1: 2008/08/14(木) 22:31:14.06 ID:5i065hf20
ジュン「急にどうしたんだ?紅茶飽きたのか?」

紅「そうじゃないわ。今でも紅茶は大好きよ。ただ知りたいだけ、『この世に紅茶より美味しいものがあるのか』、という事をね。」

ジ「ふーん…悪いけど僕は紅茶好きのお前を納得させられるような物は知らないな。」
紅「…そう、まあしょうがないわ。急に変な事言ってごめんなさいね。忘れて頂戴。」

ジ「…うん。だけどな真紅、」
紅「何?」
ジ「昔、ある偉い人がこう言ったんだ。」
紅「?」


ジ「――無いんだったら作ればいいのよ、ってね。」

紅「!!!」

ジ「ま、紅茶を嫌いになった訳じゃないならそれでいいんじゃ
紅「ちょっと皆を集めるわ。」
ジ「…え?」

紅「第2回人形会議を執り行うから居間には近づかないで頂戴。」

――
真紅

4: 2008/08/14(木) 22:36:49.58 ID:5i065hf20
紅「――というわけなの。知恵を貸して頂戴。」

銀「急に呼び出して何かと思えば…ほら真紅、これを飲みなさい。これが貴女の望む【紅茶より美味しい物】よ。」

紅「ヤクルトなら試したわ。貴女の嗜好を悪く言うつもりはないけれど、紅茶より美味しいとは思えなかったの…ごめんなさいね。」

銀「…あ、謝らなくてもいいわよ別に。」

雪「…紅茶より……美味しい…」 ジー…
苺(見てるの…。ものすごくヒナの事を見てるの…。)

7: 2008/08/14(木) 22:40:41.46 ID:5i065hf20
翠「そうだ!みんなの一番好きな物を混ぜてみるのはどーですか?」
金「混ぜる?」

翠「そうです。それぞれ好きな物を持ち寄ってミキサーにぶち込むですぅ。」
蒼「い、いやそれはどうかなぁ…。」

紅「…試してみる価値はあるわね。」
金「確かにみんなが好きなものなら不味くなり様が無いかしら。」

翠「じゃあみんな家に戻って持ってくるです。」
紅「30分後に集合よ。」

――

9: 2008/08/14(木) 22:47:57.48 ID:5i065hf20
30分後

紅「集まったわね。私は勿論紅茶よ。」
銀「私は当然ヤクルト。」
苺「ヒナはうにゅーなの。」
金「カナはお砂糖たっぷり玉子焼きかしら。」
翠「翠星石はお手製スコーンです。」
蒼「僕は緑茶。雁ヶ音っていう茶葉だよ。」

雪「………。」
紅「雪華綺晶は?」

雪「………………。」
苺「な、なんでさっきからヒナを見てるのなの…?」

紅「ダメよ、雛苺は食べ物ではないわ。薔薇水晶はどう?」

薔「…ローザ、ミスティカ…。」

11: 2008/08/14(木) 22:56:41.52 ID:5i065hf20
翠「…それはちょいと手に入りそうにないですねぇ。」
金「グラム当たり400万円くらいするかしら。」

銀「雪華綺晶、貴女ちょっとローザミスティカ出しなさいよ。」
雪「…え…なぜ…?」

銀「前私ににいらないって言ったじゃない。」
紅「そうなの?」

雪「言った…けど…。」

薔「なら…お願いします…。」
銀「お願いするわぁ。」

雪「……。…わかり、ました…。んっ……」 ――パアァッ

翠「出たです…!」
金「綺麗かしら…。」

紅「さて、食材は揃ったわね。じゃあミキサーに入れましょう。」

15: 2008/08/14(木) 23:07:18.11 ID:5i065hf20
蒼「そんなに奇抜なものは入ってないね。」
銀「基本的に甘いものばっかりだものねぇ」
紅「期待できそうね。スイッチを入れるわ。」

――ガガガガガガーー……カラカラカラカラカラカラ

翠「何の音ですかコレ…。」
金「きっと翠星石のスコーンかしら…。」
銀「かったいものねぇ、アレ。」
翠「そ、そんなことねーですよ!」

紅「…一旦止めるわ。」 ――パカ

蒼「こ、これって!」
紅「…ええ。」

薔「ローザ…ミスティカ…。」

19: 2008/08/14(木) 23:15:56.19 ID:5i065hf20
銀「…音の正体はコレね。」
翠「確かにミキサー程度にやられたら逆にショックを受けてたですぅ。」

苺「どうするの真紅ー…。」

紅「…ジュン、ちょっとジュン!」
ジ「…はいはい、なんだよ入るなって言ったくせに。」

紅「何かハンマー的なものを持ってきて頂戴。」
銀「ハンマー?ホント力技好きねぇ…。」

ジ「ハンマー?あったかなぁそんなの…。」

――

20: 2008/08/14(木) 23:26:59.88 ID:5i065hf20
10分後

紅「どうジュン、見つかった?」
ジ「…灯台下暗し、ってやつかな。僕の両手に付いてたよ。」

紅「そう、じゃあ一発お願い。」
銀「お願いね。」
金・苺(ワクワク…)

ジ「い、いやギャグだから。本気にするな…

翠「両手がハンマーなんてさすがジュンですぅ。」
蒼「そうだね。」
雪・薔(ドキドキ…)

銀「さあ、早く。」

ジ「…くっ!!(やるしかない、この期待を裏切ろうものなら8人がかりで何をされるか…!!)」

紅「お願いね。」

ジ(も、もうどうにでもなれ!!)
ジ「はあぁぁぁぁ!!!トール・ハンマー(神の一撃)!!!!」 ――ドーン!!!

