671: 2010/07/25(日) 19:44:13.71 ID:yFMWCoYo
~ 寮の部屋 ~

白井「ただいま戻りましたの」ガチャ

御坂「あ、お疲れ黒子。風紀委員(ジャッジメント)の仕事、相変わらず大変そうねぇ」

白井「いえ、わたくしももう二年生ですし、任務にもより責任を持って臨まなくては」

御坂「よくやるわねー、あんたも。ま、無理しすぎない程度にがんばんなさいよ」

白井「お気遣い感謝ですわ、お姉様。それでは、先にお湯いただきますわね」

御坂「……え、あ、うん」

672: 2010/07/25(日) 19:44:52.99 ID:yFMWCoYo
~ とある公園のベンチ ~

御坂「――――って感じだったわけなのよ、昨日も。どう思う?」

上条「いや、どうって言われましてもですね…………とりあえず上条さんは今から安売りに行かねばならなくてですね……」

御坂「以前のあの子なら、私がお疲れとかがんばれとか言うたびに『おねえさまああぁぁぁ! わたくしのことをそんなに想っていただけるなんて、黒子感激ry』とか言って飛びついてきたってのに」

上条「(無視かよ!)……まぁ、あいつなりに成長したんじゃねえの?」

御坂「うーん……でも二年生になってから急によ? なんか、こっちの調子が狂っちゃうっていうか……」

上条「なんだ御坂、寂しいのか?」ニヤニヤ

御坂「ちがっ……! べ、別に寂しくなんてないわよ! むしろ前みたいにベタベタされなくて助かってるっつーの!!」

上条「へいへい、さいですか。とりあえず俺はもう行くぞ。マジで売り切れちまう」シュタッ

御坂「あっ、ちょっ…………」
とある魔術の禁書目録 31巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
673: 2010/07/25(日) 19:45:30.79 ID:yFMWCoYo
~ 帰り道 ~

御坂「……そ、そうよ。以前の黒子は過激すぎたしね、今くらいがちょうどいいのよ、うん」

御坂「…………」

御坂「で、でもやっぱ、ちょろーっと落ち着かないわよねぇ」

御坂「………………」トボトボ

674: 2010/07/25(日) 19:46:06.08 ID:yFMWCoYo
~ 寮の部屋 ~

御坂「ただいまー」ガチャ

白井「あ、お帰りなさいませお姉様」

御坂「えっと、あの……黒子」

白井「はい?」

御坂「そのー……なんていうか」

白井「?」

御坂「えっと、久しぶりに二人で一緒にお風呂入らない?(何言ってんだ私!)」

白井「えっ、お姉様…………」

御坂「あ、あははー! なーに言ってんだろうねー私! 今のは冗d――――」

白井「まぁまぁお姉様、今日もお疲れでしょうに、わたくしに気を遣っていただいて……。わたくしのことはどうぞお構いなく、シャワーはお先にどうぞ」キラキラ

御坂「(うっ……笑顔にまったく邪気がない……)そ、そう? 悪いわねー。じゃあちゃっちゃと入っちゃおうかなー!」

白井「いえいえ、私に構わずどうぞごゆっくり」

御坂「…………」

675: 2010/07/25(日) 19:46:48.27 ID:yFMWCoYo
~ シャワー室 ~

御坂「はぁ、ホントに黒子、普通の性格になっちゃったのかな…………」シャー

御坂「……って、何言ってんの私! これでいいのよ、これで。あの子もようやくまともな人生歩み始めたってことだし!」ガシガシ

御坂「…………」

御坂「あ、シャンプーがもうないや」

御坂「(べ、別に、もちろん何かされたいってわけじゃないけど、素っ裸のまま……)ねー、黒子ー!」

白井(ドア越し)「はい、どうかされましたかお姉様?」

御坂「シャンプー切れちゃってるみたいなんだけど、そっちに新しく買ったのある?」

白井(ドア越し)「あ、これですわね。ありましたわ」

御坂「悪いんだけど持ってきてくんない?」

白井(ドア越し)「少々お待ちを」

御坂「…………」ドキドキ

白井「お待たせしました、お姉様」ガチャ

御坂(裸)「あ、ありがと黒子」チラチラ

白井「おやすいご用ですの。それでは……」

御坂(裸)「あ、ちょ、ちょっと待って!」

白井「?」

676: 2010/07/25(日) 19:47:40.71 ID:yFMWCoYo
御坂(裸)「えっと……ね、ねぇ、私の胸……三年生になってから少しくらい成長したと思わない? なんて、あはは(えぇいもうどうにでもなれ!)」

