1: ◆TXaB6XtamM 2014/01/21(火) 22:55:42 ID:nT27wHEI

【進撃の巨人】エレン「ぼっち」【後編】

の続きとして書かせていただきます
進撃の巨人 ATTACK ON TITAN

2: 2014/01/21(火) 22:57:10 ID:nT27wHEI



少し昔話をしよう



これは三年前の11月くらいのこと



俺が中学生になってからの半月は過ぎようとしていた頃のこと



俺は入学してそのくらいの時期までは眼鏡を着用していました


特に可もない不可もない、今のように敬遠されない普通の男でした


俺が眼鏡を着けると、この大きく鋭い目が目立たなくなる。それが敬遠されなかった理由だと解釈している

3: 2014/01/21(火) 22:58:32 ID:nT27wHEI


それなりに仲良く話しかけてくれた人はいた


それなりに俺も好意的に接していた


まだ小学生から上がりたて俺にはそれが普通であり、それが自然の成り行きだと思ってた


初対面の人と仲良く接し、友達を作る


今じゃ考えれないことを子供の頃は平然とやってのけていたのだ



『これからよろしくね』

『今日、一緒に遊ぼう』

『エレンといると楽しいな』

『同じ班になろうよ』

『エレン君って面白いね』

4: 2014/01/21(火) 23:00:19 ID:nT27wHEI



友人関係を求めてくれた人がいた


そして恋愛感情を抱いてくれた人もいた


慕ってくれたり尊敬してくれたりした人もいた


今思えば俺は恵まれていた

それが現実であり俺の妄想ではない

そこに理想のモノがあった




ある日、俺の知らない現実が目の前に突然出現した



メイトA「やっぱり・・・」


メイトB「うん。昨日の放課後見た人いないっていうし・・・」

5: 2014/01/21(火) 23:02:11 ID:nT27wHEI


エレン「どうしたんだ?」


メイトA「クラスで飼っていたウサギが氏んじゃったんだって・・・」


エレン「そりゃ・・・悲しいな」


メイトB「でも違うんだ・・・」



「殺されたんだ」



言葉が理解できなかった



メイトA「うん。首に縄がくくり付けられてて、それが天井の電球に吊るされて・・・」



瞬間、俺は背筋が凍った

6: 2014/01/21(火) 23:03:45 ID:nT27wHEI


エレン「は、はぁ!?つまり誰かが頃したのか?」


メイトA「・・・・・・・うん。先生達が駆け付けた頃には、もう冷たくなってて・・・」



残酷で無惨過ぎる・・・


小さな命が人間の手によって消されたのだから・・



エレン「誰だよ!?分かってるのか?」


メイトB「分からないけど・・・昨日の放課後にウサギ小屋の方を見に行った人はいなくてー・・・・



俺は進んでその犯人を探した


別に見つけて、クラスの皆に晒し上げにするというのが目的ではない

7: 2014/01/21(火) 23:05:23 ID:nT27wHEI


俺は反省させたかった


非人道的な事をして反省もなしに受け流すなんて有り得ないんだ


人間として・・・同じクラスメイトとして



先生「今回のことは悲しい事故です」



先生は嘘を吐いた



先生「紐が引っかかってしまい、やむを得ずこうなってしまったのです」



何をどう失敗すればウサギの届かない天井の電球に引っかかってしまうのか


当然のことながら俺らのクラスの大半が信じなかった

8: 2014/01/21(火) 23:07:05 ID:nT27wHEI


それはもう公式の情報とも言っていいほど、みんなその姿を1度目にしているから



先生はクラスの皆に疑い合うことを避けたかった為、そんな嘘を吐いたのだろう


正しい対処だと思う



だが幼稚な俺はそんな気持ちを察しれず、そのまま犯人探しを続けてしまったのだ




そして・・・



犯人はクラスメイトにいました


意外と簡単に見つけることが出来ました

9: 2014/01/21(火) 23:08:45 ID:nT27wHEI


1つ疑問に思う・・・・


小学生から上がりたての人間が、面白おかしくウサギを頃すなどという行為を行うのだろうか?



その行為が楽しいのか。


ずっと俺の心の中にはその疑問で渦巻いていた


犯人を知り、俺はあいつはそんな事するような奴じゃないと思ってた



エレン「お前がやったんだよな」



メイトC「どうしてさ!ぼ、僕はやってないよ・・・」

10: 2014/01/21(火) 23:10:08 ID:nT27wHEI


ひ弱、貧弱、臆病・・・そんな言葉の似合う男でした


だから再び言おう。決してそんなことをするような人間には見えない


俺だって、こいつがやったなんて信じられない


人当たりが良く、優しい人間で・・・でも、犯人として見つけた今は、そんな目で男を見れなかった


エレン「ごめんな・・・先輩に、お前がやってるのを見たって人がいるんだ」


メイトC「やってないって言ってるじゃん・・・」


エレン「じゃあその先輩をここに呼んでもいいんだが・・・なんか携帯で写メってたらしいぞ?」



ハッタリだ・・・

11: 2014/01/21(火) 23:11:34 ID:nT27wHEI



本当に・・・・人間とは臆病で簡単だ



メイトC「ご、ごめんなさい!!皆には・・・先生には言わないで!」



見事に釣れた


その男は俺の腕にしがみつき、謝ってきました

涙を流し、なんも言えない・・・この世の終わりのような酷い形相で



エレン「お前はなんでこんな事をした・・・?」


メイトC「・・・・・」


エレン「おい!言えよ!」


俺は声を張り上げた

12: 2014/01/21(火) 23:12:52 ID:nT27wHEI


メイトC「・・・と、特に理由はない・・」



こいつは嘘を吐いている・・・


目線を合わすことなく声を震わせて


そしてそれと同時にどこからかガタッという物音が聞こえた



エレン「じゃあごめんな。このことはクラスの奴らと先生に言うけど・・・いいな?」



別に言うつもりはない。揺らしてるだけだ・・・


何かをまだ隠していることに不満を感じる

そう疑問を抱いたのは、まだ合点がいかないからだ


俺はまだ信じている。
『こいつがこんなことするわけがない』って・・・

13: 2014/01/21(火) 23:14:17 ID:nT27wHEI


メイトC「・・・・・・」


エレン「それが答えだな。じゃあ・・・明日は楽しみにしてろよな?」



心が痛い・・・押しつぶされそうだ


精神的に追い詰めるという行為がここまで辛いものとは・・・



そして、ついに答えは出た



メイトC「い、いじめられたくなかった!」



いじめられたくなった・・・・?


は?虐めのことか?

14: 2014/01/21(火) 23:16:45 ID:nT27wHEI


俺の思考回路が追いつかないまま、男は話し続けた


メイトC「エレン君みたいなクラスの中心みたいな人には分からないよ!」



俺のいるクラスには虐めがあるのか!?



メイトC「友達が言ったんだ・・・ウサギの世話当番が面倒くさいし邪魔だ。殺そうって・・」



メイトC「どうせなら苦しんで氏んでる姿が見たい。その方が面白いって言われたんだ」


俺はその言葉を聞いた瞬間に・・・胸がざわついた

心苦しい・・・締め付けられる気持ち


人に初めて本気の怒りを感じた


その気持ちを抑えて俺は拳を握り締めた

15: 2014/01/21(火) 23:19:49 ID:nT27wHEI



「・・・・・それでお前はどうした」



俺の最も聞きたかった答えを聞いた


メイトC「それで・・・あの結果だよ・・・・・やらなきゃ虐めるって言われた。本当に怖くて、嫌だったよ!でもやらなきゃ僕は・・・僕は・・」


エレン「・・・・脅されたのか。誰にだ?」


メイトC「・・・・」


エレン「まぁバレて、虐められるのはお前か」


俺がその真犯人を責めたら、この男がバラした事が分かり、虐められてしまうかもしれないからな


俺はこのことを胸に仕舞いこんだ

16: 2014/01/21(火) 23:21:33 ID:nT27wHEI


秘密事項であり、漏れたら学級崩壊ままならない


俺は知ってる様で知らなかった現実の辛さを目の当たりにした



これでいい



明日にでも皆に『追求しない方がいい』と言って回ろう


俺は首を突っ込まなきゃ良かったことなのだと・・・


こうして俺は口を閉じた


ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー

17: 2014/01/21(火) 23:24:36 ID:nT27wHEI


翌日のことです


決して望んでいなかったことが起きてしまった


俺の最も起きてほしくなかったことが


現実は残酷だと俺は学んだ



『ふざけんな』

『氏ね』

『きもい』



そんな罵詈雑音が飛び交う


殺伐とした雰囲気のクラス


馬鹿な高笑いなどするようなら、冷たい目で見られるようなピリピリした空気

18: 2014/01/21(火) 23:26:33 ID:nT27wHEI


そして1つの人集りがありました



覗いてみたら・・



この前の事件の実行犯・・・つまり昨日俺が話していた男がクラスメイト達に囲まれていたのだ



俺とその男が目が合った


彼は涙を流し、服が汚れている

顔には傷などはなく、服には靴跡が無数に付いている



俺は声が出なかった



この惨劇に、現状に、残酷さに・・・

19: 2014/01/21(火) 23:30:17 ID:nT27wHEI


紅く充血した目が俺を見つめてくる

同時に歯軋りのようなものも聞こえた


俺が話したと疑っているのか、恨みや怒りのようなものを感じる



しかし俺は誰にも話してない



先輩から聞いたのは俺だけだ。確認も取ってある


取り敢えず、原因は分からないが、早くこの場を収めたい


だが、ここで俺が「こいつは犯人じゃない」と言っても落ち着かないだろう



すると・・・・



メイトB「エレンが見つけたんでしょ。偉いじゃん」

20: 2014/01/21(火) 23:31:40 ID:nT27wHEI



「・・・・は?」



なんで知ってる?


何度もいうが俺は公言してない


この男が実行犯ということを知っただけ


追い詰めたの昨日の話。誰もいない教室で話した・・・・



考えに考え抜いた結果出たの答えが

【俺たちの会話が聞かれてしまった】というわけだ



俺のせいだ・・・・


俺のせいで、こんな現状になってしまった

21: 2014/01/21(火) 23:33:59 ID:nT27wHEI



メイトB「こんな酷い人だったなんて知らな
エレン「おい!お前ら止めろ!!」



ビクッと全員が体を震わす


そして空気が止まる


俺は人集りに割って入った



メイトC「エ、エレン・・・?」


なぜ庇うのか理解不能といった表情

22: 2014/01/21(火) 23:35:12 ID:nT27wHEI



そしてまた始まる



『こんな奴、庇うことないよ!』

『そうだぞ!いくらお前が良い奴だからってな』

『許されないことをしているんだよ』



より一層酷くなる罵倒の数々


こいつは実質的には責められる人間じゃない



そして根本的な問題が全て無になっている


【本当の犯人を見つけるにしても、もう何もかもが遅い】のだと・・・

23: 2014/01/21(火) 23:36:42 ID:nT27wHEI


こんな状況で言ったって誰も信じない


昨日の俺の言葉を誰かが信じたせいで・・・


俺が庇う行為をすることによって、さらに彼を苦しめてしまう



俺はどうすればいいんだ・・・



この場を収めるにはどうすればいいんだ

頭をフル回転させても何も思い浮かばない


この殺伐としている空気に飲み込まれてしまう


結果、この男を虐めという世界へ導いてしまった俺はどうすればいいんだ


そもそも俺が追求などしないで『事故』という形にしていればいいんだ

24: 2014/01/21(火) 23:38:29 ID:nT27wHEI


俺のせいで・・・・俺のせいで・・


手と足がガクガクと震える

声を出すのがここまで難しいものとは気付かなかった



「おい・・・聞いてくれ・・」



震える腕を片方の腕で抑えつける



そして皆は口を止め、俺に視線を送る




「俺がウサギを頃したんだ」




俺の脳裏に浮かんだのは『責任』という言葉でした

28: 2014/01/22(水) 21:42:55 ID:HZaYcaA2



再び空気が凍る


そんな世界を壊すがごとく一人の女性が口を開きました



「あ、あはは・・・その日の放課後はずっと私といたじゃんか」

と、普段から仲良くしてくれていた友人がそう告げた



そうだ。その通りだ・・・・俺はその日はそいつとずっと話していた

多分、その姿を見たやつも他にいるだろう



しかし


エレン「違う!俺がウサギを頃したんだ!だからそいつは違うだから・・・もう止めてくれ!」


俺にはこうするしか道がない

29: 2014/01/22(水) 21:45:28 ID:HZaYcaA2


必氏の訴えと全力の叫び


そんなどう仕様も無い自分が怖い


だがそれ以上に男への罪悪感で頭も心も痛い


息が乱れる・・・精神的にもきつくなってきた


皆が男から離れたのを確認した

俺は駆け寄り、体を起こさせた



メイトC「エレン・・」

エレン「ごめんな・・・」


俺には謝罪の言葉が『ごめん』の一言しか出てこなかった


クラスメイト達は話すのも動くのも止め、ただただ立ち尽くす

30: 2014/01/22(水) 21:48:27 ID:HZaYcaA2


『は、はあ!?エレンがそんなことするわけないだろ』

『あいつもその時はエレンと一緒にいたって言ってるし』

『エレン君はそんな人間じゃないでしょ!』

『いくら優しいからって、それは・・・』


口々に俺を庇う台詞を吐くクラスメイト達


どうやら俺はそんな良い奴に見られてるらしい



・・・・・・嬉しいな・・・



「は?俺はお前らをずっと騙していたんだよ・・・バーカ」



でも、ダメなんだ・・・・俺は耐えられないんだ・・・


青春が崩れ落ちる音がした

32: 2014/01/22(水) 21:50:16 ID:HZaYcaA2



ーーーーーー
ーーーー
ーー



俺の目は昔から悪人みたいな目と言われてきました



次の日の朝、俺はこの真面目を規範とさせる眼鏡を取って学校へ来ました


なぜそのような行為に至ったかというと・・・


自分を”悪”に見せたかったから


このままあいつが疑われるようならば、俺が疑われるほうがまだマシだ・・・・


それなら俺は”悪”になる


あの男をあんな精神的に追い詰めておいて、俺がこんだけで許されるなんて傍ら痛い

33: 2014/01/22(水) 21:51:51 ID:HZaYcaA2


こんなことで許されるはずない

人、一人の人生を壊しかけた・・・代償は同等のものでなくてはならない



俺の単純すぎる脳はその答えしか出なかった


その人の為に何ができる


精一杯何が尽くせるのか



【何もかもが分からなかった自分に対しての報い】



俺は人望も友達も・・・・・今までの自分を捨てることにした

34: 2014/01/22(水) 21:52:58 ID:HZaYcaA2



あの男は虐められることは無くなった

俺は必氏で言い続けたからだ


そしてクラスの奴らも俺が犯人だと信じたらしい


なのに、度々俺に話しかけてくる人もいた


俺は全力無視し続けた


この目で睨みつけると皆、避けていく


いつしか皆が俺と距離を置くようになってきた


そう。これでいいんだ


こうすれば、あの男だって古傷残さず学校生活おくれるって・・・

35: 2014/01/22(水) 21:53:55 ID:HZaYcaA2


別に俺はこのことについて後悔はしてない


唯一の心残りは真犯人が見つからなかったことだけだ




まあ・・・これが俺の眼鏡を取った理由


自己犠牲を身に付けた理由


そして感情を抑え、冷静を身に付けた理由


言質を気にする理由



ほんと・・・笑っちゃうだろ



そして今も学校では眼鏡を着けない

36: 2014/01/22(水) 21:54:52 ID:HZaYcaA2

眼鏡の俺は過去の人間。捨てた自分。


学校で眼鏡を着けることは、あの男を裏切る行為のように思い、心に染み付いているから



「お兄ちゃん早くしないと遅刻しちゃうよ」



こういう経緯があり、俺は眼鏡を置き、コンタクトを付ける



「お兄ちゃん準備が遅すぎだよ!」



本当の自分を消すために


本当に変だろ?


