678: 2013/11/28(木) 22:38:49 ID:DVp58IPE
前回:第10話 終末のパズル
最終話 私たちの幸せ
1
~南の都・お城~
王様「待っておったぞ、勇者よ」
勇者「極南の地の調査が終了し、闇の結界を解放して参りました」
王様「な、なんと! 結界を解放したじゃと?!」
勇者「はい。季節が巡って極夜になったので、日は昇りませんが間違いありません。魔女から報告を受けていると思いますが、結界はハノイの塔が示す終末の定めによるものでした」
王様「終末の定め?」
679: 2013/11/28(木) 23:11:51 ID:DVp58IPE
勇者「はい。世界の秩序を乱し、戦争を繰り返す人間に対して、この世界を創造した神様が裁きを下していたのです」
王様「なんと! 魔王ではなく、神の怒りじゃったのか!」
勇者「そうです。そのために結界が必要だったのです」
勇者「精神感応の報告も受けていると思いますが、それは人間を救済したい女神の意見を汲み、神様が人間を試して裁くために用意したものでした」
勇者「その裁きを乗り越える者が現れることで、人間の可能性を示すことが出来ます。だから女神は結界を越えられる者を選び、私たちに神託を下していたのです」
王様「闇が現れるまで、確かに人類は驕り高ぶっておったかもしれんな。して、神と女神はどうなったのじゃ」
王様「なんと! 魔王ではなく、神の怒りじゃったのか!」
勇者「そうです。そのために結界が必要だったのです」
勇者「精神感応の報告も受けていると思いますが、それは人間を救済したい女神の意見を汲み、神様が人間を試して裁くために用意したものでした」
勇者「その裁きを乗り越える者が現れることで、人間の可能性を示すことが出来ます。だから女神は結界を越えられる者を選び、私たちに神託を下していたのです」
王様「闇が現れるまで、確かに人類は驕り高ぶっておったかもしれんな。して、神と女神はどうなったのじゃ」
680: 2013/11/28(木) 23:33:08 ID:DVp58IPE
勇者「私たちが人間の可能性を示し、闇を取り払うことで神の赦しを得ることに成功いたしました。女神からの祝福も獲得し、人間の未来を静観してくれるそうです」
王様「そうか。僧侶と魔法使い、そして魔女よ。勇者を支え、よくぞ無事に帰ってきてくれた」
王様「そなたらの国の王に代わり、わしからも礼を申し上げよう。書状を出しておくゆえ、返事があるまで休暇を取るが良い」
勇者「ありがとうございます。帰路は各国を訪問して帰るつもりなので、そのことも付記していただくようお願いいたします」
王様「なるほど、良い心がけじゃな。我らは手を取り合わねばならんからな」
王様「そうか。僧侶と魔法使い、そして魔女よ。勇者を支え、よくぞ無事に帰ってきてくれた」
王様「そなたらの国の王に代わり、わしからも礼を申し上げよう。書状を出しておくゆえ、返事があるまで休暇を取るが良い」
勇者「ありがとうございます。帰路は各国を訪問して帰るつもりなので、そのことも付記していただくようお願いいたします」
王様「なるほど、良い心がけじゃな。我らは手を取り合わねばならんからな」
681: 2013/11/28(木) 23:35:11 ID:DVp58IPE
魔法使い「あの、私はただの村娘なので……」
王様「おお、そうであった。魔法使いには、エルグ王から書状が届いておるぞ」
魔法使い「書状ですか?」
王様「今月から始まった研修のことじゃが、極南に向かう部隊で研修するようにとのことだ」
魔法使い「は、はいっ! 季節が逆で、すっかり忘れていました」
僧侶「じゃあ、今日から正式な部隊メンバーだね」
魔法使い「なんだか緊張します。勇者さま、僧侶さん、よろしくお願いします」ペコリ
王様「では、魔法使いよ。書状は国王と村長に出しておこう。勇者一行の魔道師として胸を張り、驕ることなく成長していくことを楽しみにしておるぞ」
魔法使い「はいっ、頑張ります!」
王様「おお、そうであった。魔法使いには、エルグ王から書状が届いておるぞ」
魔法使い「書状ですか?」
王様「今月から始まった研修のことじゃが、極南に向かう部隊で研修するようにとのことだ」
魔法使い「は、はいっ! 季節が逆で、すっかり忘れていました」
僧侶「じゃあ、今日から正式な部隊メンバーだね」
魔法使い「なんだか緊張します。勇者さま、僧侶さん、よろしくお願いします」ペコリ
王様「では、魔法使いよ。書状は国王と村長に出しておこう。勇者一行の魔道師として胸を張り、驕ることなく成長していくことを楽しみにしておるぞ」
魔法使い「はいっ、頑張ります!」
682: 2013/11/28(木) 23:41:47 ID:DVp58IPE
2
~南の街~
魔法使い「はぁ、緊張しました」
僧侶「お城に帰ったら、ご褒美が楽しみだね。美味しいものを食べて、可愛いドレスも欲しいな~」
魔法使い「そうですね♪ 私も美味しいものを食べて、精霊魔術と魔法医学の書物を揃えたいです」
魔女「あたしは何もしてないのに、いいのかな?」
僧侶「魔女さんの情報のお陰で、私たちは助かったんだから。もう大切な仲間ですよ」
魔法使い「そうです。魔女さんのお陰です」
魔女「そっか。二人とも、ありがとう」
~南の街~
魔法使い「はぁ、緊張しました」
僧侶「お城に帰ったら、ご褒美が楽しみだね。美味しいものを食べて、可愛いドレスも欲しいな~」
魔法使い「そうですね♪ 私も美味しいものを食べて、精霊魔術と魔法医学の書物を揃えたいです」
魔女「あたしは何もしてないのに、いいのかな?」
僧侶「魔女さんの情報のお陰で、私たちは助かったんだから。もう大切な仲間ですよ」
魔法使い「そうです。魔女さんのお陰です」
魔女「そっか。二人とも、ありがとう」
683: 2013/11/28(木) 23:46:13 ID:DVp58IPE
勇者「じゃあ、そろそろ宿に戻ろうか。魔女さんと合流して4人になったし、今日から部屋割りを変更するからね」
