402: 2014/07/14(月) 19:23:47.76 ID:3yTFbxjZO
前回はこちら
~多摩はベッドで丸くなる~
「多摩君、そろそろ起きて」
「いーやーにゃー……」
「二人は起きて朝御飯の仕度してるよ、多摩君も一緒に、ね?」
「朝は寒いから動きたくないにゃ」
「大丈夫だよ、動いてればそのうち暖かくなるから」
「にゃー……分かったにゃ、起きるから手を貸して欲しいにゃ」
「うん。はい、どうぞおっ!?」
「暖かい抱き枕ゲットにゃ」
「ねぇ多摩君お腹空かない? 早く起きて朝御飯食べよ?」
「食欲より今は睡眠欲にゃ、抵抗するんじゃないにゃ」
「このまま抵抗しなかったらダメな場所に顔を埋めちゃうってば!?」
「大丈夫にゃ、問題にゃい」
「――問題ならあるんじゃねぇですかねー?」
「うちの妹には慎みが足りないクマ」
「チッ……朝御飯にするにゃ、お腹空いたにゃ」
(た、助かった……)
「続きは朝御飯の後にゃ」
「朝御飯食べたら仕事頑張るぞー!」
(コイツ、多摩に何かしようって気は微塵も起きないのにゃ……?)
404: 2014/07/15(火) 11:14:31.51 ID:9/tiIpi2O
~リサイクル~
「――荷物? 何処から?」
「アイテム屋って書いてありますねぇ」
「アイテム屋って何にゃ……」
「アバウト過ぎるクマ」
「手紙が付いてるね、“家具でお困りの際は是非こちらまで、明石アイテム屋”?」
「あー住所に見覚えあると思ったら、また赤城さんとこですねー」
(あそこ、一体どういう鎮守府なんだろう……)
「それで、中身は何なのにゃ?」
「ちょっと待つクマ――クマッ!?」
「あのー……仕事、しない?」
「無理にゃ」
「無理クマ」
「私も今日はちょっと無理ですねぇ……」
(漣君までダメかぁ……)
炬燵が鎮守府にやって来ました。
「――荷物? 何処から?」
「アイテム屋って書いてありますねぇ」
「アイテム屋って何にゃ……」
「アバウト過ぎるクマ」
「手紙が付いてるね、“家具でお困りの際は是非こちらまで、明石アイテム屋”?」
「あー住所に見覚えあると思ったら、また赤城さんとこですねー」
(あそこ、一体どういう鎮守府なんだろう……)
「それで、中身は何なのにゃ?」
「ちょっと待つクマ――クマッ!?」
「あのー……仕事、しない?」
「無理にゃ」
「無理クマ」
「私も今日はちょっと無理ですねぇ……」
(漣君までダメかぁ……)
炬燵が鎮守府にやって来ました。
420: 2014/07/15(火) 22:41:12.99 ID:9/tiIpi2O
~諦めが肝心~
「多摩君、みかん剥けたよ」
「ありがとにゃ」
「提督ー球磨のも剥いて欲しいクマー」
「はいはい、ちょっと待ってね」
「ご主人様のは私が剥いときますね」
「ありがとう漣君」
「炬燵でみかんは最高にゃ」
「お茶も用意してあるから動かなくていいクマ」
「買い物以外では出たくないですねぇ……」
「そうだね」
「――仕事、どうしようか?」
次の日にまとめて頑張りました。
「多摩君、みかん剥けたよ」
「ありがとにゃ」
「提督ー球磨のも剥いて欲しいクマー」
「はいはい、ちょっと待ってね」
「ご主人様のは私が剥いときますね」
「ありがとう漣君」
「炬燵でみかんは最高にゃ」
「お茶も用意してあるから動かなくていいクマ」
「買い物以外では出たくないですねぇ……」
「そうだね」
「――仕事、どうしようか?」
次の日にまとめて頑張りました。
436: 2014/07/16(水) 03:23:41.89 ID:3P6PAeyRO
~ご利用は計画的に~
「今日は多摩君が朝から昼で、球磨君が昼から夜、漣君が夜から寝るまでね」
「分かったにゃ」
「お昼までバイト行ってくるクマ」
「書類片付けて先に夕飯の仕込みでもしましょうか」
「じゃあ僕は畑行ってくるから」
「……背に腹は変えられないにゃ」
「多摩君?」
「コタツに居たいけど、お前が行くなら多摩も行くにゃ」
「休んでていいよ? 寒いでしょ?」
「お前が居ないのにぬくぬくしてても、全然気分良くならないにゃ」
「ご主人様、出来ればそれ連れてって下さい。ご主人様が居ないとにゃーにゃー鳴いてうるさそうなんで」
「多摩は鳴いたりしないにゃ」
――にゃー。
「お前は寝てていいにゃ」
「多摩君と一緒がいいんじゃないかな?」
「似てますねぇ、多摩に」
「似てないにゃ、全然似てないにゃ」
結局、二人と一匹で畑に行きました。
「今日は多摩君が朝から昼で、球磨君が昼から夜、漣君が夜から寝るまでね」
「分かったにゃ」
「お昼までバイト行ってくるクマ」
「書類片付けて先に夕飯の仕込みでもしましょうか」
「じゃあ僕は畑行ってくるから」
「……背に腹は変えられないにゃ」
「多摩君?」
「コタツに居たいけど、お前が行くなら多摩も行くにゃ」
「休んでていいよ? 寒いでしょ?」
「お前が居ないのにぬくぬくしてても、全然気分良くならないにゃ」
「ご主人様、出来ればそれ連れてって下さい。ご主人様が居ないとにゃーにゃー鳴いてうるさそうなんで」
「多摩は鳴いたりしないにゃ」
――にゃー。
「お前は寝てていいにゃ」
「多摩君と一緒がいいんじゃないかな?」
「似てますねぇ、多摩に」
「似てないにゃ、全然似てないにゃ」
結局、二人と一匹で畑に行きました。
437: 2014/07/16(水) 03:25:11.56 ID:3P6PAeyRO
~球磨ちゃん、ナンパされる~
「ありがとうございましたクマー」
――ねぇねぇ、ちょっといいかな?
