1: 2012/03/25(日) 14:55:24.88 ID:AEqxZp700
ここはドの付く田舎の小学校。
全校生徒が12人しかいない小さな学校だ。
見事に1学年2人ずつに分かれていて、教員は俺を含めて3人いる。

P「おはようございます」

とりあえず教員の紹介からしていこう

小鳥「おはようございます、P先生」

事務全般の音無先生、ありとあらゆる雑務をこなし、音楽の授業を担当している。
授業の人手が足りない時(ほぼ全部のコマ)はアシスタントとしても活躍する。

律子「おはようございます、先生殿」

おかしな呼び方の彼女は律子先生、俺と同じく全コマ働く教員だ。
主に高学年を担当するが、授業内容によってまちまちだ。

6: 2012/03/25(日) 15:00:57.05 ID:AEqxZp700
律子「浮かない顔ですね」

P「一時間目から体育っていうのはな…」

小鳥「毎日なんですから、慣れてくださいよ」

P「はは…ってもうこんな時間か
 教室行ってきます」

~~
ガラッ

P「おはよう、皆
 号令係、号令を頼む」

はるか「きりーつ、きょうつけー、れー!」

天海春香、5年生と年相応にしっかりしている子だ。
でもウッカリが多いから油断ならない。

一同「おはようございまーす」

P「うん、おはよう
 朝の連絡は特になし、体操服忘れた子はいないな?
 じゃあ、着替えて校庭に集合」

一同「はーい」

7: 2012/03/25(日) 15:08:00.52 ID:AEqxZp700
小鳥「いってらっしゃーい♪」

P「ったく音無先生は体育だけは出ないんだら」

律子「まあまあ、いずれ腹が出てきたら慌てて参加し始めますよ」

P「今度から音無先生に渡すコーヒーは砂糖多めにしようかな」

律子「こらこら」

体育の授業、ハンデをつけて競技をさせるのも酷なので、ぶっちゃけた話は自由時間だ。
まあ、皆を紹介する良い機会だろう。

P「千早、何してるんだ?」

ちはや「かくれんぼです、ジャンケンにまけてしまいました」

如月千早、1年生とは思えない落ち着いた言動。
同じ一年生の我那覇響とは対極的な子だ。

P「かくれんぼか、誰とやってるんだ?」

ちはや「がなはさんと、あみさんと、まみさんです」

P「よし、俺も一緒に探してやろう」

ちはや「ありがとうございます、ですがそれはズルです」

可愛気はない。

8: 2012/03/25(日) 15:13:50.09 ID:AEqxZp700
とはいえ、目の届かない所にいられると教師としては不安である。
一応探すか。

いおり「ちょっと」

P「伊織か、どうした?」

水瀬伊織、どうしてこんな片田舎にいるのかはわからないが大金持ちの娘らしい。
4年生の割りにヤンチャな様子はないのだが…少しばかり生意気だ。

いおり「なわとび教えなさいよ」

P「やよいに教えてもらったらどうなんだ」

いおり「ダメよ、ぴょーんってとんでグルーってすればいいよとか、参考にならないわ」

P「まあ、らしいっちゃらしいけど…
 律子先生にでも教えてもらったらどうだ
 俺はちょっとばかし忙しい」

いおり「…じゃあ、まってる」

まあ、これも魅力の一つか。

9: 2012/03/25(日) 15:20:27.01 ID:AEqxZp700
P(つってもそんな隠れる場所なんて限られてるよな…遊具倉庫か?)

