＜２０：５８＞

翠星石　(クシクシ…)
　　　　　「それでは翠星石はもう寝るです」

雛苺　「おやすみなの…」(パタン…)

翠星石　「あや？チビ人間が来ないですね
　　　　　　もしかして……真紅とくんくんを見るですか！？」

＜２１：０２＞

ＴＶ　『今夜の金曜プレミヤム劇場は夏休み特別企画！
　　　 あの[くんくん探偵劇場版]が登場！
　　　 くんくんは真相を解き明かせるのか！？
　　　 [くんくん探偵劇場版]ごゆっくりお楽しみください』

ジュン「お、始まったな」

真紅　「……ごくり」

ジュン　「………」
　　　　　(そういえばこいつ映画館に見に行きたがってたもんな
　　　　　 さすがに行けなかったけど…
　　　　　 やっぱ楽しみにしてたんだろうな)

翠星石　(きー！ジュンのやつ真紅を見ながら何ニヤニヤしてやがるですか！？
　　　　　　不潔です！下劣なのです！！
　　　　　　そもそもノリがガッシュクとやらでいないのをいいことに
　　　　　　夜遅くまで男女が肩を寄せ合って映画だなんて！
　　　　　　不純異性交遊です！！)

＜２１：１７＞

ジュン　「あらかたの登場人物がそろったな…」

真紅　「この家政婦が怪しいわね」

ジュン　「予想にはまだ早いだろ
　　　　　それにこいつが今回のゲストヒロインっぽいし」

真紅　「くんくんのヒロインの座はこんなメス猫には似合わないのだわ！」

ジュン　「はいはい…」

翠星石　(お互いテレビ見たまま自然に会話するなんて！)

＜２１：３６＞

くんくん　『警部、これは密室殺人です…』

ジュン　「………」

真紅　「………」

翠星石　(事件が動き出したですぅ……)

＜２１：５１＞

ダルメシアン　『きゃあぁぁ！』

くんくん　『ご、ごめん！
　　　　　　毛玉取りがなにかの手がかりになるかと思っただけで…
　　　　　　覗くつもりでは！』

ジュン　「いわゆるサービスカットだな」

真紅　「しらじらしいのだわ…この犬……」

翠星石　(なんだか眠たくなってきたですぅ…)

＜２２：０９＞

ジュン　「捜査がすすんできたけど
　　　　　それにしても、子供向けのわりによくできてるよな
　　　　　なぁ真紅」

真紅　「……」

ジュン　「真紅？」

真紅　「…えっ？な、なにかしら？」

ジュン　「フッ…お前眠いんだろ？」

真紅　「へ、平気なのだわ…」

翠星石　「こっちは限界ですぅ…」
　　　　　 (うつらうつら……)

＜２２：１１＞

真紅　(キュッ…)

ジュン　「な、なんだよ！
　　　　　きゅうに袖なんかつかんだりして」

真紅　「んんんっ…うるさい家来なのだわ……」

ジュン　「つかまってないと寝そうなくらいなら
　　　　　もう寝て来いよ」

真紅　「んんんんっ…嫌なのだわ……
　　　　最後まで見るのぉ……だわ」

ジュン　「幼稚園児か」

真紅　「ジュン、コーヒーを入れてちょうだい」

ジュン　「はいはい
　　　　　だから袖はなせよ」

翠星石　(くかぁーくかぁー…)

＜２２：１８＞

ジュン　「ほら、入ったぞ。コーヒー」

真紅　(クピッ…)
　　　　「んっ！苦っ…」

ジュン　「無理して飲むものでもないぞ」

真紅　「……」
　　　　(グイッ！)

ジュン　「バカ！一気に！」

真紅　「んふっ！」
　　　　(コクンッ…)

ジュン　「負けず嫌い」

翠星石　「くぅー…へへへっ…このチビ人間…ですぅ……」

＜２２：２６＞

ＴＶ　「最近怒りっぽくありませんか？
　　　乳酸菌飲料には―――」

ジュン　「ちょっとトイレ」

真紅　「ふぅ……」

ジュン　(ガチャ…)
　　　　　「ん？なんでこいつこんなとこで寝てるんだ？」

翠星石　「くぅ…翠星石が……てあげるですぅ……」

ジュン　「言うんだ、寝言…
　　　　　よっと……」
　　　　　(トントントントン…ガチャ…)
　　　　　「こいつの鞄は…こっちか」
　　　　　(カチャ…トサッ……)

翠星石　「くぅ…くぅ……チビ……」

ジュン　「……こいつ」

＜２２：３１＞

ジュン　(ガチャ)
　　　　　「起きてるか？真紅」

真紅　(ぐらん…ぐらん…)

ジュン　「お前フラフラでちゃんと見えてないだろ？」

真紅　「……」
　　　　(ゴソゴソッ…)

ジュン　「うわっ！こら膝に乗るな！」

真紅　(ポスッ…)

ジュン　「僕の胸を枕にしてるだろ」

真紅　「あと頭、支えてちょうだい…」

＜２２：４２＞

くんくん　『それでは犯人の使ったトリックを…』

ジュン　(いよいよ解決編だな…)

真紅　(グラッ…)
　　　　「ジュン…首が痛いのだわ……
　　　　両手で頭を押さえるのやめてちょうだい…」

ジュン　「もう体まで横に倒れそうだもんな…」

真紅　「もっと…しっかり支えてちょうだい……」

ジュン　「しっかりって……」
　　　　　(えっと、腰に腕を回して…
　　　　　反対の手でおでこから支えれば……)
　　　　　「こ、こうか？」

真紅　「ええ…落ち着いたわ……」

ジュン　「……なんだよ
　　　　　この体制」

＜２２：４７＞

くんくん　『ダルメシアーン！！』

ジュン　(ぎゅっ……)

真紅　「んっ…」

ジュン　「ごめん…つい力入っちゃって」

真紅　「……いいのだわ」

＜２２：５２＞

ＴＶ　『[くんくん探偵劇場版]いかがでしたか？
　　　来週の金曜プレミヤム劇場は…』

ジュン　「ふぅ、終わったか」

真紅　(カクッ…)

ジュン　「うわっ！急に力抜くなよ真紅…」

真紅　「くぅ…くぅ……」

ジュン　「……立ち上がれないじゃないか」

＜６：２４＞

真紅　「……………
　　　　 ……お父様…………


　　　　 ………………あら……
　　　　 昨日はあのまま寝てしまったのね……


　　　　 お父様…暖かかった……


　　　　 ………！！！！！？」

ジュン　「ぐぅ～……ぐぅ～………」

真紅　(なぜ！？なぜ私はジュンに抱きしめられてるの！？)







　　　　　　　　　真紅　「ジュン、コーヒーを入れてちょうだい」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＥＮＤ

キリが良い…
とでも言うと思ったか！
続きを！