1: 2012/03/31(土) 03:23:30.27 ID:I5FIY68u0
ガッショガッショガッショ!

ボトル「あぁ…いゃぁ…揺す振らないで…」

ボトル「うぅ…中がぐちゃぐちゃになっちゃった…」

2: 2012/03/31(土) 03:24:45.69 ID:I5FIY68u0
数週間後
??「へっへっへ、お嬢さん。腹が空いただろう?」

ボトル「あ、あなた誰!?」

??「怖がることは無い。俺ぁアンタの親戚みたいなモンさ」

ボトル「いや…近寄らないで…」

??「そうはいかねぇな、俺は」

詰替A「詰め替え用コンディショナーだからなぁ!!」

ボトル「きゃああああ!!?」

詰替A「へへへ…、ほら、アンタの中にどんどん入っていくぜ…残らずたっぷり入れてやるから覚悟しな…!」
ドプッドプッ
ボトル「ぁああ…冷たい…っ、いっぱい入ってくるぅう…」

ふらいんぐうぃっち
3: 2012/03/31(土) 03:28:20.10 ID:I5FIY68u0
数時間後
ボトル「はぁ、はぁ…なんだったの…あれは…」

??「あら、あなた詰め替えは初めて?」

ボトル「あ、貴方はシャンプーボトル…」

シャンプー「ここにいる限り、あれは何度も起きるわ。慣れることね」

ボトル「そんな…あんな行為に慣れるだなんて…」

シャンプー「大丈夫よ、戸惑うのも最初のうちだけ」


4: 2012/03/31(土) 03:31:14.56 ID:I5FIY68u0
数日後
ボトル「つ、詰め替え用リンス!?」

詰替B「どうか、なさいましたか?」

ボトル「わ、私はまだ空じゃないわ…!」

詰替B「ええ、そのようですね」

ボトル「私に、入れに来たんじゃないの?」

詰替B「それは僕にもわかりませんが…」


??「ふふ、おまたせ」

ボトル「!?」

詰替B「ポンプヘッド?」

ポンプ「貴方の相手は私よ」


5: 2012/03/31(土) 03:34:10.80 ID:I5FIY68u0
数日後
ボトル「はぁ…」

シャンプー「どうしたの?」

ボトル「最近、私達、使われませんね」

シャンプー「ああ、あのポンプヘッドが来てからね…」

ポンプ「んふふ、私が全部吸い出してあげる…空っぽになるまでぜーんぶっ!」

詰替B「うっ、そんな…僕は詰め替え用リンスなのに…っ」

ポンプ「あははっ!関係無いわ。私が相手なら誰でも相性抜群なのよ!」

ボトル「…詰め替えが遠のくのは良いけど、お仕事できないのは寂しいです」

シャンプー「そんな事言えるのも、今の内よ」

ボトル「え?」


6: 2012/03/31(土) 03:40:03.90 ID:I5FIY68u0
数週間後
ポンプ「なんで!?どうして私が降りなくちゃならないの!?」

シャンプー「貴方は確かに画期的だわ。でもね、」

シャンプー「残り少ない詰め替え容器は立ちにくいのよ」

ポンプ「…!!」

シャンプー「いずれ、私のポンプヘッドが朽ちるのでも待つことね」

ポンプ「…そんな…」


8: 2012/03/31(土) 03:40:43.75 ID:I5FIY68u0
ボトル「…また私達にお仕事が来ましたね」

シャンプー「浮かない顔ね」

ボトル「もう、残り少なくて…」

シャンプー「そうね、私もよ」

ボトル「じゃあ、今度は二人で詰め替えですね」

シャンプー「ふふ、そうね」


9: 2012/03/31(土) 03:43:02.47 ID:I5FIY68u0
>>7
問題ない。すぐ終わる。

数日後
ボトル「…?まったく同じパッケージ…?」

詰替C「やあ、君が俺の相手かな?」

ボトル「えっ?私はコンディショナー用ボトルで…」

詰替C「ああ、間違いない。君が相手だね」

シャンプー「コンディショナーボトル…」

ボトル「ど、どういう事?」

詰替C「俺達はシャンプーでありリンスなんだよ」

詰替C「ボトル二つ分あれば二倍使えるだろう?」

ボトル「そんな…」

シャンプー「私達に拒否権は無いわ…」

詰替C「「ほら、俺で満たしてあげる」」

ドプッドポポポポ
ボトル「や…っ、何コレぇ、サラサラして気持ち悪い…っ」

詰替C「はは、コンディショナーしか知らない君には未知の感覚かもな」


10: 2012/03/31(土) 03:47:48.92 ID:I5FIY68u0
ボトル「……」

シャンプー「…」

ボトル「ね、ねぇシャンプーボトル」

シャンプー「ん、なに?」

ボトル「あの詰め替え用リンスやコンディショナーは、どこに行くの?」

シャンプー「…容器のこと?何でまた…」

ボトル「だって私達はずっとここに居るのに、彼らは居ないじゃない?」

シャンプー「…そうね。彼らは女の求めに応えるだけの存在だもの」

シャンプー「用が済めば、消えるわ」

ボトル「……え?」


ボトル(そんな…それじゃあ、彼らは私達が此処に居続けられるためだけに存在するの?)

ボトル(かたちが違うだけなのに…)


11: 2012/03/31(土) 03:50:26.05 ID:I5FIY68u0
シャンプー「貴方の幸せって何?」

ボトル「私の?…私は…」

ボトル「ずっと、私のままで氏ぬまでお仕事できたら嬉しい…」

シャンプー「そう。素敵ね」

ボトル「えへへ…シャンプーボトルは?」

シャンプー「私はもう私を忘れちゃったから、貴方みたいな子と話せるだけで嬉しいわ」


12: 2012/03/31(土) 03:53:47.77 ID:I5FIY68u0
ボトル「忘れたって、なに?」

シャンプー「もう随分長く此処に居るからか、銘柄を忘れちゃったの」

ボトル「そんな!私達にとって自分の銘柄は誇りじゃない!」

シャンプー「もう、幾度も別のシャンプーを入れられると、自分でも分からなくてね」

ボトル「大丈夫よ。きっと思い出すわ。匂いとか、感触とか」

シャンプー「…そうね。……ありがと。今更新しい目標が見つかるなんて思いもしなかったわ」

ボトル「見つけようね!絶対!」

シャンプー「ええ!」


13: 2012/03/31(土) 03:57:42.09 ID:I5FIY68u0
詰替D「よう、久しぶりだな」

シャンプー「…貴方が覚えているなら、そう久しぶりじゃないわ」

詰替D「それもそうか…まあいい、とっとと済ますぞ」

シャンプー「ええ、何時でもどうぞ」

ドプンッドプッドプッドプンッ

シャンプー「はぁあ…っ、清涼感がぁあ…」

詰替D「は、正規でもないのに20%増量の俺を呑み込めるなんざ、お前くらいだ」

シャンプー「あら、珍しいわね…誉めてくれてるのかしら」

詰替D「冗談だろ。卑しい身体だぜ」

シャンプー「ふふ、ありがとう」

詰替D「――…」

シャンプー「…?どうかした…?」

詰替D「…いや、…そろそろ俺も先に行く」

シャンプー「…ええ」


14: 2012/03/31(土) 04:04:35.88 ID:I5FIY68u0
ボトル「さっきの…知り合いなの?」

シャンプー「前に同じ銘柄に当たっただけよ。きっと同期だったのね」

ボトル「そうなんだ…」

シャンプー「何?」

ボトル「えっ、えと、仲良さそうだなーって…もしかしてシャンプーボトルの、」

シャンプー「違うわ。彼の相手の正規品はもっと男勝りよ」

ボトル「そう…」

シャンプー「何で貴方がしょんぼりするのよww」

ボトル「うん…シャンプーボトルも悲しいんでしょ?」

シャンプー「え?」

ボトル「だってそんなに濡れてる」

シャンプー「馬鹿ね、これは湿気よ」


15: 2012/03/31(土) 04:07:29.36 ID:I5FIY68u0
数週間後
ボトル「ん……あ、あれ?シャンプーボトル?シャンプーボトルは!?」

ポンプ「随分早いお目覚めね」

ボトル「ポンプヘッド!ねえ、シャンプーボトルは!?」

ポンプ「あのシャンプーボトル…朽ちたら換わるとか言った癖に、身体にガタが来てたなんて聞いてないわよ!」


16: 2012/03/31(土) 04:08:14.59 ID:I5FIY68u0
ボトル「え、え?どういうこと?」

ポンプ「だから!底がひび割れて中身が漏れてたのよ!」

ボトル(中身…ひび割れ?だから前に濡れて…!)

ポンプ「身体も使えなければ用なんて、無いもの」

ポンプ「廃棄されたわ」

ボトル「はい、き」

ポンプ「捨てられたの」

ボトル「そんな!シャンプーボトルは、まだ自分の銘柄も思い出していないのに!」


18: 2012/03/31(土) 04:09:16.68 ID:I5FIY68u0
ポンプ「…銘柄?」

ボトル「忘れちゃったって、言ってたから、絶対見つけようって、言ったのに…」

ポンプ「馬鹿じゃないの」

ボトル「え…」

ポンプ「お目出度い子ね、見て分からなかったの?」


19: 2012/03/31(土) 04:11:02.68 ID:I5FIY68u0


ボトル「何…」

ポンプ「アレにそもそも銘柄なんて無かったのよ。プリントも何も無いじゃない」

ボトル「そ、そんな」

ポンプ「ま、銘柄の誇りなんてつまらないプライド、さっさと捨てる事ね」

ボトル「そんなの…」

ボトル「――そんなの、イヤ!」

ポンプ「貴方に拒否権は、無いの。精々朽ちるまで頑張りなさい」


20: 2012/03/31(土) 04:15:04.53 ID:I5FIY68u0
数ヶ月後
詰替A'「へっへっへ、お嬢さん。いい身体だな」

ボトル「…」

詰替A'「どこもかしこもしっくり来る…へへ…お嬢さんは幸せ者だな」

ボトル「知ってる…っ、だから早く、私の中をいっぱいにしてっ!忘れられないくらい匂いを残してぇ!」

詰替A'「可愛いお嬢さんだ」

ボトル(ああ…正規品同士って、こんなに幸せな事だったんだ…)

ボトル(このままずっと、他のコンディショナーなんて来なければいいのに…)






「…そろそろこのボトルも換え時かな」


おわり

61: 2012/03/31(土) 23:08:07.54 ID:I5FIY68u0
強烈な静電気に似た衝撃を感じて思わず電卓を放り投げてしまい、焦って足を滑らせた。
嗅いだことの無い匂いが鼻をかすめ、厨房内の爆音と共に尻餅をついた俺の図上に炎が噴いた。

俺「―…、ぁ、電卓、電卓は…っ」

放り投げてしまった電卓は側には無かった。
探しているうち、瞬く間に辺りは炎に囲まれていく。
木造の外観はよく燃えて、電卓が見つからない。

引用: ボトル「いやぁあああ!!み、水入れないでぇ!!」