136: 2018/02/09(金) 23:24:19.85 ID:KepXK8wj0
137: 2018/02/09(金) 23:25:04.78 ID:KepXK8wj0
ep.8 時の勇者
「リンクル……リンクル! しっかりして!」
リンクル「う……うぅ……!」
ナビィ「目が覚めた?」
リンクル「なんとか……いつつ……!」
リンクル「……! ガノンドロフは!?」
ナビィ「行っちゃったヨ……」
リンクル「っ……!」ザッ
ナビィ「待って! 追うなんて無茶よ!」
ナビィ「それに、追い付けたとしても、今のままじゃ勝てないヨ!」
リンクル「……」ピタ
リンクル「そう、だね……城下町は?」
ナビィ「あれから大勢の人達が平原へと逃げ出したわ……」
ナビィ「もう夜が明けるけど、ずっと橋が下りたままなの……」
リンクル「……そうだ!」
リンクル「ゼルダ姫が何か投げた筈!」
ナビィ「あ、うん、多分そこのお堀にまだ沈んでるんじゃないかな」
リンクル「取ってくる!」バッ
「リンクル……リンクル! しっかりして!」
リンクル「う……うぅ……!」
ナビィ「目が覚めた?」
リンクル「なんとか……いつつ……!」
リンクル「……! ガノンドロフは!?」
ナビィ「行っちゃったヨ……」
リンクル「っ……!」ザッ
ナビィ「待って! 追うなんて無茶よ!」
ナビィ「それに、追い付けたとしても、今のままじゃ勝てないヨ!」
リンクル「……」ピタ
リンクル「そう、だね……城下町は?」
ナビィ「あれから大勢の人達が平原へと逃げ出したわ……」
ナビィ「もう夜が明けるけど、ずっと橋が下りたままなの……」
リンクル「……そうだ!」
リンクル「ゼルダ姫が何か投げた筈!」
ナビィ「あ、うん、多分そこのお堀にまだ沈んでるんじゃないかな」
リンクル「取ってくる!」バッ
138: 2018/02/09(金) 23:25:46.78 ID:KepXK8wj0
リンクル「これは……オカリナ?」
リンクル「……!」
『リンクル……あなたがこのオカリナを手にした時……』
『私は、あなたの前からもう居なくなっているでしょう……』
『あなたを待っていたかったけれど、もう間に合わない……』
『もうすぐ、ここにもあの男とあの男が率いる軍勢がやってきます』
『その前に、せめてこのメロディをオカリナに込めて送りましょう』
『この“時の歌”を、三つの精霊石を納めた“時の扉”の前で奏でてください』
『そうすれば、あなたは聖地に入ることが出来る筈です』
『トライフォースはあなたが守って!』
リンクル「……」
リンクル「……分かった」
ナビィ「だ、大丈夫? リンクル?」
リンクル「え?」
ナビィ「そのオカリナ持って、陸に上がった途端にぼーっとしちゃってたけど……」
リンクル「……あ、そっか。そういう魔法なんだこれ」
リンクル「ゼルダが次にすべきことを教えてくれたよ」
ナビィ「ほんと?」
リンクル「うん。行こう」
リンクル「時の神殿へ!」
リンクル「……!」
『リンクル……あなたがこのオカリナを手にした時……』
『私は、あなたの前からもう居なくなっているでしょう……』
『あなたを待っていたかったけれど、もう間に合わない……』
『もうすぐ、ここにもあの男とあの男が率いる軍勢がやってきます』
『その前に、せめてこのメロディをオカリナに込めて送りましょう』
『この“時の歌”を、三つの精霊石を納めた“時の扉”の前で奏でてください』
『そうすれば、あなたは聖地に入ることが出来る筈です』
『トライフォースはあなたが守って!』
リンクル「……」
リンクル「……分かった」
ナビィ「だ、大丈夫? リンクル?」
リンクル「え?」
ナビィ「そのオカリナ持って、陸に上がった途端にぼーっとしちゃってたけど……」
リンクル「……あ、そっか。そういう魔法なんだこれ」
リンクル「ゼルダが次にすべきことを教えてくれたよ」
ナビィ「ほんと?」
リンクル「うん。行こう」
リンクル「時の神殿へ!」
139: 2018/02/09(金) 23:26:17.27 ID:KepXK8wj0
――ハイラル城下町
ナビィ「閑散としてるネ」
リンクル「まだ朝早いのもあるけど……」
リンクル「見て、お城の方」
ナビィ「煙が上がってる……」
リンクル「多分城下町の人達は殆ど逃げ出しちゃったんだと思うよ」
リンクル「残ってるのは、逃げられない人か、逃げたくない人だけ」
ナビィ「うわ、あそこ城下町の警備隊の詰所じゃない……?」
ナビィ「兵隊さんがいっぱい倒れてる……」
リンクル「生きてる人居る?」
ナビィ「分かんない……生命力は感じないヨ……」
カァーン カキーン
リンクル「……あっちの路地、何か聞こえるよ!」ダッ
ナビィ「閑散としてるネ」
リンクル「まだ朝早いのもあるけど……」
リンクル「見て、お城の方」
ナビィ「煙が上がってる……」
リンクル「多分城下町の人達は殆ど逃げ出しちゃったんだと思うよ」
リンクル「残ってるのは、逃げられない人か、逃げたくない人だけ」
ナビィ「うわ、あそこ城下町の警備隊の詰所じゃない……?」
ナビィ「兵隊さんがいっぱい倒れてる……」
リンクル「生きてる人居る?」
ナビィ「分かんない……生命力は感じないヨ……」
カァーン カキーン
リンクル「……あっちの路地、何か聞こえるよ!」ダッ
140: 2018/02/09(金) 23:29:57.95 ID:KepXK8wj0
ゲルド「このっ……!」
ゲルド「いい加減に倒れろ、ハイリア野郎!」ザンッ
兵士「ぐあっ!」ドサッ
リンクル「!!」
リンクル(あ、あの時の兵隊さん……!)
ゲルド「はぁー……はぁー……」チラッ
兵士B「」
兵士C「」
ゲルドB「」
ゲルド「よくもやりやがって……」
ゲルド「……向こうでこの子と、お前が頃したあたしの同胞達に謝れ」
兵士「……じゃあ……お前も、私に……謝りに来るのか……」
ゲルド「っ……お前っ!」
リンクル「てやぁぁぁっ!」
ゲルド「!?」
ゲルド「しまっ……!」
ザシュッ
ゲルド「いい加減に倒れろ、ハイリア野郎!」ザンッ
兵士「ぐあっ!」ドサッ
リンクル「!!」
リンクル(あ、あの時の兵隊さん……!)
ゲルド「はぁー……はぁー……」チラッ
兵士B「」
兵士C「」
ゲルドB「」
ゲルド「よくもやりやがって……」
ゲルド「……向こうでこの子と、お前が頃したあたしの同胞達に謝れ」
兵士「……じゃあ……お前も、私に……謝りに来るのか……」
ゲルド「っ……お前っ!」
リンクル「てやぁぁぁっ!」
ゲルド「!?」
ゲルド「しまっ……!」
ザシュッ
141: 2018/02/09(金) 23:30:49.13 ID:KepXK8wj0
ゲルド「コヒュー……コヒュー……」
ゲルド「……ヒュー……」
リンクル「はぁ……はぁ……」
兵士「はーっ……はーっ……」
ゲルド「」
リンクル「……あ」
ナビィ「リンクル……!」
リンクル「どうしよう……?」
リンクル「どうしよう、どうしよう、どうしよう……!?」ガタガタ
兵士「誰だか、知らないが……ありがとう、な……」
兵士「あんたのしたことは……正しい……何も、悪いことじゃ、ない……!」
リンクル「でも、あた、あたし、ひとを、ひとをころして……!」ガタガタ
ナビィ「リンクル!」
リンクル「っ」ビクッ
ナビィ「早く止血してあげないと、兵隊さん氏んじゃうヨ!」
リンクル「……!」
兵士「……君は……まさか……」
兵士「そうか、あの時の……森から来たお嬢ちゃんだな……?」
ゲルド「……ヒュー……」
リンクル「はぁ……はぁ……」
兵士「はーっ……はーっ……」
ゲルド「」
リンクル「……あ」
ナビィ「リンクル……!」
リンクル「どうしよう……?」
リンクル「どうしよう、どうしよう、どうしよう……!?」ガタガタ
兵士「誰だか、知らないが……ありがとう、な……」
兵士「あんたのしたことは……正しい……何も、悪いことじゃ、ない……!」
リンクル「でも、あた、あたし、ひとを、ひとをころして……!」ガタガタ
ナビィ「リンクル!」
リンクル「っ」ビクッ
ナビィ「早く止血してあげないと、兵隊さん氏んじゃうヨ!」
リンクル「……!」
兵士「……君は……まさか……」
兵士「そうか、あの時の……森から来たお嬢ちゃんだな……?」
142: 2018/02/09(金) 23:31:43.76 ID:KepXK8wj0
兵士「あ、会えてよかった……君に伝えたい、ことが、ある……ごほっ」
リンクル「喋っちゃ駄目! 血が……!」
兵士「ぐ……ゲルドの、盗賊王ガノンドロフが、我が王を裏切った……」
兵士「王は殺され、ゼルダ姫は、乳母のインパ様がなんとか連れ出した……」
リンクル「知ってる……だから……もう……!」
兵士「我々はなんとかガノンドロフの追手を食い止めようとしたが……」
兵士「ここまでのようだ……無念、だ……がはっ……」
兵士「姫は……森の少女を……待っておられた……!」
兵士「今思えば、なんたる偶然だ……森の少女とは、そう、君のことだったのだな……!」
兵士「時の神殿へ……時の神殿へ急げ……」
兵士「我々の、我々が、命を懸けて……いそ……げ……」ガク
リンクル「……兵隊さん? 兵隊さん!」
兵士「」
リンクル「……もう、動かない……」
ナビィ「リンクル……」
リンクル「……ガノンドロフ……!」
リンクル「喋っちゃ駄目! 血が……!」
兵士「ぐ……ゲルドの、盗賊王ガノンドロフが、我が王を裏切った……」
兵士「王は殺され、ゼルダ姫は、乳母のインパ様がなんとか連れ出した……」
リンクル「知ってる……だから……もう……!」
兵士「我々はなんとかガノンドロフの追手を食い止めようとしたが……」
兵士「ここまでのようだ……無念、だ……がはっ……」
兵士「姫は……森の少女を……待っておられた……!」
兵士「今思えば、なんたる偶然だ……森の少女とは、そう、君のことだったのだな……!」
兵士「時の神殿へ……時の神殿へ急げ……」
兵士「我々の、我々が、命を懸けて……いそ……げ……」ガク
リンクル「……兵隊さん? 兵隊さん!」
兵士「」
リンクル「……もう、動かない……」
ナビィ「リンクル……」
リンクル「……ガノンドロフ……!」
143: 2018/02/09(金) 23:32:24.08 ID:KepXK8wj0
――時の神殿
リンクル「この台座の前でこれを吹けば良いんだよね……?」
♪♪♪♪♪♪~
ポゥ……
リンクル「……! 精霊石が!」
ゴゴゴゴゴ……
ナビィ「“時の扉”が開いたヨ!」
リンクル「ここが聖地……?」
リンクル「あれは……」
ナビィ「これは……!」
ナビィ「伝説の剣、マスターソード!」
リンクル「伝説の剣?」
ナビィ「そう……太古の昔、今のハイラルが出来る前のこと」
ナビィ「女神ハイリアが魔物に対抗する為に作り出した、退魔の剣だヨ!」
リンクル「退魔の剣……」
リンクル「この台座の前でこれを吹けば良いんだよね……?」
♪♪♪♪♪♪~
ポゥ……
リンクル「……! 精霊石が!」
ゴゴゴゴゴ……
ナビィ「“時の扉”が開いたヨ!」
リンクル「ここが聖地……?」
リンクル「あれは……」
ナビィ「これは……!」
ナビィ「伝説の剣、マスターソード!」
リンクル「伝説の剣?」
ナビィ「そう……太古の昔、今のハイラルが出来る前のこと」
ナビィ「女神ハイリアが魔物に対抗する為に作り出した、退魔の剣だヨ!」
リンクル「退魔の剣……」
144: 2018/02/09(金) 23:32:55.47 ID:KepXK8wj0
リンクル「……あの時、ガノンドロフには全然敵わなかった」ガシッ
リンクル「これがあれば、あいつにも勝てるかな……っ?」ググッ
リンクル「っく……えいっ!」ガッ
リンクル「抜けたっ……!」
ゴオッ
リンクル「!?」
ナビィ「な、何!?」
リンクル「こ、この光は……!?」
パアアアアアッ
145: 2018/02/09(金) 23:34:05.29 ID:KepXK8wj0
リンクル(あたし、一体どうなって……!?)
『クックック……』
『ご苦労だったな、小娘!』
リンクル(ガノンドロフ! なんで、笑って……!)
ガノンドロフ『俺の思った通り、“時の扉”の鍵はお前が握っていたのだな……』
ガノンドロフ『お前がこの俺を聖地へ導いてくれるとは……』
リンクル(……!!)
ガノンドロフ『感謝するぞ、小娘!』
ガノンドロフ『ハッハッハッハ、ハーッハッハッハッハッハ!』
リンクル(待てっ……! 待て、ガノンドロフ!!)
リンクル(っ……!)
『クックック……』
『ご苦労だったな、小娘!』
リンクル(ガノンドロフ! なんで、笑って……!)
ガノンドロフ『俺の思った通り、“時の扉”の鍵はお前が握っていたのだな……』
ガノンドロフ『お前がこの俺を聖地へ導いてくれるとは……』
リンクル(……!!)
ガノンドロフ『感謝するぞ、小娘!』
ガノンドロフ『ハッハッハッハ、ハーッハッハッハッハッハ!』
リンクル(待てっ……! 待て、ガノンドロフ!!)
リンクル(っ……!)
146: 2018/02/09(金) 23:34:49.58 ID:KepXK8wj0
『リンクル……』
リンクル(……)
『目覚めよ、選ばれし者リンクルよ……』
リンクル(……?)
リンクル(選ばれし者……?)
「リンクル……」
リンクル「うっ……っ」
リンクル「ここは……?」
「目が覚めたようじゃな……」
「ワシはその昔、時の神殿を作り、聖地との道を繋いだ賢者の一人……」
ラウル「名をラウルという」
ラウル「ここは賢者の間」
ラウル「聖地の要である光の神殿に残された、最後の砦じゃ……」
ラウル「お前が時の台座から抜き取ったマスターソード……あれが聖地への最後の鍵だったのじゃ」
リンクル「じ、じゃあ、あたしは……!」
リンクル「……? 何? 身体の感覚が……」
ラウル「……リンクルよ」
ラウル「落ち着いて、己の姿を見るが良い」
リンクル「……?」
リンクル「足元が、少し遠い……?」
ナビィ「リンクル! 大きくなってる!?」
ナビィ「成長してるヨ!」
リンクル「クロスボウが小さい……コキリの剣もデクの盾も小さくて頼りないや」
リンクル「ていうか、胸大きくなってるし!? 邪魔くさ!?」
ナビィ「た、確かにちょっと邪魔そう……」
リンクル(……)
『目覚めよ、選ばれし者リンクルよ……』
リンクル(……?)
リンクル(選ばれし者……?)
「リンクル……」
リンクル「うっ……っ」
リンクル「ここは……?」
「目が覚めたようじゃな……」
「ワシはその昔、時の神殿を作り、聖地との道を繋いだ賢者の一人……」
ラウル「名をラウルという」
ラウル「ここは賢者の間」
ラウル「聖地の要である光の神殿に残された、最後の砦じゃ……」
ラウル「お前が時の台座から抜き取ったマスターソード……あれが聖地への最後の鍵だったのじゃ」
リンクル「じ、じゃあ、あたしは……!」
リンクル「……? 何? 身体の感覚が……」
ラウル「……リンクルよ」
ラウル「落ち着いて、己の姿を見るが良い」
リンクル「……?」
リンクル「足元が、少し遠い……?」
ナビィ「リンクル! 大きくなってる!?」
ナビィ「成長してるヨ!」
リンクル「クロスボウが小さい……コキリの剣もデクの盾も小さくて頼りないや」
リンクル「ていうか、胸大きくなってるし!? 邪魔くさ!?」
ナビィ「た、確かにちょっと邪魔そう……」
147: 2018/02/09(金) 23:35:35.92 ID:KepXK8wj0
ナビィ「……思ったんだけどさ、服着替えさせたのってラウルなのかな……」
リンクル「え?」
ラウル「いや、お前の体は……」
「マスターの身体はファイが管理しておりました」ヒュリンッ
リンクル「へっ!?」
ファイ「マイマスター、リンクル。私はマスターソードに宿る剣の精霊、ファイと申します」
ファイ「マスターが台座から私を抜き放った際、ファイは“マスターはまだ幼すぎる”と判断しました」
リンクル「そ、そう……」
ファイ「この為、マスターの魂を一時的に封印し、身体をファイが管理していました」
ファイ「現在のマスターの体は一般的なハイリア人に照らし合わせると、概ね17歳から18歳と見られます」
ファイ「実際の年齢は不明ですが、その年頃の少女らしい振舞いを身につけることを推奨します」
ファイ「また、マスターの体調管理に関してはそちらの妖精よりファイの方が詳細を把握している確率が85%」
ファイ「そうした相談はファイにされることを推奨します」
ファイ「この姿を現出させられるのはこの賢者の間に限られますが、会話だけであればどこでも可能です」
ナビィ「ええー……」
ファイ「それでは、またご用があればお呼び出しください」ヒュリンッ
リンクル「マスターソード……伝説の剣だけあって、精霊なんてのも宿ってたんだ……」
リンクル「え?」
ラウル「いや、お前の体は……」
「マスターの身体はファイが管理しておりました」ヒュリンッ
リンクル「へっ!?」
ファイ「マイマスター、リンクル。私はマスターソードに宿る剣の精霊、ファイと申します」
ファイ「マスターが台座から私を抜き放った際、ファイは“マスターはまだ幼すぎる”と判断しました」
リンクル「そ、そう……」
ファイ「この為、マスターの魂を一時的に封印し、身体をファイが管理していました」
ファイ「現在のマスターの体は一般的なハイリア人に照らし合わせると、概ね17歳から18歳と見られます」
ファイ「実際の年齢は不明ですが、その年頃の少女らしい振舞いを身につけることを推奨します」
ファイ「また、マスターの体調管理に関してはそちらの妖精よりファイの方が詳細を把握している確率が85%」
ファイ「そうした相談はファイにされることを推奨します」
ファイ「この姿を現出させられるのはこの賢者の間に限られますが、会話だけであればどこでも可能です」
ナビィ「ええー……」
ファイ「それでは、またご用があればお呼び出しください」ヒュリンッ
リンクル「マスターソード……伝説の剣だけあって、精霊なんてのも宿ってたんだ……」
148: 2018/02/09(金) 23:37:12.08 ID:KepXK8wj0
ラウル「……こほん」
ラウル「マスターソードは、心悪しき者は決して触れることの出来ぬ聖剣」
ラウル「そして、時の勇者としての資格ある者だけが台座から抜き放つことの出来る剣」
ラウル「しかし……お前は時の勇者として、マスターソードを扱う者として、まだ幼すぎた……」
ラウル「それ故、お前の魂は7年の間眠り続けた……」
ラウル「そして今、時の勇者としての目覚めの時が訪れたのじゃ」
リンクル「7年……」
リンクル「……そうだ! ガノンドロフは!? あいつの声が……!」
ラウル「……奴はお前がハイラルの平和を願って開いた“時の扉”からこの禁断の聖地へ侵入した」
ラウル「そして聖地の中心……この光の神殿でトライフォースを手に入れ、その力で魔王となっておる」
ラウル「奴の魔力が神殿を通してハイラル中へ流れ出し、この7年でハイラルを魔物の国へと変えてしまった……」
ラウル「ワシの力が及ぶのも最早この光の神殿の一部に過ぎぬ」
リンクル「そんな……そんな、ことって……!」
ラウル「じゃが、まだ希望はある!」
ラウル「我らには賢者の力が残っておる!」
リンクル「賢者の力?」
ラウル「七人の賢者の力が目覚めし時、賢者の封印は全ての悪しき力をその彼方へと封じ込める」
ラウル「このワシ、ラウルもその賢者の一人……」
ラウル「そして賢者達と共に戦う力……」
ラウル「それが時の勇者なのじゃ!」
リンクル「……じゃあ、その賢者達を目覚めさせて、時の勇者を見つけてくればいいんだね?」
ラウル「……何を言うておる」
ラウル「時の勇者とは、お前のことだと先程言うたではないか」
リンクル「あたしが!?」
リンクル「あたしが、時の勇者……!?」
ラウル「左様。まぁ、突然言われても困惑するばかりであろうな」
ラウル「まずは、ハイラルの様子を見てくるが良い」
ラウル「マスターソードは、心悪しき者は決して触れることの出来ぬ聖剣」
ラウル「そして、時の勇者としての資格ある者だけが台座から抜き放つことの出来る剣」
ラウル「しかし……お前は時の勇者として、マスターソードを扱う者として、まだ幼すぎた……」
ラウル「それ故、お前の魂は7年の間眠り続けた……」
ラウル「そして今、時の勇者としての目覚めの時が訪れたのじゃ」
リンクル「7年……」
リンクル「……そうだ! ガノンドロフは!? あいつの声が……!」
ラウル「……奴はお前がハイラルの平和を願って開いた“時の扉”からこの禁断の聖地へ侵入した」
ラウル「そして聖地の中心……この光の神殿でトライフォースを手に入れ、その力で魔王となっておる」
ラウル「奴の魔力が神殿を通してハイラル中へ流れ出し、この7年でハイラルを魔物の国へと変えてしまった……」
ラウル「ワシの力が及ぶのも最早この光の神殿の一部に過ぎぬ」
リンクル「そんな……そんな、ことって……!」
ラウル「じゃが、まだ希望はある!」
ラウル「我らには賢者の力が残っておる!」
リンクル「賢者の力?」
ラウル「七人の賢者の力が目覚めし時、賢者の封印は全ての悪しき力をその彼方へと封じ込める」
ラウル「このワシ、ラウルもその賢者の一人……」
ラウル「そして賢者達と共に戦う力……」
ラウル「それが時の勇者なのじゃ!」
リンクル「……じゃあ、その賢者達を目覚めさせて、時の勇者を見つけてくればいいんだね?」
ラウル「……何を言うておる」
ラウル「時の勇者とは、お前のことだと先程言うたではないか」
リンクル「あたしが!?」
リンクル「あたしが、時の勇者……!?」
ラウル「左様。まぁ、突然言われても困惑するばかりであろうな」
ラウル「まずは、ハイラルの様子を見てくるが良い」
149: 2018/02/09(金) 23:37:55.85 ID:KepXK8wj0
――時の神殿
リンクル「……あれっ」
ナビィ「時の神殿に戻ったみたいね」
ナビィ「ほんとに7年も経ったのかな?」
リンクル「ここの様子は全然変わらないけど……」キョロキョロ
リンクル「やっぱりなんだか変な感覚だなぁ、この身体」
リンクル「取り敢えず……城下町に出てみよっか」
リンクル「……!」シャキンッ
「……」
リンクル「……何者?」
「待っていたよ、時の勇者」
リンクル「……あたしを知ってるの?」
「……世界が魔に支配されし時、聖地からの声に目覚めし者達五つの神殿にあり……」
「一つは深き森に、一つは高き山に、一つは広き湖に、一つは屍の館に、一つは砂の女神に……」
「目覚めし者達、時の勇者を得て魔を封じ込め、やがて平和の光を取り戻す」
「我らシーカー族に残る、神殿についての言い伝えだ」
シーク「僕はシーク。シーカー族の生き残り」
シーク「最初の質問に答えるならば、ただの吟遊詩人だよ」
シーク「二つ目の質問に答えるならば、君の持つその剣が何よりの証明だ」
シーク「君が言い伝えを信じるならば、五つの神殿を探し出し、目覚めさせる他ない」
シーク「まずは森に行ってみると良い……」
シーク「賢者が目覚めの時を待っている。君のよく知る少女だ」
リンクル「あたしのよく知っている……?」
シーク「だが、神殿に巣食う魔物の力で、ここから彼女に賢者の声を届かせることは不可能だ」
シーク「魔物を倒し、彼女を賢者として目覚めさせるんだ……」
リンクル「……あれっ」
ナビィ「時の神殿に戻ったみたいね」
ナビィ「ほんとに7年も経ったのかな?」
リンクル「ここの様子は全然変わらないけど……」キョロキョロ
リンクル「やっぱりなんだか変な感覚だなぁ、この身体」
リンクル「取り敢えず……城下町に出てみよっか」
リンクル「……!」シャキンッ
「……」
リンクル「……何者?」
「待っていたよ、時の勇者」
リンクル「……あたしを知ってるの?」
「……世界が魔に支配されし時、聖地からの声に目覚めし者達五つの神殿にあり……」
「一つは深き森に、一つは高き山に、一つは広き湖に、一つは屍の館に、一つは砂の女神に……」
「目覚めし者達、時の勇者を得て魔を封じ込め、やがて平和の光を取り戻す」
「我らシーカー族に残る、神殿についての言い伝えだ」
シーク「僕はシーク。シーカー族の生き残り」
シーク「最初の質問に答えるならば、ただの吟遊詩人だよ」
シーク「二つ目の質問に答えるならば、君の持つその剣が何よりの証明だ」
シーク「君が言い伝えを信じるならば、五つの神殿を探し出し、目覚めさせる他ない」
シーク「まずは森に行ってみると良い……」
シーク「賢者が目覚めの時を待っている。君のよく知る少女だ」
リンクル「あたしのよく知っている……?」
シーク「だが、神殿に巣食う魔物の力で、ここから彼女に賢者の声を届かせることは不可能だ」
シーク「魔物を倒し、彼女を賢者として目覚めさせるんだ……」
150: 2018/02/09(金) 23:38:50.28 ID:KepXK8wj0
――ハイラル城下町
リンクル「こ、これは……」
ナビィ「う……すごい邪悪な空気……」
リンクル「人っ子一人……いや、誰か居る?」
リーデッド「ウォォン……ォォン……」
ナビィ「違う! 近付いちゃ駄目!」
リンクル「ま、魔物だ!?」
リーデッド「キョォォッ!」ギロッ
リンクル「うっ!?」ビクッ
リーデッド「ォォォ……」ノソノソ
リンクル「っく……っ! ええいっ!」ザシュッ
リーデッド「ウォォォ……」バタリ
リンクル「倒した……?」
リーデッドB「オォン……オォン……」ノソノソ
リーデッドC「ウォォン……オォォン……」ノソノソ
リンクル「ひっ!? いっぱい来た!?」
リーデッド「」
リーデッドB「オォン……」
リーデッドC「オォォン……」
リンクル「……あれ?」
ナビィ「仲間の氏体の横にしゃがみ込んで……何してるんだろう……?」
リンクル「さあ……」
リンクル「……なんか、悪いことしちゃったかな」
リンクル「こ、これは……」
ナビィ「う……すごい邪悪な空気……」
リンクル「人っ子一人……いや、誰か居る?」
リーデッド「ウォォン……ォォン……」
ナビィ「違う! 近付いちゃ駄目!」
リンクル「ま、魔物だ!?」
リーデッド「キョォォッ!」ギロッ
リンクル「うっ!?」ビクッ
リーデッド「ォォォ……」ノソノソ
リンクル「っく……っ! ええいっ!」ザシュッ
リーデッド「ウォォォ……」バタリ
リンクル「倒した……?」
リーデッドB「オォン……オォン……」ノソノソ
リーデッドC「ウォォン……オォォン……」ノソノソ
リンクル「ひっ!? いっぱい来た!?」
リーデッド「」
リーデッドB「オォン……」
リーデッドC「オォォン……」
リンクル「……あれ?」
ナビィ「仲間の氏体の横にしゃがみ込んで……何してるんだろう……?」
リンクル「さあ……」
リンクル「……なんか、悪いことしちゃったかな」
151: 2018/02/09(金) 23:39:29.15 ID:KepXK8wj0
――ハイラル平原
リンクル「平原はそこまで変わってないのかな……?」
リンクル「……でも、なんだか空気が重いや」
ナビィ「城下町程じゃないけど、邪悪な魔力が漂ってるネ……」
リンクル「……あっ!」
ナビィ「どうしたの?」
リンクル「食糧も水も用意してない!」
ナビィ「……あ、そっか! 城下町で買えなかったから、何もないんだ!」
リンクル「どうしよう、近くに村なんて……!」
リンクル「……そうだ、あそこなら……!」
リンクル「平原はそこまで変わってないのかな……?」
リンクル「……でも、なんだか空気が重いや」
ナビィ「城下町程じゃないけど、邪悪な魔力が漂ってるネ……」
リンクル「……あっ!」
ナビィ「どうしたの?」
リンクル「食糧も水も用意してない!」
ナビィ「……あ、そっか! 城下町で買えなかったから、何もないんだ!」
リンクル「どうしよう、近くに村なんて……!」
リンクル「……そうだ、あそこなら……!」
152: 2018/02/09(金) 23:39:58.81 ID:KepXK8wj0
――カカリコ村
リンクル「到着は夜中を覚悟してたけど……」
ナビィ「案外早くついちゃったネ」
ナビィ「成長して身体が大きくなったからかな?」
リンクル「うん、多分ね」
リンクル「……あれ? あの人……」
ナビィ「どうしたの?」
リンクル「城下町で見た覚えがある……」
リンクル「あそこの人も城下町に居た気がする」
ナビィ「……そういえばここはあんまり邪悪な魔力を感じないヨ」
リンクル「城下町の人達、ここに逃げてきてたんだ!」
ナビィ「ていうかよく通行人の顔なんか覚えてたね……」
リンクル「到着は夜中を覚悟してたけど……」
ナビィ「案外早くついちゃったネ」
ナビィ「成長して身体が大きくなったからかな?」
リンクル「うん、多分ね」
リンクル「……あれ? あの人……」
ナビィ「どうしたの?」
リンクル「城下町で見た覚えがある……」
リンクル「あそこの人も城下町に居た気がする」
ナビィ「……そういえばここはあんまり邪悪な魔力を感じないヨ」
リンクル「城下町の人達、ここに逃げてきてたんだ!」
ナビィ「ていうかよく通行人の顔なんか覚えてたね……」
153: 2018/02/09(金) 23:40:34.79 ID:KepXK8wj0
リンクル「こっこっこっこー」
コッコ「コッコッココココケー」
リンクル「こけっこー」
リンクル「なんだかコッコも小さく感じるなぁ」
コッコ姉さん「また一羽足りない……どこ行っちゃったのかしら……」ガチャ
リンクル「ん……あれ?」
リンクル「ああー! コッコのお姉さん!」
コッコ姉さん「え……もしかして、リンクルちゃん!?」
リンクル「覚えててくれたんだ! 久しぶり!」
コッコ姉さん「もうっ、七年間もどこ行ってたの!?」ギュッ
リンクル「きゃっ、ご、ごめんなさい?」
コッコ姉さん「でも元気そうで安心したわ」
コッコ姉さん「背も大分伸びたね。スタイル良くて羨ましいなー」ムニムニ
リンクル「んん、ちょっと、また胸ー?」
コッコ姉さん「あたしが見込んだ通り、大きくなったじゃん?」ムニムニ
リンクル「歩いてる時も邪魔で仕方ないんだけどね」
コッコ姉さん「ねぇ、今夜の宿はもう決まってる?」
リンクル「ううん、決まってない」
コッコ姉さん「じゃあ、またうちに泊まって行きなよ!」
リンクル「いいの?」
コッコ姉さん「いいの、いいの!」
コッコ姉さん「だから……」
リンクル「お風呂一緒はしないからね?」
コッコ姉さん「(´・ω・`)」
コッコ「コッコッココココケー」
リンクル「こけっこー」
リンクル「なんだかコッコも小さく感じるなぁ」
コッコ姉さん「また一羽足りない……どこ行っちゃったのかしら……」ガチャ
リンクル「ん……あれ?」
リンクル「ああー! コッコのお姉さん!」
コッコ姉さん「え……もしかして、リンクルちゃん!?」
リンクル「覚えててくれたんだ! 久しぶり!」
コッコ姉さん「もうっ、七年間もどこ行ってたの!?」ギュッ
リンクル「きゃっ、ご、ごめんなさい?」
コッコ姉さん「でも元気そうで安心したわ」
コッコ姉さん「背も大分伸びたね。スタイル良くて羨ましいなー」ムニムニ
リンクル「んん、ちょっと、また胸ー?」
コッコ姉さん「あたしが見込んだ通り、大きくなったじゃん?」ムニムニ
リンクル「歩いてる時も邪魔で仕方ないんだけどね」
コッコ姉さん「ねぇ、今夜の宿はもう決まってる?」
リンクル「ううん、決まってない」
コッコ姉さん「じゃあ、またうちに泊まって行きなよ!」
リンクル「いいの?」
コッコ姉さん「いいの、いいの!」
コッコ姉さん「だから……」
リンクル「お風呂一緒はしないからね?」
コッコ姉さん「(´・ω・`)」
154: 2018/02/09(金) 23:41:11.78 ID:KepXK8wj0
――親方の家
コッコ姉さん「あれ? リンクルちゃん下着とかつけてないの?」
リンクル「パンツは履いてるけど」
コッコ姉さん「胸の話! そんなにおっきいんだから、ブラくらい着けなきゃ駄目よ!」
リンクル「そうかな……」
コッコ姉さん「絶対そう!」
コッコ姉さん「測ってあげるからじっとして」
ファイ(胸に着用する下着……盲点でした)
コッコ姉さん「んー……D……かな……?」
コッコ姉さん「これならすぐ用意出来そうだから待っててね!」
リンクル「あ、ありがとう……?」
コッコ姉さん「あれ? リンクルちゃん下着とかつけてないの?」
リンクル「パンツは履いてるけど」
コッコ姉さん「胸の話! そんなにおっきいんだから、ブラくらい着けなきゃ駄目よ!」
リンクル「そうかな……」
コッコ姉さん「絶対そう!」
コッコ姉さん「測ってあげるからじっとして」
ファイ(胸に着用する下着……盲点でした)
コッコ姉さん「んー……D……かな……?」
コッコ姉さん「これならすぐ用意出来そうだから待っててね!」
リンクル「あ、ありがとう……?」
155: 2018/02/09(金) 23:42:01.44 ID:KepXK8wj0
