取材をしてもらおうと思ってね」
「ふむふむ、そう言うことなら、この青葉、張り切って取材しますよ!」
「で、何をすればいいんですか?」
「まあ、論より証拠ってことで、実際に使って見て、その感想を聞きたいかな?」
「なるほど、製作者以外で初めての体験者と言うわけですか、青葉、きょーしゅくです!
「引き受けてくれるのね、ありがとう。この装置はね、ここを、こうして…」
「おお、なんだか近未来ちっくですね!」
「私達艦娘自体、現代科学の常識を超えた、近未来的な存在だけどね」
「ふふ、まあ、そうですね」
「えっと、これでよし。あとは、青葉が望みを願うだけ、あ、あまりにも危険なものとかは無理よ?」
「大丈夫です!では、さっそく!」
「ええ、取材、お願いね」
519: 2014/06/19(木) 22:51:09.02 ID:s/ziuria0
んー、あれ?ここは何処でしょう?確か青葉は夕張の装置の取材をしていて…
ここは、私室?あれ?いつの間に寝てたんでしょうか?あちゃー、取材するって言ったのに
つい横になった時に寝ちゃいましたか。
…まあ、あの装置がとても寝心地のいいものだったと言うことは書けそうですね!
……うん、夕張に謝りに行かないと…
痛っ…頭痛が?寝過ぎかなあ…
「夕張ー、居ますかー?さっきはごめんなさい、つい寝ちゃって、夕張?」
あれ、工房にいない?今日出撃予定はなかったし、私室ですかね?
もしかしたら食堂かも、ついでに執務室も覗いて見ましょう
なんか、やけに静かだなあ…
「司令官、いらっしゃいますか?夕張がこちらに来て…」
返事が、ない。お手洗いにでも、ううん、秘書艦も返事しないなんて…
「入りますよ?」
…え?なんで誰もいないの?執務時間中は昼休憩を覗いてどちらかが必ず居るはず…
司令官が、そんなことを忘れるはずがない、緊急事態に対処できる様にって、司令官自ら言ったことですし…
なんで…?
「嘘…」
なんで、食堂にも、ラウンジにも、仮眠室にも、寮にも、誰もいないんですか?ついさっきまでは…っ…頭が、痛い…
この謎を、突き止めなきゃ…
深海棲艦の襲撃?いや、争った跡なんてない。大体、そんなことがあったらとっくに起きてたはず…
みんなで出かけた…とか?そんな話知らないし、もしかして仲間外れですか!?
…なんて、流石に、鎮守府をまったくの留守にするのは、防衛上の問題がある…
仮に、何か収集がかかったとして、大多数の者が出かけることになっても、少なくとも二艦隊程度は残すはず…
第一、もしそうなら、司令官の代行を誰かがするはず、執務室にいない時点で…
「手がかりが…少なすぎます…」
ここは、私室?あれ?いつの間に寝てたんでしょうか?あちゃー、取材するって言ったのに
つい横になった時に寝ちゃいましたか。
…まあ、あの装置がとても寝心地のいいものだったと言うことは書けそうですね!
……うん、夕張に謝りに行かないと…
痛っ…頭痛が?寝過ぎかなあ…
「夕張ー、居ますかー?さっきはごめんなさい、つい寝ちゃって、夕張?」
あれ、工房にいない?今日出撃予定はなかったし、私室ですかね?
もしかしたら食堂かも、ついでに執務室も覗いて見ましょう
なんか、やけに静かだなあ…
「司令官、いらっしゃいますか?夕張がこちらに来て…」
返事が、ない。お手洗いにでも、ううん、秘書艦も返事しないなんて…
「入りますよ?」
…え?なんで誰もいないの?執務時間中は昼休憩を覗いてどちらかが必ず居るはず…
司令官が、そんなことを忘れるはずがない、緊急事態に対処できる様にって、司令官自ら言ったことですし…
なんで…?
「嘘…」
なんで、食堂にも、ラウンジにも、仮眠室にも、寮にも、誰もいないんですか?ついさっきまでは…っ…頭が、痛い…
この謎を、突き止めなきゃ…
深海棲艦の襲撃?いや、争った跡なんてない。大体、そんなことがあったらとっくに起きてたはず…
みんなで出かけた…とか?そんな話知らないし、もしかして仲間外れですか!?
…なんて、流石に、鎮守府をまったくの留守にするのは、防衛上の問題がある…
仮に、何か収集がかかったとして、大多数の者が出かけることになっても、少なくとも二艦隊程度は残すはず…
第一、もしそうなら、司令官の代行を誰かがするはず、執務室にいない時点で…
「手がかりが…少なすぎます…」
520: 2014/06/19(木) 22:53:36.80 ID:s/ziuria0
冷静になって、考えてみましょう…そもそもこの事態は、何処から始まったのか
この事態になる以前の記憶で最も新しいのは、夕張の装置の取材を…っ…
また、だ…頭痛がする…なんで?
記憶を辿らなきゃ、鎮守府の何処を調べても、何もなかった…
あれ?そうだ、何もこの鎮守府だけ調べる必要ないじゃないですか!
テレビやラジオ、携帯も!情報ツールあるじゃないですか!
そうですよ、まったく青葉は慌てん坊ですね!とにかく電話をすればいいんですよ!
「お掛けになった電話番号は、現在使われて…」
なんで…?司令官も皆も、誰も、出ない。ううん、でないならいいんです、まだ
使われて、いない?どういう、ことですか?電波が届かない、や、留守電じゃない…
そもそも、初めからそんなもの存在しない様な…
なんで?!だって、さっきまで皆居て!…痛っ…
な、何が起こってるの?と、とにかく何か情報、テ、テレビを!
………………何も、映らない……どのチャンネルも、衛星放送だって…ラジオ…ラジオなら…
…ノイズ…?…周波数は、合ってる…なんで?
そ、外に出れば、何かあるかも!昔から情報は足で集めるものっていいますし!
え…………、なに、これ?
車は、ある、でも、だれも、乗ってない…静かすぎる…正午、ですよ?
…歩道に置かれた、ベビーカー、にも、何も、ぬいぐるみ、だけ
親御さんは、何処に行ったんでしょう…
公園も、コンビニも、レストランだって、病院!警察署!!なんで、なんで!!!!!
なんで!誰もいないんですか!!!!
この事態になる以前の記憶で最も新しいのは、夕張の装置の取材を…っ…
また、だ…頭痛がする…なんで?
記憶を辿らなきゃ、鎮守府の何処を調べても、何もなかった…
あれ?そうだ、何もこの鎮守府だけ調べる必要ないじゃないですか!
テレビやラジオ、携帯も!情報ツールあるじゃないですか!
そうですよ、まったく青葉は慌てん坊ですね!とにかく電話をすればいいんですよ!
「お掛けになった電話番号は、現在使われて…」
なんで…?司令官も皆も、誰も、出ない。ううん、でないならいいんです、まだ
使われて、いない?どういう、ことですか?電波が届かない、や、留守電じゃない…
そもそも、初めからそんなもの存在しない様な…
なんで?!だって、さっきまで皆居て!…痛っ…
な、何が起こってるの?と、とにかく何か情報、テ、テレビを!
………………何も、映らない……どのチャンネルも、衛星放送だって…ラジオ…ラジオなら…
…ノイズ…?…周波数は、合ってる…なんで?
そ、外に出れば、何かあるかも!昔から情報は足で集めるものっていいますし!
え…………、なに、これ?
車は、ある、でも、だれも、乗ってない…静かすぎる…正午、ですよ?
…歩道に置かれた、ベビーカー、にも、何も、ぬいぐるみ、だけ
親御さんは、何処に行ったんでしょう…
公園も、コンビニも、レストランだって、病院!警察署!!なんで、なんで!!!!!
なんで!誰もいないんですか!!!!
