799: 2013/11/06(水) 13:36:36 ID:Owd64uX.


第1話

第2話

第3話

第4話

~とある海~

その頃――

マンボウ(ふぅ、ようやく海に戻れた……)

マンボウ(本当に、何もかもが懐かしいわ……)

マンボウ(私のお仲間達も全員無事みたいね……)

マンボウ(このまま、何もなければ良いんだけど……)スイスイ
魔法の世界
800: 2013/11/06(水) 13:36:49 ID:Owd64uX.
マンボウ(でも、ここは今どの辺りの海なのかしら?……)

マンボウ(私、もしかして道に迷っちゃったとか?……)

マンボウ(けど、今は私のお仲間達も一緒にいる……)

マンボウ(私のお仲間達、ここが今どの辺りか分かるのかしら?……)スイスイ

魚の群れ「……」スイスイ

寄生虫の群れ「……」

801: 2013/11/06(水) 13:37:01 ID:Owd64uX.
マンボウ(あら? なんか懐かしい顔が……)

マンボウ(なんともまぁ、また大群でいらしたこと……)スイスイ

寄生虫の群れ「……」

マンボウ(もしかして、私達の事を狙ってる?……)

マンボウ(もしかしなくても、私達の事を狙ってるのよね?……)スイスイ

寄生虫の群れ「……」

802: 2013/11/06(水) 13:37:24 ID:Owd64uX.
マンボウ(とにかく、早くここから逃げなきゃ……)

マンボウ(そうしないと、また私の体に寄生虫さん達が来る……)スイスイ

寄生虫の群れ「……」

マンボウ(本当に、何で私達なんかに?……)

マンボウ(海に戻って早々、寄生虫さん達と再会するなんてね……)スイスイ

寄生虫の群れ「……」

803: 2013/11/06(水) 13:37:37 ID:Owd64uX.
マンボウB「げっ、寄生虫の群れだ!」

マンボウB「皆、逃げろ!」スイスイ

寄生虫の群れ「……」

マンボウB「皆、早く方向を変えろ!」

マンボウB「また、俺達の体に寄生虫が着くぞ!」スイスイ

寄生虫の群れ「……」

804: 2013/11/06(水) 13:37:49 ID:Owd64uX.
マンボウC「ぐっ、寄生虫が……」

マンボウC「また、俺達は寄生虫に住み着かれてしまうのか?……」スイスイ

寄生虫の群れ「……」

マンボウC「本当に、何でこんな事に……」

マンボウC「今の俺達、とことんついてねぇな……」スイスイ

マンボウD「うっ……!?」ピタッ

805: 2013/11/06(水) 13:38:02 ID:Owd64uX.
マンボウF「おいっ、どうした?……」

マンボウF「大丈夫か? マンボウD……」スイスイ

マンボウD「……」ズーーン

マンボウE「ぐっ、ぐはっ……」ピタッ

マンボウG「ぐはっ……」ピタッ

マンボウH「ぐはっ……」ピタッ

806: 2013/11/06(水) 13:38:13 ID:Owd64uX.
マンボウJ「ちょっと、皆どうしたのよ!?」

マンボウJ「何で、急に皆がバタバタ倒れていくの!?」スイスイ

マンボウ「!?」ガーーン

マンボウJ「皆、一体どうしたのよ!?」

マンボウJ「お願い、皆、目を覚まして!」スイスイ

マンボウ「……」スイスイ

807: 2013/11/06(水) 13:38:25 ID:Owd64uX.
マンボウC「くっ、この寄生虫が!」

マンボウC「てめぇら、絶対に許さねぇ!」スイスイ

寄生虫の群れ「……」

マンボウB「皆、早く方向を変えろ!」

マンボウB「じゃないと、俺達まで奴等の餌食になるぞ!」スイスイ

マンボウの氏骸「……」ズーーン

808: 2013/11/06(水) 13:38:38 ID:Owd64uX.
マンボウJ「けど、どうやって!?」

マンボウJ「私達、そう簡単に方向転換なんて出来ないわよ!?」スイスイ

寄生虫の群れ「……」

マンボウI「わあっ、寄生虫が!?」

マンボウI「お願い、こっちに来ないで!?」スイスイ

マンボウJ「うっ!?」ピタッ

809: 2013/11/06(水) 13:42:33 ID:Owd64uX.
マンボウB「くっ、仕方ない……」

マンボウB「皆、このまま全速力で突っ切れ!」

寄生虫の群れ「……」

マンボウB「皆、必ず生きて戻るんだ!」

マンボウB「寄生虫ごときに、また負けてたまるか!」スイスイ

マンボウJ「……」ズーーン

810: 2013/11/06(水) 13:43:07 ID:Owd64uX.
マンボウ(ああ、なんか嫌だわ……)

マンボウ(また、私達の体に寄生虫さんが入るんだ……)スイスイ

寄生虫の群れ「……」

マンボウ(他の皆は、バタバタと氏んでいっちゃうし……)

マンボウ(本当に、もう最悪だわ……)スイスイ

マンボウK「……」ピタッ

811: 2013/11/06(水) 13:43:19 ID:Owd64uX.
マンボウの群れ「……」スイスイ

魚の群れ「……」スイスイ

寄生虫の群れ「……」

マンボウの群れ「……」スイスイ

魚の群れ「……」スイスイ

寄生虫の群れ「……」

812: 2013/11/06(水) 13:43:33 ID:Owd64uX.
マンボウの群れ「……」スイスイ

魚の群れ「……」スイスイ

寄生虫の群れ「……」

マンボウの群れ「……」スイスイ

魚の群れ「……」スイスイ

寄生虫の群れ「……」

813: 2013/11/06(水) 13:43:45 ID:Owd64uX.
マンボウ(ふぅ、なんとか突っ切れたわ……)