コッコ姉さん「どっか痛んだりしない?」
リンクル「平気。ちょっと違和感はあるけど」
コッコ姉さん「誰だって最初はそういうもんだよ」
おばさん「そうそう、この子だって最初は大変だったんだから!」
コッコ姉さん「もう! サイズ間違えちゃってたのはお母さんでしょ!」
「ぐぅー……ぐぉー……」
リンクル「……いびき?」
コッコ姉さん「ああ、タロンおじさんね」
リンクル「え、タロンって、あのロンロン牧場のおじさん?」
コッコ姉さん「知ってるの?」
コッコ姉さん「数年前まではロンロン牧場のオーナーだったんだけど、追い出されちゃったんだって」
ナビィ「ええっ!?」
リンクル「じ、じゃあ、ロンロン牧場は!? マロンは!?」
コッコ姉さん「インゴーって使用人が乗っ取って、今じゃガノンドロフの公営牧場よ」
コッコ姉さん「マロンちゃんはまだあの牧場でこき使われてるみたい……可哀想に、動物が大好きなばっかりに」
リンクル「インゴーさんが? そんなことする人には見えなかったけど……」
リンクル「いずれにせよ、何とかしなきゃ……!」
リンクル「平気。ちょっと違和感はあるけど」
コッコ姉さん「誰だって最初はそういうもんだよ」
おばさん「そうそう、この子だって最初は大変だったんだから!」
コッコ姉さん「もう! サイズ間違えちゃってたのはお母さんでしょ!」
「ぐぅー……ぐぉー……」
リンクル「……いびき?」
コッコ姉さん「ああ、タロンおじさんね」
リンクル「え、タロンって、あのロンロン牧場のおじさん?」
コッコ姉さん「知ってるの?」
コッコ姉さん「数年前まではロンロン牧場のオーナーだったんだけど、追い出されちゃったんだって」
ナビィ「ええっ!?」
リンクル「じ、じゃあ、ロンロン牧場は!? マロンは!?」
コッコ姉さん「インゴーって使用人が乗っ取って、今じゃガノンドロフの公営牧場よ」
コッコ姉さん「マロンちゃんはまだあの牧場でこき使われてるみたい……可哀想に、動物が大好きなばっかりに」
リンクル「インゴーさんが? そんなことする人には見えなかったけど……」
リンクル「いずれにせよ、何とかしなきゃ……!」
159: 2018/02/10(土) 11:07:21.91 ID:YOMQ8KBh0
ep.9 新たな相棒
――翌日 ロンロン牧場改めインゴー牧場
リンクル「んー、なんだかやっぱり、ちょっと変な空気ね」
ナビィ「でもそこまで邪悪な魔力なんかは感じないヨ」
コッコ「コッコッコッコッコ……」
リンクル「……」
リンクル「取り敢えず、マロンを探そう」キィ
「あら、珍しい。お客様なんて久しぶり……」
リンクル「……マロン」
マロン「あれ……? もしかして、妖精ちゃん!?」
リンクル「うん、森から来た妖精の子、リンクルだよ」
リンクル「元気そうで良かった……!」
マロン「ああ、うん、そこそこね……」
リンクル「……」
リンクル「いきなりなんだけどさ、今この牧場はどうなってるの?」
リンクル「表に居たコッコもなんだか元気なさそうだったし、ここに居る牛達もどこか不機嫌そう」
リンクル「前に来た時と、雰囲気も匂いも全然違うよ」
マロン「……街の人も居なくなっちゃったし、ガノンドロフが現れてからあちこち荒れ果てて怪物だらけ」
マロン「インゴーさんも、あいつに気に入られようと馬達を利用して……」
マロン「根が悪い人じゃないのは分かるのよ? でも、余裕がなくなっちゃってて……」
マロン「お父さんも追い出されちゃって、でもあたしは他に行くとこもないし……」
マロン「あたしがインゴーさんに逆らったら、馬達まで酷い目に遭うから……」
マロン「だからあたし、何もしてあげられないの……」
リンクル「……インゴーさんは?」
マロン「この時間なら……多分放牧場だと思うけど」
リンクル「そっか、ありがと」
マロン「あ……」
バタン
マロン「……グスッ……」
マロン「……リンクルぅ……良かった……無事で良かったよぅ……!」グスグス
――翌日 ロンロン牧場改めインゴー牧場
リンクル「んー、なんだかやっぱり、ちょっと変な空気ね」
ナビィ「でもそこまで邪悪な魔力なんかは感じないヨ」
コッコ「コッコッコッコッコ……」
リンクル「……」
リンクル「取り敢えず、マロンを探そう」キィ
「あら、珍しい。お客様なんて久しぶり……」
リンクル「……マロン」
マロン「あれ……? もしかして、妖精ちゃん!?」
リンクル「うん、森から来た妖精の子、リンクルだよ」
リンクル「元気そうで良かった……!」
マロン「ああ、うん、そこそこね……」
リンクル「……」
リンクル「いきなりなんだけどさ、今この牧場はどうなってるの?」
リンクル「表に居たコッコもなんだか元気なさそうだったし、ここに居る牛達もどこか不機嫌そう」
リンクル「前に来た時と、雰囲気も匂いも全然違うよ」
マロン「……街の人も居なくなっちゃったし、ガノンドロフが現れてからあちこち荒れ果てて怪物だらけ」
マロン「インゴーさんも、あいつに気に入られようと馬達を利用して……」
マロン「根が悪い人じゃないのは分かるのよ? でも、余裕がなくなっちゃってて……」
マロン「お父さんも追い出されちゃって、でもあたしは他に行くとこもないし……」
マロン「あたしがインゴーさんに逆らったら、馬達まで酷い目に遭うから……」
マロン「だからあたし、何もしてあげられないの……」
リンクル「……インゴーさんは?」
マロン「この時間なら……多分放牧場だと思うけど」
リンクル「そっか、ありがと」
マロン「あ……」
バタン
マロン「……グスッ……」
マロン「……リンクルぅ……良かった……無事で良かったよぅ……!」グスグス
160: 2018/02/10(土) 11:08:13.90 ID:YOMQ8KBh0
――インゴー牧場 放牧場
ナビィ「あ、居るヨ! あの人じゃない?」
リンクル「ほんとだ」
リンクル「インゴーさん、7年前とあんまり変わってないように見えるけど……」
ナビィ「服装は随分変わってるけどね」
リンクル「んー、ちょっと作戦が要るね」
ナビィ「作戦?」
リンクル「うん。力ずく、ってわけにもいかないでしょ?」
リンクル「そうだなー……」
<ヒヒィーン
<どうどう、大人しくしてくれな、な? 怖がらなくても平気だからよ
リンクル「……ふーん」
リンクル「やっぱり悪い人じゃなさそうね、インゴーさん」
リンクル「あら……あれはもしかして……」
リンクル「……よーし」
ナビィ「あ、居るヨ! あの人じゃない?」
リンクル「ほんとだ」
リンクル「インゴーさん、7年前とあんまり変わってないように見えるけど……」
ナビィ「服装は随分変わってるけどね」
リンクル「んー、ちょっと作戦が要るね」
ナビィ「作戦?」
リンクル「うん。力ずく、ってわけにもいかないでしょ?」
リンクル「そうだなー……」
<ヒヒィーン
<どうどう、大人しくしてくれな、な? 怖がらなくても平気だからよ
リンクル「……ふーん」
リンクル「やっぱり悪い人じゃなさそうね、インゴーさん」
リンクル「あら……あれはもしかして……」
リンクル「……よーし」
161: 2018/02/10(土) 11:09:38.04 ID:YOMQ8KBh0
リンクル「インゴーさん!」
リンクル「お久しぶり! 覚えてない? リンクルだよ!」
インゴー「……さ、さぁ、知らねぇな」ギクッ
インゴー「何分色んな奴と会うもんだからな、ちょっと覚えが……」
ナビィ(嘘ばっかり……絶対覚えてるヨ、あの顔……)
リンクル「そっか……残念だなぁ」
リンクル「まぁいいや。牧場見学して行きたいんだけど、いいかな?」
インゴー「ああ、見学くらいなら……」
リンクル「ありがと」
リンクル「あ、そうだ! 馬にも乗ってみたいんだ!」
インゴー「何? 馬に乗りたい?」
インゴー「駄目だ、駄目だ。ここに居る馬はガノンドロフ様に献上する軍馬だぞ!」
リンクル「えー……」
リンクル「乗ってみたかったのに、残念ね、ナビィ?」
ナビィ(えっ、こっちに振ってくる?)
ナビィ「そ、そうネ……」
リンクル「そんなに自信があるなら乗せてくれると思ったのになぁ」
ナビィ(……あっ! もしかして……!)
ナビィ「馬の管理にちょっと自信がないとか?」
リンクル「あー、あり得るー」
インゴー「なっ……!」
インゴー「お前さん、ここはガノンドロフ様がこの俺の腕を見込んで任せてくださってる牧場だぞ!?」
リンクル「じゃあちょっとくらい乗らせてもらっても大丈夫でしょ?」
インゴー「いや、それは……」
インゴー「ぐぬぅ……仕方ねぇな、じゃあ10ルピーでちょっとばかしだぞ」
リンクル「お金取るの?」
インゴー「当然だ! こっちも慈善事業じゃねぇんだからな!」
リンクル「仕方ないなー、はい!」チャリン
ナビィ(上手いこと乗せるなぁ)
リンクル「お久しぶり! 覚えてない? リンクルだよ!」
インゴー「……さ、さぁ、知らねぇな」ギクッ
インゴー「何分色んな奴と会うもんだからな、ちょっと覚えが……」
ナビィ(嘘ばっかり……絶対覚えてるヨ、あの顔……)
リンクル「そっか……残念だなぁ」
リンクル「まぁいいや。牧場見学して行きたいんだけど、いいかな?」
インゴー「ああ、見学くらいなら……」
リンクル「ありがと」
リンクル「あ、そうだ! 馬にも乗ってみたいんだ!」
インゴー「何? 馬に乗りたい?」
インゴー「駄目だ、駄目だ。ここに居る馬はガノンドロフ様に献上する軍馬だぞ!」
リンクル「えー……」
リンクル「乗ってみたかったのに、残念ね、ナビィ?」
ナビィ(えっ、こっちに振ってくる?)
ナビィ「そ、そうネ……」
リンクル「そんなに自信があるなら乗せてくれると思ったのになぁ」
ナビィ(……あっ! もしかして……!)
ナビィ「馬の管理にちょっと自信がないとか?」
リンクル「あー、あり得るー」
インゴー「なっ……!」
インゴー「お前さん、ここはガノンドロフ様がこの俺の腕を見込んで任せてくださってる牧場だぞ!?」
リンクル「じゃあちょっとくらい乗らせてもらっても大丈夫でしょ?」
インゴー「いや、それは……」
インゴー「ぐぬぅ……仕方ねぇな、じゃあ10ルピーでちょっとばかしだぞ」
リンクル「お金取るの?」
インゴー「当然だ! こっちも慈善事業じゃねぇんだからな!」
リンクル「仕方ないなー、はい!」チャリン
ナビィ(上手いこと乗せるなぁ)
162: 2018/02/10(土) 11:10:30.04 ID:YOMQ8KBh0
インゴー「よしよし、良い子だ」
インゴー「ほぅ、ねぇちゃん筋が良いじゃねぇか」
リンクル「ふふん、そう?」
リンクル「いい子いい子……」ナデナデ
馬「ブルルッ」
インゴー「おぅ、そうやって撫でてやるといい。よく分かってんな」
リンクル「えへへ、馬に乗るのは初めてだけど、動物の気持ちはよく分かるもん」
インゴー「そ、そうかい……」
リンクル「インゴーさんも動物好きでしょ?」
インゴー「そうだな……」
インゴー「……いや、どうだろうな……」
リンクル「だって、この子もこんなにインゴーさんに懐いてるもん」
インゴー「……」
インゴー「……どうだ、少し走ってもみないか?」
リンクル「いいの?」
インゴー「ああ、この柵の中ならいくらでもな」
インゴー「足で馬の腹を軽く叩いてみろ」
リンクル「はいっ」
馬「ヒヒーン」パカラッ パカラッ
リンクル「おっ、おっ、おおっ! はっやーい!」
インゴー「み、見事に乗りこなしてやがる……本当に初めてか……!?」
インゴー「ほぅ、ねぇちゃん筋が良いじゃねぇか」
リンクル「ふふん、そう?」
リンクル「いい子いい子……」ナデナデ
馬「ブルルッ」
インゴー「おぅ、そうやって撫でてやるといい。よく分かってんな」
リンクル「えへへ、馬に乗るのは初めてだけど、動物の気持ちはよく分かるもん」
インゴー「そ、そうかい……」
リンクル「インゴーさんも動物好きでしょ?」
インゴー「そうだな……」
インゴー「……いや、どうだろうな……」
リンクル「だって、この子もこんなにインゴーさんに懐いてるもん」
インゴー「……」
インゴー「……どうだ、少し走ってもみないか?」
リンクル「いいの?」
インゴー「ああ、この柵の中ならいくらでもな」
インゴー「足で馬の腹を軽く叩いてみろ」
リンクル「はいっ」
馬「ヒヒーン」パカラッ パカラッ
リンクル「おっ、おっ、おおっ! はっやーい!」
インゴー「み、見事に乗りこなしてやがる……本当に初めてか……!?」
163: 2018/02/10(土) 11:11:24.95 ID:YOMQ8KBh0
リンクル「あー楽しかった」
リンクル「ありがとね!」ナデナデ
馬「ブルルルッ」
インゴー「それじゃあ、そろそろ……」
リンクル「あ、待って! 別の子にも乗ってみたい!」
インゴー「何?」
リンクル「さっきはインゴーさんが選んだでしょ? 今度は自分で選んでみたいの」
リンクル「はい、ルピー」チャリン
インゴー「おまっ……ええい! 勝手にしろ!」
インゴー「だが馬傷付けんじゃねーぞ! その……大事な商品なんだからな!」
リンクル「分かってるって!」
リンクル「ナビィ、あの子エポナだよね?」
ナビィ「ずっと遠巻きに見てたあの子?」
リンクル「うん」
ナビィ「多分……だけど」
ナビィ「あの歌を聞かせれば確実に分かるんじゃない?」
リンクル「……ああ、あの歌!」
リンクル「ありがとね!」ナデナデ
馬「ブルルルッ」
インゴー「それじゃあ、そろそろ……」
リンクル「あ、待って! 別の子にも乗ってみたい!」
インゴー「何?」
リンクル「さっきはインゴーさんが選んだでしょ? 今度は自分で選んでみたいの」
リンクル「はい、ルピー」チャリン
インゴー「おまっ……ええい! 勝手にしろ!」
インゴー「だが馬傷付けんじゃねーぞ! その……大事な商品なんだからな!」
リンクル「分かってるって!」
リンクル「ナビィ、あの子エポナだよね?」
ナビィ「ずっと遠巻きに見てたあの子?」
リンクル「うん」
ナビィ「多分……だけど」
ナビィ「あの歌を聞かせれば確実に分かるんじゃない?」
リンクル「……ああ、あの歌!」
164: 2018/02/10(土) 11:12:09.23 ID:YOMQ8KBh0
♪♪♪~ ♪♪♪~ ♪♪♪ ♪♪~
エポナ「ヒヒィーン!」パカラッパカラッ
リンクル「良かった、やっぱりエポナだった!」ナデナデ
エポナ「ブルルルッ」
リンクル「よっ、と……」
リンクル「一緒にマロンを助けましょ?」ナデナデ
エポナ「ヒヒィーン!」
エポナ「ヒヒィーン!」パカラッパカラッ
リンクル「良かった、やっぱりエポナだった!」ナデナデ
エポナ「ブルルルッ」
リンクル「よっ、と……」
リンクル「一緒にマロンを助けましょ?」ナデナデ
エポナ「ヒヒィーン!」
165: 2018/02/10(土) 11:12:51.44 ID:YOMQ8KBh0
ナビィ「インゴーさん!」
インゴー「ああ、さっきのねぇちゃんの連れてた妖精か……今度は何だ?」
ナビィ「リンクルがレースで勝負したいって!」
インゴー「何ィ!?」
ナビィ「ほら、見て!」
リンクル「はいっ」ペチペチ
エポナ「ヒヒィーン!」パカラッパカラッ
ナビィ「もしかしたらインゴーさんより上手く乗れてるんじゃない?」
インゴー「おぉん?」カチン
インゴー「バカにしちゃいけねぇよ、確かにあのねぇちゃんは筋が良いがまだまだトーシロだ」
ナビィ「じゃあそんなトーシロと勝負も出来ないのはとんだヘタレさんかしら?」
インゴー「ぐぬっ」
ナビィ「負かされちゃったりしたら大恥だもんねー?」
ナビィ「ほら、リンクルも手振ってる。多分言ってるよ、“来いよインゴーかかってこい”って!」
インゴー「や、野郎、ぶっ潰してやるぁ!」
ナビィ「そうこなくっちゃ!」
ナビィ(上手く釣れたけど、今更不安になってきたわ……)
インゴー「ああ、さっきのねぇちゃんの連れてた妖精か……今度は何だ?」
ナビィ「リンクルがレースで勝負したいって!」
インゴー「何ィ!?」
ナビィ「ほら、見て!」
リンクル「はいっ」ペチペチ
エポナ「ヒヒィーン!」パカラッパカラッ
ナビィ「もしかしたらインゴーさんより上手く乗れてるんじゃない?」
インゴー「おぉん?」カチン
インゴー「バカにしちゃいけねぇよ、確かにあのねぇちゃんは筋が良いがまだまだトーシロだ」
ナビィ「じゃあそんなトーシロと勝負も出来ないのはとんだヘタレさんかしら?」
インゴー「ぐぬっ」
ナビィ「負かされちゃったりしたら大恥だもんねー?」
ナビィ「ほら、リンクルも手振ってる。多分言ってるよ、“来いよインゴーかかってこい”って!」
インゴー「や、野郎、ぶっ潰してやるぁ!」
ナビィ「そうこなくっちゃ!」
ナビィ(上手く釣れたけど、今更不安になってきたわ……)
166: 2018/02/10(土) 11:13:44.11 ID:YOMQ8KBh0
インゴー「行くぞォー!」
馬「ヒヒィーン!」
マロン「スタート!」
リンクル「はいっ!」
インゴー「はいよー!」
パカラッパカラッ
ナビィ「わ、速い!」
マロン「エポナは確かにこの牧場で一番の駿馬だけど……」
マロン「妖精ちゃん、それを見越して勝負を挑んだのかしら」
ナビィ「……え?」
マロン「え? 知らなかったの?」
ナビィ「う、うん。ただエポナを見つけて、何か考えてたようだったけど……」
マロン「そうなんだ……」
マロン「あ、帰ってきた」
パカラッ パカラッ
リンクル「ゴール! やったぁ!」
インゴー「な、な、ななな……!」
インゴー「こ、こんなことがガノンドロフ様に知れたら……!」
インゴー「こ、小娘! も一度勝負だ!」
インゴー「お前が勝ったら……その馬くれてやる!」
リンクル「えー、仕方ないなぁ」
馬「ヒヒィーン!」
マロン「スタート!」
リンクル「はいっ!」
インゴー「はいよー!」
パカラッパカラッ
ナビィ「わ、速い!」
マロン「エポナは確かにこの牧場で一番の駿馬だけど……」
マロン「妖精ちゃん、それを見越して勝負を挑んだのかしら」
ナビィ「……え?」
マロン「え? 知らなかったの?」
ナビィ「う、うん。ただエポナを見つけて、何か考えてたようだったけど……」
マロン「そうなんだ……」
マロン「あ、帰ってきた」
パカラッ パカラッ
リンクル「ゴール! やったぁ!」
インゴー「な、な、ななな……!」
インゴー「こ、こんなことがガノンドロフ様に知れたら……!」
インゴー「こ、小娘! も一度勝負だ!」
インゴー「お前が勝ったら……その馬くれてやる!」
リンクル「えー、仕方ないなぁ」
167: 2018/02/10(土) 11:14:41.98 ID:YOMQ8KBh0
ナビィ「まぁ、あっさり勝っちゃった……」
マロン「妖精ちゃんすごーい……」
リンクル「えへへ、ありがとね、エポナ!」
エポナ「ブルルッ!」
インゴー「ば、バカな……この俺がトーシロ相手に二度も負けただとぉー!?」
インゴー「し、しかもその馬はエポナじゃねぇか……!?」
インゴー「その暴れ馬を一体いつの間に、どうやって手懐けやがった!?」
インゴー「ガノンドロフ様にプレゼントする筈の馬を賭けて負けるなんて……!」
リンクル「じゃ、約束通りこの子はもらうからね!」
インゴー「……そうだ!」
ガコーン
インゴー「はっはっはー! 約束通りそいつはくれてやる!」
インゴー「だがこの牧場からは出られねぇからなー!」
リンクル「うわ、やることちっさ!」
インゴー「そいつは障害物走の経験はねぇからな! 出られるもんなら……」
リンクル「はいやっ!」
エポナ「ヒヒーン!」パカラッパカラッ
ダンッ
インゴー「え……」
マロン「ええーっ!?」
リンクル「ぃやったぁー!」
リンクル「このまま森まで行っちゃおー!」
エポナ「ヒヒィーン!」
パカラッパカラッ……
インゴー「」ポカーン
マロン「す、すごい……もうすっかり相棒みたいに……」
マロン「妖精ちゃんすごーい……」
リンクル「えへへ、ありがとね、エポナ!」
エポナ「ブルルッ!」
インゴー「ば、バカな……この俺がトーシロ相手に二度も負けただとぉー!?」
インゴー「し、しかもその馬はエポナじゃねぇか……!?」
インゴー「その暴れ馬を一体いつの間に、どうやって手懐けやがった!?」
インゴー「ガノンドロフ様にプレゼントする筈の馬を賭けて負けるなんて……!」
リンクル「じゃ、約束通りこの子はもらうからね!」
インゴー「……そうだ!」
ガコーン
インゴー「はっはっはー! 約束通りそいつはくれてやる!」
インゴー「だがこの牧場からは出られねぇからなー!」
リンクル「うわ、やることちっさ!」
インゴー「そいつは障害物走の経験はねぇからな! 出られるもんなら……」
リンクル「はいやっ!」
エポナ「ヒヒーン!」パカラッパカラッ
ダンッ
インゴー「え……」
マロン「ええーっ!?」
リンクル「ぃやったぁー!」
リンクル「このまま森まで行っちゃおー!」
エポナ「ヒヒィーン!」
パカラッパカラッ……
インゴー「」ポカーン
マロン「す、すごい……もうすっかり相棒みたいに……」
171: 2018/02/11(日) 09:23:04.09 ID:YFOXpmXG0
ep.10 森の賢者
――コキリの森
リンクル「ここで待ってて、エポナ」
エポナ「ブルルルッ」
リンクル「さて……久しぶりに戻ってきたけど、みんな元気かなぁ」
ガサッ
リンクル「?」
デクババ「キシャアーッ」
リンクル「なっ、デクババ!? でっか!?」バシュッ
デクババ「ギャアアアッ」
リンクル「成長したから、クロスボウも片手で撃てちゃうや」
ナビィ「Watch out! オコリナッツが居るヨ!」
オコリナッツ「ピピッ!」ベッ
リンクル「うわっと!」
ハイリアの盾「フンッ」ガンッ
オコリナッツ「ピピィッ!」
リンクル「村の中にこんなに魔物が……!?」
リンクル「一体どうなってるの……!?」
――コキリの森
リンクル「ここで待ってて、エポナ」
エポナ「ブルルルッ」
リンクル「さて……久しぶりに戻ってきたけど、みんな元気かなぁ」
ガサッ
リンクル「?」
デクババ「キシャアーッ」
リンクル「なっ、デクババ!? でっか!?」バシュッ
デクババ「ギャアアアッ」
リンクル「成長したから、クロスボウも片手で撃てちゃうや」
ナビィ「Watch out! オコリナッツが居るヨ!」
オコリナッツ「ピピッ!」ベッ
リンクル「うわっと!」
ハイリアの盾「フンッ」ガンッ
オコリナッツ「ピピィッ!」
リンクル「村の中にこんなに魔物が……!?」
リンクル「一体どうなってるの……!?」
172: 2018/02/11(日) 09:23:39.60 ID:YFOXpmXG0
ナビィ「あ、そこの陰に……」
リンクル「!」クルッ
双子妹「ひっ」ビクッ
リンクル「……なーんだ、あんたかぁ」
リンクル「驚かせないでよ」
双子妹「だ、誰……?」
リンクル「え……」
双子姉「早く! こっちこっち!」
双子妹「……!」タッ
リンクル「あ……」
リンクル「……」
ナビィ「コキリ族は……」
リンクル「……ずっと子供の種族」
リンクル「そっか……あたし、やっぱりコキリ族じゃなかったんだ……」
リンクル「!」クルッ
双子妹「ひっ」ビクッ
リンクル「……なーんだ、あんたかぁ」
リンクル「驚かせないでよ」
双子妹「だ、誰……?」
リンクル「え……」
双子姉「早く! こっちこっち!」
双子妹「……!」タッ
リンクル「あ……」
リンクル「……」
ナビィ「コキリ族は……」
リンクル「……ずっと子供の種族」
リンクル「そっか……あたし、やっぱりコキリ族じゃなかったんだ……」
173: 2018/02/11(日) 09:24:10.93 ID:YFOXpmXG0
――迷いの森
リンクル「あっ、ミド……!」
ミド「なんだお前!?」
ミド「そんなコキリっぽい服なんか着てたって誤魔化されねぇゾ!」
ミド「オイラ、サリアに約束したんダ」
ミド「ここは誰も通さないからナ!」
リンクル「……分かんないんだ……」
リンクル「そっか……そうだよね……」
リンクル「……」
リンクル「そうだ……」スッ
♪♪♪~♪♪♪~♪♪♪~
♪♪♪~♪♪♪~♪♪♪♪♪♪♪♪ ♪♪♪~
ミド「そ……それ……!」
ミド「サリアがよく吹いてた曲だ……」
ミド「友達にだけ教えてくれる曲なのに……」
ミド「お前、サリアを知ってんのか!?」
リンクル「……ミド、ここを通して」
ミド「……分かったよ。お前を信じて通してやる」
リンクル「ありがとう、ミド」
ミド「お前見てると、なんだかアイツ思い出すヨ……」
リンクル「……」タタッ
ミド「……」
ミド「そういえば、なんでオイラの名前知ってたんだ……?」
リンクル「あっ、ミド……!」
ミド「なんだお前!?」
ミド「そんなコキリっぽい服なんか着てたって誤魔化されねぇゾ!」
ミド「オイラ、サリアに約束したんダ」
ミド「ここは誰も通さないからナ!」
リンクル「……分かんないんだ……」
リンクル「そっか……そうだよね……」
リンクル「……」
リンクル「そうだ……」スッ
♪♪♪~♪♪♪~♪♪♪~
♪♪♪~♪♪♪~♪♪♪♪♪♪♪♪ ♪♪♪~
ミド「そ……それ……!」
ミド「サリアがよく吹いてた曲だ……」
ミド「友達にだけ教えてくれる曲なのに……」
ミド「お前、サリアを知ってんのか!?」
リンクル「……ミド、ここを通して」
ミド「……分かったよ。お前を信じて通してやる」
リンクル「ありがとう、ミド」
ミド「お前見てると、なんだかアイツ思い出すヨ……」
リンクル「……」タタッ
ミド「……」
ミド「そういえば、なんでオイラの名前知ってたんだ……?」
174: 2018/02/11(日) 09:25:03.62 ID:YFOXpmXG0
――森の聖域
リンクル「やっぱり森のみんなはあたしだって気付いてくれないんだなぁ」
リンクル「外の人達はすぐにあたしだって気付いてくれたのに」
ナビィ「リンクル……」
ナビィ(やっぱり、気にしてるのかな……気にするよね、うん……)
リンクル「……ここも、なんだか雰囲気変わったね」
ナビィ「何か居るみたい……?」
ザシッ ザシッ
リンクル「……ウルフォスとかじゃ……ない……ね……」
モリブリンA「ブフゥ、おい何か居るぞ」
モリブリンB「おっ、ありゃハイリア人じゃねぇか」
モリブリンA「しかも女だぜ、女」
モリブリンA「ブフフ、とっ捕まえりゃ久々に楽しめそうじゃねぇか」
モリブリンB「ハイリア人はあんまり好みじゃねぇんだがなぁ」
モリブリンA「まぁ贅沢は言えねぇよ」
モリブリンB「ああ……ここんとこクソ退屈な森の巡回でご無沙汰だしなぁ……」
モリブリンB「何より、この前のコキリの小娘には逃げられちまって苛々してたところだ」
モリブリンA「おいおい頃すんじゃねぇぞ」
モリブリンB「分かってるよ」
リンクル「言葉を……話してる……?」
リンクル「やっぱり森のみんなはあたしだって気付いてくれないんだなぁ」
リンクル「外の人達はすぐにあたしだって気付いてくれたのに」
ナビィ「リンクル……」
ナビィ(やっぱり、気にしてるのかな……気にするよね、うん……)
リンクル「……ここも、なんだか雰囲気変わったね」
ナビィ「何か居るみたい……?」
ザシッ ザシッ
リンクル「……ウルフォスとかじゃ……ない……ね……」
モリブリンA「ブフゥ、おい何か居るぞ」
モリブリンB「おっ、ありゃハイリア人じゃねぇか」
モリブリンA「しかも女だぜ、女」
モリブリンA「ブフフ、とっ捕まえりゃ久々に楽しめそうじゃねぇか」
モリブリンB「ハイリア人はあんまり好みじゃねぇんだがなぁ」
モリブリンA「まぁ贅沢は言えねぇよ」
モリブリンB「ああ……ここんとこクソ退屈な森の巡回でご無沙汰だしなぁ……」
モリブリンB「何より、この前のコキリの小娘には逃げられちまって苛々してたところだ」
モリブリンA「おいおい頃すんじゃねぇぞ」
モリブリンB「分かってるよ」
リンクル「言葉を……話してる……?」
175: 2018/02/11(日) 09:25:49.65 ID:YFOXpmXG0
モリブリンB「どうやってこんなところまで来たのかは知らねぇが……」ザッザッ
モリブリンB「取り敢えず俺達の鬱憤ぐらいは晴れさせてくれよな!」ブォンッ
リンクル「うわっ!」バッ
モリブリンA「おいおい、頃すなって言ったろ!」
モリブリンA「二人係りで捕まえちまえばロクな抵抗なんぞ出来やしねぇよ」
モリブリンA「それに、よく見りゃ中々上玉じゃねぇか、勿体ねぇ」
モリブリンA「まぁ……身体は小せぇからな、裂けちまうかもしれねぇが」
モリブリンB「うへぇ、お前こんなのがいいのかよ」
モリブリンB「俺はこの連中の白い肌が気持ち悪くて仕方ねぇんだが」
リンクル「さっきから何の話して……」シャキンッ
リンクル「……あー、まずい!」
ナビィ「ど、どうするの、リンクル! 挟み撃ちだヨ!」
モリブリンA「ブフフ、悪いようにはしねぇからよ、大人しくしろよな?」
リンクル「……!」ジリッ
モリブリンB「そら、捕まえ……」
リンクル「せいっ!」タンッ
モリブリンB「なぁっ!?」
モリブリンA「バカ野郎、お前、腕を足場に提供してやる奴があるか!」
モリブリンB「んなにずばしっこいと思わねぇだろ!」
リンクル「くっ!」タタタタッ
モリブリンA「畜生、逃がしてたまるか! 追うぞ!」ダッ
モリブリンB「取り敢えず俺達の鬱憤ぐらいは晴れさせてくれよな!」ブォンッ
リンクル「うわっ!」バッ
モリブリンA「おいおい、頃すなって言ったろ!」
モリブリンA「二人係りで捕まえちまえばロクな抵抗なんぞ出来やしねぇよ」
モリブリンA「それに、よく見りゃ中々上玉じゃねぇか、勿体ねぇ」
モリブリンA「まぁ……身体は小せぇからな、裂けちまうかもしれねぇが」
モリブリンB「うへぇ、お前こんなのがいいのかよ」
モリブリンB「俺はこの連中の白い肌が気持ち悪くて仕方ねぇんだが」
リンクル「さっきから何の話して……」シャキンッ
リンクル「……あー、まずい!」
ナビィ「ど、どうするの、リンクル! 挟み撃ちだヨ!」
モリブリンA「ブフフ、悪いようにはしねぇからよ、大人しくしろよな?」
リンクル「……!」ジリッ
モリブリンB「そら、捕まえ……」
リンクル「せいっ!」タンッ
モリブリンB「なぁっ!?」
モリブリンA「バカ野郎、お前、腕を足場に提供してやる奴があるか!」
モリブリンB「んなにずばしっこいと思わねぇだろ!」
リンクル「くっ!」タタタタッ
モリブリンA「畜生、逃がしてたまるか! 追うぞ!」ダッ
176: 2018/02/11(日) 09:26:58.31 ID:YFOXpmXG0
モリブリンA「クッソー、どこへ隠れやがった?」
モリブリンB「なんつー足の速い奴だ……」
モリブリンB「それに、まるであいつここの道分かってるみたいだったぞ」
モリブリンA「こないだの小娘にもそうして出し抜かれたんだったな……」
モリブリンA「あー、クソ! お前がヘマさえしなけりゃ!」
モリブリンB「何だと! お前が生け捕りにしようなんて言うからだろ!」
<あーだこーだ
リンクル「……行った?」ガサッ
ナビィ「みたいネ……」
リンクル「はぁ……何今の連中? 魔物なのは分かるけど……」
ナビィ「人の言葉を話してたし、あろうことかリンクルを犯そうなんて……」
リンクル「犯そう?」
ナビィ「あー……そっか、知らないか……」
ナビィ「また今度教えてあげるから、今はこの先へ進むことに集中しましょ?」
リンクル「うん……?」
モリブリンB「なんつー足の速い奴だ……」
モリブリンB「それに、まるであいつここの道分かってるみたいだったぞ」
モリブリンA「こないだの小娘にもそうして出し抜かれたんだったな……」
モリブリンA「あー、クソ! お前がヘマさえしなけりゃ!」
モリブリンB「何だと! お前が生け捕りにしようなんて言うからだろ!」
<あーだこーだ
リンクル「……行った?」ガサッ
ナビィ「みたいネ……」
リンクル「はぁ……何今の連中? 魔物なのは分かるけど……」
ナビィ「人の言葉を話してたし、あろうことかリンクルを犯そうなんて……」
リンクル「犯そう?」
ナビィ「あー……そっか、知らないか……」
ナビィ「また今度教えてあげるから、今はこの先へ進むことに集中しましょ?」
リンクル「うん……?」
177: 2018/02/11(日) 09:27:41.71 ID:YFOXpmXG0
リンクル「この通路を抜ければ……うぇっ」
ボスブリン「ブフー……ブフー……ブモッ」
ボスブリン「ハイリア人が見えるんだなぁー」ブォン
リンクル「うわっ!?」バッ
リンクル「こ、棍棒!? あんなのもらったら潰れちゃうよ!」
ボスブリン「中々すばしっこいんだなぁー」ブォン ブォン
リンクル「くっ! 危なっ!」
リンクル「このっ!」バシュッ
ドカーン
ボスブリン「」ズシャッ
ナビィ「あ、頭が半分なくなっちゃったけど……」
リンクル「言わないで……間違えて爆弾ボルト撃っちゃっただけだから……」
<おい何か聞こえなかったか?
