703: 2014/05/29(木) 18:39:52.75 ID:7LdZX4VAO


前回はこちら

大鳳「赤城って加賀と一緒にこの鎮守府へ来たの?」

赤城「いえ、私の方が少し後から来ました」

大鳳「そうなの? てっきり私は二人一緒に来たものだと思っていたわ」

赤城「加賀も私も元は別々の鎮守府に居たんです。加賀が少しそこで問題を起こしてここに着任したと聞いた時は、本当に驚きました」

大鳳(あの普段は提督を膝枕しながらずっと仕事をしている加賀が問題を起こすなんて、想像出来――てしまうわね……)

大鳳「それで、赤城は何故ここに?」

赤城「提督と加賀と青葉に数人まとめて拉致されました」

大鳳「……冗談、よね?」

赤城「半分冗談です、半分は本当ですが」

大鳳「何が、あったの?」

赤城「そうですね……食事でもしながら、お話します」




――――時は前の鎮守府に赤城が居た頃。赤城の一航戦としての誇りについての話。

赤城「艦隊、帰投しました」

前提督「そうか、補給を済ませたら食事をさっさと済ませてこい。明日も早朝より出撃してもらう」

赤城「――はい」




――――食堂。

赤城(パン一つと、野菜くずを入れただけのスープ……)

霞「何よ、こんなの足りるわけないじゃない!」

霰「文句言うと、また減らされる」

球磨「お肉食べたいクマー……」

多摩「魚食べたいにゃ……」

赤城「霞、霰、私のを食べていいですよ?」

霞「それじゃ赤城のが無くなっちゃうじゃない」

霰「空母は一番しっかり食べなきゃ、ダメだよ?」

赤城「いいんです、私はまだ少し部屋に食料の蓄えがありますから。球磨と多摩はごめんなさい、今は堪えて……」

球磨「大丈夫クマ、いざとなったら狩りに行くクマ」

多摩「心配にゃい、多摩には魚の骨スープがまだ残ってるにゃ」

赤城「では、私は先に部屋に戻っていますね」

霞「ちょ、ちょっと赤城!」

霰「……冷めるから食べよ、霞」

霞「……残す訳にもいかないし、言われなくても食べるわよ」

霰「……不味い」

霞「お腹に入るだけマシよ」



――――赤城、自室。

赤城(さて、早めに寝て空腹は誤魔化しましょう。明日も出撃ですし)

赤城「加賀は、元気にしているでしょうか……」

~続く~
艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 艦娘型録

705: 2014/05/29(木) 20:01:09.06 ID:7LdZX4VAO
――――所変わって、提督執務室に居る提督と加賀。

提督「赤城をうちに引き抜きたい?」

加賀「はい、この鎮守府にはまだ正規空母が私しか居ません。戦力の増強だけでなく、私との連携を密に取れる赤城さんの加入は、今後に大きく影響します」

提督「建前はそれでいいとして……本当の理由はなんだ?」

加賀「――ここに来てから一度だけ、彼女に会いに行ったんです。久しぶりに会った赤城さんは、酷くやつれていました」

提督(やつれていた? 一航戦の赤城といえば、それなりの待遇を受けて然るべき存在のはずだが……)

加賀「理由は簡単でした。少し調べてみたところ燃料や弾薬の補給、資源の備蓄などは問題ありませんでしたが……食料が、ほとんど見当たらなかったんです」

提督「コストカット、か」

加賀「恐らくは、その分の経費を資源の補充に当てているのでしょう」

提督「……無理だな。その話だけでは、他の鎮守府から艦娘を引き抜くようなことは出来ないし、その鎮守府のやり方を否定する事も出来ない」

加賀「やはり、そうですか……無理を言ってしまい、申し訳ありませんでした」

提督「――二つ、お前に言っておく」

加賀「何でしょうか?」

提督「一つ、俺に気を遣って堅苦しくしゃべるのはやめろ。来た時みたいに遠慮なんかしなくていい、今のままだと息が詰まる」

加賀「……」

提督「二つ、鎮守府運営用の食料の調達は主に外部委託で、定期的に各鎮守府に配給されている。各鎮守府にはその食料の金額を差し引いたものが、運営費として支給される。足りない分は各鎮守府で調達しなければならないにしても、やつれている艦娘まで居るってのに、配給された食料が食料庫に残って無いのはおかしい」

加賀(まさか、配給された食料を……)

提督「兵糧は戦の基本だ。大本営だってそれが分かっているから、各鎮守府に食料だけは必ず配給している。それを金に変えてると知れたら、流石に問題になるだろうな。資源を買ってるならまだいいが、私的流用の可能性だってある」

加賀「――証拠集め、ですか?」

提督「あぁ、うってつけのがうちには一人居るし、協力してもらうとしよう」

加賀「……提督は、お人好しですね」

提督「軍規違反は見過ごせないだろ、知っちまったからにはな」

加賀「そういうことにしておきます」




――――提督、青葉に命じて内偵調査を開始。

~続く~

708: 2014/05/29(木) 21:28:30.27 ID:7LdZX4VAO
青葉「全く、青葉は記事の為にカメラを持っているだけで、不正の証拠を抑えるためじゃないんですよ?」

提督「生き生きした目で向かったのはどこの誰だよ」

青葉「あははーそんなことより、ご希望の写真です」

提督(――やっぱり黒、か。出来れば資源だけの方が話をややこしくせずにすんだんだがな……)

青葉「今更ですけど提督、私がこんなことしなくても、軍司令部に内偵調査を依頼すれば良かったんじゃないですか?」

提督「上からはあんまり良い顔されてないし、ちょっと交渉材料にしたくてな……すまん、手間かけさせた」

青葉「気にしないで下さい。というか、ちょっと青葉もムカついてますからご一緒します」

提督「一緒に行くのはいいが、頼むから暴れるなよ?」




――――深夜、赤城の元居た鎮守府。

赤城(流石に三日食べていないと、動くのも辛いですね……)

霞「赤城大丈夫なの? 足元フラフラじゃない」

赤城「大丈夫です、それより夜間警備に集中しましょう」

霞「どうせ敵なんか来やしな――」

青葉「こんばんはーお邪魔しまーす」

霞「っ!?」

赤城「この鎮守府に何の用ですか? 脱走でもしてきたというのなら、今すぐ捕縛します」

青葉「いえいえ、私はちょっと護衛兼悪者退治に来ただけです」

赤城「何を考えているかは知りませんが、ここで一戦を交えようというなら容赦はしません」

霞「私だって居るわよ、観念なさい」

青葉「いやー赤城さんに霞を相手に大立ち回りは私には荷が重いです。なので――」

加賀「私がお相手します」

赤城「加賀、なの? 貴女が何故ここに……」

加賀「貴女を、迎えに来ました」

赤城「――誰であろうと、この鎮守府での無法は許しません」

加賀「……そうですか。そういう人でしたよね、貴女は」

青葉「あのー加賀さん? 提督を待っていればいいんじゃ――」

加賀「一航戦加賀、いきます!」

赤城「一航戦赤城、いきます!」

青葉「ちょっと、私の話を聞いてくださいよー!」

霞「アンタは戦わないの?」

青葉「すいませんが、青葉に弱った相手をいたぶる趣味は無いです」

霞「へー、良い度胸してるじゃない!」

青葉「しょうがない人ですね……正当防衛ですから、恨まないで下さいよ?」

~続く~

709: 2014/05/29(木) 22:21:39.98 ID:7LdZX4VAO
提督「……お前等、何やってんだ?」

加賀「再会の抱擁です」

青葉「抱っこしてます」

赤城「動けない……」

霞「離しなさいよ!」

提督「まぁちょうどいい、話は終わった。そのまま赤城連れて帰るぞー」

青葉「ついでにこの子もいいですか?」

霞「はーなーせー!」

提督「お前なぁ……捨て猫拾うんじゃあるまいし、離してやれ。後の事は話を通して改善させるから、ここもちょっとは住みやすくなるだろ」

加賀「前提督はどうしたんですか?」

提督「証拠突き付けたら放心して床に座り込んじまったからほっといた。コレに懲りて、心を入れ換えてくれりゃいいんだがな」

赤城「加賀、貴女みたいな人がどうしてこんなことを……」

加賀「私達の誇りを尊いと言ってくれた人の下で、共にまた肩を並べて出撃したいと思ったからです」

赤城「ですが、私が居なければここの皆が!」

霞「……行きなさいよ」

赤城「霞……」

霞「ちょっとは改善されるって言ってるんだし、それが嘘じゃなけりゃ赤城が居なくてもやっていけるわよ」

加賀「勝手な事をしてごめんなさい。でも、必ず貴女達の置かれている環境は提督が改善してくれます」

霞「いいのよ、あんなクズの下より、そっちの冴えなさそうな男の下の方が赤城にとってもマシだと思うから」

提督「何気に俺も貶されてないか?」

赤城「……分かりました、そちらにお世話になります。ですが、霞達がもしまた不当な扱いを受けていたら、私は直ぐにこちらへ戻ります」

提督「それで構わん、加賀もいいな?」

加賀「はい」

赤城「霰と球磨、多摩にもよろしく伝えておいて下さい」

霞「分かったわ、元気でね」

青葉「じー」

霞「だから私は行かないって言ってるでしょ!」

加賀「では提督、急いで帰りましょう」

提督「あぁ、早く帰らんと吹雪が目を回してそうだしな」




――――鎮守府に四人で帰還。

提督「ようこそ赤城、うちの鎮守府へ」

加賀「とりあえず、こちらへ来てください」

赤城「何かあるのですか?」

提督「細やかなプレゼントだ、受け取ってくれ」

加賀「気に入って貰えると思います」

赤城「こ、コレは……」

~続く~

次で赤城編は終わりです

710: 2014/05/29(木) 23:00:03.06 ID:7LdZX4VAO
赤城「その時に用意してくれていたご馳走が美味しくて、私は食に目覚めました」

大鳳「色々台無しね、本当に」

赤城「まぁ色々ありましたが、来て良かったと心底思っています」

大鳳「食事を我慢しなくていいから?」

赤城「食べるのは好きですが、別にそれだけの為に私は生きていませんよ?」

大鳳「――誇り」

赤城「はい、一航戦として恥ずかしくない戦いを、加賀や二航戦の二人と共に幾つもこなすことが出来ました」

大鳳「過去を、乗り越えられたのね」

赤城「今ならば魔の五分など簡単に乗り越えてみせます。慢心など微塵もありません」

大鳳「……そう。そういえば、話に出てきた霞達って、うちに今居る艦娘達?」

赤城「何でも、提督が問題を起こしたということで、そこに所属していた艦娘に異動する権利と異動先の指定権利が与えられたそうです」

大鳳「それで、全員ここに?」

赤城「えぇ、結局全員また同じ鎮守府に集まりました」

大鳳(よく許可が降りたわね……)

赤城「提督曰く、事実を世間や他の鎮守府には隠蔽したいから、うちに全員押し込めて済ませられるなら好都合と判断されたのだろうということでした」

大鳳「あまりバラけて広められては困る、ということかしら」

赤城「最後にクソオヤジの策略だ、とも言っていたのが少々気になりますが……」

大鳳(クソオヤジ……?)

赤城「何はともあれ――間宮さん、今日のメニューを端から端までお願いします」

大鳳「今大盛りのカツ丼食べてなかった?」

赤城「コレは夕食の前の軽食です」

大鳳「やっぱり、赤城は大食いキャラが一番似合ってるんじゃないかしら」

赤城「そんな、誉めないで下さい」

大鳳「誉めてないわよ?」

赤城「むぐ?」

大鳳「食べながら首を傾げて誤魔化さないで」

赤城「だって、ここの食事は美味しいんです! それに食べねば戦えません!」

大鳳「もう分かったから食べるのに集中して」




――――一航戦赤城、過去には仲間の為に食事を断ち、今は仲間の為に食事を食べる、誇り高い空母。少し食事量が多いかもしれないが、大した問題ではない。

赤城「間宮さん、もう一度端から端までお願いします」

714: 2014/05/30(金) 01:50:49.75 ID:y1BKpcoAO
舞風「大鳳さーん、一緒に舞風と踊らなーい?」

大鳳「誘ってくれるのは嬉しいんだけど、回りながら廊下を歩くと危ないわ」

舞風「大丈夫だよ、慣れてるから」

大鳳「確かに慣れている感じだったわね。それに比べて私は踊った経験なんて一度も無いし、どんな動きするか全く知らないわよ?」

舞風「そっかそっかー……ではでは、大鳳さんをこの舞風さんのダンスレッスンに招待しちゃうねー」

大鳳「ダンスレッスンなんてしてるの?」

舞風「うん、一応ちゃんと定期的に通ってくる人もいるよ」

大鳳「……じゃあ、一回だけ試しに教えてもらおうかしら」

舞風「オッケーそれじゃあレッツゴー!」




――――舞風のダンスレッスン場。

舞風「じゃあ今日も始めるよー」

那珂「よろしくね」

愛宕「お願いするわー」

熊野「すぐに始めてよろしくってよ」

大鳳(ある意味凄いメンバーに教えているのね……)

舞風「じゃあ今日は大鳳さんにも来てもらったから、アレのおさらいをします」

大鳳「アレって何なの?」

舞風「実戦用ダンスだよ」

大鳳「社交界とかで踊るようなものをするんじゃないの?」

舞風「それも出来るけど、まずはコレを教えた方が有益だから」

大鳳(ひょっとして、あの那珂の動きはこの子が……)

舞風「じゃあまずは弾を華麗に避けて反撃する動きの練習から、みーぎ、ひだり、みーぎ、ひだり、みーぎで回って撃つ!」

那珂「曲の振り付けの一部だから、那珂ちゃんコレは完璧に出来るよ」

舞風「次は流れるような砲撃をする為の動き、みーぎで撃って、ひだりで撃って、バク宙からの全門斉射!」

愛宕「未だに私はコレが出来ないのよねー」

大鳳「愛宕が艤装を着けてコレが出来たら怖いわよ。というかむしろ何で出来るのよ舞風」

舞風「最後の動き、みーぎみーぎで撃って回って、ひだりで撃って回って、スピンジャンプで全方位に斉射」

熊野「この動きが出来るようにになるのに三ヶ月かかりましたわ」

大鳳「だから熊野も出来る方がおかしいことに気付きなさい」

舞風「大鳳さんもレッツトライ!」

大鳳「無理!」




――――ダンスが好きな艦娘舞風。多種多様な躍りに精通しているが、その中には変わったものも少なからず含まれている。

舞風「今日は猫ダンスの練習だよー」

多摩「よろしくにゃー」

715: 2014/05/30(金) 03:00:55.30 ID:y1BKpcoAO
武蔵「卯月」

大和「木曾」

武蔵「蒼龍」

大和「浦風」

武蔵「全艦一斉射撃」

大和「近代化改修」

武蔵「運河」

大鳳「――ねぇ」

大和「あら大鳳、一緒にしりとりしない?」

武蔵「二人になってしまうと味気無くてな、三人なら少しは楽しめるかもしれん」

大鳳「そんな物騒なしりとりに私は混ざりたくないわ」

大和「楽しいですよ、演習しりとり」

武蔵「難点は参加者の脱落が早すぎることだな」

大鳳「二人に砲撃されたら、大抵皆一撃で脱落するわよ」

大和「長門とビスマルクは三巡目まで耐えましたよ?」

武蔵「島風はあまりしりとりをしたがらないし、利根と木曾は馬鹿らしいと付き合おうとせん」

大鳳(暇過ぎるのって人をおかしくさせるのかしら……)

大和「何か新しい暇潰しを探さないといけませんね……」

武蔵「大鳳、何か時間を潰せる良い遊びを知らないか?」

大鳳「将棋やチェスは?」

大和「二千回程」

大鳳「テレビゲーム」

武蔵「飽きる程やった」

大鳳「花札やトランプ」

大和「五光とロイヤルストレートフラッシュを出してしまう程にやりました」

大鳳「明石さんの手伝い」

武蔵「仕事を奪うなと言われた」

大鳳「もういっそ二人で鎮守府近くの深海棲艦を全滅させて来たらどう?」

大和「――今なら、資源は潤沢ですよね?」

武蔵「そうだな、近海なら有事の際にも直ぐに出れて一石二鳥だ」

大鳳「いや、あの、冗談――」

大和「早速、加賀に許可してもらいに行きましょう」

武蔵「あぁ、善は急げだ」

大鳳(本気だこの二人……)



――――その後、二人が飽きるまで鎮守府近海には、はぐれ駆逐艦一隻すら現れなかったという……。

提督「一週間で燃料と弾薬十万!?」

加賀「大和型の二人が暇を持て余していたので、近海を完全に掃除してもらいました」

提督「……やり過ぎだろ」

加賀「ここまで鬱憤が溜まっていたとは思いませんでした」

提督(他の鎮守府に定期的に演習要請してやるか……問題は、まだうちとやってくれるところ残ってっかなぁ……)

718: 2014/05/30(金) 14:18:33.47 ID:y1BKpcoAO
大胆な村雨さんです

~~~~

提督「村雨」

村雨「はいはーい」

提督「ここ、風呂だよな?」

村雨「そうよ? 執務室に見える?」

提督「じゃあ何で居るんだよ」

村雨「村雨が頑張ってイイトコ見せたのに、提督が食事に連れてってくれるって約束忘れたからじゃないかしらー?」

提督(……あっ、急ぎの書類書いてて完全に忘れてた!)

提督「あー、いや、悪い、すまん。埋め合わせはちゃんとするから、今は大人しく出ていってくれないか? 主に俺の威厳の為に」

村雨「元から無いもの気にする必要ないでしょ」

提督「それ聞いて物凄く悲しい気持ちになったからやっぱり出てけ」

村雨「頑張った村雨を放置したんだから、今ここで構ってもらうわよ? でなきゃこのまま飛び出して加賀さん呼んじゃうから」

提督「提督として終わるか人生終わるか風呂で選べって斬新だな」

村雨「ちゃんとバスタオル巻いてるしいいじゃない。それとも……私のイイトコ、見・た・い?」

提督「魅力的な提案だが今回は縁がなかったということで」

村雨「えいっ」

提督「って本当に見せる奴が――水着?」

村雨「そんな簡単に見せたりしないってば、提督のハートをゲッツするまで――提督?」

提督「……」

村雨「んー? なになに、水着でも直視するのは恥ずかしいのかしらー?」

提督「寄るな、見せるな、さっさと出ろ」

村雨「村雨との約束忘れたのは、どこの誰?」

提督「埋め合わせはするって言ってるだろ」

村雨「……じゃあ、こっち向いて感想を言ってくれたら、許してあげてもいいよ?」

提督「それで水に流すんだな?」

村雨「うん」

提督「……全く、水着の感想なんて俺には荷がおも――い?」

村雨「引っ掛かったね、時には大胆にだって女の子はなれ――って提督!? ちょっ、まっ、抱き着いたりその先は流石にまだ私も心の準備が……アレ?」

村雨(気絶してる!?)

村雨「ちょっと、提督しっかりして! 誰か運ぶの手伝ってー! 提督がお風呂でのぼせたー!」




――――その後、提督と村雨が加賀に説教を喰らったのは言うまでもない。

加賀「駆逐艦の裸を見て倒れるなんて修行が足りません。私のを見て免疫を付けて下さい」

提督「そんな修行しないし脱ぐな!」

725: 2014/05/30(金) 14:44:16.47 ID:y1BKpcoAO
~次回~

・耳掻きをするのです!

・ながもんVS天龍

・扶桑姉様の美しさを語り続ける妹

・由良の単装砲(夕張印)

の、四本でお送りします

727: 2014/05/30(金) 16:06:05.30 ID:y1BKpcoAO
電「司令官、耳掻きをしてあげるのです」

加賀「電、提督に膝枕をして耳掻きをする役目は譲れません」

電「加賀さんは何時も司令官を独占しているのです。この前も寝ている司令官に――」

加賀「今回だけ特別に許してあげます」

提督「おい待て加賀、今の反応明らかにおかしいだろ。寝てる俺に何した?」

加賀「気になさらなくて結構です。早く年端もいかぬ少女の膝枕で耳掻きをしてもらいながら興奮してきて下さい」

提督「話逸らすのはまだいいが言い掛かりで人を変Oにするのはやめろ」

電「二人で話をしないで欲しいのです! 司令官は早くこっちに来るのです!」

提督「分かった分かった、そんなに怒るなよ」

提督(加賀以外の膝枕って久々だな)

電「じゃあ、いきます」

提督(……手慣れた感じだな、また誰かに教えてもらったのかもしれんな)

電「キレイであまりやりがいが無いのです……」

提督「加賀が何時もしてくれてるからな」

電「じゃあ次は反対を向いて欲しいのです」

提督「あぁ」

電「では続きを――司令官、息がお腹にかかってちょっとくすぐったいのです」

提督「いや、息を止めろと言われても無理だからな?」

電「もう少し顔の角度をズラしてもらえないですか?」

提督「こうか?」

電「はにゃあっ!? スカートに顔を埋めないで欲しいのです!」

提督「待て電、誤解を招くような言い方するな。耳掻きをやりやすいように顔を下に向けただけだ」

電「そこに顔を埋められると……その……物凄く恥ずかしいのです……」

加賀(この前の村雨の件といい、今回の件といい、やはり提督は駆逐艦が好き……? 空母から駆逐艦へ改造というのはしてもらえるのでしょうか……)

提督「他意は無かった。確かにちょっと改めて考えると危ない行為だったかもしれんが、俺は顔を埋めて喜んだりしてないからな?」

電「電じゃ、魅力が足りないですか……?」

加賀「年頃の女の子を泣かすとは最低ですね」

提督「い、電は可愛い女の子だぞ? 将来はきっと良いお嫁さんになるはずだ」

電「はわわ、嬉しいのです。司令官のお嫁さんになれるようにまだまだ頑張るのです!」

提督(あっ、言い方間違えた……)

加賀(現状では電が一番強力なライバルかもしれませんね、この子に対する認識を改めなくては……)




――――日々色々なスキルを身に付けていく電。司令官の隣を射止める日は近いかも?

730: 2014/05/30(金) 18:02:10.67 ID:y1BKpcoAO
嫌われてはいません、迷惑がられているだけです

~~~~

長門(今日は大鳳も龍田も出撃で居ない。大和も買い物に出掛けている)

長門「――つまり、今が好機! 今日こそ駆逐艦娘達と楽しい時間を過ごす!」




――――待機中の駆逐艦娘、庭で鬼ごっこ中。

浦風「待つんじゃー!」

三日月「簡単には捕まりません」

陽炎「陽炎って名前は伊達じゃないわ!」

子日「子日は、可愛いだけじゃないんだよー」

長門「皆、この長門も混ぜてくれ!」

陽炎「長門っ!? ちょっと、龍田さんか大和さんは!?」

三日月「出撃と買い物です」

陽炎「大鳳さんは?」

浦風「大鳳姉さんも出撃中じゃ」

陽炎(困ったなぁ……長門って出撃中は頼りになるんだけど、陸上だとスキンシップ過剰過ぎるのよね……)

長門「そぉれ捕まえた!」

子日「きゃっ!?」

三日月「子日!」

長門「自分で言うだけあって可愛いぞ、子日」

子日「ねの、ひ、は、かわ……」

長門「ん? このビッグセブンである長門に抱き締められて感激のあまり気を失ったか。では次の子を抱き締めてあげるとするか」

陽炎「来るなぁぁぁぁ!」

長門「恥ずかしがらなくてもいいぞ、このビッグセブンが全力で愛を籠めて抱き締めよう!」

三日月「全力で遠慮します!」

浦風「あの長門ってそがぁに危ないんか?」

陽炎「浦風、いいからアンタも早く逃げなさい!」

長門「何時もは大鳳が邪魔で話したことすらなかったが、浦風もその青い髪がとても似合っていて可愛いな」

浦風「そうか? ぶち嬉しいんじゃ」

陽炎「褒められて嬉しがってる場合じゃないわよ!」

長門「よし、捕まえ――」




?「おぅ、俺様が居るってのを忘れてねぇか?」

~続く~

735: 2014/05/30(金) 19:20:37.62 ID:y1BKpcoAO
長門「天龍、邪魔をするならまたアイテム屋横の倉庫に閉じ込めるぞ」

天龍「あの時はいきなり後ろから不意打ちしやがったんだろうが、ビッグセブンが聞いて呆れるぜ」

長門「ならば、正々堂々と打ち負かしてやろう」

陽炎「怖い天龍ちゃん頑張れー」

三日月「怖い天龍さん頑張ってください」

浦風「何かよく分からんが怖い人頑張れー」

天龍「おぅ、任せとけ!」

長門「たかが軽巡洋艦に負ける程、この長門は甘くないぞ!」

天龍「龍田に怯えてる奴が何言ってやがる」

長門「怯えてなどいない! 戦略的撤退をしていただけだ!」

天龍「次はこの俺様にも怯えるようになっちまいな!」

長門「行くぞ天龍!」

天龍「かかってこい長門!」




――――十分後。

長門「――やるな、天龍」

天龍「アイツ等をずっと遠征で守ってんだ。弱かったら意味無いだろ」

長門「お前も、駆逐艦を愛しているのだな」

天龍「勘違いすんなよ、何故だか慕ってきやがるチビ達を危ない目に合わせたくないだけだ」

長門「ふっ……私が守らずとも、あの子達は大丈夫のようだ」

天龍「お前だって出撃中は盾になって守ってんだろ? 誇っていいと思うぜ、陸では度が過ぎてるがな」

長門「駆逐艦娘達への愛が溢れてしまうのだ、コレばかりは止められん」

天龍「やっぱり根っから危ないんじゃないかお前」

長門「可愛らしいものを愛でたいという気持ちのどこがいけないのだ!」

?「いけなくはないけど、天龍ちゃんに手を出したのは頂けないかなぁ?」

?「浦風に近付いたらしいわね、覚悟はいい?」

?「懲りないですね、貴女も」

長門「っ!? 待てお前達、私はただあの子達と楽しく遊ぼうと――」

龍田大鳳大和「問答無用!」




――――何事も、節度を弁えないと痛い目を見ます。長門だって節度を弁えられれば良いお姉さんです。弁えられれば、ですが……。

長門「今日は皆の為にドーナツを買ってきたぞ!」

天龍「おらチビ共、一列に並べ」

駆逐艦娘達「わーい!」

大鳳「監視付きならちょっとは安心ね」

龍田「何かあれ以来、天龍ちゃんと意気投合して二人で居るようになったのよね……刺しちゃダメかしら?」

大和「やめてあげましょう、せっかく大人しくなったんですから」

743: 2014/05/30(金) 23:03:40.61 ID:y1BKpcoAO
山城「扶桑姉様はね、とにかく髪が綺麗なの」

提督「そうか」

山城「儚げな顔で空を見上げているのも、見る人に姉様の美しさを再確認させるわ」

提督「そうか」

山城「少し不幸なところも、皆に姉様の存在を忘れられないようにするのよ」

提督「そうか」

山城「巫女服だって、一番似合っているのは姉様だわ」

提督「そうか」

山城「白磁のような肌も、男共の視線を惹き付けて離さない」

提督「そうか」

山城「伊勢や日向への対抗心も、姉様の力強さを感じさせて魅力を増しているの」

提督「そうか」

山城「それから――」

提督「なぁ山城、後何百回聞いたらその話言わなくなるんだ?」

山城「提督が姉様と結婚するって言うまで永久に」

提督「お前それリアル過ぎて怖い」

山城「だって、姉様には幸せになってもらいたいのよ」

提督「扶桑も同じこと言ってたぞ、“山城には幸せになってもらいたい”って」

山城「扶桑姉様が……?」

提督「似た者同士だよな、流石姉妹だ」

山城(私の幸せは扶桑姉様の幸せ……姉様も、同じように考えてくれてるのね……)

提督「お前はお前なりの幸せを探すのが、扶桑にとっても嬉しいんじゃないか?」

山城「そう……そうね、それが一番かもしれないわね」

提督「じゃあ俺に扶桑の良いところをエンドレスで言い続けるのはやめ――」

山城「ないわよ」

提督「何でだよ!?」

山城「扶桑姉様と提督が結婚するのが、やっぱり私の幸せだから」

提督「さっきの話は無視か!」

山城「無視してないわよ?」

提督「どういうことだよ……」

山城「ふふ、内緒。じゃあ大人しくこれからも聞き続けてもらうわね」

提督「勘弁してくれっ!」




――――姉の良いところを提督に熱弁し続ける山城。その様子は、とても楽しそうである。

扶桑「山城、貴女提督とずっとお話していたのね、羨ましいわ……」

山城「姉様!? 違うのよ、それは二人で幸せになるためなの!」

扶桑「妹に想い人までとられるなんて、やっぱり不幸ね……」

山城「私の話を聞いて姉様ー!」

745: 2014/05/31(土) 00:56:02.82 ID:2fkHHgMAO
妖精さんが張り切りました

~~~~

大鳳「由良、貴女ずっと単装砲装備してるけど、連装砲に変えないの?」

由良「単装砲、好きなの」

大鳳「火力不足だって感じない?」

由良「火力? コレ、凄いよ?」

大鳳「単装砲が?」

由良「夕張が作ってくれたの。何か最初に出来たのは危ないからって、火力抑える為に改造したらしいけど」

大鳳(それ、本当に単装砲なのかしら……)

由良「試し撃ち、見たい?」

大鳳「えぇ、是非」

由良「じゃあ、行こう」




――――鎮守府近海。

由良「居たよ」

大鳳「はぐれみたいだし、私は近くで見学してるわね」

由良「分かった。砲雷撃戦、始めます!」

大鳳(イ級一隻だと良く分からないかもしれないけど、簡単な比較ぐらいは出来るはずだわ)

由良「よく狙って……てーぇ!」

大鳳(っ!? 単装砲一発で巨大な水柱!?)

由良「やった。提督さんに火力いっぱい強化してもらったし、手元がぶれなくなった」

大鳳「本当に由良のそれは単装砲なの? 手元がぶれなくなったってどういうこと?」

由良「単装砲だよ。最初手渡されて試射した時は反動で転けたけど」

大鳳「それ別物よ絶対、連装砲だってそうはならないもの」

由良「夕張が最初に試射した時はイ級が蒸発したらしいから、これぐらいなら普通なんじゃない?」

大鳳「蒸発っ!?」

由良「そういえば、提督さんがコレを上手く扱えるようになったら、褒めてくれるって言ってたの。ちょっと行ってくる」

大鳳「そ、そうなの? 行ってらっしゃい……」

大鳳(そういえば由良が出撃してるのあまり見かけなかったけど、ずっとアレを誤射したりしないように演習してたのね……)




――――提督執務室。

由良「提督さん。コレ、上手く扱えるようになったよ」

提督「おぉ、やったな由良。それならまた次から出撃に加えるし、よろしく頼むぞ」

由良「うん、でもまだまだ火力欲しいし、いっぱい強化してね。ねっ!」

提督「分かった。何処まで改修の余地があるか分からんが、頼んでおく」

由良「うん、ありがとう、提督さん」



――――夕張印の単装砲片手に、今日も由良は海を駆けています。

大鳳「きゃあっ!? 敵が爆発した!?」

由良「少しまた火力上げてもらったけど、やっぱりちょっと危ないかな?」

753: 2014/05/31(土) 01:12:27.12 ID:2fkHHgMAO
~次回~

・確かに今後の作戦会議です

・楽しい兵装実験

・ボクっ娘大集合

・ほっとけない子の一日

の、四本でお送りします

755: 2014/05/31(土) 03:10:41.11 ID:2fkHHgMAO
提督「朝潮」

朝潮「はい」

提督「コレ、何に見える?」

朝潮「指輪です」

提督「コレは?」

朝潮「書類です」

提督「今から俺が何を言うと思う?」

朝潮「次の作戦内容についてですよね?」

提督(俺がこの状況でどう切り出せばいいか、頭の中で作戦会議はしたい)

朝潮「それとも、何か私が気付かないうちに大きな失敗をしていて、そのお叱りのためとか……」

提督「断じてそれはないから安心しろ、頼むからこれ以上切り出しにくくしないでくれ」

朝潮「そんなに重要な作戦会議を、こんな鎮守府の片隅で私達だけでやってよいのですか? せめて加賀さんだけでも交えた方がよいのでは……」

提督「いや、朝潮にとって大事な話だから二人だけの方がいいんだ」

朝潮「極秘作戦、ということなんですね」

提督「あー……うん、もう考えるだけ無駄な気がしてきた。朝潮、この書類読んでしてもいいと思ったなら、この指輪填めとけ。嫌なら海に投げ捨てろ」

朝潮「作戦指令書と作戦に必要な物品ですね、拝見します。……ケッコンカッコカリ……練度上昇……受理以降の異動禁止……現在の司令官と一生を共にしたいと願うならば、ここに記入されたし……?」

提督(真面目過ぎるからな朝潮は、頭から湯気が出そうな程顔が赤くなってやがる)

朝潮「あの、司令官、こ、コレ、書類を間違えているのでは……」

提督「指輪も渡したろ、間違えてないぞ」

朝潮「でも、司令官には加賀さんが……」

提督「本当に結婚する訳じゃないし、加賀もお前も大事なうちの艦娘だ。そこに明確な差は無い」

朝潮「……本当に、この指輪も頂いてよろしいのですか?」

提督「突き返されても困るし、売るなり何なり好きにしろ」

朝潮「――駆逐艦、朝潮型一番艦、朝潮。敬愛する司令官の為、これまで以上に力の限り戦わせて頂きます!」

提督「こんな時まで堅苦しくなくていいんだぞ?」

朝潮「……あの、出来れば一つだけお願いが……」

提督「何だ?」

朝潮「頭を、撫でて頂けませんか?」

提督「……あぁ、何時でも撫でて欲しくなったら言いに来い、たまにはリラックスしろ」

朝潮「何だかこうしていると、とても心が満たされる気がします」

提督「息抜きは大事だ。朝潮もこの機会に肩の力を抜くことを覚えろ」

朝潮「――はい」




――――その時生真面目な少女の見せた笑顔は、赤い夕陽を背に、とても輝いていた。

756: 2014/05/31(土) 12:57:04.52 ID:2fkHHgMAO
五月雨ちゃんが来るとうっかり鎮守府が消えるかもしれません

~~~~

夕張「妖精さーん、私に何か作ってもらえない?――うん、ちょっと変わった兵装でもいいわ」

――――妖精さん、作成中。

夕張「……ねぇ、変わったのでもいいとは言ったけど、この杖は何?――私が見てたアニメの主人公が持ってた? 全力全開だと分子分解ビームが撃てる? ごめん、危なすぎて使えない」

――――妖精さん、再び作成中。

夕張「今度は追加装甲作ってみたのね。――胸に貼り付けて使うの? ついでに豊胸も可能ですって?……あの子が泣いて喜びそうね、コレ」

――――妖精さん、張り切って作成中。

夕張「次は普通の砲ね、試し撃ちしてもいい?――撃ってもいいけど、着弾点から半径数百メートルが消し飛ぶ? 即廃棄!」

――――妖精さん、控えめに作成中。

夕張「今度は大丈夫そうね、対空砲かしら。――自動追尾と弾速の向上……うん、それなら使えるわね、ありがとう妖精さん」

――――妖精さん、最後に何か作成中。

夕張「妖精さん、布なんてかけてどうしたの?――何を作っても付き合ってくれるお礼? そりゃ危ないものを作られて困ることはあるけど、優秀な妖精さんには変わり無いもの」

――――妖精さん、照れて何かを夕張に渡して逃走。

夕張「あっちょっと妖精さん!――コレ、コントローラーか何かかしら? とりあえず、布を取って何か確認しないと……えっ!? コレって――」

~続く~

757: 2014/05/31(土) 13:03:27.38 ID:2fkHHgMAO
――――提督執務室。

夕張「提督ー!」

提督「ん? 夕張がここに来るなんていつ以来だ? 何かまた爆発でもしたか?」

夕張「ちょっと見てもらいたいものがあるんです、腰抜かさないで下さいね?」

提督「変なものをここへは持ってくるなって何時も言って――」

?「テイトクサン、コンニチハ。イロイロタメシテミテモ、イイカシラ?」

提督「うおわっ!? な、何だ、ソイツは」

夕張「妖精さん作、メカ夕張です。どうです? 凄いでしょ!」

提督「大丈夫なのかソイツ、急に爆発したりしないよな?」

夕張「その辺は大丈夫です。私のサポート用の為に作ってくれたみたいなので、変な機能は一切付いてませんでした」

提督「そ、そうか……にしても、良く出来てるな」

メカ夕張「オチャクミ、スイジ、センタク、ソウジ、ナンデモヤリマス」

夕張「これで益々開発がはかどりそうです」

提督「ほ、程々にな……」




――――妖精さん作、メカ夕張。工廠に籠りがちな夕張の良きパートナーとして、今日も身の回りの世話をしています。

夕張「提督、戦闘も出来るようにメカ夕張を改造しちゃダメですか?」

提督「絶対にダメ!」

メカ夕張「イロイロ、ツンデミタイデス」

761: 2014/05/31(土) 18:53:26.47 ID:2fkHHgMAO
大鳳「皆、自分のことを何て言ってる?」

皐月「ボク」

最上「ぼく」

時雨「僕」

Z1「僕」

大鳳「何でボクなの?」

皐月「その方が何だか強そうだから」

最上「三隈がお嬢様っぽいから、個性を出そうと意識してたらこうなったのさ」

時雨「何でだろう……自分には一番合ってると思ったからかな?」

Z1「こっちに来た時、小さい男の子が“僕は〇〇っていいます”って自己紹介しているのを聞いて、それがてっきり日本の一人称なんだと……向こうじゃIchだけだし、複数あるなんて知らなかったんだ」

大鳳「なるほどね。皐月、試しに“私”って言って自己紹介してみてくれない」

皐月「ボ、じゃなかった、わたしが皐月だよ!――何か変な感じ」

大鳳「最上は、熊野みたいに」

最上「わた、わたくしゅが航空巡洋艦最上だ、ですわ。――物凄く言いにくいし、絶対ぼくには真似できないや」

大鳳「時雨は、涼風なんてどう?」

時雨「涼風? えっと、ちわ、時雨だよ、私が居れば百人力さ。――あんな風に元気に言わないと、違和感が出てしまうね」

大鳳「最後はレーベ、マックスでいいかしら」

Z1「マックスか……わたしが駆逐艦レーベリヒトマースよ。レーベでもいいけど、よろしく。――かなり棒読みになっちゃった」

大鳳「やっぱり聞き慣れてるのもあって、皆が急にボクから一人称を変えると変な感じになるわね」

皐月「じゃあ次は大鳳さんだね!」

最上「ぼく達だけやるのは不公平ってもんだ」

時雨「大鳳には僕って言ってもらおうかな」

Z1「うん、それでいいと思うよ」

大鳳「ねぇ、どうしてもやらないと、ダメ?」

ボクっ娘達「ダメ」

大鳳「そうね、言い出しっぺだものね……僕は装甲空母大鳳、よろしくね!」

ボクっ娘達「――あまり違和感が無い」

大鳳「嘘!? 何で!?」




――――たまに開かれることとなったボクっ娘の集い。その中に何故か大鳳が混ざることとなった理由は、四人しか知らない秘密である。

時雨「この集いの間は、大鳳にも僕って言ってもらうからね」

大鳳「本当に違和感が無いの……?」

ボクっ娘達「無い」

大鳳「何でなのよー!」

765: 2014/05/31(土) 21:04:14.87 ID:2fkHHgMAO
まるゆ「木曾さん、おはようございます」

木曾「おはよう、まるゆ」

まるゆ「木曾さんが私の演習に付き合ってくれるなんて、嬉しいです」

木曾「どうせ暇だし気にするな、普段は使わない爆雷の練習にもなる」

まるゆ「はい、精一杯頑張ります!」

――――演習は五秒で終了。

木曾「その、何だ、うまく潜水出来るようにはなったじゃないか」

まるゆ「すぐに水氏体みたいに浮いちゃいましたけどね……」

木曾「――そうだ、昨日作ったカレーがあるから、一緒に食うか?」

まるゆ「ホントですか!? 木曾さんの作ったカレー、美味しいから食べたいです!」

木曾「鈴谷や五十鈴、間宮みたいには作れないがな」

まるゆ「そんなことないです、まるゆは木曾さんのカレー大好きですよ」

木曾「そうか、いっぱいあるからしっかり食えよ?」

まるゆ「はい!」

――――山のように盛られたカレーに、まるゆ沈没。

まるゆ「うぅ……半分も食べられませんでした……」

168「まるゆーちょっと泳ぎに行かない?」

まるゆ「あっイムヤ、いいですよ、お付き合いします」

168「じゃあ早速行きましょうか」

――――二人でオリョクルへ出発。

まるゆ「こうして二人で出撃すると、鎮守府に来た頃を思い出します」

168「最初は手を掴んで一緒に潜水してあげてたのよね、今は一人でちゃんと潜水出来るようになって安心だわ」

まるゆ「皆さんが優しく迎え入れてくれて、本当に良かったです。潜水艦なのに潜水が下手って、致命的でしたし……」

168「仕方無いわよ。私達とは全く違う設計の元に作られたんだから」

まるゆ「イムヤだけじゃなくて後から来たゴーヤやハチ、イクにシオイも泳ぎ方を教えてくれて、立派に潜水艦として働けるようになりました。まるゆなんかに付き合ってくれて、本当に嬉しかったです」

168「最初潜水出来ないって聞いた時は驚いたけど、司令官や木曾さん、五十鈴さんからも面倒見てあげてねって言われたし、真面目に頑張る良い子だってすぐに分かったもの」

まるゆ「これからもよろしくね、イムヤ」

168「えぇ、こちらこそよろしくね――じゃあ、避けながら行くわよ!」

まるゆ「はい!」




――――まるゆ、潜水航行能力の向上ではなく、浮沈の高速化に成功。爆雷と砲撃を独特な回避方法で切り抜けるスタイルを確立。

~続く~

768: 2014/05/31(土) 22:09:55.97 ID:2fkHHgMAO
微妙にはみ出したので更に分割、次で終わり

~~~~

――――イムヤ・まるゆ、二人共無傷で帰投。

168「じゃあ私は回収した資源置いてくるから、先にシャワー浴びてきていいわよ」

まるゆ「えっ? まるゆがやっておくからイムヤが先に――」

168「いいのいいの、先輩の言うことは聞くものよ?」

まるゆ「……うん、ありがとう、イムヤ」

168「じゃあまたね」

まるゆ「うん、またね」

――――シャワーを浴びて夕食。

まるゆ「間宮さん、月見うどんお願いします」

間宮「はーい、すぐに作りますからね。席に座って待ってて」

まるゆ「分かりました」

五十鈴「まるゆ、ここが空いてるからここに座りなさい」

まるゆ「えっ、あの、空席はいっぱい……」

五十鈴「ここ、空いてるから、座りなさい」

まるゆ「はい、分かりました、ご一緒します」

まるゆ(うぅ……ちょっと今怖かったよぉ……)

五十鈴「貴女、シャンプー変えたのね」

まるゆ「あっはい、分かりますか?」

五十鈴「パン〇ーンね、ヴィダ〇サスーンよりもまるゆの髪質に合っていると思うわよ」

まるゆ「そうなんですか? 変えてみて良かったです」

まるゆ(――アレ? でも私、前のシャンプーの銘柄言ったかな?)

間宮「はい、お待ち遠様」

まるゆ「ありがとうございます間宮さん、いただきます」

まるゆ(七味――)

五十鈴「七味一振り、よね?」

まるゆ「はい、いつもすいません」

五十鈴「いいのよ、ゆっくり食べなさい。私はそろそろ警備交代の時間だから行くわね」

まるゆ「お気を付けて」

まるゆ(いつも夕飯食べに来たら居るけど、偶然って凄いなぁ……)

~続く~

769: 2014/05/31(土) 22:11:38.44 ID:2fkHHgMAO
――――潜水艦娘部屋。

まるゆ「7のトリプルです」

401「えっと、パス」

まるゆ「8のトリプルで流して、4のダブルでおしまいです」

401「うわーまた負けたー!」

58「シオイはトランプ弱いでち」

168「大富豪、ブラックジャック、ポーカー、カブ、何やっても大抵最下位よね」

8「シオイの戦略は読みやすいです」

19「今日はもう遅いから、そろそろ皆寝ようなのね」

401「明日もやろ! 絶対!」

まるゆ「うん、いいよ」

58「じゃあ電気消すでち」

168「スマホの充電しとかないと……」

8「グーテナハト」

19「魚雷冷たくて抱いて寝るには最高なのね」

まるゆ(今日も一日、楽しかったなぁ……お休みなさい)



――――潜水艦まるゆ。多少のトラブルはありつつも、楽しい毎日を過ごしてます。

777: 2014/05/31(土) 22:29:37.62 ID:2fkHHgMAO
~次回~

・レディー講座

・おにおこじゃなくて鬼・怒!(き・ぬ!)

・護衛特化型駆逐艦初霜

・毒気が抜けた(はずの)大井

の、四本でお送りします

電大人気

779: 2014/05/31(土) 23:41:47.55 ID:2fkHHgMAO
六人から七人に増えるかもしれません

