805: 2014/06/30(月) 12:52:05.79 ID:EDgbIkxb0
(コメント見てたら割と当てはまりそうな子いっぱい居てびっくり…やべっ)


実は、いくらでも想像できるよう書いてますので、条件に合うお好きな子を当てはめてください

前回:提督「つれづれなるままに」【その8】


806: 2014/06/30(月) 17:28:12.71 ID:EDgbIkxb0

【計算通りになんか行かない】

「司令官さん、少しお願いがあるんですが…」

「なんだ?鳥海がお願いとは珍しいな」

「あのですね、その、私、今欲しい書籍がありまして、でも、ここら辺には売ってなかったんです」

「ですので、今度司令官さんが休暇の時に、一緒に、都市部に買いに行っていただけたらなあって」

「?…鳥海一人でもいけるだろう?ネット宅配もある、何も本を買うのにそこまで…」

「あー、えっと、ですね、人が多いところはちょっと怖いんです」

「それに、実際手に取ってみて、少し内容を確かめてから買いたいなって」

「…それとも、司令官さんは鳥海と一緒に行くのは嫌ですか?」

「いや、別に、そういうことではないが」

「なら、決まりですね。今度の休暇に、お願いします」

「…ああ、わかった」


(うんうん、計算通り!後は、服に、お化粧に、それと…)

海の画集 -「艦これ」公式イラスト集-

807: 2014/06/30(月) 17:31:07.06 ID:EDgbIkxb0
「今日はよろしくお願いします」

「ああ、と言っても、私はただの付き添いだが」

「……」

「鳥海?」

(ただの付き添いなら、わざわざ司令官さんを選びません…)

(それに、司令官さん?私、いつもと違うんですよ?何にも言ってくれないんですか?)

「…いえ、何でもないです、行きましょう」



(やっぱり休日は人が多い…はぐれちゃわないか心配だわ)

(…司令官さーん、気づいてますかぁ?私の右手がお留守ですよぉ?)

(居なくなっちゃても、知りませんよ?…本当にいなくなるわけ、ないけど…)

「随分と人が多いな」

「!…そう、そうですよね、はぐれちゃわないかとっても心配です!」

(コレできっと!)

「…まあお互い気をつけよう、最悪、連絡を取り合えばいい」

「……むぅ…」






「ここですね」

「この近辺で一番の大型書店とだけあって、流石に広いな」

「それで、お前は何を買うんだ?」

「最近注目してる作家さんの新刊が出たみたいなので、まずミステリー小説コーナーですね」



(あ、あった、これこれ。……うわぁ、随分と高いのね…流石ハードカバー…)

(どうしよう、もう何冊か買いたいものあったけど、足りるかしら…?)

(後欲しいのは、これと、あと、これに……あっ!)

(この人も新刊出してたの?!完全に計算ミスだわ…)

(文庫本とはいえ、予算が足りない…)




「鳥海、どうした?」

「あっ、いえ、何でもありません。欲しい本は大方見つかったので、レジに行きましょうか」



808: 2014/06/30(月) 17:34:29.20 ID:EDgbIkxb0

「欲しいものは見つかったか?」

「え?あ、はい、買えました」

「…」

「司令官さん?」

「すまないが、ここで待っていてくれないか?少し忘れ物をしてしまったらしい」

「えっ?大丈夫ですか?私も一緒に…」

「いや、忘れた場所は覚えてる、すぐに戻るから、ここに居てくれ」

「あ、はい、わかりました」

(でも、忘れ物って何かしら?特に手荷物なんか持ってきてなかったような…)




「待たせてすまない、鳥海はもうここに用はないか?」

「はい、大丈夫です」

「そうか、せっかくだし、何か食べてから帰ろう」

「そうですね」

(結局、なにを忘れたの?特にさっきと変わらないような……お財布とか?)




「…今日は、ありがとうございました」

「いや、正直休暇の過ごし方などわからないから、助かった」

「そうなんですか?なら、よかったです」

「…鳥海」

「はい、何でしょう?司令官さん?」

「これを」

(上着のポケットから…あ、これ…!)