魔法使い「えっ、そうなんですか?」
勇者「僕と僧侶さん、魔法使いちゃんと魔女さんで二部屋に分かれるから、それでお願いします」
魔法使い「ああ、そういう事なんですね」
僧侶「えへへ//」
勇者「そういう訳で魔女さん、魔法使いちゃんと仲良くしてあげてください」
魔女「はい」
僧侶「じゃあ、後で二人の部屋に遊びに行きますね♪」
魔法使い「えっ、そうなんですか?」
勇者「僕と僧侶さん、魔法使いちゃんと魔女さんで二部屋に分かれるから、それでお願いします」
魔法使い「ああ、そういう事なんですね」
僧侶「えへへ//」
勇者「そういう訳で魔女さん、魔法使いちゃんと仲良くしてあげてください」
魔女「はい」
僧侶「じゃあ、後で二人の部屋に遊びに行きますね♪」
684: 2013/11/29(金) 22:05:15 ID:fA3Jqd42
3
~宿・魔法使いと魔女の部屋~
魔女「……」
魔女「…………」
『あぅん……あぁ、勇者さまぁ…………』
魔法使い「僧侶さんの声ですね」
魔女「ま、まあ、こういうことをするための部屋割りだし」
『……ひゃぁん。うんっ、いい……そこ気持ちいい』
魔法使い「そうですよね。いつもより楽しめているみたいで、本当に良かったです」
魔女「そ……そうなんだ」
~宿・魔法使いと魔女の部屋~
魔女「……」
魔女「…………」
『あぅん……あぁ、勇者さまぁ…………』
魔法使い「僧侶さんの声ですね」
魔女「ま、まあ、こういうことをするための部屋割りだし」
『……ひゃぁん。うんっ、いい……そこ気持ちいい』
魔法使い「そうですよね。いつもより楽しめているみたいで、本当に良かったです」
魔女「そ……そうなんだ」
685: 2013/11/29(金) 22:11:14 ID:fA3Jqd42
魔法使い「あの、失礼なことを訊きますけど、二人の声を聞いて、つらいことを思い出しますか?」
魔女「好きあっているのは知っているけど、こんな声を聞くとつらい……かな。魔女っ子ちゃんは?」
魔法使い「僧侶さんが幸せそうで、私も愛し合える人が欲しいなって思います」
魔女「そう……なんだ」
魔法使い「私、極南の村で、魔女さんがしたことを見てきました」
魔女「あれを見ちゃったんだ……」
魔法使い「はい。魔女さんが、バラバラにしたんですよね」
魔女「そうよ……。毎日毎日、嫌だった。憎くて憎くて、もう限界だったの!」
魔女「好きあっているのは知っているけど、こんな声を聞くとつらい……かな。魔女っ子ちゃんは?」
魔法使い「僧侶さんが幸せそうで、私も愛し合える人が欲しいなって思います」
魔女「そう……なんだ」
魔法使い「私、極南の村で、魔女さんがしたことを見てきました」
魔女「あれを見ちゃったんだ……」
魔法使い「はい。魔女さんが、バラバラにしたんですよね」
魔女「そうよ……。毎日毎日、嫌だった。憎くて憎くて、もう限界だったの!」
686: 2013/11/29(金) 22:15:52 ID:fA3Jqd42
魔法使い「そうですよね。魔女さんたちが、どんな事をされ続けてきたのか……。凄惨な光景を見て、私も恐怖を感じました」
魔女「……」
魔法使い「だけど、本当に頃すしかなかったのですか?」
魔女「あなたに、何が分かるって言うの?」
魔法使い「私も、精神感応で同じ経験をしましたから……」
魔女「あ……」
魔法使い「その影響で、僧侶さんと頃し合いました。私の嫉妬心が、精神感応の媒体でした」
魔女「……」
魔法使い「だけど、本当に頃すしかなかったのですか?」
魔女「あなたに、何が分かるって言うの?」
魔法使い「私も、精神感応で同じ経験をしましたから……」
魔女「あ……」
魔法使い「その影響で、僧侶さんと頃し合いました。私の嫉妬心が、精神感応の媒体でした」
687: 2013/11/29(金) 22:26:07 ID:fA3Jqd42
魔女「ごめん……。極南の村に行ったということは、そういうこと……なんだよね」
魔法使い「……はい。それでも私たちは、お互いの気持ちを受け入れあって、絆を深めることが出来ました」
魔女「毎日無理やり犯されていたのに、彼らを許せるわけがないでしょ」
魔法使い「普通なら、そうですよね。でも、神様による呪術の影響があったなら、どうですか?」
魔女「それは……」
魔法使い「だから許すべきだ、なんて言うつもりはありません。だけど今回のことで、殿方のことを避けたり嫌いになったりしないでほしいです」ニコッ
魔女「……えっ?」
魔法使い「勇者さまみたいに、優しくて頼りになる殿方もいるはずですから//」
魔法使い「……はい。それでも私たちは、お互いの気持ちを受け入れあって、絆を深めることが出来ました」
魔女「毎日無理やり犯されていたのに、彼らを許せるわけがないでしょ」
魔法使い「普通なら、そうですよね。でも、神様による呪術の影響があったなら、どうですか?」
魔女「それは……」
魔法使い「だから許すべきだ、なんて言うつもりはありません。だけど今回のことで、殿方のことを避けたり嫌いになったりしないでほしいです」ニコッ
魔女「……えっ?」
魔法使い「勇者さまみたいに、優しくて頼りになる殿方もいるはずですから//」
688: 2013/11/29(金) 22:28:56 ID:fA3Jqd42
魔女「あの、そういう話だったの?」
魔法使い「そういう話?」
魔女「てっきり、あたしを責めているのかと……」
魔法使い「そんな事ないですよ~。きっと、私より罪深い人はいないですし」
魔女「それって、どういう……」
魔法使い「多くの人は、他人には言えない闇を抱えています。私は魔女さんのそういう部分も受け入れて、絆を作っていきたいです」
魔法使い「そういう話?」
魔女「てっきり、あたしを責めているのかと……」
魔法使い「そんな事ないですよ~。きっと、私より罪深い人はいないですし」
魔女「それって、どういう……」
魔法使い「多くの人は、他人には言えない闇を抱えています。私は魔女さんのそういう部分も受け入れて、絆を作っていきたいです」