マンボウ(皆も、なんとか逃げ切れた様ね……)スイスイ

マンボウB「……」スイスイ

マンボウ(相変わらず、私達の種族はストレスに弱い……)

マンボウ(本当に、どうして皆がバタバタと氏んでいくのかしら?……)スイスイ

マンボウC「……」スイスイ

814: 2013/11/06(水) 14:37:35 ID:Owd64uX.
マンボウB「よしっ、皆逃げ切れたか?」

マンボウB「一体、今何匹生き残れてる?」スイスイ

マンボウ「……」スイスイ

マンボウL「大体、俺達合わせて18匹だ……」

マンボウL「皆、さっきの寄生虫で大分やられたな……」ギュウン

マンボウB「そっ、そうか……」

815: 2013/11/06(水) 14:37:47 ID:Owd64uX.
マンボウL「それで、どうする?」

マンボウL「俺達、このままどこに行くんだよ?」スイスイ

マンボウ「……」スイスイ

マンボウL「このまま、泳いでいてもいずれは寄生虫にやられる!」

マンボウL「だから、早く目的地を決めといた方が良い!」スイスイ

マンボウ「……」スイスイ

816: 2013/11/06(水) 14:37:59 ID:Owd64uX.
マンボウN「けど、一体どこへ?」

マンボウN「私達、一体どこに行けば良いのよ?」スイスイ

マンボウ「……」スイスイ

マンボウN「また、このままだと皆殺されちゃう……」

マンボウN「私達、またあの寄生虫達に殺されちゃうわよ……」スイスイ

マンボウN「うっ……」ピタッ

817: 2013/11/06(水) 14:38:13 ID:Owd64uX.
マンボウW「おいっ、どうした!?」

マンボウW「また、一匹やられたぞ!」スイスイ

マンボウN「……」ズーーン

マンボウW「皆、早く逃げろ!」

マンボウW「ここにも、奴等の仲間がいる!」スイスイ

マンボウV「うっ、ぐはっ……」ピタッ

818: 2013/11/06(水) 14:38:29 ID:Owd64uX.
マンボウB「ぐっ、ぐはっ……」ピタッ

マンボウC「うっ、ぐぇっ……」ピタッ

マンボウ「!?」ガーーン

マンボウU「ぐっ、ぐはっ……」ピタッ

マンボウT「ぶばっ……」ピタッ

マンボウ「……」スイスイ

819: 2013/11/06(水) 14:38:41 ID:Owd64uX.
マンボウ「ちょっと、一体何なのよ!?」

マンボウ「何で、海に戻って早々こんな目に遭うの!?」スイスイ

マンボウW「……」ズーーン

マンボウ「皆、なんとか生き延びて!」

マンボウ「また、私一人なんて絶対に嫌よ!」スイスイ

マンボウV「……」ズーーン

820: 2013/11/06(水) 14:38:52 ID:Owd64uX.
マンボウO「落ち着け。マンボウA」

マンボウO「皆、必氏に逃げ切ろうとしてる!」スイスイ

マンボウ「……」スイスイ

マンボウO「皆、早くここから逃げるんだ!」

マンボウO「じゃないと、俺達まで奴等に殺されるんだぞ!」スイスイ

マンボウM「ぐっ!?」ピタッ

821: 2013/11/06(水) 14:39:04 ID:Owd64uX.
マンボウR「ぐっ、うぇっ……」ピタッ

マンボウX「うっ、ぐはっ……」ピタッ

マンボウ「……」スイスイ

マンボウQ「ぐっ、ぐはっ……」ピタッ

マンボウP「ぶばっ、ぶはっ……」ピタッ

マンボウ「あっ、ああっ……」スイスイ

822: 2013/11/06(水) 14:39:14 ID:Owd64uX.
マンボウS「皆、あれを見ろ!」

マンボウS「今度は、巨大な網が来た!」スイスイ

マンボウ「!?」ガーーン

マンボウS「このままだと、皆捕まる!」

マンボウS「早く逃げろ!」スイスイ

マンボウ「……」スイスイ

823: 2013/11/06(水) 14:39:25 ID:Owd64uX.
マンボウ(くっ、どうしたら?……)

マンボウ(私達、また捕まっちゃうの?……)スイスイ

マンボウE「うげゃ……」ピタッ

マンボウ(ああっ、また私のお仲間が倒れた……)

マンボウ(これ、もう全滅とかしちゃってるんじゃない?……)スイスイ

マンボウS「ぼこっ……」ピタッ

824: 2013/11/06(水) 14:40:50 ID:Owd64uX.
マンボウ(とりあえず、どうしよう?……)

マンボウ(皆、そう簡単に氏にすぎでしょう……)

マンボウE「……」ズーーン

マンボウ(その割りには、何故か私は生きている……)

マンボウ(一体、何がどうなっているのかしら?……)

マンボウS「……」ズーーン

825: 2013/11/06(水) 14:41:02 ID:Owd64uX.
マンボウF「マンボウA。大丈夫か?」

マンボウF「今の所、俺達三匹だけだ!」スイスイ

マンボウ「……」スイスイ

マンボウI「私達、大丈夫なのよね?……」

マンボウI「このまま、私達は網に掛かっちゃうのかしら?……」スイスイ

マンボウ「……」スイスイ

826: 2013/11/06(水) 14:41:14 ID:Owd64uX.
マンボウ「いっその事、このまま捕まってしまうのもよくない?」

マンボウ「つい最近まで、私達捕まったんだし」スイスイ

マンボウI「!?」ガーーン

マンボウF「ああ、それもありかもな」

マンボウF「今丁度、俺達は網の中に入り掛けているんだし」スイスイ

マンボウ「……」スイスイ

827: 2013/11/06(水) 14:41:47 ID:Owd64uX.
マンボウ「とりあえず、このまま入るわよ」

マンボウ「こんな所で氏ぬくらいなら、地元の漁師さん達に捕まった方が楽よ」スイスイ

マンボウF「ああ、同感だな」スイスイ

マンボウ「マンボウI、そのまま私達に着いてきて」

マンボウ「まだ、網に掛かってた方が遥かにマシみたいだから」スイスイ

マンボウI「……!?」ピタッ

828: 2013/11/06(水) 14:41:59 ID:Owd64uX.
マンボウF「おっ、おいっ……」

マンボウF「一体、どうしたんだ?……」

マンボウI「……」ズーーン

マンボウF「くそっ、マンボウIがやられた!」

マンボウF「マンボウIまでやられたぞ!」

マンボウF「うっ……!?」ピタッ

829: 2013/11/06(水) 14:42:11 ID:Owd64uX.
マンボウ(あっ、私達のお仲間達が全滅した……)

マンボウ(結局、皆、氏んじゃうんだ……)スイスイ

マンボウF「……」ズーーン

マンボウ(このまま、私は網に掛かる……)

マンボウ(また、誰かに私は捕獲されちゃうんだ……)スイスイ

マンボウI「……」ズーーン

830: 2013/11/06(水) 14:42:23 ID:Owd64uX.
マンボウ(とりあえず、このまま網に入るのだけは止めとこ……)

マンボウ(と言うか、この網穴開いてるわよ……)スイスイ

網「……」

マンボウ(今の内に、ここを抜けよう……)