「えっ、なんでこの本が!どうして?」

「鳥海が欲しそうに見てたからな、いつも私を助けてくれる礼代わりに受け取ってくれ」

「でも、目線だけでよくわかりましたね」

「鳥海が好きそうなものはわかる。そう短くない付き合いだし、これでもお前の上官だ」

「あ…、はい…そうです、ね」

(私のこと、わかってくれてるってことでいいのかな……もしそうなら、嬉しい…)





「そうだ、言うタイミングを逃してしまったが…」

「今日の服装、とても似合ってる。綺麗だ、鳥海」

「~~~~っ!!」

(なんで、なんで今いうんですか!そういうのはもっと早く!!)

(こんな、いきなり…不意打ち過ぎる!)




(もう、本当に!!なんで、この人は…こう、計算通りに行かないの!)

811: 2014/06/30(月) 20:52:51.90 ID:EDgbIkxb0

【前向きに考えよう】

「………」

(赤城さん、むすっとしながらご飯食べてる…少し、怖い)

「あの…どうかした?」

「えっ?あ、加賀さんですか?どうかしました?」

「…それは、こっちのセリフなんですけど。そんな怖い顔して、何かあったの?」

「…」

「赤城さん?」

「加賀さん、私、そんなに大飯ぐらいでしょうか?」

「えっ?…どういう…」

「だって!ボーキサイトの女王なんて、そんな、あんまりじゃない!!」

「は?……えっと、話が見えないわ…」

「…このまえ、たまたま、ネットで自分の名前を検索してみたんです」

「何が書いてあったと思います?」

「さぁ…、わからないわ…」

「赤城がいるとボーキサイトがすぐなくなる、あいつはボーキサイトを食らう、女王だって」

「よりひどいのが、妖怪食っちゃ寝とか!別に私だって好き好んでそんなことしてないのに!」

「艦載機の補充をして、何が悪いんですか!入渠しちゃ、ダメなんですか!」

「…皆酷いです…ぐすん…」

「…赤城さん………でも、きっとそれは、それだけ赤城さんが親しまれてることの裏返しよ?」

「そうなんでしょうか?」

「ええ、きっとそう、みんなあなたに助けられてる。誰も赤城さんを悪くいう人は、いないと思うわ」

「…」

「前向きに考えましょう?」

「…はい」






(…正直な話、資材の消費量で言えば、私のほうが多いことは、黙っておきましょう)


(変に矛先が向くのは、避けたいわ)





「あれ?でも私より多く艦載機が積めるのに、加賀さんは何にも言われてませんよね?」

「……」

「えっ?加賀さん、どうして目をそらすんですか?」

「…加賀?いえ、知らない子ですね」

「ちょ、それ私のセリフ…なんでさらっと逃げてるんですか!加賀さん!加賀さーん!!」


831: 2014/07/01(火) 02:20:31.11 ID:GEIXZHnO0
【よくあるアレ】

「明石…」

「はい、なんですか提督?」

「お前は、工作艦として我が艦隊の者達を修理してくれているが、具体的には何をしているんだ?」

「艤装はわかるが、艦娘の方はいったい?」

「ああ、そのことですか?お察しの通り、艤装については私の艤装の方で修理しています」

「その際、修理妖精さんが手伝ってくれてますね」

「本体…と言えばいいのか、艤装を含めての私たちのような気もしますが、とにかく、そっちは整体マッサージが中心ですね」

「マッサージ?」

「はい、軽度の切り傷や打撲傷などは治療して、その後マッサージしてます。意外と好評なんですよ?」

「この前は高雄さんに依頼されて、マッサージしに行きましたね。なんでも、肩が凝るということで」

「…まあ、そう、だろうな」

「提督も修理、されます?自分でもできる効果的なマッサージ方法も教えますよ!」

「そうだな、デスクワークで腰がな、肩が凝り…疲れも色々溜まっている…頼めるか?」

「はい、お任せください!頑張っちゃいますね!」



832: 2014/07/01(火) 02:24:50.04 ID:GEIXZHnO0
(今日の遠征任務も終わり、司令官にレポート渡さなくっちゃ)

(司令官、あなたの如月が、帰ってきました……何かしら?…お話し中?)



『…溜まっている、頼めるか?』

『はい、お任せください。頑張っちゃいますね!」



(え?溜まっているって、何?…何を頼んで、何を頑張るっていうの?!)



