1: 2012/04/10(火) 01:49:38.25 ID:Y939thkKi
先輩「~~ということです。分からない事はありますか?」

後輩「いえ、大丈夫です」

先輩「はい。では何かあったら質問して下さい」

後輩「おっけ~」

先輩「!?」

14: 2012/04/10(火) 03:03:04.80 ID:biqAOSky0
先輩「まぁ、つまり『パン食なのに米国』みたいな言葉遊びは偶然のたまものでだな……」
後輩「偶然にしてはよくできてますよねー。なんで『あめりか』を『米』なんて表記にしたんでしょう?」
先輩「まぁ、『亜』だとアジアと見分けつかないしなぁ……人間ってのはちょっとした偶然をこじつけで運命にしたがるんだよ」
後輩「じゃあ今会話できてるのも運命ってことにしてもいいんですか?」
先輩「お前がそうしたいならそうすればいいさ。そもそも運命の赤い糸がなんで赤色なのかっていうとな……」
後輩「運命にしては安すぎるだろ」
先輩「……ん?」
後輩「いえ、なんでも」

15: 2012/04/10(火) 03:15:23.02 ID:biqAOSky0
先輩「ん、まぁいいか……それでまぁなんだっけか?運命の赤い糸が赤い理由だっけか」

後輩「そうですね、なんでなんですか?別に幸せの青い鳥、なんて言葉があるんだから『青』でもいいと思うんですけれど」

先輩「確かに、緑とかなら目にも優しそうだが……もともとが中国の故事からなんだよ。世界的に『赤』は運命の縁の色になりやすい」

先輩「見たものが興奮する色だからなのか、血と同じ色だから『血のつながり』を意識させるからなのかはわからないけどな」

後輩「うーん……確かに血の色から浮かぶことと言えば遺伝子とか細胞とか、心以前に身体を結び付けるワードが浮かびますけど」

先輩「否応なくひかれる、ってのを表すための『赤』ってことだな。若干ロマンチックさには欠けるが」

後輩「先輩とならそういう関係もいいと思うけど」

先輩「……そうか?」

後輩「……えぇ。先輩と話すと不思議と落ち着く、っていうのはある意味意思とは関係なくひかれてるって言えるんじゃないでしょうか」

16: 2012/04/10(火) 03:21:12.91 ID:biqAOSky0
先輩「俺は自分が話したいことを話してるだけさ、それを気に入ってくれるのなら嬉しいけどな」

後輩「あまり自分を卑下しないでくださいよ。結構面白い話も聞けて満足してますから」

先輩「どこかで聞きかじった知識を、それを知らない誰かに見せびらかす……自己顕示欲を満たすことだけが目的の野郎だ」

後輩「それはそれ、これはこれです。少なくとも私が興味をひかれるような話題を厳選して話してくれているんですから」

先輩「好き勝手に話してるのを聞いてるうちに俺の話についてこれるようになっちまっただけだよ。とんだ買いかぶりだ」

後輩「きっかけはどうあれ、今は結構気に入ってるけどね」

先輩「……そうかね?あぁ、もうこんな時間か。また明日」

後輩「えぇ先輩。また明日」

18: 2012/04/10(火) 03:33:18.89 ID:biqAOSky0
~~~帰宅なう☆~~~

後輩(うぅん……タメ口直後に若干の反応がある気がするけれど反応が鈍いなぁ)

後輩(先輩から聞く話は面白い、でもいつも同じ調子で話し続けるだけ)

後輩(たまにはアクセントとして、と思ったけれど注意どころか指摘すらされないとただただ失礼な人になっちゃうし)

後輩(でもここでやめたら逆に大変失礼な人になる気がする……先輩から『なんで時々タメ口が混じるんだ?』って聞かれたら)

後輩(きちんと理由も説明してお詫びできるけれど、気づかれてないならただ謝っても気まずくなるだけだろうし)

後輩(そ、それに……)

(先輩「もしかして敬語で話すのが嫌になったのか?俺に敬意を表す、なんてことは面倒になったのか!?」
 後輩「いいえ……もっと、先輩のことが知りたくて、隣に並びたかっただけなの……」
 先輩「なんだ、そんなことなら気にするな!もっと近い関係になればいいんだよ……」
 後輩「せ、先輩……」)

後輩(みたいなことも!……ないかなぁ、あの先輩だもんなぁ……うぅ……あ、明日はもっと大胆にいこうかな!?)

21: 2012/04/10(火) 03:40:41.51 ID:biqAOSky0
~~~自宅なう☆~~~

