434: 2009/03/07(土) 21:45:31 ID:3hqUWoW7
芳佳の謹慎が解けて数日経った、とある晩の事。
外でしとしとと降り続く小雨をちょっとしたBGMにしながら……、ミーナはしきりと時計を気にする。
「二十二時に宮藤の部屋まで来て欲しい」
夕食後、美緒にそう言われてから、こなす筈のデスクワークも捗らず、何の事かと考えを巡らせてしまう。
「また宮藤さんが問題でも起こしたのかしら」
誰も居ない執務室で、ぽつりと呟くミーナ。
二十一時四十四分、ミーナは書類を適当に纏めると席を立ち、芳佳の部屋へ向かった。
二十一時四十五分。芳佳の部屋の前に来た。中には美緒と芳佳が居る筈。
ふと、ドアノブに掛けられた木札に目がいく。
「診療中 入室厳禁♪」
まさか。
ミーナの顔が強張った。
中で一体何をしているのか。何が行われているのか。
自分でも気付かぬうちに、ミーナはドアにぴたりと張り付き耳を付け魔力を解放し、中の様子を窺っていた。
「おお……いいぞ宮藤。その調子だ……もう少し抑え気味に……う~ん、いい……」
「はい。こんな感じでしょうか」
「う~ん……そんな感じだ。もうちょい下を、そう、続けて……おおお……」
美緒の呻きとも喘ぎとも取れる妙な声を聞いてミーナは仰天し、蹴破る勢いでドアを開けた。
先日トゥルーデに力ずくで壊された鍵はまだそのままで、何の障害もなしにドアはするりとミーナを受け入れた。
「美緒! 宮藤さん! 貴方達一体何を!?」
「おお、ミーナ。入って良いぞ。早かったな」
「とっくに部屋の中よっ!」
ミーナは衝立を退けて二人に近付く。そこで美緒と芳佳の姿を目にし、絶句した。
美緒が上半身裸でベッドに腰掛け芳佳と向き合い、いかにもゆったりとした格好で胡座をかいている。
芳佳は掌からほんわかと魔力を放ち、美緒の胸の辺りを盛んに……
ミーナは頭を二度振ると、二人につかつかと近付いた。
「宮藤さん。私の言った禁止事項を破りましたね?」
「まあ待てミーナ。落ち着いて話を聞け」
「美緒まで、何を呑気に!」
ミーナが思わず振り上げた手を扶桑の柔術の要領ですっと受け止め、そのまま自分の胸に押し当てる美緒。
「ちょちょっと、何するの美緒?」
「ほら。どうだ?」
「どうだって言われても……まさか、胸のサイズ?」
戸惑うミーナを前に、美緒は苦笑した。
「違う。肌の質感とか、肌触りだ。……どうだ?」
「……」
温かく、ほんのりと湿った美緒の胸。その感触は二人で過ごす晩に、夜明けに、十分知っている。
美緒に言われ、改めて気付く。確かに、いつもより肌触りが良く……まるで赤ちゃんの肌の様に優しく、柔らかで……
「確かに、違うわね。いつもと」
思わず呟いて、横に芳佳が居る事を思い出し、はっと口元を押さえるミーナ。
そう言えばさっきから一言も「坂本少佐」と呼んでいなかった事にも気付くが、既に遅かった。芳佳も心得てると見えて何も言わない。
「やっぱりそうか。良かったな宮藤。効果は確実と言う訳だ」
「ですね、坂本さん」
満足そうに頷く扶桑の魔女二人。
「あの……、話の意味がよく分からないのだけど」
美緒は服を着ると、ミーナを自分が座っていたベッドに連れて行き、腰掛けさせる。
そのまま、慣れた手つきでミーナの服を脱がせる。
「美緒、何するのいきなり?」
「まあ良いから聞け。宮藤、準備は良いか?」
「はい、いつでも」
上半身裸になり、ブラまで脱がされてしまうミーナ。
「うわあ……ミーナ中佐、流石ですね。惚れ惚れしちゃいます」
「み、宮藤さん?」
「こら宮藤。凝視するな」
上官二人にたしなめられる芳佳。
「あ、すいません。つい」
「さて、では始めよう」
「はい」
外でしとしとと降り続く小雨をちょっとしたBGMにしながら……、ミーナはしきりと時計を気にする。
