1: 2013/12/15(日) 19:04:28 ID:X293JC4U
男「どういうことだ？」
少年「幽霊の話って大体夏場の話だよね？冬は幽霊も外に出てこないのかな？」
男「…あー、なかなか面白いこと考えるな。確かに冬場の怪談はあまり聞かないな」
男「でもそれはただ怪談を話す機会が夏場の方が多いからじゃないか？」
少年「どういうこと？」
男「どうせ怪談を話すなら誰だって怖がらせたいだろう？だから怪談を身近に感じさせるために自然に夏が舞台の話になるんじゃないかな」
少年「なるほど」
少年「幽霊の話って大体夏場の話だよね？冬は幽霊も外に出てこないのかな？」
男「…あー、なかなか面白いこと考えるな。確かに冬場の怪談はあまり聞かないな」
男「でもそれはただ怪談を話す機会が夏場の方が多いからじゃないか？」
少年「どういうこと？」
男「どうせ怪談を話すなら誰だって怖がらせたいだろう？だから怪談を身近に感じさせるために自然に夏が舞台の話になるんじゃないかな」
少年「なるほど」
2: 2013/12/15(日) 19:09:58 ID:X293JC4U
少年「……そういえば何で怪談って夏に話されることが多いのかな？」
男「背筋がゾクッとするからじゃないか？」
少年「それよく言われるけどさ、そんなんで涼しくなるものなの？」
男「確かに俺も涼しくなったことはないが……まあ個人差があるんじゃないか？」
少年「それじゃあ大半の人は理由もなく夏に怪談を話しているってことなの？」
男「理由がないと言うか…お約束みたいなものだしな」
少年「ふーん……」
男「背筋がゾクッとするからじゃないか？」
少年「それよく言われるけどさ、そんなんで涼しくなるものなの？」
男「確かに俺も涼しくなったことはないが……まあ個人差があるんじゃないか？」
少年「それじゃあ大半の人は理由もなく夏に怪談を話しているってことなの？」
男「理由がないと言うか…お約束みたいなものだしな」
少年「ふーん……」
3: 2013/12/15(日) 19:17:06 ID:X293JC4U
男「…夏に怪談を話すメリットをあげてけば答えが分かるかもな」
少年「メリット？うーん……」
男「こういうのはどうだ？冬場は寒いから外出する機会が夏場より減るよな？」
少年「皆がそうってわけじゃないだろうけどね」
男「やっぱり自宅ってのは基本的に安全な場所だから怪談において怖さがあまり出ないんじゃないか？」
少年「うーん…でも日常の場が恐怖の場になるってことで結構怖かったりすると思うよ？」
男「一理あるな。じゃあこの理由は違うのかな」
少年「メリット？うーん……」
男「こういうのはどうだ？冬場は寒いから外出する機会が夏場より減るよな？」
少年「皆がそうってわけじゃないだろうけどね」
男「やっぱり自宅ってのは基本的に安全な場所だから怪談において怖さがあまり出ないんじゃないか？」
少年「うーん…でも日常の場が恐怖の場になるってことで結構怖かったりすると思うよ？」
男「一理あるな。じゃあこの理由は違うのかな」
4: 2013/12/15(日) 19:23:05 ID:X293JC4U
少年「お盆があるからかもよ？」
男「あー、それは確かにありそうだな」
少年「……そういえばさ」
男「うん？」
少年「幽霊の話をしていると幽霊が寄って来るってよく言うよね」
男「外は大雪なんだが」
少年「うん、だからこんな日でも幽霊って寄って来るのかな、って」
男「もし来たとしたらなかなかの根性の持ち主だな」
男「あー、それは確かにありそうだな」
少年「……そういえばさ」
男「うん？」
少年「幽霊の話をしていると幽霊が寄って来るってよく言うよね」
男「外は大雪なんだが」
少年「うん、だからこんな日でも幽霊って寄って来るのかな、って」
男「もし来たとしたらなかなかの根性の持ち主だな」
5: 2013/12/15(日) 19:28:28 ID:X293JC4U
ピンポーン
男「…お客か？」
少年「……こんな大雪の日に？」
ピンポーン ピンポーン ピンポーン
男「……お前行けよ」
少年「…嫌だよ」
ピンポーン
男「…もし人だったら酷いことしてるな、俺ら」
