701: 2014/09/03(水) 20:30:09.30 ID:NmruhIam0


前回はこちら

~♂→♀→、←♂←♀、♂→♀→~

「多摩君お茶飲む?」

「多摩君お菓子食べる?」

「多摩君一緒に遊ぼ」

「多摩く――」

「フシャー!」

「うわっ!? きゅ、急にどうしたの?」

「どうしたのじゃないにゃ! 逃げ腰で多摩から逃げ回ってたお前はどこに消えたにゃ!」

「? 付き合ってるなら遠慮する必要は無いんじゃない?」

「遠慮し無さすぎるにゃ! 抱き着いたら離れにゃいしトイレの前で待つし昼寝しようとしたら寝顔を至近距離でずっと眺めてるし落ち着く暇が無いにゃ!」

「うーん……ダメ?」

「そ、そんな寂しそうな顔してもダメなものはダメにゃ。何事にも節度ってものがあるにゃ」

(本日のお前が言うなスレはここですか? 後、爆発しろ)

(贅沢な悩みだクマ。後、爆発しろクマ)

「でも、昼寝に関しては抱き枕って言って多摩君からくっついてきてるよね」

「ね、寝つけさえすれば安眠で寝心地快適なのにゃ、それは仕方無いのにゃ」

(やっぱり爆発しろ)

(速やかに爆発するクマ)




 今日も鎮守府は平和……うん、平和です。
艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 艦娘型録

710: 2014/09/04(木) 20:13:33.35 ID:ivAZIQmj0
~モテモテ球磨ちゃん~

「ごめんだクマ、球磨は誰とも付き合う気無いクマ」

 ――そっか……うん、分かった。

「すぐに良い人が見付かるように祈っとくクマ」

 ――ありがとう、じゃあまたね。

「バイバイだクマ」

(――ふぅ、コレで三人目だクマ……)




「また告白されたんですか?」

「モテる女は辛いクマ」

「ただし意中の相手には――」

「やめるクマ、お互いの傷を抉るのは良くないクマ」

「それもそうですね……」

「――でも、今は今で幸せだクマ」

「時折無性に爆発しろって思ったり邪魔したくもなりますが、まぁ私も概ね幸せです」

「提督と多摩、今どうしてるクマ?」

「畑行ってますよ、猫と一緒に」

「……ちょっとイタズラしに行ってくるクマ」

「つれねぇですねー私もやりますよ」




 ――痛いっ!? え? 何? 何か飛んできたよ……?

 ――今のは模擬弾にゃ……ってことは――球磨ー! 漣ー! 何やってるにゃー!

 ――チッ、すぐにバレましたね……。

 ――気にせず次弾いくクマ。




 ほんの些細なイタズラぐらい、許してあげましょう。

716: 2014/09/05(金) 23:07:12.78 ID:ftiJacNn0
~しかし まわりこまれて しまった!~

「――来たにゃ。準備はいいかにゃ?」

『いつでもオッケーだクマ』

『こっちもオッケーです』

「分かったにゃ。じゃあ行ってくるにゃ」

『皆、くれぐれも気を付けてね』

「安心するにゃ、怪我なんかして心配かけたりしないにゃ」

『前とは状況が違うクマ』

『あの演習に比べりゃ千倍マシです』

『君達、どんな演習してたの……?』

「内緒にゃ。さて――ここから先は通行止めにゃ」

 ――フゴオォォォォッ!

「フシャアァァァァァッ!!」

 ――フゴッ!?

「球磨! そっち行ったにゃ!」

「任せるクマ!」

 ――フゴオォォォォッ!

「ローリングクマサンダースペシャル!」

 ――フゴァッ!?

「漣、止めだクマ!」

 ――フゴアアァァァァッ!

「悪く思わねぇで下さいよ、コレも食費の為なんです――はっ!」

 ――フゴッ……ガ……。

「……ふぅ、コレでちょっとまた食費が浮きますね」

「牡丹鍋にゃ」

「近所にお裾分けするクマ」




 猪なんかより遥かに怖い艦娘達と演習した彼女達に、コレぐらいは簡単です。

722: 2014/09/06(土) 15:18:57.68 ID:m/LW+JTF0
~追跡にゃ~

「ごめん多摩君、球磨君と漣君と出掛けるね」

「多摩を置いて二人と出掛けるとはどういう了見にゃ」

「あー……えー……とにかくそういうことだから留守番お願い!」

「コラ、待つにゃ!――何で、多摩置いてくのにゃ……。いいにゃ、尾行して二人と何するつもりなのか確かめてやるにゃ」




(球磨の服を何でお前が選んでるのにゃ……)

(漣のアクセサリーを何でお前が選んでるのにゃ……)

(……何で、多摩じゃないのにゃ……)




「多摩君、ただいま」

「……」

「えっと、あの、多摩君?」

「うるさいにゃ、お前なんて知らないにゃ」

「置いていったのはごめんね、今度は二人で一緒に行こうよ」

「行きたくないにゃ」

「機嫌直してよ多摩君。ほら、こっち向いて」

「うるさいにゃ! お前の顔なんて見たく――」

「はい、プレゼント」

「……にゃ?」

「指輪無くしちゃったし、代わりって訳じゃないけど、貰ってくれる?」

「あの服とアクセサリー……球磨と漣に選んでたんじゃないのにゃ……?」

「? 二人に選ぶの協力して貰ったんだけど、何で知ってるの?」

「ま――紛らわしいことしてんじゃないにゃ! 涙で顔グチャグチャになったのどうしてくれるにゃ!」

「えっ!? 泣いてたの多摩君!? 何があったの!? ってか僕のせい!?」

「お前のせいにゃあぁぁぁぁぁっ!」

「ちょっ、噛まないで多摩君! 球磨君か漣君助けて!?」

「噛み千切られりゃいいじゃねぇですか」

「多摩に喰われるなら提督も本望クマ」

「本望じゃないよ!?」

「ふにゃあぁぁぁぁっ!」

「痛いぃぃぃぃぃっ!?」




 翌日、歯形まみれになった提督と多摩は二人で出掛けました。

726: 2014/09/07(日) 20:43:43.16 ID:UksAuQbu0
~行き倒れ~

「ご主人様ー!」

「漣君、そんなに慌ててどうしたの?」

「あ、赤城さんが表で倒れてます!」

「えっ!?」

「とりあえず、運ぶの手伝って下さい」

「うん、すぐ行くよ」




「誠に申し訳ありません……」

「いえいえ、いいんですよ。赤城さんにはお世話になってますから」

「まさかカード使えなくされて空腹で倒れてたとは思いませんでしたよ……」

「まだ今月は五十万しか食べていないというのに、酷い話です……」

(それって僕らの一年分の食費ぐらい食べてるんじゃ……)

(赤城さんがうちに居たら破産しちまいますね)

「普段なら鎮守府までぐらいは食べなくても持つのですが、今回はちょっと派手に戦ってしまって、必要以上にエネルギーを消費してしまいました」

「た、戦う?」

「深海棲艦は居なくなったってのに、一体何と戦ってるってんですか」

「それは――まぁ、色々です」

(コレ、深く聞いちゃマズイパターンかな……)

(触らぬ神に祟り無しです)




 “昨夜未明、〇〇県の海沿いにある施設が爆発しました。今のところ、この施設が何の施設だったかや、何故爆発したかなどは分かっていません。”

731: 2014/09/08(月) 23:17:09.32 ID:YJvfZAtp0
~誤解です~

「多摩君多摩君」

「何にゃ?」

「今日はどうしよっか?」

「今日は前からがいいにゃ」

「うん、分かったよ」

「つけとくにゃ? つけないにゃ?」

「うーん……もうつけなくていいんじゃないかな」

(何の会話してんですかこの二人……)

(昼間から何て話してんだクマ……)




「じゃあ前からだね」

「さっさとギューってするにゃ、多磨はお前が居ないともう寝れないのにゃ」

「あはは、それは大変だ」

「電気、本当につけてなくていいのにゃ?」

「うん、最近は慣れたから夜中目が覚めた時、多摩君に頭突きしちゃわないように出来るようになったし」

「何か頭に当たったと思ったら横で悶えてるから、何事かと思ってビックリしたにゃ」

「だって多摩君石頭なんだもん……」

「石頭で悪かったにゃー」

「ごめん、絞めるのやめて多摩君、背骨ミシミシってなりかけてるから……」




 翌日、朝に二人と顔を合わせた球磨と漣の顔は赤かったそうな。

734: 2014/09/09(火) 20:50:25.85 ID:iTO+Ag7j0
~本日も異常無し~

「ねぇ多摩君、キスしよ」

「急に何言い出すのにゃ」

「球磨君バイトだし、漣君買い物行ってるから見られる心配ないし、ね?」

「……一回だけにゃ」

「うん、ありがとう。じゃあ――」

「失礼するであります。遊びに来たでありま――失礼したであります、続きを存分にやって欲しいであります」

「ちょっ、あの、あきつ丸さん!?」

「ちちち違うにゃ! コレはただ目にゴミが入ったのを取ってもらおうとしただけにゃ!」

「あっ元帥でありますか? 今新米提督さんのところで貴重な場面に遭遇――」

「やめて! あきつ丸さんやめて! また元帥から祝い物とか贈られてきたら恥ずかしいから!」

「この前の祝初デートって何にゃ! もう勘弁して欲しいにゃ!」

「そうでありますなー……祝勤務中に初キスとかどうでありますか?」

「やめてー!」

「処罰された方がマシってレベルにゃ! 絶対に贈るのやめるにゃー!」




 処罰として“祝勤務中に初キス”と書かれた花輪を贈ってきました。

741: 2014/09/10(水) 21:50:25.09 ID:hd5IM8UC0
~明石印~

「ご主人様、ちょっと相談が……」

「何かな?」

「包丁が古くなっちまいまして、新しいの買ってもいいですか?」

「それは僕に聞くまでもないよ、漣君が必要だと思うなら買っていいからね」

「了解です。じゃあちょっと電話させてもらいますね」

「電話?」

「ちょうどチラシが届いたんで、試してみようかと」

「――“明石印の包丁、良く切れ長持ち! 今なら二本で何と一万円!”……あそこ、本当に鎮守府なのかな……」




 確かに良く切れました。まな板とシンクごと切れました。当然クーリングオフしました。

742: 2014/09/10(水) 21:50:55.91 ID:hd5IM8UC0
~幸せオーラ~

「――どうしても一線が越えられないにゃ」

「はい解散解散」

「相談だと思ったらノロケとかやめて欲しいクマ」

「多摩は真剣に悩んでるのにゃ……」

「冗談ですよ冗談」

「球磨も妹の悩みを無下にする程薄情じゃないクマ」

「どうしたらいいと思うにゃ?」

「具体的に何で一線が越えられねぇのかの理由を教えてもらわないと、何とも言えねぇですよ」

「キスしてギュッてするだけで満足して幸せそうに寝ちゃうのにゃ……」

「一緒に居るだけで満足しちゃってる様な節は確かにあるクマ。でも、キスはしてるだけまだマシかもしれないクマ」

「多摩からもっと押してみたらどうですか?」

「あの幸せそうな顔見てるとそういう気になれなくて、気付いたら多摩も抱き着いて寝ちゃってるのにゃ……」

「コレまた厄介な……」

「いっそチャイナドレスとか際どい下着姿とかで迫ってみたらどうクマ? いくら提督でもそういう気分になるはずだクマ」

「……気は乗らないけど、試してみるにゃ」




 翌日、多摩は提督の部屋から出てきませんでした。

753: 2014/09/12(金) 20:21:32.66 ID:a6YCYBXw0
~取り調べ~

「――それで? 昨日はご主人様が至福の顔してて、多摩がご主人様の部屋から出てこなかったのは、そういうことって認識でいいんですか?」

「さっさと白状して楽になるクマ」

「……黙秘するにゃ」

「今白状した方が身の為ですよ」

「何と言われようと黙秘するにゃ」

「――もしもし、球磨だクマ」

「ど、どこに電話してるのにゃ……?」

「元帥ですよ」

「話す、話すにゃ! だから今すぐ電話切るにゃ!」

「じゃあ早速話してもらうクマ」

「で、電話してたんじゃないのにゃ?」

「さっきのは嘘だクマ、でも話してくれないならホントにかけるクマ」

「……にゃ」

「?」

「アイツと夜戦したにゃ! コレでいいのにゃ!?」

「漣、急いで赤飯炊くクマ!」

「了解! 球磨は鯛買ってきて下さい!」

「分かったクマ!」

「……な、何なのにゃ?」




 頭上にハテナを浮かべた提督と、真っ赤な多摩と、ニヤニヤした二人と、ご馳走にご機嫌な猫で、その日は細やかなお祝い会となりました。

761: 2014/09/13(土) 19:37:18.65 ID:nWbx8wyy0
~新たな秘密~

「――何とかなりそうクマ?」

 ――うーん……材料費も相当かかるし、かなり難しいよ? 大丈夫?

「頑張るクマ、お金は足りなかったらバイト増やすだけだクマ」

 ――どうやら何言っても無駄みたいだね……。よし! オジサンも一肌脱ごうじゃないか!

「ありがとうだクマ」

 ――いいよ、他ならぬ球磨ちゃんの頼みだからね。




「――って訳だクマ、漣にも協力して欲しいクマ」

「予算、大丈夫なんですか?」

「コツコツ貯めたバイト代もあるし、なんとかするクマ」

「……分かりました、私もちょっと本気を出すとしましょうか」

「二人には絶対にバレないように注意して欲しいクマ」

「言われなくても分かってますよ、当日まで一切悟らせないようにします」

「じゃあ頼んだクマ」

「えぇ、絶対に成功させてやります」




 静かに、密かに、計画進行中。

762: 2014/09/14(日) 17:18:31.77 ID:Nm6mgUM90
~にゃー~

「にゃー」

 ――にゃー。

「うにゃー」

 ――にゃー?

「にゃー」

 ――にゃーお。

「にゃ」

「――お話中?」

「猫語なんか分からないにゃ」

「分かったら楽しいのにね」

「分からないから良いってこともあるにゃ」

「確かにそうかも」

「……ごめんにゃ」

「何? 急にどうしたの?」

「“艦娘”で、ごめんにゃ」

「あぁ、この前聞いた話のこと? “艦娘には子供は産めない”って」

「多摩じゃ、お前に子供を抱かせてあげられないにゃ」

「うん、そうだね。多摩君に似た可愛い子供が見られないのはちょっと残念かな」

「……ごめ――」

「でも、多摩君が居れば僕はそれで幸せだから、謝らないで。そんな風に悲しい顔される方が、僕としては辛いかな」

「……やっぱりお前はバカにゃ」

「多摩君と居れるならバカでも何でもいいよ。それに――」

 ――にゃー?

「“家族”ならこの子も含めて三人も居るし、ね?」

「……邪魔者が二人も居るにゃ」

「うーん……たまに気を利かせて二人っきりにしてくれるし、多少は大目に見てあげてくれない?」

「お前が言うなら大目に見てやるにゃ」

「――ところで多摩君、今日は二人とも遠出してるらしいよ」

「知ってるにゃ」

「それでね、仕事もさっき片付けてきちゃったんだ」

「っ!? ちょ、ちょっと待つにゃ、今から多摩は昼寝しようかと思って――」

「好きだよ、多摩君」

「……卑怯にゃ」




 提督と多摩が(ニャーーーーーーーーーー)猫の妨害によりここから先はお届け出来ません。

769: 2014/09/15(月) 22:59:33.98 ID:quJzgckM0
~前〇今×~

(あー……シャワーでちょっとスッキリしよ)

「……ご主人、様?」

「――え?」

「何入って来やがってんですかー! 出てけー!」

「ごめん! すぐ出てくから許してー!」

「はぁ……はぁ……また札かけ忘れてましたね、しっかり確認しないと」

 ――あの、多摩君、今のはわざとじゃ……。

 ――問答無用にゃ!

 ――痛い痛い痛い痛いぃぃぃ!?

「――バカップルはほっといて、さっさとお風呂入りますかね」

 ――何で漣なのにゃ!

 ――別に狙ってやってないからね!?

 ――入りたいなら入りたいって言えば一緒に入ってやるにゃ!

 ――流石に二人は狭くない?

 ――そういう問題じゃないにゃー!

(……一回マジで爆発してくれませんかね、あの二人)

776: 2014/09/17(水) 00:10:21.28 ID:5NMdlgvo0
~またまた引いちゃいました~

「球磨君、大丈夫?」

「大丈夫じゃないグマーじぬグマー」

「余裕ありそうですし、大丈夫じゃねぇですか?」

「またどうせ腹出して寝てたのにゃ」

「今はちゃんと服着て寝てるグマー……」

「どうしよう、今なら少しは余裕あるから風邪薬買う? それとも、また僕がアレ作ろうか?」

「アレはぜっっっったいに飲まないグマー……」

「軽くトラウマになってますね」

「あの後少し匂い嗅いでみたら、鼻曲がりそうだったにゃ……」

「うん、じゃあやっぱり風邪薬買おう。漣君、明石さんとこに電話してくれる?」

「了解です」

「多摩君はお水お願い、だいぶ減ってきたし」

「分かったにゃ」

「――さて、二人とも行ったみたいだし、今のうちに聞かせてくれない?」

「何の話グマー……?」

「バイト、増やしてるよね? それに最近は寝るのもかなり遅いんじゃない?」

「……提督には関係無いグマ」

「関係あるよ、あまり心配させないでね」

「提督は多摩に優しくしてりゃいいグマ、球磨の事なんてほっといていいんだグマ」

「――流石に僕も怒るよ、それ以上言うと」

「……ごめんグマ」

「言いたくないなら無理に言わなくていいけど、何か困ってるならちゃんと相談してね」

「困ってる訳じゃないから大丈夫だグマ、そこは安心して欲しいグマ」

「……そっか、でも今回みたいに風邪引いて倒れるようなら、バイト減らしてもらうからね」

「了解グマ」

「うん、約束だよ。――そういえば球磨君、僕に何かして欲しい事ある?」

「……頭」

「頭?」

「頭、撫でて欲しいグマ」

「うん、いいよ」

「――やっぱり提督に撫でられると落ち着くグマ」

「しっかり休んで、早く治そうね」

「了解グマ」

(……尚更、頑張らない訳にはいかなくなったクマ)




 この後戻ってきた二人も含めて、暫く撫でさせられました

778: 2014/09/17(水) 22:05:52.78 ID:5NMdlgvo0
~映画やるので~

「ただいまだクマー」

「お帰り球磨君」

「お帰り、にゃ」

「多摩は何してるクマ?」

「ホラーゲームだよ」

「にゃー! コイツしつこいにゃー!」

「多摩、フィルムを赤いのにしてみるクマ。そいつ自動回復するからケチったらじり貧だクマ」

「道理で体力減らないと思ったにゃ……」

「球磨君は当然やってるんだね」

「それ球磨が買ったんだから当然だクマ。無印と蝶と聲はやったクマ」

「あっ、球磨が穴に放り込まれたにゃ」

「その子球磨なんて名前じゃないクマ! 同じなのお姉ちゃんってとこだけだクマ!」

「あまり気持ちの良い終わり方じゃないね……」

「もう一つのエンディングは一応救いがあるクマ」

「じゃあもう一周頑張るにゃ」




「――ところで漣、何で部屋の隅で震えてるクマ?」

「何で三人とも平気なんですか怖くないんですか夜中にトイレ行けなくなったらどうしてくれんですか!?」

(意外な弱点発見だクマ……)

782: 2014/09/18(木) 13:06:12.94 ID:DOcKsXPL0
~漣のお料理教室~

「醤油ははどのぐらい入れたらいいのにゃ?」

「目分量です」

「みりんはどのぐらい入れたらいいのにゃ?」

「目分量です」

「……教える気あるのにゃ?」

「手順覚えりゃ味付けなんて適当でいいんですよ。味見せずに作るわけじゃねぇんですから」

「適当って言ってる割にいつも味付け完璧な気がするにゃ」

「調整出来ない程失敗しない限り、味付けが変わるなんて普通有り得ねぇですし」

「それは料理が上手だから言えることだと思うにゃ……」

「多摩だって下手って訳じゃねぇんですから、そのうち同じように作れるようになりますよ」

「頑張るにゃ」





 その日の夕飯は冷め切ったものが食卓に並びました。

「冷めなきゃ味見出来ないにゃ」

「温め直せばいいじゃねぇですか!」

793: 2014/09/18(木) 19:08:43.87 ID:DOcKsXPL0
~おや? 多摩のサイズが~

「キツいにゃ……」

「幸せ太りクマ」

「太るっていうより、単純に大きくなっただけじゃねぇですか?」

「困るにゃ、新しく買うお金なんか無いにゃ」

「流石に着けずに生活ってのは無理でしょうし、お金出しますから買ってきやがって下さい」

「助かるにゃ」

「く、球磨も実はサイズが……」

「妹に負けたからって見栄張るんじゃねぇですよ」

「姉としてそこは負けたくなかったクマー……」

「別に多摩は大きくなっても嬉しくないにゃ」

「それ、嫌みですか? ここ半年全然成長しない私への嫌みですか?」

「漣、怖いにゃ。目がマジにゃ……」

「はぁ……とりあえずさっさと買ってきて下さい。ご主人様の前でノーブラはマズイですし」

「了解にゃ」




(何でいつも僕はこう間が悪いんだろうなぁ、多摩君と顔が合わせづらくなるよ……)

 ついつい視線が胸に行き、目が合うと逸らすを暫く繰り返す提督でした。

794: 2014/09/21(日) 08:49:27.59 ID:eVYxXpQm0
~多摩と多摩~

「おはようにゃ」

「うん、おはよう。――ところで、君は誰?」

「多摩は多摩にゃ」

「僕の恋人の多摩君はどこなのかな?」

「……何でバレたのにゃ?」

「大事な人だからね、すぐに分かるよ」

「――ドッキリ、失敗クマ」

「ご主人様を少し舐めてましたね、ここまで早いのは想定外でしたよ」

「だから言ったのにゃ、こんなことしても無駄なのにゃ」

「なかなかこっちの提督も鋭いところあるのにゃ」

「あはは、多分球磨君と漣君が入れ替わっててもすぐに気付くよ」

「向こうの球磨もきっと優秀クマ、そう簡単にはいかないはずだクマ」

「私はすぐに口調でバレちまいますね」

「じゃあそろそろ戻るにゃ、バイバイにゃ」

(――四足歩行出来るんだ、向こうの多摩君……)




 百人居ても見付け出せます。

797: 2014/09/21(日) 11:31:36.40 ID:eVYxXpQm0
~スカート~

「そういえば多摩君って、スカート履かないの?」

「スースーして落ち着かないのにゃ」

「試しに一日履いてみない?」

「……見たいのにゃ?」

「うん、見たい」

「……分かったにゃ、ちょっと待ってるにゃ」




「――コレで満足かにゃ?」

「いつものも似合ってるけど、スカート姿も可愛いね、うん」

「褒めても何も出ないにゃ」

(デレ顔は出てますけどねー)

(コーヒー飲みたくなったクマ)

「そういえば球磨君も普段絶対にスカート履かないよね、姉妹で履いてみない?」

「クマ!? え、遠慮するクマ」

「――多摩、拘束」

「了解にゃ」

「ちょっ、やめるクマ! 離すクマ!」

「ご主人様が見たいって言ってんですから履きゃいいんですよ」

「その目は球磨で遊ぼうって目だクマー!」

「人聞きが悪いですねぇ、ちょっと化粧もついでにするだけです」

「上も着替えさせるにゃ」

「球磨は着せ替え人形じゃないクマーーー!」

「……悪いことしちゃったかな?」




 仕上がりが完璧すぎて微妙な顔をした二人と、恥ずかしそうにモジモジする球磨と、以前同様一瞬見惚れて言葉を失う提督でした。

798: 2014/09/21(日) 11:35:56.67 ID:2SqoLUDdO
乙です

球磨ちゃんをおもちゃにするのはやめるクマー!w

799: 2014/09/21(日) 12:32:36.77 ID:bWNFrLoao
乙です


引用: 【艦これ】多摩「こんな鎮守府すぐに出ていくにゃ!」