マンボウ(本当に、無駄に私は悪運だけは、かなり強いのね……)スイスイ

網「……」

831: 2013/11/06(水) 19:19:43 ID:Owd64uX.
~とある砂浜2~

魔法使い「ぶっ、ぶはっ……」

魔法使い「ぶはっ、おえっ……」ゲロロッ

魔術師「……」

エルフ母「……」

ザザーーン、ザザーーン……

832: 2013/11/06(水) 19:20:15 ID:Owd64uX.
魔法使い「ぐっ、ぐはっ……」

魔法使い「ぶははっ、うっ、おえっ……」ゲロロッ

魔術師「……」

魔法使い「おおっ、おえっ……」

魔法使い「おえっ、おおえっ……」ゲロロッ

エルフ母「……」

833: 2013/11/06(水) 19:20:29 ID:Owd64uX.
魔法使い「……」

魔法使い「……」

魔術師「……」

魔法使い「……」

魔法使い「……」

エルフ母「……」

834: 2013/11/06(水) 19:20:41 ID:Owd64uX.
魔法使い「……」

魔法使い「……」バタッ

魔術師「……」

魔法使い「……」

魔法使い「……」ガクッ

エルフ母「……」

835: 2013/11/06(水) 19:20:56 ID:Owd64uX.
魔術師「ふふっ、これでXXXX君は私のモノになった!」

魔術師「後は、XXXX君と結婚するだけね!」ニヤニヤ

魔法使い「……」

魔術師「本当に、エルフの里の惚れ薬は凄い!」

魔術師「これ、大体どれくらいの効果があるんですか?」ニヤニヤ

魔法使い「……」

836: 2013/11/06(水) 19:21:07 ID:Owd64uX.
エルフ母「薬の効果が切れるのは、XXXXさんが氏ぬまでです」

エルフ母「XXXXさんが自力でそれを解いたとしても、既に無駄」

エルフ母「たとえ、XXXXさんが婚姻の無効を訴えたとしても、誰の手元には証拠はない」

エルフ母「離婚に関しては、そう簡単にはすぐには出来ません」

エルフ母「何故なら、法がそうなっているんですからね」ニヤニヤ

ザザーーン、ザザーーン……

837: 2013/11/06(水) 19:22:34 ID:Owd64uX.
魔術師「エルフさん。本当にありがとうございました!」

魔術師「これで、ようやく私の悲願が叶います!」

魔術師「もし仮に、エルフさんがまたここを訪れる機会がありましたら、会いに来て下さい!」

魔術師「XXXX君も、エルフさん達の事を歓迎してくれますから!」ニコニコ

エルフ母「はい、かしこまりました!」ニコニコ

魔法使い「……」

838: 2013/11/06(水) 19:22:46 ID:Owd64uX.
エルフ母「それじゃあ、私達はこれで」

エルフ母「XXXXさんとお幸せに」ペコッ

魔術師「はい。さようなら!」ペコッ

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ……

839: 2013/11/06(水) 19:22:58 ID:Owd64uX.
従者A「奥様。出立の用意が出来ました!」

従者A「いつでも、出立が出来ます!」

魔術師「……」

エルフ母「ええ、分かったわ」

エルフ母「娘は、ちょっと大人しくしてるのよね?」

従者A「はい。大丈夫です」

840: 2013/11/06(水) 19:23:12 ID:Owd64uX.
エルフ母「総員。これから、エルフの里に戻るわ!」

エルフ母「さぁ、早く進みなさい!」

従者達「はっ!」

従兵隊長「第一分隊、前へ!」

従兵隊長「進め!」

パカパカパカッ、パカパカパカッ……

841: 2013/11/06(水) 19:23:44 ID:Owd64uX.
スッ、ガチャ……

スタッ、スタッ……

スッ、バタン……

常用馬車「……」

クルッ、スタスタスタッ……

ザザーーン、ザザーーン……

842: 2013/11/06(水) 19:26:09 ID:Owd64uX.
従者B「従者A。早くしろ!」

従者B「次の馬車が出せないだろ!」

従者A「ああ、すまんすまん」

従者隊長「第二分隊、前へ!」

従者隊長「第一分隊との距離をある程度離して、進め!」

パカパカパカッ、パカパカパカッ……

843: 2013/11/06(水) 19:26:42 ID:Owd64uX.
スッ、スタッ……

スッ、ムギュッ……

従者A「奥様。これより、馬車を動かします」

従者A「少し、馬車が揺れると思いますが、どうかご容赦を」

「ええ、了解したわ」

従者A「……」パシン

844: 2013/11/06(水) 19:26:54 ID:Owd64uX.
パカパカパカッ、ガラガラガラッ……

パカパカパカッ、ガラガラガラッ……

魔術師「……」

パカパカパカッ、ガラガラガラッ……

パカパカパカッ、ガラガラガラッ……

魔法使い「……」

845: 2013/11/06(水) 19:27:07 ID:Owd64uX.
パカパカパカッ、ガラガラガラッ……

パカパカパカッ、ガラガラガラッ……

魔術師「……」

パカパカパカッ、ガラガラガラッ……

パカパカパカッ、ガラガラガラッ……

魔法使い「……」

846: 2013/11/06(水) 19:27:31 ID:Owd64uX.
魔術師「さよなら。エルフさん!」

魔術師「また、機会があったらここに来て下さいね!」ニコニコ

魔法使い「……」

魔術師「次に、お会いする時には、必ず子供が生まれていると思います!」

魔術師「多分、私似のとても可愛い可愛い娘が生まれているでしょうね!」ニコニコ

ザザーーン、ザザーーン……

847: 2013/11/06(水) 19:27:43 ID:Owd64uX.
魔術師「エルフさん。本当に、色々と有り難うございました!」

魔術師「これからは、XXXX君と共に二人で幸せな家庭を築いていきます!」ニコニコ

パカパカパカッ、パカパカパカッ……

魔法使い「本当に、色々とお世話になりました!」

魔法使い「短い間でしたが、エルフさん達の事は一生忘れません!」ニコニコ

パカパカパカッ、パカパカパカッ……

848: 2013/11/06(水) 19:27:56 ID:Owd64uX.
パカパカパカッ、ガラガラガラッ……

パカパカパカッ、ガラガラガラッ……

魔術師「……」

パカパカパカッ、ガラガラガラッ……

パカパカパカッ、ガラガラガラッ……

魔法使い「……」

849: 2013/11/06(水) 19:28:09 ID:Owd64uX.
パカパカパカッ、ガラガラガラッ……

パカパカパカッ、ガラガラガラッ……

魔術師「……」

パカパカパカッ、ガラガラガラッ……

パカパカパカッ、ガラガラガラッ……

魔法使い「……」

850: 2013/11/06(水) 19:28:22 ID:Owd64uX.
魔術師「さてっ、私達も戻ろうか?」

魔術師「これから、うんと忙しくなるんだし!」クルッ

魔法使い「……」

魔術師「XXXX君。もう逃げないでね!」

魔術師「今夜は、一緒に生まれたままの姿になろうよ!」ニコニコ

魔法使い「……」

851: 2013/11/06(水) 19:28:34 ID:Owd64uX.
魔術師「XXXX君。私、初めてだから優しくしてね!」

魔術師「あまり、乱暴に動いたりはしないでね!」

魔術師「まぁ、次に目を覚ました時には、もう既にXXXX君は私だけのモノなんだし!」

魔術師「たとえ、XXXX君がどこへ逃げようとも、私はどこまでも追いかけて行くからね!」ニコニコ

魔法使い「……」

ザザーーン、ザザーーン……

852: 2013/11/07(木) 11:27:39 ID:.gI/SGT6
~とある漁港~

数年後――

漁師「組合長。また駄目です!」

漁師「全ての網が、完全に破られています!」

漁師「ここ最近、ろくに魚が取れていません!」

漁師「俺達、このままやっていけるんでしょうか?」アセアセッ