飾りを付けてる自分が”本当の自分”だなんて

37: 2014/01/22(水) 21:57:29 ID:HZaYcaA2



「もう・・・お兄ちゃんは考え事が多いんだから!遅刻しちゃうって」


「分かった。今行くから、待ってろ」



だけど何度も言うがそれは捨てた自分


今は悪の自分を楽しく生きていく



「お兄ちゃん行ってらっしゃい」


「いってきます」



崩れ落ちた青春を拾い集め・・・


作り直す為に

38: 2014/01/22(水) 21:58:23 ID:HZaYcaA2
今回はここまでです

読んでいただきありがとうございました

39: 2014/01/22(水) 22:02:41 ID:HZaYcaA2
>>31
申し訳ありません

そんなエレンを書きたかったので
あと、結果の辻褄が合わないとこも一応のちのち話に関係して使いたいので・・・

変なフラグの立て方申し訳ないです

40: 2014/01/22(水) 22:05:11 ID:HZaYcaA2
フラグじゃないですね、伏線です

44: 2014/01/25(土) 10:06:36 ID:SQMMdUnM



12月16日


地球をアイスピックでつついたとしたら、ちょうど良い感じにカチ割れるんじゃないかというぐらいに冷え切った朝だった


って・・・別に誰も消失しないだろうという話の始まり


吐いた水蒸気が全て凍りつき、氷の粒となって地面を飾りつけようかと思わせる程の寒さは俺の指先と耳を真っ赤に染める


手袋でもしてなければ指の感覚など無くなってしまう

しかしながら、手袋をしていない俺はハァーと温かい息を指に吹きかけて温める


その場しのぎや気休めに過ぎない行為である


だがしかし人間とはこうすることで安心できるという良い方向への勘違いを持っている

45: 2014/01/25(土) 10:07:40 ID:SQMMdUnM


まったく・・・人間とは簡単で単純な生き物だ


そんな考えを持っている俺も、実際そのような行為をしているわけで・・・


その気休めに優越感を抱いているのだろう


考え方を変えれば嗜好と呼んでも良いかもしれない


特に意味のないことでも、それを好んでする人だっている

それがこの気休めだろう



「・・・・・・お前、エレンか?」



淀んだ空を見上げながら考え事をしていた俺に向かって、後ろから聞き覚えのある声が話しかけてきた

46: 2014/01/25(土) 10:08:37 ID:SQMMdUnM



エレン「はい?そうですけど・・・?ユミル先輩」



俺はくるりと振り返った

ユミル先輩は純白のコートに真っ黒なマフラーでモノクロな姿


周りは雪景色で白黒の世界


その世界にユミル先輩は馴染んでいる



ユミル「・・・・・エレン?」



そんな平和な考えをしていた裏腹


ユミル先輩は唖然というか・・・開いた口が塞がらないというなんとも言えない表情を浮かべてる

47: 2014/01/25(土) 10:09:14 ID:SQMMdUnM



エレン「コホン・・・・どうしたんですか?何か俺の顔に付いてるか?」



今日は気分がよく、久しぶりに敬語で話してあげたのに・・・


敬語だから、人違いでもしたのか?と思ったのだろうか


そんな疑問を抱きながら、ユミル先輩を見つめていた


そして口に出した言葉が・・・



「・・・・お前・・・目つき悪いな」



俺は背筋が凍りついた

冬の寒さによるものではない

精神的に追い詰められるものだ

48: 2014/01/25(土) 10:10:51 ID:SQMMdUnM



「あ・・・・眼鏡・・」



俺はユミル先輩の前だというのに眼鏡を付けていなかったのだ



ユミル「・・・・・1つ質問していいか?」


顎を人差し指と親指で挟み、俺を見つめる


ユミル「私さ、お前の顔を入学式の日に見たことあるんだけどさ」



一気に心が冷めゆく・・・



エレン「・・・・・そうですか・・・」


ユミル「別に私はお前をそのことで追い込もうとは考えてない。取り敢えず答えてくれ」

49: 2014/01/25(土) 10:13:05 ID:SQMMdUnM


エレン「・・・・・」


ユミル「お前は・・・あの日、喧嘩をしていたエレンか?」


エレン「・・・答えによっては、俺は仕事の方に影響は出ますか?」



ユミル先輩はまさかこの問に対して予想だにしない行動をとった



「は、はははっ!マジか!」



笑ったのでした


俺の思っていた反応と違ってた

いや・・・考え直せば逆にこんな反応をするのはユミル先輩だけだろう



エレン「・・・え・・・・?」

50: 2014/01/25(土) 10:14:14 ID:SQMMdUnM


腹を抱えて、白い息を多量に出しながら大口を開けて笑うユミル先輩


ユミル「お前があのエレンだったか!なら合点がいくわ!」


合点がいく?

なんの話だろうか


エレン「合点がいくとは・・・何のことですか?」


ユミル「ふぅ・・・それはな。お前の存在だ」


エレン「俺の存在・・・?」


ユミル「お前は同じ高校だというのに顔を見たことなかった。全校集会、購買、登下校・・・帰る道でさえ一緒なのにお前とは会ったことなかった」


エレン「それは偶然で・・・」


ユミル「そして名簿だ。学年名簿にはエレンという男は1人しかいなかった。しかしクラスに行ってもエレンの姿はなかった」

51: 2014/01/25(土) 10:15:47 ID:SQMMdUnM


全てが明らかになっていくことに別に俺は不安はなかった


何より、さっきのユミル先輩の反応に安心していたから


一番恐れていたのが、ユミル先輩が俺に恐怖を抱き、俺のクラスメイトのように距離を取ることだった



ユミル「私は本当にお前が同じ学校の人間なのか疑っていた程だ。そして・・・『ぼっち』という存在。それで私は理解したよ」


エレン「・・・・俺が例の人物と同一人物だと・・・」


ユミル「ははっ、まさかの展開だな。そこまで解れば色々な推理が可能になる」


ニヤニヤしながら口を止めようとしない

まるで推理小説の事件を解く時のわくわくに満ちているような


その姿は俺と少し被るところがある・・・なので理解できる

考えれば考える程、全てが繋がる事に面白みを感じるのだと

52: 2014/01/25(土) 10:16:58 ID:SQMMdUnM


それに気付き俺はイラッとした



エレン「本当に・・・・察しがいい人って嫌いだ」


ユミル「それは自分を卑下してることだからな。お前の性格と態度を考えると・・・入学式の事件はお前の自己犠牲によるも」

エレン「はいはい、ご名答。じゃあもう学校行きましょ・・・」



ユミル先輩をおいてけぼりにし、粉雪が車によって押しつぶされた固い氷の道の上を歩き出す



ユミル「待てって!・・・しょうがないな。私と一緒に登校出来るなんて、相当の幸せ者だからな」


そう言い隣に駆け寄り、俺と同じ歩く速度で平行に歩きだす


エレン「俺は別にユミル先輩と幸せなんか築くつもりありませんから・・・」

53: 2014/01/25(土) 10:19:03 ID:SQMMdUnM


少し黙り、ユミル先輩は「・・・・お前、怒ってるのか?」と疑問を問いかけてきた


その疑問に対し、俺は図星であり、その図星であることが恥だと感じた


悟られたくなかったから



エレン「別に・・・怒ってないですけど」


ユミル「はぁ・・・悪かった。地雷だったのか?」


エレン「だから怒ってないって言ってるだろ」


俺は少し声を張り上げた

ピクっと身体を反応させるユミル先輩


そしてユミル先輩の腕が後頭部に伸びる


あぁ。また意味なく殴られるのか・・・と覚悟を決めていた

54: 2014/01/25(土) 10:20:41 ID:SQMMdUnM



ユミル「・・・・・ごめんな」



だがそれは変化球だった



エレン「・・・・なんで撫でるんだよ?」



女性でありながら、身長に恵まれてるユミル先輩の手は、身長相応に程々の大きさ


そんな・・・幼い頃に感じた母親を思わせる手で優しく流れそうように撫でる



ユミル「・・・・いや・・・そんなエレンを私は見たことなかったから・・・・悪いと思って。私にもそういうことあるからさ・・・」


俺を子供や犬と勘違いしてるのか?


エレン「もしそうだったとしても愛でたくらいで落ち着く程、俺は単純じゃないぞ?」

55: 2014/01/25(土) 10:21:52 ID:SQMMdUnM


ユミル「そうかそうか・・・」



一向に行動を止めようとしない



エレン「いや、だからな?俺は今のは遠回しに撫でるのを止めろと言ってるわけでな」


ユミル「なんだよ。ほんとお前はノリが悪いな・・・私からの犒いや労りというものだ」


エレン「朝から、そんなテンションのユミル先輩が気持ち悪い」


ユミル「このっ・・・言ったな!」


肩にグイッと腕をまわしてきた

言い方を変えよう。それは腕をまわして首を締めるような形だ


エレン「・・・・・・はぁ・・・」

56: 2014/01/25(土) 10:23:51 ID:SQMMdUnM


ユミル「しけてんなぁ・・・なんか反応しろよ」


エレン「ユミル先輩は温かいな・・・」


ユミル「きもい!」


瞬時に腕を解き、ジリっと少し後退りした


エレン「やっと離れてくれたか・・・」


ユミル「お前は簡単に自分を犠牲にするよな」


エレン「別に・・・・純粋な意見なんだけどな」


ユミル「・・・・ふーん・・」


エレン「ユミル先輩きもい・・・」


ユミル「は、はぁ!?」

57: 2014/01/25(土) 10:25:06 ID:SQMMdUnM


エレン「そこはなんでもいいから否定しろよ。これを素直に受け止めるなんて・・・悪寒が治まらねえ・・」


ユミル「巫山戯るな。私の労りの気持ちをなんだと思ってる」


エレン「別に頼んだ覚えはない」



ユミル先輩を見ず、ただただ道をまっすぐ歩きながら受け答えをする



ユミル「だけど・・・受け取って損のない物だろ」


エレン「ユミル先輩はそんなことしなくていい。俺はただ普通な平和を謳歌できればいいんだ・・・だから無理に『らしくない』ことを起こされてもなぁ・・・・」


ユミル「つまんねえな」


エレン「俺はいつも通りのユミル先輩でいて欲しいって言ってんだよ。殴られるのは嫌だけど、それ以上に奇行な行為をするユミル先輩は嫌だ」


ユミル「ふーん・・・」

58: 2014/01/25(土) 10:28:26 ID:SQMMdUnM


エレン「俺はいつもの平和が壊されたくない。ユミル先輩のその行為によって平和が変化したら・・・望まない未来がくるかもしれないからな」


ユミル「調子に乗るな」


エレン「アデっ!」



額に真正面から手刀がペシっとあたる


目の前に来たため瞳を閉じた末、反応が遅れ身体がふらつく



ユミル「全てがお前の望んだ未来になると思うなよ」


エレン「なんでそんなこと断言できる」


ユミル「人の思想はどんな人間であっても想像しえないんだよ」


エレン「・・・・・」

59: 2014/01/25(土) 10:39:20 ID:SQMMdUnM



俺は『確かに』と納得した


自分の理想が浅はかだった


空へ向かって白い息が溜め息と一緒にはかれる



ユミル「お前なら、それくらい分かってるだろ・・・今まで人間関係が乏しいからって、少しくらいは経験してるだろ」


エレン「・・・・・そうだな」


ユミル「というか・・・・想定内の言動なんて何が面白いんだよ。すべてが想定内に収まったら・・・つまねえぞ」


エレン「ユミル先輩。俺は生きる意味はある・・・・でも、人生楽しみたいとは思ってるのかな・・・」


ユミル「知らん。少なくとも私は思ってるぞ」


「そっか」と答え、俺はそのまま学校あ歩みを進み続けた

65: 2014/01/25(土) 22:20:15 ID:SQMMdUnM



こんな夢を見たことないだろうか?



道を歩いていた・・・・ただただ歩いていた


周りには人がたくさんいて、バカにしあったりしながら、皆笑っていて・・・


でも気付いたら、一人消えている

俺の見えているところで・・・また一人。また一人と・・・・


数えれるくらいになっていく


そして・・・



いつの間にか俺は一人で歩いている

66: 2014/01/25(土) 22:22:59 ID:SQMMdUnM



どうして俺がこんな話をしたかって?