521: 2014/06/19(木) 23:00:54.65 ID:s/ziuria0
もう…真っ暗だ…、電気はつきますけど、これも、誰も管理する人がいなければ、いずれ…
電気だけじゃない、ライフライン全て、このままじゃ…
そもそも、なんで青葉以外誰もいないんでしょう…鳥や、魚は居るだけ、ましなんでしょう
か…
結局、徒歩で行けるところ、艤装で、運行できる範囲の全てに、およそ人と呼べるものはいなかった…深海棲艦、すら…
建物や船なんかの人工物は、そのまま…まるで、突然、青葉以外の人が消えたみたいに!!
…さみしいです…司令官…皆…何処に行っちゃったんですか?帰って来てよ!嫌だよ!
今朝まで、だって…痛っ
そういえば、この痛み、今朝のことを思い出そうとすると…
もうここにしか…
痛い、痛い痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!
あ、頭が、割れそう!でも、もう青葉には!
あ、ぐっ、そうだ、夕張の装置のを使ったあたりから記憶がない
あれは望みを叶えるものと言っていた、青葉は何を望んだんですか?青葉は一体何を!!
青葉の願いは…争いの無い、平和な世の中になること、ですかね?
…そうだ、青葉は、っそう、願った!痛、そう願ったはずなんだ!
なのに、なんでこんなことに、なんで!なんで!こんな、青葉一人だけの世界に!!
あ…一人、だけ…?
争いの…無い、世界
あ、はははは、そうなんですね…そうですよね!青葉一人なら!争わずに済みますよね!
確かに平和な世の中に鳴りました!争いの一切生じない、まさに!平和ですよ!
あははははははははははははははは!ひひひ、く、苦しいあはは、青葉が、青葉がそう望んだから!だから、皆、いなくなった!
青葉は、青葉が!あはははははははははは、あ、あ、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!
違う!こんなの、こんなの望んでない!青葉が欲しかったのは!こんな世界じゃ!こんな、こんな、世界じゃ…こんなのいらない!
……あ…そうですよね…、こんな、こんな世界いらないですよね、青葉は、こんな世界、いやです…そうです、よ…
皆、司令官、ごめんなさい青葉の願いが、皆さんを消してしまいました…こんな、こんなことが償いになるとは思えないですけど…
皆さん、ごめんなさい許してくださいごめんなさい、…っぁ…ぅ………今、今から、そちらに、青葉も…………
いきます、ね?
電気だけじゃない、ライフライン全て、このままじゃ…
そもそも、なんで青葉以外誰もいないんでしょう…鳥や、魚は居るだけ、ましなんでしょう
か…
結局、徒歩で行けるところ、艤装で、運行できる範囲の全てに、およそ人と呼べるものはいなかった…深海棲艦、すら…
建物や船なんかの人工物は、そのまま…まるで、突然、青葉以外の人が消えたみたいに!!
…さみしいです…司令官…皆…何処に行っちゃったんですか?帰って来てよ!嫌だよ!
今朝まで、だって…痛っ
そういえば、この痛み、今朝のことを思い出そうとすると…
もうここにしか…
痛い、痛い痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!
あ、頭が、割れそう!でも、もう青葉には!
あ、ぐっ、そうだ、夕張の装置のを使ったあたりから記憶がない
あれは望みを叶えるものと言っていた、青葉は何を望んだんですか?青葉は一体何を!!
青葉の願いは…争いの無い、平和な世の中になること、ですかね?
…そうだ、青葉は、っそう、願った!痛、そう願ったはずなんだ!
なのに、なんでこんなことに、なんで!なんで!こんな、青葉一人だけの世界に!!
あ…一人、だけ…?
争いの…無い、世界
あ、はははは、そうなんですね…そうですよね!青葉一人なら!争わずに済みますよね!
確かに平和な世の中に鳴りました!争いの一切生じない、まさに!平和ですよ!
あははははははははははははははは!ひひひ、く、苦しいあはは、青葉が、青葉がそう望んだから!だから、皆、いなくなった!
青葉は、青葉が!あはははははははははは、あ、あ、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!
違う!こんなの、こんなの望んでない!青葉が欲しかったのは!こんな世界じゃ!こんな、こんな、世界じゃ…こんなのいらない!
……あ…そうですよね…、こんな、こんな世界いらないですよね、青葉は、こんな世界、いやです…そうです、よ…
皆、司令官、ごめんなさい青葉の願いが、皆さんを消してしまいました…こんな、こんなことが償いになるとは思えないですけど…
皆さん、ごめんなさい許してくださいごめんなさい、…っぁ…ぅ………今、今から、そちらに、青葉も…………
いきます、ね?
527: 2014/06/19(木) 23:43:57.90 ID:s/ziuria0
【彼女が望んだもの】
…ば…ね…あ……お…ねえ……青葉!!ねえ、青葉ってば!!!!
「っあ、え?ここは、何処ですか?」
「ここは、私の工房。まさか、記憶に障害が生じて?」
「…そうだ、取材を…えっと…」
「装置が作動して30分くらい経ったら急に青葉が苦しみだしたの…だから緊急停止を」
「…夕張?」
「え?」
「夕張…ですか?」
「え、ええそうよ?私以外に夕張って名前の子はいないはずだけど?」
「…やっぱり、記憶障害が!ああ…望んだ夢を見せる装置なんか作るんじゃ…」
「夕張ぃいいいいいい!!!」
「きゃっ!?え、ちょっと青葉?!」
「よかった!抱きしめられる!!ここに、居る!」
「皆、いますよね?ここに、いますよね?」
「え?あ、うん、遠征や出撃組以外なら、全員…」
「あ……ぐすっ、…ぅ…あああああああああああん」
「ちょっと!どうしたの!?何かやっぱりあったの?!」
「何にも、無いんです、なかったんです!何も、誰も!あんな世界、なかったんです!!」
「あんなのが平和なら、平和じゃなくていい!!ここで、皆と戦っていたい!」
「え、なに、本当に、どうしたの?」
「ともかく、この装置は廃棄ね…こんな、精神が不安定になるんじゃ…」
「ぐすん…えへへ、夕張、あったかいです、夕張ぃ…」
「もう…本当に…」
(まあ…笑ってるから、とりあえず今はこのままにしておきましょう…)
って言う大筋のSF小説を書いてみたいんですが、書いたら地方コミケとかに出展してもいいですか?
まあ、これくらいなら…いいだろう、許可する。ただ、ちょっと暗いな…
え、そうですかね?まあ、簡単に人を惹きつけるには衝撃的なものが一番ですから!
それがなんであれ、心にこう、来るものがあればいいんですよ!氏にネタなんか特に簡単ですから!
まあ、お前が良いなら、いいんだが…
えへへ、ともかく、許可ありがとうございます、司令官!!
…ば…ね…あ……お…ねえ……青葉!!ねえ、青葉ってば!!!!
「っあ、え?ここは、何処ですか?」
「ここは、私の工房。まさか、記憶に障害が生じて?」
「…そうだ、取材を…えっと…」
「装置が作動して30分くらい経ったら急に青葉が苦しみだしたの…だから緊急停止を」
「…夕張?」
「え?」
「夕張…ですか?」
「え、ええそうよ?私以外に夕張って名前の子はいないはずだけど?」
「…やっぱり、記憶障害が!ああ…望んだ夢を見せる装置なんか作るんじゃ…」
「夕張ぃいいいいいい!!!」
「きゃっ!?え、ちょっと青葉?!」
「よかった!抱きしめられる!!ここに、居る!」
「皆、いますよね?ここに、いますよね?」
「え?あ、うん、遠征や出撃組以外なら、全員…」
「あ……ぐすっ、…ぅ…あああああああああああん」
「ちょっと!どうしたの!?何かやっぱりあったの?!」
「何にも、無いんです、なかったんです!何も、誰も!あんな世界、なかったんです!!」
「あんなのが平和なら、平和じゃなくていい!!ここで、皆と戦っていたい!」
「え、なに、本当に、どうしたの?」
「ともかく、この装置は廃棄ね…こんな、精神が不安定になるんじゃ…」
「ぐすん…えへへ、夕張、あったかいです、夕張ぃ…」
「もう…本当に…」
(まあ…笑ってるから、とりあえず今はこのままにしておきましょう…)
って言う大筋のSF小説を書いてみたいんですが、書いたら地方コミケとかに出展してもいいですか?