853: 2013/11/07(木) 11:27:51 ID:.gI/SGT6
漁師B「組合長。俺達どうなるんですか?」

漁師B「俺達、本当に生活出来るんですか?」

漁師B「俺、つい最近になって結婚したばかりなんです!」

漁師B「このままだと、妻に実家に帰られるかもしれないんですよ!」アセアセッ

組合長「……」

漁師「……」アセアセッ

854: 2013/11/07(木) 11:28:04 ID:.gI/SGT6
漁師C「組合長。自分とこもです!」

漁師C「このままだと、今後の生活に大きく支障が出てきます!」

漁師C「今度、給金が滞ったら妻に出ていかれます!」

漁師C「自宅の家賃も、大家さんに事情を説明して待って貰っているんです!」アセアセッ

組合長「……」

漁師達「……」アセアセッ

855: 2013/11/07(木) 11:28:38 ID:.gI/SGT6
漁師「組合長。なんとかして下さい!」

漁師「町の商人達は、他所で魚を仕入れ出しております!」

漁師「このままだと、本当に廃業ですよ!」

漁師「一体、領主様は何をされているんですか?」

組合長「……」

漁師達「……」アセアセッ

856: 2013/11/07(木) 11:28:51 ID:.gI/SGT6
漁師「組合長。これ以上は、もう無理です!」

漁師「魚が取れない以上、俺達の仕事はもうお終いです!」

漁師「なんとか、あの時の子持ちのエルフさんに連絡をつけられないんですか?」

漁師「あの人さえ来てくだされば、全ての問題を解決してくれそうな気がするんです!」アセアセッ

組合長「……」

ザザーーン、ザザーーン……

857: 2013/11/07(木) 11:29:11 ID:.gI/SGT6
漁師B「組合長。あの子持ちのエルフさんの連絡先は?」

漁師B「エルフの里には、もう連絡をしたのですか?」アセアセッ

組合長「……」

漁師B「俺達、このままだと本当にお終いです!」

漁師B「今度は、一体どうやって生活をしていけばいいんだ!」アセアセッ

漁師達「……」アセアセッ

858: 2013/11/07(木) 11:29:22 ID:.gI/SGT6
漁師F「組合長。自分とこもです!」

漁師F「このままだと、今後の生活に大きく支障が出てきます!」

漁師F「ただ唯一、自分が捕獲したのは巨大なモンスター一体のみ!」

漁師F「そう、それも、“自分はただの魚”だと何度も何度も言い張っております!」

組合長「!?」

漁師「なっ!?」

859: 2013/11/07(木) 11:29:33 ID:.gI/SGT6
組合長「漁師F。どう言う事だ?」

組合長「そのモンスター、本当に人間の言葉が話せるのか?」

漁師F「はい」

組合長「なら、そのモンスターは今どこにいる?」

組合長「まだ、そのモンスターを頃したりはしてないよな?」

漁師F「ええ、大丈夫ですが」

860: 2013/11/07(木) 11:29:46 ID:.gI/SGT6
組合長「漁師F。至急、そのモンスターを保管している所にまで案内しろ!」

組合長「お前、確か新人だったな?」

組合長「新人の割りにはよくやってくれた!」

組合長「本当に、お前はよくやってくれたぞ!」ピカァ

漁師「ええ、そうですね!」ピカァ

漁師F「……?」

861: 2013/11/07(木) 11:29:57 ID:.gI/SGT6
漁師「あの、今のどう言う事ですか?」

漁師「自分が捕獲したモンスターは、そんなに価値があるんですか?」

組合長「ああ、そうだ!」ニヤニヤ

漁師「と言う事は、俺達このままやっていける!」

漁師「組合の尽き掛けていた予算や月々の給金の問題等も、全てそのモンスターが解決をしてくれると言う訳だ!」ニヤニヤ

ザザーーン、ザザーーン……

862: 2013/11/07(木) 11:32:21 ID:.gI/SGT6
漁師F「でも、それはただのモンスターですよ!」

漁師F「今回は、偶々珍しい形をしていたから、捕獲しただけなんですけど!」

漁師F「あのモンスターって、誰か買い取ってくれるのですか?」

漁師F「あんな形をした魚の様なモンスター、今まで一度も見た事がないんですが?」

組合長「ああ、まあな」ニヤニヤ

漁師「最初は、皆そう言うんだよ」ニヤニヤ

863: 2013/11/07(木) 11:32:34 ID:.gI/SGT6
漁師B「とりあえず、お前は組合長をそのモンスターが保管されている所に案内しろ!」

漁師B「後は、俺達で上手くやっておく!」

漁師B「以前、俺達はある方と取引をした!」

漁師B「その方とは、珍しい魚が水揚げをされた時には、その魚をすぐに引き渡す!」

漁師B「実際、ただの研究目的なら別に良いんだ!」

漁師B「まぁ、たとえ現金で取引したとしても、領主様にバレなきゃ別に良いんだよ!」ニヤニヤ

864: 2013/11/07(木) 11:32:46 ID:.gI/SGT6
漁師F「……はい。分かりました」

漁師F「早速、組合長をご案内致します」

漁師F「今、そのモンスターは魔法使いのXXXXさんの所に」

漁師F「以前から、XXXXさんはそのモンスターを何度も何度も目撃をされていましてね」

漁師F「つい最近、出産を終えた奥様と研究をなされている様です」

組合長「ほう」ニヤニヤ

865: 2013/11/07(木) 11:32:57 ID:.gI/SGT6
漁師B「よしっ、漁師F。組合長を頼むぞ!」

漁師B「他の皆は、引き続き漁や出荷の準備等を頼む!」

漁師B「後、新人の漁師Dと漁師Eは、出荷等の手伝い!」

漁師B「さぁ、皆すぐに取りかかるんだ!」

漁師達「お――っ!」

組合長「……」

866: 2013/11/07(木) 11:33:09 ID:.gI/SGT6
クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

組合長「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ザザーーン、ザザーーン……

867: 2013/11/07(木) 11:33:21 ID:.gI/SGT6
漁師F「組合長。行きましょう」

漁師F「今から、自分がご案内致します」

組合長「うむ。頼む」

漁師「あのモンスター、あのまま捕獲しておいて良かったですね」

漁師「あのモンスターがいなければ、俺達の給金すら入らなかったんですから」ニヤニヤ

組合長「ああ、そうだな」ニヤリ

868: 2013/11/07(木) 11:33:32 ID:.gI/SGT6
組合長「けど、お前よく取れたな?」

組合長「あれ、結構重くなかったか?」

漁師F「ええ、大丈夫でした」

漁師「とりあえず、早く行くぞ」

漁師「さっさと確認して、領主様に出荷の許可を取らなくちゃいけねぇんだから」

漁師F「はい。かしこまりました」

869: 2013/11/07(木) 11:33:46 ID:.gI/SGT6
クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

漁師D「……」テキパキ

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

漁師C「……」テキパキ

870: 2013/11/07(木) 11:34:03 ID:.gI/SGT6
漁師B「漁師E。網確認しろ!」

漁師B「それ確認し終えたら、破れた網をすぐ処分するんだ!」

漁師E「はい!」

漁師B「漁師D。お前も手伝ってやれ!」

漁師B「次は、ちゃんと破れない様にしとくんだそ!」

漁師E「はっ!」

871: 2013/11/07(木) 11:34:15 ID:.gI/SGT6
漁師C(まさか、再びあのモンスターと出会えるとはな……)

漁師C(あの後、必氏に願っておいた甲斐があった……)

漁師C(これで、全ての問題が解決するみたいだし……)

漁師C(本当に、あのモンスターには感謝しないとな……)