『提督、随分ガッチガチですね。だいぶ(疲れが)溜まってそう…よく我慢出来ましたね』

『最近は少々痛いと思うこともあってな、正直、きつかった』

『そうでしょうね。ほら、体の力抜いて、リラックス…リラックス…』

『っ…あっ…あ、明石…っ!』

『別に声は我慢しなくていいですよー。二人っきりですしね…』



(司令官がガッチガチで、溜まってそうで、我慢…出来なくって…)

(これって、嘘…そんな…二人っきりでヤることなんて…)


『どうですかー?気持ちいいですか?ここなんか、どうです?』

『くっ…さすがだな明石、高雄が依頼するだけある』


(えっ、た、高雄さんも、なの?!依頼するほどって、だって、女同士なんて、そんな…)

(で、でも、最近そういうのも多少は受け入れられてるって言うし…って、違うわ!)

(司令官、如月は、如月は……どう、すれば…いいの…ぐすん…)



「Uhh?如月?こんなところで、何してるデース?」

「あ、金剛さん…あの、音をたてずに、執務室の中の音聞いてみてくださる?」

「What?…まあ、いいでショウ…」



『ほら提督、だいぶ良くなってきましたよね?』

『あ、ああ、明石っ、そこを!』

『ふふ、ちゃぁんと、わかってますよ?それっ!』

『っ…ぁ…ああ!』



「な…何…?何が、起こっているデース…。そんな、提督ぅ…私のLoveは、届かなかったの?」

「…ううん、私は金剛型戦艦のLead Ship…金剛デース!恋も戦闘も、負けまセーン!」

「金剛さん?いったい何を?」

「まあ、見ててくだサーイ!」


833: 2014/07/01(火) 02:26:36.26 ID:GEIXZHnO0
「Hey!提督ぅ、そういうことはさー時間と場所をわきまえなよー!!」

「それに、なんだったら私がいつでもお相手、する…ネ…?」

「わっ…な、何?敵襲!?……あれ?金剛さん?どうしました?」

「……金剛…お前、なぜ執務室の扉を壊した…」

「えっ、あ、あれ?Massotherapy?…あははー、て、提督ぅ、そういう紛らわしいことはさー…」

「金剛…」

「あ、わっ、私、提督からもらった大事な装備、Maintenanceしてなかったネー!」

「待て金剛!……それで、お前はどうしてここにいる、如月?」

「説明…してもらおうか…」

「し、司令官?怒らないで、聞いて欲しいの…あの…如月にも良く、わからないのだけれど…あの、えっと……ごめんなさい…」







この後、金剛は明石に扉の修理方法を教わり、扉を直させられました


839: 2014/07/01(火) 13:26:56.03 ID:GEIXZHnO0
【一部のマニアに人気】

「姉さま!扶桑姉さま!」

「なあに山城?そんなに慌てて、どうしたの?」

「こ、これを!これを見てください!」

「?…ああ、山城も提督に買ってもらったのね、出撃のときには壊れちゃうから持っていけ無いけど…」

「あると便利って聞くわね、その、すまーとふぉん?だったかしら?昔と違って本当に便利に…」

「え、あ、そうなんですけど、違うんです!いいから、見てください!」

「?…あら、コレは…えっ?」

「海外で集計された人気戦艦ランキングだそうです、見て下さい!姉さまの名前が!」

「あ、あら?何かの、間違いじゃないかしら…そんな…」

「だって、国内外の名だたる戦艦に混じって、私が?すぐ近くには大和の名前もあるのよ?」

「でも、本当のことなんですよ!やりましたね姉さま!」

「…まあ、悪い気分では、ないけれど……なんだか不思議ね」

「あれだけ欠陥欠陥と言われた私が、今になって、こんな…」

「姉さまの美しさがわかってなかっただけなんですよ!やっぱり、評価されるべきだったんです!」

「ふふ、山城、ちょっと落ち着いて?喜んでくれるのは、私も嬉しいけど」










(…多分、これを見る限り、その…、私の独特の形が受け入れられたんでしょうけど…)

(それはそれで、ちょっと複雑かも…)

(…まあ、山城がこんなに喜んでくれているんだもの、水を差すのは、止めましょう…)


