604: 2014/08/20(水) 23:34:06.27 ID:LelD/lJT0
前回はこちら
~嫌です~
「良い艦娘達だな、生き生きとしている」
「とても良い子達ですよ、僕には勿体無いぐらいに」
「――どうだ、一人うちにくれんか?」
「お断りします」
「儂からの命令だとしても、か?」
「絶対に、嫌です」
「ここに居られなくしてやることなど容易い。それでも、儂の命令を聞き入れんのだな?」
「元帥、あちらで卯月さんがゴミでも見るような目を向けてますよ?」
「卯月? コレは違うぞ? 彼の度胸を試そうと思っただけでだな……潮も静かに後退りするのはやめてくれんか?」
「――お前が一番遠慮が無かった気がするにゃ」
「だって元帥はあんなこと言う人じゃ無いし、後ろで卯月さんが頭抱えてたから」
「本気だったらどうする気だったクマ?」
「その時は赤城さんとこの鎮守府にでも転がり込んだかな。元帥とも顔見知りって聞いたし、あそこは軍内部でも治外法権みたいになってるとも言ってたから」
「こういう時には動じねぇですよね、ご主人様」
「焦ってどうにかなるものじゃないでしょ?」
「あっちはだいぶ焦ってるにゃ」
「卯月、だから誤解だと言っているじゃないか」
「潮、元帥置いて帰るぴょん」
「儂が悪かった、もうこういうことはせんから許してくれんか?」
「聞こえないぴょん」
「卯月ちゃん、謝ってるし許してあげない……?」
「潮、やはりお前は優しいなぁ……」
「元帥置いて帰ったらここの方達に迷惑かけちゃうし……」
「それ多分一番辛辣だぴょん」
「儂の艦娘は儂に冷たいのぅ……」
「見てて憐れになってきたクマ」
「自業自得じゃねぇですか?」
「何だかんだあぁして気軽に話すの許してくれる人だから、好かれるんだろうね」
「でも、アレが元帥って大丈夫なのにゃ?」
「軍人としては凄く優秀ってことだと思うよ……多分」
「良い歳して拗ねるんじゃないぴょん」
「儂も頑張っておるのに、何が駄目だというのだ……」
「仕事以外は全部……?」
「潮、止めを刺すのはやめてやるぴょん」
元帥はきちんと卯月と潮が連れて帰りました。
608: 2014/08/22(金) 00:05:31.99 ID:ip8r6svj0
~新年の挨拶~
「おっちゃん、明けましておめでとうだクマ」
――おぉ球磨ちゃん。今年もよろしくな!
「またバイトしに来るクマ」
――球磨ちゃんが居るとこれでもかってぐらい売れるから、また頼むぜ!
「任せるクマ」
――球磨ちゃん、うちにもまた来てくれよー?
「分かってるクマ、また行くクマ」
「球磨君、大人気だね」
「商店街のほとんどの店で球磨はバイトしてたにゃ」
「おば様方にも受けがいいんで、売り上げ貢献率が半端じゃねぇらしいですよ」
「それもあるんだろうけど、本当に好かれてるっていうのが一番なんじゃないかな」
――あら多摩ちゃん。蒲鉾食べない?
「貰うにゃ、ありがとにゃ」
――漣ちゃん、ちょっと買いすぎちゃったからコレあげるわ。
「ありがとうございます。今度また白菜お裾分けしますね」
(多摩君と漣君も人気だなぁ……)
――おい兄ちゃん、三人も可愛い子と居たんじゃ身が持たねぇだろ。コレでも食って精付けな!
「えっ? あ、ありがとうございます……」
すっぽんを貰いました。
「おっちゃん、明けましておめでとうだクマ」
――おぉ球磨ちゃん。今年もよろしくな!
「またバイトしに来るクマ」
――球磨ちゃんが居るとこれでもかってぐらい売れるから、また頼むぜ!
「任せるクマ」
――球磨ちゃん、うちにもまた来てくれよー?
「分かってるクマ、また行くクマ」
「球磨君、大人気だね」
「商店街のほとんどの店で球磨はバイトしてたにゃ」
「おば様方にも受けがいいんで、売り上げ貢献率が半端じゃねぇらしいですよ」
「それもあるんだろうけど、本当に好かれてるっていうのが一番なんじゃないかな」
――あら多摩ちゃん。蒲鉾食べない?
「貰うにゃ、ありがとにゃ」
――漣ちゃん、ちょっと買いすぎちゃったからコレあげるわ。
「ありがとうございます。今度また白菜お裾分けしますね」
(多摩君と漣君も人気だなぁ……)
――おい兄ちゃん、三人も可愛い子と居たんじゃ身が持たねぇだろ。コレでも食って精付けな!
「えっ? あ、ありがとうございます……」
すっぽんを貰いました。
614: 2014/08/23(土) 19:56:42.04 ID:gCOYIIMW0
~夕飯はすっぽん鍋~
「魚屋の店主に調理の仕方は聞いてきましたが、まさかすっぽん捌くことになるとは思いませんでしたよ」
「急にくれたからびっくりしたよ」
「すっぽん食べると元気が出るって聞いたクマ」
「美味しいなら何でもいいにゃ」
「そろそろいいんじゃねぇですか?」
「そうだね、いいんじゃないかな」
「――案外いけるクマ」
「スープ美味いにゃ」
「それにしても何で急にくれたんでしょうかね?」
「うーん、もっとしっかり食べてあんな風に筋肉をつけろってことなのかな」
「提督ムキムキとか勘弁して欲しいクマ」
「だからって太ったら削ぐにゃ」
「削がれるのは嫌だなぁ……」
「大丈夫ですよ、太る様な献立にしませんから」
後日、魚屋のバイトから帰ってきた球磨の顔は真っ赤でした。
「魚屋の店主に調理の仕方は聞いてきましたが、まさかすっぽん捌くことになるとは思いませんでしたよ」
「急にくれたからびっくりしたよ」
「すっぽん食べると元気が出るって聞いたクマ」
「美味しいなら何でもいいにゃ」
「そろそろいいんじゃねぇですか?」
「そうだね、いいんじゃないかな」
「――案外いけるクマ」
「スープ美味いにゃ」
「それにしても何で急にくれたんでしょうかね?」
「うーん、もっとしっかり食べてあんな風に筋肉をつけろってことなのかな」
「提督ムキムキとか勘弁して欲しいクマ」
「だからって太ったら削ぐにゃ」
「削がれるのは嫌だなぁ……」
「大丈夫ですよ、太る様な献立にしませんから」
後日、魚屋のバイトから帰ってきた球磨の顔は真っ赤でした。
616: 2014/08/23(土) 20:25:59.27 ID:gCOYIIMW0
~多摩は炬燵で?~
「提督起きるクマ、雪降ってるクマ」
「んー?……雪? 初雪だね、積りそう?」
「もう積もってるクマ」
「じゃあ二人とも起こしてちょっと遊ぼうか」
「私はもう起きてますよ」
「あっ漣君起きてたんだ、おはよう」
「寝顔見てたクマ?」
「見てちゃ悪いですか?」
「僕の寝顔がどうかしたの? 何か変な顔してた?」
「別に見てただけですから気にしやがらないで下さい」
「んぅ……うるさいにゃ、朝っぱらからどうしたにゃ……」
「多摩君、雪降ってるみたいだよ。外行ってみない?」
「寒いし眠いにゃ……」
「そっか、じゃあ残念だけど三人で――って痛い!?」
「多摩を置いて行くとか良い度胸にゃ」
「だ、だって今寒いし眠いって……」
「お前が行くなら行くにゃ、雪玉ぶつけまくってやるにゃ」
「じゃあ三人で提督にぶつけるクマ」
「何で僕を集中攻撃する流れになってるんだろう……」
「ご主人様、安心しやがってください」
「漣君は味方してくれるの?」
「雪なら氏にゃしませんから」
(そっちの安心かぁ……)
二対二だと不公平になるから三対一になりました。
「提督起きるクマ、雪降ってるクマ」
「んー?……雪? 初雪だね、積りそう?」
「もう積もってるクマ」
「じゃあ二人とも起こしてちょっと遊ぼうか」
「私はもう起きてますよ」
「あっ漣君起きてたんだ、おはよう」
「寝顔見てたクマ?」
「見てちゃ悪いですか?」
「僕の寝顔がどうかしたの? 何か変な顔してた?」
「別に見てただけですから気にしやがらないで下さい」
「んぅ……うるさいにゃ、朝っぱらからどうしたにゃ……」
「多摩君、雪降ってるみたいだよ。外行ってみない?」
「寒いし眠いにゃ……」
「そっか、じゃあ残念だけど三人で――って痛い!?」
「多摩を置いて行くとか良い度胸にゃ」
「だ、だって今寒いし眠いって……」
「お前が行くなら行くにゃ、雪玉ぶつけまくってやるにゃ」
「じゃあ三人で提督にぶつけるクマ」
「何で僕を集中攻撃する流れになってるんだろう……」
「ご主人様、安心しやがってください」
「漣君は味方してくれるの?」
「雪なら氏にゃしませんから」
(そっちの安心かぁ……)
二対二だと不公平になるから三対一になりました。
617: 2014/08/24(日) 22:00:30.72 ID:AIKNAFii0
~気の弛み~
(出掛けてたら突然雨降るなんてついてないなぁ……)
「使用中の札は……無いね。よし、軽くシャワーでも浴びて暖ま――え?」
「っ!? ご、ごごごごご主人様!?」
(アレ? え? 漣君? 何で居るの? 札は? え?)
「あのその何と言いますか確かに温泉には一緒に入りゃしましたが堂々と脱衣場に不意に入って来られると心の準備ってやつがありまして見られるのはやぶさかじゃねぇんですがそれならきちんと段取りを踏まえてですね――」
「ご、ごめん! 漣君が居るとは知らなかったんだよ! すぐに出ていくからごゆっくり!」
「待って!」
「――あの、漣君? 自分の状況理解してる?」
「……理解してるに決まってんじゃねぇですか」
「うん、なら離れて、服を着ないと」
「……私じゃやっぱり、魅力無いってことなんですね」
「魅力が無いなんてことはないよ、今も凄くドキドキはしてるし」
「なら、何で逃げんですか」
「前に聞いたんでしょ? ズルいけど、今はまだ答えが出てないから」
「多摩はご主人様が好きで、元々ご主人様は多摩が好き。入り込む隙ぐらいくださいよ……」
「……ごめんね」
「謝らねぇで下さい、終わったみたいじゃねぇですか」
「うん……ごめん」
「……出てって下さい」
「うん」
「――ご主人様」
「何か――!?」
「絶対に諦めませんよ、漣はしつこいのがウリなんで」
頬に感じた柔らかい感触に、暫く脱衣場の扉の前で放心することになりました。
(出掛けてたら突然雨降るなんてついてないなぁ……)
「使用中の札は……無いね。よし、軽くシャワーでも浴びて暖ま――え?」
「っ!? ご、ごごごごご主人様!?」
(アレ? え? 漣君? 何で居るの? 札は? え?)
「あのその何と言いますか確かに温泉には一緒に入りゃしましたが堂々と脱衣場に不意に入って来られると心の準備ってやつがありまして見られるのはやぶさかじゃねぇんですがそれならきちんと段取りを踏まえてですね――」
「ご、ごめん! 漣君が居るとは知らなかったんだよ! すぐに出ていくからごゆっくり!」
「待って!」
「――あの、漣君? 自分の状況理解してる?」
「……理解してるに決まってんじゃねぇですか」
「うん、なら離れて、服を着ないと」
「……私じゃやっぱり、魅力無いってことなんですね」
「魅力が無いなんてことはないよ、今も凄くドキドキはしてるし」
「なら、何で逃げんですか」
「前に聞いたんでしょ? ズルいけど、今はまだ答えが出てないから」
「多摩はご主人様が好きで、元々ご主人様は多摩が好き。入り込む隙ぐらいくださいよ……」
「……ごめんね」
「謝らねぇで下さい、終わったみたいじゃねぇですか」
「うん……ごめん」
「……出てって下さい」
「うん」
「――ご主人様」
「何か――!?」
「絶対に諦めませんよ、漣はしつこいのがウリなんで」
頬に感じた柔らかい感触に、暫く脱衣場の扉の前で放心することになりました。
618: 2014/08/24(日) 22:13:14.11 ID:AIKNAFii0
終盤に入ったことをお知らせします
完結後もスレが埋まるまでは更新します
次スレは以下のどれかから選ぶ予定
・女提督と長門と叢雲
・潜水艦's
・青葉と古鷹と吹雪による提督争奪牽制だらけのギスギス鎮守府
完結後もスレが埋まるまでは更新します
次スレは以下のどれかから選ぶ予定
・女提督と長門と叢雲
・潜水艦's
・青葉と古鷹と吹雪による提督争奪牽制だらけのギスギス鎮守府
630: 2014/08/25(月) 22:17:29.98 ID:+3nciwOE0
~節分~
「鬼役は誰がするクマ?」
「漣がいいにゃ」
「堂々と面と向かって言うとは良い度胸ですねぇ多摩……」
「僕がやろうか?」
「そんな鬼が居てたまるかクマ」
「それだけは無いにゃ」
「ご主人様は鬼って柄じゃねぇです」
「そ、そう?」
「じゃあ商店街のおっちゃんにやってもらうクマ」
「似合いすぎてて怖い気がするにゃ」
「適役っちゃ適役ですね」
「お店忙しいだろうし、やってくれるかなぁ……」
ノリノリで赤ペイントしてやってくれました。(但し子供はガチで泣き苦情に)
「鬼役は誰がするクマ?」
「漣がいいにゃ」
「堂々と面と向かって言うとは良い度胸ですねぇ多摩……」
「僕がやろうか?」
「そんな鬼が居てたまるかクマ」
「それだけは無いにゃ」
「ご主人様は鬼って柄じゃねぇです」
「そ、そう?」
「じゃあ商店街のおっちゃんにやってもらうクマ」
「似合いすぎてて怖い気がするにゃ」
「適役っちゃ適役ですね」
「お店忙しいだろうし、やってくれるかなぁ……」
ノリノリで赤ペイントしてやってくれました。(但し子供はガチで泣き苦情に)
631: 2014/08/25(月) 22:20:32.11 ID:+3nciwOE0
~2月14日~
(いいですね? 全員同時ですよ?)
(分かってるクマ)
(大丈夫にゃ、問題にゃい)
「――アレ、皆今日は早いね」
「ご主人様! 受け取って下さい!」
「提督、食べて欲しいクマ」
「コレ、やるにゃ」
「えっと、コレは、何?」
「チョコレートに決まってんじゃねぇですか」
「とぼけるんじゃないクマ」
「いらないとか言ったら爪で八つ裂きにゃ」
「チョコ……?――あっ、今日バレンタインか。縁遠かったから忘れてたよ」
「どんな青春時代送ってたか丸分かりですね……」
「コレからは確定で三個もらえるから安心するクマ」
「四個以上貰ったら多摩が処理するにゃ」
「猫にチョコレートは――って痛い!? 冗談だってば!?」
「猫扱いはいい加減やめるにゃ!」
「そんなお決まりのコントやってねぇで早く食べちまって下さい」
「そうだクマ、早く食べるクマ」
「ちゃんと食べるから急かさないでくれない? 漣君のは――トリュフ?」
「力作ですよ」
「……うん、外がほんのり苦くて、中のトロトロのチョコの甘さが引き立ってて美味しいよ」
「欲しくなったらまた言ってくれりゃ作りますんで」
「球磨のも食べるクマ!」
「球磨君のは――ハート型のナッツ入りチョコなんだね」
「頑張って文字も書いたクマ」
「コレ、よく書けたね……」
「大好きクマは簡単だったクマ、提督はちょっとだけ苦戦したクマ」
「食べるの勿体無い気もするね――うん、ナッツとチョコはやっぱり相性良いね」
「球磨はそのタイプが一番好きクマ!」
「多摩のも早く食べるにゃ」
「うん、ちょっと待ってね。多摩君のは――チョコケーキだね」
「ガトーショコラにゃ」
「じゃあ早速頂きます。――うん、ほろ苦くて、すっごく美味しい」
「当然にゃ」
「失敗作で球磨のお腹ははち切れそうクマ……」
「うるさいにゃ! 余計なことは言わなくていいにゃ!」
「三人ともありがとう、とっても美味しかったよ。――ところで、朝御飯はどうするの?」
チョコが朝食になりました。
(いいですね? 全員同時ですよ?)
(分かってるクマ)
(大丈夫にゃ、問題にゃい)
「――アレ、皆今日は早いね」
「ご主人様! 受け取って下さい!」
「提督、食べて欲しいクマ」
「コレ、やるにゃ」
「えっと、コレは、何?」
「チョコレートに決まってんじゃねぇですか」
「とぼけるんじゃないクマ」
「いらないとか言ったら爪で八つ裂きにゃ」
「チョコ……?――あっ、今日バレンタインか。縁遠かったから忘れてたよ」
「どんな青春時代送ってたか丸分かりですね……」
「コレからは確定で三個もらえるから安心するクマ」
「四個以上貰ったら多摩が処理するにゃ」
「猫にチョコレートは――って痛い!? 冗談だってば!?」
「猫扱いはいい加減やめるにゃ!」
「そんなお決まりのコントやってねぇで早く食べちまって下さい」
「そうだクマ、早く食べるクマ」
「ちゃんと食べるから急かさないでくれない? 漣君のは――トリュフ?」
「力作ですよ」
「……うん、外がほんのり苦くて、中のトロトロのチョコの甘さが引き立ってて美味しいよ」
「欲しくなったらまた言ってくれりゃ作りますんで」
「球磨のも食べるクマ!」
「球磨君のは――ハート型のナッツ入りチョコなんだね」
「頑張って文字も書いたクマ」
「コレ、よく書けたね……」
「大好きクマは簡単だったクマ、提督はちょっとだけ苦戦したクマ」
「食べるの勿体無い気もするね――うん、ナッツとチョコはやっぱり相性良いね」
「球磨はそのタイプが一番好きクマ!」
「多摩のも早く食べるにゃ」
「うん、ちょっと待ってね。多摩君のは――チョコケーキだね」
「ガトーショコラにゃ」
「じゃあ早速頂きます。――うん、ほろ苦くて、すっごく美味しい」
「当然にゃ」
「失敗作で球磨のお腹ははち切れそうクマ……」
「うるさいにゃ! 余計なことは言わなくていいにゃ!」
「三人ともありがとう、とっても美味しかったよ。――ところで、朝御飯はどうするの?」
チョコが朝食になりました。
641: 2014/08/26(火) 23:43:54.00 ID:CeNTQHUJ0
~答えは同じ、でも違う~
「提督、ちょっと話があるクマ」
「何かな球磨君」
「コンビニのバイト仲間の兄ちゃんに告白されたクマ」
「へーそうなん……へ?」
「だから、告白されたクマ」
「返事は、したの?」
「まだしてないクマ。提督はどうしたらいいと思うクマ?」
「それは球磨君が考えること、なんじゃないかな?」
「じゃあもう一つ聞きたいクマ」
「何?」
「――多摩が同じ事を言ってきたら、どうするクマ?」
「ただいまだクマ」
「お帰りにゃ」
「お土産に肉まん買ってきたクマ」
「ありがとにゃ」
「……多摩」
「何にゃ?」
「少しの間だけ、抱き着いてもいいクマ?」
「……コレでいいにゃ?」
「うん、ありがとだクマ」
「何があったか知らにゃいけど、元気出すにゃ」
「大、丈夫だグマ……明日には……元気出すクマ……」
優秀だからこそ、気付きたくない事に気付けてしまうこともあります。
「提督、ちょっと話があるクマ」
「何かな球磨君」
「コンビニのバイト仲間の兄ちゃんに告白されたクマ」
「へーそうなん……へ?」
「だから、告白されたクマ」
「返事は、したの?」
「まだしてないクマ。提督はどうしたらいいと思うクマ?」
「それは球磨君が考えること、なんじゃないかな?」
「じゃあもう一つ聞きたいクマ」
「何?」
「――多摩が同じ事を言ってきたら、どうするクマ?」
「ただいまだクマ」
「お帰りにゃ」
「お土産に肉まん買ってきたクマ」
「ありがとにゃ」
「……多摩」
「何にゃ?」
「少しの間だけ、抱き着いてもいいクマ?」
「……コレでいいにゃ?」
「うん、ありがとだクマ」
「何があったか知らにゃいけど、元気出すにゃ」
「大、丈夫だグマ……明日には……元気出すクマ……」
優秀だからこそ、気付きたくない事に気付けてしまうこともあります。
644: 2014/08/27(水) 00:34:20.07 ID:CpkI7t4n0
~桃の節句~
「ひなあられ美味いにゃ」
――にゃー。
「ちょっと待つにゃ、このままだと塩分キツいにゃ」
「桃食べたいクマ」
「缶詰でよけりゃありますよ」
「それでもいいクマ」
「何か写真が届いたよ」
「どっからですか?」
「えっと――赤城さんところからだね」
「とりあえず見てみるにゃ」
「うん、ちょっと待って」
「――相変わらず向こうの鎮守府は手抜きって言葉を知らないクマ」
「コレ、幾らかかってんですかね……」
「赤城さん、菱餅食べてるにゃ」
「豪勢な雛壇だなぁ……」
「うちだと三人官女で打ち止めですからね」
「それ意味無いクマ」
「コイツ入れれば何とか二段は作れるにゃ」
――にゃ?
一応雌です。
「ひなあられ美味いにゃ」
――にゃー。
「ちょっと待つにゃ、このままだと塩分キツいにゃ」
「桃食べたいクマ」
「缶詰でよけりゃありますよ」
「それでもいいクマ」
「何か写真が届いたよ」
「どっからですか?」
「えっと――赤城さんところからだね」
「とりあえず見てみるにゃ」
「うん、ちょっと待って」
「――相変わらず向こうの鎮守府は手抜きって言葉を知らないクマ」
「コレ、幾らかかってんですかね……」
「赤城さん、菱餅食べてるにゃ」
「豪勢な雛壇だなぁ……」
「うちだと三人官女で打ち止めですからね」
「それ意味無いクマ」
「コイツ入れれば何とか二段は作れるにゃ」
――にゃ?
一応雌です。
645: 2014/08/27(水) 00:35:07.53 ID:CpkI7t4n0
~ホワイトデー~
「はい、三人ともどうぞ」
「何でまたこの不細工なウサギなんですかねぇ……」
「髪留めだクマ、大事に使うクマ」
「ブレスレット……まぁ使ってやるにゃ」
「気に入って貰えた……かな?」
「コレをご主人様だと思って、サンドバッグ代わりにしてやります」
「だ、大事にしてね?」
「毎日するクマ」
「うん、似合うと思うよ」
(指輪が良かったにゃ……)
「多摩君は気に入ってくれた?」
「今はコレで満足してやるにゃ」
「そっか、良かった」
巨大なウサギと超巨大なウサギに抱き着いてにやける艦娘と、鏡の前でずっと髪を弄る艦娘と、右手にはめるか左手にはめるか延々悩む艦娘が目撃されました。
「はい、三人ともどうぞ」
「何でまたこの不細工なウサギなんですかねぇ……」
「髪留めだクマ、大事に使うクマ」
「ブレスレット……まぁ使ってやるにゃ」
「気に入って貰えた……かな?」
「コレをご主人様だと思って、サンドバッグ代わりにしてやります」
「だ、大事にしてね?」
「毎日するクマ」
「うん、似合うと思うよ」
(指輪が良かったにゃ……)
「多摩君は気に入ってくれた?」
「今はコレで満足してやるにゃ」
「そっか、良かった」
巨大なウサギと超巨大なウサギに抱き着いてにやける艦娘と、鏡の前でずっと髪を弄る艦娘と、右手にはめるか左手にはめるか延々悩む艦娘が目撃されました。
648: 2014/08/27(水) 21:11:25.46 ID:CpkI7t4n0
~秘密~
「ただいまにゃ……」
「疲れたクマ……」
「しばらく動きたくねぇです……」
「お帰り三人とも、どこ行ってたの?」
「秘密にゃ」
「秘密クマ」
「何か危ないこと、してないよね?」
「その辺は大丈夫ですよ、そのうちご主人様にも教えてあげますから」
「そうなの? まぁ危ないことしてないならいいけど……ちゃんと後で教えてね?」
「ちゃんと教えてやるにゃ」
「きっとビックリするクマ」
(気になるなぁ……)
密かに秋辺りから計画は進行していました。
「ただいまにゃ……」
「疲れたクマ……」
「しばらく動きたくねぇです……」
「お帰り三人とも、どこ行ってたの?」
「秘密にゃ」
「秘密クマ」
「何か危ないこと、してないよね?」
「その辺は大丈夫ですよ、そのうちご主人様にも教えてあげますから」
「そうなの? まぁ危ないことしてないならいいけど……ちゃんと後で教えてね?」
「ちゃんと教えてやるにゃ」
「きっとビックリするクマ」
(気になるなぁ……)
密かに秋辺りから計画は進行していました。
649: 2014/08/27(水) 21:11:55.89 ID:CpkI7t4n0
~そして、春が来る~
「桜、綺麗だね」
「花より団子にゃ」
「同じくクマ」
「多摩も球磨も色気より食い気ですか」
「ははは、健康的でいいんじゃない?」
「コイツもこう言ってるにゃ、だから問題ないにゃ」
「むぐむがむががグマ」
「食いながらしゃべんなって何度言わせんですか球磨」
「んぐっ――漣の料理が美味しいのがいけないんだクマ」
「お世辞言ったって何も出やしませんよ」
「そう言いながらデザートのタッパー取り出す漣はツンデレにゃ」
「うっせぇですよ!」
「あはは、本当に仲良しだね三人とも」
――にゃー!
「忘れるなって怒ってるにゃ」
「ごめんごめん、君もだね」
「球磨は多摩も漣も提督も猫も大好きだクマ」
「多摩も嫌いじゃないにゃ」
「多摩も素直じゃねぇですねー」
「うるさいにゃ、多摩も好きに決まってるにゃ!」
顔真っ赤なのが三人、球磨だけはニコニコしてました。
「桜、綺麗だね」
「花より団子にゃ」
「同じくクマ」
「多摩も球磨も色気より食い気ですか」
「ははは、健康的でいいんじゃない?」
「コイツもこう言ってるにゃ、だから問題ないにゃ」
「むぐむがむががグマ」
「食いながらしゃべんなって何度言わせんですか球磨」
「んぐっ――漣の料理が美味しいのがいけないんだクマ」
「お世辞言ったって何も出やしませんよ」
「そう言いながらデザートのタッパー取り出す漣はツンデレにゃ」
「うっせぇですよ!」
「あはは、本当に仲良しだね三人とも」
――にゃー!
「忘れるなって怒ってるにゃ」
「ごめんごめん、君もだね」
「球磨は多摩も漣も提督も猫も大好きだクマ」
「多摩も嫌いじゃないにゃ」
「多摩も素直じゃねぇですねー」
「うるさいにゃ、多摩も好きに決まってるにゃ!」
顔真っ赤なのが三人、球磨だけはニコニコしてました。
655: 2014/08/29(金) 20:02:21.43 ID:UOivj4z/0
~元帥からの贈り物~
(元帥から僕宛て? 何だろう、ギフトか何かかな? またお返し考えないと……)
「――え? コレが何でうちに……?」
――元帥、執務室。
「今頃ビックリしとるだろうな」
「多分、終戦してからアレが発行されたの初だぴょん」
「相当頑張っておったからな、あのバカも協力しておったし」
「あの提督さん、どうなさるんでしょうか……」
「心配しなくてもきっと大丈夫だぴょん。今の三人なら苦しまずに一撃でヤれるぴょん」
「それ大丈夫じゃないよ、卯月ちゃん」
「あのバカのところの二人も、艦娘が過ごしやすい環境作りに尽力してくれておる。コレが更に良い方向へ向かうきっかけになってくれるといいんだがな」
「元帥が真面目ぴょん。明日きっと槍が降るぴょん」
「槍は降らないよ……雪ぐらいじゃない?」
「普段から儂は真面目だぞ」
「寝言は寝てからにして欲しいぴょん」
「寝言はうるさいから嫌かなぁ……」
届いたのは、書類と――。
(元帥から僕宛て? 何だろう、ギフトか何かかな? またお返し考えないと……)
「――え? コレが何でうちに……?」
――元帥、執務室。
「今頃ビックリしとるだろうな」
「多分、終戦してからアレが発行されたの初だぴょん」
「相当頑張っておったからな、あのバカも協力しておったし」
「あの提督さん、どうなさるんでしょうか……」
「心配しなくてもきっと大丈夫だぴょん。今の三人なら苦しまずに一撃でヤれるぴょん」
「それ大丈夫じゃないよ、卯月ちゃん」
「あのバカのところの二人も、艦娘が過ごしやすい環境作りに尽力してくれておる。コレが更に良い方向へ向かうきっかけになってくれるといいんだがな」
「元帥が真面目ぴょん。明日きっと槍が降るぴょん」
「槍は降らないよ……雪ぐらいじゃない?」
「普段から儂は真面目だぞ」
「寝言は寝てからにして欲しいぴょん」
「寝言はうるさいから嫌かなぁ……」
届いたのは、書類と――。
661: 2014/09/01(月) 04:20:34.66 ID:qxaJxr1C0
~伝えきる、それだけで~
「――ご主人様」
「あっ漣君、コレなんだけど」
「知ってます、元帥から直接聞いたんで」
「じゃあ何でコレがうちに来たか教えてくれない? 三人とも、練度が足りないと思うんだけど……」
「足りちまってんですよね、コレが」
「どういうこと?」
「ご主人様には内緒で演習を繰り返してたんですよ、バレないようにすんのかなり苦労しました」
「アレって演習してたんだ……でも、何で?」
「そんなの、仮でも結婚出来るからに決まってんじゃねぇですか」
「……そっか」
「球磨も、私も、そして多摩も、全員練度は十分です。――ご主人様、今日この日が、一番答えをくれるにゃ良い日だと思いますよ」
(そういえば、今日で四人で暮らすようになって一年になるんだっけ……)
「……正直、答えはもう分かってんですよ。だから、先に言いたいこと全部言わせてもらいます」
「ありがとうございます」
「拾ってくれて」
「優しく接してくれて」
「料理を美味しいと言ってくれて」
「私を必要だと言ってくれて」
「幸せな時間と思い出をいっぱいくれて」
「ありがとう、ございます……」
「っ……僕の方こそ、漣君にはいっぱい助けてもらったよ。――だから、これからも、鎮守府の“家族”としてよろしくね」
「……よろしく、お願いします」
「――行くね」
「……はい」
「明日からは……ううん、何でもない」
「心配しないで下さいよ、明日にはきっと、元通りですから」
「……うん、じゃあ」
「――球磨は、部屋に居ます」
「うん、ありがとう」
(分かってましたよ、こうなるって。そりゃそうですよ)
「――だから、早く涙止まりやがれってんですよ……」
「――ご主人様」
「あっ漣君、コレなんだけど」
「知ってます、元帥から直接聞いたんで」
「じゃあ何でコレがうちに来たか教えてくれない? 三人とも、練度が足りないと思うんだけど……」
「足りちまってんですよね、コレが」
「どういうこと?」
「ご主人様には内緒で演習を繰り返してたんですよ、バレないようにすんのかなり苦労しました」
「アレって演習してたんだ……でも、何で?」
「そんなの、仮でも結婚出来るからに決まってんじゃねぇですか」
「……そっか」
「球磨も、私も、そして多摩も、全員練度は十分です。――ご主人様、今日この日が、一番答えをくれるにゃ良い日だと思いますよ」
(そういえば、今日で四人で暮らすようになって一年になるんだっけ……)
「……正直、答えはもう分かってんですよ。だから、先に言いたいこと全部言わせてもらいます」
「ありがとうございます」
「拾ってくれて」
「優しく接してくれて」
「料理を美味しいと言ってくれて」
「私を必要だと言ってくれて」
「幸せな時間と思い出をいっぱいくれて」
「ありがとう、ございます……」
「っ……僕の方こそ、漣君にはいっぱい助けてもらったよ。――だから、これからも、鎮守府の“家族”としてよろしくね」
「……よろしく、お願いします」
「――行くね」
「……はい」
「明日からは……ううん、何でもない」
「心配しないで下さいよ、明日にはきっと、元通りですから」
「……うん、じゃあ」
「――球磨は、部屋に居ます」
「うん、ありがとう」
(分かってましたよ、こうなるって。そりゃそうですよ)
「――だから、早く涙止まりやがれってんですよ……」
662: 2014/09/01(月) 04:21:07.10 ID:qxaJxr1C0
~変わらぬ想い、変わる立ち位置~
「――球磨君」
「いらっしゃいクマ」
「今、漣君と話してきた」
「……漣、泣いてたクマ?」
「うん、僕が泣かせた」
「酷い男だクマ」
「そう、だね……」
「でも、球磨は好きだクマ」
「……あのね、球磨く――」
「聞きたくないクマ!……言わなくて、いいクマ」
「……うん」
「優秀な球磨ちゃんには言い寄る男も多いクマ、モテモテだクマ。提督より良い男も選り取りみどりだクマ」
「あはは、ちょっと複雑な心境かな」
「後で後悔して枕を濡らすがいいクマ」
「そうだね、泣いちゃうかもしれない」
「――多摩を一度でも泣かせたら、許さないクマ」
「それだけは絶対に大丈夫。約束するよ」
「……なら、いいクマ。さっさと行ってやるクマ」
「あそこに、居るの?」
「当然クマ」
「分かったよ、ありがとう球磨君」
「――提督」
「?」
「一緒に過ごした一年、凄く楽しかったクマ。これからもきっと、毎日が楽しいと思うクマ。――だから、球磨はずっとここに居るクマ」
「……うん、これからも四人で一緒に居ようね」
「じゃあ球磨の話は終わりクマ、今から昼寝するからさっさと行くクマ」
「あまり寝過ぎないようにね、じゃあまた後で」
「しっかりやるクマー」
(提督はバカだクマ、今更他の奴なんか好きになれないクマ……)
「――二人とも、ずっと幸せじゃなかったら承知しないクマ」
「――球磨君」
「いらっしゃいクマ」
「今、漣君と話してきた」
「……漣、泣いてたクマ?」
「うん、僕が泣かせた」
「酷い男だクマ」
「そう、だね……」
「でも、球磨は好きだクマ」
「……あのね、球磨く――」
「聞きたくないクマ!……言わなくて、いいクマ」
「……うん」
「優秀な球磨ちゃんには言い寄る男も多いクマ、モテモテだクマ。提督より良い男も選り取りみどりだクマ」
「あはは、ちょっと複雑な心境かな」
「後で後悔して枕を濡らすがいいクマ」
「そうだね、泣いちゃうかもしれない」
「――多摩を一度でも泣かせたら、許さないクマ」
「それだけは絶対に大丈夫。約束するよ」
「……なら、いいクマ。さっさと行ってやるクマ」
「あそこに、居るの?」
「当然クマ」
「分かったよ、ありがとう球磨君」
「――提督」
「?」
「一緒に過ごした一年、凄く楽しかったクマ。これからもきっと、毎日が楽しいと思うクマ。――だから、球磨はずっとここに居るクマ」
「……うん、これからも四人で一緒に居ようね」
「じゃあ球磨の話は終わりクマ、今から昼寝するからさっさと行くクマ」
「あまり寝過ぎないようにね、じゃあまた後で」
「しっかりやるクマー」
(提督はバカだクマ、今更他の奴なんか好きになれないクマ……)
「――二人とも、ずっと幸せじゃなかったら承知しないクマ」
663: 2014/09/01(月) 04:21:42.67 ID:qxaJxr1C0
~いつもの~
「――多摩君」
「遅いにゃ、肉球プニプニして暇潰すにも限度があるにゃ」
――うにゃぁ……。
「今度は一週間も待たせなかったんだから許してよ」
「一年と一週間の遅刻にゃ」
「あの時から全部カウントするのは流石におかしくない?」
「言い訳無用にゃ」
「えー……」
「そういえば本鮪、アレから一度も食べてないにゃ」
「僕の今のお小遣いじゃ無理」
「――じゃあ、指輪で我慢してやるにゃ」
「コレ、多摩君にとっては鮪と同価値なの……?」
「バカな事言うんじゃないにゃ、いいからさっさと填めるにゃ」
「まずはこっちが先でしょ。――僕と、付き合ってくれないかな?」
「お断りにゃ」
「うん、やっとコレで……えっ? いや、多摩く――」
――チュ。
「冗談にゃ。多摩は、お前が大好きにゃ」
「」
「何突っ立って固まってるにゃ、早く填めるにゃ」
「……へっ? あぁ、うん、指輪だね指輪――あっ」
「何やってるのにゃ!? 早く拾うにゃ!」
「うわわわっ!? そっちに転がるのはマズイって!」
「海に落ちちゃダメにゃあぁぁぁっ!?」
「――落ち、ちゃった……」
「なっ、なっ、なっ、何やってるにゃー!」
「痛い痛い痛いごめん痛い許して痛い!?」
「許す訳無いにゃ! 今すぐ潜って取りに行くにゃー!」
「流石に痛い無茶痛い爪やめて多摩君!?」
「取りに行くのが無理なら今すぐ新しいの用意するにゃ!」
「そんなお金無いってば……」
「多摩の……多摩の指輪が……」
「ねぇ、多摩君」
「なん――ん……」
「ふぅ……指輪はいつかまた渡すから、今はコレで許してくれないかな?」
「……こんなんじゃ許さないにゃ。許して欲しかったら、もっとするにゃ」
「うん、もっとしよ――ん?」
――ちょっ、球磨、あんまり押さないで下さいよ!
――もう少し寄らないと見えないんだクマ。
「――多摩君」
「遅いにゃ、肉球プニプニして暇潰すにも限度があるにゃ」
――うにゃぁ……。
「今度は一週間も待たせなかったんだから許してよ」
「一年と一週間の遅刻にゃ」
「あの時から全部カウントするのは流石におかしくない?」
「言い訳無用にゃ」
「えー……」
「そういえば本鮪、アレから一度も食べてないにゃ」
「僕の今のお小遣いじゃ無理」
「――じゃあ、指輪で我慢してやるにゃ」
「コレ、多摩君にとっては鮪と同価値なの……?」
「バカな事言うんじゃないにゃ、いいからさっさと填めるにゃ」
「まずはこっちが先でしょ。――僕と、付き合ってくれないかな?」
「お断りにゃ」
「うん、やっとコレで……えっ? いや、多摩く――」
――チュ。
「冗談にゃ。多摩は、お前が大好きにゃ」
「」
「何突っ立って固まってるにゃ、早く填めるにゃ」
「……へっ? あぁ、うん、指輪だね指輪――あっ」
「何やってるのにゃ!? 早く拾うにゃ!」
「うわわわっ!? そっちに転がるのはマズイって!」
「海に落ちちゃダメにゃあぁぁぁっ!?」
「――落ち、ちゃった……」
「なっ、なっ、なっ、何やってるにゃー!」
「痛い痛い痛いごめん痛い許して痛い!?」
「許す訳無いにゃ! 今すぐ潜って取りに行くにゃー!」
「流石に痛い無茶痛い爪やめて多摩君!?」
「取りに行くのが無理なら今すぐ新しいの用意するにゃ!」
「そんなお金無いってば……」
「多摩の……多摩の指輪が……」
「ねぇ、多摩君」
「なん――ん……」
「ふぅ……指輪はいつかまた渡すから、今はコレで許してくれないかな?」
「……こんなんじゃ許さないにゃ。許して欲しかったら、もっとするにゃ」
「うん、もっとしよ――ん?」
――ちょっ、球磨、あんまり押さないで下さいよ!
――もう少し寄らないと見えないんだクマ。
664: 2014/09/01(月) 04:22:14.42 ID:qxaJxr1C0
「……後にしよっか」
「……そうするにゃ」
――――二人とも、盗み聞きは良くないよ?
――――白昼堂々キスなんてしてやがるからですよ。
――――そうだクマそうだクマ!
――――ちょっとは空気読むにゃ、多摩はもっとコイツとキスとか色々したいのにゃ!
――――見るぐらいいいじゃねぇですか、減るもんじゃなし。
――――そうだクマそうだクマ!
――――……そっちがその気なら、多摩にも考えがあるにゃ。
「こんな鎮守府、今すぐ二人で出ていってやるにゃ!」
「……そうするにゃ」
――――二人とも、盗み聞きは良くないよ?
――――白昼堂々キスなんてしてやがるからですよ。
――――そうだクマそうだクマ!
――――ちょっとは空気読むにゃ、多摩はもっとコイツとキスとか色々したいのにゃ!
――――見るぐらいいいじゃねぇですか、減るもんじゃなし。
――――そうだクマそうだクマ!
――――……そっちがその気なら、多摩にも考えがあるにゃ。
「こんな鎮守府、今すぐ二人で出ていってやるにゃ!」
665: 2014/09/01(月) 05:59:08.14 ID:WCju7Fq70
いい…乙
666: 2014/09/01(月) 06:20:33.68 ID:6EYfpLAGo
うん…凄くきゅんきゅんした、乙
680: 2014/09/01(月) 20:31:41.53 ID:qxaJxr1C0
「叢雲」
「何? 今書類で忙しいんだけど」
「昼」
「そうね、昼ね」
「空腹」
「アンタが自分で作りなさい」
「……?」
「意味が分からないって顔すんじゃないわよ」
「叢雲のご飯、美味しい」
「……はぁ、後二十分待ちなさい」
「ん」
「――そういえば、長門は?」
「庭」
「庭で何してるのよ」
「鳩にパン、投げてる」
(アイツ、隠居した老人みたいな事してんのね……)
「――叢雲」
「何よ、もう少し待ちなさい」
「眠い……」
「アンタねぇ……いいわ、出来たら起こしてあげるわよ」
「ん」
「長門だ、入るぞ。叢雲、食パンを買うのに千円出してくれないか?」
「アンタ買い置きの食パン全部使ったの!?」
「んぅ……? 出来た?」
ダメ女提督と、戦闘してないとダメな長門と、胃に穴が開きそうな優秀な叢雲の居る鎮守府。
「何? 今書類で忙しいんだけど」
「昼」
「そうね、昼ね」
「空腹」
「アンタが自分で作りなさい」
「……?」
「意味が分からないって顔すんじゃないわよ」
「叢雲のご飯、美味しい」
「……はぁ、後二十分待ちなさい」
「ん」
「――そういえば、長門は?」
「庭」
「庭で何してるのよ」
「鳩にパン、投げてる」
(アイツ、隠居した老人みたいな事してんのね……)
「――叢雲」
「何よ、もう少し待ちなさい」
「眠い……」
「アンタねぇ……いいわ、出来たら起こしてあげるわよ」
「ん」
「長門だ、入るぞ。叢雲、食パンを買うのに千円出してくれないか?」
「アンタ買い置きの食パン全部使ったの!?」
「んぅ……? 出来た?」
ダメ女提督と、戦闘してないとダメな長門と、胃に穴が開きそうな優秀な叢雲の居る鎮守府。
681: 2014/09/01(月) 21:20:01.69 ID:qxaJxr1C0
「てーとく、流石に無理があるでち」
「無理を通せば道理が引っ込む! 行くぞー!」
「ちょっと司令官、凄くコレだと泳ぎにくいんだけど」
「慣れろ!」
「はっちゃん、皐月じゃないよ?」
「今だけはっちゃんは皐月だ!」
「胸がキツいのね……」
「帰るまで我慢しろ!」
「アタシのは逆に胸ブカブカー」
「大将んとこの浜風から借りた、サイズはとにかく我慢だ!」
「隊長ー……泳げぼがばごぼ……」
「まるゆー!?」
「うーん、やっぱり服変えたぐらいじゃダメだな……」
「当たり前でち!」
「全くもう、バカな作戦に付き合わせないでよね」
「はっちゃん、ボクっ娘じゃありません」
「服、伸びちゃったのね……」
「疲れたから先にお風呂にどぼーんしてきます」
「ま、まるゆも一緒に行きます……」
「よーし、明日は違う駆逐艦の服着てスク水は脱いで行ってみるか!」
『絶対に嫌!』
初期艦は手違いでイムヤ、建造すれば潜水艦ラッシュで戦艦はおろか駆逐艦すら居ない鎮守府の話。
「無理を通せば道理が引っ込む! 行くぞー!」
「ちょっと司令官、凄くコレだと泳ぎにくいんだけど」
「慣れろ!」
「はっちゃん、皐月じゃないよ?」
「今だけはっちゃんは皐月だ!」
「胸がキツいのね……」
「帰るまで我慢しろ!」
「アタシのは逆に胸ブカブカー」
「大将んとこの浜風から借りた、サイズはとにかく我慢だ!」
「隊長ー……泳げぼがばごぼ……」
「まるゆー!?」
「うーん、やっぱり服変えたぐらいじゃダメだな……」
「当たり前でち!」
「全くもう、バカな作戦に付き合わせないでよね」
「はっちゃん、ボクっ娘じゃありません」
「服、伸びちゃったのね……」
「疲れたから先にお風呂にどぼーんしてきます」
「ま、まるゆも一緒に行きます……」
「よーし、明日は違う駆逐艦の服着てスク水は脱いで行ってみるか!」
『絶対に嫌!』
初期艦は手違いでイムヤ、建造すれば潜水艦ラッシュで戦艦はおろか駆逐艦すら居ない鎮守府の話。
682: 2014/09/01(月) 21:59:13.98 ID:qxaJxr1C0
吹雪は、無言で書類を書いている。
青葉は、無言でカメラのレンズを磨いている。
古鷹は、無言で棚のファイルを整理している。
そして、提督は――。
(コレ絶対に嫌われてるよ俺何かしたっけ吹雪の肩に触れたのがまずかったのか青葉のカメラに勝手に触ったのがいけなかったのか古鷹の目を綺麗って言ったのがまずかったのか!?)
執務机の前で怯えていた。
艦娘に対してのセクハラは、厳罰に処される。
揉み消すようなコネも、そんな考えに至ることも、この提督にはない。
だが、心配する必要は最初から無かった。
何故なら――。
(青葉さんと古鷹さん、早く出ていってくれないかなー)
(吹雪も古鷹も邪魔ですね……)
(二人とも、早く席外してくれるていいんだけど……)
違う意味で、提督が危ない鎮守府。
青葉は、無言でカメラのレンズを磨いている。
古鷹は、無言で棚のファイルを整理している。
そして、提督は――。
(コレ絶対に嫌われてるよ俺何かしたっけ吹雪の肩に触れたのがまずかったのか青葉のカメラに勝手に触ったのがいけなかったのか古鷹の目を綺麗って言ったのがまずかったのか!?)
執務机の前で怯えていた。
艦娘に対してのセクハラは、厳罰に処される。
揉み消すようなコネも、そんな考えに至ることも、この提督にはない。
だが、心配する必要は最初から無かった。
何故なら――。
(青葉さんと古鷹さん、早く出ていってくれないかなー)
(吹雪も古鷹も邪魔ですね……)
(二人とも、早く席外してくれるていいんだけど……)
違う意味で、提督が危ない鎮守府。
687: 2014/09/01(月) 23:26:18.19 ID:6X0aUumUO
完走乙でした!
最後までブレない話で良かったです
うわー、どれも気になるなぁ。ギスギスssはあんまり見かけないから気になるけど見ててキツイのもあれだしw
てわけでゆるい潜水艦話に一票でち
最後までブレない話で良かったです
うわー、どれも気になるなぁ。ギスギスssはあんまり見かけないから気になるけど見ててキツイのもあれだしw
てわけでゆるい潜水艦話に一票でち
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