901: 2014/10/12(日) 20:31:47.65 ID:OQJjdDKs0


前回はこちら

~デートするにゃ~

「って言われたんだけど、どこ行けばいいかな……?」

「それを球磨達に聞いてどうするクマ」

「猫カフェにでも連れて行って多摩をほったらかしにして険悪なムードになるとかオススメですよ、ご主人様」

「むしろ多摩君が夢中で僕が放置される可能性があるね、それ」

「最近猫好き隠さなくなりましたしねぇ……」

「定番コースで映画とか遊園地とか行けばいいクマ」

「映画はほら、多摩君が気になって集中出来ないし、遊園地は乗り物に酔うし……」

「うわー、ご主人様ちょーめんどくさーい」

「漣君、そんな満面の笑みで言わないでくれないかな?」

「水族館とかどうクマ?」

「“見る”より“食べる”じゃないかな、多摩君の場合」

「もういっそあきつ丸さんところの鎮守府に行けばいいんじゃねぇですか? あそこ色々ありますし、食事も美味しいって評判ですし」

「あっ、それいいかもしれないね。ありがとう漣君」

「行くんならお土産にドイツのパン買ってきてくださいねー」

「球磨は間宮クッキーがいいクマ」

「うん、分かったよ」




 那珂ちゃんのステージに特別招待されたり、青葉の撮った写真を貰ってデートは大成功しました。
艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 艦娘型録

905: 2014/10/13(月) 19:20:42.41 ID:/d+yt36r0
~追い付かれた~

「か、匿って欲しいであります!」

「あきつ丸さん? どうされたんですか?」

「説明は後であります!」

(あきつ丸さんがこれだけ焦ってるってことは……アレ、ひょっとしてこのままだと僕も巻き添えでヤバい?)

「――失礼します」

「えーっと、どちら様ですか?」

「申し遅れました、私は大淀といいます。赤城さんとあきつ丸がいつもお世話になっています」

「あっ、あきつ丸さんのところの方でしたか」

「はい、今日は彼女がバイトを放棄して逃げたので迎えに来ました」

「バイトって、いつもの視察ですか?」

「そうです。週六は多いので週五にしたんですが、それでも多いと……」

(あー……働きたく無いっていつも言ってたもんなぁ……)

「――あきつ丸、居るのは分かってますよ。発信器を服に縫い付けてありますから」

「普通そこまでするでありますか!?」

「あっやっぱりここでしたか。発信器は嘘ですから安心して下さい。さぁ、帰りますよ」

「もう暫く働きたくないであります! ゴロゴロしてたいであります!」

「秘書艦日リストから五年ぐらいあきつ丸を抜きましょうか?」

「それはもっと嫌であります! せ、せめて週四に……」

「いいでしょう。では、早速こちらに向かって下さい」

「やっぱり大淀は鬼であります……」

「それでは私達はコレで失礼します。またこちらの鎮守府にも気軽に遊びに来て下さいね」

「は、はい、そうさせてもらいます」

「提督殿、多摩としっかり仲良く過ごすでありますよ」

「言われなくてもそのつもりです」

 ――大淀も早くケッコンカッコカリしたらどうでありますか?

 ――異動拒否の理由に使われるのは嫌だと断られてしまいました。

 ――それは誰でも断ると思うであります……。

(あっちの提督さん、色々苦労してるんだろうなぁ……)