689: 2013/11/29(金) 22:30:59 ID:fA3Jqd42
魔女「結界の中で、色々あったのね……。世界を救ってくれて、本当にありがとう」
魔法使い「魔女さん。私たちが世界を救えたのは、魔女さんがいてくれたからですよ」
魔女「はぁ……。もうあたしより、立派な魔道師になってるじゃない」
魔法使い「私はまだ研修生です。もっともっと、頑張りたいです!」
魔女「そっか、あたしも負けずに頑張らないとね……」
魔法使い「魔女さん、今日からよろしくお願いします」
魔女「うん、よろしくね。さっきの話、言えるようになったら話してね」
魔法使い「はい……」
魔法使い「魔女さん。私たちが世界を救えたのは、魔女さんがいてくれたからですよ」
魔女「はぁ……。もうあたしより、立派な魔道師になってるじゃない」
魔法使い「私はまだ研修生です。もっともっと、頑張りたいです!」
魔女「そっか、あたしも負けずに頑張らないとね……」
魔法使い「魔女さん、今日からよろしくお願いします」
魔女「うん、よろしくね。さっきの話、言えるようになったら話してね」
魔法使い「はい……」
690: 2013/11/29(金) 22:34:37 ID:fA3Jqd42
魔女「ところで賢者さんのナイフを持っているということは、遺体はどうなったの?」
魔法使い「賢者さんは、極南の村にお墓を作りました。他の方々も、天使さんが弔ってくれましたよ」
魔女「そうなんだ、ありがとう」
魔法使い「それで来世では、女神さまの祝福があるそうです」
魔女「そっか……。賢者さんのお墓、場所を教えてくれる?」
魔法使い「良いですよ、今度案内します」
魔法使い「賢者さんは、極南の村にお墓を作りました。他の方々も、天使さんが弔ってくれましたよ」
魔女「そうなんだ、ありがとう」
魔法使い「それで来世では、女神さまの祝福があるそうです」
魔女「そっか……。賢者さんのお墓、場所を教えてくれる?」
魔法使い「良いですよ、今度案内します」
691: 2013/11/29(金) 22:43:03 ID:fA3Jqd42
『……あぅん、勇者さまぁ……』
魔女「僧侶ちゃん、まだしてるし……」
魔法使い「この時間ならきっと、夕食の時間になるまでしているかもしれないですね」
魔女「えっ?! まさか……」
魔法使い「二人ともすごく好きで、私が許してあげたらもう遠慮なく楽しんでますから」
魔女「遠慮なく?」
魔法使い「そうそう。障壁魔法でテントに仕切りを作ってあげたらね、そこで一晩中してましたよ」
魔女「僧侶ちゃん、まだしてるし……」
魔法使い「この時間ならきっと、夕食の時間になるまでしているかもしれないですね」
魔女「えっ?! まさか……」
魔法使い「二人ともすごく好きで、私が許してあげたらもう遠慮なく楽しんでますから」
魔女「遠慮なく?」
魔法使い「そうそう。障壁魔法でテントに仕切りを作ってあげたらね、そこで一晩中してましたよ」
692: 2013/11/29(金) 22:45:30 ID:fA3Jqd42
魔女「そんなに?! 一緒にいて、それはキツいわね」
魔法使い「うーん、そうでもないかな。とても幸せそうだし、素敵なことじゃないですか」
魔女「そ、そう捉えるんだ」
魔法使い「それに、愛し合う時間を大切にして心から楽しむのが、僧侶さんらしいですから」
魔法使い「魔女さんも一緒にいれば、きっと変わりますよ。私も、僧侶さんのような女性でありたいです//」
魔女「そっか……。繋がりを大切にしている三人だから、世界を救えたのかもしれないわね」
魔法使い「うーん、そうでもないかな。とても幸せそうだし、素敵なことじゃないですか」
魔女「そ、そう捉えるんだ」
魔法使い「それに、愛し合う時間を大切にして心から楽しむのが、僧侶さんらしいですから」
魔法使い「魔女さんも一緒にいれば、きっと変わりますよ。私も、僧侶さんのような女性でありたいです//」
魔女「そっか……。繋がりを大切にしている三人だから、世界を救えたのかもしれないわね」
693: 2013/11/30(土) 15:27:15 ID:or0LxmF6
4
僧侶「魔法使いちゃん、魔女さん、遊びに来たよ~」
魔女「そ、僧侶ちゃん……。いらっしゃい//」
僧侶「お邪魔します。どうして、そんなによそよそしいの?」
魔女「そ、それは……」
魔法使い「あっ、僧侶さん。ちょうどいい所に」
僧侶「何なに、ちょうどいい所って?」
魔法使い「勉強中なんですけど、分からない所があるんです」
僧侶「頑張ってるね。どんなところ?」
僧侶「魔法使いちゃん、魔女さん、遊びに来たよ~」
魔女「そ、僧侶ちゃん……。いらっしゃい//」
僧侶「お邪魔します。どうして、そんなによそよそしいの?」
魔女「そ、それは……」
魔法使い「あっ、僧侶さん。ちょうどいい所に」
僧侶「何なに、ちょうどいい所って?」
魔法使い「勉強中なんですけど、分からない所があるんです」
僧侶「頑張ってるね。どんなところ?」
694: 2013/11/30(土) 15:36:26 ID:or0LxmF6
魔法使い「今は、肺のガス交換の勉強をしてるんですけど……。肺胞が必要な理由が分からないんです」
僧侶「えっと、血中成分はもう理解してるはずだよねえ」
魔法使い「はい、完璧です」
僧侶「肺胞が無数にあるのは、表面積を大きくするためなの」
魔法使い「表面積ですか?」
僧侶「例えば、食パンが一斤あるとするでしょ」
魔女(何で食パンなの?!)
僧侶「その食パンにジャムを塗りたいのだけど、四枚切りにした場合と八枚切りにした場合では、どっちがジャムをたくさん使うと思う?」
僧侶「えっと、血中成分はもう理解してるはずだよねえ」
魔法使い「はい、完璧です」
僧侶「肺胞が無数にあるのは、表面積を大きくするためなの」
魔法使い「表面積ですか?」
僧侶「例えば、食パンが一斤あるとするでしょ」
魔女(何で食パンなの?!)
