1: 2008/06/16(月) 19:32:58.23 ID:nIjNkJXK0
ジュン「え?」
真紅「これ。このダンボール」
ジュン「そんなはずないよ」
真紅「でも伝票見ると届いたのが一ヶ月以上前よ」
ジュン「・・・・・・」
真紅「大丈夫なの?」

2: 2008/06/16(月) 19:35:56.11 ID:nIjNkJXK0
ジュン「ちょっと・・・」

ガサガサ

ジュン「・・・なんてこった」
真紅「どうしたの?」
ジュン「最近やたらダイレクトメールが届くと思ったら・・・これ全部支払い勧告の通知だ」
真紅「代金を払わなきゃいけないのね」
ジュン「そんな・・・」

6: 2008/06/16(月) 19:38:46.41 ID:nIjNkJXK0
真紅「中身は変てこな壺ね。まあそんなに高いものでもないでしょう」
ジュン「・・・」
真紅「これに懲りて悪趣味な遊びは控えることね」
ジュン「やばいかもしれない」
真紅「え?」
ジュン「すぐに返品するつもりだったからお金のこと考えてなかった」

8: 2008/06/16(月) 19:41:30.07 ID:nIjNkJXK0
真紅「・・・」

伝票を見る真紅

真紅「よ・・・40万ですって!?この芸術性のかけらもない壺が!?」
ジュン「ああああああああっ」
真紅「なんでこんなものを買ったの!」
ジュン「だっておかしくてつい・・・」
真紅「どうするのよもう・・・40万なんて大金」
ジュン「どうしよう・・・姉ちゃんに知れたら・・・」
真紅「のりが帰ってきたら相談しましょう。素直に謝るしかないのだわ」

11: 2008/06/16(月) 19:43:53.62 ID:nIjNkJXK0
ピンポーン
雛苺「誰か来たのー」
真紅「もうこんな時に・・・!」

ピンポーン
翠星石「今は居留守使ってるから出直しやがれですぅ」

ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
真紅「ちょっとしつこいわね・・・」

ドンドン!!
ジュン「!?」

12: 2008/06/16(月) 19:45:39.59 ID:nIjNkJXK0
ドンドンドン!!!
翠星石「な・・・なんですぅ!?強盗がきやがったですか!?」
雛苺「うるさいのー・・・」

「桜田さーん、桜田さんいませんかー!?」
ジュン「・・・!」
「チッ・・・桜田ジュンさーん、お届けした商品の代金をいただきたいんですけどぉー!」
ジュン「!!!」

13: 2008/06/16(月) 19:47:57.52 ID:nIjNkJXK0
真紅「まさか・・・」
翠星石「通販の業者ですか!?」
ジュン「・・・よし」
真紅「ジュンどこに行くの!」
ジュン「話をつけてくる」
翠星石「無茶ですぅ!!やつら相当ガラ悪いですぅ!!」
ジュン「僕一人絞られて済むならそれでいいよ。姉ちゃんに知られたくない」
真紅「ジュン・・・」
雛苺「ヒナなんだかこわいの・・・」
ジュン「土下座でもすれば勘弁してくれるはずさ・・・」
真紅「・・・」
ジュン「お前らは鞄の中にいろ。何があっても動くなよ」

18: 2008/06/16(月) 19:52:51.78 ID:nIjNkJXK0
翠星石「そんなこと言われても心配なものは心配ですぅ・・・」
雛苺「ジュン大丈夫かなあ・・・」
真紅「・・・ジュンを信じましょう」
 
ガチャ・・・
怖い人1「あっいた」
ジュン「・・・・・・」
怖い人1「ボク一人かな?家の人は?おじさんたちジュンさんに用事があるんだけど」
ジュン「あの、僕が桜田ジュンです」
怖い人1「あっキミが桜田ジュンさん?あのね、ウチの壺買ったでしょ?」
ジュン「・・・はい」
怖い人1「いつまで経っても代金を払ってもらえないからどうしたのかなと思って」
ジュン「あ、あの」
怖い人2「ん?」
ジュン「・・・すみません、お金、ありません・・・」

