1: 2012/04/13(金) 19:01:23.30 ID:MaYrXHjy0
恒一「父さんも変な物を送ってきたなあ…」

恒一「使ってみようにも怜子さんは嫌がるし」

恒一「…明日学校で試してみるか」


的な感じで鳴ちゃんや小椋さん、赤沢さんを辱めて下さいお願いします
Facetoface<二人>
5: 2012/04/13(金) 19:26:44.64 ID:gu0BusRx0
【教室】

ガラッ

恒一「おはよう」

勅使河原「おっす、おはようサカ……ってなんだそれ?」

望月「なにそれ? 何の機械?」

恒一「ああこれ? うちのお父さんがインドから送ってきたんだけどさ、ウソ発見機なんだって」

勅使河原「ウソ発見機ぃ?」

恒一「試しに使ってみようと思って持ってきたんだけど」

勅使河原「へー……面白そうじゃん! 早速使ってみようぜ!」

6: 2012/04/13(金) 19:30:26.18 ID:gu0BusRx0
望月「でも誰に使うの?」

勅使河原「サカキが持ってきたんだからサカキが実験台でいいだろ!」

恒一「ええー……まあ別に構わないけど」

ガラッ

小椋「おはよう……ん? アンタ達何やってんの?」

綾野「何か変な機械いじってるね」

勅使河原「おー! 赤沢に綾野、お前らもこっちこいよ!」

小椋「なになに? なにか面白いことでもあるのー?」

赤沢「あっ、ちょっと彩……もうっ」

9: 2012/04/13(金) 19:34:30.06 ID:gu0BusRx0
小椋「ウソ発見機ねえ……」

綾野「へー面白そうだね! なるほど、これでこういっちゃんの秘密を暴いちゃおうってわけですか!」

恒一「あはは、秘密なんて大げさな」

勅使河原「まーまー、とりあえずやってみようぜ」

望月「これどうやって使うの?」

恒一「えーっと、確か頭に被って、付けた人がウソを吐くとブザーが鳴るんだって」

勅使河原「よし! それじゃ早速被って貰おうか!」

恒一「ちょっ! わ、わかったから無理矢理かぶせようとしないでよ!」

11: 2012/04/13(金) 19:38:45.81 ID:gu0BusRx0
恒一「……」

勅使河原「よーし、それじゃあ何質問する?」

望月「その前にウソ発見機が本物かどうか調べない? 簡単な質問でもしてさ」

勅使河原「それもそうだな。それじゃあサカキ、今からする質問には全て『いいえ』で答えろよ?」

恒一「うん、わかった」

勅使河原「じゃあまず小手調べで……お前の性別は男か?」

恒一「いいえ」

ブーッ!!

小椋「まあそりゃそうよね」

綾野「とりあえず本物みたいだねー」

勅使河原「おっし! それじゃ早速本番に移るぞ!」

13: 2012/04/13(金) 19:42:05.88 ID:gu0BusRx0
勅使河原「さーて……じゃあ何質問するかな?」

恒一「余り変な質問しないでよ?」

勅使河原「だーいじょぶだって! それじゃあ最初の質問! サカキは童Oか!?」

恒一「なっ!?」

望月「ぶっ!?」

綾野「えっ!?」

小椋「うわぁ……」

勅使河原「ほらほら答えろよ!」

恒一「えっ……い、いいえ」

ブーッ!!