僧侶「その食パンにジャムを塗りたいのだけど、四枚切りにした場合と八枚切りにした場合では、どっちがジャムをたくさん使うと思う?」
695: 2013/11/30(土) 16:34:40 ID:or0LxmF6
魔法使い「えっと、八枚切りですね」
僧侶「そうそう、八枚切りだね。パンを薄く切れば切るほど、ジャムを塗る面積が増えるでしょ」
魔法使い「はい」
僧侶「それが肺胞なら、血液が通る面積が増えることになるよね。すると、たくさんガス交換が出来るでしょ」
魔法使い「なるほど、そういうことなんですね」
僧侶「そうそう、八枚切りだね。パンを薄く切れば切るほど、ジャムを塗る面積が増えるでしょ」
魔法使い「はい」
僧侶「それが肺胞なら、血液が通る面積が増えることになるよね。すると、たくさんガス交換が出来るでしょ」
魔法使い「なるほど、そういうことなんですね」
696: 2013/11/30(土) 16:42:39 ID:or0LxmF6
魔女「僧侶ちゃん、お腹減ってる? おやつがあるんだけど、どうかなあ」
僧侶「もちろん、いただきますっ!」
魔女「極夜まんじゅう。そこの喫茶店で買ってきたの」
僧侶「へぇ、そんなの売ってるんだ。私が行ったときは、白夜まんじゅうを食べましたよ」
魔女「白夜まんじゅう?」
僧侶「こしあんの素朴なおまんじゅうだったけど、あまくて美味しかったな」
魔法使い「極夜まんじゅうは、外が黒糖で中が白あんでしたよ。すごく美味しいです!」
僧侶「もちろん、いただきますっ!」
魔女「極夜まんじゅう。そこの喫茶店で買ってきたの」
僧侶「へぇ、そんなの売ってるんだ。私が行ったときは、白夜まんじゅうを食べましたよ」
魔女「白夜まんじゅう?」
僧侶「こしあんの素朴なおまんじゅうだったけど、あまくて美味しかったな」
魔法使い「極夜まんじゅうは、外が黒糖で中が白あんでしたよ。すごく美味しいです!」
697: 2013/11/30(土) 16:54:26 ID:or0LxmF6
僧侶「そうなんだ、楽しみ~。それにしても、やっぱり昼と夜をイメージしてたんだね」
魔女「一昨日までは昼と夜があったから、昼夜まんじゅうが売ってたわよ。もう買えないみたいだけど」
僧侶「うわぁ、究極の期間限定商品ですね。食べたかったな……」
魔女「そう言うだろうと思って、お土産用を買っておいたから」
僧侶「本当ですか?! 魔女さん、大好きっ!」
魔女「ちょっと、大袈裟だって」アセアセ
魔女「一昨日までは昼と夜があったから、昼夜まんじゅうが売ってたわよ。もう買えないみたいだけど」
僧侶「うわぁ、究極の期間限定商品ですね。食べたかったな……」
魔女「そう言うだろうと思って、お土産用を買っておいたから」
僧侶「本当ですか?! 魔女さん、大好きっ!」
魔女「ちょっと、大袈裟だって」アセアセ
698: 2013/11/30(土) 17:03:02 ID:or0LxmF6
僧侶「ところで、今夜は二人の歓迎会をすることに決まったから」
魔法使い「歓迎会ですか?」
僧侶「うん。魔法使いちゃんの研修が始まったし、魔女さんも仲間になったでしょ」
魔法使い「そうですね」
僧侶「だから二人を歓迎したくて、魚料理が美味しい料亭を予約してきたの」
魔法使い「白夜温泉の鮮魚ですよね。料亭、楽しみです♪」
魔女「僧侶ちゃん、あたしのために歓迎会だなんて、本当にありがとう。すごくうれしいです」
僧侶「今夜は二人が主役なんだし、みんなで楽しく過ごしましょうね♪」
魔法使い「歓迎会ですか?」
僧侶「うん。魔法使いちゃんの研修が始まったし、魔女さんも仲間になったでしょ」
魔法使い「そうですね」
僧侶「だから二人を歓迎したくて、魚料理が美味しい料亭を予約してきたの」
魔法使い「白夜温泉の鮮魚ですよね。料亭、楽しみです♪」
魔女「僧侶ちゃん、あたしのために歓迎会だなんて、本当にありがとう。すごくうれしいです」
僧侶「今夜は二人が主役なんだし、みんなで楽しく過ごしましょうね♪」
699: 2013/11/30(土) 17:05:43 ID:or0LxmF6
5
トントン・・・
魔女「ゆ、勇者さん。いらっしゃい……」
勇者「こんにちは。あれ? 何、そのおまんじゅう」
僧侶「ふふっ、さすが勇者さま。食べ物の匂いを敏感に感じ取りましたね」
勇者「そういうつもりで来た訳じゃないけど……、一個いいかな」
魔女「ど、どうぞ」
トントン・・・
魔女「ゆ、勇者さん。いらっしゃい……」
勇者「こんにちは。あれ? 何、そのおまんじゅう」
僧侶「ふふっ、さすが勇者さま。食べ物の匂いを敏感に感じ取りましたね」
勇者「そういうつもりで来た訳じゃないけど……、一個いいかな」
魔女「ど、どうぞ」
700: 2013/11/30(土) 17:08:58 ID:or0LxmF6
勇者「ありがとう。極夜まんじゅうって言うんだ」
魔女「どうですか?」
勇者「美味しいね、これ。黒糖の風味がちょうどよくて、程よい甘さかな」
魔女「気に入ってもらえて良かったです」
僧侶「ねえねえ、昼夜まんじゅうも食べてみてよ。びっくりしますよ」
勇者「びっくりするの?」
僧侶「これこれ、期間限定の超レアモノだって」
勇者「黒と白のマーブル生地か……」
魔女「どうですか?」
勇者「美味しいね、これ。黒糖の風味がちょうどよくて、程よい甘さかな」
魔女「気に入ってもらえて良かったです」
僧侶「ねえねえ、昼夜まんじゅうも食べてみてよ。びっくりしますよ」
勇者「びっくりするの?」
僧侶「これこれ、期間限定の超レアモノだって」
勇者「黒と白のマーブル生地か……」
701: 2013/11/30(土) 17:12:58 ID:or0LxmF6
勇者「何だこれっ?!」
僧侶「ねっ、びっくりするでしょ」
勇者「つぶあんと……まさかの生クリーム?! これがまた、意外と合うとはっ!」
