2: 2013/12/10(火) 22:30:49 ID:tb9ciEHg

…毎度便利な倉庫裏。

アニ「なんか報告することもなくなってきたね」

ベルトルト「じゃぁ…悩みとかは?」

アニ「悩みはないけど…あんたらの噂は、とりあえず治まったんでしょ?」


(参照:ライナー「ベルトルトがホ〇かもしれない?」)


アニ「あんたがアイツの分も報告してくれるのはいいんだけど…アイツはもう来ないの?」

ベルトルト「んと…」

3: 2013/12/10(火) 22:31:30 ID:tb9ciEHg

ベルトルト「話を切り上げてこっちに来るのが難しいみたい…」

アニ「はぁ…仲良くしすぎなんじゃないの」

ベルトルト「うん…何度か言ってるんだけど」

アニ「仲良くと言えば、あんた最近ユミルと何こそこそ話してるのさ」

ベルトルト「えっ」

アニ「気づいてないとでも思ってるのかい。隠し事はしないって約束だろ」

ベルトルト「う、うん…」

4: 2013/12/10(火) 22:32:16 ID:tb9ciEHg

ベルトルト(ど、どうしよう…)


モヤモヤ(回想)モヤモヤ


ベルトルト『こんなとこに呼び出して、なに?』

ユミル『警戒しなさんなって。ま、ムリだろうが』

ベルトルト『……』

ユミル『率直に聞くぞ。お前、アニのこと好きなんだろ?』

ベルトルト『ふぇっ!?』

ユミル『ぶっ、分かりやすい反応ありがとよ。
 しかし盲点だったな、ベルトルさんからすれば大抵の女は背が低い』

5: 2013/12/10(火) 22:32:48 ID:tb9ciEHg

ベルトルト『待って、それはライナーが勝手に言っただけで』

ユミル『疑ってない私らには否定しても良かったよな?』

ベルトルト『…それは、その…めんどくさかったというか』

ユミル『めんどくさい、ねぇ…』

6: 2013/12/10(火) 22:33:18 ID:tb9ciEHg

ユミル『だったら何故、立体機動訓練の時に獲物譲ってるんだ?』

ベルトルト『!?』

ユミル『分かる奴には分かるんだよ。私だって
 教官にバレないようにクリスタに譲ってるからな』

ベルトルト『……』

ユミル『で、どうなんだ』

ベルトルト『…何が望みなの』

7: 2013/12/10(火) 22:34:04 ID:tb9ciEHg

ユミル『ほお…話が分かりやすくていい』

ベルトルト『ネタにされて騒がれるのは嫌なんだ。彼女もそうだろうから』

ユミル『そうだな。優等生のベルトルさんの色恋沙汰となりゃ、
 放っておかない連中は多いだろうしな』

ベルトルト『……』

ユミル『ましてや、相手があのアニときたらね。
 ま、私はその辺の話はどうでもいい』

8: 2013/12/10(火) 22:34:51 ID:tb9ciEHg

ユミル『クリスタにも獲物を譲ってやって欲しいのさ』

ベルトルト『…え?』

ユミル『アニに譲るくらいならな。私一人では少し荷が重い』

ベルトルト『君はどうしてクリスタに…。
 いや、これは聞かない方がいいかな』

ユミル『ああ。私もベルトルさんの事を聞かなきゃいけなくなる』

9: 2013/12/10(火) 22:35:37 ID:tb9ciEHg

ユミル『ついでに他の訓練も教えて欲しいんだ。
 直接でもいいし、私を通して間接的にでもいい』

ベルトルト『…注文多すぎない?』

ユミル『夜の散歩は危険が多いからな。
 こないだ出くわしたフリして話しかけてるのを見かけたが、
 付き合ってるわけでもないのに…守ってやってるんだろ』

ベルトルト『……』

ユミル『ベルトルさんが私と絡めば、クリスタとも接点がうまれる。
 いつも世話になってるライナーに、少しは恩返しになるんじゃないか?
 ま、手出しはさせねぇけどよ』

10: 2013/12/10(火) 22:36:24 ID:tb9ciEHg

ベルトルト(ってことだったんだけど…ど、どうしよう)

アニ「ねぇ、どうなの」

ベルトルト「…見られたんだ」

アニ「は?」

ベルトルト「その…君と僕がいるとこ。話の内容は聞かれてない」

アニ「いつ?ってかそんな大事なこと、なんで黙ってたの」

11: 2013/12/10(火) 22:37:00 ID:tb9ciEHg

ベルトルト「1週間くらい前だったかな…呼び出されて」

アニ「…何て答えたの」

ベルトルト(えっと………あ、いや、でもコレは…)

アニ「言いな」

ベルトルト「…怒らないでよ」

アニ「言ってみなよ」

ベルトルト「……付き合ってると言いました」

12: 2013/12/10(火) 22:37:33 ID:tb9ciEHg

アニ「……………は?」

ベルトルト「黙っててもらう代わりに、訓練で色々教えることに…」

アニ「ちょっと、待って。私と、あんたが、付き合ってる?」

ベルトルト「う、うん…」

アニ「は……はァ!?」

13: 2013/12/10(火) 22:38:30 ID:tb9ciEHg

ベルトルト「いや、その…同郷っていうと、黙ってる方がおかしいし…」

アニ「え、いや…だからって、それは…。ま、まぁ…それで、ユミルは?」

ベルトルト「信じた、みたい…その、僕らってこれまで色恋沙汰に
 無縁だったから、ネタにされたくなけりゃ立体機動訓練で獲物を譲れって…」

アニ「そ、そう…」

ベルトルト「……」

アニ「……」

ベルトルト「その…」

アニ「まぁ…ユミルに何か言われたら、話あわせとくよ…」

14: 2013/12/10(火) 22:39:19 ID:tb9ciEHg

ベルトルト「…ごめん」

アニ「いいよ、仕方ない。…にしても、あんたと、付き合ってる、か…」

ベルトルト「…アニ?」

アニ「あ、いや…どうせ聞かれるんだから考えとこうかなって」

ベルトルト「何を?」

アニ「…どういうところが、好き、とか」

15: 2013/12/10(火) 22:39:50 ID:tb9ciEHg

ベルトルト「……」

アニ「……」

ベルトルト「…僕も考えとこ」

アニ「そうしな…絶対聞いてくるよ」

ベルトルト「うん…」

16: 2013/12/10(火) 22:40:34 ID:tb9ciEHg

アニ「…ねぇ」

ベルトルト「ん?」

アニ「ちなみに、どう答えるつもり?」

ベルトルト「え…」

アニ「…参考までに」

ベルトルト「あ、うん…」

17: 2013/12/10(火) 22:41:16 ID:tb9ciEHg

ベルトルト「えっと…優しい、とこ…?」

アニ「…私が?」

ベルトルト「うん。あと、強そうに見えて雷とか苦手なとことか、
 守ってあげたくなるというか」

アニ「………」

ベルトルト「瞳がキレイなとことか…寝顔が可愛いとこ、と…か…」

18: 2013/12/10(火) 22:41:55 ID:tb9ciEHg

アニ「………」

ベルトルト「………」

アニ「あんた…」

ベルトルト「聞かなかったことにして。というか、アニだってどう答えるのさ」

アニ「私、は…」

19: 2013/12/10(火) 22:42:34 ID:tb9ciEHg

アニ「ヘタレで弱虫で臆病で、放っておけないから?」

ベルトルト「…ヘ、ヘタレ」

アニ「…優しすぎて傷つきやすい。私が見てないと泣くからね」

ベルトルト「…昔の話じゃない?」

アニ「今は?」

ベルトルト「泣くことはないと思うけど…」

アニ「ふーん…」

20: 2013/12/10(火) 22:43:33 ID:tb9ciEHg

アニ「…人の気持ちが分かりすぎるから。だから人と関わろうとしてないんだろ」

ベルトルト「……」

アニ「目的のためだけど。ホントはすごい寂しがりやなのにね」

ベルトルト「お見通しだね…」

アニ「私は…少し、関わりすぎてるかもしれない。弱そうに見えて、強いよ、あんたは」

21: 2013/12/10(火) 22:44:22 ID:tb9ciEHg

ベルトルト「………」

アニ「………」

ベルトルト「……ねぇ」

アニ「……うん」

ベルトルト「……好きだよ」

アニ「……私も」

22: 2013/12/10(火) 22:44:52 ID:tb9ciEHg

ベルトルト「……」

アニ「……」

ベルトルト「……っっっ」

ベルトルト「す…き……?」

アニ「……うん」

ベルトルト「あ……」

23: 2013/12/10(火) 22:45:25 ID:tb9ciEHg

アニ「つき、あう…?」

ベルトルト「お、お願い…しま、す…?」

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「……ぷ」

ベルトルト「……はは」

24: 2013/12/10(火) 22:45:56 ID:tb9ciEHg

アニ「なんかしてやられたな」

ベルトルト「うん?」

アニ「あんたに。いくらユミルに言われたからって」

ベルトルト「あ…その、話」

アニ「なに?」

ベルトルト「ホントは…僕が君のこと、好きなのがバレただけ、なんだ…」

25: 2013/12/10(火) 22:46:26 ID:tb9ciEHg

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「…騙した?」

ベルトルト「や、その…ってちょっと、首絞めないで、苦しいっ」

アニ「…ッ!し、知らないっ!私何も言ってないッ!」

ベルトルト「ちょ…待ってよ」

アニ「…離してよ」

26: 2013/12/10(火) 22:47:00 ID:tb9ciEHg

ベルトルト「…いやだ。ちゃんと話がしたい」

アニ「ユミルには、あんたが私を好きってバレてるだけだ」

ベルトルト「…僕のことは」

アニ「…嫌いじゃない」

ベルトルト「……」

アニ「あぁもう。好きだよ、泣きそうな顔するんじゃないよ」

ベルトルト「…良かった」

27: 2013/12/10(火) 22:47:39 ID:tb9ciEHg

アニ「…で、その…付き合うの?」

ベルトルト「僕は…そうしたい、けど…」

アニ「ネタにされるのはやだね…」

ベルトルト「うん…」

アニ「せっかく同郷なの黙ってるのに、任務に支障きたしたくないし…」

ベルトルト「うん…」

28: 2013/12/10(火) 22:48:09 ID:tb9ciEHg

アニ「……」

ベルトルト「…ここで」

アニ「?」

ベルトルト「ここで、2人きりで会う時だけ、ってのは…だめ、かな」

アニ「ここで、だけ…?」

ベルトルト「うん…」

29: 2013/12/10(火) 22:48:46 ID:tb9ciEHg

アニ「つまり…」

ベルトルト「他の人には秘密」

アニ「…ライナーは?」

ベルトルト「あ」

アニ「…言わなくていい。言っちゃだめだ」

ベルトルト「え、どうして?」

アニ「考えてみなよ、言ったところ」

30: 2013/12/10(火) 22:49:24 ID:tb9ciEHg

モヤモヤ(想像)モヤモヤ

ライナー『へぇー、お前らがねぇ…』ニヤニヤ

ライナー『他人のフリしろって言ったのはアニだし、
 お前も頷いたはずなんだけどなぁ』ニヤニヤ

ライナー『ま、任務に影響しなきゃいいんじゃねぇかぁ?』ニヤニヤ

31: 2013/12/10(火) 22:50:07 ID:tb9ciEHg

ベルトルト「…なんかムカついた」

アニ「だろ?言わなくていい」

ベルトルト「そうだね。言わなくていいや…」

アニ「とりあえず…」

ベルトルト「その…よろしく」

アニ「…よろしく」

39: 2013/12/11(水) 21:26:34 ID:XA7PEz0E

*食堂*

アニ「早くしなよ。食いっぱぐれる」

ミーナ「まってぇ…朝は弱いの…」

アニ「ったく…席空いてないじゃないか」

ミーナ「うそ?……あ、あそこ2人分空いてる」

アニ「どこ」

ミーナ「ほら、あそこ」

アニ「……」

ミーナ「あー、よかったー。朝ごはん食べないと力出ないからね」

40: 2013/12/11(水) 21:27:07 ID:XA7PEz0E

ミーナ「おはよー。お邪魔するねー」

ハンナ「はーい」

アニ「…どうも」

ベルトルト「あ…うん」

41: 2013/12/11(水) 21:27:41 ID:XA7PEz0E

ハンナ「フランツ、今日の訓練後なんだけど…」

ミーナ「おっ、デートのお誘い?」

ハンナ「もう、ミーナったら」

ミーナ「見せ付けてくれるねぇ、アニ?」

アニ「…は?ごめん、聞いてなかった」

ミーナ「この2人ったら、朝から訓練後の事考えててさー」

アニ「…そう。せいぜい怪我に気をつけるんだね」

42: 2013/12/11(水) 21:28:19 ID:XA7PEz0E

「んだとテメェ」

「あ?やるか?」

ライナー「まーたおっぱじめやがった。元気な奴らだ」

ベルトルト「……」

ライナー「ん?どうかしたか?」

ベルトルト「いや、別に」

ライナー「…あぁ、なるほどな」

43: 2013/12/11(水) 21:29:00 ID:XA7PEz0E

ベルトルト「…なに」

ライナー「いいや。俺はあいつら止めてくっから、お前はそこにいろ」

ベルトルト「どうして」

ライナー「怪我しちゃまずいだろ?」ニヤッ

44: 2013/12/11(水) 21:29:35 ID:XA7PEz0E

ベルトルト「…はぁ」

ベルトルト(昨日の今日なわけで…)