漁師C「……」ニヤリ

ザザーーン、ザザーーン……

872: 2013/11/07(木) 12:26:38 ID:.gI/SGT6
~とある民家2~

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」ポロポロッ

魔法使い「……」カキカキ

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」ポロポロッ

873: 2013/11/07(木) 12:26:50 ID:.gI/SGT6
赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」ポロポロッ

魔法使い「……」カキカキ

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」ポロポロッ

スッ、ガチャ……

874: 2013/11/07(木) 12:27:22 ID:.gI/SGT6
魔術師「ああ、ごめんなさいね」

魔術師「そろそろ、ミルクの時間帯だったかしら?」ニッコリ

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」ポロポロッ

魔術師「はいはい。今からミルクあげるから」

魔術師「そこで、ちょっと待っていてね」ニコニコ

875: 2013/11/07(木) 12:27:42 ID:.gI/SGT6
魔法使い「XXXXX。お帰り」

魔法使い「今、泣き出した所だよ」ピタッ

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」ポロポロッ

魔法使い「赤ん坊って、よく泣くんだね」クルッ

魔法使い「ボク達も、昔はこんなんだったのかな?」ニッコリ

876: 2013/11/07(木) 12:27:59 ID:.gI/SGT6
魔術師「ええ、そうなんでしょうね」

魔術師「この子を見てたら、自分達の親の苦労が見て取れるわ」

魔術師「ねぇ、XXXX。また、あのモンスターを手に入れたの?」

魔術師「今日は、また一段と大きなモンスターを手に入れたみたいだけど」ニコニコ

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」ポロポロッ

877: 2013/11/07(木) 12:28:11 ID:.gI/SGT6
魔法使い「うん。そうだよ」

魔法使い「あれ、ちょっと預かってるだけなんだけど」

魔法使い「なんか、つい最近入った新人さんが捕獲したみたいでね」

魔法使い「それで、あの魚をボクが預かっていると言う訳」ニコニコ

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」ポロポロッ

878: 2013/11/07(木) 12:28:31 ID:.gI/SGT6
魔術師「へぇ、そうなんだ」

魔術師「だから、アレがまた増えたんだ」

魔術師「ここ最近、よくアレを捕まえているわね」

魔術師「やっぱり、あの時のアレがまだ影響をしているのかしら?」ニコニコ

魔法使い「うん。多分ね」ニコニコ

スッ、バタン……

879: 2013/11/07(木) 12:28:44 ID:.gI/SGT6
赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」ポロポロッ

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」

赤ん坊「おぎゃーーっ、おぎゃーーっ、おぎゃーーっ!」ポロポロッ

スタスタスタッ、ピタッ……

880: 2013/11/07(木) 12:29:03 ID:.gI/SGT6
スッ、パチッ……

パチッ、パチッ……

スッ、シュルシュル……

魔術師「……」

魔法使い「……」

赤ん坊「……」ピクッ

881: 2013/11/07(木) 12:29:34 ID:.gI/SGT6
スッ、ムギュッ……

チューーッ、チューーッ……

チューーッ、チューーッ……

赤ん坊「……」

チューーッ、チューーッ……

チューーッ、チューーッ……

882: 2013/11/07(木) 12:31:38 ID:.gI/SGT6
魔法使い「ああ、泣き止んだね」

魔法使い「そんなに、ママと離れるのは嫌だったのかな?」ニコニコ

チューーッ、チューーッ……

魔法使い「次は、ボクが君のミルクを飲みたい!」

魔法使い「娘が飲むの終わったら、今度はボクが君のミルクを飲みたいなぁ!」ニコニコ

チューーッ、チューーッ……

883: 2013/11/07(木) 12:31:51 ID:.gI/SGT6
魔術師「XXXX。駄目!」

魔術師「そんな事をしたら、XXXの分がないでしょ?」

魔術師「ミルクが飲みたいのなら、近くにある牧場にでも行ってきたら?」

魔術師「そこでなら、絞り立てのミルクを飲ませてくれると思うけど」ニコニコ

魔法使い「ええ~~っ!」

トントン、トントン……

884: 2013/11/07(木) 12:32:03 ID:.gI/SGT6
「すみません。魔法使いのXXXXさん」

「漁師組合の漁師Fです。ご在宅ですか?」

魔法使い「ん?」クルッ

トントン、トントン……

「XXXXさん。ご在宅でしょうか?」

「ついさっき預けたモンスターの件なんですが!」

885: 2013/11/07(木) 12:32:18 ID:.gI/SGT6
スッ、ムクッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、クルッ……

