1: 2009/06/08(月) 21:36:57.92 ID:cZK90C2q0
翠「あー、そういえばそんなこともあったですねぇ」

紅「あの時はものすごかったのだわ。水銀燈から雛苺まで、みんなで暴れたものね」

JUM「・・・それ、マジなのか?」ジトリ

翠「信じてないですか?」

JUM「あたりまえだろ。いきなり悪の秘密結社なんて言われて信じられるか」

JUM「雛苺が柏葉んちにいってるのをいいことに、僕をからかってるんじゃないのか?」

紅「本当の話なのだわ」

JUM「そんな馬鹿な。それじゃあその組織はなんて名前だったんだよ」

翠「たしか、ゴルゴムとかいう名前だったです」
ローゼンメイデン BIGアクリルスタンド Bloom ver./真紅
2: 2009/06/08(月) 21:39:10.82 ID:cZK90C2q0
JUM「ゴルゴム・・・聞いたこと無いな。いつ頃の話なんだ?」

紅「そうね、2年位前かしら」

JUM「けっこう最近だな」

翠「あの時は大変だったです。目を覚ましたら変な台にくくりつけられてて、怪しい男たちに囲まれてたですぅ」

翠「なんとか人工精霊の力を借りて拘束を解いて・・・」

紅「怪しい男たちをボコボコにしたあとでアジトに火をつけて逃げてきたのだわ」

JUM「ひどいことするな、お前ら・・・」

3: 2009/06/08(月) 21:40:50.95 ID:cZK90C2q0
JUM「あれ?でもお前らって、契約してないと力が使えないんじゃなかったか?よく逃げ切れたな」