まあ、これくらいなら…いいだろう、許可する。ただ、ちょっと暗いな…
え、そうですかね?まあ、簡単に人を惹きつけるには衝撃的なものが一番ですから!
それがなんであれ、心にこう、来るものがあればいいんですよ!氏にネタなんか特に簡単ですから!
まあ、お前が良いなら、いいんだが…
えへへ、ともかく、許可ありがとうございます、司令官!!
534: 2014/06/20(金) 07:56:31.59 ID:Dc+5uc5L0
「ご主人様!?そろそろ執務初めないとダメですよ!」
「え、ハーフタイム?知りません!と に か く!執務室に…、もう!いつもみたいにシャキッと…」
「は?今日は午前中は休む?え、え?ちょっ、職権濫用ですよ!」
「ご主人様ぁ!」
「え、ハーフタイム?知りません!と に か く!執務室に…、もう!いつもみたいにシャキッと…」
「は?今日は午前中は休む?え、え?ちょっ、職権濫用ですよ!」
「ご主人様ぁ!」
535: 2014/06/20(金) 09:00:44.27 ID:Dc+5uc5L0
「え、ちょっ…机に突っ伏して…突然一体何を……惜しかった…?…何のことです?」
「チャンスはあった?戦況の支配はできてたって…あ、ちょっ、よく見たらイヤホンつけてるし!」
「だから、執務中ですよご主人様!何をして…え、ひ、膝の上のスマホ?な、なんのこったよ(すっとぼけ)」
「チャンスはあった?戦況の支配はできてたって…あ、ちょっ、よく見たらイヤホンつけてるし!」
「だから、執務中ですよご主人様!何をして…え、ひ、膝の上のスマホ?な、なんのこったよ(すっとぼけ)」
541: 2014/06/20(金) 21:07:31.54 ID:Dc+5uc5L0
【気合を入れた結果】
(発疹と吐き気、高熱と高い中毒性、筋肉痛と酷い咳…そこから…記憶がない)
(医務室で目が覚めた時、金剛が泣いて喜んでくれた…生きててよかったと、妹が提督を殺さなくてよかったと…)
(金剛が言うには、執務室で一人倒れていたところを見つけたらしい)
(その時すでにひきつけが生じ、さらに、うわ言を言うほど意識が混濁していたそうだ…)
(原因は……まあ、間違いなくあのカレーだな…好意を無駄にするわけにも行かないと無理をしたのが祟ったか…)
(どうにか…しないと、な)
「と言うわけで、比叡に料理の基礎を教えてやって欲しいんだが、鳳翔、頼めるか?」
「うーん、その、なんと言いますか…」
「どうした?まさか、もはや矯正不可能な域にあるとでも?」
「いいえ、そうでは無いんです。むしろ、その、比叡さんは料理は得意なはずなんです」
「……鳳翔、お前もあのカレーを食べたのか?まだ意識が…」
「違います!そうではなくてですね、その、この前のことなんですが…」
(ああ、どうしましょう、お夕飯の支度すっかり忘れてたわ!)
(仕方ない、簡単に、肉じゃがと、ほうれん草のおひたしに、鯖を焼いて、お味噌汁でも…)
「あれ、鳳翔さん?慌ててどうしたんですか?」
「ああ、比叡さんですか?えっと、お夕飯の支度を忘れてしまいまして…」
「なるほど、そういうことでしたか。うん、なら私がお手伝いしますよ!」
(えっ!?…で、でも申し出は有難いし、人手は欲しい…食材を切ってもらうくらいなら…)
(近くで見ていれば…大丈夫でしょう。最悪、わ、私が食べれば!)
「ええ、助かります。お願いしますね。」
「えっと、じゃあ比叡さんは、まず人参を切ってもらえますか?」
「はい!わかりました!」
(じゃが芋よりかは簡単ですし、これなら……えっ?)
「ふんふんふふーん」
(包丁さばきがとても上手…皮が綺麗に向けて、あ、大きさも手頃な一口大に、何より、早い!)
「…?…鳳翔さん?もう、お湯、沸いてますけど?」
「えっ?あ、ええ、ちょっとぼーっとしちゃって、ごめんなさい」
「ふふ、お疲れですか?なんだったら私が全部作っちゃいますよ!」
542: 2014/06/20(金) 21:13:51.37 ID:Dc+5uc5L0
「その後も、下ごしらえを手伝ってもらったりしましたが、素人とは思えない手際の良さでした」
「…食材を切るだけなら、まあ…」
「いえ、それだけじゃ無いんです。その、この時の肉じゃが、味付けは比叡さんがしたんです」
「………………、耳がイカれたようだ。耳鼻科にでも」
「提督!話を聞いてください!本当なんです!」
「いや、鳳翔を疑うわけではないが、にわかに信じがたいな。あの時と言うと、四日前か?」
「皆、とても美味しいとおかわりをするぐらいだった、あの肉じゃがを?」
「はい、皆には、比叡さん何も言ってませんが、あれはほとんど比叡さんが作ったんです」
「…どういう、ことだ…なら、あのカレーは、一体…。カレーだけ先天的に作れなくなる病にでも…」
「…その疑問は、姉である私から説明するネ」
「金剛?一体何処から?いや、それより、どう言うことだ?」
「比叡は、別に不器用でもなんでもないネ。むしろとってもClever、姉妹の中でも身体を使うことが一番得意デース。」
「手先の器用さは料理もそうデス。比叡の作るDishesはとってもとってもTastyネ」
「はい、それは、隣で見ていた私もそう思いました。実際とても美味しかったですし」
「なら、ならあのカレーは、一体…」
「…比叡は、料理が上手だけど、ちょっとImaginationに欠けマース」
「Recipe通りには作れますけど、でも…」
「味付けを勝手に変えようとすると、失敗するということですか?」
「That's right…なまじ料理は作れますから、自分の味付けになんの疑いも抱かないのデース」
「…この前のスコーンも、ふと目を離した好きにDark matterに変わってたネ……」
「しかも、その理由が…」
『お姉さまに美味しいものを食べて頂きたいので、気合、入れて、作りました!』
「あんな、あんなPureな目で、Smileで言われたら、こと、断ることなんて…うぅ…ぐすっ…う、うぇ…」
「金剛さん…ああ!気持ち悪いなら、こちらに!」
(金剛…お前も、苦労して居るんだな…)
「Sorry鳳翔…大丈夫デース。思いだしてちょっと気分が悪くなっただけネ」
「でも、そうしたら、どうすればいいんでしょうか?」
「……私には、とても、不味いなんて、無理デース…言えません…」
543: 2014/06/20(金) 21:21:50.77 ID:Dc+5uc5L0
「………指摘する人物が、いれば、いいんだな…」
「提督?」
「提督、まさか!?」
「…私が、やるしか無い、最悪、代えはきく」
「Wait!そんなことしたら!」
「…久々に、前線に赴く気持ちだ…変に気分が昂揚してきたな…」
「提督……そんな!提督がやらずとも」
「他の者が指摘するより、私が言った方がいい。今までも説教はしてきた、最悪嫌われても…」
「それに、お前たちに言えるのか?」
「それは…」
「……」
「…さあ、夕食の支度の時間だ…比叡のところに、行こうか…」
「ごめんなさい…っ…ごめんなさい…私が、私が不甲斐ないばかりに…」
「鳳翔のせいではない、いずれ、私がやるべきことだったんだ…そう自分を責めるな…」
「提督…」
「金剛、もしものことがあったら、提督代行…頼めるか?」
「Yes!きっと、きっとやってみせマース!」
「ありがとう…」
「提督………武運、長久を!」
「ああ…行ってくる!」
(ああ、白い天井が見える……これは…食事か…?)