白井「えっ?」

御坂(裸)「私にも少しくらい大人の魅力なんてもんが出てきたかなー。ほぉ~ら、ほれほれ」ムニムニ

白井「……ふふ、お姉様は胸の大きさにかかわらずいつも魅力的ですわ」ニコニコ

御坂(裸)「……っ! あっと、その……(邪気0%の笑顔きたー!)」

白井「それと、お姉様」

御坂(裸)「はひっ?!」

白井「あまりずっと裸でいますと、風邪を引いてしまいますわ。わたくしは部屋に戻っていますわね」ガチャ

御坂(裸)「あ……うん…………」

御坂(裸)「…………」

御坂(素っ裸)「…………orz」



                             つづく?

902: 2010/07/28(水) 12:50:54.44 ID:atC9rtYo
~ 御坂のクラス ~

先生「よし、今日はここまで」

御坂「んー、やっと終わったぁ。さて、黒子でも誘ってお昼ご飯を――――」

御坂「……あ、そっか」

903: 2010/07/28(水) 12:51:53.13 ID:atC9rtYo
・・・朝の寮にて

白井「お姉様。今日からはわたくし、クラスメートと一緒に昼食を食べるつもりですの」

御坂「えっ…………?」

白井「わたくし、ようやく気づきましたわ。毎日毎日、お昼のたびにお姉様のところへ押しかけ、お姉様のクラスの方々との交流を妨げてしまっていることに」

御坂「あ、えっと……」

白井「黒子は本当に愚か者でしたの。ですから、今日からはお姉様も存分に御級友の方々と、楽しくお食事なさってくださいな」

御坂「う……うん」

・・・

904: 2010/07/28(水) 12:52:27.52 ID:atC9rtYo
御坂「(今日から、黒子とは一緒にご飯食べないんだ……)」

御坂「…………」キョロキョロ



生徒A「一緒に食べましょ♪」

生徒B「えぇ」

生徒C「はぁー、次の能力測定憂鬱ねー。どうせレベルなんて上がってないのに」

生徒B「あら、私だってレベル3で伸び悩んでいるところですし、一緒にがんばりましょう」

生徒A「そうね♪ あら、あなたのお弁当かわいい!」

ワイワイガヤガヤ



御坂「…………」キョロキョロ



生徒D「あら? 御坂さん、今日は出かけないのかしら」

生徒E「それでしたら、わたくしたちのところに誘ってみては……」

生徒D「ダメよ! 私たちごときが御坂さんと一緒に食事なんて、恐れ多いし」

生徒E「そ、そうですわよね……残念ですけど、わたくしたちでは御坂さんとは釣り合いませんわ」



御坂「……(か、完璧に孤立している……っ!)」

御坂「(そ、そうよね……よく考えたら私、学校では黒子以外、心の底から仲良しなんて子いないし……)」

御坂「…………」

御坂「……寂しい」グスッ

905: 2010/07/28(水) 12:53:37.39 ID:atC9rtYo
~ 屋上 ~

御坂「はーぁ、結局教室に居づらくてこんなとこまで来ちゃった」

御坂「良い天気ね~……」

御坂「…………」

御坂「……購買で買ったパンでも食べよ」ガサガサ

御坂「…………」ムグムグ

御坂「あんまおいしくないわね……」

御坂「……はぁ」



      ―――― あらあら、こんなところで独りお食事会?