翠「敵は台の周りに立ってた三人だけだったですから」

紅「誇り高き薔薇乙女が六体そろっていれば、力が使えなくてもあれくらい朝飯前なのだわ」

JUM「悪の秘密結社が男三人だけってのはいくらなんでも少なすぎ、っていうか結社と呼べないだろ」

翠「JUMはおバカですねぇ」

JUM「?」

翠「ちゃんと、女が一人混じってたですぅ」

JUM「人数は変わらんだろが!」

紅「でもバランスはとれているのだわ」

4: 2009/06/08(月) 21:42:38.97 ID:cZK90C2q0
JUM「いや、バランスとか・・・」

ピンポーン

JUM「ん?誰か来たな。おまえらちょっと隠れとけ」

翠「あいあいさー」

紅「巴が雛苺を連れてきたのかも知れないわよ」

JUM「違ったらどうすんだよ」

紅「・・・あいあいさー」

5: 2009/06/08(月) 21:44:27.35 ID:cZK90C2q0
ゴメンクダサーイ オルスデスカー

JUM「はいはい、いますよー。今開けますー」

ガチャリ

???「あ、どうもすいません。こちら、桜田さんのお宅でしょうか?」

JUM「はい、そうですけど(何だこの人。白いフード付きの・・・マント?ポンチョ?えらい年寄りだな)」

???「あの、こちらにローゼンメイデンの真紅さん、翠星石さん、雛苺さんがおられるときいてきたのですが」

JUM「!!!」

6: 2009/06/08(月) 21:46:51.37 ID:cZK90C2q0
JUM「サ、サア、僕ニハ何ノコトヤラサッパリ分カリカネマスネ」グリグリグリ

???「あー、待って待って!これつまらないものですけど、お土産のタルトです!だから閉めないで!!!」ギリギリギリ

紅「タルト?」ヒョッコリ

翠「お土産?」ヒョコリ

JUM「あー、馬鹿、お前ら出てくんな!!!」

???「おお、真紅さん、翠星石さん!お変わりないようで!」

紅・翠『あーっ!お前は!』

8: 2009/06/08(月) 21:50:01.43 ID:cZK90C2q0

~居間

翠「JUM、早くこのじいさんを追い出すです」ヒソヒソ

JUM「無理いうなよ。一旦家にあげちゃった以上、話を聞くまでは追い出しにくいじゃないか」ヒソヒソ

JUM「紅茶です。どうぞ」カチャッ

???「こりゃどうもすいません」

JUM「えっと、本日はどういったご用件でうちに?」

???「あ、申し遅れました。私、暗黒結社ゴルゴムで大神官ををやっております、ダロムと申します」

12: 2009/06/08(月) 21:52:01.00 ID:cZK90C2q0

ダロム「今回うかがいましたのは、ローゼンメイデンの皆様に施しました改造手術について説明させていただこうと思いまして」

ダロム「こうしてローゼンメイデンのマスター様のところに足を運んだ次第でございます」

JUM「ブフッ!か・・・改造手術ですか」

翠「それじゃあ翠星石は・・・翠星石はもう、人間じゃないというのですかぁ!?」

JUM「元から人形だろが」



~別室

ビリビリビリ

紅「あら・・・これ、一六タルトだわ」

13: 2009/06/08(月) 21:53:39.47 ID:cZK90C2q0

~居間

ダロム「えー、そういうわけで現在、他のマスター様方のところにも私の同志がおうかがいいたしております」

JUM「他のマスター?柏葉とめぐさんと結菱さんかな・・・」

ダロム「そうですそうです、そのお三方です」

翠「・・・金糸雀のところを忘れてるですよ」

ダロム「あー、草笛さんのことはすっかり忘れてました。ありがとうございます、翠星石さん」ニコリ

ダロム「桜田さんへの説明が終わりしだいうかがうことにします」

15: 2009/06/08(月) 21:55:15.92 ID:cZK90C2q0

JUM「えっと、それで、なんでこいつらに改造手術なんかを・・・」

ダロム「ええ、それには深いわけがありまして」

ダロム「まずは私ども、暗黒結社ゴルゴムの活動について理解していただかねばなりません」

ダロム「そこそこ長い話ですので、今のうちにお手洗いなど済ませておいてくださいね」

JUM「あ、じゃあお言葉に甘えて(何だこの人・・・)」

16: 2009/06/08(月) 21:57:32.89 ID:cZK90C2q0

ダロム「」ズズズズズ

JUM「遅くなりました」

ダロム「あ、いえいえ。すいません、紅茶のおかわりいただけますか?」

JUM「あ、はい・・・(本当になんなのこの人)」

ダロム「」ズズズズズ

ダロム「紅茶入れるの、お上手ですねぇ」

JUM「ええまあ、慣れてますから。それよりも説明を・・・」

ダロム「ああ、そうでしたそうでした」

18: 2009/06/08(月) 21:59:44.65 ID:cZK90C2q0

ダロム「私どもゴルゴムは、人類が誕生するはるか以前から地球を支配してまいりました」

ダロム「人類誕生の後は、人類を滅ぼし怪人の怪人による怪人のための世界を作るため、創世王様のもと、奮闘しておりました」

ダロム「実際、政治家など人間たちの中にわれわれに従う人種も大勢おりました」

ダロム「ですが、今から20年ほど前、創世王様に寿命が近づきました」

ダロム「われわれは早速、二人の世紀王を選出しました」

JUM「世紀王というのは?」

ダロム「次期創世王のことです。五万年に一度、二人の世紀王を戦わせ、勝利したほうが次の創世王となるのです」

20: 2009/06/08(月) 22:02:16.34 ID:cZK90C2q0

ダロム「ところが問題がおこりました」

翠「問題?」

ダロム「世紀王とするべく改造手術を施した二人のうち、片方が脳手術の前に逃げ出してしまったのです」

ダロム「しかも、仮面ライダーとか名乗って、ゴルゴムに歯向かってきました。がんばったんですが、われわれゴルゴムは壊滅しました」

JUM「(仮面ライダーって実在したのか)」

ダロム「そしてみんな氏にました」

JUM「氏っ!?」

JUM「じゃあなんであんた・・・」

ダロム「ああ、ちゃんと説明しますから落ち着いてください!」

22: 2009/06/08(月) 22:04:46.98 ID:cZK90C2q0

ダロム「それがですね。2年前、いきなり私と後二人の大神官だけが、生き返りました」

JUM「なんで生き返ったかわからないんですか?」

ダロム「その辺りの調査にぬかりはありません。調べた結果、聖なる海の洞窟というところに命のエキスというものがありまして」

JUM「ふんふん」

ダロム「どうも土地開発かなにかでその洞窟が崩れてしまったらしく」

JUM「ふんふん」

ダロム「その命のエキスが空気中に蒸発してしまったようです」

ダロム「それのおかげで、ゴルゴムの中でも比較的力のあった大神官だけが復活したみたいです」

JUM「はあ、なるほど(聖なる海の洞窟とか命のエキスとか、わけがわからん)」

25: 2009/06/08(月) 22:06:24.15 ID:cZK90C2q0

ダロム「さて、ここまでで、過去のゴルゴムの活動方針はご理解いただけたことと思います」

JUM「ええまあ。人類滅亡、世界征服、世紀王選出ってとこですよね?(あれ・・・ひょっとして今、命の危機?)」ススス

ダロム「なぜ微妙に距離をとったんです?」

JUM「いや、気にしないでください」

26: 2009/06/08(月) 22:08:54.44 ID:cZK90C2q0

ダロム「続けますよ。現在のゴルゴムの活動方針を説明させていただきます」

ダロム「まず、復活したわれわれ大神官は、人類滅亡をあきらめました」

翠「え・・・なんでですか?」

ダロム「怪人は誰もいないし、いろいろ指示をくださった創世王様もおられないので・・・」

ダロム「大神官三人だけでは無理だと判断いたしました。それに、いまや人類は地球上の最大勢力」

ダロム「いまやというか、20年前もそうでしたけど」

ダロム「滅亡させるよりも、友好な関係を結んでいったほうが何かと得じゃないですか」

27: 2009/06/08(月) 22:10:58.75 ID:cZK90C2q0

JUM「ということは、世界征服も・・・?」

ダロム「え?それはやらせていただきますよ?」

JUM「!?」ススススス

ダロム「だから、何で距離をとるんですか」

28: 2009/06/08(月) 22:12:35.28 ID:cZK90C2q0

ダロム「心配なさらずとも、もう力と恐怖による支配なんて考えておりませんよ」

ダロム「それで一度失敗しているわけですし」

JUM「はあ、それならいいんですけど・・・」

ダロム「ですから、もう一度ゴルゴムを復興し、人間の協力者を大勢つくり、人類社会を真っ当に支配したいわけです」

ダロム「そうですね・・・手始めに日本のCO2はいしゅちゅりょうを半分以下にしましょうか」

ダロム「喘息とかこわいですし」

翠「言えてねぇですよ」

31: 2009/06/08(月) 22:15:02.89 ID:cZK90C2q0

翠「というか、もう活動方針とかはいいですから、さっさと翠星石たちを改造した理由を言うですぅ」

ダロム「おお、うっかり忘れかけておりました」

ダロム「われわれがローゼンメイデンの皆様を改造した理由とは・・・」

翠「」ゴクリ

JUM「」ゴクリ




~別室

真紅「」モグモグゴクン

真紅「意外とカステラと餡子ってあうのだわ。渋いお茶が一杯、怖いのだわ」

32: 2009/06/08(月) 22:17:05.11 ID:cZK90C2q0
>>29
ありがとうございます!
数少ないローゼンSSがこんなんで、ほんとすんません。。。