「クマ? 何か商品をお探しクマか?」
――キミ、可愛いね、仕事終わったら一緒にご飯でも行こうよ。
「そういうのはコンビニのサービスに含まれてないクマ」
――いいじゃんご飯くらい、ね? 終わるまで待つからさ。
(コイツ今すぐ殴りたいクマ。でも、揉めたら店長に迷惑かけちゃうから我慢クマ)
「――あの、すいません」
――ん? 何か用?
「そこ、退いてもらえますか? 買い物が出来ないので」
(何で提督がここに居るクマ……?)
――チッ、良いところで邪魔すんなよな……。
「すいません、急いでいるものですからー」
「いらっしゃいませだクマ」
「買い置きのおやつが切れたから顔を見るついでに来たんだけど、タイミングが良かったみたいだね」
「すっごく助かったクマ」
「とりあえず、帰る時にあの人は居ないと思うから安心して」
「何でだクマ?」
「内緒、強いて言うなら球磨君がいつも頑張ってるからかな? はい、ちょうど」
「何だかよく分からないクマ……ありがとうございましたクマー」
十分後、ムキムキな商店街のおっちゃん達の襲来により、ナンパ野郎はすごすごと退散しました。
(平和に解決が一番だよね、うん)
「ありがとうございましたクマー」
――ねぇねぇ、ちょっといいかな?
「クマ? 何か商品をお探しクマか?」
――キミ、可愛いね、仕事終わったら一緒にご飯でも行こうよ。
「そういうのはコンビニのサービスに含まれてないクマ」
――いいじゃんご飯くらい、ね? 終わるまで待つからさ。
(コイツ今すぐ殴りたいクマ。でも、揉めたら店長に迷惑かけちゃうから我慢クマ)
「――あの、すいません」
――ん? 何か用?
「そこ、退いてもらえますか? 買い物が出来ないので」
(何で提督がここに居るクマ……?)
――チッ、良いところで邪魔すんなよな……。
「すいません、急いでいるものですからー」
「いらっしゃいませだクマ」
「買い置きのおやつが切れたから顔を見るついでに来たんだけど、タイミングが良かったみたいだね」
「すっごく助かったクマ」
「とりあえず、帰る時にあの人は居ないと思うから安心して」
「何でだクマ?」
「内緒、強いて言うなら球磨君がいつも頑張ってるからかな? はい、ちょうど」
「何だかよく分からないクマ……ありがとうございましたクマー」
十分後、ムキムキな商店街のおっちゃん達の襲来により、ナンパ野郎はすごすごと退散しました。
(平和に解決が一番だよね、うん)
443: 2014/07/16(水) 10:51:14.01 ID:MGz9tt8zO
~イン・アウト・オン~
「ご主人様、商店街の方達が見回りをするって言い始めたんですが、何か知りませんかねぇ?」
「さぁ、何でだろう?」
「まぁ自分達で守ろうって意識を持ってくれるのはいいことですし、問題はありませんがねー」
「うんうん、地域で結束を固めるのはいいことだよね」
「……じゃあ、私もご主人様と結束をより強く固めちまいましょうか」
「漣君、コタツに潜るのは流石にやめた方がいいよ」
「大丈夫ですよ、すぐに出ますから――ね?」
「……何で僕の膝の上に出てきたの?」
「そりゃー乗る為ですよ」
「座り心地、悪くない?」
「快適そのものです」
「そっか、まぁ休憩中だしいいかな」
「漣ー晩御飯――クマ?」
「どうしたのにゃ?」
「今日は二人で作るクマ」
「……そうするにゃ」
「すー……すー……」
「うーん……ご主人様ー……」
「ご主人様、商店街の方達が見回りをするって言い始めたんですが、何か知りませんかねぇ?」
「さぁ、何でだろう?」
「まぁ自分達で守ろうって意識を持ってくれるのはいいことですし、問題はありませんがねー」
「うんうん、地域で結束を固めるのはいいことだよね」
「……じゃあ、私もご主人様と結束をより強く固めちまいましょうか」
「漣君、コタツに潜るのは流石にやめた方がいいよ」
「大丈夫ですよ、すぐに出ますから――ね?」
「……何で僕の膝の上に出てきたの?」
「そりゃー乗る為ですよ」
「座り心地、悪くない?」
「快適そのものです」
「そっか、まぁ休憩中だしいいかな」
「漣ー晩御飯――クマ?」
「どうしたのにゃ?」
「今日は二人で作るクマ」
「……そうするにゃ」
「すー……すー……」
「うーん……ご主人様ー……」
458: 2014/07/18(金) 13:26:25.47 ID:0BQmXKtmO
~艦“娘”~
「ご主人様、重たくねぇですか?」
「大丈夫だよ漣君、お米十キロぐらいならまだ軽いから」
(やっぱりそこそこ筋力はあるんですよねー……あっ)
――お父さん、肩車してー。
――しょうがないなぁ、ちょっとだけだぞ?