スッ、ガチャ……

魔法使い「……」

漁師F「……」ペコッ

886: 2013/11/07(木) 12:32:32 ID:.gI/SGT6
漁師F「XXXXさん。おはようございます」

漁師「少し、お時間の方は宜しいでしょうか?」ニッコリ

魔法使い「ええ、構いませんが」

漁師「今日は、朝早くから誠に申し訳ありません!」

漁師「今朝預けたモンスターの件で、お伺いをさせて頂きました!」

組合長「……」

887: 2013/11/07(木) 12:32:46 ID:.gI/SGT6
魔法使い「それで、そのモンスターの件とは?」

魔法使い「もう、お預かりをしなくても宜しいのですか?」

魔術師「……」

漁師「ええ、実はアレをこれから出荷する事になりました!」

漁師「それで、あのモンスターをすぐにお返し願いたいのですが!」

組合長「……」

888: 2013/11/07(木) 12:32:58 ID:.gI/SGT6
魔法使い「ええ、それは構いませんよ」

魔法使い「しかしまた、急な話ですね」

魔術師「……」

組合長「実は、とあるお方からの出荷の依頼がありましてな!」

組合長「それで、今回はこうして失礼を承知でお伺いをしたと言う訳です!」

魔法使い「は、はぁ……」

889: 2013/11/07(木) 12:33:10 ID:.gI/SGT6
組合長「それで、あのモンスターは今どこに?」

組合長「今は、生け簀の中で飼育されておられるのですか?」

魔法使い「ええ、そうです」

組合長「なら、早速そのモンスターの元まで案内して頂きたい!」

組合長「こっちも、急な出荷で大忙しなんです!」

漁師F「……」

890: 2013/11/07(木) 12:33:24 ID:.gI/SGT6
魔法使い「分かりました。ご案内致します」

魔法使い「XXXXX。ちょっと、出掛けてくるね」クルッ

魔法使い「すぐに、また戻ってくるから」

魔法使い「君は、ここで娘と共に待っていて」ニッコリ

魔術師「ええ、了解したわ」ニッコリ

組合長「……」

891: 2013/11/07(木) 12:33:36 ID:.gI/SGT6
組合長「では、早速参りましょう」

組合長「本当に、今日は色々とご迷惑をお掛けして誠に申し訳ない」ペコッ

漁師F「……」ペコッ

魔法使い「いえいえ」

クルッ、スタスタスタッ……

スッ、バタン……

892: 2013/11/07(木) 12:34:23 ID:.gI/SGT6
魔術師「あら? もう良いの?」

魔術師「もう、ミルクは飲みたくないの?」

赤ん坊「……」ニコニコ

魔術師「それじゃあ、またゆっくりとお昼寝しようね」

魔術師「今はパパもママも、お仕事が忙しいから」ニッコリ

赤ん坊「たぁや……」ニコニコ

893: 2013/11/07(木) 12:34:35 ID:.gI/SGT6
魔術師(けど、何で急にあのモンスターを?)

魔術師(あのモンスターって、そんなに需要とかあるの?)

魔術師(まぁ、今はそんな事を気にする必要はないみたいだし)

魔術師(今の私には、この子とXXXXがいるからね!)ニコニコ

赤ん坊「……」ニコニコ

魔術師「♪~~♪~~♪」ニコニコ

894: 2013/11/07(木) 14:21:39 ID:.gI/SGT6
~どこかの砂浜~

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

娘「……」

母「……」

ザザーーン、ザザーーン……

895: 2013/11/07(木) 14:21:51 ID:.gI/SGT6
スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

娘「……」

母「……」

娘「あっ……」

ピタッ、ピタッ……

896: 2013/11/07(木) 14:22:11 ID:.gI/SGT6
娘「ねぇ、お母様……」

娘「あれ、何かしら?……」

娘「なんか、あそこに何かが打ち上げられているんだけど……」

マンボウ「……」

母「ああ、本当だわ」

母「一体、何が打ち上げられているのかしら?」

897: 2013/11/07(木) 14:22:22 ID:.gI/SGT6
娘「とりあえず、近づいてみる?……」

娘「私、アレ物凄くきになっちゃったんだけど……」

マンボウ「……」

母「いや、それは止めといた方がいいんじゃない?」

母「アレ、もしかしたらモンスターかもしれないから」

娘「え?」

898: 2013/11/07(木) 14:22:34 ID:.gI/SGT6
老剣士「おいっ、あんたらそこから離れろ!」

老剣士「あそこに打ち上げられているのは、モンスターだぞ!」ヌッ

母子「!?」ガーーン

老剣士「今、俺の仲間が兵士を呼びに行った!」

老剣士「だから、早く逃げるんだ!」

スッ、スタッ……

899: 2013/11/07(木) 14:22:46 ID:.gI/SGT6
母「ああ、アレやっぱりモンスターなんだ!」

母「娘、早くここから離れるわよ!」グイッ

娘「……」

母「娘。私の言う事を聞きなさい!」

母「あんたも、お父さんみたいにモンスターに食べられたいの!」クルッ

ザザーーン、ザザーーン……

900: 2013/11/07(木) 14:22:58 ID:.gI/SGT6
老剣士「早く、早くあんたらも逃げるんだ!」

老剣士「あのモンスターは、何故か人間の言葉を話せる!」

老剣士「今さっき、それが発覚して兵士を呼びに行った!」

老剣士「だから、あんたらも早く逃げるんだ!」

母子「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

901: 2013/11/07(木) 14:23:10 ID:.gI/SGT6
マンボウ(もう、失礼しちゃうわね……)

マンボウ(私、本当にただのお魚なのに……)

マンボウ(また、私ったら居眠りをしちゃってたわ……)

マンボウ(このままだと、確実に息の根を止められてしまうわ……)ウルウル

老剣士「……」

スチャ、スラァン……

902: 2013/11/07(木) 14:23:22 ID:.gI/SGT6
マンボウ(ああ、なんかあの老剣士が剣を抜いた……)

マンボウ(私、あの剣で止めを刺されちゃうんだ……)ウルウル

老剣士「……」ジリジリッ

マンボウ(私、まだ泳ぎ足りてないのに……)

マンボウ(まだまだ、ゆったりと海を自由に泳いでいたいのに……)ウルウル

老剣士「……」ジリジリッ

903: 2013/11/07(木) 14:23:34 ID:.gI/SGT6
マンボウ(出来れば、また奇跡が起きて欲しいなぁ……)

マンボウ(また、私は海を自由に泳げないかしら?……)ウルウル

老剣士「……」ジリジリッ

マンボウ(どうやら、それは無理みたいね……)

マンボウ(今の私、絶対絶命のピンチみたいだし……)ウルウル

老剣士「……」ジリジリッ

904: 2013/11/07(木) 14:25:23 ID:.gI/SGT6
マンボウ(とりあえず、もう寝ようかしら?……)

マンボウ(私は、もう駄目みたいだし……)

マンボウ(ああ、なんか息が苦しくなってきた……)

マンボウ(もう私、完全に駄目みたいね……)ウルウル

老剣士「……」ピタッ

ザザーーン、ザザーーン……

905: 2013/11/07(木) 14:25:34 ID:.gI/SGT6
老剣士「おいっ、そこのお前。まだ息はあるのか?」

老剣士「そのまま、一人で氏ねるか?」

マンボウ「……?」ウルウル

老剣士「もし仮に、それが無理なら俺が止めを刺してやる!」

老剣士「今のお前、完全に氏にかけみたいだからな!」

マンボウ「……」ウルウル

906: 2013/11/07(木) 14:25:45 ID:.gI/SGT6
マンボウ「出来れば、まだ氏にたくはないわ……」

マンボウ「私、まだ海を自由に泳いでいたい……」ウルウル

老剣士「!?」

マンボウ「ねぇ、そこのあなた、少しお願いがあるの……」

マンボウ「このまま、私を海に戻して……」

マンボウ「お願い……」ウルウル

907: 2013/11/07(木) 14:26:05 ID:.gI/SGT6
老剣士「お前、海に戻りたいのか?」

老剣士「モンスターでも、郷愁とか言うものがあるんだな」

マンボウ「……」ウルウル

老剣士「前にも、俺はお前と似た様なモンスターと出会った」

老剣士「まぁ、そいつは“ただの女の見苦しいハーフエルフだった”がな」

マンボウ「……」ウルウル

908: 2013/11/07(木) 14:26:17 ID:.gI/SGT6
老剣士「なら、お前にも問う?」

老剣士「何故、そこまでして生きたいのだ?」

老剣士「どうして、お前はそこまで生きる事にこだわるのだ?」スッ

マンボウ「……」ウルウル

老剣士「今の俺からしてみれば、お前等生きる価値はない!」

老剣士「モンスターは、全てこの世から殲滅されるべきなのだ!」

909: 2013/11/07(木) 14:26:29 ID:.gI/SGT6
老剣士「まぁ、今のお前に何も言っても分からぬか」

老剣士「結局、騎士XXはお前の仲間に殺されたのだからな」

老剣士「この世に、お前は生まれてきた事だけを恨め!」

老剣士「今のお前は、本当に生きる価値すらないんだからな!」

マンボウ「!?」ガーーン

ザザーーン、ザザーーン……

910: 2013/11/07(木) 14:26:40 ID:.gI/SGT6
スッ、グサッ……

プシューーーーッ……

マンボウ「――――――――っ!?」ウルウル

グサッ、グサッ……

グサッ、グサッ……

プシューーーーッ……

911: 2013/11/07(木) 14:26:52 ID:.gI/SGT6
マンボウ「はぁ、はぁ……」

マンボウ「はぁ、はぁ……」ウルウル

ポタポタポタッ、ポタポタポタッ……

マンボウ「はぁ、はぁ……」

マンボウ「はぁ、はぁ……」ウルウル

ポタポタポタッ、ポタポタポタッ……

912: 2013/11/07(木) 14:27:03 ID:.gI/SGT6
マンボウ「……」

マンボウ「……」

ポタポタポタッ、ポタポタポタッ……

マンボウ「……」

マンボウ「……」ガクッ

スッ、カシャン……

913: 2013/11/07(木) 14:27:14 ID:.gI/SGT6
老剣士「……」ブツブツ

老剣士「……」ブツブツ

老剣士「……」ブツブツ

老剣士「……」ブツブツ

老剣士「はっ!」ボワッ

ゴゴゴゴッ、ゴゴゴゴッ……

914: 2013/11/07(木) 14:28:58 ID:.gI/SGT6
老剣士「さらばだ。名も無きモンスター!」

老剣士「お前も、そこで安らかに眠れ!」

老剣士「恨むなら、お前の運の無さを恨め!」

老剣士「所詮、お前はただのモンスター!」

老剣士「モンスターは、全てこの世から殲滅されるべきなのだ!」

ザザーーン、ザザーーン……

915: 2013/11/07(木) 14:29:10 ID:.gI/SGT6
老剣士「これで、また一匹モンスターが減ったな!」

老剣士「後は、各地に増殖した同種のモンスターを討伐するだけか!」

老剣士「騎士XX。必ず、貴殿の仇を討ってやる!」

老剣士「それが、今の俺に出来るせめてもの供養なのだからな!」

マンボウ「……」

ゴゴゴゴッ、ゴゴゴゴッ……

916: 2013/11/07(木) 14:29:29 ID:.gI/SGT6
クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ゴゴゴゴッ、ゴゴゴゴッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、ピタッ……

ゴゴゴゴッ、ゴゴゴゴッ……

917: 2013/11/07(木) 14:29:59 ID:.gI/SGT6
老剣士「……」ブツブツ

老剣士「……」ブツブツ

ゴゴゴゴッ、ゴゴゴゴッ……

老剣士「……」ブツブツ

老剣士「……」ブツブツ

シューーーーッ、シュン……

918: 2013/11/07(木) 14:30:11 ID:.gI/SGT6
マンボウ「……」

マンボウ「……」

ゴゴゴゴッ、ゴゴゴゴッ……

マンボウ「……」

マンボウ「……」

ゴゴゴゴッ、ゴゴゴゴッ……

919: 2013/11/07(木) 14:30:22 ID:.gI/SGT6
マンボウ「……」

マンボウ「……」

ゴゴゴゴッ、ゴゴゴゴッ……

マンボウ「……」

マンボウ「……」

ザザーーン、ザザーーン……

マンボウ「あの、私、ただの魚なんですけど……」/完

920: 2013/11/07(木) 14:30:50 ID:.gI/SGT6
これで、このお話は終わりです。

このお話を読んで頂き、本当にありがとうございました。

921: 2013/11/07(木) 19:31:26 ID:GzuM4qs2
完結おつ!
この独特な感じ好き

引用: マンボウ「あの、私、ただの魚なんですけど……」