少年「…そう思うなら開けてきなよ」
男「…お客か？」
少年「……こんな大雪の日に？」
ピンポーン ピンポーン ピンポーン
男「……お前行けよ」
少年「…嫌だよ」
ピンポーン
男「…もし人だったら酷いことしてるな、俺ら」
少年「…そう思うなら開けてきなよ」
6: 2013/12/15(日) 19:35:44 ID:X293JC4U
……
男「静かになったな……」
少年「…うん」
ガチャッ
男 少年「「！！？」」
ガチャッ ガチャッ ガチャッ ガチャッ ガチャッ
少年「あ、開けようとしてるみたいだよ……？」
男「ふ、普通の客人ならそんなことしないよな……？」
ドン… ドン！ドン！ドンッ！ ドン！ドン！ドンッ！
少年「お…怒ってるみたいだけど！？ねえこれ大丈夫なの！？」
男「知るか！！おい塩持ってこい！塩！もしくは聖水！」
男「静かになったな……」
少年「…うん」
ガチャッ
男 少年「「！！？」」
ガチャッ ガチャッ ガチャッ ガチャッ ガチャッ
少年「あ、開けようとしてるみたいだよ……？」
男「ふ、普通の客人ならそんなことしないよな……？」
ドン… ドン！ドン！ドンッ！ ドン！ドン！ドンッ！
少年「お…怒ってるみたいだけど！？ねえこれ大丈夫なの！？」
男「知るか！！おい塩持ってこい！塩！もしくは聖水！」
7: 2013/12/15(日) 19:48:02 ID:X293JC4U
三時間後
ドンッ！ドンッ！ドンッ！ドンッ！ドンッ！！
男「うるさいな！！どうせならいっそのこと一思いにすり抜けて来いよ！！」
少年「そういえばホラー映画とかでも幽霊って意外と物理的な方法で足止めできるよね」
男「ああ、よくあるよな。というかこの音にもそろそろ慣れてきたよな」
少年「うん、ドア叩く以外に何もしてこないしね」
男「そういえばさっき勇気を出してドアスコープ覗いてきたらさ、やっぱり幽霊っぽかったよ。なんか白いの着てたし」
少年「幽霊に遭遇するのって初めてだけどなんかガッカリだな。まさかドアもすり抜けられないなんて」
ドンッ！ドンッ！ドンッ！ドンッ！ドンッ！！
男「うるさいな！！どうせならいっそのこと一思いにすり抜けて来いよ！！」
少年「そういえばホラー映画とかでも幽霊って意外と物理的な方法で足止めできるよね」
男「ああ、よくあるよな。というかこの音にもそろそろ慣れてきたよな」
少年「うん、ドア叩く以外に何もしてこないしね」
男「そういえばさっき勇気を出してドアスコープ覗いてきたらさ、やっぱり幽霊っぽかったよ。なんか白いの着てたし」
少年「幽霊に遭遇するのって初めてだけどなんかガッカリだな。まさかドアもすり抜けられないなんて」
8: 2013/12/15(日) 19:54:24 ID:X293JC4U
二時間後
ドン ドン ドン ドン…
少年「まだいるよ幽霊の奴……正直しつこい」
男「ドア叩く音が明らかに弱々しくなってるな、もうそろそろ限界だろう」
……ノ ……ン
少年「あれ？幽霊何か言ってない？」
男「なんだ？」
…アノ スミマセン…… ドア アケテクレマセンカ……
少年「ドア開けてくれませんか、だってさ」
男「何言ってんだか」
ドン ドン ドン ドン…
少年「まだいるよ幽霊の奴……正直しつこい」
男「ドア叩く音が明らかに弱々しくなってるな、もうそろそろ限界だろう」
……ノ ……ン
少年「あれ？幽霊何か言ってない？」
男「なんだ？」
…アノ スミマセン…… ドア アケテクレマセンカ……
少年「ドア開けてくれませんか、だってさ」
男「何言ってんだか」
9: 2013/12/15(日) 20:00:07 ID:X293JC4U
スミマセン… チョウシノッテマシタ… アヤマリマスカラアケテクダサイ… モウツカレタンデス……
男「……」
アノ… ムシトカヤメテ… ツライカラ…
男「…おい」
ハッ、ハイ！？ ナンデショウカ！？
男「普通に喋れないのか？聞き取りづらいんだが」
『アッ ハイ！ えーと、これなら大丈夫ですか？』
男「ああ」
男「……」
アノ… ムシトカヤメテ… ツライカラ…
男「…おい」
ハッ、ハイ！？ ナンデショウカ！？
男「普通に喋れないのか？聞き取りづらいんだが」
