12: 2013/11/05(火) 08:43:48 ID:Vz6AFUWM
エレン「一年目の」ミカサ「春夏秋冬」

13: 2013/11/05(火) 08:44:50 ID:Vz6AFUWM
春のおわり

サシャ「コニー、ご機嫌ですね」

コニー「おっわかるか?」

サシャ「スキップしてましたよ」

コニー「なんだよ、気づかなかったな」

サシャ「何かいいことありました?」

コニー「おうっ便りが届いたんだ」

サシャ「実家からですか?」

コニー「まあな。そうだ、サシャにも一個やるよ」

サシャ「なんですか?食べ物ですか?」
進撃の巨人(34) (週刊少年マガジンコミックス)
14: 2013/11/05(火) 08:45:27 ID:Vz6AFUWM
コニー「ちげーよ。白と赤と緑と紫と黄色どれが好きだ?」

サシャ「えーと、紫色です!」

コニー「んじゃちょっと待っとけ」タタ

………

コニー「待たせたな!」

サシャ「いいえ、早かったですよ」

コニー「ほら、これだ!妹が作ったんだと」

サシャ「わあっ押し花のしおりですね!」

コニー「すみれだってよ」

サシャ「本当に貰っていいんですか?」

コニー「まだあるし、オレ本は読まねえからな」

サシャ「私もです…でも、教科書に挟めますね!」

コニー「そうだな、一緒に勉強頑張ろうぜ!」

サシャ「はい!」

15: 2013/11/05(火) 08:46:17 ID:Vz6AFUWM
夏のなかば

クリスタ「こんなとこで寝てたら首いたくしちゃうよ?」

木陰で涼もうとしたら、先客が壁にもたれて寝ていた。

クリスタ「暑い…となり、ごめんね」

この場所は日中は日が当たらないから壁が少しひんやりしている。

「む…」

それでもやっぱり気温は高いから、身動ぎした彼の額にはうっすら汗がにじんでいる。

クリスタ「ハンカチ…」ゴソ

ちょいちょいと汗をぬぐう。

16: 2013/11/05(火) 08:47:15 ID:Vz6AFUWM
彼とはあまり話さないけど、目立つ存在だからなんとなくは知っている。

クリスタ「ライナーくん?」

眉毛がピクリと動いたのがちょっと面白い。

クリスタ「暑いなあ…」

私がこのまま暑さでしんだら、第一発見者は彼だ。それはちょっと可哀想。

少し風が吹いて気持ちいい。自然とまぶたが落ちてくる。

すぐ起きるからちょっとだけ、おやすみなさい。

17: 2013/11/05(火) 08:48:53 ID:Vz6AFUWM
秋のはじめ

ジャン「おい」

ベルトルト「ん?」

ジャン「お前、バッタなんかどうすんだよ?」

ベルトルト「キリギリスだよ」

ジャン「問題はそこじゃないだろ?どうすんだ?それ」

ベルトルト「部屋で飼おうかなって」

ジャン「すててきなさい」

ベルトルト「なんで!?」

ジャン「ポイなさい」

21: 2013/11/05(火) 08:53:43 ID:Vz6AFUWM

ベルトルト「だって、鳴くんだよ?」

ジャン「だからなんだ」

ベルトルト「なんかいいと思う」キリッ

ジャン「すてろ」

ベルトルト「ジャンに迷惑かけないよ」

ジャン「そいつ鳴くんだろ!?」

ベルトルト「うん」

ジャン「…お前、変に頑固だよな。第一そいつなに食うんだよ?」

ベルトルト「わからない。パンかな?」

ジャン「知らねえよ!あーもーくそっ!図書室いくぞ!」

18: 2013/11/05(火) 08:50:27 ID:Vz6AFUWM
冬のあさ

息が白い、寒い。

葉が落ちきった木の下をザクザクと歩いていると、なにかが焦げるにおいがした。

あれだ、あのけむり。
火事じゃないだろうねと歩みを進める。

マルコ「…アニ?」

アニ「…なにやってんの」

品性方向なソバカス顔。こんな朝っぱらからたき火?

マルコ「落ち葉の掃除」

19: 2013/11/05(火) 08:51:02 ID:Vz6AFUWM
アニ「…そんな当番あった?」

チラとマルコの背後にある木に目をやると、ほうきが立て掛けてある。嘘は言っていないようだ。

マルコ「当番じゃなくて勝手にやってるだけだよ。あ、もちろん教官の許しはいただいてるよ」

こんなくそ寒いなか好きで掃除なんてとんだ物好きだ。

マルコ「アニは?」

アニ「散歩」

マルコ「そうなんだ」

アニ「…じゃあね」

付き合いきれないお人好し。

20: 2013/11/05(火) 08:52:17 ID:Vz6AFUWM

マルコ「あ、待って!」

アニ「?」

マルコ「はい」

アニ「なに?」

石を布で巻いたものを差し出されたところで意味がわからない。

マルコ「ポケットに入れて。じゃ、またあとで」

不思議ちゃんとは知らなかった。とりあえず言われたままポケットに入れる。

来た道をザクザクと戻る。空は曇ったまま。雪が降りそうだ。

アニ「ん」

ポケットが温かい。あわてて石を取り出すと渡されたときとは違い、布越しに熱が伝わる。

アニ「…たき火の近くの石だからか」

またポケットに石をしまう。
息が白い。でも、あたたかい。

おわり

22: 2013/11/05(火) 09:59:41 ID:1bSh6bYI
虫の泣き声に季節とか風流を感じるのは日本人くらいだそうな

23: 2013/11/05(火) 12:03:59 ID:9PIpoY5Y
>>22 日本人は歌とかにも残すもんな。
キリギリスは風流というか見た目と鳴き声が機械っぽい格好よさが特にいいよな。

さらに投下。

24: 2013/11/05(火) 12:04:38 ID:9PIpoY5Y
エレン「超大型のさ」

ミカサ「うん」

アルミン「うん」

エレン「顔にちょっと皮が残ってんじゃん?」

ミカサ「残ってる」

アルミン「そうだね」

エレン「あれをブレードでこう…バツンと切ってみたい」

ミカサ「わかる」

アルミン「ああ、切ったら弾けてほしいよね」

エレン「そうそう」

ミカサ「目にピシッと当たったりしたらなお良い」

アルミン「ふふっ」

エレン「それいいな」

25: 2013/11/05(火) 12:05:18 ID:9PIpoY5Y
ミカサ「…鎧の顎」

エレン「ん?」

アルミン「鎧の顎?」

ミカサ「外してみたい。ガコっと」

アルミン「あーわかるわかる」

エレン「顎がギミックみたいだもんな」

ミカサ「そう」

アルミン「確かに資料見るたび顎だけ浮いてる気はしてた」

エレン「クッキングパパの親戚っぽいよな」

アルミン「母方のね」

ミカサ「クッキングパパといえば」

エレン「なんだ?」

ミカサ「まことが成人した」

アルミン「うそぉ!?」

エレン「感慨深いな」

26: 2013/11/05(火) 12:10:58 ID:9PIpoY5Y
アルミン「女型のね」

ミカサ「うん」

アルミン「顔がさ」

エレン「うん?」

アルミン「パクノダに似てる」

ミカサ「…言われてみれば」

エレン「なんか盛り上がっちゃうな」

アルミン「だよね」

エレン「記憶の読み取りができたら便利だったのにな」

アルミン「あはは」

ミカサ「エレンたら」

エレン「はー…出てこないな」

ミカサ「ね」

アルミン「生きてるのかな」

おわり

引用: アルミン「25万人の行進」