「二十二時に宮藤の部屋まで来て欲しい」
夕食後、美緒にそう言われてから、こなす筈のデスクワークも捗らず、何の事かと考えを巡らせてしまう。
「また宮藤さんが問題でも起こしたのかしら」
誰も居ない執務室で、ぽつりと呟くミーナ。
二十一時四十四分、ミーナは書類を適当に纏めると席を立ち、芳佳の部屋へ向かった。
二十一時四十五分。芳佳の部屋の前に来た。中には美緒と芳佳が居る筈。
ふと、ドアノブに掛けられた木札に目がいく。
「診療中 入室厳禁♪」
まさか。
ミーナの顔が強張った。
中で一体何をしているのか。何が行われているのか。
自分でも気付かぬうちに、ミーナはドアにぴたりと張り付き耳を付け魔力を解放し、中の様子を窺っていた。
「おお……いいぞ宮藤。その調子だ……もう少し抑え気味に……う~ん、いい……」
「はい。こんな感じでしょうか」
「う~ん……そんな感じだ。もうちょい下を、そう、続けて……おおお……」
美緒の呻きとも喘ぎとも取れる妙な声を聞いてミーナは仰天し、蹴破る勢いでドアを開けた。
先日トゥルーデに力ずくで壊された鍵はまだそのままで、何の障害もなしにドアはするりとミーナを受け入れた。
「美緒! 宮藤さん! 貴方達一体何を!?」
「おお、ミーナ。入って良いぞ。早かったな」
「とっくに部屋の中よっ!」
ミーナは衝立を退けて二人に近付く。そこで美緒と芳佳の姿を目にし、絶句した。
美緒が上半身裸でベッドに腰掛け芳佳と向き合い、いかにもゆったりとした格好で胡座をかいている。
芳佳は掌からほんわかと魔力を放ち、美緒の胸の辺りを盛んに……
ミーナは頭を二度振ると、二人につかつかと近付いた。
「宮藤さん。私の言った禁止事項を破りましたね?」
「まあ待てミーナ。落ち着いて話を聞け」
「美緒まで、何を呑気に!」
ミーナが思わず振り上げた手を扶桑の柔術の要領ですっと受け止め、そのまま自分の胸に押し当てる美緒。
「ちょちょっと、何するの美緒?」
「ほら。どうだ?」
「どうだって言われても……まさか、胸のサイズ?」
戸惑うミーナを前に、美緒は苦笑した。
「違う。肌の質感とか、肌触りだ。……どうだ?」
「……」
温かく、ほんのりと湿った美緒の胸。その感触は二人で過ごす晩に、夜明けに、十分知っている。
美緒に言われ、改めて気付く。確かに、いつもより肌触りが良く……まるで赤ちゃんの肌の様に優しく、柔らかで……
「確かに、違うわね。いつもと」
思わず呟いて、横に芳佳が居る事を思い出し、はっと口元を押さえるミーナ。
そう言えばさっきから一言も「坂本少佐」と呼んでいなかった事にも気付くが、既に遅かった。芳佳も心得てると見えて何も言わない。
「やっぱりそうか。良かったな宮藤。効果は確実と言う訳だ」
「ですね、坂本さん」
満足そうに頷く扶桑の魔女二人。
「あの……、話の意味がよく分からないのだけど」
美緒は服を着ると、ミーナを自分が座っていたベッドに連れて行き、腰掛けさせる。
そのまま、慣れた手つきでミーナの服を脱がせる。
「美緒、何するのいきなり?」
「まあ良いから聞け。宮藤、準備は良いか?」
「はい、いつでも」
上半身裸になり、ブラまで脱がされてしまうミーナ。
「うわあ……ミーナ中佐、流石ですね。惚れ惚れしちゃいます」
「み、宮藤さん?」
「こら宮藤。凝視するな」
上官二人にたしなめられる芳佳。
「あ、すいません。つい」
「さて、では始めよう」
「はい」
457: 2009/03/08(日) 03:10:59 ID:hCoA+BFG
「……ーヌ……う様……ペリーヌお嬢様」
心地のよい声。私の毎朝の至福のひと時。
毎朝毎朝、私を起こしてくれる執事の声が降り注ぐ。
例え起きていたとしても、もうしばらくの間…後少しだけ、と聞いていたいと思うのはいけない事だろうか?