御坂「えっ?」

??「みじめね、御坂美琴。同情しちゃう」

906: 2010/07/28(水) 12:54:54.09 ID:atC9rtYo
御坂「あんたは…………天下の心理掌握(メンタルアウト)様が、私にいったい何の用?」

心理「あらあら、超電磁砲が独り寂しく屋上でパンを食べてるのを見かけて、ちょっと慰めてあげようと思って来てみただけよ」

御坂「ふん、わざわざ大勢の取り巻きまで連れてご苦労ですこと。……黒こげにされたくなかったら、さっさと私の視界から消えてくれない?」ギロッ

心理「あらあら、相変わらず野蛮な目つき。ただでさえドぎつい顔してるんだし、少しは愛嬌持ったら?」クスクス

御坂「…………」

バリバリ!

取り巻きA「……」バッ

シュン!

御坂「っ……電気をはじく能力、気力絶縁(インシュレーション)か」

心理「あらあら、少し落ち着きなさいって。白井黒子がいないだけで、あなたそこまで取り乱しちゃうわけ?」

御坂「なんで黒子の話に…………っ! もしかして、あんた!!」

心理「…………」

御坂「黒子がおかしくなったのは、あんたが黒子に何かしたから…………そうなのね?」

心理「おかしくなった? あらあら、何を言ってるの?」クスクス

御坂「……何がおもしろいのよ」

心理「おかしかったのは、『今まで』じゃないのかしら? あなたに対する異常なまでの愛情、日頃からの変O奇行……」

御坂「…………っ」

心理「私はね、御坂美琴。彼女を普通の、品行方正なお嬢様にしてあげただけなのよ?」

御坂「……それでも。それでも、大切な後輩があんたみたいな得体の知れない超能力者に頭をいじくられたってことを、黙って見過ごすわけにはいかないのよ!」

心理「…………」

御坂「黒子を、元に戻してちょうだい。さもないと……」

心理「あらあら。はぁ、あなたもめんどくさい女ねぇ…………しょうがない、教えてあげる」

御坂「?」


      ―――― 彼女はね、自ら望んであの人格を手に入れたのよ?

つづく!

818: 2010/08/10(火) 01:41:16.42 ID:ISHQ5CIo
あーやっと時間できた。

というわけでこんばんは、前スレの御坂「最近、黒子が構ってくれない」第2話の続きです。
前回までを読んでない人は自分用まとめさんからどうぞ。
5レスもらいます。

っていうか前回、「次回が最終回になる」とかつぶやいたことは忘れてくれ!……ください

819: 2010/08/10(火) 01:42:27.07 ID:ISHQ5CIo
~ 帰り道 ~

御坂「…………」トボトボ

御坂「……黒子…………」



――――……

御坂「でたらめ言わないでよ!」

心理「あらあら、でたらめなんかじゃないわ。白井黒子本人が、私に直に頼みにきたの」

御坂「…………」

心理「彼女が、あなたを慕っているのは紛れもない事実。それも、心の底からね」

御坂「え……?」

心理「だからこそ、あんなお願いごとをしたんじゃないのかしらね」

御坂「どういうことよ……」

心理「彼女の心を覗かせてもらったけど、まず見えたのはあなたに対する大きな愛情や信頼。でもそれと同時に、『お姉さまにこれ以上迷惑をかけたくない』『お姉さまの幸せの邪魔をしたくない』っていう感情も眠っていたの。心の裏側にね」

御坂「ちょ、ちょっと待ってよ。確かに、あの子の過激な行動には若干困ってたけど……別に私は迷惑だとか、幸せを奪われてるだなんてこれっぽっちも……」

心理「上条当麻」

御坂「っ!」

心理「あらあら、その反応は心当たりがあるってこと?」

御坂「…………」

820: 2010/08/10(火) 01:43:34.81 ID:ISHQ5CIo
~~~~~

御坂『もーそしたらねー、あのバカがねー』

白井『まぁお姉さま! またあの類人猿の話ですの!!』

御坂『えっ、いや、別に……』

白井『むきー! お姉様は私だけのものですわ!』ガバッ

御坂『寄るな変O!』ビリビリ

白井『あ゛ああ゛あぁぁぁ! か・い・か・ん♪』ヒクヒク