どうしてだろうな・・・



そんな夢を今日見てしまったのか・・・


そんな夢を思い出させることがあるからか・・・



仕方無く思い出しているのか




がらがら・・・と、少し年期のはいった扉を左でスライドさせる


ここに放課後向かうというのを始めて2ヶ月と少し



「エレン遅いぞ。時間厳守だ」

69: 2014/01/25(土) 22:27:19 ID:SQMMdUnM


エレン「ホームルームの時間がちょっと伸びて、遅れてな」


「まぁまぁライナー先輩。エレンのせいじゃないもの。仕方ないですよ」


ライナー「お、おう。クリスタがそう言うのなら・・・」


クリスタ「エレン次からは遅れちゃダメだからね」


エレン「・・・・・」


クリスタ「・・・。・・・・じゃあ始めようか。今日は終業式の日の体育館の暖房器具の設備とー・・・



俺は夏休み前にリコさんと契約を結びました


生徒会の仕事を任されてました

ただし当初の話とは違い、後期役員として推薦で一斉に役員が決められたのです


俺はリコさんの推薦により書記になりました

70: 2014/01/25(土) 22:28:15 ID:SQMMdUnM


そして会長は


クリスタ「暖房設備としては、灯油ストーブ6つです。社会科室と生物室、物理室のストーブ。合計6つを体育館に運びたいと思います」


この生徒会の資料を読み上げる、小さく金色の髪が似合う少女


時に間の抜けた失敗や空回りな発言をすら言わば天然と呼べる人間だ


ライナー「じゃあ、俺とエレンで力仕事はしよう。まぁ力仕事は男の力の見せ所だからな」


クリスタ「うん。心苦しいけど私じゃあんまり力になれないから、灯油を給油する仕事にまわるね」


年齢は俺と同学年に属し、会長に立候補したのは彼女だけというわけもあり、1年生ながら会長という地位についた


エレン「俺はブラ先輩の意見に反対だ。何が悲しくて力仕事をしなきゃならん」


ライナー「待て。ブラ先輩はないだろ?つか昨日までずっとライナー先輩って呼んでただろ」

71: 2014/01/25(土) 22:31:04 ID:SQMMdUnM


エレン「なんか女性下着を常に着衣しているようなあだ名だな。もう恥も承知でブラ先輩と呼びましょう」


ライナー「その恥を受けるのはエレンじゃなくて俺だ。観点をミスしてるだろ」


そして副会長にあたるのがこのライナー・ブラウンという人


俺が誰なのかを知っていながら優しく接してくれる人だ


クリスタ「はいはい、話は終了。会議中ですよ」


ライナー「おう・・・すまん」


実質的には三人だ


三人で全てを補い合ってる状況


なんとも不憫で人気のない役職だろうか

72: 2014/01/25(土) 22:32:25 ID:SQMMdUnM


高校生でこのような総務にあたる役職は就職や進学に大いに後押しするのに・・・


立候補又は推薦する人間自体がいない為、どうにもならないことだが



そして突如、「待たせたわね!」という声と共に扉が開かれた



エレン「待ってねえよ」


誰も憂鬱になんかになってもない

それとも、貴女が憂鬱なんですか?閉鎖空間とか作らないでくださいね

そんな紛いなりにも的確な対処をした



クリスタ「ペトラ先生遅いです」


ライナー「教育者としての自覚はあるんですか」

73: 2014/01/25(土) 22:34:46 ID:SQMMdUnM


俺が推薦してペトラ先生を総務部の顧問にした


人の前に立つ仕事でもあり、責任感の試される役職


ペトラ先生の悩みには刺激を与えるものと感じたからである



ペトラ「エレン君が呼びに来てくれたら、私はいつだって駆け付けるよ」


エレン「じゃあなんで呼んでも無いのに来たんだ?」


ペトラ「もう!エレン君のイジワル・・・」


エレン「なんて嘘だよ・・・これからは早く来い。ペトラ先生がいなきゃ進まないことだってあるんだからな」


ペトラ「うん・・・ごめん」


エレン「ああ、もう・・・説教してるのにニヤつくな」

74: 2014/01/25(土) 22:37:55 ID:SQMMdUnM


ライナー「先生とお前は仲良いな」


エレン「節穴先輩も同じで、あの会長と仲が良いご様子で」


ライナー「おい、つまりは仲が良いようには見えないと言いたんだな!まともにクリスタと目線も合わせれないお前が言えることか」


クリスタ「・・・・・・」


ペトラ「??じゃあ、話していいかな?今週の生徒会の仕事としては、暖房器具の設備と終業式の冬休みの過ごし方の連絡、そしてー・・・


終業式にする冬休みの過ごし方の生活指導とか本当に面倒だよな


逆に聞いて覚えてる奴なんているのか疑うし、常識を守れてる奴は大抵守れてる


でも、非常識な事を起こす奴がいるから連絡するのだろうけど、それが守れないから非常識なんだろう


そもそもが間違っており矛盾している

75: 2014/01/25(土) 22:39:52 ID:SQMMdUnM



そして数分が経ち本日の総まとめをしようとしたとこ



エレン「力仕事の方はクラスの仕事としてまとめてもらう。3年にはストーブの設備。1、2年は大掃除。計30分で終わらす」


ライナー「また勝手に決めてからに・・・」


エレン「3年はストーブを運び終わったら給油のほうも頼もうと思う」


クリスタ「私達はそれを連絡するだけ・・・?」


ライナー「そりゃ俺らは楽でも、全校の下校時間とかが伸びるんじゃ」


エレン「別に良いだろ。俺らの都合の良いようで」


ライナー「は?そんな虫のいい話は気に食わん」

76: 2014/01/25(土) 22:41:17 ID:SQMMdUnM


エレン「俺らは生徒会であるだけだ。役職に囚われ過ぎだ・・・考えてみろ」


ライナー「何をだ?」


エレン「俺はただの生徒の上に立つだけの存在でしかない。それイコール雑用をするという考えはおかしいんじゃないか?俺らが苦しむだけなんてやってられっか」


ライナー「生徒会は生徒の役に立つ為のものだ。雑用だろうが役に立つ為なら」


エレン「いいや違う。生徒会は、学校生徒の自治機構である。現代日本の多くの学校で、名称や権力の多寡の如何を問わず存在するもの」


ライナー「それが生徒の為になるのなら」


エレン「だから先輩は脳内がクリスタ一色の快適環境なんだよ。生徒会は生徒の意見を反映させるものだ。筋を通した上で俺は生徒としての俺の意見を反映させる」


クリスタ「!?」


ライナー「クリスタは関係ないっ!というかお前、そんなのが全校に通じると思ってるのか?時間を遅らせるなんて批判が出るぞ」

77: 2014/01/25(土) 22:44:41 ID:SQMMdUnM


エレン「だからこそ、生徒会なんだ。生徒会の決め事に逆らえる生徒はいるのか?」


ライナー「それは職権乱用だ」


エレン「まぁ捉え方によっちゃそうだな。自分で決めて自分で権威を行使するなんて」


ライナー「お、お前なぁ!」


クリスタ「先輩。言い方は卑屈だけど・・・・エレンの意見は正しいよ」


ライナー「クリスタ!?」


クリスタ「あれだよ・・・3人でやるより、皆でやったほうが早いでしょ。それだったら平等にいこうってことだよ」


ライナー「・・・・そういうことか。なんかすまん」


エレン「いいって・・・じゃ、俺もう行きますね」

78: 2014/01/25(土) 22:46:30 ID:SQMMdUnM


ライナー「なんで、いつもそんな早く終わらせたがるんだよ」


鞄を持ち上げ、席を立ち、椅子を机にしまう


エレン「別にいいだろ。保健室行きたいし・・・」


ライナー「お前、怪我してるのか!?大丈夫か?」



ガタッと俺の肩を握り締め、大声をあげる


この人はからかい甲斐がある。そしてとても優しい

人情深いというのが似合うだろう



クリスタ「エレン大丈夫・・・?」


エレン「俺は怪我したから保健室に行くわけじゃない。それじゃあな」

79: 2014/01/25(土) 22:48:44 ID:SQMMdUnM



がらがら~・・・ピシャ・・



ペトラ「またリコちゃんのとこに・・・」


ライナー「リコちゃんって・・・・保険医のとこですか?」


ペトラ「エレン君、リコちゃん大好きだからね」


クリスタ「・・・・・・」


ライナー「2人は仲が良いんですか?」


ペトラ「夏休み一緒に旅行行ったり、保健室で雑談したり・・・エレン君の家に遊びに行ったり」


ライナー「へぇ・・・・友達みたいだな」

84: 2014/01/26(日) 20:42:58 ID:Pn7728I6



Pi・・・ぷるる・・・・・



『もしもし・・・?』


「もしもし、ユミル先輩?」


『ん、どうした?今日は来れるか?』


「保健室寄っていくから、少し遅れるけど行く」


『もうお前目当ての客が来てるんだが』


「俺は看板娘でも何でもないんだけど・・・」


『看板息子だな』

85: 2014/01/26(日) 20:43:49 ID:Pn7728I6


「なんで男の制服姿なんて見に来たがるんだよ・・・ここの店の制服はそんな特殊なのか?それとも男が菓子作りすることが特別珍しいと思われているのか・・・?」


『いや・・・お前解釈ミスってるぞ』


「どういうことだ・・・?」


『はぁ・・・・気付いてないなら気付かないままでいい。まあ早く来れるなら出来るだけ早急に頼む』


「はいはい・・・そういや新しく入った奴はどうなんだ?」


『別に可もなく不可もなくだ。あいつはあいつだし・・・』


「・・・なんかすみませんね。俺が生徒会なんて入るから無駄に人員を増やす羽目になって」


『そうだな。・・・だが別に謝る必要はない』


「そう。じゃ、そろそろ切るから」


『またな』

86: 2014/01/26(日) 20:45:50 ID:Pn7728I6



ふわっと暖かい風が扉を開いたと共に俺の体にあたる



リコ「やっと来たか。全く女性を待たせるとは男としてどうかと思うぞ」



椅子にふんぞり返って座って男勝りな口調

コーヒー片手に、見た目は出来る女という雰囲気だ



エレン「リコさんが生徒会に推薦したくせによく言うわ・・・・で、何の用だ?話って」



部屋の中は空調設備が整っている為、ほんわか心地の良い暖かさ


怪我人の配慮をすべき所は無駄にお金がかかっているからな

ここを灯油ストーブなど使うと一酸化炭素中毒や酸素不足などの危険もあるし

87: 2014/01/26(日) 20:47:28 ID:Pn7728I6


リコ「唐突で悪いが・・・エレンはクリスマスは暇か・・?」



なんとも浮ついた発言



エレン「ぼっちに向かって何を言ってるんでだ?生憎、俺はその日は予定がぽっかり空いているけど、なんだ?自慢か?彼氏とデートでもする気か?いつの間にリア充になったんですか。リコさんがどこの誰かとイチャコラしてても嫉妬とかしないんで安心してくだ」


リコ「待て待て!なんかお前変だぞ。お前の文字数とか私がリア充とか・・・私に出来るわけなかろう」


エレン「違うなら違うって言えよな?勘違いしただろ」



内心ほっとした自分がいる



リコ「エレンはクリスマスに恨みでも持っているのか」

88: 2014/01/26(日) 20:49:01 ID:Pn7728I6


エレン「クラスのクリスマス会に無理矢理参加させられて、それで賑わってる中、部屋の隅で永遠と携帯をいじっていた記憶ならある」


リコ「・・・・・」


エレン「途中から二次会的な雰囲気出て俺を誘おうか誘わまいか騒ぎ始めた時、『別に誘わなくていいんじゃない?あいつ暗いしキモい』という女子の言葉を聞いた時は少し胸が苦しくなった」


エレン「だが問題ない。俺は別に暇だったが女子達を不愉快にさせない為に空気を読んで、家に帰ることにしたからな。二次会にクラスメイト30人中29人は参加してたらしい」


エレン「その次の日にクラスの集合写真みたいなのをクラス全員に配ってた奴がいてな、間違えて俺に渡して、周りの奴らが騒然となっていたな」


エレン「俺も取り敢えず『楽しそうだな。俺も行けば良かったな』と心にもないことを一言残して写真を返したよ。そいつも愛想笑いを浮かべてたな」


リコ「・・・・・申し訳ない」


エレン「別に謝らなくていい」

89: 2014/01/26(日) 20:50:54 ID:Pn7728I6


リコ「あっ!それで、エレンはクリスマスは暇なのだな・・・?そうか・・・良かった・・」



ふとももの間に手を挟み、目に見えるモジモジした姿を見せる



エレン「何度も言わす気か?リコさんも性格が悪くなったもんだ・・・」


リコ「違う!というかお前は卑屈過ぎる・・・その日は私と一緒に時を過ごさないか?」



なんとも忙しないリコさん


今度は手を前に出し、ピアノ奏者の準備運動のごとく、手のひらを合わせ、親指は親指に人差し指は人差し指にあて、開いたり閉じたりしている



エレン「俺で良いのか・・・?後で後悔しても知らないぞ」

90: 2014/01/26(日) 20:52:28 ID:Pn7728I6


リコ「私は・・・・寧ろエレンとじゃなきゃ駄目なくらいだ」



そんな頬を紅く染めてまで言うことなのだろうか?


別に今の今までクリスマスぼっちであったことが、そこまで『恥』であったのかが疑問である


俺もクリスマスは妹としか過ごす予定はないし、所謂家族と過ごすという、ぼっち特有のもっさい感じであったが、別に『恥』とは思わないんだが



エレン「そこまでか・・・。聖キリストの誕生日に心の底まで暗黒に染まったって知らんからな」


リコ「お前は三十路真っ只中の独身OLか何かか!?」


エレン「まぁ冗談はここまで。俺はリコさんとクリスマスを一緒に過ごせるなんて嬉しいよ」

91: 2014/01/26(日) 21:08:27 ID:Pn7728I6


正直、天にも昇るような高揚感


リコ「・・・・私もだ。エレン」


エレン「俺を上げに上げといて、最後に『冗談。勘違い乙』とか『ペトラと用事ができた』とかいうの止めろよな」


リコ「私が約束を守らない女に見えるか?」


エレン「でもリコさんは俺で遊ぶ癖があるし・・・」


前科何犯であろうか?


リコ「大丈夫だ。私が約束を守らないようなら、一発くらい殴ってもよい」



度肝を抜かれた

あまりにも極端すぎる発想に


その高すぎる覚悟の強さに身震いがする

92: 2014/01/26(日) 21:10:34 ID:Pn7728I6


エレン「なんだよ、その体育会系の罰ゲームみたいなのは・・・俺に女性を殴る趣味はないぞ」


リコ「いいや、構わんぞ。それなりの覚悟ということだ」


エレン「そこまで男らしいと寧ろ引きます・・・大人ならそれなりに考えれるだろ?こう・・・生徒会のしご

リコ「あ、あれか・・・?お前は私を従順に従わせ、雨津さえ私の身体を使ってあんなことやこんなことを・・・・」


エレン「飛躍し過ぎだ。それは大人な対応だと思うが大人と言っても世界が違う。そんな生々しい罰ゲームを幼稚な肢体をしている女性に強要するなんて俺、鬼畜過ぎるだろ」



・・・・・・・・・あっ・・・・・



リコ「・・・・・・エレン・・・」



『やばい』という声が頭の中に何度も何度も聞こえる

93: 2014/01/26(日) 21:11:56 ID:Pn7728I6


リコさんの目が眼鏡越しに見える


それはまるで・・・怒り狂った『シャー!』と鳴く獰猛な猫のような



エレン「コホン・・・・俺もう帰ります」


取り敢えず逃げようか


リコ「待て・・・私はお前の戯言に耳を傾けてやった。その戯言の中に良からぬ発言が聞こえたんだが?」


肩を掴み、逃げないようにグイッと寄せる


どうやら俺は逃げられないようですね

ありがとうございました

94: 2014/01/26(日) 21:15:36 ID:Pn7728I6


だがしかし


俺の巧みな話術を使えばリコさんの機嫌をとるくらい、子供に笑顔を見せるくらい簡単


一応、文系なんでね・・・

そんじょそこらの頭のいいやつとは脳内構造が違うからな・・・・・言い訳は得意だ



エレン「リコさんは世界一のセクシーボディですね。この水平線のごとく太陽が昇ることのない胸とかまさに俺の肘はそっち側には曲がらないんだ。いや、だから曲がらないと言ってい痛い痛い痛い痛い!!!」



「私は残念だ。保健室で怪我人を出してしまうなんて・・・・」



リコさんを怒らすと怖いんだな・・・

103: 2014/01/29(水) 22:38:01 ID:1lq6XTo6


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ーーー



世の中の大半の人間が恋愛などという脳の混乱を抱えている


赤の他人になぜそこまで執心できるか


アルコールを摂取したがごとく、人は恋愛というものに盲目となり、考えが泥酔してしまう

はたから見れば、それが『恥』であり『苦』にも見える


片方が幸せなら片方が気を使わなくてはならない


『人』という漢字と同じだ

一人が片方を支え、一人が楽をする


『幸せのためならば』という如何にもそれなりのことを簡単に意義付けられるが・・・

104: 2014/01/29(水) 22:39:09 ID:1lq6XTo6


はたしてそれは本当に幸せなのだろうか



幸せだ!それが幸せなんだ



そうしなければ、いつか離れてしまうかもしれない


最近は熟年離婚というのが多いだろう

理由は年金問題など色々あると考えられるが、そもそも・・・夫婦の関係に飽きが来ているからだ


それならば人は人に気を遣い、人と接していく

それこそが何よりも『続けていける』大事なことだと思う


それをバレないように生きていくのが腕の見せどころ

105: 2014/01/29(水) 22:40:27 ID:1lq6XTo6


俺が無縁と考えている恋愛について何故考えたか


それを示すのに恋愛を対象にして説明するのが特に楽だからだ


俺とは1つ壁で区切られた次元の違うモノ


自分の損得に影響は出ないから



自分が違うのが分かってる

それこそ・・・捻くれた思考をしているから

だからこその『ぼっち』でもある



でも・・・恋愛するなら


恋愛くらい楽させてほしい


本音くらい・・・嘘をつきたくない

106: 2014/01/29(水) 22:42:18 ID:1lq6XTo6


そもそも人を好きになったことが無いから、この考察が正しいのか誤っているのかは



不明である



だが俺の取り巻く人間関係は、例外無くこれを俺は続けていくことだろう





エレン「はぁ・・・イテテ・・」


「どうしたんすか!兄貴」


エレン「兄貴呼びやめろ。ここ来る前にちょっとな・・・」


「姉ちゃんから聞いたっす!エレンさんはあの伝説のセレブレイトブレイカーだったんすね!」


エレン「朝はあんな対応してたくせにユミル先輩はベラベラと。というか、その変な異名やめろ!恥ずかしい。なんだよ!?『祝いの破壊者』って」

107: 2014/01/29(水) 22:46:34 ID:1lq6XTo6


「これからは兄貴って呼ばせてもらうっす!俺、伝説の兄貴の舎弟になりたかったっす」


エレン「そんなんだと姉ちゃん泣いちゃうぞ。えっと・・・常夏コンビの夏川のほう」


「そんなマイナーネタやめてほしいっす。出来れば声的に明久のほうに合わせてほしいっす」


エレン「じゃあなんだ?くみん先輩とは付き合えたか?」


「くみん先輩って誰っすか?俺はコニーっす!ただただ坊主だからって適当にネタにしないでくださいっす」



声が大きくて馬鹿だ

それが俺の初めてこいつを見た時の印象

それは今でも変わらない印象

108: 2014/01/29(水) 22:49:21 ID:1lq6XTo6


夏休みが終わり俺は生徒会に入りました

それが影響し、このケーキ屋への出勤率は落ちた


そして仕方無くユミル先輩は1人雇うことにしました


それがこのコニーと名乗るユミル先輩の弟であり、真性の馬鹿です



エレン「感謝しろよな?」


コニー「何をっすか?」


エレン「お前の姉ちゃんが少しでも時間を大切な事の為に費やせるようになったことだ」


コニー「おおっ!兄貴かっけえっす!まじリスペクトっす!で、それはどういう意味なんすか?」


エレン「はぁ・・・ばか・・・・」

109: 2014/01/29(水) 22:55:44 ID:1lq6XTo6


コニー「何を言ってるんすか?俺は天才っすよ」


エレン「ソウダナー」



自称天才。別の意味で天才と言える時がある


どこからそんな発想が出てくるのか・・・と感じる時とか

こいつの頭の中の引き出しがどうなってるのか本気で不思議になる


本当に別の意味で天才だ



コニー「そういえば、兄貴モテモテっすね!」



不意に「は?」と口に出した

考えず、それは仕方無くというか、反射的に

110: 2014/01/29(水) 22:56:33 ID:1lq6XTo6


だって、全くを持って理解のしえない意味の分からない事であったから



コニー「意外と隅に置けないっす!最近は兄貴目当ての客ばっかりっすよ」



あぁそういうことか


それなら俺も把握済みだ

ユミル先輩にも今日言われたので



エレン「・・・あれだろ?夏コミに同人誌を買いに行って、どうせキモいおっさんが描いているんだろと思って来てみたら、実際描いてる人はすっげえ可愛い娘が描いてましたみたいな」