<言われてみれば……班長のところか?
<まーたなんかやらかしたのかな、あの気狂い
リンクル「やばっ……」タタッ
ボスブリン「ブフー……ブフー……ブモッ」
ボスブリン「ハイリア人が見えるんだなぁー」ブォン
リンクル「うわっ!?」バッ
リンクル「こ、棍棒!? あんなのもらったら潰れちゃうよ!」
ボスブリン「中々すばしっこいんだなぁー」ブォン ブォン
リンクル「くっ! 危なっ!」
リンクル「このっ!」バシュッ
ドカーン
ボスブリン「」ズシャッ
ナビィ「あ、頭が半分なくなっちゃったけど……」
リンクル「言わないで……間違えて爆弾ボルト撃っちゃっただけだから……」
<おい何か聞こえなかったか?
<言われてみれば……班長のところか?
<まーたなんかやらかしたのかな、あの気狂い
リンクル「やばっ……」タタッ
178: 2018/02/11(日) 09:28:15.28 ID:YFOXpmXG0
リンクル「サリア……やっぱり居ないね」
ナビィ「魔物が居たんだもんネ」
ナビィ「多分、どこかに隠れてるのヨ」
リンクル「だといいけど……」
ザッ
リンクル「?」
シーク「時の流れは残酷なもの……人それぞれ速さは違う」
シーク「そしてそれは変えられない……」
シーク「時は流れても変わらぬもの、それは幼き日の追憶……」
シーク「ここは森の神殿。君のよく知る、追憶の中のあの少女はこの中に居る」
シーク「……急いだ方が良い」
シーク「ガノンドロフの放った魔物達が、いつ彼女を見つけるとも限らない」
リンクル「……!」ダッ
シーク「……」
ナビィ「魔物が居たんだもんネ」
ナビィ「多分、どこかに隠れてるのヨ」
リンクル「だといいけど……」
ザッ
リンクル「?」
シーク「時の流れは残酷なもの……人それぞれ速さは違う」
シーク「そしてそれは変えられない……」
シーク「時は流れても変わらぬもの、それは幼き日の追憶……」
シーク「ここは森の神殿。君のよく知る、追憶の中のあの少女はこの中に居る」
シーク「……急いだ方が良い」
シーク「ガノンドロフの放った魔物達が、いつ彼女を見つけるとも限らない」
リンクル「……!」ダッ
シーク「……」
179: 2018/02/11(日) 09:28:54.70 ID:YFOXpmXG0
――森の神殿
リンクル「お城……っていうより」
リンクル「なんだろう、誰かのお家みたい?」
ナビィ「お屋敷、っていうのかな、こういうの」
リンクル「お屋敷……お城とは違うの?」
ナビィ「うーん……大きさとか、住んでる人の立場とか、そういうので違うのかな……」
リンクル「ファイは知ってる?」
ファイ「イエス、マスター」
ファイ「屋敷、もとい館とは、貴族等の邸宅や、役人や外国からの使者等の宿舎、または小規模な城砦を指します」
ファイ「城、もとい城砦とは敵に攻め込まれた際の防衛拠点を指し、また軍の指揮官の住居でもあります」
ファイ「ただし、近年は防衛拠点としての機能性より、権威を示す為の優雅な建築物も増えているようです」
ファイ「よって、館と城に明確な違いはないと言えます」
ファイ「尚、この神殿はどちらかというと館と表現した方が良いでしょう」
リンクル「うん……うん?」
リンクル「ご、ごめんね、ちょっと難しい言葉が多くて分かんないや……」
ナビィ「と、取り敢えずここはお屋敷ってことでいいのネ?」
ファイ「イエス、その認識で間違っていません」
リンクル「あ、うん、ありがとう……」
ファイ「お礼には及びません」
ファイ(マスターにはご理解いただけなかった確立60%……言葉選びを誤ったのでしょうか)
リンクル「お城……っていうより」
リンクル「なんだろう、誰かのお家みたい?」
ナビィ「お屋敷、っていうのかな、こういうの」
リンクル「お屋敷……お城とは違うの?」
ナビィ「うーん……大きさとか、住んでる人の立場とか、そういうので違うのかな……」
リンクル「ファイは知ってる?」
ファイ「イエス、マスター」
ファイ「屋敷、もとい館とは、貴族等の邸宅や、役人や外国からの使者等の宿舎、または小規模な城砦を指します」
ファイ「城、もとい城砦とは敵に攻め込まれた際の防衛拠点を指し、また軍の指揮官の住居でもあります」
ファイ「ただし、近年は防衛拠点としての機能性より、権威を示す為の優雅な建築物も増えているようです」
ファイ「よって、館と城に明確な違いはないと言えます」
ファイ「尚、この神殿はどちらかというと館と表現した方が良いでしょう」
リンクル「うん……うん?」
リンクル「ご、ごめんね、ちょっと難しい言葉が多くて分かんないや……」
ナビィ「と、取り敢えずここはお屋敷ってことでいいのネ?」
ファイ「イエス、その認識で間違っていません」
リンクル「あ、うん、ありがとう……」
ファイ「お礼には及びません」
ファイ(マスターにはご理解いただけなかった確立60%……言葉選びを誤ったのでしょうか)
180: 2018/02/11(日) 09:29:30.24 ID:YFOXpmXG0
リンクル「この部屋は……」ガチャ
リンクル「なんだろう、あれ」
「ハイリア人の子……!」
「あなたはここに来てはいけない……!」
リンクル「……? 誰?」
リンクル「あっ」
「あなたはここに来るべきではありません……」
「道は閉ざしておきます。どうかお帰りになって……」
リンクル「待って!」
リンクル「……火を持ってっちゃった」
ガコンッ
リンクル「あの床に埋まった箱みたいのが道なのかな」
ナビィ「さっきのはこの神殿を管理してる幽霊四姉妹よ」
ナビィ「どうしたのかしら……」
リンクル「知ってるの?」
ナビィ「まぁね、この神殿も森の一部なわけだし、結構昔から居るらしいよ」
ナビィ「でも、前はこんな嫌な感じの魔力は漂ってなかった筈だよ……」
リンクル「表に居たあの魔物達、多分ガノンドロフの手下だよね」
リンクル「そうすると、やっぱりここにもあいつの手下が居るのかな……」
ナビィ「早くなんとかしなきゃ、四姉妹が可哀想」
リンクル「うん。なんとかしなきゃね」
リンクル「取り敢えず、奥の部屋行ってみよっか」
リンクル「なんだろう、あれ」
「ハイリア人の子……!」
「あなたはここに来てはいけない……!」
リンクル「……? 誰?」
リンクル「あっ」
「あなたはここに来るべきではありません……」
「道は閉ざしておきます。どうかお帰りになって……」
リンクル「待って!」
リンクル「……火を持ってっちゃった」
ガコンッ
リンクル「あの床に埋まった箱みたいのが道なのかな」
ナビィ「さっきのはこの神殿を管理してる幽霊四姉妹よ」
ナビィ「どうしたのかしら……」
リンクル「知ってるの?」
ナビィ「まぁね、この神殿も森の一部なわけだし、結構昔から居るらしいよ」
ナビィ「でも、前はこんな嫌な感じの魔力は漂ってなかった筈だよ……」
リンクル「表に居たあの魔物達、多分ガノンドロフの手下だよね」
リンクル「そうすると、やっぱりここにもあいつの手下が居るのかな……」
ナビィ「早くなんとかしなきゃ、四姉妹が可哀想」
リンクル「うん。なんとかしなきゃね」
リンクル「取り敢えず、奥の部屋行ってみよっか」
181: 2018/02/11(日) 09:30:11.48 ID:YFOXpmXG0
リンクル「広くて迷いそうだなぁ」ガチャ
スタルフォス「待っていたぞ、時の勇者!」シャキンッ
リンクル「なっ……スタルフォス!?」シャキンッ
ナビィ「ただのスタルフォスじゃないヨ! 森をさまよってるのとは違うみたい!」
スタルフォス「表のモリブリン共をどうしたのかは知らないが、俺はあの連中とは一味違うぞ!」ブンッ
リンクル「くっ!」ガキンッ
リンクル「ていっ!」ブンッ
スタルフォス「成程、立派な剣だ。それがマスターソードか」バッ
スタルフォス「だが、腕が見合っていなくてはな! はっ!」ダンッ
リンクル「うわっ!」バッ
スタルフォス「どうした、その程度か!」ガンッ ガンッ
リンクル「うっ、くっ、やっ、ぁいっ……!」ガキンッ ガキンッ
リンクル(は、反撃に転ずる隙が……!)
スタルフォス「時の勇者と言えども所詮は女! 力も技も大したことはないようだな!」ブンッ
リンクル「っ!」バッ
リンクル「……っ!」
スタルフォス「もう息が上がったか? そろそろ俺の剣の錆となるがいいわ!」ダンッ
リンクル「!」
リンクル「そこっ!」バシュッ
スタルフォス「ぐおっ!?」
スタルフォス「ぐっ……な、何、クロスボウ!?」
スタルフォス「待っていたぞ、時の勇者!」シャキンッ
リンクル「なっ……スタルフォス!?」シャキンッ
ナビィ「ただのスタルフォスじゃないヨ! 森をさまよってるのとは違うみたい!」
スタルフォス「表のモリブリン共をどうしたのかは知らないが、俺はあの連中とは一味違うぞ!」ブンッ
リンクル「くっ!」ガキンッ
リンクル「ていっ!」ブンッ
スタルフォス「成程、立派な剣だ。それがマスターソードか」バッ
スタルフォス「だが、腕が見合っていなくてはな! はっ!」ダンッ
リンクル「うわっ!」バッ
スタルフォス「どうした、その程度か!」ガンッ ガンッ
リンクル「うっ、くっ、やっ、ぁいっ……!」ガキンッ ガキンッ
リンクル(は、反撃に転ずる隙が……!)
スタルフォス「時の勇者と言えども所詮は女! 力も技も大したことはないようだな!」ブンッ
リンクル「っ!」バッ
リンクル「……っ!」
スタルフォス「もう息が上がったか? そろそろ俺の剣の錆となるがいいわ!」ダンッ
リンクル「!」
リンクル「そこっ!」バシュッ
スタルフォス「ぐおっ!?」
スタルフォス「ぐっ……な、何、クロスボウ!?」
182: 2018/02/11(日) 09:30:47.01 ID:YFOXpmXG0
リンクル(入った! モロに入った!)
リンクル(けど……!)
スタルフォス「小癪な……!」ジリッ
リンクル(次は通用しない……! ただ撃ったって盾に弾かれてボルトを無駄にするだけ……!)
リンクル(なんとか隙を作れれば……そうだ、目を眩ますだけでもいい!)パァン
スタルフォス「くっ!? 目がっ!?」
リンクル「てやぁぁぁっ!」ダンッ
ザンッ
スタルフォス「ぐはああっ!? く、クソッ……折角、この世に返り咲いたというのに……!」ボロボロ……
スタルフォス「畜生ォォォォ……!」バラバラバラ
リンクル「はぁ……はぁ……」
リンクル「……ふぅ……」
ナビィ「大丈夫?」
リンクル「平気……けど、やっぱり剣術はまだまだね」
リンクル「マスターソードを上手く使いこなせてない気がする」
ナビィ「修行が必要だネ」
リンクル「……うん」
リンクル(けど……!)
スタルフォス「小癪な……!」ジリッ
リンクル(次は通用しない……! ただ撃ったって盾に弾かれてボルトを無駄にするだけ……!)
リンクル(なんとか隙を作れれば……そうだ、目を眩ますだけでもいい!)パァン
スタルフォス「くっ!? 目がっ!?」
リンクル「てやぁぁぁっ!」ダンッ
ザンッ
スタルフォス「ぐはああっ!? く、クソッ……折角、この世に返り咲いたというのに……!」ボロボロ……
スタルフォス「畜生ォォォォ……!」バラバラバラ
リンクル「はぁ……はぁ……」
リンクル「……ふぅ……」
ナビィ「大丈夫?」
リンクル「平気……けど、やっぱり剣術はまだまだね」
リンクル「マスターソードを上手く使いこなせてない気がする」
ナビィ「修行が必要だネ」
リンクル「……うん」
183: 2018/02/11(日) 09:31:27.98 ID:YFOXpmXG0
リンクル「あれ……この壁に飾ってあるの、あたしのと同じクロスボウじゃ……」
ナビィ「ほんとだ。それに、この不自然に空いたスペース……」
リンクル「もしかして、あたしのクロスボウってここから持ってきたものなのかな」
ナビィ「かもしれないネ。いつ頃から使ってるの?」
リンクル「分かんない……気付いた時には持たされてて、それを使うのが当たり前だと思ってたから」
リンクル「なんでこんなところから……誰が持ってきたんだろう」スッ
リンクル「……そうだ、折角だし、こっちも持って行っちゃおうかな」
リンクル「右手でも左手でも使えるわけだし、二つあれば飛ばせるボルトも二倍、ってね」
ナビィ(消費量も二倍だけどね)
リンクル「んー、でも、動きはまた練習した方がいいかな」
リンクル「暫くは持っとくだけにしよっと」
ナビィ「ほんとだ。それに、この不自然に空いたスペース……」
リンクル「もしかして、あたしのクロスボウってここから持ってきたものなのかな」
ナビィ「かもしれないネ。いつ頃から使ってるの?」
リンクル「分かんない……気付いた時には持たされてて、それを使うのが当たり前だと思ってたから」
リンクル「なんでこんなところから……誰が持ってきたんだろう」スッ
リンクル「……そうだ、折角だし、こっちも持って行っちゃおうかな」
リンクル「右手でも左手でも使えるわけだし、二つあれば飛ばせるボルトも二倍、ってね」
ナビィ(消費量も二倍だけどね)
リンクル「んー、でも、動きはまた練習した方がいいかな」
リンクル「暫くは持っとくだけにしよっと」
184: 2018/02/11(日) 09:35:44.67 ID:YFOXpmXG0
リンクル「迷った……」
ナビィ「迷ったネ……」
リンクル「ここは……うん?」ガチャ
リンクル「そこの絵、あれって……」
ナビィ「四姉妹の次女ジョオが絵の中に居るヨ!」
「帰れと言ったわよ、ハイリア人の子……」
リンクル「そうは言われても、あたしはサリアを助けてガノンドロフを倒さなきゃならないのよ!」
「……あなたに何が出来るというの」
リンクル「少なくとも絵に隠れて喋ってるだけの幽霊さんよりは色んなことが出来ると思うけど?」
「……」
ポゥ……
ジョオ「それなら、力ずくで帰ってもらうわよっ」ボウッ
リンクル「っと、やる気ね!」シャキンッ
ナビィ「迷ったネ……」
リンクル「ここは……うん?」ガチャ
リンクル「そこの絵、あれって……」
ナビィ「四姉妹の次女ジョオが絵の中に居るヨ!」
「帰れと言ったわよ、ハイリア人の子……」
リンクル「そうは言われても、あたしはサリアを助けてガノンドロフを倒さなきゃならないのよ!」
「……あなたに何が出来るというの」
リンクル「少なくとも絵に隠れて喋ってるだけの幽霊さんよりは色んなことが出来ると思うけど?」
「……」
ポゥ……
ジョオ「それなら、力ずくで帰ってもらうわよっ」ボウッ
リンクル「っと、やる気ね!」シャキンッ
185: 2018/02/11(日) 09:36:16.57 ID:YFOXpmXG0
ポゥ……
ナビィ「リンクル、後ろ!」
リンクル「っ!」バッ
「捕まえた……」ガシッ
ナビィ「三女のベスだわ!」
ジョオ「よくやったわ、ベス」
ベス「……」ムニムニ
リンクル「ひゃっ!? ちょっと、そんなに撫で回さないでよ……!」ビクッ
ジョオ「……」
ベス「……」ペタペタ
リンクル「手ひんやりしてるぅ……」ゾクゾク
ジョオ「……ベス?」
ベス「……むふん、満足」スッ
リンクル「あーうー……」
ジョオ「ベス、あのね、人が人とお話してる時は邪魔しちゃ駄目って言ってるでしょ?」
ベス「……ジョオ姉様もよく邪魔する」
ジョオ「あんたのあれはコミュニケーションにしても度が過ぎてるの!」
ジョオ「あの森の子にも変なこと教えてたでしょ!」
ベス「ちょっとお手伝いしただけ」
ジョオ「何のお手伝いよ!」
ベス「それに……ジョオ姉様のそれはお話じゃない」
ジョオ「ぐぬっ……!」
ナビィ「リンクル、後ろ!」
リンクル「っ!」バッ
「捕まえた……」ガシッ
ナビィ「三女のベスだわ!」
ジョオ「よくやったわ、ベス」
ベス「……」ムニムニ
リンクル「ひゃっ!? ちょっと、そんなに撫で回さないでよ……!」ビクッ
ジョオ「……」
ベス「……」ペタペタ
リンクル「手ひんやりしてるぅ……」ゾクゾク
ジョオ「……ベス?」
ベス「……むふん、満足」スッ
リンクル「あーうー……」
ジョオ「ベス、あのね、人が人とお話してる時は邪魔しちゃ駄目って言ってるでしょ?」
ベス「……ジョオ姉様もよく邪魔する」
ジョオ「あんたのあれはコミュニケーションにしても度が過ぎてるの!」
ジョオ「あの森の子にも変なこと教えてたでしょ!」
ベス「ちょっとお手伝いしただけ」
ジョオ「何のお手伝いよ!」
ベス「それに……ジョオ姉様のそれはお話じゃない」
ジョオ「ぐぬっ……!」
186: 2018/02/11(日) 09:36:54.57 ID:YFOXpmXG0
ナビィ「あのー……」
エイミー「お姉様ぁー、エイミー火落っことしちゃったぁー」ポゥ
ジョオ「ええっ!? あんた何やってんの!?」
エイミー「だってパズルのブロックが上手く動いてくんなかったんだもん」
ジョオ「それが言い訳になるもんですか!」
ジョオ「早く広間に行って火を……」
メグ「エイミー? エイミー、大丈夫ですか? 広間に火が戻ってきちゃってるけど……」ポゥ
メグ「あら……」
リンクル「ええー……」
ジョオ「姉様! エイミーったら火を落っことしちゃったって……!」
メグ「なんとなく察しはつきますわ」
メグ「ところで、ハイリア人の子がいらっしゃるようですけど……」
ジョオ「あ、そうだ忘れてた!」
ベス「ひどい」
ジョオ「誰のせいだと思ってんの!」
ベス「いやん」
エイミー「お姉様ぁー、エイミー火落っことしちゃったぁー」ポゥ
ジョオ「ええっ!? あんた何やってんの!?」
エイミー「だってパズルのブロックが上手く動いてくんなかったんだもん」
ジョオ「それが言い訳になるもんですか!」
ジョオ「早く広間に行って火を……」
メグ「エイミー? エイミー、大丈夫ですか? 広間に火が戻ってきちゃってるけど……」ポゥ
メグ「あら……」
リンクル「ええー……」
ジョオ「姉様! エイミーったら火を落っことしちゃったって……!」
メグ「なんとなく察しはつきますわ」
メグ「ところで、ハイリア人の子がいらっしゃるようですけど……」
ジョオ「あ、そうだ忘れてた!」
ベス「ひどい」
ジョオ「誰のせいだと思ってんの!」
ベス「いやん」
187: 2018/02/11(日) 09:38:00.31 ID:YFOXpmXG0
メグ「私は幽霊四姉妹の長女、メグと申しますの」
メグ「ごめんなさいね、ほんとはもっと真剣にあなたを困らせて追い返そうと思っていたのですけど」
リンクル「いや、まぁ、それなりに困ってたから、概ね成功だったんじゃないかな……」
リンクル「どうしてあたし達を追い返そうと?」
メグ「ご存知とは思いますが、私達姉妹はこの館を管理しておりますの」
メグ「ですが、七年ほど前のこと……」
メグ「突如として流れ込んだ邪悪な魔力により、私達は大きく力を失いました」
メグ「そこへ森の外からやってきた魔物達が襲いかかってきたのです」
メグ「力を失った私達ではいくつかの部屋を封鎖し彼らを大半の部屋から閉め出すのが精々でした」
メグ「そして数日前、今度はコキリの森の、昔からよくこの館の前へ遊びに来ていた少女が駆け込んできました」
リンクル「サリア……もしかして、村の危機を伝えに?」
ジョオ「そ。でも……」
ベス「私達もここの魔物に困り果ててたところで、あの子の村の危機は手に負えない……」
メグ「しかも、聖域を巡回する魔物をすり抜けてきたと言うのですから帰すのも危険を感じ」
メグ「仕方なく、この館の安全な部屋に匿っているところです」
ジョオ「奴らに見つからないようにね」
メグ「あなたを追い返そうとしたのも、あなたがこの近辺の魔物の首領と出会ってしまうのを避ける為でした」
リンクル「魔物の首領?」
メグ「はい……私達が封鎖した地下」
メグ「あそこに、魔物の首領ガノンが潜んでいますの」
リンクル「ガノン……!? まさかこんなところに!?」
エイミー「ハイリアちゃん、ガノンを知ってるの?」
リンクル「……7年前から、色々因縁があってね」
メグ「ごめんなさいね、ほんとはもっと真剣にあなたを困らせて追い返そうと思っていたのですけど」
リンクル「いや、まぁ、それなりに困ってたから、概ね成功だったんじゃないかな……」
リンクル「どうしてあたし達を追い返そうと?」
メグ「ご存知とは思いますが、私達姉妹はこの館を管理しておりますの」
メグ「ですが、七年ほど前のこと……」
メグ「突如として流れ込んだ邪悪な魔力により、私達は大きく力を失いました」
メグ「そこへ森の外からやってきた魔物達が襲いかかってきたのです」
メグ「力を失った私達ではいくつかの部屋を封鎖し彼らを大半の部屋から閉め出すのが精々でした」
メグ「そして数日前、今度はコキリの森の、昔からよくこの館の前へ遊びに来ていた少女が駆け込んできました」
リンクル「サリア……もしかして、村の危機を伝えに?」
ジョオ「そ。でも……」
ベス「私達もここの魔物に困り果ててたところで、あの子の村の危機は手に負えない……」
メグ「しかも、聖域を巡回する魔物をすり抜けてきたと言うのですから帰すのも危険を感じ」
メグ「仕方なく、この館の安全な部屋に匿っているところです」
ジョオ「奴らに見つからないようにね」
メグ「あなたを追い返そうとしたのも、あなたがこの近辺の魔物の首領と出会ってしまうのを避ける為でした」
リンクル「魔物の首領?」
メグ「はい……私達が封鎖した地下」
メグ「あそこに、魔物の首領ガノンが潜んでいますの」
リンクル「ガノン……!? まさかこんなところに!?」
エイミー「ハイリアちゃん、ガノンを知ってるの?」
リンクル「……7年前から、色々因縁があってね」
188: 2018/02/11(日) 09:38:39.82 ID:YFOXpmXG0
リンクル「取り敢えず、話は分かったわ」
リンクル「その上でお願い。地下に通してくれない?」
メグ「……」
メグ「スタルフォスを倒したのは、やはりあなたでしたか」
ナビィ「もっちろん! ネ、リンクル!」
リンクル「うんっ」
メグ「……分かりました。その勇気が蛮勇でないことを切に願います」
メグ「……あら……?」
リンクル「?」
メグ「そのクロスボウは……」
リンクル「これ? ああ、ごめん借りてる」
リンクル「片方は大分昔から使ってるけどね。まさかここのだとは思わなくて」
メグ「……そういえば、お名前を伺っておりませんでしたね」
リンクル「あー、そうね、名乗ってなかったっけ」
リンクル「あたしはリンクル、コキリの森のリンクルだよ」
メグ「……良いお名前ですね。それでは、お気をつけて……」
リンクル「うん! ありがとねー!」タッ
メグ「……」
ジョオ「ふーん……あれが旦那様の……」
ジョオ「やっぱり森に許されたハイリアの子って、その子供も特別なんだねぇ」
エイミー「ねぇねぇ、それあのリンクルちゃんに言わなくて良かったの?」
メグ「……いいんですよ、きっとその内ご自分で見つけ出されますわ」
リンクル「その上でお願い。地下に通してくれない?」
メグ「……」
メグ「スタルフォスを倒したのは、やはりあなたでしたか」
ナビィ「もっちろん! ネ、リンクル!」
リンクル「うんっ」
メグ「……分かりました。その勇気が蛮勇でないことを切に願います」
メグ「……あら……?」
リンクル「?」
メグ「そのクロスボウは……」
リンクル「これ? ああ、ごめん借りてる」
リンクル「片方は大分昔から使ってるけどね。まさかここのだとは思わなくて」
メグ「……そういえば、お名前を伺っておりませんでしたね」
リンクル「あー、そうね、名乗ってなかったっけ」
リンクル「あたしはリンクル、コキリの森のリンクルだよ」
メグ「……良いお名前ですね。それでは、お気をつけて……」
リンクル「うん! ありがとねー!」タッ
メグ「……」
ジョオ「ふーん……あれが旦那様の……」
ジョオ「やっぱり森に許されたハイリアの子って、その子供も特別なんだねぇ」
エイミー「ねぇねぇ、それあのリンクルちゃんに言わなくて良かったの?」
メグ「……いいんですよ、きっとその内ご自分で見つけ出されますわ」
189: 2018/02/11(日) 09:39:20.93 ID:YFOXpmXG0
ゴー……ゴゴン
リンクル「ついた……」
ナビィ「うっ……すごい、邪悪な魔力が」
リンクル「きつかったらあたしのフードに入ってなよ」
ナビィ「ありがとう……そうする」シュ……
リンクル「なんだろうこの部屋……」
リンクル「同じ絵がぐるっと……」
「ブルルルッ」
リンクル「馬……?」クルッ
リンクル「!!」シャキンッ
ガノンドロフ?「クックック……」
リンクル「ガノンドロフ! サリアを救って、森を元に戻してもらうわよ!」
ガノンドロフ?「出来るものならやってみろ……」フワッ
リンクル「浮いた……?」
ガノンドロフ?「尤も、万に一つもお前の勝ちはないがな!」バシュンッ
リンクル「うああーっ!?」バリバリバリ
リンクル「くっ……!」バシュッ
ガノンドロフ?「うおっ!?」
ガノンドロフ?「ぬぅ……!」シュウゥ……
リンクル「……!?」
リンクル「顔が……まさか、ガノンドロフに似せた、魔物!?」
ガノンドロフ?「クックック……バレてしまっては仕方がないな」ボゥ……
異次元悪霊 ファントムガノン
ファントムガノン「はいやっ」ズズズズ……
リンクル「絵に……!?」
リンクル「え、絵の中に消えていく……!」
リンクル「ついた……」
ナビィ「うっ……すごい、邪悪な魔力が」
リンクル「きつかったらあたしのフードに入ってなよ」
ナビィ「ありがとう……そうする」シュ……
リンクル「なんだろうこの部屋……」
リンクル「同じ絵がぐるっと……」
「ブルルルッ」
リンクル「馬……?」クルッ
リンクル「!!」シャキンッ
ガノンドロフ?「クックック……」
リンクル「ガノンドロフ! サリアを救って、森を元に戻してもらうわよ!」
ガノンドロフ?「出来るものならやってみろ……」フワッ
リンクル「浮いた……?」
ガノンドロフ?「尤も、万に一つもお前の勝ちはないがな!」バシュンッ
リンクル「うああーっ!?」バリバリバリ
リンクル「くっ……!」バシュッ
ガノンドロフ?「うおっ!?」
ガノンドロフ?「ぬぅ……!」シュウゥ……
リンクル「……!?」
リンクル「顔が……まさか、ガノンドロフに似せた、魔物!?」
ガノンドロフ?「クックック……バレてしまっては仕方がないな」ボゥ……
異次元悪霊 ファントムガノン
ファントムガノン「はいやっ」ズズズズ……
リンクル「絵に……!?」
リンクル「え、絵の中に消えていく……!」
190: 2018/02/11(日) 09:40:04.36 ID:YFOXpmXG0
ナビィ「……! Watch out! 反対側の絵!」
リンクル「はっ!?」
ファントムガノン「フハハハハッ!」バシュンッ
リンクル「きゃあああああっ!?」バリバリバリ
リンクル「う、くそーっ!」バシュッ
ファントムガノン「ハハハハハ……」ズズズズ
ナビィ「また絵に消えていった……!」
リンクル「くぅ……! どの絵から出てくる……!?」
ナビィ「見て! 今度はあの絵に写ってる!」
リンクル「よーし……!」
ファントムガノン「ぬぅん……!」ズズズズ
リンクル「やっぱり絵の出入りには少し時間がかかるんだ!」
リンクル「喰らえっ!」バシュッ
ファントムガノン「ぐおっ!?」
ファントムガノン「ぐぬぅ……少しはやるようだな」
リンクル「そんで今度は馬を降りて真っ向勝負ってわけ?」
リンクル「かかってきなさいよ!」バシュッ
ファントムガノン「ふんっ!」バキッ
ファントムガノン「小細工はなしだ! 直接叩き頃してくれる!」
リンクル「はっ!?」
ファントムガノン「フハハハハッ!」バシュンッ
リンクル「きゃあああああっ!?」バリバリバリ
リンクル「う、くそーっ!」バシュッ
ファントムガノン「ハハハハハ……」ズズズズ
ナビィ「また絵に消えていった……!」
リンクル「くぅ……! どの絵から出てくる……!?」
ナビィ「見て! 今度はあの絵に写ってる!」
リンクル「よーし……!」
ファントムガノン「ぬぅん……!」ズズズズ
リンクル「やっぱり絵の出入りには少し時間がかかるんだ!」
リンクル「喰らえっ!」バシュッ
ファントムガノン「ぐおっ!?」
ファントムガノン「ぐぬぅ……少しはやるようだな」
リンクル「そんで今度は馬を降りて真っ向勝負ってわけ?」
リンクル「かかってきなさいよ!」バシュッ
ファントムガノン「ふんっ!」バキッ
ファントムガノン「小細工はなしだ! 直接叩き頃してくれる!」
191: 2018/02/11(日) 09:40:50.44 ID:YFOXpmXG0
ファントムガノン「はぁっ!」バシュンッ
リンクル「くっ……!」バッ
リンクル(引きずり出したはいいけど、宙に浮いてるんじゃ対抗出来ない!)
リンクル(剣が届かないのは勿論、クロスボウもそのまま撃っても弾かれちゃうし……!)
リンクル(一体どうすれば……!)
ファントムガノン「フハハハッ、どうした、手も足も出ないか!」バシュンッ
リンクル「っ……ええいっ!」バシンッ
リンクル「えっ……」
ファントムガノン「何っ!?」
ファントムガノン「小癪な!」バシンッ
リンクル「きゃあああっ!?」バリバリバリ
リンクル「っつぅ……!」
リンクル「な……何、今の……!?」ユラッ
リンクル(……今、あたし跳ね返したの!? あの魔法を!?)
ファントムガノン「ふん……次でとどめだ!」バシュンッ
リンクル「っ! てやぁっ!」バシンッ
ファントムガノン「効かぬわ!」バシンッ
リンクル「じゃあもう一度!」バシンッ
ファントムガノン「なっ!?」
ファントムガノン「ぐああああっ!?」バリバリバリ
リンクル「ちょっとはあたしの気持ちが分かったかしら!」
リンクル「これでとどめよっ!」ダンッ
ザンッ
ファントムガノン「グオォォォォォッ!?」
ファントムガノン「ば、バカな……この、俺が……ガノンドロフ様の、幻影であるこの俺が……!」
リンクル「はんっ、他愛ない! 所詮は幻影ね!」
ファントムガノン「うおおおおおおっ……!!」ズズズズズズ……
リンクル「くっ……!」バッ
リンクル(引きずり出したはいいけど、宙に浮いてるんじゃ対抗出来ない!)
リンクル(剣が届かないのは勿論、クロスボウもそのまま撃っても弾かれちゃうし……!)
リンクル(一体どうすれば……!)
ファントムガノン「フハハハッ、どうした、手も足も出ないか!」バシュンッ
リンクル「っ……ええいっ!」バシンッ
リンクル「えっ……」
ファントムガノン「何っ!?」
ファントムガノン「小癪な!」バシンッ
リンクル「きゃあああっ!?」バリバリバリ
リンクル「っつぅ……!」
リンクル「な……何、今の……!?」ユラッ
リンクル(……今、あたし跳ね返したの!? あの魔法を!?)
ファントムガノン「ふん……次でとどめだ!」バシュンッ
リンクル「っ! てやぁっ!」バシンッ
ファントムガノン「効かぬわ!」バシンッ
リンクル「じゃあもう一度!」バシンッ
ファントムガノン「なっ!?」
ファントムガノン「ぐああああっ!?」バリバリバリ
リンクル「ちょっとはあたしの気持ちが分かったかしら!」
リンクル「これでとどめよっ!」ダンッ
ザンッ
ファントムガノン「グオォォォォォッ!?」
ファントムガノン「ば、バカな……この、俺が……ガノンドロフ様の、幻影であるこの俺が……!」
リンクル「はんっ、他愛ない! 所詮は幻影ね!」
ファントムガノン「うおおおおおおっ……!!」ズズズズズズ……
192: 2018/02/11(日) 09:41:23.04 ID:YFOXpmXG0
「小娘、中々やるな……」
リンクル「!」
リンクル「ガノンドロフ! どこから声が……!」
「ふむ……少しは腕を上げた、というわけか……」
「だが、貴様が倒したのは所詮俺の幻影に過ぎぬ……」
「俺と戦う時はこうはいかんと思え」
「……それにしても、不甲斐なき奴め」
ファントムガノン「ガ、ガノンドロフ様……申し訳ありません! どうかお情けを!」
「黙れ! 貴様のような役立たずは次元の狭間に消え去れい!」
ファントムガノン「うっ、うおあああああっ!!」
ズオオオッ……
リンクル「……消えちゃった」
リンクル「っ、そうだ! サリア!」
ポゥ……
メグ「よくぞ、やってくださいました」
メグ「森の館の幽霊四姉妹、己の非力をお詫びすると共に、心より感謝を申し上げます」
メグ「あなたが捜し求める少女、サリア様は森の賢者としてお目覚めになりました」
メグ「さぁ、こちらへ……」
リンクル「……うん」カツカツ
リンクル「!」
リンクル「ガノンドロフ! どこから声が……!」
「ふむ……少しは腕を上げた、というわけか……」
「だが、貴様が倒したのは所詮俺の幻影に過ぎぬ……」
「俺と戦う時はこうはいかんと思え」
「……それにしても、不甲斐なき奴め」
ファントムガノン「ガ、ガノンドロフ様……申し訳ありません! どうかお情けを!」
「黙れ! 貴様のような役立たずは次元の狭間に消え去れい!」
ファントムガノン「うっ、うおあああああっ!!」
ズオオオッ……
リンクル「……消えちゃった」
リンクル「っ、そうだ! サリア!」
ポゥ……
メグ「よくぞ、やってくださいました」
メグ「森の館の幽霊四姉妹、己の非力をお詫びすると共に、心より感謝を申し上げます」
メグ「あなたが捜し求める少女、サリア様は森の賢者としてお目覚めになりました」
メグ「さぁ、こちらへ……」
リンクル「……うん」カツカツ
193: 2018/02/11(日) 09:42:23.78 ID:YFOXpmXG0
リンクル「……ここか」
「リンクル……」
リンクル「!」
リンクル「サリア!」
サリア「ありがとう、リンクル……」
サリア「お陰で、あたしは森の賢者として目覚めることが出来ました」
サリア「きっと、助けに来てくれると信じてたヨ……」
サリア「だって……」
リンクル「……そうよ、あたしは」
サリア「ううん、言わないで……」
サリア「あたしは森の賢者……時の勇者を支える、七人の賢者の一人」
サリア「もう同じ世界には住めないの……」
サリア「でも、またいつでもあの曲吹いて、サリアのこと思い出してネ……」ギュッ
リンクル「うん……」
サリア「リンクル……」チュッ
リンクル「んっ……」
サリア「サリアは、いつまでも……あなたの友達だからネ……」ポゥ……
リンクル「……うんっ」
「リンクル……」
リンクル「!」
リンクル「サリア!」
サリア「ありがとう、リンクル……」
サリア「お陰で、あたしは森の賢者として目覚めることが出来ました」
サリア「きっと、助けに来てくれると信じてたヨ……」
サリア「だって……」
リンクル「……そうよ、あたしは」
サリア「ううん、言わないで……」
サリア「あたしは森の賢者……時の勇者を支える、七人の賢者の一人」
サリア「もう同じ世界には住めないの……」
サリア「でも、またいつでもあの曲吹いて、サリアのこと思い出してネ……」ギュッ
リンクル「うん……」
サリア「リンクル……」チュッ
リンクル「んっ……」
サリア「サリアは、いつまでも……あなたの友達だからネ……」ポゥ……
リンクル「……うんっ」
197: 2018/02/12(月) 18:47:58.30 ID:YYGHpiR40
ep.11 世界を救う旅
――迷いの森
ミド「!」
ミド「サ、サリアは!? お前、サリア見つけたんだろ!?」
リンクル「見つけたよ」
リンクル「でも、もう帰っては来られない」
リンクル「森の賢者としての役目がある……ってさ」
リンクル「これから森は元通りになってくよ、きっと」
ミド「な……! な、なんだよ、それ……」
ミド「森の賢者って、なんだよ……なんでサリアなんだよ……」
リンクル「……ごめんね」
――迷いの森
ミド「!」
ミド「サ、サリアは!? お前、サリア見つけたんだろ!?」
リンクル「見つけたよ」
リンクル「でも、もう帰っては来られない」
リンクル「森の賢者としての役目がある……ってさ」
リンクル「これから森は元通りになってくよ、きっと」
ミド「な……! な、なんだよ、それ……」
ミド「森の賢者って、なんだよ……なんでサリアなんだよ……」
リンクル「……ごめんね」
198: 2018/02/12(月) 18:48:25.90 ID:YYGHpiR40
――コキリの森
ナビィ「村の中、魔物居なくなってるネ」
リンクル「邪悪な魔力が消えて、逃げ出したみたい」
リンクル「……さて」
ナビィ「……デクの樹様……」
リンクル「ただいま、デクの樹様」
リンクル「やっぱり、氏んじゃったものは戻らないか」
ナビィ「……?」
ナビィ「ねぇ、リンクル、あれ何だろ?」
リンクル「?」
リンクル「うーん……芽、かな……?」
ボンッ
リンクル「うひゃああっ!?」
デクの子「僕、デクの樹の子供デス!」
ナビィ「村の中、魔物居なくなってるネ」
リンクル「邪悪な魔力が消えて、逃げ出したみたい」
リンクル「……さて」
ナビィ「……デクの樹様……」
リンクル「ただいま、デクの樹様」
リンクル「やっぱり、氏んじゃったものは戻らないか」
ナビィ「……?」
ナビィ「ねぇ、リンクル、あれ何だろ?」
リンクル「?」
リンクル「うーん……芽、かな……?」
ボンッ
リンクル「うひゃああっ!?」
デクの子「僕、デクの樹の子供デス!」
199: 2018/02/12(月) 18:48:57.45 ID:YYGHpiR40
リンクル「デ、デクの樹様の子供……?」
デクの子「そうデス。君とサリアが森の神殿の呪いを解いてくれたお陰で生まれることが出来たデス」
デクの子「本当にありがとうデス!」
デクの子「昔の仲間達とはもう会ったデスか?」
デクの子「大きくなった君に、誰も気付かなかったデスね」
デクの子「もう知っていると思いますが、コキリ族はこの森に居る限り大人にならない民族……」
デクの子「7年経っても、外に出た君と違って子供のままデス」
デクの子「そして、これまた君はもう気付いているかもしれませんが、君はコキリ族ではありません」
デクの子「君は、本当は外で生まれた、ハイリア人なのデス!」
リンクル「……あたしが、ハイリア人」
リンクル「なんだ……あたし、結局ハイリア人だったんだ……」
デクの子「……デスが、君はただのハイリア人ではないデス」
デクの子「ある意味で、君はコキリ族とも言えるのデス」
リンクル「……どういうこと?」
デクの子「普通のハイリア人は、この森では暮らせません」
ナビィ「森に長く居過ぎると、正気を失って魔物になっちゃうんですよね」
デクの子「その通りデス」
デクの子「では、何故君は魔物にならなかったのか……そのお話を今聞いてもらうデス」
デクの子「そうデス。君とサリアが森の神殿の呪いを解いてくれたお陰で生まれることが出来たデス」
デクの子「本当にありがとうデス!」
デクの子「昔の仲間達とはもう会ったデスか?」
デクの子「大きくなった君に、誰も気付かなかったデスね」
デクの子「もう知っていると思いますが、コキリ族はこの森に居る限り大人にならない民族……」
デクの子「7年経っても、外に出た君と違って子供のままデス」
デクの子「そして、これまた君はもう気付いているかもしれませんが、君はコキリ族ではありません」
デクの子「君は、本当は外で生まれた、ハイリア人なのデス!」
リンクル「……あたしが、ハイリア人」
リンクル「なんだ……あたし、結局ハイリア人だったんだ……」
デクの子「……デスが、君はただのハイリア人ではないデス」
デクの子「ある意味で、君はコキリ族とも言えるのデス」
リンクル「……どういうこと?」
デクの子「普通のハイリア人は、この森では暮らせません」
ナビィ「森に長く居過ぎると、正気を失って魔物になっちゃうんですよね」
デクの子「その通りデス」
デクの子「では、何故君は魔物にならなかったのか……そのお話を今聞いてもらうデス」
200: 2018/02/12(月) 18:49:43.89 ID:YYGHpiR40
デクの子「まだハイラル王がこの国を統一する以前……」
デクの子「激しい戦争があったデス」
デクの子「その戦乱の最中、ハイラル王に仕える、一人の騎士の妻と赤ん坊がこの森へ逃げ込んできました」
デクの子「本来なら禁断の森とされるこの森へ逃げることはとんでもない愚行デスが……」
デクの子「実は、その騎士は、この森に暮らすことをデクの樹に認められた数少ないハイリア人だったのデス」
デクの子「騎士の妻は、この森の奥にある騎士の別邸を目指していました」
デクの子「しかし、深手を負ったまま迷いの森を抜けることは叶わず、デクの樹に赤ん坊の命を託したのデス」
デクの子「デクの樹はその子を見た時、世界の未来に関わる運命を感じ、受け入れる決意をしたのデス」
デクの子「母親が息を引き取った後、赤ん坊はデクの樹の加護を受けてコキリ族として育てられました」
デクの子「それが君なのデス」
リンクル「……そう。取り敢えず、あたしがハイリア人の中でも大分変わってるのってことは分かったよ」
デクの子「……違和感に気付かないデスか?」
リンクル「何の?」
デクの子「さっき言った激しい戦争……ハイラル統一戦争は、もう30年も前のお話デス」
デクの子「よく考えなくても、君は7年前の段階で既に大人になっていた筈デス」
リンクル「え……?」
ナビィ「い、言われてみれば……」
デクの子「激しい戦争があったデス」
デクの子「その戦乱の最中、ハイラル王に仕える、一人の騎士の妻と赤ん坊がこの森へ逃げ込んできました」
デクの子「本来なら禁断の森とされるこの森へ逃げることはとんでもない愚行デスが……」
デクの子「実は、その騎士は、この森に暮らすことをデクの樹に認められた数少ないハイリア人だったのデス」
デクの子「騎士の妻は、この森の奥にある騎士の別邸を目指していました」
デクの子「しかし、深手を負ったまま迷いの森を抜けることは叶わず、デクの樹に赤ん坊の命を託したのデス」
デクの子「デクの樹はその子を見た時、世界の未来に関わる運命を感じ、受け入れる決意をしたのデス」
デクの子「母親が息を引き取った後、赤ん坊はデクの樹の加護を受けてコキリ族として育てられました」
デクの子「それが君なのデス」
リンクル「……そう。取り敢えず、あたしがハイリア人の中でも大分変わってるのってことは分かったよ」
デクの子「……違和感に気付かないデスか?」
リンクル「何の?」
デクの子「さっき言った激しい戦争……ハイラル統一戦争は、もう30年も前のお話デス」
デクの子「よく考えなくても、君は7年前の段階で既に大人になっていた筈デス」
リンクル「え……?」
ナビィ「い、言われてみれば……」
201: 2018/02/12(月) 18:50:32.77 ID:YYGHpiR40
デクの子「……君は、実はこの森で10歳の身体のまま10年以上を過ごしていたのデス」
デクの子「デクの樹の加護を受けた、とはそういうことデス」
デクの子「コキリ族はある程度まで成長すると、そこから成長が止まり、永遠に年を取りません」
デクの子「ハイリア人の君はそれと同じように過ごす為に、デクの樹の加護を受けました」
デクの子「……尤も、コキリ族自体も森から出ればハイリア人と同じように年を取ってしまうのデスが」
デクの子「兎に角、君はいずれこの森を出て行く運命だったのデス」
デクの子「このことを伝えるのが、僕の役目でした」
デクの子「そして、君にはこれからやらねばならない使命があるのデス」
リンクル「ハイラルを救え、って?」
デクの子「そうデス! 君には、その力があるのデス」
リンクル「……そう」
リンクル「ありがとね、色々教えてくれて。じゃあ、あたし達もう行くよ」
デクの子「君の運命は多くの苦難に出会う過酷なものでしょうが、それを恨んではいけないデス」
デクの子「時の勇者として、ハイラルを救うのデス」
リンクル「……」タッ
デクの子「デクの樹の加護を受けた、とはそういうことデス」
デクの子「コキリ族はある程度まで成長すると、そこから成長が止まり、永遠に年を取りません」
デクの子「ハイリア人の君はそれと同じように過ごす為に、デクの樹の加護を受けました」
デクの子「……尤も、コキリ族自体も森から出ればハイリア人と同じように年を取ってしまうのデスが」
デクの子「兎に角、君はいずれこの森を出て行く運命だったのデス」
デクの子「このことを伝えるのが、僕の役目でした」
デクの子「そして、君にはこれからやらねばならない使命があるのデス」
リンクル「ハイラルを救え、って?」
デクの子「そうデス! 君には、その力があるのデス」
リンクル「……そう」
リンクル「ありがとね、色々教えてくれて。じゃあ、あたし達もう行くよ」
デクの子「君の運命は多くの苦難に出会う過酷なものでしょうが、それを恨んではいけないデス」
デクの子「時の勇者として、ハイラルを救うのデス」
リンクル「……」タッ
202: 2018/02/12(月) 18:51:26.01 ID:YYGHpiR40
ナビィ「リンクル、待ってヨ!」
リンクル(勝手なことばっかり!)タタタタッ
リンクル(ほんとはハイリア人? ハイリア人の中でも変わり種? 半分コキリ族みたいなもん?)タタタタッ
リンクル(結局あたし自身が何者なのか、さっぱり分からないのに、時の勇者だなんて!)タタタタッ
リンクル(ハイラルを救う力って何!? 過酷な運命を恨むな!? なんであたしなの!?)タタタタッ
リンクル(冗談じゃない! 冗談じゃない!!)タッタッタ
リンクル「冗談じゃないっ!! 時の勇者なんて!!」ザシッ
リンクル「コキリ族だと思って育ったのに、突然ハイリア人の変わり種なんて言われて!」シャキンッ
リンクル「突然7年も眠らせて、体だけ大人にして! こんなものっ!」ブンッ
ガランッ ガランガランッ
ファイ(石に当たりました。ちょっと痛い)
リンクル「誰が! 誰が決めたのよっ! 選ばれたくなんかなかったのにっ!!」
リンクル「なんであたしがっ! こんな……こんなことに……っ!!」
ナビィ「リンクル……」
リンクル「ふーっ……ふーっ……!」
リンクル(勝手なことばっかり!)タタタタッ
リンクル(ほんとはハイリア人? ハイリア人の中でも変わり種? 半分コキリ族みたいなもん?)タタタタッ
リンクル(結局あたし自身が何者なのか、さっぱり分からないのに、時の勇者だなんて!)タタタタッ
リンクル(ハイラルを救う力って何!? 過酷な運命を恨むな!? なんであたしなの!?)タタタタッ
リンクル(冗談じゃない! 冗談じゃない!!)タッタッタ
リンクル「冗談じゃないっ!! 時の勇者なんて!!」ザシッ
リンクル「コキリ族だと思って育ったのに、突然ハイリア人の変わり種なんて言われて!」シャキンッ
リンクル「突然7年も眠らせて、体だけ大人にして! こんなものっ!」ブンッ
ガランッ ガランガランッ
ファイ(石に当たりました。ちょっと痛い)
リンクル「誰が! 誰が決めたのよっ! 選ばれたくなんかなかったのにっ!!」
リンクル「なんであたしがっ! こんな……こんなことに……っ!!」
ナビィ「リンクル……」
リンクル「ふーっ……ふーっ……!」
203: 2018/02/12(月) 18:52:07.51 ID:YYGHpiR40
リンクル「……」
ナビィ「……リンクル、落ち着いた……?」
リンクル「……ごめん、ナビィ、取り乱した」
リンクル「さっきのは忘れて。大丈夫だから」
ナビィ「ううん……あんな風に言われたら、誰だって混乱するヨ」
リンクル「ファイもごめんね? いきなり投げたりして」スッ
ファイ「いいえ、マスター。心配には及びません」
ファイ「ファイが知り得る中でも、あなたの生い立ちは相当に酷なものであると断言出来ます」
ファイ「あなたが混乱するのも当然のことです。自棄になっていてもおかしくはありません」
ファイ「しかし、あなたは未だそうなっていません」
ファイ「ここで全てを投げ出したりせずに旅を続ければ、何か良いことに巡り合えるかもしれない、と」
ファイ「マスター自身が、心のどこかで思っているものと推測されます」
ナビィ「だから……一緒に乗り越えていこ? ナビィはいつも一緒だヨ」
リンクル「……ありがとう」
リンクル「行きましょ。ハイラルを救わなきゃ」
ナビィ「……リンクル、落ち着いた……?」
リンクル「……ごめん、ナビィ、取り乱した」
リンクル「さっきのは忘れて。大丈夫だから」
ナビィ「ううん……あんな風に言われたら、誰だって混乱するヨ」
リンクル「ファイもごめんね? いきなり投げたりして」スッ
ファイ「いいえ、マスター。心配には及びません」
ファイ「ファイが知り得る中でも、あなたの生い立ちは相当に酷なものであると断言出来ます」
ファイ「あなたが混乱するのも当然のことです。自棄になっていてもおかしくはありません」
ファイ「しかし、あなたは未だそうなっていません」
ファイ「ここで全てを投げ出したりせずに旅を続ければ、何か良いことに巡り合えるかもしれない、と」
ファイ「マスター自身が、心のどこかで思っているものと推測されます」
ナビィ「だから……一緒に乗り越えていこ? ナビィはいつも一緒だヨ」
リンクル「……ありがとう」
リンクル「行きましょ。ハイラルを救わなきゃ」
204: 2018/02/12(月) 18:53:01.42 ID:YYGHpiR40
――カカリコ村
リンクル「エポナが居ると平原もあっという間ね」
リンクル「ありがとう、エポナ」ナデナデ
エポナ「ブルルルッ」
コッコ「コッコッコッコッコッコ」
リンクル「こっこっこっこっこっこー」
ナビィ「またコッコのお姉さんとこのコッコかな?」
リンクル「んー、どうだろ? この前来た時に見かけたのとは違うみたいだけど」
「……お前は……もしやリンクルか?」
リンクル「?」
リンクル「あたしのこと知って……あーっ!」
インパ「久しぶりだな」
インパ「いくらか噂を耳にし、もしやとは思っていたが……」
リンクル「噂?」
インパ「ああ、村の者がな……」
インパ「緑の服に緑のフード、剣とクロスボウを持った旅人の少女など、お前以外にそうそう居るまい」
リンクル「あー、やっぱり目立つかなぁ、このカッコ」
インパ「勇者らしくて良いと思うぞ」
ファイ(当然です。今のマスターの服装は前のマスターと殆ど同じですから)
インパ「それにしても……ついにその剣を手に入れたのか」
リンクル「7年も前のことだけどね」
リンクル「……そうだ。インパさん、お願いがあるの。いい?」
インパ「何だ?」
リンクル「また剣術の稽古をつけてほしいの」
リンクル「エポナが居ると平原もあっという間ね」
リンクル「ありがとう、エポナ」ナデナデ
エポナ「ブルルルッ」
コッコ「コッコッコッコッコッコ」
リンクル「こっこっこっこっこっこー」
ナビィ「またコッコのお姉さんとこのコッコかな?」
リンクル「んー、どうだろ? この前来た時に見かけたのとは違うみたいだけど」
「……お前は……もしやリンクルか?」
リンクル「?」
リンクル「あたしのこと知って……あーっ!」
インパ「久しぶりだな」
インパ「いくらか噂を耳にし、もしやとは思っていたが……」
リンクル「噂?」
インパ「ああ、村の者がな……」
インパ「緑の服に緑のフード、剣とクロスボウを持った旅人の少女など、お前以外にそうそう居るまい」
リンクル「あー、やっぱり目立つかなぁ、このカッコ」
インパ「勇者らしくて良いと思うぞ」
ファイ(当然です。今のマスターの服装は前のマスターと殆ど同じですから)
インパ「それにしても……ついにその剣を手に入れたのか」
リンクル「7年も前のことだけどね」
リンクル「……そうだ。インパさん、お願いがあるの。いい?」
インパ「何だ?」
リンクル「また剣術の稽古をつけてほしいの」
205: 2018/02/12(月) 18:55:09.98 ID:YYGHpiR40
――それから数日
カァン キキィン ガキンッ
リンクル「ふっ、はっ、たぁっ!」
インパ「……ふむ、良い太刀筋だ……だが」ガンッ キンッ ガキンッ
インパ「脇が甘い」ドンッ
リンクル「ぁいぃっ!?」
リンクル「いったぁ……!」
インパ「以前も言ったが、お前には剣士としての非常に優れた才能がある」
インパ「まだまだ技術は粗削りだが、鍛えれば必ず化けると私は確信している」
リンクル「……その“才能”って、具体的には何なの?」
インパ「む、そう来るか。まぁ良かろう」
インパ「いくつもあるが、一つ挙げるならば、覚えの良さだろう」
インパ「どうもお前は王家の騎士の剣術の呑み込みが異様に早い。更には私のシーカー流剣術も吸収しつつある」
インパ「それどころか、お前自身の先天的な身体能力の高さから、独自の進化を遂げる気配すら感じるよ」
インパ「数時間前の時点で基礎的な剣術は出し切った」
インパ「あとはもう少し高度な剣術とシーカー流だけだが、それも見せる度に覚えていくだろう」
インパ「はっきり言って異常だ。普通はもっと長い時間をかけて身につけるものだからな」
インパ「才能としか言いようがない」
リンクル「ただ真似してただけなんだけどね……」
インパ「普通の者はそれが出来ない。私もこれらの技術を身につけるには相当な時間を要した」
インパ「だがお前はそれらをあっという間に身につけてしまう。羨ましい限りだ」
リンクル「……みんな当たり前に出来るもんだと思ってたわ」
インパ「フフ……この場に王家の騎士達が居なくて良かったな」
インパ「彼らが居たら、お前は次々と決闘を申し込まれていたところだ」
リンクル「あ、あはは……流石にそれは嫌かなぁ」
カァン キキィン ガキンッ
リンクル「ふっ、はっ、たぁっ!」
インパ「……ふむ、良い太刀筋だ……だが」ガンッ キンッ ガキンッ
インパ「脇が甘い」ドンッ
リンクル「ぁいぃっ!?」
リンクル「いったぁ……!」
インパ「以前も言ったが、お前には剣士としての非常に優れた才能がある」
インパ「まだまだ技術は粗削りだが、鍛えれば必ず化けると私は確信している」
リンクル「……その“才能”って、具体的には何なの?」
インパ「む、そう来るか。まぁ良かろう」
インパ「いくつもあるが、一つ挙げるならば、覚えの良さだろう」
インパ「どうもお前は王家の騎士の剣術の呑み込みが異様に早い。更には私のシーカー流剣術も吸収しつつある」
インパ「それどころか、お前自身の先天的な身体能力の高さから、独自の進化を遂げる気配すら感じるよ」
インパ「数時間前の時点で基礎的な剣術は出し切った」
インパ「あとはもう少し高度な剣術とシーカー流だけだが、それも見せる度に覚えていくだろう」
インパ「はっきり言って異常だ。普通はもっと長い時間をかけて身につけるものだからな」
インパ「才能としか言いようがない」
リンクル「ただ真似してただけなんだけどね……」
インパ「普通の者はそれが出来ない。私もこれらの技術を身につけるには相当な時間を要した」
インパ「だがお前はそれらをあっという間に身につけてしまう。羨ましい限りだ」
リンクル「……みんな当たり前に出来るもんだと思ってたわ」
インパ「フフ……この場に王家の騎士達が居なくて良かったな」
インパ「彼らが居たら、お前は次々と決闘を申し込まれていたところだ」
リンクル「あ、あはは……流石にそれは嫌かなぁ」
206: 2018/02/12(月) 18:55:55.38 ID:YYGHpiR40
インパ「……それにしても、お前を見ていると奴を思い出すな」
リンクル「奴?」
インパ「統一戦争の時、先程お前が言ったことと同じことを言った男が居たんだ」
インパ「王家に仕えた騎士の一人だったが、お前と同じように、見た技術をいとも簡単に身につけて見せてな」
インパ「何故そんなことが出来るのかと聞くと“みんな当たり前に出来ると思っていた”と」
インパ「懐かしいな」
リンクル「……そう」
リンクル「その騎士さんは?」
インパ「統一戦争で命を落とした。何十年も前の話だ」
インパ「奴には妻と娘が居たが、屋敷が焼かれて使用人とも兵士ともつかない遺体が多くてな……」
リンクル「……」
リンクル「……もう一本、お願いします!」スクッ
インパ「よし、来い」
リンクル「奴?」
インパ「統一戦争の時、先程お前が言ったことと同じことを言った男が居たんだ」
インパ「王家に仕えた騎士の一人だったが、お前と同じように、見た技術をいとも簡単に身につけて見せてな」
インパ「何故そんなことが出来るのかと聞くと“みんな当たり前に出来ると思っていた”と」
インパ「懐かしいな」
リンクル「……そう」
リンクル「その騎士さんは?」
インパ「統一戦争で命を落とした。何十年も前の話だ」
インパ「奴には妻と娘が居たが、屋敷が焼かれて使用人とも兵士ともつかない遺体が多くてな……」
リンクル「……」
リンクル「……もう一本、お願いします!」スクッ
インパ「よし、来い」
207: 2018/02/12(月) 18:56:39.87 ID:YYGHpiR40
リンクル「はっ! たぁっ! えぇいっ!」バシュッ バシュッ バシュッ
カカシA「グワーッ」
カカシB「オワーッ」
大カカシ「アイエエエエッ」
ナビィ「すごーい! 今の動きなら敵に囲まれても一網打尽だネ!」
インパ「ふむ、二挺クロスボウも随分使いこなすようになったな」
リンクル「やっぱり剣よりこっちのがしっくりくるの」
リンクル「ごまだれー」チャキンッ
ファイ「二挺クロスボウも結構ですが、今後の為に剣術の鍛錬を推奨します」
ナビィ「剣がクロスボウに嫉妬してる」
カカシA「グワーッ」
カカシB「オワーッ」
大カカシ「アイエエエエッ」
ナビィ「すごーい! 今の動きなら敵に囲まれても一網打尽だネ!」
インパ「ふむ、二挺クロスボウも随分使いこなすようになったな」
リンクル「やっぱり剣よりこっちのがしっくりくるの」
リンクル「ごまだれー」チャキンッ
ファイ「二挺クロスボウも結構ですが、今後の為に剣術の鍛錬を推奨します」
ナビィ「剣がクロスボウに嫉妬してる」
208: 2018/02/12(月) 19:01:33.56 ID:YYGHpiR40
――また数日後
インパ「粗方の技術は見せてみたが……お前には驚かされるばかりだ」
インパ「ハイリアの盾も、随分使いこなせるようになったな」
リンクル「……ありがとう」
インパ「最早教えることはない……とは言い難いが、あまり時間を取っていて良い状況でもない」
インパ「これから強大な敵と出会うだろうが、その都度自分の技術と勇気を思い出せ」
インパ「まぁ、少なくとも、城の衛兵くらいではもう相手にならないだろうな」
インパ「それが魔物どもにどの程度通用するかは兎も角、お前ならば大丈夫のような気がするよ」
インパ「ここ数日は技の多彩さより個々の技の質を高めることに集中した」
インパ「何度も言うが、お前の技の多くはまだ真似っこだ。もう少し技を自分のものとするように」
インパ「そうだな……お前にこの言葉を教えておこう」
インパ「勇なき剣に、力は宿らぬ。勇を成し、力を得んとすることは、即ち力を得、勇を成すことだ」
リンクル「うーんん? えーと?」
インパ「正解はない。何が勇で何が力か、お前なりの答えを見つけ出すがいい」
インパ「今は取り敢えず、その言葉だけ覚えておけ」
リンクル「……勇なき剣に、力は宿らぬ……」
リンクル「うん、分かった。ありがとね」
インパ「粗方の技術は見せてみたが……お前には驚かされるばかりだ」
インパ「ハイリアの盾も、随分使いこなせるようになったな」
リンクル「……ありがとう」
インパ「最早教えることはない……とは言い難いが、あまり時間を取っていて良い状況でもない」
インパ「これから強大な敵と出会うだろうが、その都度自分の技術と勇気を思い出せ」
インパ「まぁ、少なくとも、城の衛兵くらいではもう相手にならないだろうな」
インパ「それが魔物どもにどの程度通用するかは兎も角、お前ならば大丈夫のような気がするよ」
インパ「ここ数日は技の多彩さより個々の技の質を高めることに集中した」
インパ「何度も言うが、お前の技の多くはまだ真似っこだ。もう少し技を自分のものとするように」
インパ「そうだな……お前にこの言葉を教えておこう」
インパ「勇なき剣に、力は宿らぬ。勇を成し、力を得んとすることは、即ち力を得、勇を成すことだ」
リンクル「うーんん? えーと?」
インパ「正解はない。何が勇で何が力か、お前なりの答えを見つけ出すがいい」
インパ「今は取り敢えず、その言葉だけ覚えておけ」
リンクル「……勇なき剣に、力は宿らぬ……」
リンクル「うん、分かった。ありがとね」
209: 2018/02/12(月) 19:03:15.63 ID:YYGHpiR40
――デスマウンテン登山道
インパ「クロスボウのボルトはいいのか?」
リンクル「うん、水と食糧だけでいい」
リンクル「ボルトはちょくちょく自分で作ってるから」
インパ「そうか」
インパ「次の目的地はデスマウンテンか?」
リンクル「うん」
リンクル「ずーっと気になってたんだよね」
リンクル「明らかに様子がおかしいじゃん」
リンクル「7年後に来てからずっとそう。何か……見るからに嫌な感じ」
インパ「そうだな……ここ最近ゴロン達が村へ下りてこなくなった」
インパ「ゴロンシティにも行って様子を見てみてくれ」
リンクル「最初からそのつもりよ」
インパ「クロスボウのボルトはいいのか?」
リンクル「うん、水と食糧だけでいい」
リンクル「ボルトはちょくちょく自分で作ってるから」
インパ「そうか」
インパ「次の目的地はデスマウンテンか?」
リンクル「うん」
リンクル「ずーっと気になってたんだよね」
リンクル「明らかに様子がおかしいじゃん」
リンクル「7年後に来てからずっとそう。何か……見るからに嫌な感じ」
インパ「そうだな……ここ最近ゴロン達が村へ下りてこなくなった」
インパ「ゴロンシティにも行って様子を見てみてくれ」
リンクル「最初からそのつもりよ」
210: 2018/02/12(月) 19:03:59.20 ID:YYGHpiR40
――ゴロンシティ
リンクル「んー、あんまり様子が変わった感じは……」
リンクル「……んん?」
ナビィ「変だネ……? 誰も居ないヨ?」
リンクル「一体何が……あ、いや、誰も居ないわけじゃないみたい」
ナビィ「?」
リンクル「ほら、聞こえない?」
ナビィ「んーと……」
……ゴロゴロゴロゴロ
ナビィ「……あっ! ほんとだ!」
ナビィ「何か転がってくるよ!」
ゴロゴロゴロ
リンクル「ちっちゃいゴロン……多分ゴロン族の子供ね」
リンクル「おーい! おぉーい!!」
ゴロゴロゴロ
リンクル「っ、危なっ!」バッ
ゴロゴロゴロ……
ナビィ「止まる気配がないネ……」
リンクル「おい止まれそこの小僧!」バシュッ
ナビィ「それお城の兵士の台詞!?」
ドカーン
「コロー!?」
リンクル「まったく……どんな躾受けてんのよ」ツカツカ
リンクル「んー、あんまり様子が変わった感じは……」
リンクル「……んん?」
ナビィ「変だネ……? 誰も居ないヨ?」
リンクル「一体何が……あ、いや、誰も居ないわけじゃないみたい」
ナビィ「?」
リンクル「ほら、聞こえない?」
ナビィ「んーと……」
……ゴロゴロゴロゴロ
ナビィ「……あっ! ほんとだ!」
ナビィ「何か転がってくるよ!」
ゴロゴロゴロ
リンクル「ちっちゃいゴロン……多分ゴロン族の子供ね」
リンクル「おーい! おぉーい!!」
ゴロゴロゴロ
リンクル「っ、危なっ!」バッ
ゴロゴロゴロ……
ナビィ「止まる気配がないネ……」
リンクル「おい止まれそこの小僧!」バシュッ
ナビィ「それお城の兵士の台詞!?」
ドカーン
「コロー!?」
リンクル「まったく……どんな躾受けてんのよ」ツカツカ
211: 2018/02/12(月) 19:04:29.13 ID:YYGHpiR40
ナビィ「爆弾ボルトは流石にやり過ぎだったんじゃない……?」
リンクル「平気じゃない? あの7年前に案内してくれたゴロンは爆風に巻き込まれても平然としてたし」
ナビィ「そういうもんかなぁ……」
「よくもやったなコロ! ガノンドロフの手下めー!」
ナビィ「ほら、変な勘違いされた……」
リンクル「違うわよ! 言っても止まらないのが悪い!」
「何だとー!? オラの名前を聞いて驚け!」
「オラはゴロンの勇者、リンクルだコロー!」
リンクル「え……?」
リンクル「……あー、あのさ、あたしリンクルっていうんだ」
リンクル(ゴロン)「へっ!?」
リンクル(ゴロン)「お前もリンクルっていうコロ?」
ナビィ「えぇ。あなたと違って女の子だけどネ」
リンクル「平気じゃない? あの7年前に案内してくれたゴロンは爆風に巻き込まれても平然としてたし」
ナビィ「そういうもんかなぁ……」
「よくもやったなコロ! ガノンドロフの手下めー!」
ナビィ「ほら、変な勘違いされた……」
リンクル「違うわよ! 言っても止まらないのが悪い!」
「何だとー!? オラの名前を聞いて驚け!」
「オラはゴロンの勇者、リンクルだコロー!」
リンクル「え……?」
リンクル「……あー、あのさ、あたしリンクルっていうんだ」
リンクル(ゴロン)「へっ!?」
リンクル(ゴロン)「お前もリンクルっていうコロ?」
ナビィ「えぇ。あなたと違って女の子だけどネ」
212: 2018/02/12(月) 19:05:24.28 ID:YYGHpiR40
リンクル(ゴロン)「も、もしかして、7年前、ドドンゴの洞窟を制圧したっていうスーパーハイリア人……!?」
リンクル「スーパーハイリア人!?」
リンクル(ゴロン)「あの伝説のドドンゴバスター、リンクル!?」
リンクル「え、何それ初耳なんだけど!? そんな風に呼ばれてんのあたし!?」
リンクル(ゴロン)「オ、オラのとーちゃん、ダルニアだよ! 覚えてる?」
リンクル「お、覚えてるけど……」
リンクル「ちょっと、さっきのスーパーハイリア人とかドドンゴバスターとか何!? そっち教えて!?」
リンクル(ゴロン)「詳しくは知らないコロ。でもオラはずっとそう言われて育ったコロ」
リンクル(ゴロン)「オラ達でもドドンゴやっつけるのは難しいのに、ハイリア人はもっと難しいに決まってるコロ」
リンクル(ゴロン)「でもリンクルはハイリア人の、しかも子供なのにドドンゴいっぱいやっつけたコロ」
リンクル(ゴロン)「だからリンクルはハイリア人はハイリア人でも、スーパーハイリア人だコロ!」
リンクル「ええー……なんかやだなぁ、そんな宇宙の戦士に匹敵する地球人みたいなの……」
リンクル(ゴロン)「オラの名前、とーちゃんがリンクルの勇気にあやかってつけたんだコロ」
リンクル(ゴロン)「オラもこの名前気に入ってるコロ」
リンクル(ゴロン)「リンクルはオラ達ゴロンにとってえーゆーコロ! 会えて嬉しいコロ!」
リンクル(ゴロン)「サインしてほしいコロ! ゴロンのリンクル君へって書いてほしいコロ!」
リンクル「ああ、はいはい……」
リンクル「そんなことより、他のゴロン達はどうしたの?」
リンクル(ゴロン)「あ……そういえば本物のリンクルに会えた喜びで忘れてたコロ……」
リンクル(ゴロン)「みんなを助けてほしいコロ!」
リンクル「スーパーハイリア人!?」
リンクル(ゴロン)「あの伝説のドドンゴバスター、リンクル!?」
リンクル「え、何それ初耳なんだけど!? そんな風に呼ばれてんのあたし!?」
リンクル(ゴロン)「オ、オラのとーちゃん、ダルニアだよ! 覚えてる?」
リンクル「お、覚えてるけど……」
リンクル「ちょっと、さっきのスーパーハイリア人とかドドンゴバスターとか何!? そっち教えて!?」
リンクル(ゴロン)「詳しくは知らないコロ。でもオラはずっとそう言われて育ったコロ」
リンクル(ゴロン)「オラ達でもドドンゴやっつけるのは難しいのに、ハイリア人はもっと難しいに決まってるコロ」
リンクル(ゴロン)「でもリンクルはハイリア人の、しかも子供なのにドドンゴいっぱいやっつけたコロ」
リンクル(ゴロン)「だからリンクルはハイリア人はハイリア人でも、スーパーハイリア人だコロ!」
リンクル「ええー……なんかやだなぁ、そんな宇宙の戦士に匹敵する地球人みたいなの……」
リンクル(ゴロン)「オラの名前、とーちゃんがリンクルの勇気にあやかってつけたんだコロ」
リンクル(ゴロン)「オラもこの名前気に入ってるコロ」
リンクル(ゴロン)「リンクルはオラ達ゴロンにとってえーゆーコロ! 会えて嬉しいコロ!」
リンクル(ゴロン)「サインしてほしいコロ! ゴロンのリンクル君へって書いてほしいコロ!」
リンクル「ああ、はいはい……」
リンクル「そんなことより、他のゴロン達はどうしたの?」
リンクル(ゴロン)「あ……そういえば本物のリンクルに会えた喜びで忘れてたコロ……」
リンクル(ゴロン)「みんなを助けてほしいコロ!」
216: 2018/02/13(火) 20:08:07.55 ID:OERFNoK80
ep.12 炎の賢者
――デスマウンテン火口
リンクル「うえぇ、落ちたら怪我じゃ済まないよね、あれ……」
ナビィ「高さもそうだけど、下は溶岩だからね」
リンクル「熱もすごい……ゴロンの服がなかったら熱だけで氏んじゃいそうだよ」
リンクル「こんなところゴロン族は平気で入れるんだねぇ……」
ナビィ「多分魔物も結構居る筈だよ、炎の神殿には」
リンクル「やっぱり魔物も燃えてるのかなぁ」
リンクル「それにしても、邪竜ヴァルバジアだっけ?」
ナビィ「うん」
リンクル「ドドンゴといいヴァルバジアといい、よく食べられるねゴロン族って」
ナビィ「食べる以外にゴロン族やっつける方法がないんじゃない?」
リンクル「あー……ありそう」
リンクル「しかし、肝心の炎の神殿が見つからないわけだけど……」
ザッ
リンクル「あら、あれは……」
――デスマウンテン火口
リンクル「うえぇ、落ちたら怪我じゃ済まないよね、あれ……」
ナビィ「高さもそうだけど、下は溶岩だからね」
リンクル「熱もすごい……ゴロンの服がなかったら熱だけで氏んじゃいそうだよ」
リンクル「こんなところゴロン族は平気で入れるんだねぇ……」
ナビィ「多分魔物も結構居る筈だよ、炎の神殿には」
リンクル「やっぱり魔物も燃えてるのかなぁ」
リンクル「それにしても、邪竜ヴァルバジアだっけ?」
ナビィ「うん」
リンクル「ドドンゴといいヴァルバジアといい、よく食べられるねゴロン族って」
ナビィ「食べる以外にゴロン族やっつける方法がないんじゃない?」
リンクル「あー……ありそう」
リンクル「しかし、肝心の炎の神殿が見つからないわけだけど……」
ザッ
リンクル「あら、あれは……」
217: 2018/02/13(火) 20:08:47.44 ID:OERFNoK80
リンクル「シーク。そんな格好で熱くないの?」
シーク「……平気だよ」
シーク「時を越えて育まれしもの……真実の友情は時を経て、より強き絆となる……」
シーク「その熱い心はやがて正しき者の力となり、進むべき道を照らすであろう……」
シーク「炎の神殿はこの先だ。門が見えるだろう?」
リンクル「あー……あれかな? あれっぽい?」
リンクル「あの橋渡らないといけないのかぁ……」
リンクル「ま、いいや。ありがとね、シーク」クルッ
リンクル「……あれ? シーク?」
ナビィ「居なくなっちゃったネ……」
リンクル「もう、いっつもいつの間にか居なくなっちゃうんだから」
シーク「……平気だよ」
シーク「時を越えて育まれしもの……真実の友情は時を経て、より強き絆となる……」
シーク「その熱い心はやがて正しき者の力となり、進むべき道を照らすであろう……」
シーク「炎の神殿はこの先だ。門が見えるだろう?」
リンクル「あー……あれかな? あれっぽい?」
リンクル「あの橋渡らないといけないのかぁ……」
リンクル「ま、いいや。ありがとね、シーク」クルッ
リンクル「……あれ? シーク?」
ナビィ「居なくなっちゃったネ……」
リンクル「もう、いっつもいつの間にか居なくなっちゃうんだから」
218: 2018/02/13(火) 20:09:20.55 ID:OERFNoK80
――炎の神殿
リンクル「へぇ、なんだか不思議な雰囲気……」
ファイアキース「キィキィキィキィ」バサバサバサ
リンクル「うるさいっ」ザンッ
ファイアキース「キャアアアッ」
リンクル「剣もあっついや」
ファイ「ヒルトだけでも熱を下げた方がよろしいですか?」
リンクル「いや、いい」
ナビィ(ていうかそんなこと出来るんだ……)
リンクル「へぇ、なんだか不思議な雰囲気……」
ファイアキース「キィキィキィキィ」バサバサバサ
リンクル「うるさいっ」ザンッ
ファイアキース「キャアアアッ」
リンクル「剣もあっついや」
ファイ「ヒルトだけでも熱を下げた方がよろしいですか?」
リンクル「いや、いい」
ナビィ(ていうかそんなこと出来るんだ……)
219: 2018/02/13(火) 20:10:07.22 ID:OERFNoK80
リンクル「うわぁ、ここも溶岩いっぱいだ」
リンクル「……あれっ、向こう岸に居るのは……」
「そこに居るのは……リンクルか?」
「おお、リンクルだゴロ! 久しぶりだなぁ!」
リンクル「ダルニア! 久しぶり!」
リンクル「ちょっとあれどういうことよ、スーパーハイリア人とかドドンゴバスターとか!」
ダルニア「ああ、あれか? すまねぇ、ドドンゴの洞窟の件が嬉しくってよ、つい話が大きくなっちまったゴロ!」
リンクル「お陰であんたの子供に言われてびっくりしたわよ!」
ダルニア「何、俺の息子に会ったのか!? あいつ、ちゃんと隠れてたか!?」
リンクル「転がってた! 爆弾でもぶっつけないと止まらなさそう!」
ダルニア「何!? あいつめ、ちゃんと隠れとけって言ったのに……」
ダルニア「まぁ、いい」
ダルニア「リンクル! 暫く会わねぇ間に大きくなりゃあがって!」
ダルニア「昔話に花でも咲かせてぇとこゴロが、そうも言ってられねぇ!」
ダルニア「ガノンドロフの野郎、太古の邪竜ヴァルバジアを復活させちまいやがった!」
ダルニア「おまけに他の部族への見せしめだと抜かしやがって、俺の仲間達を邪竜の餌に……」
リンクル「あんたのとこのリンクルから聞いた!」
リンクル「ヴァルバジアは本調子が出るまでここで力を溜めてるって!」
ダルニア「ああ! 奴がここから出ちまったら、ハイラル中が焼け野原だ!」
ダルニア「それだけはなんとしても避けなきゃならねぇ!」
リンクル「分かってる! でも邪竜を倒すにはでっかいハンマーが要るんでしょ?」
リンクル「あたしは神殿を回ってゴロン達を助け出すから、ダルニアはハンマーを取ってきて!」
ダルニア「分かった! 恩に着るぜ、兄弟!」
ダルニア「行くぞ! 作戦開始だ!」
リンクル「……あれっ、向こう岸に居るのは……」
「そこに居るのは……リンクルか?」
「おお、リンクルだゴロ! 久しぶりだなぁ!」
リンクル「ダルニア! 久しぶり!」
リンクル「ちょっとあれどういうことよ、スーパーハイリア人とかドドンゴバスターとか!」
ダルニア「ああ、あれか? すまねぇ、ドドンゴの洞窟の件が嬉しくってよ、つい話が大きくなっちまったゴロ!」
リンクル「お陰であんたの子供に言われてびっくりしたわよ!」
ダルニア「何、俺の息子に会ったのか!? あいつ、ちゃんと隠れてたか!?」
リンクル「転がってた! 爆弾でもぶっつけないと止まらなさそう!」
ダルニア「何!? あいつめ、ちゃんと隠れとけって言ったのに……」
ダルニア「まぁ、いい」
ダルニア「リンクル! 暫く会わねぇ間に大きくなりゃあがって!」
ダルニア「昔話に花でも咲かせてぇとこゴロが、そうも言ってられねぇ!」
ダルニア「ガノンドロフの野郎、太古の邪竜ヴァルバジアを復活させちまいやがった!」
ダルニア「おまけに他の部族への見せしめだと抜かしやがって、俺の仲間達を邪竜の餌に……」
リンクル「あんたのとこのリンクルから聞いた!」
リンクル「ヴァルバジアは本調子が出るまでここで力を溜めてるって!」
ダルニア「ああ! 奴がここから出ちまったら、ハイラル中が焼け野原だ!」
ダルニア「それだけはなんとしても避けなきゃならねぇ!」
リンクル「分かってる! でも邪竜を倒すにはでっかいハンマーが要るんでしょ?」
リンクル「あたしは神殿を回ってゴロン達を助け出すから、ダルニアはハンマーを取ってきて!」
ダルニア「分かった! 恩に着るぜ、兄弟!」
ダルニア「行くぞ! 作戦開始だ!」
220: 2018/02/13(火) 20:10:44.02 ID:OERFNoK80
ナビィ「リンクル! あそこに牢屋があるヨ!」
リンクル「ん、分かった」
赤バブル「ヘッヘッヘ、カンタンニトオストオモウカ」
リンクル「邪魔!」バシュッ
赤バブル「グヘェッ」
リンクル「このスイッチね……よっと」ガコン
ガラガラガラガラ
ゴロン「お、こ、これ逃げていいゴロ?」
ゴロン「ありがとうゴロ! 助かったゴロ!」
リンクル「どういたしまして」
リンクル「ん、分かった」
赤バブル「ヘッヘッヘ、カンタンニトオストオモウカ」
リンクル「邪魔!」バシュッ
赤バブル「グヘェッ」
リンクル「このスイッチね……よっと」ガコン
ガラガラガラガラ
ゴロン「お、こ、これ逃げていいゴロ?」
ゴロン「ありがとうゴロ! 助かったゴロ!」
リンクル「どういたしまして」
221: 2018/02/13(火) 20:11:18.33 ID:OERFNoK80
リンクル「うーん、バラバラに閉じ込められてるみたいね。ほんと神殿全体回る必要がありそう」
リンクル「はい、開けたよ」
ガラガラガラガラ
ゴロン「あ、ありがとうゴロ!」
ゴロン「……ん? もしかしてお前あの時のドドンゴバスターのお嬢ちゃんゴロ?」
リンクル「あ、もしかして色々案内してくれたゴロン?」
ゴロン「そうだゴロ。あの時に引き続き、今回も助けてくれて、何とお礼を言ったらいいか分からんゴロ……」
リンクル「いいのよ、お礼なんて」
リンクル「……あ、そうだ! あなたこの神殿の構造分かる?」
ゴロン「大体は分かるゴロ」
リンクル「良かった! 他のゴロン達が閉じ込められてる場所の見当つくかな?」
ゴロン「おう、オラ達を閉じ込められる檻なんてそうそうないからすぐ分かるゴロ!」
リンクル「じゃ、また案内お願いしていい?」
ゴロン「お安い御用だゴロ!」
リンクル「はい、開けたよ」
ガラガラガラガラ
ゴロン「あ、ありがとうゴロ!」
ゴロン「……ん? もしかしてお前あの時のドドンゴバスターのお嬢ちゃんゴロ?」
リンクル「あ、もしかして色々案内してくれたゴロン?」
ゴロン「そうだゴロ。あの時に引き続き、今回も助けてくれて、何とお礼を言ったらいいか分からんゴロ……」
リンクル「いいのよ、お礼なんて」
リンクル「……あ、そうだ! あなたこの神殿の構造分かる?」
ゴロン「大体は分かるゴロ」
リンクル「良かった! 他のゴロン達が閉じ込められてる場所の見当つくかな?」
ゴロン「おう、オラ達を閉じ込められる檻なんてそうそうないからすぐ分かるゴロ!」
リンクル「じゃ、また案内お願いしていい?」
ゴロン「お安い御用だゴロ!」
222: 2018/02/13(火) 20:12:13.06 ID:OERFNoK80
リンクル「大分助け出せたね」
ゴロン「本当に良かったゴロ……」
ゴロン「やっぱりお前はスーパーハイリア人だゴロ!」
リンクル「それやめてくんない!?」
「ククク、スーパーハイリア人か、面白い」
リンクル「面白くない!」
リンクル「……って、誰?」
ゴロン「き、気をつけるゴロ!」
ゴロン「これは……オラ達を見張ってたガノンドロフの手下の声だゴロ!」
リンクル「えっ!?」
リンクル「どこに居るの!?」
「ハハハハ、ここだ!」ダンッ
リンクル「おっと!」バッ
リンクル「炎の中から……!」
ゴロン「本当に良かったゴロ……」
ゴロン「やっぱりお前はスーパーハイリア人だゴロ!」
リンクル「それやめてくんない!?」
「ククク、スーパーハイリア人か、面白い」
リンクル「面白くない!」
リンクル「……って、誰?」
ゴロン「き、気をつけるゴロ!」
ゴロン「これは……オラ達を見張ってたガノンドロフの手下の声だゴロ!」
リンクル「えっ!?」
リンクル「どこに居るの!?」
「ハハハハ、ここだ!」ダンッ
リンクル「おっと!」バッ
リンクル「炎の中から……!」
223: 2018/02/13(火) 20:13:56.32 ID:OERFNoK80
フレアダンサー「我が名はフレアダンサー!」
フレアダンサー「時の勇者よ、我が炎の舞いで踊り狂い、焼け氏ぬがいいわ!」クルクルクル
リンクル「踊り出し……うわっ!」バッ
リンクル「くっ、リーチが違い過ぎる! 剣が届かない!」
フレアダンサー「ハッハッハ! 踊れ踊れぇ!」シャアアアアッ
リンクル「ひっ! あちっ、滑り出した!?」バッ
ナビィ「動きも速い! 剣じゃ勝負出来ないヨ!」
フレアダンサー「ハーッハッハ! 時の勇者もこれまでだな!」シャアアアアアッ
ゴロン「ふんっ!」ドコォッ
フレアダンサー「ぐほぉっ!?」ボヒュンッ
ゴロン「なんだ、炎はただの見せかけだゴロ!」
ナビィ「あの中心の小さいのが本体だったんだ!」
フレアダンサー「げぇっ! 火が吹っ飛ばされちまった! なんて馬鹿力だ、ゴロン野郎め!」
フレアダンサー「……ハッ!」
リンクル「……」スッ
フレアダンサー「ひいいいっ! お助けぇーっ!!」ダッ
リンクル「逃がすかぁっ!!」ダッ
フレアダンサー「時の勇者よ、我が炎の舞いで踊り狂い、焼け氏ぬがいいわ!」クルクルクル
リンクル「踊り出し……うわっ!」バッ
リンクル「くっ、リーチが違い過ぎる! 剣が届かない!」
フレアダンサー「ハッハッハ! 踊れ踊れぇ!」シャアアアアッ
リンクル「ひっ! あちっ、滑り出した!?」バッ
ナビィ「動きも速い! 剣じゃ勝負出来ないヨ!」
フレアダンサー「ハーッハッハ! 時の勇者もこれまでだな!」シャアアアアアッ
ゴロン「ふんっ!」ドコォッ
フレアダンサー「ぐほぉっ!?」ボヒュンッ
ゴロン「なんだ、炎はただの見せかけだゴロ!」
ナビィ「あの中心の小さいのが本体だったんだ!」
フレアダンサー「げぇっ! 火が吹っ飛ばされちまった! なんて馬鹿力だ、ゴロン野郎め!」
フレアダンサー「……ハッ!」
リンクル「……」スッ
フレアダンサー「ひいいいっ! お助けぇーっ!!」ダッ
リンクル「逃がすかぁっ!!」ダッ
224: 2018/02/13(火) 20:14:35.90 ID:OERFNoK80
フレアダンサー「」
リンクル「ったく」
リンクル「ダルニアはハンマー見つけたかな」
ゴロン「ダルニアのアニキとはもう会ったゴロね?」
ゴロン「お前とアニキが揃えば向かうところ敵なしゴロ!」
リンクル「だといいんだけど」
リンクル「牢屋の心当たりはあといくつ?」
ゴロン「次で最後ゴロ」
リンクル「ん」
ゴゴゴゴゴゴゴ
リンクル「うわっ、な、何!? 地震!?」
ゴロン「こ、この揺れは……まさか……!」
「グオオオオオオオオオッ!!」
ドドオッ
リンクル「溶岩から何か出てきた!」
リンクル「ったく」
リンクル「ダルニアはハンマー見つけたかな」
ゴロン「ダルニアのアニキとはもう会ったゴロね?」
ゴロン「お前とアニキが揃えば向かうところ敵なしゴロ!」
リンクル「だといいんだけど」
リンクル「牢屋の心当たりはあといくつ?」
ゴロン「次で最後ゴロ」
リンクル「ん」
ゴゴゴゴゴゴゴ
リンクル「うわっ、な、何!? 地震!?」
ゴロン「こ、この揺れは……まさか……!」
「グオオオオオオオオオッ!!」
ドドオッ
リンクル「溶岩から何か出てきた!」
225: 2018/02/13(火) 20:15:30.20 ID:OERFNoK80
灼熱穴居竜 ヴァルバジア
ヴァルバジア「グオオオオオオッ!」
リンクル「なぁっ!? り、竜だぁーっ!?」
ゴロン「ひえーっ! 邪竜ゴロー!」ゴロゴロゴロ
リンクル「予想より早いよ!」
リンクル「飛んでる!? 飛べるのか邪竜!?」
ヴァルバジア「グオオオオオオオオッ!!」ボオオオッ
リンクル「うわああああっ! 火噴いてきたぁーっ!」バッ
ヴァルバジア「グオオオオッ!」ズズズズ
リンクル「よ、溶岩に潜ってった……!」
リンクル「空飛ぶわ火噴くわ、一体どうすりゃいいのよ!」
ナビィ「じ、弱点なんて分かんないヨー!」
ヴァルバジア「グオオアアアアッ!」バアッ
リンクル「ま、また出てきた!」
ゴロン「あ、危ない! 喰われるゴロ!」
リンクル「ええい、喰らえ!」バシュッ バシュッ
ヴァルバジア「グオオオオッ!!」
リンクル「だあああっ危ないっ!」バッ
リンクル「駄目! 城のボルトも通用しない! 鱗に弾かれた!」
ナビィ「やっぱりダルニアがあのハンマー持ってこないと勝てないのかな……」
リンクル「それならそれまでここで時間を稼ぐのみよ!」
リンクル「絶対外には出させない!」バシュッ
ドカーン
ヴァルバジア「グオオオオオオッ!」
リンクル「なぁっ!? り、竜だぁーっ!?」
ゴロン「ひえーっ! 邪竜ゴロー!」ゴロゴロゴロ
リンクル「予想より早いよ!」
リンクル「飛んでる!? 飛べるのか邪竜!?」
ヴァルバジア「グオオオオオオオオッ!!」ボオオオッ
リンクル「うわああああっ! 火噴いてきたぁーっ!」バッ
ヴァルバジア「グオオオオッ!」ズズズズ
リンクル「よ、溶岩に潜ってった……!」
リンクル「空飛ぶわ火噴くわ、一体どうすりゃいいのよ!」
ナビィ「じ、弱点なんて分かんないヨー!」
ヴァルバジア「グオオアアアアッ!」バアッ
リンクル「ま、また出てきた!」
ゴロン「あ、危ない! 喰われるゴロ!」
リンクル「ええい、喰らえ!」バシュッ バシュッ
ヴァルバジア「グオオオオッ!!」
リンクル「だあああっ危ないっ!」バッ
リンクル「駄目! 城のボルトも通用しない! 鱗に弾かれた!」
ナビィ「やっぱりダルニアがあのハンマー持ってこないと勝てないのかな……」
リンクル「それならそれまでここで時間を稼ぐのみよ!」
リンクル「絶対外には出させない!」バシュッ
ドカーン
226: 2018/02/13(火) 20:16:38.57 ID:OERFNoK80
ドカーン ドカーン
リンクル「っ……!」
ゴロン「リ、リンクルー! もう無茶だゴロ!」
ゴロン「いくらお前でも、爆弾も通用しない奴にこれ以上は……!」
リンクル「はぁ……はぁ……そんなの、やんなきゃ分かんないでしょ……!」チャキンッ
リンクル(とは言ったものの……)
リンクル(爆弾ボルトは使い切ったし、城のボルトも残り少ない……)
リンクル(でも、森のボルトが通るとは思えない!)
ヴァルバジア「グオオオオオッ」バクンッ
リンクル「っ!」バッ
リンクル「このっ!」バシュッ
ヴァルバジア「ギャアアッ!」グオンッ
リンクル「……はっ……!?」
リンクル「さ、刺さった……!? ナビィ!」
ナビィ「隙間だヨ! 鱗の隙間!」
リンクル「成程、あそこなら刺さるのね……!」
ナビィ「で、でも、狙って当たるようなものじゃ……!」
「おおおおおおおおおおっ!!」
ヒュルルルル ドゴォ
ヴァルバジア「グギャアアアアッ!?」グラグラ
リンクル「!?」
ドボーン
リンクル「あのヴァルバジアがふらついて溶岩に……!?」
リンクル「一体何が降ってきて……!」
リンクル「っ……!」
ゴロン「リ、リンクルー! もう無茶だゴロ!」
ゴロン「いくらお前でも、爆弾も通用しない奴にこれ以上は……!」
リンクル「はぁ……はぁ……そんなの、やんなきゃ分かんないでしょ……!」チャキンッ
リンクル(とは言ったものの……)
リンクル(爆弾ボルトは使い切ったし、城のボルトも残り少ない……)
リンクル(でも、森のボルトが通るとは思えない!)
ヴァルバジア「グオオオオオッ」バクンッ
リンクル「っ!」バッ
リンクル「このっ!」バシュッ
ヴァルバジア「ギャアアッ!」グオンッ
リンクル「……はっ……!?」
リンクル「さ、刺さった……!? ナビィ!」
ナビィ「隙間だヨ! 鱗の隙間!」
リンクル「成程、あそこなら刺さるのね……!」
ナビィ「で、でも、狙って当たるようなものじゃ……!」
「おおおおおおおおおおっ!!」
ヒュルルルル ドゴォ
ヴァルバジア「グギャアアアアッ!?」グラグラ
リンクル「!?」
ドボーン
リンクル「あのヴァルバジアがふらついて溶岩に……!?」
リンクル「一体何が降ってきて……!」
227: 2018/02/13(火) 20:17:17.82 ID:OERFNoK80
ダルニア「待たせたな、兄弟!」
ゴロン「ダルニアのアニキ!」
リンクル「ダルニア!」
リンクル「それが伝説のハンマー?」
ダルニア「おう! 神殿のてっぺんにあってよ、ちょいとばかり時間かかっちまったゴロ!」
リンクル「遅いよ、ばかっ! もう少しで消し炭になるとこだった!」
ダルニア「へへっ、悪ィ、悪ィ!!」
ヴァルバジア「グルルルル……!」ズズズズズ
リンクル「っと、上がってきた……」
ダルニア「ヴァルバジア、おめえ……このハンマーを覚えてるようだな?」
ダルニア「太古の昔、おめえを叩き潰したハンマーだゴロ」
ダルニア「もう一度! あの時おめえを叩き潰したこいつの使い手の子孫であるこの俺が!」
ダルニア「おめえを叩き潰すからな!」
リンクル「行くよっ!」
ゴロン「ダルニアのアニキ!」
リンクル「ダルニア!」
リンクル「それが伝説のハンマー?」
ダルニア「おう! 神殿のてっぺんにあってよ、ちょいとばかり時間かかっちまったゴロ!」
リンクル「遅いよ、ばかっ! もう少しで消し炭になるとこだった!」
ダルニア「へへっ、悪ィ、悪ィ!!」
ヴァルバジア「グルルルル……!」ズズズズズ
リンクル「っと、上がってきた……」
ダルニア「ヴァルバジア、おめえ……このハンマーを覚えてるようだな?」
ダルニア「太古の昔、おめえを叩き潰したハンマーだゴロ」
ダルニア「もう一度! あの時おめえを叩き潰したこいつの使い手の子孫であるこの俺が!」
ダルニア「おめえを叩き潰すからな!」
リンクル「行くよっ!」
228: 2018/02/13(火) 20:18:18.42 ID:OERFNoK80
リンクル「城のボルトはこれで看板よ!」バシュッ バシュッ
ヴァルバジア「グオオオオッ!」ボオオッ
リンクル「やっぱり鱗の隙間なんか狙って当たるところじゃないか!」バッ
リンクル「けど……高度を下げたわね!」シャキンッ
ダルニア「オラァッ、こっち向けっ!」ドゴォ
ヴァルバジア「ギャアアアアッ!」ボオオオッ
ダルニア「ふんっ! 俺達ゴロンにゃ火なんぞ屁でもねぇ! そらもうちょっとこっちだ!」ドゴォ
ヴァルバジア「グアアアアッ!」
ダルニア「怯んだぞ! リンクル!」
リンクル「はああああっ!!」ダンッ
ザンッ
ヴァルバジア「ガッ」
ナビィ「上手い! やっぱり鱗の隙間なら剣だって通るんだ!」
ドンッ
ゴロン「うひゃああ、邪竜の頭が落ちてきたゴロ!」
リンクル「っと……!」タンッ
ヴァルバジア「グ、オ、ア、オオ……」
リンクル「……!」ジリッ
ヴァルバジア「……ォ……」
ヴァルバジア「」
ナビィ「……氏んじゃったみたい」
リンクル「……、はぁっ……」ドサッ
ダルニア「おっと、疲れちまったか?」
ダルニア「やったな、兄弟!」スッ
リンクル「……ええ!」ガシッ
ヴァルバジア「グオオオオッ!」ボオオッ
リンクル「やっぱり鱗の隙間なんか狙って当たるところじゃないか!」バッ
リンクル「けど……高度を下げたわね!」シャキンッ
ダルニア「オラァッ、こっち向けっ!」ドゴォ
ヴァルバジア「ギャアアアアッ!」ボオオオッ
ダルニア「ふんっ! 俺達ゴロンにゃ火なんぞ屁でもねぇ! そらもうちょっとこっちだ!」ドゴォ
ヴァルバジア「グアアアアッ!」
ダルニア「怯んだぞ! リンクル!」
リンクル「はああああっ!!」ダンッ
ザンッ
ヴァルバジア「ガッ」
ナビィ「上手い! やっぱり鱗の隙間なら剣だって通るんだ!」
ドンッ
ゴロン「うひゃああ、邪竜の頭が落ちてきたゴロ!」
リンクル「っと……!」タンッ
ヴァルバジア「グ、オ、ア、オオ……」
リンクル「……!」ジリッ
ヴァルバジア「……ォ……」
ヴァルバジア「」
ナビィ「……氏んじゃったみたい」
リンクル「……、はぁっ……」ドサッ
ダルニア「おっと、疲れちまったか?」
ダルニア「やったな、兄弟!」スッ
リンクル「……ええ!」ガシッ
229: 2018/02/13(火) 20:18:48.46 ID:OERFNoK80
――カカリコ村
屋根の上の男「なんだかデスマウンテンの様子が変だけど、なんだろうなぁ」
屋根の上の男「あの山のお陰で毎日天気悪いから、日向ぼっこも微妙なんだよなぁ」
ゴゴゴゴゴゴ
ドゴォォォン
屋根の上の男「ファッ!?」
屋根の上の男「ななな何事だぁ!? いよいよ噴火するのかあの山!?」
ズオオオオオオ……
屋根の上の男「な、な、な、ど、ど、どうなるってんだよ!?」
ォォォ……
屋根の上の男「……晴れた……」
屋根の上の男「……日向ぼっこ日和だ……」
屋根の上の男「なんだかデスマウンテンの様子が変だけど、なんだろうなぁ」
屋根の上の男「あの山のお陰で毎日天気悪いから、日向ぼっこも微妙なんだよなぁ」
ゴゴゴゴゴゴ
ドゴォォォン
屋根の上の男「ファッ!?」
屋根の上の男「ななな何事だぁ!? いよいよ噴火するのかあの山!?」
ズオオオオオオ……
屋根の上の男「な、な、な、ど、ど、どうなるってんだよ!?」
ォォォ……
屋根の上の男「……晴れた……」
屋根の上の男「……日向ぼっこ日和だ……」
230: 2018/02/13(火) 20:19:26.80 ID:OERFNoK80
――炎の神殿
ダルニア「……おっ?」
リンクル「ダルニア?」
ダルニア「成程な、そういうことか……」
ダルニア「兄弟!」
リンクル「うん」
ダルニア「ありがとうよ! 一族を代表して礼を言うぜ!」
ダルニア「おめえには助けられっぱなしだな」
ダルニア「だけど、今度は俺がおめえを助ける番だ」
ダルニア「まさかこの俺が炎の賢者サマだとはな……」
リンクル「じ、じゃあ、ダルニア……」
ダルニア「笑っちまうぜ、なぁ兄弟!」
ダルニア「まぁ、これも運命ってやつだ……」
ダルニア「ここで俺が封印の手伝いをやることでおめえの助けになるってんならこれほど嬉しいことはねぇよ」
ダルニア「忘れんなよ、おめえと俺は本当の兄弟姉妹だゴロ!」ポゥ……
リンクル「……うんっ」
リンクル「ありがとう、ダルニア」
ダルニア「……おっ?」
リンクル「ダルニア?」
ダルニア「成程な、そういうことか……」
ダルニア「兄弟!」
リンクル「うん」
ダルニア「ありがとうよ! 一族を代表して礼を言うぜ!」
ダルニア「おめえには助けられっぱなしだな」
ダルニア「だけど、今度は俺がおめえを助ける番だ」
ダルニア「まさかこの俺が炎の賢者サマだとはな……」
リンクル「じ、じゃあ、ダルニア……」
ダルニア「笑っちまうぜ、なぁ兄弟!」
ダルニア「まぁ、これも運命ってやつだ……」
ダルニア「ここで俺が封印の手伝いをやることでおめえの助けになるってんならこれほど嬉しいことはねぇよ」
ダルニア「忘れんなよ、おめえと俺は本当の兄弟姉妹だゴロ!」ポゥ……
リンクル「……うんっ」
リンクル「ありがとう、ダルニア」
237: 2018/02/15(木) 20:41:09.52 ID:sP8aVzAM0
ep.13 凍てつく洞窟と水底の神殿
――ハイリア湖畔
リンクル「広き湖、って言うからここだと思って来てみたけど……」
リンクル「なーんだこりゃ」
ナビィ「殆ど干上がっちゃってるネ……」
リンクル「んー……あ、そういえばあそこゾーラの里に通じる水路だったよね」
リンクル「確かこの門のところ……なんだこれ」
ナビィ「氷……みたいね。変だよ、凍るような季節じゃないし、この気温じゃ普通は溶けちゃう」
リンクル「うーん……そうだ」
リンクル「取り敢えず、みずうみ研究所に行って話を聞いてみよっか。博士なら何か知ってるだろうし」
――ハイリア湖畔
リンクル「広き湖、って言うからここだと思って来てみたけど……」
リンクル「なーんだこりゃ」
ナビィ「殆ど干上がっちゃってるネ……」
リンクル「んー……あ、そういえばあそこゾーラの里に通じる水路だったよね」
リンクル「確かこの門のところ……なんだこれ」
ナビィ「氷……みたいね。変だよ、凍るような季節じゃないし、この気温じゃ普通は溶けちゃう」
リンクル「うーん……そうだ」
リンクル「取り敢えず、みずうみ研究所に行って話を聞いてみよっか。博士なら何か知ってるだろうし」
238: 2018/02/15(木) 20:41:47.29 ID:sP8aVzAM0
――ハイリア湖畔 みずうみ研究所
リンクル「こんにちはー」
みずうみ博士「おや? その緑装束に妖精とクロスボウ……」
みずうみ博士「もしやいつぞやのお嬢ちゃんか?」
リンクル「はい、お久しぶりです! 覚えててくれたんですね!」
みずうみ博士「覚えておるとも。大きくなったのぅ」
リンクル「えーと、それで……」
みずうみ博士「ああ、言われんでも分かるぞ」
みずうみ博士「このハイリア湖が一体何故こんなことになっとるのか、じゃろう?」
リンクル「はい! なんでこんなに水が減って……?」
みずうみ博士「詳しいことはワシにもよく分からんがな……」
みずうみ博士「このハイリア湖の水源はゾーラの里……もっと言えばその奥の泉じゃ」
みずうみ博士「水路の方はもう見たかの? 凍っておったじゃろう?」
みずうみ博士「ゾーラの里に何かあったのかもしれん」
リンクル「ゾーラの里……」
リンクル「分かりました。行ってきます!」
みずうみ博士「気をつけてな」
リンクル「こんにちはー」
みずうみ博士「おや? その緑装束に妖精とクロスボウ……」
みずうみ博士「もしやいつぞやのお嬢ちゃんか?」
リンクル「はい、お久しぶりです! 覚えててくれたんですね!」
みずうみ博士「覚えておるとも。大きくなったのぅ」
リンクル「えーと、それで……」
みずうみ博士「ああ、言われんでも分かるぞ」
みずうみ博士「このハイリア湖が一体何故こんなことになっとるのか、じゃろう?」
リンクル「はい! なんでこんなに水が減って……?」
みずうみ博士「詳しいことはワシにもよく分からんがな……」
みずうみ博士「このハイリア湖の水源はゾーラの里……もっと言えばその奥の泉じゃ」
みずうみ博士「水路の方はもう見たかの? 凍っておったじゃろう?」
みずうみ博士「ゾーラの里に何かあったのかもしれん」
リンクル「ゾーラの里……」
リンクル「分かりました。行ってきます!」
みずうみ博士「気をつけてな」
239: 2018/02/15(木) 20:42:22.33 ID:sP8aVzAM0
――ゾーラ川
リンクル「お疲れ、エポナ」
リンクル「暫くここで待っててね」ナデナデ
エポナ「ヒヒィン」
リンクル「さて、と……」
リンクル「……川の様子はあんまり変わりないけど……」
リンクル「……んん?」
リンクル「ナビィ、なんか肌寒くない?」
ナビィ「言われてみれば……気温が低いみたい?」
リンクル「季節じゃないよね?」
リンクル「やっぱり何かあったのかな……」
リンクル「お疲れ、エポナ」
リンクル「暫くここで待っててね」ナデナデ
エポナ「ヒヒィン」
リンクル「さて、と……」
リンクル「……川の様子はあんまり変わりないけど……」
リンクル「……んん?」
リンクル「ナビィ、なんか肌寒くない?」
ナビィ「言われてみれば……気温が低いみたい?」
リンクル「季節じゃないよね?」
リンクル「やっぱり何かあったのかな……」
240: 2018/02/15(木) 20:43:24.67 ID:sP8aVzAM0
――ゾーラの里
リンクル「な、何これ……!?」
ナビィ「ゾーラの里が……氷に覆われてる……!?」
リンクル「どうしてこんなことに……」
リンクル「……! ナビィ! 下!」
ナビィ「氷の中にゾーラ族が……お、大勢居るヨ!?」
ナビィ「で、でも生命力は全然……」
「誰か居るのか!?」
リンクル「!」シャキンッ
ゾーラ「一体何者だ……って、君は」
ゾーラ「ハイリア人かい? よく来てくれた!」
リンクル「良かった……誰も居ないかと思ったよ」
ゾーラ「あー……いや、間違ってはないよ」
ゾーラ「生き残ったのは僕含め陸の上に居た数人だけだ……」
リンクル「……何があったの?」
ゾーラ「分からない……僕は観光客向けの店をやってて、陸の上で仕事をしてるんだ」
ゾーラ「だからあんまり詳しくは知らないんだけど、数日前急に里の水が凍り出したらしくてね」
ゾーラ「兵士達が何やら泉の方へ集められてたらしいけど、その間にもどんどん凍っていって……」
ゾーラ「多くの仲間が陸に避難できないまま、この有様さ」
ゾーラ「少しずつ頑張って融かしてるんだけどね、凍るスピードの方が早くて……」
ゾーラ「ルト姫も行方不明だし、一体どうしたらいいんだ……」
リンクル「そんな、ルトまで……」
リンクル「あっ、キングゾーラは?」
ゾーラ「キングゾーラ様は……」
ゾーラ「……玉座に行ってみるといい。説明が難しい」
リンクル「分かった。ありがとね」
リンクル「な、何これ……!?」
ナビィ「ゾーラの里が……氷に覆われてる……!?」
リンクル「どうしてこんなことに……」
リンクル「……! ナビィ! 下!」
ナビィ「氷の中にゾーラ族が……お、大勢居るヨ!?」
ナビィ「で、でも生命力は全然……」
「誰か居るのか!?」
リンクル「!」シャキンッ
ゾーラ「一体何者だ……って、君は」
ゾーラ「ハイリア人かい? よく来てくれた!」
リンクル「良かった……誰も居ないかと思ったよ」
ゾーラ「あー……いや、間違ってはないよ」
ゾーラ「生き残ったのは僕含め陸の上に居た数人だけだ……」
リンクル「……何があったの?」
ゾーラ「分からない……僕は観光客向けの店をやってて、陸の上で仕事をしてるんだ」
ゾーラ「だからあんまり詳しくは知らないんだけど、数日前急に里の水が凍り出したらしくてね」
ゾーラ「兵士達が何やら泉の方へ集められてたらしいけど、その間にもどんどん凍っていって……」
ゾーラ「多くの仲間が陸に避難できないまま、この有様さ」
ゾーラ「少しずつ頑張って融かしてるんだけどね、凍るスピードの方が早くて……」
ゾーラ「ルト姫も行方不明だし、一体どうしたらいいんだ……」
リンクル「そんな、ルトまで……」
リンクル「あっ、キングゾーラは?」
ゾーラ「キングゾーラ様は……」
ゾーラ「……玉座に行ってみるといい。説明が難しい」
リンクル「分かった。ありがとね」
241: 2018/02/15(木) 20:44:06.91 ID:sP8aVzAM0
――ゾーラの里 玉座
リンクル「なっ……キングゾーラまで!?」
ナビィ「この氷……変だよ」
ナビィ「すごく、嫌な魔力を感じる……」
リンクル「不思議な……赤い氷……」
ゾーラ「む……ハイリア人か」
リンクル「ゾーラの兵隊さん」
ゾーラ「ご覧の通り、我らがゾーラの里は氷漬けだ」
リンクル「原因は分からないの?」
ゾーラ「分からない……少し前にジャブジャブ様が急に居なくなって……」
ゾーラ「それから猛烈な冷気が里を襲った。恐らく根源は氷の洞窟だろうが……」
リンクル「氷の洞窟?」
ゾーラ「泉の隅にある洞窟だ。ハイリア人が何度か調査に行ったが、変わった魔力が漂う場所らしい」
ゾーラ「私も一度だけ入ったことがあるが、今の里のような、凍てつくような寒さだった」
リンクル「……分かった。ちょっと行ってみるよ」
ゾーラ「ああ……だが、気をつけろ」
ゾーラ「我々もこの異変が起きてから、十数人の兵を送り込んだが、未だ誰一人として帰ってきていない」
リンクル「……」ゴクリ
リンクル「……その前に、何か暖かい服欲しいな。なんかお腹痛いし」
リンクル「なっ……キングゾーラまで!?」
ナビィ「この氷……変だよ」
ナビィ「すごく、嫌な魔力を感じる……」
リンクル「不思議な……赤い氷……」
ゾーラ「む……ハイリア人か」
リンクル「ゾーラの兵隊さん」
ゾーラ「ご覧の通り、我らがゾーラの里は氷漬けだ」
リンクル「原因は分からないの?」
ゾーラ「分からない……少し前にジャブジャブ様が急に居なくなって……」
ゾーラ「それから猛烈な冷気が里を襲った。恐らく根源は氷の洞窟だろうが……」
リンクル「氷の洞窟?」
ゾーラ「泉の隅にある洞窟だ。ハイリア人が何度か調査に行ったが、変わった魔力が漂う場所らしい」
ゾーラ「私も一度だけ入ったことがあるが、今の里のような、凍てつくような寒さだった」
リンクル「……分かった。ちょっと行ってみるよ」
ゾーラ「ああ……だが、気をつけろ」
ゾーラ「我々もこの異変が起きてから、十数人の兵を送り込んだが、未だ誰一人として帰ってきていない」
リンクル「……」ゴクリ
リンクル「……その前に、何か暖かい服欲しいな。なんかお腹痛いし」
242: 2018/02/15(木) 20:44:42.76 ID:sP8aVzAM0
――翌日 氷の洞窟
リンクル「よーし、これなら寒くない!」
ナビィ「お腹は大丈夫?」
リンクル「昨日ほど酷くないよ」
リンクル「ファイ、ありがとね、色々教えてくれて」
ファイ「いいえ、当然のことです」
ファイ「またお困りのことがあればいつでもお呼びください」
リンクル「うん」
ナビィ「どうでもいいけどあの玉座に居たゾーラの兵士さん女の人だったんだネ……」
リンクル「あの人お腹痛いって話したら妙に優しくなったよね……」
リンクル「しかしここは一段と寒いなぁ……」
ナビィ「ほんとにネ……」
リンクル「よーし、これなら寒くない!」
ナビィ「お腹は大丈夫?」
リンクル「昨日ほど酷くないよ」
リンクル「ファイ、ありがとね、色々教えてくれて」
ファイ「いいえ、当然のことです」
ファイ「またお困りのことがあればいつでもお呼びください」
リンクル「うん」
ナビィ「どうでもいいけどあの玉座に居たゾーラの兵士さん女の人だったんだネ……」
リンクル「あの人お腹痛いって話したら妙に優しくなったよね……」
リンクル「しかしここは一段と寒いなぁ……」
ナビィ「ほんとにネ……」
243: 2018/02/15(木) 20:45:37.96 ID:sP8aVzAM0
リンクル「うわぁ、氷の塊がいっぱい……」
リンクル「色んな形のがあるのね」
ナビィ「……リンクル! 気をつけて! それは魔物だヨ!」
リンクル「えっ!?」
フリザド「コオオオォォォ」
リンクル「うっ!?」パキパキパキ
ナビィ「リンクル!」
ファイ「警告、マスターの体温の急速な低下を確認」
リンクル「く……!」ググッ
リンクル「はあっ!!」バキンッ
ナビィ「すごい! 自力で割っちゃった!」
リンクル「よくもやってくれたわね!」バシュッ
フリザド「ジュッ」
ナビィ「ボルトが燃えてたヨ? どうやったの?」
リンクル「ディンの炎と組み合わせただけ。実際はただの木のボルトよ」
ナビィ「よくそんなの瞬時に思いつくネ……」
リンクル「誰でも思いつくと思うけど……」
リンクル「あー、冷えちゃったからちょっと休憩して行こ……」ボッ
ナビィ「便利ね、ディンの炎……」
リンクル「色んな形のがあるのね」
ナビィ「……リンクル! 気をつけて! それは魔物だヨ!」
リンクル「えっ!?」
フリザド「コオオオォォォ」
リンクル「うっ!?」パキパキパキ
ナビィ「リンクル!」
ファイ「警告、マスターの体温の急速な低下を確認」
リンクル「く……!」ググッ
リンクル「はあっ!!」バキンッ
ナビィ「すごい! 自力で割っちゃった!」
リンクル「よくもやってくれたわね!」バシュッ
フリザド「ジュッ」
ナビィ「ボルトが燃えてたヨ? どうやったの?」
リンクル「ディンの炎と組み合わせただけ。実際はただの木のボルトよ」
ナビィ「よくそんなの瞬時に思いつくネ……」
リンクル「誰でも思いつくと思うけど……」
リンクル「あー、冷えちゃったからちょっと休憩して行こ……」ボッ
ナビィ「便利ね、ディンの炎……」
244: 2018/02/15(木) 20:46:11.43 ID:sP8aVzAM0
リンクル「結構奥まで来たけど……」
リンクル「ゾーラの兵隊さん達は結構な人数送り込まれたらしいのに、影も形も見当たらないね」
ナビィ「途中に魔物がいっぱい居たのに、無視してきたとは考えにくいけど……」
ホワイトウルフォス「アオオーン!」
リンクル「おおっと!」チャキッ
リンクル「ウルフォス……にしちゃちょっと大きいし白いけど、久々ね!」
ホワイトウルフォス「グルルル……」
ホワイトウルフォス「ガウッ!」ダンッ
リンクル「はいっと」ゲシ
ホワイトウルフォス「キャインッ」ドシャッ
ホワイトウルフォス「ガオゥッ!」ザザッ
リンクル「大きくなっても白くなってもウルフォスと大した違いはないのね」バシュッ
ホワイトウルフォス「キャインッ!」
ファイ(剣を抜くまでもないですかそうですか)
リンクル「ゾーラの兵隊さん達は結構な人数送り込まれたらしいのに、影も形も見当たらないね」
ナビィ「途中に魔物がいっぱい居たのに、無視してきたとは考えにくいけど……」
ホワイトウルフォス「アオオーン!」
リンクル「おおっと!」チャキッ
リンクル「ウルフォス……にしちゃちょっと大きいし白いけど、久々ね!」
ホワイトウルフォス「グルルル……」
ホワイトウルフォス「ガウッ!」ダンッ
リンクル「はいっと」ゲシ
ホワイトウルフォス「キャインッ」ドシャッ
ホワイトウルフォス「ガオゥッ!」ザザッ
リンクル「大きくなっても白くなってもウルフォスと大した違いはないのね」バシュッ
ホワイトウルフォス「キャインッ!」
ファイ(剣を抜くまでもないですかそうですか)
245: 2018/02/15(木) 20:46:51.11 ID:sP8aVzAM0
リンクル「ここが一番奥かなぁ」
ザッ
リンクル「?」
「また会ったな、リンクル……」
ナビィ「シーク」
シーク「ゾーラ族に会いに来たのなら、無駄足だったな……見ての通りだ」
シーク「彼らの殆どは厚い氷の下……あの中で一体何人が生き残っているやら……」
リンクル「ルトは?」
シーク「ゾーラの姫だけは、僕がなんとか助け出した」
シーク「しかし、その姫も“水の神殿へ行く”と言い残して行ってしまった……」
リンクル「水の神殿……分かった。ありがとう」
シーク「この氷は邪悪な呪いによるもの……根源である水の神殿の魔物を倒さねば、氷は融けぬ……」
シーク「……時は移り、人も移る……それは水の流れにも似て、決して留まることはない……」
シーク「幼き心は、気高き大志に……」
シーク「幼き恋は、深き慈愛へ……」
シーク「澄んだ水面は成長を映す鏡……」
シーク「己の姿を見たいのならば、水の神殿へ行くといいハイリア湖の底だ」
シーク「それと……赤い氷は青い炎で融かせる」
シーク「融かしても融かさなくても君の姿は映らないかもしれないが、探してみるといい」
ザッ
リンクル「?」
「また会ったな、リンクル……」
ナビィ「シーク」
シーク「ゾーラ族に会いに来たのなら、無駄足だったな……見ての通りだ」
シーク「彼らの殆どは厚い氷の下……あの中で一体何人が生き残っているやら……」
リンクル「ルトは?」
シーク「ゾーラの姫だけは、僕がなんとか助け出した」
シーク「しかし、その姫も“水の神殿へ行く”と言い残して行ってしまった……」
リンクル「水の神殿……分かった。ありがとう」
シーク「この氷は邪悪な呪いによるもの……根源である水の神殿の魔物を倒さねば、氷は融けぬ……」
シーク「……時は移り、人も移る……それは水の流れにも似て、決して留まることはない……」
シーク「幼き心は、気高き大志に……」
シーク「幼き恋は、深き慈愛へ……」
シーク「澄んだ水面は成長を映す鏡……」
シーク「己の姿を見たいのならば、水の神殿へ行くといいハイリア湖の底だ」
シーク「それと……赤い氷は青い炎で融かせる」
シーク「融かしても融かさなくても君の姿は映らないかもしれないが、探してみるといい」
246: 2018/02/15(木) 20:47:27.24 ID:sP8aVzAM0
リンクル「シークが言ってたのって、これかな?」
ナビィ「青い炎……魔力が噴出してるのがそう見えるみたい」
リンクル「へぇ……不思議ね、熱くない」
ナビィ「……あ、そうだ」
ナビィ「そこに赤い氷あるじゃない?」
リンクル「ああ、キングゾーラを凍らせてたのと同じようなのがあるね」
ナビィ「その炎で融かせないか試してみない?」
リンクル「どうやって?」
ナビィ「その空き瓶」
リンクル「炎なんか掬えるのかな……」
ナビィ「青い炎……魔力が噴出してるのがそう見えるみたい」
リンクル「へぇ……不思議ね、熱くない」
ナビィ「……あ、そうだ」
ナビィ「そこに赤い氷あるじゃない?」
リンクル「ああ、キングゾーラを凍らせてたのと同じようなのがあるね」
ナビィ「その炎で融かせないか試してみない?」
リンクル「どうやって?」
ナビィ「その空き瓶」
リンクル「炎なんか掬えるのかな……」
247: 2018/02/15(木) 20:48:10.83 ID:sP8aVzAM0
――ゾーラの里 玉座
キングゾーラ「あー、余は生き返ったゾラ……」ジュウウゥ……
リンクル「まさかほんとに空き瓶に掬えて、赤い氷融かせるとはねぇ」
キングゾーラ「余を助けてくれたのはその方ゾラ? うむ、苦しゅうない!」
リンクル「いえいえどういたしましてー」
リンクル「さ、水の神殿に行かなきゃ」
キングゾーラ「待たれよ……水の神殿とな?」
キングゾーラ「しかしその方、見たところ水中では苦しそうじゃ」
キングゾーラ「おい、あの服をこの者に与えてやれ」
キングゾーラ「その方には余を助けた褒美としてゾーラの服を授けよう。それがあれば水の中でも苦しゅうない!」
ゾーラ「こちらです」スッ
リンクル「態度変わったね」ボソッ
ゾーラ「うるさい」ボソッ
リンクル「ありがとうございます、キングゾーラ」
キングゾーラ「うむ!」
キングゾーラ「あー、余は生き返ったゾラ……」ジュウウゥ……
リンクル「まさかほんとに空き瓶に掬えて、赤い氷融かせるとはねぇ」
キングゾーラ「余を助けてくれたのはその方ゾラ? うむ、苦しゅうない!」
リンクル「いえいえどういたしましてー」
リンクル「さ、水の神殿に行かなきゃ」
キングゾーラ「待たれよ……水の神殿とな?」
キングゾーラ「しかしその方、見たところ水中では苦しそうじゃ」
キングゾーラ「おい、あの服をこの者に与えてやれ」
キングゾーラ「その方には余を助けた褒美としてゾーラの服を授けよう。それがあれば水の中でも苦しゅうない!」
ゾーラ「こちらです」スッ
リンクル「態度変わったね」ボソッ
ゾーラ「うるさい」ボソッ
リンクル「ありがとうございます、キングゾーラ」
キングゾーラ「うむ!」
248: 2018/02/15(木) 20:48:47.94 ID:sP8aVzAM0
――水の神殿
リンクル「ふうっ」ザバッ
リンクル「ハイリア湖の底にこんな空間があったなんてねぇ……」
ナビィ「うーん……なんだかややこしそうだネ」
ナビィ「いつもと違って三次元的にかなり動き回ることになりそう」
リンクル「でも早いとこ片付けちゃわないと、氷の下のゾーラ族が凍氏しちゃうよ」
ナビィ(もう手遅れだと思うんだけどなぁ)