~~~~~

御坂「(いつもはああやってふざけ倒してたけど、もしも……もしも、あの子が本気で私の幸福を一番に考えたとしたら?)」

心理「本気であなたを慕い、あなたのことを一番に考えているからこそ……彼女は自分の気持ちを押し頃して、普通の人格へと戻ったんじゃないかしらね」

御坂「そんな、黒子…………」

心理「まーいずれにせよ、彼女本人の意志でこうなることを決意した訳だし。感謝されこそすれ、あなたに黒こげにされるいわれはないわ」

御坂「…………」

心理「じゃあね、御坂美琴。『愛しの彼』と仲良くねぇ、あはは」

……――――



御坂「本当なの、黒子?」

御坂「本当に、アンタは…………」

??「よう、ビリビリ」

御坂「えっ?」

822: 2010/08/10(火) 01:45:17.95 ID:ISHQ5CIo
上条「なんだよ、元気ないな。なんかあったのか?」

御坂「別に……なんでもないわよ」

上条「ふーん…………白井のことだろ」

御坂「っ……あんた、女の子に関しては普段ニブっちいくせに変なときだけ鋭いわよね」

上条「鈍い? 俺が? ハハハなに言ってんだ御坂よ、上条さんのフラグ察知能力をなめちゃいけません!」

御坂「……」

上条「そのフラグ自体が全然立たないからしょうがないけど。あー、どっかに俺とラブコメしてくれる女の子いねえかなー」

御坂「ぶん殴るわよあんた?」パリパリ

上条「え、ちょ、御坂サン? なんでそんな怒ってるんでせうか? そしてなんで帯電してるの?」

御坂「あんたに向けて単純に電撃撃ってもその変な右手で防がれるしねー。エレキブースター!」

上条「そげぶっ?!」


説明しよう!
エレキブースターとは、電磁加速で自身の体をスピードアップさせ、その勢いで拳をたたき込む御坂の新技だ!
決して某ポケモンの進化に関わるアイテムではないぞ!

823: 2010/08/10(火) 01:46:36.75 ID:ISHQ5CIo
御坂「はー、すっきりした」

上条「……そりゃよかったな(鼻血)」

御坂「なんか初めてあんたに一撃入れた気がするわ」

上条「超能力者(てめぇ)の一撃をそう何度も食らってたまりますかってんだよ!」

御坂「あははっ」

上条「…………少しは元気になったか?」

御坂「えっ?」

上条「細かい事情はわかんねえけどよ……小さいことでうじうじ悩んでるなんてお前らしくねぇよ」

御坂「小さいことって……いつも一緒の後輩とのことなのよ! 私、どうすれば……」

上条「お前は、どうしたいんだよ」

御坂「…………」

上条「それとも、学園都市第三位の超能力者(レベル5)は、誰かさんに自分の生き様を指示されなきゃやってけない、ただのガキなのか?」

御坂「……っ」

上条「自分のやりたいようにやれよ、御坂。お前が信じるその道が正解だ」

御坂「…………はん、あんたにんなこと言われなくてもわかってるってーの! 私を誰だと思ってんの、常盤台の超電磁砲『御坂美琴』なのよ?」

上条「はいはい、まぁがんばれよ……ってもうこんな時間かよ! あぁまた噛み付かれ……不幸だっ!」シュタッ

御坂「あっ…………相変わらず慌ただしいわね」

御坂「…………」

御坂「黒子……」

824: 2010/08/10(火) 01:48:16.19 ID:ISHQ5CIo
―――― 私、認めるよ

私はあいつ……上条当麻のことが好き

あいつと、幸せになりたい

それでもね、黒子

だからって、私はあんたと疎遠になったりただの他人になったりするつもりもないわ

私は、常盤台の超電磁砲

学園都市二百三十万人の頂点

その名にかけて……自分の望むモノはすべて、自分の手でつかみ取ってみせる! ――――



つづくっ

825: 2010/08/10(火) 01:51:10.57 ID:ISHQ5CIo
う゛ぁー
回想の中に回想入れるとか……読みにくいったらありゃしないね
それと、この話書いてて改めて思ったんだけど、台本形式の地なし文って思ってる以上に難しい
まだ戦闘とか少ないからマシだけど、描写ないと書きにくい場面はあるねぇ

