1: 2009/06/09(火) 22:05:03.76 ID:4Uj8cQ3W0
~前編のあらすじ~

桜田家に突然現れた老人は自らをダロムと名乗った
ローゼンメイデンを改造したと言った
ローザミスティカを失った雛苺は暴走
変身した水銀燈の活躍によって雛苺の暴走は止まり、ダロムから変身のコツを教えてもらうこととなった
一方ゴルゴムのアジトでは、なにやら不穏な動きが・・・

【ローゼンメイデン】真紅「悪の秘密結社を壊滅させたのだわ」

※注意:ローゼン好きにもライダー好きにもがっかり仕様となっております

2: 2009/06/09(火) 22:08:40.21 ID:4Uj8cQ3W0

~ゴルゴムのアジト

ビシュム「ぐふっ・・・バラオム、貴方いったいどういうつもり?」

バラオム「すまんっす、ビシュムさん。自分やっぱり、この方針転換にはついていけないっす」

ビシュム「なにを馬鹿な・・・」

バラオム「ゴルゴムの目的は、人類とその文明の破壊。人間たちと同等の立場なんて、考えただけで虫唾が走るっす」

ビシュム「血迷ったの?これでもくらいなさい!」バシュッ

バラオム「」ヒョイ

ドカーン

ビシュム「な・・・!?」

バラオム「傷を負った身体では自分には勝てないっす。自慢の灼熱光球も、簡単に避けられるっす」
ローゼンメイデン BIGアクリルスタンド Bloom ver./真紅
3: 2009/06/09(火) 22:12:34.45 ID:4Uj8cQ3W0

バラオム「恨みとかはないけど、氏んでもらうっす」ビビビ

バリバリ

ビシュム「ああーっ!」バタリ

バラオム「すまんっす・・・。その胸の『地の石』、もらってくっす・・・」

カツカツカツカツ・・・

4: 2009/06/09(火) 22:13:25.95 ID:4Uj8cQ3W0

バサバサー

コウモリ「キキー(ただいまですー)」

コウモリ「キ?(あれ?)」

コウモリ「キキー!(ビシュムさん!)」

コウモリ「キキー!(大変だー!)」

バサバサー

5: 2009/06/09(火) 22:19:59.66 ID:4Uj8cQ3W0

~桜田家

ダロム「そうです!丹田に力を、意識を、集中する感じです!」

ダロム「そして各々、自分に合った力の動かし方をイメージするんです!」

雛「なんとなくコツがわかったの!」

金「あとはカッコいいポーズを考えるだけかしら!」

翠「チビどもははしゃぎ過ぎですぅ」

ダロム「もう私が教えられることはなにもありません・・・」

バタン

コウモリ「キィー!」

ダロム「おや?どうしたんだねコウモリ怪人君。そんなに慌てて・・・」

7: 2009/06/09(火) 22:26:42.19 ID:4Uj8cQ3W0

コウモリ「キィー!」

ダロム「なんと!それは一大事!急いで帰らなくては!」

紅「どうしたの、ダロム。何かトラブルかしら」

ダロム「いえ、私たち三神官の一人がアジトで氏んでいたらしくて」

翠「ええ!?それは大変ですぅ!」

8: 2009/06/09(火) 22:29:20.44 ID:4Uj8cQ3W0

ダロム「それでは急ぎますので!」

紅「お待ちなさい!nのフィールドを通ったほうが早いのだわ!」

紅「みんなも一緒に行くのだわ!」

雛「うぃ!」

金「了解かしらー!」

ダロム「真紅さん・・・ありがとうございます!」

トントントントン

JUM「さっきからなにドタバタやってるんだよ。指輪もむっちゃ熱くなってたし・・・」

銀「ちょうどよかったわぁ、あんたもついてくるのよぉ!」ガシッ

JUM「ええ!?なに、なに?なんなのさ!?」ズルズルズル


>>6
ありがとうございます!