リンクル「それにしてもこの服すごいや。水中でも普通に息が出来る」
ナビィ「魔法の服ってすごいのネ」
「……リンクル? もしやリンクルではないか?」
リンクル「うん?」クルッ
リンクル「ふうっ」ザバッ
リンクル「ハイリア湖の底にこんな空間があったなんてねぇ……」
ナビィ「うーん……なんだかややこしそうだネ」
ナビィ「いつもと違って三次元的にかなり動き回ることになりそう」
リンクル「でも早いとこ片付けちゃわないと、氷の下のゾーラ族が凍氏しちゃうよ」
ナビィ(もう手遅れだと思うんだけどなぁ)
リンクル「それにしてもこの服すごいや。水中でも普通に息が出来る」
ナビィ「魔法の服ってすごいのネ」
「……リンクル? もしやリンクルではないか?」
リンクル「うん?」クルッ
253: 2018/02/16(金) 22:12:22.09 ID:vwlUIgfD0
ep.14 水の賢者
「おお、やはりリンクルか!」
リンクル「あなたは……」
リンクル「もしかして、ルト!?」
ルト「うむ! ゾーラのプリンセスにしてそなたのフィアンセ、ルト姫じゃ!」
ナビィ「フィアンセ!?」
ファイ「!?」
リンクル「ふぃあんせ?」
リンクル「まぁいいや。久しぶりだね! なんだか印象変わった?」
ルト「ああ、久しぶりじゃな」
ルト「まぁ7年も経てば印象の一つや二つ変わるものじゃ。そなたは相変わらずじゃな?」
リンクル「まぁね」
ルト「それにしても、7年もほったらかしとは酷い子ゾラ……」
リンクル「あー、うん、ごめんね……」
ルト「埋め合わせはきっちりしてもらうぞ!」
ルト「じゃが、今はそんなことをしておる時ではない」
ルト「そなたも見たであろう? 凍てついたゾーラの里を……」
ルト「わらわはシークという若者になんとか助けてもらったが……」
ルト「多くの民が、父上が、まだ凍ったままじゃ」
ルト「わらわはみんなを助けたい! ゾーラの里を救いたいゾラ!」
ルト「そなた、協力してたもれ」
ルト「そなたの妻となり夫となるわらわの頼みじゃ!」
ナビィ(お前は何を言っているんだ)
リンクル「勿論! あたしだって、ゾーラ族のみんなは助けたいんだから!」
ルト「……ありがとう、リンクル」
リンクル「お礼は全部終わってからにしよ?」
ルト「……うむ!」
「おお、やはりリンクルか!」
リンクル「あなたは……」
リンクル「もしかして、ルト!?」
ルト「うむ! ゾーラのプリンセスにしてそなたのフィアンセ、ルト姫じゃ!」
ナビィ「フィアンセ!?」
ファイ「!?」
リンクル「ふぃあんせ?」
リンクル「まぁいいや。久しぶりだね! なんだか印象変わった?」
ルト「ああ、久しぶりじゃな」
ルト「まぁ7年も経てば印象の一つや二つ変わるものじゃ。そなたは相変わらずじゃな?」
リンクル「まぁね」
ルト「それにしても、7年もほったらかしとは酷い子ゾラ……」
リンクル「あー、うん、ごめんね……」
ルト「埋め合わせはきっちりしてもらうぞ!」
ルト「じゃが、今はそんなことをしておる時ではない」
ルト「そなたも見たであろう? 凍てついたゾーラの里を……」
ルト「わらわはシークという若者になんとか助けてもらったが……」
ルト「多くの民が、父上が、まだ凍ったままじゃ」
ルト「わらわはみんなを助けたい! ゾーラの里を救いたいゾラ!」
ルト「そなた、協力してたもれ」
ルト「そなたの妻となり夫となるわらわの頼みじゃ!」
ナビィ(お前は何を言っているんだ)
リンクル「勿論! あたしだって、ゾーラ族のみんなは助けたいんだから!」
ルト「……ありがとう、リンクル」
リンクル「お礼は全部終わってからにしよ?」
ルト「……うむ!」
254: 2018/02/16(金) 22:13:05.75 ID:vwlUIgfD0
ナビィ「……あのさ、リンクル?」
リンクル「何?」
ナビィ「あのー……妻とか、夫とか、意味分かってる?」
リンクル「分かんない」
ナビィ「……」ガクッ
ルト「……」ニコニコ
リンクル「でも、すっごく仲良しってことでしょ? 違う?」
ルト「今はそれで良い」
ファイ「よろしくありません」
ナビィ「……あのね、リンクル」
ナビィ「妻とか夫とかっていうのはね、結婚する相手のことなの」
リンクル「うんうん?」
ナビィ「ハイリア人は愛し合ってる二人が結婚して子供を作る、って以前教えたわよね?」
リンクル「うん、教えてもらったよ」
リンクル「じゃあ問題ないんじゃない? あたしはルトのこと大好きだよ?」
ルト「ブフッ」
リンクル「えっ、どうしたのルト!?」
ナビィ「……あのね、よく聞いて?」
ナビィ「結婚っていうのはね、男の人と女の人がするものなの。女の子同士っていうのはいだだだだだだだ」
ルト「余計なことを言うでない、お喋り妖精!」ギリギリギリ
ルト「そなたとわらわは確かに女同士で、しかも種族も違う」
ルト「しかし、愛の前にそんなものは問題ではない!」
ルト「さぁ、ちゃっちゃと魔物をやっつけて里に帰るゾラ!」
リンクル「おーっ!」
ナビィ(いいのかなぁ、これで……)
リンクル「何?」
ナビィ「あのー……妻とか、夫とか、意味分かってる?」
リンクル「分かんない」
ナビィ「……」ガクッ
ルト「……」ニコニコ
リンクル「でも、すっごく仲良しってことでしょ? 違う?」
ルト「今はそれで良い」
ファイ「よろしくありません」
ナビィ「……あのね、リンクル」
ナビィ「妻とか夫とかっていうのはね、結婚する相手のことなの」
リンクル「うんうん?」
ナビィ「ハイリア人は愛し合ってる二人が結婚して子供を作る、って以前教えたわよね?」
リンクル「うん、教えてもらったよ」
リンクル「じゃあ問題ないんじゃない? あたしはルトのこと大好きだよ?」
ルト「ブフッ」
リンクル「えっ、どうしたのルト!?」
ナビィ「……あのね、よく聞いて?」
ナビィ「結婚っていうのはね、男の人と女の人がするものなの。女の子同士っていうのはいだだだだだだだ」
ルト「余計なことを言うでない、お喋り妖精!」ギリギリギリ
ルト「そなたとわらわは確かに女同士で、しかも種族も違う」
ルト「しかし、愛の前にそんなものは問題ではない!」
ルト「さぁ、ちゃっちゃと魔物をやっつけて里に帰るゾラ!」
リンクル「おーっ!」
ナビィ(いいのかなぁ、これで……)
255: 2018/02/16(金) 22:14:06.88 ID:vwlUIgfD0
シェルブレード「ゴパッゴパッ」
リンクル「うわ、でっかい貝」
ルト「気をつけろ、そやつの挟む力は人間やゾーラをあっさり千切って頃す程じゃぞ」
リンクル「でも殻が硬くて普通の攻撃じゃ通らないよ」ガンガン
シェルブレード「イタイイタイ」
ルト「弱点は殻を開いた時の貝柱じゃが……」
ルト「外からあんまり叩くもんだから警戒して開かんな」
リンクル「むぅ」
ナビィ「爆弾ボルトは? ゴロンシティで新しくもらった爆弾あったでしょ?」
リンクル「ん、じゃあやってみよっか」バシュッ
チュドーン
シェルブレード「!?」
ルト「おおっ」
リンクル「なんか前より威力上がったのかな。7年の間に新型に大分置き換えられたって言ってたけど」
シェルブレード「イタカッタヨイタカッタヨ」
ナビィ「……あれ? 吹き飛んだだけでダメージは殆どないみたい」
リンクル「ええー……」
リンクル「一応退いてはもらえたし、無視して行こっか」
ルト「そうじゃな……」
リンクル「うわ、でっかい貝」
ルト「気をつけろ、そやつの挟む力は人間やゾーラをあっさり千切って頃す程じゃぞ」
リンクル「でも殻が硬くて普通の攻撃じゃ通らないよ」ガンガン
シェルブレード「イタイイタイ」
ルト「弱点は殻を開いた時の貝柱じゃが……」
ルト「外からあんまり叩くもんだから警戒して開かんな」
リンクル「むぅ」
ナビィ「爆弾ボルトは? ゴロンシティで新しくもらった爆弾あったでしょ?」
リンクル「ん、じゃあやってみよっか」バシュッ
チュドーン
シェルブレード「!?」
ルト「おおっ」
リンクル「なんか前より威力上がったのかな。7年の間に新型に大分置き換えられたって言ってたけど」
シェルブレード「イタカッタヨイタカッタヨ」
ナビィ「……あれ? 吹き飛んだだけでダメージは殆どないみたい」
リンクル「ええー……」
リンクル「一応退いてはもらえたし、無視して行こっか」
ルト「そうじゃな……」
256: 2018/02/16(金) 22:14:40.35 ID:vwlUIgfD0
ボトッ
リンクル「?」
ライクライク「ウジュジュジュ……」ウネウネ
ルト「きゃっ!? な、なんじゃこいつは!?」
リンクル「ル、ルト! 早く逃げ……」シャキンッ
ライクライク「グジュルッ」
ルト「ひゃああああっ!?」
リンクル「あー、遅かった!」
ナビィ「ル、ルト姫を飲み込んじゃった!」
ライクライク「ジュルルルルッ」グネグネ
ルト「は、はよ助けてたもれっ!」
ルト「ひゃうっ!? ど、どこ触って……ああっ! そ、そこはぁ……!」ビクンッ
ナビィ「な、何してるのこの魔物!?」
リンクル「助けるったって……剣やクロスボウで下手に攻撃したらルトが……」
リンクル「そ、そうだ! ディンの炎!」ドヒュンッ
ライクライク「ジュアアアッ」ペッ
ルト「あ~れ~っ!?」ドタッ
ライクライク「グジュルルルッ!」
リンクル「うわあっしまった!?」
ナビィ「リンクル!」
リンクル「?」
ライクライク「ウジュジュジュ……」ウネウネ
ルト「きゃっ!? な、なんじゃこいつは!?」
リンクル「ル、ルト! 早く逃げ……」シャキンッ
ライクライク「グジュルッ」
ルト「ひゃああああっ!?」
リンクル「あー、遅かった!」
ナビィ「ル、ルト姫を飲み込んじゃった!」
ライクライク「ジュルルルルッ」グネグネ
ルト「は、はよ助けてたもれっ!」
ルト「ひゃうっ!? ど、どこ触って……ああっ! そ、そこはぁ……!」ビクンッ
ナビィ「な、何してるのこの魔物!?」
リンクル「助けるったって……剣やクロスボウで下手に攻撃したらルトが……」
リンクル「そ、そうだ! ディンの炎!」ドヒュンッ
ライクライク「ジュアアアッ」ペッ
ルト「あ~れ~っ!?」ドタッ
ライクライク「グジュルルルッ!」
リンクル「うわあっしまった!?」
ナビィ「リンクル!」
257: 2018/02/16(金) 22:15:22.50 ID:vwlUIgfD0
ライクライク「ジュルルルッ」グネグネ
リンクル「や、やだっ、服が……っ!」
リンクル「ひやぁっ!? なになになにっ、ちょっと、そんな、吸いつかないでぇーっ!」ビクビクッ
ルト「わ、わらわのリンクルにまで……! 許さぬっ!」つ壺
ルト「リンクルを離せっ!」ガチャーン
ライクライク「ジュルアッ」ペッ
リンクル「あうっ」ドタッ
リンクル「こ、このっ!」ザシュッ
ライクライク「ギャァァッ」シュウゥ……
リンクル「はぁ……はぁ……!」
ナビィ「とんだ女の敵だったネ……」
ナビィ「……って、リンクル! 服と盾!」
リンクル「あ、そういえば脱がされたんだった……」
リンクル「うわぁ……このまま着たくはないなぁ……」ネトォ
ルト「……」
ルト「……あっ、そ、そうじゃ! そこらで洗ってから行こう! 水ならいくらでもあるしな!」
ルト(ぐぬぬ、あんなことされた挙句、リンクルの痴態まで見て、気分が昂ってしまう……)
ルト(手を出した方が良かったかもしれん……勿体ないことした気がするゾラ)ソワソワ
リンクル(ルトのあれってああいうヒレとかじゃなくて、服だったんだ……)
リンクル(それにしてもなんだか変な感じだよぅ……)ソワソワ
ナビィ(お互い色々遠慮してるっぽいけど、大丈夫かなぁ……)
リンクル「や、やだっ、服が……っ!」
リンクル「ひやぁっ!? なになになにっ、ちょっと、そんな、吸いつかないでぇーっ!」ビクビクッ
ルト「わ、わらわのリンクルにまで……! 許さぬっ!」つ壺
ルト「リンクルを離せっ!」ガチャーン
ライクライク「ジュルアッ」ペッ
リンクル「あうっ」ドタッ
リンクル「こ、このっ!」ザシュッ
ライクライク「ギャァァッ」シュウゥ……
リンクル「はぁ……はぁ……!」
ナビィ「とんだ女の敵だったネ……」
ナビィ「……って、リンクル! 服と盾!」
リンクル「あ、そういえば脱がされたんだった……」
リンクル「うわぁ……このまま着たくはないなぁ……」ネトォ
ルト「……」
ルト「……あっ、そ、そうじゃ! そこらで洗ってから行こう! 水ならいくらでもあるしな!」
ルト(ぐぬぬ、あんなことされた挙句、リンクルの痴態まで見て、気分が昂ってしまう……)
ルト(手を出した方が良かったかもしれん……勿体ないことした気がするゾラ)ソワソワ
リンクル(ルトのあれってああいうヒレとかじゃなくて、服だったんだ……)
リンクル(それにしてもなんだか変な感じだよぅ……)ソワソワ
ナビィ(お互い色々遠慮してるっぽいけど、大丈夫かなぁ……)
258: 2018/02/16(金) 22:16:07.39 ID:vwlUIgfD0
リンクル「この部屋は……何だろ? 妙に広いけど……」キョロキョロ
ガコーン
リンクル「あっ、扉が……あれ?」
ナビィ「あ……ルト姫が通る前に扉が閉まっちゃったんだ」
リンクル「ルトー? ルトー!」ドンドン
「扉が開かんゾラー!」
リンクル「そりゃそうだよね、こっち鉄格子までかかってるもん」
リンクル「ルトー! 少し待っててー! なんとかしてみるからー!」
「ああ、待っておるからなー!」
リンクル「さて……」
リンクル「それにしても変だね、この部屋……部屋?」
ナビィ「霧が深くて、空間がずっと続いてるみたい……」
ナビィ「どこかに壁はあるのかな? なんだかここだけ外みたいネ」
リンクル「湖の底にこんな空間があるとは思えないんだけどねぇ……」チャプチャプ
リンクル「……?」
ナビィ「どうしたの?」
リンクル「いや……この水面に映ったあたし……変だなって」
ナビィ「変?」
リンクル「気のせいかな……」
ガコーン
リンクル「あっ、扉が……あれ?」
ナビィ「あ……ルト姫が通る前に扉が閉まっちゃったんだ」
リンクル「ルトー? ルトー!」ドンドン
「扉が開かんゾラー!」
リンクル「そりゃそうだよね、こっち鉄格子までかかってるもん」
リンクル「ルトー! 少し待っててー! なんとかしてみるからー!」
「ああ、待っておるからなー!」
リンクル「さて……」
リンクル「それにしても変だね、この部屋……部屋?」
ナビィ「霧が深くて、空間がずっと続いてるみたい……」
ナビィ「どこかに壁はあるのかな? なんだかここだけ外みたいネ」
リンクル「湖の底にこんな空間があるとは思えないんだけどねぇ……」チャプチャプ
リンクル「……?」
ナビィ「どうしたの?」
リンクル「いや……この水面に映ったあたし……変だなって」
ナビィ「変?」
リンクル「気のせいかな……」
259: 2018/02/16(金) 22:16:39.99 ID:vwlUIgfD0
リンクル「うーん、反対側の扉も駄目かぁ」
リンクル「部屋中にある大きな木箱に何かあるのかな」
ナビィ「変な置き方だったよね。積み重ねもせず、きっちり並べてあるわけでもなく……」
リンクル「なんか隠れてたりしてね」
リンクル「ま、仕方ない。一度引き返してルトに……うん?」
ナビィ「あの木の下……誰か居るネ」
リンクル「あれは……」
リンクル「……真っ黒な、あたし?」
ダークリンクル「フフフ、よく分かったね」
ダークリンクル「あたしはダークリンクル。あんたの影」
リンクル「あたしの……影?」
ナビィ「リ、リンクル! 水面に映ってたリンクルが……!」
リンクル「……成程ね、変な感じだと思った」
ダークリンクル「流石あたしのオリジンね。いや、これからあたしがオリジンになるのかな?」
ダークリンクル「この部屋から出たければ自分自身を倒すことね」チャキッ
リンクル「……!」チャキッ
リンクル「部屋中にある大きな木箱に何かあるのかな」
ナビィ「変な置き方だったよね。積み重ねもせず、きっちり並べてあるわけでもなく……」
リンクル「なんか隠れてたりしてね」
リンクル「ま、仕方ない。一度引き返してルトに……うん?」
ナビィ「あの木の下……誰か居るネ」
リンクル「あれは……」
リンクル「……真っ黒な、あたし?」
ダークリンクル「フフフ、よく分かったね」
ダークリンクル「あたしはダークリンクル。あんたの影」
リンクル「あたしの……影?」
ナビィ「リ、リンクル! 水面に映ってたリンクルが……!」
リンクル「……成程ね、変な感じだと思った」
ダークリンクル「流石あたしのオリジンね。いや、これからあたしがオリジンになるのかな?」
ダークリンクル「この部屋から出たければ自分自身を倒すことね」チャキッ
リンクル「……!」チャキッ
260: 2018/02/16(金) 22:17:31.48 ID:vwlUIgfD0
ダークリンクル「はっ! ふっ! それっ!」バシュッ バシュッ バシュッ
リンクル「っ……!」タタタタッ バッ
リンクル「くっ……木箱はこの為のものか!」ゴロッ
ダークリンクル「ええ、その通りよ! あたしもあんたも、武器はおんなじ二挺クロスボウとマスターソード!」
ダークリンクル「当然よね! あたしはあんたで、あんたはあたしなんだから!」ダッ
リンクル「あたしと殆ど同じ動き……同じ癖っ!」バシュッ
ダークリンクル「おっと!」バッ
ダークリンクル「当然発想も同じよねっ!」バシュッ
リンクル「っく、かからないか……!」バッ
ナビィ「す、すごい……二人とも横に走り回って遮蔽物も上手く利用して、撃ち合ってる……!」
ダークリンクル「フフフ、やっぱりコピーだけあって、互角ねぇ」
ダークリンクル「やっぱりあんた、才能があるよ」
リンクル「……っ!」
ダークリンクル「自分でも気付いてるでしょ?」
ダークリンクル「自分にはどうしようもないくらい戦の術の才能があるって」
リンクル「そんなことっ……!」
ダークリンクル「ああ、否定しても無駄無駄。言ったじゃない」
ダークリンクル「あたしはあんたの影。あんたの心の暗い部分はぜーんぶ知ってるの」
リンクル「っ……!」タタタタッ バッ
リンクル「くっ……木箱はこの為のものか!」ゴロッ
ダークリンクル「ええ、その通りよ! あたしもあんたも、武器はおんなじ二挺クロスボウとマスターソード!」
ダークリンクル「当然よね! あたしはあんたで、あんたはあたしなんだから!」ダッ
リンクル「あたしと殆ど同じ動き……同じ癖っ!」バシュッ
ダークリンクル「おっと!」バッ
ダークリンクル「当然発想も同じよねっ!」バシュッ
リンクル「っく、かからないか……!」バッ
ナビィ「す、すごい……二人とも横に走り回って遮蔽物も上手く利用して、撃ち合ってる……!」
ダークリンクル「フフフ、やっぱりコピーだけあって、互角ねぇ」
ダークリンクル「やっぱりあんた、才能があるよ」
リンクル「……っ!」
ダークリンクル「自分でも気付いてるでしょ?」
ダークリンクル「自分にはどうしようもないくらい戦の術の才能があるって」
リンクル「そんなことっ……!」
ダークリンクル「ああ、否定しても無駄無駄。言ったじゃない」
ダークリンクル「あたしはあんたの影。あんたの心の暗い部分はぜーんぶ知ってるの」
261: 2018/02/16(金) 22:18:10.00 ID:vwlUIgfD0
ダークリンクル「勿論記憶もあるのよ?」
ダークリンクル「森でのこと、山でのこと、そして、ここに辿り着くまでのこと」
ダークリンクル「つらかったよねぇ、ほんとにさ」
ダークリンクル「突然森から出ろなんて言われてさ、ずーっと続くと思ってた生活がいきなり終わっちゃって」
ダークリンクル「お城に行ったら今度は国の為に手を汚せだって。兵隊さんみたい」
ダークリンクル「そういえば、デスマウンテンで爆弾を見た時、瞬時に思いついたよね?」
ダークリンクル「これを遠距離攻撃武器として使えれば、効率的に敵を倒せるって」
ダークリンクル「もっといえばいつでも使えるようにした方がいい。爆弾花じゃちょっと不安定だって」
ダークリンクル「なんでもすぐに武器に転用出来ないか考えちゃう。まるで軍人さんみたいにね」
ダークリンクル「今でこそ魔物退治に便利に使ってる爆弾ボルト……戦に使われたらどうなるんだろうね?」
リンクル「……」
ナビィ「リ、リンクル! 惑わされちゃ駄目! そんなことないヨ!」
ダークリンクル「うるさい妖精ねぇ。大体あんただってほんとは分かってるんでしょ?」
ダークリンクル「分かってて言わなかったんだよね? リンクルには戦の術の才能があるって」
ナビィ「そ、そんな……!」
ダークリンクル「話を元に戻そっか」
ダークリンクル「どこまで言ったっけ……ああ、そうそう、お城でのこと!」
ダークリンクル「城下町でゲルド族の人を斬った時! 今でも夢に出そう!」
ダークリンクル「あんな怖い顔出来るんだってくらいの形相で睨みつけられたよね! すぐ氏んじゃったけど!」
ダークリンクル「でもその時、どうしたらいいか分からないような気がしたっけ」
ダークリンクル「兵隊さんの治療、その前にゲルドの……敵兵にとどめを刺さなきゃ。迷ったよね」
ダークリンクル「人を斬ったことも、虫の息の敵兵に睨みつけられたことも、大した問題じゃなかったよね!」
ダークリンクル「分かるよ、分かる! 戦場だもん! 戦の最中にそんなこと気にする暇はないもん!」
ダークリンクル「でも人を頃しちゃったら、普通はパニックになるよね。訓練受けた兵隊じゃないんだから」
ダークリンクル「なってないとおかしいよね。子供心にそう思ったよね。パニックにならなきゃ。演じなきゃ」
リンクル「……」
ナビィ「……!」
ダークリンクル「そんなこんなでマスターソード抜いたらさ」
ダークリンクル「今度は実はコキリ族じゃなくてハイリア人でしたー、なんて」
ダークリンクル「しかもハイリア人はハイリア人でも普通のハイリア人ではなかったのでしたー、とか」
ダークリンクル「まったくふざけてるよね」
ダークリンクル「森でのこと、山でのこと、そして、ここに辿り着くまでのこと」
ダークリンクル「つらかったよねぇ、ほんとにさ」
ダークリンクル「突然森から出ろなんて言われてさ、ずーっと続くと思ってた生活がいきなり終わっちゃって」
ダークリンクル「お城に行ったら今度は国の為に手を汚せだって。兵隊さんみたい」
ダークリンクル「そういえば、デスマウンテンで爆弾を見た時、瞬時に思いついたよね?」
ダークリンクル「これを遠距離攻撃武器として使えれば、効率的に敵を倒せるって」
ダークリンクル「もっといえばいつでも使えるようにした方がいい。爆弾花じゃちょっと不安定だって」
ダークリンクル「なんでもすぐに武器に転用出来ないか考えちゃう。まるで軍人さんみたいにね」
ダークリンクル「今でこそ魔物退治に便利に使ってる爆弾ボルト……戦に使われたらどうなるんだろうね?」
リンクル「……」
ナビィ「リ、リンクル! 惑わされちゃ駄目! そんなことないヨ!」
ダークリンクル「うるさい妖精ねぇ。大体あんただってほんとは分かってるんでしょ?」
ダークリンクル「分かってて言わなかったんだよね? リンクルには戦の術の才能があるって」
ナビィ「そ、そんな……!」
ダークリンクル「話を元に戻そっか」
ダークリンクル「どこまで言ったっけ……ああ、そうそう、お城でのこと!」
ダークリンクル「城下町でゲルド族の人を斬った時! 今でも夢に出そう!」
ダークリンクル「あんな怖い顔出来るんだってくらいの形相で睨みつけられたよね! すぐ氏んじゃったけど!」
ダークリンクル「でもその時、どうしたらいいか分からないような気がしたっけ」
ダークリンクル「兵隊さんの治療、その前にゲルドの……敵兵にとどめを刺さなきゃ。迷ったよね」
ダークリンクル「人を斬ったことも、虫の息の敵兵に睨みつけられたことも、大した問題じゃなかったよね!」
ダークリンクル「分かるよ、分かる! 戦場だもん! 戦の最中にそんなこと気にする暇はないもん!」
ダークリンクル「でも人を頃しちゃったら、普通はパニックになるよね。訓練受けた兵隊じゃないんだから」
ダークリンクル「なってないとおかしいよね。子供心にそう思ったよね。パニックにならなきゃ。演じなきゃ」
リンクル「……」
ナビィ「……!」
ダークリンクル「そんなこんなでマスターソード抜いたらさ」
ダークリンクル「今度は実はコキリ族じゃなくてハイリア人でしたー、なんて」
ダークリンクル「しかもハイリア人はハイリア人でも普通のハイリア人ではなかったのでしたー、とか」
ダークリンクル「まったくふざけてるよね」
262: 2018/02/16(金) 22:18:37.83 ID:vwlUIgfD0
ダークリンクル「いきなり選ばれし者なんて言われて、お前は時の勇者だと言われて」
ダークリンクル「お前はハイラルを救うんだなんて言われてさ、たった一人?」
ダークリンクル「仲間と言えばその妖精と、あとは馬くらい? どう大きく言ったって一人と一匹と一頭ね?」
ダークリンクル「大魔王を倒して国を救え、ってこんな小娘に託しちゃうわけ? 大切な7年を奪い取っておいて?」
ダークリンクル「危険な仕事はいつだってあんた任せ。見返りもなし、だーれも一緒に旅してはくれない」
ダークリンクル「一緒に戦ってくれたのって、精々ダルニアくらいかな? ヴァルバジアは一緒に倒したよね」
ダークリンクル「まあ、仲間のゴロン達が捕まってたんだもんね。その為だったもんね」
ダークリンクル「……じゃあ、ハイリア人は? あんたと同じハイリア人は?」
ダークリンクル「ガノンドロフとその軍勢はハイリア人を大勢頃してるし、捕まえてる筈よね?」
ダークリンクル「きっと今もガノンドロフの支配によって苦しんでるハイリア人は大勢居る筈よね?」
ダークリンクル「ハイリア人を救いたいから時の勇者と一緒に旅をして国を救おうなんてハイリア人は居ないの?」
ダークリンクル「本当に大魔王をやっつけたいならさ、あんた一人に押し付けるなんて変じゃない?」
ダークリンクル「あんたが命の危険を冒してまで助ける価値……」
ダークリンクル「それだけの価値が、本当にこの国にあるの?」
リンクル「……」
ダークリンクル「お前はハイラルを救うんだなんて言われてさ、たった一人?」
ダークリンクル「仲間と言えばその妖精と、あとは馬くらい? どう大きく言ったって一人と一匹と一頭ね?」
ダークリンクル「大魔王を倒して国を救え、ってこんな小娘に託しちゃうわけ? 大切な7年を奪い取っておいて?」
ダークリンクル「危険な仕事はいつだってあんた任せ。見返りもなし、だーれも一緒に旅してはくれない」
ダークリンクル「一緒に戦ってくれたのって、精々ダルニアくらいかな? ヴァルバジアは一緒に倒したよね」
ダークリンクル「まあ、仲間のゴロン達が捕まってたんだもんね。その為だったもんね」
ダークリンクル「……じゃあ、ハイリア人は? あんたと同じハイリア人は?」
ダークリンクル「ガノンドロフとその軍勢はハイリア人を大勢頃してるし、捕まえてる筈よね?」
ダークリンクル「きっと今もガノンドロフの支配によって苦しんでるハイリア人は大勢居る筈よね?」
ダークリンクル「ハイリア人を救いたいから時の勇者と一緒に旅をして国を救おうなんてハイリア人は居ないの?」
ダークリンクル「本当に大魔王をやっつけたいならさ、あんた一人に押し付けるなんて変じゃない?」
ダークリンクル「あんたが命の危険を冒してまで助ける価値……」
ダークリンクル「それだけの価値が、本当にこの国にあるの?」
リンクル「……」
263: 2018/02/16(金) 22:19:31.03 ID:vwlUIgfD0
ダークリンクル「さあ……リンクル……いや、あたし」
ダークリンクル「こっちにおいで。全てを投げ出して、心の闇に身を任せれば、楽になれるよ」
リンクル「……」ザッ
ナビィ「リ、リンクル! 行っちゃ駄目! あいつは魔物だヨ!」
ナビィ「あんな言葉に耳を貸しちゃ……」
リンクル「黙ってて」
ナビィ「え、リンクル……」
リンクル「あいつが……あたしの影が言ったのは全部ほんとのことだよ」
リンクル「ずっと思ってた。表に出さないようにしてた。言っちゃいけない気がしてた」
ダークリンクル「フフフ……影は全てを受け入れるわ」
ダークリンクル「これからは時の勇者の重責も、ハイラルを救う為のこっ酷い運命も全部忘れて、楽になれるの」
リンクル「そうね、悪くない」
リンクル「でもね……いや、だからこそかな」グルンッ
ダークリンクル「っ!?」
リンクル「あんたは頃す」ザンッ
ナビィ(居合切り! そっか、あれの為にわざとあんな態度を……)
ナビィ(……あれ?)