次回こそ、次回こそ最終回です!
……多分

584: 2010/08/31(火) 23:35:28.39 ID:8vKsCVMo
~ とある公園 ~

心理「なーに、御坂美琴。こんなところに呼び出して」

御坂「単刀直入に言うわ。黒子を元の人格に戻して」

心理「…………あらあら、彼女の想いや気遣いを不意にするってこと?」

御坂「そうじゃない」

心理「あらあら、じゃあどういうことかしら?」

御坂「私がどんな男に惚れてるとか、どんな色恋沙汰を抱えてるとかなんて関係ない」

心理「…………」

御坂「黒子は私の大切な後輩で、何者にも代え難い相棒(パートナー)、たったそれだけのことよ」

心理「…………」

御坂「あの子には、あの子らしく……白井黒子らしく、ありのままで生きていてもらいたいの」

心理「……へぇ」

御坂「だから、お願い……あの子を元に戻して」

心理「…………」

御坂「…………?」

心理「うふふ、あはははっ、あははははははははっ!」

御坂「っ!?」

585: 2010/08/31(火) 23:36:46.15 ID:8vKsCVMo
心理「あははははっ!!」

御坂「なにがおかしいの!」

心理「いや、ねぇ? あなたって……ほんっっっっっとうにめんどくさい女」

御坂「…………」

心理「あーぁ、あらあら。このまま何事もなければ、常盤台のエース・超電磁砲は心の支えを徐々に失っていき、この常盤台は完全に心理掌握のものとなる……ってシナリオだったんだけど」

御坂「……どういうことよ」

心理「あらあら、もう気づいてるんじゃないの? 白井黒子が自ら望んであの人格を手に入れたなんてのは――――お・お・う・そ♪」

御坂「!!」

心理「あなたもご存じの通りだけど、私の序列が下である以上、あなたを直接洗脳することができないわ。私の能力で能力者に干渉する場合、その人間の『自分だけの現実(パーソナルリアリティー)』を浸食する必要があるわけだし、超能力者(レベル5)を自分の操り人形とするのは難しい……」

御坂「…………」

心理「でもね、あなたの心にある二つの大きな心の支えの存在を見抜くくらいのことは、この私にはたやすいこと」

御坂「その二つってのが上条当麻、そして……白井黒子、ってわけね」

心理「あらあら、わかってきたみたいじゃない。そうして私は彼女の心を侵し……まぁ、突然あなたから完全に切り離したりしたら不審がられるから、徐々にあなたから離れていくよう彼女の頭を操作した、ってわけ」

御坂「ふん、まぁその目論見もここで消えるわね。さっきあんた自分で言ってたけど、序列が下のあんたは私には勝てない」

心理「…………」

御坂「私は、絶対に能力で人間を頃しはしない。ただ、あんたを徹底的に痛めつけて再起不能にするくらいの覚悟は持ってきてるわよ。さぁ、どうする?」バチバチ

心理「……あらあら、怖い怖い♪」

御坂「(なんなの、この余裕……)わかったら、とっとと黒子を元に――――」

心理「いやぁん、こわぁい。助けて――――『私の』黒子ちゃーん」ニヤリ

御坂「なっ……」


     シュン

586: 2010/08/31(火) 23:37:32.87 ID:8vKsCVMo
白井「お呼びですか? ――『お姉さま』」

御坂「くろ……こ」

心理「この女が私のことを痛めつけるんですって。なんとかしてくれる?」

御坂「黒子、聞いて! あんたはこいつの能力で人格が――」

白井「――お姉さまを傷つける輩は、排除いたしますわ」シュン

御坂「え――――かはっ!?」バシッ ドカッ

白井「…………」シュン

御坂「黒子、やめ……がっ?! ぐう……」ゲシッ 

心理「あらあら、無様ねぇ。今まで自分の心を支えてくれていた後輩に殴られ、蹴られる気分はどう?」ニヤニヤ

御坂「くっ……(このままじゃ……風紀委員で訓練されている黒子に、肉弾戦では勝ち目がない……やはり、心理掌握を電撃で……!)」ハァハァ

心理「あらあら、あなたの考えてることはわかるわ、御坂美琴。私が倒れれば能力が解ける、確かにそのとおりよ」

御坂「っ!」ハァハァ

心理「でもね……あなたの電撃が私にヒットするのと、私が彼女の心を『崩壊』させるの、どっちが早いかしらねぇ?」

御坂「あんた……っ!」ギリッ

心理「彼女への侵食は最終段階まで達しているわ。後は、私がちょこっと能力を行使するだけで彼女の精神は崩壊し……廃人になるか、気が狂って自頃しちゃうか……あらあら、おっかしー」

