1: 2013/03/31(日) 00:42:09.89 ID:eH+C/oQR0
巻いた世界 深夜

翠星石 「はぁ… 何時まで経っても「好き」と言えないですぅ…
    もどかしい思いばかりが募ってしまいます…」

蒼星石 「ふぅん… 誰が好きなんだい?」

翠星石 「ふわぁっ!? はやや…!! なっ何でもないですよぉ!」

蒼星石 「あわてなくてもいいじゃないか…
     誰かを好きだという気持ちは素晴らしいものだからね」くす

翠星石 「ひゃああ…」わたわた
アリスゲーム
4: 2013/03/31(日) 00:45:22.58 ID:eH+C/oQR0
翠星石 「真紅ぅ!たすけてぇ!」ひしっ

真紅さま 「どうしたの… 大きな声を出さないで…」

蒼星石 「彼女誰かをひそかに慕っているらしい
     ところがその気持ちを伝えられないでいるんだ」

真紅さま 「そう…」

5: 2013/03/31(日) 00:51:25.61 ID:eH+C/oQR0
真紅さま 「好きだと伝えない恋
      それも一つの形だと思うけれど…」

翠星石 「でも翠星石はちゃんと言いたいんですぅ!」

蒼星石 「ふふ…」

翠星石 「あの…真紅はどういう風に言うのですか…?」

真紅さま 「え?何を?」

翠星石 「そのぅ 好きだと伝えたい場合…」

真紅さま 「私ははっきり愛していると言うわ」

翠星石 「そうですか… それもストレートで良いかもですぅ…」

蒼星石 「はっきりしていて感じが良いだろうね…」

7: 2013/03/31(日) 00:55:41.92 ID:eH+C/oQR0
蒼星石 「そうだ 君色々な方法を実際に試してみたら
     それでどういうのが良いか考えてみるってのはどうだい?」

翠星石 「え? 実際に試してみるってどうやって?」

蒼星石 「僕が実験台になろう 君が色々な方法で
     僕に好きだと伝えてごらん」

翠星石 「えっ…」

真紅さま 「あら それは素敵な思いつきね…
      様々なパターンを試してみるのだわ…」

蒼星石 「さ… やってみよう?」

蒼星石はやさしく翠星石の手をとった

翠星石 「ひゃ… ひゃああ…」かああ…

8: 2013/03/31(日) 00:59:18.22 ID:eH+C/oQR0
蒼星石 「じゃあはじめはどんなので行こうか?」

翠星石 「そ そうですねえ…じゃあまずスタンダードに
     結婚式風にやってほしいですぅ…」

蒼星石 「僕は君に指輪をはめて告白すれば良いのだね?
     よし それで行こう」

9: 2013/03/31(日) 01:07:04.66 ID:eH+C/oQR0
教会堂 祭壇前

カラーン… コローン…

花嫁姿の翠星石は蒼星石の方を見上げる
蒼星石はりりしい顔でじっとこちらを見ている…

司祭 「それでは指輪の交換を…」

翠星石 「あ…あの…」

蒼星石は眼を閉じて翠星石の指にそっと
指輪をはめた

蒼星石 「愛しているよ 翠星石…」

翠星石 「蒼星石っ!」

そして二人はひっしと抱き合う
風が吹き色とりどりの草花が舞った…

11: 2013/03/31(日) 01:09:21.63 ID:eH+C/oQR0
翠 「うーん 今一つですぅ」

蒼 「何が良くなかったのだろうね…」

翠 「あまりにも型通りだったのかもしれません
   じゃあ次ですよ 前からやってみたかったのですが…」

蒼 「ふむ…どういうのだい」

13: 2013/03/31(日) 01:19:18.38 ID:eH+C/oQR0
夏祭り

翠星石は蒼星石の背中を追いかけていた
雑踏に押し流されてゆく…

翠 「あっ… 待ってぇ…」

すると蒼星石は静かに振り返った

蒼 「どうしたんだい 泣きそうな顔をしているよ」

翠 「かき氷をこぼしちゃったですぅ!
   それで… それで…」

蒼星石は微かに笑ってハンカチで足を拭いてくれた
翠星石は少し頬を染めた

蒼 「さあ 行こうか」

翠星石は蒼星石の腕を取って言った

翠 「こーやって行くですよ!」

蒼 「あまえんぼだね 翠星石…」くす

花火が大きな音を立てて上がる
夏の終わり…

15: 2013/03/31(日) 01:23:21.83 ID:eH+C/oQR0
蒼 「変わった趣向だったね… 実際に好きだとは言わないのがさ」

翠 「そうそう!それがいーのですよー!」

蒼 「でもこれ好きだって言う練習なんじゃなかったのかい?
   ちゃんと言わないと意味が無いんじゃないの…?」

翠 「あー! そうですねぇ
   じゃあ次は同じ和風でもちゃんと言うやつですよー!」

16: 2013/03/31(日) 01:31:47.99 ID:eH+C/oQR0
夏の夜 

川岸の土手の上を静かに歩いて行く二人
翠星石はどきどきしてちらと蒼星石の方を見た
蒼星石は遠くを見る様な眼をして横を歩いている…

翠 (はぁ… どきどきしちゃうです…
   この人今何を考えているのでしょうか…)

すると蒼星石はぽつりと言った

蒼 「月が綺麗だね…」

翠星石はびっくりして蒼星石の顔を見た
蒼星石は真面目な顔をして空を見ていた

翠 「そ それは あの…」

それは真に受けても良いの…?蒼星石…

17: 2013/03/31(日) 01:34:04.57 ID:eH+C/oQR0
翠 「はぁ…! 素敵ですぅ!」

蒼 「まずまずだったね… 僕は夏祭りの方が好きかな…」

翠 「じゃあ次はちょっと変わったので行きましょう」

蒼 「変わったの? それはどんな?」

翠 「たとえばですね」

19: 2013/03/31(日) 01:42:31.89 ID:eH+C/oQR0
夜のディスコ

ミラーボールが煌めき
音楽がビートを刻む

蒼 「え… ここはどこ?」

翠 「ディスコですYO!
   MUSICスタートですYO!
   BGM:Red by Full Metal Jacket SPA

蒼 「ふむ…なんだか良い気分だね」

翠 「でしょでしょ? 一緒に踊るです蒼星石っ!」

キュッキュリキュー!キュッキュリキュー!キュキュキューキュキュキューキュッキュリキュー!

21: 2013/03/31(日) 01:45:32.70 ID:eH+C/oQR0
蒼 「愛してるYO!翠星石!
   僕の前に現れた君はキセキ!
   ビートと君の瞳で過ごす一朝一夕!」

翠 「フォーウ!最高ですぅ!YO!蒼星石ぃ!」

キュッキュリキュー!キュッキュリキュー!キュキュキューキュキュキューキュッキュリキュー!

25: 2013/03/31(日) 01:49:05.89 ID:eH+C/oQR0
蒼 「ふぅ…」

翠 「サングラスが似合っていましたよ!蒼星石!」

蒼 「慣れない事をやると疲れちゃうな…」

翠 「じゃあ次はディスコ帰りの落ち着いたお酒の席ですよー!」

蒼 「ふむ… それだったら他の人も呼ぼうか」

26: 2013/03/31(日) 01:59:08.46 ID:eH+C/oQR0
深夜のバー

カラン… コロン…
静かな音楽が流れ人々は思い思いにつかの間の時を楽しんでいる
氷がグラスに当たる音…
二人はカウンターに向かっている…

蒼 「マスター ハイボールをロックで」

マスター(水銀燈)は黙って頷き
グラスを用意している
翠星石は心配そうに蒼星石の方を向いて尋ねた

翠 「蒼星石… この間の話考えてくれましたです…?」

蒼星石は黙ってカウンターの方を向いている

水 「できたわ…どうぞ」カチャ…

蒼星石は水銀燈からお酒を受け取った

27: 2013/03/31(日) 02:03:42.15 ID:eH+C/oQR0
水銀燈は黙ってグラスを拭いている

すると蒼星石はグラスに指輪を落として
翠星石の前へすっと押した

翠 「あ…」

蒼星石は翠星石の方を向いて
少し笑って答えた

蒼 「どこまでも僕は君と一緒だ」

翠 「蒼星石っ…」

思わず蒼星石を抱きしめる翠星石
水銀燈は黙ってグラスを拭いていた…

29: 2013/03/31(日) 02:05:59.74 ID:eH+C/oQR0
翠 「えーと… これは…水銀燈はどういう位置なんでしょうか…」

蒼 「背景の様なものだよ 気にしない気にしない」

翠 「そーですか じゃあ次に行きましょう
   次は帰りの終電の車内ですよ」

蒼 「終電の車内か… それはなかなか良さそうだね…」

30: 2013/03/31(日) 02:07:47.74 ID:eH+C/oQR0
ハイボールロックはおかしいな
思わず勢いで書いてしまった

32: 2013/03/31(日) 02:15:38.99 ID:eH+C/oQR0
終電の車内

二人の他はほとんど誰もおらずガランとしている
夜の明かりが流れる
翠星石は蒼星石の肩に寄り掛かっている…

蒼 「だめだよ 眠っちゃあ… 君は次で降りるのだろう」

蒼星石の服の裾をぎゅっとつかんでいる翠星石
次の駅で二人は別れ別れ…

翠 「そんなの…そんなのどうでもいいですぅ…」

蒼 「どうでもいい事はないだろう…
   君には家族がいるんだ 帰ってやらないといけない家族が…」

そう 二十年振りに再会した二人
しかしそれはもう自由な関係ではなかった
今はもう互いに帰るべき場所がある…

33: 2013/03/31(日) 02:22:06.04 ID:eH+C/oQR0
電車は音もなく翠星石が降りるべき駅についた
しかし翠星石は立とうとしなかった

蒼 「君 起きるんだ… 君はここにいてはいけない…」

でも見ると翠星石は涙を浮かべ
ぎゅっと眼を閉じていた
蒼星石の服のはじをつかんでいる手が震えている
蒼星石はもう何も言えなかった

ガタン…
電車はまた動き出した
あてどもない夜の先へ…

34: 2013/03/31(日) 02:28:18.19 ID:eH+C/oQR0
翠 「ふぅー! 満足満足ですうー!」

蒼 「最後のもなかなか良かったね…
   さて じゃあ本題に移ろう」

翠 「え?本題?」

蒼 「ああ これは練習であって
   あくまで本当の時にできなければ意味が無いんだ…
   だから…」

翠 「ああ!それなら大丈夫ですよー!
   もう今ので本当の時はやりましたから!」

蒼 「え?」

翠 「あっ…」

蒼 「… えっと…それは…」

翠 「何でもない!何でもないですよぉ!」ぱたぱた…




35: 2013/03/31(日) 02:39:34.20 ID:eH+C/oQR0
ENDINGやっぱ
恋する宇宙戦争のがよかったかな…
恋する☆宇宙戦争っ!!
http://www.youtube.com/watch?v=x_EveSVcbwk

36: 2013/03/31(日) 02:43:36.99 ID:W/+E8ZOD0

引用: 翠星石 「色んな告白方法ですよ!」