1: 2013/07/11(木) 22:11:38.95 ID:nJbBTanAO
上条×シャットアウラ
投下は週に1、2回程。
若干キャラ崩壊有り。

シャットアウラ率いる黒鴉部隊は警備会社のようなものに勤めている設定です。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1373548298

2: 2013/07/11(木) 22:14:10.80 ID:6yJzGnxz0
シャットアウラ「いったいどういうことだこれは…」

シャットアウラ「いや…。落ち着け。もう一度顔をよく洗って…」ザプ

シャットアウラ「鏡を見ればっ……うん、鳴護アリサだな…」

シャットアウラ「………」

シャットアウラ「夢なら早く覚めてくれ…」

シャットアウラ「なんだ?何が原因でこうなった?」

シャットアウラ(昨日も仕事を終えて普通に帰宅、簡単な食事とシャワーを済ませてから疲れてすぐに寝て……)

シャットアウラ「…ダメだ考えてもわからない」ハァ

シャットアウラ「それよりこの姿では仕事にも行けないな…」ゴソゴソ


Prrrr


ピッ


シャットアウラ「クロウリーダーよりクロウセブンへ」

クロウセブン『こちらクロウセブン。……隊…長ですか?いつもと声が…』

シャットアウラ「あっ、あぁ…その…どうやら風邪をひいてしまったようだ。暫く私の代わりをお前に任せる。わかったな」

クロウセブン『えっ……あの…』


ブツ


シャットアウラ「部下に丸投げは流石に問題あるかもしれないが…この際仕方ない」

シャットアウラ「それより姿だけではなく声も変わっているんだったか…。極力電話は控えないと…」
とある魔術の禁書目録 31巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
3: 2013/07/11(木) 22:16:26.04 ID:nJbBTanAO
シャットアウラ「本当にいったい何故……。きっと何か理由があるはずだ…。よく考えろ…」

シャットアウラ(初めて鳴護アリサが現れたのは『あの事故』の時に私が願ったから…)

シャットアウラ(つまり私がまた何かを願った?)

シャットアウラ(いや、それは無いな。最近は特に何も無かったはずだしそんな記憶もない)

シャットアウラ(仮に何かあったとしてもだ。鳴護アリサがもう一度現れるならともかく、私の姿が変わるなんて…)

シャットアウラ「……後で病院にでも行って診てもらうとしよう」

シャットアウラ「とりあえず着替えるか…」

シャットアウラ「体型も少し変わっているが……ジャージの類いなら問題なさそうだな」

シャットアウラ「ブラは普通のでいいか」

シャットアウラ「少し……キツイ?」

シャットアウラ「………」

モニュ

シャットアウラ「……チッ」

ーーーーーー
ーーー



4: 2013/07/11(木) 22:18:27.12 ID:6yJzGnxz0
ーーとある病院ーー


冥土帰し「…ふむ、大体事情はわかったんだが……いささか信じ難い話だね?」

シャットアウラ「一番信じられないのは私のほうです…」ハァ

冥土帰し「君が肉体変化の能力者で無意識の内に能力を発動した。…ということは?」

シャットアウラ「それはありません。私のは全くの別系統の能力ですから」

シャットアウラ「しかしここへ来る前に能力の使用を試しましたが…」

冥土帰し「発動しなかった……のかな?」

シャットアウラ「はい…」

冥土帰し「ふむ。ますますわからなくなってくるね?」

シャットアウラ「そう…ですか」

冥土帰し「能力開発の専門家にも僕から相談しておくね? 定期的に来てくれれば力になってあげるから」

シャットアウラ「ありがとうございます……あの…」

冥土帰し「保険のことかな? 君のを適用しておくよ?シャットアリサさん?」

シャットアウラ「シャットアウラです」

冥土帰し「冗談さ。さて、気を落とすんじゃないよ? それじゃあお大事に」

シャットアウラ「失礼します」

コツコツ



冥土帰し「……異能の力が関わっているなら『あの少年』の右手ですぐにでも解決するんだけどね。理由がわからないんじゃ迂闊に手出しできないな…」

5: 2013/07/11(木) 22:21:42.82 ID:nJbBTanAO
ーーとある公園ーー

シャットアウラ「はぁ…」

シャットアウラ(原因不明…か)

シャットアウラ(姿や声だけでなく能力まで鳴護アリサになっているとは…)

シャットアウラ(この分だと筋力や体力なんかも変化しているだろうな…)

シャットアウラ(暫く仕事は無理…か)

ギュルルゥゥーー

シャットアウラ「っ///」

シャットアウラ(聞かれて…いないよな…?)キョロキョロ

シャットアウラ(誰もいないか)ホッ

シャットアウラ(そういえば朝も昼も食べずにここでボーッとしていたんだな…)

シャットアウラ「日も暮れてきたし一度家に戻るか」スクッ

??「あ、アリサ…?」

シャットアウラ「!」バッ

シャットアウラ「!!」ドキッ

シャットアウラ「お、お前は……」

上条「お前…本当にアリサ…か?鳴護アリサなのか?」

シャットアウラ(あ、あの時の…)ドキドキ


6: 2013/07/11(木) 22:22:59.31 ID:6yJzGnxz0
シャットアウラ(ん?な、なんだこの胸の高鳴りはっ?///)

ガシッ

シャットアウラ「!?」

上条「アリサっ!お前…あの時消えたんじゃ…」

シャットアウラ(ど、どうするっ?説明するべきかっ?……いやここは…)

シャットアウラ「くっ」ダッ

上条「なっ!? おい! 待てよアリサ!」

シャットアウラ(つい走りだしてしまったが…)ハァハァ

シャットアウラ(いつもと身体が違って…)ハァハァ

上条「アリサっ!」

シャットアウラ(は、走れ……息が…ブラがキツくて……胸が…)ペタ

上条「!」

上条「大丈夫かっ!?」

シャットアウラ「はぁはぁ……ごほっ…」

上条「息が苦しいのかっ?」サスサス

シャットアウラ(背中……段々呼吸が楽に…)


ブチッ


シャットアウラ「!?」

上条「落ち着いてきたか?」

シャットアウラ「っ~~///」プルプル

上条「ん?」

シャットアウラ「何をする!!」ブンッ

上条「ごはっ!!」グシャッ

シャットアウラ「はぁはぁ…」

上条「おぉう…」クラクラ

7: 2013/07/11(木) 22:29:26.63 ID:nJbBTanAO
ーーーーーーーーー

シャットアウラ「…その…急に殴ったりして済まない…」

上条「い、いや、大丈夫だ」クラクラ

シャットアウラ(上条…当麻…だったか…。あの時の…)

シャットアウラ「///」ボンッ

シャットアウラ(な、何故この男のことを考えると熱くなるのだっ)

上条「それよりも、お前本当に本物の鳴護アリサなのか?」

シャットアウラ「えっ…それは、その…」

上条「……まさかまた会えるなんてな」

シャットアウラ「!」

上条「あの時シャットアウラの中に還ってからもう二度と会えないと思ってたけど…また会えて嬉しいよ」ニコッ

シャットアウラ「っ!」ドキッ

シャットアウラ「わ、私も…」

シャットアウラ(なぁー!? 私は何を言ってっ??)

上条「ってことは本当にアリサなんだなっ!」

シャットアウラ「」コクッ

シャットアウラ(あぁ…頷いてしまった…)

シャットアウラ(こうなったら鳴護アリサになりきるしか…)

シャットアウラ(以前護衛した際に調べた鳴護アリサの情報をもとに、話を合わせてこの場は切り抜けよう)

シャットアウラ(確か『当麻くん』と呼んでいたような…)

上条「でもなんで……シャットアウラにまた何かあったのか?」

シャットアウラ「さ、さあ?私にもよくわからなくて…気がついたらいたから…」

上条「そうか…。ならシャットアウラに聞いたほうが早いのかな…。アリサ、シャットアウラが何処にいるかわからないのか?」

シャットアウラ「私には…」

シャットアウラ(ここにいるんだがな…)

上条「シャットアウラの行方がわからないんじゃあな……」

シャットアウラ(こうなったらボロが出る前に退散するべきか)

シャットアウラ「そ、それじゃあ私、行くね」

上条「行くって、アテはあるのかよ」

シャットアウラ「えっ?えーっと…」アセアセ

上条「行くアテがないんならまた俺の部屋にくるか?」

シャットアウラ「!?」

8: 2013/07/11(木) 22:32:14.38 ID:nJbBTanAO
シャットアウラ「へ、部屋って…」

上条「行くアテないんだろ? 暫くは俺の部屋にいて、後のことはそれから考えればいいんじゃないか?」

上条「それにインデックスもアリサに会えればきっと大喜びするだろうし」

シャットアウラ(い、いんでっくす? 目次? ……いや会うってことは生き物か…?)

シャットアウラ(人の名前じゃなさそうだし、犬か猫でも飼っているんだろうか…?)

上条「どうだ? アリサ」

シャットアウラ(アテが無いと言った以上頼らないと少し怪しいか…)

シャットアウラ「じゃ、じゃあ…お願い…します」

上条「よし! じゃあ行こうか!」

ーーーーーー
ーーー



9: 2013/07/11(木) 22:33:39.50 ID:oPD3PIf70
ーー上条宅ーー

上条「ただいま~」

シャットアウラ「お、おじゃまします…」

スフィンクス「にゃ~ご」(ようご主人。また女連れかい?)

上条「お、出迎えご苦労」

シャットアウラ(こいつがインデックスか…。鳴護アリサは一度面識があるようだからな。そのように振舞わないと…)

シャットアウラ「ひ、久しぶり~インデックス」ナデナデ

上条「あ、アリサ?」

スフィンクス「にゃー!」(おいおい、オレはあの大飯食らいなんかじゃねぇぞ?)

上条「そいつスフィンクスだぞ? どうしたんだ?」

シャットアウラ「えっ……。あ、あはは~、じょ、冗談だよ、冗談」アセアセ

上条「?」

シャットアウラ(ち、違ったのか…。なんとか誤魔化せたようだが…)

シャットアウラ(インデックスやらスフィンクスやら、いったいどんなネーミングセンスしているんだ、この男は…)

??「とうま~お腹空いたよぉ~」トテトテ

シャットアウラ「!」

上条「インデックス! お客さんだぞっ!」

禁書「お客さん? また女の子でも連れて…きて……」ハッ

禁書「あ、ありさっ!?」

シャットアウラ(インデックスって人だったのかっ!?)

禁書「本当に本物のありさなのっ!?」

上条「ははっ。俺と同じ反応してる」

シャットアウラ(この白い修道服……あの時あの公園に鳴護アリサといた奴かっ)

禁書「ありさっ!!」ダキッ

シャットアウラ「きゃっ!?」

10: 2013/07/11(木) 22:41:53.65 ID:nJbBTanAO
禁書「また…またありさと会えるなんて…」グスッ

シャットアウラ「っ!」

シャットアウラ(くっ……今になって騙していることに引け目が…)

上条「おいおいインデックスさん。いつまでも抱きついてたらアリサが中に入れないだろ?」
禁書「そ、そうだね。ごめんねありさ」パッ

シャットアウラ「構わない……じゃなくて…大丈夫だよっ」


グギュルルルゥーー


シャットアウラ「」


11: 2013/07/11(木) 22:45:22.58 ID:oPD3PIf70
上条「…今の……どっち?」

禁書「わ、私じゃないんだよっ!」

上条「ってことは…」チラッ

シャットアウラ「っ///」カアァァッ

上条「お腹空いてたんだな」アハハ

禁書「これからとうまがよりに腕をかけておいしいご馳走をつくってくれるから大丈夫なんだよっ」ニコッ

上条「腕によりをかけて、だろ? ってサラッとハードルあげないでっ!」

シャットアウラ(こ、今度は人前で鳴るなんて……///)

上条「それじゃあ早速準備しますかっ」

禁書「今日はありさとの再会記念日だねっ」ニコッ

上条「こうなったら奮発して、昨日買ったお肉使っちゃいます!」

禁書「ほんとにっ?とうま!?」

上条「上条さんに二言はありません!」

禁書「おっ肉、おっ肉!」ウキウキ

シャットアウラ(もうダメだ…今更本当のことを言い出せない……)

12: 2013/07/11(木) 22:49:04.65 ID:nJbBTanAO
ーーーーーー
ーーー


禁書「…ふぅ。ごちそうさまなんだよっ」ゲプッ

上条「お粗末様でした」

シャットアウラ「……ご、ごちそうさま…でした」

上条「どうだったアリサ、口にあったか?」

シャットアウラ「う、うん。とっても美味しかったよ」

シャットアウラ(人の手料理なんて食べたのはいつ以来だろうか……。こんなにも美味しいなんて…)

上条「そっか。上条さんも張り切って作ったかいがありましたよ」

禁書「ありさ、ありさ。一緒にお風呂入ろうっ?」

シャットアウラ「えっ? い、一緒に?」

禁書「うん!」

上条「後片付けは俺がやっておくからゆっくり入ってこいよ」

シャットアウラ「えっ…」

禁書「ほら早く!」グイグイ

上条「着替えは……俺のジャージ出しておくよ。それでいいか?」

シャットアウラ「ええっ?」


13: 2013/07/11(木) 22:50:47.07 ID:oPD3PIf70
ーー風呂ーー

禁書「ふんふふんふふん♪」ワシャワシャ

シャットアウラ「……」チャプ

禁書「ありさー。シャワーおねがーい」

シャットアウラ「う、うん」キュ

シャーー

禁書「ん~」

シャットアウラ(……これからどうするか…。いつまでもこいつ達といるわけにはいかないし…)

禁書「ありさっ」

シャットアウラ「! な、なんだ…じゃなくて、なにかな?」

禁書「こっち来てっ。背中流してあげる」

シャットアウラ「い、いいよ。別に…」

禁書「遠慮しないで、ほら」グイッ

シャットアウラ「わ、わかったからひっぱるな…ひっぱらないで」ザプ

禁書「じゃあ洗うね」

ゴシゴシ

シャットアウラ(少しくすぐったいな///)

禁書「気持ちいい?」

シャットアウラ「……うん」

禁書「ふふふっ」ニコニコ

禁書「…あれ? ありさ…少し変わった?」

シャットアウラ「!」ドキッ

シャットアウラ(ば、ばれたのか……?)

14: 2013/07/11(木) 22:54:39.03 ID:nJbBTanAO
禁書「やっぱり…前よりも胸が大きくなってるんだよ!」

シャットアウラ「……へ? 胸?」

禁書「前に会った時からそんなに経ってないのに……私なんかちっとも……」ショボン

シャットアウラ「き、気のせいじゃないかな…」

禁書「絶対に大っきくなってるもん!完全記憶能力を持つ私が言うんだから間違いないんだよ!」

シャットアウラ「完全……記憶?」

シャットアウラ(確か一度見たものは忘れない特殊な体質のことか?)

禁書「えい!」

モニュッ

シャットアウラ「ひゃっ!?」

禁書「ありさばっかり大っきくなってずるいんだよ! 私にも少しくらいわけてほしいかも!」モニュモニュ

シャットアウラ「く、くすぐったいっ///」

バタバタ



15: 2013/07/11(木) 22:55:59.65 ID:oPD3PIf70
ーーーーーーーーー

ギャーギャー
バタバタ


上条「んー? あいつらは何を騒いでんだ?」

上条「ご近所さんに迷惑だからもう少し静かにして欲しいんですが…。ま、大目に見ますか」

上条(それにしてもアリサの様子、少しおかしかったな……)

上条(会った途端走りだしたりスフィンクスのことをインデックスって呼んだり、口調もたまに凛々しいかんじにもなったり…)

上条(俺の右手に触れても反応しなかったところを見ると能力者や魔術師の変装ってことも無いから本物のアリサで間違いないと思うんだけど…)

上条(どうしても違和感が拭えないんだよなぁ…)

上条「それとも最近いろいろありすぎて俺が少し変になってるだけか?」

上条「だったらいいんだけど…」

上条(それよりアリサが現れた理由はなんだ?)

上条(まさかとは思うが、またアリサの力を利用しようとしている魔術師が何かしかけて…?)

上条「………」

上条「考えても仕方ないな。シャットアウラの行方も含めて今度土御門にそれとなく聞いてみるか」

ガチャ

禁書「とうまー、お風呂あがっんだよ」

上条「おう。アリサ、ジャージ大丈夫だったか?」

シャットアウラ「う、うん。ありがとう」

上条「さてと、それじゃあ上条さんも入りますか」

禁書「ありさっ、ゲームしよう、ゲーム!」

上条「ご近所さんに迷惑だからあんまり騒ぐなよー……って聞いてないな」


ーーーーーー
ーーー


16: 2013/07/11(木) 22:59:28.22 ID:nJbBTanAO
シャットアウラ(はぁ…。結局泊まることになってしまったが……、この部屋にはベッドが一つしか無いのか?)キョロキョロ

禁書「どうかしたの、ありさ?」

シャットアウラ「い、いや…」

シャットアウラ(鳴護アリサは以前寝泊まりしているようだから迂闊な質問はできないな…)

上条「はいはい、2人ともそろそろ寝るぞー」

禁書「はーい」

上条「…その前にアリサ。これからどうするつもりなんだ?」

シャットアウラ「ど、どうするって…」

上条「とりあえず俺の知り合いの先生とかを頼れば色々と手助けはしてもらえると思うけど」

シャットアウラ「そ、そんなことしてもらわなくても…」

シャットアウラ(私は鳴護アリサではないから…)

上条「でもアリサだってこの先どうにかしなきゃいけない問題はたくさんあるだろ? だから俺にできることは少しでも協力させてくれ」

シャットアウラ「っ!」

シャットアウラ「……ありがとう。とにかく今日は寝て、明日から考えるよ」

上条「…そうか。じゃ、上条さんはいつも通り風呂場で寝ますんで。おやすみ」ガチャ

禁書「おやすみ~とうま」

シャットアウラ「お、おやすみ…」

シャットアウラ(あの男は風呂場で寝てるのか……、ということは…)


17: 2013/07/11(木) 23:00:20.72 ID:oPD3PIf70
禁書「もう寝よう、ありさ。私も眠くなってきたんだよ」フアァ

シャットアウラ(こいつと寝るんだな。同じベッドで…)

禁書「明かり消すね」パチッ

シャットアウラ(寝るしかないか…)ゴソゴソ


ギュッ


シャットアウラ「!」

禁書「えへへー。ありさってあったかいんだね」ギュー

シャットアウラ(あたたかい…か)

シャットアウラ(食事や風呂を共にしたり、ゲームであそんだり…)

シャットアウラ(まるで『家族』みたいだな…。こんな感じは随分久しぶりな気がする……)

シャットアウラ(…だが……この2人が向けている優しさは鳴護アリサに対するものであって私にではないのか…)

シャットアウラ(そこを勘違いしないようにしなければ…)