アニ(何ドキドキしてんだよ、私…)

ベルトルト(冷静に、冷静に…)

アニ(バレちゃだめなんだから…)

45: 2013/12/11(水) 21:30:33 ID:XA7PEz0E

ベルトルト(………)

アニ(………)

ベルトルト(机の下で手握るくらいなら大丈夫?って、何考えてるんだ僕は)

アニ(ちょっとくらい話しても平気?不自然じゃない?…ダメダメ、我慢しなきゃ)

46: 2013/12/11(水) 21:31:17 ID:XA7PEz0E

ベルトルト(………)

アニ(………)

ベルトルト(あれ…これって…)

アニ(以前より…)

((辛いんだけど……?))

47: 2013/12/11(水) 21:32:03 ID:XA7PEz0E

*そして訓練後、いつもの倉庫裏*

アニ「…なんでいるの」

ベルトルト「会えるかなって…」

アニ「そう。…隣、座るよ」

ベルトルト「うん」

48: 2013/12/11(水) 21:32:40 ID:XA7PEz0E

ベルトルト「……」

アニ「……」

ベルトルト「…………」

アニ「…………」

「「……………はぁ」」

49: 2013/12/11(水) 21:33:19 ID:XA7PEz0E

ベルトルト「…手、握っていい?」

アニ「ん…」

ベルトルト「わ、冷たい。寒いの?」

アニ「いや、元々。…あんたの手、温かいね」

ベルトルト「……」ギュ

アニ「……」

50: 2013/12/11(水) 21:33:55 ID:XA7PEz0E

ベルトルト「今朝ね」

アニ「うん」

ベルトルト「手を握ろうと思ったんだ」

アニ「…そう」

ベルトルト「できなかったけど」

アニ「…うん。私も、話そうと思ってやめた」

51: 2013/12/11(水) 21:34:34 ID:XA7PEz0E

ベルトルト「結構、辛いね」

アニ「そうだね」

ベルトルト「毎晩ここに来ることもできないし」

アニ「うん…今日はたまたま」

ベルトルト「良かった、会えて」

アニ「……うん」

52: 2013/12/11(水) 21:35:16 ID:XA7PEz0E

アニ「…そろそろ」

ベルトルト「うん、戻ろう。温まった?」

アニ「ん…ありがと」

ベルトルト「…アニは毎晩散歩してるの?」

アニ「ミーナに捕まった時以外はね」

ベルトルト「そう…でも、危ないよ」

アニ「平気。私より強い奴なんていないし」

53: 2013/12/11(水) 21:36:12 ID:XA7PEz0E

ベルトルト「複数人の場合とか」

アニ「…なんとかなる」

ベルトルト「できるだけ、宿舎に近いところにしてね、僕がいない時は」

アニ「はいはい…」

ベルトルト「………」

アニ「…心配しすぎだよ。今までもなんとかなったし」

ベルトルト「ただの仲間ってだけならね。
 でも、その………か、彼氏、と、しては、やっぱり…」

54: 2013/12/11(水) 21:36:54 ID:XA7PEz0E

アニ「………」

ベルトルト「………」

アニ「ばっ……か…ッ!」

ベルトルト「いたっ、足踏まないでよ」

アニ「帰る!あんたはもう少し頭冷やしてからにしな!」

ベルトルト「…照れてる?」

アニ「おやすみ!」

ベルトルト「…おやすみ」クスッ

61: 2013/12/14(土) 16:01:13 ID:XoHT89/I

*いつもの倉庫裏*

アニ「なんだ、いたの」

ベルトルト「なんだって何さ…」

アニ「いるかどうか分かんないんだもん。
 いるって分かってたら、もう少し早く来るさ」

ベルトルト「あ……う、うん」

アニ「隣、座るよ」

62: 2013/12/14(土) 16:02:20 ID:XoHT89/I

アニ「でも、ここに来るまでいてるかどうか分からないってのもね。
 宿舎近くだと分かるわけもないっていうか…」

ベルトルト「それ、ちょっと考えたんだ」

アニ「へぇ…聞かせてよ」

ベルトルト「僕が先に外に出てたら、目印を所定の場所に置いておく。
 後から君がそれを見つけたら、ここに来る。…どう?」

アニ「目印と場所は?」

63: 2013/12/14(土) 16:03:34 ID:XoHT89/I

ベルトルト「これ。その辺に転がってた石だけど、少し形が特徴的でしょ?
 場所は…宿舎出てすぐの階段、とか。帰るときに回収できるし」

アニ「…あんたにしては上出来なんじゃない」

ベルトルト「はは…いつもこういうの考えるのは、アニだったね」

アニ「まぁね。…ってかさ」

ベルトルト「なに?」

64: 2013/12/14(土) 16:04:09 ID:XoHT89/I

アニ「座っても、首痛いんだけど」

ベルトルト「…僕のせい?」

アニ「そう。無駄にでかいから」

ベルトルト「と言われても…」

アニ「ちょっと、胡坐かいてみてよ」

65: 2013/12/14(土) 16:04:45 ID:XoHT89/I

ベルトルト「…こう?」

アニ「そう、それで……よっと」

ベルトルト「わっ」

アニ「私が片膝に座る」

ベルトルト「……」

66: 2013/12/14(土) 16:05:40 ID:XoHT89/I

アニ「これで目線が同じになるね」

ベルトルト「……」

アニ「? なに?」

ベルトルト「…いや。久しぶりに、君のことちゃんと見れたから…」

67: 2013/12/14(土) 16:06:27 ID:XoHT89/I

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「…ねぇ」

ベルトルト「…なに」

アニ「あんたさ、いつから、その…」

ベルトルト「……」

アニ「いつから、私のこと…」

68: 2013/12/14(土) 16:07:18 ID:XoHT89/I

ベルトルト「えっ…と…初めて、会った時から…?」

アニ「そ、そう…」

ベルトルト「瞳が、綺麗で…一目ぼれ、なのかな」

アニ「………」

ベルトルト「………」

69: 2013/12/14(土) 16:08:13 ID:XoHT89/I

アニ「…か、帰る」

ベルトルト「待ってよ、君は?」

アニ「そろそろ時間でしょ、帰らなきゃ」

ベルトルト「…照れてないで聞かせてよ、僕だって知りたい」

アニ「…ッ、……こ、ここ…入ってから」

ベルトルト「…話す機会なんてなかったよ」

アニ「…あんたが、他の女と話してるの見てから」

70: 2013/12/14(土) 16:09:15 ID:XoHT89/I

ベルトルト「……」

アニ「…なんか、嫌だったんだよ。それで、その…」

ベルトルト「……」

アニ「……」

ベルトルト「…参ったよ。君ってば、ほんと可愛いんだもの」

アニ「…可愛くなんか」

71: 2013/12/14(土) 16:10:36 ID:XoHT89/I

ベルトルト「可愛いよ、君は」

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「こ、この変Oっ」

ベルトルト「じゃあ君はさらに変O?」

アニ「…なんで」

ベルトルト「変Oの僕を好きなんでしょ?」

72: 2013/12/14(土) 16:11:21 ID:XoHT89/I

アニ「………」

ベルトルト「……」

アニ「もう…なんなの、さ…」

ベルトルト「や…可愛くて、つい」

アニ「帰るよ、ほんとに時間だし…」

ベルトルト「…うん」

アニ「また、ね」

ベルトルト「うん、また」

75: 2013/12/14(土) 20:55:40 ID:XoHT89/I

*数週間後。夕食後の雑談*

コニー「なぁ、教えてくれよ。でかくなる方法」

フランツ「そう言われても…ねぇ?」

ベルトルト「うん…」

コニー「お前ら同期の中でダントツにでかいじゃないか」

フランツ「僕は両親共に身長あるから、体質じゃないかな」

ベルトルト「………僕も、かな」

76: 2013/12/14(土) 20:56:24 ID:XoHT89/I

コニー「なんだよ、やっぱ親が影響するのか?」

フランツ「身長に関しては遺伝が一番影響するんじゃ?」

コニー「遺伝って…だったら諦めろってことかよ」

フランツ「コニーのご両親は小柄なの?」

コニー「ああ。俺の親ってか、村のみんなだな」

フランツ「そっかぁ」

77: 2013/12/14(土) 20:57:26 ID:XoHT89/I

コニー「畜生、身長馬鹿にされたくねぇのに」

ベルトルト「…高すぎるのもどうかと思うよ」

コニー「そうなのか?」

ベルトルト「扉開けてくぐる時、頭ぶつけたりね」

フランツ「ああ!あるある!」

78: 2013/12/14(土) 20:58:02 ID:XoHT89/I

ベルトルト「教官室の扉」

フランツ「食堂の裏扉」

ベルトルト「地下食料庫」

フランツ「トイレの個室」

ベルトルト「……」

フランツ「……」

ベルトルト「あはは…」

フランツ「あるよねぇ」

79: 2013/12/14(土) 20:58:49 ID:XoHT89/I

フランツ「でも、一番困ったのはアレかなぁ…」

ベルトルト「なに?」

フランツ「…ハンナと、その…」

ベルトルト「…………」

コニー「ん?何に困ったんだ?」

ベルトルト「…さぁ。でも人から言われたことあるよ。
 コニーも、僕らと話してて首が疲れない?」

コニー「あー、言われてみればそうだな」

80: 2013/12/14(土) 20:59:35 ID:XoHT89/I

ベルトルト「ね。高すぎて得することもないよ」

コニー「でもなぁ、もう少しは欲しいんだよ」

アルミン「どうしたの?何か困った顔してるけど」

フランツ「コニーがね、身長伸ばしたいんだって」

ベルトルト「それで僕らに…」

アルミン「…そ、そっか」

81: 2013/12/14(土) 21:00:13 ID:XoHT89/I

コニー「何かないのかよぉ」

アルミン「えーっと…僕ももう少し欲しいけど…」

コニー「だよな?」

アルミン「食事改善は期待できないし、睡眠を多くとってみるとか…」

コニー「でもアルミンは遅くまで本読んでるよな?」

アルミン「うん。ほんとは体のことを考えて、早く寝た方がいいんだけど」

フランツ「その努力が座学にいかされてるんだよ。身長だけが全てじゃないさ」

アルミン「…ありがとう、フランツ」

82: 2013/12/14(土) 21:00:55 ID:XoHT89/I

ミーナ「コニーが聞きたい男の相談って何なのかなぁ」

ハンナ「さぁ…でも、フランツと一緒にいるのは」

ミーナ「ベルトルトか……あー、分かったわ」

ハンナ「くすっ、でしょうねぇ」

アニ「…何」

83: 2013/12/14(土) 21:01:48 ID:XoHT89/I

ミーナ「大方、身長が~って言ってるんじゃないの?2人とも大きいし」

アニ「…そうだね」

ミーナ「でもさ、ベルトルトってあんな風に笑うんだね」

アニ「……」

ミーナ「前はもっと無表情のイメージだったんだけど…ね、アニ?」

アニ「さぁね」

ミーナ「彼の前に散っていった女子は数知れず…うーん、
 でも惹かれるのも分からなくはないかなぁ」

アニ「…あんたも、気になるの?」

84: 2013/12/14(土) 21:02:36 ID:XoHT89/I

ミーナ「まっさか。私は自分の身分をわきまえてますよーだ」

アニ「…そう」

ミーナ「アニは?」

アニ「は?」

ミーナ「好きな人とか」

ハンナ「え、いるのっ?」

アニ「…いないって言ったろ」

85: 2013/12/14(土) 21:03:09 ID:XoHT89/I

ミーナ「前に聞いた時から時間経ったし」

アニ「…いない。興味もない」

ミーナ「ふぅーん」

アニ「……」

ミーナ「アニ可愛いのになぁ、勿体無い」

アニ「あんたまでそういうの」

ミーナ「ん…あんた、まで?誰かに言われたの?」

86: 2013/12/14(土) 21:03:49 ID:XoHT89/I

アニ「………ライナーに。可愛い身長して俺の巨体を投げ飛ばすんだからなって」

ミーナ「身長じゃないって。アニくらいの女子なんてその辺にもいるし
 クリスタなんかもっと低いじゃない。そりゃ、ライナーからすれば低いけどさ」

アニ「……」

ミーナ「アニはね、もっと自信持つべきだよ。もちろん、女として」

アニ「…そうかい」

87: 2013/12/14(土) 21:04:37 ID:XoHT89/I

ミーナ「そうそう。で、気になる人は?」

アニ「しつこいよ」

ミーナ「もー、少しくらいいるんじゃないのー?」

アニ「いないもんはいないんだ。って、なんて顔だよ」

ミーナ「吐け、吐くんだぁ~!」

ハンナ「そうよ~、楽におなりなさいよ~」

アニ「や、やめっ……ぷっ」

88: 2013/12/14(土) 21:05:23 ID:XoHT89/I

フランツ「女子の意見と思ってハンナを呼ぼうとしたけど…」

アルミン「…とっても珍しいものを見た気がする」

コニー「ああ…」

ベルトルト「………」

アルミン「初めてみたや、アニの笑った顔」

コニー「だな…いつも無愛想で怒った顔してんのによ」

89: 2013/12/14(土) 21:06:02 ID:XoHT89/I

アルミン「いつもああだといいのにね。…ベルトルト?」

ベルトルト「…うん?」

アルミン「どうかしたの?」

ベルトルト「…いや。僕も初めてみたから、ビックリしただけ」

コニー「お前らたまに組んでるのにな、立体機動とかで」

ベルトルト「そうだね…」

90: 2013/12/14(土) 21:06:52 ID:XoHT89/I

フランツ「君とアニだったら…40cmくらい?身長差」

ベルトルト「…そう、かな」

アルミン「クリスタとだったら…50cm?」

コニー「まるで親子だな…」

ベルトルト「はは…正直、彼女達の表情は近くにいると確認できないよ」

フランツ「そうだねぇ…ハンナとは座って話してるからわかるけど」

ベルトルト「……へぇ」

91: 2013/12/14(土) 21:07:39 ID:XoHT89/I

コニー「あー……惚気か」

アルミン「まぁまぁ…」

フランツ「ふふ…ところで、コニー」

コニー「あ?」

フランツ「どうして身長なんていきなり言い出したの?」

92: 2013/12/14(土) 21:08:29 ID:XoHT89/I

コニー「…別に何でもいいだろ」

フランツ「誰かに何か言われたとか………サシャとか」

コニー「なっ…なんで芋女が出てくんだよ」

フランツ「なんとなく?」

コニー「まぁあいつのが身長たけぇしさ…
 オレにもっと身長あったら、パン奪われずにすむのかなって」

フランツ「…ほんとにそれだけ?」

コニー「…それだけだよ。わりぃか?」

フランツ「いいや? ね、アルミン」

アルミン「は、はは…」

93: 2013/12/14(土) 21:10:15 ID:XoHT89/I

ベルトルト「えっと…じゃあ、僕は…」

コニー「おう、わりぃな」

アルミン「ほんとに好きなんだね」

ベルトルト「天気いいしね、よく見えると思う」

フランツ「今度、場所教えてよ」

ベルトルト「うーん…2人で見るには危ないよ」

フランツ「そっかぁ…ま、就寝時間には遅れないようにね」

ベルトルト「…君こそね」

フランツ「ごもっとも」

96: 2013/12/15(日) 01:11:22 ID:/yig5zTw

*倉庫裏*

ベルトルト「ほら、あそこ。あの辺りで一番明るいやつ」

アニ「…あそこ?」

ベルトルト「うん。レグルスって言う星。しし座の中で一番明るいんだ」

アニ「…へぇ」

ベルトルト「この星ね、昔の言葉で…
 『小さな王』とか『獅子の心臓』って呼ばれてるんだ」

アニ「……」

ベルトルト「…君と、同じだね」

97: 2013/12/15(日) 01:12:01 ID:/yig5zTw

アニ「……」

ベルトルト「外に出る理由づけとして、天体観測を趣味にしようと思って」

アニ「…それで」

ベルトルト「本を見てるうちに、ほんとにはまっちゃったけど。
 星の意味調べてたら、そう、出てきて…真っ先に君のことが」

アニ「……」

ベルトルト「その…君の心臓は、僕が、守る、から…」

98: 2013/12/15(日) 01:12:33 ID:/yig5zTw

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「…守られるほど、弱くはないつもりだけど」

ベルトルト「うん…」

アニ「…そんな機会、あったら嫌だけど」

ベルトルト「……」

アニ「…私だって、あんたのこと守る、から」

ベルトルト「……うん」



ぎゅっ

99: 2013/12/15(日) 01:13:05 ID:/yig5zTw

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「…ドキドキしすぎじゃない」

ベルトルト「…君も」

アニ「あんたのが速い」

ベルトルト「そ、そうかな」

100: 2013/12/15(日) 01:13:35 ID:/yig5zTw

アニ「心臓、痛くない?」

ベルトルト「…ちょっと。でも、離したくない」

アニ「…そう」

ベルトルト「……」

アニ「……」

101: 2013/12/15(日) 01:14:08 ID:/yig5zTw

ベルトルト「…さっき、君の笑顔見たんだ」

アニ「…私も、あんたの見た」

ベルトルト「多分…普段の表情…感情、が、緩んできてる」

アニ「うん…」

102: 2013/12/15(日) 01:14:38 ID:/yig5zTw

ベルトルト「良くないことだと思う。でも…離したく、ない」

アニ「……」ギュ…

ベルトルト「気を、つけよう」

アニ「……うん」

103: 2013/12/15(日) 01:15:09 ID:/yig5zTw

ベルトルト「………」

アニ「………」

ベルトルト「………」

アニ「…ねぇ、そろそろ」

ベルトルト「うん…」

104: 2013/12/15(日) 01:15:42 ID:/yig5zTw

アニ「…行かなきゃ」

ベルトルト「……」

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「!…――」

ベルトルト「………」

アニ「………ぁ」

105: 2013/12/15(日) 01:16:26 ID:/yig5zTw

ベルトルト「…ごめん、抑え、きれなくて」

アニ「……ゃ」

ベルトルト「……」

アニ「嫌、じゃ……なかった、から…」

ベルトルト「……ん」

アニ「………」

ベルトルト「………」

106: 2013/12/15(日) 01:17:04 ID:/yig5zTw

アニ「…かえろ」

ベルトルト「……」

アニ「一緒にさ…故郷に」

ベルトルト「…うん」

アニ「だから、今は…」

ベルトルト「……」

107: 2013/12/15(日) 01:17:34 ID:/yig5zTw

アニ「泣くんじゃないって」

ベルトルト「…泣いてないよ」

アニ「…そう。落ち着いたら、ちゃんと戻るんだよ。先、行くから」

ベルトルト「…点呼までには、戻る」

アニ「ん…じゃぁ、また」

ベルトルト「…また、ね」

111: 2013/12/17(火) 00:56:50 ID:1WgISBYQ

*対人格闘訓練*

エレン「うわっ」

アニ「……」

エレン「くっそ…お前といいミカサといい、強すぎんだよ」

アニ「いい加減諦めたら?」

エレン「誰が。勝てるまで挑戦するに決まってるだろ」

アニ「はぁ…」

112: 2013/12/17(火) 00:57:43 ID:1WgISBYQ

エレン「…なぁ」

アニ「なに」

エレン「苦手な相手とかいないのか?」

アニ「…どうして」

エレン「対人格闘で。お前に苦手な奴がいるなら、そいつの動きを参考にだな」

113: 2013/12/17(火) 00:58:30 ID:1WgISBYQ

アニ「…いないことはないけど。参考にならないと思うよ」

エレン「本当かっ!? 誰なんだ」

アニ「…ベルトルト」

エレン「ベルトルト?」

アニ「リーチが、長すぎる」

エレン「あー……」

114: 2013/12/17(火) 00:59:10 ID:1WgISBYQ

アニ「ライナー辺りまでならなんとかなる。けど、あいつは…」

エレン「組んだことあるけど、確かに身長ある分リーチあってやりづらかったな」

アニ「だろ。だからあんたの参考にはならない」

エレン「うーん…つまり、懐に入りにくいってことか?」

アニ「…そういうこと」

エレン「懐に入られなきゃ、アニの技も防げる?」

アニ「…さぁね」

115: 2013/12/17(火) 01:00:00 ID:1WgISBYQ

エレン「でも近寄らなきゃ倒せないしなぁ」

アニ「分かったらちゃんと技を覚えたらどうなんだい」

エレン「くっそ…もう1回だ!」

アニ「……フ」

116: 2013/12/17(火) 01:01:12 ID:1WgISBYQ

ユミル「…訓練中に余所見とは、随分舐められたもんだな」

ベルトルト「そうかな。君だって、本気出してないでしょ」

ユミル「さぁ、なっ!」

ベルトルト「っ…どこに隠し持ってたの」

ユミル「ベルトルさんが規格外なんだよ。規格外の敵には不意打ちも必要だろ?」

117: 2013/12/17(火) 01:01:52 ID:1WgISBYQ

ベルトルト「いきなり短刀突き出されたら驚くよ…」

ユミル「といいつつ、ちゃっかり避けてるじゃねぇか」

ベルトルト「はぁ…こないだ2体譲ったじゃない」

ユミル「それとこれとは別だ。自分より強い相手を
 いかに負かすかの実験に付き合ってもらう」

ベルトルト「またクリスタの為? 覚えて教えるっていうの?」

ユミル「まぁそんなところだ」

118: 2013/12/17(火) 01:03:20 ID:1WgISBYQ

ベルトルト「……」

ユミル「不思議そうだな。聞かないのか?」

ベルトルト「聞いたらこっちのことも聞かれる。そうでしょ」

ユミル「その通り。平和な訓練生活を送りたかったら黙って付き合えよ」

ベルトルト「君に目をつけられたのは僕の不覚だ」

ユミル「利用できるもんは利用しねぇとな」

ベルトルト「…その通り、かな」

ユミル「っ!」

119: 2013/12/17(火) 01:07:35 ID:1WgISBYQ

ベルトルト「…君、短刀の処理はうまいけど、攻撃するのは慣れてないよね」

ユミル「チッ…その図体でどうすりゃそんなに素早く動けるんだよ」

ベルトルト「いつもこう動けたらいいんだけど」

ユミル「…何の話だ」

ベルトルト「なんでも。手、貸そうか」

ユミル「そりゃどうもっ!」パシッ

ベルトルト「いたっ」

120: 2013/12/17(火) 01:08:30 ID:1WgISBYQ

カンカンカン…

ユミル「…終わりだな」

ベルトルト「…そうだね」

ユミル「次は3体な」

ベルトルト「増えてるよ」

ユミル「女にしりもちつけさせた罰ってやつだ」

121: 2013/12/17(火) 01:09:14 ID:1WgISBYQ

ベルトルト「はぁ…都合のいい"女"だね」

ユミル「利用できるもんは利用する」

ベルトルト「だったら最初から女であることを武器にしたら?」

ユミル「私みたいなクソ女を誰が相手にするってんだよ」

ベルトルト「…そこまで卑下しなくてもいいと思うけど。
 使えるものは使うんでしょ?」

ユミル「……」

122: 2013/12/17(火) 01:10:00 ID:1WgISBYQ

ベルトルト「何のためかは知らないけど、
 守りたい人の為に何でも利用するって考えは、否定しない」

ユミル「………」

ベルトルト「…僕は、弱いけど。でも守ってみせる。
 君が邪魔するってなら、容赦はしない」

ユミル「…ハッ、情熱的だね」

ベルトルト「……」

ユミル「お互い守りたいものがある。それの為なら神にすら逆らうか?」

123: 2013/12/17(火) 01:11:26 ID:1WgISBYQ

ベルトルト「……」

ユミル「いいだろう、悪くない。お前に遠慮するのはやめよう」

ベルトルト「…手、貸すよ」

ユミル「…2体で許しておいてやる」

ベルトルト「それはどうも」

124: 2013/12/17(火) 01:12:11 ID:1WgISBYQ

エレン「ってぇ…」

アニ「……」

エレン「余所見してるからいけると思ったのによ…」

アニ「甘いよ。挙動全てに無駄が多すぎる」

エレン「無駄ってなんだよ…」

アニ「自分で考えな」

エレン「何、怒って…おいっ」

アニ「……」

125: 2013/12/17(火) 01:12:44 ID:1WgISBYQ

*数日後、倉庫裏*

ベルトルト「……」

アニ「……」

ベルトルト「…怒ってる?」

アニ「別に」

ベルトルト「…怒ってるよね」

アニ「怒ってない」

126: 2013/12/17(火) 01:13:27 ID:1WgISBYQ

ベルトルト「何か、した…かな…」

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「…噂になってる」

ベルトルト「噂?」

アニ「あんたと、ユミル。仲、いいから」

ベルトルト「それ、は…」

127: 2013/12/17(火) 01:14:01 ID:1WgISBYQ

アニ「私を守るため、なんでしょ」

ベルトルト「うん。僕が君のことを好きなのを言いふらさないために」

アニ「…にしては、仲いいよね」

ベルトルト「…なにそれ」

アニ「こないだだって、対人格闘で手を差し伸べてさ」

128: 2013/12/17(火) 01:14:36 ID:1WgISBYQ

ベルトルト「誰だってするでしょ…」

アニ「……」

ベルトルト「それを言うなら、君だって」

アニ「…なに」

ベルトルト「エレンと楽しそうに訓練してるじゃないか」

129: 2013/12/17(火) 01:15:17 ID:1WgISBYQ

アニ「私は、暇つぶしに付き合ってるだけだ」

ベルトルト「その割には楽しそうに、笑ってたよね」

アニ「…何が言いたいの?」

ベルトルト「別に。感情移入させすぎなきゃいいんじゃない」

130: 2013/12/17(火) 01:16:15 ID:1WgISBYQ

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「だいたい、なんで私なんか好きになったの」

ベルトルト「…なっ」

アニ「ライナーのこと色々言っておきながら、
 あんたが一番任務のこと忘れてるんじゃない」

ベルトルト「………」

131: 2013/12/17(火) 01:16:57 ID:1WgISBYQ

アニ「戦士なら戦士らしく、感情をコントロールしなよ」

ベルトルト「…君が、言う?」

アニ「……」

ベルトルト「エレンだけじゃないよね。ミーナやハンナ、サシャやコニー」

アニ「……」

ベルトルト「興味ないフリしながら、心許してるよね」

132: 2013/12/17(火) 01:17:34 ID:1WgISBYQ

アニ「そんなことない」

ベルトルト「そうかな」

アニ「でもユミルの件は、あんたが悪いんじゃない。隙があったから」

ベルトルト「……」

アニ「私は、ぼろ出してない」

ベルトルト「…そう」

133: 2013/12/17(火) 01:18:35 ID:1WgISBYQ

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「…私、」

ベルトルト「…ごめん。帰るよ。ちょっと頭冷やしたい」

アニ「……」

ベルトルト「…じゃあ」

アニ「…うん」

134: 2013/12/17(火) 01:19:08 ID:1WgISBYQ














アニ「何、やってんだよ、私……」

137: 2013/12/17(火) 20:07:51 ID:1WgISBYQ

*男子寮*

ライナー「なぁ、ベルトルトしらねぇか?」

マルコ「ベルトルトなら、もう休んでると思うけど…」

ライナー「なんだ、またか」

マルコ「最近ずっとだね。ここんとこ毎日のようにしてた
 天体観測もしてないみたいだし、何か…悩みでもあるのかな」

ライナー「ふーむ…」

138: 2013/12/17(火) 20:08:34 ID:1WgISBYQ

ライナー「起きてるか」

ベルトルト「…なに」

ライナー「調子でも悪いのか?最近元気ないが」

ベルトルト「…別に」

ライナー「何かあったのか」

ベルトルト「……アニと、喧嘩しただけ」

139: 2013/12/17(火) 20:09:20 ID:1WgISBYQ

ライナー「………んんんん?」

ベルトルト「ほっといて。僕は寝るから」

ライナー「ほっとけるか!ちょっと来い、外に出るぞ」

ベルトルト「…行きたくない」

ライナー「命令だ、行くぞ」

ベルトルト「………」

140: 2013/12/17(火) 20:09:55 ID:1WgISBYQ

*宿舎裏*

ライナー「で、何で喧嘩した」

ベルトルト「ほんの些細なことだよ。大丈夫、任務には影響させない」

ライナー「…その様子だと、些細なことには見えんが」

ベルトルト「………」

ライナー「話してみろ」

141: 2013/12/17(火) 20:10:42 ID:1WgISBYQ

ベルトルト「…君も聞いたことあるんじゃない。僕とユミルの噂」

ライナー「アレか。でもそういうわけじゃないんだろ?」

ベルトルト「うん…成績上位って、少しでも仲良いと噂されるね」

ライナー「まぁそうだな。何が何でも10位内に入りたい奴らにとって
 上位陣を引きずり落とすネタがあれば何でも使いたいんだろ」

ベルトルト「…それをね、アニに言われたんだ」

ライナー「……」

142: 2013/12/17(火) 20:11:47 ID:1WgISBYQ

ベルトルト「そういうつもりはなかったんだけど。勘のいいユミルを
 僕が引きうけ続ければ、君たちに危害は加えないだろうし
 クリスタにも近づける。クリスタは、重要人物だから…」

ライナー「…ああ」

ベルトルト「でも…そうだとしても、彼女のクリスタへの姿勢に
 少しばかり共感してしまった部分も、確かにある」

ライナー「……」

ベルトルト「それだけじゃない。他にも、僕は…
 だんだん、自分が何を優先しているか分からないことが、あって」

ライナー「…ベルトルト」

143: 2013/12/17(火) 20:12:30 ID:1WgISBYQ

ベルトルト「ごめん。ライナーの方が辛いのに。
 みんなのこと任せて、思うこと色々あるだろうに」

ライナー「…俺、は……」

ベルトルト「それで言われたんだ。任務のこと忘れてないかって」

ライナー「……」

ベルトルト「…売り言葉に買い言葉で、アニもそうじゃないかって…言っちゃって」

ライナー「……」

144: 2013/12/17(火) 20:13:07 ID:1WgISBYQ

ベルトルト「…それで喧嘩したんだ。でも、その通りかもしれない…
 だから少し頭冷やそうと思って……大丈夫、任務は、忘れてないから」

ライナー「…そうか」

ベルトルト「うん…ごめん、心配かけたよね」

ライナー「いや…それでアニは」

ベルトルト「…わからない。あれから話してないから」

ライナー「ふむ…てか、お前らいつ話したんだ」

145: 2013/12/17(火) 20:14:22 ID:1WgISBYQ

ベルトルト「…え」

ライナー「報告会は2週間前に2人でやったんだろ。
 お前が凹みだしたのは、ここ数日だと記憶してるが…」

ベルトルト「あ…ああ、たまたま、外で、会って…」

ライナー「ほぅ」

ベルトルト「星空、眺めに…外に、出た時に」

ライナー「………」

ベルトルト「………」

146: 2013/12/17(火) 20:15:08 ID:1WgISBYQ

ライナー「なるほど、な。星空ねぇ」

ベルトルト「な、なに」

ライナー「よっぽど好きなんだな、お前」

ベルトルト「な、なんのこと」

ライナー「まぁいい。アニには謝っておけよ。星空見にいくついでに、な」

ベルトルト「う、うん…そう、する…」

147: 2013/12/17(火) 20:16:00 ID:1WgISBYQ

*一方、女子寮*

アニ「………」

ミーナ「アーニ?元気ないねぇ」

アニ「…別に」

ミーナ「何かあったの?」

アニ「…何もない」

ミーナ「散歩にも行かないし」

アニ「………」

ミーナ「どうしたのさー」

148: 2013/12/17(火) 20:16:34 ID:1WgISBYQ

アニ「…猫」

ミーナ「ん?」

アニ「…猫が、いたんだ。夜に散歩してたら」

ミーナ「え、こんなとこに?」

アニ「うん」

149: 2013/12/17(火) 20:17:08 ID:1WgISBYQ

ミーナ「もしかして、餌付けしてたの?」

アニ「…それはしてない。でも…撫でたり、した」

ミーナ「……」

アニ「帰ろうとしたら、ついてこようとしたから…」

ミーナ「……」

アニ「教官や…他の奴らにバレたら、色々めんどうだし。
 何より、これまでやってきたことが無駄になるから」

ミーナ「うん…」

150: 2013/12/17(火) 20:17:53 ID:1WgISBYQ

アニ「…突き放してしまったんだ。ひどいこと言って」

ミーナ「……」

アニ「悪いことしたと、思って…何度か様子見に行ったんだけど、いなくて」

ミーナ「…そっか」

アニ「うん…」

151: 2013/12/17(火) 20:18:47 ID:1WgISBYQ

アニ「…嫌われた、かな。あいつが悪いわけじゃないのに」

ミーナ「ねぇ、その猫どんな猫?一緒に探そうよ」

アニ「いいよ。会えたところで、私がしてあげられることなんてないから」

ミーナ「でも…」

アニ「訓練の方が大事だろ。それに…
 あんたには懐きそうにないし、探すなら私一人でやる」

ミーナ「えー、なにそれ」

152: 2013/12/17(火) 20:19:43 ID:1WgISBYQ

アニ「変な猫なんだよ。ずっと遠くから眺めててさ。
 ようやく、触れたと思ったとこ、だったんだけど…」

ミーナ「触りだしたら、ものすごい甘えてきたとか?」

アニ「まぁ…そう、かな」

ミーナ「えー、いいなー、可愛いじゃん。私も触りたい」

アニ「あんたには無理だって」

153: 2013/12/17(火) 20:20:33 ID:1WgISBYQ

ミーナ「でも、その猫ちゃんどこいったんだろうね」

アニ「……」

ミーナ「ずっと遠くからアニのこと見てたの?」

アニ「…うん」

ミーナ「構ってもらえて、うれしかったんだろうなぁ」

アニ「……」

154: 2013/12/17(火) 20:21:34 ID:1WgISBYQ

ミーナ「仲直り、したい?」

アニ「…かもね」

ミーナ「………よし!」

アニ「待って。あんたのソレは、何か嫌な予感しかしない」

ミーナ「確かここに…」

アニ「………」

155: 2013/12/17(火) 20:22:28 ID:1WgISBYQ

ミーナ「じゃーーん!」

アニ「…干し肉?…ではないね」

ミーナ「川魚のすり身と豚肉を混ぜて練ってあるの。
 この前の休みの日に、サシャと出かけまして…その戦利品!
 夜にお腹が空いた時ように買ってあったの忘れてたわ」

アニ「まさか…」

ミーナ「これを猫ちゃんにあげて!」

156: 2013/12/17(火) 20:23:04 ID:1WgISBYQ

アニ「餌付けじゃないか…野良猫に餌付けはよくないよ」

ミーナ「そうだけど…」

アニ「気持ちだけでいいよ。これは私の問題だからね」

ミーナ「うう…」

アニ「…ありがと。少しは気がまぎれた。なんとかしてみる」

ミーナ「あーにー」

アニ「…なんだい」

157: 2013/12/17(火) 20:23:51 ID:1WgISBYQ

ミーナ「それまでは私が撫でられてあげよう」

アニ「………は?」

ミーナ「ほらっ、はやくはやく」

アニ「…馬鹿だろ、あんた」

ミーナ「ほらほら」

158: 2013/12/17(火) 20:24:32 ID:1WgISBYQ

アニ「ったく…」

ミーナ「………アニの撫で撫でいただきましたーっ!」

ハンナ「ちょ、ちょっとミーナ、いきなり大きな声出さないでよ…」

ミーナ「ごっめーん」

アニ「…ほんと、馬鹿だよ」

161: 2013/12/17(火) 21:47:07 ID:1WgISBYQ
*翌日。対人格闘訓練*

エレン「よう、久々にやろうぜ」

ベルトルト「…アニとやらないの」

エレン「んー、たまには別の奴ともやった方が癖がつかなくていいかなって」

ベルトルト「…そ。いいよ、やろうか」

エレン「うっし!」

162: 2013/12/17(火) 21:47:43 ID:1WgISBYQ


エレン「おっと、あぶねあぶね…」

ベルトルト「流石だね、今の避けられるとは思わなかった」

エレン「しかし、ほんとリーチ長くてやりづらいな…」

ベルトルト「そうかな」

エレン「アニにはもう少しってところでひっくり返されるけどよ」

ベルトルト「……」

163: 2013/12/17(火) 21:48:24 ID:1WgISBYQ

エレン「そいや、お前ら対人格闘で組んでるの見たことないな」

ベルトルト「…彼女、立体機動以外あまり興味ないんじゃないの」

エレン「あ、でもこないだ言ってたけど」

ベルトルト「…なに?」

エレン「お前はリーチが長すぎるから苦手だって」

ベルトルト「…そう」

164: 2013/12/17(火) 21:49:23 ID:1WgISBYQ

エレン「懐に入れないから投げ飛ばしにくいし…」

ベルトルト「……」

エレン「意外と力もあるしなぁ」

ベルトルト「…なんか嫌われてそうだね」

エレン「そうか?てっきり認めてるんだと思ったんだが」

165: 2013/12/17(火) 21:50:02 ID:1WgISBYQ

ベルトルト「彼女が?」

エレン「ああ。あいつ負けず嫌いだろ?それでお前と組んで、
 負けるとこ他の奴らに見せたくないから組まないんだとばかり」

ベルトルト「……」

エレン「あれ、でも…組んでないのに、なんで苦手って言ったんだ」

ベルトルト「…さぁ」

166: 2013/12/17(火) 21:50:39 ID:1WgISBYQ

エレン「組まなくてもわかるってことなのか、アニくらいになると」

ベルトルト「…そうなんじゃない」

エレン「くっそー…よし、まずはお前を倒す!」

ベルトルト「…それは、難しいな」

エレン「ん?」

ベルトルト「僕も負けず嫌いだからね」

エレン「へへ、いい勝負が出来そうだなっ」

167: 2013/12/17(火) 21:52:11 ID:1WgISBYQ


ユミル「…よう」

アニ「…どうも」

ユミル「暇なら相手してくれよ。教官の巡回がそろそろこっちに来る」

アニ「いつも通り、あいつと組んだらどうなんだい」

ユミル「それが、氏に急ぎ野郎が珍しく掻っ攫っていったんでな」

アニ「……」

168: 2013/12/17(火) 21:52:57 ID:1WgISBYQ

ユミル「それとも、私が相手じゃ物足りないか?」

アニ「…いいよ。ただ、手加減しない」

ユミル「そっくりそのまま、返してやるよっ!」

アニ「っ!」

ユミル「おっ。お前には効くんだ」

169: 2013/12/17(火) 21:53:51 ID:1WgISBYQ

アニ「……」

ユミル「ベルトルさんは避けたんだが」

アニ「…私は、あいつほど距離取って戦えないから」

ユミル「へぇ…よく見てるな」

アニ「一般論だよ。リーチが長けりゃ、間も遠くていい」

ユミル「一般論、ねぇ」

170: 2013/12/17(火) 21:54:34 ID:1WgISBYQ

アニ「おかしい?」

ユミル「いいや。でもそれが癖になってるな、ベルトルさんは」

アニ「……」

ユミル「人と間をおいて、遠くから眺める癖がある」

アニ「…噂は本当なんだ。よく見てる」

ユミル「ああ、あれはただの噂だ。私らはそんな関係じゃない」

アニ「……」

171: 2013/12/17(火) 21:55:52 ID:1WgISBYQ

ユミル「お互い守りたいものがあってな。そのために共闘してるだけだ」

アニ「…そう」

ユミル「でも…そんなに守りたいなら、ちゃんと懐に入れとけって思うんだが」

アニ「……」

ユミル「おっと、教官が来るな」

アニ「今度は私から行かせてもらうよ…!」

172: 2013/12/17(火) 21:57:02 ID:1WgISBYQ

ユミル「わっ、っとと……え、っっってぇ!」

アニ「…大げさな」

ユミル「避けたと思ったら、横からなんつー蹴りだよ…いつつ」

アニ「……」

ユミル「…手くらい貸してくれてもいいんじゃねぇの」

アニ「なんでそんなこと。あいつじゃあるまいし」

ユミル「…へぇ」

173: 2013/12/17(火) 21:57:58 ID:1WgISBYQ

アニ「…なに?」

ユミル「あいつが手を差し伸べたのはあの時だけなんだが」

アニ「…たまたま目に入っただけさ。でかいから目につく」

ユミル「誰もベルトルさんとは言ってないんだが?」

アニ「……」

174: 2013/12/17(火) 21:58:48 ID:1WgISBYQ

ユミル「なぁ」

アニ「なにさ」

ユミル「気づいてんじゃねーの?」

アニ「…なにに」

ユミル「…ククッ。あー、分かってきたぞ」

アニ「……」

175: 2013/12/17(火) 21:59:29 ID:1WgISBYQ

ユミル「お前、意外と可愛いな?」

アニ「なっ」

ユミル「ぶっ。あー、なるほどなぁ」

アニ「ッ…なん、なんだ、あんたはっ!」

ユミル「クククッ、確かにこれは守りたくなるかもな」

アニ「…なんの、話……」

ユミル「いいや。まぁ…話変わるんだが、
 最近とある友人が元気なくってな。何があったかしらねぇが」

176: 2013/12/17(火) 22:00:01 ID:1WgISBYQ

アニ「……」

ユミル「そんな時に優しく声かけてくる人がいたら、
 心変わりもしちまったりしねぇかなーって心配でよぉ」

アニ「…そう」

ユミル「ずーーっと想い続けてる子がいるくさいんだがなぁ」

アニ「……」

177: 2013/12/17(火) 22:00:46 ID:1WgISBYQ

ユミル「ま、私なんかが心配しても仕方ねぇが」

アニ「全くだね。それを私に言うのも関係ない」

ユミル「ただの独り言さ」

アニ「…で、訓練続けるの」

ユミル「いいや。お前の蹴りが怖くなった」

アニ「そう。じゃ、私は行くから」

ユミル「ああ」

178: 2013/12/17(火) 22:01:25 ID:1WgISBYQ

*数日後の夜、男子寮*

マルコ「ベルトルトは、また寝てるの?」

ライナー「ああ。悩み事は大したことじゃなかったが
 ずっと雨降ってて外に行けないだけみたいだな」

マルコ「そう、良かった。…チェックメイト」

ライナー「ん?! 馬鹿な、そんなわけ…」

マルコ「悪いね、ライナー」

ライナー「ううむ…」

179: 2013/12/17(火) 22:02:20 ID:1WgISBYQ

アルミン「またマルコの勝ち?」

ライナー「ああ」

マルコ「ライナーの手は素直で読みやすいから。君のと違って」

アルミン「それって僕が素直じゃないってこと?」

マルコ「褒めてるんだよ?」

アルミン「へぇ…じゃぁ、ひと勝負お願いしようかな」

マルコ「はは…お手柔らかにね」

180: 2013/12/17(火) 22:03:04 ID:1WgISBYQ

*同日、女子寮*

アニ「………」

ミーナ「アニも話に混ざろうよー」

アニ「……いい」

ミーナ「もぅ…」

ユミル「なんだ、あいつまた寝てんのか」

ミーナ「もう1週間だよ」

181: 2013/12/17(火) 22:03:45 ID:1WgISBYQ

ユミル「…雨、この調子だと明日も降るな」

ミーナ「うん…猫ちゃんとはやく仲直りできるといいんだけど」

ユミル「猫?」

ミーナ「あっ」

ユミル「へぇー…こっそり猫飼ってたのか」

ミーナ「いいえ、うちの可愛いアニ猫のことですっ」

182: 2013/12/17(火) 22:04:18 ID:1WgISBYQ

ユミル「しらばっくれるな。お前ら仲違いなんかしてないだろ」

ミーナ「うう…」

ユミル「で、その猫が逃げたのか?」

ミーナ「逃げたんじゃなくて…アニが追い払った、みたい」

ユミル「………なるほどねぇ」

183: 2013/12/17(火) 22:05:01 ID:1WgISBYQ

ユミル「おい、アニ。起きてんだろ」

アニ「…うるさいね」

ユミル「明日なんだが、私の朝の当番、代わってくれよ」

アニ「なんで…」

ユミル「来週のお前の分、2回代わってやるから」

184: 2013/12/17(火) 22:05:49 ID:1WgISBYQ

アニ「…何を企んでるの」

ユミル「朝から支度して、クリスタと出かけたくてなぁ」

アニ「……」

ユミル「頼むよ?他に聞いたが既に予定埋まっててよ。お前しかいないんだ」

アニ「…今週の当番って、何」

ユミル「んー、地下食料庫の掃除」

185: 2013/12/17(火) 22:06:33 ID:1WgISBYQ

アニ「…来週3回。私の倉庫掃除」

ユミル「へいへい、それでいいや。頼んだぜ」

アニ「寝るから。おやすみ」

ユミル「おやすみ。明日遅れるなよ~」

アニ「……」

189: 2013/12/18(水) 19:39:29 ID:yusK7W02

*朝、地下食料庫*

ベルトルト「……」

アニ「……」

ベルトルト「…えっと」

アニ「ユミルが。代わってくれ、って」

ベルトルト「そ、そうなんだ」

190: 2013/12/18(水) 19:39:59 ID:yusK7W02

ベルトルト「……」

アニ「……」

ベルトルト「あ、あの…」

アニ「掃除」

ベルトルト「……」

アニ「掃除、しよう」

ベルトルト「…うん」

191: 2013/12/18(水) 19:40:30 ID:yusK7W02

アニ「モップで、床拭けばいいんだよね」

ベルトルト「うん…」

アニ「あんたは、そっちお願い」

ベルトルト「ん…」

アニ「……」

ベルトルト「……」

192: 2013/12/18(水) 19:41:05 ID:yusK7W02

「「あの…」」

ベルトルト「…えっ、っと」

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「…ごめん」

ベルトルト「え…」

193: 2013/12/18(水) 19:41:47 ID:yusK7W02

アニ「ごめん…私、あんたにひどいこと言った。
 私の方こそ、戦士から外れてきてたのに」

ベルトルト「いや…君の言うことは間違ってないよ。
 任務のこと…疎かに、してたと思うし…」

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「…ねぇ」

ベルトルト「…うん」

194: 2013/12/18(水) 19:42:30 ID:yusK7W02

アニ「誰か、来てる」

ベルトルト「うん、複数人。階段下りてくる」

アニ「おかしいな…当番はあんたとユミルだったんだよね」

ベルトルト「そのはずなんだけど。…掃除、してようか」

アニ「……」

ベルトルト「……」

195: 2013/12/18(水) 19:43:04 ID:yusK7W02

アニ「……扉前」

ベルトルト「……」

アニ「……」

ベルトルト「……」

バタンッ!! カチッ

アニ「……え」

ベルトルト「…っ!」

196: 2013/12/18(水) 19:43:36 ID:yusK7W02

アニ「なっ、鍵!?」

ベルトルト「くっ!」

「ちょっと!ユミルじゃないじゃない!」

「知るかよ!アニでもいいだろ!」

「声大きいよ。さぁ、とっとと帰ろう」

アニ「……」

ベルトルト「……」

197: 2013/12/18(水) 19:44:10 ID:yusK7W02

アニ「…参ったね」

ベルトルト「うん…」

アニ「身に覚えは?」

ベルトルト「さぁ…」

アニ「ま、何がしたいかわかるけど」

ベルトルト「……」

198: 2013/12/18(水) 19:44:40 ID:yusK7W02

アニ「男女二人を密室に閉じ込めて」

ベルトルト「成績上位陣を2人とも開拓地へ、か…」

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「舐めた真似してくれる、と言いたいとこだけど」

ベルトルト「…うん」

アニ「へ、変なこと考えないでよね」

ベルトルト「……」

199: 2013/12/18(水) 19:45:13 ID:yusK7W02

アニ「…ちょっと」

ベルトルト「これ、いつ開くんだろ」

アニ「ん?」

ベルトルト「今、朝の8時だよね…そこから、いつまで?」

アニ「…さぁ。誰かが気づくまで、だろうけど」

ベルトルト「……」

アニ「……」

200: 2013/12/18(水) 19:45:46 ID:yusK7W02

ベルトルト「今日は休日だ。雨が降ってるとはいえ、外に出てる人も多い」

アニ「そうだね」

ベルトルト「掃除終えて、外に出てるって思われても不思議じゃない、よね…」

アニ「うん…」

ベルトルト「……」

アニ「最悪、点呼まで、か…」

ベルトルト「……」

アニ「……」

201: 2013/12/18(水) 19:46:30 ID:yusK7W02

ベルトルト「…えっと」

アニ「……近寄らないで」

ベルトルト「…う、うん」

アニ「掃除、もういいでしょ…無駄な体力使わない方がいい」

ベルトルト「そうだね…」

アニ「……」

ベルトルト「……」

202: 2013/12/18(水) 19:47:05 ID:yusK7W02

アニ「私、あっち座るから。あんたここね」

ベルトルト「あ、待って」

アニ「…なに」

ベルトルト「ランタン、分けて使おう。2つとも使うと勿体無い」

アニ「…じゃぁ、あんたのから」

ベルトルト「…真ん中に、置いとくね」

アニ「うん…」

203: 2013/12/18(水) 19:47:38 ID:yusK7W02

ベルトルト「……」

アニ「……」

ベルトルト「………」

アニ「………」

ベルトルト「…ねぇ」

アニ「…なに」

ベルトルト「さっきの、続きなんだけど」

アニ「……」

204: 2013/12/18(水) 19:48:19 ID:yusK7W02

ベルトルト「やっぱり、任務が一番大切なんだ」

アニ「…うん」

ベルトルト「でも…」

ベルトルト「それと同じくらい、君のことが、大切。好きみたい」

アニ「……」

ベルトルト「ずっと傍にいたい。離れたくない。
 でも任務のことがあるから、それはできない」

アニ「……」

205: 2013/12/18(水) 19:49:05 ID:yusK7W02

ベルトルト「…君は、どう思ってる?」

アニ「私は…」

アニ「私も、そうだよ。あんたのことは好きだし、一緒にいたい。
 でも任務を最優先で考えなきゃ、自分を許せない」

ベルトルト「うん…」

アニ「どうすればいいのか、わからない」

ベルトルト「そうだね…」

206: 2013/12/18(水) 19:49:48 ID:yusK7W02

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「…寒い」

ベルトルト「冬も近いしね…」

アニ「うん…」

207: 2013/12/18(水) 19:50:20 ID:yusK7W02

ベルトルト「上着、貸そうか」

アニ「なんで?」

ベルトルト「寒いの苦手でしょ」

アニ「そうだけど…」

ベルトルト「もしくは、こっちくる?」

アニ「……」

ベルトルト「…何もしない、って言い切れないけど」

208: 2013/12/18(水) 19:51:03 ID:yusK7W02

アニ「任務優先じゃなかったっけ」

ベルトルト「それが出来てれば、喧嘩もしてないと思うよ」

アニ「そうだね…その通りだ。お互い」

ベルトルト「ほんとは、今すぐにでも抱きしめたいんだけど」

アニ「一応、任務優先なんだ」

ベルトルト「うん…」

209: 2013/12/18(水) 19:51:38 ID:yusK7W02

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「……」

コツコツコツ…

ベルトルト「……」

アニ「…何かしたら、蹴り上げるから」

ベルトルト「ん…」


ぽふっ

210: 2013/12/18(水) 19:52:20 ID:yusK7W02

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「…あったかい」

ベルトルト「うん…」



ぎゅぅ

211: 2013/12/18(水) 19:52:51 ID:yusK7W02

アニ「…あんた、病気じゃないよね」

ベルトルト「病気だと思うよ。よく言うじゃない」

アニ「そう…」

ベルトルト「こんな幸せな病気なら、いつでもかかってたいけど」

アニ「…馬鹿だね」

ベルトルト「馬鹿でもひく風邪かな。うつるし」

アニ「うつ、る…?」

ベルトルト「ん…」

212: 2013/12/18(水) 19:53:43 ID:yusK7W02

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「………」

ベルトルト「…うつ、った?」

アニ「……うん」

ベルトルト「もう少し、しても…?」

アニ「ん…」

213: 2013/12/18(水) 19:54:47 ID:yusK7W02

ベルトルト「……」

アニ「……んっ」

ベルトルト「……」

アニ「…っ、……」

ベルトルト「………」

アニ「ぁ、ふ…っ」

ベルトルト「…は、ぁ」

アニ「…ぁ、はぁ」

ベルトルト「…まずいな、だめかも」

アニ「…ん、やめ、とこ」

214: 2013/12/18(水) 19:55:43 ID:yusK7W02

ベルトルト「……」

アニ「……」


ぎゅっ


ベルトルト「…アニ、顔熱い」

アニ「あんたが…したんだろ」

ベルトルト「うん…」

215: 2013/12/18(水) 19:56:16 ID:yusK7W02

アニ「なんか、ふわふわする」

ベルトルト「そう、だね」

アニ「少し…寝て、いい?」

ベルトルト「ん?」

アニ「ここで。あんたの腕の中で」

ベルトルト「…いいけど」

216: 2013/12/18(水) 19:56:55 ID:yusK7W02

アニ「これ以上は、何もしないだろ? あんたは戦士だ」

ベルトルト「…それ言われるとできないね」

アニ「ふふ…」

ベルトルト「眠いの?」

アニ「うん…最近、あまり…眠れてなかった、から」

ベルトルト「…僕も。あれこれ考えちゃって」

217: 2013/12/18(水) 19:57:38 ID:yusK7W02

アニ「…あったかいから。少し、眠らせて」

ベルトルト「ん…上着、使って」

アニ「あんたは?」

ベルトルト「君があったかいから、いいや」

アニ「…そう」

ベルトルト「おやすみ、アニ」

アニ「…おやすみ」

223: 2013/12/19(木) 23:21:15 ID:VClsi.QI

*立体機動訓練*

ユミル「復帰おめでとさん」

ベルトルト「…ありがと」

ユミル「しかし大した精神力だな」

ベルトルト「……」

ユミル「好きな女を半日抱きかかえて、手を出さないってのは」

ベルトルト「…もういいでしょ、その話は」

224: 2013/12/19(木) 23:22:10 ID:VClsi.QI

ユミル「いいや、するね。夕方に出先から帰ってきた私があいつの不在に気づいて
 ライナーにお前のこと聞いて、救出してやったんだからよ」

ベルトルト「…はぁ」

ユミル「あの時のライナーも見ものだったなぁ。
 血相変えてたあたり、今回ばかりはお前も手を出したと思ったんだろうよ」

ベルトルト「出すわけないでしょ…」

ユミル「そうか?普通だったら出すぞ」

ベルトルト「せっかくここまできたのに…」

225: 2013/12/19(木) 23:23:21 ID:VClsi.QI

ユミル「でもまぁ、あんなとこに放置されたもんだから
 お前ら熱出して医務室に行くハメになったしな」

ベルトルト「日ごろの疲れが溜まってたんだよ…寒かったし」

ユミル「それでも上着をあいつに貸してたお前は偉い。褒めてやる」

ベルトルト「…どうも」

ユミル「ま、あいつのが熱高くて意識朦朧としてたからな」

ベルトルト「誰のせいだと」

226: 2013/12/19(木) 23:24:13 ID:VClsi.QI

ユミル「私のせいだろ? 代わってもらってなけりゃ、
 ベルトルさんと仲良く抱き合ってたのは私だったんだろうからな」

ベルトルト「……」

ユミル「それは悪かったと思ってる。でもまさか、
 あんなことする奴がホントにいるとはねぇ」

ベルトルト「その…彼女達、って」

ユミル「お前に振られた女と、私やアニが蹴落とした女と、
 上位を狙い続けてた男達、ってところだな」

ベルトルト「……」

227: 2013/12/19(木) 23:25:49 ID:VClsi.QI

ベルトルト「この件を知ってるのは、居合わせた人間だけだ。
 それはいいんだけど…」

ユミル「ああ。ホントなら10体と言ってやりたいとこだが、
 5体で許しておいてやるよ」

ベルトルト「多くない?」

ユミル「体調がまだ戻ってなくて、とでも言えよ。
 それとも何か? 幸運を呼ぶ女神に逆らうか?」

ベルトルト「…君は悪魔にしか見えない」

228: 2013/12/19(木) 23:26:41 ID:VClsi.QI

ユミル「ダハハハハ!悪魔か、そりゃいいな」

ベルトルト「まぁ…いいよ、5体」

ユミル「お?」

ベルトルト「おかげでスッキリしたし」

ユミル「…へぇ、結論出したのか」

229: 2013/12/19(木) 23:27:34 ID:VClsi.QI

ベルトルト「うん。彼女が僕のことをどう思ってても
 僕の気持ちには変わりないから」

ユミル「なんだ、何も伝えなかったのか?」

ベルトルト「悪い?」

ユミル「……ガッカリだぜ、ベルトルさん」

230: 2013/12/19(木) 23:28:21 ID:VClsi.QI

ベルトルト「訓練兵の間は、ね」

ユミル「ほぅ」

ベルトルト「憲兵団に入ったら考えるよ」

ユミル「余裕で羨ましいことだ」

231: 2013/12/19(木) 23:29:06 ID:VClsi.QI

ベルトルト「嫌われてはなさそうだし」

ユミル「…やっぱ10体にしようか」

ベルトルト「5体。これ以上はないよ」

ユミル「ケッ。…一つ聞くが」

ベルトルト「なに?」

ユミル「もし、私と閉じ込められてたらどうした?」

232: 2013/12/19(木) 23:29:45 ID:VClsi.QI

ベルトルト「扉蹴破って、外に出たかな」

ユミル「即答どうも。そこで抱いてたって言ったら
 お前のキンタマ蹴り上げてたところだ」

ベルトルト「…やっぱり悪魔だよ、君」

ユミル「じゃぁその悪魔さんと一緒に、天使のために頑張ろうか」

233: 2013/12/19(木) 23:30:45 ID:VClsi.QI

ミーナ「……」

アニ「どうしたの」

ミーナ「ほんっと、ベルトルトにはガッカリだよ」

アニ「まだ言ってるの」

ミーナ「こんっな可愛い子に見向きもしないで、
 あんな風にユミルと仲良くしてるだなんてさー」

アニ「はぁ」

ミーナ「やっぱ、ユミルと付き合ってるのかなぁ」

234: 2013/12/19(木) 23:31:38 ID:VClsi.QI

アニ「どうでもいい」

ミーナ「それはともかく!」

アニ「…なに」

ミーナ「男の人の腕の中って、どんな感じなのっ」

アニ「…覚えてないね。
 熱で意識ほとんどなかったし、それまでは別々に座ってたし」

ミーナ「ちょっとはドキドキした?」

アニ「ない。熱で苦しかっただけ」

235: 2013/12/19(木) 23:32:20 ID:VClsi.QI

ミーナ「はぁー…」

アニ「なんであんたが残念がるの」

ミーナ「せっかく、アニに春が来たかと思ったのに…」

アニ「来なくていい」

ミーナ「私は応援するよ?」

アニ「しなくていい」

236: 2013/12/19(木) 23:33:12 ID:VClsi.QI

ミーナ「あーにー」

アニ「だからなんなのさ」

ミーナ「ううう…」

アニ「人のこと気にする前に、自分のこと考えたら?」

ミーナ「ふぇ?」

237: 2013/12/19(木) 23:33:53 ID:VClsi.QI

アニ「サムエル」

ミーナ「!?」

アニ「バレバレだよ」

ミーナ「なななななな、なんのこと」

アニ「さぁね。気を引き締めなおして、訓練行くよ」

ミーナ「ちょ、ちょっと、あにぃ!」

238: 2013/12/19(木) 23:35:14 ID:VClsi.QI

*夜、いつもの場所*

ベルトルト「………」

アニ「…んっ……」

ベルトルト「……はぁ」

アニ「…っ、あん、た…会って、いきなり、とか」

ベルトルト「いや、軽くのつもり、だったんだけど…」

アニ「だめだよ…本来のやるべきこと、見失っちゃ…」

ベルトルト「うん…」

239: 2013/12/19(木) 23:35:55 ID:VClsi.QI

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「…ねぇ」

ベルトルト「ん…?」

アニ「そ、その…」

ベルトルト「……」

240: 2013/12/19(木) 23:36:32 ID:VClsi.QI

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「うぅ…」

ベルトルト「ど、どうしたの」

アニ「……」

ベルトルト「……?」

241: 2013/12/19(木) 23:37:26 ID:VClsi.QI

アニ「そのっ、やっぱり、あんたは、したいの?」

ベルトルト「」

アニ「……」

ベルトルト「」

アニ「…ベルトルト?」

ベルトルト「は、はいっ」

242: 2013/12/19(木) 23:38:13 ID:VClsi.QI

アニ「…聞いてた?」

ベルトルト「う、うん、聞いてた」

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「ど、どうなの」

ベルトルト「…正直に、言うけど」

アニ「うん…」

243: 2013/12/19(木) 23:38:44 ID:VClsi.QI

ベルトルト「したい。君を抱きたい」

アニ「……」

ベルトルト「でも…もし任務に支障が出たらと思うと。だから…」

アニ「…うん」

ベルトルト「……」

アニ「……」

244: 2013/12/19(木) 23:39:31 ID:VClsi.QI

ベルトルト「…アニ、泣いてる?」

アニ「…だって」

ベルトルト「……」

アニ「私、だって…あんたとなら、って…でも、」

ベルトルト「…うん」

245: 2013/12/19(木) 23:40:53 ID:VClsi.QI

アニ「わかんない、わかんないよ…」

ベルトルト「……」

アニ「…ィック」

ベルトルト「…一度だけ」

アニ「……」

ベルトルト「一度だけでいい、抱きたい。君が大丈夫な時に…」

アニ「……」

246: 2013/12/19(木) 23:41:47 ID:VClsi.QI

ベルトルト「それでも、もし…できちゃったら」

アニ「……」

ベルトルト「責任、取るから。君の分まで、僕が」

アニ「…ん」

ベルトルト「好きだ、アニ」

アニ「うん…私、も。好き」

ベルトルト「…愛してる」

アニ「ん…」

252: 2013/12/20(金) 22:12:17 ID:1MsLxIqA

*エルミハ区(シーナ南部突出区)の図書館*

ベルトルト「……」

ベルトルト(やはりここにもない)

ベルトルト(レイス家…貴族年鑑のどこにも、彼女の名前は載ってない)

ベルトルト(ユミルが彼女に固執するのは、
 元使用人とか…そういった関係からではない)

ベルトルト(彼女は妾の子だ。年鑑に載らないのもわかる、が)

ベルトルト(…ユミルも、彼女の出生を知っているのだろうか)

253: 2013/12/20(金) 22:12:56 ID:1MsLxIqA

ベルトルト(それで憲兵に…シーナに入り込ませたいのなら)

「ねぇ」

ベルトルト(いずれ僕らの計画の、邪魔に…)

「ちょっと」

ベルトルト(…まだ、決まったわけではないけれど)

「…ベルトルト」

254: 2013/12/20(金) 22:13:36 ID:1MsLxIqA

ベルトルト「あ…」

アニ「考えこむと周りが見えなくなるの、なおした方がいいよ」

ベルトルト「……」

アニ「……」

255: 2013/12/20(金) 22:14:23 ID:1MsLxIqA

ベルトルト「う、ん…ごめん」

アニ「……」

ベルトルト「着替え、たの?」

アニ「…変?」

ベルトルト「いや……かわ、いい」

アニ「…そう」

256: 2013/12/20(金) 22:15:19 ID:1MsLxIqA

ベルトルト「遅れてくるって、言ってたけど」

アニ「シーナなんだ、いつものカッコだと逆に浮く。
 あんただって、そうしてるじゃないか」

ベルトルト「そうだけど…僕は宿舎出る時からだから」

アニ「あんたはいいよ。調べ物の為にシーナに行くって言ってるんだから」

ベルトルト「まぁね…収穫ゼロだけど」

257: 2013/12/20(金) 22:16:29 ID:1MsLxIqA

アニ「シーナにしかない資料って、あいつら納得したの」

ベルトルト「憲兵団の下調べって。ローゼには団員名簿の最新版はないし」

アニ「名簿?」

ベルトルト「中央所属の人の名前とか…どうでもいいけど」

アニ「いつか会うこともあるだろうさ。前知識として入れておいても損はない」

258: 2013/12/20(金) 22:17:26 ID:1MsLxIqA

ベルトルト「…に、しても」

アニ「ん?」

ベルトルト「その…」

アニ「…なにさ」

ベルトルト「スカート、はいてるの始めてみた」

259: 2013/12/20(金) 22:18:12 ID:1MsLxIqA

アニ「シーナの女は、か弱いのが多いんだよ…」

ベルトルト「じゃぁ今日は僕の傍から離れないでね」

アニ「なんで」

ベルトルト「か弱い乙女なら、守られなきゃ」

アニ「……」

ベルトルト「……」

260: 2013/12/20(金) 22:19:27 ID:1MsLxIqA

アニ「なんかムカつくけど、そうしとく。これじゃ蹴り入れらんないし」

ベルトルト「そうして。それに…」

アニ「…なに」

ベルトルト「ここに来てるのは僕らだけのはずだし。
 …今日だけは、恋人らしいことしようか」

アニ「……」

ベルトルト「手、繋ごう。離れないように」

アニ「うん…」

261: 2013/12/20(金) 22:20:40 ID:1MsLxIqA



アニ「人、多いね」

ベルトルト「もうすぐ聖誕祭だし」

アニ「マリア、ローゼ、シーナ…壁が出来たとされる日、だっけ」

ベルトルト「…事実を知ったらどうなるんだろう」

アニ「さぁね」

262: 2013/12/20(金) 22:21:15 ID:1MsLxIqA

ベルトルト「その壁も、もうじき…」

アニ「……」

ベルトルト「ごめん、やめよう。今日は任務の為に来たんじゃない」

アニ「……」

ベルトルト「何か食べたいものある?」

アニ「さぁ…何があるのか」

263: 2013/12/20(金) 22:22:08 ID:1MsLxIqA

アニ「ぁぁ、でも」

ベルトルト「うん?」

アニ「来る途中に露店が並んであった」

ベルトルト「露店?」

アニ「祭だからなのかな。それともシーナじゃ常にあるのか」

264: 2013/12/20(金) 22:22:55 ID:1MsLxIqA

ベルトルト「行ってみようか」

アニ「いいよ、別に…」

ベルトルト「行こう。僕も見てみたい」

アニ「……」

ベルトルト「…今日くらい、素直になろうよ」

アニ「…行く」

ベルトルト「ん。人多そうだから、手離さないでね」

アニ「…うん」

265: 2013/12/20(金) 22:24:06 ID:1MsLxIqA



アニ「待って、ここ…」

ベルトルト「気になる?恋人だらけで」

アニ「だって…」

ベルトルト「大丈夫、僕らもそう見られてるよ」

アニ「……」

ベルトルト「早くしないと冷めちゃうよ。ほら、あそこ空いてる」

266: 2013/12/20(金) 22:24:50 ID:1MsLxIqA

アニ「なんて、いうか」

ベルトルト「……?」

アニ「今日のあんた、いつもと違う」

ベルトルト「…そう?」

アニ「積極、的。悪いってわけじゃ、ないけど」

ベルトルト「はは…緊張、してるからじゃないかな」

アニ「そうなの?」

267: 2013/12/20(金) 22:25:35 ID:1MsLxIqA

ベルトルト「うん。ほんとは、さっきからずっとドキドキしっぱなし」

アニ「……」

ベルトルト「まさか、君とこんな風に歩けると思わなかったから」

アニ「…そう」

ベルトルト「…これ、おいしいね」

アニ「うん。さすがシーナだね、色んなものが売ってる」

268: 2013/12/20(金) 22:26:10 ID:1MsLxIqA

ベルトルト「また今度買いに来ようか」

アニ「今度?」

ベルトルト「憲兵団になってから」

アニ「…機会があればね」

ベルトルト「…うん」

269: 2013/12/20(金) 22:26:43 ID:1MsLxIqA

アニ「…星、出てる。この前言ってたのは、もう見えないんだっけ」

ベルトルト「夏の星だからね」

アニ「……」

ベルトルト「ひょっとして気に入ってた?」

アニ「別に。ただ…もし、離れ離れになっても
 迷うあんたをいつも導けたらな、って…少し、思っただけ」

270: 2013/12/20(金) 22:27:17 ID:1MsLxIqA

ベルトルト「……」

アニ「…ベルトルト?」

ベルトルト「……」

アニ「……」

ベルトルト「………」

アニ「…人前、だよ」

271: 2013/12/20(金) 22:28:01 ID:1MsLxIqA

ベルトルト「離れても」

アニ「……」

ベルトルト「今日のことは忘れない」

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「…私も、忘れない」

272: 2013/12/20(金) 22:28:42 ID:1MsLxIqA

ベルトルト「…そろそろ、行こっか」

アニ「ん…」

ベルトルト「手、繋ごう」

アニ「…うん」

274: 2013/12/21(土) 00:17:24 ID:YrjeVFug


…パタン。

アニ「……」

ベルトルト「…えっと」

アニ「あの、さ…」

ベルトルト「……」

アニ「高い、よね…ここ」

275: 2013/12/21(土) 00:18:06 ID:YrjeVFug

ベルトルト「いいんじゃないかな。それとも、そういう宿のがよかった?」

アニ「いや…こっちのがいい、けど…」

ベルトルト「…気にしないで。給金、他に使い道なかったから」

アニ「そう…」

ベルトルト「……」

アニ「……」

276: 2013/12/21(土) 00:18:54 ID:YrjeVFug

ベルトルト「とりあえず…座ろう、か」

アニ「う、うん…」

ベルトルト「……」

アニ「…ダブル?」

ベルトルト「うん…一緒に、寝たい、から…」

アニ「……」

ベルトルト「……」

277: 2013/12/21(土) 00:19:28 ID:YrjeVFug

アニ「ああ、もうっ」

ベルトルト「…アニ?」

アニ「…ふかふか」

ベルトルト「……」

アニ「…布団、気持ちいい」

ベルトルト「そんなに?」

アニ「うん」

278: 2013/12/21(土) 00:20:02 ID:YrjeVFug

ベルトルト「あ、ほんとだ」

アニ「…帰ったら寝れるかな」

ベルトルト「訓練所の布団、薄いからね」

アニ「このまま寝れそうなんだけど」

ベルトルト「…ダメ」

アニ「……」

ベルトルト「……」

279: 2013/12/21(土) 00:20:55 ID:YrjeVFug

アニ「…言ってみただけだよ」

ベルトルト「…うん」

アニ「お風呂、って…あるの?」

ベルトルト「そこ、かな。湯船張ってくれてる、はず…」

アニ「…入ってきて、いい?」

ベルトルト「うん…」

280: 2013/12/21(土) 00:21:43 ID:YrjeVFug

アニ「………」

アニ「…っっっ!」

アニ(覚悟してたけど…どうし、よ…)

アニ(てかこれ、着替え…ローブ?これ1枚?)

アニ(………)

アニ(下着、どうするの、これ)

281: 2013/12/21(土) 00:22:28 ID:YrjeVFug

ベルトルト「………」

ベルトルト(落ち着け、落ち着こう)

ベルトルト(………)

ベルトルト(何か飲も…)

282: 2013/12/21(土) 00:23:10 ID:YrjeVFug

アニ「…おさき」

ベルトルト「……」

アニ「入っといでよ」

ベルトルト「…うん。水、とか…あるから」

アニ「ん…」

ベルトルト「お酒は、飲まないでよ」

アニ「飲まないよ…」

283: 2013/12/21(土) 00:24:20 ID:YrjeVFug

ベルトルト「………」

ベルトルト(やば、い…想像は、してたけど…)

ベルトルト(ローブ1枚とか、ああ、もう…)

ベルトルト(…石鹸の香りで、クラクラするし)

