199: 2018/01/17(水) 21:55:06.94 ID:n394wk2Q0
最初から:外地鎮守府管理番号 88
前回:幕間 長門の過去と提督の同期と戦艦棲姫の知り合いと
明石の工廠
時雨「うーん。」
雪風「いいものなんですが・・・・。」
明石「買ってくださいよぉ。」
時雨「Bofors 40mm 6連装。」
雪風「まさかの英国面。MkⅥ。」
明石「歴史上最後の戦艦、ヴァンガードの兵装だったのを!」
時雨「日本お得意の小型化に成功。そして艦娘の兵装に?」
雪風「でも、これ戦艦アイオワ級初期兵装の4連装より増えてますから。」
時雨「僕らが積むと艤装の電探とか火器管制のリソースをかなり食うんじゃないかな?」
雪風「更に、絶対重いです。」
雪風「そして是を使おうと思ったら射撃管制システムセットで運用しないと本来の性能を発揮できないでしょうね。」
時雨「だろうね。そうなると電探から全て入れ替えないといけなくなっちゃう。」
雪風「つまり、お高いんでしょ?」
明石「今ならコミコミで何と大サービス450万!」
時雨 雪風「「高すぎだね(です)」」
198: 2018/01/17(水) 21:53:25.32 ID:n394wk2Q0
第九話 ラッパが鳴って壁は崩れた 前編
200: 2018/01/17(水) 21:56:52.15 ID:n394wk2Q0
明石「駄目ですか・・・、それならこんなのはどうです?」ショボン
明石「超お買い得酸素魚雷!50本1000ドル!どうです!?」キラキラ
時雨「1本当たり20ドル?!」
雪風「ちゃんと進むんですか?!」
???「進むには進むけど爆発しないのが多いんだよね。」
時雨「初月それは本当かい?」
明石「いや。まぁ、中には不良品もありますよ。」
初月「確かに1、2本なら僕も何も言わないさ。
ただそれが10本中8本にもなるとさすがにね。」
時雨「不良品率80%・・・・。」
雪風「流石に何処の国製品かと聞きたくなりますね。」
明石「ちょっと初月さん!商売の邪魔しないで下さいよ!」
初月「僕らは命が掛かってるんだ。
不良品が原因で命を落としたなんてなったら笑い話にもなりゃしない。
それとも明石の所は代えの命まで売ってるって言うのかい!?」
時雨「じゃ、そういう事だから。」
雪風「またの機会に、です。」
明石「あぁ・・・。もうぅ・・・。」
201: 2018/01/17(水) 21:58:32.66 ID:n394wk2Q0
時雨「ありがとう初月。おかげでお金を無駄にせずに済んだよ。」
初月「それは良かった。」
初月「ところでグラーフを見なかったか?先ほどから探しているんだが。」
雪風「この時間なら食堂で珈琲道を窮めているんじゃないでしょうか?」
時雨「伯爵がどうかしたのかい?」
初月「あぁ、いや。新しく手に入れた艦載機の対艦性能を試したいという事で
昼食を報酬に演習に付き合う約束をしていたんだ。」
雪風「伯爵は艦載機マニアですよね。」
時雨「そうだね。この間はハウニブが手に入らないのかって明石に詰め寄っていた気がする。」
雪風「流石に空想科学の部類は無理なんじゃないでしょうか?」
初月「うーん、深海棲艦の艦載機はそれに近い気がしなくもないかな。」
そんな話を和気藹々としながら食堂についた一同。
202: 2018/01/17(水) 22:00:03.15 ID:n394wk2Q0
食堂
提督「うーん。これはコロンビアかな?」
不知火「キリマンジャロですね。いい豆を使用されています。」
グラ「ふふ。実にいい味だろう。」ムフー
提督「というか南米産の豆なんてどうやって?」
不知火「先日の物品購入書の購入明細一覧に入っていましたが。」
提督「?」
不知火「?」
どうやら先の決裁書類内での連絡の不備があったようである。
初月「グラーフ!」
グラ「あぁ。初月。と、もうそんな時間だったかな。」
初月「いや、まだ時間は大丈夫だ。」
グラ「そうか、それだったらコーヒーはどうだ?時雨達の分も淹れよう。」
グラ「時雨はエスプレッソ。砂糖たっぷり。」
グラ「雪風はラテ。上のラテアートは雪だるまをサービスだ。」
グラ「初月は・・・・。」
初月「カフェモカを。」
グラ「承知した。」
時雨 雪風 初月「「「美味しい~。」」」ホフゥ
グラ「この戦争が終わったらコーヒーショップを開くんだ。」
雪風「分かりやすいフラグですね。」
時雨「伯爵は分かっててやってるから性質が悪いや。」フフ
初月「その、2人はグラーフの事を伯爵と呼んでいるけど。」
グラ「あぁ。私の艦娘としての名前がグラーフ・ツエッペリン伯由来という事もあるのだが、
そもそもの私の出自がフォンの称号を頂くシュペー家でもあるからなんだ。」
203: 2018/01/17(水) 22:02:02.62 ID:n394wk2Q0
提督「そういえば由緒正しいライン貴族だったな。」
グラ「あぁ。」
時雨「初月、それ以上は聞くべきではないよ。」
何かを尋ねようと口を開きかけた初月を制する時雨。
グラ「何、大した話ではない。
前に居た鎮守府のクズが空母の仲間や駆逐艦の娘達を強姦しようとしたのでな。
男性器を捻じ切って口に突っ込んでやっただけだ。」
グラ「後悔など微塵もないよ。」
グラ「そも、ポークビッツ程度のサイズだったんでな?