シャットアウラ「………」

23: 2013/07/14(日) 19:23:15.79 ID:oqhze2jAO
ーー翌朝ーー

チュンチュン

禁書「……ん」モゾモゾ

禁書「…あれ? ありさ…?」

シーン

禁書「ふわぁ…。トイレかな? ……あれ?なんだろうこの紙」ピラッ

禁書「……!」

禁書「と、とうまっ!」バタバタ

ーー風呂場ーー

禁書「大変だよとうま!」バンバン

上条「んー? なんですかインデックスさん。日曜日くらいゆっくり寝かしてくださいよ…」ガチャ

禁書「なに呑気なこと言ってるのかなっ! ありさがいなくなっちゃったんだよ!」

上条「アリサが? どういうことだっ?」

禁書「これ」スッ

上条「書き置き…?」

~~~~~~~~~

泊めてくれてありがとう。
黙っていなくなってごめんなさい。
いくアテについては大丈夫なので心配しないでください。


鳴護アリサ
~~~~~~~~~

上条「っ…」

禁書「ど、どうしよう、とうま…」


24: 2013/07/14(日) 19:28:32.40 ID:oqhze2jAO
上条「どうするって…、ほっとくわけにはいかない。インデックス、手分けしてアリサを探すぞ」

禁書「わかったんだよっ!」

上条「とりあえず一度着替えて…」

禁書「もう着替えてるんだよっ!」バーン

上条「いつの間に…」

禁書「行ってきます!」ピューン

上条「ちょっ、インデックスっ、?デタラメに…」

バタン

上条「探しても…見つからない…」

上条「………」

上条「はぁ…」

ーーーーーーーーー

上条「それにしてもアリサのやついったい何処に…」

上条「ん? なんだこれ」ヒョイ

上条「保険証? 俺のか? 名前は……シャットアウラ……シャットアウラっ!?」

上条「な、なんでシャットアウラの保険証なんかが俺の部屋に??」

上条「アリサが持ってきたのか…?」

上条「でもシャットアウラの行方はわからないって……」

上条「なんで…」

上条「一度ここの住所を訪ねてみるか…?」

上条「いや……保険証があったってことは病院に行ってたってことかも…」

上条「………」



26: 2013/07/14(日) 19:34:26.09 ID:oqhze2jAO
シャットアウラ「っ!? な、何故……」

上条「部屋にこれ忘れてったぞ」スッ

シャットアウラ「これは……私の保険証…」

上条「住所もこいつを見て知ったんだ」

シャットアウラ「……それより何故私が鳴護アリサではないと知っている?」

上条「この保険証がシャットアウラのだったから不思議に思ってさ。保険証を持ち歩いてたってことは病院帰りだったのかもって考えて知り合いの医者にたずねたんだ」

シャットアウラ「……冥土帰しか」

上条「そんなふうに呼ばれてるらしいな、あの先生」

シャットアウラ「それで話を聞いたのか。患者の個人情報だぞ……。おいそれと話すなんていったいどうなってるんだ…」ハァ

上条「そうとう頼みこんだからな。朝早くから何をやってるんだって怒られたよ」ハハッ

シャットアウラ「その……」

上条「ゴメン、シャットアウラ」ペコッ

シャットアウラ「!?」

シャットアウラ「な、何故お前が謝るっ? お前達を騙していたのは私だろう!?」

シャットアウラ「なのに……」

上条「本当は悩んでたんだろ? いきなり自分の姿が変わって戸惑ってたのに、俺達が言い出しにくい雰囲気をつくったからお前はアリサのふりをしなくちゃいけなくなって」

シャットアウラ「………」

上条「シャットアウラ…」

シャットアウラ「頭を…あげてくれ」

シャットアウラ「私のほうこそすまない。お前達の鳴護アリサに対する優しさを前に本当のことを言い出せず…、ついふりをしてしまって…」


27: 2013/07/14(日) 19:35:43.73 ID:AZTtNoW90
シャットアウラ「あのインデックスという少女にも私が鳴護アリサでないことをキチンと伝えよう」

上条「俺からも説明するよ」

シャットアウラ「すまないな、ややこしい真似をして」

上条「気にしなくていいよ。それにあの先生から聞いたけど、なんでこんなことになったのかわからないんだろ? 元の姿に戻るアテはあるのか?」

シャットアウラ「……いや。今のところはなにも…」

上条「だったら俺にも協力させてくれ」

シャットアウラ「はっ? 何故お前が…。そんなことお前がする義理や理由はないだろう」

上条「義理とか理由とか、そんなもの必要か? シャットアウラが困ってるんだったら手伝うのは当たり前だろ」

シャットアウラ「当たり前って……。私とお前はそんな仲ではないと思うが…」

上条「確かに一度は敵対してたかもしれないけどさ、事情を知っちまったんだからほっとくなんてことできないよ」ニコッ

シャットアウラ「お前はそうとうお人好しなんだな…」

上条「よく言われる」

シャットアウラ「………ありがとう」ボソッ

上条「?」

シャットアウラ「いや、なんでもないっ!///」

シャットアウラ「それより、協力とは言ってもなにか知っているのか? あの医者ですらわからないと言っていたんだぞ?」

上条「こういうややこしいことに少し詳しい知り合いがいるんだ。一度そいつに相談してみる」

29: 2013/07/14(日) 19:39:06.58 ID:oqhze2jAO
シャットアウラ「いったいどんな知り合いだ…」

シャットアウラ「…ということは解決できるかもしれないということか?」

上条「絶対とはいいきれないけど…」

シャットアウラ「そうか……。できればあまり口外しないでもらいたいんだが…」

上条「どういうことだ?」

シャットアウラ「私が率いていた『黒鴉部隊』はわかるか?」

上条「ああ…、あの時の乗り物の集団か」

シャットアウラ「乗り物…、まあそうなんだが…」

上条「その『黒鴉部隊』がどうかしたのか?」

シャットアウラ「現在『黒鴉部隊』は学園都市で警備会社の真似事をしていてな。仕事の内容は民間企業や美術館なんかの警備や要人の警護なんかもしている」

シャットアウラ「たまにだが正規の警備員と協力して暴走能力者の鎮圧やスキルアウトの暴動を食い止めたりと…」

上条「結構危ないことやってるんだな…」

シャットアウラ「治安維持が私達の活動の名目だからな。そのせいか、いらぬ恨みを買っていることも…」

上条「つまりこのことが広まるとシャットアウラの身に危険が及ぶってことか?」

シャットアウラ「いや、私のことよりも心配なのは部隊のほうだ。リーダーが存分に力を発揮できないとなれば外部からの圧力や暴力で潰されるか、隊員達に見限られるか…」

上条「……そうか。わかった。個人名は出さないようにする」

シャットアウラ「面倒をかける」

上条「気にするなって。困ってる時はお互いさまだろ?」

シャットアウラ「……優しいな」

上条「そうか?」

シャットアウラ「ああ、優しすぎるくらいだ」

上条「なんか照れるな///。それじゃあ相談してみるよ。…とその前にインデックスに連絡しないと」

シャットアウラ「それなら一度お前の部屋に行こう」

上条「わかった、インデックスにもそう連絡する。インデックスの奴が携帯持ち歩いてたらいいんだけど…」

ーーーーーー
ーーー



30: 2013/07/14(日) 19:42:47.17 ID:oqhze2jAO
ーー上条宅ーー

上条「……というわけなんだが、わかったか? インデックス」

シャットアウラ「………」

禁書「えっと…。それじゃあこの人はありさの姿をしてるけどありさじゃなくて、しゃっとあうらってことなんだよね?」

上条「そういうことだ」

シャットアウラ「すまない。騙していて」

禁書「……あなたが謝る必要はないんだよ」

シャットアウラ「………」

禁書「あなたに悪気があったわけじゃないんでしょ? 言い出せなかったのは私が舞い上がって話すタイミングを無くしちゃったせいなんだから」

シャットアウラ「……お前達は心の底から優しいんだな」

禁書「当たり前なんだよ!なんていったって私はイギリス清教に使えるシスターなんだから。迷える子羊を救うのが私の仕事なんだよ!」フンッ

シャットアウラ「そ、そうか…」

上条「迷える子羊を救う前に我が家の食費を救ってくれませんかね…」

禁書「腹が減っては仕事はできないんだよ!」

上条「お前は家事すらしてないでしょうがっ!」

シャットアウラ「……ふふっ」

上条「おぉ…」

禁書「しゃっとあうらが笑ったんだよ…」

シャットアウラ「なんだ、私が笑うとおかしいのか」ムッ

上条「だって、今日会ってからずっと仏頂面だったし」

シャットアウラ「そ、そうだったか…」

禁書「今思えばありさのふりしてる時も無理して笑ってた気がするんだよ」

シャットアウラ「無理してたように見えたのか…」


31: 2013/07/14(日) 19:44:05.72 ID:0X5yUuIc0
上条「無理してたっていうより様子は色々おかしかったな。インデックスとスフィンクスを間違えたり」

シャットアウラ「あ、あれは仕方ないだろっ。インデックスが人の名前とは思わなかったのだから…」

上条「まあそう言われれば間違えてもしょうがないか」

禁書「ちょっとまって欲しいんだよ!色々言いたいことがあるかも!」

禁書「どうしてよりにもよってスフィンクスと私を間違えたのかな? 私はスフィンクスほどのんびりしてないかも!」

上条「いやいや、インデックスさんはスフィンクス以上にのんびりゆったりと……、ごめんなさい。謝るのでそのキラリと光る牙をどうかお納めください」ドゲザッ

禁書「がるるるぅぅ…」

シャットアウラ(なんて手慣れた土下座なんだ…)

上条「よし! 上条さんはさっき言ってた知り合いに相談してくるん でこれにて失礼!」バッ

禁書「ちょっととうま! 逃げないで欲しいんだよっ!」

上条「シャットアウラ! 後はまかせた!」

シャットアウラ「お、おい…」

ガチャ

禁書「帰ってきたらお仕置きかも」プンプン

禁書「それより、しゃっとあうら。とうまが帰ってくるまでどうしようか?」

シャットアウラ「どうするって…」

グギュルルルゥーー?
グギュルルルゥーー?

シャットアウラ「」

禁書「」

シャットアウラ「…とりあえず、なにか食べようか」

禁書「…そうするんだよ」

32: 2013/07/14(日) 19:46:15.35 ID:oqhze2jAO
ーーファミレスーー

上条「よーす」

一方「おせェぞ三下ァ!」

上条「あれ? なんで一方通行がいるんだ?」

一方「いちゃ悪いのか」

上条「悪くはないが…だって土御門に話があるって連絡したんだけど…」

土御門「オレが呼んだんだにゃー」

上条「よう。なんで一方通行も呼んだんだ? ってかお前ら知り合いだったのか?」

土御門「マブダチなんだぜい」

一方「オマエみてェなシスコン野郎とマブダチなンざ氏ンでもお断りだ」

土御門「魔術側と科学側、どっちの意見も聞きたいってカミやんが言うからわざわざ連れてきたんだぞ?」

上条「そっか。第一位の頭脳ならなら、なにかわかるかもしれないからか」

土御門「そういうことですたい」

一方「けっ…」

土御門「あとオレ、お金ない」

上条「ゴチになりまーす。一方通行様」

一方「まてコラ」

土御門「すんませーん。ドリンクバー三つお願いしまーす」

一方「人を財布がわりにしてンじゃねェぞォ!ゴラァっ!!」

33: 2013/07/14(日) 19:48:18.63 ID:0X5yUuIc0
ーーーーーー
ーーー


上条「ベクトルチョップしなくても…」ボロボロ

土御門「ほんとだぜい…」ボロボロ

一方「で、話っつゥのは、なンだ」

上条「あー、あのさ……朝起きたら自分の姿が変わってたらどう思う?」

土御門「? なんの話かにゃー」

一方「肉体変化の能力にでも目覚めたか?」

上条「俺の話じゃなくて…、あと超能力でもないと思うんだ」

一方「あのストーカーの話か?」

上条「海原でもなくて」

土御門(ストーカーだけで海原って伝わるって…)

上条「魔術とか科学の力じゃない……と思う」

土御門「それはカミやんの右手が反応しなかったってことかにゃー?」

上条「ああ」

土御門(魔術側でも科学側でもない…。かつカミやんの右手に反応しない力か…)

土御門(今までのことを振り返れば『不氏身』のフロイライン=クロイトゥーネか『奇蹟』の存在である鳴護アリサくらいしか例がないな…)

土御門(姿が変わる? ってのはなんのことかイマイチわからんが…)

一方(なンだ? 土御門の野郎いきなり黙りやがって…。この様子だと何かに気づいたのかァ?)

一方(チッ。こいつが気づいてオレがわからねェってのはなンかムカつくな…)

一方(…なンにせよ、わけわかンねェことにアレイスターが関わってる可能性はデカイ。直接問い詰めるか…)カチカチ

上条(あれ? なんか2人とも急に黙っちゃったんだけど…。一方通行にいたっては携帯弄りだしたし…)

34: 2013/07/14(日) 19:52:23.71 ID:oqhze2jAO
上条「もしもーし?」

土御門「詳しく話が聞きたい」

上条「あー、えっーとな…」

上条(あんまり言いふらすなって言われたけど…。この際仕方ないか)

上条「シャットアウラって覚えてるか?」

土御門「黒鴉部隊のリーダーかにゃー?」

土御門(鳴護アリサ関連ってとこか)

一方(誰だソレ?)

上条「そう。それでシャットアウラが朝起きたらアリサになってたんだよ」

土御門「……いや、意味わからんぜよ」

一方(おせェな…)

上条「だからさ、シャットアウラ曰く、朝起きた時に自分の姿がアリサの姿になってて、医者にも原因がわからないって言われたんだよ。俺の右手で触れても直らないし」

土御門「…それで原因を知るためにオレ達に話を?」

上条「そういうこと」

一方(もう5分もたってンじゃねェかよォ)イライラ

土御門(……全くわからんぜよ。そもそもあの2人については不明瞭なことが多過ぎてオレだってイマイチわかってないからな…)

上条「俺が一番心配してんのは、またあの時みたいに誰かがあの力を利用して何かしようとしてるんじゃないのかってことなんだけど…」

土御門「なるほど、鳴護アリサの力を使うためにシャットアウラ=セクウェンツィアの姿を無理矢理変えたんじゃないかってことか…」

上条「ああ」

土御門(流石にそんな怪しいことしてる奴がいれば気づくと思うが…)

ヒュン

結標「呼んだかし…「遅ェぞォ!結標ェ!!」


35: 2013/07/14(日) 19:54:05.22 ID:0X5yUuIc0
結標「ちょ、いきなり呼び出しといてなによっ!」

上条「あ。あの時の…」

結標「あら、小萌の生徒の…」

一方「おいコラ、1分以内に来いっつっただろォが」

結標「無茶言わないでよっ!こっちだって出かけるのに準備とかあるんだから!」

一方「準備なンか必要ねェだろ」

結標「女の子には色々あるの! 化粧とか服とか!」

土御門「お、女の子…」プッ

結標「あ"っ? なんか文句あるのかしら? このシスコン」

一方「服って…どォせ裸みてェな格好じゃねェか」

結標「喧嘩売ってんのかしら、この口リコン」ピキピキ

一方「うっせェぞシOタコン」

土御門「そして露出狂」

結標「私にそんな変O属性つけてんじゃないわよぉぉぉ!!!」

上条(露出が高いのは事実だと思うのですが…)

結標「何か言ったかしら?」

上条「なんでもありませんっ」ブンブン

36: 2013/07/14(日) 19:57:29.06 ID:oqhze2jAO
土御門「なんで結標を呼んだんだ?」

結標「なにサラッと話進めてんのよっ!」

一方「わけわかンねェことには大抵あのクソ野郎が関わってンだろ。だからアイツのとこまで行くのに必要な移動手段として呼ンだ」

土御門「なるほど」

結標「人をタクシーがわりにしないでくれるかしら!?」

上条「クソ野郎って?」

一方「オマエは黙って待ってろ」

土御門「オレ達が調べてくるからにゃー」

結標「ねえちょっとなんの話?」

上条「ありがとな、2人とも」

土御門「カミやんにはいつも頑張ってもらってるからにゃー。たまにはこっちに任せるぜい。一方通行も張り切ってるし」

一方「張り切ってなンかねェよ…」

土御門「カミやんが困ってるって言ったらすぐ協力するって…」

一方「土御門くゥン?それ以上口を開いたらどォなるかわかってンだろォなァ!?」

土御門「おー怖い怖い」

結標「無視しないで欲しいんだけど……」ショボン

一方「おィ結標」

結標「な、なにかしらっ?」

一方「オレらをアレイスターのとこまで連れてけ」

土御門「頼むぜよ」

一方「早くしろ」

結標「………」ブチッ


37: 2013/07/14(日) 19:59:14.38 ID:0X5yUuIc0
結標「はぁぁぁっ!? なんなのよあんた達! いきなり呼び出してなんの説明もせずに人をタクシーがわりにしようとしてっ! 誰が手伝うかっ! バーカバーカ!」

土御門(なんかきれたぜよ…)

一方(うっわ、めンどくせェ…)