「……私達の親は、誰になるんでしょうかねぇ」
「漣君の親? 設計図描いた人になるのかなぁ……それとも建造した人……うーん」
「そんなに悩まないで下さいよ、ちょっと気になっちまっただけですから」
「実の親とかそういう感じの人は分からないけど、今の漣君の保護者は僕だよ」
「保護された覚えはねぇです」
「えぇー……」
「ご主人様は、ご主人様です」
「そもそも僕もご主人様になった覚えは無いよ? それに、お小遣いもらうご主人様は居ないんじゃない?」
「つべこべ言うと来月カットしちまいますよー?」
「ごめん、ご主人様でいいからそれは許して漣君……」
帰ってから肩車で許してもらえました。
「ご主人様、重たくねぇですか?」
「大丈夫だよ漣君、お米十キロぐらいならまだ軽いから」
(やっぱりそこそこ筋力はあるんですよねー……あっ)
――お父さん、肩車してー。
――しょうがないなぁ、ちょっとだけだぞ?
「……私達の親は、誰になるんでしょうかねぇ」
「漣君の親? 設計図描いた人になるのかなぁ……それとも建造した人……うーん」
「そんなに悩まないで下さいよ、ちょっと気になっちまっただけですから」
「実の親とかそういう感じの人は分からないけど、今の漣君の保護者は僕だよ」
「保護された覚えはねぇです」
「えぇー……」
「ご主人様は、ご主人様です」
「そもそも僕もご主人様になった覚えは無いよ? それに、お小遣いもらうご主人様は居ないんじゃない?」
「つべこべ言うと来月カットしちまいますよー?」
「ごめん、ご主人様でいいからそれは許して漣君……」
帰ってから肩車で許してもらえました。
459: 2014/07/18(金) 13:26:59.69 ID:0BQmXKtmO
~季節の変わり目~
「へっくしゅん! うぅ、鼻水が……」
(どうしよう、風邪ひいちゃった……バレないように治せばいっか)
「あの、えっと、コレは何かな?」
「球磨が前に飲まされたやつを再現してみたにゃ」
「何でそれが必要なのかな? 後、アレはこんな色はしてなかったはずなんだけど……?」
「さぁ、何ででしょうかねー? ご主人様用の風邪薬が減ってるのも何ででしょうねー?」
(バレてる!?)
「球磨はあの時、提督にすっごぉぉぉぉぉくお世話になったクマ。だから、その恩返しを今ここでするクマ」
「いや、まずは話を聞いて? 多分そんなもの飲まなくても大丈夫――」
「多摩、漣、口開けさせるクマ」
「任せるにゃ」
「観念しやがって下さいねー」
「ひゃめひぇ、ほふはひゃいひょうふひゃはら」
「何言ってるかさっぱり分からないから飲ませるクマ」
「ひゃめひぇぇぇぇぇ!?」
一日のたうちまわり、一日寝込み、三日目に元気になりました。
「これに懲りたら隠すんじゃないにゃ」
「うん、もう飲みたくない……三途の川が見えそうだったし……」
「へっくしゅん! うぅ、鼻水が……」
(どうしよう、風邪ひいちゃった……バレないように治せばいっか)
「あの、えっと、コレは何かな?」
「球磨が前に飲まされたやつを再現してみたにゃ」
「何でそれが必要なのかな? 後、アレはこんな色はしてなかったはずなんだけど……?」
「さぁ、何ででしょうかねー? ご主人様用の風邪薬が減ってるのも何ででしょうねー?」
(バレてる!?)
「球磨はあの時、提督にすっごぉぉぉぉぉくお世話になったクマ。だから、その恩返しを今ここでするクマ」
「いや、まずは話を聞いて? 多分そんなもの飲まなくても大丈夫――」
「多摩、漣、口開けさせるクマ」
「任せるにゃ」
「観念しやがって下さいねー」
「ひゃめひぇ、ほふはひゃいひょうふひゃはら」
「何言ってるかさっぱり分からないから飲ませるクマ」
「ひゃめひぇぇぇぇぇ!?」
一日のたうちまわり、一日寝込み、三日目に元気になりました。
「これに懲りたら隠すんじゃないにゃ」
「うん、もう飲みたくない……三途の川が見えそうだったし……」
462: 2014/07/19(土) 04:12:05.75 ID:9rFumCbO0
~夢~
(ダメにゃ、多摩は大丈夫にゃ……だから――)
「よけるにゃ!……夢、にゃ……?」
(嫌な夢だったにゃ……にゃ?)
「――提督、どこにゃ?」
(ちょっと寝る前にお茶飲みすぎちゃったかなぁ、早く部屋に戻ろっと)
「みぃつぅけぇたぁにゃぁ……」
「ひぃっ!? お化け!?」
「誰がお化けにゃ」
「あぁ、何だ多摩君か、驚かさないでよ……どうしたの? 喉でも渇いたの?」
「――夢を、見たんだにゃ」
「夢?」
「お前が……居なくなる、夢にゃ」
「僕はここに居るよ?」
「起きたら居なかったにゃ」
「トイレの度に起こす訳にもいかないでしょ」
「……さっさと戻るにゃ、寝覚めも悪かったし早く寝直したいにゃ」
「嫌な夢を見たから探しに来るなんて、可愛いね多摩く――痛いっ!?」
「何か言ったにゃ?」
「久しぶりだと物凄く痛いよ、多摩君の爪……」
(……やっぱり、コイツの傍に居ると落ち着くにゃ)
「ねぇ多摩君、痛くて眠いの吹き飛んじゃったんだけど」
「知らないにゃ、多摩は寝るから早く抱き枕になるにゃ」
「余計に寝れなくなるから勘弁してくれないかなぁ……」
翌日からは多摩がしがみついて寝るようになり、起こさないとトイレにも行けなくなりました。
「眠いにゃ……」
「ならしがみついて寝るのやめない?」
「お断りにゃ」
「えぇー……」
(ダメにゃ、多摩は大丈夫にゃ……だから――)
「よけるにゃ!……夢、にゃ……?」
(嫌な夢だったにゃ……にゃ?)