僧侶「魔女さん、これって、もう買えないんですよね」
魔女「昼と夜がある一週間程度しか、製造販売されていないみたい」
勇者「うわぁ、美味しいのに買えないのか。魔女さん、ありがとう」
僧侶「ねっ、びっくりするでしょ」
勇者「つぶあんと……まさかの生クリーム?! これがまた、意外と合うとはっ!」
僧侶「魔女さん、これって、もう買えないんですよね」
魔女「昼と夜がある一週間程度しか、製造販売されていないみたい」
勇者「うわぁ、美味しいのに買えないのか。魔女さん、ありがとう」
702: 2013/11/30(土) 17:31:32 ID:or0LxmF6
魔法使い「ところで、勇者さま。何かあったのですか?」
勇者「そうそう。宿の主人が、オーロラが綺麗に見えてるよって教えてくれて。歓迎会まで時間があるし、先にお風呂に入らないか?」
魔法使い「あっ、いいですねえ。露天風呂でまったりしながら見たいです!」
僧侶「そうですね、お風呂にしましょうか」
勇者「じゃあ、先に行って待ってるから」
魔法使い「待って下さい、私も一緒に行きます」トテトテ
勇者「そうそう。宿の主人が、オーロラが綺麗に見えてるよって教えてくれて。歓迎会まで時間があるし、先にお風呂に入らないか?」
魔法使い「あっ、いいですねえ。露天風呂でまったりしながら見たいです!」
僧侶「そうですね、お風呂にしましょうか」
勇者「じゃあ、先に行って待ってるから」
魔法使い「待って下さい、私も一緒に行きます」トテトテ
703: 2013/11/30(土) 17:34:38 ID:or0LxmF6
僧侶「魔女さんはどうしますか? 混浴なので、一緒に入るほうが良いですよ」
魔女「深夜なら誰もいないし、殿方と一緒だなんて……」
僧侶「いやいや、混浴だから勇者さまと一緒に入るんです。知らない殿方に声を掛けられたら、困るじゃないですか」
魔女「それはそうだけど……」
僧侶「混浴の露天風呂は、私たち三人にとって大切な社交の場なんです。今日から魔女さんも合流したし、四人でゆっくり話をしたいです」
魔女「深夜なら誰もいないし、殿方と一緒だなんて……」
僧侶「いやいや、混浴だから勇者さまと一緒に入るんです。知らない殿方に声を掛けられたら、困るじゃないですか」
魔女「それはそうだけど……」
僧侶「混浴の露天風呂は、私たち三人にとって大切な社交の場なんです。今日から魔女さんも合流したし、四人でゆっくり話をしたいです」
704: 2013/11/30(土) 17:38:07 ID:or0LxmF6
魔女「女性と一緒に入るのが、勇者さんの方針なんだよね。結局、裸を見たいだけじゃない」
僧侶「勇者さまの方針じゃなくて、私たちが一緒に入ろうと提案して決めたことなの」
魔女「あぁ、そうか。よくよく考えてみたら、そうなるよね……」
僧侶「魔法使いちゃんも安心して入ってますし、そもそも私の彼氏なので大丈夫ですよ」
魔女「彼氏なら、貸切風呂にしたほうが楽しめるんじゃないの?」
僧侶「ここの貸切は、解放感が足りないです。身構えずに、みんなで親睦を深めましょうよ」
魔女「分かった。頑張ってみる……」
僧侶「勇者さまの方針じゃなくて、私たちが一緒に入ろうと提案して決めたことなの」
魔女「あぁ、そうか。よくよく考えてみたら、そうなるよね……」
僧侶「魔法使いちゃんも安心して入ってますし、そもそも私の彼氏なので大丈夫ですよ」
魔女「彼氏なら、貸切風呂にしたほうが楽しめるんじゃないの?」
僧侶「ここの貸切は、解放感が足りないです。身構えずに、みんなで親睦を深めましょうよ」
魔女「分かった。頑張ってみる……」
705: 2013/11/30(土) 20:46:03 ID:or0LxmF6
6
~温泉・混浴~
魔法使い「オーロラ、はじめて見ました! すごく綺麗ですね」
僧侶「うん、幻想的だよね~」
魔法使い「魔女さん、オーロラって障壁魔法に似ていると思いませんか?」
魔女「言われてみれば、そうだね」
魔法使い「どうやったら、あんなに鮮やかな緑色を出せるだろ」
魔女「光の色は波長が関係してるから、練習すれば分光できそうな気がするけど」
魔法使い「あっ、なるほど。今まで、光を出すことしか考えたことがなかったです」
魔女「光属性って、照明とか閃光弾の代わりにしか使わないしね」
魔法使い「でも分光できたら、パーティーとかに使えそうです。きっと雰囲気が良くなりますよ♪」
魔女「そうだね」
~温泉・混浴~
魔法使い「オーロラ、はじめて見ました! すごく綺麗ですね」
僧侶「うん、幻想的だよね~」
魔法使い「魔女さん、オーロラって障壁魔法に似ていると思いませんか?」
魔女「言われてみれば、そうだね」
魔法使い「どうやったら、あんなに鮮やかな緑色を出せるだろ」
魔女「光の色は波長が関係してるから、練習すれば分光できそうな気がするけど」
魔法使い「あっ、なるほど。今まで、光を出すことしか考えたことがなかったです」
魔女「光属性って、照明とか閃光弾の代わりにしか使わないしね」
魔法使い「でも分光できたら、パーティーとかに使えそうです。きっと雰囲気が良くなりますよ♪」
魔女「そうだね」
706: 2013/11/30(土) 20:50:33 ID:or0LxmF6
勇者「そういえば、エルグの城からオーロラが見えたって記録を読んだことがあるよ」
魔法使い「えっ、本当ですか?!」
勇者「あれみたいに色鮮やかなものではなくて、赤くて暗いオーロラみたいだけど」
魔女「低緯度オーロラは珍しいらしいです。あたしの国でも観測されたことがあるみたいですよ」
魔法使い「そうなんだ。その低緯度オーロラも見てみたいです」
魔法使い「えっ、本当ですか?!」
勇者「あれみたいに色鮮やかなものではなくて、赤くて暗いオーロラみたいだけど」