上条「ちょ、落ちついてくださいって! 人が見てますから! お前らも見てないで止めろよっ」

一方「はァ…めンどくせェなァ…」カチ

結標「なによ! 女の子に暴力ふるう気っ!?」

一方「ベクトルチョップ!!」ビシッ

結標「きゅっ!」ドサッ

上条「お、おい…」

一方「とりあえず窓の無いビルまで歩いていくか。オマエらこいつ運べ」

土御門「まったく面倒だにゃー。カミやんそっちの肩持ってくれ」

上条「い、いいのかこれ。まるで誘拐…」

一方「結標だからいいンだよ」

土御門「そうそう」

上条「えぇ…」

結標「」チーン

ーーーーーー
ーーー


38: 2013/07/14(日) 20:02:45.67 ID:oqhze2jAO
ーー上条宅ーー

禁書「……ねえ、しゃっとあうら」

シャットアウラ「…反省はしている」

禁書「気持ちはわかるんだよ。私だってお腹は空いてたし…」

シャットアウラ「………」

禁書「でもね、どうして料理できないのに料理できるなんて言ったのかな?」

シャットアウラ「それは…その…」

禁書「キッチンはメチャクチャだし冷蔵庫の中の食べ物もほとんどなくなっちゃったんだよ…」

シャットアウラ「うぐっ…」

禁書「いくら私だってここまで酷くしたりしないかも」

シャットアウラ「うぅ…」

禁書「しゃっとあうらって意外とだらしないんだね」

シャットアウラ「き、聞き捨てならないなっ。そもそもお前が調理前の食材を食べたり、できる前のものをつまんだりしたからだろう!」

禁書「むっ…。そ、それと料理の腕前は関係ないかもっ!」

シャットアウラ「あの男も言っていたが、随分と生活態度もだらしないそうじゃないか」

禁書「そ、そんなことないんだよ!とうまがちょっと大袈裟に言いすぎただけかも!」

シャットアウラ「どうだかな」フッ

禁書「しゃっとあうらは意地悪なんだよっ!」


39: 2013/07/14(日) 20:04:23.81 ID:0X5yUuIc0
シャットアウラ「なんだとっ!」

禁書「ふん」

シャットアウラ「私に喧嘩を売るとはいい度胸だ…」

禁書「私と勝負する気かな」

シャットアウラ「謝るなら今の内だぞ」

禁書「………」

シャットアウラ「………」

グギュルルルゥーー
グギュルルルゥーー

禁書「///」

シャットアウラ「///」

禁書「……今はお腹を満たすことのほうが大事なんだよ」

シャットアウラ「……ファミレスでも行くか」

禁書「お金がないんだよ」

シャットアウラ「それくらい出してやる」

禁書「しゃっとあうら大好き!!」ダキッ

シャットアウラ「変わり身早すぎるだろうっ!?」

ーーーーーー
ーーー


40: 2013/07/14(日) 20:09:19.83 ID:oqhze2jAO
ーー窓の無いビルーー

一方「着いたか…」

土御門「疲れたぜい…」ハァハァ

上条「この人どうすんだよ」ハァハァ

結標「」

一方「ベクトル目覚ましビンタ!」

バチーン

土御門「ただのビンタだにゃー」

結標「痛っ!? な、なに??」

一方「起きたンならさっさと働け」

結標「あ、一方通行??なんで……はっ。まさか私の体目当てに誘拐をっ!?」

一方「さっさと働け」

結標「ちょっとくらいノってくれてもいいじゃない…」

一方「は・た・ら・け!」

結標「それが人にものを頼む態度? 頭の一つくらい下げるべきじゃないかしら」フフン

一方「……」

上条「どうかご協力お願いします」ドゲザッ

結標「えっ、ちょっとなんであなたが…」オロオロ

土御門「うわー、あわきんがカミやんに土下座させてるー」

結標「ひ、人聞きの悪いこと言わないでっ! あなたも頭をあげてよ協力するから!」

上条「ありがとうございます!」

結標「もう…」

一方「よし。じゃあさっさと運べあわきン」

結標「なんで何もしてないあなたが偉そうなのよ…。あとあわきん言うな」

土御門「じゃあ行ってくるからカミやんはここで待っててくれ」

上条「ああ、頼んだぜ」

結標「いくわよ」

ヒュン

上条「………」


41: 2013/07/14(日) 20:11:01.36 ID:0X5yUuIc0
ーーーーーーーーー

アレイスター「おや、珍しいな。君たちが仲良く遊びに来てくれるとは」

結標「仲良くないわよ!」

アレイスター「……何故彼女はそんなに怒っている?」

一方「生理だろ」

結標「違うわよっ!」

アレイスター「なるほど」

結標「違うっつってんでしょっ!!」

一方「落ちつけよあわきン」

結標「はぁはぁ…」

アレイスター「で、何の用かね」

土御門「カミやんに聞いたぞ。今度は何を企んでいる」

アレイスター「シャットアウラ=セクウェンツィアの件か」

アレイスター「残念ながら私は何も知らないぞ」

土御門「なに?」

アレイスター「もともと彼女達の力についてはわからないことが多過ぎる」

土御門「ほんとに何も知らないのか?」

アレイスター「興味もないしな」

土御門「………」

アレイスター「まあ一つ言わせてもらえば、 彼女の姿が変わったことは彼女の深層心理に関係しているのではないかね」

土御門「深層心理だと?」

アレイスター「つまり鳴護アリサとして取り込んだ意識が表層に現れた。その影響で姿が変わったということだと推測するが」

一方「一つって言ったくせにやけに喋るな」

アレイスター「………」

土御門「………」

結標「空気読みなさいよ…」

42: 2013/07/14(日) 20:17:47.78 ID:oqhze2jAO
土御門「……で、その現れた意識ってのはなんだ?」

アレイスター「……それくらい自分で調べたまえ」

土御門「………」

結標「あなたのせいで拗ねちゃったじゃない…」

一方「あん?」


43: 2013/07/14(日) 20:19:43.94 ID:0X5yUuIc0
アレイスター「………」

結標(黙っちゃったし…)

一方「このコイツが関係してねェってンならもうここに用はねェだろ。帰るぞ」

結標「あなたほんとにいい性格してるわね」

一方「なに急に褒めてンだよ」

結標(……Level5ってほんとに頭おかしいのね)

一方「ほら、さっさと外に飛ばせ」

結標「いいの?」

土御門「…まあ精神系の能力者に調べさせれば解決できそうな問題だからな」

結標「………」チラッ

アレイスター「………」

結標(まぁいっか)

ヒュン


アレイスター「……つまらん」ショボン

44: 2013/07/14(日) 20:22:40.55 ID:oqhze2jAO
ーーファミレスーー

禁書「ジャンボパフェも追加なんだよ!」

シャットアウラ「……よく食うな。いったいその小さな身体のどこに入ってるんだ…」

禁書「デザートは別腹なんだよ!」

シャットアウラ「そのセリフ、肉料理の時にも魚料理のどこににも聞いたぞ…」

禁書「そういうしゃっとあうらこそ、よく食べてるかも」

シャットアウラ「は、腹が減っていたんだから仕方ないだろ///」

禁書「おかわりなんだよ!」

シャットアウラ「……聞いてないし」

シャットアウラ「……なあ、一つ聞いていいか?」

禁書「なにかな?」モキュモキュ

シャットアウラ「その…お前と上条当麻はどういう関係なんだ?」

禁書「?」

シャットアウラ「あれだ……こ、恋人…なの…か?」

禁書「うーん、私ととうまは家族…みたいなものかな」

シャットアウラ「そ、そうか…」ホッ

シャットアウラ(な、何故私は安心しているっ?)

シャットアウラ(姿が変わってからというものどうも自分の気持ちがわからないことがあるな…)


45: 2013/07/14(日) 20:23:44.01 ID:0X5yUuIc0
禁書「どうかしたの?」

シャットアウラ「い、いやっ。なんでもないぞ」

禁書「そう?ならいいんだけど…」

シャットアウラ「それよりもう注文はいいのか?」

禁書「まだまだ満腹にはほど遠いんだよ! 次はケーキに挑むかも!」

シャットアウラ「ほんとうによく食べるんだな…」

シャットアウラ(元の姿に戻ればきっとまた落ち着くさ…)

49: 2013/07/16(火) 18:21:15.11 ID:27QLzeRh0
ーーーーーーーーー

ヒュン

上条「お。どうだった?」

土御門「ヒント的なものは掴めたぜい」

上条「ほんとかっ!?」

土御門「ああ。解決させるには少し準備がかかると思うが…」

上条「いやいや、手がかりが掴めただけでも十分だよ!ほんとにありがとう!」

一方「けっ。礼なンかいらねェよ」

結標「いや、あなた何もしてないわよね。むしろ邪魔して…にゅ!?」ガシッ

一方「あわきちゃァン?このままほっぺた握って潰れたアンパンみたいにされたいンですかァ?」ギュウー

結標「にゅーっ!?」バタバタ

土御門「それでカミやん、今シャットアウラはどこにいる?」

上条「俺の部屋にインデックスと留守番してるはずだ」

結標「へ、ヘルプ!ヘルプ!!」

一方「くかかかけきここ!!」

上条「……この2人は…」

土御門「面倒だからおいてけ」

結標「ちょっとぉぉぉ!??」

50: 2013/07/16(火) 18:32:16.93 ID:XB/UCH9AO
ーー上条宅ーー

上条「シャットアウラー、いるか?」

土御門「……誰もいないみたいだにゃー」

上条「どっかいったのか……ん?」

グッチャ~

上条「き、キッチンが……」

土御門「これは…新しい儀式場か?」

上条「冷蔵庫の中も空っぽだし……」

土御門「ドンマイ」

上条「帰ってきたら覚えてろよ…」ギリギリ

土御門(血の涙でも流しそうな勢いでくやしがってるな)

土御門「ま、今のうちにわかったことの説明をしておくぜい」

上条「……おぉ」

土御門(…この状態で理解できるかにゃー?)

ーーーーーー
ーーー



51: 2013/07/16(火) 18:37:01.49 ID:27QLzeRh0
上条「……つまりアリサが持ってた感情とか気持ちが浮き出てシャットアウラの姿を変えてるってことか?」

土御門「正確にはシャットアウラの気持ちに共鳴してるのかもしれん」

上条「共鳴?」

土御門「ああ、簡単に言えばシャットアウラと鳴護アリサが同じ気持ちを持ったせいってことだにゃー」

上条「??」

土御門「シャットアウラが鳴護アリサと同じ感情を持つ。すると鳴護アリサとしてとり込んだ感情も刺激を受ける」

土御門「その際にシャットアウラが無意識のうちに何かを願って、それが鳴護アリサの姿になるという形になって現れた」

土御門「……ってオレは推測してるぜよ」

上条「よく…わかんねえな…」

土御門「ま、ほとんどオレの推測だし、あの『奇蹟』の力は全くもって理解できてないからにゃー」

上条「…それで、元の姿に戻るのはどうすればいいんだ?」

土御門「今の話から考えたらその感情が何かを突き止めて、願いがなんだったのか調べるのが手っ取り早いな。そいつを解決しちまえば多分元に戻るだろう」

上条「そう…か…」

土御門「精神系の能力者にみせたり、簡単な心理テストでもわかると思うぞ?」

上条「そうなのか?」

土御門「オレもその辺の知識ややり方は知っているから、シャットアウラさえ連れて来てくれれば心理テストくらいやってやれるにゃー」

上条「じゃあインデックスに連絡して…」

バンッ

禁書「と、とうまっ!」

上条「うぉっ!? い、インデックスっ? どうした、そんなに慌てて…」

禁書「しゃ、しゃっとあうらが…しゃっとあうらが誘拐されたんだよ!!」

上土「「はぁっ!?」」

ーーーーーー
ーーー


52: 2013/07/16(火) 18:48:35.92 ID:XB/UCH9AO
ーー廃ビルーー

シャットアウラ「……クソッ」ハァハァ

男「おいおい、もうへばっちまったのかぁ? 天下の治安維持部隊のリーダー様がよぉ」

男「おっと、今は違うんだっけか」ギャハハハ

シャットアウラ「チッ…」ダッ

男「おーおーまだ逃げるかよ。いいねぇ、でないと虐めがいがねぇしなぁ」

男「ま、逃げても無駄だけど」

男「このビルにゃあ俺が仕掛けた『罠』が設置してあるからよぉ、入り口から出れると思うなよ?」

カンカンカン

男「上に逃げたか…。ま、一階に向かう階段は俺の後ろのやつしかねぇし、当然か…」

男「俺の仲間を片っ端からパクってくれたんだ、楽にゃあ済ましてやんねぇぞ……」

男(…しかし見た目が変わってるって聞いた時は驚いたがあの姿、どっかで見たことあんな…。どこだっけか…?)


53: 2013/07/16(火) 18:54:04.46 ID:7oEcGTRK0
シャットアウラ「はぁはぁ…」

シャットアウラ(あの男は…確か以前警備員と協力して捕まえた無能力者狩りのグループでリーダーをしていた…)

シャットアウラ(なるほどな…仲間の敵討ちというわけか…)

シャットアウラ「ごほっごほ…」

シャットアウラ(やはり鳴護アリサの身体ではまともに戦えない…)

シャットアウラ(それにしても奴は何故私の姿が変わっていることを知っていたのだ?)

シャットアウラ(ファミレスでインデックスとの会話を盗み聞きしていれば私の名前がシャットアウラであることはわかっただろう)

シャットアウラ(しかしそれだけで姿が変わっているとわかるわけがない…)

シャットアウラ(まさかとは思うがあのお人好し……ところ構わず喋ったんじゃないだろうな…)ワナワナ

カーンカーン

シャットアウラ「!」

シャットアウラ(今は目の前のことに集中するべきか…)

シャットアウラ(幸い、一階と二階をつなぐ階段以外は二つあるようだから立体的な構造を利用すれば袋のネズミなんてことにならずにすむな…)

シャットアウラ(スキを見て外に出たいが奴の言っていた『罠』の存在も気にかかる…)

シャットアウラ(そもそも奴が扱う能力はなんだ?)

シャットアウラ(何かしているようには見えないのに遠距離から身体の内側にダメージを与えてきている)

シャットアウラ(以前会った時は早々に逃げ出されたせいで能力を見る暇もなかったからな…)

シャットアウラ(こうなったら一つ、一つ、見極めていくしかないか…)

シャットアウラ(まず、上に来てからは奴は攻撃をしてきていない)

シャットアウラ(つまり遮蔽物があると攻撃できないか、目で見てターゲットの位置に攻撃を仕掛けているということになる)

シャットアウラ(ならばもう一つ上階に行くまでだ…)タタタッ


54: 2013/07/16(火) 18:57:13.57 ID:XB/UCH9AO
男「んー? また上に逃げやがったのか?」

男「ちょろちょろとめんどくせぇなぁ」

男「張り合いがあっていいんだけどよぉ、いつまでも鬼ごっこってわけにもいかねぇし、ここいらで一発食らわしとくか」

男「降りられちゃ面倒だしあっちの階段は潰してと」

男「ふん!」

ビィィィン

ビキビキッ
グシャァッ


男「ふぅ…。ここは…三階か。なら上から飛び降りて逃げるっつぅ真似はできねぇなぁ」

男「こっちの階段から登ってきゃあ、後は四階か五階で仕留めれるな」

男「じっくり嬲り頃しにしてやるよ…」ククク


55: 2013/07/16(火) 18:59:30.09 ID:7oEcGTRK0
シャットアウラ「! 階段が潰された!?」

シャットアウラ「クソッ! そんな破壊力のある攻撃だったのかっ」

シャットアウラ(このままでは上に逃げてもまた同じことをされてしまう…。そうなれば逃げ場が…)

シャットアウラ(こうなったらここで戦うか…)

シャットアウラ(元はオフィスかなにかだったのだろう。ロッカーや事務机が捨て置かれているし、入り組んだ構造を利用すればなんとか戦えるな)

シャットアウラ(なにか武器になりそうなものは…)キョロキョロ

シャットアウラ(コンクリート片なら投擲に使えるか…。あとは角材かこれは?)

シャットアウラ(おおかた不良が持ち込んだ物のだろう。長物があると便利だな。有効利用させてもらうか)

シャットアウラ(スーツの補助の無い女の腕力ではたいしてダメージを与えられないと思うが急所を狙えば…)

シャットアウラ(さて、黒鴉隊リーダーとしての力、しっかりみせてやろう…)ギュッ

56: 2013/07/16(火) 19:04:05.94 ID:XB/UCH9AO
ーーーーーーーーー

ダッダッダッ

上条(どこだ、どこにいるっ…)キョロキョロ

上条(インデックスの話だと犯人は1人。ガタイのいい男でシャットアウラと理解して襲ってきたって…)

上条(さらに突然正体不明の攻撃を受けて2人とも抵抗できなかったって言っていたな)

上条(インデックスがわからなかったってことは相手は能力者)

上条(どうやってシャットアウラのことを知ったのかはわからないけど、一緒にいたインデックスを無視したってことはシャットアウラだけが目的)

上条(つまりシャットアウラが言ってた黒鴉部隊にやられて仕返しにきた暴走能力者ってとこかっ)

上条(走って連れてったらしいしそう遠くまで行ってないはずなんだけど…)

prrrrr

上条「土御門かっ?」

土御門『カミやん!監視カメラの映像に犯人とおぼしき人間と鳴護アリサらしき人間が映っていた!』

上条「場所はっ?」

土御門『ファミレスから一つ先の交差点を曲がってすぐの裏路地を真っ直ぐいけ! そこを抜けると解体工事予定の廃ビルがある! その中だっ!』

上条「わかった!」

土御門『カミやん! オレもすぐに向かうから1人で突っ込む…ブチッ

上条「待ってろよっ! シャットアウラ!」ダッ

ーーーーーーーーー

土御門「切りやがった…」

禁書「しゃっとあうらは大丈夫なのかなっ?」

土御門「心配するな。カミやんに任せればきっと大丈夫だ。オレも応援に行くからお前はここで留守番だ」

禁書「わかったんだよっ。もとはるも気をつけて」

土御門「ああ」


57: 2013/07/16(火) 19:05:50.71 ID:7oEcGTRK0
ーー廃ビルーー

男「どこに隠れたのかなー?」

男「ほらほら出てこいよー。逃げ場なんてねぇーんだからよぉー」

シャットアウラ「………」

シャットアウラ(どうやら奴には私の位置がわかっていないようだな。このまま奴が廊下まで出てくれば不意打ちを仕掛けることができる…)

シャットアウラ(側頭部に一撃叩き込めばしばらくまともに歩けないだろう。その隙に追撃をして確実に倒す)

コツコツ

シャットアウラ(あと五歩…三歩……今だっ!)バッ

男「読めてんだよ」ヒョイ

シャットアウラ「っ!?」

男「うらぁっ!」

ゴシャッ

シャットアウラ「ぐふっ!?」

ゴロゴロ

シャットアウラ「がはっ!…はっ…はっ…」

男「残念だったなぁ。お前の位置くらいわかってんだよ」ニヤニヤ

シャットアウラ「なん…で…。げほっ…」

男「鳩尾にもろに入ったか? さて…ふんっ!」

シャットアウラ「?」

シャットアウラ「っ! ぐあぁぁぁ!?」

男「ふんんっ!」

シャットアウラ(頭が…身体が……痛いっ……)

シャットアウラ(逃げね…ば……)ググッ

ヒュッ

男「!」パシッ

男「コンクリート?」

シャットアウラ(今だっ!)ダッ

男「チッ…また上かよ…面倒せぇなぁ…」

59: 2013/07/16(火) 19:10:06.58 ID:XB/UCH9AO
シャットアウラ(思わず…上に逃げてきてしまったが…これでは…もう)ハァハァ

シャットアウラ(奴の…能力はいったい…)

シャットアウラ(鉄筋コンクリートの階段を破壊したり、肉体の外部を傷つけずに内部にダメージを与えたり、氏角からの不意打ちに対処したり…)

シャットアウラ(っ…、吐き気が……)

コツコツ

男「よぉ、気分はどうだい…っていねぇし。またどっかに隠れたのか?」

シャットアウラ(チッ…もう来たのか…。いや、今度は階段を破壊していない…? ならまだ逃げるチャンスがあるな…)

男「ど・こ・に・い・る・の・か・な!」

ビィィィン

シャットアウラ( なんだこの音?)

ビシビシッ
グシャッ

シャットアウラ(! コンクリートの壁を破壊したっ!?)

男「あれ? また壁の向こうで待ち伏せしてんのかと思ったんだけど、外したかぁ」

シャットアウラ(先ほど階段を壊したのはあれか…)

男「じゃあこんどはこっちの瓦礫を」スタスタ

シャットアウラ(やばいっ!)

シャットアウラ(壊される前になんとか反撃をっ!)

男「なんつって」

ガシッ

シャットアウラ「!」

男「捕まえたぞ」ニヤァ

シャットアウラ「離せっ! くそっ!」

男「元気いいなぁ、おい」

シャットアウラ「このっ…」



60: 2013/07/16(火) 19:14:26.87 ID:XB/UCH9AO
男「もう逃がさねぇ。今からたっぷりと仕返ししてやんよ」

男「うらっ!」

シャットアウラ「なにを…」

シャットアウラ「がぁぁぁぁぁ!?」

シャットアウラ「ま、また…」

男「ふっ…」

シャットアウラ「はぁっ!? はぁはぁ…」

男「今どんな気持ちだよ、おい。お得意の爆発攻撃も体術も使えず、理解できない能力にやられてる気持ちはよぉ」

シャットアウラ「…うっ…はぁっ…。お前の…能力の正体はわかっている…」

男「おっ、気づいたのか…」

シャットアウラ「お前の能力は…『音』を扱う能力…だ」

男「そーそー、よく気づいたじゃねぇか、褒めてやるよ」

シャットアウラ「はぁっ…はっ…」

男「正確には超音波とか低周波とかなんだがよ」

シャットアウラ「出会い頭に食らわしたり、今やった攻撃は…『インフラサウンド』…か」

シャットアウラ「人間には聞こえない音を大音量で鳴らし、攻撃をした…。吐き気や内臓へのダメージがその証拠…」

シャットアウラ「階段や壁を破壊したのは超音波の周波数を操って物が持つ固有振動数と合わせ共鳴させ破壊した…」

シャットアウラ「氏角からの不意打ちを避けたのは、自分が出した声の反射で私の位置を特定していたからか…」


61: 2013/07/16(火) 19:15:38.32 ID:7oEcGTRK0
男「正解正解! 驚いたぜ。まさかこの短時間の攻防でこれほどまで見抜くとはな」

男「ちなみに言っとくが、『罠』ってのはな、入り口のとこに俺の声を録音したレコーダーを大量に設置してんだよ。近づくと流しっぱなしになっている音で内臓を破壊しつくすって算段だ」

シャットアウラ「しかし…音は出せても、反射した音を聞いて敵の位置の特定ができるとは思えないな…」

男「なに言ってんだよ。ここは学園都市だぜ? そんくらい補助する機器なんかごまんとあるんだよ」

シャットアウラ「チッ……」

男「さてと…それじゃあたっぷり可愛がってやるか…」

シャットアウラ「な、なにを…」

男「肉体的にも精神的にもこれからボロボロにしてやるってことだよ」ジリジリ

シャットアウラ「来る…な…」ガタガタ

男「いいねぇ、その怯えた表じょ…「シャットアウラぁぁ!!」

男「あん?」


パリーンッ
ダンッ


シャットアウラ「っ!」

男「窓からっ!?」

上条「っと…」

シャットアウラ「お前…何故ここに…」

上条「監視カメラから見つけだしたんだよ」

上条(間違えて隣のビルに入っちゃったけど、おかげで危ないところで助けに入れたから結果オーライか)

62: 2013/07/16(火) 19:19:11.72 ID:XB/UCH9AO
男「かっこいーねぇ。まるでヒーロー登場って感じかぁ?」

上条「テメェ…、覚悟はできてんだろうな…」

シャットアウラ「気を…つけろ。そいつは『音』を…操る…」

男「わかったところでどぉもなんねぇよ!」

男(あの野郎の足元を超音波でブチ抜く!)

上条「うぉぉぉ!!」ダッ

男「っ!? 素手で突っ込んでくるとか馬鹿かっ?」

上条「うらぁっ!!」

男(チッ! ここを壊せば俺も巻き込まれる! まずは一旦距離をとる! カウンターで殴り返して吹っ飛ばしてやんよ!)

男「おらぁぁぁ!」ブンッ

上条「!」

サッ

男(避けたっ!? こいつ…喧嘩慣れしてやがるっ!)

上条「ふんっ!」ブンッ

グシャッ

男「ぐっ…がはっ!」

ゴロゴロ

63: 2013/07/16(火) 19:20:27.82 ID:7oEcGTRK0
男(クソがっ!もろに鳩尾に入っちまった…こうなりゃ低周波で内臓シェイクだ!)

男「ふん!」

上条「!」

上条(能力かっ!?)

上条「効かねぇよっ!」

パキィーン

男(なんだっ? 俺の攻撃が効いてないっ?)

ダンッ

男(まずっ…!)

上条「歯ぁ食いしばれよ、この…クソ野郎っ!!」

バキィッ!

男「あがっ!?」

ゴロゴロ
ドサ

上条「ふぅ…」

64: 2013/07/16(火) 19:24:40.18 ID:XB/UCH9AO
上条「大丈夫かっ!シャットアウラ!」

シャットアウラ「あ、あぁ…」

上条「ボロボロじゃねぇか…。助けに来るのが遅れてごめん…」

シャットアウラ「お前が気にする…ことではない…。恨みを買っていたのも、連れさられたのも、私の責任だ…」ヨロヨロ

上条「フラフラじゃねぇか。肩貸すぞ」

ギュッ

上条「!? しゃ、シャットアウラさんっ? な、何故抱きついているんでせう??」

シャットアウラ「し、しばらくこうさせて……くれ…」カクッ

上条「シャットアウラ? ……気を失ったのか…」

ガタッ

男「くそっ!」ダッ

上条「! テメっ、待てっ!」グッ

シャットアウラ「………」

上条「っと…。くそっ…」

prrrrr

ピッ

上条「悪い土御門! 犯人に逃げられたっ!」

土御門『心配いらんぜよカミやん。あとはこっちでなんとかする』

上条「なんとかって…」

土御門『最終兵器が動きだしたからにゃー』

ブチッ

上条「最終…兵器?」



65: 2013/07/16(火) 19:27:44.39 ID:7oEcGTRK0
ーーーーーーーーー

男「はぁはぁ…ちくしょうがっ…」

男「ぜってぇ潰す、あのくそどもが……あん?」

一方「よォ。オマエが話のクソッタレってことでいいンだよなァ?」

男「んだてめぇ? 邪魔だっ!」

一方「はっ。残念ながらこっから先は一方通行なンでなァ、わりィが元の居場所に引き返してもらおォか」

結標「引き返させないでよ。っていうか気に入ってるの? そのセリフ」

男「うっせぇぇんだよぉぉ!!」ダッ

一方「………」カチッ

男「くたばれやおらぁぁ!!」ブンッ

キィィン
ドンッ

男「がっ……?」

ドサッ

結標「見事に吹っ飛んだわねー」

一方「手加減はしてやったぞ」

土御門「ご苦労だにゃー」

一方「あー、コーヒー飲みてェ…。あわきん、コンビニまで運べェ…」

結標「だから人をタクシー代わりにしないでくれる?」

70: 2013/07/20(土) 21:34:31.78 ID:0VS8Ni+O0
ーーとある病院ーー


シャットアウラ「…う……ん…? 」

禁書「しゃっとあうら!」

シャットアウラ「イン…デックス…? ここは…」

禁書「病院なんだよ。とうまが連れて来てくれたの」

シャットアウラ「病院…」

禁書「とうま! とうま! しゃっとあうらが起きたんだよっ!」

ガラッ

上条「ほんとかっ?」ヒョコ

シャットアウラ「上条…当麻」ググ

上条「無理して起き上がらなくてもいいぞ」

シャットアウラ「確か、私は……」

シャットアウラ「そうだ! あの男はどうなった!?」

上条「大丈夫だ。警備員にちゃんと引き渡したから、心配はいらないよ」

シャットアウラ「そうか…」

上条「お前、丸一日眠ってたんだぞ?」

シャットアウラ「丸一日も…」

コンコン

冥土帰し「失礼するよ?」

シャットアウラ「冥土帰し…」

冥土帰し「気が付いたみたいだね?」

シャットアウラ「…っ!」

71: 2013/07/20(土) 21:45:15.57 ID:vwAmTkOAO
上条「シャットアウラ?」

冥土帰し「右手首にヒビが入っているね。左足首も捻っていたみたいで少し腫れているし、所々に擦り傷、切り傷、青痣なんかもあるみたいだよ?」

上条「そんなに怪我して…」

シャットアウラ「これくらいの怪我などたいした事は…」

冥土帰し「今は普段と身体が違うんだから無理はいけないよ」

シャットアウラ「うぅ…」

上条「そうだぞ。無茶しすぎだよ 」

禁書「とうまにだけは言われたくないと思うんだよ」

冥土帰し「この女の子の言う通りだね?」

シャットアウラ「確かに、隣のビルに飛び移るなんて暴挙…15mはあったんだぞ? 落ちたらどうしていたんだ」

上条「あれ? なんで上条さんが責められているんでしょうか…」

禁書「とうまは後先考えないで行動しすぎかも」

シャットアウラ「爆弾を正面から受けたり、銃器相手に素手で突っ込んできたり…」

上条「うっ…」グサグサッ

冥土帰し「ま、氏なない限りは助けてあげるんだけどね?」

上条「シャットアウラが怒られてた筈なのに何故上条さんが……不幸だ…」


72: 2013/07/20(土) 21:51:47.54 ID:aNamvXr+0
冥土帰し「そうそう、キミに話があるんだけどいいかな?」

上条「俺ですか?」

冥土帰し「ああ。ここじゃなんだしロビーまで来てくれるかい?」

上条「はあ…」

冥土帰し「それじゃあ、シャットアウラさんもおとなしくしているんだよ?」

ガラッ

シャットアウラ「………」

禁書「大丈夫?」

シャットアウラ「…あぁ。心配をかけたな」

禁書「ほんとだよ。しゃっとあうらもとうまみたいに無茶して。病院に運ばれたって聞いたときは本当に驚いたんだからね」プンプン

シャットアウラ「…す、すまない」

禁書「…でもよかった。無事…ってわけじゃないけどちゃんと助かって」

シャットアウラ「……あの男のおかげだ」

禁書「とうまは困ってる人がいたらヒーローみたいに助けてくれるからねっ!」エッヘン

シャットアウラ「…お前が威張ることなのか?」

禁書「べ、別に威張ってなんかないかもっ」

シャットアウラ「はいはい」

禁書「そ、その態度はとうまが私をバカにする時と同じ態度なんだよっ!」

シャットアウラ「そんなことはない」

禁書「む、むぅ…」

シャットアウラ「そういえばお前のほうこそ怪我はしていないのか?」

禁書「私? 私は全然大丈夫だったんだよ。しゃっとあうらのほうもあのお医者さんが言うにはたいしたこと無いって。よかったね」ニコニコ

シャットアウラ「あの医者が言うなら確かなことなんだろう」

シャットアウラ「しかしこの手足では慣れるまでの生活は大変そうだな…」

禁書「それなら怪我が治るまでとうまの部屋で一緒に暮らせばいいかも!」

シャットアウラ「…… はぁっ!?」

73: 2013/07/20(土) 21:58:18.50 ID:vwAmTkOAO
禁書「そ、そんなに驚くことかなっ?」ドキドキ

シャットアウラ「な、何故急にそんな話になるんだっ!?」

禁書「だってしゃっとあうらが1人じゃ大変だって…」

シャットアウラ「た、確かに言ったが、それでお前達に頼るというわけには…」

禁書「じゃあ、しゃっとあうらは他に誰か頼れる人がいるの?」

シャットアウラ「うっ……」

禁書「決まりなんだよ。とうまにも話してくるねっ」タタッ

シャットアウラ「ちょっ、おい!」

シャットアウラ「……行ってしまった」

シャットアウラ「……どうしよう。確かにこの姿のことを知っていて頼りになりそうなのはあの男ぐらいだが…」

シャットアウラ「だからといってこれ以上迷惑をかけるわけにはいかないし…」

シャットアウラ「そ、それに怪我が治るまで一緒に暮らすって、それはもはや同棲ということでは…」

シャットアウラ(……ひとつ屋根の下であの男と毎日顔を合わせて暮らす…)

シャットアウラ「む、無理だっ、そんなこと!とてもじゃないが恥ずかしくて耐えられないっ///」カアァァ

シャットアウラ「インデックスは行ってしまったし、いったいどうすれば…」

シャットアウラ「……はぁ」

74: 2013/07/20(土) 22:05:22.84 ID:vwAmTkOAO
ーーーーーーーーー

冥土帰し「昨日キミのお友達の金髪の少年から聞いた話、中々興味深かったよ」

上条「先生はどう思うんですか?」

冥土帰し「ふむ…。キミのその右手でも対処できなかったそうだね?」

上条「ええ」

冥土帰し「知人の研究者にそれとなく話を聞いてみたんだけど、そういった前例もないらしくわからない、というのが正直なところだね」

上条「………」

冥土帰し「現状ではキミのお友達の話を信じるのがベストな選択肢かな?」

上条「土御門の話っていうと感情とかの…」

上条「具体的にはどうすれば?」

冥土帰し「あの少年はキミに一任すると言っていたけど?」

上条「はい? 一任って…。俺、なんにも聞いてないんですが…」

冥土帰し「そんなことを僕に言われてもね。まあ、僕も臨床心理学ならある程度かじっているから、できることは協力するよ?」

上条「そう…ですか」

上条(帰ったら詳しく聞くか。心理テストみたいなのでもいけるっていってたけど…)

禁書「とうまー!」タタタッ

75: 2013/07/20(土) 22:11:24.92 ID:RTmDFro10
上条「インデックス?」

冥土帰し「病院ではもう少し静かにしてくれるかな?」

禁書「ご、ごめんなさい…」

冥土帰し「ふむ、それじゃあ僕はもう行くね?」

上条「あ、はい。ありがとうございました」

スタスタ

上条「それで。どうかしたのか?」

禁書「しゃっとあうらがね、怪我で大変だから治るまで一緒に暮らそうって」

上条「い、一緒に暮らすって…それは上条さんのお部屋でってことでせうか?」

禁書「それ以外にどこがあるのかな?」

上条「まぁ、確かにあの怪我じゃ結構大変そうだしなぁ…」

上条「……よし! 」

上条「乗りかかった船だし、この上条さんが面倒みてしんぜよう!」

禁書「流石とうまなんだよ!」

上条「えっへん」

禁書「女の子が困ってたらだれかれ構わず助けちゃうかも」

上条「いやいや、なんだよその言い草は。上条さんは差別主義者ではありませんことよ?」

禁書「ほんとかなー」ジー

上条「……なんですか、その疑いの眼差しは」

禁書「ともかく、一度しゃっとあうらの所に戻るんだよっ」タタタッ

上条「……解せぬ」

76: 2013/07/20(土) 22:16:42.36 ID:vwAmTkOAO
ーー病室ーー

禁書「しゃっとあうら!」ガラッ

シャットアウラ「インデックス、病院ではもう少し静かにしないと怒られるぞ?」

禁書「もう怒られたんだよ」

シャットアウラ「なら何故反省しない…」

上条「シャットアウラ」

シャットアウラ「っ! か、上条当麻…」

上条「インデックスに聞いたぞ」

シャットアウラ「えっ、あぁ…」

シャットアウラ(ほんとに話したのか…)

上条「先生の話じゃ明日には退院できるらしいから、それから直接うちに来るか?」

シャットアウラ「………」

上条「シャットアウラ?」

シャットアウラ「ほ、ほんとに世話になっていいのか? いくらなんでも甘え過ぎているのでは…」

上条「気にしなくていいって。お前の事情について協力するって言ったんだからさ」

シャットアウラ「う、うん…」

上条「それにさ、シャットアウラに頼まれたんじゃ断るなんてできないよ」

シャットアウラ「……うん?」

上条「いやー、上条さんも頼りにされるようになるとはなー」

シャットアウラ「頼んだって……えっ?」

prrrrr

上条「おっと、電源切るの忘れてた。ちょっと出てくるよ」タタッ

シャットアウラ「ちょっ…」

77: 2013/07/20(土) 22:23:26.50 ID:RTmDFro10
シャットアウラ「……インデックス」

禁書「なにかな?」

シャットアウラ「何故私が自ら、あの男の世話になりたいと言ったことになっているのだ…」ジロリ

禁書「あれ? だってしゃっとあうらがそう…」

シャットアウラ「言ってない! 絶っっ対に、言ってない!!」

禁書「でも結果としては同じことなんだよっ」

シャットアウラ「だからってこれじゃあまるで私が…」

シャットアウラ「(怪我を理由にあの男に甘えたがっているようでは…)」ゴニョゴニョ

禁書「?」

シャットアウラ「と、ともかく後でキチンと説明しておけよ!」

禁書「むぅ…」

シャットアウラ「はぁ…」

上条「なんか大きな声が聞こえたけど、どうかしたのか?」ガラッ

シャットアウラ「!」

禁書「しゃっとあうらがね…」

シャットアウラ「なぁー!! な、なんでもないっ! なんでもないからっ///」

上条「ど、どうしたんだ。そんなに慌てて…?」

シャットアウラ「ほんとうに気にしなくていいっ! そ、それより電話はもういいのか?」

上条「ああ、土御門だったし、後で直接話を聞くってメールしたから大丈夫」

シャットアウラ「土御門…?」

上条「この前話した知り合いだよ。ややこしいことに詳しいって奴」

78: 2013/07/20(土) 22:32:08.08 ID:vwAmTkOAO
シャットアウラ「あぁ、あの時話していた…」

上条「多分、シャットアウラの問題のことだと思うから帰ったら話を聞いておくな」

シャットアウラ「…頼む」

上条「任せてくださいな。…そうだ、シャットアウラの携帯教えてくれよ」

シャットアウラ「番号か?」

上条「そ。明日退院する時間がわかったらメールしてくれ。迎えにくるから」

シャットアウラ「わざわざ迎えに来ずともタクシーを呼べば…」

上条「それもそうだけど、 一度シャットアウラの家に着替えとか取りにいかなきゃだし、そうなったら怪我してるのに荷物持つのも大変だろ?」

シャットアウラ「…気を使ってもらって悪いな。それじゃあ赤外線で…」

上条「おう」

ピピッ

上条「完了っと」

シャットアウラ(……上条当麻の番号)ジッ

上条「じゃあ俺たちはそろそろ帰るよ」

シャットアウラ「あ、あぁ」

上条「それじゃあまた明日な」ニコッ

禁書「ばいばーい、しゃっとあうら」

シャットアウラ「ま、また明日」

ガラッ

スタスタ
トテトテ

シャットアウラ「また…明日か…」

ーーーーーー
ーーー



79: 2013/07/20(土) 22:38:11.93 ID:RTmDFro10
ーー夜ーー

シャットアウラ「…う……ん」ゴソゴソ

シャットアウラ「はぁ…寝れない…」

シャットアウラ「明日からあの男と暮らすことになるのか…」

シャットアウラ「///」ボンッ

シャットアウラ「お、落ち着けっ。べ、別に2人きりというわけではないだろう。インデックスだっていることだしなっ」

シャットアウラ「そ、それに一度泊まっているのだから、今更緊張することなど…」

シャットアウラ「うん、冷静になれ。明日は退院するのだからしっかり体調を整えておかねば」

シャットアウラ「目を瞑って心を落ち着ければ眠りにつくなど造作もない…」


~~~~~~~~~~~~~~~~
上条『それじゃあまた明日な』ニコッ
~~~~~~~~~~~~~~~~


シャットアウラ「なぁぁーーっ!? な、なんであの男の顔が浮かぶんだぁっ!?」ドキドキ

シャットアウラ「むむむぅ…」

シャットアウラ(目を瞑ればあの男の顔を思い浮かべてしまうし、そうすると顔が火照るように熱く…)

シャットアウラ「なんなんだこの気持ちは…」

シャットアウラ「まさか…こ、こ、恋…」

シャットアウラ「………」

シャットアウラ「そ、そんなことがあるわけ…///」

80: 2013/07/20(土) 22:42:31.02 ID:vwAmTkOAO
シャットアウラ「あるわけ…ない…はず……たぶん…」

シャットアウラ「いや…もしかしたらこの気持ちは…」

シャットアウラ「………」

シャットアウラ(仮に、この気持ちがこ、恋心…だったとしても、だ)

シャットアウラ(ほんとうに私の気持ち…なのか?)

シャットアウラ(鳴護アリサの気持ち…ではなく…)

シャットアウラ「考えても仕方ない…か」

シャットアウラ「……寝よう。寝れればだけど…」ゴソ

シャットアウラ「はぁ…」

ーーーーーー
ーーー



91: 2013/07/23(火) 23:52:08.18 ID:6ilPY3lR0
ーー翌朝・病院前ーー


冥土帰し「それじゃあお大事にね?」

シャットアウラ「お世話になりました」

冥土帰し「……そっちのほうの問題も早く解決するといいんだけどね?」

シャットアウラ「どうやら目処はついたようですからなんとかなりそうです」

冥土帰し「それならよかったよ」

上条「シャットアウラ!」

シャットアウラ「!」

冥土帰し「お迎えも来たみたいだし僕は失礼するよ」スタスタ

シャットアウラ「あ、ありがとうございましたっ」

上条「よ、よう」

シャットアウラ「お、おはよう…」

上条「………」

シャットアウラ「………」

シャットアウラ(どうしよう…。まともに顔を見れないじゃないか…)

シャットアウラ(それに何故かこいつも無言だし…。な、なにか話をしないと…)

上条「あー、あのさ、シャットアウラ」

シャットアウラ「! な、なんだっ?」

上条「実はさ、話しておかなきゃいけないことがありまして…」

シャットアウラ「?」

プップーッ

シャットアウラ「っと。タクシーが来たみたいだな。話は後でいいか?」

上条「あ、あぁ…」

ーーーーーーーーー

92: 2013/07/23(火) 23:55:52.95 ID:L2jo2f8AO
シャットアウラ「第五学区の××というマンションまで、その後に第七学区のとある学生寮にお願いします」

運転手「わかりました」

上条「シャットアウラって第五学区に住んでたのか。あの辺りって大学生の学生寮とかばっかりであんまり行かないんだよなぁ」

シャットアウラ「第七学区と比べればデパートなんかのランクも高いし、少し落ち着いた雰囲気の所だからな」

上条「どうせ上条さんは落ち着きのない貧乏人ですよ…」ショボン

シャットアウラ「い、いや、そういう意味で言ったわけではなくてな……。そう! あの学区は第二十三学区と隣接しているからっ!」

上条「二十三学区って言えば、宇宙エレベーターのあった…」

シャットアウラ「あぁ、なにかあれば即時行動できるようにと、できるだけ近場に住んでいたんだが…。まぁ、今はあまり関係無いことだ」

上条「そっか…」

シャットアウラ「そ、それより先程言いかけていた話とはなんなんだ?」

上条「大変言いにくいことなのですが…」

シャットアウラ「もったいぶるな。早く話せ」

上条「実は…」

ーーーーーー
ーーー



93: 2013/07/24(水) 00:00:14.22 ID:tPcIkCJAO
シャットアウラ「はぁっ!? インデックスがいないっ!?」

シャットアウラ「ど、どういうことだっ!」

上条「あのですね、インデックスさんはあの通りシスターさんなんですよ」

シャットアウラ(えっ…あいつほんとうにシスターだったのか…。ただの大飯食らいのコスプレ好きかとばかり…)

上条「それでですね、今回ちょっとお仕事のほうで2、3日イギリスに帰国しているんです。はい」

上条「なにぶん昨日帰ってから突然連絡があったものでシャットアウラには言えず。昨日の土御門からの電話も実はそのことでして…」

シャットアウラ「な、なんだ…。てっきり誘拐でもされたのかと…」

シャットアウラ「ん? それじゃあつまり…」

上条「スフィンクスも連れていって、現在上条さんのお宅にはわたくししかいないわけなんです…」

シャットアウラ「……えっと、ちょっと待ってくれ…。つまりあれか? 私がお前の部屋で世話になるということは…その…ふ、2人きりになってしまうと…」

上条「まあ、そうですね…」

シャットアウラ「………」

シャットアウラ(えっ? ちょっと待って、ちょっと待って。それは想定していた最悪の事態では??
インデックスがいるから大丈夫だと思って…。いやいや、最悪の事態と言っていいのか?
上条当麻と2人きりなんて、嬉し…いや、嬉しいわけないだろっ。
今だってまともに顔を見れないのにこのままじゃ緊張してとてもじゃないが生活できない…)


94: 2013/07/24(水) 00:02:45.77 ID:M8hJWF0M0
シャットアウラ「///」プシューッ

上条「しゃ、シャットアウラ?」

シャットアウラ「う、嬉しくないからなっ!!」

上条「??」

シャットアウラ「ああっ! ち、違う! 違うけど違わないっ!」ワタワタ

上条「ど、どうしたんだ? いったい…」

シャットアウラ「いや、その…」

キキーッ

運転手「お客さん。着きましたよ」

シャットアウラ「えっ…ああ、はい」

運転手「この後は第七学区の学生寮でいいんですよね」

シャットアウラ「はい。また後でお願いします」

運転手「ではここで待っていますので」

ガチャ

シャットアウラ「っと…。杖だと慣れるまで少し面倒だな…」ヒョコ

上条「大丈夫か?」

シャットアウラ「だ、大丈夫だっ!」

上条「そ、そうですか…」

シャットアウラ「………」

上条「………」

シャットアウラ「と、とりあえず私の部屋で話の続きを…」

上条「あぁ…」

95: 2013/07/24(水) 00:07:45.85 ID:tPcIkCJAO
ーーシャットアウラ宅ーー

ガチャ

上条「おじゃましまーす」

シャットアウラ「ベッドにでも座っていてくれ、今、茶を用意する」ヒョコヒョコ

上条「いや、タクシー待たせてるし別にいいぞ」

シャットアウラ「それもそうか」

シャットアウラ「それより…、どうしよう…」

上条「面倒見ると言った手前、大変言いにくいのですが、流石に男女がひとつ屋根の下というのはどうかと思うんですよ。はい」

シャットアウラ「………」

上条「俺の知り合いに世話好きの先生がいるからそっちに頼むっていう手も…」

シャットアウラ「お、お前はっ」

上条「!」

シャットアウラ「お前はインデックスとも住んでいたんだし今更大した問題ではない…のではないか?」

上条「え、えーと」

シャットアウラ「私としては、この姿のこともあるし、出来るだけ信頼できる知人に頼りたいというのが正直なところだ」

シャットアウラ「つまりだな、お前の部屋で生活することは、願ってもないことで…」

上条「………」

シャットアウラ(願ってもないは言い過ぎた…///)

上条「まあ、シャットアウラがいいっていうなら別にいいんだけど…」

シャットアウラ「そ、そうかっ」パアァ


96: 2013/07/24(水) 00:12:18.09 ID:tPcIkCJAO
上条「うん。じゃあしばらくよろしくな」ニコッ

シャットアウラ「こちらこそよろしく頼む」

上条「とりあえず、うちにいる間の荷物の用意してくれるか?」

シャットアウラ「あぁ。…と言っても着替えや歯ブラシなんかの日用品ぐらいだが」ヒョコ

上条「その足じゃ大変だろうし手伝うよ」

シャットアウラ「ではお言葉に甘えよう。そこに掛けてあるリュックを取ってくれ」

上条「これか、あんまり大きくないけど大丈夫なのか?」

シャットアウラ「最低限の荷物だけ詰めればすむからな」

上条「ふーん。女の人って泊まりとかになるとカナリ大荷物になるイメージがあったんだけど…」

シャットアウラ「それは私に女らしさがないと?」

上条「少なくともあの時のうちのキッチンを見れば…」

シャットアウラ「あ、あれはっ、インデックスが邪魔をしたせいで…」ゴニョゴニョ

上条「シャットアウラって料理とかしないの?」

シャットアウラ「な、何故…」

上条「いや、キッチンが綺麗すぎるからさ。毎日掃除してるっていうより、あれは滅多に使わない感じの綺麗さだと思って」

シャットアウラ「わ、わざわざ料理するよりも出来合いの物を買ったほうが時間を短縮できるだろうっ」

上条「時間がある時に作り置きすればそんなに変わらないと思うけど…。節約にもなるし」

シャットアウラ「どちらにせよ買えばすむ話だ。生きていく中では困らんっ」プイッ

上条「そうかなぁ…。将来お嫁さんになる時とか料理できないと困ると思うけど」


97: 2013/07/24(水) 00:13:44.91 ID:M8hJWF0M0
シャットアウラ「ぶふぅっ!? よ、嫁って…///」ワタワタ

上条「?」

シャットアウラ「ええぃどうでもいいっ! ともかく今は荷物の用意だっ! そっちの引き出しからジャージを出せ!」

上条「はいはい。えーと、こっちか」ガラッ

シャットアウラ「違っ! そっちは…」

上条「………」

上条(状況整理、状況整理。只今上条さんがシャットアウラの服を取り出そうと引き出しを開けたところ、中に入っていたのは紛うことなく女性物の下着でした)

上条(大半が黒やグレーを基調としたスポーツ用のブラやショーツなのに対し、数少ないレースをあしらった純白の普通の下着が上条さんの視線を釘付けにして…」

シャットアウラ「実況するなっ! 凝視するなっ! 今すぐその引き出しを閉めろっ!」

上条「えっ!? あぁっゴメン!」バンッ

シャットアウラ「っ///」ギロッ?

上条「……わざとではございません」ドゲザッ

シャットアウラ「当たり前だっ! そもそも何故口に出すっ!」

上条「状況を頭の中で整理しようとしたら思わず…」

シャットアウラ「ともかく今見たものは忘れろ! いいなっ?」グリグリ

上条「はいっ! 忘れました! 忘れましたから杖を上条さんの頭に押し付けないでっ」

シャットアウラ「ったく…。もういいからそっちを向いてろっ」

上条「申し訳ありません…」クルッ

シャットアウラ(……白…か。一応持っていこう)ガサゴソ

ーーーーーー
ーーー


98: 2013/07/24(水) 00:16:37.71 ID:tPcIkCJAO
シャットアウラ「…とりあえずこんなものか」

上条「終わったのか?」

シャットアウラ「あぁ」

上条「じゃ、上条さんが下まで運びますよ」

シャットアウラ「悪いな」

上条「これくらい大したことではございませんよっと」ヒョイ

シャットアウラ「さてと、では下まで行くか」

上条「鍵掛け忘れるなよー」

シャットアウラ「わかっている」

ーーーーーー
ーーー



99: 2013/07/24(水) 00:21:18.71 ID:M8hJWF0M0
ーー第七学区・学生寮前ーー

シャットアウラ「ありがとうございました」スッ

上条(諭吉さんだぁ…)

運転手「はいお釣りです。大きいのが…円と小銭ね」

シャットアウラ「どうも」

ブロロロー

シャットアウラ「さてと…。どうかしたか?」

上条「いや、ランクの違いを思い知ってた…」

シャットアウラ「? まあいい。確か七階だったな」

上条「ボロっちいけどエレベーターがついてるんでご安心を」

シャットアウラ「それは助かるな」

上条「じゃ、足下に気をつけて」

ーーーーーーーーー

100: 2013/07/24(水) 00:23:16.95 ID:tPcIkCJAO
ーー上条宅ーー

上条「ただいまーっと」

シャットアウラ「…お邪魔します」

上条「遠慮せずに自分の家みたいにくつろいでくれていいからな」

シャットアウラ「あぁ…」

シャットアウラ(とは言っても2人きりで生活するとなると…)

上条「そういやそろそろ昼飯の時間だけど…。シャットアウラ、何か食べたいものあるか?」

シャットアウラ「な、なんでもいいぞっ」

上条「なんでもいいってのがけっこう困るんだよなー。……えーと卵とネギはあるな。焼豚は…無いか。ハムとちくわで代用するか」

シャットアウラ「炒飯か?」

上条「あぁ。それでいいか?」

シャットアウラ「構わない。私も何か手伝おうか?」

上条「怪我してるんだし無理しなくていいよ」

シャットアウラ「しかし、世話になるのに何もしないというのは…」

上条「その気持ちだけで上条さんは十分ですよ」

シャットアウラ「そうか?」

上条「インデックスは全く手伝ってくれなかったから…」ホロリ

シャットアウラ「く、苦労してたんだな…」

上条「そうなんですよ…。ま、お喋りはこれくらいにして、パパッと昼飯を作りますかっ」

101: 2013/07/24(水) 00:25:48.13 ID:M8hJWF0M0
ーーーーーー
ーーー


シャットアウラ「…ほんとにパパッと作ったんだな」

上条「まあ炒飯だし。それに手早く作るのがパラパラにするコツだからな」

シャットアウラ「いただきます」

上条「いただきまーす」

パクッ

シャットアウラ「むっ。ほんとにパラパラだな」

上条「ふふん。上条さん特性炒飯ですから」

シャットアウラ「うまい…」パクパクッ

上条「……シャットアウラってけっこう食べるほうなんだな」

シャットアウラ「むぐぅっ」

シャットアウラ「そ、そんなことはない! 普段はもっと少食だ。この姿になってから食べる量が増えて…」

上条「そうなのか?」

上条(そういやアリサもけっこう大食いだってインデックスが言ってたな…)

シャットアウラ「だから、別に私は大食いというワケではなく…」

上条「はいはい」

シャットアウラ「むっ」カチン

シャットアウラ「なんだその人を小馬鹿にする態度は」

102: 2013/07/24(水) 00:28:36.66 ID:tPcIkCJAO
上条「馬鹿になんてしてないって」

シャットアウラ「本当か?」ズイッ

上条「本当だって……あ」

シャットアウラ「?」

上条「ご飯粒ついてるぞ」

シャットアウラ「む…」ゴシゴシ

シャットアウラ「とれたか?」

上条「いや逆だ。動くなよ」スッ

シャットアウラ「えっ?ちょっ」

ヒョイ

パクッ

上条「ん、とれたぞ……ってどうした?」

シャットアウラ「へっ、いや。な、なんでもないっ///」

上条「?」

シャットアウラ(本気かこの男。自分が何をしたかわかっているのかっ///)

上条「さてと、お粗末様でした」

シャットアウラ「あっ。ご、ご馳走様でした…」

シャットアウラ(くそう、味なんか忘れてしまったじゃないか…)


103: 2013/07/24(水) 00:30:28.06 ID:M8hJWF0M0
上条「じゃあ食器片付けるな。シャットアウラは座っててくれ」

シャットアウラ「あ、あぁ…」

シャットアウラ(先手を取られてしまった…。おとなしく言われた通りにしておくか)

上条「ふんふふんふふ~ん♪」カチャカチャ

シャットアウラ(……なんだかいいな、こういうの)

シャットアウラ(鼻歌や食器を洗う音が子守歌の様…に……)ウトウト

シャットアウラ「………」

上条「終了っと…。あれ、シャットアウラ?」

シャットアウラ「」スゥ

上条「寝ちゃったのか。疲れが抜けきってなかったのかな」

シャットアウラ「」スゥスゥ

上条「…ベッドに移したほうがいいかな」

上条「よっと」グイッ

シャットアウラ「」スゥスゥ

上条(シャットアウラの身体とアリサの身体だったらどっちのほうが重いんだろ…)スッ

ポスッ

シャットアウラ「」スゥスゥ

上条「ふぁ~あ。俺も若干眠くなってきたなぁ」

ーーーーーー
ーーー


108: 2013/08/01(木) 20:32:52.24 ID:P61Ek6bj0
シャットアウラ「……ん」パチ

シャットアウラ「寝て…しまったのか……ん?」

シャットアウラ「ベッド…。わざわざ運んでくれたのか…」

ピンポーン

シャットアウラ「!」

シャットアウラ「おい。おーい、客だぞ。…いないのか?」

ピンポーン

シャットアウラ「……はぁ。仕方ない」ヒョコヒョコ

シャットアウラ「だれだ?」

土御門『カミやんったらまた女の子連れ込んでるー!』

シャットアウラ(なんだ? 不審者か?)

