1: 2012/04/16(月) 21:40:23.08 ID:MpyhFBrH0
杏子「いらっしゃい」

ほむら「ああ、本当に佐倉杏子だ」

杏子「ほむらじゃん。久しぶりだな」

ほむら「何年ぶりかしら。お互い年をとったわね」

杏子「いや、まだ24だろ。お互いさ」

2: 2012/04/16(月) 21:43:57.92 ID:MpyhFBrH0
ほむら「メニューはどこかしら」

杏子「目の前にあるじゃん」

ほむら「瓶ビール、生ビール、日本酒、焼酎、烏龍茶、その他」

ほむら「飲み物だけ記載されたこれのこと?」

杏子「カクテルでも料理でも、材料さえあればなんだって作ってやるさ」

杏子「ここは料理屋さんだからな」

ほむら「雑というか自由というか。じゃあ、ビールと>>5をもらおうかしら」

5: 2012/04/16(月) 21:46:33.60 ID:9BMRnYS00
処O

8: 2012/04/16(月) 21:51:00.95 ID:MpyhFBrH0
ほむら「雑というか自由というか。じゃあ、ビールと処Oをもらおうかしら」

杏子「裏庭の卵用鶏が、処Oのはず。一回5000円な」

ほむら「鶏差し出さないでよ」

杏子「割と悪くないらしいぜ。値引き交渉は4000円までな」

ほむら「高いわね」

杏子「そもそもどうやって奪うつもりだ?」

ほむら「さぁ?」

杏子「ほら、生ビール。なにか食いたくなったら、注文しな」

ほむら「>>11」

11: 2012/04/16(月) 21:55:24.00 ID:Kp+LQhbri
酔ってきたわ

13: 2012/04/16(月) 22:00:43.53 ID:MpyhFBrH0
ほむら「酔ってきたわ」

杏子「まだ19時過ぎで、ここじゃ何も飲んでいないんだがね」

ほむら「ゴクゴクゴクゴク」

ほむら「ぷはぁ、ほら酔っ払ったわよ」

杏子「ああ、そうかい。他の客の迷惑にさえならなきゃいいよ」

ほむら「ほかの客って、他に誰もいないじゃない」

杏子「もうしばらくすればボチボチ来るさ。ビールのおかわりは?」

ほむら「もらうわ。今日は生でいいわ/////」

杏子「はいはい、生一丁」

ほむら「店主ー、つれないわよぉ」

杏子「酔っ払いのあしらい方なんてこんなもんさ。ほかに注文はあるかい?」

ほむら「>>15」

16: 2012/04/16(月) 22:04:32.22 ID:MpyhFBrH0
ほむら「ペ○ス!!」

杏子「お前もう、出て行け。この店の前に、どこかで飲んできたのか?」

ほむら「いいえ、この店が最初よ」

杏子「なんでそんなに荒れてるんだよ」

17: 2012/04/16(月) 22:05:05.17 ID:MpyhFBrH0




ほむら「ねぇ、聞いてくれる」

杏子「はいはい。いいよ、聞いてやる」

杏子「元々そのつもりで始めた店だしな」

ほむら「教会の懺悔室の真似事?」

杏子「否定はしない」

ほむら「むふー」

杏子「昔、お前には話したはずだよな。その私って名探偵、みたいな顔止めろ」

19: 2012/04/16(月) 22:09:35.40 ID:MpyhFBrH0
ほむら「最近、仕事がうまくいかなくてさー」

杏子「意外だね。アンタはなんでもソツなくこなすタイプだと思ってたけど」

ほむら「昔の印象が強いみたいね」

ほむら「本当のあたしはグズでノロマで頭も悪ければ体も出来損ないの産業廃棄物よ」

杏子「でも、変われたんだろ?」

ほむら「変われたわ。でも、人の本質は変わらない」

ほむら「最初は取り繕ってきたけど、段々細かいアラを指摘され始めてきて」

ほむら「それでもなんとかやっていこうと頑張り続けてきたけど」

ほむら「もう限界。ダメだわ、わたし」

杏子「ずっと肩肘張って生きてきたからね」

23: 2012/04/16(月) 22:13:22.57 ID:MpyhFBrH0
杏子「少し、力抜いてやってみたらどうだい?」

ほむら「ダメよ。隙を見せたら、そこを容赦なくつつかれる」

杏子「会社って怖いねぇ」

ほむら「ミスは許されない割に成果を求められ報酬は雀の涙。やってられないわよ」

杏子「サラリーマンは大変だね」

ほむら「自由人の貴方にはわからないでしょうけどね」

25: 2012/04/16(月) 22:16:28.32 ID:MpyhFBrH0
杏子「分からねぇな。あたしにゃ出来ん商売かもしれねぇ」

ほむら「ふふっ、無理でしょうね。きっと3日と持たずに上司を殴って退職届叩きつけるわ」

杏子「ロックであたしらしいねぇ」

ほむら「そういうこと言えるメンタリティが貴方の魅力よね」

杏子「どうも」

26: 2012/04/16(月) 22:18:51.76 ID:MpyhFBrH0
ほむら「貴方が羨ましいわ」

ほむら「会社勤めは無理でも、こうして一国一城の主人になることは出来る」

ほむら「そして、それを維持することが出来る」

ほむら「あたしには無理だわ」

ほむら「私のような底辺の相手に毎日笑顔を振る舞い続けることなんてできない」

28: 2012/04/16(月) 22:21:48.81 ID:MpyhFBrH0
杏子「自分を卑下しすぎだ」

杏子「あたしはお客さんを底辺だなんて思ってないよ」

杏子「神様だとも思ってないけどね」

ほむら「客に言っていいの、それ?」

杏子「まともな客はこんなことで気分を害したりしない」

杏子「同じ人間として接していきたい」

杏子「居酒屋とかこういう小さい店はさ。不思議な場所でね」

杏子「誰もが自分の立場を気にせず、心の内を打ち明けられる」

杏子「当然、守秘義務は守るさ」

33: 2012/04/16(月) 22:33:38.42 ID:MpyhFBrH0
杏子「くく、人に言えない秘密を10や20じゃなく知っているぜ」

杏子「でも絶対に他人には明かさない」

杏子「お客の情報は、例えば今日この時間にほむらがうちに来た。程度の情報も漏らさない」

ほむら「秘密主義なのね」

杏子「教会の娘なんでね。守秘義務には敏感なのさ」

杏子「親父と店主ほど、守秘義務に敏感な人種はいない。あたしはそのハイブリットだぜ」

ほむら「わー、すごいすごーい」

杏子「だから、お前の秘密打ち明けてもいいんだぜ」

杏子「話すことで楽になることもある」

ほむら「ふん、それでも昔の友人に秘密を話すのには抵抗がある」

杏子「なら、無理には聞かない。奥にいるから、注文や話したいことが出来たら呼んでくれ」

ほむら「・・・・・・・・・・>>36」

36: 2012/04/16(月) 22:37:17.41 ID:n6C0YerF0
(大声で)マドカァー!

39: 2012/04/16(月) 22:42:24.48 ID:MpyhFBrH0
ほむら「・・・・・・・・・・マドカァー! 」

杏子「泣き上戸か。今は人もいない。存分に泣けよ」

杏子(まどか、さっさと結婚しちまったもんなぁ)

杏子(押しに弱い子だとは思っていたが、たった3回の告白であっさりなびきやがって)

杏子(あの時はもめたなぁ。いや、まどかだけが悪いわけじゃないんだけどよ)