(…最近の病院食は、意外と美味しいんだな……)
550: 2014/06/20(金) 23:20:09.06 ID:Dc+5uc5L0
【盲目的な愛情ではなく】
「司令官、おはようございます。今日も如月が、あなたの執務をサポートしちゃいます」
「ああ、おはよう。…その手に持っているのは、一体なんだ?」
「これですか?これは、ヴェロニカ・オックスフォードブルーと言う花ですわ」
「この執務室、殺風景じゃない?ですから、ちょっとした華を、ね?」
「まあ、華ならすでに、ここに、あるんですけど、ね?」
「華?何のことかわからないな。」
「あぁん、もう、意地悪っ!そこは、『如月、今日もお前は美しい』くらい行ってくださってもいいのよ?」
「当たり前過ぎて、言う必要がないな」
「…えっ…?…え?なっ、あ、あの、司令官、いい、今なんて…?」
「……冗談だ」
「え、あ、ふ、ふぅーん、冗談だったのね……ほんと意地悪な人…」
「…なら、ちゃぁんと如月のこと知っていただかないと…ね」
「…距離が、近いんじゃないか?」
「あはっ、司令官、この輝く肌、もっと近くで見て?」
「如月は、いつでも、大丈夫ですのよ?」
「……如月、膝から降りろ…執務の邪魔だ」
「…はぁい……」
「ところで、その花、なぜ持ってきた?」
「え?それはさっき…」
「普段、持って来ることなどなかったからな。べつに何か理由が欲しいわけじゃない、気まぐれなら、それでいい」
「…特に意味はありませんわ、ちょっと気になっただけなの」
「そうか」
(ヴェロニカを持って来たのは、気まぐれだけど、花言葉がとっても気に入ったから)
(如月は、あなたの下で戦えることを、とても「名誉」に思います。「忠誠」と言ってもいいわ)
(だから「常に微笑みを持って」あなたに接するの…)
(でも、いつかは、もっと…)
553: 2014/06/21(土) 03:05:52.16 ID:N3onOa+/0
【月の満ち欠け】
雨音がうるさい…寝れない、喉も渇いたし…
はあ…夜ってあんまりすきじゃないなぁ、いらないことばっかり考えちゃうし…
………部屋の外、出てみようかな
今日は三日月…同じ名前、と言うか、私が名前をもらったんだけど…
三日月…か…
「こんな夜遅くに、何をしている?」
「ひやぁ!?だ、誰!!…あ、司令官?」
「三日月か?とっくに消灯時間は過ぎている。私室からの外出は、控えるべきだと言ったはずだが…?」
「あ、ご、ごめんなさい、司令官」
「…、とはいえ、私もこうして部屋から出歩いている。お互い様、だな」
「え?あ、そうです、ね。…司令官は、なぜこんなところに?」
「中途半端な時間に仮眠をとったせいで眠れなくなった、部屋にいるのも退屈でな」
「ふふ、司令官もそうなんですね。私も、ちょっと寝れなくなっちゃって」
「あ、あの、よろしければ、私とお話ししませんか?」
「そうだな、少しだけなら、な。お互い、明日も、いや、今日も仕事だ」
「ありがとうございます」
「それでですね、その時卯月姉さんが………ふぁ…っん…」
「眠そうだな、いい時間だ、ここまでにしよう」
「三日月は、午後から遠征任務に行ってもらう予定だ。そろそろ寝ないとキツい」
「遠征…ですか」
「三日月?」
「ねえ司令官、私は、皆の役に立ててるでしょうか?」
「…どういう意味だ?」
「私は、ただでさえ非力な駆逐艦なのに、その中でもさらに弱くって…」
「司令官もそのことがわかってるから、遠征ばかりなんですよね…」
「ううん、べつに司令官を責めているわけじゃ無いんです。当然の采配だと思います」
「ただ、こんな、前線に立てない私が、ここにいていいのかなって…」
「………」
「司令官…」
雨音がうるさい…寝れない、喉も渇いたし…
はあ…夜ってあんまりすきじゃないなぁ、いらないことばっかり考えちゃうし…
………部屋の外、出てみようかな
今日は三日月…同じ名前、と言うか、私が名前をもらったんだけど…
三日月…か…
「こんな夜遅くに、何をしている?」
「ひやぁ!?だ、誰!!…あ、司令官?」
「三日月か?とっくに消灯時間は過ぎている。私室からの外出は、控えるべきだと言ったはずだが…?」
「あ、ご、ごめんなさい、司令官」
「…、とはいえ、私もこうして部屋から出歩いている。お互い様、だな」
「え?あ、そうです、ね。…司令官は、なぜこんなところに?」
「中途半端な時間に仮眠をとったせいで眠れなくなった、部屋にいるのも退屈でな」
「ふふ、司令官もそうなんですね。私も、ちょっと寝れなくなっちゃって」
「あ、あの、よろしければ、私とお話ししませんか?」
「そうだな、少しだけなら、な。お互い、明日も、いや、今日も仕事だ」
「ありがとうございます」
「それでですね、その時卯月姉さんが………ふぁ…っん…」
「眠そうだな、いい時間だ、ここまでにしよう」
「三日月は、午後から遠征任務に行ってもらう予定だ。そろそろ寝ないとキツい」
「遠征…ですか」
「三日月?」
「ねえ司令官、私は、皆の役に立ててるでしょうか?」
「…どういう意味だ?」
「私は、ただでさえ非力な駆逐艦なのに、その中でもさらに弱くって…」
「司令官もそのことがわかってるから、遠征ばかりなんですよね…」
「ううん、べつに司令官を責めているわけじゃ無いんです。当然の采配だと思います」
「ただ、こんな、前線に立てない私が、ここにいていいのかなって…」
「………」
「司令官…」
554: 2014/06/21(土) 03:11:45.66 ID:N3onOa+/0
「そうだな、確かにお前はまだまだ弱い、第一艦隊として、出撃をさせるわけにはいかない」
「っ…、やっぱり…」
「だが、その第一艦隊が満足に戦えるのは、お前たちが必氏に物資を運んで来てくれるからだ」
「軍事において補給線の確保は、前線の維持よりも重要になる」
「瞬間的に強くてもまったく意味がない、結局長期戦に持ち込まれ敗北する」
「そうならないためにも、お前たちが必要だ。戦艦にはない、小回りの良さ、夜戦での奇襲…」
「駆逐艦には、駆逐艦にしかできないことがある。そう、自分を卑下するな」
「そう言ってくれるのは、とっても嬉しいです……でも、やっぱり私はその中でも弱くって…」
「もっと頑張らないとって、努力が足りないっていつも思ってるんです…」
「…でも、所詮私は『三日月』なんです。どれだけ頑張っても…ほんの、ほんのちょっとしか光れないんです」
「…お前は、空の『三日月』を見て、そう思うのか…。…私は、真逆だ」
「え?」
「三日月は目に見えない部分のほうが大きい。いつも思う、こいつはどれだけの大きな自分を隠しているんだろうと」
「司令官…」
「それに三日月からは満月になる一方だ、お前の成長は、まだこれからということを忘れるな」
「私は、お前に期待しているよ、三日月」
「あ…、ありがとう、ございます」
「あまり、納得が行かないか?」
「いえ、その、司令官もそういうこと言うんだなって…ちょっとびっくりしちゃって…」
「…確かに少々クサかったな…忘れてくれ」
「…でも、嬉しかったです。司令官が私を励まそうとしてくれるだけで…」
「…うん、私はもう寝ますね。司令官、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
(司令官、ありがとうございます、私、これからもっともっと強くなって、いつか司令官を助けられるようになりますね)
(んん…、そのためにも、寝な、きゃ…)
(おやすみ、なさい…司令、かん)
558: 2014/06/21(土) 12:23:53.29 ID:N3onOa+/0
【歪んだ愛情表現】
※女性提督
※タイトル詐欺
「…」
「ひぇ、な、なんですか提督?その…髪の毛触らないで…」
「……」
「うぅー、無言でじっと見ないでよぉ…」
「………」
「ふぁああ~、だから!あんまり触らないでくださいよ!あたしの前髪崩れやすいんだから!」
「……提督、ちょっと北上さんみたいです…」
(カワイイ…)
「な、なんですかさっきから、あ、あたし困ってるんですけど!」
(涙目の阿武隈カワイイ、もっといじめたい…」
「ひぃ!!い、いじめるって何?提督、あたしのこと嫌いなの?」
「あ…いや、ちがっ」
(やばっ、口にだしてた?)
「う、うううううぅうう、て、提督なんて、大っ嫌いなんだからぁああああ!!」
「あ、ちょっと待って!…阿武隈ぁああ!!」
「潮ぉぉおおおおおお!」
「ひっ、ああああああああ!な、なに?あ、提督?」
「潮ぉ、阿武隈が、阿武隈がぁ…」
「提督も懲りないですね、また何かしちゃったんですか?」
「……あの…それよりも、その、顔が、えっと…そのぅ…うぅぅ…」
(潮、柔らかいなぁ…)
「も、もぅ、やめてくださいぃ…ぐすん…」
「あ、ごめんね…、潮のここ、とっても柔らかくて気持ちいいから、つい…」
「ついじゃないです!は、恥ずかしいんですよ!」
「それでも、だ、だいぶ慣れましたけど…まだ、その、なんと言うか…」
(オドオドする潮カワイイ…)
「ひゃあ!だ、だから、なんですか……ひぃん!」
「そんなとこ、…あんっ……ツンツンしないでぇ…」
559: 2014/06/21(土) 12:27:02.59 ID:N3onOa+/0
「あの、誠に申し訳ありませんでした。どうか部屋の隅から連装砲を構えるのをやめていただけないでしょうか」
「何より、涙目で無言でいられるのがきついです。ごめんなさい、許してください」
「ううぅ、もう変に構わないって約束してくれますか?」
「……………………………………善処……します」
「そこは即答してくださいよぉ!しかも善処って、結局潮のおっ……ここ触る気じゃないですかぁ!」
「だって仕方ないじゃない!カワイイんだもの!潮も、阿武隈も……あ、そうだ、阿武隈!」
「潮、阿武隈の機嫌を直したいの!どうしたらいいかな?」
「…そういえばそんな話でしたね。…それで、提督、今度は一体何を…いえ、何と無くわかりますけど」
「阿武隈の前髪いじって遊んでたら怒られた……」
「私はそんな気ないのに、いじめて楽しいんですかって…」
「だ、大嫌いです……って……うぅ~」
「…提督は、いつもやりすぎだと思います…。もっと素直に構えばいいのに」
「だって、涙目の阿武隈とっても可愛いだもの!こう、あの前髪をクシャってしたくなっちゃうの!」
「でも、やっぱりやられる方は、嫌…です」
「…そうだよねぇ」
「…でも、その、阿武隈ちゃんのこと、そんな大げさに考えなくても、いいと思います」
「えっ?」
(阿武隈ちゃんもなんだかんだ提督のこと好きだし、いつも一緒にいたがってるもんね…)
「でも、ちゃんと謝ってくださいね。きっと阿武隈ちゃんなら、許してくれますから」
「…うん、そうするね。ありがとう、潮」
「い、いえ、潮なんて、そんな…」
「ああん、もう潮小動物可愛い!」
「ひゃあああああああああああああああ!!」
560: 2014/06/21(土) 12:30:49.38 ID:N3onOa+/0
「阿武隈ぁー、居る?その、今朝のことで謝りに…」
「…阿武隈なんて人、ここにはいませんから…」
(…ドアも開けてくれない…これは完全に怒らせちゃったなぁ。仕方ない、か)
「あのね、阿武隈?その、私、別に阿武隈をいじめてたわけじゃないの…」
「…前髪をいじるのやめてって言ったのにやめないのが、いじめじゃなくてなんなんですか…」
「それは…」
「……提督、あたしのこと、嫌いなんでしょ…」
「それは違うの!!阿武隈の前髪いじっちゃったのは、その、ごめんなさい…」
「でもね、それは、阿武隈にかまって欲しかったからなの!いじける阿武隈が可愛いからなの!」
「私、阿武隈が大好きよ?阿武隈だから、阿武隈が可愛いから、ついいじりたくなっちゃうの!」
「…うん、でも、ちょっとしつこかったよね。……ごめんね、今日はもう行くから…」
「…何かようがあるなら執務室に「提督」…えっ?」
「入って…ください」
「あ、う、うん」
(気まずい…、阿武隈、目も合わせてくれないし…)
「提督…」
「あ、うん、何かな?」
「あたしのこと、好き?」
「え?そりゃ、大好きよ?ちっちゃくて、ちょっと意地っ張りなくせに臆病で、でも子供らしく素直なとこもあって…それに…」
「あ、もう、もういいから!!」
「提督が、私のこと嫌いじゃないってことは十分わかりました…だから、許してあげます」
「阿武隈…」
「ただ、前髪いじるのは、あんまりして欲しくないです」
「…うん、わかった…………………善処します」
「わかってない!その言い方わかってないでしょ!」
「阿武隈ぁああああ!!」
「え、ちょ、飛びつかないで!ベットだからって痛い……………………あ、やんっ」
「…阿武隈なんて人、ここにはいませんから…」
(…ドアも開けてくれない…これは完全に怒らせちゃったなぁ。仕方ない、か)
「あのね、阿武隈?その、私、別に阿武隈をいじめてたわけじゃないの…」
「…前髪をいじるのやめてって言ったのにやめないのが、いじめじゃなくてなんなんですか…」
「それは…」
「……提督、あたしのこと、嫌いなんでしょ…」
「それは違うの!!阿武隈の前髪いじっちゃったのは、その、ごめんなさい…」
「でもね、それは、阿武隈にかまって欲しかったからなの!いじける阿武隈が可愛いからなの!」
「私、阿武隈が大好きよ?阿武隈だから、阿武隈が可愛いから、ついいじりたくなっちゃうの!」
「…うん、でも、ちょっとしつこかったよね。……ごめんね、今日はもう行くから…」
「…何かようがあるなら執務室に「提督」…えっ?」
「入って…ください」
「あ、う、うん」
(気まずい…、阿武隈、目も合わせてくれないし…)
「提督…」
「あ、うん、何かな?」
「あたしのこと、好き?」
「え?そりゃ、大好きよ?ちっちゃくて、ちょっと意地っ張りなくせに臆病で、でも子供らしく素直なとこもあって…それに…」
「あ、もう、もういいから!!」
「提督が、私のこと嫌いじゃないってことは十分わかりました…だから、許してあげます」
「阿武隈…」
「ただ、前髪いじるのは、あんまりして欲しくないです」
「…うん、わかった…………………善処します」
「わかってない!その言い方わかってないでしょ!」
「阿武隈ぁああああ!!」
「え、ちょ、飛びつかないで!ベットだからって痛い……………………あ、やんっ」
569: 2014/06/21(土) 15:22:17.95 ID:N3onOa+/0
【皆にはとっくにバレてます】
「不知火…」
「なんでしょうか、司令。あ、この書類、誤字があったので訂正してください」
「ああ、今確認する……いや、そうじゃなく…」
「なんでしょうか?ああ、第三艦隊の任務遂行状況についての報告書が…」
「いや、それも気になるが…不知火」
「先ほどからなんでしょうか?不知火に落ち度でも?」
「…なぜ、わざわざ私の隣で作業をしているんだ?秘書艦用の机は用意してあるが?」
「使いづらいと言うなら代える。こんな狭いスペースで…」
「秘書艦との距離が近い方が、書類の受け渡し、確認等の作業を容易に行えます」
「作業効率が上昇することで仕事を溜め込むことも少なくなり、結果司令の負担も軽減…」
「本務である艦隊と指揮、作戦立案に専念できる時間が増えます」
「この距離は、ひいては艦隊全体の利益になります。何か異論はありますか?」
「……それとも、不知火は、お邪魔…でしたか?」
「いや、考えがあってのことなら別にいい…邪魔ではない」
「そうですか、なら、執務を再開…」
570: 2014/06/21(土) 15:27:22.91 ID:N3onOa+/0
「司令官さん、第二艦隊旗艦電、遠征から帰投したのです!!」
「結果のご報告…を?」
「不知火さん?息が…荒いのです?どうかしましたか?」
「何もありません、何もしていません」
「え、でも…あれ、秘書艦の机に書類がないのです?」
「全て終わったので司令の机に置いたまでのことです」
「そうだったんですね。あ、そうだ、司令官さんに報告書渡すのでした。」
「ああ、ありがとう。ゆっくり休んでくれ」
「はいっ、なのです!失礼しました!」
「不知火?なぜ電が来た時慌てて離れた?」
「司令と秘書艦があらぬ関係にあるとの誤解を避けるためです」
「誰か来るたびに慌てるのはきつくないか?」
「不知火が移動するだけですので、司令に不利益はありません」
「むしろ、あらぬ関係を誤解され、艦隊内部に不和が生じる方が問題です」
「いや、皆あまり気にしない…」
「甘いですね司令。実際人間関係のトラブルで組織が崩壊するなど、割とある話です」
「艦隊の崩壊を招く原因は少しでも排除すべきかと」
「私と不知火なら、大丈夫だと思うがな…」
「…………………………………」
「どうした不知火?…目つきが、鋭くなってないか?」
「いえ、そのようなことはありません。決して」
「いや、やはり不機嫌そうだな、少し休憩を」
「いりません」
「やはりこの距離感がことの原因になりそうだな」
「…そこまで、気にするなら、やはり、初めから距離を」
「ですから、それは先ほども申し上げた通り…」
「いや、不知火にいらぬ苦労をかけるくらいなら…」
「ですから、それも別に気にしないと」
「そもそも、作業効率にそこまで変化が…」
「ああ、もう!不知火が、司令のおそばに居たいだけですから!気にしない…で………あっ…」
「…不知火?」
「な、なんですかぁ…ぅぁ…」
「し、不知火に、落ち度でも…?…ぅぅ…」
「結果のご報告…を?」
「不知火さん?息が…荒いのです?どうかしましたか?」
「何もありません、何もしていません」
「え、でも…あれ、秘書艦の机に書類がないのです?」
「全て終わったので司令の机に置いたまでのことです」
「そうだったんですね。あ、そうだ、司令官さんに報告書渡すのでした。」
「ああ、ありがとう。ゆっくり休んでくれ」
「はいっ、なのです!失礼しました!」
「不知火?なぜ電が来た時慌てて離れた?」
「司令と秘書艦があらぬ関係にあるとの誤解を避けるためです」
「誰か来るたびに慌てるのはきつくないか?」
「不知火が移動するだけですので、司令に不利益はありません」
「むしろ、あらぬ関係を誤解され、艦隊内部に不和が生じる方が問題です」
「いや、皆あまり気にしない…」
「甘いですね司令。実際人間関係のトラブルで組織が崩壊するなど、割とある話です」
「艦隊の崩壊を招く原因は少しでも排除すべきかと」
「私と不知火なら、大丈夫だと思うがな…」
「…………………………………」
「どうした不知火?…目つきが、鋭くなってないか?」
「いえ、そのようなことはありません。決して」
「いや、やはり不機嫌そうだな、少し休憩を」
「いりません」
「やはりこの距離感がことの原因になりそうだな」
「…そこまで、気にするなら、やはり、初めから距離を」
「ですから、それは先ほども申し上げた通り…」
「いや、不知火にいらぬ苦労をかけるくらいなら…」
「ですから、それも別に気にしないと」
「そもそも、作業効率にそこまで変化が…」
「ああ、もう!不知火が、司令のおそばに居たいだけですから!気にしない…で………あっ…」
「…不知火?」
「な、なんですかぁ…ぅぁ…」
「し、不知火に、落ち度でも…?…ぅぅ…」
574: 2014/06/21(土) 18:12:34.90 ID:N3onOa+/0
【これまでとこれから】
「当鎮守府に初期艦として配属された、特型駆逐艦、5番艦の叢雲よ」
「あんたが司令官ね、ま、せいぜい頑張りなさい」
「……」
「何よ?何か言いたいことでもありそうね?」
「いや、初対面とはいえ、仮にも上官に対し、言いたいことを言う小娘だと、な…」
「なっ!?小娘ですって!!あんた、どういうつもり?」
「上官に対して頭を下げるだけが部下だと思わないで!私は艦娘、叢雲よ!」
「深海棲艦に対抗できる唯一の存在の一人!それなりの矜恃ってものがあるの!」
「確かに、作戦指揮が欲しいこともあるし、帰る場所だって欲しい」
「でも、私は私!あんたの駒なんかじゃない!命を預ける以上、それなりの働きをみせて欲しいわ!」
「上官だからって、無条件に尊敬されると思わないでよね!」
「……」
「何?不満なの?なら初期艦を変えれば?もっと扱いやすそうな子だって…」
「…ただの生意気な小娘なら即変更を申請していたが…いや、小娘は失礼だったな」
「叢雲、確かにお前の言う通りだ、上官を名乗る以上それに見合った働きをしなければな」
「だが、そこまで啖呵を切ったんだ。お前の働きにも、期待しているからな?」
「ふぅーん、ただのもぐりってわけでもなさそうね。いいわ…」
「こっちもちょっと失礼だったわね。ごめんなさい。では、改めて…」
「当鎮守府に初期艦として配属された、特型駆逐艦、5番艦の叢雲よ」
「秘書艦としてあなたのサポートをします。よろしくお願いするわ」
「ああ、これからよろしく頼む」
575: 2014/06/21(土) 18:13:44.06 ID:N3onOa+/0
「上からの高速暗号通信よ、内容を読みなさい」
「ありがとう、これは…なるほど、現場を知らない老害が…」
「それで、なんなの?」
「鎮守府近海ではあるが、出撃命令だ。まだできたばかりだと言うのに、無茶を言う…」
「え、ちょっと、まだうちには…」
「ああ、お前しかいない。建造中の者を出すわけにも、な。加えて、初の実戦、不安しかない」
「建造が終わるのを待ってからでも…」
「…いや、上は早期達成がお望みだ。さっさと出て、敵深海棲艦を迎撃しろと、な」
「そんな…」
「仕方ない、作戦立案を始めるか。単艦出撃になるが、全力で支援する。指示通りに動いて欲しい」
「ええ……わかったわ」
「司令官!敵主力艦隊に遭遇!指示を!」
「まずは敵右舷に接近、連装砲での射撃を加えたのち、即敵艦隊射程圏から離脱」
「駆逐艦の小回りを生かし、一撃離脱を心掛けろ。無理な追撃はするなよ…」
「ええ、わかったわ!」
「敵駆逐イ級、撃破!残りは軽巡ホ級のみ!」
「叢雲、被害状況を報告しろ」
「今は中破状態ね、まだいけるわ!」
「そうか…叢雲、撤退しろ」
「なんで?!相手にもそれなりに損害を与えてる!追撃するなら今しか!」
「初陣の戦果としては十分だ…もとより無茶な命令、律儀に聞く必要もないだろう」
「…ふんっ、やっぱりあんたはもぐりだったわ!腑抜けの言うことなんか聞けるものですか!」
「叢雲!命令だ!下がれ!」
「いいえ、そんなの聞けないわ、ここからが私の本番なのよ!」
「…あ、ここは?入渠ドック?なんで?私、確か…」
「目が覚めた?」