土御門『っていうのは冗談で、隣の土御門ってもんだにゃー』

シャットアウラ「土…御門? って確か…」

土御門『カミやんから話は聞いてるぜい。とりあえず開けてくれるか?』

シャットアウラ「………」

ガチャン
ガチャ

土御門「チェーン掛けるってオレも信用ないにゃー」

シャットアウラ「今あの男は留守でな。お前が本当に噂の事情通かどうか私には判断しかねるので、すまないがこのまま話をさせてもらう」

109: 2013/08/01(木) 20:36:44.25 ID:lCWFWnAAO
土御門「ま、正しい判断だと思うぜい」

土御門「それよりカミやんは留守なのか…。いや、そっちのほうが都合がいいか…」ブツブツ

シャットアウラ「あの男に用事があるんじゃないのか?」

土御門「いやいや、今回はシャットアウラに話があるんだぜい」

シャットアウラ「私に?」

土御門「その姿に関することなんだが」

シャットアウラ「……本当にどうにかできるのか?」

土御門「絶対ってわけじゃあないが…。まずはいくつか質問に答えてくれ」

シャットアウラ「質問?」

土御門「第一問、ババン! あなたは上条当麻のことをどう思いますかっ?」

シャットアウラ「えっ? はっ? な、なんだ急にっ?」

土御門「ごぉー、よぉーん…」

シャットアウラ「か、カウントダウンっ!? えっ、えっと…や、優しくて頼りになるっ!」

土御門「第二問、ババン!」

シャットアウラ「ちょっと待てっ! なんだこれはっ!」

土御門「あなたは上条当麻のどこが頼りになると思いますかっ?」

シャットアウラ「無視かっ!」

土御門「ごぉー…」

シャットアウラ「ええぃ! 私が困っているという理由だけで助けてくれようとしているところっ!」


110: 2013/08/01(木) 20:38:00.84 ID:P61Ek6bj0
土御門「第三問、ババン!」

シャットアウラ「口で効果音をつけるなっ!」

土御門「あなたは上条当麻に好意を抱いていますかっ?」

シャットアウラ「そ、それはまぁ……はぁっ!? な、な、なにを言わ、言わせてっ…」オロオロ

土御門「いやー、カミやんも隅に置けないにゃー」ニヤニヤ

シャットアウラ「待てっ! い、今のは違っ!」

土御門「まあまあ落ち着けって」

シャットアウラ「な、なにが事情通だっ! ただの変人だろうがっ!」

土御門「今から詳しい説明をするから話を聞け」ピピッ

シャットアウラ「…なんだその手に持っている機械は…?」

土御門「計測器だ。ちょっと特殊だが…。こいつも含めて今の問答の意図も教える」

シャットアウラ「………」

土御門「まずはこいつについてだが、この計測器は人間の体温や心拍数、発汗、瞳孔の肥大、生体電気の流れを計測しその人間の精神状態を測ることができる」

シャットアウラ「そんな小さなもので本当に…?」

土御門「この街の科学技術なら別段不可能じゃないさ」

土御門「それで、さっき質問をしながらこいつを使ったんだにゃー」

シャットアウラ「……それで? いったい何がわかるんだ」

111: 2013/08/01(木) 20:41:09.89 ID:lCWFWnAAO
土御門「特定のキーワードの時にお前の精神が大きくブレていた」

シャットアウラ「キーワード?」

土御門「『上条当麻』」

シャットアウラ「!」ピクッ

土御門「おぉ、またブレたにゃー」

シャットアウラ「………」プルプル

土御門「他にもお前が質問に答えた時にもブレまくってたにゃー」

シャットアウラ「……それがこの姿を戻すこととどう繋がる」

土御門「そう怖い顔をしないで欲しいにゃー。…つまりこいつを使って姿が変わった原因を究明するってのが目的なんだぜい」

シャットアウラ「……?」

土御門「お前は、心の奥底で無意識のうちに何かを願った……と、オレはみている」

シャットアウラ「願った結果が私の姿を『鳴護アリサ』に変えたと?」

土御門「鳴護アリサはカミやんに対してそれなりの好意を抱いていたようだにゃー」

シャットアウラ「……だからなんだ」

土御門「つまりお前が取り込んだ『鳴護アリサ』の意識や感情に影響を受けて、共鳴しての願いだってことだよ」

シャットアウラ「………」

土御門「だからと言って、全部が全部そのせいってわけじゃないだろうが…」

シャットアウラ「まどろっこしいのは好きじゃない。ハッキリ言え」


112: 2013/08/01(木) 20:42:58.04 ID:P61Ek6bj0
土御門「いいのかにゃー?」

シャットアウラ「いいから早く言え」

土御門「こういうことは自分で自覚させたほうがいいと思うんだが…まあ仕方ないか…」ブツブツ

土御門「ようするに、…お前はカミやんに惚れてるってことだにゃー」

シャットアウラ「………はぁっ!? えっ、い、いや…なにをっ…」ワタワタ

土御門「その慌てっぷりからすると多少の自覚はあったみたいだにゃー」

シャットアウラ「ちょ、ちょっと待てっ! か、仮にそうだったとしてもだ! 先程の話の説明がおかしくなるだろうっ!」

土御門「?」

シャットアウラ「お前の話だと鳴護アリサがあの男に惚れていて、その感情が私に影響を及ぼしているんだろうっ?」

土御門「いえす」

シャットアウラ「それなのに私があの男に惚れて、鳴護アリサになりたいと願ったというのは…」

土御門「うーん…若干ややこしい話になってくるんだが…」

土御門「ようは卵が先か鶏が先かってことだにゃー」

113: 2013/08/01(木) 20:45:03.80 ID:lCWFWnAAO
土御門「鳴護アリサの感情がお前に影響を与えたのか、お前の感情が鳴護アリサの感情と共鳴したのか、どっちが先かなんてオレにはわからんぜよ」

土御門「事実として言えるのはお前の姿が変わったのにはカミやんに対する想いが、根幹にあると考えられるってことかにゃー」

シャットアウラ「……なら…私はどうすればいいんだ…。どうすれば元の姿に戻れるんだ?」

土御門「流石にもう言わなくてもわかってるんじゃないのか?」

シャットアウラ「っ…」

土御門「ま。あくまでもこいつは予想や推測の話。もしかしたら『奇蹟の力』っていう別の法則の中じゃ違う解決策もあるかもしれん」

シャットアウラ「…お前は、お前は何者だ? 何故そこまで…」

土御門「オレはただのカミやんの友達だぜい。その友達に頼まれたから協力しているだけだにゃー」

シャットアウラ「友…達…」

土御門「できることならオレももっと協力してやりたいんだが…。なにぶんオレが応援してる女の子は別にいるからにゃー」

シャットアウラ「そ、それって…」

土御門「カミやんって意外と競争率高いんだぜい?」ニヤニヤ

シャットアウラ「なっ…」


114: 2013/08/01(木) 20:46:41.63 ID:P61Ek6bj0
土御門「さてと、話すことは話したし、あとはお前さんがどうするかだからな。オレはここで失礼するぜい。カミやんも帰って来たみたいだし」

シャットアウラ「えっ!? ちょっ…」

土御門「さらばですたい」スタスタ

ガチャ
バタンッ

シャットアウラ「ほんとに隣に住んでいるのか……。じゃなくてっ! い、いったいどうすれば…」

シャットアウラ「わた、私があの男に…こ、こ、恋を…」

シャットアウラ「///」プシュー

チーン

シャットアウラ「!」

シャットアウラ(エレベーターの音! ほ、ほんとに帰ってきたのかっ?)

シャットアウラ(ど、どうしよう…)

シャットアウラ(とりあえずチェーンを外して…)ガチャガチャ

シャットアウラ(……寝るっ!)バッ

シャットアウラ「………」

ガチャ

シャットアウラ「!」

上条「たっだいま~。……ってまだ寝てたのか」

シャットアウラ「………」

上条「ま。休養に集中してくれるのはいいことだし。俺は夕飯の準備でもするかな」

115: 2013/08/01(木) 20:49:13.30 ID:lCWFWnAAO
シャットアウラ(夕飯……あの男と話しているうちにそんな時間になっていたのか…)

シャットアウラ(……私の姿が変わったことに上条当麻への想いとやらが原因なんだとしたら解決する方法はおそらく…)

シャットアウラ(……仮に、私が自らの気持ちを伝えたとして、それを拒否されたらどうしよう…)

シャットアウラ(私はそれで大丈夫なのだろうか…)

シャットアウラ(受け入れられてもそれは鳴護アリサとして、受け入れるのかもしれないし…)

シャットアウラ(悶々とする…)

シャットアウラ「はぁ…」

上条「ん? 起きたのかシャットアウラ」ヒョイ

シャットアウラ「!」ビクゥッ

上条「もうすぐ夕飯できるから待っててくれ」

シャットアウラ「あっ…あぁ。…うん」

上条(なんか元気ないような…?)


116: 2013/08/01(木) 20:52:22.00 ID:lCWFWnAAO
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

シャットアウラ「………」

上条(シャットアウラのやつどうしたんだろ…)

上条(飯の間もずっと黙りこくって…)

上条(もしかしてグラタン嫌いだったのか?)

上条(それともタイムセールの安物の鶏肉が嫌だったとか…)

上条(……考えてもわかんねえな…)

シャットアウラ「なあ…」

上条「! どうしたっ?」

シャットアウラ「その…風呂を借りてもいいか? 昨日はタオルで身体を拭いただけだったからどうもスッキリしなくて…」

上条「あぁ。どうぞどうぞ。でもその手と足、濡らして大丈夫なのか?」

シャットアウラ「冥土帰しにシールタイトを貰ったから問題ない」

上条「シールタイト?」

シャットアウラ「ナイロンと合成樹脂でできた防水カバーのことだ」

上条「へぇー、そんなものがあるのか」

シャットアウラ「外の技術でもこれくらい普通にあるぞ? この街のものは片手でも着けれたり、身体のサイズに合わせて吸着したりと進歩しているが」

上条(俺、普通にビニール袋巻いてたよ…)


117: 2013/08/01(木) 20:54:36.33 ID:P61Ek6bj0
シャットアウラ「家主のお前より先に入ってしまうが…」

上条「いちいちそんなこと気にしなくていいって」

シャットアウラ「そう…か…」

上条「タオルは脱衣所に積んであるからそれ使ってくれ」

シャットアウラ「………」

上条「どうした?」

シャットアウラ「流石に心配無いと思うが……。覗くな…よ?」

上条「上条さんはそんなことしませんっ!」
シャットアウラ「信用してるぞ」

シャットアウラ(仮に覗かれても私の身体じゃないし、複雑だな…)

上条(一回アリサの裸見ちゃったことあるからな…。その手の話はどう対応していいのやら…)

118: 2013/08/01(木) 20:57:42.62 ID:lCWFWnAAO
ーーー風呂ーーー

ゴシゴシ

シャットアウラ「んっ…」

シャットアウラ「やっぱり怪我したところはしみるな…」ヒリヒリ

シャットアウラ「…それよりどうするべきか…」

シャットアウラ「………」

~~~~~~~~~~~~

上条『俺も…シャットアウラのことが…』

シャットアウラ『上条…当麻…』

~~~~~~~~~~~~

シャットアウラ「も、もしそんなことになったら///」

シャットアウラ「うぅ~///」

シャットアウラ「冷静になれっ」

キュッ
シャァーー

シャットアウラ「ひゃっ!?」

シャットアウラ「し、沁みっ…」ヒリヒリ

119: 2013/08/01(木) 20:59:30.69 ID:P61Ek6bj0
ーーー土御門宅ーーー

土御門「…でなんの用かにゃー? カミやん」

上条「シャットアウラのことなんだけどさ…」

土御門「あー。そのことならもう話しといたぜい?」

上条「話したって、シャットアウラ本人にか?」

土御門「ああ。いやー、意外とシャットアウラもからかいがいのある奴で面白かったにゃー」ニヤニヤ

上条「お前はまた何をやったんだ…」

土御門「さあ?」ニヤニヤ

上条「ま。いいや。とりあえず俺にもその解決法みたいなの教えてくれよ」

土御門「それならシャットアウラの口から聞いてくれ」

上条「なんで? 別にお前から聞くのもシャットアウラから聞くのも同じじゃん」

土御門「色々とあるんだよ、色々と…」

上条「??」

土御門「ともかく、シャットアウラが元の姿に戻るには、シャットアウラ自身にどうにかしてもらわないといけないんだ」

上条「土御門がそう言うならそうなのか…?」

120: 2013/08/01(木) 21:00:46.81 ID:lCWFWnAAO
土御門「ま。カミやんはどっしり構えとけ」

上条「何にだよ」

土御門「奇蹟を起こすほどの乙女の想い……とか?」

上条(……何言ってんだこいつ)

土御門「シスコンパンチっ!」ブンッ

上条「あぶねっ!」バッ

上条「いきなり何すんだっ!」

土御門「なんか馬鹿にされた気がしたぜい」

上条「お前馬鹿じゃん」

土御門「カミやんよりはましだ」

上条「………」

土御門「………」


121: 2013/08/01(木) 21:02:20.55 ID:P61Ek6bj0
上条「まあ、どうにかなるんなら別にいいか」

上条「それより寝みぃ…」

土御門「んー、寝不足か?」

上条「ああ。昨日はインデックスを空港まで連れってたりであんま寝てなかったし」

上条「今日は昼寝しようと思ってたんだけど、寝たらタイムセール逃しそうだったし」

土御門「目覚ましでもかければよかったんじゃ…」

上条「どうせ電池切れとかで寝過ごしてたよ」

土御門「カミやんなら普通にありえそうな話だにゃー」

上条「運がないからなー。あー不幸だ」

土御門(女運はバリバリあるくせに何言ってんだか…)

上条「シャットアウラも風呂から上がってるだろうしそろそろ帰るわ」

土御門「扉開けたらラッキースOベでお約束な展開は勘弁頼むぜい」

上条「んなことあるわけねえだろ」

上条「じゃあ、邪魔したな」

土御門「おー」

ガチャ



土御門「せっかくだしねーちんとかも巻き込みたいが………暫くはそっとしといてやるかにゃー」

126: 2013/08/08(木) 21:19:53.06 ID:TkrAGNQw0
ガチャ

上条「ただいまー」

シャットアウラ「また出かけていたのか」

上条「ん、ああちょっと。シャットアウラも風呂上がったんだな」

シャットアウラ「ああ。いい湯だったよ」

上条「ならよかったけど…」

上条「…」ジッ

シャットアウラ「なんだ? ジロジロ見て」

上条「いや、シャットアウラって黒のジャージとかばっかり着てるなあ、と思って…」

シャットアウラ「こういう格好の方が楽だからな。それにあまり肌を露出させるのは好きじゃない」

上条「そういえば初めて会った時も全身タイツみたいな服着てたな」

シャットアウラ「ぜ、全身タイツって…。あれは駆動鎧の亜種で身体能力の強化と能力をより効果的に扱う為の物であってだな…」クドクド

上条「そ、そうなのか…」

上条(なんか地雷踏んだか?)

シャットアウラ「つまりだなっ。あれは私の趣味思考にあったものでは無いということで…」

上条(やけに熱弁するけどもしかして…)

上条「シャットアウラって…あの格好恥ずかしかったのか?」

シャットアウラ「っ!」ピクッ

127: 2013/08/08(木) 21:22:25.32 ID:bWo0xUfAO
上条「よくよく考えてみたら、あれって目立つし、身体のラインとかもくっきりでたりしてたしな」

上条「俺もあんまり好んで着たいとは思わな……シャットアウラ?」

シャットアウラ「……お前は…」プルプル

上条「?」

シャットアウラ「お前はなんで人が気にしていたことをっ!///」キッ

上条「しゃ、シャットアウラさーん?」

シャットアウラ「この無神経がっ!!」ヒュッ

上条「うぉっ! ま、松葉杖で突きは危ないってっ!」

シャットアウラ「うるさいっ///」ヒュッヒュッ

上条「ご、ごめんなさーい!」ダッ

シャットアウラ「逃げるなっ!」


ガチャッ


シャットアウラ「……くそぅ」


ーーーーーーーーーーーー


上条「やっぱ地雷だったのか…」

上条「はぁ…。こうなったらシャットアウラが落ち着くまで風呂に入ってよ」


128: 2013/08/08(木) 21:24:57.49 ID:bWo0xUfAO
ーーーーーーーーーーーー

シャットアウラ「あの男は私が気にしていたことを的確に…」

シャットアウラ「それに身体のラインとか言い出して…///」

シャットアウラ「……それにしても服か…」

シャットアウラ「私だってスカートとか女の子らしい服を着たいとは思うが…」

シャットアウラ「似合うかどうかわからないし…」

シャットアウラ「………」

シャットアウラ「あの男もそういう格好の方が好きなのだろうか…」

シャットアウラ「今度…見に行ってみようかな…」

ーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

129: 2013/08/08(木) 21:27:36.32 ID:TkrAGNQw0
上条「……」ソロー

シャットアウラ「なにをコソコソしている」

上条「! えーっと…」

シャットアウラ「さっきの話ならもう気にしてない」

上条「そ、そうか…」ホッ

シャットアウラ「ただし、次からはもう少し発言に気をつけて欲しいな」

上条「…そうだよな。悪かったよ」

シャットアウラ「! そ、そんなに真剣にならなくても…」

上条「シャットアウラもあれ着て戦ってたりしてたのに目立つとか恥ずかしいとか…」

シャットアウラ「えっ」

上条「よく考えたらけっこうカッコいいよな。あれ」ニコッ

シャットアウラ「そ、そうじゃなくて…」

上条「?」

シャットアウラ「さ、さっきのセクハラ発言は…」

上条「セクハラ? 上条さんはそんなこと言いませんよ?」

シャットアウラ(こ、こいつ…)ワナワナ

上条「シャットアウラ?」

130: 2013/08/08(木) 21:28:42.26 ID:bWo0xUfAO
シャットアウラ「……はぁ。もう寝る」

上条「そ、そうですか…」

シャットアウラ「あぁそうだ。ベッドはお前が使え」

上条「えっ」

シャットアウラ「私はシュラフを持ってきたからそっちを使う。いつまでも家主から寝床を奪う訳にもいかないからな」

上条「シュラフって…寝袋か? それじゃ寝にくくないか?」

シャットアウラ「使いなれているから問題ない」

上条「そうじゃなくて…。怪我してるんだから狭い寝袋よりもベッドの方がいいだろ」

シャットアウラ「しかしお前に風呂場で寝かせる訳には…」

上条「! じゃあシャットアウラの寝袋貸してくれよ。俺はそっちで寝るからさ」

シャットアウラ「…まあそれならいい…か?」

ーーーーーーーーーーーー


131: 2013/08/08(木) 21:32:02.38 ID:TkrAGNQw0

上条「じゃあ電気消すぞー」

シャットアウラ「ああ」


パチッ


上条「おやすみ、シャットアウラ」

シャットアウラ「おやすみ…」

上条(部屋の中で寝袋ってなんかテンションあがるな)ワクワク

シャットアウラ(そういえば私が使っていた寝袋で寝ているんだよな…)

シャットアウラ(ま、前に使ってからキチンと洗ったよなっ。においとか残ってないだろうなっ…)

シャットアウラ(くそっ、ちゃんと確認しておけばよかった…)

上条「なあシャットアウラ」

シャットアウラ「!!」ビクゥッ

シャットアウラ「な、な、な、なんだっ?」

上条「土御門に解決法を聞いたらしいけど…」

シャットアウラ「えっ。あ、ああ…」

シャットアウラ(ま、まさかあの男こいつにも話したんじゃ…)

上条「それでさ…「ちょ、ちょっと待ったっ」

上条「うん?」

シャットアウラ「あ、あの男から何を聞いたんだ?」ドキドキ

132: 2013/08/08(木) 21:33:22.86 ID:bWo0xUfAO
上条「何って…土御門がシャットアウラに話をしたってことくらいだけど…?」

シャットアウラ「それだけ…か?」

上条「ああ。なんか土御門のやつ詳しく教えてくれなくてさ」

シャットアウラ「そうなのか…」ホッ

シャットアウラ(あの男、なにか楽しんでいる節があったが……。一応常識というか良識は持ち合わせていたようだな…)

上条「それでシャットアウラに聞けって言われたんだけど」

シャットアウラ(前言撤回。どうやら私をおちょくっているようだな。あの金髪グラサン)ワナワナ

上条「シャットアウラ?」

シャットアウラ「なんでもない。それで?」

上条「だから俺にできることがあるならなんでも協力するからさ、土御門に聞いた話を俺にも聞かせてくれよ」

シャットアウラ「……断る」

上条「なんでっ!?」

シャットアウラ(お前に気持ちを伝えることが解決策だなんて言える訳ないだろう…)


133: 2013/08/08(木) 21:36:08.27 ID:bWo0xUfAO
上条「……なあシャットアウラ」

上条「確かに俺じゃあんまり頼りにならないかもしれないけどさ、1人で抱え込むよりはマシじゃないかな」

上条「せっかくこうして一緒に住んでるわけだし…」

シャットアウラ「……いや…その、そうじゃなくてだな…」

上条「?」

シャットアウラ「……どうやら。この件の根本的な原因は私の心持ちというか心情というか…、そういうものにあるらしくてな」

シャットアウラ「だから…私自身がある程度気持ちの整理をしないことには…」

上条(そういや前に土御門が感情がどうのこうのって言ってたっけか)

シャットアウラ「お前が頼りないなんてことではないんだ。…それどころかむしろ頼りにはなるし…」ゴニョゴニョ

上条「? 後半なんて言ったのかよく聞こえなかったんだけど…」

シャットアウラ「た、ただの独り言だっ!」

上条「??」


134: 2013/08/08(木) 21:37:24.94 ID:TkrAGNQw0
シャットアウラ「…それで、話を戻すが…」

シャットアウラ「お前に話すのは…。もう少し待って欲しい…」

シャットアウラ「必ず…話すから、私に気持ちを整理する時間をくれ」

上条「……わかった」

上条「こいつはシャットアウラの問題だし、シャットアウラが話したくないっていうなら無理には聞かない」

上条「ゆっくりでもいいから、シャットアウラが自分で納得いくように考えたらいいんじゃないか?」

シャットアウラ「………」

上条(まあ。俺だけ詳しく知らないってのは一人蚊帳の外みたいな感じで若干寂しい気もするんですが…)

シャットアウラ「…上条…当麻」

上条「なんだ?」

シャットアウラ「その…あ…」

上条「あ?」

シャットアウラ「ありが…とう…」

シャットアウラ「///」カアァァ

上条「……どういたしまして…はまだ早いかな?」

上条「問題が解決したら改めて言わせてもらうから今は『気にするな』って言っておくよ」

シャットアウラ「……なら私も、もとの姿に戻れた時にもう一度言わせてもらおう」

上条「それじゃあ今はとりあえずおやすみ」

シャットアウラ「ああ。おやすみ…」

140: 2013/08/15(木) 20:35:40.60 ID:iEiebb/s0
ーーー翌朝ーーー

シャットアウラ「……ん」

シャットアウラ「ふぁああ…。朝…か」

シャットアウラ「上条当麻?」

シャットアウラ「……またいないのか…?」

シャットアウラ「ん?」チラッ

シャットアウラ「朝食の用意が…」

シャットアウラ「書き置きもあるな」


~~~~~~~~~~~~~~~

朝食は用意しておいたから食べてくれ

昼食も冷蔵庫に入っているからレンジを使って温めて食べてくれ

レンジの使い方は大丈夫だよな?

じゃあ俺は学校に行ってきます

夕方には帰るから


追伸
出かけるなら鍵はポストに入れておいてくれ

くれぐれも無茶なことはしないように

上条
~~~~~~~~~~~~~~~

141: 2013/08/15(木) 20:36:33.75 ID:upywBhMAO
シャットアウラ「学校…?」

シャットアウラ「っ! 今何時だ!?」

【10:24】

シャットアウラ「ぁ……」

シャットアウラ「家主が食事の支度や出掛ける準備をしていたのに、私はぐーすかと寝ていたのか…」

シャットアウラ「居候の分際で……なさけない」ハァ

シャットアウラ「とりあえず朝食にするか」

ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーー


142: 2013/08/15(木) 20:38:35.97 ID:upywBhMAO
シャットアウラ「……ごちそうさまでした」

シャットアウラ「さて、これからどうするか…」

シャットアウラ「……暇だな」

シャットアウラ「インデックスが居れば話相手になったのに…」

シャットアウラ「……よし、こうなったら掃除でもするか」

シャットアウラ「食べて寝るだけなんてあの男に悪いからな」

シャットアウラ「そうと決まれば早速…」

ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーー

シャットアウラ「…もう終わってしまった」

シャットアウラ「片付けるところがなさすぎる…」

シャットアウラ「意外と綺麗好きだったんだな。あの男」

シャットアウラ「仕方ない。テレビでも見て時間を潰すか…」

143: 2013/08/15(木) 20:40:39.83 ID:iEiebb/s0
『作り物の企画だの、借り物のイラストだの、ボタン一つで…』

ピッ

『主婦の味方、簡単炊飯器料理~…』

ピッ

シャットアウラ「はぁ……、結局退屈しのぎにもならないか」

『第七学区で能力者同士の喧嘩騒ぎが…』

シャットアウラ「!」ガタッ

シャットアウラ「っ!?」ズキッ

『幸い、氏傷者は無く…』

シャットアウラ「ほっ…」

シャットアウラ「能力者の喧嘩か…。つい身体が反応してしまうな」

シャットアウラ「こんな身体では何もできないというのに」ズキズキ

シャットアウラ「ニュース番組もダメだな」ハァ

シャットアウラ「今の私にできることっていったい…」

ピッ

『これで意中の相手も貴女のモノに☆』

シャットアウラ「こ、これだっ!」クワァッ


145: 2013/08/15(木) 20:43:29.95 ID:upywBhMAO
ーーーとある高校ーーー

上条(シャットアウラのやつ大丈夫かなあ)

上条(まあ怪我してるっていってもしっかりした性格だし、平気だとは思うけど…)ボーッ

青ピ「カミや~ん? ぼーっとしてなに見てんの?」

上条「ん? 別になにも。ちょっと考え事」

青ピ「ははーん。体育中の女の子か」

上条「見てねえって」

青ピ「いやぁ激しい運動で揺れる双丘が…」ハァハァ

上条「お前ってやつは…」

青ピ「うわっ、あの子メッチャ巨Oやで」

上条「………」チラッ

青ピ「センセー、カミやんがグラウンドの女の子ばっかり見てまーす!」

上条「なっ! 青髪てめっ!」

小萌「上条ちゃん…?」

上条「ち、違いますよ!? これは青髪の卑劣な罠ですから!」

小萌「……上条ちゃんと青髪ちゃんは放課後居残りなのですー」

上条「誤解ですって!」

青ピ「小萌センセーと居残り…」ハァハァ

小萌「それでは授業に戻りますよー」

上条「うぅ……不幸だ」


146: 2013/08/15(木) 20:45:32.37 ID:iEiebb/s0
ーーー昼休みーーー

青ピ「いやー、待ちに待ったお昼ご飯の時間やでー」

上条「青髪、テメェ。さっきはよくも…」

青ピ「ムシャクシャしてやった反省はしていない」キリッ

上条「よしわかった。一発殴らせてもらう」

青ピ「いやーん。カミやんが怒っ…たぁぁ!?」ゴチンッ

吹寄「食事の時くらい静かにしろ!」

青ピ「い、いきなりゲンコツは…」

吹寄「上条! 貴様も授業中に何をしている!」

上条「いやいやっ、悪いのは俺じゃなくて青髪…」

吹寄「問答無用!」ブンッ

上条「いでぇっ!?」ゴチンッ

吹寄「ふんっ」

姫神「みんな。今日も相変わらず」

147: 2013/08/15(木) 20:48:01.76 ID:upywBhMAO
吹寄「はいはい、そんなことより早くお昼ご飯にしましょう」

上条「そ、そんなことって…。吹寄さん」ヨロヨロ

吹寄「授業に集中しない貴様が悪い」ガサッ

姫神「吹寄さん。またそのパン?」

吹寄「今度の能力向上パンは新作でね、以前のパンよりもその効果が1.8倍もあるのよ!」フフン

土御門「1.8倍って微妙だにゃー…」

青ピ「そもそも前のパンだって胡散臭さMAXやったのに…」

吹寄「な、なによっ、文句でもあるのっ!」

土御門「いやいや別にー?」

青ピ「実際に能力があがるんならねー?」

吹寄「あ、上がってるわよ! ……多分」

土ピ「「多分…」」プッ

吹寄「よしわかった。表へでなさい、そこの馬鹿二人」


148: 2013/08/15(木) 20:50:18.13 ID:iEiebb/s0
>チョッ、ズツキハカンベンッ!
>ギニャー!


上条「まったくあいつらは何やってんですかねー」

姫神「上条くんも。いつもはあっちにいる」

上条「上条さんをあんなのと一緒にしないでっ」

姫神「でも。授業中に女の子見てたって」

上条「あ、あれは青髪が巨Oがどうとか言うから…」アセアセ

姫神「巨O…」チラッ

姫神「……」ショボン

上条「姫神?」

姫神「やっぱり。デカイほうがいいのか…」

上条「なにやら上条さんの好みが勝手に決められた気がするのですが…」

土御門「口リメイドこそ至高だにゃー!」

青ピ「可愛ければなんでもええ!」

上条「いきなり出てくんな!」

姫神「いつの間に。復活を…」

吹寄「いいかげんにしろっ! この三馬鹿!!」

上条「俺もっ!?」

149: 2013/08/15(木) 20:52:03.74 ID:upywBhMAO
ーーー放課後ーーー

上条「……だぁー、疲れたー」

上条「青髪のせいで居残りお小言を受けるとは…」

上条「まあすぐに済んでよかったけど……ん?」

シャットアウラ「……」キョロキョロ

上条「シャットアウラ…か? あいつ何やってんだ…?」

上条「シャットアウラー!」

シャットアウラ「!」

上条「なにやってるんだ? こんなとこで」

シャットアウラ「なにって…、メール送っただろう? お前を待つと…」

上条「マジで? ……あ、ほんとだ…」

シャットアウラ「見てなかったのか…。まあ、返信が無かった時点でその可能性も考えていたが…」

上条「わるいわるい。それで、なんで待ってたんだ? メールにはここで待ってる、としか書いてないけど」

シャットアウラ「そ、そのっ…あ、あれだっ。帰りに買い物をするつもりだったんだろう? スーパーのチラシに赤丸がついていたし」

シャットアウラ「だから…私も一緒に付き合おうかと思って…」

ガシッ

シャットアウラ「っ!?」


150: 2013/08/15(木) 20:53:49.39 ID:iEiebb/s0
上条「ありがとうシャットアウラ!」

シャットアウラ「えっ、そのっ」

上条「いやー、実は醤油が、お一人様一本128円という驚愕のお値段でして」

シャットアウラ「そ、そうなのか…」

上条「シャットアウラが付き合ってくれるなら二本ゲットできて、上条さんのお財布は大助かりですよ」ニコッ

シャットアウラ「っ!」ドキッ

シャットアウラ「そ、そこまで喜ばなくとも…」

上条「とりあえずタイムセールに遅れたらまずいから行こうぜっ」

シャットアウラ「あ、あぁ」

151: 2013/08/15(木) 20:55:05.64 ID:upywBhMAO
ーーー とあるスーパー ーーー

上条「……そういえば、今更だけど杖つかなくて大丈夫なのか?」

シャットアウラ「ああ。痛みもあまりないし、テーピングもキツく巻いているから大丈夫だ。…それよりも」スチャ

上条「サングラス?」

シャットアウラ「自意識過剰かもしれないが、見た目は『鳴護アリサ』だからな」

上条「ああそっか。行方不明のアイドルがスーパーで醤油買ってるなんて話が広まったら大変だもんな」

シャットアウラ「そういうことだ」

上条「じゃああんまりウロウロしないほうがいいかもしれねえか。シャットアウラは先に醤油の会計に行っててくれ」

シャットアウラ「わかった」

上条「じゃあ俺は卵と野菜をと…」


152: 2013/08/15(木) 20:57:24.36 ID:iEiebb/s0
シャットアウラ(……こ、これでいいのだろうか)ドキドキ

シャットアウラ(できるだけ同じ時間を過ごすとか、趣味を共有すればいいとか言っていたが…)

シャットアウラ(共有するものがタイムセールでの買い物というのもどうかと思うんだが…)

シャットアウラ(まあ、喜んでいたようだし別にいいか)

シャットアウラ(それにあんなに強く手を…///)

シャットアウラ「ふふっ」

店員「次のお客様どうぞー」

シャットアウラ「おっと」

店員「食品が一点で128円になりまーす」

シャットアウラ「はい」

店員「丁度頂きます。ありがとうございましたー。次のお客様どうぞー」

シャットアウラ「さてと、後は上条当麻を待つだけか…」

153: 2013/08/15(木) 20:58:46.44 ID:upywBhMAO
ーーーーーーーーー

上条「…野菜オッケー、卵オッケー、値引きで挽き肉もゲット。醤油もバッチリ」

上条「これで買うものは全部か」

上条「シャットアウラを待たせちゃ悪いし早いとこ会計を済ませるか」

上条「ふんふんふふんふーん♪」

「随分とご機嫌みたいね」

上条「ん?」クルッ

上条「げっ」

「人の顔見てげっ、は無いでしょ。げっ、は」

上条「御坂…」

美琴「ぐ、偶然ね」


163: 2013/08/22(木) 23:31:07.39 ID:+dkSfPyAO
上条「……いや、偶然って…なんでお前こんなとこにいるんだよ」

美琴「そ、それは…その…。買い物よ! 買い物!」

上条「買い物? 常盤台のお嬢様がこんな庶民のスーパーで?」

美琴「そ、そうよっ! 悪いっ?」

上条「いや、悪くはないけど、なんでまた…」

美琴「い、いやー…だってほら。ここって色々安いって聞いたから…」

上条「あぁ、なるほど。お前も醤油を狙って来たのか」

美琴「へっ? ……そ、そう! お醤油、お醤油を買いに来たのよ!」

上条「だったら早く行かないとなくなるぞ?」

美琴「そ、そうね。じゃあちょっと行ってくるわっ」

美琴「………」

上条「どうした?」

美琴「すぐ戻るからここで待ってなさい」

上条「へっ?」

美琴「どっか行くんじゃないわよー!」ピューッ

上条「……なんなんだ?」


166: 2013/08/22(木) 23:34:51.50 ID:+dkSfPyAO
上条「それにしても御坂のやつなんでスーパーなんかに…」

上条「別にいてもおかしくはないけど、お嬢様が、ワザワザ来るようなとこじゃないよな…」

上条「まさかっ! 御坂のやつ金に困って…」

上条「あいつも色々大変なんだな…」ウンウン

美琴「あっ! いたいたっ」

上条「!」

美琴「素直に待ってたみたいね」

上条(醤油を大事そうに抱えて…)

美琴「な、なによっ、その生温かい眼差しはっ」

上条「御坂…」

美琴「っ!」

美琴(な、なにっ。この真剣な表情は…。まさかさっきの妄想の通りに…)

上条「…お前も大変だろうけど頑張れよ」

美琴「……はっ?」

上条「俺にできることならなんでもするぞ? 金のこと以外でだけど」

美琴「え、えーっと…」

上条「とりあえず、金に困ってるからって自販機からジュース盗るのはやめとけよ」ポン

美琴「金…? 困る?」

美琴「……あー」

美琴「そうかそうよね。アンタはそういうやつだもんね…」

上条「?」

美琴「いや、なんでもないわ、うん。ちょっと夢みてたというかなんというか…」ハハ


167: 2013/08/22(木) 23:36:39.11 ID:9u5OqMRm0
上条「??」

美琴「ほら気にしない気にしない。それと私は別にお金に困ってないから」

上条「そうなのか?……あれ? じゃあなんで特売品の醤油なんか…」

美琴「わーー!! それはねっ、ほらっ…その…ぷ、プレゼントよ!プレゼント!」

上条「いや、プレゼントに醤油貰って喜ぶやつがどこにいるんだよ」

美琴「アンタにあげるわ」

上条「いやっふぉぉー!!」

美琴「喜びすぎでしょっ!」

上条「いやいや、マジで貰っていいのっ?」

美琴「あげるってば。これ一人一本なんでしょ?」

上条「そうそう。これで三本目かー。しばらくは醤油の心配いらないなあ」

美琴「三本目…?」

上条「ああ。連れが一人いてさ、そいつが先に会計しに行ったはずなんだけど……。遅いな…」

美琴「……連れってあの子?」

168: 2013/08/22(木) 23:39:22.27 ID:+dkSfPyAO
上条「あの子?」

美琴「あのちっこいシスター」

上条「インデックス? 違うけど…」

美琴「そ、そう。ふーん、違うんだ…」

上条(シャットアウラのやつどうしたんだろ…、外に出たのか?)

美琴「じゃあ誰?」

上条「えっ、誰って…」

上条(あれ? 言っていいのかな?)


prrrrr


上条「悪い。電話だ」

美琴「どうぞ」

上条(ん? シャットアウラ?)

ピッ

上条「どうした?」

シャットアウラ『どうした、じゃない。何をやってるんだお前は』

上条「悪い悪い。知り合いと会ってさ。今から会計済ませるから」

シャットアウラ『そうじゃない。隣にいるのは第三位の超電磁砲だろう』

上条「そうだけど…」チラッ

美琴「?」


169: 2013/08/22(木) 23:41:51.35 ID:9u5OqMRm0
シャットアウラ『そいつに余計なことを話していないだろうな』

上条「余計なこと?」

シャットアウラ『私と一緒にいるとか』

上条「話してないけど…。話しちゃダメなのか?」

シャットアウラ『っ……はぁ…」

シャットアウラ『馬鹿かお前は』

上条「いきなり罵倒しないでください。上条さんにそんなことで喜ぶ趣味はありません」

シャットアウラ『趣味?』

上条「いや、気にしないでくれ」

シャットアウラ『…ともかくだ。そいつは鳴護アリサと面識があるようだから、私が鉢合わせるのはマズイ』

上条「そういうことか…。なら詳しい説明しちゃえば別にいいんじゃね?」

シャットアウラ『私を襲ってきた音波系の能力者。あいつはお前がファミレスでベラベラ喋っていたのを聞いてたらしいぞ?』

上条「……それは…つまり…」

シャットアウラ『どこで誰に聞かれるかわからないんだ。なんでもいいから黙ってろ』

上条「……はい。すみませんでした」

シャットアウラ『……私は先に帰っているからな。じゃあ』ブツッ

ツーツー

上条(……なんか怒ってた…?)

170: 2013/08/22(木) 23:44:00.88 ID:+dkSfPyAO
美琴「ねえ、なんかあったの?」

上条「なんでもない……多分」

美琴「ふぅん。それで、結局連れってだれなのよ。……また女?」

上条「えっ…いや、違うぞ?」

美琴「……今の電話もその相手?」

上条「えっとだな……! と、友達だよ、友達。男友達。今の電話もそいつで、用事ができたから先に俺の部屋に醤油届けて帰るって」

美琴「男友達ねぇ…」

上条「……なんで御坂はそんなに気にしてんの?」

美琴「は、はぁっ!? わ、私が何を気にするっていうのよっ!」

上条「俺の連れがインデックスかどうかとか、女かどうかだとか…」

美琴「き、き、気にしてにゃんかないわよ!」

上条「噛んでる噛んでる」

美琴「ウルサイっ! さっさと会計済ます! でないとお醤油譲らないわよ!」

>ミサカー、ハヤクコイヨー

美琴「いつの間にそんなとこにっ!? アンタはどんだけ醤油が大事なんだ!」


171: 2013/08/22(木) 23:44:56.55 ID:9u5OqMRm0
>ドンダケショウユガダイジナンダ!