33: 2009/06/08(月) 22:18:38.65 ID:cZK90C2q0

~居間

ダロム「・・・っと、すいません。お手洗いお借りします」

翠「ボフゥッ、ちょ、ちょっとじじい!」

JUM「ゴフッ、・・・えっと、玄関側に行って左です」

ダロム「すいませんねぇ。歳をとるとトイレが近くて」トコトコトコ

JUM「(あの服の下って、どうなってんだろう)」

34: 2009/06/08(月) 22:20:11.96 ID:cZK90C2q0

ダロム「えっと、どこまで話しましたっけ?」

JUM「ドールを改造した理由からです(怪人もボケになったりするのかなぁ・・・)」

ダロム「そうでしたそうでした」

ダロム「ローゼンメイデンの皆様には、世紀王になっていただくために改造手術を施しました」

JUM「せ、世紀王に!?」

翠「翠星石たちを!?」

ダロム「ええ。現在ゴルゴムは、創世王不在の状態でございます。トップが不在では、組織としてとても頼りない」

ダロム「そこで、ローゼンメイデンの皆様に世紀王になっていただき、生き残った方にルールどおり創世王となっていただこうと思いまして」

JUM「なんてこった!こんな大事な話のときに、真紅はどこに行ってるんだ!」


~別室

紅「」ゴホッ

紅「ヤヴァイのだわ。お茶なしでカステラは氏ねるのだわ」

35: 2009/06/08(月) 22:22:29.24 ID:cZK90C2q0

~居間

翠「ちょっと待つですぅ!翠星石たちは、アリスになるためにアリスゲームをやってるです!」

翠「そんなわけのわからない、創世王とかいうのになるために戦ってるわけじゃないですぅ!!!」

ダロム「ご心配なく。どうぞお気のすむまでアリスゲームをお続けになってください」

翠「へ?」

ダロム「われわれ怪人は寿命が五万年ほどありますので、決着がつくまでいくらでも待たせていただきます」

ダロム「アリスとやらにおなりになったあとで創世王になっていただいても、こちらは一向にかまいませんので」

ダロム「それに、創世王のほうは話し合いなどの平和的手段で決めていただいても結構でございますよ」

翠「え?ええ?」

36: 2009/06/08(月) 22:24:58.51 ID:cZK90C2q0

ダロム「それにですね、翠星石さん。創世王になっていただければ、物凄くいい思いができますよ」

ダロム「創世王というのはゴルゴムの支配者にして守護神。神様扱いで毎日ウッハウハです」

翠「ウッハウハ・・・」

ダロム「さらに!」

翠「さらに!?」

ダロム「ゴルゴムが世界征服を成し遂げた暁には、実質的な世界の支配者!なんでも貴女の望むがままです!」

37: 2009/06/08(月) 22:27:20.83 ID:cZK90C2q0
翠「なんでも望むがまま・・・」

ダロム「そうです!」

翠「けど・・・そうなったらJUMと会えなく・・・」

JUM「えっ!?」

翠「あっ!」

JUM「///」

翠「///」


~別室

紅「はっ!?」

紅「どこかでラブ米が実っている気配がするのだわ!」モグモグ

38: 2009/06/08(月) 22:28:43.41 ID:cZK90C2q0

JUM「えっと、いくつか訊きたいことがあるんですけど」

ダロム「なんなりと」

JUM「なんでこいつらを世紀王に選んだんです?」

ダロム「人間を改造したら、人権団体がうるさいじゃないですか」

JUM「え・・・そんな理由で?」

ダロム「怖いんですよ、人権団体。それに、ある程度人間的な思考を持っていないと、創世王になっても的確な指示なんてできませんし」

ダロム「人間だって納得しないでしょうし」

ダロム「桜田さんだっておいやでしょう?ハエとアブの怪人を戦わせて、勝った方が世界の支配者なんて」

JUM「そりゃまあそうですけど」

40: 2009/06/08(月) 22:31:54.79 ID:cZK90C2q0

JUM「それじゃあ次の質問ですけど」

ダロム「はいはい」

JUM「具体的に、どんな改造をしたんです?仮面ライダーみたいに変身とかできます?」

ダロム「おやおや、流石はオトコのコですねぇ。食いつきどころが違う」

翠「JUM!」

JUM「すまん翠星石!改造されたお前らには悪いが、こういうのは僕の浪漫回路がほってはおかんのだ!」


>>39
緑の翠星石は究極のドールです
黒い水銀燈はシャワーを浴びます

41: 2009/06/08(月) 22:33:40.14 ID:cZK90C2q0

ダロム「まず、世紀王の証、キングストーンを埋め込ませていただきました」

JUM「キングストーン?」

ダロム「はい。ちょっと待ってください」ゴソゴソ

ダロム「これがキングストーン、『海王星の石』です。これがエネルギー源となります」

JUM「へー、紫色に光ってますねぇ」

ダロム「このキングストーンは『水星の石』から、この『海王星の石』までセットになってまして」

ダロム「ローゼンメイデンの皆様に、順番に振り分けさせていただきました」

ダロム「ちょうどコレだけ余ってるんですよ。お見せするのに持ち歩いててよかったです」

JUM「へぇ(水銀燈と金糸雀は『水』と『金』で、ある程度合ってるけど・・・)」

ダロム「いやあ、順番どおりにやったら、色のイメージとか名前のイメージとか結構バラバラになっちゃいましてねぇ」

JUM「(やっぱり)」

42: 2009/06/08(月) 22:35:33.00 ID:cZK90C2q0

JUM「それで、変身のほうは・・・」

ダロム「できます」

JUM「うほほ!」

翠「喜ぶなですぅ!」

45: 2009/06/08(月) 22:39:37.03 ID:cZK90C2q0

翠「なんでそんな余計な機能をつけるですか!」

ダロム「余計なとはなんですか!あなたたちの身体じゃキングストーンのエナジーを使いこなせないから、わざわざ変身機能を付けたんですよ!」

ダロム「キングストーンは、精神に影響するほどの力を持っています」

ダロム「変身機能をつけなかったら、下手をすると性格が変わってしまったり、妙に個性がきつくなったりするかもしれないんですよ!」

ダロム「それを放置していたらキングストーンの力が暴走して、身体が気持ち悪く変形するかもしれないんです」

翠「うっ・・・」

ダロム「それに、問答無用で異形になるよりは、元の姿をベースに戦闘の時だけ変身したほうが、精神への負担も少ないでしょう」

翠「そ・・・それもそうですぅ・・・」

翠「はっ、違う!そもそも改造してんじゃねぇですぅ!」

46: 2009/06/08(月) 22:41:49.06 ID:cZK90C2q0

JUM「もうひとついいですか。こいつらが組織を壊滅させたって言ってたんですけど・・・」

ダロム「いやあ、お恥ずかしい。あの時は大変でした」

ダロム「皆さん無意識に変身されてたんで、変身したことには気付いておられなかったみたいですけど・・・」

ダロム「最大パンチ力10tとか、正直やりすぎたと思いましたよ」

JUM「(よく生きてるなこの人・・・あ、怪人か)」

47: 2009/06/08(月) 22:43:49.95 ID:cZK90C2q0

ダロム「まあ、キングストーンの埋め込みと身体の強化改造が終わって、あとは脳改造だけだったんです」

JUM「脳改造・・・」

ダロム「いえ、服従させようとかそういうことじゃないんです」

ダロム「ただ、世紀王として戦っていただくことだけ、インプットしておこうと思いまして」

ダロム「ですがそこで、計算外の事態が発生しました」

JUM「人工精霊の手助け・・・ですね」

ダロム「違います」

49: 2009/06/08(月) 22:46:08.96 ID:cZK90C2q0

ダロム「脳改造しようとした私の前に立ちはだかった、大きな壁」

ダロム「それは・・・!」

JUM「」ゴクリ

翠「」ゴクリ

ダロム「・・・もう一回お手洗いお借りします」

JUM「・・・ええはいそうなるだろうとは思ってましたどうぞ」

51: 2009/06/08(月) 22:49:03.11 ID:cZK90C2q0

~柏葉宅

???「すいません。こちら雛苺さんの元マスターの、柏葉巴さんのお宅でしょうか」

巴「えっと、どちらさま?」

???「押忍!自分は暗黒結社ゴルゴムというところで大神官やってる、バラオムという者っす!」

巴「・・・何の御用で?」

バラオム「押忍!実は(略)五万年(略)脳改造で(略)世紀王の(略)CO2(略)っす!」

巴「・・・オレンジレンジ?」

バラオム「それはO2っす」

52: 2009/06/08(月) 22:51:01.69 ID:cZK90C2q0

巴「えっと、とりあえずインターホンで全部説明されるとは思いませんでした」

バラオム「自分も、いつになったらドアを開けてもらえるのか不安だったっす」

バラオム「近所の人が物凄く見てるんで、できれば入れてもらいたいっす」

キィー

巴「どうぞ(うわ、なんか岩みたいな顔の人・・・)」

トトト

雛「あー、悪人が来たの!」

バラオム「雛苺さん、それはヒドイっす!これお土産の苺大福っす!」

クルリ

雛「トゥモエ!この人が悪人っていうのは実は嘘なの!」

巴「(家にあげてもいいのかしら・・・)」


>>50
なんかそんな同人誌、読んだような記憶が・・・

53: 2009/06/08(月) 22:54:28.21 ID:cZK90C2q0

巴「えっと、お茶です」

バラオム「ありがとうございますっす」

巴「・・・」

バラオム「・・・」ズズズ

バラオム「さっきインターホンで全部喋ったんで、実はもう話すことがないっす」

巴「ですよねー」

54: 2009/06/08(月) 22:56:25.63 ID:cZK90C2q0

~結菱邸

一「なるほど。ゴルゴムの噂なら私も聞いたことがある。蒼星石を改造したことも信じよう」

一「しかし、壊滅したという話を聞いたのだが・・・まあ、いろいろ事情があるのでしょうな」

???「ありがとうございます。できれば蒼星石さんに、鋏を突きつけるのをやめさせていただきたいのですけど」

一「これは失礼。蒼星石」

蒼「はい、マスター」スッ

一「ところであなた、お名前はなんとおっしゃるのかな。蒼星石のことを聞くのに集中して、すっかり忘れていた」

???「あら、あたくしとしたことが。申し遅れました。あたくし、ビシュムと申します」

ビシュム「ゴルゴムで大神官をやっておりますの」ニコッ

蒼「(化粧が濃いなぁ)」

55: 2009/06/08(月) 22:59:42.66 ID:cZK90C2q0
~病院

めぐ「大丈夫、大丈夫よ水銀燈・・・」

銀「平気平気平気・・・」

めぐ「あれは夢、アレは夢・・・」

銀「何も見えない、聞こえない・・・」

???「キィー!キィー!(開けてください!入れてください!)」ガタガタ

めぐ「ひぃぃぃ!いやああああ!」ヒシッ

銀「コウモリのお化けなんているわけないのよぉ!あれは幻覚なのよぉ!」ガシッ

めぐ「ううう・・・あれ?静かになった・・・」

めぐ「ひぃ!コウモリがスケッチブックと極太マッキーを!」

56: 2009/06/08(月) 23:02:56.98 ID:cZK90C2q0

コウモリ「・・・(言葉が通じないって不便だなぁ)」キュキュキュ

銀「何か書いてる!何か書いてるわよぉ!」

コウモリ「キィー(ほら、読んで読んで!)」

めぐ「見せてきた!何か見せてきた!」

銀「ひっく、ぐす・・・えっと、『僕はゴルゴムのコウモリ怪人と言います』・・・」

コウモリ「キィー(そうそう、落ち着いて・・・)」ペラリ

銀「五万年ごと(略)政治経済(略)うっはうはの(略)CO2(略)ですって?」

めぐ「水銀燈、どういうこと?危なくないの?」

銀「たぶん大丈夫よぉ・・・」

めぐ「そうなの・・・。あ、安心したら心臓が・・・」ゴフッ

銀「ギャー!めぐが吐血したぁ!誰か、誰かたすけてぇ!!!」

コウモリ「キィー(いいから窓開けてくれないかなぁ)」

57: 2009/06/08(月) 23:04:45.59 ID:cZK90C2q0

~桜田家

ダロム「えっと、孫が肩たたき券に透かしをいれてたところまで話しましたっけ?」

JUM「そんな話してませんよ。っていうか孫いるんですか」

ダロム「え?いませんけど」

JUM「(ボケてる・・・のか?)」

58: 2009/06/08(月) 23:07:17.37 ID:cZK90C2q0

ダロム「そうそう、脳改造の話でしたね」

ダロム「ローゼンメイデンの皆さんを改造しようとしたわれわれは、ひとつの大きな壁にぶちあたりました」

ダロム「それは・・・」

JUM「」ゴクリ

翠「」ゴクリ

ダロム「実は・・・皆さんドールですから、脳みそが無かったんです!!!」バァーン!

JUM「!ナ、ナンダッテー(棒読み)」

翠「・・・」

翠「・・・もうこのじじい、追い出すです」

59: 2009/06/08(月) 23:09:47.04 ID:cZK90C2q0

ダロム「いやあ、どうしようか悩んでいるうちに目覚めた皆さんに思い切りやられちゃいました」

JUM「そして、アジトに火をつけられて、今に至ると」

ダロム「そういうわけです」

ダロム「ご理解いただけたでしょうか」

JUM「ええ、まあ・・・」

バーン!!!