ガラ…どしゃー

P「うわっぷ、ケホッ、なんだこれ…石灰?」

まみ「あれー、にーちゃんじゃん」

あみ「ちぇー、せっかく追跡者対策したのに」

双海真美・亜美 2年生とは思えないほど悪知恵の働くガキだ。
しょうもないイタズラばかりする。

P「お前らなあ、隠れるのはいいけど
 こういうのはやめろよ、俺はまだいいけど髪長い子とか洗うの大変だろ」

まみ・あみ「はーい!」

P「返事だけはいっつもいいんだけどなぁ…」

ちはや「みつけました」

まみ「うぇ!?」

あみ「にーちゃんのせいで見つかっちゃったじゃん!」

P「自業自得!石灰片付けとけよ!」

叱り甲斐があるほうが、教師としては嬉しかったりもする。

10: 2012/03/25(日) 15:26:47.70 ID:AEqxZp700
P「あとは響か…あいつ校舎から出てたりしそうで怖いな…」

ひびき「せんせー!」

あみ「あっ、ひびきん!」

P「え?…うわ、お前なんて所にいるんだ!」

ひびき「うわーん!おりれないぞー!」

まみ「ありゃ見つからないわけだ」

遊具倉庫の屋根にへたり込んでるのは一年生の我那覇響
行動力もあって、ヤンチャで…泣き虫だ。

P「今行くから動くなよー」

ガタン トントントントン

P「ほら、おいで」

ひびき「うぅ…」

P「俺に掴まってりゃ落ちないよ」

ひびき「うるうる」

P「怖いんだから下見るな、すぐ終わる」

子供はよくわからん事をする、降りれないなら上らなければいいのに。

12: 2012/03/25(日) 15:31:15.11 ID:AEqxZp700
P「もうあんな所のぼるなよ」

ひびき「はい…」

P「よしっ!遊んで来い!」

まみ「じゃあつぎ鬼ごっこねー!」

あみ「ちーちゃんが鬼ねー!」

ちはや「ま、またわたしですか」

ひびき「にげろー!」

P(回復早いなぁ…)

まこと「先生あぶなーい!」

P「え?」

ガターン!

P「いたたた…大丈夫か、雪歩」

ゆきほ「ごめんなさいぃ…」

P「竹馬の練習か」

萩原雪歩、3年生にしちゃ泣き虫な子だ。
…まあ、元気な真と良いコンビかも。

14: 2012/03/25(日) 15:36:43.70 ID:AEqxZp700
まこと「二人ともだいじょうぶ?」

ゆきほ「うん…」

P「どれ、貸してみろ」

まこと「先生、できるんですか?」

P「昔は、1mくらいまでならいけたんだけどな…よっと」

ゆきほ「す、すごいです!」

P「お、お、お?うわっ」

まこと「なーんだ、ダメダメじゃないですか」

P「む、昔は出来たんだぞ?」

まこと「今できなきゃダメダメですよー♪
    いこ?ゆきほ」

P「ぐぬぬ、振られてしまった」

16: 2012/03/25(日) 15:43:25.03 ID:AEqxZp700
P「竹馬は昔出来たんだけどなぁ…あれは、あずさと貴音か」

あずさ「あらぁ、先生服が汚れてますよ?」

P「ああ、さっき転んじゃってな」

貴音「存じています、ここから良く見えました」

P「ぐ、見られてたか…」

三浦あずさと四条貴音は6年生。
最高学年…なんだけど、二人ともどこか抜けてて頼りない。

あずさ「先生もやってみます?一輪車」

P「いや、一輪車はやった事ないからなぁ」

貴音「先ほどの雪辱を一輪車で晴らすのです」

P「む?そうだな!ここは一発チャレンジだ!
 …え?これどうやって乗るの?」

あずさ「こうですよぉ」ヒョイ

P「そんな軽々と…
 やっぱり女の子は上手だな…よっ!」
ズル!ズテン!