41: 2012/04/16(月) 22:45:17.82 ID:MpyhFBrH0
ほむら「マドカァ・・・・・・Zzzzzzzzz」

杏子「ビール二杯で酔いつぶれるとか、こいつ隙ありすぎだろ」

杏子「それともあたしの店だってんで気を抜いてたのかな」

杏子「そうだったら、悪い気はしないが迷惑ではあるな」

杏子「店の前のゴミ捨て場に捨ててもいいが、そこまでこいつは嫌いじゃない」

杏子「仕方がないから、奧の居間に布団敷いてやるか」

43: 2012/04/16(月) 22:46:13.55 ID:MpyhFBrH0
杏子「ん、いらっしゃい」

杏子「なんだ、>>45か」

45: 2012/04/16(月) 22:47:17.96 ID:n6C0YerF0
中沢

51: 2012/04/16(月) 22:51:07.94 ID:MpyhFBrH0
杏子「なんだ、中沢か」

中沢「お邪魔するよ」

杏子「すっかり常連になったねぇ。なんだい、あたしに惚れたのか」

中沢「そうだと言ったら?」

杏子「ごめんなさい、あたしの旦那は神様だ。一応、神に仕える者の端くれさ」

中沢「無神論者からすると『もったいない』の一言だね」

53: 2012/04/16(月) 22:54:59.68 ID:MpyhFBrH0
杏子「あたしはプロテルタントなのさ。それで、注文は?」

中沢「まず飲み物は>>55。それから、ツマミとして>>58と>>59を頼む」

56: 2012/04/16(月) 22:55:56.05 ID:Au5eYCyL0
ただ…あれはほむほむの扱いがあまりに悲惨だったな…

63: 2012/04/16(月) 23:04:13.51 ID:MpyhFBrH0
中沢「まず、飲み物はただ…あれはほむほむの扱いがあまりに悲惨だったな… 」

中沢「ツマミとしてなめろうを」

杏子「よし、なめろう作るよ」

杏子(なめろうはともかく、『あれはほむほむの扱いがあまりに悲惨だったな』)

杏子(ほむらがあまりに悲惨な目にあう飲み物?)

杏子(なんだそれ?)

杏子(しかし、極力期待に答えたいとは思う)

杏子「まずはなめろうだぜ」

中沢「早いね。手つきも鮮やかだ」

杏子「へへっ、ありがとよ」

64: 2012/04/16(月) 23:06:52.02 ID:MpyhFBrH0
杏子「ほむら、ぐっすり眠ってる」

杏子「今日、ほむらが来たのも天の思し召しなのかな」

杏子「ほむら。あたしは一人でも多くの人を幸せにしたい」







杏子「へい、お待ち」

中沢「ふむ、クセは強いが不思議な魅力がある」

66: 2012/04/16(月) 23:09:02.34 ID:MpyhFBrH0
中沢「うん、旨い。揚げ豆腐でもお願いしようかな」

杏子「面倒くさいものを。少し時間がかかるぜ」

中沢「ああ、かまわないよ」

>>70「こんばんわ。うん、空いてるね」

杏子「いらっしゃい」



誰が来た?>>70

70: 2012/04/16(月) 23:10:34.70 ID:47MPNLWa0
上条

74: 2012/04/16(月) 23:13:19.26 ID:MpyhFBrH0
上条「こんばんわ。うん、空いてるね」

杏子「いらっしゃい」

上条「よ、中沢」

中沢「ちっ、幸せそうな顔しやがって、この勝ち組が」

杏子「・・・・・・ああ、あんたらか」

76: 2012/04/16(月) 23:15:57.26 ID:MpyhFBrH0
上条「店主にそんな顔されるといたたまれなくなるな」

杏子「すまん。ちょっとタイミングが悪かっただけでな。アンタらに非はない」

まどか「こんばんわ、杏子ちゃん。座っていいかな」

杏子「ああ、お好きな席にどうぞ。と言っても、カウンター席しかないがな」

恭介「中沢、隣いいか?」

中沢「ああ、いいよ」

82: 2012/04/16(月) 23:19:33.35 ID:MpyhFBrH0
杏子「注文は?」

恭介「ぼくは>>84(飲み物。無効安価なら下)」

まどか「私は>>87(飲み物。無効安価なら下)」

恭介「なにか食べたいものは?」

まどか「杏子ちゃん、>>90と>>93はある?」

84: 2012/04/16(月) 23:21:22.38 ID:ctjWZ9Ne0
ワカメ酒

87: 2012/04/16(月) 23:21:53.75 ID:m83RI8Vo0
テキーラ

86: 2012/04/16(月) 23:21:44.55 ID:n6C0YerF0
ドクターペッパー

93: 2012/04/16(月) 23:23:58.85 ID:ctjWZ9Ne0
スマイル

96: 2012/04/16(月) 23:26:52.96 ID:MpyhFBrH0
恭介「ぼくはわかめ酒」

まどか「私はテキーラ」

恭介「なにか食べたいものは?」

まどか「杏子ちゃん、ドクペとスマイルはある?」

杏子「ドクペはある。スマイルは1秒当たり1万五千円だ」

まどか「とりあえずドクぺちょうだい」

杏子「テキーラとドクペだな。食べ物はいいのか?」

恭介「あれ、僕のワカメ酒は?」

98: 2012/04/16(月) 23:28:54.42 ID:MpyhFBrH0
杏子「中沢、わかめ酒手伝ってくれたらお前の分の会計上条につけてやるぞ」

恭介「やめて、キノコ付きわかめ酒とか誰得だよ」

まどか「私、嫌いじゃないよ」

杏子「交渉成立だな」

中沢、恭介「「してねぇよ」」

99: 2012/04/16(月) 23:31:33.86 ID:MpyhFBrH0
まどか「恭介くん、男のくせにお酒弱いからビールちょうだい。男のくせに弱いから」

恭介「まどか、言葉が吐血しそうなくらい胸に刺さるよ。止めて」

まどか「てぃひひ、旦那さんのセクハラシーン見るのもそれなりに辛いんだよ」

恭介「ひっ、すみません」

杏子「意外と尻にしくタイプなんだよな」

101: 2012/04/16(月) 23:34:18.57 ID:MpyhFBrH0



恭介「酔った」

まどか「ほぼシラフ」

杏子「上条の数倍アルコール摂取してるのにな。血筋か?」

恭介「>>105」


1、弱音を吐く

2、還る

108: 2012/04/16(月) 23:40:30.00 ID:MpyhFBrH0
恭介「酔った」

まどか「ほぼシラフ」

杏子「上条の数倍アルコール摂取してるのにな。血筋か?」

恭介「気持ち悪い」

杏子「吐くなら外か便所にしろ」

109: 2012/04/16(月) 23:47:36.08 ID:MpyhFBrH0
恭介「冷たいね」

杏子「毎晩酔っぱらいの相手をしていりゃこうもなる」

恭介「ははっ、それもそうか」

恭介「大将は、過去について後悔したりするのかい?」

杏子「しない。絶対にしない」

杏子「後悔は自分への否定だ。迷っても、絶対に自分を信じる」

恭介「予想以上の断言だった」

111: 2012/04/16(月) 23:53:50.70 ID:MpyhFBrH0
恭介「過ちに気づいても後悔しないの?」

杏子「しないね。同じ轍は踏まないと誓うが、絶対に否定はしない」

杏子「半端な決断が一番悪い。誰一人幸せになれない」

杏子「人間は業の深い生き物さ。その罪を自覚して必氏に生きていくべきだ」

杏子「今度は一人できな。ゆっくり話に付き合ってやるよ」

まどか「私、お邪魔だった?」

杏子「うん」

112: 2012/04/16(月) 23:56:43.42 ID:MpyhFBrH0
まどか「ごめんね。私、ウザくてトロクて恭介君のこと大好きでごめんね」

恭介「ま、まどかは悪くないよ。僕が―――」



杏子「女は怖いねぇ。私には真似できそうにないよ」

杏子「恭介、次は一人で来なよ。ゆっくり話を聞いてやる」

まどか「恭介くん、好き」

恭介「まどか、愛してる」

113: 2012/04/17(火) 00:00:11.02 ID:4ov8t5U70





杏子「深夜2時。ボチボチお客さん来たな。少々やっかいなのもいたが」

杏子「今日はこの辺で閉店かな・・・・・・っと、いらっしゃい」

杏子「>>115」

115: 2012/04/17(火) 00:00:46.25 ID:ACjWAqyJ0
仁美じゃん

119: 2012/04/17(火) 00:09:15.29 ID:4ov8t5U70
杏子「いらっしゃい、仁美」

仁美「お邪魔しますわ」

杏子「ご注文は?」

仁美「何がありますの?」

杏子「ビールに焼酎、出来るものならカクテルもいけるよ」

杏子「ツマミやお食事もリクエストに答える形だ」

仁美「まぁ、では満貫全席」

杏子「本当に食えるんなら、近所の中華料理屋たたき起こして作らせるよ」

仁美「冗談ですわ。飲み物は>>121でおつまみは>>123にします」

123: 2012/04/17(火) 00:10:36.82 ID:UmKcsaCX0
ポテチ

126: 2012/04/17(火) 00:13:00.50 ID:4ov8t5U70
仁美「スピリタスをジョッキで。おつまみはポテチを」

杏子「カルビーは230円。手作りは520円」

仁美「手作りで」

杏子「はいよ。まずはスピリタスを出しとくよ」

128: 2012/04/17(火) 00:16:18.60 ID:4ov8t5U70
ジュー




杏子「嫌なことでもあったのかい?」

仁美「先ほど上条君夫妻を見かけましたの」

杏子「それはそれは、嫌なものを見ちまったね」

仁美「私は見たこともない相手とのお見合い結婚。かつて好きだった人は、片思いの相手とゴールイン」

仁美「飲みたくもなりますわ。おかわり」

杏子「・・・・・・ほどほどにな。先に言っておく、危なくなったら止めるからな」

132: 2012/04/17(火) 00:20:59.23 ID:4ov8t5U70
仁美「恋なんて、するもんじゃありませんわね」

杏子「さやかとは、あれからどうなんだい?」

仁美「一応の仲直りはしましたが、ギクシャクしたままですわね」

仁美「あの時、同じ相手を好きにならなければ今ごろ隣にいたかもしれませんわね」

杏子「そうかもしれないな。私だって、仲良く飲んでる姿が見たかったよ」

仁美「この世に神様がいるなら、きっと」

仁美「神様は人間が大っきらいなんでしょうね」

杏子「あたしは肯定できないよ。これでも、教会の娘さ」

仁美「そうでしたわね。ごめんなさい」

杏子「いいよ、ここはそういう場所だ。なんでも話してくれ」

135: 2012/04/17(火) 00:24:04.92 ID:4ov8t5U70
仁美「信用しますわ」

杏子「神に誓うが守秘義務は守るよ」

仁美「誓った相手は気に食わないけれど、あなたのことは信じます」

杏子「複雑な気分だねぇ。はいよ、ポテチ。おまけで白身フライもつけてやるぜ」

136: 2012/04/17(火) 00:26:30.56 ID:4ov8t5U70
仁美「後悔しています」

仁美「私がなんの打算もなく、安心して本音を打ち明けられる友人が出来たことは今まで一度だけ」

仁美「あの頃が懐かしい」

仁美「なんで人は誰かに恋してしまうんでしょうね」

仁美「それは傷しかつけない悲劇だというのに」

137: 2012/04/17(火) 00:28:41.44 ID:4ov8t5U70
杏子「恋したこと、後悔しているのかい?」

仁美「はい」

仁美「昔は後悔していないと言い張っておりましたが、限界です」

仁美「恋などしなければ良かった。したくなかった」

仁美「そのせいで、私はかけがいのない親友を二人も失ってしまったのですから」

杏子「ああ、もう閉店時間だ。看板をかけ直してくるよ」

141: 2012/04/17(火) 00:34:47.99 ID:4ov8t5U70
仁美「申し訳ありません。お会計を」

杏子「勘違いするなよ。あたしはあんたの親友にはなれないかもしれない」

杏子「けれど友人にはなれる」

杏子「人は誰かに頼らなければいつか折れてしまう」

杏子「だから、辛い時、悲しい時、心が折れそうな時は」

杏子「ここに来ればいい。あたしが支えてやるよ」

杏子「あたしの見立てによれば、あんたはまだ帰るべきじゃない」

杏子「しがない水商売だ。仁美の気が晴れるまで付き合ってやるよ」

143: 2012/04/17(火) 00:39:00.43 ID:4ov8t5U70
仁美「ふふっ、後悔したばかりだというのにまた恋をしてしまいそうですわ」

杏子「既婚者なんだから自重しな。そもそもあたしにそういう趣味はない」

杏子「威張れたことじゃないが、恋をしたこともない」

杏子「だからお前の辛さは分からない。けれど、話すことで楽になることもあるんだぜ」

仁美「半端な優しさは後の後悔を生みますわよ」

杏子「後悔なんてするはずない。例え後悔しても、それを認めない」

杏子「誰かに優しくするために、誰かの荷物を軽くしてやるためにこの店を始めたんだからね」

144: 2012/04/17(火) 00:43:14.44 ID:4ov8t5U70
杏子「上がってくれ。リビングでゆっくり聞かせてもらうよ」

仁美「ありがとうございます」






仁美「聖女様、私の懺悔と後悔と愚痴と恨みつらみを聞いてくださいますか」

杏子「ああ、もちろんです。全てを神の前に打ち明けなさい」

杏子「神は全てをお許し下さいます」

杏子「いつか、その想いも迷いも必ず―――」

仁美「聖女様、私は10年前、親友を――――」



おわり

引用: 杏子「料理屋さんです。お気軽にどうぞ」