25: 2008/06/16(月) 19:57:58.59 ID:nIjNkJXK0
怖い人1「・・・うーん・・・」
怖い人2「ないってどういうことよ」
ジュン「すみません・・・」
怖い人1「じゃあおうちの人に払ってもらうしかないね。40万。お父さんかお母さんに」
ジュン「む・・・無理です・・・」
怖い人2「はああああ!?なにそれ!?」
ジュン「親・・・家あけてて・・・」
怖い人1「じゃあどうすんの?40万誰が払うの?」
ジュン「す・・・すみません!!」

土下座するジュン

ジュン「本当にすみませんでした!!!」

真紅「・・・!!」
翠星石「ジュン・・・!!」

29: 2008/06/16(月) 20:04:05.82 ID:nIjNkJXK0
怖い人2「土下座されてもなあ」
怖い人1「あのさあ・・・ちょっと調べたけどボクちょっとやんちゃしすぎだよね」
ジュン「・・・」
怖い人1「他にも色々頼んですぐ返品してるでしょ」
ジュン「・・・!」
怖い人1「確かにクーリングオフって制度はあるけどさあ・・・こっちは仕事でやってるんだし」
ジュン「すみませ・・・」
怖い人1「それで遊ばれちゃ困るんだよ!!!!!!!」
ガッ!!

翠星石「あいつ・・・土下座してるジュンの頭を踏んづけやがったですぅ!!」
雛苺「ジュンがぁ・・・」

30: 2008/06/16(月) 20:09:31.13 ID:nIjNkJXK0
怖い人に髪つかまれるジュン

怖い人1「おじさんたち怒ってるんだよ」
ジュン「ぐ・・・」

バキッ!
ジュン「うっ・・・!」

バキッ!グシャッ!!
ジュン「ぐは・・・」

翠星石「あ・・・あああ・・・」
雛苺「いやあ・・・」

33: 2008/06/16(月) 20:13:46.03 ID:nIjNkJXK0
怖い人1「少しは反省した?」
ジュン「・・・はい・・・・・・これで・・・勘弁してもらえますか・・・?」
怖い人1「家の中ちょっと見させてね。金になりそうなもの見るから」
ジュン「!!」
怖い人2「じゃあ俺二階見てくるわ」
ジュン「や・・・やめ・・・」
怖い人1「何?」
ジュン「僕が悪いんです・・・家を荒らすのは勘弁してください・・・」

41: 2008/06/16(月) 20:16:53.92 ID:nIjNkJXK0
怖い人1「何?」
ジュン「僕が悪いんです・・・家を荒らすのは勘弁してください・・・」
怖い人1「家に迷惑かけたくないのね。他に家族の人は誰がいるの?」
ジュン「・・・姉が・・・います・・・」
怖い人1「そうなんだ。お姉さん美人?」
ジュン「・・・!!や・・・やめてください!!姉ちゃんは関係ない!!」
怖い人1「姉ちゃん困らせたくなかったらなんか出せって言ってんの!!」
ドカッ
ジュン「うう!!」

45: 2008/06/16(月) 20:19:09.57 ID:nIjNkJXK0
怖い人2「おい来て見ろよ」
怖い人1「どうした?」
怖い人2「なんか立派なお人形があったぜ」
ジュン「!!」

51: 2008/06/16(月) 20:24:48.94 ID:nIjNkJXK0
2「これ」
1「おお・・・」
2「一瞬人間と間違えたわ」
ジュン「や・・・やめてください!!!」
1「これボクの?いい趣味してるね」
2「これすげえぞ。マニアとかに売ったら大儲けできるんじゃねえか」
ジュン「だ・・・だめです!!それは・・・それは違うんです!!」
2「おーやっぱ特別なんだ。じゃ代金代わりにいただきだな」
ジュン「お願いします!!それだけは勘弁してください!!」
1「せっかくオモチャひとつでチャラにしてあげるって言ってんだからワガママいっちゃだめでしょ!?」
ドズッ!
ジュン「ぐふ・・・」

54: 2008/06/16(月) 20:32:09.22 ID:nIjNkJXK0
怖い人1「よくみたら同じ鞄二個あるぞ」
ジュン「やめて・・・ください・・・」
怖い人2「しつけーぞガキ!!」
ジュン「お金はいつか払いますから・・・だから、それだけは!!こいつらだけは勘弁してください!!!」
怖い人2「うるせーな・・・ちょっと気失っててもらうか」
怖い人1「だな」
バギャ!!
ジュン「が・・・!」
怖い人2「それじゃあいただくか」
怖い人1「ん?」
ジュン「や・・・め・・・」
怖い人1「じゃあもう一発」
ジュン「・・・」

拳を振り上げる業者

真紅「いい加減にしなさい!!」

59: 2008/06/16(月) 20:35:57.52 ID:nIjNkJXK0
怖い人1「?」
怖い人2「?」
ジュン「真・・・紅・・・」

怖い人1「今女の声しなかったか?」
怖い人2「ああ・・・」

むくり

怖い人2「うおっ!!この人形起き上がったぞ!?」
怖い人1「うわ・・・なんだこれ」

真紅「あなたたち、少しは礼儀を知りなさい」

78: 2008/06/16(月) 21:08:21.58 ID:nIjNkJXK0
怖い人2「え?え?なんでしゃべってんの?」
怖い人1「ちょ・・・なんだよこれ・・・!!」

怖い人2「これあれだろ?そういう機能がついたおもちゃだろ?な?」
怖い人1「こんな人間みたいに動くおもちゃがあるかよ・・・」

真紅「私はローゼンメイデン。確かに普通の人形とは少し違うわね」

怖い人2「やっぱりおかしいって・・・普通に会話してるし・・・こいつなんかヤバイって!!!」
怖い人1「う・・・うわ・・・!!!」
真紅「あなたたち、さっさとこの家から出て行きなさい」

80: 2008/06/16(月) 21:11:13.12 ID:nIjNkJXK0
怖い人2「ひいいっ!!なんなんだよおおおおおおおおおお!!!
怖い人1「これ・・・ひょっとしてマジでヤバイやつなんじゃ・・・!!!」

真紅「ジュンから離れなさい」

怖い人1「こ・・・こっちくんなああ!!」
怖い人2「この野郎!!」
バキャッ!!!
真紅「ぐっ!?」

背後から後頭部に強烈な蹴りを受け、勢いよく壁に叩きつけられる真紅

ジュン「し・・・真紅・・・!!」

81: 2008/06/16(月) 21:17:55.11 ID:nIjNkJXK0
ジュン「さっき痛めつけられたせいで・・・体が動かない・・・!」

怖い人2「はあ・・・はあ・・・」
真紅「う・・・!!」
怖い人1「お・・・起き上がった」
怖い人2「うわああああああああああっ!!!!この!!!このっ!!!」
グシャッ!
怖い人1「この化け物!!くたばりやがれ!!!!」
ジュン「やめろおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」

ガシャン!!グシャアッ

真紅「・・・・・・・・・!!」

大の大人二人がかりでリンチされる真紅
みるみるうちに砕けたり部品が外れたりして全身が破損していく

84: 2008/06/16(月) 21:19:48.14 ID:nIjNkJXK0
翠星石「やめやがれですぅ!!」
雛苺「真紅をいじめないで!!」
怖い人2「ひいいいいいっ!!!!ま・・・また出たああああ!!!!」

真紅「ジュン・・・から・・・離・・・」
怖い人1・2「うわあああああああああああああああああああっ!!!!!!」

業者の二人は逃げ出していった

86: 2008/06/16(月) 21:22:34.70 ID:nIjNkJXK0
ジュン「真紅!しっかりしろ!真紅!」
真紅「・・・・・・」

真紅は体中の部品が割れたり千切れたりしてズタズタになっている
顔の半分が欠け片方の目玉が顔の空洞の中で転がっている

真紅「・・・・・・・・・ジュ・・・ン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

真紅はわずかに唇を動かした後、完全に停止した
ジュン「あ・・・・・・あ・・・」
雛苺「いやあ―――――――――――――――っ!!!!」
翠星石「嘘ですぅ・・・こんなの嘘ですぅ・・・!!」

89: 2008/06/16(月) 21:25:57.36 ID:nIjNkJXK0
ジュン「真紅・・・僕のせいで」
雛苺「ジュン・・・真紅を助けてあげられないの?」
翠星石「そ・・・そうですぅ!前に水銀燈にやられた人形を直したみたいにちゃちゃっと直すですぅ!」
ジュン「ごめん・・・できない」
翠星石「なんでですか!」
ジュン「・・・あれは裁縫だったからできたんだ・・・」
翠星石「う・・・」
ジュン「それにこれはもう・・・修復できるレベルじゃないだろ」
翠星石「お前が諦めてどうするですか!!」
ジュン「僕だってなんとかしたいよ!!」
翠星石「!」
ジュン「僕だって真紅を元に戻してやりたい・・・」
翠星石「・・・」
ジュン「でももう、真紅の魂は遠くに行っちゃったんだ」
雛苺「真紅・・・」

92: 2008/06/16(月) 21:28:31.45 ID:nIjNkJXK0
のり「ただいまー」
ジュン「!」

のり「あら?どうしたのみんな。なんか暗いわねえ」
ジュン「・・・」
雛苺「真紅が・・・」
のり「真紅ちゃんがどうかしたの?」
翠星石「・・・これを見るです」
のり「・・・・・・?・・・・・・!?え・・・これ・・・どういう・・・え・・・」
ジュン「・・・」
のり「・・・真紅ちゃん・・・?真紅ちゃん・・・!?いや・・・!どうして・・・!?」
ジュン「・・・ごめん」
のり「真紅ちゃん!!真紅ちゃん!!しっかりしてぇ!!」
ジュン「ごめん姉ちゃん」
のり「・・・・・・ジュンくん・・・?どうして顔中傷だらけなの・・・?」
ジュン「僕のせいなんだ。僕のせいで真紅がこんなになっちゃったんだ」

93: 2008/06/16(月) 21:35:41.19 ID:nIjNkJXK0
のり「そんなことがあったの・・・」
ジュン「ごめん・・・」
のり「ねえジュンくん、どうしてお姉ちゃんに言ってくれなかったの?」
ジュン「お金のことで、面倒かけたくなくて」
のり「面倒・・・かけたくない?」
ジュン「・・・うん」
のり「馬鹿じゃないの・・・なんでそんなところで意地張るのよ!!!いつも私を困らせてるくせに!!!」
ジュン「・・・!」
のり「あ・・・」
ジュン「・・・ごめん」
のり「こっちこそ・・・言い過ぎたわ・・・」
ジュン「違う・・・姉ちゃんは間違ってない・・・僕が、全部僕が悪いんだ」

95: 2008/06/16(月) 21:43:53.63 ID:nIjNkJXK0
しばらく後のある休日
ジュン「少し出かけてくる」
のり「あら・・・どこに?」
ジュン「ちょっと遠くのお寺」
のり「お寺?」
ジュン「真紅を供養してもらう」
雛苺「え・・・」
翠星石「く、供養って・・・焼き払うってことですか!?勝手に決めんなですぅ!!」
ジュン「・・・」
のり「そうよジュンくんだけの問題じゃないんだからみんなと相談して・・・」
ジュン「ごめん」
雛苺「ヒナまだ真紅とお別れしたくないのー・・・」
ジュン「決心が鈍る気がしたから」
翠星石「ジュン・・・」
ジュン「真紅もいつまでもこんな姿でいるのは耐えれないと思う」
のり「・・・」
ジュン「柏葉がちゃんと供養してくれるお寺知ってるっていうから案内してもらう」
翠星石「巴には相談したですか」
ジュン「ごめん。本当に」

96: 2008/06/16(月) 21:52:04.47 ID:nIjNkJXK0
ピンポーン
ジュン「来たかな・・・」

巴「こんにちは」
ジュン「ああ。・・・それじゃあ行ってくる」

のり「ええ・・・気をつけて」
翠星石「これで・・・お別れなのですか?真紅・・・」
雛苺「ヒナ・・・いやなの・・・」
のり「うっ・・・真紅ちゃん・・・」

ジュン「悪いなせっかくの休みに」
巴「かまわないわ。でも」
ジュン「ん?」
巴「本当にいいの?」
ジュン「・・・真紅のためだ」
巴「そう・・・」

97: 2008/06/16(月) 21:55:21.79 ID:nIjNkJXK0
ジュン「その寺までは電車で行くんだっけ」
巴「ええ何本か乗り継いで。向こうの駅で降りたら少し歩くけど」
ジュン「よし、行こう。なんだか降ってきそうな感じだ」
巴「本当、さっきまで晴れてたのに」

電車の中
ジュン「電車に乗ったのなんていつぶりだろうな」
巴「そういえば私も久しぶり」
ジュン「こんな形で町を出てよそまで出かけるなんて思わなかった」
巴「・・・」

98: 2008/06/16(月) 21:58:24.86 ID:nIjNkJXK0
ジュン「降ってきたな」
巴「そうね。向こうの駅に着くまでは止むといいけど」
ジュン「なあ柏葉」
巴「なに?」
ジュン「ちょっと僕の妄想聞いてくれるか?」
巴「妄想?」
ジュン「うん」
巴「どんなの?」
ジュン「みんなで外に遊びに行く妄想」
巴「みんなで・・・」
ジュン「僕と姉ちゃんと真紅と翠星石と雛苺と柏葉で、こうして電車に乗ってさ」
巴「・・・」

102: 2008/06/16(月) 22:18:54.20 ID:nIjNkJXK0
ジュン「行き先はどこでもいいんだ。海とか。すごくいい天気で。
それで、家の外に出かけるってんでみんなめちゃくちゃはしゃいでるんだよ。
僕が周りの目につくから大人しく鞄の中に入ってろー!っていうんだけど、
真紅は堂々と茶すすってるし翠星石は窓にへばりついて景色眺めてるし雛苺はわけわかんない歌歌ってるんだ。すごく嬉しそうに・・・
それを姉ちゃんと柏葉がニコニコ眺めててさ・・・」
巴「・・・」
ジュン「・・・気持ち悪いだろ。こんなこと考えてたんだ僕」
巴「確かに気持ち悪いわね」
ジュン「だろ」
巴「私と一緒ね」
ジュン「・・・」
巴「私もね、たまに考えるの。みんなでお出かけしたら楽しいだろうなぁって」
ジュン「でももう、一人欠けちゃったんだ」
巴「・・・いま真紅とおでかけしてるじゃない」
ジュン「それは」
巴「嬉しいんじゃないかな真紅、桜田くんとおでかけできて」
ジュン「そんなわけない。真紅は僕のことを恨んでるんだ」
巴「・・・」
ジュン「ごめん。自分から変な話振っておいて」
巴「・・・ううん」
ジュン「・・・」
巴「本降りになってきたみたいね・・・」

104: 2008/06/16(月) 22:22:15.61 ID:nIjNkJXK0
電車から降りた二人
巴「着いたわ」
ジュン「ここか・・・また雨ひどくなってるな。寺まではまだ少しあるんだろ?」
巴「バスは一日2、3本しか通らないから・・・歩いていくしかないわ」
ジュン「濡れるけど急いでもいいか?」
巴「・・・ええ、かまわないわ。私は」
ジュン「すまん。・・・もう少し辛抱してくれ真紅、すぐ楽にしてやるからな」
巴「・・・」

105: 2008/06/16(月) 22:30:47.71 ID:nIjNkJXK0

寺の人「ようこそいらっしゃいました」
ジュン「・・・お願いします」
パカッ
寺の人「・・・可哀想に」
ジュン「僕の不注意です。どうかよろしくお願いします」

寺の人「・・・・・・」
ジュン「・・・」
寺の人「うーん」
ジュン「どうしたんですか?」
寺の人「なんと言いましょうか」
ジュン「何ですか?」
寺の人「なんだかこの人形を祓うのは気が引けます」
ジュン「・・・どういう・・・」
寺の人「訴えられてる感じがします」
ジュン「訴え?」
寺の人「決して邪気を感じるというわけではないんですが」
ジュン「・・・?」
寺の人「でもなんだかすごく必氏に訴えられている気がします。私をご主人様から引き離さないでって」
ジュン「え・・・」
寺の人「あなたと離れ離れになるのを拒んでいるように感じるんです」
ジュン「・・・」
寺の人「この人形はまだあなたと一緒に居たいのではないでしょうか」
ジュン「真紅・・・」
巴「・・・」
寺の人「・・・そんな気がしただけです。それではお預かりしましょう」

106: 2008/06/16(月) 22:32:07.49 ID:nIjNkJXK0
巴「ちょっと待ってください。ねえ、桜田くん」
ジュン「・・・?」
巴「いま思ったんだけど・・・」
ジュン「なんだ?」
巴「もしかしたら真紅はまだ生きてるのかも」
ジュン「え・・・」
巴「真紅が止まった時、ローザミスティカは真紅の体から出てきた?」
ジュン「・・・!」

鞄の中の真紅の部品を丁寧にかき分けるジュン

ジュン「・・・あった・・・」
巴「まだ輝きは残ってるわ」
ジュン「まさか・・・」
巴「・・・わからないわ」
ジュン「・・・真紅?真紅!まだいるのか!?真紅!!」
巴「・・・」
寺の人「・・・どうやらまだこの子を供養するべきではないようですね」
ジュン「・・・すみません」
寺の人「あなたも未練がおありのようですから」
ジュン「・・・」
寺の人「大切にしてあげてください」

109: 2008/06/16(月) 22:33:03.98 ID:d2WOEYwi0
寺の人テラヤサシス

118: 2008/06/16(月) 22:46:01.64 ID:nIjNkJXK0
帰り道
巴「いつの間にか雨やんだね」
ジュン「ああ」
巴「また降ってくる前に帰ろう。あ、このまま晴れそうかな」
ジュン「柏葉」
巴「なに?」
ジュン「助かった」
巴「私は別に何も」
ジュン「柏葉がいなきゃあのまま真紅を預けてた」
巴「そうかな・・・」
ジュン「僕は・・・」
巴「え?」
ジュン「僕はなんてことをしようとしたんだ」
巴「・・・」
ジュン「何も気づいてやれなかった」
巴「桜田くん」
ジュン「真紅のためとか言っといて、自分のことしか考えてなかった。
真紅と向き合うのが辛くて逃げてただけだった」

119: 2008/06/16(月) 22:46:42.97 ID:nIjNkJXK0
鞄を開けるジュン

ジュン「真紅・・・本当にここにいるのか?
こんな姿になっても、焼かれそうになっても、僕が声に気づかなくても、
それでも本当に僕と一緒に居たいだなんて思うのか?こんな僕を許してくれるのか?」

ジュン「喋ってくれなきゃわかんないよ」
 
ジュン「僕だってお前と一緒に居たい!」
 
巴「・・・」
ジュン「真紅」
巴「・・・あっ」
ジュン「え・・・」
巴「桜田くん、いま真紅がちょっと笑ったよ」
ジュン「・・・真紅、真紅・・・!」

ずっと一緒よ、ジュン

~おわり~

130: 2008/06/17(火) 00:04:21.86 ID:XVfNVkqk0

124: 2008/06/16(月) 22:55:35.40 ID:FITyNz5g0
JUM「供養してやってください…」
T「任せときな、波ぁぁぁあっー!」
翠「す、すごいですぅ!」
雛「真紅の身体が逆再生で元に戻っていくのー!」
紅「うぅ…こ、ここは…?」
JUM「真紅!良かった…ごめん、本当にごめんな…」
T「これにコリて、馬鹿な遊びはやめるんだぞ、坊主?」
JUM「は、はい!」
寺生まれは本当に凄いと思った

126: 2008/06/16(月) 22:59:17.45 ID:NKtpGxPqO
Tさん懐かしwwww

引用: 真紅「ジュン、これクーリングオフの期限が過ぎてるんじゃないの?」