「え、あなたは?」
「私は夕張、よろしくね。全く、びっくりしちゃった。目が覚めたらいきなり出撃だもの」
「大破状態のあなたを引っ張って逃げるの、大変だったんだから!」
「まあ、もともと、私は足が遅いんだけど、ね…間に合ってよかった…」
「そうそう、目が覚めたら執務室に来てだって」
「え?あ、司令官が…そう、そうよね…」
(命令無視して、挙句この有様…当たり前よね…)
「ありがとう、これは…なるほど、現場を知らない老害が…」
「それで、なんなの?」
「鎮守府近海ではあるが、出撃命令だ。まだできたばかりだと言うのに、無茶を言う…」
「え、ちょっと、まだうちには…」
「ああ、お前しかいない。建造中の者を出すわけにも、な。加えて、初の実戦、不安しかない」
「建造が終わるのを待ってからでも…」
「…いや、上は早期達成がお望みだ。さっさと出て、敵深海棲艦を迎撃しろと、な」
「そんな…」
「仕方ない、作戦立案を始めるか。単艦出撃になるが、全力で支援する。指示通りに動いて欲しい」
「ええ……わかったわ」
「司令官!敵主力艦隊に遭遇!指示を!」
「まずは敵右舷に接近、連装砲での射撃を加えたのち、即敵艦隊射程圏から離脱」
「駆逐艦の小回りを生かし、一撃離脱を心掛けろ。無理な追撃はするなよ…」
「ええ、わかったわ!」
「敵駆逐イ級、撃破!残りは軽巡ホ級のみ!」
「叢雲、被害状況を報告しろ」
「今は中破状態ね、まだいけるわ!」
「そうか…叢雲、撤退しろ」
「なんで?!相手にもそれなりに損害を与えてる!追撃するなら今しか!」
「初陣の戦果としては十分だ…もとより無茶な命令、律儀に聞く必要もないだろう」
「…ふんっ、やっぱりあんたはもぐりだったわ!腑抜けの言うことなんか聞けるものですか!」
「叢雲!命令だ!下がれ!」
「いいえ、そんなの聞けないわ、ここからが私の本番なのよ!」
「…あ、ここは?入渠ドック?なんで?私、確か…」
「目が覚めた?」
「え、あなたは?」
「私は夕張、よろしくね。全く、びっくりしちゃった。目が覚めたらいきなり出撃だもの」
「大破状態のあなたを引っ張って逃げるの、大変だったんだから!」
「まあ、もともと、私は足が遅いんだけど、ね…間に合ってよかった…」
「そうそう、目が覚めたら執務室に来てだって」
「え?あ、司令官が…そう、そうよね…」
(命令無視して、挙句この有様…当たり前よね…)
576: 2014/06/21(土) 18:20:11.45 ID:N3onOa+/0
「…それで、何か言い訳はあるか、叢雲」
「ないわ…あれは、完全に私の独断だった。やれると、思ってた…甘かった……ごめんなさい」
「反省はしているようだな…それと夕張に感謝しろ。………そうだな、以上だ、下がれ」
「何も、言わないの…?」
「……そんな顔をした奴にこれ以上言うことはない…」
「………う…っ…ぐすっ…悔しいっ…自分が、情けないの!」
「何が、艦娘よ!命令、無視して!思い上がって、こんな、こんな、屈辱だわ!」
「…ぁ…私、私…ぅう…ぐすっ…もっと、もっと強くなって、みせますから!」
「司令官に、認められるよう、頑張るから!…ひっく…だから…」
「…もういい、今回は、私の判断ミスも多分にある。生きて帰った、それが何よりの戦果だ」
「これから、気をつけよう。互いに、な?」
「…ぐすっ……っはい!」
ねえ、…かん…お…て…司令…きて…
「司令官、ねえ、起きてってば!」
「叢雲?」
「全く、もう昼休憩はとっくに終わりなんですけど?縁側でお昼寝とか、いいご身分ね?」
「ああ、起こしに来てくれたのか。すまないな、叢雲」
「…いつも、ありがとう」
「ぅえ!?…一体、急に何よ?いきなり、そんな…」
「いや、私たちの初出撃の夢を見てな…あの頃は叢雲も初々しくて…」
「初出撃?……!!…あ、あのことは、忘れなさい!!あんな、恥ずかしいわ!」
「いや、あの頃に比べると随分と強くなったな、感慨深いよ」
「ぅう~、あの頃は私もまだ、その、生意気だったと言うか…とにかく忘れて!」
「忘れられないさ、大事な思い出だ」
「あっ………ま、まあ、無理に忘れようとしなくても、いい、けど」
「…叢雲」
「…何よ?」
「こんな機会だから言うが、これからも、秘書艦として、よろしく頼む」
「な、何よ、そんな…なんだかくすぐったいわ」
「でも、そうね…あんたに合わせられるの、私くらいだもの、それに…」
「…あんたのこと、別に嫌いじゃないっていうか、別に命令聞いてあげても…」
「叢雲…」
「な、何よ!別にそんな意味じゃないし!」
「ああ、もう!特型駆逐艦、5番艦の叢雲、これからもあんたをずっとサポートしてあげるわ!」
「だから、その…よろしくお願いね!司令官!」
「ないわ…あれは、完全に私の独断だった。やれると、思ってた…甘かった……ごめんなさい」
「反省はしているようだな…それと夕張に感謝しろ。………そうだな、以上だ、下がれ」
「何も、言わないの…?」
「……そんな顔をした奴にこれ以上言うことはない…」
「………う…っ…ぐすっ…悔しいっ…自分が、情けないの!」
「何が、艦娘よ!命令、無視して!思い上がって、こんな、こんな、屈辱だわ!」
「…ぁ…私、私…ぅう…ぐすっ…もっと、もっと強くなって、みせますから!」
「司令官に、認められるよう、頑張るから!…ひっく…だから…」
「…もういい、今回は、私の判断ミスも多分にある。生きて帰った、それが何よりの戦果だ」
「これから、気をつけよう。互いに、な?」
「…ぐすっ……っはい!」
ねえ、…かん…お…て…司令…きて…
「司令官、ねえ、起きてってば!」
「叢雲?」
「全く、もう昼休憩はとっくに終わりなんですけど?縁側でお昼寝とか、いいご身分ね?」
「ああ、起こしに来てくれたのか。すまないな、叢雲」
「…いつも、ありがとう」
「ぅえ!?…一体、急に何よ?いきなり、そんな…」
「いや、私たちの初出撃の夢を見てな…あの頃は叢雲も初々しくて…」
「初出撃?……!!…あ、あのことは、忘れなさい!!あんな、恥ずかしいわ!」
「いや、あの頃に比べると随分と強くなったな、感慨深いよ」
「ぅう~、あの頃は私もまだ、その、生意気だったと言うか…とにかく忘れて!」
「忘れられないさ、大事な思い出だ」
「あっ………ま、まあ、無理に忘れようとしなくても、いい、けど」
「…叢雲」
「…何よ?」
「こんな機会だから言うが、これからも、秘書艦として、よろしく頼む」
「な、何よ、そんな…なんだかくすぐったいわ」
「でも、そうね…あんたに合わせられるの、私くらいだもの、それに…」
「…あんたのこと、別に嫌いじゃないっていうか、別に命令聞いてあげても…」
「叢雲…」
「な、何よ!別にそんな意味じゃないし!」
「ああ、もう!特型駆逐艦、5番艦の叢雲、これからもあんたをずっとサポートしてあげるわ!」
「だから、その…よろしくお願いね!司令官!」
582: 2014/06/21(土) 22:15:15.19 ID:N3onOa+/0
【いつか一緒に】
今日はー、お休みーっぽい!あ、ぽいじゃなくて、本当にお休みだけど
だからー、一日ごろごろするの!このためにハンモックも買っちゃったっぽい!
じゃあ、お昼寝!お日様も気持ち良いし、おやすみぃ「気持ち良さそうだな、夕立」…っぽい?
「あ、提督さん、こんにちは!ご用事はなぁに?」
「ああ、こんにちは。特に用事はないんだが、ハンモックが珍しくてな。それは、いったい…」
「これ?これはね、ハンモックよ?」
「…そうだな、ハンモックだ。まごうことなきハンモックだ。…どうしてここに?」
「あのね、夕立、ハンモック張ってでも戦うよって言ったことあるの」
「でも、実はハンモックで寝たことがないっぽい?嘘つきになっちゃう!」
「だから買ったの。提督さん、最近はネットつーはんって言って、お店に行かなくても買える便利なのがあるのよ!」
「しかも選り取り見取りなの!現代科学の進歩ってすごいっぽい!」
「…科学技術の進歩と言うよりは、流通ルートの開拓と言った方が正しい気もするが…」
「?…?…提督さんいろんなこと知ってるのね!凄い!」
「…まあ、夕立が褒めてくれるのは、嬉しいが…な…」
「?」
「あ、そうだ!提督さん提督さん、夕立と一緒にお昼寝するっぽい?」
「夕立と?」
(それは、流石に…)
「うん。あ、もしかして、夕立と一緒は、嫌…っぽい?」
(あの横のハネ毛は耳なのか?シュンとしたら、垂れ下がったが…いやそれよりも…)
「…いや、別に嫌ではないんだが、そのハンモックは見たところ一人用だ。二人は狭い」
「じゃあ、提督さんがしたになって、夕立は提督さんのお腹で…」
(そう来たか…)
「支えの支柱が重さに耐えきれないだろう。残念だけど、また今度、だな」
「うぅ~、今度は、もっと大っきいハンモック買うんだから!」
「提督さん、その時は一緒に寝てくれるっぽい?」
(夕立のことだ、他意はないだろう。だが、如何せん無邪気すぎる…)
(本人は大人に甘えるくらいのつもりだろうが、傍目から見ると…な)
「提督さん、や、やっぱり…夕立とは一緒に寝たくないの…?」
583: 2014/06/21(土) 22:22:03.25 ID:N3onOa+/0
「ああ、違う。嫌ではない。ただその言い方も、な…いろいろ誤解を招く」
「ゴカイ?」
「夕立と私が、その、そういう関係に見えてしまうのは、色々不味い」
「そーいう関係って、何?あれ、提督さん顔赤いっぽい?どうしたの?」
「…いわゆる、恋愛関係だな。」
「別に一緒に寝るからと言って必ず恋愛関係にあるわけではないが、疑われて噂されるのも、な」
「恋愛…好きな人、夕立が!?やだ!どうしよう!」
「落ち着け。まだ一緒に寝てないし、あくまで可能性の話に過ぎない」
「あ、うん…でも、その、提督さん…」
「もし、その、夕立と一緒に寝たら、夕立と提督さんは…その、えっと!」
<提督!第二艦隊が帰投しました。
「ああ、すまない扶桑!今行く!」
「…すまない夕立。この話は、また今度だ」
「あ、うん…提督さん、お仕事がんばって欲しいっぽい」
…うん、二人用のハンモック、探してみよう…今度は一緒に、お昼寝したいな…
お昼寝すれば…、すれば?…あれ?なんでこんなに提督さんとお昼寝したいんだろう…
なんだか胸ががチクチクするっぽい…嫌だな…?…?
まあいいや、今はお昼寝、ゆらゆらハンモックで熟成?、…っぽい…
602: 2014/06/22(日) 00:09:26.63 ID:fOyHGV+70
【Lunatic/[名詞]狂人、精神異常者】
あっ…どこ触ってるんですか、もう…えっ?司令官?ちょ、ちょっと待って!
これ以上は、冗談じゃすまなく…あっ、やめ…んんっ…
…っは、あ、そんなところ触らない、でぇ…嫌だ、司令官、怖いよぉ…
え、やだ、やだやだやだ!!そこは、だめ!!やめ、司令…ぃ…っひぃ!?
…ああああああああ…痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い、お願いやめて司令官、痛いよ、なんで
なんで私が…っあ…………ん……………
司令官………
なんで…
(っ…………!…また、この夢か…最近、特に…)
(最低…だな…私は、よりによって、三日月とは…)
(だが、あの幼い肢体、何も知らぬ瞳、無邪気で頑張り屋な…未熟な果実…)
(美味しくは、ないだろう。だがこれから熟すのを待てば良い…その時には、私好みに…)
(違う!違う違う違う!!そうじゃない!私が、彼女を汚していいはずがない!)
(私は、あくまでこの鎮守府の指揮官で!彼女の上官で!それだけなんだ!)
(…クソッ……少し、落ち着こう…汗も酷い…軽くシャワーでも浴びて…水でも、飲もう)
603: 2014/06/22(日) 00:14:35.96 ID:fOyHGV+70
(はぁ…、私は、疲れているのかもしれない、こんな、イカれてる…)
(まるで獣だな…人の言葉も解さない…こんな一時の感情に振舞わされて…)
「あれ?司令官?こんばんわ、司令官もお水飲みに来たんですか?」
「三日…月…」
(ああ、なぜ、どうして…よりによって…なぜ彼女がここに)
「司令官?どうかしましたか?」
「いや、なんでもないんだ、なんでも…」
(ああやめてくれ、近づくな…お願いだ、私が人であるうちに早くここから逃げてくれ)
「体調でも悪いんですか?今からでも、病院に…」
(違うんだ…病院?…ああ、病院だ、病院にぶち込んでくれ、早くだれか、早く…)
「息が荒いですね…熱でも、あるのかな?ちょっと見ますね……おでこを…っと」
(穢れを知らない肌、脂肪のない貧相な、でも女の、身体、触れたら折れてしまいそうな細い首…)
(風呂上がりの、清潔感のある、彼女の…かお、り…脳が、焼き切れそうだ…)
(ああ、もう、限、界だ…私は、獣でも…)
「司令…官…?…」
(ああ、三日月…美しい…こんなにも…三日月、三日月三日月三日月三日月三日月…)
(ああ、ああ、三日月、今日は今日はとても…)
(月が、明るい、な…)
(まるで獣だな…人の言葉も解さない…こんな一時の感情に振舞わされて…)
「あれ?司令官?こんばんわ、司令官もお水飲みに来たんですか?」
「三日…月…」
(ああ、なぜ、どうして…よりによって…なぜ彼女がここに)
「司令官?どうかしましたか?」
「いや、なんでもないんだ、なんでも…」
(ああやめてくれ、近づくな…お願いだ、私が人であるうちに早くここから逃げてくれ)
「体調でも悪いんですか?今からでも、病院に…」
(違うんだ…病院?…ああ、病院だ、病院にぶち込んでくれ、早くだれか、早く…)
「息が荒いですね…熱でも、あるのかな?ちょっと見ますね……おでこを…っと」
(穢れを知らない肌、脂肪のない貧相な、でも女の、身体、触れたら折れてしまいそうな細い首…)
(風呂上がりの、清潔感のある、彼女の…かお、り…脳が、焼き切れそうだ…)
(ああ、もう、限、界だ…私は、獣でも…)
「司令…官…?…」
(ああ、三日月…美しい…こんなにも…三日月、三日月三日月三日月三日月三日月…)
(ああ、ああ、三日月、今日は今日はとても…)
(月が、明るい、な…)
604: 2014/06/22(日) 00:15:45.32 ID:fOyHGV+70
憲兵さんこいつです
606: 2014/06/22(日) 00:56:40.07 ID:Tsv3Qz4lo
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