魔女「低緯度オーロラは珍しいらしいです。あたしの国でも観測されたことがあるみたいですよ」
魔法使い「そうなんだ。その低緯度オーロラも見てみたいです」
707: 2013/11/30(土) 20:53:22 ID:or0LxmF6
僧侶「魔女さん、勇者さまがいても大丈夫?」
魔女「ときどき視線を感じるけど、不快ではないかな」
僧侶「それくらいなら安心だね」
魔女「少し恥ずかしいけど、勇者さんなら一緒にいても安心できそうかも……。あたしも、こういう殿方と旅をしたかったな」
僧侶「そっか……。お互いに自然な姿で打ち解けられるのは、仲間として素敵ななことだよね。うん、仲間として」
魔女「あはは、そうだね」
魔女「ときどき視線を感じるけど、不快ではないかな」
僧侶「それくらいなら安心だね」
魔女「少し恥ずかしいけど、勇者さんなら一緒にいても安心できそうかも……。あたしも、こういう殿方と旅をしたかったな」
僧侶「そっか……。お互いに自然な姿で打ち解けられるのは、仲間として素敵ななことだよね。うん、仲間として」
魔女「あはは、そうだね」
708: 2013/11/30(土) 21:07:27 ID:or0LxmF6
7
魔法使い「勇者さま……。私たちの旅は、もう帰るだけですね。何だか、あっという間だった気がします」
勇者「そうだね……。でも、世界を救って終わりじゃないから」
魔法使い「はい、そうですよね」
勇者「ああ。人々が手を取り合って、この平和を維持していかなければならない」
勇者「お城でも話したけど、そのために各国を訪問しながら帰路に着こうと思う。それは真実を知っている、僕たちにしか出来ないことだ」
勇者「だから、これからも僕を支えて欲しい。この四人で改めて再出発をしたい」
魔法使い「勇者さま……。私たちの旅は、もう帰るだけですね。何だか、あっという間だった気がします」
勇者「そうだね……。でも、世界を救って終わりじゃないから」
魔法使い「はい、そうですよね」
勇者「ああ。人々が手を取り合って、この平和を維持していかなければならない」
勇者「お城でも話したけど、そのために各国を訪問しながら帰路に着こうと思う。それは真実を知っている、僕たちにしか出来ないことだ」
勇者「だから、これからも僕を支えて欲しい。この四人で改めて再出発をしたい」
709: 2013/11/30(土) 21:13:13 ID:or0LxmF6
魔法使い「もちろんです! でも、僧侶さんはどうするんですか?」
僧侶「えっ……?」
魔法使い「だって、今日は避妊をしてないですよね。それって、そういう事ですよねえ」
僧侶「魔法使いちゃんは、やっぱり分かってたんだ……」アセアセ
魔法使い「それくらい出来ないと、治癒魔法を使えないじゃないですか」
僧侶「そうだけど、初日で分かっちゃうとは思わなかったよ……」
魔法使い「どんなことでも、基礎が大事ですから」
僧侶「えっ……?」
魔法使い「だって、今日は避妊をしてないですよね。それって、そういう事ですよねえ」
僧侶「魔法使いちゃんは、やっぱり分かってたんだ……」アセアセ
魔法使い「それくらい出来ないと、治癒魔法を使えないじゃないですか」
僧侶「そうだけど、初日で分かっちゃうとは思わなかったよ……」
魔法使い「どんなことでも、基礎が大事ですから」
710: 2013/11/30(土) 21:32:08 ID:or0LxmF6
僧侶「じゃあ、魔法使いちゃん。私たちのこと、落ち着いたら話す約束だったし、聞いてくれる?」
魔法使い「……はい」
僧侶「私は、勇者さまと結婚することに決めました。それで一息ついたら、子供を作ろうって話し合っていたの」
僧侶「魔法使いちゃんは、私たちを祝福してくれますか?」
魔法使い「もちろんです。おめでとうございます!」
僧侶「魔法使いちゃん、ありがとう。すごくうれしいよ//」
魔法使い「……はい」
僧侶「私は、勇者さまと結婚することに決めました。それで一息ついたら、子供を作ろうって話し合っていたの」
僧侶「魔法使いちゃんは、私たちを祝福してくれますか?」
魔法使い「もちろんです。おめでとうございます!」
僧侶「魔法使いちゃん、ありがとう。すごくうれしいよ//」
711: 2013/11/30(土) 21:33:39 ID:or0LxmF6
魔女「僧侶ちゃん、もう結婚しちゃうんだ……」
僧侶「はい。今までずっと一緒に生活していたし、お互いのことを分かっているつもりだから」
魔女「そっか……。勇者さん、僧侶ちゃん、おめでとうございます」
僧侶「魔女さん、ありがとう」
勇者「魔法使いちゃん、魔女さん。ありがとうございます」
僧侶「はい。今までずっと一緒に生活していたし、お互いのことを分かっているつもりだから」
魔女「そっか……。勇者さん、僧侶ちゃん、おめでとうございます」
僧侶「魔女さん、ありがとう」
勇者「魔法使いちゃん、魔女さん。ありがとうございます」
712: 2013/11/30(土) 21:38:30 ID:or0LxmF6
魔法使い「でも、どうして今なんですか?」
僧侶「世界の平和を維持するために活動をするわけだけど、人を愛したことのない人が平和や愛を語っても説得力がないですよね。それに新しい命を宿すのは素敵なことだし、愛する殿方の子供を早く授かりたいのです//」
魔法使い「なんだか、僧侶さんらしい理由ですね。特に後半が」
僧侶「ふふっ、そうかなあ」
勇者「とりあえず今日は、結婚報告と僕たち四人の再出発ということで。またこれからもお願いします」
魔法使い「はいっ、お願いします」
魔女「分かりました。あたしこそ、お願いします」
僧侶「世界の平和を維持するために活動をするわけだけど、人を愛したことのない人が平和や愛を語っても説得力がないですよね。それに新しい命を宿すのは素敵なことだし、愛する殿方の子供を早く授かりたいのです//」
魔法使い「なんだか、僧侶さんらしい理由ですね。特に後半が」
僧侶「ふふっ、そうかなあ」
勇者「とりあえず今日は、結婚報告と僕たち四人の再出発ということで。またこれからもお願いします」
魔法使い「はいっ、お願いします」
魔女「分かりました。あたしこそ、お願いします」
713: 2013/11/30(土) 22:16:23 ID:or0LxmF6
魔女「ところで僧侶ちゃんが妊娠したら、身体を気遣いながらの旅になりますよね」
僧侶「それはその……、妊娠すると迷惑をかけるだろうなとは思っています。でも――」
魔女「それは承知しているから、お互いに助け合いましょ」
僧侶「すみません。お願いします」
魔女「子作りも自由にして良いから、産まれる前に一度帰るのか、しばらく都に身を寄せるのか。妊娠する前に、みんなでまた話し合いませんか」
勇者「そうだね。予定はある程度決めているんだけど、考えをまとめておくよ」
僧侶「それはその……、妊娠すると迷惑をかけるだろうなとは思っています。でも――」
魔女「それは承知しているから、お互いに助け合いましょ」
僧侶「すみません。お願いします」
魔女「子作りも自由にして良いから、産まれる前に一度帰るのか、しばらく都に身を寄せるのか。妊娠する前に、みんなでまた話し合いませんか」
勇者「そうだね。予定はある程度決めているんだけど、考えをまとめておくよ」
714: 2013/11/30(土) 22:25:48 ID:or0LxmF6
魔女「僧侶ちゃん、子供が出来るのが楽しみだね」
僧侶「うふふ、赤ちゃんに会える日が楽しみです♪」
魔法使い「私も赤ちゃんに早く会いたいな//」
僧侶「あのね、人生はジグソーパズルに例えることが出来ますよね。幸せな未来を思い描いて、たくさんのピースをはめて行くの」
僧侶「そのピースには勇者さまがいて、産まれてくる赤ちゃんがいて、魔法使いちゃんと魔女さんがいて――」
僧侶「楽しいことやつらいことを、みんなで一緒に経験しながら、私の人生というパズルを愛情で彩って完成させていきたいです」
僧侶「そのために、今日から私は勇者さまと愛の証明をしていきます//」
僧侶「うふふ、赤ちゃんに会える日が楽しみです♪」
魔法使い「私も赤ちゃんに早く会いたいな//」
僧侶「あのね、人生はジグソーパズルに例えることが出来ますよね。幸せな未来を思い描いて、たくさんのピースをはめて行くの」
僧侶「そのピースには勇者さまがいて、産まれてくる赤ちゃんがいて、魔法使いちゃんと魔女さんがいて――」
僧侶「楽しいことやつらいことを、みんなで一緒に経験しながら、私の人生というパズルを愛情で彩って完成させていきたいです」
僧侶「そのために、今日から私は勇者さまと愛の証明をしていきます//」
715: 2013/11/30(土) 22:30:23 ID:or0LxmF6
魔女「愛の証明かぁ……。愛は行動で示すものだよね」
魔法使い「だそうですよ、勇者さま。私たちに愛を見せてください」
勇者「わ、分かった!」ザバァ
魔女「きゃあっ// な、何を始めるんですか?!」
勇者さんは僧侶ちゃんに歩み寄ると、そっと手を差し伸べた。
僧侶ちゃんはその手を取って、ゆっくりと立ち上がる。
そして指を絡ませて、恥ずかしそうに視線を交わした。
魔法使い「だそうですよ、勇者さま。私たちに愛を見せてください」
勇者「わ、分かった!」ザバァ
魔女「きゃあっ// な、何を始めるんですか?!」
勇者さんは僧侶ちゃんに歩み寄ると、そっと手を差し伸べた。
僧侶ちゃんはその手を取って、ゆっくりと立ち上がる。
そして指を絡ませて、恥ずかしそうに視線を交わした。
716: 2013/11/30(土) 22:31:48 ID:or0LxmF6
勇者「僧侶さん、愛してるよ」
僧侶「は、はいっ。私も愛しています//」
幸せそうにはにかみながら、僧侶ちゃんが応える。
二人は抱き合うと、ゆっくり唇を重ねた。
勇者「これから、二人で協力して歩んでいこうな」
僧侶「はい。あなたと共に歩むことを誓います」
オーロラが揺れる、幻想的な夜。
それは生まれたままの姿で愛を誓う二人を、優しく包み込んでいるようだった。
僧侶「は、はいっ。私も愛しています//」
幸せそうにはにかみながら、僧侶ちゃんが応える。
二人は抱き合うと、ゆっくり唇を重ねた。
勇者「これから、二人で協力して歩んでいこうな」
僧侶「はい。あなたと共に歩むことを誓います」
オーロラが揺れる、幻想的な夜。
それは生まれたままの姿で愛を誓う二人を、優しく包み込んでいるようだった。
717: 2013/11/30(土) 22:36:01 ID:or0LxmF6
魔法使い「何だか、見ている私たちのほうが恥ずかしいです」
魔女「ちょ、ちょっと勇者さんっ。た……、勃ってますよ//」アセアセ
僧侶「ふふっ、勇者さまは元気ですね♪ もう一度、頑張れそうですか//」
勇者「僧侶さんは、そんなにしたいんだ」
僧侶「……はい//」
魔女「ちょ、ちょっと勇者さんっ。た……、勃ってますよ//」アセアセ
僧侶「ふふっ、勇者さまは元気ですね♪ もう一度、頑張れそうですか//」
勇者「僧侶さんは、そんなにしたいんだ」
僧侶「……はい//」
718: 2013/11/30(土) 22:38:21 ID:or0LxmF6
魔法使い「あわわ// 魔女さんが煽ったからですよ」
魔女「ええっ、あたしのせいなの?!」
勇者「じゃあ、僕たちは先に部屋に戻るから」
僧侶「魔法使いちゃん、魔女さん、私はとても幸せです。歓迎会の時間になったら、二人を呼びに行きますね。それまで、また頑張ってきます!!」
魔女「そ、そうなんだ。僧侶ちゃん、頑張ってね//」