「――提督、どこにゃ?」
(ちょっと寝る前にお茶飲みすぎちゃったかなぁ、早く部屋に戻ろっと)
「みぃつぅけぇたぁにゃぁ……」
「ひぃっ!? お化け!?」
「誰がお化けにゃ」
「あぁ、何だ多摩君か、驚かさないでよ……どうしたの? 喉でも渇いたの?」
「――夢を、見たんだにゃ」
「夢?」
「お前が……居なくなる、夢にゃ」
「僕はここに居るよ?」
「起きたら居なかったにゃ」
「トイレの度に起こす訳にもいかないでしょ」
「……さっさと戻るにゃ、寝覚めも悪かったし早く寝直したいにゃ」
「嫌な夢を見たから探しに来るなんて、可愛いね多摩く――痛いっ!?」
「何か言ったにゃ?」
「久しぶりだと物凄く痛いよ、多摩君の爪……」
(……やっぱり、コイツの傍に居ると落ち着くにゃ)
「ねぇ多摩君、痛くて眠いの吹き飛んじゃったんだけど」
「知らないにゃ、多摩は寝るから早く抱き枕になるにゃ」
「余計に寝れなくなるから勘弁してくれないかなぁ……」
翌日からは多摩がしがみついて寝るようになり、起こさないとトイレにも行けなくなりました。
「眠いにゃ……」
「ならしがみついて寝るのやめない?」
「お断りにゃ」
「えぇー……」
463: 2014/07/19(土) 23:54:58.66 ID:4FpW0qugO
~季節は冬へ~
「ねぇ、三人とも辛くない?」
「辛くないにゃ」
「辛くないクマ」
「辛くねぇです」
「うーん……狭くない?」
「狭くないにゃ」
「狭くないクマ」
「狭くねぇです」
(……どうしよう、コタツから一歩も動けない)
「みかん剥いて欲しいにゃ」
「球磨のもお願いするクマ」
「今日は私のもお願いしますねー」
「うん、じゃあまずは腕を解放してくれない?」
「気合いで頑張るにゃ」
「頑張るクマー」
「口があるじゃねぇですか」
「流石に口でみかんが剥ける程、器用じゃないかなぁ……」
左に多摩、右に球磨、膝に漣。四人寄り添えば冬も大丈夫です。
「ねぇ、三人とも辛くない?」
「辛くないにゃ」
「辛くないクマ」
「辛くねぇです」
「うーん……狭くない?」
「狭くないにゃ」
「狭くないクマ」
「狭くねぇです」
(……どうしよう、コタツから一歩も動けない)
「みかん剥いて欲しいにゃ」
「球磨のもお願いするクマ」
「今日は私のもお願いしますねー」
「うん、じゃあまずは腕を解放してくれない?」
「気合いで頑張るにゃ」
「頑張るクマー」
「口があるじゃねぇですか」
「流石に口でみかんが剥ける程、器用じゃないかなぁ……」
左に多摩、右に球磨、膝に漣。四人寄り添えば冬も大丈夫です。
466: 2014/07/21(月) 00:03:01.78 ID:+IQ8rfAyO
~やっぱり優秀~
「――出来たクマ」
「今度は何を作ったのにゃ?」
「これからもっと寒くなるから、全員分のマフラーだクマ」
「また手の込んだ編み方で、漣って漢字で入れたりしてやがりませんよね?」
「今回はシンプルにしたクマ」
「多摩のはチェック柄――何で肉球マークがあるにゃ……?」
「私のは青と水色の波みたいな感じ――何で兎が波乗りしてんですかねぇ……?」
「球磨のは黄色とオレンジ色だクマ。提督のはシンプルに黒一色だクマ」
「多摩のもそのぐらいシンプルで良かったにゃ」
「球磨のシンプルの基準範囲、広すぎやしませんか?」
「シンプルに二、三色で作ったクマ。虹色は目が疲れそうだからやめたクマ」
「虹色はそもそも巻きたくないにゃ」
「私も遠慮したいですね」
「球磨も嫌だクマ」
マフラーで外出時も少し寒さをしのげるようになりました。
「――出来たクマ」
「今度は何を作ったのにゃ?」
「これからもっと寒くなるから、全員分のマフラーだクマ」
「また手の込んだ編み方で、漣って漢字で入れたりしてやがりませんよね?」
「今回はシンプルにしたクマ」
「多摩のはチェック柄――何で肉球マークがあるにゃ……?」
「私のは青と水色の波みたいな感じ――何で兎が波乗りしてんですかねぇ……?」
「球磨のは黄色とオレンジ色だクマ。提督のはシンプルに黒一色だクマ」
「多摩のもそのぐらいシンプルで良かったにゃ」
「球磨のシンプルの基準範囲、広すぎやしませんか?」
「シンプルに二、三色で作ったクマ。虹色は目が疲れそうだからやめたクマ」
「虹色はそもそも巻きたくないにゃ」
「私も遠慮したいですね」
「球磨も嫌だクマ」
マフラーで外出時も少し寒さをしのげるようになりました。
470: 2014/07/21(月) 21:52:09.11 ID:rEEmLWGMO
~鍋~
「冬になったらやっぱり鍋だよね」
「猫舌には食べづらいにゃ……」
「多摩のは別に作りましたから、すぐに食べれますよ」
「漣大好きにゃ」
「ポン酢と大根おろしで食べるクマー」
「僕は紅葉おろしにしようかな」
「多摩はポン酢だけでいいにゃ」
「私もポン酢だけで食べますかね」
「――うん、この白菜甘くて美味しい」
「椎茸も美味しいにゃ」
「ネギ美味いクマー」
「えのきのこの食感、好きなんですよねー」
「豆腐も温かくて、身体の芯から暖まるよ」
「明日は余りに色々ぶちこんで、寄せ鍋にしようかと思ってます」
「カマボコ欲しいにゃ」
「がんもどき欲しいクマ」
「ご主人様は何かありますか?」
「最後はうどん入れたいかな」
「了解です」
ヘルシー湯豆腐で心も体もほっこりしました。
「冬になったらやっぱり鍋だよね」
「猫舌には食べづらいにゃ……」
「多摩のは別に作りましたから、すぐに食べれますよ」
「漣大好きにゃ」
「ポン酢と大根おろしで食べるクマー」
「僕は紅葉おろしにしようかな」
「多摩はポン酢だけでいいにゃ」
「私もポン酢だけで食べますかね」
「――うん、この白菜甘くて美味しい」
「椎茸も美味しいにゃ」
「ネギ美味いクマー」
「えのきのこの食感、好きなんですよねー」
「豆腐も温かくて、身体の芯から暖まるよ」
「明日は余りに色々ぶちこんで、寄せ鍋にしようかと思ってます」
「カマボコ欲しいにゃ」
「がんもどき欲しいクマ」
「ご主人様は何かありますか?」
「最後はうどん入れたいかな」
「了解です」
ヘルシー湯豆腐で心も体もほっこりしました。
471: 2014/07/21(月) 21:52:36.95 ID:rEEmLWGMO
~劇~
「また頼まれ事ですか?」
「うん、劇をやってくれないかって」
「……私達の仕事って何でしたっけねぇ?」
「その辺は気にしなくていいんじゃない? 平和って事だし」
「平和なのは結構なんですが、タダ働きなら断りますよ」
「商店街で使える百円券五十枚くれるって」
「二週間後ならさっさと準備に取りかかっちまいましょうか」
(お金が絡むと凄いなぁ漣君……)
「ご主人様もボサッとしてないで、何やるか決めてくれませんかねぇ?」
「えっ? 僕が決めるの? うーん……三人で出来る劇って何だろう」
「何言ってんですか、四人ですよ四人」
「僕は劇とかお芝居は苦手なんでパスしたいんだけど、ダメ?」
「出ないなら三人で“嫌い”って連呼してやります」
「四人じゃ限界があるから商店街の人に大道具は任せて、電話で頼んで出演者も増やそうか。劇は一風変わった桃太郎とかどうかな?」
「最初っからそのやる気出して下さいよ。じゃあその方向で多摩と球磨にも話しときますね」
(村人Aとかにしてもらえば出演はしてることになるし、それで切り抜けよう……)
桃太郎役に提督が決定しました。
「何で僕なのさ!?」
「また頼まれ事ですか?」
「うん、劇をやってくれないかって」
「……私達の仕事って何でしたっけねぇ?」
「その辺は気にしなくていいんじゃない? 平和って事だし」
「平和なのは結構なんですが、タダ働きなら断りますよ」
「商店街で使える百円券五十枚くれるって」
「二週間後ならさっさと準備に取りかかっちまいましょうか」
(お金が絡むと凄いなぁ漣君……)
「ご主人様もボサッとしてないで、何やるか決めてくれませんかねぇ?」
「えっ? 僕が決めるの? うーん……三人で出来る劇って何だろう」
「何言ってんですか、四人ですよ四人」
「僕は劇とかお芝居は苦手なんでパスしたいんだけど、ダメ?」
「出ないなら三人で“嫌い”って連呼してやります」
「四人じゃ限界があるから商店街の人に大道具は任せて、電話で頼んで出演者も増やそうか。劇は一風変わった桃太郎とかどうかな?」
「最初っからそのやる気出して下さいよ。じゃあその方向で多摩と球磨にも話しときますね」
(村人Aとかにしてもらえば出演はしてることになるし、それで切り抜けよう……)
桃太郎役に提督が決定しました。
「何で僕なのさ!?」
479: 2014/07/23(水) 00:24:14.79 ID:VHlVrA35O
~桃太郎っぽい?~
――むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが居ました。
――おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
「あっ、大きな美味しそうな桃が!」
――洗濯しているおばあさんの前に、上流から桃が流れてきました。
――早速食べようと手刀で割ります。
「ていっ!」
「痛っ!?」
――何と割れた桃の中から、青年が出てきたではありませんか!
――おばあさんはその青年を家へと連れ帰り、おじいさんに会わせることにしました。
「おじいさん、貴重な労働力ですよ」
「やりました。これで前より作業が捗ります」
「あ、あの……僕は鬼退治に行きたいんですけど……」
「鬼よりご飯です!」
「今日は肉じゃがにして下さい」
――桃から出てきた青年は、このままではダメだと手近にあったキビダンゴの入った袋を掴み、家を出ます。
――後ろから猛追するおじいさんとおばあさんを振り切り、桃青年は鬼退治へと旅立ちました。
――むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが居ました。
――おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
「あっ、大きな美味しそうな桃が!」
――洗濯しているおばあさんの前に、上流から桃が流れてきました。
――早速食べようと手刀で割ります。
「ていっ!」
「痛っ!?」
――何と割れた桃の中から、青年が出てきたではありませんか!