捻じ切った後に果たしてきちんと捻り取れたのかどうか2度ほど確認したくらいだ。」
提督「本来は海外艦の派遣協定に基づき本国へ即時送還だったんだがな。」
グラ「その節はAdmiralに実に迷惑をかけたな。」
グラ「だが、あのような問題のある奴を指揮官に据えるこの国もどうかと思うぞ。」
提督「それについては弁解の仕様がないな。」
グラ「まぁ、そんな訳もあって技術士官として派遣されていて何も得ずに帰国する訳にもいかなくてな。」
グラ「Admiralに骨を折ってもらってこの鎮守府所属として色々技術士官としての役目を果たしているという訳だ。」
提督「まぁ、そういう事だ。といってもグラーフの場合契約が特殊でな。」
提督「ここを出て行こうと思えばいつでも出て行けるはずなんだがな。」
グラ「ふふん。ここにいれば日本はおろかアメリカやイギリスの最新、
それも艦娘の兵装としては開発段階の物まで使えるのだ。」
グラ「情報という宝の山を前に帰国する等あり得ん。」キリッ
グラ「それに、かけがえのない友も出来たしな。」(不知火達へウインク)
提督「まぁ、好きにすると良い。ここにいる限りは俺の庇護下だ。」
提督「引渡し要求には応じんよ。・・・、時雨や他の者達についてもだ。」
提督「コーヒー、実に美味かった。ありがとうな。さてと、不知火。紙の整理に戻ろうか。」
不知火「了解しました。」
204: 2018/01/17(水) 22:03:33.51 ID:n394wk2Q0
演習場付近
グラ「さてと初月よ。演習に付き合ってもらおうか。」
グラ「見てくれこれを!」
ババーン! Fw-109 G-3改
時雨「伯爵の改造時装備のフォッケウルフと違うの?」
グラ「うむ。これは長距離爆撃型でな?私の装備のフォッケウルフより航続距離が長い!」
グラ「更に懸吊架も改良され搭載可能爆弾も1t爆弾と1.8t爆弾が可能になっているのだ!」ムフ―
時雨「スツーカの後継みたいなものかな?」
グラ「Nein!Nein !Nein !スツーカとは違うのだよ!スツーカとは!」
時雨「おっ、おぅ。」ヤヤヒキ
グラ「戦闘爆撃機という点では相違ないがスツーカは対地目標に特化している機体に対し
こっちは爆撃後に空戦も出来る。そうだな零62型爆戦の仲間と思ってくれていいぞ!」
雪風「これ、長くなるやつです?」
初月「複座なんだね。」マジマジ
グラ「そこに気づくとは流石だな初月。」
グラ「そう!旧型となりつつあったJu87が複座であったのにならい複座に改造したのだ!
だから形式名の後に改がついているのだよ!」
グラ「なので搭乗員妖精の機種転換が楽になった!」
グラ「さらにエンジンも高高度作戦が可能なD型の物を無理やり使用している!」
グラ「つまり高高度を長距離移動して爆撃が出来るというロマン機なのだ!」
時雨(最早艦載機じゃなくてもいいんじゃないかな?)
初月(僕もそう思うがそれは言わないのがやさしさなんじゃなかろうか?)
205: 2018/01/17(水) 22:04:51.99 ID:n394wk2Q0
雪風「あの。単純な疑問なんですが、
爆装重量等の関係で空母艦載機として飛ばせるのですか?」
グラ「フハハハ!問題ない!そこは私の艤装を色々と改造した。」
グラ「もともと派生元のFw109を発艦させていたのだ、カタパルトを改造する事によりそれも無事解決だ。」
グラ「見てくれこれを!」
ババーン! 蒸気カタパルト
時雨「どこから手に入れたのさ。」
グラ「大戦後の技術などという事はさておきこれを使えばだな?」
バシュ! メキャラ! バキッ! ←カタパルトフックが折れてバランス崩した音。
時雨 雪風「「あっ。」」
パッ! パッ! ←搭乗員妖精が落下傘にて脱出しました。
時雨「脱出は上手くいったみたいだね。」
グワーン ←海に向かって落ちていってます。
ドガーン!
初月「ふむ。木っ端微塵だな。」
時雨「カタパルトの打ち出す力が強すぎたみたいだね・・・・。」
グラ「あぁあああああ!!??」
グラ「あぁあああぁぁぁ・・・・・。」
初月「グラーフ、その、訓練をするのかい?」
グラ「あぁぁ・・・・。」
時雨「無理じゃないかな・・・。」
206: 2018/01/17(水) 22:05:30.96 ID:n394wk2Q0
雪風「今はそっとしておいてあげましょう。」
グラ「あぁあ・・・・。」
時雨「初月はこれから後の予定は?」
初月「瑞鶴と今度の空母狩りについて打ち合わせがあるくらいだ。」
時雨「そう。じゃぁ、伯爵が約束していた昼御飯は僕が御馳走するよ。」
時雨「食堂へ戻ろうか。」フフ
初月「いいのか?僕は結構食べるぞ?」
時雨「雪風ほどじゃないでしょ?」
雪風「雪風はそんなに食べませんよ?」
時雨「この間、炒飯空母盛完食してもう1杯食べてたよね?」
雪風「雪風、忘れました!」テヘッ
川内「にしても本当、どこに消えてるんだろうね?」シュタッ
初月「川内か。何処に潜んでいたんだ?」
時雨「それは気にしちゃ負けだよ。」
207: 2018/01/17(水) 22:06:07.54 ID:n394wk2Q0
雪風「忍者ですから。」
川内「明石の所に寄ったら三人で食堂に行ったって聞いたから探してたんだよ?」プクー
川内「私を除け者にするなんて、No―なんだからね?」
初月「金剛?」
川内「正解!じゃ、みんな!ご飯にしよ!」
雪風「ごっはん~♪、ごっはん~♪」
こうして四人は食堂へ再度向かったのだった。
208: 2018/01/17(水) 22:06:36.36 ID:n394wk2Q0
千島列島 付近海上
戦艦棲姫との会談後、1ヶ月後のある日
戦艦棲姫との会談後、1ヶ月後のある日
209: 2018/01/17(水) 22:08:00.90 ID:n394wk2Q0
水姫「再度の上陸作戦ね。」
リ級「吹雪は後、1週間程は続くかと思われます。」
水姫「吹雪が強いとレーダーの効きが悪いから攻める側には有利ねぇ。」ウフフ
水姫「気象条件が侵攻作戦へいい日を待った甲斐があったわね。」
リ級「千島を落とした後は単冠湾の敵泊地を落すと形ですか?」
水姫「可能なら。敵にしてみれば千島を落されるだけでもかなりの脅威。」
水姫「といっても単冠湾には大した戦力は残っていないでしょう。」
リ級「ソ級やイ級による強行偵察でもあまり有力な戦力は残っていないようです。」
水姫「先日の敵による反攻作戦でこちらが沈めた敵艦娘の所属を調べていった中で
北方方面の艦隊がそれなりに居たみたいよ。」
リ級「穴が大きく開いているという事ですね。」
リ級「ですが、攻めに行くには空母の数が少ない気もしますが。」
水姫「そうね。本当はもっと連れてきたかったのだけど私達の滑走路は海の上。」
水姫「敵の滑走路は陸上。ここが大きな違いね。」
210: 2018/01/17(水) 22:08:41.77 ID:n394wk2Q0
リ級「?」
水姫「今の冬時期、この海域は吹雪がきつい。攻める側の私達は発着艦が困難なのよ。」
水姫「ただでさえ視界不良に加え上下の感覚も狂わせる吹雪。おまけの強風。」
水姫「敵との交戦によるもの以外の喪失が増えるだけよ。」
リ級「敵も同じ状況だから空母は少なくて良いという事ですね。」
水姫「敵は陸の滑走路が使える分こちらよりマシでしょうけど、そうね。それほど変わりはないでしょうね。」
水姫「だけに島を取って拠点を作る必要性が高いのよ。」
水姫「今度の上陸作戦は成功させるわよ。」
リ級「了解です。」
211: 2018/01/17(水) 22:09:31.80 ID:n394wk2Q0
水姫「さぁ、敵には存分に踊ってもらいましょう?」
水姫「私達を北の海に閉じ込めた敵を打ち倒す。」
水姫「そう、冬から春を迎えるが如く。私達の時代を謳歌するわよ。」
リ級「さながら祭りですね。春を迎える事を喜び歓迎する祭り。」
水姫「そうね、『 春の祭典 』と言ったところかしら?」
リ級「北の海から艦娘、人間共を追い落としてやりましょう!」
水姫「えぇ。そうね。」ウフフフ
北の魔女。
かの一団は再びの侵攻を開始した。
212: 2018/01/17(水) 22:13:15.60 ID:n394wk2Q0
タイトル、グラーフ、敵は北方水姫
今回もフラグ建設に頑張っています
初月と名前のみ登場の瑞鶴の話は需要があればその内にでもやりたいなと
現状はあんまり細かく設定は考えてないです、ごめんなさい
ではでは本日はお読みいただきましてありがとうございます
乙レス、感想レスいつもありがとうございます
いつも読んでくださっている読者のあなたに感謝いたします
今回もフラグ建設に頑張っています
初月と名前のみ登場の瑞鶴の話は需要があればその内にでもやりたいなと
現状はあんまり細かく設定は考えてないです、ごめんなさい
ではでは本日はお読みいただきましてありがとうございます
乙レス、感想レスいつもありがとうございます
いつも読んでくださっている読者のあなたに感謝いたします
213: 2018/01/17(水) 22:23:21.69 ID:0jDHIYS/O
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