~~~~

熊野「熊野と」

暁「暁の」

熊野&暁「レディー講座!」

電「今日はよろしくお願いするのです」

熊野「向上心があるのはとてもいいことですわ」

暁「この一人前のレディーである暁に任せれば、何の心配もいらないわ」

電「熊野さん、どうすれば一人前のレディーになれますか?」

暁「ちょっと電、暁も居るんだから私にも聞きなさいよ!」

熊野「日本には“立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花”、という女性の美しさを表した言葉がありますの」

電「どういう意味なのですか?」

熊野「諸説ありますけれど、どんな時にも優雅で清楚で気品ある立ち居振舞いをする女性は真のレディーである、という意味なのだと私は考えていますわ」

電「優雅で清楚で気品ある立ち居振舞い……」

暁「暁みたいになればいいってことよね」

熊野「私達艦娘が一人前のレディーである事を証明する為には、戦いの中でもそれを常に忘れないことが必要ですの」

電「熊野さん、何となくだけど分かったのです! 早速実践してみるのです!」

熊野「えぇ、電が真の淑女となれるよう、私も一人のレディーとして協力は惜しみませんわ」

暁「ねぇ、ちょっと! 一人前のレディーである暁を二人共無視しないでよー!」




――――電、出撃中。

電(優雅で清楚で気品ある立ち居振舞い……とにかく、やってみるのです)

大鳳「電、ヘ級の相手をお願い!」

電「了解なのです」

電(立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花、なのです!)

大鳳「――よし、こっちは片付いたから電の援護を……あら?」

電「終わったのです」

大鳳(いつの間に!? 砲撃音もしなかったし、良く考えれば航行する時に水を切る音もしてなかったはず……)

電「電もコレで一人前のレディーなのです」




――――今回、電が獲得したもの。消音射撃用夕張砲、無音航行術、揺芯回避航行術の三つ。

電「いつかは加賀さんに挑むのです!」

加賀(少し気を引き締め直さなければいけませんね……)

786: 2014/06/01(日) 00:44:35.72 ID:EGzsVykAO
大鳳「おにおこー」

鬼怒「だから私は鬼怒だってば!」

大鳳「こう呼ぶと絶対に見付かるから便利なのよ」

鬼怒「ちゃんと名前で呼んで欲しいのに、皆酷いよ……」

大鳳「愛称みたいなものだから、そんなに嫌がらなくてもいいんじゃない?」

鬼怒「コロンビアも愛称?」

大鳳「……一応、そうだと思う、多分」

鬼怒「パナイ島マジパナイとか寒いダジャレ言ったのが悪かったのかなぁ……」

大鳳「でも、結構駆逐艦の子達とは仲良いわよね? やっぱり嫌われてる訳じゃないわよ」

鬼怒「何か両腕を上げてたらぶら下がって来て、それが案外楽しかったのか毎回引っ付いてくるようになったんだよね。お陰で、凄い力こぶ出来るようになったよ」

大鳳(二の腕ムキムキね、なかなか良い筋肉だわ)

鬼怒「提督だけはちゃんと名前で呼んでくれるから、地味にそれだけでも嬉しいんだー……」

大鳳「わ、私も今度からちゃんと鬼怒って呼ぶわね」

鬼怒「ありがと、そう言ってくれると嬉しいよ」




――――節分。

鬼怒「がおーっ!」

雷「おにおこちゃんに豆を食べさせるわよ!」

響「ピスタチオ(殻付き)を食べさせてあげよう」

卯月「うーちゃんは納豆ぴょん」

長月「天豆って響きがかっこいいから食べさせてやろう」

鬼怒「ちょっと、豆を当てるんであって食べさせるんじゃない――納豆混ぜたの誰!? 後ピスタチオは殻剥いてくれなきゃ噛み砕けないって!」

電「豆乳ジュースを作ってみたのです」

如月「おからパック、試してみる?」

満潮「揚げ出し豆腐作ったから食べなさいよ」

鬼怒「趣旨変わってない!? あぁもう食べるから、まずはこの恥ずかしい鬼娘のコスプレ脱がせてよ」

駆逐艦娘一同「可愛いからダメ」

鬼怒「晒し者にされてる気分だよー……あっ、揚げ出し豆腐美味しい」




大鳳「皆に好かれてますよね、鬼怒」

提督「流されやすいし強く拒否しないから皆でからかってはいるが、アレを見て羨ましがる奴は居ても、嫌う奴なんてここには居ないさ」

大鳳(字面が可愛くないから親しみを籠めて“おにおこ”って呼ばれてるって知ったら、どんな顔するかしら?)




――――軽巡鬼怒、今日も明日も駆逐艦を両腕にぶら下げて頑張ってます。

790: 2014/06/01(日) 03:30:32.22 ID:EGzsVykAO
大鳳「初霜って護衛任務が得意なの?」

初霜「はい、護衛任務ならお任せください」

大鳳「どういう風にいつも護衛しているの?」

初霜「敵を発見したら、まずは最適な護衛対象艦の航路を割り出します。それから、敵の一番攻撃しにくい陣形を取り、飛んでくるあらゆる攻撃を防ぎます」

大鳳「戦艦の砲撃なんかは無理じゃないかしら」

初霜「追加装甲を応用した盾で受け流します」

大鳳「そんなので受け流せるものなの?」

初霜「着弾の瞬間に軌道を逸らせば可能です」

大鳳(どう考えても物理的に無理な気が……)

初霜「多少の無茶は承知で、戦艦だろうと空母だろうと、私が護衛している限りは何もさせません」

大鳳「どうして初霜は、そこまでして護衛を?」

初霜「私が艦娘になる前に行った救助活動や護衛任務、そのどれもを誇りに思っているからです」

大鳳「幾ら練度が高いとはいえ、駆逐艦が戦艦の砲撃をまともに喰らえば只では済まないのよ? それでも、率先して護衛任務を引き受け続けるの?」

初霜「“お前が仲間を守れば、必ず仲間がお前を守る。守りたいなら守らせてやるから守られろ”、そんな風に提督から言われました。だから、引き受け続けます」

大鳳「守るがゲシュタルト崩壊しそう……無茶をするなと言う割に、無茶を容認するわよね、あの人」

初霜「そんなことをしているから、月に一週間しか起きていられない程に気を張り詰めて作戦を立てて、糸が切れたように眠り続けてしまうんです」

大鳳「でも、そんな提督だから守るのよね?」

初霜「レ級百隻相手でも守りきります、例え身体の大半を失ったとしても」

大鳳「あら、そんなことになる前に私が守るから大丈夫じゃないかしら」

初霜「全く……お人好しが多すぎて、私も常に気が休まりません」

大鳳「あはは――ごめんなさい」

初霜「出撃数回に一回、狙い済ましたかのように大破するのは心臓に悪いですのでやめてください」

大鳳「好きで大破している訳じゃないのよ?」

初霜「次からは私の後ろで動かないで下さい、動いたら撃ちます」

大鳳「それ本末転倒よ!?」

初霜「勝手に動いて大破されるよりはマシです」




――――護衛に特化した駆逐艦初霜。頑ななまでのその護衛意識は、彼女の優しさに基づいている。

初霜「どうしてまた大破するんですか!」

大鳳「私が聞きたいわよ!」

791: 2014/06/01(日) 05:14:28.37 ID:EGzsVykAO
眠い……続きは起きたら書きます

~~~~

大井「提督、魚雷触ってみます?」

提督「遠慮する。っていうかそれ以上スカート上げたら見えるぞ」

大井「触らないと撃ちますよ?」

提督「お前はアレか? セクハラを理由に俺を訴えたいのか?」

大井「チッ、この純情童Oチキン提督」

提督「毒が抜けて優しくなったのか、毒は増したけど優しくなったのか、元々毒しかないのか、どれが正解だ?」

大井「提督のこと、北上さんと同じぐらい愛してますよ? 今すぐ何処かへ三人で逃避行したいぐらいに」

提督「受け取るのすら怖い気もするが、その気持ちは受け取っておく」

大井「受け取ったなら今日から私と北上さんと三人で一緒に寝てください」

提督「よし、クーリングオフしてやる」

大井「チキン提督、私の気持ちがいらないなんて言うと、魚雷四十発ぶちこみますよ?」

提督「生憎だが満面の笑みでそれ言われて、素直に気持ちを受けとるような鉄のハートは持ち合わせてねぇよ」

大井「――だって冗談でも交えないと、貴方すぐに逃げちゃうじゃない」

~続く~

792: 2014/06/01(日) 13:27:07.12 ID:EGzsVykAO
提督「……すまん」

大井「謝るぐらいなら、さっさと誰か選んでくれない? 私? 北上さん? 加賀さん? それとも他の誰か? 艦娘じゃない人? さっさと選びなさいよ!」

提督「今は、無理だ」

大井「ほら、やっぱりチキンじゃない」

提督「分かってんなら、俺にそんな感情を抱くのはやめとけ」

大井「ケッコンカッコカリしちゃったもの、地獄までだって付きまとうわよ?」

提督「……悪い」

大井「何? 私としたのは間違いだったとでも言うつもり?」

提督「そんなことは――」

大井「なら謝らないで!」

提督「……」

大井「大方、誰かと特別な関係になったら作戦に支障をきたすとか、自分の考えた作戦にその相手を参加させる時に私情を挟む余地が生まれるかもしれないとか、私達が解体されてしまったらその時に自分が堪えられないとか、そんなこと考えてるんでしょ」

提督「っ……エスパーかよ……」

大井「愛してるって言ったでしょ? それぐらい分かるわ」

提督「それも冗談の一部だと思ってたんだがな」

大井「冗談で愛してるなんて言葉使わないわよ、このニブチン提督」

提督「最後の一言があると冗談にしか聞こえん」

大井「――本当に好きだと分かってもらえるように言葉を重ねれば、アナタは私だけを見てくれる?」

~続く~

793: 2014/06/01(日) 14:00:12.59 ID:EGzsVykAO
提督「俺はチキンなんでな、誰かと見つめ合うのが怖いんだ。それに、そこまで慕われる理由にも心当たりが無い」

大井「北上さんの幸せそうな笑顔を見せてくれました。私が何かにつけて罵倒しても、笑って最後まで付き合ってくれました。作戦指揮が悪いと言ったら、寝る間も惜しんで戦術書を読み漁ってたのも知ってます。誰かが一発でも被弾して帰ってくると、その日の作戦に何か見落としが無かったか必ずチェックしているのも知ってます。このぐらいあればいいですか?」

提督「……吹雪と加賀にしか見せたこと無いんだがな、それを書き留めてるノート」

大井「私はエスパーなんでしょ? それぐらい分かるわよ」

大井(ホントは盗聴機のお陰だけど)

提督「提督として当然の仕事をしているだけだ」

大井「それなら部下のメンタルケアも兼ねて、今ここで職務として誰か決めて下さい」

提督「そんな職務があってたまるか」

大井「選ばれなかったからって誰も恨まないし、その相手を恨んだりもしない。むしろ今みたいに中途半端な方が、皆ストレス抱えてるの分かりませんか?」

提督「……それでも、俺は戦いが終わるまでは誰も選ばないって決めたんだ」

大井「――はぁ、ついつい背中から魚雷ぶちこんでも文句言わないで下さいね」

提督「こうして皆を気遣って憎まれ役を買って出るお前が、そんなことするわけないだろ」

大井「そういうこと平然と言うから、百人以上参加してる壮絶な争奪戦の賞品になるんですよ?」

提督「肝に銘じておく」

大井「……提督、愛してます」

提督「毒は吐かないのか?」

大井「裏切ったら提督頃して、私も氏にます」

提督「やっぱり毒は無しでいいわ」

大井「少し良い雰囲気作ろうとしたらぶち壊すとか、男として終わってるわね」

提督「無しでいいって言ってんだろ!」

大井「この純情チキン童O意気地無し提督」

提督「更に増やしてんじゃねぇ!」




――――本音と毒を織り交ぜながら、“愛してます”と伝え続ける大井のアプローチは、今日も明日も続きます。

大井「提督にチョコを作ってみたの、食べて下さいね」

提督「“チキン提督”なんてチョコで良く作れたな、提督の部分だけもらっとく」

大井「じゃあ提督じゃなくてチキンになりますね、チキン」

提督「お前やっぱり俺の事嫌いだろ!」

大井「――ちゃんと愛してますよ、提督」

799: 2014/06/01(日) 14:22:23.47 ID:EGzsVykAO
~次回~

・〇〇上戸大集合

・青葉、見られてます

・甘くないカレー(甘口じゃないとは言っていない)

の、三本でお送りします

800: 2014/06/01(日) 14:38:54.73 ID:EGzsVykAO
※スレの終了時期について

~未登場(一応既出)艦娘一覧~

(伊勢)・日向・(初春)・(陽炎)・黒潮・秋雲・浜風・谷風・Z3・衣笠・加古・(隼鷹)

このうち三人は次の更新で出番あり

一応、現在実装されている全艦娘を書いたらエピローグ的なもの書いて一旦終わらせる予定です

まだ俺の嫁の出番が少ないから続けろやって方が居れば、その後も一日一話程度のペースで良ければ書くつもりです(他に安価無しのスレ建てる予定なので)

ただ安価投げてただ書いてるだけのスレですが、最後までお付き合い頂けますと幸いです


引用: 【艦これ】大鳳「一度入ったら抜け出せない鎮守府?」