――おばあさんはその青年を家へと連れ帰り、おじいさんに会わせることにしました。
「おじいさん、貴重な労働力ですよ」
「やりました。これで前より作業が捗ります」
「あ、あの……僕は鬼退治に行きたいんですけど……」
「鬼よりご飯です!」
「今日は肉じゃがにして下さい」
――桃から出てきた青年は、このままではダメだと手近にあったキビダンゴの入った袋を掴み、家を出ます。
――後ろから猛追するおじいさんとおばあさんを振り切り、桃青年は鬼退治へと旅立ちました。
481: 2014/07/23(水) 03:09:34.34 ID:nPZRpdhhO
~桃太郎っぽい?part2~
――桃青年はキビダンゴだけで鬼を倒せるわけが無いと思い、仲間を探すことにしました。
「ねぇ猫さん、このキビダンゴをあげるから仲間になってくれないかな?」
「猫ってことに今回はしてやるにゃ、仲間になってやるにゃ」
「ありがとう、はいキビダンゴ」
「いただきますにゃ」
「痛い痛い痛い!? 指ごと食べちゃダメだよ!?」
――ガブリ、猫はキビダンゴを摘まむ指ごと口に含みました。
――桃青年が指を引き抜こうとしますが、猫は一向に離しません。
――そこへ、一匹の動物が現れました。
「うーさーぎードロップキーック!」
「うにゃ!?」
――突如現れた兎が猫を蹴飛ばし、桃青年の指はようやく解放されました。
――兎はハンカチを取り出し、桃青年の指を拭きます。
「全く、躾のなってない猫ですねぇ」
「何するにゃ兎!」
「ご主人様、お腰のキビダンゴもらいますね」
「あっ、うん、どうぞ」
――腰から勝手に一つキビダンゴを取り、兎は食べました。
――これでお供は二匹です。
「後一匹お供が欲しいね」
「もうそこに居るにゃ」
「えっ!?」
「むぐむぐ……クマ?」
――桃青年が振り向くと、茶色く大きな熊がキビダンゴを貪っていました。
――どうやら腰にあった袋を、巨体に見合わぬ素早さで抜き取ったようです。
「えっと、仲間になってくれるの?」
「仲間になるクマ、その代わりお前を冬眠中の抱き枕にするクマ」
「だ、抱き枕!?」
「ダメにゃ、コイツは猫の喉を一生撫でる重要な使命があるのにゃ」
「兎は寂しいと氏んじまうとか氏んじまわないとか言われてるんで、連れて帰って一緒に居てもらいます」
「なら、鬼を一番多く倒した奴が、この男を貰うってことでどうだクマ?」
「望むところにゃ」
「徹底的に根絶やしにしちまうのね!」
――闘志を燃やしたお供に連れられ、桃青年は鬼退治に向かいます。
――目指すのは、鬼ヶ島。
「お供に連れられてって、コレ桃太郎だよね……?」
――桃青年はキビダンゴだけで鬼を倒せるわけが無いと思い、仲間を探すことにしました。
「ねぇ猫さん、このキビダンゴをあげるから仲間になってくれないかな?」
「猫ってことに今回はしてやるにゃ、仲間になってやるにゃ」
「ありがとう、はいキビダンゴ」
「いただきますにゃ」
「痛い痛い痛い!? 指ごと食べちゃダメだよ!?」
――ガブリ、猫はキビダンゴを摘まむ指ごと口に含みました。
――桃青年が指を引き抜こうとしますが、猫は一向に離しません。
――そこへ、一匹の動物が現れました。
「うーさーぎードロップキーック!」
「うにゃ!?」
――突如現れた兎が猫を蹴飛ばし、桃青年の指はようやく解放されました。
――兎はハンカチを取り出し、桃青年の指を拭きます。
「全く、躾のなってない猫ですねぇ」
「何するにゃ兎!」
「ご主人様、お腰のキビダンゴもらいますね」
「あっ、うん、どうぞ」
――腰から勝手に一つキビダンゴを取り、兎は食べました。
――これでお供は二匹です。
「後一匹お供が欲しいね」
「もうそこに居るにゃ」
「えっ!?」
「むぐむぐ……クマ?」
――桃青年が振り向くと、茶色く大きな熊がキビダンゴを貪っていました。
――どうやら腰にあった袋を、巨体に見合わぬ素早さで抜き取ったようです。
「えっと、仲間になってくれるの?」
「仲間になるクマ、その代わりお前を冬眠中の抱き枕にするクマ」
「だ、抱き枕!?」
「ダメにゃ、コイツは猫の喉を一生撫でる重要な使命があるのにゃ」
「兎は寂しいと氏んじまうとか氏んじまわないとか言われてるんで、連れて帰って一緒に居てもらいます」
「なら、鬼を一番多く倒した奴が、この男を貰うってことでどうだクマ?」
「望むところにゃ」
「徹底的に根絶やしにしちまうのね!」
――闘志を燃やしたお供に連れられ、桃青年は鬼退治に向かいます。
――目指すのは、鬼ヶ島。
「お供に連れられてって、コレ桃太郎だよね……?」
483: 2014/07/23(水) 15:33:20.07 ID:wes7gG/bO
~桃太郎っぽい?part3~
――そんなこんなで鬼ヶ島。
「鬼はどこに居るんだろうね」
「探せばすぐに見付かるにゃ」
「そんな必要無さそうだクマ」
――“ようこそ鬼ヶ島へ、鬼の里はこちら”。
――ご丁寧な事に立て札があり、綺麗な文字でそう書かれてありました。
「探す手間が省けちまいましたね」
「よし、行こうか」
「いざ、鬼退治にゃ」
「頑張るクマ」
――三匹と一人は道を進みます。
――そのまま五分程歩くと、民家のようなものが見えてきました。
「鬼ヶ島に普通の家なんてあるんだね」
「っていうかアレが多分鬼の里にゃ」
「気を付けるクマ」
「普通の民家に住んでるとか、生活感溢れる鬼ですねー」
――慎重に近付く三匹と一人。すると、近くの草むらから何かが飛び出しました。
「久しぶりのお客様っぽい!」
「道には迷いませんでしたかー?」
――現れたのは頭に角のある二匹の子鬼。赤い目の女の子と、頬っぺたがもちもちしていそうな女の子です。
「……ねぇ、この子達退治するの?」
「めっちゃ友好的にゃ」
「鬼ってもっと狂暴なイメージだったクマ」
「こっちを油断させといて、頭からガブッといかれるかもしれませんよ?」
――兎だけは警戒を緩めず慎重です。でも、なんとなく敵意が一切無いのは兎にも分かっていました。
――子鬼二匹に促され、三匹と一人は里の少し奥まで足を踏み入れます。
「神通さーん、お客様が来たっぽい!」
「案内してきましたー」
「二人とも、御苦労様でした」
――出てきたのは、綺麗で凛々しい女性の一角鬼。どうやら彼女がこの村で一番偉い鬼のようです。
「本日はこの村にどのようなご用件で来られたのですか?」
「えっと、鬼さんは村を襲ったりはして……ませんよね?」
「人里を、ですか? いえ、そんなことはしていません。村の女は家事と育児、村の男は畑を耕すのに忙しいですから」
「目を盗んでとかは無理なのにゃ?」
「そんなことをしていたら、この金棒でお仕置きされると皆分かっています」
――五尺ほどある金棒を手に持ち、村長はにこやかに怖いことを口走ります。
――流石にこれにはお供達も怯みました。
「――そういえば、何で鬼退治に来たクマ?」
「理由を聞くのすっかり忘れちまってましたね」
「それは――」
――そんなこんなで鬼ヶ島。
「鬼はどこに居るんだろうね」
「探せばすぐに見付かるにゃ」
「そんな必要無さそうだクマ」
――“ようこそ鬼ヶ島へ、鬼の里はこちら”。
――ご丁寧な事に立て札があり、綺麗な文字でそう書かれてありました。
「探す手間が省けちまいましたね」
「よし、行こうか」
「いざ、鬼退治にゃ」
「頑張るクマ」
――三匹と一人は道を進みます。
――そのまま五分程歩くと、民家のようなものが見えてきました。
「鬼ヶ島に普通の家なんてあるんだね」
「っていうかアレが多分鬼の里にゃ」
「気を付けるクマ」
「普通の民家に住んでるとか、生活感溢れる鬼ですねー」
――慎重に近付く三匹と一人。すると、近くの草むらから何かが飛び出しました。
「久しぶりのお客様っぽい!」
「道には迷いませんでしたかー?」
――現れたのは頭に角のある二匹の子鬼。赤い目の女の子と、頬っぺたがもちもちしていそうな女の子です。
「……ねぇ、この子達退治するの?」
「めっちゃ友好的にゃ」
「鬼ってもっと狂暴なイメージだったクマ」
「こっちを油断させといて、頭からガブッといかれるかもしれませんよ?」
――兎だけは警戒を緩めず慎重です。でも、なんとなく敵意が一切無いのは兎にも分かっていました。
――子鬼二匹に促され、三匹と一人は里の少し奥まで足を踏み入れます。
「神通さーん、お客様が来たっぽい!」
「案内してきましたー」
「二人とも、御苦労様でした」
――出てきたのは、綺麗で凛々しい女性の一角鬼。どうやら彼女がこの村で一番偉い鬼のようです。
「本日はこの村にどのようなご用件で来られたのですか?」
「えっと、鬼さんは村を襲ったりはして……ませんよね?」
「人里を、ですか? いえ、そんなことはしていません。村の女は家事と育児、村の男は畑を耕すのに忙しいですから」
「目を盗んでとかは無理なのにゃ?」
「そんなことをしていたら、この金棒でお仕置きされると皆分かっています」
――五尺ほどある金棒を手に持ち、村長はにこやかに怖いことを口走ります。
――流石にこれにはお供達も怯みました。
「――そういえば、何で鬼退治に来たクマ?」
「理由を聞くのすっかり忘れちまってましたね」
「それは――」
484: 2014/07/23(水) 15:34:28.28 ID:wes7gG/bO
~桃太郎っぽい?part4~
「神様に頼まれたのにゃ?」
「うん、何か急に桃に突っ込まれて町が荒らされたから鬼倒してこいって言われたんだよ」
「でも、鬼さんは荒らしてないクマ?」
「はい、お疑いでしたら里の全員を集めます」
「一体全体どうなってやがんですかねぇ……」
――三匹と桃青年と鬼は悩みます。
――するとそこへ、天から声が降り注ぎました。
『行かせる世界を間違えました』
「まっ、間違えた!?」
「どういうことなのにゃ!」
「説明するクマ!」
「手違いで巻き込まれた身にもなりやがれってんですよ!」
『神に、何か落ち度でも?』
――落ち度だらけですね。
「鬼さんごめんなさい、疑ってしまって……」
「いえ、誤解と分かればいいんです」
「それで、これからどうするにゃ?」
「とりあえず、コイツを抱き枕にするクマ」
「連れて帰るって言ってんじゃねぇですか」
「何言ってるにゃ、喉を撫でさせるにゃ」
「僕は鬼に苦しめられてる人達のところへ行かないといけないから……」
――桃青年は、最初の目的を全うしたいと口にします。
――ですが、天からの声は無情でした。
『一度そちらに行けば帰って来れませんし、違う世界にも行けませんが?』
「えっ!?」
『既に問題の世界には違う者をハイしました。――派遺じゃなくて派遣? 神に何か落ち度でも?』
――落ち度しか無かった天からの声は、それが最後となりました。
――使命を失いやることが無くなった桃青年は、途方に暮れます。
「これからどうしようかなぁ……」
「良ければ、この里で暮らしませんか?」
「えっ、いいんですか?」
「はい、使っていない家もかなりありますので」
「猫も住むにゃ、喉撫でさせるにゃ」
「熊も住むクマ、冬もコレで安心クマ」
「一人じゃないなら寂しくはなりませんねー」
――こうして、桃青年は鬼の里で畑を耕しながら末永く暮らしましたとさ。
――めでたし、めでたし。
「見付けました」
「畑から良い野菜の匂いがします」
――めでたし?