ダークリンクル「こっちにおいで。全てを投げ出して、心の闇に身を任せれば、楽になれるよ」
リンクル「……」ザッ
ナビィ「リ、リンクル! 行っちゃ駄目! あいつは魔物だヨ!」
ナビィ「あんな言葉に耳を貸しちゃ……」
リンクル「黙ってて」
ナビィ「え、リンクル……」
リンクル「あいつが……あたしの影が言ったのは全部ほんとのことだよ」
リンクル「ずっと思ってた。表に出さないようにしてた。言っちゃいけない気がしてた」
ダークリンクル「フフフ……影は全てを受け入れるわ」
ダークリンクル「これからは時の勇者の重責も、ハイラルを救う為のこっ酷い運命も全部忘れて、楽になれるの」
リンクル「そうね、悪くない」
リンクル「でもね……いや、だからこそかな」グルンッ
ダークリンクル「っ!?」
リンクル「あんたは頃す」ザンッ
ナビィ(居合切り! そっか、あれの為にわざとあんな態度を……)
ナビィ(……あれ?)
264: 2018/02/16(金) 22:20:05.11 ID:vwlUIgfD0
ダークリンクル「かっ……あ、くは……」
ダークリンクル「ど、どうして……! どうして、そんな心の闇を抱えたままで……!」
リンクル「あんたは所詮、あたしの影を使って生まれた魔物よ」
リンクル「姿形も、動きの癖も、あたしの記憶も、何もかも持ってても、本質は結局魔物よ」
リンクル「だからね、あんたはあたしじゃないし、あたしはあんたじゃない」
リンクル「それに、仮に本当にあたしだったとしても……」
リンクル「あたしが心に抱えたものは、全部あたしのものよ」
リンクル「あたしだけのものだ。絶対に、誰にも渡さない。持ち出すなんて許さない」
ダークリンクル「ひっ……!」ゾクッ
ナビィ「え……」
ナビィ(魔物の方が……怯えてる? リンクルを恐れてる……?)
リンクル「時の勇者の重責も、ハイラルを救う為のこっ酷い運命も、全部、全部」
リンクル「あたしだけが託された、あたしだけのものなんだ」
ダークリンクル「あ、あんたは……お前は……っ!」
ダークリンクル「来るな! 来るなぁーっ!!」
リンクル「返してね、あたしのもの全部」ザシュッ
ダークリンクル「あ……ぐ……こ、の……」
ダークリンクル「……ば……化物……ぉ……」
リンクル「……」
ダークリンクル「」
シュウウゥゥ……
ナビィ「消えてくヨ……けど」
ナビィ「その、リンクル……さっきの」
リンクル「……」
ナビィ「……ごめん」
ダークリンクル「ど、どうして……! どうして、そんな心の闇を抱えたままで……!」
リンクル「あんたは所詮、あたしの影を使って生まれた魔物よ」
リンクル「姿形も、動きの癖も、あたしの記憶も、何もかも持ってても、本質は結局魔物よ」
リンクル「だからね、あんたはあたしじゃないし、あたしはあんたじゃない」
リンクル「それに、仮に本当にあたしだったとしても……」
リンクル「あたしが心に抱えたものは、全部あたしのものよ」
リンクル「あたしだけのものだ。絶対に、誰にも渡さない。持ち出すなんて許さない」
ダークリンクル「ひっ……!」ゾクッ
ナビィ「え……」
ナビィ(魔物の方が……怯えてる? リンクルを恐れてる……?)
リンクル「時の勇者の重責も、ハイラルを救う為のこっ酷い運命も、全部、全部」
リンクル「あたしだけが託された、あたしだけのものなんだ」
ダークリンクル「あ、あんたは……お前は……っ!」
ダークリンクル「来るな! 来るなぁーっ!!」
リンクル「返してね、あたしのもの全部」ザシュッ
ダークリンクル「あ……ぐ……こ、の……」
ダークリンクル「……ば……化物……ぉ……」
リンクル「……」
ダークリンクル「」
シュウウゥゥ……
ナビィ「消えてくヨ……けど」
ナビィ「その、リンクル……さっきの」
リンクル「……」
ナビィ「……ごめん」
265: 2018/02/16(金) 22:20:51.53 ID:vwlUIgfD0
ルト「おお、開いたゾラ」
リンクル「ごめんごめん、お待たせ」
ルト「……何かあったか?」
リンクル「まぁ……ちょっとね」
リンクル「それより、見て見てこれ!」
ルト「うむ……? これは何じゃ?」
ファイ「フックショット、またはクローショットと呼ばれる、神が遺した魔法の道具です」
ファイ「鎖の付いた先端のアンカーを魔法によって射出し、鎖を巻き取ることで対象物を手繰り寄せられます」
ファイ「また、当たった対象物によってはマスターの方が引き寄せられ、これによって高所等への移動も可能です」
ファイ「本来は二つセットで使うものですが、もう一つは亡失してしまったようです」
リンクル「……だって」
ルト「さっきの声は誰じゃ?」
リンクル「ファイだよ。マスターソードの精霊だってさ」
ルト「変わった連れが居るな……」
ナビィ「あたしもつくづくそう思う……」
ルト(妖精も十分変わった連れだと思うのは黙っておこう)
リンクル「……あ、そうだ。これがあればあの部屋行けるじゃない」
ルト「あの部屋?」
リンクル「真ん中の塔の場所ね、あの周りに一か所高くて行けないドアがあったの」
ルト「……ああ、あそこか」
ルト「ふむ、行ってみよう」
リンクル「ごめんごめん、お待たせ」
ルト「……何かあったか?」
リンクル「まぁ……ちょっとね」
リンクル「それより、見て見てこれ!」
ルト「うむ……? これは何じゃ?」
ファイ「フックショット、またはクローショットと呼ばれる、神が遺した魔法の道具です」
ファイ「鎖の付いた先端のアンカーを魔法によって射出し、鎖を巻き取ることで対象物を手繰り寄せられます」
ファイ「また、当たった対象物によってはマスターの方が引き寄せられ、これによって高所等への移動も可能です」
ファイ「本来は二つセットで使うものですが、もう一つは亡失してしまったようです」
リンクル「……だって」
ルト「さっきの声は誰じゃ?」
リンクル「ファイだよ。マスターソードの精霊だってさ」
ルト「変わった連れが居るな……」
ナビィ「あたしもつくづくそう思う……」
ルト(妖精も十分変わった連れだと思うのは黙っておこう)
リンクル「……あ、そうだ。これがあればあの部屋行けるじゃない」
ルト「あの部屋?」
リンクル「真ん中の塔の場所ね、あの周りに一か所高くて行けないドアがあったの」
ルト「……ああ、あそこか」
ルト「ふむ、行ってみよう」
266: 2018/02/16(金) 22:21:21.22 ID:vwlUIgfD0
リンクル「んー、この部屋はなんだろう?」
リンクル「真ん中のプール……これプール? この柱、何の意味があるんだろう」スタッ
ルト「うーむ……」
ガコーン
リンクル「えっ!? と、閉じ込められた!?」
ルト「し、しまった、罠だったのか!?」
ルト「……!?」
ルト「リンクル! 気をつけるゾラ!」
ルト「そこの水はただの水ではない!」
リンクル「ただの水じゃないって……」
ゴポゴポゴポゴポ……
リンクル「ここから見る限り何も……」
ナビィ「リンクル! 後ろだヨ!」
リンクル「へっ!?」
ゴポゴポゴポゴポ
リンクル「真ん中のプール……これプール? この柱、何の意味があるんだろう」スタッ
ルト「うーむ……」
ガコーン
リンクル「えっ!? と、閉じ込められた!?」
ルト「し、しまった、罠だったのか!?」
ルト「……!?」
ルト「リンクル! 気をつけるゾラ!」
ルト「そこの水はただの水ではない!」
リンクル「ただの水じゃないって……」
ゴポゴポゴポゴポ……
リンクル「ここから見る限り何も……」
ナビィ「リンクル! 後ろだヨ!」
リンクル「へっ!?」
ゴポゴポゴポゴポ
267: 2018/02/16(金) 22:21:55.22 ID:vwlUIgfD0
水棲核細胞 モーファ
モーファ「ゴポゴポゴポ……」
リンクル「み、水が、動いてる……!?」
リンクル「水を操る魔物!?」
ルト「水全体が奴の身体じゃ! その柱の上は危険じゃ!」
リンクル「う、うんっ!」ダッ
モーファ「ゴポポポポッ」ババッ
リンクル「ひゃっ!?」
リンクル「は、離してっ!」
モーファ「ゴポゴポゴポ」グルングルン
リンクル「あわわわわわわわっ」
モーファ「ゴボボボボ……」
リンクル「や、やだっ、引きずり込まれる!」
ルト「リンクル!」ガシッ
リンクル「だ、駄目っ、ルトまで引きずり込まれちゃう!」
ルト「ぐぬぬぬぬっ……! い、今引っ張り出して……っ!」ズルズル
リンクル「手を離して! あたしはいいから!」
ルト「嫌じゃ! 離さん! 持ってはいかせんゾラー!」ズルズル
モーファ「ゴボボボボ……!」ズルズル
ナビィ「……?」
ナビィ「あ、そっか! リンクル! クロスボウをルト姫に!」
リンクル「……! ルト! 受け取って!」ブンッ
ルト「ひゃっ!?」キャッチ
ルト「あ、しまっ……!」
リンクル「ひゃあああああっ!!」ズルズルズル
ルト「リンクルー!!」
モーファ「ゴポゴポゴポゴポ……」
モーファ「ゴポゴポゴポ……」
リンクル「み、水が、動いてる……!?」
リンクル「水を操る魔物!?」
ルト「水全体が奴の身体じゃ! その柱の上は危険じゃ!」
リンクル「う、うんっ!」ダッ
モーファ「ゴポポポポッ」ババッ
リンクル「ひゃっ!?」
リンクル「は、離してっ!」
モーファ「ゴポゴポゴポ」グルングルン
リンクル「あわわわわわわわっ」
モーファ「ゴボボボボ……」
リンクル「や、やだっ、引きずり込まれる!」
ルト「リンクル!」ガシッ
リンクル「だ、駄目っ、ルトまで引きずり込まれちゃう!」
ルト「ぐぬぬぬぬっ……! い、今引っ張り出して……っ!」ズルズル
リンクル「手を離して! あたしはいいから!」
ルト「嫌じゃ! 離さん! 持ってはいかせんゾラー!」ズルズル
モーファ「ゴボボボボ……!」ズルズル
ナビィ「……?」
ナビィ「あ、そっか! リンクル! クロスボウをルト姫に!」
リンクル「……! ルト! 受け取って!」ブンッ
ルト「ひゃっ!?」キャッチ
ルト「あ、しまっ……!」
リンクル「ひゃあああああっ!!」ズルズルズル
ルト「リンクルー!!」
モーファ「ゴポゴポゴポゴポ……」
268: 2018/02/16(金) 22:22:31.60 ID:vwlUIgfD0
リンクル「(うううぐっ! ぜ、全身舐め回されてるみたい……っ!)」
リンクル「(手足が……動かない……!)」
リンクル「(……盾が、クロスボウが、ボルトが……はぎ取られていく……)」
リンクル「(次は……服!? ゾーラの服をはぎ取られたら氏んじゃうよ……!)」
ファイ「マイマスターリンクルに報告。魔物はマスターソードに触れることが出来ない模様」
リンクル「(だからどうしたっていうのよ……! 水中で剣振ったって、こいつ相手じゃ……!)」
リンクル「(ひっ……やだっ、服の中手が動き回ってるみたいで気持ち悪いぃ……!)」
ルト「ど、どうすればいい……どうすればいいゾラ! リンクル!」
ナビィ「ルト姫! そのクロスボウで敵の核を狙うの!」
ルト「何……?」
ナビィ「さっき、あいつはリンクルを捕まえて引きずり込もうとしたのに、ルトは捕まえなかった」
ナビィ「水の触手をもう一本出して、さっさとルトを捕まえれば良かったのに、そうしなかった理由は?」
ルト「……一本しか、触手は出せない?」
ナビィ「そう」
ナビィ「あの触手の中では常に核が動き回ってたから、多分あの核の周りでしか触手は出せないのよ」
ルト「じ、じゃああの触手が出るのを誘って、核をこれで撃ち抜けば……!」
ナビィ「そうよ! さぁ、立って!」
ルト「う、うむ! ルト、参るゾラ!」チャキッ
リンクル「(手足が……動かない……!)」
リンクル「(……盾が、クロスボウが、ボルトが……はぎ取られていく……)」
リンクル「(次は……服!? ゾーラの服をはぎ取られたら氏んじゃうよ……!)」
ファイ「マイマスターリンクルに報告。魔物はマスターソードに触れることが出来ない模様」
リンクル「(だからどうしたっていうのよ……! 水中で剣振ったって、こいつ相手じゃ……!)」
リンクル「(ひっ……やだっ、服の中手が動き回ってるみたいで気持ち悪いぃ……!)」
ルト「ど、どうすればいい……どうすればいいゾラ! リンクル!」
ナビィ「ルト姫! そのクロスボウで敵の核を狙うの!」
ルト「何……?」
ナビィ「さっき、あいつはリンクルを捕まえて引きずり込もうとしたのに、ルトは捕まえなかった」
ナビィ「水の触手をもう一本出して、さっさとルトを捕まえれば良かったのに、そうしなかった理由は?」
ルト「……一本しか、触手は出せない?」
ナビィ「そう」
ナビィ「あの触手の中では常に核が動き回ってたから、多分あの核の周りでしか触手は出せないのよ」
ルト「じ、じゃああの触手が出るのを誘って、核をこれで撃ち抜けば……!」
ナビィ「そうよ! さぁ、立って!」
ルト「う、うむ! ルト、参るゾラ!」チャキッ
269: 2018/02/16(金) 22:23:05.63 ID:vwlUIgfD0
ナビィ「使えるボルトは今装填されてるその3本だけ!」
ナビィ「そんな武器初めて触るだろうけど、頑張って!」
ルト「……!」
ナビィ「もっと水に近寄って、触手を誘って! 出てきそうになったらナビィが合図するネ!」
ルト「あ、ああ!」
モーファ「ゴポゴポゴポゴポ……」ズズズズ……
ナビィ「今よ! 一旦逃げて!」
ルト「っ!」ダッ
モーファ「ゴポポポポポ」ババッ
ナビィ「あれが核よ! よく狙って……!」
ルト「リ、リンクルを帰せゾラ!」バシュッ
ジャプンッ
モーファ「ゴボボボ……」
ナビィ「外れた! 次発を!」
ナビィ「弦を引いて!」
ルト「こ、こうか!?」ガチッ
ナビィ「そう! さぁ、次のボルト! 逃げちゃうヨ!」
ルト「く、喰らえっ!」バシュッ
モーファ「!」バッ
ナビィ「しまった、読まれて……!」
ルト「もう一発ゾラ!」バシュッ
モーファ「ゴプッ」ザスッ
ルト「当たったぞ!」
ナビィ「当たった! けど……効いてない……!?」
ルト「ど、どういうことじゃ!?」
ナビィ「……あっ! しまった……」
ナビィ「あのボルト! 森のボルトと同じような木のボルトだったんだ! 殺傷力が低過ぎて通らないヨ!」
ルト「なっ……そ、そんな……! リンクル……」
ルト「リンクルー!!」
ナビィ「そんな武器初めて触るだろうけど、頑張って!」
ルト「……!」
ナビィ「もっと水に近寄って、触手を誘って! 出てきそうになったらナビィが合図するネ!」
ルト「あ、ああ!」
モーファ「ゴポゴポゴポゴポ……」ズズズズ……
ナビィ「今よ! 一旦逃げて!」
ルト「っ!」ダッ
モーファ「ゴポポポポポ」ババッ
ナビィ「あれが核よ! よく狙って……!」
ルト「リ、リンクルを帰せゾラ!」バシュッ
ジャプンッ
モーファ「ゴボボボ……」
ナビィ「外れた! 次発を!」
ナビィ「弦を引いて!」
ルト「こ、こうか!?」ガチッ
ナビィ「そう! さぁ、次のボルト! 逃げちゃうヨ!」
ルト「く、喰らえっ!」バシュッ
モーファ「!」バッ
ナビィ「しまった、読まれて……!」
ルト「もう一発ゾラ!」バシュッ
モーファ「ゴプッ」ザスッ
ルト「当たったぞ!」
ナビィ「当たった! けど……効いてない……!?」
ルト「ど、どういうことじゃ!?」
ナビィ「……あっ! しまった……」
ナビィ「あのボルト! 森のボルトと同じような木のボルトだったんだ! 殺傷力が低過ぎて通らないヨ!」
ルト「なっ……そ、そんな……! リンクル……」
ルト「リンクルー!!」
270: 2018/02/16(金) 22:23:37.12 ID:vwlUIgfD0
バスッ ギャリギャリギャリ
モーファ「!?」
ナビィ「……!?」
ナビィ「核が……水中に引き込まれた? あの鎖は……?」
ゴボボボッ ザシュッ
ルト「み、水の中で何が起きておるのじゃ……?」
ゴボゴボゴボゴボ
ザッバァー
ナビィ「水が……引いていく……」
ルト「いや……部屋の真ん中から天井に集まって、消えて行っておるようじゃが……」
ピチョン
「あー、氏ぬかと思った!」
ナビィ「リンクル!」
ルト「リンクル!」
モーファ「!?」
ナビィ「……!?」
ナビィ「核が……水中に引き込まれた? あの鎖は……?」
ゴボボボッ ザシュッ
ルト「み、水の中で何が起きておるのじゃ……?」
ゴボゴボゴボゴボ
ザッバァー
ナビィ「水が……引いていく……」
ルト「いや……部屋の真ん中から天井に集まって、消えて行っておるようじゃが……」
ピチョン
「あー、氏ぬかと思った!」
ナビィ「リンクル!」
ルト「リンクル!」
271: 2018/02/16(金) 22:24:23.31 ID:vwlUIgfD0
リンクル「二人ともありがとう、助かったよ」
ナビィ「助かった、って……」
ルト「わらわ達は攻撃に失敗して途方に暮れておっただけじゃ……」
リンクル「いやいや、あいつの気を引いてくれたでしょ?」
リンクル「お陰であたしも反撃出来たってわけ」
ルト「一体どうやったのじゃ?」
リンクル「あんた達に気を取られてるあいつ、こっちからは隙だらけでさ」
リンクル「フックショットで引き寄せて、マスターソード突き刺してやった」
リンクル『(……核がどっか行った?)』
リンクル『(体も動く……けど、服をはぎ取られて、あまり長くは息が続かない……!)』
ファイ『マスターに報告。陸上に残った二人が何らかの手段で気を引いているものと推測』
リンクル『(成程……)』
リンクル『(動きが止まるタイミングで、なんとか攻撃を仕掛けられれば……)』
リンクル『(クロスボウは取られたし、ディンの炎も使えない)』
リンクル『(となると……フックショットか)』
ファイ『マスターに報告。核の動きが止まりました。ボルトを当てられて怯んだ模様』
リンクル『(よしきた!)』バスッ
ギャリギャリギャリ
モーファ『!?』
リンクル『(つ、か、ま、え、たっ!)』ザシュッ
モーファ『ギャアアアアアアアッ!?』
リンクル「と、こんな感じに」
ルト「そ、そうか……」
リンクル「ところでさ、武器とか服とかはぎ取られちゃって、周りに散らばってるから拾うの手伝って?」
ルト「……そういえば、さっきから下着しか身につけておらんだったな、そなた」
ナビィ「助かった、って……」
ルト「わらわ達は攻撃に失敗して途方に暮れておっただけじゃ……」
リンクル「いやいや、あいつの気を引いてくれたでしょ?」
リンクル「お陰であたしも反撃出来たってわけ」
ルト「一体どうやったのじゃ?」
リンクル「あんた達に気を取られてるあいつ、こっちからは隙だらけでさ」
リンクル「フックショットで引き寄せて、マスターソード突き刺してやった」
リンクル『(……核がどっか行った?)』
リンクル『(体も動く……けど、服をはぎ取られて、あまり長くは息が続かない……!)』
ファイ『マスターに報告。陸上に残った二人が何らかの手段で気を引いているものと推測』
リンクル『(成程……)』
リンクル『(動きが止まるタイミングで、なんとか攻撃を仕掛けられれば……)』
リンクル『(クロスボウは取られたし、ディンの炎も使えない)』
リンクル『(となると……フックショットか)』
ファイ『マスターに報告。核の動きが止まりました。ボルトを当てられて怯んだ模様』
リンクル『(よしきた!)』バスッ
ギャリギャリギャリ
モーファ『!?』
リンクル『(つ、か、ま、え、たっ!)』ザシュッ
モーファ『ギャアアアアアアアッ!?』
リンクル「と、こんな感じに」
ルト「そ、そうか……」
リンクル「ところでさ、武器とか服とかはぎ取られちゃって、周りに散らばってるから拾うの手伝って?」
ルト「……そういえば、さっきから下着しか身につけておらんだったな、そなた」
272: 2018/02/16(金) 22:24:51.95 ID:vwlUIgfD0
リンクル「これで全部だね……ありがと」
リンクル「ちょっと待っててね、すぐ着ちゃうから」
ルト「……着ながらでいいから聞いてくれ」
リンクル「うん」
ルト「リンクル……流石、フィアンセとしてわらわが選んだだけのことはある」
ルト「ゾーラの里も、ゾーラ達も、元通りになるであろう」
リンクル「だといいけど……復興大変そうだよね」
ルト「まぁ、それも一興じゃ」
ルト「それでな、そなたには褒美を与えたいと思う」
リンクル「褒美?」
ルト「そなたへの褒美……それは、わらわの永遠の愛じゃ!」
ルト「……と、言いたいところであったが」
ルト「どうやら、それは叶わぬ願いのようじゃ」
ルト「夫婦の契りだけでも結んでおこうかと思ったがな……」
ルト「わらわは、水の賢者として水の神殿を守り、時の勇者を手助けせねばならぬ……」
ルト「そなたの更なる活躍を信じておるゾラ」
リンクル「……うん」
リンクル「ちょっと待っててね、すぐ着ちゃうから」
ルト「……着ながらでいいから聞いてくれ」
リンクル「うん」
ルト「リンクル……流石、フィアンセとしてわらわが選んだだけのことはある」
ルト「ゾーラの里も、ゾーラ達も、元通りになるであろう」
リンクル「だといいけど……復興大変そうだよね」
ルト「まぁ、それも一興じゃ」
ルト「それでな、そなたには褒美を与えたいと思う」
リンクル「褒美?」
ルト「そなたへの褒美……それは、わらわの永遠の愛じゃ!」
ルト「……と、言いたいところであったが」
ルト「どうやら、それは叶わぬ願いのようじゃ」
ルト「夫婦の契りだけでも結んでおこうかと思ったがな……」
ルト「わらわは、水の賢者として水の神殿を守り、時の勇者を手助けせねばならぬ……」
ルト「そなたの更なる活躍を信じておるゾラ」
リンクル「……うん」
273: 2018/02/16(金) 22:25:24.06 ID:vwlUIgfD0
ルト「……リンクル、近う寄れ」
リンクル「……」スッ
ルト「ん……」チュッ
リンクル「んむ」
ルト「ぁ……ちゅる……じゅるるるっ」ギュッ
リンクル「んんっ!?」
ナビィ「!?」
ファイ「!?」
ルト「ちゅぷ……」
ルト「……ふむ。でぃーぷきす、というのも心地が良いものじゃな」ペロ
リンクル「そ、そう……」
ルト「最後にそなたとの接吻を味わうことが出来て良かったゾラ、フフフッ」
ルト「そうそう……もしシークという若者に会ったら、わらわが礼を言っていたと伝えてくれ。良いな」ポゥ……
リンクル「うん……伝えるよ」
リンクル「……」スッ
ルト「ん……」チュッ
リンクル「んむ」
ルト「ぁ……ちゅる……じゅるるるっ」ギュッ
リンクル「んんっ!?」
ナビィ「!?」
ファイ「!?」
ルト「ちゅぷ……」
ルト「……ふむ。でぃーぷきす、というのも心地が良いものじゃな」ペロ
リンクル「そ、そう……」
ルト「最後にそなたとの接吻を味わうことが出来て良かったゾラ、フフフッ」
ルト「そうそう……もしシークという若者に会ったら、わらわが礼を言っていたと伝えてくれ。良いな」ポゥ……
リンクル「うん……伝えるよ」
274: 2018/02/16(金) 22:30:29.00 ID:vwlUIgfD0
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