シャットアウラ「……はぁ」

シャットアウラ「学園都市第三位。『超電磁砲』御坂美琴…か」

シャットアウラ「聞いた話では『宇宙エレベーター・エンデュミオン』の崩落をくい止めるのにも一役買ったとか…」

シャットアウラ「仲がいいのだろうか…」

シャットアウラ「はっ!」

シャットアウラ「あ、あの男の交友関係などどうでも……どうでも…」

シャットアウラ「……」

シャットアウラ「気に…なるな」

シャットアウラ「あまり褒められたことではないが…」

シャットアウラ「少しあの二人の様子をみてみるか」

シャットアウラ「……よし!」

177: 2013/08/24(土) 23:09:33.54 ID:kkdrVqHT0
上条「いやー、ほんとにありがとな。御坂」ニコッ

美琴「べ、べ、別にいいわよ、これくらい」

上条「とりあえず醤油代だけ返すよ」

美琴「だからいいってば! 醤油の一つや二つ」

上条「……お前ほんとにいいやつだな」

美琴「そ、そんなに褒められても…///」

上条「じゃあ俺はこれで」

美琴「えっ…。いやもうちょっと、その…時間…潰さない? ひ、暇なのよっ」

上条「うーん。そうは言っても上条さんは早く帰らないと。卵と生肉買っちゃったし…」

美琴「じゃ、じゃあ! わ、私もそれ持つの手伝うわっ」

上条「えっ。別にいいって」

美琴「いいから、いいから。ほらっ」ガサッ

上条「あっ」

美琴「卵にお肉ね…。アンタが持ってたらまた、『不幸』とか言ってダメにしちゃうんじゃないの?」

上条「そう言われると…」

178: 2013/08/24(土) 23:10:42.52 ID:x1lRAJJAO
美琴「じゃあ決まりね。アンタの住んでる寮まで行くわよー」

上条「俺の寮までっ!? それはいいよっ」

美琴「なんで?」

上条「なんでって…ほら。だって流石にそこまで運んでもらっちゃ悪いし…」

美琴「いいわよ別に。暇だって言ったでしょ?」

美琴「それとも何? 何か困ることでもあるの?」

上条「そんなことはない…けど」

美琴「じゃあいいじゃない。ほら行くわよ」

上条「ううん…」

上条(まあ、先にシャットアウラが帰るようにゆっくり行けばいいか。流石に御坂も部屋まで上がったりしないだろうし)

美琴(これでコイツの寮に…。コイツのことだからお茶くらい飲んでけって言うだろうし。ふふふっ)


180: 2013/08/24(土) 23:12:49.01 ID:kkdrVqHT0
シャットアウラ「……」コソコソ

シャットアウラ(仲…良さそうだな…)

シャットアウラ(恋人…では無いようだが)

シャットアウラ(しかし、そういえば…)

~~~~~~~~~~~~~~~

土御門『カミやんって意外と競争率高いんだぜい?』ニヤニヤ

~~~~~~~~~~~~~~~

シャットアウラ(競争率…)

シャットアウラ( 『超電磁砲』、あいつ…上条当麻に好意を抱いているのか…)

シャットアウラ「むむむ…」

181: 2013/08/24(土) 23:14:54.73 ID:x1lRAJJAO
美琴「ふんふふんふふーん♪」

上条「……随分とご機嫌ですね。御坂さん」

美琴「えっ。そ、そんなことないわよっ」

上条「鼻歌とか歌って。なんかいいことでもあったのか?」

美琴「い、いいことって…」

美琴(コイツと買い物して、荷物を分け合って持って、そのままコイツの部屋に向かって……)

美琴「えへへー///」ビリビリ

上条「おまっ!? 漏れてる漏れてる!」

ギュッ

美琴「へっ?」

パキィーン

美琴「なっ!? 手っ、手握って…///」


182: 2013/08/24(土) 23:17:28.90 ID:x1lRAJJAO
シャットアウラ「っ!?」

シャットアウラ「手、手を握ってっ!」

シャットアウラ「私だって…手を繋いで歩きたい…」

シャットアウラ「上条当麻もなんで急に手を握ったりしたんだ…」

シャットアウラ「羨ましい…」

183: 2013/08/24(土) 23:18:43.45 ID:kkdrVqHT0
上条(よし! 卵セーフ。肉もセーフ。ビニールの焼ける匂いもしない。防いだ、不幸に見舞われる前に防ぎきった! 今日の上条さんは色々ツイてる!)

美琴「ちょ、ちょ、ちょっと! きゅ、急に手をっ…///」

上条「あ、あぁ悪い」パッ

美琴(あっ、離すんだ…)






シャットアウラ(よし、離した!)

184: 2013/08/24(土) 23:20:27.95 ID:x1lRAJJAO
上条(そういやそろそろ寮が近づいてきたな)

上条「な、なあ御坂。もうこの辺でいいぞ? もうすぐ寮に着くし」

美琴「えっ? い、いいわよ。ここまで来たんだしどうせならアンタの部屋まで運ぶわ」

上条「いやいや、いいって、いいって。そこまでしてもらっちゃ悪いよ。御坂も自分の寮から離れてきてるだろうし」

美琴「もうすぐ寮なんでしょ? ならちょっとくらいの距離気にしないから」

上条「でも…」

美琴「さっきからなんか変ね。やけに私を寮に近づけたくなさそうだけど…」

上条「いやあ…そんなことは…」

美琴「怪しいわね…、女でも連れ込んでるんじゃないの?」

上条「っ! そ、そんなわけないだろっ」アセアセ

美琴「……まあいいわ。それより、学生寮が多くなってきたけどアンタのとこの寮もこの辺なのかしら?」

上条「え? えっと……げっ…」

上条(もう俺の寮の前じゃねえか)

美琴「……?」

美琴「ここなの?」

上条「ま、まあな…」

美琴「結構ボロっちいわね」

上条「そりゃお前のとこと比べたらな」

美琴「何階?」

上条「ここまででいいって」

美琴「そう言わずに」

上条(なんでコイツこんなにグイグイくるのっ?)


185: 2013/08/24(土) 23:22:08.50 ID:kkdrVqHT0
シャットアウラ(寮の前で何をやっているんだ?)

シャットアウラ(何を話しているか聞こえないが、様子から見て部屋に上がるか上がらないかでもめているのか?)

シャットアウラ(もう少し近づけば聞こえるだろうか…)ソーッ

ウィーン
ウィーン

シャットアウラ「!」ビクゥッ

ドラム缶『……』ウィーン

シャットアウラ「清掃ロボか…」

シャットアウラ「………」

シャットアウラ「私は…何をやっているんだろう」

シャットアウラ「しばらく一人になって頭を冷やすか…」スタスタ

186: 2013/08/24(土) 23:23:55.21 ID:x1lRAJJAO
美琴「三階?」

上条「ぶー」

美琴「じゃあ五階だ」

上条「違いますー」

美琴「焦れったいわね、いい加減教えなさいよっ」

上条「なんでそこまで必氏になってんの?」

美琴「必氏になんかなってないわよ! アンタの部屋まで運んであげるって言ってんの!」

上条「だから大丈夫なんだって…」

ヒュン

上条「びぶるちっ!?」ドゴンッ

黒子「お姉さまああぁぁぁ!!」

美琴「黒子!?」

黒子「お、お、お姉様! こんなところで、こんな類人猿といったいなにをっ…」ワナワナ

美琴「あ、アンタこそ、いきなりコイツにドロップキックなんてして! なに考えてんのよ!」

黒子「違いますわお姉様。わたくしがこの殿方にドロップキックしたのではなく、この殿方がドロップキックした先に “たまたま” 居ただけですの」

美琴「……いやいや意味わかんない。なによその “たまたま” って」


187: 2013/08/24(土) 23:26:35.17 ID:kkdrVqHT0
美琴「ていうか、なんでアンタは私の居場所がわかるわけっ?」

黒子「………」

美琴「黙るな」

黒子「携帯電話のGPS機能って…何年前の技術なのでしょうか…」

美琴「おい…おいまたか」

黒子「と、ともかくそろそろ最終下校時刻になりますの。はやく帰りませんと寮監にどやされますわよ」

美琴「いや、でも…ほら」

黒子「あー…うん大丈夫っぽいですの。それではごきげんよう、類人猿さん」ガシッ

美琴「ちょっ」

ヒュン

上条「……」ムクリ

上条「不幸だ……って俺の卵と肉はっ?」

ヒュン
グシャッ

上条「……ふ、不幸だぁぁぁ!!」

上条「……」グスッ

188: 2013/08/24(土) 23:27:10.25 ID:x1lRAJJAO
ーーー上条宅ーーー

上条「……はぁ。なんとか御坂には帰ってもらえたけど…」

上条「卵と肉が…」

上条「うぅ…」

上条「……それより、シャットアウラのやつどこ行ったんだろ」

上条「まだ帰ってない……っていうか鍵は俺が持ってたんだから当然か」

上条「てっきり部屋の前にでもいるかと思ったけどいないし」

上条「携帯は…」

prrrrr

『お掛けになった番号は、只今、電源を切っているか電波の届かな…』

ブチッ

上条「仕方ない探しに行くか」

上条「その前に卵と肉を冷蔵庫に入れて…」


189: 2013/08/24(土) 23:29:30.28 ID:x1lRAJJAO
ーーーとある公園ーーー

ギィギィ

シャットアウラ「……はぁ」

シャットアウラ「なんなんだろうか。この気持ちは…」

シャットアウラ「上条当麻があの女に笑いかけたり、あの女と手を繋いだりすれば胸がチクチクと痛む…」

シャットアウラ「……嫉妬か? だとしたら笑えるな」

シャットアウラ「そこまであの男を意識していることになるんだから」

シャットアウラ(……いや。そうなんだろうな)

シャットアウラ(私はあの男のことが…)

上条「シャットアウラー!」

シャットアウラ「!」

上条「いやー、探したぜ。まさか公園でスーパーのビニール袋片手にブランコ漕いでるとは」

シャットアウラ「……」

上条「シャットアウラ…さん?」

上条(怒ってる…よな)

上条「ゴメン、シャットアウラ。待たせたよな…」


190: 2013/08/24(土) 23:32:06.19 ID:kkdrVqHT0
シャットアウラ「……なあ」

上条「はいっ」

シャットアウラ「さっきの…『超電磁砲』とは…どういう関係なんだ?」

上条「御坂? 関係って言われても。友達…は少し違うし…戦友? もなんかな…」

シャットアウラ「そうか…」

シャットアウラ(それなりの仲なのか)

上条「御坂がどうかしたのか?」

シャットアウラ「…いや。少し気になっただけだ」

上条「?」

シャットアウラ「……」

上条「シャットアウラさーん?」

シャットアウラ「帰るか」スクッ

上条「えっ。…お、おう」

シャットアウラ「少し…吹っ切れた気がする」

上条「唐突にどうした?」

シャットアウラ「ほら持て」ガサッ

上条「無視したうえに荷物持ちの強要かよっ」

シャットアウラ「ん」ガサッ

上条「はいはい。まあ待たせた俺が悪いんだし醤油くらい…」

シャットアウラ「そっちじゃない。左手で持て」

上条「左手? なんでまた…」ガサッ

ギュッ

上条「っ!」

シャットアウラ「ほら帰るぞ」

上条「シャットアウラさん?」

シャットアウラ「足、捻挫。右手、ヒビ。手を引っ張るくらいしろ。転んだら危ない」

上条「いや、まあそうなんだけど…」

シャットアウラ「……」ギュッ

上条「とりあえず……帰るか」ニコッ

シャットアウラ「 …ああ」



シャットアウラ(やっぱり…私は、この男が…この男のことが…)

シャットアウラ(好き……なんだな)

196: 2013/08/28(水) 22:25:06.99 ID:pmjkSDrM0
ーーー翌朝ーーー

カチャカチャ

上条「……ん…ふぁぁあ」

シャットアウラ「起きたか。おはよう」

上条「シャットアウラ…?」

シャットアウラ「もうすぐ朝食の用意ができる。顔でも洗ってきたらどうだ?」

上条「朝…食?」

シャットアウラ「ああ。キッチンを使わせてもらったぞ」

上条「いやいや。お前料理できないんじゃ…」

シャットアウラ「あ、あれは…少し失敗だけで…。今回はキチンとレシピを見て作ったものだから心配ない」

上条「マジで?」

シャットアウラ「ほら見ろ」

上条「お、おぉっ」

上条「白米に味噌汁。玉子焼きに蓮根のきんぴら、沢庵に納豆…」

上条「メチャクチャうまそうじゃねえかっ」

シャットアウラ「そ、そうか? 玉子焼きは少し焦がしてしまったんだが…」

上条「これくらいなら大したことないって。ありがとな、シャットアウラ」ニコッ

シャットアウラ「っ!」ドキッ

シャットアウラ「い、いいから早くしろっ。学校があるんだろう」

上条「おっとそうだった。顔洗って着替えてくる」スタスタ




シャットアウラ「……『うまそう』…か」

シャットアウラ「よしっ」グッ

197: 2013/08/28(水) 22:28:12.21 ID:sN6qIv+AO
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

上条「……いやー、ほんとうまかったよ、シャットアウラ」

シャットアウラ「よ、喜んでもらえてよかった」

上条「じゃあそろそろ…」

シャットアウラ「か、上条当麻っ。実は…弁当も作ってみたのだが…」

上条「弁当…だと?」

シャットアウラ「迷惑じゃなければ持っていって欲しい……。あっ、嫌なら別に気を使わなくていいぞっ?」

上条「迷惑なもんか! 女の子の…女の子の手作り弁当なんて…」ホロリ

シャットアウラ「えっと…」

ガシッ

シャットアウラ「っ!?」

上条「ありがたく頂戴させていただきます」ギュッ

シャットアウラ「あっ、ああ…」

シャットアウラ(そんなに強く肩をっ///)


198: 2013/08/28(水) 22:30:29.32 ID:pmjkSDrM0
上条「手作り弁当かぁ…」ニマニマ

シャットアウラ「あ、あまり期待はするなよっ」

上条「いやいや。昼休みを楽しみにさせていただきます」ニマニマ

シャットアウラ「そ、そんなにハードルを上げるなっ」

上条「ははっ。じゃあそろそろ学校に行ってくるよ」

シャットアウラ「もうそんな時間か」

上条「じゃあ」

シャットアウラ「か、上条当麻」

上条「ん?」

シャットアウラ「学校が終わった後は、暇…か?」

上条「まあ暇だと思うけど…なんかあるのか?」

シャットアウラ「買い物に付き合って欲しいんだが…。構わないだろうか」

上条「俺でいいんなら」

シャットアウラ「で、では学校が終わるごろに昨日の場所で待っているぞ」

上条「おう。じゃ」

シャットアウラ「上条当麻!」

上条「まだなんかあるのか?」

シャットアウラ「いってらっしゃい…///」

上条「………」

上条「いってきます」ニコッ

ガチャ

シャットアウラ「……」

シャットアウラ「///」カアァァッ




シャットアウラ「……汚したキッチンを片付けねば」

199: 2013/08/28(水) 22:33:44.70 ID:sN6qIv+AO
ーーーとある高校ーーー

上条「よーっす!」

青ピ「おはよう、カミやん」

土御門「おはようだにゃー」

上条「さーて、今日も一日頑張りますかっ」

青ピ「なんやカミやん、珍しく元気やねぇ。なんかイイコトでもあったん?」

上条「そうか?」

青ピ「それに心なしか嬉しそうに見えるねんけど…」

上条「き、気のせいじゃね?」

青ピ「……いや。これはなんかイイコトがあったと見る!」ピーン

土御門「どうせ、どっかの女の子とギャルゲー的展開があったんだろうぜい」

上条「なっ、何言ってんだよ…」

土御門「おっ? なんだその反応は…」

青ピ「詳しく聞かせてもらおうか。カミやん」ゴゴゴ

上条「だ、だから何もないってのっ」アセアセ

青ピ「カミやんばっかりズルい! ボクにもその幸福をわけてくれっ!」

上条「だあぁぁ! うっせえよ! 近づいてくんなっ!」

青ピ「幸せわけろぉぉぉ!!」ダダダッ

上条「ああぁぁ!! 不幸だぁぁぁ!!」ダダダッ


200: 2013/08/28(水) 22:37:17.52 ID:pmjkSDrM0
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

上条「朝っぱらから疲れた…」

土御門「お疲れだにゃー」ニヤニヤ

上条「吹寄が来てくれなかったらまだ走りまわってたかも…」

土御門「青ピは何処にいったんだ?」

上条「なんか小萌先生が呼んでるとかで吹寄のやつが首根っこ掴んで連れってたよ」

土御門「そういや青ピって委員長だったにゃー…」

上条「あんなのが委員長やってるなんて……。つーかお前も変なこと言いやがって」

土御門「んー?」

上条「ギャルゲーがどうとかなんとか…」

土御門「どうせシャットアウラとなにかあったんだろ?」

上条「何かっていうか…」

201: 2013/08/28(水) 22:39:22.43 ID:sN6qIv+AO
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

土御門「……へぇ、朝ごはんに弁当か」

上条「いやー、こういう感じのことってあんまり経験ないから嬉しくてなぁ」

土御門(なんとも面白そうなことになってるぜよ)

土御門「でもうちの舞夏ならそのくらいのこと毎日でもやってくれるけどな」

上条「くたばれシスコン軍曹が」

土御門「はっはっはっ」

土御門「あっ、そういえばカミやん。明日の夕方禁書目録が帰ってくるらしいぞ」

上条「インデックスのやつ仕事は終わったのか?」

土御門「ねーちんからの連絡じゃそうらしい」

上条「ってことはまた賑やかになるなあ」

土御門「ねーちんとステイルが直接カミやんの部屋まで連れてくるそうだぜい」

上条「わかった。じゃあ夕方は部屋に居るようにするよ」

土御門「結構頑張ったらしいし労ってやれよ?」

上条「たまにはな」

上条(……ん? 神裂とステイルって……シャットアウラと会っても大丈夫なのか?)

土御門(禁書目録以外の女と同棲しているのを見てねーちんはどうでるのかにゃー)ニヤニヤ


202: 2013/08/28(水) 22:41:38.88 ID:pmjkSDrM0
ーーーとある病院ーーー

冥土帰し「……うん。怪我のほうはもう大したことなさそうだね?」

シャットアウラ「そうですか。ありがとうございます」

冥土帰し「手首のヒビだけは治るのにまだまだかかるから気をつけるんだよ?」

シャットアウラ「はい」

冥土帰し「それと…」

シャットアウラ「?」

冥土帰し「その『姿』のことなんだけどね?」

シャットアウラ「こちらの問題は自分でなんとかできそうです」

冥土帰し「それはよかった。医者として匙を投げたようで心苦しかったからね? 気になっていたんだけど」

シャットアウラ「特殊なことですから仕方ありません」

冥土帰し「まあ僕に協力できることならなんでもするよ? 君は患者で僕は医者だからね?」

シャットアウラ「……ひとつ、いいですか?」

冥土帰し「なにかな?」

シャットアウラ「男性はどういった女性を好むと思いますか?」

冥土帰し「それはもちろん…」



冥土帰し「ナースだよ」キリッ



シャットアウラ「………」

冥土帰し「ナース服。用意しようか?」

シャットアウラ「……いや。結構です。失礼します」

冥土帰し「お大事にね」

スタスタ



冥土帰し「中々賛同者はいないものだね…」


203: 2013/08/28(水) 22:46:59.75 ID:sN6qIv+AO

引用: シャットアウラ「朝起きたら姿が鳴護アリサになっていたんだが…」