 多摩鎮守府提督と大鳳鎮守府提督の親密度が5上がった。

910: 2014/10/13(月) 23:00:25.10 ID:/d+yt36r0
~畑仕事中~

「ねぇ」

「はい、苗にゃ」

「あの」

「肥料ならそこにゃ」

「えっと」

「水なら腰にぶら下げてるにゃ」

「……多摩く――」

「土で汚れるにゃ、抱きつきたいなら後にするにゃ」

「うん、分かったよ」




「見てて面白いですね、アレ」

「二人とも作業速度が上がったクマ」

「着替える前に我慢出来ずに抱きつくにコロッケ」

「じゃあ着替えて出てきた多摩に即抱きつくにメンチカツクマ」




 正解は二人でお風呂に入るでした。

914: 2014/10/15(水) 23:18:39.08 ID:09bChvyq0
~まだ早い~

「球磨、ちょっと入る――」

「目潰しクマ!」

「ふにゃぁぁぁぁぁっ!? 目が!? 目がぁぁぁぁっ!?」

「ふぅ……危ないところだったクマ」

「危ないのは球磨にゃ! 何するにゃ!」

「急に入ろうとするからだクマ」

「だからって目潰しはやり過ぎだにゃ」

「で、何の用だクマ?」

「アイツと出かけてくるにゃ。晩御飯いらないって漣に伝えといて欲しいにゃ」

「了解クマ、行ってらっしゃいクマ」

「お、押さなくても出ていくにゃ」

「ごゆっくりだクマー」

「何かおかしいにゃ……っていうか見えないから行きようがないにゃ!」

「しばらくそこで目が回復するまで待つクマ」

「帰ってきたら覚えてるにゃ……」




「――めっちゃ焦ったクマ。コレ見られたら計画がパーだクマ」

「気を付けてくださいよ、私もそこら中に協力頼んでんですから今更バレましたじゃ済みませんからね?」

「分かってるクマ。完成まであと少し、頑張るクマ」

「まさかコレ作ってるとは思いもしないでしょうねぇ……」

「球磨は多摩のお姉ちゃんだクマ、最高の贈り物を用意するのが姉としての義務だクマ」





 計画、着々と最終フェーズへと移行中。

918: 2014/10/17(金) 03:25:07.03 ID:pDOZ0Dxr0
~二人でお出かけ~

「多摩君、今日は何が食べたい?」

「そうだにゃー……魚」

(今、考える素振りだけだったような……まぁいいや)

「美味しい定食屋さんがあるから、そこで魚系の定食食べよっか」

「了解にゃ」





「塩鯖か鯖の味噌煮、どっちが多摩君は好き?」

「甲乙つけがたいにゃ……」

「じゃあ両方頼んで半分ずつ食べよう」

「そうするにゃ」

「その代わり、あーんってしてくれる?」

「して欲しいなら今すぐ腕にあーんってしてやるにゃ」

「それ、意味違うよ多摩君……」




「ふぅ……お腹いっぱいで満足にゃ」

「気に入ってもらえてよかったよ」

「次はどこに行くのにゃ?」

「そうだなぁ、ちょっと日用品でも見に行かない?」

「じゃあついでにチビ達のお皿とかも見たいにゃ」

「あーそのうちいるもんね。あの子たちの食費も結構かかるし、もっと頑張らないといけないかな」

「多摩も頑張るにゃ」




「大体必要なものは揃ったかな?」

「何か普通に買い物しちゃったにゃ……」

「あはは、流石にコレ持ってこれ以上はどこか行くのは厳しいね」

「そうと決まればとっとと戻るにゃ」

「――ねぇ、多摩君」

「何にゃ?」

「何か、幸せだね」

「こんな可愛い彼女が居て不幸せとか言ったら八つ裂きにするにゃ」

「じゃあ八つ裂きにされる心配は無さそうだから安心安心」

「……多摩も、お前とこうしてただ居るだけで、幸せにゃ」

「……うん、ならずっと二人とも幸せでいられるね」




 結んだ手は、固く、強く、ほどけることはない。

921: 2014/10/18(土) 21:07:09.02 ID:mmx+jG/60
~漣のウサギ~

「いつ来ても漣の部屋は凄いクマ」

「また増えてる気がするにゃ」

「ご主人様が定期的に持って帰って来たり、買ってくるんですよ。流石にそろそろ置き場所に悩みますがねー……」

「じゃあ球磨が一つ――」

「持ってったらぶっ飛ばしますよ?」

「冗談だクマ、だからその握り拳下ろすクマ」

「……漣の方が、多摩より貰ったモノの数多い気がするにゃ」

「ご主人様自体を貰ってんですから、贅沢言うんじゃねぇですよ」

「今度、猫の縫いぐるみねだってみようかにゃ……」

「鎮守府が猫の縫いぐるみだらけになりかねないクマ」

「縫いぐるみなんて無くても、本物の猫が居るじゃねぇですか」

「それはそれ、これはこれにゃ」

「そういえば、提督は今何してるんだクマ?」

「アイツなら――」




「すぅ……すぅ……」

 ――くー……くー……。




 ソファーで居眠りする提督の上は、子猫の絶好の寝床でした。

922: 2014/10/19(日) 22:39:25.92 ID:nngwKrKr0
~収入が安定してきたので~

「今まで連絡とか不便だったから、助かるね」

「使いすぎたらその分は馬車馬の様に働いて貰いますんで、ご利用は計画的にお願いしますねー」

「多摩はカメラぐらいしか使わないにゃ」

「球磨は無料アプリでゲームするだけクマ」

「僕達の使用用途だと、大体基本料金で済みそうかな」

「貧乏性が四人とも染み着いちゃってますんでね……」

「チビ達、そこに並ぶにゃ」

 ――にゃー。

「コラ、擦り寄ってきたら撮れないにゃ」

「多摩君、撮るなら何かで気を惹くか、寝てる時を狙わなきゃ難しいよ」

「鮭捕り名人にハニースティール、ハニー割りをインストールクマ」

「(あの不細工ウサギの待ち受け……一応コレにしときますか)」

「(――今が狙い目かな? よし)」

「……今、シャッター音が聞こえた気がするにゃ」

「奇遇クマ、球磨も聞こえたクマ」

「ご主人様ー? ちょーっとそのスマホ貸して頂けますかー?」

「暗証番号の設定とロック完了、っと。皆の写真、待ち受けにさせてもらうね」

「撮り直しを要求するにゃ!」

「髪の毛ちょっと跳ねてるクマー!」

「何で煎餅かじってるタイミングで撮ったんですかっ!」

「ほら、自然体が一番だと思わない?」

「思わないにゃ」

「思わないクマ」

「思いませんねー」

「えぇー……」




 消したように見せかけておいて、密かにコピーして保存しました。

923: 2014/10/19(日) 23:07:01.23 ID:nngwKrKr0
忘れてた、子猫の名前は

アカミ、キミ、シロミ、アラ

です

○○○まで後、数話

927: 2014/10/22(水) 00:57:35.42 ID:DzEXkhqD0
~そういう気分~

「えっと、多摩君?」

「何にゃ?」

「座り心地悪くない?」

「お構い無くにゃ」

「うーん……これは僕はどうしたらいいのかな?」

「大人しく乗られてればいいにゃ」

「そっかぁ……お腹、撫でちゃダメ?」

「猫じゃないにゃ」

「じゃあアゴ?」

「だから猫じゃないって言ってるにゃ」

「子猫達が乗ってるの、羨ましかったの?」

「そ、そんなことないにゃふっ!? コラ、やめるにゃ!」

「お腹スベスベだね」

「だからダメだって言ってるにゃ!」

「だって、前に撫でて欲しいってお腹出してたし」

「あ、あの時とは色々状況が違うのにゃ……」

「あはは、じゃあイタズラはこのぐらいにして――おいで」

「……にゃ」




 ソファーで抱き合って寝ている二人を見付け、球磨は毛布を取りに行き、漣はスマホを取り出しましたとさ。

929: 2014/10/22(水) 22:29:46.52 ID:DzEXkhqD0
~完成~

「で……出来たクマー!」

(す、凄すぎて何も言えねー……)

「漣、他の準備はどうなってるクマ?」

「場所、日取り、招待状、オールオッケーです」

「赤城さんと加賀さんは何て言ってたクマ?」

「“三秒あれば十分です”、って言われました」

「やっぱりあの二人恐ろしいクマ……」

「元帥が何かやらかさないか不安でしたけど、今回ばかりは自重してくれたみたいですし」

「多分、何かやろうとして卯月に絞められただけだと思うクマ」

「そっちの方があり得そうですねー……」

「提督と多摩が気付いてる素振りも無いクマ。このまま任務を完遂するクマ」

「漣の本気は当日の準備まで温存ですね。間宮さん達と同じ厨房に立って作れるとか胸熱ですよ」

「セッティングは任せるクマー」

「――二人の為に」

「――家族の為に」

「「最高のサプライズを!」」




 始まる宴、終わる物語。

941: 2014/10/29(水) 15:54:21.74 ID:P831hbSR0
~仮面の女に艦娘が連れ去られる事案が発生~

(玉葱と玉蒟蒻と揚げ玉? 漣は一体何作るつもりなのにゃ……)

「――対象を確認、目標を捕獲します」

「やり過ぎないように注意しないといけませんね」

「っ!? 多摩に何の用にゃ……?」

「答える必要は」

「ありません」

(速っ――)

「て……いと……」

「少し動きが鈍っているようですね、また演習の相手をするべきでしょうか」

「この子達はそれでいいんですよ、じゃあ行きましょう」

「――こちらブルー、作戦第一段階成功です」

(意外にノリノリね)

942: 2014/10/29(水) 15:54:47.86 ID:P831hbSR0
~仮面の集団が提督の服を脱がせる事案が発生~

(地図で示されてたのはここのはずだけど……)

「――来たか」

「貴方達が誘拐犯ですね、多摩君を返してください」

「その前に、そこの目隠しを着けるんだ」

「……分かりました」

「――よし、着けたらこっちへ来てもらおう。くれぐれも変な気は起こすなよ?」

「多摩君は、無事なんですね?」

「丁重にもてなしているから安心しろ」

「そうですか」

(不気味なぐらいに落ち着いてるな、もう少し焦っているかと思ったんだが……)

「念のために武器などを隠し持っていないか、脱がして改めさせてもらう」

「どうぞ、好きにして下さい」



「確認出来た。服はこちらが用意した物に着替えてもらうぞ、いいな?」

「はい」

「――よし、ではまたこちらについて来い」

「多摩君はどこですか?」

「焦らなくてもすぐに会わせてやるよ」

「そうですか」

(以前に自分がやられたことを、まさか他人にするハメになるとはな……まぁいい、これで仕上げだ)

「そこに扉がある、中に入って目隠しを取れ」

「そこに、多摩君が居るんですね?」

「あぁ、居るぞ――変わり果てた姿でな」

944: 2014/10/29(水) 15:57:05.65 ID:P831hbSR0
~仮面の女に艦娘が連れ去られる事案が発生~

(玉葱と玉蒟蒻と揚げ玉? 漣は一体何作るつもりなのにゃ……)

「――対象を確認、目標を捕獲します」

「やり過ぎないように注意しないといけませんね」

「っ!? 多摩に何の用にゃ……?」

「答える必要は」

「ありません」

(速っ――)

「て……いと……」

「少し動きが鈍っているようですね、また演習の相手をするべきでしょうか」

「この子達はそれでいいんですよ、じゃあ行きましょう」

「――こちらブルー、作戦第一段階成功です」

(意外にノリノリね)

945: 2014/10/29(水) 15:57:40.50 ID:P831hbSR0
~その報は陰謀~

「ご主人様ー!」

「大変だクマ! ヤバいクマ! 激ヤバだクマ!」

「ど、どうしたの?」

「多摩が誘拐されました!」

「あーゆうかい、ユウカイね……誘拐っ!?」

「そうだクマ! こんな脅迫状が送られてきたクマ!」

「――“提督に告ぐ、一人で指定の場所まで来い。警察や軍関係者に連絡したり、来ない場合は貴様の恋人の命は無いと思え”……漣君、球磨君、ちょっと行ってくるから留守番お願いしていい?」

「一人で行くんですか?」

「うん、そう書いてるし」

「大丈夫クマ?」

「うーん、大丈夫じゃないかな?」

「(意外に冷静ですね)」

「(落ち着きすぎな気がするクマ)」

「ねぇ、ちょっと聞きたいんだけど」

「何です?」




「――二人とも、僕に何か隠してない?」

946: 2014/10/29(水) 15:58:07.13 ID:P831hbSR0
~仮面の集団が提督の服を脱がせる事案が発生~

(地図で示されてたのはここのはずだけど……)

「――来たか」

「貴方達が誘拐犯ですね、多摩君を返してください」

「その前に、そこの目隠しを着けるんだ」

「……分かりました」

「――よし、着けたらこっちへ来てもらおう。くれぐれも変な気は起こすなよ?」

「多摩君は、無事なんですね?」

「丁重にもてなしているから安心しろ」

「そうですか」

(不気味なぐらいに落ち着いてるな、もう少し焦っているかと思ったんだが……)

「念のために武器などを隠し持っていないか、脱がして改めさせてもらう」

「どうぞ、好きにして下さい」



「確認出来た。服はこちらが用意した物に着替えてもらうぞ、いいな?」

「はい」

「――よし、ではまたこちらについて来い」

「多摩君はどこですか?」

「焦らなくてもすぐに会わせてやるよ」

「そうですか」

(以前に自分がやられたことを、まさか他人にするハメになるとはな……まぁいい、これで仕上げだ)

「そこに扉がある、中に入って目隠しを取れ」

「そこに、多摩君が居るんですね?」

「あぁ、居るぞ――変わり果てた姿でな」

947: 2014/10/29(水) 15:58:47.21 ID:P831hbSR0
~バレバレ~

「多摩君! 大丈……夫?」

「大丈夫じゃないにゃ、もう散々にゃ。いきなり捕まるしメイクされるしヒラヒラの動きにくいドレス着せられるしニヤニヤされまくるし、ほんっっっとうに最悪にゃ……」

「えーっと、あー、うん、そっか。うん、そっかそっか……え?」

「――タキシード、ちょっとは様になってるにゃ」

「多摩君は……あー何にも良い言葉が出てこないや……うん、凄く綺麗だ。惚れ直しちゃった」

「……ありがとにゃ」

『――ごほん、あーあー、提督ー多摩ーそろそろこっちの世界にカムバックするクマー』

 ――熱々だぴょん。

 ――キーッス! キーッス!

 ――静かにしないと口を縫い付けるわよクソ爺。

 ――曙ちゃん、ダメだよ。後で大事なお仕事があるし、それ終わってからね。

 ――終わってからもダメだと思う、多分。

「あはは、やっぱりこういう事だったんだね」

「気付いてたならさっさと迎えに来るにゃ、遅いにゃ」

「球磨君と漣君の態度でほぼ分かってたんだけど、万が一ってこともあったし、多摩君の無事を確認するまでは気を抜かない様にしてたから遅くなっちゃった」

『壁ドン初体験したクマ、多摩が絡むと提督怖いクマ……』

「一切焦りを見せんから、ナイフでも隠し持ってて急に刺されんじゃないかとこっちも肝が冷えたぞ」

「やっぱり貴方だったんですね」

「あぁ、さっき俺と一緒に居たのは初霜とあきつ丸だし、加賀と赤城もそっちに居る」

「加賀さんと赤城さんに多摩を捕まえさせるとかやり過ぎもいいとこにゃ」

「下手に抵抗されたら困るんでな、怪我もさせずに捕まえるにはあの二人が最適だったんだよ」

 ――赤城さん、今日はドレスなんですから食事は控えめに。

 ――そうですね、今日は腹八分目ぐらいにします。

「多目に作らせてるから列席者のは足りるはずだし、安心してくれ」

「あ、あはは……」

『とりあえず、入り口に突っ立ってないでこっち来るクマー』

「うん、それじゃあ行こうか」

「結構コレ恥ずかしいにゃ……」




 手を繋ぎ、一歩ずつ、一歩ずつ、前へ。

948: 2014/10/29(水) 15:59:22.87 ID:P831hbSR0
~祝福~

 ――多摩ちゃん、とっても綺麗だよ。

「ありがとにゃ、おばちゃん」

 ――兄ちゃん、多摩ちゃん泣かせたら俺達が黙ってねぇからな!

「精一杯頑張ります」

 ――今度二人で店に寄りな、色々サービスしてやるよ。

「絶対に行かせてもらうにゃ」

 ――若者の成長というのは、何より嬉しいものですな。

「山や畑、他にもたくさん助けて下さってありがとうございました。これからも色々協力させてもらいますね」

「やっと、でありますな。末永くお幸せに」

「くわえた魚は絶対に逃がさないにゃ」

「おい、魚って言われてるぞ」

「いいんです、最高の誉め言葉ですから」

「演習、またしに来るといいわ」

「き、気が向いたらにさせてもらいますにゃ」

「その手を離してはいけませんよ?」

「今回の一件でちょっと過保護になっちゃうかもしれません」

「息子を、よろしく頼みます」

「……はいですにゃ」

「娘泣かしたらいつでもうちに連れて帰るからね」

「自分が構いたいから無理矢理連れて帰る気でしょ、やめてね絶対」

「式に足りないものは元帥が用意したから安心するぴょん」

「足りないものって何にゃ?」

「もう無くさんようにな、コレは二人を繋ぐ絆の証でもあるからの」

「元帥……ありがとうございます」

「――多摩、ご主人様。私達からのサプライズ、喜んでもらえました?」

「心臓に悪いサプライズをありがとうね」

「後で覚えてるにゃ」

「結構苦労したんですよ? 球磨がドレス縫って、商店街の人達に頭下げて回って式開く資金援助してもらって、二人に内緒で関係者全員に招待状準備して、当日の段取りも念入りに一ヶ月前からチェックしてたんですから」

「……本当に、ありがとう」

「やり過ぎだにゃ」

「やる時は徹底的にやるのが信条なもんで、ほら、あそこで半べその牧師様が待ってますから行きやがって下さい」

「うん、また帰ってから色々話聞かせてね」

「玉葱と玉蒟蒻と揚げ玉で料理作らせてやるにゃ」

(……これからも見守らせてもらいますよ、ずっと)

949: 2014/10/29(水) 16:00:00.77 ID:P831hbSR0
~誓い~

「何で涙目なのにゃ」

「うるさいグマ、目にゴミが入っただけだグマ」

「何で牧師が球磨君なの?」

「妹の結婚式だからだクマ」

「訳が分からないにゃ……」

「いいから球磨の言葉に答えるクマー提督は多摩のこと好きクマ?」

「ちょっと待って、僕の知ってるのと違う」

「気にしちゃダメクマ、さっさと答えるクマ」

「いいのかなぁ……? はい、好きです」

「多摩は魚より提督のこと好きクマ?」

「多分、好きにゃ」

「はっきり答えるクマー」

「……好きに決まってるにゃ」

「提督、何があっても多摩を幸せにすると誓えるクマ?」

「誓うよ、絶対に幸せにする」

「多摩、どんなに苦労しても提督を支えると誓うクマ?」

「誓うにゃ」

「じゃあ提督、指輪を多摩に填めるクマ、今度は失敗するんじゃないクマ」

「うん、多摩君手出して」

「き、緊張するにゃ」

「――はい、填めたよ」

「……嬉しいにゃ」

「じゃあ熱いの一発かますクマー」

「せめてそこは誓いのキスって言おうよ……」

「いいから早くするクマ、花嫁がお待ちクマ」

(顔赤いし恥ずかしいんだろうなぁ、やっぱり多摩君は可愛い)