「……ん…ぅ」
「ふむ、致し方ないな……すぅ」
けれどそんな至福の時は、無情な程に早く終わりを迎える。
ああ、私を揺する執事の温もりが離れていく。私がまだ起ききっていない頭でその様な事を考えていた、その瞬間
「喝ぁああああああああっ!!!!!」
怒号一喝。毎朝お決まりになりつつあるバトラー坂本の朝の挨拶を受けましたの。
「ひゃわぁ!!?……ば、バトラー坂本!?」
「寝坊はなりませんぞ、ペリーヌお嬢様。はっはっはっ」
文字通り飛び起きた私を前に、高らかに笑うのは私の執事、そう、私の執事…大事な事なのでもう一度。「私の」執事、バトラー坂本。
密かに恍惚とした表情になる私を余所に、バトラー坂本は一通り笑うと入り口へと視線をやった。
そこには、メイド長のミーナさんが悠然と待ち構えておられました。
このメイド長。さり気なくバトラー坂本を見る目が…等と考えると、ひっ!?
また突然どこからともなくと言うか一直線に殺気が突き刺さるのが怖いです。
毎朝お馴染みになりつつある殺気洗礼を受けた後、ミーナさんの手伝いで着替えを行う。ふと見るとバトラー坂本は、また何時もの様に姿を消していた。
そうこうして着替えた後、私達は食堂へと向かうのです。
朝特有の日差しを窓から存分に取り込む長い長い廊下。食堂に向かう途中、私達の耳に、また「何時もの様に」怒鳴り声が聞こえてきます。
「ええい、毎朝毎朝!さっさと起きんか!カールスラントメイドたる者が主よりも寝ている等と!!…って、ああっ!!き、貴様またメイド服を布団代わりに!?」
「……にへへぇ……ぐぅ…」
「だぁ、寝ぼけて着替え……ってエプロンの下にはちゃんと服を着んか!穿かんかぁーっ!!!」
……何故だか、毎朝の事ながら無性に頭が痛いですわ。
が、横を見るとやはりミーナさんも同様なのか、ふっ、と窓から空を見上げて
「……あらあら、うふふ。今日も平和ですわね、ペリーヌお嬢様」
「……ええ、そうです、わね」
共に現実逃避することで、暗黙の内に聞かなかったことにしました。
ええ。毎朝の事ですけれど……。
心地のよい声。私の毎朝の至福のひと時。
毎朝毎朝、私を起こしてくれる執事の声が降り注ぐ。
例え起きていたとしても、もうしばらくの間…後少しだけ、と聞いていたいと思うのはいけない事だろうか?
「……ん…ぅ」
「ふむ、致し方ないな……すぅ」
けれどそんな至福の時は、無情な程に早く終わりを迎える。
ああ、私を揺する執事の温もりが離れていく。私がまだ起ききっていない頭でその様な事を考えていた、その瞬間
「喝ぁああああああああっ!!!!!」
怒号一喝。毎朝お決まりになりつつあるバトラー坂本の朝の挨拶を受けましたの。
「ひゃわぁ!!?……ば、バトラー坂本!?」
「寝坊はなりませんぞ、ペリーヌお嬢様。はっはっはっ」
文字通り飛び起きた私を前に、高らかに笑うのは私の執事、そう、私の執事…大事な事なのでもう一度。「私の」執事、バトラー坂本。
密かに恍惚とした表情になる私を余所に、バトラー坂本は一通り笑うと入り口へと視線をやった。
そこには、メイド長のミーナさんが悠然と待ち構えておられました。
このメイド長。さり気なくバトラー坂本を見る目が…等と考えると、ひっ!?