844: 2014/07/01(火) 22:19:36.40 ID:GEIXZHnO0
【信じて送り出した青葉が…】

※閲覧注意
※でも暗くは無い

「司令官!青葉をお呼びですか?」

「ああ、よく来た。今回呼んだのは他でも無い、青葉に少し言って欲しい場所がある」

「おお!なんですか、取材ですか?青葉、頑張っちゃいますよ?」

「鎮守府、泊地、基地等の連携、あるいは情報交換等を行うべきと上からのお達しがあってな…」

「我が鎮守府からは青葉を、送り出したいと考えている。お前はそういうのが得意そうだしな」

「他のところに行くんですか…、青葉、用済み、なんでしょうか…」

「勘違いするな、あくまで一泊二日程度の旅行みたいなものと思えばいい」

「あ、そうなんですか?いやー、びっくりしました」

「これが派遣先の情報だ、読んでくれ」

「はいはい、読ませていただきます…ふむ…」


(派遣先は、構成員全てが女性の鎮守府?事務の方々も女性というのは珍しいですね)

(女性だけの方がストレスや悩みごとに対処しやすいだろうというのが、そこの司令官の考え、ですか)

(もちろん司令官自身も女性、かなり若く、軍内では女傑として有名…)

(鎮守府内の雰囲気もかなり良好、憲兵視察でも問題なし…と)

(なるほどなるほど、中には艦娘を兵器同様に扱う鎮守府等もあると噂される現状、青葉、幸運かもしれません!)


「頼まれてくれるか?」

「はい!青葉、出撃…違った、取材します!」




845: 2014/07/01(火) 22:21:22.73 ID:GEIXZHnO0
「さて、と派遣先についたわけですが…勝手に入っていいんでしょうか?ダメですよね?」

「青葉さんですか?こんにちは、私、当鎮守府の案内を努めます、龍田です。今回は、どうぞよろしくお願いします」

「あ、これはどうもご丁寧に、青葉です。えっと、別に敬語じゃなくてもいいですよ?」

「あら?本当に?ふふ、よかったぁ。普段あんまり敬語は使わないから、疲れちゃうの」

「青葉さんも、別に敬語じゃなくていいのよ?」

「あ、いえ、青葉のこれは癖みたいなものですから、お構いなく!」

「そう?それじゃあ、まずは、司令官室に案内するね?」


「こんにちは、貴女が青葉さん?今回はよろしくお願いね」

「はい、よろしくお願いします。青葉、張り切って取材しちゃいますね」

(おお、確かに若そうな!しかも、思わず見とれちゃうほどの美人さんですね…)

「それでは青葉さん、まずは、ちょっとこっちに来てくれる?」

「?…はい?いいですけど?……って、ちょっ、何を!!」

(ハグ!ハグですか!?なんで?)

「ふふ、ごめんなさい。うちでは誰であろうと、歓迎の意を込めて、こうしてハグするのが習慣なの」

「あ、そういうことでしたか!思わずドキドキしちゃいました!」

「あら、青葉さんって可愛らしいのね」

「か、可愛いですか?美人の司令官さんに言われると、なんだか照れますね…」

「ふふふ…さて、雑談はこれくらいにして、まずは、当鎮守府の演習風景でも見ていって?」

「それとも、参加してみる?」

「あ、いえ、各艦隊なりの連携というのもあるでしょうし、見学だけにしておきます」

「そう、それじゃ、龍田、案内を」

「は~い…そうそう、提督?…あまり、はしゃがないようにね?」

「ふふ、わかってるわ」

「?」


(うわ、両艦隊ともすごい…練度が違う…えっ、駆逐艦ってあんなに火力ありましたっけ!?)

(うちも、負けてはいないと思いますが…、勝てるかといえば、なんとも…、とにかく、凄い!)

「青葉さん、どうかしらうちの自慢の娘達は?」

「あ、司令官さん…なんと言うか、すみません…うまく、言葉にできないですね、凄い!としか…」

「それだけうちの艦隊は練度が高いってことかしら?指揮官として嬉しいわ」

「今回は昼戦のみだけど、夜戦はもっと凄いのよ?」

「…想像したく無いですね、できれば合同演習では味方であって欲しいものです」

「ふふ、褒め言葉として受け取っておくわね?…よし、全艦隊、演習やめ!」

「皆よく動けて居たが、これで慢心してはならない!我々の敗北はこの国の崩壊と同義と心得、より一掃、精進するように!」

「「「「「「はいっ!!」」」」」」

「よろしい……、それじゃ、皆、ご飯にしよっか!」

(なるほど、普段はほんわかしてるけど、締める時はきっちり締めるんですね…凄い声量だった…、耳が、ちょっと痛い…)