『アッ ハイ！ えーと、これなら大丈夫ですか？』
男「ああ」
10: 2013/12/15(日) 20:06:56 ID:X293JC4U
少年「何で家に入ろうとしているの？」
『まあ…そういう性（さが）という…なんというか……』
男「へぇー、性の為なら他人に迷惑かけていいんだー」
『いやっ…そういうことが言いたいんじゃなくて……』
男「あーあ！誰かさんのせいで睡眠不足だなぁ！これじゃ仕事に支障がでるなぁ！」
『うぅっ……すみません…』
少年「あんまり虐めないであげてよ」
『まあ…そういう性（さが）という…なんというか……』
男「へぇー、性の為なら他人に迷惑かけていいんだー」
『いやっ…そういうことが言いたいんじゃなくて……』
男「あーあ！誰かさんのせいで睡眠不足だなぁ！これじゃ仕事に支障がでるなぁ！」
『うぅっ……すみません…』
少年「あんまり虐めないであげてよ」
11: 2013/12/15(日) 20:11:35 ID:X293JC4U
『あの…それで開けてもらえるんですか？』
男「開けたらどうするんだ？」
『それは秘密というかなんと言うか……』
男「じゃあダメだな」
『こ、これだけは言えません！』
男「そうか、じゃあ達者でな」
『一瞬で！一瞬でいいので！』
男「…しかたないな……」
男「開けたらどうするんだ？」
『それは秘密というかなんと言うか……』
男「じゃあダメだな」
『こ、これだけは言えません！』
男「そうか、じゃあ達者でな」
『一瞬で！一瞬でいいので！』
男「…しかたないな……」
12: 2013/12/15(日) 20:16:49 ID:X293JC4U
男「それじゃあいくぞ」
『はい！』
ガチャリッ
雪女「ふっ…馬鹿な バタンッ
男「あっー、寒い寒い…はやくコタツに戻ろ…」
『待ってよ！』
男「？ 何？お望み通り一瞬開けたでしょ？」
『はい！』
ガチャリッ
雪女「ふっ…馬鹿な バタンッ
男「あっー、寒い寒い…はやくコタツに戻ろ…」
『待ってよ！』
男「？ 何？お望み通り一瞬開けたでしょ？」
13: 2013/12/15(日) 20:22:54 ID:X293JC4U
『……失敗した』
男「はい？」
『決め台詞なんて言わずに体を滑り込ませればよかった！！』
男「うん、まあそうだね。君がアホだから失敗したんだね」
『……』
男「あっ、そういえばさっき一瞬姿見えたけど。何？あんたって雪女なの？」
『えっ？なんだと思ってたんですか？』
男「てっきり幽霊か何かかと」
『そうですか』
男「はい？」
『決め台詞なんて言わずに体を滑り込ませればよかった！！』
男「うん、まあそうだね。君がアホだから失敗したんだね」
『……』
男「あっ、そういえばさっき一瞬姿見えたけど。何？あんたって雪女なの？」
『えっ？なんだと思ってたんですか？』
男「てっきり幽霊か何かかと」
『そうですか』
14: 2013/12/15(日) 20:30:46 ID:X293JC4U
男「ってことは俺たちを凍え氏なすのが目的なのか？」
『まあそんな感じですね』
男「ふぅーん……ちょっと待ってろ」
『？』
男「……よし、今からドアを開けてやるよ」
『本当ですか！？』
男「ほら」ガチャリッ
雪女「ふっ、馬鹿な人間だ……」
バシャァッ
男「おお、やっぱり熱湯かけたら消えたな」
『まあそんな感じですね』
男「ふぅーん……ちょっと待ってろ」
『？』
男「……よし、今からドアを開けてやるよ」
『本当ですか！？』
男「ほら」ガチャリッ
雪女「ふっ、馬鹿な人間だ……」
バシャァッ
男「おお、やっぱり熱湯かけたら消えたな」
15: 2013/12/15(日) 20:34:58 ID:X293JC4U
男「うん？もう朝か……」
少年「幽霊どうなったの？」
男「消えてなくなったよ」
少年「へぇー」
終
少年「幽霊どうなったの？」
男「消えてなくなったよ」
少年「へぇー」
終
16: 2013/12/17(火) 23:00:37 ID:YC72rJ6A
なんだこのオチｗｗｗ
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