ベルトルト(ここも…アニが、使った後、で…)

ベルトルト(……一回、抜いとこ)

290: 2013/12/22(日) 23:43:42 ID:crFwww4Y

>>1に工口注意と書いてないのは入れるか迷ったからなんだが、その他色々あり、ということで。
こういう話は書くより読む方がいい、と書いてて思う。書くほうは投下後の悶えが半端ない。
といいつつ…ベルアニもこれで6作目であった。

…では、童Oと処Oの初めての夜。しっかり妄想してくれ。
なお…ざっと数えたが70レス以上、ある…。頑張れ。

291: 2013/12/22(日) 23:45:23 ID:crFwww4Y

ベルトルト「…よかった、寝てなくて」

アニ「寝ないよ…」

ベルトルト「うん…」

アニ「……」

ベルトルト「…布団、入る?」

アニ「ん…」

292: 2013/12/22(日) 23:46:17 ID:crFwww4Y

ベルトルト「……」

アニ「ほんと、ふかふかだね」

ベルトルト「……」

アニ「……」

ベルトルト「…アニ」

アニ「……」

ベルトルト「おいで」

293: 2013/12/22(日) 23:47:09 ID:crFwww4Y

アニ「…頭、重くない?」

ベルトルト「大丈夫」

アニ「…その、」

ベルトルト「アニ」

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「………」

ベルトルト「………」

294: 2013/12/22(日) 23:48:11 ID:crFwww4Y

アニ「……今日は、ゆっくり、なんだ」

ベルトルト「時間、あるから…」

アニ「そう…」

ベルトルト「嫌…?」

アニ「ううん…少し、くすぐったいだけ」

ベルトルト「……」

アニ「……」

295: 2013/12/22(日) 23:48:53 ID:crFwww4Y

ベルトルト「……」

アニ「……ん」

アニ「……、ふ…」

ベルトルト「……」

アニ「ぁ……」

ベルトルト「……」

アニ「…ふ、ぁ…」

296: 2013/12/22(日) 23:49:51 ID:crFwww4Y

ベルトルト「っ…」

アニ「んっ……、っ……」

ベルトルト「……」

アニ「…んぅっ……ふ」

ベルトルト「…はぁ」

アニ「……ハッ、ァ」

297: 2013/12/22(日) 23:51:33 ID:crFwww4Y

ベルトルト「……」

アニ「…本気、なんだね」

ベルトルト「うん…今日は、抑えない」

アニ「……」

ベルトルト「でも…嫌だと思ったら、言って。止めるから」

アニ「嫌じゃ…ない、でも」

ベルトルト「……」

298: 2013/12/22(日) 23:52:25 ID:crFwww4Y

アニ「ゆっくり、して。その…初めて、だから」

ベルトルト「ん…でも、僕も初めてだから」

アニ「……」

ベルトルト「余裕、なくなっちゃったら、ごめん…」

アニ「…あんた、落ち着いて見えてすぐ血がのぼるからね」

ベルトルト「…そう?」

299: 2013/12/22(日) 23:53:13 ID:crFwww4Y

アニ「そういうとこ、嫌いじゃないけど。人間臭くて、さ」

ベルトルト「……」

アニ「完璧な人間なんていないよ…なろうとしなくて、いい」

ベルトルト「…ねぇ」

アニ「……」

ベルトルト「君を好きになって、良かった」

アニ「…そう」

300: 2013/12/22(日) 23:54:02 ID:crFwww4Y

ベルトルト「触っていい?その…」

アニ「うん…脱いだ方がいい、のかな…これ」

ベルトルト「……」

アニ「ちょ、ちょっと…」

ベルトルト「…ん?」

301: 2013/12/22(日) 23:54:54 ID:crFwww4Y

アニ「……」

ベルトルト「なに?」

アニ「なに脱がそうとしてんのさ…」

ベルトルト「邪魔だから」

アニ「じ、自分で脱ぐからっ」

302: 2013/12/22(日) 23:56:00 ID:crFwww4Y

ベルトルト「…恥ずかしい?」

アニ「…うん」

ベルトルト「そういう君も見てたいんだけど」

アニ「…ばか、だろ」

ベルトルト「君の全てが知りたいんだ」

アニ「……」

ベルトルト「……」

303: 2013/12/22(日) 23:56:52 ID:crFwww4Y

アニ「好きに、しなよ」

ベルトルト「……」

アニ「あんたに、しか…見せないから」

ベルトルト「…アニ」

アニ「…なにさ」

304: 2013/12/22(日) 23:58:01 ID:crFwww4Y

ベルトルト「あんまり可愛いこと言わないで」

アニ「…だから、どこが可愛いって」

ベルトルト「自覚、ないんだ」

アニ「……」

ベルトルト「…脱がすよ」

アニ「うん…」

305: 2013/12/22(日) 23:59:12 ID:crFwww4Y

ベルトルト「腕、通して」

アニ「……」

ベルトルト「…下着」

アニ「そ、その…どうせ、脱ぐなら、って…」

ベルトルト「……」

アニ「……」

306: 2013/12/23(月) 00:00:01 ID:90JOYZb6

ベルトルト「どこまで煽るのさ…」

アニ「そんなつもりじゃ…」

ベルトルト「はぁ…」

アニ「…あんたも脱いでよ」

ベルトルト「…うん」

307: 2013/12/23(月) 00:01:12 ID:90JOYZb6

アニ「……」

ベルトルト「……」

アニ「…ぁ」

ベルトルト「…君のせい」

アニ「…いや、あの」

ベルトルト「……」

308: 2013/12/23(月) 00:02:06 ID:90JOYZb6

アニ「……ぅ」

ベルトルト「無理、そうなら…言って」

アニ「う、うん…」

ベルトルト「……」

アニ「…火、消さない?」

ベルトルト「ならカーテン開けていい?」

アニ「…やだ」

ベルトルト「じゃぁこのまま」

309: 2013/12/23(月) 00:03:04 ID:90JOYZb6

アニ「……」

ベルトルト「…おいで」

アニ「…手、どこに、おけば」

ベルトルト「僕の…首に、まわせられる?」

アニ「こう…?」

ベルトルト「重くない?」

アニ「大、丈夫…」

ベルトルト「ん…」

アニ「……」

ベルトルト「……」

310: 2013/12/23(月) 00:03:59 ID:90JOYZb6

アニ「……」

アニ(唇で、触れるだけ…額、目尻、頬…)

アニ(なんだろ、くすぐったいけど…)

アニ(……)

311: 2013/12/23(月) 00:05:02 ID:90JOYZb6

ベルトルト「……」

ベルトルト(怖い、よね…そりゃ)

ベルトルト(自分でも自信ないよ、傷つけずに事を済ますだなんて)

ベルトルト(だから、今くらいは…)

365: 2013/12/23(月) 00:47:06 ID:90JOYZb6
―――――
―――


ベルトルト「……」

アニ「……」

ベルトルト「…アニ」

アニ「…ん」

ベルトルト「…愛してる」

アニ「…うん」

ベルトルト「……」

アニ「……」

366: 2013/12/23(月) 00:47:50 ID:90JOYZb6

ベルトルト「…また、泣いてる」

アニ「…だって」

ベルトルト「どうして?」

アニ「…嬉しいんだ」

ベルトルト「……」

アニ「今日だけでも…一人の、女に…なれた、から」

ベルトルト「アニ…」

367: 2013/12/23(月) 00:48:27 ID:90JOYZb6

アニ「ずっと、無理だと思ってた。資格もないって」

ベルトルト「……」

アニ「でも…今日、だけでも、あんたと、一緒になれた」

ベルトルト「……」

アニ「あんたに、会えて良かった。私を、好きになってくれて」

ベルトルト「……」

368: 2013/12/23(月) 00:48:58 ID:90JOYZb6

アニ「私を、見てくれて。ずっと、傍にいてくれて」

ベルトルト「……」

アニ「ありがと…」

ベルトルト「アニ…」

アニ「…あんたまで、泣いてどうするのさ」

ベルトルト「うん…」

369: 2013/12/23(月) 00:49:31 ID:90JOYZb6

アニ「…今日だけ、なんだから」

ベルトルト「……」

アニ「…返事は?」

ベルトルト「…ん」

アニ「明日、戻るんだよね…」

ベルトルト「うん…」

370: 2013/12/23(月) 00:50:06 ID:90JOYZb6

アニ「……」

ベルトルト「…ねぇ」

アニ「ん…?」

ベルトルト「配属されるとしたら、どこになるのかな」

アニ「さぁ…突出区のどこかだと思うけど」

371: 2013/12/23(月) 00:50:54 ID:90JOYZb6

ベルトルト「…憲兵団に入ったら、機会見て言おうよ」

アニ「付き合ってることを?」

ベルトルト「うん…」

アニ「そうだね…もう、これ以上の隠し事はごめんだ」

ベルトルト「辛すぎるよ。傍にいるのに触れられないなんて」

アニ「うん…でも、それまでは」

372: 2013/12/23(月) 00:51:24 ID:90JOYZb6




ベルトルト「秘密の」アニ「恋人」





<完>

引用: ベル「秘密の」アニ「恋人」