また突然どこからともなくと言うか一直線に殺気が突き刺さるのが怖いです。
毎朝お馴染みになりつつある殺気洗礼を受けた後、ミーナさんの手伝いで着替えを行う。ふと見るとバトラー坂本は、また何時もの様に姿を消していた。
そうこうして着替えた後、私達は食堂へと向かうのです。
朝特有の日差しを窓から存分に取り込む長い長い廊下。食堂に向かう途中、私達の耳に、また「何時もの様に」怒鳴り声が聞こえてきます。
「ええい、毎朝毎朝!さっさと起きんか!カールスラントメイドたる者が主よりも寝ている等と!!…って、ああっ!!き、貴様またメイド服を布団代わりに!?」
「……にへへぇ……ぐぅ…」
「だぁ、寝ぼけて着替え……ってエプロンの下にはちゃんと服を着んか!穿かんかぁーっ!!!」
……何故だか、毎朝の事ながら無性に頭が痛いですわ。
が、横を見るとやはりミーナさんも同様なのか、ふっ、と窓から空を見上げて
「……あらあら、うふふ。今日も平和ですわね、ペリーヌお嬢様」
「……ええ、そうです、わね」
共に現実逃避することで、暗黙の内に聞かなかったことにしました。
ええ。毎朝の事ですけれど……。
435: 2009/03/07(土) 21:45:57 ID:3hqUWoW7
ミーナはまさか自分が芳佳から「治療」を受ける事になるとは思いもよらず、立ち上がり拒絶しかけた。
ぐいと美緒が肩を掴んで押さえる。
「待てミーナ。私の話を聞いてくれ」
「でも……」
「じゃあ、始めますね」
ぼんやりと、ほのかな輝きが芳佳の手から放たれる。水色の柔らかな光りが、ミーナの胸の辺りに触れ、包み込む。
柔らかなのは光り方だけではなかった。肌に受ける感触もとても心地よく、まるで扶桑の風呂に入った時みたいな、
リラックス感を覚える。
「ミーナ。どうだ?」
「ええ……悪くはないけど」
「さて。話なんだが、宮藤の謹慎が解けた時、奴から相談を受けてな」
「相談? はあ……。何か、思わず溜め息出ちゃうわね、宮藤さんのそれ」
「そうですか? 良かった」
「リラックスして良いんだぞ?」
美緒は笑って、話を続けた。
「『この前のアレは確かにまずかったけど、何か出来る事は無いか』、『少しでも役に立てないか』ってな」
「宮藤さんは、戦闘の場で、いざと言う時の……」
「勿論その事は大前提だ。しかし宮藤には有り余る魔力が有る。ほんの少し位なら、と思ったのが始まりだ」
「はじまり?」
「ええ。早速坂本さんと試したんですけど……」
「美緒? 貴方何やってるのよ?」
「まあ、話の続きを聞いてくれ」
苦笑いする美緒と芳佳。
「ミーナ、さっき私を触って分かったと思うが……宮藤の治癒魔法、少し方向性を変えて、魔力をセーブしキープする。
それを微弱ながら当てる事で、肌を活性化出来る、と言う事だ」
「それで、美緒の胸、あんなに肌触りが良かったのね。でも」
「ミーナ中佐、大丈夫です。魔力放出は最小限に絞ってますから、消耗は殆ど無いです。次はお顔、失礼しますね」
ほわわとミーナの顔に光が当たる。
「と言う訳さ、ミーナ。どうだ?」
「どうだって言われても……確かに気持ちはいいけど……何だか宮藤さんが『人間治療器』みたいな扱いで、どうも」
「私、実家で治癒魔法使ったよろづ疾患の治療をやってるんです。診療所なんです」
「それは知っているわ。実家で家業の手伝いをしていたとか」
「ええ。ですから、その延長と言うか。普段でも、何か少しでも皆さんのお役に立てたらと思って」
「宮藤さん……」
「ミーナ、最近疲れ気味だろ? お前の顔を見ればすぐに分かるさ。何年一緒に501(ここ)に居ると思ってるんだ」
「美緒、もしかして」
「そう。お前の為だ、ミーナ。隊長も疲れを癒す事。それも時には必要だぞ?」
「気持ちは有り難いけど……」
「確かに、毎日常にやってたら宮藤も疲れるだろう。だから、今回だけ、特別だ。なら良いだろう? これは私が個人的に、
宮藤に頼んだ事なんだ」
「そうね……」
真剣にミーナに向き合い、淡い光を放つ芳佳を見て、ミーナはふう、とひとつ息をついた。
「ありがとう、二人とも」
夜更け。
ミーナの部屋でいつもの様に肌を重ねる二人。
「美緒の肌、滑らかで……扶桑の撫子って感じなのかしら」
「ミーナも、肌の艶が戻ったな。まさにカールスラントの無垢な乙女だ」
「そんなに私、疲れて見えた?」
「まあな。具体的にあれこれとは言わないが」
「そ、そうね……。ともかく有り難う、美緒」
「たまには休め、ミーナ」
優しく抱き寄せる。解けた髪が緩く絡み、黒と茶のグラデーションをベッドの上に浮かび上がらせる。
「でも、嬉しいけど、少し複雑な気分」
「どうして」
「……これだから、扶桑の魔女は」
ミーナは溜め息混じりに呟くと、そっと美緒にキスをした。
end
ぐいと美緒が肩を掴んで押さえる。
「待てミーナ。私の話を聞いてくれ」
「でも……」
「じゃあ、始めますね」
ぼんやりと、ほのかな輝きが芳佳の手から放たれる。水色の柔らかな光りが、ミーナの胸の辺りに触れ、包み込む。
柔らかなのは光り方だけではなかった。肌に受ける感触もとても心地よく、まるで扶桑の風呂に入った時みたいな、
リラックス感を覚える。
「ミーナ。どうだ?」
「ええ……悪くはないけど」
「さて。話なんだが、宮藤の謹慎が解けた時、奴から相談を受けてな」
「相談? はあ……。何か、思わず溜め息出ちゃうわね、宮藤さんのそれ」
「そうですか? 良かった」
「リラックスして良いんだぞ?」
美緒は笑って、話を続けた。
「『この前のアレは確かにまずかったけど、何か出来る事は無いか』、『少しでも役に立てないか』ってな」
「宮藤さんは、戦闘の場で、いざと言う時の……」
「勿論その事は大前提だ。しかし宮藤には有り余る魔力が有る。ほんの少し位なら、と思ったのが始まりだ」
「はじまり?」
「ええ。早速坂本さんと試したんですけど……」
「美緒? 貴方何やってるのよ?」
「まあ、話の続きを聞いてくれ」
苦笑いする美緒と芳佳。
「ミーナ、さっき私を触って分かったと思うが……宮藤の治癒魔法、少し方向性を変えて、魔力をセーブしキープする。
それを微弱ながら当てる事で、肌を活性化出来る、と言う事だ」
「それで、美緒の胸、あんなに肌触りが良かったのね。でも」
「ミーナ中佐、大丈夫です。魔力放出は最小限に絞ってますから、消耗は殆ど無いです。次はお顔、失礼しますね」
ほわわとミーナの顔に光が当たる。
「と言う訳さ、ミーナ。どうだ?」
「どうだって言われても……確かに気持ちはいいけど……何だか宮藤さんが『人間治療器』みたいな扱いで、どうも」
「私、実家で治癒魔法使ったよろづ疾患の治療をやってるんです。診療所なんです」
「それは知っているわ。実家で家業の手伝いをしていたとか」
「ええ。ですから、その延長と言うか。普段でも、何か少しでも皆さんのお役に立てたらと思って」
「宮藤さん……」
「ミーナ、最近疲れ気味だろ? お前の顔を見ればすぐに分かるさ。何年一緒に501(ここ)に居ると思ってるんだ」
「美緒、もしかして」
「そう。お前の為だ、ミーナ。隊長も疲れを癒す事。それも時には必要だぞ?」
「気持ちは有り難いけど……」
「確かに、毎日常にやってたら宮藤も疲れるだろう。だから、今回だけ、特別だ。なら良いだろう? これは私が個人的に、
宮藤に頼んだ事なんだ」
「そうね……」
真剣にミーナに向き合い、淡い光を放つ芳佳を見て、ミーナはふう、とひとつ息をついた。
「ありがとう、二人とも」
夜更け。
ミーナの部屋でいつもの様に肌を重ねる二人。
「美緒の肌、滑らかで……扶桑の撫子って感じなのかしら」
「ミーナも、肌の艶が戻ったな。まさにカールスラントの無垢な乙女だ」
「そんなに私、疲れて見えた?」
「まあな。具体的にあれこれとは言わないが」
「そ、そうね……。ともかく有り難う、美緒」
「たまには休め、ミーナ」
優しく抱き寄せる。解けた髪が緩く絡み、黒と茶のグラデーションをベッドの上に浮かび上がらせる。
「でも、嬉しいけど、少し複雑な気分」
「どうして」
「……これだから、扶桑の魔女は」
ミーナは溜め息混じりに呟くと、そっと美緒にキスをした。
end
436: 2009/03/07(土) 21:46:58 ID:3hqUWoW7
以上です。
流れで思い付いて速攻で書いたのですが……
美緒とミーナ、指揮官ふたりの疲れを取ってあげられたらなあと。
タイトルは……お察し下さい(何
ではまた~。
流れで思い付いて速攻で書いたのですが……
美緒とミーナ、指揮官ふたりの疲れを取ってあげられたらなあと。
タイトルは……お察し下さい(何
ではまた~。
437: 2009/03/07(土) 22:10:54 ID:5aXQ39H6
>>436
GJ!芳佳の治癒魔法は応用範囲が広いなあw
GJ!芳佳の治癒魔法は応用範囲が広いなあw
458: 2009/03/08(日) 03:32:29 ID:hCoA+BFG
「あ、おはようございます。ペリーヌさん、メイド長。朝食の仕度は調ってますよー」
食堂に着くとメイド見習いである宮藤さんが出迎えてくれます。
けれど、今日の食堂は……
「……なんだか、甘ったるい香りが…」
「はいっ!リーネちゃんの実家から送られて来たそうで…」
「おはようございます。ペリーヌ様、ミーナメイド長」
食堂に入る私達に、厨房から宮藤さんと同じくメイド見習いであるリネットさんも姿を現しました。
「おはよう、リーネさん。ところで本日のメニューは…」
私を席へと座らせながら、ミーナさんは見習い二人に質問します。
それにリネットさんは、とても良い笑顔で答えてくださいました。
「はい、ブルーベリータルトにブルーベリーパイ。ブルーベリーケーキとブルーベリーとブルーベリーソースをふんだんに使ったブルーベリーブルーベリー等他多数を作ってみました」
「って、ブルーベリーブルーベリーってなんなんですの!?ブルーベリーにブルーベリーかけただけというかその前にブルーベリーしかないんですの!?」
見習い二人の手によって運ばれてくる朝食(?)群。テーブルの上がほぼ白と紫の二色で埋め尽くされた様子は正直圧巻ですわね。
そして呆然とした私とミーナさんを見て、宮藤さんが慌ててトドメを刺して下さいました。
「あ、ちゃんとお口直しもありますよ!……はい、肝油です。ヤツメウナギの」
私はミーナさんに後を任せ、食堂を立ち去りました。
「あれ、お嬢。こんな時間にどうかしました?」
ふらふらと歩いていると、中庭に着いていたようでした。
洗濯物を干す為か、ロープを張り巡らせているシャーリーさんと出会いました。
「あ、あら。シャーリー、さん。いえ…その、良い天気ですわね」
「ええ、洗濯物干すには調度いいです。今ルッキーニが…っと来た来た」
ふと振り返ると大量の洗濯物を籠に乗せたルッキーニさんが走ってきました。
「あちょーぅぉ!!!あれ、ペリーヌ。おはよー、おわ!?」
「今日も元気いいみたいですわね、ルッキーニさ…ん…!!!!?」
何があったかは語るまでもなく、段差で躓いたルッキーニさんの持っていた洗濯物の山に押し潰されたところで
「目が覚めましたの。エイラさん、この夢は一体……」
「……ツンツンメガ……えと、ペリーヌ。ほら、お前色々と疲れてんダヨ。ウン」
「エイラ…昨日むぐ」
終われ
食堂に着くとメイド見習いである宮藤さんが出迎えてくれます。
けれど、今日の食堂は……
「……なんだか、甘ったるい香りが…」
「はいっ!リーネちゃんの実家から送られて来たそうで…」
「おはようございます。ペリーヌ様、ミーナメイド長」
食堂に入る私達に、厨房から宮藤さんと同じくメイド見習いであるリネットさんも姿を現しました。
「おはよう、リーネさん。ところで本日のメニューは…」
私を席へと座らせながら、ミーナさんは見習い二人に質問します。
それにリネットさんは、とても良い笑顔で答えてくださいました。
「はい、ブルーベリータルトにブルーベリーパイ。ブルーベリーケーキとブルーベリーとブルーベリーソースをふんだんに使ったブルーベリーブルーベリー等他多数を作ってみました」
「って、ブルーベリーブルーベリーってなんなんですの!?ブルーベリーにブルーベリーかけただけというかその前にブルーベリーしかないんですの!?」
見習い二人の手によって運ばれてくる朝食(?)群。テーブルの上がほぼ白と紫の二色で埋め尽くされた様子は正直圧巻ですわね。
そして呆然とした私とミーナさんを見て、宮藤さんが慌ててトドメを刺して下さいました。
「あ、ちゃんとお口直しもありますよ!……はい、肝油です。ヤツメウナギの」
私はミーナさんに後を任せ、食堂を立ち去りました。
「あれ、お嬢。こんな時間にどうかしました?」
ふらふらと歩いていると、中庭に着いていたようでした。
洗濯物を干す為か、ロープを張り巡らせているシャーリーさんと出会いました。
「あ、あら。シャーリー、さん。いえ…その、良い天気ですわね」
「ええ、洗濯物干すには調度いいです。今ルッキーニが…っと来た来た」
ふと振り返ると大量の洗濯物を籠に乗せたルッキーニさんが走ってきました。
「あちょーぅぉ!!!あれ、ペリーヌ。おはよー、おわ!?」
「今日も元気いいみたいですわね、ルッキーニさ…ん…!!!!?」
何があったかは語るまでもなく、段差で躓いたルッキーニさんの持っていた洗濯物の山に押し潰されたところで
「目が覚めましたの。エイラさん、この夢は一体……」
「……ツンツンメガ……えと、ペリーヌ。ほら、お前色々と疲れてんダヨ。ウン」
「エイラ…昨日むぐ」
終われ
459: 2009/03/08(日) 04:03:30 ID:X5n2NdBL
仕事早い~GJっす~。
自分でも一応書き始めちゃったんだけどなんかもういらない感じかな。
カールスラントメイド二人のやりとりが特に萌えましたw
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります