1: 2012/04/25(水) 22:03:37.78 ID:HH4LI5T00
SSだよ!わさわさ

5: 2012/04/25(水) 22:10:06.72 ID:HH4LI5T00
あさ――

やすな「ソーニャちゃん、おはあぁ腕がぁああ…!」

ソーニャ「だから後ろから来んなっつの」

やすな「イテテ…んもう!いい加減慣れてよう!」

ソーニャ「うるせっ!お前こそいい加減学習しろ!」

やすな「くそう…くそう!そんなこと言ったって…うわぁ!」ヨロッ

ソーニャ「――ッ!?こ、こら抱きつくな…!」アセアセ

やすな「ごめーん…えへへ…」

ソーニャ「ったく…」

ソーニャ(か、か、顔近い…あぶねぇ…///)
キルミーベイベー 15巻 (まんがタイムKRコミックス)
6: 2012/04/25(水) 22:12:40.11 ID:HH4LI5T00
ひる――

やすな「ねぇ、ソーニャちゃん!そういえば転校してくる前ってどこに居たの?」

ソーニャ「別にどこだっていいだろ」

やすな「そんなぁ、いいじゃん!教えてよソーニャちゃんのケチ!」

ソーニャ「あぁん!?」シャキーン

やすな「や、やめてくださいごめんなさいナイフはやめて」

ソーニャ「ふん…まぁいい…」

やすな「やったぁ!教えてくれるの!」

ソーニャ「…ロシアだよ」

やすな「へぇ~それで?」

ソーニャ「日本に来るまではずっとロシアだ、これで満足か?」

やすな「ありがとう!ソーニャちゃんって結局最後には優しいよね!」

ソーニャ「な…うるせっ!」ゴキャ

やすな「ごめんなさいもう言わないから…あぁ…が…」

9: 2012/04/25(水) 22:14:33.68 ID:HH4LI5T00
よる――

ソーニャ(わ…私が…優しいだと…?ふん、そんなこと言うやつはやすなで2人目だ…)

ソーニャ(私はロシアにいた。それは嘘じゃない…)

ソーニャ(ただ…普通に家族が居て、普通に学校に行くなんていうもんじゃなかった)

ソーニャ(私は生まれてすぐに両親を亡くし、施設に入った)

ソーニャ(そして、頃し屋に引き取られ私は有無を言わさず、この道に入ることになった…)

ソーニャ(それから12年…人をヤることばかり勉強をし、訓練に明け暮れた)

ソーニャ(それが日常だったから何もおかしいとも思わなかった…いや、これしか知らなかったのか…)

ソーニャ(そんなとき、アイツが新入りとして入ってきた…)

ソーニャ(それが…ニーナだった)

10: 2012/04/25(水) 22:16:48.44 ID:HH4LI5T00
二年前――

ニーナ「ニーナと言います…よろしくお願いします…」

ソーニャ「………」ムスッ

ニーナ「あ、あの…」

ソーニャ「ソーニャだ」

ニーナ「ひ…!あ、ご…ごめんなさい…」

ソーニャ「ビクビクしやがって…!てめぇそんなんで対象を討てると思ってんのか!?」

ニーナ「あ…あう…」ガクブル

ソーニャ「ったく…何で私がこんなやつの世話係なんだ…」

ニーナ「ごめんなさい…」

ソーニャ「いちいち謝るな!まぁいい…お前、年は?」

ニーナ「12です…」

ソーニャ「2コ下か…」

12: 2012/04/25(水) 22:20:58.57 ID:HH4LI5T00
ニーナ「え!そうなんですか!お姉ちゃんと同じだ」

ソーニャ「お前、姉貴がいるのか…?」

ニーナ「あ…でも…暴漢に襲われた時に私をかばって…」

ソーニャ「親はどうしたんだ?」

ニーナ「8才の時に事故で…」

ソーニャ「…そうか」

ニーナ「はい…でも泣かないって決めたんです…」

ソーニャ「泣かない、か…ぷっ!あははは!」

ニーナ「な、何で笑うんですか!」

ソーニャ「そんなに涙溜めてる奴が言うセリフかよ」

ニーナ「うぅ~…でもまだこぼしてませんっ…」

ソーニャ「あはは!それにしてもヒドい顔だな!くくく…!」

ニーナ「もう!ヒドいです!先輩!」

ソーニャ「ソーニャでいいよ…ったく、調子狂うなお前…」

14: 2012/04/25(水) 22:23:10.74 ID:HH4LI5T00
オリキャラ居るけど気にしないで

15: 2012/04/25(水) 22:28:43.59 ID:HH4LI5T00
ソーニャ(あれが初めて心から笑ったときだな…)

ソーニャ(それまで殺伐としたスクールの中で育った私に向けられた、唯一の敵意のない視線だった…)

ニーナ「ソーニャちゃん!今度のお休み、一緒に出掛けませんか?」

ソーニャ「出掛けるたって…このスクールからは出れないだろ?」

ニーナ「はい、でも裏の塀に小さな穴があるんです。今日食堂で他の子が言ってるのを聞きました」

ソーニャ「おいおい、バレたらタダじゃすまないぞ…!でもそんな穴があるなんて知らなかったな…」

ニーナ「大丈夫ですよ!みんなバレないって言ってましたから!だから、ね!」

ソーニャ「う…う~ん…」

ニーナ「一緒に甘いものでも食べて…すぐに帰れば大丈夫ですって!」

ソーニャ「う…甘いもの…?し、しょうがねぇな…ちょっとだけだぞ」

ニーナ「やった!じゃ、今夜消灯後に…」

ソーニャ「あぁ」

16: 2012/04/25(水) 22:31:12.28 ID:HH4LI5T00
夜ーー


ソーニャ「準備はいいか…」

ニーナ「…はい」

ソーニャ「よし、あった、これだな」

ニーナ「やりましたね…!これで…」

プァーン

カンカンカンカン

ソーニャ「な!サイレンだと!?」

ニーナ「これって何の…?」

ソーニャ「しまった…お前はまだ知らないだろうけど、抜き打ちで夜間点呼があるんだ…!クソッ…よりによって今日かよ…!」

ニーナ「そんな…ここからじゃ間に合わない…」

教官「お前たち!ここで何をしている!」

ソーニャ「こりゃマズいことになったな…」

ニーナ「ソーニャちゃん…」

19: 2012/04/25(水) 22:35:48.06 ID:HH4LI5T00
翌日――

教官「…以上だ。もう下がっていいぞ」

ソーニャ「すいませんした」

ニーナ「すみませんでした…」

ガチャ…

ニーナ「はぁ~緊張した~!任務をこなしたら今回の件は不問だなんて、良かったですねソーニャちゃん!」

ソーニャ「何言ってんだよ…」

ニーナ「え…?」

ソーニャ「こんなもん、私たち2人だけで出来るわけがないだろ!?」

ニーナ「で、でも、大使館に潜入して…職員IDをもらうだけの簡単な任務って…」

ソーニャ「それがどこの大使館か知ってんのか?中国だぞ!ミスったら氏ぬ…これは、任務という名の処分だ…!」

ニーナ「そ…そんな…」

ソーニャ「仕方ない…こうなったら成功させるしか生き残る道はない…!」

20: 2012/04/25(水) 22:46:18.55 ID:HH4LI5T00
任務当日――

教官「では、健闘を祈る」

ソーニャ(チッ…心にも無いことを…)

ニーナ「ソーニャちゃん…」

ソーニャ「どうした?」

ニーナ「必ず…成功させましょうね…!」

ソーニャ「当たり前だろ!じゃ…行くぞ!」

ニーナ「はい!」

ソーニャ「はぁ…はぁ…ここか…」

ニーナ「あ、ありました!このパソコンからデータを…」

ソーニャ「急げよ…?時間がない…!」

21: 2012/04/25(水) 22:51:01.17 ID:HH4LI5T00
ニーナ「はい…70%…80%…もう少しです!」

ソーニャ「まだか!」

ニーナ「90%…よし、完了です…!」

ブォーン…ブォーン…

ソーニャ「なんだ!?」

ニーナ「す、すみません…!このパソコン…データをコピーしたらトラップが…!」

ソーニャ「クソッ…いいから急ぐぞ…!」

バタバタバタバタ

警備員「いたぞ―!こっちだ!」

パンッ!パンッ!

警備員「ぐあっ!」

23: 2012/04/25(水) 22:53:42.83 ID:HH4LI5T00
ソーニャ「弾ももう少ない…このままじゃ…!」

ニーナ「ソーニャちゃん…先に行って!」

ソーニャ「何言ってんだ!お前丸腰じゃねぇか!…ってお前その腹…!」

ニーナ「えへへ…これ…?さっきの警備員撃った弾が…ちょっとね…」

ソーニャ「そんな…」

ニーナ「だからもう置いてって…ね?」

ソーニャ「そんなことできるかよ!」

ニーナ「足手まといはもう嫌なの!」

ソーニャ「――ッ!」

27: 2012/04/25(水) 22:58:48.88 ID:HH4LI5T00
ニーナ「私…私ね?ずーっと守られてばかりだった…パパとママが氏んで…お姉ちゃんに守られてばかりだった…」

ニーナ「スクールに来てからも…ソーニャちゃんに頼りっぱなしで…」

ソーニャ「そんなこと気にして…」

ニーナ「今度は私が誰かを守りたい…ソーニャちゃん、それがあなたなの」

ソーニャ「いやだ!何が何でもニーナも連れて帰るからな…!」

ニーナ「やっと名前で呼んでくれた…」

ソーニャ「え…?」

ニーナ「ふふ…ソーニャちゃんは優しいね…」

ソーニャ「ニーナ…」

30: 2012/04/25(水) 23:03:53.98 ID:HH4LI5T00
ニーナ「お姉ちゃんが私をかばって氏んだ時、私ずっと理解できなかったんだ…私が氏ねば良かったのにってそれしか考えられなかった…」

ソーニャ「………」

ニーナ「でもね…今ならお姉ちゃんの気持ち、わかる気がするの…私、ソーニャちゃんのためなら命なんて惜しくない!」バサッ

ソーニャ「ニーナ!お前それC4じゃないか!…最初から氏ぬつもりだったのか!?」

ニーナ「ごめんね…私が外に出ようなんて誘ったりしたから…」

ソーニャ「そんなこと気にしてねぇよ!だから…だから一緒に来いよ!」

ニーナ「本当に…ソーニャちゃんは優しいね…。ソーニャちゃんが私の世話係で…本当に良かった…!」

警備員「この部屋を探せ!ここにいるはずだ!」

ソーニャ「く…!もう追っ手が…!」

31: 2012/04/25(水) 23:06:52.26 ID:HH4LI5T00
ニーナ「行って!もう…どっちにしても私は…血を失い過ぎたみたい…だから行って…!」

ソーニャ「う…クソッ!クソぉおおお!」

ニーナ「これ…データ…大切に持って帰ってね…」

ソーニャ「うぐ…泣かないからな!私は!」

ニーナ「あはは…そんなに涙溜めて言うセリフ…?ぐすっ…」

ソーニャ「…お前こそ…」

ニーナ「まだ…泣いてないもん」

ソーニャ「…じゃあな」

ニーナ「…うん、バイバイ」

タタタタタ…

32: 2012/04/25(水) 23:11:18.29 ID:HH4LI5T00
ニーナ「…不思議だね、お姉ちゃん…もうすぐ氏ぬって言うのに全然怖くないや…」

ニーナ「ふふ…でもちょっぴり寒いかな…」

ニーナ「ソーニャちゃん…ありがとう…」

ドゴォォオオン

ソーニャ「…!!ニーナ…クソぉおおお!!」

ソーニャ(それから、無事にスクールに帰還した私は約束通りあの日の脱走未遂を不問とされた)

ソーニャ(むしろ、あの難易度の高い任務を遂行したことが評価され、14才にして実戦投入された)

33: 2012/04/25(水) 23:14:03.69 ID:HH4LI5T00
ソーニャ(ニーナは事故氏として処理された。スクールには、私がニーナを踏み台にしたという輩も居たが気にはしなかった)

ソーニャ(頃し屋としての任務も増え、もう何人殺ったのか覚えていない。私はニーナのことを忘れるように任務に没頭した)

ソーニャ(今回、来たるべき時のための潜入という名目で、この日本に来たがあまり頃し屋として活動することは少ない)

ソーニャ(私の組織と敵対する奴らの刺客を始末するくらいか…)

ソーニャ(せっかくニーナを忘れられたと思っていたのに…ニーナにそっくりなやすなが現れた…)

ソーニャ(私は…どう接すればいいのかわからない…)


本編へ続く

引用: ソーニャ「やすなが可愛すぎて生きるのがツラい」