アンリエット「え、でも目が光って…」

シャロ「よーく見てください！」ｽﾞｲｯ

アンリエット（ちょっ…近…）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

アンリエット「…………」ｼﾞｰｯ

アンリエット「これは、金色…？」

シャロ「はい！金色です！」

アンリエット「たしか、貴女がトイズを使う時は赤く…」

シャロ「アンリエットさん！これはですねー…」

アンリエット「これは…？」

シャロ「これは…！イノベイターです！！」

アンリエット「はぁ…？」

シャロ「あたし、純粋種のイノベイターとして覚醒しましたー！！」

アンリエット「それって…なんなのですか？」

シャロ「えーっとですねー、人と分かり合えます！」

シャロ「シャーロック・シェリンフォード！未来を切り拓くッ！」ｷﾒｯ

アンリエット（訳が分かりませんわ…）

シャロ「イノベイターの力で大活躍しちゃいます！」

アンリエット（イノベイターの力…詳しくは分かりませんが）

アンリエット（トイズに匹敵する能力だとしたら…）ﾆﾔﾘ

アンリエット（面白い…試させてもらいますわ！シャーロック！）

深夜
　超ヨコハマ美術館

アルセーヌ「さぁスリーカードよ！美術品を片っ端から盗むのです！」

スリーカード「はっ！アルセーヌ様！」

シャロ「そうはさせません！」

ミルキィホームズ「ミルキィホームズ！参上！！」ｻﾞｯ

アルセーヌ「来ましたわね…ミルキィホームズ！！」

アルセーヌ「イノベイターの力とやら…見せてもらいますわ！」

シャロ「行きしょう！みなさん！！」

ミルキィホームズ「俺が！俺たちが！ミルキィホームズだ！！」

ストーンリバー「アルセーヌ様の忠実なる牙！ストーンリバー、参るッ！！」ﾊﾞｯ

エリー「ここは…私が…！」ｽｯ

シャロ「エリーさん！頑張ってくださーい！！」

ストーンリバー「ふん、如何なエルキュールであろうとトイズ無しでは…！」

ストーンリバー「……なにっ！？」ｷﾞｮｯ

エリー「………！」ﾍﾟｶｰ

アルセーヌ「エルキュール・バートンの目が…あれは！？」

アルセーヌ（まさか、あれもイノベイターの力…！？）

エリー「これは…万華鏡写輪眼…です！」

ストーンリバー「しゃ、写輪眼だとぉっ…！？」

ストーンリバー「はぁっ！てやぁっ！！」ｽﾞﾊﾞｯ

エリー「……っ！」ﾋｮｲﾋｮｲｯ

ストーンリバー「かわしてばかりでは勝つことなぞ出来んぞ！」

ストーンリバー「悪戯に逃げても、いつかは…そこだッ！！」ｽﾞﾊﾞｰｯ

ネロ「え、エリー！」

ストーンリバー「峰打ちだ、悪く思うな…」

エリー「ごめんなさいっ…！」ﾋｮｲｯ

ストーンリバー「なにぃ！？」

ストーンリバー「何故だ！確かに今、斬ったのに…！？」

エリー「幻術…」

エリー「さっきまであなたと戦っていた私は…幻です…」

ストーンリバー「そんな馬鹿な！確かに斬った感触がッ…！」

ストーンリバー「だ、だがそれならもう一度斬り伏せればいいだけの話だ！」ﾀﾞｯ!

エリー「…天照！！」ｶｯ

ストーンリバー「ぬおっ！？」ｼｭﾎﾞｯ!

ストーンリバー「く、黒い炎！？」

エリー「その火は、対象が燃え尽きるまで…絶対消えません…」

ストーンリバー「私の刀が…」ﾒﾗﾒﾗ

エリー「…まだ、やりますか？」

ストーンリバー「……くそッ！」

ラット「ま、マジかよ…ストーンリバーがこんなにあっさり…？」

トゥエンティ「美しくないが…強いな！」

エリー「つ、疲れました…」ﾌﾗﾌﾗ

ネロ「お疲れっ！次は僕が行くよ！」

ストーンリバー「気をつけろ、恐らく奴もトイズ以外の能力を手にしているかもしれん…」

ラット「へっ！返り討ちにしてやるぜ！」

ネロ「その言葉！そっくりそのまま返してやる！」

ラット「くらえー！炎のトイズ！」ｼｬｷｨﾝ!

ネロ「うぎゃあーーー！！！」ﾄﾞｶｰｰﾝ

ラット「……え？」

ネロ「ぐふぅっ…」ﾊﾞﾀｯ

シャロ「ネロー！！」

ラット「な、なんだよ楽勝じゃねーか…」

ラット「ま、所詮ダメダメはダメダメって事だよな！」

ネロ「く、くそぉ…！」ｸﾞｸﾞｸﾞ…

ラット「あははは！ひでえ顔、煤塗れだぜ！」

ラット「大人しく帰って…ん？」

ラット「な、なんだよその目…」

ネロ「…譲崎ネロが命じる！僕に仕えよ！」ｶｯ!

ラット「う、うぎゃああああああああ！？」ﾄﾞｷﾞｭｰｰﾝ

ネロ「ほーら次は三回回ってネズミの鳴きまねだ！バーカ！！」

ラット「ちゅーちゅー！」ｸﾙｸﾙｸﾙ

コーデリア「ネロ…それくらいでいいんじゃない？」

ネロ「まだまだ！僕の顔に傷をつけた罪はこんなもんじゃないんだ！」

ネロ「オラオラぁ！自分の名前を言ってみろよー！」

ラット「イエスユアマジェスティ！ラビットであります！！」ﾋﾞｼｨ

ネロ「ふはははははは！！！散々使い倒してぼろ雑巾みたいに捨ててやるー！」

コーデリア「だめだわ…完全に周りが見えなくなってるわ…」

シャロ「ネロに一番与えちゃいけない能力ですね！ギアスって」

アルセーヌ「…無様ですわ」

ストーンリバー「むぅ…！どうやら敵を洗脳してしまう力のようだ…！」

トゥエンティ「美しくないね…その力も、ラットも…」

コーデリア「ちょっとネロ！？遊んでないで次…」

ネロ「腕立て伏せでもしていろー！」

ラット「イエスユアマジェスティ！」

コーデリア「…はぁ、私が行くわ」ｽｯ

トゥエンティ「美しい僕が美しく勝利してみせよう！」

トゥエンティ（さて…見たところミルキィホームズは目に関する力を持っているようだ…）

トゥエンティ（目を通して幻を見せ、目を見て洗脳する…）

トゥエンティ「フン！分かったぞ、美しい攻略法が！」

コーデリア「さぁ行くわよ、怪盗トゥエンティ！」

トゥエンティ「やる気だけはあるようだが…無駄だよレディ！」

トゥエンティ「既に僕は君達の能力を美しく無効化する方法を思いついている！」

トゥエンティ「目を閉じていれば能力なんて関係ナッシーーーーング！！」ﾊﾞﾁｰﾝ

トゥエンティ「さぁどうだい！？普段は見る事のできない僕のまぶた！美しく堪能し…」

コーデリア「目からビーーーーーーーム！！」ﾁｭﾄﾞｰｰｰｰﾝ

トゥエンティ「目を閉じていたって関係ナッシーーーーング！！」ｽﾞﾄﾞｰﾝ

シャロ「すごいですー！なんですかそれー！」

コーデリア「内緒だにょ！」

エリー「耳…はえてます…」

アルセーヌ「…やりますわね、スリーカードをこうも容易く…」

アルセーヌ「トイズがあった頃と同じ…いや、それ以上の力かもしれません」

アルセーヌ「こうなった以上、私も手加減はしませんわ！全力で貴女達を叩き潰す！」

シャロ「望むところです！いきましょう、みなさん！」

コーデリア「あ、待って…ビーム出したらコンタクトレンズ飛んじゃって…」ｳﾛｳﾛ

エリー「天照を使うと…ドライアイに…」

ネロ「全力で面白いことしろ！」

ラット「イエスユアマジェステイィーーー！！」

シャロ「…………」

アルセーヌ「…………」

シャロ「アルセーヌ！あなたを逮捕します！」

アルセーヌ「来なさい、シャーロック！！」

アルセーヌ「幻惑のトイズ…メテオ！！」ｼｬｷｨﾝ!!

ネロ「シャロ、トランザムは使うなよ！」

シャロ「了解！トランザム！！」ｳﾞｫｯ

　 　Ｔ Ｒ Ａ Ｎ Ｓ － Ａ Ｍ
　　　　　 　SYSTEM
　　　　　MODE ACT MAX

シャロ「赤くて三倍速いですー！」ｷﾞｭｵｵｵｵ

アルセーヌ「なっ！？速っ…！」

アルセーヌ「メテオを避けるとは…やりますわね！」

アルセーヌ（直線的な動きではシャーロックを捕らえられない…ならば！）ﾊﾞｯ

アルセーヌ「幻惑のトイズ！分身！！」ｼｬｷｨﾝ!

シャロ「あ、アルセーヌがいっぱい！？」

アルセーヌ１「さぁ…全ての私を追いきれるかしら…？」

アルセーヌ２「どんなに貴女が速くても…」

アルセーヌ３「周りを囲まれれば無力ですわ！」

アルセーヌ's「必殺！トイズたこ殴りアタックですわー！」ﾎﾞｶｽｶﾎﾞｶｽｶ

シャロ「ぎにゃあああああああ！！！」

アルセーヌ's「さぁ！乗り切ってごらんなさい、シャーロック！」ﾎﾞｶｽｶﾎﾞｶｽｶ

シャロ「い、痛いですー！」

アルセーヌ「さぁ…とどめですわ！」

シャロ「…はあぁっ！」ｳﾞｫﾝｯ

アルセーヌ「！？」ｽｶｯ

アルセーヌ「シャーロックが消えた！？どこに…！」

シャロ「こっちです！」ﾌﾞﾜｱｧｧ

アルセーヌ「いつの間に後ろに…！量子化！？」

シャロ「トランザムカミカゼアターーーーック！！」ﾄﾞｯｶｧ

アルセーヌ「きゃああっ！」ｶﾞｯ

ﾄﾞﾝｶﾞﾗｶﾞｯｼｬｰﾝ

シャロ「はぁ…はぁ…！」ﾄﾞｻｯ

アルセーヌ「くっ、流石はシャーロック…！」ﾑｸｯ

アルセーヌ「でもまだ終わりませんわ…私のトイズはまだ…」

シャロ「もう…もう止めてください！」

シャロ「これ以上戦いを続けたって何にもなりません！」

アルセーヌ「いきなり何を日和ったことを！」

アルセーヌ「私が怪盗で、貴女が探偵である限り戦いは必然！」

アルセーヌ「私たちの戦いは最早…避けられぬ運命！！」

アルセーヌ「さぁ立ちなさい！シャーロック・シェリンフォード！」

シャロ「そんな…そんな運命なんて！あたしが変えてみせます！！」

アルセーヌ「どちらかが倒れるまで運命は変わらない！」ﾊﾞｯ

アルセーヌ「幻惑のトイズ…トランザム！！」ｼｬｷｨﾝ

コーデリア「アルセーヌがトランザムしたわ！」

ネロ「シャロ！逃げろー！」

シャロ「逃げません！！トランザム！！」ｳﾞｫｯ

シャロ「てやああーーーーっ！！」

アルセーヌ「はあああーーーっ！！」

ｶﾞｷｨﾝ!

エリー「シャロと、アルセーヌが…！」

コーデリア「激突…！？」

アルセーヌ「トランザムシステム…素晴らしい力ですわ！」ﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁ

アルセーヌ「貴女と同じ力が！体の底から湧きあがってくる！」

アルセーヌ「これほどの力、やはり私に太刀打ちできるのは貴女しかいない！」

シャロ「違います！トランザムは、イノベイターの力は戦うためのものじゃないんです！」

アルセーヌ「なら、何の力だと言うの！？」

シャロ「この力は人と人とが分かり合うための力！！」

シャロ「心を繋げて…同じところに立つための力です！！」

アルセーヌ「………！！」

シャロ「そのためにあたしはこの力を…！使う！！」

シャロ「トランザム・バースト！！！」

アルセーヌ「………」

アルセーヌ「…ここは？」

シャロ「ここは、心の世界です」

アルセーヌ「シャーロック…全裸！？」ﾋﾟｸｯ

シャロ「あ、あなたもです！」

シャロ「こほん…いまなら分かります、あなたが本当は戦いなんて望んでないこと…」

アルセーヌ「な、何を…！！」ｷﾞｸｯ

アルセーヌ「分かりきったような事を言わないで欲しいですわ！」

シャロ「分かりきっているから、言っているんです！」

シャロ「だってここは、あなたとあたしの心の中だから！」

シャロ「あなたの心の中は、あたし達のことでいっぱい…」

シャロ「ずっとずっと、あたし達を一番近くで見守ってくれていたのはあなただったんですね…」

シャロ「…アンリエットさん」

アルセーヌ「ち、違います！私はアンリエット・ミステールでは…！」

シャロ「待ってて下さい、きっといつかトイズを取り戻してあなたに追いつきますから…」

アルセーヌ（全て…！全て見られてしまった、私の心の奥底を…！）

シャロ「アンリエットさんにも分かるはずです…あたしの心の中のこと」

アルセーヌ「…シャーロック」

シャーロック「…アンリエットさん」


「私達は…分かり合えた…」

アルセーヌ「…私の、負けですわ」

ストーンリバー「なにっ！？」

アルセーヌ「ミルキィホームズ…貴女達の勝利です」

シャロ「やりましたー！！」

コーデリア「怪盗帝国に勝ったわ！」

エリー「お手柄…です…」

ネロ「オラオラぁ！！次はスクワットだよ早くしろ！！」

ラット「イエスユアマジェスティ！！」

アルセーヌ「…認めなさいストーンリバー、私達は負けたのです」

ストーンリバー「……くそっ！」

アルセーヌ「…行きましょう、もうここにはいられませんわ」ｻﾞｯ

シャロ「…アンリエットさん！」ｶﾞｼｯ

アルセーヌ「シャーロック…？」

シャロ「アンリエットさんは…アルセーヌでしたけど」

シャロ「そうである前に…ホームズ探偵学院の生徒会長なんです！」

シャロ「絶対に、いつか戻ってきてください…！」ﾀﾞｷｯ

アルセーヌ「……えぇ、絶対に帰ってきますわ」ｷﾞｭｯ

アルセーヌ「貴女達がトイズを取り戻すのをその目で見届けるのが私の夢ですから」

シャロ「さようなら…行ってらっしゃい、アンリエットさん」

アルセーヌ「また会いましょう？シャーロック・シェリンフォード…」

こうして、怪盗アルセーヌ…アンリエットさんはあたし達の前から姿を消しました、
同時に怪盗帝国は撤退、大きな脅威はヨコハマを去ったのです。
ホームズ探偵学院には新しい生徒会長が来るんですが…それはもっと後の話です。


シャロ（…あなたがいなくなった学院は、なんだか少しさみしいです）

シャロ（でも悲しくなんてないです！だってあたし達は…）

シャロ（心で繋がっているから…！）

シャロ（きっと帰ってきてくださいね、アンリエットさん）

シャロ（あなたが帰ってくるその日まで、あたしは…！）



　シャーロックとアルセーヌの対決から二年後…
　突如としてヨコハマに現れた地球外変異性天才体・ＫＫＲ

ネロ「新生徒会長…アンリエット会長のお姉さんだって！？」

エリー「この光は、トイズ…！？」

コーデリア「まさかスリーカードと共闘することになるなんてね！」

　浸食されていくヨコハマの街、シャーロックの頭に響く悲痛の『叫び』

トゥエンティ「来たのか！」

ラット「遅えんだよ！」

ストーンリバー「待ちかねたぞ…シャーロック！」

　…そして、アンリエット・ミステールの帰還

シャロ「これがラストミッション！」

アンリエット「ヨコハマの存亡を賭けた！」

「「対話の始まり！！」」

　来るべき対話の始まり ヨコハマ滅亡まで、あと七日


探偵オペラ ミルキィホームズ～A wakening of the Trailblazer～
さようなら、ＫＫＲちゃん。ロング・グッドバイ・フォーエバーよ永遠に…　に続く




シャロ「うそですー」


おしまい