「神様に頼まれたのにゃ?」
「うん、何か急に桃に突っ込まれて町が荒らされたから鬼倒してこいって言われたんだよ」
「でも、鬼さんは荒らしてないクマ?」
「はい、お疑いでしたら里の全員を集めます」
「一体全体どうなってやがんですかねぇ……」
――三匹と桃青年と鬼は悩みます。
――するとそこへ、天から声が降り注ぎました。
『行かせる世界を間違えました』
「まっ、間違えた!?」
「どういうことなのにゃ!」
「説明するクマ!」
「手違いで巻き込まれた身にもなりやがれってんですよ!」
『神に、何か落ち度でも?』
――落ち度だらけですね。
「鬼さんごめんなさい、疑ってしまって……」
「いえ、誤解と分かればいいんです」
「それで、これからどうするにゃ?」
「とりあえず、コイツを抱き枕にするクマ」
「連れて帰るって言ってんじゃねぇですか」
「何言ってるにゃ、喉を撫でさせるにゃ」
「僕は鬼に苦しめられてる人達のところへ行かないといけないから……」
――桃青年は、最初の目的を全うしたいと口にします。
――ですが、天からの声は無情でした。
『一度そちらに行けば帰って来れませんし、違う世界にも行けませんが?』
「えっ!?」
『既に問題の世界には違う者をハイしました。――派遺じゃなくて派遣? 神に何か落ち度でも?』
――落ち度しか無かった天からの声は、それが最後となりました。
――使命を失いやることが無くなった桃青年は、途方に暮れます。
「これからどうしようかなぁ……」
「良ければ、この里で暮らしませんか?」
「えっ、いいんですか?」
「はい、使っていない家もかなりありますので」
「猫も住むにゃ、喉撫でさせるにゃ」
「熊も住むクマ、冬もコレで安心クマ」
「一人じゃないなら寂しくはなりませんねー」
――こうして、桃青年は鬼の里で畑を耕しながら末永く暮らしましたとさ。
――めでたし、めでたし。
「見付けました」
「畑から良い野菜の匂いがします」
――めでたし?
490: 2014/07/23(水) 21:48:52.53 ID:M+56R+e0O
~打ち上げ~
「頭に来ました、何故おじいさんでオチ担当なんですか」
「私は畑なんて襲いませんよ?」
「出番少なかったっぽい?」
「綾波どこ行ったか知らない? 明日秘書艦日だから迎えに来たんだけど……」
「何でうーちゃん呼ばなかったぴょん」
「落ち度なんて……不知火には……」
「金棒なんて、私振り回しません……」
「この劇、脚本は誰なのにゃ?」
「提督じゃないクマ?」
「ご主人様が書いたにしては、ご主人様自身が驚いてましたよねえ?」
(この台本、あっちの提督さんから送られてきたんだけど……言っても大丈夫なのかな……?)
「頭に来ました、何故おじいさんでオチ担当なんですか」
「私は畑なんて襲いませんよ?」
「出番少なかったっぽい?」
「綾波どこ行ったか知らない? 明日秘書艦日だから迎えに来たんだけど……」
「何でうーちゃん呼ばなかったぴょん」
「落ち度なんて……不知火には……」
「金棒なんて、私振り回しません……」
「この劇、脚本は誰なのにゃ?」
「提督じゃないクマ?」
「ご主人様が書いたにしては、ご主人様自身が驚いてましたよねえ?」
(この台本、あっちの提督さんから送られてきたんだけど……言っても大丈夫なのかな……?)
491: 2014/07/23(水) 21:49:20.33 ID:M+56R+e0O
~犯人は~
(ふっふーん、やっぱりアタシの書いた脚本は最高だったねぇ)
「見付けましたー」
「綾波!?」
「秋雲、打ち上げに一緒に参加しましょー」
「いやいやいやいや、アタシ関係無いし」
「私、秋雲の脚本だって知ってますよ?」
「何で知って――あっ」
「ほら、一緒に行きましょー」
「ちょ、ちょっと待って、アタシが書いたなんてバレたらヤバいって!? 誰か助けてー!」
この後、大鳳鎮守府に簀巻きにされた秋雲が運ばれて行きました。
(ふっふーん、やっぱりアタシの書いた脚本は最高だったねぇ)
「見付けましたー」
「綾波!?」
「秋雲、打ち上げに一緒に参加しましょー」
「いやいやいやいや、アタシ関係無いし」
「私、秋雲の脚本だって知ってますよ?」
「何で知って――あっ」
「ほら、一緒に行きましょー」
「ちょ、ちょっと待って、アタシが書いたなんてバレたらヤバいって!? 誰か助けてー!」
この後、大鳳鎮守府に簀巻きにされた秋雲が運ばれて行きました。
492: 2014/07/23(水) 21:50:29.55 ID:M+56R+e0O
次回は温泉旅行
495: 2014/07/23(水) 22:33:25.42 ID:4Vdxrd+Fo
乙です
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります