あかり「もっとこう、わぁすごいなあかり、とか言ってよ～！」

結衣「わぁすごいなあかり」

結衣「……さてと、読書でもするか」

あかり「……」ﾊﾞｯ

結衣「お、おいコラ！本返せよあかり！」

あかり「だーめ、読書なんかしたらお話しできないもん」

結衣「えぇぇ……」

結衣「別にお話くらいいつでもできるだろ」

あかり「むむむ……！」

あかり「そんなに本が好きなら本と結婚しちゃえばいいのに」

結衣「……はぁ」

あかり「結衣ちゃんって、あかりといるときいつも本読んでるよね？」ｼﾞﾄｰｯ

結衣「そうかな、あかりの気のせいだと思うけど」

あかり「あ、あれ……気のせいなのかなぁ」

結衣「うんうん、だから本を返してくれるかな」

あかり「そっかぁゴメンね結衣ちゃん、取り上げたりして」ｽｯ

結衣「いやいや、分かってくれればいいよ」

あかり「『結あかは世界を救う』かぁ、変なタイトルだね」

結衣「……そうだな、それじゃ私は読書してるから」ﾍﾟﾗｯ

あかり「うんっ！」

あかり「そうだよねぇ、結衣ちゃんがいつも読書してるなんて」

あかり「……ぇへへ、あかりの気のせいだよね」

結衣「……」ﾍﾟﾗｯ

結衣「そうだな、気のせい気のせい」ﾍﾟﾗｯ

あかり「気のせい気のせい……」

あかり「……そろそろあかりも怒っちゃうよぉ、結衣ちゃーん！！」ﾕｻﾕｻ

結衣「ゆさゆさ揺すらないでー……」

あかり「分かった、あかりといるのが退屈だから本読むんでしょ？」

結衣「そ、そんなワケないだろ！」

あかり「どうだかねぇ、京子ちゃんだっていつもミラクるん読んでるし……」

あかり「ちなつちゃんだってあかりといるときファッション誌読んでるもん……」

あかり「そうだよね、あかりと別にお話しすることないもんね」

あかり「……」ｲｼﾞｲｼﾞ

結衣「……悪かったよあかり、確かに非常識だったな」

あかり「ふーんだ、もう結衣ちゃんなんて知らないもんね～」

結衣「あぁ、やさぐれちゃった……」

結衣「なぁあかり、機嫌直してくれないかな」

結衣「……２人きりの時に読書なんかして私が悪かったよ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

あかり「なでなでなんかされても、嬉しくないよぉ」

あかり「……ぇへへ」

結衣「ふふ、いまえへへ～って笑ったよね」

あかり「わ、笑ってなんかないよぉ！」

結衣「いい子なんだけど頑固者というか……」

結衣「……分かった、あかりのお願い事なんでも一つ聞いてあげる」

あかり「……！」ﾋﾟｸｯ

あかり「お願い事何でも聞いてくれるの！？」

結衣「ま、まぁお願い事の内容にもよるけど」

あかり「……ぇへへ」

結衣「ちなみにあと３０秒で考えること」

結衣「いーち、にーい、さーん……」

あかり「あわわわわわ！」

あかり「えっと、ええと、ええっと……！」

あかり「一緒にゲーム？一緒にお散歩？一緒にお勉強？オムライス食べ放題？」

あかり「うぅぅ一つだけだもんね、こんなのワガママだよぉ！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

結衣（お願い事の内容が可愛いなぁ、あかりらしいというか）

あかり「……！」ﾋﾟｺｰﾝ

結衣「はいおしまい、さああかりのお願い事はなにかな？」

あかり「……ぇへへ～」

結衣「うっ、なんかその笑顔が怖いんだけど……」

あかり「あかりのお願い事なーんでも一つ聞いてくれるんだよね？」

結衣「ま、まぁお願い事の中身にもよるけど」

あかり「ふふふ、お願い事は催眠術の練習に付き合ってくれるかなぁ」

結衣「へぇ、催眠術か……」

あかり「あ、あのね、嫌だったらムリしなくても……」

結衣「もちろんいいよ、でもあかりが催眠術やってるなんてビックリかも」

あかり「……結衣ちゃん」

あかり「実はね、櫻子ちゃんから今日ね本を借りたんだぁ」

結衣「大室さんか、うーん大室さんねぇ……」

あかり「向日葵ちゃんにかけたみたいなんだけど……」

あかり「ふふふ、自分が催眠術にかかっちゃったみたいで」

結衣「あはは……」

あかり「あかりはそうならないように気を付けるよぉ！」

結衣「……それはそれで面白そうだけどな」

あかり「それじゃあかりの目をじーっと見てね」

結衣「はーい……」ｼﾞｯ

あかり「……そ、そんな綺麗な顔で見つめられても照れちゃうよぉ！」

結衣「なにを言ってるんだ、お前は」

あかり「あ、そうだこの五円玉にひもを付けてっと」

結衣「うん、催眠術と言えばやっぱりそれだよね」

あかり「ぇへへ、これでおっけーかな」ﾌﾟﾗｰﾝ

結衣「まぁ京子じゃないし、あかりは変なことするとは思えないもん」

あかり「変なことって？」

結衣「……べ、べつになんでもない」

あかり「ぇへへ、細かいことはまぁいいや」

あかり「結衣ちゃん、この五円玉をじーっと見つめて」

結衣「ん……」

あかり「結衣ちゃんはだんだん、だんだん眠くなる」ﾌﾟﾗｰﾝ

結衣「……」

あかり「どんどんどんどん眠くなる……」

結衣「……」

あかり「意識が遠くなる、ここはお布団の上、どんどん眠くなる……」

結衣「……」ﾎﾟﾌｯ

あかり「あわわ、本当に結衣ちゃん眠っちゃった……」ｷﾞｭｯ

あかり「ええっと、いまは催眠状態にかかってるみたいだから」

あかり「目を覚ますときは上の空になってるでしょう……」

結衣「ん……」

結衣「空きれい……」ﾎﾟｹｰ

あかり「あ、あんなに油断してる結衣ちゃんの顔初めて見たよぉ」

あかり「……時間は限られてるもんね、ええっと」

あかり「結衣ちゃんはあかりの言うことを絶対に聞かないといけません」

あかり「いち、にのさん！」ﾊﾟﾝｯ

結衣「……うん、私はあかりの言うことを絶対に聞くよ」

あかり「ぇへへ、あかりってばほんと策士だよぉ」

あかり「これならお願い事いーっぱい叶えてくれるもんね、結衣ちゃん」

結衣「……」

あかり「ゆ、結衣ちゃんはどんな下着を穿いてるのかなぁ……」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

あかり「あかりはまだくらげとかのだけど、大人の結衣ちゃんは……」

あかり「ぇへへ、もう京子ちゃんみたいだよこれじゃあ」

あかり「そんなお願い聞かなくていいから――」

結衣「今日は縞々で合わせてるよ、下の方はこんな感じ」ﾋﾟﾗｯ

あかり「きゃ、きゃあああああああああああああああああああああ！？」

結衣「最近はお気に入りのローテーションが４つくらいあって……」

結衣「上の方も見せた方がいいよね、いま制服脱ぐから……」ﾓｿﾓｿ

あかり「ちょ、ちょっと結衣ちゃんストップストップ！！」

あかり「もう！そんなハレンチなことしちゃダメだよっ！」

結衣「うん」

あかり「結衣ちゃんはただでさえスタイルいいんだから……」

あかり「そんなにポイポイお洋服脱いだらみんな目のやり場に困るよ！」

結衣「うん」

あかり「ほんとに結衣ちゃんってば変Oさんなんだから！」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

結衣「ご、ごめんなさい……」

あかり「いいよ、その代わりもう一回この五円玉を見て」

結衣「うん……」

あかり「五円玉を見てるとだんだん意識が遠くなる……」ﾌﾟﾗｰﾝ

結衣「……」

あかり「結衣ちゃんは身も心もネコさん、かわいいかわいい黒ネコさん」

結衣「わたしは、くろねこ……？」

あかり「そうだよぉ、体が軽くなってきたでしょ？」

あかり「……いちにのさんでもう黒ネコさんだよ」

結衣「くろねこ、くろねこ……にゃーん」

あかり「いちにのさん！」ﾊﾟﾝｯ

結衣「……」

あかり「……あれ、反応が無いなぁ」

あかり「さすがにネコさんは難易度が高かったかも」

あかり「うーん猫じゃらしとか、マタタビせっかくあったのに」

あかり「これはちょっと失敗かなぁ……」

結衣「……ふわっ」ﾉﾋﾞｰ

あかり「あ、あれ、結衣ちゃん４足歩行になってる？」

結衣「……ふにゃぁ」ｸｼｸｼ

あかり「結衣ちゃんが足で顔を掻いてるなんて、とってもシュールな光景だよぉ……」

結衣「……はぁ、やれやれ」

結衣「にゃーん……♪」

あかり「ぇへへ、何はともあれ成功したみたい！」

あかり「結衣ちゃーん、ほらこっちおいで……ちっちっち～」

結衣「ふにゃぁ～」

あかり「よーしよし、結衣ちゃんはほんとえらいねぇ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

結衣「……」

あかり「あ、そっかネコさんはノドが気持ちいいんだよね」

あかり「ほらほら、ここがいいんでしょ？」ｽﾘｽﾘ

結衣「ふにゃっ、にゃう……」

あかり「ふふふ、結衣ちゃんってばホント気持ちよさそう」

結衣「なー、にゃうにゃう！」

あかり「なに言ってるかぜんぜんわからないよぉ～」ｽﾘｽﾘ

結衣「……っう、ふにゃぁ」

結衣「……」ﾍﾟﾛｯ

あかり「ちょ、ちょっと結衣ちゃんそんなとこ舐めちゃくすぐった――」

結衣「にゃう、ふにゃぁ」ﾁｭｯ

あかり「く、くびはだめだよぉ……」

結衣「にゃう、にゃう！」ﾍﾟﾛｯ

あかり「ひょえええええええええええええええ……」

あかり「はぅっ、あう……」ﾋﾞｸｯ

結衣「……」

あかり「あ、あかりもうお嫁さんいけないよぉ……」

結衣「にゃ、にゃーん」

あかり「……結衣ちゃんが責任もってお嫁さんにもらってくれる？」

結衣「……な！」

あかり「ぇへへ、なーんちゃって冗談だよぉ」

結衣「にゃ、にゃうなう、にゃうう！！！」

あかり「あ、あれ結衣ちゃん顔がほんのり赤いけど」

結衣「……」ﾌﾟｲｯ

あかり「ありゃりゃ、ネコさんは気まぐれだなぁ」

あかり「結衣ちゃん、そろそろネコさんの催眠とくからこっちおいで～」

結衣「にゃ、にゃーん……」

あかり「えへへ、いい子いい子」ｷﾞｭｯ

結衣「結構疲れるから早くこの設定終わらせてくれ……」

あかり「えっ、いまなにか言った？」

結衣「にゃおーん、わんわん、にゃーん♪」

あかり「だよねぇ、結衣ちゃんはいま身も心もネコさんだもん」

結衣「……にゃーん」

あかり「いちにのさんで、またさっきの状態に戻るからね？」

あかり「いちにのさん！」ﾊﾟﾝｯ

結衣「……」

結衣「あぁ、空きれい……」ﾎﾟｰ

あかり「んー、そろそろ時間もおしてるしお終いかなぁ」

あかり「……そうだ、その前に既成事実でも作っちゃおうか」ﾆｺｯ

結衣「なっなぁ！？」

あかり「あ、あれ結衣ちゃんもしかして催眠とけてる？」

結衣「そ、空きれい……」ﾎﾟｹｰ

あかり「ぇへへ、これでもう言い逃れ出来なくなっちゃうよね」

結衣「……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

あかり「結衣ちゃん、この紙にねちょっと書いて欲しいことがあるんだけど」

結衣「……」

あかり「結衣ちゃんが悪いんだからね、いつもあかりに冷たいんだもん」

あかり「もう催眠状態だって関係ないよ、血判までとるから」

結衣「……！」ﾋﾞｸｯ

あかり「これでもう悩む事なんてないもんね、ふふ」

～あかりと結衣ちゃんのお約束～

・週末に２人で遊びに行きます

・２人っきりのときは絶対に読書はしません

・結衣ちゃんのオムライスをあかりは食べ放題です

・結衣ちゃんのお布団で今度ぐっすり寝ます

・朝ご飯はあかりも手伝います

・ひ、ひざ枕とかしてもらうもんね

・あとはナデナデとかもいっぱいしてもらうから

・結衣ちゃんとあかりはこれからもずーっと仲良しです！


結衣（……既成事実ねぇ、しかも血判じゃなくて朱肉で指紋だし）

結衣（……ほんと、かわいいやつ）

あかり「ぇへへ～、もう言い逃れはできんぞ結衣ちゃん！」

結衣「……」

あかり「あ、そっか早く催眠をとかないとね」

あかり「……」

あかり「あ、あの、結衣ちゃんって好きな人とかいるの？」

あかり「いまは催眠かかってるから絶対言わないといけないよね」

結衣「……いるよ、幼なじみにね」

あかり「……そっかぁ、やっぱり京子ちゃんが好きなんだ」

あかり「まぁ京子ちゃんかちなつちゃんだって分かってたけど……」

結衣「お団子が特徴で、いつもにこにこ笑ってて、誰にでも優しい――」

あかり「いちにのさん！」ﾊﾟﾝｯ

結衣「……」ﾌﾗｯ

あかり「あ、あれ今お団子が特徴で、いつもにこにこ笑って……？」

あかり「お、お団子が特徴……？」ｷﾞｭｯ

結衣「んー……」

結衣「あれれ～、なんかぐっすり眠ってた気がするなぁ」

あかり「なんか棒読みって感じがするけど……」

結衣「な、なんのことだよ、今まで催眠にかかってたのかな」

あかり「ぇへへ、結衣ちゃんってばほんとかかりやすい体質なんだね」

あかり「それともあかりって才能があるのかなぁ……」ﾆｺﾆｺ

結衣「……はいはい」

あかり「むふふ、ねえねえ結衣ちゃんこの紙見て見て！」

結衣「……あー、これは私の字と私の指紋だなぁ」

あかり「結衣ちゃん、これはもう言い逃れができないよね～」

結衣「そうだな、これだけ書いたらあかりと一緒のお布団で寝るしかないかな」

あかり「ぇへへ、もー、一緒のお布団でなんて困っちゃうなぁ」

結衣「……あかりって結構小悪魔なんだね」

あかり「へっ？」

結衣「にゃんでにゃいですよぉ、にゃーん」

あかり「あ、あれそのネコの物まねって……」

結衣「ふふふ、さぁてなんのことやら」

結衣「あかりは首筋が弱いってことが分かって良かったよ」

あかり「な、なんでそんなこと知ってるの！？」

結衣「……にゃーん♪」

あかり「……結衣ちゃんは縞々の下着穿いてたよね」

あかり「お気に入りの４つのローテションがあるんだよね～」

結衣「は、はぁ！？」

結衣「おいこら！なんでそんなこと知ってるんだよ！」ﾕｻﾕｻ

あかり「ふふふ、あかりだけが知ってる秘密のことだもん！」ﾊﾞﾋｭｰﾝ

結衣「待てコラ、あかりぃぃぃぃ！！！」

おしまい！

乙