P「ぐおー!頭からいった!」

19: 2012/03/25(日) 15:48:21.71 ID:AEqxZp700
貴音「貴方様は下手ですね、ふふ」

P「なんだか二人に弄ばれた気がするぞ…」

いおり「ちょっと!遊んでるひまがあるならさっさときなさいよね!」

P「…あ、悪い悪いすっかり忘れてた」

いおり「もう、しんじらんない!ほんとうにセンセーなの?」

P「先生だって忘れる事はあるさ
 何が出来ないんだ?」

いおり「にじゅうとび!」

P「…やよいに教えてもらってくれ」

いおり「えぇー!?それが出来ないからセンセーに聞いてるんじゃない!」

P「…いや、あのな?」

いおり「なによ」

P「俺も二重跳び出来ない」

いおり「やくたたずのぽんこつ!」

P「よしよし」

いおり「なんでなでるのよ!」

20: 2012/03/25(日) 15:54:56.75 ID:AEqxZp700
やよい「いおりちゃん何してるのー?」

はるか「なでなでしてもらってるー!いいなー!」

P「これはお詫びの印だ、先生の手のひらは安くないぞ」

やよい「50えんくらいですか?」

P「真面目な顔で言われると少しへこむな…」

やよい「はわわっ、じゃあ100えんです!」

P「もういいよ、やよい…君の心遣いだけは伝わった」

やよい「うぅ?」

はるか「なんでなでてるのー?」

P「いや、縄跳び教える約束したんだけどね
 俺も二重跳び出来ないんだ」

やよい「ぴょーん!って跳んでグルーってすればいいんですよ!」

いおり「ほら…」

P「ま、まあいずれ出来るさ!
 もうチャイムなるぞ!」

はるか「せんせー逃げたー!」

22: 2012/03/25(日) 16:01:01.82 ID:AEqxZp700
P「お前らちゃんと遊具片付けたなー?
 …律子先生?」

律子「いや、美希寝ちゃって…」

みき「むにゃむにゃ」

P「4年生にもなって仕方ない奴だ
 まあ、教室まで負ぶってってやったらどうです」

律子「人事だと思ってぇ…」

P「だって美希、律子の背中にジャストフィットしてるよ」

律子「それ褒めてるんですか?」

P「律子母さん頑張れ」

律子「もう!そんな年じゃないですって!」

P「亜美ー!真美ー!お前ら石灰片付けてねーだろー!」

\ギャー!/


23: 2012/03/25(日) 16:07:07.57 ID:AEqxZp700
P「はい、算数の授業始めるぞー美希はいい加減起きろ」

みき「あふぅ」

P「真美と亜美、昨日やった事を思い出してドリルの14ページから解いてみろ
 わからない事があったらまず俺に聞いてくれ
 響と千早は…」

ちはや「ゆびおって数えるの」

ひびき「でも5本しかないぞ」

ちはや「りょうて使えばいいでしょ?」

ひびき「ちーちゃんいいー!」

P「…問題なさそうだな」

まみ「わかんなーい!」

あみ「あみもー!」

P「はいはい、とりあえず教科書開け
  練習問題昨日やったろ」

まみ「そんな気も」

あみ「しないでもない」

P「痴呆症かよ」

24: 2012/03/25(日) 16:13:39.18 ID:AEqxZp700
小鳥「ほらー、暗算で済ませようとするからよ?」

いおり「だってできるとおもっただもん!」

小鳥「はいはい、もう一回筆算してみようか」

みき「ねーねー、ことりー」

小鳥「ん?」

みき「みきねー、このぶんしょー問題変だとおもうな
  みきだったらりんご全部食べちゃうの」

小鳥「うーん、お腹一杯だったんじゃないかな」

みき「変なのー」

小鳥「雪歩ちゃんたちは出来たかな?」

真「ぜーんぶ出来ました!」

雪歩「えへへっ、二人で教え合いっこしました」

小鳥「二人は勉強も大好きねー
   先生と答え合わせしよっか」

二人「はーい!」

26: 2012/03/25(日) 16:23:08.83 ID:AEqxZp700
律子「右にいくにつれてどうなってるかわかる?」

はるか「ふえてるっ!」

律子「そう、どう増えてるかな」

やよい「えっと、2と7だから34567…5こ増えてます!