紅「ちょっと待つのだわ!」

JUM「真紅!今までどこにいたんだよ」

翠「・・・口の端に餡子がついてるですぅ」

60: 2009/06/08(月) 23:12:58.03 ID:cZK90C2q0

紅「そんなことはどうでもいいのだわ」フキフキ

翠「(タルトって、ひょっとして一六タルトだったですか?)」

紅「ダロムとやら!少し訊きたいことがあるのだわ」

JUM「おい、いくらなんでも、初対面の人を呼び捨てってのは・・・」

ダロム「いえ、構いませんよ。世紀王に御仕えするのがわれわれ大神官の役目ですし」

ダロム「して真紅さん。訊きたいこととは何でございましょうか?」

61: 2009/06/08(月) 23:13:42.69 ID:cZK90C2q0

紅「あなた、さっき『五万年に一度、二人の世紀王を戦わせ』と言っていたわね」

紅「どうして今回は人数が多いのかしら?」

ダロム「選択肢は多いほうが良いじゃないですか」

紅「・・・それはそうなのだわ」

62: 2009/06/08(月) 23:15:49.89 ID:cZK90C2q0

紅「訊きたいことはもうひとつあるのだわ」

ダロム「はいはい、なんでしょう」

紅「私たちは、確か六人であなたたちのアジトを壊滅させたはず」

紅「拘束されていた手術台も、六つしか存在しなかった」

紅「なのに、キングストーンは『ひとつしか余っていない』」

翠「水、金、地・・・本当ですぅ!もうひとつ、『天王星の石』が余るはずですぅ!」

紅「納得のいく説明をしてもらうのだわ」

ダロム「・・・お二方とも、何かお忘れではございませんか?」

63: 2009/06/08(月) 23:17:29.28 ID:cZK90C2q0

紅「忘れて・・・?」

ダロム「ローゼンメイデンのドールは全員で七体でございましょう?」

紅「それはわかっているのだわ」

紅「問題は、『実体を持たないドールにキングストーンを埋め込めるのか』ということよ」

JUM「雪華綺晶、か・・・」

紅「ええ」

64: 2009/06/08(月) 23:19:26.12 ID:cZK90C2q0

ダロム「ふむ。単純すぎて、意外と考えが回らないようでございますね」

翠「なんですと!?」バッ

JUM「落ち着け。単純ってのはお前のことじゃなくて、たぶん答えのほうの話だ」ガシッ

ダロム「その通りです。単純な答えほど、『そんなに簡単であるはずがない』という意識が働いて、見落としがちなのでございますよ」

ダロム「実体がないなら、こちらで依り代を作ってやればよろしいのです」

ダロム「『天王星の石』はその依り代に埋め込んであります」

紅「馬鹿な・・・お父様の作った身体以外に私たちが宿れるはずが・・・」



ダロム「ええ、ダメでした。ピクリとも動く気配がありません」

紅「」ガクリ

66: 2009/06/08(月) 23:22:33.80 ID:cZK90C2q0
>>65
ローゼンキャラ+三神官+コウモリ怪人だけで扱いきれる人数のキャパを超えました。
その三人は出したい、凄く出したいです。。。
けど地力が・・・

68: 2009/06/08(月) 23:24:50.01 ID:cZK90C2q0

ダロム「ですから、残った六体の皆様にはアリスゲームのほうを頑張っていただきたいのです」

ダロム「別に、無理して今までと違うことをしていただかなくても結構でございますよ」

ダロム「これ、私の名刺です。何かあったらこの番号に電話していただけますか?」

JUM「あ、はい」

ダロム「0120-15-5656です。『行こー、ゴルゴム』と覚えてください」

JUM「(あ、ちゃんと語呂合わせ作ってる)」

ダロム「おっと、もうこんな時間ですか。それでは私、草笛様のお宅に伺わないとなりませんので、そろそろ失礼いたします」

ダロム「・・・すいません。最後にお手洗いお借りします」

JUM「(はぁ・・・)どうぞ」

69: 2009/06/08(月) 23:28:33.83 ID:cZK90C2q0

~翌日

紅「というわけで、第一回姉妹会議を行うのだわ」

JUM「なんでうちでやるんだ。nのフィールド行けよ」

紅「つべこべ言うななのだわ。それじゃあ点呼をとるのだわ」

銀「1!!!」

翠「・・・2」

蒼「・・・・・・3」

雛「・・・4・・・なの」

銀「・・・あんたたち、なんでそんなにテンション低いのよぉ?」

翠「お前のテンションが高すぎるんですぅ」

雛「きもいのよー」

銀「ひどいわ!久しぶりに会ったおねぇちゃんにそんなこと言うなんて!」

71: 2009/06/08(月) 23:36:51.05 ID:cZK90C2q0

紅「盛り上がってるところ悪いのだけれど、一人足りないのだわ」

蒼「え?みんないるだろう?」

紅「いないのだわ。二番目の、お・ね・ぇ・ちゃん、が」

翠「ああ、そういえばそうですぅ。」

銀「(うう・・・『おねぇちゃん』って言わずに普通に呼べば良いのにぃ・・・)」

雛「何をもじもじしてるの?お・ね・ぇ・ちゃん?」

銀「あうう・・・///」


72: 2009/06/08(月) 23:37:50.65 ID:cZK90C2q0

~ゴルゴムのアジト

ダロム「うーん、何か忘れておるような気が・・・」

バラオム「押忍!10時のおやつがまだっす!」

ダロム「いや、そんなことじゃなくて、世紀王様たちに関係することだったような・・・」

バラオム「昨日マスターさんたちのところに、ちゃんと説明に行ったじゃないっすか」

ダロム「だがなぁ・・・」

ビシュム「二人とも、そんな深刻な顔してないでお茶にしましょう」

ビシュム「今日のおやつは『ごんじり』ですわよ」

ダロム「ああ、ありがとう。まあ、思い出せないようなことだし、別にいいか」

バラオム「そっす!」

ダロム・バラオム『』チラリ

ダロム・バラオム『(紅茶でごんじりかぁ・・・)』

73: 2009/06/08(月) 23:39:37.61 ID:cZK90C2q0

~桜田家・居間

蒼「連れてきたよ」

金「話は全部、蒼星石から聞かせてもらったかしら」

紅「これで、世紀王が全員揃ったのだわ。それでは姉妹会議を始めるのだわ」

紅「まずは現在、私たちがおかれている状況を確認するのだわ」

キュポッ キュキュキュー

・改造されて変身機能がついた(変身後の形態は不明)。

・世紀王とかいうのになっていて、勝ち残ったものが創世王とかいうのになる。

・アリスゲームの結果とは切り離して考えてOK。

・キングストーンという凄い力の源が埋め込まれた。

・精神に変調をきたすかも。

・第七ドールは世紀王になってない。

74: 2009/06/08(月) 23:41:09.71 ID:cZK90C2q0

翠「昨日じじいから聞いたのは、そんなもんでしたね」

金「精神に変調・・・って、そんなこと聞いてないかしらー!?」

蒼「言ってないからね」

紅「ま、だいたいのことは書き出せたのだわ」

JUM「・・・なあお前たち、ひとついいか?」クルリ

76: 2009/06/08(月) 23:44:39.59 ID:cZK90C2q0

紅「ん、どうしたのだわ?」

JUM「今着てるこのTシャツな、けっこう気に入ってるやつなんだよ」

紅「へ、へぇ・・・」

JUM「それはそうと、さっき背中に圧力を感じたんだけど、まさか・・・なぁ?」

JUM「僕の背中、ホワイトボード代わりに使ったりしてないよなぁ?」

紅「え、ええっと・・・」

銀「真紅!さっさと謝っちゃいなさいよぉ!」ヒソヒソ

紅「無理無理無理、無理なのだわ!許してもらえるわけないのだわ!」ヒソヒソ

JUM「何をこそこそしゃべっとるかぁ!!!」

紅・銀『ひぃっ!』

77: 2009/06/08(月) 23:47:00.11 ID:cZK90C2q0

ピカーーーッ!!!

JUM「うおっ、まぶしっ!」バタンキュー

翠「真紅のおなかが光ってJUMが倒れたですぅ!」

雛「見たらわかること言う必要ないの!JUM、大丈夫なの!?」

紅「な・・・なんなのだわ、今の光は!?」

金「光ってたのはおへそのあたりかしらー」

蒼「まさか今の光は、キングストーンのエナジーの迸りなのか?」

金「物凄い力を感じたかしら。あれはただの光じゃないかしら」

JUM「あたた・・・あれ?僕はなんで倒れてるんだ?」


79: 2009/06/08(月) 23:50:41.39 ID:cZK90C2q0

紅「それじゃあJUMのほうは片付いたし、創世王の問題のほうを解決するのだわ」

翠「す、翠星石は絶対にいやですぅ!そんなのなりたくないですぅ!」

蒼「僕もお断りさせてもらうよ」

銀「私だっていやよぉ!」

雛「ヒナもいやなの。トゥモエやJUMと離れたくないの」

金「カナだっていやかしら」

紅「そう・・・私たちは皆、今の幸せな状態が続くことを望んでいる」

紅「創世王になるということは、その輪からはなれてしまうということ」

81: 2009/06/08(月) 23:52:35.31 ID:cZK90C2q0

紅「なら話は簡単。この幸せな状態が終わってから、創世王を選べばいいのだわ」

金「終わってからって・・・何時になるかしら?」

銀「マスターが全員氏んでからと考えると、半世紀は待つわね」

翠「みんな氏んでから・・・」

全員『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

全員『』グスッ

82: 2009/06/08(月) 23:55:19.94 ID:cZK90C2q0

紅「湿っぽい話は終わりにするのだわ」ゴシゴシ

蒼「でも、半世紀も待たせるのはちょっと・・・」ゴシゴシ

翠「あ。じじいが五万年くらいは待てるって言ってたですぅ」ゴシゴシ

蒼「長っ!!!」

雛「その頃にはヒナたち、千の風になってるのよー」


83: 2009/06/08(月) 23:57:47.87 ID:cZK90C2q0

紅「それじゃ次は、アリスゲームのことを考えるのだわ」

紅「アリスゲームが終わらないと、創世王は選べないのだわ」

蒼「中途半端に脱落するのはいやだもんね」

紅「しかし、創世王を選べないのと同じ理由で、現在アリスゲームは進展していない・・・」

金「当然かしら。姉妹仲良しな状況をわざわざ壊すことはないかしら」

紅「けれど、私たちが生まれた目的は、至高にして究極の少女となること」

紅「いつまでもそのことから眼をそらし続けることはできないのだわ」

85: 2009/06/08(月) 23:59:32.36 ID:cZK90C2q0

紅「なぜアリスゲームが止まっているか」

紅「それは、敗者は勝者にローザミスティカをさしださなければならないというルールがあるから」

紅「姉妹を物言わぬ人形に変えてしまうなど、今の私たちには耐えることなどできない」

銀「そうよぉ。可愛い妹にそんなことできないわぁ」

紅「だけど、ひょっとしたらアリスゲームを再開できるかもしれない」

蒼「ストップ、真紅。君が言いたいことがなんとなくわかってきたよ」

蒼「君はこう続けるつもりだろう?『ローザミスティカが無くても、活動を停止せずにすむかもしれない』と」

87: 2009/06/09(火) 00:12:12.75 ID:4Uj8cQ3W0
ダロム「番組の途中ですがお知らせです」

ダロム「命のエキスの力で復活したのは、『比較的力のある』神官だけです」

ダロム「『とても力のある』前創世王さまや邪眼さまが復活しないのはなぜか」

ダロム「えー、前創世王さまは寿命でしたので体力が持ちませんでした」

ダロム「邪眼さまは氏んだのではなく消滅したので、復活できませんでした」

ダロム「e9UbSgWEOさま、ということでひとつお願いいたします」

ダロム「それでは引き続き、(がっかり仕様を)お楽しみください」

88: 2009/06/09(火) 00:14:10.29 ID:4Uj8cQ3W0

紅「何かおかしなものが聞こえたような気がするけれど・・・無視するのだわ」

紅「・・・ええ、貴女の言うとおりよ、蒼星石」

金「キングストーンがあるから、かしら?」

紅「」コクリ

銀「ちょっと待ちなさい。ローザミスティカを失った私たちが、ローゼンメイデンとしての自我を保てると思うのぉ?」

金「その通りかしら。それに、お父様からいただいたこの身体とローザミスティカ、二つ揃ってこその薔薇乙女かしら」

翠「・・・心配すんなですぅ。たとえローザミスティカを失っても、姉妹であることには変わりないですぅ」

紅「翠星石の言うとおりなのだわ」

紅「どのような結果になろうとも、私たちの絆は切れたりはしないのだわ」

銀「真紅・・・」

89: 2009/06/09(火) 00:16:45.83 ID:4Uj8cQ3W0

蒼「真紅、ひとついいかい?」

紅「なにかしら」

蒼「キングストーンがローザミスティカの代わりになるかどうか、どうやって調べるつもりだい?」

銀「あ・・・そうよぉ!それがわからないと、アリスゲームは再開できないわよぉ!」

紅「それは問題ないのだわ」

紅「雛苺!」

雛「うゆ?」


ID変わってましたね・・・

90: 2009/06/09(火) 00:18:50.96 ID:4Uj8cQ3W0

紅「貴女はアリスゲームで私に負けた・・・今はマスター不在の状態よね」

雛「なの」

紅「だけど、私を介してJUMの力を受け取っている」

雛「なの」

紅「雛苺」

雛「?」

紅「ローザミスティカを出して頂戴」トッス

雛「!?」

91: 2009/06/09(火) 00:20:53.37 ID:4Uj8cQ3W0
グイン

紅「小磯流古武術奥義、心臓徹し!!!」ドンッ

雛「カハッ・・・!」

翠「あれは!ゼロ距離で瞬発力によって衝撃だけを後方に撃ち抜く荒業!」

金「真紅も翠星石も、漫画の読みすぎかしら」

銀「ちょっとぉ!だいじょうぶなのぉ!?」

紅「大丈夫なのだわ。普通の打撃よりも段違いに安全な技なのだわ」

紅「あ、雛苺の背中からローザミスティカが出てきたのだわ」

フヨフヨ パシッ

紅「ゲットなのだわ」

92: 2009/06/09(火) 00:22:30.35 ID:4Uj8cQ3W0
グイン

紅「小磯流古武術奥義、心臓徹し!!!」ドンッ

雛「カハッ・・・!」

翠「あれは!胸に手を当てた状態から瞬発力で衝撃だけを後方に撃ち抜く荒業!」

金「真紅も翠星石も、漫画の読みすぎかしら」

銀「ちょっとぉ!だいじょうぶなのぉ!?」

紅「大丈夫なのだわ。普通の打撃よりも段違いに安全な技なのだわ」

紅「あ、雛苺の背中からローザミスティカが出てきたのだわ」

フヨフヨ パシッ

紅「ゲットなのだわ」

93: 2009/06/09(火) 00:23:22.00 ID:4Uj8cQ3W0
ミスりましたorz


紅「さて、あとは雛苺が動けるかどうかを確かめるだけなのだわ」

紅「よいしょ」

紅「喝!」

雛「ゲフゥ!川の向こうにコリンヌが!」

紅「おはよう、雛苺」

銀「全然だいじょうぶじゃないじゃないのぉ!」

紅「起きたんだからだいじょうぶなのだわ」

94: 2009/06/09(火) 00:26:02.24 ID:4Uj8cQ3W0

紅「雛苺、ちゃんと身体は動く?おかしなところはない?」

雛「えっと・・・」

ピョンピョン
クルクル
トントン
グルグル
ハドーケン
パタパタ

雛「大丈夫なの。ちゃんと動くの」

95: 2009/06/09(火) 00:28:58.22 ID:4Uj8cQ3W0

蒼「どうやら問題ないみたいだね」

紅「そのようね。これでアリスゲームは再開できるのだわ」

紅「あ、雛苺はもう脱落なのだわ。忘れちゃダメよ、雛苺」

雛「・・・」

紅「雛苺?」

雛「・・・ううう」

雛「ああーっ!!!」

雛以外『っ!!?』

97: 2009/06/09(火) 00:31:43.53 ID:4Uj8cQ3W0

シュバァッ

金「雛苺の身体が・・・苺轍に覆われていくかしら!」

翠「その隙間から光が漏れてるですぅ!」

蒼「あれはキングストーンの輝き!?なんてエネルギーだ!」

銀「なに?なに?なんなのぉ?」

紅「苺轍がほどけていくのだわ!ああっ!蒸気が?」

雛「」プシュー

雛「・・・・・・創世王の座はヒナのもの・・・」

翠「なんか口走ってやがるですぅ!」

98: 2009/06/09(火) 00:33:07.70 ID:4Uj8cQ3W0

翠「あれが『精神に変調』とかいうやつですね」

翠「ん?なんだか、肌の色が茶色くなってるみたいですぅ」

翠「髪も黒くなってるしおでこに赤い点もついてるし、インド人にしか見えんですよ」

銀「あれ?首にもなにか・・・」

雛「・・・」ギロリ

99: 2009/06/09(火) 00:35:18.17 ID:4Uj8cQ3W0

雛「苺轍!」ヒュンッ

紅「アーッ!!!」パシッ グルグル

蒼「庭師の鋏!」ズバッ

ドスッ

紅「助かったのだわ、蒼星石!」

蒼「お礼は後、とりあえず逃げるよ!ほら、みんなも!」

銀「わかったわぁ!」

100: 2009/06/09(火) 00:36:15.27 ID:4Uj8cQ3W0

紅「怖かった・・・。ひょっとしてあれが『変身』なのかしら」

蒼「そうだろうね。苺轍のスピードも洒落にならなかったし、怖ろしい力だよ」

紅「とりあえず、居間に閉じ込めることには成功したのだわ」

金「カナの策が大成功かしら」

金「でも、雛苺が壊したところの時間を巻き戻し続けるのは、物凄く力が必要かしら」

紅「細かいことは気にしないのだわ」



~JUMの部屋

JUM「うおおお!指輪が熱い!!!」

JUM「熱い!」

JUM「あっつい!!!」

JUM「ぎゃあああ!!!」

101: 2009/06/09(火) 00:40:21.10 ID:4Uj8cQ3W0

~廊下

銀「なんか、上から悲鳴が聞こえるわよぉ」

紅「そんなこと気にしている場合ではないのだわ。翠星石。ダロムに電話してちょうだい」

翠「は、はい!えっと、フリーダイヤル、イコーゴルゴム・・・」

紅「ああっ、再生が間に合わなくなってきたのだわ!金糸雀も手伝ってちょうだい!」

金「わ、わかったかしらー!」


~みっちゃんち

みつ「ああああ!指輪が(略)

105: 2009/06/09(火) 01:07:27.12 ID:4Uj8cQ3W0
>>102
保守ありがとうございます
今度は間隔に注意していきたいと思いますorz



~廊下

???『はいもしもし、こちらいつもニコニコあなたの心を世界征服、暗黒結社ゴルゴムでございます』

翠「わけのわからん挨拶をしてる場合じゃないです!ダロムを出すです!」

ダロム『あ、その声は翠星石さんじゃありませんか。どうかなさいましたか?私がダロムですよ』

翠「丁度よかったです!じつは斯く斯く然々・・・」

ダロム『なんと!ローザミスティカを失った雛苺さんが暴走なさったと!』

ダロム『それは危険です!そのままキングストーンのエネルギーが尽きるまで暴走を続けると、今度こそ活動停止してしまうかも!』

翠「どうすればいいですか!」

ダロム『強い衝撃を与えて失神させれば、あるいは・・・っ!』

翠「わかったですぅ!サンキューです!」ガチャン

翠「真紅!斯く斯く然々ですぅ!」

紅「了解なのだわ!」

106: 2009/06/09(火) 01:13:03.31 ID:4Uj8cQ3W0

紅「けど、私と金糸雀は破損箇所の修復で動けないのだわ」

金「かしらー」

銀「ここは私にまかせてちょうだい!」

紅「水銀燈!?」

蒼「僕も手伝うよ」

銀「ダメよ。雛苺一人でもあの破壊力。大勢が戦えば被害も大きくなるわぁ」

銀「そうしたら再生が間に合わなくなる」

銀「だから私一人でいく」

蒼「そんな・・・」

銀「えっと、キングストーンが埋まってるのはおへその辺りだったわね・・・」

107: 2009/06/09(火) 01:18:58.47 ID:4Uj8cQ3W0

蒼「でも、苺轍に対抗できるのは僕の鋏くらいだ!だから僕が・・・」

銀「お馬鹿さぁん。妹が暴れてたら、叱ってあげるのは一番上のおねぇちゃんの役目よぉ」ニコッ

銀「全身を、力が、駆け巡る、イメェジッ!」

銀「変っ身っ!!!」

バサァッ

翠「羽が・・・水銀燈の身体を覆って・・・」

プシュー

翠「黒髪、褐色の肌、額の赤い点、雛苺と同じですぅ!」

108: 2009/06/09(火) 01:25:31.19 ID:4Uj8cQ3W0

銀「どうやらコレが変身後の共通の姿みたいねぇ。真紅、一瞬だけドアを開けてちょうだいな」

紅「わかったのだわ。三秒前からカウントするのだわ」

紅「3」

紅「2」

紅「1」

紅「今よ!」

バッ

111: 2009/06/09(火) 01:35:36.20 ID:4Uj8cQ3W0

ドンッ

ドサッ

ガチャッ

銀「もういいわよぉ」

翠「あ、元の姿に戻ってるですぅ」

銀「雛苺も元通りよ」

紅「あらほんと」

銀「心臓徹しで一発だったわぁ」

112: 2009/06/09(火) 01:42:30.80 ID:4Uj8cQ3W0
紅「それにしても、これでは危なくてアリスゲームを再開することなどできないのだわ」

ダロム「いや、そのことなんですが」

蒼「うわぁ!どこから湧いたんだ!」

ダロム「いえ、お電話いただいた直後に飛んできたんです」

コウモリ「キキィー(僕が運んできました)」

コウモリ「キィィー(じゃあ僕帰ります)」バサバサバサ

ダロム「あ、気をつけてね。帰るときはまた電話するからねーっ」

113: 2009/06/09(火) 01:46:56.84 ID:4Uj8cQ3W0

ダロム「さて、雛苺さんは自然に起きるまでそのままにしておいてください。無理やり起こすとまた暴走するかもしれません」

翠「わかったですぅ」

ダロム「それでは訊きたいことはなんでございましょうか?」

紅「まずは変身後の姿のことなのだわ。あのインド人みたいな姿はなんなのかしら?」

ダロム「わかりました。それではかいつまんで説明させていただきます」

114: 2009/06/09(火) 01:51:00.50 ID:4Uj8cQ3W0

ダロム「まず変身した後の姿ですが、精神に大きなストレスを与えぬよう、元の姿と大きく変わらないようにいたしました」

ダロム「しかし、まったく変わらないようにはできませんでした」

ダロム「キングストーンの力に耐えられるよう、変身後は強化皮膚・リプラスフォームに変わります」

蒼「なぜ茶色くなるんです?」

ダロム「本来リプラスフォームは黒色をしています。しかし、それではひどい違和感を与えてしまう」

ダロム「そこで、色素を減らして強度をギリギリ保てる茶褐色にしたのです」

翠「色素なんていらんですよ。翠星石の雪の肌が台無しですぅ」

ダロム「そうはいきません」

116: 2009/06/09(火) 02:11:27.80 ID:4Uj8cQ3W0

ダロム「自動車のタイヤはカーボンブラックという色素を大量に使用しています。これは強度を高めるためです」

ダロム「同じように、リプラスフォームの強度も色素の量によって変わってくるのです」

ダロム「白い肌のままだったら、変身した直後に身体が沸騰しますよ」

翠「ヒィッ」ガクガクブルブル

ダロム「同様の理由で、髪も黒くさせていただきました。そうしないと変身直後につるっぱげですので」

金「ひっ!禿げるのはいやかしら!」

119: 2009/06/09(火) 02:17:05.00 ID:4Uj8cQ3W0

ダロム「額の赤い点はアラートポイントといいまして、レーダー的な役割をします」

銀「そういえば、部屋の中の雛苺の立ち位置が外からわかったわぁ」

ダロム「そういったわけで、精神的ストレスや実際に戦闘することなどを考えて、あの姿になるわけです」

紅「ストレスとかはどうでも良いから、くんくんに変身できるようになりたかったのだわ」ボソリ

ダロム「なにかおっしゃいましたか?」

紅「な、なにも言ってないのだわ」

翠「どうせくんくんになりたいとか、そんなことですぅ」

紅「ちちちちちちがうのだわ!」

銀「(図星ねぇ・・・)」

120: 2009/06/09(火) 02:18:01.89 ID:4Uj8cQ3W0

紅「そそそそれよりも、なぜ雛苺が暴走したか教えるのだわ」

ダロム「ええ、お話を伺ったうえでの推論ではございますが」

ダロム「おそらく、キングストーンの力に慣れる前に、無理やりローザミスティカを抜き取ってしまったことが問題かと」

紅「えっ!?」

銀「へぇー。つまり、悪いのは・・・」

蒼「真紅だった、ってことかな?」チャキリ

紅「蒼星石、鋏をしまって!」プルプル

121: 2009/06/09(火) 02:22:31.52 ID:4Uj8cQ3W0
ダロム「キングストーンの力を制御していたローザミスティカが無くなって、抑えがきかなくなったんでしょうね」

ダロム「雛苺さんは精神も幼いようですし、また感情が昂ると暴走するかも・・・」

金「どうしたらいいかしら・・・」

ダロム「ちょっと待ってくださいね。えいっ!」ビビビ

銀「な、なにしてるのよぉ!」

ダロム「ちょっと改造ビームで改造を」

翠「これ以上改造してどうするですか!」

ダロム「いえいえ、ちょっとこれをみてください」

翠「なんですか?・・・あ、雛苺の手首と足首に、赤と黄色のしましまが。首にもあるです」

銀「変身した時にもあったわよ、そのしましま」

122: 2009/06/09(火) 02:26:50.28 ID:4Uj8cQ3W0

ダロム「そのしましまはパワーストライプスといいまして、力を溜めて制御するはたらきがございます」

ダロム「変身後はその部分で力を制御するのです」

ダロム「雛苺さんには一応、変身前に暴走しそうになった時も出てくるように改造させていただきました」

ダロム「普段は見えませんので、気になることは無いと思います」

蒼「本当だ、消えてきた」

123: 2009/06/09(火) 02:31:41.90 ID:4Uj8cQ3W0

ダロム「それでは私はこの辺で・・・」

翠「待つですぅ!変身のやり方も教えていきやがれですぅ!」

金「カナも知りたいかしら!」

蒼「僕も興味があるな」

銀「私が教えてあげるわ。これ以上お手数かけちゃダメよぉ」

ダロム「いえいえ、私は一向に構いませんが」

紅「(私も知りたいけど、タイミングを逃したのだわ・・・)」


~ゴルゴムのアジト

ビシュム「ぐふっ・・・バラオム、貴方いったいどういうつもり?」

バラオム「すまんっす、ビシュムさん。自分やっぱり、この方針転換にはついていけないっす」

124: 2009/06/09(火) 02:38:58.96 ID:4Uj8cQ3W0
ここまでで全体の半分くらいです
きりがいいのでこれでやめときます
22時くらいにまた後半部分のスレを立てたいと思います
後半は戦闘シーンとかもありますが、前半に輪をかけたがっかり仕様です
このスレはもう落としてしまってください

昨夜徹夜したのが祟ったか、さっきからヘッドホンのコードがぐにゃぐにゃ動いて見えてます

【ローゼンメイデン】真紅「悪の秘密結社を壊滅させたのだわ」後編

125: 2009/06/09(火) 02:45:25.17 ID:i7P1mkeN0
おつー

引用: 真紅「悪の秘密結社を壊滅させたのだわ」