魔法使い「僧侶さん、二人で愛を深めあってください//」
僧侶「魔法使いちゃん、色んなことがあったけど、本当にありがとう。これからも一緒に旅をしようね//」
魔女「ええっ、あたしのせいなの?!」
勇者「じゃあ、僕たちは先に部屋に戻るから」
僧侶「魔法使いちゃん、魔女さん、私はとても幸せです。歓迎会の時間になったら、二人を呼びに行きますね。それまで、また頑張ってきます!!」
魔女「そ、そうなんだ。僧侶ちゃん、頑張ってね//」
魔法使い「僧侶さん、二人で愛を深めあってください//」
僧侶「魔法使いちゃん、色んなことがあったけど、本当にありがとう。これからも一緒に旅をしようね//」
719: 2013/11/30(土) 22:44:22 ID:or0LxmF6
8
魔法使い「魔女さん、私たちはもう少しオーロラを見て行きませんか?」
魔女「そうだね。あの二人、本当に夕食の時間まで頑張るんだ……」
魔法使い「言った通りになりましたね」
魔女「何だか逆に、勇者さんの体力が心配なんだけど……」
魔法使い「おおっ、魔女さんが殿方の精力を気遣うとは!」
魔女「さすがに、ねえ……。あの僧侶ちゃんを満足させるのは、大変だろうなと思って」
魔法使い「そうですよね。勇者さま、凄いですね//」
魔女「今夜から、精が付く料理を食べてもらいましょうか」
魔法使い「魔女さん、私たちはもう少しオーロラを見て行きませんか?」
魔女「そうだね。あの二人、本当に夕食の時間まで頑張るんだ……」
魔法使い「言った通りになりましたね」
魔女「何だか逆に、勇者さんの体力が心配なんだけど……」
魔法使い「おおっ、魔女さんが殿方の精力を気遣うとは!」
魔女「さすがに、ねえ……。あの僧侶ちゃんを満足させるのは、大変だろうなと思って」
魔法使い「そうですよね。勇者さま、凄いですね//」
魔女「今夜から、精が付く料理を食べてもらいましょうか」
720: 2013/11/30(土) 22:49:29 ID:or0LxmF6
魔法使い「ねえねえ、あのオーロラを見てください。ピンク色のフリルみたいで可愛いですよ」
魔女「ほんとだ//」
魔法使い「オーロラの名前は、夜明けの女神が由来になっているらしいです」
魔女「へぇ、そうなんだ」
魔法使い「そして、神の世界と人間の世界が、オーロラで結ばれているという伝説もあるみたいです」
魔女「そう考えると、今日見えるのは偶然じゃないのかもしれないわね」
魔法使い「そうですよね。新たな出発をする私たちに、女神さまが希望と慈愛の光を届けてくれたのかもしれません」
魔女「ほんとだ//」
魔法使い「オーロラの名前は、夜明けの女神が由来になっているらしいです」
魔女「へぇ、そうなんだ」
魔法使い「そして、神の世界と人間の世界が、オーロラで結ばれているという伝説もあるみたいです」
魔女「そう考えると、今日見えるのは偶然じゃないのかもしれないわね」
魔法使い「そうですよね。新たな出発をする私たちに、女神さまが希望と慈愛の光を届けてくれたのかもしれません」
721: 2013/11/30(土) 22:53:17 ID:or0LxmF6
魔女「希望と慈愛の光か――」
魔法使い「私はあの時、僧侶さんを選んで良かったです。今、とても幸せです」
魔女「あたしも、こんなに穏やかな気持ちになれる日が来るなんて思ってなかったわ」
魔法使い「魔女さん。新しい命を宿すのは素敵なことだし、私たちも愛し合える殿方と出会って授かりたいものですね」
魔女「そうだね。あたしたちも、僧侶ちゃんみたいに幸せになりたいね」
魔法使い「はいっ、もっと幸せになりましょう♪」
そして、届けましょう。
世界中に女神さまの祝福を――。
魔法使い「私はあの時、僧侶さんを選んで良かったです。今、とても幸せです」
魔女「あたしも、こんなに穏やかな気持ちになれる日が来るなんて思ってなかったわ」
魔法使い「魔女さん。新しい命を宿すのは素敵なことだし、私たちも愛し合える殿方と出会って授かりたいものですね」
魔女「そうだね。あたしたちも、僧侶ちゃんみたいに幸せになりたいね」
魔法使い「はいっ、もっと幸せになりましょう♪」
そして、届けましょう。
世界中に女神さまの祝福を――。
722: 2013/11/30(土) 22:57:32 ID:or0LxmF6
最終話 おわり
・ジグソーパズル
・勇者「ドーナツの世界?!」完
・ジグソーパズル
・勇者「ドーナツの世界?!」完
723: 2013/11/30(土) 23:06:29 ID:or0LxmF6
無事に最終話が終わりました。
レスをくださっていた方、読んでくれていた方、
ありがとうございます!
最後のパズルネタは、ジグソーパズル。
ジグソーパズルは、学習用にロンドンの地図をパズルにしたものが世界初だそうです。
つまり、
47都道府県の地図をパズルにしたものが、正統派のジグソーパズルかもしれません。
ネタとしては、『ジガゾーパズル』や『純白地獄大王』が興味深いです。
それでは、
至らないところもあったかもしれませんが、これで完結です。
本当にありがとうございました!!
レスをくださっていた方、読んでくれていた方、
ありがとうございます!
最後のパズルネタは、ジグソーパズル。
ジグソーパズルは、学習用にロンドンの地図をパズルにしたものが世界初だそうです。
つまり、
47都道府県の地図をパズルにしたものが、正統派のジグソーパズルかもしれません。
ネタとしては、『ジガゾーパズル』や『純白地獄大王』が興味深いです。
それでは、
至らないところもあったかもしれませんが、これで完結です。
本当にありがとうございました!!
引用: 勇者「ドーナツの世界?!」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります