312: 2014/05/18(日) 22:34:28.77 ID:GuxGDBCAO
前回はこちら
酒匂「ぴゃあぁぁぁっ!」
卯月『ぷっぷくぷぅー!』
那珂「どっかぁーん!」
熊野「とおぉぉぉぉっ!」
金剛「バァァァァニングラァァァァブ!」
川内「やーせーんー!」
提督「組んだ俺が言うのもなんだがやかましい! もうちょい静かに戦え!」
酒匂「ぴゃあぁぁぁっ!? 砲塔が、砲塔が無い!」
提督「酒匂後退、ぶっ飛んだ砲塔探してうろつくな!」
卯月「うーちゃん、うるさくないっぴょん。うるさいのは自称アイドルだっぴょん」
那珂「あざとい兎に言われたくない! 那珂ちゃんは清純派アイドル路線から変更したりしないんだから!」
提督「ラッパ持ってきて吹いてて何言ってんだ兎! 那珂は清純派ってんなら夜中に人の部屋に忍び込んでスキャンダル捏造すんな!」
熊野「ドラム艦娘の名は伊達ではなくってよ!」
提督「普通の出撃にまでドラム缶持ってくんな! ドラム缶頭から被せんぞ!」
金剛「テートクゥ! ワタシの活躍から目を離しちゃダメデース!」
提督「旗艦なら艦隊まとめろ金剛! 時間と場所弁えてないのはお前だ!」
川内「やーーーせーーーんーーー!」
提督「太陽が真上にある時まで夜戦夜戦騒ぐな夜戦バカ!」
――――艦隊帰投。
提督「戦果は上々、お疲れー」
酒匂「今から酒匂とお部屋で司令はお昼寝ね、MVPのご褒美!」
提督「あぁもう今日はそれでいいわ……今日の指揮疲れたし……」
酒匂「“砲塔取れちゃったから、酒匂に司令の砲塔を――”」
提督「よし酒匂、誰に吹き込まれた」
酒匂「秋雲がこう言って司令を部屋に連れ込んで反応を聞かせてって」
提督「あぁぁぁきぃぃぃぐぅぅぅもぉぉぉ!」
酒匂「あっ行っちゃった……」
提督(やっぱりあんな疲れる艦隊組むんじゃなかった……ん?)
酒匂「すぅ……すぅ……」
提督(そっか、昼寝付き合ってやるって言ったんだったな……)
酒匂「酒匂……待ってる……ずっと……司令」
提督「……お疲れ、酒匂」
314: 2014/05/18(日) 23:51:03.70 ID:GuxGDBCAO
大鳳「いつも思うんだけど、三隈って必ず曲がり角に近付くと壁側に寄ろうとしてない?」
三隈「そ、そんなことなくってよ?」
大鳳(あからさまに嘘をついてるわね……)
三隈「――来ますわね」
?「うわっ!?」
三隈「あら、ごめんなさいもがみん」
最上「もうっ! これで衝突するの何回目だよ三隈!」
三隈「そういう運命だから仕方無いですわ」
大鳳(狙ってぶつかって抱き着いてるようにしか見えなかったのは気のせいよね)
最上「毎回言ってるじゃないか、端っこ歩いたら見えなくてぶつかるから真ん中歩いてって」
三隈「ちょっと最近忘れっぽくて、次からは気を付けますわ」
大鳳(衝突した回数覚えてる子が忘れっぽいってどんな冗談かしら)
最上「じゃあボクは遠征に行くから、またね」
三隈「えぇ、またねもがみん」
大鳳「――ねぇ三隈、絶対にわざとでしょ」
三隈「大鳳さん、何の事ですの?」
大鳳「そんなに衝突したいの?」
三隈「くまりんこっ?」
大鳳「小首を傾げて可愛く言っても騙されないわよ」
三隈「酷い言いがかりですわ、三隈はただもがみんのことが大好きなだけよ」
大鳳(この子も少し変わってるのねやっぱり……そういえば、くまりんことか言い出した時点で変だったわ)
最上「五月雨を集めて早し……って、芭蕉だっけ?」
三隈「そうですわ」
最上「ボクも激しく瑞雲を飛ばしてみたいよ」
三隈「日向さんの影響ですの?」
最上「もう少し乗せられればなぁ……」
三隈「大丈夫よもがみん。くまりんこともがみんの二人が力を合わせれば、航空戦艦にだって引けを取りませんわ」
最上「……そっか、じゃあボクと三隈の二人で頑張ろう」
三隈「えぇ、これからもよろしくね、もがみん」
最上「よろしく三隈。でも、もう衝突は勘弁してね?」
三隈「それは保証致しかねますわ」
最上「何で!?」
三隈「そ、そんなことなくってよ?」
大鳳(あからさまに嘘をついてるわね……)
三隈「――来ますわね」
?「うわっ!?」
三隈「あら、ごめんなさいもがみん」
最上「もうっ! これで衝突するの何回目だよ三隈!」
三隈「そういう運命だから仕方無いですわ」
大鳳(狙ってぶつかって抱き着いてるようにしか見えなかったのは気のせいよね)
最上「毎回言ってるじゃないか、端っこ歩いたら見えなくてぶつかるから真ん中歩いてって」
三隈「ちょっと最近忘れっぽくて、次からは気を付けますわ」
大鳳(衝突した回数覚えてる子が忘れっぽいってどんな冗談かしら)
最上「じゃあボクは遠征に行くから、またね」
三隈「えぇ、またねもがみん」
大鳳「――ねぇ三隈、絶対にわざとでしょ」
三隈「大鳳さん、何の事ですの?」
大鳳「そんなに衝突したいの?」
三隈「くまりんこっ?」
大鳳「小首を傾げて可愛く言っても騙されないわよ」
三隈「酷い言いがかりですわ、三隈はただもがみんのことが大好きなだけよ」
大鳳(この子も少し変わってるのねやっぱり……そういえば、くまりんことか言い出した時点で変だったわ)
最上「五月雨を集めて早し……って、芭蕉だっけ?」
三隈「そうですわ」
最上「ボクも激しく瑞雲を飛ばしてみたいよ」
三隈「日向さんの影響ですの?」
最上「もう少し乗せられればなぁ……」
三隈「大丈夫よもがみん。くまりんこともがみんの二人が力を合わせれば、航空戦艦にだって引けを取りませんわ」
最上「……そっか、じゃあボクと三隈の二人で頑張ろう」
三隈「えぇ、これからもよろしくね、もがみん」
最上「よろしく三隈。でも、もう衝突は勘弁してね?」
三隈「それは保証致しかねますわ」
最上「何で!?」
318: 2014/05/19(月) 09:00:49.50 ID:IdLtU1HAO
霞「曙、あのクズ司令官の事が嫌いならその服いらないでしょ。寄越しなさい」
曙「な、何言い出すのよ霞」
霞「何よ、不満なの!?」
曙「いくらクソ提督から貰ったものでも、人から貰ったものを誰かにあげていい訳ないでしょ」
霞(やっぱり簡単には手放さないわね……こうなったら――)
――――遠征。
霞「何よ、これだけじゃ全然足りないわ! もっと持って帰るわよ!」
――――出撃。
霞「沈みなさい沈みなさい沈みなさい沈みなさい沈みなさい!」
――――入渠。
霞「修復材よ修復材! のんびり入ってらんないわ!」
霞「はぁ……はぁ……はぁ……次よ次……」
提督「――おい」
霞「何よ、今忙しいから後にして」
提督「お前、一週間出撃も遠征も演習も禁止」
霞「ふざけたこと言ってんじゃないわよ! 何で私が!」
提督「俺がいつも言ってること、忘れたか? 疲労は抜け、休む時は休め、下らない理由で作戦に支障をきたすな」
霞「私がいつ、作戦に支障をきたしたってのよ」
提督「お前があんな簡単な作戦で一発喰らって帰って来るなんて、普段ならあり得ないんだよ。疲労も抜かずに出撃してるからだ、このバ霞」
霞「言うに事欠いてバカとは何よバカとは!」
提督「命令に従えないバカだろ。常に被害は最小限、且つ敵には甚大な被害を与える。こんな基礎を分からんお前じゃないはずだ」
霞「……そんなこと、言われなくたって分かってるわよ。でも、私にはこれぐらいしか褒めて貰えるような事が――」
提督「何時も通りでいいんだ。自信満々で弱気なんか見せず、俺にだって食って掛かるような強さが霞の持ち味だろ? お前がそんなんじゃ、艦隊の士気も下がる」
霞「……」
提督「意地張るなよ、甘えたいなら甘えていいんだ。お前が頑張ってるのは、ここに居る誰だって知ってる。俺にちょっと甘えるぐらい笑って許してくれるさ」
霞「……何よ、がむしゃらに頑張ってた私がバカみたいじゃない」
提督「だからそう言って――」
霞「うっさいわね! 一週間暇になったから買い物に付き合いなさいこのクズ!」
提督「お前といい、曙といい、ホントに素直じゃないよな」
霞「……こんな時にまで違う女の名前出すんじゃないわよ、バカ」
提督「何か言ったか?」
霞「言ってないわよ。耳までおかしくなったんじゃない、このクズ司令官」
提督(実は聞こえてたけど、黙っとくか)
曙「な、何言い出すのよ霞」
霞「何よ、不満なの!?」
曙「いくらクソ提督から貰ったものでも、人から貰ったものを誰かにあげていい訳ないでしょ」
霞(やっぱり簡単には手放さないわね……こうなったら――)
――――遠征。
霞「何よ、これだけじゃ全然足りないわ! もっと持って帰るわよ!」
――――出撃。
霞「沈みなさい沈みなさい沈みなさい沈みなさい沈みなさい!」
――――入渠。
霞「修復材よ修復材! のんびり入ってらんないわ!」
霞「はぁ……はぁ……はぁ……次よ次……」
提督「――おい」
霞「何よ、今忙しいから後にして」
提督「お前、一週間出撃も遠征も演習も禁止」
霞「ふざけたこと言ってんじゃないわよ! 何で私が!」
提督「俺がいつも言ってること、忘れたか? 疲労は抜け、休む時は休め、下らない理由で作戦に支障をきたすな」
霞「私がいつ、作戦に支障をきたしたってのよ」
提督「お前があんな簡単な作戦で一発喰らって帰って来るなんて、普段ならあり得ないんだよ。疲労も抜かずに出撃してるからだ、このバ霞」
霞「言うに事欠いてバカとは何よバカとは!」
提督「命令に従えないバカだろ。常に被害は最小限、且つ敵には甚大な被害を与える。こんな基礎を分からんお前じゃないはずだ」
霞「……そんなこと、言われなくたって分かってるわよ。でも、私にはこれぐらいしか褒めて貰えるような事が――」
提督「何時も通りでいいんだ。自信満々で弱気なんか見せず、俺にだって食って掛かるような強さが霞の持ち味だろ? お前がそんなんじゃ、艦隊の士気も下がる」
霞「……」
提督「意地張るなよ、甘えたいなら甘えていいんだ。お前が頑張ってるのは、ここに居る誰だって知ってる。俺にちょっと甘えるぐらい笑って許してくれるさ」
霞「……何よ、がむしゃらに頑張ってた私がバカみたいじゃない」
提督「だからそう言って――」
霞「うっさいわね! 一週間暇になったから買い物に付き合いなさいこのクズ!」
提督「お前といい、曙といい、ホントに素直じゃないよな」
霞「……こんな時にまで違う女の名前出すんじゃないわよ、バカ」
提督「何か言ったか?」
霞「言ってないわよ。耳までおかしくなったんじゃない、このクズ司令官」
提督(実は聞こえてたけど、黙っとくか)
324: 2014/05/19(月) 09:22:22.59 ID:IdLtU1HAO
~次回~
・憲兵さんの手が足りません
・はっちゃん、ドイツ語攻めに合う
・火遊び(物理含む)
の、三本でお送りします
提督「Mein Name ist Teitoku. Ich komme aus Japan.」
・憲兵さんの手が足りません
・はっちゃん、ドイツ語攻めに合う
・火遊び(物理含む)
の、三本でお送りします
提督「Mein Name ist Teitoku. Ich komme aus Japan.」
325: 2014/05/19(月) 10:14:49.81 ID:IdLtU1HAO
※艦娘は蟻装を付けた女の子ではなく、艦の魂が具現化した存在としてこのSSでは思って下さい
――――
電「司令官さん」
提督「どうした電、こんな時間に」
電「司令官さんは、戦争が終わったらどうするつもりなのですか?」
提督「……軍を、辞めるつもりだ」
電「そう、なのですね……」
提督「急にどうした、そんなこと聞いて」
電「戦争が終わった後、電達はどうなると思いますか?」
提督「……それを知ってどうする」
電「――解体処分、なのですよね?」
提督「っ!? どこで、それを……」
電「前の鎮守府で聞いたことがあるのです。“艦娘は今は必要不可欠な兵器だが、戦争が終われば不穏分子の塊を各鎮守府に与えているようなものだ。速やかに解体(鎮魂の儀により消滅)しなければならない。”……当然ですよね、電達は自分で動いて物を考える兵器なのです」
提督「……すまない」
電「いいのです。司令官さんは何も悪くないのです」
提督「俺がしてやれるのは、お前達が今を全員笑って過ごせる環境を作ることだけだ。平和の為に戦ったお前達に、平和の為に消えてくれと言わなければならない、その時まで……な」
電「――もしも、もしもなのです。電が戦争が終わっても解体されずに済んで、今よりも大きくなることが出来て、司令官さんの隣に立てるような女性になれたら……本物の指輪を、左手の薬指に嵌めてくれませんか?」
提督(もしも、か……)
電「ダメ、ですよね……こんな私なんかが――」
提督「返事、ちゃんとするからその時まで待ってろ」
電「はわわ……今撫でながらその笑顔をするのは、卑怯なのです……」
提督「全く……自分に氏ねといずれ言う男にそんな約束するとか、物好き過ぎるぞ」
電「そんなことはないのです。電が物好きならこの鎮守府の皆が物好きなのです」
提督「待て電、嫌な予感がする……」
電「じゃん拳で勝ち残って一番最初に言えるなんて、雪風よりも幸運なのです」
提督(まさか……まさかまさかまさかまさか!)
待機する艦娘一同「全員の告白、しっかり聞いてもらいます!」
提督(これ、戦争が終わったら違う戦争になったりしない、よな?)
提督「……やっぱり、あの作戦を実行するしか無いな……」
――――
電「司令官さん」
提督「どうした電、こんな時間に」
電「司令官さんは、戦争が終わったらどうするつもりなのですか?」
提督「……軍を、辞めるつもりだ」
電「そう、なのですね……」
提督「急にどうした、そんなこと聞いて」
電「戦争が終わった後、電達はどうなると思いますか?」
提督「……それを知ってどうする」
電「――解体処分、なのですよね?」
提督「っ!? どこで、それを……」
電「前の鎮守府で聞いたことがあるのです。“艦娘は今は必要不可欠な兵器だが、戦争が終われば不穏分子の塊を各鎮守府に与えているようなものだ。速やかに解体(鎮魂の儀により消滅)しなければならない。”……当然ですよね、電達は自分で動いて物を考える兵器なのです」
提督「……すまない」
電「いいのです。司令官さんは何も悪くないのです」
提督「俺がしてやれるのは、お前達が今を全員笑って過ごせる環境を作ることだけだ。平和の為に戦ったお前達に、平和の為に消えてくれと言わなければならない、その時まで……な」
電「――もしも、もしもなのです。電が戦争が終わっても解体されずに済んで、今よりも大きくなることが出来て、司令官さんの隣に立てるような女性になれたら……本物の指輪を、左手の薬指に嵌めてくれませんか?」
提督(もしも、か……)
電「ダメ、ですよね……こんな私なんかが――」
提督「返事、ちゃんとするからその時まで待ってろ」
電「はわわ……今撫でながらその笑顔をするのは、卑怯なのです……」
提督「全く……自分に氏ねといずれ言う男にそんな約束するとか、物好き過ぎるぞ」
電「そんなことはないのです。電が物好きならこの鎮守府の皆が物好きなのです」
提督「待て電、嫌な予感がする……」
電「じゃん拳で勝ち残って一番最初に言えるなんて、雪風よりも幸運なのです」
提督(まさか……まさかまさかまさかまさか!)
待機する艦娘一同「全員の告白、しっかり聞いてもらいます!」
提督(これ、戦争が終わったら違う戦争になったりしない、よな?)
提督「……やっぱり、あの作戦を実行するしか無いな……」
326: 2014/05/19(月) 11:12:43.84 ID:IdLtU1HAO
Z1「Was heisst du?」(訳:キミの名前は?)
8「ダ、ダンケ?」
Z1「Wie alt bist du?」(訳:何歳?)
8「ア、アハト……」
Z1「Ich liebe Teitoku.」(訳:ボクは提督が好きだよ)
8「フォ、フォイヤー!」
Z1「……Aufwiedersehen.」(訳:……またね)
8「――えっ、あの、はっちゃん何かした……?」
Z1「ごめんね、ボクはこれからボイラーの整備があるから」
8「うん……」
大鳳「ハチに嫌われた?」
Z1「名前を聞いたらダンケだって言うし、歳を聞いたら八歳だって言うし、提督が好きだって言ったら魚雷を撃つって言われた……ドイツ語で話しかけたのが悪かったのかな……」
大鳳(絶対に意味も分からず返事したわね……)
Z1「日本の艦娘にもドイツ語が出来る子が居るって聞いて、嬉しかったんだ。でも、まさか嫌われるなんて……」
大鳳「えっと、レーベ? 多分勘違いだから今から言うことをよく聞いてね?」
Z1「何だい?」
大鳳「今から五十鈴のところに行って――」
8(はっちゃん、本当は単語少ししか知らないし、怒らせるようなこと言っちゃったかな……)
Z1「――見付けた。こんなところにいたんだね」
8「あっレーベ……あの、怒ってる?」
Z1「怒ってないよ、ボクの方こそ急にドイツ語で話しかけてごめんね。お詫びにコレ、一緒に食べようよ」
8「シュトーレン……レーベ、実はあんまりはっちゃんドイツ語話せないの。だから、良かったら教えてもらえない、かしら」
Z1「うん。ボク、そう言ってもらえて嬉しいよ。じゃあまずは自己紹介の仕方から――」
大鳳(仲直り出来て良かったわ……でも、あんまりドイツ語ばっかり話されると何が何だか分からなくなって困りそうね……)
8「Feuer!」
Z1「うん、発音が綺麗になった」
8「Danke!」
8「ダ、ダンケ?」
Z1「Wie alt bist du?」(訳:何歳?)
8「ア、アハト……」
Z1「Ich liebe Teitoku.」(訳:ボクは提督が好きだよ)
8「フォ、フォイヤー!」
Z1「……Aufwiedersehen.」(訳:……またね)
8「――えっ、あの、はっちゃん何かした……?」
Z1「ごめんね、ボクはこれからボイラーの整備があるから」
8「うん……」
大鳳「ハチに嫌われた?」
Z1「名前を聞いたらダンケだって言うし、歳を聞いたら八歳だって言うし、提督が好きだって言ったら魚雷を撃つって言われた……ドイツ語で話しかけたのが悪かったのかな……」
大鳳(絶対に意味も分からず返事したわね……)
Z1「日本の艦娘にもドイツ語が出来る子が居るって聞いて、嬉しかったんだ。でも、まさか嫌われるなんて……」
大鳳「えっと、レーベ? 多分勘違いだから今から言うことをよく聞いてね?」
Z1「何だい?」
大鳳「今から五十鈴のところに行って――」
8(はっちゃん、本当は単語少ししか知らないし、怒らせるようなこと言っちゃったかな……)
Z1「――見付けた。こんなところにいたんだね」
8「あっレーベ……あの、怒ってる?」
Z1「怒ってないよ、ボクの方こそ急にドイツ語で話しかけてごめんね。お詫びにコレ、一緒に食べようよ」
8「シュトーレン……レーベ、実はあんまりはっちゃんドイツ語話せないの。だから、良かったら教えてもらえない、かしら」
Z1「うん。ボク、そう言ってもらえて嬉しいよ。じゃあまずは自己紹介の仕方から――」
大鳳(仲直り出来て良かったわ……でも、あんまりドイツ語ばっかり話されると何が何だか分からなくなって困りそうね……)
8「Feuer!」
Z1「うん、発音が綺麗になった」
8「Danke!」
335: 2014/05/19(月) 17:02:55.11 ID:IdLtU1HAO
提督「花火、か」
陸奥「風流でしょ? 浴衣が着られたら良かったんだけど……」
提督「一応夜間警備中だってこと、忘れるなよ?」
陸奥「あら、残念。提督は私の浴衣には興味ないのね」
提督「だから警備中だっての……」
陸奥「――綺麗よね、線香花火」
提督「あぁ、そうだな」
陸奥「そこはお前の方が綺麗だよ、とか返してくれるものじゃない?」
提督「俺にそんな歯が浮くようなセリフ求めるな」
陸奥「ホントにつれないわねぇ……提督には感謝しているわ。私の第三砲塔が何故か爆発するせいで厄介払いされたのを拾ってくれて」
提督「うちには明石と夕張がいるからな、整備不良はほぼ100パーセント無い」
陸奥「確かに、ここに来てから回数が減ったわ」
提督「未だに原因不明の爆発はあるがな」
陸奥「あの二人に匙を投げられるとは思わなかったわよ、壊れたら修理するからもう運命だと思って諦めてって……」
提督「幸い資源は腐るほどある、爆発しても気にするな」
陸奥「お気に入りの化粧ポーチとかが巻き込まれちゃうのが、悩みの種なのよね……」
提督「長門も気にしてやれ、アイツも駆逐艦ぬいぐるみ(鳳翔作)消し炭にされて肩震わせてたぞ」
陸奥「――ねぇ提督。いつもは火遊びしちゃダメって言ってるけど、今日は花火もしてることだし……私と一夜の火遊び、しない?」
提督「しない」
陸奥「提督も男なら、女性からの誘いをそんな無下にするものじゃないわ――よ!」
提督「おわっ!? こんなとこで押し倒す奴があるか!」
陸奥「あら、あらあら。提督も軍人なら女の子に力で簡単に負けちゃいけないわ」
提督「無茶言うな、駆逐艦ぐらいなら勝てるかもしれんが戦艦は無理だ」
陸奥「……今だけは、か弱い乙女として扱って、ね?」
提督(この時間に騒ぐのはアイツ等に悪いな……いやしかしこのままじゃ俺が危ない、どうするか……?)
陸奥「ビッグセブンは、身体もビッグセブン級よ」
提督「夜間警備忘れるな脱ぐな真面目にやらんと化粧落としで顔拭くぞ」
陸奥「どうせ乱れて汗掻いたら落ちちゃうもの、気にしないわ」
提督(目がマジだ……)
陸奥「じゃあ蟻装もちょっと――あら?」
提督「あっバカ、花火やってた場所に――」
――――フタサンマルマル。陸奥の第三砲塔に花火の火が引火、爆発。被害報告、陸奥大破、提督全治二週間。
陸奥「風流でしょ? 浴衣が着られたら良かったんだけど……」
提督「一応夜間警備中だってこと、忘れるなよ?」
陸奥「あら、残念。提督は私の浴衣には興味ないのね」
提督「だから警備中だっての……」
陸奥「――綺麗よね、線香花火」
提督「あぁ、そうだな」
陸奥「そこはお前の方が綺麗だよ、とか返してくれるものじゃない?」
提督「俺にそんな歯が浮くようなセリフ求めるな」
陸奥「ホントにつれないわねぇ……提督には感謝しているわ。私の第三砲塔が何故か爆発するせいで厄介払いされたのを拾ってくれて」
提督「うちには明石と夕張がいるからな、整備不良はほぼ100パーセント無い」
陸奥「確かに、ここに来てから回数が減ったわ」
提督「未だに原因不明の爆発はあるがな」
陸奥「あの二人に匙を投げられるとは思わなかったわよ、壊れたら修理するからもう運命だと思って諦めてって……」
提督「幸い資源は腐るほどある、爆発しても気にするな」
陸奥「お気に入りの化粧ポーチとかが巻き込まれちゃうのが、悩みの種なのよね……」
提督「長門も気にしてやれ、アイツも駆逐艦ぬいぐるみ(鳳翔作)消し炭にされて肩震わせてたぞ」
陸奥「――ねぇ提督。いつもは火遊びしちゃダメって言ってるけど、今日は花火もしてることだし……私と一夜の火遊び、しない?」
提督「しない」
陸奥「提督も男なら、女性からの誘いをそんな無下にするものじゃないわ――よ!」
提督「おわっ!? こんなとこで押し倒す奴があるか!」
陸奥「あら、あらあら。提督も軍人なら女の子に力で簡単に負けちゃいけないわ」
提督「無茶言うな、駆逐艦ぐらいなら勝てるかもしれんが戦艦は無理だ」
陸奥「……今だけは、か弱い乙女として扱って、ね?」
提督(この時間に騒ぐのはアイツ等に悪いな……いやしかしこのままじゃ俺が危ない、どうするか……?)
陸奥「ビッグセブンは、身体もビッグセブン級よ」
提督「夜間警備忘れるな脱ぐな真面目にやらんと化粧落としで顔拭くぞ」
陸奥「どうせ乱れて汗掻いたら落ちちゃうもの、気にしないわ」
提督(目がマジだ……)
陸奥「じゃあ蟻装もちょっと――あら?」
提督「あっバカ、花火やってた場所に――」
――――フタサンマルマル。陸奥の第三砲塔に花火の火が引火、爆発。被害報告、陸奥大破、提督全治二週間。
341: 2014/05/19(月) 17:23:41.37 ID:IdLtU1HAO
~次回~
・共に桜の丘で
・ながもん=長門
・木陰での一時
の、三本でお送りします
加賀「何故私じゃないんですか、頭に来ました」
・共に桜の丘で
・ながもん=長門
・木陰での一時
の、三本でお送りします
加賀「何故私じゃないんですか、頭に来ました」
343: 2014/05/19(月) 18:57:16.22 ID:IdLtU1HAO
提督「桜?」
菊月「あぁ、絶好の場所を見付けた」
提督「そうだな……最近は睦月型に遠征頼む機会も多かったし、いっそ全員で行くか」
菊月「無論だ、皆で共に行こう」
睦月「睦月、感激ー!」
如月「良い風ね……」
弥生「卯月、あんまり走ると、危ない」
卯月「うーちゃんはそんなにドジじゃないっぴょおぉぉぉぉん!?」
皐月「卯月!? ここはボクに任せて!」
文月「皐月ちゃ―ん、気を付けてねー」
長月「待て皐月、この長月も一緒に行くぞ!」
三日月「ちょっと皆、好き勝手に動くと危ないですよ!」
望月「元気だねぇ、私は昼寝でもしよっかな」
提督「相変わらず元気な奴等だ、一名除いて」
菊月「共に居ると退屈せずに済むぞ、童心に帰ることが出来る」
提督「十分見た目は子供なんだがな、菓子で喜ぶし」
菊月「うっ……別にいいだろう、私だって甘いものは好きなんだ」
提督「拗ねるな拗ねるな、悪いなんて言ってないだろ――で、何があった?」
菊月「聡いな」
提督「急にこんな場所に誘われたら、何かあると勘繰るもんだ」
菊月「――司令官。戦が終わったら、よもや姿を眩まそうなどと思ってはいないよな?」
提督「どうしてそう思った?」
菊月「あの告白の夜、司令官は何かを決意したような眼差しをしていた。それがどうにも頭から離れない」
提督「お前も聡いな、戦場でもその鋭さは有利に働くぞ」
菊月「はぐらかすな、何を考えている? 一人取り残されるぐらいなら、私も共に連れていってくれ」
提督「待て、俺は別に姿を消すつもりはない。確かにある決意はしたがな」
菊月「詳しく聞かせては……くれない、か」
提督「すまん。お前達を残して消えたりはしないが、確実性に欠けることを伝えて無駄に希望を持たせたくはない」
菊月「……その言葉、信じよう」
提督「悪かったな、不安にさせて」
菊月「そう思うなら、一つ、約束をしてくれないか?」
提督「……内容による」
菊月「――全てが終わった後、またここへ共に来てくれ」
提督「氏亡フラグみたいな約束だな」
菊月「こんな時に茶化すな」
提督「約束するまでもないってことだ。――来れるさ、何度だって」
菊月「……あぁ、いつの日かまた、この桜の丘へ」
――――必ず、二人で共に行こう。
菊月「あぁ、絶好の場所を見付けた」
提督「そうだな……最近は睦月型に遠征頼む機会も多かったし、いっそ全員で行くか」
菊月「無論だ、皆で共に行こう」
睦月「睦月、感激ー!」
如月「良い風ね……」
弥生「卯月、あんまり走ると、危ない」
卯月「うーちゃんはそんなにドジじゃないっぴょおぉぉぉぉん!?」
皐月「卯月!? ここはボクに任せて!」
文月「皐月ちゃ―ん、気を付けてねー」
長月「待て皐月、この長月も一緒に行くぞ!」
三日月「ちょっと皆、好き勝手に動くと危ないですよ!」
望月「元気だねぇ、私は昼寝でもしよっかな」
提督「相変わらず元気な奴等だ、一名除いて」
菊月「共に居ると退屈せずに済むぞ、童心に帰ることが出来る」
提督「十分見た目は子供なんだがな、菓子で喜ぶし」
菊月「うっ……別にいいだろう、私だって甘いものは好きなんだ」
提督「拗ねるな拗ねるな、悪いなんて言ってないだろ――で、何があった?」
菊月「聡いな」
提督「急にこんな場所に誘われたら、何かあると勘繰るもんだ」
菊月「――司令官。戦が終わったら、よもや姿を眩まそうなどと思ってはいないよな?」
提督「どうしてそう思った?」
菊月「あの告白の夜、司令官は何かを決意したような眼差しをしていた。それがどうにも頭から離れない」
提督「お前も聡いな、戦場でもその鋭さは有利に働くぞ」
菊月「はぐらかすな、何を考えている? 一人取り残されるぐらいなら、私も共に連れていってくれ」
提督「待て、俺は別に姿を消すつもりはない。確かにある決意はしたがな」
菊月「詳しく聞かせては……くれない、か」
提督「すまん。お前達を残して消えたりはしないが、確実性に欠けることを伝えて無駄に希望を持たせたくはない」
菊月「……その言葉、信じよう」
提督「悪かったな、不安にさせて」
菊月「そう思うなら、一つ、約束をしてくれないか?」
提督「……内容による」
菊月「――全てが終わった後、またここへ共に来てくれ」
提督「氏亡フラグみたいな約束だな」
菊月「こんな時に茶化すな」
提督「約束するまでもないってことだ。――来れるさ、何度だって」
菊月「……あぁ、いつの日かまた、この桜の丘へ」
――――必ず、二人で共に行こう。
344: 2014/05/19(月) 20:37:48.47 ID:IdLtU1HAO
※一つの戦法として、否定する気は1にはありません
――――
長門「今日こそは第六駆逐隊と共に遠征を!」
大鳳「黙れ長門、いい加減に懲りろ」
長門「大鳳、私に対してだけ口調がキツくないか……?」
大鳳「変Oに気遣いなんて不要よ」
長門「私は純粋に駆逐艦の子達のことを案じているだけだ」
大鳳「長門、貴女どうしてそこまで駆逐艦に拘るのよ。あの子達の身を案じているにしても異常だわ」
長門「――ビッグセブンの名に、恥じぬ為」
大鳳(え? 急に雰囲気が……)
長門「大鳳、お前は“捨て艦”というのを知っているか?」
大鳳「いえ、聞いたことが無いわ」
長門「勝利の為、敵の主力に接敵するまで随伴させられ、沈むことを厭われない練度の低い艦娘達のことだ」
大鳳「文字通り、使い捨ての艦娘……」
長門「無論、勝利の為に犠牲は付き物だ。私もそのやり方に、当初は疑問を持ってはいなかった」
大鳳「それなら、何故?」
長門「“少しぐらい敵主力に損害を与えてこい、使えない奴等だ”……一人大破状態で仲間を失いながら、必氏に帰投した駆逐艦に前の提督が言い放った一言だ。――気付けば、提督の顔面を殴り飛ばしていた」
大鳳「よく解体処分にならなかったわね」
長門「なりかけたさ。だが、何処から聞き付けたのか、各資源十万払うから解体するぐらいならうちに寄越せと、ここの提督に引き抜かれた」
大鳳(十万……普通の鎮守府なら簡単に出せる量じゃないわ……)
長門「最初は何か裏があるのかと警戒したが、会って話してみてすぐに理解した。バカみたいに甘過ぎるんだ、ここの提督は」
大鳳「長門は提督のこと、嫌いなの?」
長門「軍人としては及第点と言わざるを得ない。だが、一人の人間としてならば全幅の信頼を寄せている」
大鳳(長門も軍艦としては落第じゃないか、とか言える雰囲気じゃないわね)
長門「ビッグセブンとして、この鎮守府の一人として、敵の砲弾から駆逐艦娘達を守ることが、沈んでいったあの子達の魂への私なりの贖罪だ」
大鳳「志は立派だけど、やっぱり長門は駆逐艦娘達に近付かないで」
長門「何故だ!?」
大鳳「度が過ぎてるのよ」
――――
長門「今日こそは第六駆逐隊と共に遠征を!」
大鳳「黙れ長門、いい加減に懲りろ」
長門「大鳳、私に対してだけ口調がキツくないか……?」
大鳳「変Oに気遣いなんて不要よ」
長門「私は純粋に駆逐艦の子達のことを案じているだけだ」
大鳳「長門、貴女どうしてそこまで駆逐艦に拘るのよ。あの子達の身を案じているにしても異常だわ」
長門「――ビッグセブンの名に、恥じぬ為」
大鳳(え? 急に雰囲気が……)
長門「大鳳、お前は“捨て艦”というのを知っているか?」
大鳳「いえ、聞いたことが無いわ」
長門「勝利の為、敵の主力に接敵するまで随伴させられ、沈むことを厭われない練度の低い艦娘達のことだ」
大鳳「文字通り、使い捨ての艦娘……」
長門「無論、勝利の為に犠牲は付き物だ。私もそのやり方に、当初は疑問を持ってはいなかった」
大鳳「それなら、何故?」
長門「“少しぐらい敵主力に損害を与えてこい、使えない奴等だ”……一人大破状態で仲間を失いながら、必氏に帰投した駆逐艦に前の提督が言い放った一言だ。――気付けば、提督の顔面を殴り飛ばしていた」
大鳳「よく解体処分にならなかったわね」
長門「なりかけたさ。だが、何処から聞き付けたのか、各資源十万払うから解体するぐらいならうちに寄越せと、ここの提督に引き抜かれた」
大鳳(十万……普通の鎮守府なら簡単に出せる量じゃないわ……)
長門「最初は何か裏があるのかと警戒したが、会って話してみてすぐに理解した。バカみたいに甘過ぎるんだ、ここの提督は」
大鳳「長門は提督のこと、嫌いなの?」
長門「軍人としては及第点と言わざるを得ない。だが、一人の人間としてならば全幅の信頼を寄せている」
大鳳(長門も軍艦としては落第じゃないか、とか言える雰囲気じゃないわね)
長門「ビッグセブンとして、この鎮守府の一人として、敵の砲弾から駆逐艦娘達を守ることが、沈んでいったあの子達の魂への私なりの贖罪だ」
大鳳「志は立派だけど、やっぱり長門は駆逐艦娘達に近付かないで」
長門「何故だ!?」
大鳳「度が過ぎてるのよ」
362: 2014/05/20(火) 12:39:17.24 ID:8J6nQrqAO
提督(ヤバい、前より短くなってきてるな……)
武蔵「ん? そんなにフラフラしてどうした、昼間から酒に酔っているわけでもあるまい」
提督「あぁ……武蔵か……」
武蔵「提督、顔色が悪いぞ。今回目覚めたのは何時だ?」
提督「五日前、だったはずだ」
武蔵(七日より少し早いな……)
武蔵「今週はもう休め、無理をしてお前が廊下で倒れでもしたら、鎮守府内がパニックになるぞ」
提督「起きていられる一週間は何があろうと必ず俺が指揮を取り、提督としての責務を果たさなければならん……でないと、月に三週間も寝続けなければ満足に動けないこの身に、何の価値がある?」
武蔵「提督としての責務、か。ふむ、可笑しな事を言ってくれるな提督よ。その無様な姿で指揮を取られる艦娘達の身にもなれ」
提督「辛辣なご意見どうも……でもな、それでも俺はお前達の提督だ。これ以上甘えていられないんだよ」
武蔵「矛盾しているぞ提督。何の為に私達に十分な休養を義務付けている。それが義務だと言うならば、鎮守府全体の規範となるべき提督がその義務に従わずどうする」
提督「上官が部下に仕事押し付けて寝てるなんざ言語道断だろうが!」
武蔵「いい加減にしろこの戯けが!」
提督「がっ!?」
武蔵「この鎮守府が何故機能していると思う? 提督、お前が先頭に立って道を示し、皆がそれを信じて進むだけの信頼を既に勝ち得ているからだ。そのお前がどうして私達を信じない」
武蔵「たった三週間寝続けているから何だ、五日しか起きていられなかったからどうだというのだ。それでも休まぬと言うならば、次は三日で今まで以上の戦果を挙げてやろう、そういう気概を持った兵(つわもの)がここには百を優に越えて居るのだぞ?」
提督「……人をぶん投げといて良く言うよ」
武蔵「加減はしたぞ、動けなくなる程度にな」
提督「――はぁ、降参。もうどのみち一歩も動けねぇよ」
武蔵「ふむ、なら少し勝利者として役得を味わうとするか」
提督「おい、何する気だ」
武蔵「案ずるな、木の硬さでは枕代わりには相応しくない。故に枕を提供してやるだけだ」
提督「何で膝じゃなくてもたれ掛かる形で胸なんだよ」
武蔵「こうしないと抱き締められないだろうが」
提督「あぁもう好きにしてくれ……もう……限界……」
武蔵(全く、手のかかる提督だ。加賀から依頼された見張りの報酬は、この寝顔としておこうか)
武蔵「ん? そんなにフラフラしてどうした、昼間から酒に酔っているわけでもあるまい」
提督「あぁ……武蔵か……」
武蔵「提督、顔色が悪いぞ。今回目覚めたのは何時だ?」
提督「五日前、だったはずだ」
武蔵(七日より少し早いな……)
武蔵「今週はもう休め、無理をしてお前が廊下で倒れでもしたら、鎮守府内がパニックになるぞ」
提督「起きていられる一週間は何があろうと必ず俺が指揮を取り、提督としての責務を果たさなければならん……でないと、月に三週間も寝続けなければ満足に動けないこの身に、何の価値がある?」
武蔵「提督としての責務、か。ふむ、可笑しな事を言ってくれるな提督よ。その無様な姿で指揮を取られる艦娘達の身にもなれ」
提督「辛辣なご意見どうも……でもな、それでも俺はお前達の提督だ。これ以上甘えていられないんだよ」
武蔵「矛盾しているぞ提督。何の為に私達に十分な休養を義務付けている。それが義務だと言うならば、鎮守府全体の規範となるべき提督がその義務に従わずどうする」
提督「上官が部下に仕事押し付けて寝てるなんざ言語道断だろうが!」
武蔵「いい加減にしろこの戯けが!」
提督「がっ!?」
武蔵「この鎮守府が何故機能していると思う? 提督、お前が先頭に立って道を示し、皆がそれを信じて進むだけの信頼を既に勝ち得ているからだ。そのお前がどうして私達を信じない」
武蔵「たった三週間寝続けているから何だ、五日しか起きていられなかったからどうだというのだ。それでも休まぬと言うならば、次は三日で今まで以上の戦果を挙げてやろう、そういう気概を持った兵(つわもの)がここには百を優に越えて居るのだぞ?」
提督「……人をぶん投げといて良く言うよ」
武蔵「加減はしたぞ、動けなくなる程度にな」
提督「――はぁ、降参。もうどのみち一歩も動けねぇよ」
武蔵「ふむ、なら少し勝利者として役得を味わうとするか」
提督「おい、何する気だ」
武蔵「案ずるな、木の硬さでは枕代わりには相応しくない。故に枕を提供してやるだけだ」
提督「何で膝じゃなくてもたれ掛かる形で胸なんだよ」
武蔵「こうしないと抱き締められないだろうが」
提督「あぁもう好きにしてくれ……もう……限界……」
武蔵(全く、手のかかる提督だ。加賀から依頼された見張りの報酬は、この寝顔としておこうか)
369: 2014/05/20(火) 12:56:28.43 ID:8J6nQrqAO
~次回~
・海のような艦娘
・データコンビ
・大人の余裕
の、三本でお送りします
・海のような艦娘
・データコンビ
・大人の余裕
の、三本でお送りします
373: 2014/05/20(火) 13:44:04.81 ID:8J6nQrqAO
大鳳(間宮さんから食材を貰ってきてって頼まれたけど、ここって野菜畑まであるのね……)
鳳翔「あら、今日は貴女が取りに来たの?」
大鳳「はい、間宮さんが仕込みで手が離せないらしくて」
鳳翔「そうだったの、わざわざ悪いわね」
大鳳「いえ、自分達の食事の為ですから、これくらいのことは」
鳳翔「ふふふ、じゃあこのミカンあげるわ。良い子にはご褒美をあげないと」
大鳳「あ、ありがとうございます」
大鳳(完全に子供扱いされてるわね……)
鳳翔「用が無くてもここに来たら色々食べさせてあげるから、また来てね。夜には居酒屋もやってるから」
大鳳「はい、必ず」
間宮「大鳳さん、わざわざすいませんでした。大根が無いのにさっき気付いたものですから……」
大鳳「いえ、何時も美味しいご飯を作って下さるのですから、これぐらいは当然です」
間宮「そんな風に言ってもらえたら作り甲斐があります。――あら? そのミカン、貰ったの?」
大鳳「えぇ、鳳翔さんがご褒美に、と」
間宮「良かったわね、気に入ってもらえて」
大鳳「? どういう意味ですか?」
間宮「加賀さんが唯一この鎮守府で頭が上がらない人なのよ、鳳翔さん」
大鳳「……え?」
間宮「加賀さんに戦い方を教えたのが彼女らしくって、未だにその関係が続いているらしいの。今は加賀さんの方が強いし、鳳翔さんも力は衰えたらしいけど、旗艦で出撃したら今でも指揮をする姿は勇ましいらしいわよ?」
大鳳(全然そんな風には見えなかったんだけど……)
――――“居酒屋鳳翔”。
鳳翔「――この前、鎮守府の施設を壊したそうね?」
加賀「あの、その、アレは不可抗力のようなもので……」
鳳翔「言い訳、するような鍛え方をした覚えはないですよ?」
加賀「はい、金輪際あのようなことはしないと一航戦の誇りにかけて誓います」
鳳翔「そう、ならいいのよ。今日は久しぶりにゆっくり飲みましょうか」
加賀「はい」
鳳翔「それで、提督は押し倒せたの?」
加賀「守りが固くてなかなか……」
鳳翔「それならこういうのは――」
提督「っ!? 何か寒気が……」
――――海のような優しさで包み込み、海のような荒々しさで敵を葬る、母なる海のような艦娘。故に彼女は――“お艦”――そう呼ばれている。
鳳翔「あら、今日は貴女が取りに来たの?」
大鳳「はい、間宮さんが仕込みで手が離せないらしくて」
鳳翔「そうだったの、わざわざ悪いわね」
大鳳「いえ、自分達の食事の為ですから、これくらいのことは」
鳳翔「ふふふ、じゃあこのミカンあげるわ。良い子にはご褒美をあげないと」
大鳳「あ、ありがとうございます」
大鳳(完全に子供扱いされてるわね……)
鳳翔「用が無くてもここに来たら色々食べさせてあげるから、また来てね。夜には居酒屋もやってるから」
大鳳「はい、必ず」
間宮「大鳳さん、わざわざすいませんでした。大根が無いのにさっき気付いたものですから……」
大鳳「いえ、何時も美味しいご飯を作って下さるのですから、これぐらいは当然です」
間宮「そんな風に言ってもらえたら作り甲斐があります。――あら? そのミカン、貰ったの?」
大鳳「えぇ、鳳翔さんがご褒美に、と」
間宮「良かったわね、気に入ってもらえて」
大鳳「? どういう意味ですか?」
間宮「加賀さんが唯一この鎮守府で頭が上がらない人なのよ、鳳翔さん」
大鳳「……え?」
間宮「加賀さんに戦い方を教えたのが彼女らしくって、未だにその関係が続いているらしいの。今は加賀さんの方が強いし、鳳翔さんも力は衰えたらしいけど、旗艦で出撃したら今でも指揮をする姿は勇ましいらしいわよ?」
大鳳(全然そんな風には見えなかったんだけど……)
――――“居酒屋鳳翔”。
鳳翔「――この前、鎮守府の施設を壊したそうね?」
加賀「あの、その、アレは不可抗力のようなもので……」
鳳翔「言い訳、するような鍛え方をした覚えはないですよ?」
加賀「はい、金輪際あのようなことはしないと一航戦の誇りにかけて誓います」
鳳翔「そう、ならいいのよ。今日は久しぶりにゆっくり飲みましょうか」
加賀「はい」
鳳翔「それで、提督は押し倒せたの?」
加賀「守りが固くてなかなか……」
鳳翔「それならこういうのは――」
提督「っ!? 何か寒気が……」
――――海のような優しさで包み込み、海のような荒々しさで敵を葬る、母なる海のような艦娘。故に彼女は――“お艦”――そう呼ばれている。
374: 2014/05/20(火) 14:45:44.78 ID:8J6nQrqAO
大鳳(私にも、アレをしろと……?)
霧島「三時方向に両舷第一船速、距離213。仰角33度、三秒後に左舷斉射」
鳥海「了解」
霧島「――次、八時方向に両舷最大船速、距離685。仰角35度、五秒後に右舷斉射」
鳥海「了解」
大鳳(全弾命中してて凄いんだけど、私には真似が出来そうにもないわ……)
霧島「データ通りね、何の問題も無いわ」
鳥海「そうですね、詰み将棋の最後の一手を延々と繰り返している感覚です」
霧島「帰ったらまた将棋でもしましょうか」
鳥海「今日は囲碁の気分です」
霧島「……流石鳥海ね、私のデータ予測を上回るなんて」
鳥海「日々精進していますから」
大鳳(誰かあの二人の会話を解説してくれないかしら……)
提督「あの二人についていけない?」
大鳳「あそこまで数値を厳密に指定されても無理です。夕立などは直感だけで理解していますが、一部の艦娘が困惑気味です」
提督「最近確かにデータに頼りすぎてる節はあるな……よし、ちょっと話をしてくる」
提督「二人共、久しぶりに将棋やらないか?」
霧島「いいですよ、そろそろやりたいと思っていました」
鳥海「また二面打ちですか?」
提督「片方待たせたら非効率だろ?」
霧島「その余裕、今度こそ無くして見せます!」
鳥海「データは私達を裏切りません」
提督「はい、六4桂で詰み」
霧島「」
提督「こっちも八6歩で詰みだ」
鳥海「」
提督「データに頼りすぎ、相手が絶対に自分の思い通りに動くなんてあり得ない。あらゆる場面を想定して、例え1パーセント未満の確率でも考慮しろ。五十鈴なんて正にその域だ」
霧島「――御指導、ありがとうございます。これでまた、強くなれます」
鳥海「私も、データを根幹として更に戦況を正しく見極められるよう、精進します」
大鳳(もう大丈夫、って提督が言ってたけど……ホントかしら?)
比叡「ヒェー! テレビが映りません!」
霧島「見せてみて下さい――とぅっ!」
大鳳(叩いた!?)
比叡「あっ映った」
霧島「分解して中を見て修理するより、この方が早いと教わりました」
大鳳(……ひょっとして、また脳筋方向に傾いただけ?)
霧島「艦隊の頭脳と呼ばれるように、これからも頑張りますね!」
霧島「三時方向に両舷第一船速、距離213。仰角33度、三秒後に左舷斉射」
鳥海「了解」
霧島「――次、八時方向に両舷最大船速、距離685。仰角35度、五秒後に右舷斉射」
鳥海「了解」
大鳳(全弾命中してて凄いんだけど、私には真似が出来そうにもないわ……)
霧島「データ通りね、何の問題も無いわ」
鳥海「そうですね、詰み将棋の最後の一手を延々と繰り返している感覚です」
霧島「帰ったらまた将棋でもしましょうか」
鳥海「今日は囲碁の気分です」
霧島「……流石鳥海ね、私のデータ予測を上回るなんて」
鳥海「日々精進していますから」
大鳳(誰かあの二人の会話を解説してくれないかしら……)
提督「あの二人についていけない?」
大鳳「あそこまで数値を厳密に指定されても無理です。夕立などは直感だけで理解していますが、一部の艦娘が困惑気味です」
提督「最近確かにデータに頼りすぎてる節はあるな……よし、ちょっと話をしてくる」
提督「二人共、久しぶりに将棋やらないか?」
霧島「いいですよ、そろそろやりたいと思っていました」
鳥海「また二面打ちですか?」
提督「片方待たせたら非効率だろ?」
霧島「その余裕、今度こそ無くして見せます!」
鳥海「データは私達を裏切りません」
提督「はい、六4桂で詰み」
霧島「」
提督「こっちも八6歩で詰みだ」
鳥海「」
提督「データに頼りすぎ、相手が絶対に自分の思い通りに動くなんてあり得ない。あらゆる場面を想定して、例え1パーセント未満の確率でも考慮しろ。五十鈴なんて正にその域だ」
霧島「――御指導、ありがとうございます。これでまた、強くなれます」
鳥海「私も、データを根幹として更に戦況を正しく見極められるよう、精進します」
大鳳(もう大丈夫、って提督が言ってたけど……ホントかしら?)
比叡「ヒェー! テレビが映りません!」
霧島「見せてみて下さい――とぅっ!」
大鳳(叩いた!?)
比叡「あっ映った」
霧島「分解して中を見て修理するより、この方が早いと教わりました」
大鳳(……ひょっとして、また脳筋方向に傾いただけ?)
霧島「艦隊の頭脳と呼ばれるように、これからも頑張りますね!」
378: 2014/05/20(火) 22:59:31.15 ID:8J6nQrqAO
電「司令官さん、カフェオレを作ってみたのです!」
加賀「あら、また増えたわね」
提督「珍しいな、電が飲み物持って来るなんて」
大鳳「いらっしゃい」
金剛「提督執務室へようこそデース」
電「あっ金剛さん……や、やっぱり何でもないのです。失礼するのです」
金剛「別に遠慮なんてしなくていいデース。一緒にティータイムを楽しみまショー」
提督「一応念のために言っておく。ここは茶を飲む為の場所じゃないからな? 俺が飲んじまってるから説得力無いが……」
加賀「今更ですね」
大鳳「今更過ぎます」
電「あの、えっと、その」
金剛「電もテートクにカフェオーレを飲んで欲しくて来たネー?」
電「それはそうなのですが……」
金剛「テートクー、ここに私のダージリンと電のカフェオーレがありマース。どっちを飲むかチョイスしてくだサーイ」
電「はわわ、金剛さん!?」
提督「……電のカフェオレをくれ」
金剛「オー私のダージリンの気分じゃなかったみたいデース。電、提督にカフェオーレを持っていってあげるネー」
電「……電ので、いいのですか?」
提督「いいからくれ、喉渇いてるんだよ」
電「は、はいなのです」
提督「――ん、美味い。ありがとうな、電」
電「司令官さんに喜んでもらえて何よりなのです! それでは電は遠征任務があるので失礼するのです!」
提督「あぁ、頼んだぞ」
電「はいなのです!」
大鳳「元気に飛び出して行ったわね……アレで良かったの?」
金剛「何の話デース?」
加賀「金剛とアイコンタクトで通じ合うとかやめてください、頭に来ます」
提督「仕方無いだろ、ってかあんだけ露骨にウィンクされたら誰でも気付く」
金剛「頑張って持ってきたのに、飲んで貰えなかったら悲しいネー」
大鳳「提督のことしか見えてない訳じゃないのね」
金剛「私達が燃料や弾薬を気にせず出撃できるのは、あの子達のお陰デース。蔑ろになんてしたら罰が当たるネー」
加賀「そう、なら大人しくお茶を飲んだら出ていきなさい」
金剛「それとこれとは話が別デース。今日こそは秘書艦交代してもらいマース!」
提督「大鳳、ガキの喧嘩が始まるからこの書類やっといてくれ」
大鳳(大きい子供……流石に可愛くはないわね)
加賀「あら、また増えたわね」
提督「珍しいな、電が飲み物持って来るなんて」
大鳳「いらっしゃい」
金剛「提督執務室へようこそデース」
電「あっ金剛さん……や、やっぱり何でもないのです。失礼するのです」
金剛「別に遠慮なんてしなくていいデース。一緒にティータイムを楽しみまショー」
提督「一応念のために言っておく。ここは茶を飲む為の場所じゃないからな? 俺が飲んじまってるから説得力無いが……」
加賀「今更ですね」
大鳳「今更過ぎます」
電「あの、えっと、その」
金剛「電もテートクにカフェオーレを飲んで欲しくて来たネー?」
電「それはそうなのですが……」
金剛「テートクー、ここに私のダージリンと電のカフェオーレがありマース。どっちを飲むかチョイスしてくだサーイ」
電「はわわ、金剛さん!?」
提督「……電のカフェオレをくれ」
金剛「オー私のダージリンの気分じゃなかったみたいデース。電、提督にカフェオーレを持っていってあげるネー」
電「……電ので、いいのですか?」
提督「いいからくれ、喉渇いてるんだよ」
電「は、はいなのです」
提督「――ん、美味い。ありがとうな、電」
電「司令官さんに喜んでもらえて何よりなのです! それでは電は遠征任務があるので失礼するのです!」
提督「あぁ、頼んだぞ」
電「はいなのです!」
大鳳「元気に飛び出して行ったわね……アレで良かったの?」
金剛「何の話デース?」
加賀「金剛とアイコンタクトで通じ合うとかやめてください、頭に来ます」
提督「仕方無いだろ、ってかあんだけ露骨にウィンクされたら誰でも気付く」
金剛「頑張って持ってきたのに、飲んで貰えなかったら悲しいネー」
大鳳「提督のことしか見えてない訳じゃないのね」
金剛「私達が燃料や弾薬を気にせず出撃できるのは、あの子達のお陰デース。蔑ろになんてしたら罰が当たるネー」
加賀「そう、なら大人しくお茶を飲んだら出ていきなさい」
金剛「それとこれとは話が別デース。今日こそは秘書艦交代してもらいマース!」
提督「大鳳、ガキの喧嘩が始まるからこの書類やっといてくれ」
大鳳(大きい子供……流石に可愛くはないわね)
383: 2014/05/20(火) 23:31:51.92 ID:8J6nQrqAO
~次回~
・二航戦の日常
・眼鏡が無い
・負けず嫌い
の、三本でお送りします
・二航戦の日常
・眼鏡が無い
・負けず嫌い
の、三本でお送りします
385: 2014/05/21(水) 01:41:18.58 ID:b92NmJKAO
蒼龍「飛龍ぅぅぅっ!」
飛龍「私の名前叫ばないと生きてられないの? そんなに私が好き? ごめん、そういう趣味は無いから……」
蒼龍「アンタと添い遂げるなんてこっちから願い下げよ!」
飛龍「うん、だからそう言ってるじゃない」
蒼龍「全くもう……ってそうじゃない! 私の下着どこにやったのよ!」
飛龍「捨てたわよ?」
蒼龍「捨てたっ!? 何でそんなことしたのよ!」
飛龍「だって何か可愛く無いのばっかりだったし、良かれと思ってやったのに、何で怒ってるのよ」
蒼龍「勝手に捨てられたら誰だって怒るわよ! それにあの代わりに置かれてた下着は何?」
飛龍「セクシーだったでしょ」
蒼龍「セクシーっていうかアレじゃただの紐じゃない、あんなの誰が着けるのよ」
飛龍「蒼龍」
蒼龍「飛龍は?」
飛龍「嫌よ、私は痴女じゃないもの」
蒼龍「アンタねぇ……と・に・か・く! 買い直すから今度付き合いなさい!」
飛龍「提督と行けばいいじゃない」
蒼龍「そんな恥ずかしいこと出来るわけないでしょ!」
飛龍「怒鳴ってばっかりだと眉間に皺が寄って、老けるわよ?」
蒼龍「誰のせいよ、誰の」
飛龍「多聞丸は故人よ? 流石に彼のせいにしたら許さないわ」
蒼龍「そんなの私だって許さないわよ、それにアンタのせいだってば」
飛龍「……買い物、次の日曜でいい?」
蒼龍「いいわよ、当然買い物の代金は全部飛龍の奢りね」
飛龍「いいわよ」
蒼龍「文句があるなら――へっ?」
飛龍「奢ってあげるって言ったの」
蒼龍「……何か悪い物でも食べた?」
飛龍「何? 奢らなくていいの?」
蒼龍「いや、奢ってはもらうけど……何か良いことでもあったの?」
飛龍「別に無いわよ、蒼龍はやっぱり蒼龍だったってだけ」
蒼龍「それ、バカにしてない?」
飛龍「気のせいよ、多分」
蒼龍「やっぱりバカにしてるんでしょ」
飛龍「バカにする必要ないわよ、元からだから」
蒼龍「尚更悪いわ!」
飛龍「ほら、そんな些細な事気にしてないで準備して、出撃する時間よ」
蒼龍「うわっもうそんな時間!?」
飛龍「行くわよ蒼龍」
蒼龍「えぇ、行きましょう」
飛龍&蒼龍「「二航戦、出撃します!」」
飛龍「私の名前叫ばないと生きてられないの? そんなに私が好き? ごめん、そういう趣味は無いから……」
蒼龍「アンタと添い遂げるなんてこっちから願い下げよ!」
飛龍「うん、だからそう言ってるじゃない」
蒼龍「全くもう……ってそうじゃない! 私の下着どこにやったのよ!」
飛龍「捨てたわよ?」
蒼龍「捨てたっ!? 何でそんなことしたのよ!」
飛龍「だって何か可愛く無いのばっかりだったし、良かれと思ってやったのに、何で怒ってるのよ」
蒼龍「勝手に捨てられたら誰だって怒るわよ! それにあの代わりに置かれてた下着は何?」
飛龍「セクシーだったでしょ」
蒼龍「セクシーっていうかアレじゃただの紐じゃない、あんなの誰が着けるのよ」
飛龍「蒼龍」
蒼龍「飛龍は?」
飛龍「嫌よ、私は痴女じゃないもの」
蒼龍「アンタねぇ……と・に・か・く! 買い直すから今度付き合いなさい!」
飛龍「提督と行けばいいじゃない」
蒼龍「そんな恥ずかしいこと出来るわけないでしょ!」
飛龍「怒鳴ってばっかりだと眉間に皺が寄って、老けるわよ?」
蒼龍「誰のせいよ、誰の」
飛龍「多聞丸は故人よ? 流石に彼のせいにしたら許さないわ」
蒼龍「そんなの私だって許さないわよ、それにアンタのせいだってば」
飛龍「……買い物、次の日曜でいい?」
蒼龍「いいわよ、当然買い物の代金は全部飛龍の奢りね」
飛龍「いいわよ」
蒼龍「文句があるなら――へっ?」
飛龍「奢ってあげるって言ったの」
蒼龍「……何か悪い物でも食べた?」
飛龍「何? 奢らなくていいの?」
蒼龍「いや、奢ってはもらうけど……何か良いことでもあったの?」
飛龍「別に無いわよ、蒼龍はやっぱり蒼龍だったってだけ」
蒼龍「それ、バカにしてない?」
飛龍「気のせいよ、多分」
蒼龍「やっぱりバカにしてるんでしょ」
飛龍「バカにする必要ないわよ、元からだから」
蒼龍「尚更悪いわ!」
飛龍「ほら、そんな些細な事気にしてないで準備して、出撃する時間よ」
蒼龍「うわっもうそんな時間!?」
飛龍「行くわよ蒼龍」
蒼龍「えぇ、行きましょう」
飛龍&蒼龍「「二航戦、出撃します!」」
391: 2014/05/21(水) 15:34:32.93 ID:b92NmJKAO
鳥海「……困りました」
摩耶「どうした鳥海、そんな世界の終わりみたいな面(つら)して」
鳥海「眼鏡を壊してしまいました」
摩耶「ったくドジだなぁ、でも予備があんだろ?」
鳥海「実はその予備を使っていて、今度の休みに作ってもらいに行く予定だったんです」
摩耶「誰かに借りりゃいいんじゃねぇか?」
鳥海「それぞれ特注品ですから……」
摩耶「借りるのも無理か……仕方ねぇ、アタシが今日の出撃代わってやるから明石のところに行ってきな」
鳥海「でも、私の不注意で摩耶姉さんに迷惑をかける訳には……」
摩耶「眼鏡無いと距離感掴めないって言ってたろ、無理すんなよ」
鳥海「……はい、お言葉に甘えさせて頂きます」
摩耶「今度何か奢れよ、それでチャラな? じゃあアタシは加賀に事情説明してくるついでに、誰か捕まえてここへ来させっから、そいつと行きな」
鳥海「ありがとうございます、摩耶姉さん」
大鳳「それで、たまたま摩耶と最初に出会った私に白羽の矢が立ったのね?」
鳥海「はい、情けない事にあの眼鏡が無いと廊下を歩くのにも支障がっ!?」
大鳳「あっごめんなさい! 曲がり角だったから曲がったんだけど、それも言わなきゃ分からないのよね」
鳥海「だっ、大丈夫、です」
大鳳(痛そう……ちょっと涙目になってるわね……)
鳥海「一つ壊れたら予備を使って行くので何時もは問題ないのですが、今回に限っては二日続けて壊してしまって……」
大鳳「大変ね――あっここから階段だから」
鳥海「すいません、手を繋いで頂いていいですか?」
大鳳「いいわよ、ゆっくり降りるわね」
大鳳(途中何度か危ない場面はあったけど、無事に着いて良かったわ)
鳥海「お付き合い下さりありがとうございました。本当に助かりました」
大鳳「今更なんだけど、私が明石さんに頼みに来て、受け取った眼鏡を鳥海に届けるのではダメだったの?」
鳥海「今の私に最適な物を調整しながら作ってもらっているので、そういう訳にもいかないんです。微妙な感覚のズレが命取りになりますから」
大鳳「眼鏡も身体の一部なのね……そういえば、何で壊れたの? 戦闘中もかけてるって事は相当丈夫なんでしょ?」
鳥海「……寝起きが、悪いんです」
大鳳「え?」
鳥海「目覚ましを止める時に、横にある眼鏡を叩いてしまって……」
大鳳(摩耶じゃなくて鳥海の方が朝に弱いのは意外ね……)
摩耶「どうした鳥海、そんな世界の終わりみたいな面(つら)して」
鳥海「眼鏡を壊してしまいました」
摩耶「ったくドジだなぁ、でも予備があんだろ?」
鳥海「実はその予備を使っていて、今度の休みに作ってもらいに行く予定だったんです」
摩耶「誰かに借りりゃいいんじゃねぇか?」
鳥海「それぞれ特注品ですから……」
摩耶「借りるのも無理か……仕方ねぇ、アタシが今日の出撃代わってやるから明石のところに行ってきな」
鳥海「でも、私の不注意で摩耶姉さんに迷惑をかける訳には……」
摩耶「眼鏡無いと距離感掴めないって言ってたろ、無理すんなよ」
鳥海「……はい、お言葉に甘えさせて頂きます」
摩耶「今度何か奢れよ、それでチャラな? じゃあアタシは加賀に事情説明してくるついでに、誰か捕まえてここへ来させっから、そいつと行きな」
鳥海「ありがとうございます、摩耶姉さん」
大鳳「それで、たまたま摩耶と最初に出会った私に白羽の矢が立ったのね?」
鳥海「はい、情けない事にあの眼鏡が無いと廊下を歩くのにも支障がっ!?」
大鳳「あっごめんなさい! 曲がり角だったから曲がったんだけど、それも言わなきゃ分からないのよね」
鳥海「だっ、大丈夫、です」
大鳳(痛そう……ちょっと涙目になってるわね……)
鳥海「一つ壊れたら予備を使って行くので何時もは問題ないのですが、今回に限っては二日続けて壊してしまって……」
大鳳「大変ね――あっここから階段だから」
鳥海「すいません、手を繋いで頂いていいですか?」
大鳳「いいわよ、ゆっくり降りるわね」
大鳳(途中何度か危ない場面はあったけど、無事に着いて良かったわ)
鳥海「お付き合い下さりありがとうございました。本当に助かりました」
大鳳「今更なんだけど、私が明石さんに頼みに来て、受け取った眼鏡を鳥海に届けるのではダメだったの?」
鳥海「今の私に最適な物を調整しながら作ってもらっているので、そういう訳にもいかないんです。微妙な感覚のズレが命取りになりますから」
大鳳「眼鏡も身体の一部なのね……そういえば、何で壊れたの? 戦闘中もかけてるって事は相当丈夫なんでしょ?」
鳥海「……寝起きが、悪いんです」
大鳳「え?」
鳥海「目覚ましを止める時に、横にある眼鏡を叩いてしまって……」
大鳳(摩耶じゃなくて鳥海の方が朝に弱いのは意外ね……)
397: 2014/05/21(水) 18:30:47.33 ID:b92NmJKAO
霧島さんは鎮守府の最も効率的な遠征計画書を作成したり、休日の管理をしているちゃんとした頭脳です
……ネタで使ってしまったけど、時報みたいに精密機器叩くのはダメだよ霧島さん
次は可愛い霧島さん書くようにしてイメージアップさせないと……
……ネタで使ってしまったけど、時報みたいに精密機器叩くのはダメだよ霧島さん
次は可愛い霧島さん書くようにしてイメージアップさせないと……
398: 2014/05/21(水) 18:42:30.63 ID:b92NmJKAO
微妙にはみ出したので二話に分割
~~~~
――――約20キロメートルのハーフマラソン勝負。
島風「かけっこなら誰にも負けないよ!」
長良「私だって毎日走り込みしてるし、持久力なら負けないんだから!」
天津風「ぶつからないように気を付けてねー」
名取「が、頑張ってー」
島風「じゃあ位置について」
長良「よーい」
島風&長良「「ドン!」」
島風(一度だって前を走らせたりしないんだから!)
長良(自分のペースを崩さず最後まで走り続ければ、きっと勝てる!)
――――島風2km地点、長良1.5km地点。
島風(全然追い付いて来ない、おっそーい!)
長良(焦らない焦らない)
――――島風5km地点。長良3.7km地点。
島風「余裕余裕ー」
長良(まだまだこれから!)
――――島風10km地点。長良8km地点。
島風(マラソンって結構長いなぁ……)
長良(折り返してからが勝負!)
――――島風13km地点。長良12km地点。
島風(ゴールまだかなぁ……)
長良(残り半分切った、焦らず着実にペースを上げていこう!)
~続く~
~~~~
――――約20キロメートルのハーフマラソン勝負。
島風「かけっこなら誰にも負けないよ!」
長良「私だって毎日走り込みしてるし、持久力なら負けないんだから!」
天津風「ぶつからないように気を付けてねー」
名取「が、頑張ってー」
島風「じゃあ位置について」
長良「よーい」
島風&長良「「ドン!」」
島風(一度だって前を走らせたりしないんだから!)
長良(自分のペースを崩さず最後まで走り続ければ、きっと勝てる!)
――――島風2km地点、長良1.5km地点。
島風(全然追い付いて来ない、おっそーい!)
長良(焦らない焦らない)
――――島風5km地点。長良3.7km地点。
島風「余裕余裕ー」
長良(まだまだこれから!)
――――島風10km地点。長良8km地点。
島風(マラソンって結構長いなぁ……)
長良(折り返してからが勝負!)
――――島風13km地点。長良12km地点。
島風(ゴールまだかなぁ……)
長良(残り半分切った、焦らず着実にペースを上げていこう!)
~続く~
399: 2014/05/21(水) 18:43:33.57 ID:b92NmJKAO
――――島風15km地点。長良14.8km地点。
島風「あっ長良がいつの間にか追い付いて来てる……」
長良「見えた!」
――――島風・長良、共に18km地点。
島風「負けないよ!」
長良「私だって!」
――――島風・長良、共に19.5km地点。
島風「後ちょっと!」
長良「ラストスパート!」
――――ゴール地点。
天津風「――来たわね」
名取「二人とも速い……」
天津風「あれだけ僅差だと、どっちが先にゴールするか最後まで分からないわ」
島風「てやあぁぁぁぁぁっ!」
長良「うおぉぉぉぉぉぉっ!」
――――結果、島風・長良、同着。
島風「長良はっやーい! 一人で走ってる間はつまらなかったけど、二人で並んで走ってて最後は楽しかった!」
長良「島風もちゃんとマラソン走れる持久力あったのね、見直したわ」
島風「またやろうね、マラソン!」
長良「いいわよ、今度は勝ってみせるんだから!」
――――こうして島風に仲良しなお友達が増えましたとさ、めでたし、めでたし。
島風「あっ長良がいつの間にか追い付いて来てる……」
長良「見えた!」
――――島風・長良、共に18km地点。
島風「負けないよ!」
長良「私だって!」
――――島風・長良、共に19.5km地点。
島風「後ちょっと!」
長良「ラストスパート!」
――――ゴール地点。
天津風「――来たわね」
名取「二人とも速い……」
天津風「あれだけ僅差だと、どっちが先にゴールするか最後まで分からないわ」
島風「てやあぁぁぁぁぁっ!」
長良「うおぉぉぉぉぉぉっ!」
――――結果、島風・長良、同着。
島風「長良はっやーい! 一人で走ってる間はつまらなかったけど、二人で並んで走ってて最後は楽しかった!」
長良「島風もちゃんとマラソン走れる持久力あったのね、見直したわ」
島風「またやろうね、マラソン!」
長良「いいわよ、今度は勝ってみせるんだから!」
――――こうして島風に仲良しなお友達が増えましたとさ、めでたし、めでたし。
405: 2014/05/21(水) 19:05:08.52 ID:b92NmJKAO
~次回~
・大きい犬
・全裸遊泳疑惑
・好感度…?
の、三本でお送りします
・大きい犬
・全裸遊泳疑惑
・好感度…?
の、三本でお送りします
406: 2014/05/21(水) 19:07:24.71 ID:mGcwc7AOo
乙です
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