コニー「どういうことっすか?理解できないのは俺が馬鹿だからというわけじゃないっすよね?」


エレン「つまりは『意外』であるから、目立つ存在になっているということだ」


俺はなぜ自分の分かり易い例えを自分で翻訳しなければならないのか

111: 2014/01/29(水) 22:57:16 ID:1lq6XTo6


コニー「そういうことっすね!さすが俺に次ぐ天才っす!」


こいつは尊敬しているのか見下しているのか



からんころん・・からーん・・・♪



エレン「俺に次ぐって・・・・・あ、いらっしゃいませ」


コニー「へい、らっしゃい!イデッ!痛いっすよ、兄貴!」


スパンっと坊主の頭を叩いたら綺麗な音が鳴り響いた


エレン「ここはそんな板前みたいな暑苦しい店じゃないんだよ」



コニーは「猛省っす」と頭を下げた


まぁこいつも真面目にやってるんだし、本気で怒る気にはなれないんだけどな

112: 2014/01/29(水) 22:57:58 ID:1lq6XTo6


女子A「来てやったんだから感謝しなさいよ」


日に日に態度がでかくなるチミっ子


女子B「お兄さん今日は学校の制服なんですね」


学校から帰って、荷物を置いて、眼鏡を付けてきただけ

そして商品に髪の毛が入らないようにする為に三角巾をかぶり、エプロンを装備しただけの簡単な姿


エレン「時間が無くてな・・・。それと平行で特別なケーキは作ってないんだ。すまん」


女子A「使えない眼鏡ね!」



こいつも初めはこんなやつじゃなかったのに、どうしてこうなってしまったんだろう


誰のせいで・・・こんなふうに・・

113: 2014/01/29(水) 22:59:10 ID:1lq6XTo6


女子B「眼鏡のお兄さんの作るケーキは私もこの子も大抵好きですから大丈夫ですよ」


女子A「ばっ!そ、そんなわけないじゃない!」


コニー「へぇ・・・・今度食べてみたいっす」


エレン「まぁ今日の売れ残り分は少しだけ安くするぞ」


女子A「えっホント!?やったぁ!・・・コホン。まぁ安くしてくれるなんて、眼鏡のくせになかなかやるじゃない」


エレン「眼鏡さんは処分という言葉が嫌いなんですよー」


女子B「ありがとうです!冷蔵庫に入れておけば、まだ明日にでも食べれますか?」


エレン「別に大丈夫だけど・・・・温度が低すぎると、生地が固くなったりするからな。気を付けるんだぞ」


女子A「ん?明日・・・どうするの?」


女子B「・・たくさん買って友達に分けようかなって・・・」

114: 2014/01/29(水) 23:06:46 ID:1lq6XTo6


分かった。こういう原理でこの店は有名になったのか


そして、男の俺が作っているということも



エレン「優しいんだな」



ニコッとお客さんに向かい笑顔を見せた


おおっと!なんてどうでも良い事をしてしまったのだろう・・・


キモいと思われたら元も子もないからな



コニー「あれ?お二人方、どうしたんすか?後ろには特に何もありませんけど・・・?」



良かった・・・見てなかったんだな

運良く後ろ向いていてくれて助かった

115: 2014/01/29(水) 23:09:13 ID:1lq6XTo6


エレン「あれだよ。夕日を見つめて黄昏たいお年頃なんだよ」


コニー「そうなんすか!さすがの観察眼っす」


エレン「最近の女子校生というのは夕日を見つめるなんて・・・渋いな」


コニー「俺もたまに猫とかついつい見つめてしまいます。渋いっすよね」


エレン「ソウダナー」


女子A「こ、この苺大福3つ頂戴・・・」


エレン「どうした熱か?体温計持ってきてやろうか」


その少女の顔は真っ赤だった


最近は冷えるからな・・・冬休み近いのに風邪になるとか萎えるよな

いや、顔が火照ってるようだし、もう熱なのか?

116: 2014/01/29(水) 23:09:58 ID:1lq6XTo6


女子A「いいって!早くしなさいよ!」


エレン「風邪引いてたって知らねえからな・・・・ほれ、3つで360円だ」


女子A「別に心配される筋合いはないし」


エレン「そういやまた妹達に買っていくのか。・・・・・・兄弟思いなんだな」


女子A「っ~~!!」


女子B「・・・やっぱお兄さんはあざといなぁ・・」


エレン「あざといって・・・・俺だってもっと安くして売ってやりたいさ。でも別に悪徳な方法で商売しているわけじゃないから良いだろ?」


女子B「何を言ってるのですか?」


エレン「苺大福1つを120円って高いって話じゃないのか?」


女子B「・・・・・えっ」

117: 2014/01/29(水) 23:11:12 ID:1lq6XTo6


コニー「別に兄貴が値段を決めてるわけじゃないっす!うちの姉ちゃんが値段を決めてるので、兄貴を責めないでほしいっす!」


まさかこの馬鹿が俺を庇うなんて・・


女子B「あの・・・・」


エレン「いいや、俺が悪い・・・俺が無駄に良質な材料を選ぶから材料費が・・」


こうした気遣いは時に損をする


女子B「すみません・・・意味を履き違えて・・」


コニー「きっと日本の景気が悪いせいっすよ!」


エレン「そうだな。数年前なら、これはもっと安く・・・90円で売っても良いくらいだしな」


女子B「そうじゃなくてですね!」


女子A「話しても無駄よ。お兄さん・・・・鈍いから」

118: 2014/01/29(水) 23:12:29 ID:1lq6XTo6


ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー



ユミル「お疲れ、2人とも」


コニー「姉ちゃん!俺、兄貴の舎弟にしてもらったぜ」


どうにか説得して欲しいとユミル先輩に目線を送る


それにユミル先輩も気付き、理解したとウインクで反応した


姉の言う言葉なら弟も流石に従うだろう


安心した


ユミル「エレンはこう見えて面倒見が良いからな。頼るといい」


コニー「そうだよな!やっぱ姉ちゃんも分かってるな」

119: 2014/01/29(水) 23:13:18 ID:1lq6XTo6


エレン「ちょっと待てよ!はぁ!?今のやり取りはなんだったんだよ!?」


ユミル「ん?お前は私に何か言ったか?私はお前の言葉を聞いてないんだが?」


明らかに嘘だと分かる態度でとぼける


確かに口に出さなかったのは俺が悪いが、しっかりとした反応をしたのは、どこのどいつだ



コニー「俺、一生連いていくっす!」



ニカッと野球少年のような屈託の無い笑顔を見せた


なぜか断ることが罪に感じた

いや『なぜか』ではないな

子供の期待を裏切るのに罪悪感があるのと同じ事か

120: 2014/01/29(水) 23:16:47 ID:1lq6XTo6


エレン「はぁ・・・付き纏うのは自由だが、迷惑を掛けるのは止めろよ」


コニー「兄貴ぃ!」


エレン「やめろっ!くっつくな!暑苦しいし、俺にそんな趣味はない!」


ユミル「はははっ、エレンがんばれよー」



どうでもいい関係性を組んだ瞬間でした



エレン「その『~っす』口調はどうにかならないか?」


コニー「別にいいっすけど、俺にとってはこれが敬語のつもりっす」


エレン「なら、タメ口でも構わない」


コニー「じゃあそうするぜ!兄貴!」

121: 2014/01/29(水) 23:17:45 ID:1lq6XTo6
今回はここまでっす

更新遅くて申し訳ないです

読んでいただきありがとうございました

128: 2014/01/30(木) 18:48:15 ID:1UH3xQfY



クリスタ「・・・ーなので、冬休みは充実させると共に青春の1ページとして思い出も作り、安全で健康なものにしましょう。以上、生徒会長クリスタ・レンズ」


「一同、礼」



・・・・・・
・・・・
・・



終業式は半日で終えました



アルミン「午後はどうする?」


エレン「今日は生徒会の資料の提出だけだし・・・遊びに行くか?」


リコ「寄り道は良くないぞ。行くなら私も連れてけ」


アニ「話の前後が合ってないです」

129: 2014/01/30(木) 18:49:07 ID:1UH3xQfY


リコ「今日のクリ・・・クリ・・・・生徒会長の言葉を聞いてな・・・ケホケホッ」


アニ「投げた・・・」


リコ「『青春の1ページ』という言葉が・・・私の感じた事のない感情だと思ってな」


エレン(小声)「つっこむなよ?」

アニ(小声)「分かってる」


リコ「青春のない私に青春を学ばせてくれ。私の脳内に刻ませてもらいたい・・・私の知らない世界はどのくらい壮麗で煌びやかで・・・・理想を遥かに凌ぐものなのか」


エレン(小声)「リコさんいい話っぽく語っているけど、これはただの行き遅れの発言だ・・・」

アニ(小声)「私・・・泣きそう・・・・」

エレン(小声)「・・・俺も泣きそう・・・・」


アルミン「あはは、じゃあ一緒に遊びに行きましょうか?」

130: 2014/01/30(木) 18:51:36 ID:1UH3xQfY


エレン「じゃあ俺は生徒会の資料を出してくるからな」


アニ「私も一緒に行こうか?」


エレン「大丈夫。一人で行くって・・・」


アニ「早く頼むよ・・・?」


アルミン「僕もうお腹すいたよ」


エレン「分かってるって・・・んじゃ鞄持って昇降口で待っててくれ」


アニ「わかった」


アルミン「うん」

131: 2014/01/30(木) 18:54:19 ID:1UH3xQfY

ーーーーーー
ーーーー
ーー


クリスタ「・・・・これで全部ね」


クリスタ「ありがとね」


エレン「どうも。じゃあ・・・」


クリスタ「あのさ・・・エレン。このあと」


エレン「生徒会以外のことで俺はお前と関わるつもりはない・・・それをわかった上で話を続けてくれ」


クリスタ「エレン・・・」


エレン「無いなら、俺は行くからな」


クリスタ「・・・・・話くらいさせてよ・・・」

132: 2014/01/30(木) 19:13:58 ID:1UH3xQfY


ーーーーーー
ーーーー
ーー



青春とは一概に良いものとは言えない


部活や恋愛に夢中になることで勉強という学生の本分を忘れてしまいがちになってしまう


遠足と同じだ。行って帰ってくるまでが遠足

なら青春だって、遊んで勉強するまでが全てだ


そもそも青春とは何なのか


青春の意味を履き違えているのかもしれない


日本では特に『青春』について人生における若く未熟で、しかしながら元気で力に溢れた時代を指すようになった


リコさんに対してそれは青春を学ぶというの確かなものか

133: 2014/01/30(木) 19:15:06 ID:1UH3xQfY


いくら成人を迎えていたとしても、高校→大学とそれまでは、まだ学生という立場であった


社会人としては未熟者


それはまだ人生においてまだ未熟であるのか・・・

俺には正直その定理が分からない


リコさんは確かに若くして未熟者、それなりの元気も持ち合わせている


それでも成人を迎えた人間に対して、青春の二文字は似ても似つかない・・・不愉快といってもいい


日本語が曖昧であるから、人の頭を混乱に導く



故に、俺はこの混乱から匙を投げた

134: 2014/01/30(木) 19:15:58 ID:1UH3xQfY



エレン「ほらマフラー貸してやるよ・・・寒いだろ?」


アニ「ありがと・・・」



アニはマフラーを口あたりまで埋める


マフラーは少し大きかったのだろうか



エレン「人間は首元を冷やしたら1番危険だからな?首にはたくさんの血管と神経が通っていてな冷やしすぎると全身に異常をきたす恐れがあって、冷え性の原因にもなったりする」


アニ「あんた話が長い・・・」


エレン「そうか?俺は伝えたいことを一気に詰めて話しただけだ」


アニ「血管や神経の話いる?首元を冷やすと危険だけでいいでしょ」


ごもっともで

135: 2014/01/30(木) 19:16:51 ID:1UH3xQfY


リコ「私はエレンと同じタイプだな」


アルミン「あぁ、確かにそうですね」


リコ「後からグチグチ質問されるよりかは、一挙に伝えて、聞き直してきたら『聞いてなかった方が悪い』と言いたい」



自業自得を身をもって知らしめるというサディステックなトラップだ

あざといというか・・・ずるい



エレン「うわ・・・教師向いてないだろ」


リコ「にしても寒いな・・・くしゅっ」


エレン「そうか?今日は冬にしては暖かいほうだと思うんだが」


アルミン「あっ!ほらファミレス行こっか」

136: 2014/01/30(木) 19:17:43 ID:1UH3xQfY


エレン「そうだな・・・室内だからあったかいし、そこで行くとこも決めようか」


アニ「なんだか・・・こういうの初めてだから楽しみ。放課後のファミレスって」


リコ「恥ずかしながら私もだ・・・なんか罪悪感という刺激で気持ちが高ぶるな」


つまり緊張しているんだな


まぁ俺も少しわくわくしてるんだがな


アルミン「あ、あはは・・・僕も」


きっと皆思っただろう


アルミンは初めてじゃないと

無理に合わせたのだと

137: 2014/01/30(木) 19:18:29 ID:1UH3xQfY


ーーーー
ーーー
ーー



エレン「ここのミートスパおいしいな」


アルミン「うん。意外とおいしい」


エレン「アニ、ここにケチャップついてるぞ?」


自分の口周りを指さし、アニにその場所を伝える


アニ「あっ、ほんとだ・・・」


アルミン「アニはおっちょこちょいだね、あはは」


アニ「・・・・・」

138: 2014/01/30(木) 19:20:28 ID:1UH3xQfY


恥ずかしがる素振りを見せ、アルミンはそれに見惚れてる


確かに・・・分かる。今のアニは可愛かった



アルミン「斯く言うエレンも口の下にスパゲティのソース付いてるよ」


アニ「ふふっ・・・・」


仲間を見つけて気が楽になったのか、口を拭きながら笑うアニ



エレン「・・・・・舌を?筋んだ・・・」


アルミン「えっ!?それは血かソースかどっちなの!?」


刑事ドラマなどで被害者が亡くなっている時のように、口からタラーと一本の筋になって血が流れてる

139: 2014/01/30(木) 19:22:07 ID:1UH3xQfY


アニ「・・・・ふふっ」



アルミンと俺のやりとりを見て、口を押さえて影ながら笑っている


俺は机の端に有る口拭き用の紙を使い口周りを拭いた



リコ「ちょっとお花を摘んで枯らして種を埋めに行ってた・・・」



そしてリコさんもお手洗いから帰ってきたようだ


さて、誰がこのどうでもよいボケを突っ込むのか・・

植物に優しいのか優しくないのか分からない行為だな


容易に訳せば『二度手間』というものだ

140: 2014/01/30(木) 19:22:37 ID:1UH3xQfY


アニ「おかえりです」


リコ「!!」


アルミン「どうしたのですか・・・?」



突っ込まない流れか・・・

少し期待してたんだけどな



リコ「た、ただいま・・・と言えば良いのか?」



初めての行為に対し、戸惑いを見せる


何でもは知らない。知ってることだけのリコさんのこんな姿は相当珍しい

141: 2014/01/30(木) 19:23:37 ID:1UH3xQfY


アルミン「それでいいんじゃないんですか。それが日本式の挨拶の仕方ですし・・・」


エレン「ふぁっふぁ、ほうひふほほっへ、ふぁひひふぁほ、ほほふほ」

※やっぱ そういうことって 大切だと 思うぞ


リコ「・・・これはどこの国の挨拶なんだ?私は試されてるのか・・・?」


アニ「エレンさっき舌を?筋んだんです」


リコ「そうなのか。くしゅっ・・・」


アルミン「エレン、舌は大丈夫・・・?」



取り敢えず、親指を立てて安否だけは確保させといた

142: 2014/01/30(木) 19:35:16 ID:1UH3xQfY



そして楽しい時間はすぐに去りゆきました


服を買ったり、アクセサリーショップというとこへも寄った


エレンとアルミンは何やら乗り気ではなく、正直私もそこまで乗り気ではなかった

アニが服を眺めて、エレンがアニの服のセンスにケチをつけたり・・・



結果的にペットショップで動物を見るというのが最も盛り上がった


アルミンが手を叩くと子犬がたくさん寄ってくるというのを見ると、とても微笑ましかった

エレンが手を叩く、キャンキャン吠えてエレンがションボリしていて可愛かった

い、犬がな!?犬が可愛く吠えていたんだからな?



そんなこんなで解散し、家に帰った後の話

143: 2014/01/30(木) 19:36:34 ID:1UH3xQfY



【リコさん】

件名:無題

本文:


本日はとても充実した1日であった

特にアニの服のセンスの無さには圧巻だった

またこういう事に誘ってくれれば嬉しい限りだ


さて、今年もクリスマスがあと5日と迫ってきてる


この前の約束をエレンは覚えているか?

そろそろ計画を練りたいと思う

冬休みに入り、エレンと会う時間がないからこれで連絡させてもらう

今日、話そうと思っていんだが忘れていた

申し訳ない

144: 2014/01/30(木) 19:38:11 ID:1UH3xQfY


【エレン】

件名:Re

本文:

時間があったら、いつでも誘うから


そうだ。クリスマスは、うちに来るか?




【リコさん】

件名:Re

本文:

愚か者!

いくら聖夜だからってな、そういうのは大人になってからだ


そこまで女性というか・・・

私に興味があるのか?

145: 2014/01/30(木) 19:39:18 ID:1UH3xQfY



【エレン】

件名:Re

本文:


なぜ俺、怒られた!?


別に興味ないわけじゃないが、今はそんな話はしてないけど




【リコさん】

件名:Re

本文:


今すぐ私のさっきの返信を消してくれ

146: 2014/01/30(木) 19:40:07 ID:1UH3xQfY




【リコさん】

件名:Re

本文:


消したか?




【リコさん】

件名:Re

本文:


消したんだろうな?



,

147: 2014/01/30(木) 19:41:26 ID:1UH3xQfY


【リコさん】

件名:Re

本文:


返事がない・・・

今から確認しにいくぞ?




【エレン】

件名:Re:皿洗ってて遅れた

本文:


メールの量とか言い方とか色々怖い・・・


消しましたよ。これでいいか?


早く話の方続けるぞ

148: 2014/01/30(木) 19:45:46 ID:1UH3xQfY


【リコさん】

件名:Re:そうだったか

本文:


クリスマスはエレンの家で祝おうという話だな

それでいいのか?

私は構わない




【エレン】

件名:Re

本文:

アニとアルミンも呼ぶからな


あとリコさんはぺトラ先生でも呼んでくれないか?

俺、ぺトラ先生の連絡先知らないんで

149: 2014/01/30(木) 19:46:41 ID:1UH3xQfY


【リコさん】

件名:Re

本文:


承知した


時間があるなら、ひとつ聞いても良いか?




【エレン】

件名:Re

本文:



時間なら余るほどある


どうした?

150: 2014/01/30(木) 19:48:10 ID:1UH3xQfY


【リコさん】

件名:Re

本文:

エレンは女性のこういうとこが好きとかいうものはあるか?

別に私が聞きたいわけじゃないからな!?

ぺトラのやつが聞けと言ってきたんだ

私が知りたいわけじゃないからな!



【エレン】

件名:Re

本文:

そんな何度も言わなくてもいい


それならクリスマスの日にぺトラ先生に言うことにするわ

151: 2014/01/30(木) 19:49:33 ID:1UH3xQfY


【リコさん】

件名:Re

本文:


待て!

私からぺトラに伝えるから

だから今、言うんだ



【エレン】

件名:Re

本文:


リコさんに言う必要あるか?



,

152: 2014/01/30(木) 19:52:02 ID:1UH3xQfY


【リコさん】

件名:Re

本文:


ほら、私がパイプ役をすればすぐに伝わるだろう?

それにぺトラもエレンの好みの


だから、私だけに言え




【エレン】

件名:Re

本文:


私だけ・・・?



153: 2014/01/30(木) 19:52:50 ID:1UH3xQfY


【リコさん】

件名:Re

本文:


言葉のあやだ!

それじゃまるで、わたひがえれんの趣味を聞きたいみたいな良い方じやないか




【エレン】

件名:Re

本文:


変換とか色々変になってんぞ


まぁいいや。

俺は髪を結んでいる女性が少し好みだと伝えておいてくれ

154: 2014/01/30(木) 19:54:02 ID:1UH3xQfY


【リコさん】

件名:Re

本文:

わかった・・伝えておく


じゃあ・・・・またね




【エレン】

件名:Re

本文:



リコさんが「またね」とか可愛いな

口で言ってるところ見てみたいな


じゃ、またクリスマスの日にな

156: 2014/01/30(木) 19:58:39 ID:1UH3xQfY


【リコさん】

件名:Re

本文:



エレンのばーか


絶対に言うものか




Pi・・・



リコ「送信っと・・・」



携帯とは意外と疲れるものだ


長時間使用すると、目が痛いし、指がつりそうになってしまう

157: 2014/01/30(木) 20:00:00 ID:1UH3xQfY


最近の若者は、どうしてこれをいつまでも見つめていられるのか

不思議でたまらない


斯く言う私もエレンとのやり取りに熱中してしまい見つめてしまった


それがこの疲労感か・・・



リコ「にしても『可愛い』はないだろ!あのバカ者が・・・」



枕に顔をうずめて布団に八つ当たりをする



リコ「あーもう!顔が火照ってしまったではないか」



時に私は不安になる


つい、ついてしまった嘘に心苦しくなる

158: 2014/01/30(木) 20:00:58 ID:1UH3xQfY


バレてしまったらどうしよう

ぺトラと話を合わせれば良いか?


いいや、ダメだ!


恥ずかしい・・・



私は自分の愚行に憤りを感じる



リコ「もう!どうして私はいつもこうなのだ!」



嘘をつくのが苦手なくせに、簡単に裏が取れてしまう嘘をついてしまう


いつもエレンはすぐに私の嘘を見破る


どうしよう・・・どうしよう・・・・・

159: 2014/01/30(木) 20:04:53 ID:1UH3xQfY


・・・・いやポジティブにいこう



つまり、私はエレンがぺトラに確認しないことを願うしかないのか


もしくは


あと5日でエレンが忘れてくれてることを願うのみ


「はぁ・・・」と溜め息が漏れる


良い方向へ考えたが可能性が低い


私はどうしてここまでエレンを思ってしまうんだ




ぷるるるる・・・Pi・・・・

160: 2014/01/30(木) 20:06:54 ID:1UH3xQfY



【エレン】

件名:Re

本文:



そういうリコさんも俺は可愛いと思う


なんてな




リコ「だから・・・・だからなぁ!もう顔を冷やしてくる!エレンのあほったれ!」



そして、私は考える事を止めて

携帯を布団に投げつけた

165: 2014/01/31(金) 20:26:57 ID:y9eVobYA



大気中の水蒸気から生成される氷の結晶が空から落下してくる


大きさは、およそ0,4mmの結晶


触ったらすぐに溶けてしまう程、儚くてひ弱なもの


それは観賞するものなのか

はたまた鑑賞するものなのか


初めて人類がそれを理解したのはいつ頃だろう


『雪』というものに


霧雪と呼ばれる細かく小さい粉雪が程々に視界を覆っている

166: 2014/01/31(金) 20:27:39 ID:y9eVobYA



「お兄ちゃん、お客さん来る前に私お風呂入ってくるね!」


「あがった時、湯冷めするなよ」


「はーい!」



朝方に雪が降り始めた


天気予報によると今日は1日降雪日和


外に水を2時間ほど放置したら簡単に氷を張ってしまうくらい寒い


取り敢えず電気ストーブを効かせ、部屋はそれなりに温かい


ふぅ、と一先ず落ち着いた


考え直してみたら『ぼっち』がクリスマスパーティーらしき『リア充』のイベントを催そうなんて天地がひっくり返っても有り得ないことだったのに・・・

167: 2014/01/31(金) 20:28:53 ID:y9eVobYA


いつもなら2人でテレビ見て

そこそこ豪勢な料理を2人で食べて

2人で笑い合いながら会話して・・・


特別普段とはそこまで変わらない妹との日常であった


それがなぜだろう

人が来るということで話が変わってくる

すること自体は、そんな変わりない

皆で食べて話して・・・変わらない

だけど、それが前者とは違う



ピンポーン・・・



なぜだか分からないけど

168: 2014/01/31(金) 20:29:47 ID:y9eVobYA



「どうぞ、鍵あいてるんで」



楽しみで仕方ない




エレン「あれ?なんか顔、赤くないか?」


ぺトラ「少し飲んできたんだ~」


エレン「はぁ・・そんなんでよくここまで来れたな・・・。にしても、ぺトラ先生早いな」


ぺトラ「だって暇だったし・・・」


エレン「クリスマスに予定が無いとかダメな独身だな」


ぺトラ「予定あったけどエレン君との予定を優先させたの!予定なかったわけじゃないもん」

169: 2014/01/31(金) 20:31:04 ID:y9eVobYA


エレン「別にこっち優先させなくてもいいのに・・・」


ぺトラ「素っ気ないなぁ・・・私を誘ってくれたのエレン君のくせに」


エレン「誘わなかったら誘わなかったで、後でぐちぐち言ってくるのは誰でしょうね」


嫌味ったらしくそれを伝えると、ぺトラ先生は「ツンツンしちゃって・・・可愛いじゃない」と息を荒らげながら言った


エレン「・・・・?」



ハァハァと漏れる息の音


走ったりして疲れたのか?と疑問を抱きながら、そこまで気にすることなくぺトラ先生の荷物を持ってあげようとした

170: 2014/01/31(金) 20:32:05 ID:y9eVobYA



すると、ぺトラ先生は「うりゃ!」という掛け声と共に押し倒そうとしてきた



ドンっ!と大きな音と共に・・・




ぺトラ先生が廊下の床と口づけを交わした



エレン「あっぶねえな!ばかじゃねえの!?」


声を荒げる。自分の反射神経の高さに感謝している


ぺトラ「いたた・・・。どうしてエレン君は私から逃げるの・・?」


エレン「襲われそうになって逃げちゃまずいのか!?」

171: 2014/01/31(金) 20:34:01 ID:y9eVobYA


必氏に説得している中、お風呂場の方から『お兄ちゃーん?大きな音がしたけど、お客さん?』と篭った声が聞こえる



ぺトラ「あれ?ミーナちゃんいたんだ」


辺りを見渡すぺトラ先生


エレン「ミーナには手を出すなよ」


いかにもアニメの主人公みたいな台詞を吐いた自分


すると、何を思いついたのかぺトラ先生はアニメの敵役がごとく悪魔のような微笑みをニヤリと見せた


悪寒が走った瞬間であった



「じゃあ・・・」と無駄に大人の色気のような声で喋り始めた


ゴクリと唾を飲む

172: 2014/01/31(金) 20:36:11 ID:y9eVobYA


ぺトラ「私が、ミーナちゃんに悪戯するか、エレン君がセクハラされるか・・・どっちか選んで?」



キリストの誕生日になんて最低な事を考えているんだ、この雌は!



ぺトラ「別にエレン君は断ってもいいんだよ?その代わりミーナちゃんが・・・ふふふ、分かるよね?」



なんともいやらしい。思考も行動も・・・やり方も


アルコールか!?アルコールのせいか!?



エレン「そんなことして何が楽しい!?」

173: 2014/01/31(金) 20:37:25 ID:y9eVobYA


ぺトラ「楽しいとか楽しくないとかじゃないよ・・・・することに意味があるんだよ」


意味がわからん!


下手な展開になるくらいなら、ここでぺトラ先生を戦闘不能にしてやってもいいとも考えている



ぺトラ「はい。残り時間5秒ね」



時間制限をかけてきやがった

なんとかこのまま適当にやり過ごして、有耶無耶で終わらすつもりだったのに


光に満ちた目が身体を舐め回すように見つめてくる



エレン「他に選択肢はないのか!?」

174: 2014/01/31(金) 20:38:28 ID:y9eVobYA


ぺトラ「4秒前。んー?私がエレン君を好きに色々しちゃう・・・とか?あと3秒前」



ほとんど変わらない選択肢に絶望を感じる



・・・・・・・仕方ない・・



ぺトラ先生の隙をついて戦闘不能にしよう



ぺトラ「変なことは考えないことね。私は合気道三段よ。はい、2秒前」



なんか急に最強設定がきた!


すべての思考が初期化される

すべてが水の泡になってしまっからだ

176: 2014/01/31(金) 20:41:04 ID:y9eVobYA



眼前に立つ見栄えだけは一丁前の大人の女は、明らかに勝利を確信した態度でニヤニヤと薄ら笑いを浮かべてる



汗がたらりと頬をつたう



作戦は決まった



「ぺトラ先生を倒して、俺も氏ぬ!」




ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー

177: 2014/01/31(金) 20:43:29 ID:y9eVobYA



「ふぅ、いい湯だった」とバスタオルで髪を拭きながら廊下を歩き、リビングの扉を開けた



ミーナ「お兄ちゃん!?と、ぺトラ先生!?」



ミーナの目には信じられないものが映っただろう



ぺトラ「エレン君あったかいじゃん・・・・冷えた体を温めるのにちょうどいいよ」


エレン「俺もぺトラ先生を抱き締めてやりたいんで、この腕を離してください。抱き締めて殺りたいんで!」


ぺトラ「やだ・・・エレン君、私のことそこまで大好きなんだ。でも離さないよ」



ぺトラ先生の右手は俺の両手首を痛くなる程にギュッと握り締め、左腕を背中に回し、両足は腰から下に絡みつけてくる


まるで蛇が獲物を捕まえた時逃がさないようにするような・・・・それを彷彿とさせる状態

178: 2014/01/31(金) 20:44:48 ID:y9eVobYA


ミーナ「お兄ちゃん大丈夫!?」


エレン「大丈夫見えるか・・・?助けてくひうっ!」


ぺトラ先生の小さく程々に柔らかい舌が首を下から上へとスライドさせられる


何かが込み上げてくるようにゾクゾクと気持ちの悪い感覚が湧いてくる



エレン「ホントにやめてくれ・・・気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い」


ぺトラ「びくびくしちゃって可愛いなぁ・・・」



こんな展開望んでない!


そもそも知り合いにこんなことされたくない!

179: 2014/01/31(金) 20:45:56 ID:y9eVobYA



今頃後悔する



ぺトラ先生を誘ったことを



まさかぺトラ先生がチートキャラだったなんて俺は知らなかった。知る由もなかった



「お兄ちゃん顔真っ赤・・・」

ボソッと何かをミーナが言った気がする


だが俺の耳には心臓のドクンドクンという五月蝿い音のせいで何も聞こえなかった



本気でやばい・・・



なんかミーナは見つめてるだけで何もしてくれそうにないし、ぺトラ先生は気色が悪いくらいに調子乗ってるし

180: 2014/01/31(金) 20:47:22 ID:y9eVobYA



ギリっと睨みつける


ぺトラ「あれだよね・・・・レOプ眼って興奮するよね」



あれ?今頃だけど。この人、教師だよね?

あれ?というか、あなたこんな人でしたっけ?

あれ?俺がこの人の本質知らなかっただけ?


多過ぎる疑問に頭を抱える



ぺトラ「じゃあ、そろそろお姉さんが脱ぎ脱ぎさせてあげる」


「じゃあ・・・私はお邪魔そうだし自分の部屋に戻るね」と言い、去ってゆくミーナ

181: 2014/01/31(金) 20:48:03 ID:y9eVobYA



今すぐにこの場から逃げ出そうと藻掻くも、ダメだ


あまりの強大過ぎる力にどうしようも出来ない


俺はただ俺に悪戯をし続けようとするぺトラ先生に対して、恐怖に震えるしか出来なかった


怖い・・・なんなんだ、この女は。俺を本当にどうしたいんだ


この生き物は俺をどうするつもりか


一体どうするんだ・・・考えに考えた



・・・・・俺を食うつもりか?



その結果に至った瞬間、俺の頭はいよいよ恐怖で埋め尽くされた

182: 2014/01/31(金) 20:50:08 ID:y9eVobYA



ピンポーン・・・



天国から平和へ導くチケットが配布される音が聴こえた



俺は声を精一杯張って


「誰でもいい!助けてくれ!」と震える声を抑え無理して叫んだ



チャイムがなった瞬間、ぺトラ先生の笑顔が歪むのが見えた



『どうしたんだい!?強盗かい!?』



外から聞き覚えのある友人の声が聞こえた

183: 2014/01/31(金) 20:51:37 ID:y9eVobYA


ガチャっと鍵のかかってない扉が開けられ、ドタドタと走って家の中へ駆け上がる



エレン「アルミン!!」


アルミン「・・・・・・え・・・・」



口をポカーンと無造作に開けていて、状況が飲み込めないといったご様子



ぺトラ「先生とエレン君は今いいところなの。邪魔しないでくれるかな?」


ニコッと綺麗な笑顔をアルミンに向ける



アルミン「あ、えっ・・・・は、はい」


なぜか了解したアルミン

184: 2014/01/31(金) 20:52:45 ID:y9eVobYA


そしていつの間にか背中に回わされていた左手が俺の口を押さえ込んでいて、喋ろうにも喋れない状態


エレン「んーっ!んー!」


アルミン「ちょ、ちょっとトイレ借りようかな・・・・」


ぺトラ「トイレなら玄関のすぐ左だよ」


スタスタとリビングから逃げるように去ってゆくアルミン



ぺトラ先生は再び悪魔のような笑みをし、徐々に俺の耳元に顔を近付ける


いよいよほんのりとシャンプーの香りが立ちこめ、俺はもう心も体も硬直してしまっていた

185: 2014/01/31(金) 20:53:19 ID:y9eVobYA


もはや救いの手を失った俺は、ぎゅっと目を瞑るしかなった


そんな緊張感を吹き飛ばす様に、ぺトラ先生は耳元でこう呟いた



ぺトラ「・・・・いただきます」



そう言った瞬間であった



「ぺトラ先生・・・・あんた、人の親友に何をしてるんだい?」




198: 2014/02/05(水) 22:22:05 ID:ShGi78Zc



卑屈に歪んだ顔が俺とぺトラ先生が見つめていた



「あなた・・・・誰?」と少し場を騒然とさせる一言を、ぺトラ先生はキョトンとした顔で呟くように言いました


初対面なのか?


この2人は面を向かって会話したことないのか?

改めて考えると俺のいる所では確かに、そうだ



「そんなことより、今あんたが何をしてるかが問題なんだけど」



話の本筋を的確に指摘する

199: 2014/02/05(水) 22:22:50 ID:ShGi78Zc


リビングの扉の前に立っていたのは冷血委員長こと、アニという俺の親友でした


穢らわしいものを見るかのよう

ゴミを見るような蔑んだ目で俺達を見下すアニ



ぺトラ「え~、言わせちゃうの?どうしよっか、エレン君」


何を求めているか分からないが俺は今、あんたに口を押さえ込められてるんだよ


アニ「嫌がってるように私は見え・・・っ!?」


エレン「んんっ!」


アニ「あんたねぇ!人が話してる途中で何してるのさ!」


ドンっと大きな音が響く


突き抜けるのかと思わせるような程の力量で床を踏み込んだ

200: 2014/02/05(水) 22:24:35 ID:ShGi78Zc



ぺトラ「ほっぺた舐めただけだけど・・・?」



それをする事が当然の行為ように、なぜ言えるのか


逆にその勇気を讃えたいくらいだ


アニ「!!」


その言葉を聞き、ぶちっと何かが切れたような音が聞こえた(気がした)

そして木々が揺れ、風がざわついた(気がした)


アニ「エレンから離れてくれないか?」


ぺトラ「えー、やだよー!エレン君もギュってされたいもんね」


根拠のない事を何を同意した口ぶりで言うのだろうか

勘違いも甚だしい

201: 2014/02/05(水) 22:27:04 ID:ShGi78Zc


アニは、ふぅ・・と1度心を落ち着けて、いつものような冷静な顔に戻った



アニ「・・・・私の堪忍袋の緒はもう限界。次、巫山戯た事を吐かすのなら私は歳上だろうと手を上げるよ」



さっきの精神統一のような行為はなんだったのだろうか


全くを持って落ち着いてなどいなかった


拳を握り締めぷるぷると震えてる



ぺトラ「別に私とエレン君がイチャつこうと、あなたには関係ないじゃない。えへへ・・・」


アニ「道端に氏にかけの人間がいても、あんたは助けないの?」


ぺトラ「道端に自分が飼ってる猫いて、その猫が他猫と交尾している姿を見て、あなたは邪魔するの?」


どっちもどっちな理屈のぶつかり合い

202: 2014/02/05(水) 22:28:09 ID:ShGi78Zc


アニ「もう・・・力ずくでも引き離す・・」


我慢の限界を迎えた


それは喧嘩上等の不良のごとく指をパキパキと鳴らし近寄ってくる


俺は思い出した

俺とアニの最初に出会った日を

もの凄い形相でビンタをしたあのアニを

思い出すと鳥肌が立つ


近づく足音・・・妙に時間が遅く長く感じる


まるで俺まで殴られてしまうのではないかと思わせる程の威圧感



どうして俺はこんなことに巻き込まれなくてはならないのか・・・

203: 2014/02/05(水) 22:30:04 ID:ShGi78Zc

俺が何か悪いことしたか?

俺が思うにぺトラ先生には助けた事しかない

背負うのは感謝しかない

オカルトチックにいうと俺は、祟られているのか呪われているのか



そういえば、煮込んでいたホワイトシチューがそろそろ良い頃合いかな

煮込み過ぎるとじゃがいもが溶けて、少し喉に詰まる感じになっちゃうんだよな

ミーナはいつも『お兄ちゃんの作るシチュー大好きだよ』って言ってくれるんだよな



取り敢えず現実逃避は止めようか



アニ「覚悟しなさい・・・・・・・・よ?」



204: 2014/02/05(水) 22:31:56 ID:ShGi78Zc


ーーーーーー
ーーーー
ーー



リコ『あー、へくちっ・・・お前、私が泊まった日のこと覚えているか?』


エレン「覚えてるが」


リコ『覚えてるなら話が早い。ぺトラのやつな、酒を飲むと利己的というか自分本位というか・・・・エゴイスティックになるんだよ』


エレン「そうなのか!?」


リコ『コホン・・・普段のぺトラは、お前の初対面の時のぺトラとは別人だろ?』


エレン「そういえば・・・そうだった。人間、初めての印象がその人の人間性だと感じてしまうからな。ずっとダメ人間だと思ってた」


リコ『はははっ、そうかそうか。あいつ学校ではちゃんと先生としての仕事を全うしてるだろ?コホコホッ・・』

205: 2014/02/05(水) 22:34:09 ID:ShGi78Zc


エレン「教師だしな」


リコ『それにぺトラは真面目に生きてるってくらい・・・・お前が1番知ってるだろ?』


エレン「あ、あぁ・・・」


リコ『そうだ。ちょっと仕事が立て込んでてな、少し遅れるかもしれん』


エレン「・・・・わかった」


リコ『んじゃ、電話切るからな』


エレン「・・・・・おう。じゃあ」



Pi・・・つーつー・・・・・



「聞いたよ」と言い、当たり前のように耳を澄まして盗み聞きしていたアニ

207: 2014/02/05(水) 22:39:21 ID:ShGi78Zc


エレン「勝手に聞くなよ。まぁ説明無くて済むけどさ」


ぺトラ「すぅ・・・すぅ・・」


何もなかったかのようにグッスリ眠っている



先程、アニが強行手段に移ろうとした瞬間にぺトラ先生は取り憑いていた悪霊が成仏して消えたかのように、一気に力が抜けて気持ち良さそうに眠ってしまったのだ


本当にこの人は悪魔だ



アルミン「ぺトラ先生、凄い人だったんだね」

苦笑いの見本といったばかりの表情


アニ「悪い意味でね」


エレン「はぁ・・・ここまでどうしようもなく屈強な人間だとは思いもしなかった・・・・」

208: 2014/02/05(水) 22:41:19 ID:ShGi78Zc


アルミン「今まで見てきたぺトラ先生が嘘みたい。本当に・・・エレンの貞操がとられそうだったね」


エレン「そんな恐ろしい事を平然として語るなよ・・・思い出したら鳥肌が止まらない」



そんな悪寒も露知れず、ぐーすかと熟睡中


この寝顔を見ると、さっきまで密着していた時の悪魔の諸行など嘘のようだ


取り敢えず毛布を掛けておく



エレン「アニ、悪いけどさ・・・煮込んでるシチューの様子見てきてくれないか?」



さっきの惨劇中に気にしていたことをアニに頼む


膝の上で、天使のような寝顔をしている女性を起こさぬよう安らかに眠らせておくために

209: 2014/02/05(水) 22:42:24 ID:ShGi78Zc



一瞬は疑問符を浮かべたものの、いつもの調子で「いいけど・・・」と呟くように言った


それと同時にアルミンが

「良いにおいがするね。料理はぺトラ先生が作ったの?」と、くんくんと鼻を効かせながら言った



エレン「こんな人が作れるわけないだろ。それは、俺が作ったに決まってんだろ」


アニ「・・・・」


アルミン「・・・・・」



あれ、間違えて一時停止ボタンでも押してしまったのか?と数秒間アルミンとアニが口を閉ざす


エレン「おい、なんだこの間は!?」



俺の言葉を聞き、2人はハッと反応して

210: 2014/02/05(水) 22:43:16 ID:ShGi78Zc


「あんた・・・嘘は良くないよ」と、アニは馬鹿馬鹿しいといった態度で、シチューの様子を見に行く為にゆったりと立ち上がった



アルミンもやれやれと言った態度で

「そうだよ。そんな無駄に見栄を張らなくていいよ」と俺を庇うかのような優しい言葉を向ける


だが、今このフォローの言葉はただ俺を傷付けるだけの言葉にすぎない



エレン「いやいや・・・お弁当とかいつも手作りだろうが」


アルミン「お母さんが作ってるんでしょ。そういえば両親いないけど、どうしたんだい・・・?」


エレン「・・・・・」

それを聞いて俺は返す言葉を無くす


アニ「そういえば、そうだね。もうすぐ6時をまわるけど・・・・両親は共働き?」

211: 2014/02/05(水) 22:44:53 ID:ShGi78Zc



エレン「・・・・・お前ら、そんなに聞きたいのか?」

少し引き攣った笑顔で、勿体ぶった言い方で質問した


アルミン「あっ!じゃあ、お買い物中とか?それか、僕らに気を使って両親揃ってお出かけ中かな」


アニ「だから、そんな言いにくそうにしてるのね。なんなら、今からでも連絡したら・・・?」



「連絡出来たら・・・・したいな」


その言葉は自然と口から溢れ出た


そう言った途端、俺は涙のあたりが急に熱くなった



アニ「・・・・?だから、したらいいじゃない」

212: 2014/02/05(水) 22:46:45 ID:ShGi78Zc


感情を押さえ込み

腹を割って話そうかと、息を整えるべく、大きく深呼吸を繰り返す


そして、俺が口に出そうとした瞬間に、ぷるるる・・・ぷるる・・・・と机の上に置いてあった携帯が鳴った



アルミン「あっ、エレン。携帯なってるよ?・・・・・My Angelさんからメールだって」


アルミンは俺の携帯を手に取り、画面を見て名前の表記のとこを口に出した


それに連動し、アニは俺から少し距離を取った


待て待て待て・・・


俺の友達に外人なんかいたか?

それに訳したら『私の天使』って・・・

213: 2014/02/05(水) 22:51:08 ID:ShGi78Zc


アルミンの微かに引き上がった口角

アニの明らかな後ずさり


圧倒的な嫌な目線・・・2人から引かれてる


そのまま気もしつつ頼まれた為、台所へ向かうアニ



それよりも・・・



エレン「誰だよ!リコさんか!?誰がこんな名前設定した!?」


俺はアルミンから携帯を取り返し、メールを開いた

214: 2014/02/05(水) 22:52:46 ID:ShGi78Zc


【My Angel】

件名:今夜はお赤飯?

本文:


もう落ち着いたかな・・・?


お兄ちゃんがぺトラさんと結婚したら、
私はお兄ちゃんの傍にいられるかな・・・



ドンドンッ!と重く深い音が部屋を響かせる


アルミン「急に床に何度も頭を叩きつけ始めて、どうしたんだい!?」


エレン「俺は!ずっとお前の!お兄ちゃんに!決まってんだろうが!」



俺はぺトラ先生を座布団の上に寝かせ

土下座のように前傾姿勢で全力で頭を床に叩きつけた

215: 2014/02/05(水) 22:54:18 ID:ShGi78Zc


それは自分への懺悔と呼ぶものなのか、ミーナに対しての謝罪の念を込めてのものなのか、その行動の意図は多々ある



アルミン「というか、エレンにとってリコ先生は天使なの!?」


久しぶりにとんでもない失言をしてしまった自分に反省


取り敢えず話題転換といきますか・・・


エレン「今から妹呼ぶから」


アルミン「え?妹いたの?」


見事に食いつき、リコさんがなんやらという話は終了したようだ

そして・・・その前の両親の話も


「あぁ」とアルミンの質問に対し、頷き行動に出る


アルミン「なんか今日はもう色々驚きだよ!というか、僕はエレンを知らなさ過ぎたよ・・・」

223: 2014/02/08(土) 22:52:21 ID:Ov0tDUYM



ガラッ・・・



「お兄ちゃ・・・わわあっ!!」


エレン「ミーナっ!!ごめんな!俺はずっとお前のお兄ちゃんだからな!」


アルミン「それが妹さん?」



そう言いながらアルミンは目線をこちらへ向け、首を傾げた


しかし、その質問は俺の耳に届かず、俺は懸命に妹へ謝罪の言葉を言い聞かせてた



「えっ?お友達さんいるの!?お兄ちゃん人前だよ!・・・そんな抱き締めちゃ恥ずかしいよ・・」

224: 2014/02/08(土) 22:53:37 ID:Ov0tDUYM



徐ろに妹の顔を胸に埋める


そして肩の少し下を手でギュゥと服を握り締められた



アルミン「初めましてエレンの友達のアルミンです」


奇怪な行動に対して焦りを見せず、安定の社交辞令さを披露し、自己紹介をするアルミン


ミーナ「は、はい!私の名前はミーナです!って、お兄ちゃん前見えないよ・・・えへへ、お兄ちゃんのにおい・・」


顔を埋めたまま受け答えをする


エレン「俺は結婚したって、ずっと傍にいてやるから!」


1人で少女漫画の最終回のような言葉を妹にぶつける

225: 2014/02/08(土) 22:54:52 ID:Ov0tDUYM


アルミン「エ、エレン・・・・?」


いや違った・・・俺の見たことない姿に動揺するアルミン


仕方ない。これが俺のプライベートと呼べるものであるから


エレン「だからもうあんな悲しいこと言わないでくれ!俺はお前から離れるつもりはないから」


より一層に強く抱き締め、離したくないという気持ちが高ぶる


今までずっと一緒に暮らしてきて、あんなこと言われたら、こうしたくてたまらなくなってしまった


ミーナ「・・・そ、そう・・・・うん。約束だからね・・・ふへへ・・」


妹の気の抜けた声

226: 2014/02/08(土) 22:56:01 ID:Ov0tDUYM


アニ「エレン、シチューの方はほど良い感じになったけ・・・ど・・」



ちょうどよく台所の方から歩いてきたアニ


問題は解決したにも関わらず絶望じみた表情をしている


そして少し言葉を詰まらせてるようだ



エレン「どうした・・・アニ?」


ミーナ「えっ!?あのアニさん!?初めての電話帳に載ったあのアニさん!?」


アニ「あ、あんた・・・・だから、ぺトラ先生をあんな拒否ってて・・」


エレン「は?」

227: 2014/02/08(土) 22:57:19 ID:Ov0tDUYM


アニ「そりゃそうだよね・・・だって恋人がいるのだから、あんな美人を嫌がったって・・」


エレン「恋人・・・なんのことだよ?アルミンに彼女でも出来たのか?」


アニ「はぁ?あんたとそこの黒髪の子の事を言ってるのさ」


エレン「ははは、何を言ってんだよ。俺にこんな可愛い恋人が出来るわけねえだろ」


ミーナ「か、かかかっかわいいだなんて・・・もう!お兄ちゃんったら」


アニ「え・・・違うの?」


エレン「こいつは俺の妹だが。ほら、挨拶しろ」



俺はミーナを離し、アニとアルミンの並ぶ前に突き出した

228: 2014/02/08(土) 22:58:59 ID:Ov0tDUYM


「う、うん」と言い、前髪を直し、コホンと咳払いをし、調子を整え



ミーナ「私はミーナです!アニさんの事はお兄ちゃんの携帯で既に知って・・・・あれ?」


アルミン「あれっ?」


アニ「・・・・・・ん?」


ミーナ「ふぇ?」


エレン「どうした?急に止まるなよ。怖いな・・・俺だけ現在の時を動けるみたいな違和感を感じるじゃないか。あれだからな、時を止めるスイッチみたいの押して、みんな止まって俺だけ動けますよ。って感じのを言いたかったんだ。分かるよな?」


アルミン「ああっ!!久しぶりだね!・・・あのミーナちゃんだったんだ」


アニ「久しぶり・・・夏休みはお世話になったね」


エレン「あれ、俺の必氏の説明は無視の流れ?というか・・・久しぶり?」

229: 2014/02/08(土) 23:00:34 ID:Ov0tDUYM


ミーナ「あ、ああ!!え?あの・・・えぇ!?」


エレン「落ち着けって・・・お前ら、ミーナと会ったことあるのか?」


アニ「あんたと夏祭り行った日に、迷子になったのを助けてもらった」



アニの圧倒的判断能力そして知性

アルミンのアニを超える知性を持ってしても

迷子という小さな事件は起こるものなのだな


頭が良いイコール迷子にならないという定理がおかしいのか


人はいつも人生の迷子の真っ最中なのだから
と、銀色の侍が言いそうな台詞を考えてみたり


人には一つや二つ、欠点があっても良いだろう

230: 2014/02/08(土) 23:01:40 ID:Ov0tDUYM


それがどんなにクオリティの水準値が低いものだとしてもだ

それが弱点であり、個性である


例えば、皆から頭脳明晰、運動神経抜群と持て囃される文武両道少女がいたとしよう

その少女が、実はドジっ娘でした

え?なにそれ、可愛いとなるだろう

それはまさに短所であり長所でもある



結果、俺が言いたいのは

アニやアルミンにだって失敗はする



精度の高い、高性能な人間であるが故、周りを取り巻く人々はそんな幻想を持ってしまうのだろう


いくら内閣の長、行政権の最高責任者、自衛隊の最高司令官の内閣総理大臣になれたからって、総理大臣の言葉が全て正しいとは限らない


1つくらい生きていれば穴くらいあるさ

231: 2014/02/08(土) 23:02:31 ID:Ov0tDUYM


エレン「へぇ・・・迷子なんて珍しい」


ミーナ「お久しぶりです!まさかお2人があのアニさんにアルミンさんでしたとは・・・」

と言いながら、またペコリと頭を下げた


俺は内心わくわくしていた

人は『まさか』という言葉に興奮・・・というのは言い方が変であるが、気持ちが高鳴るらしい


なぜだか分かるだろうか


それが人の探求心又は核心を突く結果に良い事が起きる予感を得て興奮しているんだ


結果と原因が結びつく過程に夢を膨らませる

生きていく上での楽しみ方の1つと言えよう



エレン「知らなかったのか?」

232: 2014/02/08(土) 23:03:50 ID:Ov0tDUYM


逆に知らなかったから、こんな反応をしているのか・・・と言った後で理解する



アニ「私はあんたに妹がいること自体、初耳なんでね・・・」


アルミン「僕もだよ。さっき知ったんだ」


ミーナ「いや~・・・にしても、お兄ちゃんにこんな美人二人組が友達が出来るなんて、中学校以来だよ、こんなの!」



世界は本当に狭いんだな


俺が知らない間で、この3人は出会っていたのだから


そしてそれが唯一の親友の限られた関係性の中でというのがミソである



アニ「・・・・美人・・じゃないし・・・」


エレン「は?2人・・・?」

233: 2014/02/08(土) 23:06:02 ID:Ov0tDUYM


ミーナ「そんなご謙遜なさらず。2人とも初めて見た時から、可愛いなぁと感じていましたよ・・・私なんかより」



俺はこうして落ち込んでいるミーナを見るのが嫌いだ

別にミーナが嫌いだと遠回しに言っているわけじゃない

そんな風にさせてる『自分』が嫌いなんだ


俺が関与しなかったにしても、そうさせたくない

大きく考えれば俺がミーナの兄である限り、関係性は無いと言えないのだから

妹を守るのが兄の義務と俺は唱える


だって、それが亡くなった母さんとの約束でもあるのだから



アルミン「あ、あの・・・」


エレン「ばかっ!ミーナが1番可愛いに決まってるだろ!アニと比べてもらっちゃ困る」

234: 2014/02/08(土) 23:07:34 ID:Ov0tDUYM


別にお世辞でもない


だからと言って、アニが可愛くないというわけではない


そもそも、アニに可愛いという単語は使用して良い物なのかが疑問である


男でも、イケメンを見て、『かっこいい』という人もいれば『かわいい』という人もいる

そしてそれは対立を生む場合もある

それと似た同条件で、アニは『美人』と『可愛い』で考えよう

俺はアニは美人と捉えている。


つまりは、その意味を読み取った上で俺はミーナに『比べてもらっちゃ困る』と言ったのだ



「・・・・・非常にイラッてきた。あんたは何様のつもりだい・・・?」と言い、腕を組みギロりと烏でも睨み殺そうかと思える程の眼力を俺に見せた



しかし、そこで「待ってくれないか!?」とアルミンが話を止め、割って入った。彼は焦った形相でした

235: 2014/02/08(土) 23:09:08 ID:Ov0tDUYM


アルミン「盛り上がってるとこ悪いけど、僕は男だよ!」


眉は歪んでおり、必氏の弁解をする


俺やアニは分かりきった事を聞かされ、なぜそこまで焦っているのか少し滑稽に思える


ミーナ「私の目は誤魔化せませんからね」


それは確信を持った人間の言う台詞だろう

こう・・・名探偵が推理で犯人を追い詰めた時のような


エレン「どうやらミーナの目は節穴だったようだ」

俺はアルミンの頭をポンポンと慣れた手つきで触り、アルミンのフォローへまわった


さすがに少し可哀想に見えてきたのだ

その中性的な顔面が悲劇を生んだ

美少年とは幸福しか生まないものだと思っていたが、思わぬ落とし穴があったもんだ

236: 2014/02/08(土) 23:10:41 ID:Ov0tDUYM



ミーナ「え?」



本気の困惑の顔をアルミンに向ける

そして、交互に俺とアルミンを見だした


お兄ちゃんがアルミンさんと手を組んで嘘を吐いて、私を困らせようとしている。とでも考えているのだろうか


ミーナ「も、もうー。二人して、私を騙そうとして~」


70%は正解というところか


アニ「すまないけど、こいつは本当に男だよ。なんなら、ズボン脱がすけど」


ミーナ「わかりました。認めましょう」


どうやら強行手段されたら困るらしい

そりゃもし俺がミーナの立場だったとしても、それは嫌だ

243: 2014/02/08(土) 23:29:49 ID:Ov0tDUYM


ミーナ「アニさんは・・・・女性ですよね?」


エレン「おいおい、それは失礼だろ?いくらこんな鬼人のように目付きが悪いからって女じゃな俺の首はそんな有り得ない方向へ曲がるわけないだろ!いだだだっ!!」


アニ「あんたのが失礼だ・・・鬼人ってなんなんだい。再不斬かい?生憎、私は首切り包丁なんて持ち合わせてないのさ」


エレン「待て!背中に柔らかい感触が」


アニ「何もあたってない。あんたの手法はわかってるさ・・・そう言えば、私が離れると思ったんだろ?」


つい先日、ユミル先輩に使用し成功している矢先の失敗という失態


女性相手ならば成功するものと思っていた前もって調整されてたプランが・・・

237: 2014/02/08(土) 23:12:01 ID:Ov0tDUYM


エレン「おいおい、それは失礼だろ?いくらこんな鬼人のように目付きが悪いからって女じゃな俺の首はそんな有り得ない方向へ曲がるわけないだろ!いだだだっ!!」


アニ「あんたのが失礼だ・・・鬼人ってなんなんだい。生憎、私は首切り包丁なんて持ち合わせてないのさ」


エレン「待て!背中に柔らかい感触が」


アニ「何もあたってない。あんたの手法はわかってるさ・・・そう言えば、私が離れると思ったんだろ?」


つい先日、ユミル先輩に使用し成功している矢先の失敗という失態


女性相手ならば成功するものと思っていた前もって調整されてたプランが・・・


普通、異性からこんな常軌を逸した気持ち悪い言葉を言われたら引くのが当たり前だろ



アルミン「あーぁ・・・エレンったら・・」


完璧な呆れ顔に合わす顔がない

238: 2014/02/08(土) 23:13:34 ID:Ov0tDUYM


だって策がバレた故の行動

非常に程度が甚だしく、みっともない・・


だが、ここで諦める訳にはいかない


策士策に溺れるという幼稚な辱めなどうけるものか



エレン「アニは可愛いし、良い香りだな。俺ごのみの女だぜ!」


アニ「・・・・・・エ、エレン君の変O・・」


久々だから忘れてましたよ


そうですよね。やり過ぎると、そっちのアニさんが出現しちゃいますよね


折角、悪魔の皮を被った悪魔・・・基い、ペトラ先生からやっと開放されたのに、これか!


今日は厄日だな

239: 2014/02/08(土) 23:15:27 ID:Ov0tDUYM



ミーナ「アニさん。お願いします!お兄ちゃんをいじめないでください!!」


アニ「え・・・」



それは雛形を気にしない行為

いや、それが雛形なのかもしれない

俺だったら、嫌々ながら止めに入るところ

しかし、彼女は本気で止めにかかった



アニ「・・・・あ・・・・・ちょっとやり過ぎたかもね・・・すまなかった」



見てわかるとおり

俺が一方的に悪いのに、必氏に謝った行為によって、アニが悪くなったように見える

240: 2014/02/08(土) 23:17:54 ID:Ov0tDUYM


純粋であるが故にだ


エレン「あっ、そうだ。ちょっと出掛けるから」


アルミン「え?どこに行くの?」


ミーナ「もう準備も出来てるし・・・忘れものは無いと思うけど」


エレン「ははは、ちょっとな・・・」


アニ「わかった。すぐ帰ってくるんだよ・・・?」


エレン「おう。あと・・・勝手に始めてても良いからな。頃合いを計って、ペトラ先生も起こしてくれ」


ミーナ「うん・・・」


エレン「ご飯とケーキは少し残しといてくれよな。じゃ、いってくる」


アニ・アルミン・ミーナ「いってらっしゃい・・・・?」

248: 2014/02/11(火) 07:25:07 ID:D1qA8wOY




「はっくしゅん・・・」



晴天とは程遠い天気模様

ゆらゆらと迷うように風にさらわれながら、ゆったり空から降り注ぐ雪


空を見上げたら、白色とねずみ色の鉛筆で描いたようなグラデーション


今宵の寒さは特に一級



「さて・・・仕事も終わったし、向かうとするか」



トントンっと、束ねた紙を机の上で叩き纏め揃える

249: 2014/02/11(火) 07:26:30 ID:D1qA8wOY


程々に温かい保健室から出て、これからエレンの家へ向かうと思うと少し心引かれる

これから外へ出るのだから



「そうだ・・・」



ふと良い案が思い付いた

クリスマスプレゼントを買ってやろう。と

それはごくごく当たり前、私も母親から小さい頃よく貰ったものだ

だって、エレンとミーナには・・・


なので、私がサンタに代わって彼らにプレゼントをあげる

そもそもその考えが浮かぶのがクリスマス当日とは・・・なんたる不覚



「まぁいいか・・・」と1人自問自答し、解決する

250: 2014/02/11(火) 07:27:16 ID:D1qA8wOY



ーーーーーー
ーーーー
ーー



「ふふっ・・・」



エレン達が喜んでいる姿を想像すると胸が躍る


なんて、こんな妄想じみた事で幸福を感じてる自分が簡単過ぎて・・・


まぁ嫌な気分ではない



「んっ・・・けほけほっ!」



最近感じていた身体の不調のピークだろうか

251: 2014/02/11(火) 07:28:31 ID:D1qA8wOY


保険医として自分の身体の体調をケアすることも出来ないなんて、溜息が出てしまう


しかし、それは偏見というものだろう。
医者だからって病気をしないとは絶対に有り得ない

同じ人間なのだから、否定なんて出来ない



「ふぅ・・・一旦休憩とするか」



とあるお店のベンチへ腰掛ける


しかし・・・・やせ我慢というものか、根性というものか


ここまでよく歩けていたなと今頃思う


なぜか足がふらつくのだ


なぜかではないな。原因は分かってるのだから・・

252: 2014/02/11(火) 07:29:31 ID:D1qA8wOY


熱のせいで、意識が少しばかり朦朧としているのだ



「・・・・にしても、もう夜なのになんで街はここまで人で溢れかえってるのだ」



右を見ても左を見ても、カップルや家族連れ


現実的な方向で私は心が痛く虚しくなる


自分に無いものを持っている人間に嫉妬している


そんな見えているのに見えないような理想を欲している自分が弱く見え虚しいんだ


まるで子供だな・・・無いもの強請りなんて

253: 2014/02/11(火) 07:30:33 ID:D1qA8wOY



周りは酸素なのに自分は二酸化炭素として必要の無い存在のようだ


人間ではなく植物の為に役に立つ存在


常に斜め上で違う存在のような


でも、いつまで経っても植物は私を取り込み酸素に変えてくれる気配はない


周りと同じ必要とされるものになれないのか



「はっくち・・・ふぁ・・・・」


さっきからくしゃみを何度したことか・・・

本格的に危険かもな



ふと足元を見ると、数個の靴が並んでいた

254: 2014/02/11(火) 07:33:21 ID:D1qA8wOY


疑問に思い、顔を上げたら・・・



『あれ~?お姉さん、クリスマスに一人ですか~?』


リコ「・・・・誰だ?自意識過剰なら申し訳ないが・・・ナンパとかいう行為でもする気か?コホッ・・・」



またか・・・こんなの前にもあったな。と内心呆れた気持ちでいっぱいだ



こいつらが医者でこれから病院へ連れてってくれる。
もしくは、エレンの友達で家まで連れてってくれる。
ということならば、私はほいほい連れていくんだけどな



『俺達はそのつもりだけど?』


『寂しい夜を一人で過ごすのは嫌だよね~』


前にも似たような事を言われてるから無性にイラつく

255: 2014/02/11(火) 07:34:40 ID:D1qA8wOY



奴らも二酸化炭素なのか・・・


いや違う。水の電気分解で生まれた水素といったところだ

特別利用価値を感じない、場合によっての存在


周りの酸素と中途半端に絡み合う水の元素の片割れ


ちょうどいい・・・ドンピシャ過ぎる例えに考えた自分でさえ感心する


聖夜にこじ付けて、そこらの女と性夜を過ごそうなんて愚の骨頂


この煌めいている空間を濁すような浮いている存在

水素と同じで浮きやすい


本当に、なんてぴったりなのだろうか



リコ「残念だ。お前らは男2人で寂しい夜を過ごすがいい」

256: 2014/02/11(火) 07:36:00 ID:D1qA8wOY


『つれないな~』


リコ「ケホケホッ・・・・はぁ、私は見ず知らずの人間と共に過ごそうなんて非常識な事はしない」


私の脳はお前らの隙間風吹き荒れる穴だらけの脳内とは違うんだ


軽くてスカスカの脳を成長させた事を両親に謝れ


『あ゛?』


『やっちゃいます~?』


リコ「警察に通報したって私は構わないんだが」



私はいつだって強気でいられる

それは法律で人間は守られているからだ

257: 2014/02/11(火) 07:38:05 ID:D1qA8wOY


だが人は安易に考え過ぎだ・・・


それが地雷であるにも関わらず



『下手に出れば調子乗りやがって・・・』


グイッと首元の襟を掴まれる


リコ「・・・・痛っ!お、お前!」


『お!やっちゃえやっちゃえ~!』


それは拒否しても反発させる事は出来ない


ひたすらに腕や足を使い抵抗しようとする

だが、体調が体調なだけに力が入らない


拒否しても拒否しきれない・・・・

258: 2014/02/11(火) 07:40:10 ID:D1qA8wOY


そして、知らない男の顔が私に近付いてくる


周りの見てないふりをする姿がやけに心苦しい



リコ「痛っ・・・やめろっ!セクハラだ!訴える!訴えてやるからなっ!止めるなら今だ」



今頃後悔する


私が女であって、弱かった事に


そんな自分に腹が立ち、煽った自分が馬鹿に感じる


『よっしゃ~!キスやっちゃえやっちゃえ!』


「はぁ・・・・じゃあ俺がやっちゃいまーす」


『おうよ~!って、誰グバッ!?』

259: 2014/02/11(火) 07:41:26 ID:D1qA8wOY



バキッバキッと聞こえたかと思えば


バタッと2回何かが倒れる音が聞こえた



それと同時に私にまとわりつく腕が離れ、自由が戻り、ストンと足の力が抜ける



「・・・ッチ・・・・・お前ら巫山戯んなよ・・・冗談になんねえぞ、この野郎!こんだけで済むと思ってんのか!?」


『ひいっ!?』



街に流れる音楽よりも大きな怒鳴り声が響かせる



そして、再び人が人を殴る音が聞こえる

260: 2014/02/11(火) 07:44:05 ID:D1qA8wOY


そしていつの間にか周りは野次馬が囲み、視線を大いに浴びる


支離滅裂というか魑魅魍魎に出会ってしまったような


だが、その地獄絵図を繰り広げた人物は『正義』なのでした


今年の入学式もこんな感じだったのだろうか



「はぁはぁ・・・・大丈夫か?リコさん」



彼は、仕事を終え満足したかのように、私を見て、息を荒らげながらそう告げてきた


今までに見たことのない必氏な顔でした

261: 2014/02/11(火) 07:45:25 ID:D1qA8wOY



リコ「・・・・・うん」



・・・・・・・・・やばい・・・・



「・・・・まっ、自己防衛なんで訴えられても俺は法廷で勝てますよ」



どうして・・・どうして・・・・



どうして・・・こんなタイミングで来るんだよ・・



「というか、またされたんですか・・・・・ん?」



目尻がじわっと熱くなり、何か分からないが・・・・堪えられない

262: 2014/02/11(火) 07:46:45 ID:D1qA8wOY


いや・・・その『何か』とは私は分かってる



私は涙を流しているのだ



リコ「・・嘘だ・・・ひぐっ・・・違う!・・止まれ・・・」



弱い自分を見せたくない


いつまでも強い私を見せつけてたい


こんなのは、私だけど・・・私じゃない



「嘘なんて・・・つくなよ」



リコ「・・・・・え・・」

263: 2014/02/11(火) 07:47:47 ID:D1qA8wOY



「リコさんだって・・・・女性なんだろ?」



彼はニコッと笑って、そう言った


すべてを見透かされてる気がした


すべてを分かってくれてる気がした


すべてを・・・・・受け止めてくれる気がした


うぅん・・・きっと受け止めてくれる



リコ「・・・・・うん・・」



ずっと前から知っていた、その天井知らずな優しさに私は甘えてみようと思った

264: 2014/02/11(火) 07:48:47 ID:D1qA8wOY



そして私は心の赴くまま・・・


『エレン』に抱き着いた



リコ「・・・・・・・・怖かった・・・」



必氏に絞り出した言葉


ずっと心に秘めていた辛さを打ち明ける



エレン「怖ったよな・・・ごめんな。すぐ来れなくて・・・・」



エレンは優しく包むように、その大きな腕で抱き締めてくれた

265: 2014/02/11(火) 07:49:50 ID:D1qA8wOY


一気に感情が高鳴る


必氏に堪えていても流れていた涙


私は堪えることをやめた


ダムが崩壊したがごとく、涙が溢れ出た


先程など比べものにならないくらいに



リコ「・・・・・ひぐっ・・・んむっ・・・・ひぐ・・・」



私が二酸化炭素なら、エレンは何なのだろうか

266: 2014/02/11(火) 07:51:33 ID:D1qA8wOY


必要とされてもないと言えなくもない曖昧さ

でも、そこになくてはならないもの


浮いているが浮くのを拒んでいる

空気に慣れようとしている

でも空気に慣れる事は出来ない不器用なもの


エレンはどちらも兼ね備えた『水』というとこだろう


私とエレンじゃただの炭酸しか生まれないではないか


決して仲の悪い物同士ではない



嫌な結果ではない

267: 2014/02/11(火) 07:53:19 ID:D1qA8wOY


エレン「・・・大丈夫・・・・大丈夫だから」



・・・エレンが私の頭を撫でてくれてる


エレンの手がとても大きく温かく感じる


そして私の身長もとても小さく感じる・・・


エレンの胸の中にスッポリはまっている


まるで私の為だけに開けられた空間のよう


それは私の仮定した、水と二酸化炭素が炭酸飽和した炭酸水のよう



エレン「よし・・・」

268: 2014/02/11(火) 07:54:17 ID:D1qA8wOY


人の・・・エレンの温度をこんなに芯まで感じたのは、これが初めてだ


頭の中にあった苦艱や疾苦は、何処かに溶けてしまったかのように、綺麗さっぱり無くなってしまっていた


涙は悲しくて、辛い時に流れるものではななった


こんな時に流れてくるなど、どうかしている



エレン「俺がいつでも守ってやるからな」



エレンのそんな律儀で面白みのない言葉を、私はいつものように「バカ」と笑顔で罵りました



リコ「そんなの当たり前だ」



いつの間にか涙は瞳の奥の方に引っ込んでいた

274: 2014/02/11(火) 18:04:14 ID:D1qA8wOY



エレン「じゃ、うちに帰るか」


エレンは私の頭を最後にポンッとふんわり乗せた


リコ「・・・・ん」


私はエレンから少し離れ、小さく頷いた



そしたらエレンは後ろを向き

「・・・ほら、背中につかまれ」と言い、腰を下ろした



リコ「どうして・・・?」


エレン「さっきから足元覚束いて無いぞ。ふらふらじゃねえか・・・だから、ほら」



エレンの奇妙で不可解な結果を元にした行動に私は悟った

275: 2014/02/11(火) 18:05:41 ID:D1qA8wOY


リコ「エレンは・・・・分かっていたのか?」



そう言いながら、私はゆっくりエレンの肩に腕をまわし、背中に抱き着くように身を任せた



エレン「分かってなきゃ迎えになんて来ねえっての・・・」



『分かってる』それは、私の体調の事だ


やっぱりエレンは何でも見透かしているんだな



リコ「そうか・・・電話の時か?」


エレン「いいや。もっと前からだ・・・・そうだな。終業式の出掛けた日あたりから、かな・・・」

276: 2014/02/11(火) 18:06:47 ID:D1qA8wOY


エレンは「よいしょ」という掛け声と共に立ち上がった


目線の高さがいつもより高い

エレンからの視線は小柄な私からしたら、少し街が小さく見えた


そして、ゆっくり歩み始めた


歩く度に揺れる振動がどことなく落ち着く



リコ「そうか・・・じゃ初めから分かってたって事か」


エレン「ははは、そうだったのか・・・その時はまだ確信なかったから、言えなかったんだよな」


リコ「そして今日の電話で確信したという事か?」


エレン「ご名答だ・・・別に今日のは断ったって良かったんだぞ。そん時は、また別の日に俺一人でもリコさんとお祝いしようと考えてたさ」

277: 2014/02/11(火) 18:09:44 ID:D1qA8wOY


エレンの優しさは私の気持ちを度々揺さぶらせる


なので少し困る・・・


私の感情の不自由さ、自分の強がりな演技・・・

別に強がりが私の仮面というわけではなく、それが自分であり、弱点の素直な一部も隠したいだけ


そして、本当は素直になりきれてない傷付く事を恐れおののいているナイーブな心情



私は、ここで区切りを付けようと思う



リコ「エレン・・・・」


エレン「どうした・・・?」


エレンは歩きながら私を見ず答えた

278: 2014/02/11(火) 18:11:55 ID:D1qA8wOY




「私、エレンが好きだ」



エレン「ん、そっか・・・俺も好きだぞ」


リコ「・・・・好きだ」


エレン「そうか」


リコ「好き・・・」


エレン「おう」


リコ「だいすき・・・」


エレン「わかった」


リコ「・・・・だいすき」

279: 2014/02/11(火) 18:13:50 ID:D1qA8wOY


私はその大きな背中に顔を埋めた


陽だまりに身をあててるように、気分がよく、ぽかぽかで温かい



エレン「・・・・ん?なんか背中が冷たい気が・・・・また泣いてるのか?ハンカチ貸そうか」



初めからこうなると分かってた


だって『エレン』なのだから


エレンは動揺すら見せなかった

でも、後悔はしない


だって言えたのだから・・・笑って答えてくれたから

私を拒むことを決してしなかった


エレンの対応はとても穏便で優しかった

280: 2014/02/11(火) 18:16:24 ID:D1qA8wOY


リコ「エレンは何も分かってないんだな。こういう事に関しては本当に・・・・鈍感だな」


エレン「俺の察知能力は高いぞ。当然のように恋愛とかと勘違いしないのが俺の感知能力だ。そんなの勘違いしたらリコさんから冷たい目で一生見られるからな」


リコ「はぁ・・・・お前のは察知能力じゃない。推理力と観察力が高いだけだ」


エレン「おっ!そうだな・・・確かに、そうだ」



「よっと」と言いながら少しずり落ちてる身体を、持ちやすい位置に持ち上げた


手の位置に妙に意識していしまう



リコ「わわっ!ちょっ変なとこ触るな!」


エレン「リコさんそういうの気にするタイプだったか?」


リコ「むぅ・・・エレンだって、そんな行動的なヒーロー体質だったか?」

281: 2014/02/11(火) 18:17:43 ID:D1qA8wOY


エレン「そうだな・・・・俺、変わったかもな」


リコ「私もだ」


エレン「えっ・・・・つまり触られるのに慣れたとか・・・まさかのビXチ発言か!?」


リコ「違うわ!異性を意識しだしたというところだ!・・・ケホケホッ」


エレン「そっか。まさかリコさんにも恋愛というリア充脳を持つ時が来たのか」


リコ「私じゃ有り得ないみたいな言い方だな」


悪戯好きの子供のように、私を茶化すように「あはは!」とエレンは笑った


エレン「そんな事ないぞ。リコさん人並み以上に魅力的だから、好かれた人間は本当に幸せ者だよな」


リコ「・・・・・」


エレン「はぁ・・・・そんな恋愛事情を考えたら、俺が不憫過ぎて虚しくなってきた。中1に戻りたいな」

282: 2014/02/11(火) 18:21:02 ID:D1qA8wOY


ついさっきの私の言葉すら、友人としてみたいな捉えるもの

さらに私の今の発言を聞いてもまだ察しれてない・・・


私は思った。こいつは『本物』だと

疑う余地のない絶対的確信を得た


反応や感受性が鈍く無関心というわけではない

自分がそうならば、相手も同じ・・・と主体的理解のもと、人の感情を感じとっているんだ


それはエレンの過去の失敗または先程言った推理力と観察力の経験が故のもの


人との関わりが少ない『ぼっち』ゆえ、客観視に傾いた勘違いを抱いているんだ


つまり、エレンの『鈍感』は鈍く無関心というわけではない


エレン自身が経験のない事を理解処理しきれてないだけなんだ

283: 2014/02/11(火) 18:21:48 ID:D1qA8wOY


それが物事の動作によるものなら単純解決出来るが、人間の感情となると・・・・経験など積もうにもかなり骨の折れること


エレンが、自身の恋愛感情に気付かない限り、エレンは恋愛出来ないんだ


しかし、そのお陰で当分は安心出来る



リコ「・・・・・ん?中1の頃に何かあったのか?」


エレン「あっ・・・・すまん失言だった。忘れてくれ」


リコ「そう言われると気になるではないか」


エレン「そうだな・・・俺がもっと大人になったらな。それで『そんなこともあったな』ってノリで、お酒を飲みながら話したいかな」


リコ「その頃まで私とエレンは一緒にいられるか?ケホッ・・・」

284: 2014/02/11(火) 18:22:36 ID:D1qA8wOY


エレン「分からない。だって未来のことだからな」


リコ「でも意思さえあれば」


エレン「だから・・・人間は予想は出来ても予知は出来ないんだ。それが人の意思なら尚更だ」


リコ「・・・・・・」


エレン「いつだって突き放す事も出来る。俺はそうやって・・・・未来を変えてきた」


そうだな・・・・人と少し手を組めば、エレンのような『ぼっち』を作ることなんて、存外リア充共にとっては簡単な事だし


リコ「コホコホッ・・なんか・・・・現実主義の私がこんな事を語るなんてな」


現実味のない事を肯定しようとしたんだ


それは夢見がちな想像に過ぎない

285: 2014/02/11(火) 18:23:45 ID:D1qA8wOY


エレン「そうだな。でも、良いんじゃないか?」


リコ「自身から否定しといて、それはどういうことだ」


エレン「それはただの理論だ。俺はリコさんに未来も一緒にいてくれるなんて言ってもらえて嬉しいからさ」


リコ「へぇ・・・」


エレン「なんだよ・・・?」


リコ「私は『一緒にいたい』など一言も言ってないぞ?一緒にいられるかどうか質問しただけだ」


エレン「・・・・・・すまん。今の発言は取り消してくれ」


リコ「デリート不可だ。ふふっ・・・私の頭の中にしっかりインプットしたからな。消したいのなら私を頃すしかないぞ」


エレン「はいはい・・・俺との記憶なんて、いつか風化して消えていくぞ。つか、物騒な事言うな」

286: 2014/02/11(火) 18:26:00 ID:D1qA8wOY


リコ「未来も一緒にいたいと望むのなら、私は従ってもいい。だが意思を曲げるつもりは無いから・・・なっ!」



「なっ」の言葉と共に、私は顔をエレンのすぐ隣に持っていき、ギュッとより一層密着させた



エレン「え?ちょっ!あぶなっ!そんな急に強く締めるなって!バランス崩すとこだったろ!」


慌てふためくエレンを見て、私はつい笑みが溢れてしまう


リコ「ははっ!私は知っているぞ。男はこうされると嬉しいって」


ペトラに言われた事を実践してみたに過ぎないだけだが


エレン「そんなこと調べてる時間があるなら、体調を良くすることに専念しろよ。自分の身体の体調を良好に保つ事が出来ない保健医なんて、運動神経の悪い体育教師と同じだからな」


リコ「エレンはあったかいな・・・」


エレン「はぁ・・・まったく・・・・・話を聞いてるのか?リコさんは・・」

287: 2014/02/11(火) 18:27:02 ID:D1qA8wOY


リコ「エレンは優しいな・・・」


エレン「はいはい・・・ありがとさん」


リコ「・・・・はっくしゅっ!・・・うぅ・・・・」


エレン「寒いか?」


リコ「・・・・うむ・・」


エレン「ほれ、俺の手袋とマフラー貸してやるから、つけろ」


リコ「・・・・・・ありがと」



エレンの腕2本に体重を任せ、私はマフラーを巻き、手袋を装着した

288: 2014/02/11(火) 18:28:06 ID:D1qA8wOY


ほんの5秒前までエレンが着けていた衣類

洗濯した後なのだろうか、かなりふわふわで触り心地が良い

マフラーからエレンの香りが顔全体を包み込む


そして何より温かい・・・



エレン「おう・・・・あのさ、ちょっといいか?」


リコ「・・・・なんだ?」


エレン「これから、少し寄りたいとこがあるんだが」


リコ「・・・ん、構わんぞ・・?」


エレン「もう少し寒い思いをさせるけど我慢してくれよな」

289: 2014/02/11(火) 18:28:47 ID:D1qA8wOY


リコ「いいや・・・・なんなら、永久にこのままでも良いかもな・・・」


エレン「勘弁してくれ・・・俺の腕を使い物にならなくさせるつもりかよ」



いつもいつも、そんな斜め上の外れた答え・・・


少しは喜びを見せてくれなきゃ私もさすがに不満だぞ



リコ「その時は私がエレンの両腕になってやる。はっくしっ・・・」


エレン「プロポーズのつもりか?残念、俺はそんな冗談に騙される程、単純的理解力僅少じゃないぞ」


リコ「ははは、バレたか。はぁ~ぁ・・・エレンなら悦んで騙されてくれるかと思ったんだけどな」


エレン「別に・・・嬉しくないわけじゃないけど、それじゃ俺がリコさんを守れないだろ?」


リコ「ほんと・・・律儀だな・・・・ばーか・・」

290: 2014/02/11(火) 18:30:31 ID:D1qA8wOY


ーーーーー
ーーーー
ーーー



「久しぶりです」


『あらあら・・・まぁ!久しぶりじゃない』


「どうも」


『もう全然家に来てくれないから、うちの娘と喧嘩したとでも思っちゃったじゃない』


「別に喧嘩なんてしてないですよ」


『そう・・・?というか、その背中で寝ている女の子は?まさか誘拐!?』


「知り合いです。ちょっと疲れたみたいで・・・」

291: 2014/02/11(火) 18:31:42 ID:D1qA8wOY


『調子悪いの?あっ!そうだ。今からでも、うちで』

「すみません・・・俺、ちょっと家でも用事があるので、このまま帰ります」


『・・・・・・・。・・・そうなんだ。娘も寂しがってるわよ』


「あの・・・」


『何かしら・・・?』


「おばさんは知っているんですよね・・・?」


『私も歳だから分からないわ。忘れちゃったわね』


「・・・・・・・・・そうですか。はい、これケーキです。家族で食べてください」


『あらあら~、わざわざありがとね』


「じゃ、メリークリスマスです」

292: 2014/02/11(火) 18:32:55 ID:D1qA8wOY


『うん。メリークリスマス」


「それでは体調に気をつけてくださいね」


『来年は来てくれるかしら・・・?』


「・・・・分かんないです」


『私も娘も待ってるからね』


「・・・・はい」



ーーーーー
ーーーー
ーーー

293: 2014/02/11(火) 18:34:44 ID:D1qA8wOY


ガチャ・・・・ギィ~・・・


エレン「ただいま・・・っと」


リコ「すぅ・・・すぅ・・」


ミーナ「おかえり!お兄ちゃんにリコさん」


玄関で迎えてくれたのは妹でした



エレン「ふぅ・・・やっぱ家が一番だな」


ミーナ「ん、リコさんどうかしたの・・・?」



幼児のような寝息を立てながら眠っているリコさん


寝顔を見て察してか、ミーナも小声で話す

294: 2014/02/11(火) 18:36:18 ID:D1qA8wOY


エレン「熱っぽいからさ・・・今から寝かせてくる」


靴を脱ぎ、リコさんの靴も脱がせ

自分の部屋に向うため、階段をあがる


エレン「まったく・・・前の俺だったら、こんな寒い日にこんな事、有り得ないよな・・」


そんな独り言を溢し、自室の扉を開け


眠りから覚まさないよう、ゆっくりベットに横たわらせた


「おやすみ」と言いながら毛布を掛けた


丁寧に呼吸のリズムで寝息が漏れる


「時間が経ったら、また来るからな」と寝ているリコさんに呟くように伝えた


そして、俺は自室をあとにした

295: 2014/02/11(火) 18:36:54 ID:D1qA8wOY
今回はここまでですので

読んでいただきありがとうございました

297: 2014/02/11(火) 19:04:02 ID:j7yU3mOM
>>1乙 毎回楽しく読んでるよ

申し訳ないんだけどペトラがエレンを襲ったとこを簡単に説明して欲しいんだ

読解力なくてすまん

298: 2014/02/11(火) 19:11:38 ID:D1qA8wOY
ペトラはそもそもお酒を飲んでエレンの家に出向いたのです

事件後に電話でリコさんから聞いて、ペトラはアルコールを摂取すると自分勝手になる

それを知らなかったエレン

そして泥酔しているペトラはエレンに、ミーナに悪戯するかエレンを襲うかを選択させました

そして、エレンは選ばず特攻したら
あえなく大敗というわけです

【進撃の巨人】エレン「ささやかな望み」【中編】

引用: エレン「ささやかな望み」※現代パロ