・・・・・ピシッ

24: 2008/08/14(木) 23:34:59.80 ID:5i065hf20

苺「…あっ!!」
蒼「すごいっ、ヒビが入ってる!!」
金「ローザミスティカにヒビを入れるなんて只者じゃないかしら!!」
紅「ギャグのつもりだったのに、さすがはジュンね。」
翠「パワーも神業級ですぅ。」

雪「でも…ヒビだけ…。」
薔「この後は、どうするの…?」


紅「…そうね。こうなったら8人同時に全力の攻撃を叩き込むしかないわね。」

ジ「いやそれ最初からやれよ!!」

29: 2008/08/14(木) 23:45:06.67 ID:5i065hf20
銀「――ふぅん、面白いじゃない。」
雪「――仕方が…ありませんね。」
薔「――跡形も残らないかもしれませんが…それでも…?」
蒼「――翠星石、久々にあれを使う時が来たみたいだね。」
翠「――えぇ、姉妹唯一の合体攻撃を喰らわせてやるですぅ!」
苺「――ヒナの苺わだちにはトゲがある、なの。」
金「――楽しい楽しい音楽の時間かしら…!」

紅「――準備はいい?行くわよ!!」

――!!!!!!!

ズッッドオォォーーーーーーンッッ!!!!

――――――
――――
――

32: 2008/08/14(木) 23:55:40.93 ID:5i065hf20
苺「…どう、なの…?」
蒼「…やったか…?」 ←やってない

翠「あっ!壊れたです!!塩粒位になってるです!!」

雪「…私の攻撃が効いたようですね…よかった…。」
銀「私の羽が無かったらこうはいかなかったわねぇ。」
薔「…私の水晶の…おかげですね…。」
金「やっぱりカナの音の威力すさまじいものがあるかしら。」
紅「私がいなければこうはいかなかったでしょうね。」

ジ「いやいや最初の僕の攻撃があってこそだな。」

紅「さて、じゃあ改めてミキサーにかけましょう。」
ジ(流された…。)

34: 2008/08/14(木) 23:59:53.42 ID:5i065hf20
ガーーーーーー……

翠「今度は音が静かですねぇ。」
金「美味しそうな色かしら。」

紅「さあ、出来たわ。」 ――パカ

蒼「見た目は普通だね。シェイクみたい。」
苺「なんだかキラキラして綺麗なの!ジャバチップフラペチーノ・グランデサイズよりキラキラしてるの!!」

銀「きっとローザミスティカの光ね。」
薔「…すごい…。」
紅「…ええ、とても綺麗。」

雪「…私に…感謝して、ください。」

紅「それはもちろんよ。さあ、飲んでみましょうか。」

(ゴク、ゴク・・・・・・・・・・)

一同『――!!!!!!』

37: 2008/08/15(金) 00:07:40.72 ID:H5wyE8A80
苺「こ、コレすごいの!すっごいすっごい美味しいの!!」
金「玉子焼きなんて目じゃないかしら!!」

翠「め、めめめめちゃくちゃ美味いですぅ!!」
蒼「うんっ、あっさりしていてそれでいてしつこくない!!」

銀「ええっ、つまり一言で言えばあっさりしているわ!!」
雪「でもそれでいて…、」
薔「…しつこくない…!」


ジ「いやしつこいよお前らが!!」

46: 2008/08/15(金) 00:14:15.70 ID:H5wyE8A80
紅「…どうやら私達は、とんでもないものを生み出してしまったようね。」

翠「自分自身をマエストロと呼びたいくらいですぅ。」
蒼「うん、僕達はマエストロだよ。こんなに美味しいものを作れるんだもの。」

銀「くやしいけどヤクルトのコールド負けねぇ。」
金「玉子焼きも5回コールドかしら。」
苺「うにゅーもなの。」

薔「お父様に…飲ませてあげたかった…。」
雪「………。」

紅「みんな、今日は付き合ってくれてありがとう。また明日からは敵同士かも知れない私達だけど、
今日の事は一生忘れないわ。フフ、ドールに一生なんてものがあればの話だけれど。」

48: 2008/08/15(金) 00:16:31.77 ID:H5wyE8A80
銀「そうね…、じゃあまたねぇ。」
金「また遊びに来るかしらー。」

翠「またなのですぅ。雛苺、コップ片付けるですよ。」
苺「はーい!」
蒼「僕も手伝うよ。」

薔「では…またNのフィールドで…。」
紅「えぇ、さようなら。」


雪「………あれ……?」


おわり

51: 2008/08/15(金) 00:17:49.77 ID:cthaVdUu0

引用: 真紅「ねぇジュン、紅茶より美味しいものってあるのかしら。」