律子「よく出来ました、それじゃあ次は少し難しくなるよ?
    次のページの奴はどうなってるかな?」

やよい「はわわっ、数字が沢山です」

はるか「う~ん…1234…あれ?増えてる数が違う?」

律子「うん、増えてる数を書いていってみようか」

貴音「律子先生は随分と忙しそうです…あずさ、先ほどの問題はわたくしと一緒に考えましょう」

あずさ「あらあら、助かるわぁ」

貴音「…ですが、私もわかりません」

あずさ「あらぁ、困ったわねぇ
    …そうだ、ノートを切って同じ図形を作ってしまいましょう?」

貴音「なんと、それは思いもつきませんでした」

あずさ「うふふ、ズルっこですけどね♪」

27: 2012/03/25(日) 16:30:44.53 ID:AEqxZp700
~~
キーンコーンカーンコーン

P「終わりー!号令!」

はるか「きりーつ、きょーつけ、れい!」

一同「ありがとうございました」

小鳥「あー、終わった終わった」

P「うー、体育の後は堪えますね」

小鳥「でも、こうして皆と接していられるのは嬉しいですね」

P「じゃあ体育にも是非参加してくださいよ」

小鳥「はは…それは、まあ、気が向いたら」

P「次は国語でしたっけ」

小鳥「そのはずです
  教科書もって来ますね、律子先生とP先生の分も持ってきますよ」

P「律子は…ああ、まだお勉強中か」

みき「はにー!はにぃも一緒にお絵かきしよー!」

P「お前ら黒板ちゃんと綺麗に消せよー」

29: 2012/03/25(日) 16:39:43.71 ID:AEqxZp700
~~
P「よし、国語の授業始めるぞ」

律子「国語が一番しんどいですよね…」

P「ああ、一度に2つ以上の話を教えないといけないからな…」

小鳥「さ、皆教科書開いてー」

まみ「にーちゃんにーちゃん!ガマ吉はどうなるの?」

P「勝手に名前をつけるな
 お前らは勝手に読んでてくれ、少ししたら来るから」

あみ「けちー!」

P「お、二人はもう勝手に始めてるのか、偉いな」

ひびき「えへへ」

ちはや「がなはさんは字がへたです」

ひびき「へ、へたじゃないぞ!」

ちはや「せんがまがってます」

P「うーん、曲がってるなぁ」

ひびき「うぅ…」

30: 2012/03/25(日) 16:44:08.67 ID:AEqxZp700
P「千早は上手に書けてるな
  響、これくらい上手に書けたら、今日のお弁当で俺のおかずを一つあげよう」

ちはや「!?」

ひびき「ほ、ほんと!?」

P「だからちゃんとドリルのなぞる所で練習するんだぞ」

ちはや「あの、せんせい」

P「ああ、響よりもっと上手に書けたら、千早におかずをあげよう」

ちはや「がんばります」

ひびき「たまごやきある!?」

P「あるぞ、ベーコン巻きもある」

ひびき「じぶんの方がじょうずにかいちゃうもん!」

P「二人とも同じ字ばっかり練習しても駄目だからな」

31: 2012/03/25(日) 16:48:03.25 ID:AEqxZp700
~~
P「という話でした」

あみ「…?」

まみ「てがみはだれが出したの?」

P「お前ら話聞いてたか?」

あみ「えっと、カタツムリが、てがみをとどけた」

P「脇役じゃねーか」

まみ「アマガエルが、てがみがこなくて泣いてた」

P「そこだよ、亜美が泣いてたら真美はどうする?」

まみ「…うぅ」

P「想像でもらい泣きするなよ…」

あみ「あみ泣いてないよ?」

P「ほら、最初から読むぞ」

まみ「うん…」

32: 2012/03/25(日) 16:57:21.41 ID:AEqxZp700
小鳥「じゃあ、小テストやるよー」

いおり「えー!?きいてないわよ!」

まこと「ボクたちもですか?」

小鳥「はい、4人には私がわざわざテストを作ってあげましたー
   拍手ー」

シーン

みき「てすと嫌なの」

小鳥「はいつべこべ言わなーい、はい配るー」

ゆきほ「だいじょうぶだよ、昨日のかんじいっぱい練習したもん」

小鳥「そうそう、皆雪歩ちゃんを見習いなさい
   世の中嫌でも避けては通れない事はいっぱいあるのよ」

まこと「ぶー」

みき「ぶー」

小鳥「可愛い子豚ちゃんは食べちゃいますよー
   制限時間は5分!ファイトー」

34: 2012/03/25(日) 17:04:07.15 ID:AEqxZp700
~~
小鳥「あら、皆結構出来てるじゃない?」

みき「ミキなんてん!?ミキなんてん!?」

小鳥「8点、あと2問だねー」

みき「やった!」

小鳥「伊織ちゃんは6点、もうちょっと頑張りましょう」

いおり「言ってくれればもっとベンキョーしたわよ!」

小鳥「残念、私はいっつも抜き打ちです♪」

いおり「ばか!フンっ」

みき「でこちゃん6点?ぷぷぷ」

いおり「うるさいうるさい!
   次はまけないんだから!」

小鳥「ほら喧嘩しなーい、人を笑うのは満点とってからにしましょうね」

みき「あと2点くらいあっというまなの」

小鳥「次は違う漢字だから油断しちゃ駄目だよ?」

35: 2012/03/25(日) 17:07:48.98 ID:AEqxZp700
小鳥「雪歩ちゃんは10点満点!おめでとー!」

まこと「すごーい!」

ゆきほ「えへへ」

小鳥「真ちゃんは9点、おしかったねー」

まこと「うーん…」

ゆきほ「ちゃんと復習すればだいじょうぶだよ!」

小鳥「そうそう、ポジティブポジティブ!」

いおり「あんたは結婚相手みつけてからポジティブになりなさいよ!」

小鳥「こ、こらー!」


P「なんか向こう賑やかだな…」

まみ「にーちゃんつづきー!」

P「はいはい」

36: 2012/03/25(日) 17:15:03.62 ID:AEqxZp700
律子「春香、書けたの?」

はるか「はい、採点おねがいします!」

律子「はい、書き直し」

はるか「えー!?」

律子「最初の一行目は1マス空けるって言ったでしょ」

はるか「あうー、忘れちゃってました…これ全部書き直しですか?」

律子「そうです、書き直しついでに漢字間違ってないかチェックしてね」

はるか「はーい…」

律子「やよい、まだみたいだけど、途中経過を見るから作文持ってきて」

やよい「は、はいっ」

律子「うーん、漢字が違う
  ここと、ここと、ここと、ここも、あとここ」

やよい「はわわっ たくさんです…」

律子「ちゃんと漢字調べなさいって言ったでしょ?」

やよい「うぅう…」

37: 2012/03/25(日) 17:19:58.56 ID:AEqxZp700
律子「あずさ、作文持ってきて」

あずさ「はーい♪」

律子「あら、いい感じね
   ふむ、ふむ…」

あずさ「♪」

律子「なんか、不必要なくらいカタカナ英語を多用して文字数を稼いでるように見えるんだけど」

あずさ「えっ、あ、気のせいですよ~♪」

律子「書き直し」

あずさ「そんなぁ…」

律子「貴音、作文…って、これは凄いわね…」

たかね「なにか、問題があったでしょうか」

律子「いや、ないんだけど…小学生に似つかわしくない堅苦しい文章ね…」

たかね「そうでしょうか」


38: 2012/03/25(日) 17:28:57.16 ID:AEqxZp700
律子「うーん、全体的にはいいんだけど、書き直し」

たかね「な、なんと」

律子「カタカナ英語をひらがなで書くのはやめなさい」

たかね「律子先生がそう仰るなら、致し方ありません…」

律子「いけない、もうこんな時間
   もうすぐチャイムなるわよー4時間目の準備しちゃいなさーい」

あずさ「4時間目、理科の実験ですよね?」

たかね「一体、何をするのでしょうか…」

P「よーし、皆外行くぞー」

まこと「外でじっけんするのかな」

まみ「じつはジンタイジッケンだったりして!」

あみ「外につれだしたみんなを、解剖するつもりなんだね!」

みき「イヤンなの」

ひびき「えへへ、じっけんってなんだか楽しそうだね!」

ちはや「がなはさんは、りかが好きだものね」

40: 2012/03/25(日) 17:37:04.46 ID:AEqxZp700
P「とうちゃーく、あずさはちゃんといるか?」

たかね「大丈夫です、わたくしがきちんと見張っておりました」

ゆきほ「せ、せんせい?こんな田んぼで何をするんですか?」

P「メダカを捕まえる」


一同「…え?」

P「メダカを捕まえる」

律子「えーっとね?
   メダカのちょっと面白い習性を教えるから
   そのためにまずはメダカを捕まえて欲しいの」

P「あんまり沢山捕まえなくていいぞ、20匹もいれば十分だ」

ひびき「しゅーせーってなに?」

律子「え?習性っていうのは…うーんと」

ちはや「どうぶつがするとくちょうてきな行動のことよ、がなはさん」

P「律子、一歩遅れたり、だな」

律子「もう、真美達がどっか行っちゃわないようにちゃんと見てて下さい」

41: 2012/03/25(日) 17:43:30.17 ID:AEqxZp700
まみ「ねー!おひめちん!」

たかね「はい、なんでしょう」

あみ「じゃーん!」<ゲコゲコ

たかね「」

P「た、貴音!?大丈夫か!」

たかね「」

P「おい!お前ら貴音をトリップさせて遊ぶな!」

律子「危ないから落ちないでね」

みき「りつこー!つかまえたー!」

律子「こーら、律子先生でしょ!」

みき「ミキね、ミキね、こんなに捕まえたの!」

ひびき「ザリガニー!」

ちはや「はさまれたら、いたそうね」

まこと「よーし、ボクもひびきより大きなザリガニつかまえよう!」

ゆきほ「お、おちないでね?」

43: 2012/03/25(日) 17:51:35.67 ID:AEqxZp700
~~
律子「ったく、学校に帰ったら体操服に着替えるのよ?」

まこと「はーい…」←落ちた

律子「先生殿?もう時間が…」

P「いかん、すっかり童心に帰ってザリガニ釣りに熱中してしまった
 もう昼休みの時間か」

はるか「せんせー!わたしもこんなに捕まえました!」

いおり「やよい、なにしてるの?」

やよい「すいそうに手を入れてるとね、メダカさんがたまに手にぶつかってくすぐったいんだよ!」

いおり「くすぐったいのに、入れてるの?」

やよい「えへへーっ、メダカさん可愛いね!」

いおり「う、うん」

P「皆、捕まえたメダカをこの大きなバケツに入れてくれ
 そーっとな…響!ザリガニは持ってこなくていい!」

ひびき「なかまはずれはかわいそうだぞ?」

P「いやブラッドバスならぬブラッドバケツに…
  なんでもない、とにかくザリガニは逃がしてくれ」

44: 2012/03/25(日) 18:01:13.85 ID:AEqxZp700
P「よし、じゃあ皆バケツを見てくれ」

一同「じー」

P「メダカがウロウロしてるな」

みき「かわいいの!」

P「このバケツの水をゆっくりかき混ぜると…」

やよい「はわわっ 皆同じ方向に泳ぎ始めました!」

P「そう、メダカは流れに向かって反対方向に泳ぐ習性がある」

ゆきほ「なんだか、かっこいいです!」

まみ「"俺は流されないタイプなんだ…"ってかんじ!」

P「面白いだろ?」

いおり「なんだかフシギね、なんでわざわざくろうするのかしら」

あずさ「疲れちゃわないんですかね~」

P「まあ、メダカは流れが急な所には棲んでないからな
 だからいつも同じ場所に暮らしてるんだ
 雨が降ったりして流れが出来ても、住処から離れないための習性らしい」

ひびき「まいごにならないためってことだな!」

45: 2012/03/25(日) 18:07:38.33 ID:AEqxZp700
P「そうだ、理科の実験はこれにて終了!
 10匹くらいつれて帰るか」

一同「さんせー!」

~~
P「遅くなったから5時間目はナシ、弁当の時間だ
 各自食事を取るように、ちゃんと手を洗えよ?
 二人はこっちに来てくれ」

ひびき・ちはや「…」

P「よし、二人のドリルを拝見させてもらった
 結論を言うと…二人とも上手だ、おかずは二人とも食べていい」

ひびき「やったー!」

ちはや「ふたりにあげたら、せんせいのおべんとうがすくなくなっちゃいます」

P「まあそこは気にするな、お前らはちびっ子なんだから、沢山食べた方がいいだろ」

ひびき「じゃあ!せんせーもいっしょに食べよう!」

ちはや「わたしのおかずもすこしわけてあげます」

P「それじゃ、ご一緒するかな」

まこと「あー!せんせーちーちゃん達と食べてる!」

みき「ずるいー!」

46: 2012/03/25(日) 18:10:03.44 ID:AEqxZp700
P「わかったわかった!全員で食べよう」

律子「モテモテですねぇ」

P「からかうなよ、律子母さん」

律子「だ、だからそんな年じゃありませんー!」

P「はいはい、律子先生も音無先生も、ご一緒しましょう」

小鳥「じゃあ、失礼しちゃいましょう♪」

律子「これじゃお花見みたいですね」

P「いいじゃないですか、賑やかで」

49: 2012/03/25(日) 18:21:31.17 ID:AEqxZp700
~~
P「食後は眠いだろうけど、最後の授業やるぞ
  号令」

はるか「きりーつ、きょうつけー、れい!」

一同「おねがいしまーす!」

P「この授業の時は本当に元気いいな…」

律子「皆、大好きですからね」

小鳥「皆、教科書開いてー、26ページよ」

一同「はーい!」

小鳥「ふふ、皆もう歌詞覚えたかな?
   それじゃあ、先生の伴奏に合わせて元気に歌いましょー♪」


一同「庭のシャベルが 一日濡れて 雨が上がって くしゃみをひとつ♪
   雲が流れて 光が差して 見上げてみれば♪
   ららら 虹が虹が 空に架かって 君の君の 気分も晴れて♪
   きっと明日は いい天気 きっと明日は いい天気♪」

律子「皆、いい顔で歌いますね」

P「楽しそうに…」

50: 2012/03/25(日) 18:22:07.55 ID:AEqxZp700


おわり

61: 2012/03/25(日) 19:09:52.09 ID:AEqxZp700
最後の歌は「虹」幼稚園で合唱とかするらしいです

66: 2012/03/25(日) 19:40:59.22 ID:AEqxZp700
P「お前らまだいたのか、もう夕方だぞ」

たかね「スレが残っています故」

あずさ「メダカさんってどうして餌をすぐに餌ってわかるんでしょうね~」

P「匂いとか…ってあー!餌やり過ぎだよ
 水が腐っちゃうから餌は少なめにしろ」

まみ「どんくらい?」

P「ひとつまみ」

あみ「ふたみまみ?」

P「40点
 お前ら早く帰れ、親御さんが心配してるよ」

まこと「そうだね、ゆきほの家で遊ぶ約束してたし早く帰ろうか」

やよい「うっうー!私もいおりちゃんとしてましたー」

P「気をつけて帰れよー」

あずさ「ゆーやーけこやけーの♪」

まみ・あみ「あかとーんぼー♪」


P「仲良いなー」   放課後おわり

引用: P「アイドル小学校」