「さ、青葉さんもどうぞ?一緒に食べましょう?」

「あ、はい、頂いちゃいますね!」



846: 2014/07/01(火) 22:25:38.92 ID:GEIXZHnO0
(あれから、昼夜と美味しいご飯を頂いて、鎮守府内の見学もしましたが、本当にここはいいところですね)

(司令官さんと艦隊の練度もさることながら、艦娘との関係も非常に良好だし、ただ…)

(みんなでお風呂はびっくりしましたね。司令官さんも女性だからこそできることなんでしょうが…)

(裸のおつきあいもいいものです、うちでも、やって見ることを提案してみますかね?)

(でも…何と無く、違和感が…なんでしょうか?みんな、仲が良すぎると言うか…しかし、ここは設備もすごい、客室が豪華…)


「…青葉さん?入っていいかしら?」

「おや?司令官さん?どうされました?どうぞ?」

「失礼するわね………、ねえ、今日一日うちを見て、どうだったかしら?」

「はい、とても素晴らしいところだと思います」

「そう、それは、よかったわ……ねえ、青葉さん…、こっちから一つ提案があるのだけど」

「はい、なんでしょうか……っえ…!!」

「…よかったら、明日からもここで働いて見ない?」

「…司令官さん、なんで、青葉は、押し倒されてるんでしょう…っ」

「こういうこと、初めて?ふふふ、本当に可愛いのね…ほんと……食べちゃいたいくらい…」

(あ、あああああ!そうか、そういうことだったんだ!仲がよすぎるのも全部、そういう!)

「あ、あの、つかぬ事をお聴きしますが…この鎮守府は、その、同性愛は…」

「…今日はみんな抑え気味だったけど…、普段はもっと凄いのよ…?」

「やっぱり……ひぁっ!!」

「綺麗な肌…、羨ましいわ…」

「いやぁ…やめっ、あっ…」

(やだ、やだやだやだやだやだやだぁ!!こんな、こんなの…助けて!…ふ…たか…)

「古鷹ぁ!!」

「!!、………」

「えっ?……な、何も、しないんですか?」

「今日抱きついた時、貴女から私達と同じ匂いがしたから、こうしたのだけど…」

「そう…貴女には、もう心に決めた子がいるのね?流石に、それは…ね」

「えっ…どういう…」

「とっさに名前が出てくるくらいだもの…自覚はないようだけど、好きなのね、その子のこと」

「あ、そんな…ふ、古鷹と私は、そんな、そん、な…」

「ごめんなさい青葉さん、傷つけちゃったわね…最近新しい子来ないからついはしゃぎすぎちゃって…」

「憲兵にでも、なんでも言って?相応の罰は、受けるつもり…」

「あ、いえ…その、怖かった…ですけど…、でも貴女がいないと、ここのみんなが、困ります」

「だから、このことは…青葉の胸に、しまっておきますね」

「そう…、ありがとう…本当に、ごめんなさい」

「…さて、私は帰るわね。あの子も拗ねちゃうし、ね?」

「えっ?」

「それじゃあね、青葉さん」



847: 2014/07/01(火) 22:28:15.53 ID:GEIXZHnO0





(その後は、特に何事もなく…いえどこからか悩ましい声が聞こえて来たような…)

(とにかく、うちに、帰って来たのですが…)

(どう報告すれば…いや、普通にいいところだったと…)

「青葉?どうしたの?ぼぉーっとして?」

「ふ、古鷹ですか、な、なんでも…ありません…」

(どうしてでしょう、あれから古鷹の顔を見るとドキドキして…)




『貴女から私達と同じ匂いがしたから…』




(まさか…ね…)

855: 2014/07/02(水) 21:08:56.14 ID:Wh0cN9BZO

【朝日に照らされて】

(提督ったら…もう執務開始時間なのに、私室に呼びに行っても返事が無いし…朝食でも見かけてない…)

(どこに居るのかしら?それとも、もう執務室?それにしても、いつもより早いし…)

(…とりあえず、行ってみましょうか…)



「提督?いらっしゃいますか~?愛宕です」

(やっぱり返事が無い…?…鍵が、空いてる?居る、の?)

「提督?居るなら返事を…あらぁ?」

(机で寝てる…もう!昨日私を帰らした後、こっそり戻って一人作戦を練ってたのね!)

「艦隊の皆には体調に気をつけるよう口五月蝿く行ってる癖に…」

(自分のことは、蔑ろにして…確かに、あなたの作戦に従って私達は動くから、あなたの働きは重要よ?)

(だけど、あなたが体調を崩したら、皆、心配しちゃうの…もちろん私も、ね?)

「…でも、それだけ私達のこと、考えてくださってるってことですよね…いつも、ありがとうございます」

(…窓とカーテンが閉めっぱなし、こんな空気じゃますます体調悪くなっちゃうわ…起こすのは後にして、まずは換気換気っと)

「日が眩しい、潮風もそよそよと…うふふ、いい天気ね~」


(…眩しい…、潮の、匂いもする……?……潮の匂いに混じって、何か、違う…良い、匂いが)

(寝て、居たのか、私は?そこにいるのは、誰だ?)

(…あの、後ろ姿…愛宕、か?風になびく髪が、朝日で…金色に、輝いて…)

「美しいな…」



「…えっ?…あ、提督、お目覚めですか?もう、ダメですよ、こんなところで!もっと御自分の体を大切にしてください!」

「ああ、すまないな。だが…」

「だがも何もありません!提督が体調を崩されたら、皆、私も、心配しちゃうんですから…ね」

「…そうか、これから、気をつける……それにしても愛宕」

「ふふっ、どうしました?」

「お前の髪は、綺麗だな」

「ぁ…え?な、提督?な、なんですか?」

(ど、どういうことかしらぁ?何、どう、え…えっ?)

「…いや、寝ぼけていただけだ。なんでも無い、忘れてくれ」

「あ………うふふ、提督ぅ?私の髪が、なんですか~?愛宕、もう一度聞きたいです♩」

「うるさい、もう執務開始時間はとっくに過ぎてる」

「…ん~、残念です、もう一度聞きたかったのに~。…でも、提督が綺麗だって褒めてくれるのって、珍しいですね?」

「…やはり、聞こえていただろうが…」

「ふふふ、でもやっぱり、ちゃんと、しっかり聞きたいです」

「ねぇ提督?お願いします、もう一度言ってください」






(だって、あなたの口から言われるのが、誰からよりも一番、嬉しいもの♩)


874: 2014/07/03(木) 02:17:53.41 ID:oVMs0vDB0
【正妻の余裕】

「Hey!提督ぅ、今日の朝食はー、私の作ったFull Breakfast デース!」

「そうか、金剛の手作り料理は初めて…」

「……英国の料理は、不味いと相場が決まっているものです…」

「その点、私なら過去の経験を生かし、提督をきっと満足させるお料理が作れます」

「どうです?今日の朝食は、この大和の作ったものなど、いかがでしょう?」

「ん?ああ、こっちもなかなか…」

「……ちょっと、聞き捨てならないネー。誰の料理が、不味いっていうんデスか?」

「あら?私はただ、お国柄を言ったまでですけど?…ああ、そういえば金剛のソレは、英国の料理でしたね」

「まあ、別に金剛のソレが、不味いと言ったわけでは…でも、気を悪くしたなら、ごめんなさい」

「Shit!大和、絶対わかってて言ってるデショ!…ふん、どうせ作ったってHotelで出る料理のくせニ…」

「なっ、誰が大和ホテルですって!」

「Oh…Sorry…、せっかく『過去の経験』ってぼかしてたのに、つい、うっかり、バラしちゃたネー」

「…まあ、Hotelの朝食はいいけどサー、所詮外食は外食だヨー?」

「家庭の温かみのない料理なんか、すぐに飽きちゃいマース」

「言わせておけば…!ふふ、ふふふふふ!金剛?少し、オハナシ、しませんか?」

「Uh-huh…、気が合うネー。私もちょっと、オハナシ、したいデース」

「そうですね…ここではなんですから、外で。海が見えるところなど、落ち着いてオハナシ出来て、いいかと…」

「Good、いい案デース。全力で、オハナシ、するネー…」

「もう、何も言わん。せめて、次の作戦行動に支障がないよう……ハァ……話を、聞け…」



875: 2014/07/03(木) 02:22:58.34 ID:oVMs0vDB0
「五月雨、じっと見てて大丈夫?このままだと、提督さんが取られちゃうっぽい!」

「え?…ふふ、大丈夫だよ?提督は、大丈夫」

「?…五月雨が言うなら良いけど…夕立、心配っぽい…」

(大丈夫、だって…)




『五月雨、今回お前を呼んだのは他でもない。少し、この資料に目を通して欲しい』

『なんでしょう?…ケッコンカッコカリ?……なんですか、これ?』

『一定の練度を有する艦娘に、更なる戦力向上を願う上からのお達しだ』

『一連の手続きが結婚のソレに似てるからこその名前だろうが…悪趣味な…』

『…だが、確かに、この手続きを踏むということは、それだけ、その艦娘との付き合いが長いことを意味する』

『上からの条件はそれだけ厳しい』

『えっと、その、それで、私になぜこの資料を?』

『……お前も、随分と鈍感だな』

『え、えっ、私、また、ドジしちゃいましたか?ごめんなさい…』

『いや、私も少し遠回りすぎたな…、…五月雨』

『は、はい』

『私と、ケッコンして欲しい』

『え?…私と、ですか?…で、でも、戦力向上なら、戦艦の方々の方が!』

『…確かにそうだ。だが、その資料にもあるように、この鎮守府で条件に合うのはお前しかいない』

『…それに、これは先ほども言ったようにその艦娘との、いわば絆が試される…私は、五月雨となら、してみたいと、そう、思った』

『提督…』

『ただ、何もこれは強制ではない。お前が望まないなら…』

『いえ、提督、こんな、こんなドジな私でよろしけれ、ば、ぜひっ…ぐすっ…』

『ありがとう五月雨…だが、泣き虫なのは、初期艦の頃から変わらないな』

『提督の、せいじゃないですかぁ…』

『…とはいえ、五月雨でも条件に僅かに届かない』

『だから、条件に合うその日まで、その日以降も、私に着いて来てくれるか?』

『はいっ、私、頑張っちゃいますから!』




(だって、提督とは、あの約束があるもん…誰にも、負けない約束が…)

「あれ?そういえば五月雨ってネックレスつけてたっけ?初めて見るっぽい?」

「これ?これはね、大事なものなの」

(…そう、大事なものなの……)

(早くこの指輪、着けたい、な)










「…おい、なぜ砲撃戦の音がする?……今日の執務は、消費、いや、浪費資材の把握と、説教から…だな……」

880: 2014/07/03(木) 17:27:00.51 ID:oVMs0vDB0

【災禍は糾える縄のごとし】

(朝はお茶を飲もうとしたら湯呑にいきなりひびが入り…執務室に行く廊下では何もないのにコケ…)

(挙句の果てには、書架から本を取ろうとしたら、本が落ちてくる…なかなか重かった…痛い…)

(ここ最近こんなことばっかり、私が何かしたの?)

(ああ…不幸だわ…って、これじゃ山城みたい…)



「どうした由良?眉間にしわを寄せて?」

「えっ?ああ、そのね、何だか、最近ついてないなって」

「ついてない?」

「ええ、大したことは起こってないんですけど、ちょっとだけ不幸なことというか、悪いことというか…」

「そうか、まあ、そういう時期もあるな」

「提督さんも?」

「ああ、お前と同じでな、細々とした不幸が重なって起きてる」

「…ただ、私はいいが、由良の場合、これが戦場で起こっても困るな」

「そうだな、由良、確か次の私の非番とお前の休暇が重なっていたはずだ、一緒にお祓いに行くぞ」

「えっ、そんな大げさにしなくても…」

「過去に、艦載機の乗組員になるための最終試験が、手相や骨相だったという嘘のような本当の話もある」

「それだけ、軍事において運やゲン担ぎというものは大事だったのだろう」

「まあ、そういう目に見えないことについては、私も特別信じてはいないが、なにもやって悪いものでもない」

「…提督さんがそう言うなら、いいですけど」



(…あれ?一緒にって二人っきりってことかしら?……髪の手入れとか、気をつけよう)

881: 2014/07/03(木) 17:31:14.87 ID:oVMs0vDB0
「ねえ提督さん?お祓いって具体的にどうすればいいのかしら?」

「まずは受け付けに行き、申込書の記入事項を書く必要があるが…、住所はいいとして…」

「由良、お前の年齢はどう書けば良い?」

「どうって…起工日か進水日…を……そうすると、私お婆さんに…」

「到底、信じてはくれないだろうな」

「なら、艦娘からの年齢って……あれ?今度は私、幼児ね」

「まあ、説明して納得してもらうしかないな、面倒な…」

「次は各々の願い事だが、これは厄払いでいいだろう」

「…後はこっちでやることは特にないはずだ、神職の方々の指示に従えばいい」

「詳しい作法は、まあ、その時々に伝える」

「そうですか…、なんだか緊張してきた…」









「………何だか、ああいう儀式って、こう、身が引き締まりますね」

「そうだな…普段体験しないことだから、緊張はする」

「ふふっ、提督さんが?」

「私だって緊張くらいするさ…」

「…さて、まだ帰るには早いな。せっかく外に出たんだ、私はもう少し、色々見て回ろうと思っているが…」

「由良はどうする?一緒に来るか?」

「え?……提督さんがいいなら、ご一緒したいですね」

「そうか、ならまずは…」







(…これって、もしかしなくともデート?…さっそくお祓いの効果あったみたいね)

(うんうん、今日はいい一日になりそうね!)








「まさか、にわか雨が降るとはな…」

「…ああ、不幸だわ…」

882: 2014/07/03(木) 17:34:15.48 ID:oVMs0vDB0
(実際お祓いなんて体験したことがないので色々省いてしまいました、コレで許してつかあさい…)

892: 2014/07/03(木) 23:19:55.32 ID:oVMs0vDB0

【似たもの同士】

(ん~、鎮守府全体の一斉休暇って滅多に無いから嬉しいな~、って言っても有事の際はあれだけど…)

(でも、せっかくの休日だったのにこんな早く起きるのも…いつも朝早くから遠征に行ってるせい?)

(まあ、そういうわけで、綾波型駆逐艦、朧!海辺を散歩してます!…なんちゃ…って…?)

(あれ?…あの姿…提督?)




「提督ぅ~!」

「ん?ああ、朧か。こんな早朝からどうした?」

「本当はもうちょっと寝てるつもりだったんですけど、目が覚めちゃって…」

「普段の生活リズムはなかなか崩せないですね。職業病ってやつ、かな?」

「職業病とは少し違う…いや、そもそも病気と言えるほどのもの…か?」

「…だが、こうして起きてしまうのは、朧が人一倍努力家だからだろうな」

「えっ?そ、そうですか?…そうかな?」

「ああ、真面目だからこそ習慣が体に染み付いてるのだろう…朧の良いところだな」

「あはは、面と向かって褒められるとちょっと恥ずかしいですね…」

「…ところで、提督もお散歩ですか?」

「まあ、な。お前に言わせれば、私も職業病らしい」

「ふぅ~ん、なら、提督も努力家ですね!朧と一緒です」

「…そう、なる…のか」

「なかなか、照れくさいですよね?」

「…うるさいぞ朧。上官をからかうんじゃない」

「ふふふ、ごめんなさい」

「…っと、そろそろ朝食の時間だな。今日は休暇な分、食堂が騒がしくなりそうだ」

「そうですね…、あれ、ところで、今日の朝食なんでしたっけ?」

「鮭定食だったはずだが?」

「良いですね、アタシ好きです」

「そうか…奇遇だな、私も好きだ」

「奇遇と言うか、そもそも嫌いな人いないような…」

「まあ、それもそうだな」

「でも、提督と一緒って、嫌いじゃないです」

「そうか、そう思ってくれて、私は嬉しいよ」

「はい……あ、これ戻る頃には皆集まり出す時間ですよ!!」

「そうか、何人かは本当によく食べるからな……無くなるのは困るな」

「そうです!せっかくの朝ごはんがぁ~!」

「少し急ぐか…」





なお、間に合わなかった模様


893: 2014/07/03(木) 23:21:09.08 ID:oVMs0vDB0
何処かにカニをいれたかった

894: 2014/07/03(木) 23:40:17.01 ID:g8Y3Ff4W0

引用: 【艦これ】提督「つれづれなるままに」