「……いつまで見てるにゃ、早くするにゃ」

「いつまででもこうして見てたいんだけど、ダメ?」

「何時だって傍に居るにゃ。見たけりゃ後で好きなだけ見ればいいにゃ」

「……うん、それもそうだね。――多摩君、愛してるよ」

「多摩も、愛してるにゃ」




 拍手と歓声、祝福の嵐の中、二人は少し見せつけるかの様な長い長いキスをした。

950: 2014/10/29(水) 16:01:58.56 ID:P831hbSR0
~宴~

「た、多摩君が見えない……」

「取り囲まれてますからね」

「妹があんなに祝われてお姉ちゃん嬉しいクマ」

「二人とも、今日は本当にありがとう。結婚式出来るなんて思ってもみなかったから」

「――“家族”なら、これぐらい当然ですよ」

「名実共に球磨は提督と家族になったクマ、アゴでこき使うから覚悟するクマー」

「――そこのバカ姉、多摩の旦那にそんなことしたら縁切るにゃ」

「クマ!? じょ、冗談だからにらまないで欲しいクマ……」

「あはは、球磨君いじめちゃダメだよ多摩君、あそこから戻ってこれたんだね」

「何とか脱出してきたにゃ、おばちゃんパワー恐ろしいにゃ……」

「今さらっと流しましたけど旦那って言いましたよね? 早速お熱いですねー」

「何にゃ漣、旦那だから旦那って言っただけにゃ、別におかしくないにゃ」

「横でその旦那さんが幸せのあまり昇天しそうな顔してるクマ」

「旦那……旦那かぁ……」

「コラ、だらしない顔するんじゃないにゃ」

「痛っ!? 多摩君、今日ぐらいは爪封印してよ……」

「旦那の躾は妻の仕事にゃ」

「妻……奥さん……」

「だから顔が緩んでるにゃ」

「痛いっ!?」

「結局あんまり前と変わりませんね、こりゃ……」

「今更何言ってるクマ」

「まぁいざとなったら頼れるっぽいですし、普段は尻に敷かれてもらっときましょうか」

「喜んで敷かれてる様な気もするクマ」

「ねぇねぇ多摩君、ちょっとクルッと回ってよ。後ろからも見たいし」

「こ、こうにゃ?」

「うんうん、やっぱり多摩君可愛い」

「コラ、抱き着くんじゃないにゃ!……そ、そういうのは後でいくらでも……」

「……人目憚らなくなってバカップル度が増した気がするんですが」

「幸せな証拠だと思って諦めるクマ。度が過ぎたらストップかければいいクマ」

「私は見てらんねぇので球磨に任せます。ちょっとお世話になった方々に挨拶してきますねー」

「了解クマ」

「ねぇねぇ多摩君、“あなた”って言ってみて」

「あ、あなた?」

「やっぱり球磨も見てらんないクマ……漣一緒に行くクマー」




 そして 夜が 更けていった!

951: 2014/10/29(水) 16:02:26.76 ID:P831hbSR0
「夢みたいだったね」

「最初は悪夢かと思ったにゃ」

「いっぱい、色んな人に恩返ししなきゃいけないね」

「二人で、ゆっくりしていけばいいにゃ」

「――多摩」

「何……にゃ?」

「うーん、呼び慣れるまでついつい“君”付けちゃいそうで大変かも」

「今まで散々呼べないって言ってなかったかにゃ?」

「……実は呼べた、って言ったら怒る?」

「あ・た・り・ま・え・にゃ」

「いひゃい、ひっはらはいへたみゃ」

「……理由を聞かせるにゃ」

「ちゃんと指輪を自分で用意して、贈ってからにしようかなって思ってたから」

「それ、待ってたら何十年先になってたのにゃ?」

「じゅ、十年後?――待って、今こうして呼んでるんだから許して」

「簡単には許さないにゃ。……許して欲しかったら、これまでの分取り戻すぐらいに名前呼んで欲しいにゃ」

「うん、多摩」

「……起きたら、夢だったとか無いにゃ?」

「大丈夫だよ、夢じゃない」

「――なら、夢じゃない証が欲しいにゃ」

「……うん、分かった」

952: 2014/10/29(水) 16:03:01.18 ID:P831hbSR0
 ――そして、月日は流れて……。





「漣、お腹空いたクマ」

「ちょっと待って下さいよ、食べ盛りが増えて作るの大変なんですから」

 ――にゃー。

 ――みゃーお。

「アカミ達も餌って言ってるクマ」

「そこにキャットフード置いてありますからあげてやって下さいよ」

「やれやれ、仕方無いクマ……」

 ――にゃー。

 ――うにゃー。

「ちょっ、待つクマ、爪立てて登ってくるんじゃないクマ!?」

「何遊んでんですか……」

 ――コラ、待つにゃー!

 ――走ると転ぶよー?

 ――お前もちょっとは焦るにゃ!

「あっちも賑やかですねぇ。まぁ、今に始まったことじゃねぇですが」

「漣、ヘルプ、ヘルプクマー!?」

「それにしても、今日も良い天気ですねー」

「たーすーけーてークーマー!?」




「危ないから戻るにゃ!」

「そうだよ、一人で外に出るのはまだ早いから、散歩に行きたいならお父さん達と行こうね」




「いやにゃ! こんなはたけしかないちんじゅふ、すぐにでていくにゃ!」




~完~

953: 2014/10/29(水) 16:06:22.75 ID:P831hbSR0
読んで下さった皆様、本当にありがとうございました

数々の感想やネタ振り、励みになりました

これにて一応本編は終わりとさせて頂きますので、ご意見感想質問などがあればどうぞ

958: 2014/10/29(水) 17:00:55.49 ID:Awg7a+mS0
乙乙

962: 2014/10/29(水) 17:51:51.95 ID:Zk/Hx3VJo
完結乙です

964: 2014/10/29(水) 18:00:46.42 ID:P831hbSR0
流石にやりつくしたので次スレはないです

ケッコンカッコカリ以降全部おまけのつもりだったので、最後のおまけを一応考えてます

過去の自スレとリンクってあんまり無かったのでやっちゃいました

球磨と漣と多摩が好きな提督を増やすのに貢献できたなら嬉しい限りです

次スレはハートフル(ぼっこ)ラブ(を奪い合う)ストーリーになります

974: 2014/11/02(日) 14:40:24.30 ID:YVgVZOeO0
~お・ま・け~

「――はい?」

「今、何て言ったクマ……?」

「だから、赤ちゃんが出来たのにゃ」

「多摩……想像妊娠するぐらい思い詰めてたんですね……」

「球磨はお姉ちゃん失格だクマ……」

「冗談じゃないにゃ、明石さんにもちゃんと診てもらったにゃ」

「――マジ、なんですか?」

「マジにゃ」

「た……た……大変だクマァァァァァァ!」

「ご、ご主人様はどうしてんですか?」

「アイツなら事態が呑み込めずにまだ固まってるにゃ」

「多摩、ゴートゥーベッド! ハリーハリーハリーだクマ!」

「大丈夫にゃ、まだ安静にしてなきゃいけないほどじゃないにゃ」

「妊娠……艦娘が妊娠……? ダメだ、深く考えたら負けってやつな気がします」

「奇跡だと思っとけばいいにゃ」

「何で多摩はそんなに冷静なんだクマ」

「良く分からないにゃ。でも、不思議と不安とかそういうの無いんだにゃ。――ただ、困ったことが一つだけあるにゃ」

「困ったこと?」




「艤装、装備出来ないっぽいにゃ」

975: 2014/11/02(日) 14:40:56.53 ID:YVgVZOeO0
「孫! 孫!」

「ゆ、ゆらさ、ゆら……」

「猛獣呼んだの誰!? 早く檻に入れなきゃ多摩がっ!」

「母さん、そのぐらいにせんと多摩さんの身体に悪い。初孫は元気に産んで欲しいだろ?」

「フシュー……フシュー……そうね、大事な身体だものね。仕方無いから産まれるまで漣ちゃん頂いていくわ」

「はぇ? い、いやちょっと!?」

「今晩はすき焼きを作ってちょうだいね?」

「ご、ご主人様助けて!」

「漣君……ごめんね?」

「この薄情者ぉぉぉぉ……」

「漣、尊い犠牲だったクマ……」

「多摩、大丈夫?」

「平気にゃ、ちょっと頭がグラグラしただけにゃ」

「……明石さんの診断だと、身体がほぼ人間になってるらしいね」

「みたいだにゃ」

「お願いだから、しんどかったり辛い時は絶対に言って。一人で動くのも出来るだけ控えて」

「大丈夫にゃ、無理はしないにゃ」

「球磨君、ちょっとロープ持ってきてくれる?」

「大人しくしてるからそれはやめるにゃ」

「球磨も安静にしてて欲しいクマ、本当に心配クマ」

「二人とも大袈裟にゃ。明石さんも艦娘じゃなくなった訳じゃないって言ってたし、そこまで大した問題じゃないにゃ」

「ダメ、絶対にダメ、多摩は今日から外出禁止、部屋から出るときは僕が絶対に付き添うから」

「まぁ待ちなさい。それじゃ多摩さんも息苦しくてかなわんだろ。ある程度は自由にさせてあげんと可哀想だ」

「でも、多摩に万が一何かあったら僕はっ!」

「ふぅ……親としてはそこまで想える相手に出会えたことを喜んでやりたいが、相手の気持ちを考えんような子供に育てた覚えはありゃせんぞ?」

「……ごめん、ちょっと頭冷やしてくる」

「んー、提督心配だから球磨もちょっと席外すクマ。ちゃんと多摩は大人しくしてるクマー」

「――すまんね多摩さん、この大事な時に」

「いいんですにゃ、多摩を大事に思ってくれてるからだって分かってますにゃ」

「あんな息子の姿を見ることになるとは、夢にも思っとりませんでした。我が息子ながら、難儀な奴です」

「正直めんどくさい部分はありますにゃ。でも、多摩の旦那はあの人以外に考えられないですにゃ」

「……幸せ者です、うちの息子は」

「幸せじゃなきゃ許されない身ですにゃ」

「そりゃ難儀だ、わっはっは」

976: 2014/11/02(日) 14:41:23.96 ID:YVgVZOeO0
「う……」

「う?」

「うま……」

「馬がどうかした?」

「産まれそうにゃ……」

「へーそっか、産まれるのかぁ……明石さん、明石さんに連絡! 球磨君と漣君すぐ来てー!」

「何かお腹の中で主砲撃たれてるみたいな気分にゃ……」

「お、おおおお落ち着いてね多摩」

「お前見てたら何か落ち着くにゃ、色んな意味で」

「どうしたんですそんなに騒いで」

「お腹蹴ったとかは聞き飽きたクマ」

「う、う、うま」

「馬?」

「桜肉はちょっとすぐには手に入らないクマ」

「う、うま、産まれそうなんだって!」

「馬礼装?」

「馬レース王クマ?」

「だから……産まれそうなのにゃ……出産にゃ、出産……」

「ほぅほぅ出産ですか、それは大変で、す……ね?」

「い、い、医者はどこだクマー!?」

「ボケてないで早く明石さん呼んで欲しいにゃ……」

「えーっと明石さんの携帯は119でしたっけ!?」

「違うよ、110だよ!」

「何言ってるクマ! 117に決まってるクマ!」

(コレは……ダメかもしれない……にゃ……)




 偶々来た母親の的確な指示により事なきを得ました。

977: 2014/11/02(日) 14:41:52.30 ID:YVgVZOeO0
「――子供も“多摩”、ですか?」

「えぇ、間違いないです」

「えっと、僕の奥さんはその場合どういうことに……?」

「どっちも多摩であることに変わりはありません。でも、“艦娘”としての能力はほとんど子供さんの多摩の方に受け継がれちゃってます」

「それについてどういった問題点があるか、聞かせて下さい」

「子供さんの方は成長速度が分からないのと、力の制御がどの程度出来るか不明です。奥さんの方は……正直、人間と大差無い身体になったと言って差し支えありません。艤装も装備出来ないようですし、恐らく修復材の効果も……」

「……戦えない、ということですね?」

「今は深海棲艦もおとなし――いえ、深海棲艦の脅威も無いので戦えなくても大丈夫だとは思います。ただ、こういったケースを軍がどう考えるかが気掛かりではありますけど……」

「それは何とかしてみせます」

「ふふ、もうすっかりお父さんの顔になってますね」

「守らなきゃいけないものが、増えましたから」

978: 2014/11/02(日) 14:42:21.69 ID:YVgVZOeO0
「ふしゃー」

「ねぇ多摩、何で僕は威嚇されてるの……?」

「多摩に抱き着いてるからだと思うにゃ」

「お母さんは仲良く半分こしようよ子多摩」

「おかーさん、たまのにゃ」

「お父さんのでもあるんだよ?」

「ふしゃー」

「威嚇されても可愛くて和むなぁ……」

「洗濯物畳めないからいい加減二人とも一度離れて欲しいにゃ……」

979: 2014/11/02(日) 14:42:48.67 ID:YVgVZOeO0
「孫よ孫! アンタ、お小遣いに財布あげな!」

「これこれ、怯えるからやめなさい」

「ばーちゃ、じーちゃ、ごまんえんでいいにゃ」

「ほら、五万円出しな!」

「ふむ、仕込んだのは漣さんかな?」

(ギクッ!?)

「さぁぁぁざぁぁぁなぁぁぁみぃぃぃ……?」

「ちょ、ちょっと生活費苦しいから子多摩に一役買ってもらおうかなーなんて思いまして……ダメ、でした?」

「人の娘に何仕込んでんだにゃー!」

「だってマジで今月苦しいんですってばー!」

「やれやれだクマ……球磨のヘソクリから少し生活費出しとくクマ」

「くまねーちゃ、コロッケたべたいにゃ」

「じゃあ一緒に買いに行くクマ。肩車してあげるクマ」

「わーい、ありがとにゃ」

「あっ、球磨君。子多摩連れていくならコレでついでにお菓子でも買ってあげて」

「了解だクマ」

「おとーさん、いってきますにゃ」

「うん、行ってらっしゃい。球磨君から離れちゃダメだよ?」

 ――次余計なこと吹き込んだらアカミ達を部屋に押し込めるにゃ!

 ――ウサギコレクションがあるんですからやめて下さいよ!? もうしませんから!

980: 2014/11/02(日) 14:43:14.64 ID:YVgVZOeO0
「結局あれから何にも起きないにゃ」

「そうだね」

「お前、何かしたのにゃ?」

「ううん、僕“は”何もしてないよ」

「……あれから頻繁に赤城さんが来てるのは、お前が呼んでるのにゃ?」

「子多摩見に来てるだけだよ、きっと」

「ここの近くで、たまに戦闘した痕跡があるのを見かけるにゃ」

「……気のせいじゃない?」

「……そういうことにしといてやるにゃ」

「すにゃー……すにゃー……」

「――赤城さんがね、言ってたんだ。“貴方達の幸せな姿を見るのは、私にとっての幸せの一つなんです”って」

「……ご馳走、また漣達と作ってあげるにゃ」

「うん、きっと喜んでくれると思うよ」

「――多摩達は幸せにゃ」

「うん、幸せだね」




――――これからも、ずっと、幸せ。

981: 2014/11/02(日) 14:43:44.13 ID:YVgVZOeO0





 ――これは、一人の男が艦娘に恋をした、小さな小さな幸せの物語。





982: 2014/11/02(日) 14:45:33.12 ID:YVgVZOeO0
おまけ終了、これで本当に投下は最後です

次スレも導入が書けたらスレ立てますので、良ければまた見てくださると幸いです

それでは

984: 2014/11/02(日) 16:05:40.92 ID:uUGAAQC60
おつおつ
次も期待しております

引用: 【艦これ】多摩「こんな鎮守府すぐに出ていくにゃ!」