1: 19/08/05(月)01:16:09 ID:5Bo
凛(これまで一切謎に包まれていたプロデューサーの自宅が遂に判明した)

凛(特定に成功したのはマキノ)

凛(当然私としてもプロデューサーの情報は喉から手が出るほど欲しい訳だけど……)

凛(最早神秘のベールにさえ包まれていたかの情報を掴むその諜報能力、おいそれとは敵に回せない)

凛(なので私はまず彼女に簡単な依頼を持ちかけることにした)

凛(まずは最優先事項に関するデータを手に入れる…!)

2: 19/08/05(月)01:16:32 ID:5Bo
○???


コンコン


マキノ「……袖口」

凛「黄ばんだ襟」

マキノ「入ってちょうだい」

凛「お邪魔します……」

3: 19/08/05(月)01:21:57 ID:5Bo

凛「シンプルに行こうか。ここに報酬は用意したよ」

マキノ「流石、『三代目』と言ったところね。いいわ、その方が私としても助かる」

マキノ「……」ゴソゴソ

マキノ「確かに。無茶は言ってみるものね」

凛「待った。見合うだけの成果は得られたんだろうね?」

マキノ「依頼については調査し終えた。それ以上でもそれ以下でも無いわ」

マキノ「この情報の価値を決めるのは貴方ではない。私でもない。ただ手数料として頂くだけ」

4: 19/08/05(月)01:32:30 ID:5Bo
マキノ「これが報告書よ」トサッ

凛「……ふむ。もらっておく」

マキノ「まず念頭に置いておいてほしいのだけど、Pの自宅は気味が悪いほど生活感が無いわ」

マキノ「貴方が期待しているような情報はそもそも存在していない可能性の方が圧倒的に高かったということは覚えておいてちょうだい」

凛「……価値があるかどうかは話を聞いてこちらで決める。詳しく聞かせてもらってもいい?」

マキノ「ええ」

マキノ「多忙な男の一人暮らし。本当にただシャワーを浴びて寝るためだけの部屋と言ったところね」

マキノ「例えるなら、そうね……この間光に観させられたルパンレンジャーのレッドの自宅が一番近いかしら……」

凛「なんだかよく分からないけどたぶん凄い不気味な部屋なのは伝わった」

※参考画像
no title

5: 19/08/05(月)01:43:41 ID:5Bo
マキノ「冷蔵庫にはちひろが売ってる例のドリンク剤のみ。調理器具はどれもほとんど未使用で料理をした痕跡が無いわ」

マキノ「家で食事をとることすら無さそうね」

凛「いつも飲みに誘われてるしね……。夜は外食で済ませてるのかな」

マキノ「体調を心配したいところだけど……まあ昼食でアイドル達の手料理を食べさせられているから、そこでバランスをとっているのかしら」

凛(ということは、食事面での嗜好は不明と……)

マキノ「まあ、ちょっとした晩酌程度はやるようだけど」

凛「というと?」

マキノ「部屋からは少々イカのような匂いがしていたわ。前日にでもスルメくらいは食べたようね」

凛「スルメ、ね……。好きなのかな?」

マキノ「ただ奇妙なことに、ゴミ箱からはパックやビニール袋と言ったそれらしき痕跡が見つからなかった」

マキノ「あったのはただ、大量の丸まったティッシュだけよ」

凛「――――!」

6: 19/08/05(月)01:45:28 ID:5Bo

凛「それはつまり、イカ臭いティッシュが大量にあったってこと!?」ガタッ

マキノ「え……ええ、まあそういうことね」

凛「それが分かれば部屋については十分だよ! 本題に入ろう!」

マキノ「……なんだか、急に元気になったわね……」

7: 19/08/05(月)01:51:51 ID:5Bo
マキノ「それじゃあ次のページに移ってちょうだい」

凛「わかった」ペラッ

マキノ「依頼の通り、まず部屋の『隙間』については隈無く調べたわ」

マキノ「あらゆる引き出しや本棚はもちろん、ベッドの下もね」

マキノ「残念ながら、二重底等の隠しスペースは一切見当たらなかった。収納は極めてオープンよ」

凛「まあそうか。人を招くことも無いんだろうしなあ……」

マキノ「だから、棚にあるのは仕事用のファイルだけね。中身もチェックしたけど、うちのアイドルの写真だけよ」

8: 19/08/05(月)01:57:14 ID:5Bo
マキノ「それからパソコンの方だけど……」パラッ

凛「隠しファイルや鍵付きフォルダは? またはいかにもカモフラージュされた名前のデータ」

マキノ「いずれも無し。そもそもパソコンにパスワードすらかかってなかった」

凛「なんか、やり過ぎなくらい無防備だね……」

マキノ「ええ。かえって怪しいとも思ったのだけど、本当にやましいデータが無いのだから仕方が無いわ」

凛「……いや、それは絶対におかしいんだけど」

マキノ「ふむ。どういうことかしら?」

凛「イカ臭いティッシュがあったのは間違いない。ということは、ティッシュをイカ臭くする原因が必ずどこかにある」

マキノ「…………」

マキノ「…………?」キョトン

凛(こいつ……!?)

9: 19/08/05(月)02:00:57 ID:5Bo
凛(い、いや……今はマキノの性知識の有無を気にしている場合じゃない)

凛「ちなみになんだけど、そのアイドルのデータっていうのは?」

凛「例えばほら、際どいアングルの写真だとか、特定のアイドルのグラビアばっかりとか……」

凛(私が求めるデータはそう……プロデューサーのオカズ!)

凛(プロデューサーを仕留めるため、まずは性癖を知ることから! それこそが最も確実な勝利に繋がっているはず!)

マキノ「ふむ、そうね……」

10: 19/08/05(月)02:06:07 ID:5Bo
マキノ「際どいアングルのデータは確かにあったわ。恐らく撮影でボツにされたカットね」

凛(――――来た!)

マキノ「その写真はいずれもある特定の一人のものだった。ふむ……考えてみれば、たしかにその人物の写真データは明らかに不自然なほど多かったわ」

凛「それは誰!? 勿体ぶってないで早く!」ガタッ

凛「私!? 愛梨!? それとも志保!? あ、もしかして私!? いや男の人の一般的な嗜好から考えて菜帆!? それとも私!? 私!? ねえ私!?」

マキノ「落ち着きなさい……。教えるから」

マキノ「不自然に多かったのは泰葉の写真よ」

凛「ちぃっ! 泰葉か!」

11: 19/08/05(月)02:07:43 ID:5Bo
凛「…………え? 泰葉……?」

マキノ「ええ」

凛「岡崎泰葉?」

マキノ「ええ、そうよ」

凛「…………」

凛「……え、泰葉?」

マキノ「そうね、泰葉」

凛「そっかぁ……」

12: 19/08/05(月)02:10:04 ID:5Bo
凛「…………」

凛「…………」

凛「………………」

凛「…………」

凛「………………………………」






凛「え、口リコン?」

マキノ「彼女16よ。貴方より年上よ?」

凛「え、あれ? そうだっけ?」

13: 19/08/05(月)02:15:13 ID:5Bo
凛「え、だって泰葉小さいよ? 智絵里と変わんないし」

マキノ「貴方の背が高いのよ。153cmって『まあ小柄』くらいの部類よ」

凛「え、年上……?」

マキノ「そもそも先輩じゃない。貴方だって小さい頃からテレビで彼女の姿を見ていたでしょう」

凛「いや、そうだけどさ……。テレビの泰葉ってすっごい小さな女の子だったよ?」

マキノ「そりゃそうよ。子役なんだから」

凛「子役って成長するの?」

マキノ「なんでしないと思ったの?」

凛「えぇ……年上かぁ……なんか時の流れって怖ぁ……」

マキノ「そういうことはもう少し老け込んでから言いなさい」

14: 19/08/05(月)02:18:54 ID:5Bo
凛「で、でも体型的にほら! 胸だって小さいし……」

マキノ「カップで言ったらC。貴方と変わらないわね」

凛「…………え?」

マキノ「数値で言うならほんの1cm差。身長差から考えて相対的に貴方の方が小ぶり」

凛「え、う、嘘だ。私だって人並みにはあるし……」

マキノ「ええ、B寄りのCと言ったところね。ちなみに泰葉はD寄りのC。身長の差よ」

凛「」

15: 19/08/05(月)02:22:08 ID:5Bo
凛「え、負けてんの……? スタイルでも年齢でも……」

マキノ「年齢の勝ち負けって何よ」

凛「16はギリ合法……っ!」

マキノ「本当にギリギリね。法改正まで時間が無いわ」

凛「はっ! 法改正で15も合法に……!?」

マキノ「落ち着きなさい」

16: 19/08/05(月)02:30:06 ID:5Bo
マキノ「とにかく、泰葉は貴方が思ってるほど幼くないわ。精神的にも大人組より落ち着いているしね」

凛「えぇ……でもなんか納得いかない……」

マキノ「たぶん貴方さっきから相当失礼よ。ただですら普段からタメ口なのに」

凛「マキノには言われたくないんだけど……」

マキノ「まあ、そうね」フイ

17: 19/08/05(月)02:34:02 ID:5Bo
凛「はぁ……オカズは泰葉かぁ……」

マキノ「オカズって何の話?」

凛「…………」チラ

マキノ「……?」タプン

凛「まだマキノに負けるなら分からないでもないんだけどさぁ……」

マキノ「なんだかよく分からないけれど、褒め言葉と受け取っておくわ」

凛「…………」

マキノ「…………」

凛「…………」

マキノ(18才 Eカップ)「…………?」

凛「ちょうだい」ワシッ

マキノ「急に揉まないでちょうだい」ペシ


劇終

引用: マキノ「待たせたわね凛。これが依頼された件の報告書よ」