先輩(……さて、なんで今日の後輩は時々やたらフレンドリーになってたんだろうか)

先輩(一昨日、『親しき仲にも礼儀あり』とはいうが礼儀を置きすぎる昨今についての問いかけをしたからか?)

先輩(何かいろいろと間違えている気もするし……だが、少し気が緩んで素の話し方になっているだけかもしれない)

先輩(そうなら心を許し始めてくれているっていうことだろう……生まれた年が1年2年違うだけで敬意も何もないだろうしな)

先輩(そもそもちょっとイントネーションが変になっていたせいで敬語に聞こえなかっただけで普段通り話していた可能性もある)

先輩(まぁ、明日改めて問い詰めるほどのことでもないか。さて明日は何の話がいいか……)

25: 2012/04/10(火) 04:09:54.76 ID:qr4MMSqjO
~~~あっという間に放課後なう☆~~~

先輩「ん、今日は早いな、待たせたか?」

後輩「ううん、待ってないよ!」

先輩「……それならいいんだが。そう、待つといえば……」

後輩(あ、あっれ~!?おかしいなぁ……友達と話す時より元気なぐらいで言ったのにノーリアクション!?)

26: 2012/04/10(火) 04:14:17.25 ID:qr4MMSqjO
後輩(……もしかして先輩、私のことなんて興味なくてどんな言葉使いでもどうでもいいのかな)

後輩(仲良くなれたなんて勘違いしちゃっただけで相槌をうつ聞き手ならなんでもよかったのかな)



先輩「……つまり、『待った』と感じる基準と時間帯には関係が……後輩?」

後輩「あっ、いえなんでもありません!すいませんなんでしょうか!」

27: 2012/04/10(火) 04:16:43.06 ID:qr4MMSqjO
先輩「……ん、まぁ大した内容でもないから気にしなくていい」

先輩(……今のは少しばかりどきっときた)

先輩(しかしまぁ便利な知識袋程度にしか思ってない相手に勘違いされるのはいい気分じゃないだろうし)

先輩(おそらく今日何かいいことでもあったんだろう、いい笑顔だった)

先輩「そうそう、笑顔はもともと牙を向く行為から来てるって説がある」

28: 2012/04/10(火) 04:21:29.69 ID:qr4MMSqjO
後輩「笑顔って……好意を向けることじゃないんですか?」

先輩「今はそうだけどな、『邪悪な笑み』ってあるだろう?悪役の嫌な笑い方だ」

先輩「本来自分の意思で作る『笑顔』はあちらで、本質は威嚇にあるって説だな」

後輩「威嚇……ふしゃー!!」

先輩「!?」
後輩「!!」

29: 2012/04/10(火) 04:26:51.21 ID:qr4MMSqjO
後輩(あああああ間違えた!!思い切って敬語やめて話そうとか思ったタイミングで威嚇がどうって話題になったから思考が混ざったんだ!)

後輩(無理に敬語じゃない「威嚇」とか考えたから……うぅ、顔見れない)

先輩(……後輩なりのジョーク、だろう)

先輩(やはり打ち解け始めてくれてるんだろうか。何のパロディなのかの判断がつかないのが申し訳ないな)

30: 2012/04/10(火) 04:38:52.71 ID:qr4MMSqjO
後輩「あ、う、え……えっと、じゃあなんで笑顔で好意をしめすように?」

先輩「まぁそもそも威嚇説が間違ってる可能性も多分にあるけれど」

先輩「仏像なんかは『アルカイックスマイル』なんていって口角を少しあげた自然な笑みのものも多い」

先輩「同じ動きで好意と威嚇を同時に行ってたのかもしれないな、歯を見せるかが重要なんだろう」

31: 2012/04/10(火) 04:43:21.35 ID:qr4MMSqjO
後輩「歯を見せるかが……あ、私の笑い方はしたないかな……?」

先輩「ん?口を開けて朗らかに笑う後輩、素敵だと思うぞ?」

後輩「ば、ばかっ!」

先輩「あ、あぁすまんすこしデリカシーに欠けた発言だったか」

後輩(し、自然に言われちゃったけど恥ずかしい……!先輩はそんな気ないって、わかってても……!)

32: 2012/04/10(火) 04:54:05.72 ID:qr4MMSqjO
後輩(……あれ?そういえば私さっきから先輩に敬語使ってない気がする)

後輩(まるで友達と話すみたいに……)

後輩(楽しくなりすぎて忘れちゃったらダメだよね、3日前に『親しき仲にも礼儀あり』なんて話したんだし)

後輩(そもそもタメ口を使ってみようと思ったのも先輩に気にして貰おうとしてだし……勘違いしちゃ、ダメだよね)

33: 2012/04/10(火) 04:59:47.52 ID:qr4MMSqjO
スレタイとどんどんずれやがるな

すまん寝る、限界だ
残ってたら続き書くよ、携帯から

42: 2012/04/10(火) 07:33:41.47 ID:qr4MMSqjO
おはよう、そしておはよう

よし、続きいくぜー

43: 2012/04/10(火) 07:43:13.40 ID:qr4MMSqjO
先輩(ふむ……『ばかっ』……か)

先輩(これまでの後輩からは信じられないぐらいくだけた言い方だな)

先輩(やはり、敬語はいまいち得意じゃないな。きちんと敬う価値がある相手に使うべきだ)

先輩(後輩も少し俺に気を許してくれたと解釈してもいいのだろう)

先輩(最初に会った時に敬語は苦手と伝えたはずだしな……ん?伝えた……よな?)

44: 2012/04/10(火) 07:51:16.88 ID:qr4MMSqjO
先輩(まぁ伝えてなかったら急に敬語をやめてみせたりもしないだろうし、気のせいか)

先輩「さて、今日はこんなところか……後輩」

後輩「あ、確かにもういい時間ですね……なんでしょうか?」

先輩「なに、今日の話が退屈そうだったから詫びをな……ん?敬語に戻すのか?」

後輩「えっ」

45: 2012/04/10(火) 07:58:32.94 ID:qr4MMSqjO
後輩(『戻すのか?』ってさっきまで無意識に友達と話すぐらいのテンションになってたってバレてる!?)

後輩(つ、つまり『さっきまでの無礼な口のききかたはなんだ』ってこと!?あ、あぁいけない!昨日考えた言い訳を……)

後輩(……うぅ、すごく難しい顔してる……でもちゃんと言わなきゃ、先輩は無駄に考え込んじゃう……)

後輩「その……昨日と今日のことなんですが」

47: 2012/04/10(火) 08:06:03.18 ID:qr4MMSqjO
後輩「その、普段って先輩が私の聞きたいことや先輩自身が話したいことを私にお話してくださるだけで下校時間になっちゃうじゃないですか」

先輩「……ふむ、そういえばとんと会話の聞き手側にまわってなかった気がするな。一方的すぎたかすまん」

後輩「いえ、お話はいつも素敵でおもしろくて……だから私のほうからも振れる話題って何かないかなって」

48: 2012/04/10(火) 08:13:05.93 ID:qr4MMSqjO
先輩「あぁ、合点がいった。だから一週間前はあぁだったのか」

後輩「先輩の知らないような、知識を教えてあげられたらって思ったんですけれど」

先輩「申し訳ないがほぼ知っていたし、間違った知識を詰め込んでいた時もあったか」

後輩「先輩に最初に話したから正してもらえて助かりましたけれど……お恥ずかしい限りです」

50: 2012/04/10(火) 08:19:34.90 ID:qr4MMSqjO
先輩「まぁ誰にでも間違いはあるさ……それで?」

後輩「それで、今度はむしろ会話の流れをつかむために先輩にツッコミをいれて貰おうと思ったんです」

後輩「……先輩のツッコミがあんなナナメ37度ぐらいから急速落下してくる内容だとは思いませんでした」

先輩「ふむ、所謂『元ネタ』の解説をしただけなんだが」

52: 2012/04/10(火) 08:26:04.12 ID:qr4MMSqjO
後輩「ネタのどこが面白いのか解説する、より尚悪かったです!」

先輩「ふむ、出展作品を知らずに使う例も昨今増えてるらしいからな……つい」

後輩「だからって『おばあさんの耳はどうしてそんなに大きいの?』って独白からネタに入ろうとしてるのに」

後輩「『あぁ、原作だと血と肉を食べさせるくだりがあるんだが』って切り返しはありえないです!」

53: 2012/04/10(火) 08:31:27.52 ID:qr4MMSqjO
先輩「童話は原典が意外とエグい内容も多くてなぁ、初めて知った時は興奮したもんだから……」

後輩「……純粋に知識欲からの興奮ですよね?」

先輩「さてどうだろう。調べている最中にそこら辺を気にする気はまったく起きないからな」

後輩「……まぁ、とにかくギャグでは想定していたアクションがもらえなかったんです」

54: 2012/04/10(火) 08:37:19.02 ID:qr4MMSqjO
後輩「なら次は所作ならどうだろう、と思いました」

後輩「……これから暖かくなるこの季節、おもむろに毛糸のセーターを編んでみました」

後輩「毛糸の素材や毛糸玉の形状について解説をいただけました」

後輩「一人称を自分の名前にしてみました」

後輩「世界的にも、三人称である役職名を一人称としても使えるのは珍しいって言われました」

55: 2012/04/10(火) 08:45:45.78 ID:qr4MMSqjO
後輩「だから……今度は、直接なにか具体的な話題を出さずに主導権を得ようと」

先輩「それでタメ口か?」

後輩「うぅ……大変失礼しました……」

先輩「いや、別に構わないがな。たかが1年2年生まれたのが早いからと敬われるのも面白くないし」

先輩「……という話はしてなかったのか。迂闊だな」

56: 2012/04/10(火) 08:54:12.56 ID:qr4MMSqjO
先輩「てっきり後輩が親しくなるために敬語の壁をこえて同等の立場として話そうとしてくれてるのだとばかり思っていた」

後輩「え、えぇぇ!?」

先輩「まだ慣れないから普段の口調と混ざっているんだ、とばかりな……」

後輩「わ、わりと勇気を振り絞ったんですよ!?」

先輩「すまん」

58: 2012/04/10(火) 09:02:31.37 ID:qr4MMSqjO
後輩「それに、先輩はひとつ勘違いしてます」

後輩「私が先輩に敬語を使うのは、先輩のことを尊敬しているからです」

後輩「そりゃあ空気は読めないし妙なところで頑固ですし人の話は聞きませんけれど」

後輩「でも、昔私の不注意で先輩にぶつかって転んだ時に気を紛らわそうと話してくれた時の必氏さが」

後輩「大したことない怪我を誰より心配してくれた優しさが」

61: 2012/04/10(火) 09:12:04.41 ID:qr4MMSqjO
後輩「すごくあったかくてそれだけで尊敬できる人だって」

後輩「だから敬語ですよ、先輩」

先輩「……そんなにほめられるのははじめてだな」

先輩「俺も、俺なんかの話を聞いてくれる後輩がいてくれるのは楽しくてな」

先輩「後輩が気に入りそうな内容を考えてきているのも事実だ」

62: 2012/04/10(火) 09:14:39.22 ID:qr4MMSqjO
先輩「だから、できることならこれからも話を聞き続けていて欲しい」

後輩「……それ、告白ですか?」

先輩「さぁな、こういうのははじめてだ」

後輩「先輩でも知らないことあるんですね」

先輩「あぁ、知りたいことも話したいこともたくさんあるさ」

後輩「……いいですよ、いっぱい話しましょう!」

63: 2012/04/10(火) 09:16:52.27 ID:qr4MMSqjO
後輩(……結局、先輩との関係は変わっていない)

後輩(でも私は先輩との話が何より楽しみだ)

後輩(それに……最近知ったのだけど)

後輩(『運命の赤い糸』は原典では足と足を結んでいるらしい)

後輩(あの時、もつれた足は赤い糸にひっかかったんだ、と私は思う……なんて)

お わ り

65: 2012/04/10(火) 09:20:38.79 ID:qr4MMSqjO
深夜に乗っ取り、計画性皆無
さらには途中で寝る

……最高の初SSだと思うね


書いてたら先輩が黒髪ロングの女性、後輩がシOタっぽい男であったほうが自然な気がしてきたが気にしないことにしよう
じゃあの

67: 2012/04/10(火) 10:09:52.89 ID:qr4MMSqjO
どうせ落ちるまでタイムラグもあるし後輩男で別のも作る

68: 2012/04/10(火) 10:15:47.13 ID:qr4MMSqjO
後輩(……まさか後友との賭けに負けた罰ゲームが)

後輩(『先輩にタメ口』とはな……あの人、美人だけど怖いんだよ……)

後輩(さて、いきたなりタメ口かましたらどうなるかなんてわかってる)

後輩(だから……少しずつタメ口を混ぜて先輩の反応を見る!)

71: 2012/04/10(火) 10:22:32.35 ID:qr4MMSqjO
後輩「あ、先輩じゃないですか!奇遇ですね!」

先輩「同じ部活で、必要な用具を取りに来て何が『奇遇』だ?」

後輩「あ、え、いや……せ、先輩が用具を取りにくるなんて珍しいなぁなんて」

先輩「ほう、私は下級生をいいように使い自分は働かないダメ人間だと思われていたか」

後輩「そういうわけじゃないですけれど……」

72: 2012/04/10(火) 10:30:24.08 ID:qr4MMSqjO
後輩「いや、それでもわざわざひとりでなんて珍しいですよね?どうしたの?」

先輩「ん、なに少し……おい?」

後輩「は、はい!なんでせう」

先輩「……いや、何でもない」

後輩「はははー、先輩ったらおちゃめさん☆ミ」

先輩「…………」

後輩「すいませんなんでもないです睨まないでください怖いです」

74: 2012/04/10(火) 10:44:17.67 ID:qr4MMSqjO
後輩(いきなり踏み込みすぎた……氏ぬかと思った……!)

後輩(罰ゲームの『先輩にタメ口』はタメ口で会話を往復2回)

後輩(まともにやれば1回目の時点で無言の拳が飛んで来かねない)

後輩(だから、先輩の警戒心をほどいて普通の女子のように会話できるようになるんだ)

後輩(普通の……女子……の友達……いねぇや……)

75: 2012/04/10(火) 11:00:03.94 ID:qr4MMSqjO
後輩「気を取り直してですね、先輩?」

先輩「……ん、まぁいい。キミのアレなところは今に始まったわけじゃないしな」

後輩「そうですね、俺のアレ……アレ!?なんですかそれ……」

先輩「驚いた、キミ……自覚なしか?」

後輩「キョトンとしないでください。俺どんなキャラだって言われてるんですか……」

77: 2012/04/10(火) 11:13:53.19 ID:qr4MMSqjO
先輩「さて、ボールを出すか」

後輩「わかりました。じゃあそっち持ってー」

先輩「あぁ……いいか?」

後輩「段差こえます、せーのっ」

後輩(よし、成功だな!この調子だ)

先輩「そういえば、今回私が直々に用具を出している理由、だったか」

後輩「あ、そういえば聞きそびれてました」

先輩「女子部員達にストをおこされてね」

78: 2012/04/10(火) 11:27:55.37 ID:qr4MMSqjO
後輩「え」

先輩「実質今は私1人か。練習がキツい、と……」

後輩「でも先輩、女子って県大会にもいったぐらい強いんじゃ」

先輩「あぁ、確かに実力はついた。だが慢心してはいけないだろう?」

後輩「それでメニュー増やして反感買ってちゃしょうがないでしょうに」

79: 2012/04/10(火) 11:32:48.50 ID:qr4MMSqjO
先輩「練習メニューも特に変えていないさ。ただ各部員を私が見て、効率の悪い動きなんかは指摘したが」

後輩「自分は何もしないで指示ばっかりするお山の大将だと思われたと」

先輩「……確かに部員達にしめしをつけてこれなかったのは私の責任なんだが、悔しい……」

後輩「甘ったれめ」

80: 2012/04/10(火) 11:39:02.99 ID:qr4MMSqjO
先輩「なっ……!」

後輩「キチンと説明したのか?どうすれば良くなる、って」

後輩「ここが悪いって指摘しただけじゃないのか」

後輩「そりゃモチベーションも下がるね、自信だってなくなる」

後輩「『やってみせ、言って聞かせてさせて見せ、ほめてやらねば人は動かじ』……っていうしな」

81: 2012/04/10(火) 11:50:38.73 ID:qr4MMSqjO
先輩「キミに何がわかる!……私はそこまで上手いプレイヤーじゃない」

先輩「だから、皆に上手くなってもらうしかないんだ」

先輩「私がコートに必要ないぐらい、強く、上手く!」

先輩「私は、部長だ……」

84: 2012/04/10(火) 12:33:19.64 ID:qr4MMSqjO
後輩「あ……いっちゃったか」

後輩「先輩……ちょっと泣いてたか?」

後輩「説教ならタメ口でも普通だしいけると思ったけど……」ユーガッタメール

後友『惜しかったな。1往復で立ち去られたか……期限は後4日』

86: 2012/04/10(火) 13:05:18.65 ID:qr4MMSqjO
後輩「……どうするんだこれ。先輩からの印象は最悪になるし」

後輩「らしくもないこと言ったから罪悪感もすごいし……」

後輩「……あー、もう嫌だ……」ユーガッタメール

後友『m9^Д^)』

後輩「うぜぇ」ユーガッタメール



後輩「……あぁ、そうかもな。ちょっとは真面目にやるか……」

88: 2012/04/10(火) 13:25:20.75 ID:qr4MMSqjO
先輩「……私は、間違っていたのかな」

先輩「でも、部活は……みんなは……」

先輩「」

後輩「あ、お邪魔してます」

先輩「……よくもまぁ顔を見せられたものだね」

後輩「あぁ、やっぱり嫌われちゃいました?」

先輩「少なくとも昨日の今日で顔を見せる気にはならない程度に拒絶の意思を見せたつもりだが」

89: 2012/04/10(火) 13:39:12.58 ID:qr4MMSqjO
先輩「それに、今は私1人とはいえ女子部室に男子が侵入とは……」

後輩「いえ、許可は貰ってますよ?」

先輩「は?」

後輩「よし、『今だ』!」

90: 2012/04/10(火) 13:44:58.14 ID:qr4MMSqjO
部員G「部長~!話は聞きました!裏でずっと素振りしてたって!」

部員B「私達の欠点指摘って嫌がらせじゃなかったんですね!信じてましたよ!?」

部員C「いやね、私は止めたんですけどBがね!?」

ワーワーキャーキャーアーデモコーデモオンドゥルルラギッタンディスカキャーキャー

先輩「……」

先輩「……静かにっ!」

91: 2012/04/10(火) 13:52:21.38 ID:qr4MMSqjO
先輩「……私の指導が、言い方が悪かったせいで誤解を与えた。すまなかった」

先輩「だが、部を強くしたい気持ちは本当だ!……少なくとも私より強くならなくては頼りないと思っている」

先輩「だから……毎日私と、勝負しよう」

先輩「勝ったもののいうことをなんでもひとつ聞く」

先輩「私に勝てないうちは、私の指導をうけてもらう」

93: 2012/04/10(火) 14:43:53.89 ID:qr4MMSqjO
先輩「……どうすれば良くなるのか一緒に考える」

先輩「だから……部活に戻ってきてください」

部員D「なんでも……ほほう……」

部員E「部長って……コスばえしそうですよね……素敵」

先輩「……その、返事は……」

後輩「実は俺部員Aから相談うけてたんです」

後輩「『部長とお互い後にひけない感じで喧嘩しちゃってどうしよう』って」

94: 2012/04/10(火) 15:27:11.44 ID:qr4MMSqjO
後輩「だからほんのちょっとだけお手伝いさせてもらいました」

先輩「じゃあ……」

部員s「もちろんです、こちらこそよろしくお願いします!」

部員A「その、部長が私達のことを思って言ってくれてるのに……」

部員F「ぶちょー!私がかったらこの胸ください!胸!」

先輩「ば、ばかっ!どこ触って……!」

後輩(眼福眼福……ハッ)

96: 2012/04/10(火) 16:03:09.01 ID:qr4MMSqjO
後輩「先輩、これで貸し1だぜ?」

先輩「……」

後輩「あ、すいませんそんな冷たい目でみないでください調子乗ってごめんなさい」

先輩「……いや、なに。昨日から時々やたらなれなれしく振る舞ったのも作戦のうちなのかとね」

後輩「……ふっ、それはどうかな子猫ちゃん?」

先輩「調子にのるな」

後輩「いてっ」

97: 2012/04/10(火) 16:09:43.23 ID:qr4MMSqjO
後輩「まぁそれは……内緒にしときます」

先輩「キミは本当に生意気だね」

先輩「でも……結構嫌いじゃないよ」

後輩「ほれてもいいんだぜ?」

先輩「調子にのるな」

後輩「あいたっ」

先輩「それに、人の恋人を奪う趣味はないさ」

98: 2012/04/10(火) 16:18:13.98 ID:qr4MMSqjO
後輩「怖じ気づいた?」

先輩「だから調子にのるな」

後輩「いてっ」

先輩「……おおかた後友ちゃんと賭けでもして負けたんだろう?」

先輩「それで罰ゲームが『私にタメ口きいてこい』とかそこらへんじゃないのか?」

後輩「……そのとおりです」

先輩「そのうち痛い目みるよ?相手は選ぶべきだ」

後輩「先輩は大丈夫でしたよ」

99: 2012/04/10(火) 16:20:22.15 ID:qr4MMSqjO
先輩「それは結果論だろうに……」

先輩「まぁいいさ、おかげで部員みんなとうまくやっていけそうだからね」

先輩「今回限りは許してあげよう」

後輩「ありがとうございます……」

先輩「だが、キチンと礼節は守るべきだぞ」

後輩「は、はい……」

100: 2012/04/10(火) 16:24:40.68 ID:qr4MMSqjO
先輩「……あの説教だけは別の理由からだった気もするが」

後輩「えーっと、それは……」

先輩「話したくないならべつに構わないさ、あれで目が覚めたんだから感謝してるよ」

後輩「あ、ありがとうございます……あれは一応、本心ってことで」

先輩「本心に一応も二応もないだろうに、キミは……」

後輩「ほら、ひねくれ者ですから……」

101: 2012/04/10(火) 16:29:11.89 ID:qr4MMSqjO



後輩「ってわけでミッションコンプリート」

後友「やり遂げるとは思わなかった……」

後輩「さて、今日は何賭ける?」

後友「……厳選なる抽選の結果、『ヤンキーくんをパシらせる』に決定」

後輩「……こりゃ負けられないわ」

後友「また口八丁でまるめこめば?」

後輩「いやだよ怖い」

お わ れ

102: 2012/04/10(火) 16:33:48.18 ID:qr4MMSqjO
正直いろいろすまんかった
スレタイとはえらくずれたけど、初SSだけど楽しかったぜ

あと、女後輩ちゃんはすごくNTRが似合いそうだなって思った
たまにはいいもんよね
男後輩と男先輩でも考えたがろくなことになりそうにないから投げる

103: 2012/04/10(火) 16:35:46.22 ID:TYph5c0b0

104: 2012/04/10(火) 16:41:28.02 ID:f3gnX8gL0

部員Fと先輩の絡みをもっと見たかったぜ

引用: 後輩「少しずつタメ口を混ぜて先輩の反応を見る」