御坂「ぐっ……(黒子、ごめん……私、あんたを救えない……私の力じゃ、本当のあんたを取り戻すことができない!)」ハァハァ

心理「ってわけで、『超電磁砲』御坂美琴はおとなしく自分の後輩にボコボコにされたあげく、常盤台エースの座を心理掌握に明け渡すのでした……素敵な物語ね」

白井「……」

587: 2010/08/31(火) 23:38:47.64 ID:8vKsCVMo
心理「さぁ私のかわいい黒子ちゃん、その女をもっと痛めつけてやりなさい」

白井「はい――お姉さま」シュン

御坂「はぁ、はぁ、くろ、こ……や、め」

白井「…………」グググッ

心理「……どうしたの? さぁ、もっと殴って、蹴って、傷つけて、壊しちゃいなさい!」

白井「……、お、おねえ、さ……ま、、」グググ

心理「な、なにをやっているの? 早くその女を殴りなさいよ!」

白井「ね、ぇ、、さま……」グググ

御坂「くろこ……?」

白井「お、ねえさ、ま……申し訳……すみませn、ん……ごめんなさ、い……」ポロポロ

御坂「黒子、泣いて……」

心理「何を、やっているの……? 私は、あなたに涙を流していいなんて、言ってないわよ?」

白井「おねえ、さ、ま、、、くろこは、ごめんn、な、さ、い……」ポロポロ

心理「やれって……やれって言ってんのよおおおおお!」キイイィィン

白井「あ、あぁあああ、っああ! おね、えs」グググ



      ―――― あんたに、こいつらの絆を完全に切ることなんてできねぇよ

588: 2010/08/31(火) 23:39:34.64 ID:8vKsCVMo
心理「誰?!」

上条「同じ中学校ならわかってんじゃねえの? こいつらが、誰よりも深く心でつながってるってことにな」

御坂「あ、あんた……なんで……」

上条「ある男と約束してんだ。お前も、お前の周りの世界も、全部俺が必ず守るってな」

心理「……あらあら、どんなに深い想いがあろうと所詮彼女は大能力者(レベル4)、私の力に抗えるはずが……」

上条「簡単なことじゃねえか。白井の御坂への想いが、レベル5級だったってことだよ」

心理「はっ、ははは! そんな馬鹿なことが、あるわけない!」

上条「…………」

心理「あるはず、ないのよ! 黒子、この男を倒して!」キイイィィン

白井「あ、あぁああっ! ああああ!」シュン

上条「白井、お前の幻想はここでおしまいだ」スッ



         パリィン



白井「…………っ!」バタッ

上条「よっ、と。ありゃりゃ、寝ちまったな」サッ

心理「なんで……なんでよ……そんなはず、ない、のに……」

589: 2010/08/31(火) 23:41:37.05 ID:8vKsCVMo
御坂「……心理、掌握」

心理「はぁ……あらあら、あなたたちって、ほんとおもしろいわ」

御坂「…………」

心理「おもしろくて……うらやましい」

御坂「え……」

心理「おかしいでしょ? ホントは、エースの座なんてどうでもよかった、ただ単にあなたたちがうらやましかったの」

御坂「私たちが、うらやましい?」

心理「同じ超能力者でも、私と違ってあなたには心から通じ合える人間がいる。親友、仲間と呼べる人間がいる。それが、どうしようもなくうらやましかったわ」

御坂「…………」

上条「あー、その、なんだ。細かい事情はわかんねえけどよ」

心理「?」

上条「あんたも、人と真正面から向き合ってみろよ。人の心ってさ、弱いしわかりにくいし、時には間違った方向に向かっちまうし」

心理「……」

上条「だからこそ、変な小細工なしに真正面からぶつかるしかないんだ」

心理「真正面から、向き合う……うふふ」フッ

御坂「?」

心理「心を司る超能力者であるこの私に向かって、心について説教するなんて…………あーぁ、『彼女』の心が惹かれるのも無理ないってわけね」

御坂「なっ、ちょっ……!」カアァ

上条「?」

心理「じゃあね、御坂美琴。本当に『愛しの彼』と仲良くね♪」ニヤッ

上条「? なんだ、あいつ? なぁ、御坂」

御坂「うっさい!」ビリビリ

上条「ぎゃあなぜに?!」

590: 2010/08/31(火) 23:42:43.90 ID:8vKsCVMo
~ 寮の部屋、就寝時間 ~

白井「それでは、電気消しますわね」

御坂「あ、うん」

パチッ

白井「……」ゴソゴソ

御坂「…………」

白井「あの、お姉さま」

御坂「ん?」

白井「今日は、いろいろと申し訳ありませんでしたの」

御坂「なーに言ってんのよ、バカ。大切な後輩を助けるのは当然でしょ?」

白井「ですが、あろうことかお姉さまに牙を向けるなんて、わたくし……」

御坂「だぁーっ、辛気臭いわね! いい運動になったわよ、うん」

白井「……お姉さま」

御坂「あーぁ、それにしてもまーたあのウニ頭にひとつ借りができちゃったわねちくしょー」

白井「お姉さまは、やはりあの殿方のことが……」

御坂「や、ちが、そんなんじゃなくて――――はぁ、もう隠してもしょうがないわよね」

白井「……」

御坂「そうよ、私はあのバカのことが好きなの。私の命や、心を救ってくれたあいつのことがね」

白井「……」

591: 2010/08/31(火) 23:43:58.84 ID:8vKsCVMo
御坂「(心理掌握が言ってたことも、あながちうそじゃないみたいね)でもね、黒子」

白井「え?」

御坂「えっと、まぁ、その……変な意味ではないんだけどね……あんたのことも好きよ、黒子」カアァ

白井「えっ……おねえ、さま?」

御坂「だから、あんたは余計なこと考えなくてもいいの! いい?!」カアァ

白井「お姉さまが、わたくしに、好き……」ブツブツ

御坂「……黒子?」

白井「お姉さま、黒子、好き。お姉さま、黒子、愛してる……」ブツブツ

御坂「もしもーし、黒子サーン」

白井「お姉さま……お姉さまあああああああああああああああ!!」ガバッ

御坂「ちょっ、くろ……いゃあああ!」

白井「お姉さま、お姉さま、お姉さまあああ!」ハァハァ

御坂「ちょ、やめっ、変な意味じゃないって言ってんでしょうがああ!」

白井「ふー、ふー、……やはりあの類人猿にお姉さまは渡しませんわ……黒子、一生お姉さまと愛をはぐくんでいく所存であります!」

御坂「でええええい、やめれ!」ビリビリ

白井「あ゛ああ゛あぁぁぁあああ! お姉さまああぁああ!!」ビリビリ

御坂「やっぱあんたはもう少しおとなしくしてなさああああああい!」ビリビリ

白井黒コゲ「あああぁぁあああああはああぁぁん!!」ビリビリ

寮監「静かにせんかあああああああぁぁぁ!」バタン





             おしまい

592: 2010/08/31(火) 23:46:30.27 ID:8xKd5/Ao
乙!

引用: ▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-13冊目-【超電磁砲】