219: 2009/03/16(月) 03:02:41 ID:N1EFhsjg
青い空。薄い白雲。穏やかに吹く優しい潮風。
見たままに天気は快晴。
最高の洗濯物日和だね、と芳佳はリーネと談笑しながら洗濯物を干そうとしてした。
「げ、芳佳っ!危ないっ!!」
「へ…」
ドスン、と芳佳の頭に直撃する何か。
改めて見れば、それは分厚いアルバムだと分かったが、今はそれどころではない。
「よ、芳佳ちゃん!?芳佳ちゃん!!」
その場に崩れ落ちた芳佳の名を、リーネは懸命に叫ぶ。
何事だ、と騒ぎに気付いた美緒とミーナも現れる。
その時
「…………ぅ…」
「芳佳ちゃん!!大丈夫?芳佳ちゃん!」
意識を取り戻したのか、薄目を開けた芳佳。
思わず芳佳を抱きしめようとしたリーネを、ミーナは優しく止める。
「宮藤さん。意識はしっかりしているかしら?…宮藤さん?」
ミーナは軽く芳佳の頬を撫で、意識の有無を確認する。
その後ろから事の張本人であるルッキーニも顔を出した。
「ウジュー……芳佳ぁ、大丈夫?」
「ルッキーニ。お前には少々話しを聞かせて貰わんと「…義仲殿?」…何?」
聞き覚えのない名前に美緒が後ろを振り向くと、半身を起こした芳佳が、何故か涙を流しながら美緒を見ていた。
芳佳は感極まった様に声を絞り出した。
「……義仲殿……よもや…再び……ああ、義仲殿ッ!!」
「……………あ。もしかしてあの時の、芳佳のこっくりさん…かな?」
現状にいる唯一の事態の理解者であるルッキーニは密かに頬を引き攣らせる。
まさかの巴御前の再来。
どうしようかなー、とルッキーニが言い訳を考えている内に、状況は凄まじい勢いにて悪化の一途を辿る。
「な、待…宮藤ッ!おい、しっかりしろ!!」
「義仲殿…?ま、まさか私をお忘れに…?中原兼遠が娘、巴にございます!!」
芳佳(巴)は美緒に懇願するように抱き着き、涙を流して問う。
「ち、ちょっと宮藤さん!?落ち着いて…」
「……まさか、貴様が義仲殿の記憶を…?」
「……ッ!!!」
「な、み、宮藤!?」
懇願した様子から一変。
ミーナを視界に入れた芳佳(巴)は、普段からは信じられない様な低い声にてミーナに問いを投げ掛ける。
見たままに天気は快晴。
最高の洗濯物日和だね、と芳佳はリーネと談笑しながら洗濯物を干そうとしてした。
「げ、芳佳っ!危ないっ!!」
「へ…」
ドスン、と芳佳の頭に直撃する何か。
改めて見れば、それは分厚いアルバムだと分かったが、今はそれどころではない。
「よ、芳佳ちゃん!?芳佳ちゃん!!」
その場に崩れ落ちた芳佳の名を、リーネは懸命に叫ぶ。
何事だ、と騒ぎに気付いた美緒とミーナも現れる。
その時
「…………ぅ…」
「芳佳ちゃん!!大丈夫?芳佳ちゃん!」
意識を取り戻したのか、薄目を開けた芳佳。
思わず芳佳を抱きしめようとしたリーネを、ミーナは優しく止める。
「宮藤さん。意識はしっかりしているかしら?…宮藤さん?」
ミーナは軽く芳佳の頬を撫で、意識の有無を確認する。
その後ろから事の張本人であるルッキーニも顔を出した。
「ウジュー……芳佳ぁ、大丈夫?」
「ルッキーニ。お前には少々話しを聞かせて貰わんと「…義仲殿?」…何?」
聞き覚えのない名前に美緒が後ろを振り向くと、半身を起こした芳佳が、何故か涙を流しながら美緒を見ていた。
芳佳は感極まった様に声を絞り出した。
「……義仲殿……よもや…再び……ああ、義仲殿ッ!!」
「……………あ。もしかしてあの時の、芳佳のこっくりさん…かな?」
現状にいる唯一の事態の理解者であるルッキーニは密かに頬を引き攣らせる。
まさかの巴御前の再来。
どうしようかなー、とルッキーニが言い訳を考えている内に、状況は凄まじい勢いにて悪化の一途を辿る。
「な、待…宮藤ッ!おい、しっかりしろ!!」
「義仲殿…?ま、まさか私をお忘れに…?中原兼遠が娘、巴にございます!!」
芳佳(巴)は美緒に懇願するように抱き着き、涙を流して問う。
「ち、ちょっと宮藤さん!?落ち着いて…」
「……まさか、貴様が義仲殿の記憶を…?」
「……ッ!!!」
「な、み、宮藤!?」
懇願した様子から一変。
ミーナを視界に入れた芳佳(巴)は、普段からは信じられない様な低い声にてミーナに問いを投げ掛ける。
220: 2009/03/16(月) 03:03:41 ID:N1EFhsjg
「と、巴御前ーっ!ストップ!スト~ップ!!」
「……む?うぬは…確か………そう、か。ここは扶桑でもなく……ましてや、我の生きている時代でも無いのであったな……」
慌てて話しに割り込んできたルッキーニを視界に納めた芳佳(巴)は、今の状況を把握するに至った。
固く握りしめていた美緒の服を力が抜けていく様に手放し、放心したようにその場に座り込んだ。
「……すまなかったな、見ず知らずの方。そちらの方も、驚かせて申し訳ない」
芳佳(巴)はそのまま力無く美緒とミーナを見あげ、謝罪を述べた。
が、違うと分かっていても押さえ切れないのか、美緒を見た後、はらはらと静かに涙を流していた。
「………ルッキーニ。詳しく説明しろ」
そんな様子をいかなる思いで見ていたのだろうか。
美緒の声は少し震えていた。
◇
「……まさか、本物の巴御前に会う事ができるとはな…」
「堅苦しい敬称など不要じゃ。巴と呼んでは貰えぬか美緒」
「ではそうしよう、巴。茶を注ごうか?」
「頂こう」
ルッキーニから一通りの話しを聞いた美緒は、何かを決意したように一人納得すると芳佳(巴)に木刀を差し出し、突然二人で打ち合いを始めた。
芳佳(巴)も訝しむ様に木刀を眺めたが、美緒の目を見るや、静かに間合いを量り木刀を構えた。
かくして、剣にて存分に語り合った二人はどちらからとなく木刀を下げ、固い握手が結ばれた。
そうして今、二人は近くの木陰に身を委ね、静かに茶を啜っている。
新たな友との出会いを祝して。
今日という出会いの日に感謝を込めて。
我らが語り合うのに言葉は不要、と無言の会話に花を咲かせていた。
一方
「芳佳ちゃんが芳佳ちゃんが芳佳ちゃんが芳佳ちゃんが……」
「美緒が美緒が美緒が美緒が……」
「……………う、ウジュー…!?」
基地壁の角に向かって、三角座りにてブツブツと相方の名を呟き続けるリーネとミーナを、ルッキーニは数時間後に芳佳(巴)が石に躓いてこけた拍子に芳佳に戻るまで、奔走し続けるのであった。
おーわり
「……む?うぬは…確か………そう、か。ここは扶桑でもなく……ましてや、我の生きている時代でも無いのであったな……」
慌てて話しに割り込んできたルッキーニを視界に納めた芳佳(巴)は、今の状況を把握するに至った。
固く握りしめていた美緒の服を力が抜けていく様に手放し、放心したようにその場に座り込んだ。
「……すまなかったな、見ず知らずの方。そちらの方も、驚かせて申し訳ない」
芳佳(巴)はそのまま力無く美緒とミーナを見あげ、謝罪を述べた。
が、違うと分かっていても押さえ切れないのか、美緒を見た後、はらはらと静かに涙を流していた。
「………ルッキーニ。詳しく説明しろ」
そんな様子をいかなる思いで見ていたのだろうか。
美緒の声は少し震えていた。
◇
「……まさか、本物の巴御前に会う事ができるとはな…」
「堅苦しい敬称など不要じゃ。巴と呼んでは貰えぬか美緒」
「ではそうしよう、巴。茶を注ごうか?」
「頂こう」
ルッキーニから一通りの話しを聞いた美緒は、何かを決意したように一人納得すると芳佳(巴)に木刀を差し出し、突然二人で打ち合いを始めた。
芳佳(巴)も訝しむ様に木刀を眺めたが、美緒の目を見るや、静かに間合いを量り木刀を構えた。
かくして、剣にて存分に語り合った二人はどちらからとなく木刀を下げ、固い握手が結ばれた。
そうして今、二人は近くの木陰に身を委ね、静かに茶を啜っている。
新たな友との出会いを祝して。
今日という出会いの日に感謝を込めて。
我らが語り合うのに言葉は不要、と無言の会話に花を咲かせていた。
一方
「芳佳ちゃんが芳佳ちゃんが芳佳ちゃんが芳佳ちゃんが……」
「美緒が美緒が美緒が美緒が……」
「……………う、ウジュー…!?」
基地壁の角に向かって、三角座りにてブツブツと相方の名を呟き続けるリーネとミーナを、ルッキーニは数時間後に芳佳(巴)が石に躓いてこけた拍子に芳佳に戻るまで、奔走し続けるのであった。
おーわり
引用: ストライクウィッチーズ避難所1
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