16: 2012/04/13(金) 19:46:35.95 ID:gu0BusRx0
恒一「変な質問しないでって言ったよね!?」

勅使河原「あっはっはっは! いやー悪い悪い冗談だって!」

望月「冗談にしては性質悪すぎだよ……」

綾野「童O……」

小椋「……」

勅使河原「それにしても意外だなー、都会の中学生ならもうヤってるもんかと思ってたぜ」

恒一「そんなことある訳ないだろ……くそ、恥かいた気分だ……」

望月「ま、まあまあ中学生なら当たり前だって」

恒一(慰めが痛い……)

20: 2012/04/13(金) 19:52:01.28 ID:gu0BusRx0
恒一「と、とにかく!! 女の子もいるんだから次からそういう質問は無しだよ?」

勅使河原「ええー、つまんねーの」

恒一「おいこら勅使河原」

勅使河原「じ、冗談だって! だからその拳は収めようぜ? な?」

恒一「ったく……」

望月「えっと……それじゃあ次の質問僕がしていい?」

綾野「ど、どうぞどうぞ」

小椋「私も構わないわよ」

望月「それじゃあ……榊原くん」

恒一「うん、なに?」

望月「いま好きな人っている?」

恒一「えっ」

21: 2012/04/13(金) 19:55:44.49 ID:gu0BusRx0
恒一「え……? も、望月……?」

勅使河原「お前……まさか……」

望月「……え? なにこの空気?」

綾野「ま、まさか望月くんってこういっちゃんのこと……!!」

望月「ええ!? いや違うよ! こういうの定番の質問じゃないの!?」

小椋「いや修学旅行じゃないんだから」

勅使河原「ま、まあ……とにかくサカキ、答えてみろよ?」

恒一「う、うん……いいえ、好きな人はいないよ」

ブーッ!!

24: 2012/04/13(金) 20:00:29.03 ID:gu0BusRx0
綾野「!」ガタッ

小椋「……」

勅使河原「おっ……なるほどサカキ、お前も隅に置けねーな?」

恒一「正直望月の方がインパクト強過ぎてこっちがどうでもよくなってきた……」

望月「だから誤解だってば!!」

綾野「な、なるほど~……こういっちゃんって好きな人いるんだ」

小椋「……なにそわそわしてるのよ?」

綾野「!? ちょっ、そわそわなんてしてないってば!!」

25: 2012/04/13(金) 20:02:39.78 ID:gu0BusRx0
ガラッ

赤沢「……あら?」

恒一「あっ、赤沢さん……それに見崎?」

鳴「おはよう榊原くん」

恒一「珍しいね。二人が一緒に登校なんて」

赤沢「たまたまそこで一緒になっただけよ……それよりあなた達なにやってるの?」

勅使河原「おう、サカキの奴がウソ発見器とかいうの持ってきてさ」

赤沢「ウソ発見器?」

28: 2012/04/13(金) 20:05:58.57 ID:gu0BusRx0
勅使河原「いまサカキに使って遊んでたんだよ」

赤沢「へえ、面白そうじゃない」

恒一「僕の方はさっきから嫌なダメージ喰らってるけどね……」

赤沢「それじゃ私も質問してみていいかしら?」

綾野「ええ!? 次は私の番だよ!」

赤沢「そうなの? じゃあその次でいいわ」

綾野「よ、よーし……それじゃこういっちゃん!」

恒一「なに?」

綾野「す……す、好きな人ってこのクラスにいる人?」

恒一「……い、いいえ」

ブーッ!!

赤沢鳴「!?」

30: 2012/04/13(金) 20:08:48.13 ID:gu0BusRx0
小椋「彩あんた……」

綾野「いいいいや違うよ!? 望月くんの質問に乗っかっただけだから!」

恒一「もうそろそろ勘弁してほしいんだけど……」

赤沢「……」

鳴「……」

勅使河原(だんだん面白いことになってきたな)

望月(なんだか不穏な気配を感じてきた……)

35: 2012/04/13(金) 20:11:08.43 ID:gu0BusRx0
今さら気付いたけど>>6の最後赤沢さんじゃなくて小椋さんですごめんなさい何でもするから許してください

39: 2012/04/13(金) 20:12:49.40 ID:gu0BusRx0
赤沢「……それじゃ恒一くん、次は私の番でいいのよね?」

恒一「う、うん……できれば普通の質問にしてね?」

赤沢「善処するわ」

恒一「それってダメフラグじゃ」

赤沢「恒一くん、その好きな人っていまここにいる?」

鳴「!!」ガタッ

綾野「!!」ガタッ

恒一「…………案の定だし」

47: 2012/04/13(金) 20:16:48.77 ID:gu0BusRx0
恒一「ねえ、これって答えなきゃだめ?」

勅使河原「ここまで来たらもう、なあ?」

恒一「ええー……」

赤沢「……」(自分で質問しといて解答が怖い……)

鳴「……」

綾野「……」ドキドキドキドキドキ

小椋(この空間すごい居づらい……)

恒一「くっ……わ、わかったよ。じゃあ言うよ?」

赤沢「え、ええ……」

恒一「……いいえ」

49: 2012/04/13(金) 20:18:12.93 ID:gu0BusRx0
シーン……

赤沢「……え?」

鳴「……!?」

綾野「へっ?」

勅使河原「え……ま、マジかよ?」

望月「これは……」

小椋(あっちゃー……)

恒一「……」

61: 2012/04/13(金) 20:22:03.40 ID:gu0BusRx0
恒一「え、えーっと……」

赤沢「き……機械の故障とかじゃないの!? 恒一くん、もう一回答えて!!」

恒一「えっ……」

綾野「こういっちゃん! こ、こういっちゃんの好きな人この中にいるよね!? ね!?」

恒一「い、いいえ」

シーン…

綾野「ウソだぁあああ!!」

赤沢「ちょっと! この機械壊れてるわよ!!」

鳴「……」

小椋(これは酷い修羅場の予感)

67: 2012/04/13(金) 20:26:28.35 ID:gu0BusRx0
勅使河原「とりあえず落ち着けってお前ら! な?」

望月「そ、そうだよ! ただの機械が言ったことなんだし……」

赤沢「くっ……!」

綾野「うぅうううぅ……」

恒一「え、えっと、その……赤沢s」

赤沢「……こうなったら、調べるわよ」

恒一「え?」

赤沢「恒一くんの好きな人が誰なのか」

恒一「え、えええええええええ!?」

69: 2012/04/13(金) 20:29:22.64 ID:gu0BusRx0
赤沢「私には知る権利があると思うの」

綾野「うっ……うん! そうだよね私も賛成!」

恒一「綾野さんまで!?」

鳴「私も賛成するわ」

恒一「見崎!?」

赤沢「それじゃ今から質問をして恒一くんの好きな人を絞り出しましょう」

恒一「ちょっと! 勝手に進めないでよ!」



小椋「……どうすんのよこれ?」

勅使河原「い、いやー……まさか俺達もこんなことになるとは」

望月「ごめんね、僕が軽はずみな質問したばかりに……」

70: 2012/04/13(金) 20:32:32.32 ID:gu0BusRx0
赤沢「さて、それじゃ尋問を開始するわよ」

恒一「え、ええー……本当にするの? 僕のプライバシーは?」

鳴「もうこの際どうでもいい」

綾野「これは仕方のないことなんだよこういっちゃん……」

赤沢「ちゃんと答えてね? もし黙秘したりしたら……」

恒一「……」ブルッ

恒一(な、なんだ今の寒気……)

93: 2012/04/13(金) 20:53:36.91 ID:gu0BusRx0
赤沢「じゃあ最初の質問。その好きな人は背が高い方かしら?」

恒一「……いいえ」

ブーッ!!

綾野「……そうすると背が高い人は除外して」

鳴「好きな人は背が低い方ってことね」



望月「え? なにこれ? こんな感じにじわじわ絞るの?」

勅使河原「女ってこえーなー……」

小椋(どうせダイレクトな質問するのが怖いだけでしょあの三人……)

96: 2012/04/13(金) 20:54:50.72 ID:gu0BusRx0
綾野「背が低い人ってだれ?」

赤沢「松井や有田、それに藤巻……」

鳴「柿沼さんとかも背が低い」

恒一「……ね、ねえ、やっぱりやめよう? こんなのよくないと思うんだけど……」

赤沢「恒一くんは黙ってて」

綾野「これは仕方ないことなんだよこういっちゃん」

恒一「もうやだ……」

鳴「それじゃ次の質問、その人は髪が長い?」

恒一「……い、いいえ」

ブーッ!!

108: 2012/04/13(金) 20:58:17.02 ID:gu0BusRx0
ごめんなさい今度こそ今度こそ>>93から



赤沢「じゃあ最初の質問。その好きな人は背が低い方かしら?」

恒一「……いいえ」

ブーッ!!

綾野「……そうすると背が高い人は除外して」

鳴「好きな人は背が低い方ってことね」



望月「え? なにこれ? こんな感じにじわじわ絞るの?」

勅使河原「女ってこえーなー……」

小椋(どうせダイレクトな質問するのが怖いだけでしょあの三人……)

110: 2012/04/13(金) 20:58:51.43 ID:gu0BusRx0
綾野「背が低い人ってだれ?」

赤沢「松井や有田、それに藤巻……」

鳴「柿沼さんとかも背が低い」

恒一「……ね、ねえ、やっぱりやめよう? こんなのよくないと思うんだけど……」

赤沢「恒一くんは黙ってて」

綾野「これは仕方ないことなんだよこういっちゃん」

恒一「もうやだ……」

鳴「それじゃ次の質問、その人は髪が短い?」

恒一「……い、いいえ」

ブーッ!!


114: 2012/04/13(金) 21:00:21.14 ID:gu0BusRx0
赤沢「背が低くて髪が短い……」

綾野「もう結構絞れたんじゃないの?」

鳴「そうね」

恒一「……」



勅使河原「サカキのやつ、すげえ顔色悪いぞ……」

望月「正直感じるプレッシャーが半端ないもんね」

120: 2012/04/13(金) 21:02:39.87 ID:gu0BusRx0
赤沢「条件に当てはまるのは松井、藤巻、有田……それに中島も一応短い方かしらの三人ね」

綾野「……よし、それじゃ一人ずる聞いていこっか」

鳴「うん」

恒一「……」

赤沢「じゃあ恒一くん、あなたの好きな人は松井さん?」

恒一「……いいえ」

シーン…

123: 2012/04/13(金) 21:04:50.22 ID:gu0BusRx0
綾野「松井さんじゃない、と」

赤沢「じゃあ藤巻かしら?」

恒一「……いいえ」

シーン…

赤沢「なら中島?」

恒一「いいえ」

シーン…

126: 2012/04/13(金) 21:06:31.75 ID:gu0BusRx0
赤沢「……絞られたわね」

綾野「そっか……こういっちゃんは有田さんのこと」

恒一「……」

赤沢「……一応確認するわよ? 恒一くん、あなたの好きな人って有田よね?」

恒一「……」

赤沢「恒一くん?」

恒一「……いいえ」

シーン…

133: 2012/04/13(金) 21:09:07.22 ID:gu0BusRx0
赤沢「え?」

綾野「あれ?」

恒一「……」

赤沢「誰か取りこぼしてたかしら?」

綾野「えっと……あ! そうだ、江藤さんも背が低くて髪短かったよね?」

赤沢「あ……忘れてたわね」

鳴「それと、杉浦さんも一応恒一くんよりは背が低い」

赤沢「じゃあ多佳子も一応聞いてみましょう。あなたが好きなのは多佳子?」

恒一「いいえ」

シーン…

138: 2012/04/13(金) 21:10:16.48 ID:gu0BusRx0
綾野「それじゃ今度こそ……」

赤沢「そうね。恒一くんが好きなのは江藤さんよね?」

恒一「……いいえ」

シーン…

赤沢「……ん?」

綾野「あれ?」

鳴「……?」

147: 2012/04/13(金) 21:13:05.73 ID:gu0BusRx0
赤沢「どういうこと?」

綾野「え、えーっと……他に誰かいたっけ?」

赤沢「いいえ、これで思い当たる人は全員聞いたはずよ」

鳴「……」

綾野「ええー? でも他にはもう……」

小椋「……ねえ」

赤沢「? なによ由美」

小椋「もしかして、そのウソ発見器壊れてたんじゃないの?」

150: 2012/04/13(金) 21:16:07.89 ID:gu0BusRx0
赤沢「壊れてた?」

小椋「だって一通り聞いて全員違ったんでしょ? ならきっと壊れてるんよ、その機械」

綾野「ええー……?」

勅使河原「ま、まあそう考えると妥当かもな!」

望月「そっそもそもただの機械だしさ! 不具合だってあるよ、うん!」

綾野「うーん……そうなの?」

小椋「そうでなきゃ矛盾なんてでないでしょ」

赤沢「それもそうだけど……」

鳴「……」

153: 2012/04/13(金) 21:18:13.90 ID:gu0BusRx0
小椋「だからもしかしたら、最初の好きな人がこの中にいるかって質問の時点で壊れてたのかもね」

綾野「!」

赤沢「!」

小椋「わかった? だからもう終わりにしときなさい、そろそろ人もくる時間だし」

赤沢「……そうね」

綾野「そ、そうだね!」

小椋「それじゃさっさと片して……」

鳴「……その前に、最後に一つだけ質問いい?」

小椋「えっ?」

155: 2012/04/13(金) 21:19:25.69 ID:gu0BusRx0
赤沢「なによ? 最後に一つだけって」

鳴「……榊原くん」

恒一「……なに? 見崎」

鳴「その好きな人って……」

恒一「……」

鳴「好きな人って……生きてる人?」

赤沢「!?」

綾野「!?」

小椋「……チッ」

162: 2012/04/13(金) 21:23:46.68 ID:gu0BusRx0
赤沢「えっ……ち、ちょっと」

綾野「み、見崎さん? それって……」

鳴「答えて」

恒一「……」

勅使河原「おっ……おいおい見崎、冗談きついって!」

望月「そうだよ! 榊原くん、こんなの答える必要ないよ!」

小椋「……」

鳴「……榊原くん?」

恒一「……いいえ」

164: 2012/04/13(金) 21:25:46.68 ID:gu0BusRx0
シーン…

赤沢「……!!」

綾野「な、鳴らない……」

勅使河原「さ、サカキ……もしかしてお前」

鳴「……やっぱり、榊原くん」

恒一「……」

鳴「榊原くんの好きな人って、桜木さんだよね?」

恒一「……いいえ」


ブーッ!!

172: 2012/04/13(金) 21:27:31.66 ID:gu0BusRx0
恒一「……」

鳴「……」

赤沢「……」

綾野「……」

勅使河原「……」

望月「……」

小椋「……ったく、だから言ったのに」ボソッ

188: 2012/04/13(金) 21:30:51.80 ID:gu0BusRx0
勅使河原「……な、なあサカキ……それってマジで?」

恒一「……マジって、どういう意味?」

勅使河原「ほ、本当に……桜木のことが好きだったのか?」

恒一「……いいえ」

ブーッ!!

勅使河原「っ……!!」

小椋「……やっぱりね」

赤沢「由美……あんた、もしかして途中から気づいてた?」

小椋「気付いてたわよ……だから途中で止めようとしたじゃない」

綾野「……壊れてるかもって言ったの、そういうことだったんだ」

191: 2012/04/13(金) 21:34:20.94 ID:gu0BusRx0
恒一「……」

赤沢「……」

綾野「……」

鳴「……」

勅使河原(やべえ……すごい空気が重い)

望月「(ねえ、どうするのこれ……)」ヒソヒソ

小椋「(知らないわよ……と言うか、一番辛いのは榊原くんでしょうに)」ヒソヒソ

193: 2012/04/13(金) 21:36:28.78 ID:gu0BusRx0
恒一「……え、えっと……ごめんね、なんか」

赤沢「えっ?」

恒一「僕のせいでこんな空気になっちゃって……」

綾野「なっ……ち、違うよこういっちゃん! 元はと言えば私たちが……」

赤沢「そうよ、恒一くんは悪くないわ」

恒一「……でも、さ」

赤沢「でも?」

恒一「でも、気持ち悪いでしょ? 氏んだ人のことが未だに好きなんて」

赤沢「!?」

202: 2012/04/13(金) 21:40:05.56 ID:gu0BusRx0
赤沢「それは……」

恒一「……一目惚れ、だったのかな。初めて病院で会ったときに可愛い子だなって思ったんだ」

恒一「その後学校で何度か話してからは、無性に彼女のことが気になって」

恒一「雨の日に桜木さんに一緒に帰らないかって訊かれた時も、恥ずかしかったけど……内心すごく嬉しかった」

勅使河原「サカキ……」

綾野「こ、こういっちゃん……」

恒一「……それが、四月のあの日にあんなことになるなんて、その時は全然思いもしなかったよ」

小椋「……」

望月「……」

鳴「……」

207: 2012/04/13(金) 21:44:42.67 ID:gu0BusRx0
恒一「……しかも、しかもだよ?」

勅使河原「……サカキ?」

恒一「その桜木さんの最後の姿を僕が見たって知ってるよね?」

恒一「傘の先が喉に突き刺さってさ、血がドクドクと溢れ出して」

恒一「階段の踊り場がどんどん赤く染まって行って……まるで赤い絵の具をぶちまけたみたいにさ」

恒一「桜木さんの手足がびくびくと痙攣して、苦しそうなうめき声が聞こえて――」

勅使河原「……! サカキ!?」

恒一「しかも!!」バンッ

勅使河原「っ!?」ビクッ

赤沢「!!」ビクッ

恒一「その桜木さんを頃したのは、殆ど僕みたいなものだった!!」

215: 2012/04/13(金) 21:49:30.48 ID:gu0BusRx0
綾野「え、えっ……?」

恒一「僕があの時廊下に出て……見崎に話しかけたりなんてしていなければ」

赤沢「……恒一くん」

恒一「あんなことしていなければ……桜木さんは」

赤沢「恒一くんっ!!」ガシッ

恒一「氏ななかったんだ! 僕が夜見北に来なければ、彼女は……!!」

赤沢「違うわ恒一くん! ゆかりが氏んだのはあなたのせいじゃない!」

恒一「っ……!!」

赤沢「私も……私も悪いのよ。ちゃんとあなたにいない者のことを伝えられなかった私のせい」

恒一「……違う、赤沢さんは……」

219: 2012/04/13(金) 21:51:49.27 ID:gu0BusRx0
鳴「……そうよ、赤沢さんは悪くないわ」

恒一「……? 見崎?」

鳴「悪いのは、私」

赤沢「はあっ!?」

恒一「見崎……?」

鳴「あの時私がちゃんといない者の役割をまっとうしていれば、こんなことにはならなかったもの」

恒一「……違うよ、見崎は」

鳴「ううん、私がちゃんとしてれば――」

勅使河原「もうやめろって!!」

225: 2012/04/13(金) 21:54:16.68 ID:gu0BusRx0
勅使河原「こんな責任の押し付け合い意味ねーよ!」

望月「そっ、そうだよ! 桜木さんが氏んだのは誰のせいでもない!」

恒一「……」

鳴「……」

赤沢「勅使河原、望月……」

綾野「も、もうやめようこんな話? そろそろ教室にも人が集まってくるしさ……」

小椋「そうね、こんな状態じゃ怪しまれるわ」

恒一「……そうだね」

235: 2012/04/13(金) 21:59:57.71 ID:gu0BusRx0
恒一「ごめんね、取り乱しちゃって……もう大丈夫だから」

赤沢「……いいえ、気にしないで」

鳴「……」

勅使河原「サカキ……」

恒一「僕もわかってるんだ……早く忘れた方がいいって」

恒一「頑張るからさ……忘れられるよう……」

小椋「……」

綾野「こういっちゃん……」

恒一「ほら、もう席につこう? この機械も片すから――」

鳴「……忘れたい?」

恒一「え?」

鳴「忘れたいの? 桜木さんのこと」

238: 2012/04/13(金) 22:02:24.01 ID:MaYrXHjy0

239: 2012/04/13(金) 22:02:48.20 ID:gu0BusRx0
恒一「……」

鳴「……」

恒一「……忘れたく、ない」

鳴「……」

恒一「忘れたいわけ……ない、じゃ……ないか」

恒一「でもっ……こ、このまま」

恒一「このまま……し、氏んだ人のこと想っていたって……!!」

鳴「……」

恒一「僕、はっ……!!」

鳴「――大丈夫だよ」

240: 2012/04/13(金) 22:04:55.82 ID:gu0BusRx0
恒一「えっ……?」

鳴「大丈夫、忘れる必要なんてない」

恒一「っ……なん、でっ……」

鳴「好きだったんでしょ? 桜木さんのこと」

恒一「っ……う、ん……」

鳴「……好きな人のことは、忘れたくないでしょ?」

恒一「……! ……うんっ……!!」

鳴「……わかるよ、私も」

恒一「……わか、る?」

鳴「私も……大切な人、亡くなったから」

243: 2012/04/13(金) 22:07:11.91 ID:gu0BusRx0
恒一「見崎……」

鳴「だから忘れる必要なんてない」

恒一「……」

鳴「……ごめんね? 無理に聞いちゃって」

恒一「見崎……僕は……」

鳴「我慢しなくていいんだよ、もう……十分、榊原くんは苦しんだもの」

恒一「っ……! うっ……!!」

恒一「うっ、うぇっ、うぅうううう……うわぁああああああっ!!」

250: 2012/04/13(金) 22:10:04.11 ID:gu0BusRx0
恒一「うぅううっ……ごめっ、ごめんなさっ……うあああっ……!」

勅使河原「サカキ……」

望月「……」

綾野「こう、いっちゃ……ぐすっ」

小椋「……」

赤沢「恒一くん……」

恒一「ああっ……うぅ、うあっ……ごめんなさっ、さくらぎ、さっ……ううっ……」

鳴「大丈夫……大丈夫だから」

恒一「うああっ、ううっ……さくらぎさんっ……!」

256: 2012/04/13(金) 22:17:18.97 ID:gu0BusRx0
――その後


僕が泣いているところにクラスメイトが入ってきて、

無論動揺した彼らに何があったのかと訊かれたけども……僕は答えられるような状態ではなく

一緒にいた赤沢さんたちも、何も話さないでいてくれた


ウソ発見器は家に帰ってすぐその日のうちに、父親の元に送り返した

数日後、何故送り返したのかと父親にしつこく聞かれたが

……僕は、なにも答えなかった

259: 2012/04/13(金) 22:23:42.33 ID:gu0BusRx0
……あれから、少し心境の変化が起きた


溜まっていたものを吐き出したせいだろうか

少し……ほんの少しだけ、心の奥にくすぶっていたものが消えた気がする


見崎は忘れなくていい、と言ってくれたが

いずれ……彼女のことを忘れてしまう日はくるだろう

263: 2012/04/13(金) 22:26:42.57 ID:gu0BusRx0
彼女の存在は未だ、僕の心の深いところに残っている

……だから

だから今は、今のうちは、例え許されなくても


――氏んだ彼女のことを想っていたい






終わり

264: 2012/04/13(金) 22:27:08.97 ID:gu0BusRx0
途中で何度もミスったのでむしゃくしゃしてやった。反省はしていない。

267: 2012/04/13(金) 22:27:36.66 ID:fbefVE0nO
切ない 乙

引用: 恒一「インドからウソ発見機が届いた」