9: 2009/06/09(火) 22:34:45.82 ID:4Uj8cQ3W0

紅「到着したのだわ」

ダロム「おお・・・ビシュム!なんということだ・・・っ」

ダロム「この傷・・・まさかっ!?いや、しかし・・・」

雛「どうしたの?」

ダロム「このはじけた皮膚が少し焦げたような傷のつき方」

ダロム「・・・バラオムの・・・衝撃光波によるものに酷似してます」

紅「まさか、仲間割れ?」

ダロム「信じられない・・・信じたくもないっ!」

ダロム「しかし目の前のビシュムの氏体を見る限り、バラオムの裏切りが濃厚に臭います」

ダロム「私は・・・どうすればっ!」

JUM「このままここで、そのバラオムさんが戻ってくるまで様子を見るってのは?」

ダロム「ふざけないでください!受身でいては、巻き込まれているだけでは、なにも進みはしません!」

10: 2009/06/09(火) 22:40:20.13 ID:4Uj8cQ3W0

紅「もう答えはでているわね」

紅「・・・闘うしかないのだわ。目の前の現実と」

ダロム「・・・理解はしています。あとは覚悟だけ・・・」

コウモリ「キィー!」

ダロム「ん、どうした?」

コウモリ「キィー!」

ダロム「・・・本当だ」

銀「どうしたの?」

11: 2009/06/09(火) 22:46:36.04 ID:4Uj8cQ3W0

ダロム「ビシュムの、地の石が無くなっています。おそらくは、バラオムが持ち去ったものかと・・・」

金「地の石?それもキングストーンかしら?」

ダロム「いえ、キングストーンには遠く及びません。が、それでもかなりの力を持っています」

ダロム「われら大神官のみが持つことを許された石。一体なにに使うつもりなのか・・・」

金「けっこう緊急事態かしらー」

ダロム「もはや一刻の猶予もありません。すぐにバラオムを見つけないと!」

パタパタパタ

翠「真紅!向こうにnのフィールドに入った痕跡を見つけたですぅ」

蒼「バラオムさんとやらは、確実にnのフィールドにいるよ」

紅「ダロム、聞いた?」

ダロム「ええ。すぐに向かいましょう」

12: 2009/06/09(火) 22:53:26.55 ID:4Uj8cQ3W0

~nのフィールド

ダロム「私たちはnのフィールドに自由に出入りすることはできません」

ダロム「無理に入ろうとするなら、膨大なエネルギーが必要になるでしょう」

ダロム「バラオムが地の石を奪ったのは、おそらくこのためです・・・」

ビビビビビ

紅「!?危ないのだわ!」ドンッ

ダロム「うおっ!?今のは、バラオムの衝撃光波!」

13: 2009/06/09(火) 22:57:45.85 ID:4Uj8cQ3W0

バラオム「気付かれたっすか・・・」

ダロム「バラオム!お前・・・なぜビシュムを頃した!」

バラオム「なんで?こっちが訊きたいっすよ。なんで人間なんかと共存しなくちゃならないんすか」

ダロム「貴様ぁっ!」

バラオム「悪いっすけど、怪人の世界のため、人類は滅亡させるっす」

バラオム「邪魔をするなら、世紀王のみなさんもまとめて始末させてもらうっすよ?」

金「ふざけるな!かしらー」

15: 2009/06/09(火) 23:03:44.74 ID:4Uj8cQ3W0

バラオム「とはいえ、五対一では分が悪いっすね」

バラオム「もうここでの用もすんだっす。さっさとこんな場所おさらばっす」ヒュン

紅「待つのだわ!みんな、追うわよ!」

翠「言われるまでもねぇですぅ!」

ダロム「まずい、このままではアジトで待っている桜田さんたちが!」


~アジト

JUM「・・・なんだかのけ者にされてる気分だなぁ」

雛「そんなことないのよー。JUMはただ足手まといなだけなのよー」

JUM「・・・・・・」

>>14
ありがとうございます!
さるさんは哀しかったです。。。

17: 2009/06/09(火) 23:09:56.33 ID:4Uj8cQ3W0

バラオム「おや?あんたは確か、桜田さんっすね」

JUM「うわぁっ!あんた誰だよ!なんで僕の名前を知ってるんだ!」

バラオム「ああ、あんたはこっちを知らなかったんすね。自分は三神官の一人、バラオムっす」

JUM「お前・・・僕たちを頃すつもりか?」

バラオム「まさか!そんなことしても、自分にはなんの得もないっす」

JUM「ただちょっと、自分がやることの邪魔をしないで欲しいだけっすよ」

雛「お前、やっぱり悪人だったのね」

銀「こら、雛苺!」

バラオム「気にしなくてもいいっすよ」

バラオム「怪人である自分の正義とあんたたち人間の正義はけっして重ならない、っていうことぐらい、理解してるっす」スタスタスタ

JUM「くっ・・・!」


>>16
5回くらいはいけたと思います。

19: 2009/06/09(火) 23:14:53.04 ID:4Uj8cQ3W0

ダロム「バラオムはどこだっ!」

JUM「うわぁっ!」

JUM「む、向こうの部屋に行きました」

銀「あの部屋になにがあるのかしらぁ?」

ダロム「あそこには・・・われわれが用意した、第七ドールのための依り代が保管してあります!」

ダロム「そうか、nのフィールドに入っていたのはそのためか!」

紅「ひょっとして、雪華綺晶と直接交渉するため?」

ダロム「おそらく!」

20: 2009/06/09(火) 23:18:04.23 ID:4Uj8cQ3W0

ドオーン!

銀「きゃあっ、扉が!」

蒼「危ないっ!」

ズバッ ガランガラン

銀「あ、ありがとう」

ダロム「まさか、もうアレが目覚めたか?」

紅「くっ、確かめに行くのだわ!」

バラオム「その必要は無い・・・」

21: 2009/06/09(火) 23:22:45.54 ID:4Uj8cQ3W0

ダロム「その声は、バラオムか!?」

バラオム「そうだ」ヌッ

金「ひっ!さっきと姿がぜんぜん違うかしらー!」

蒼「あの長く伸びた牙。おそらくサーベルタイガーの怪人、だね」

ダロム「バラオム、貴様まさか海の石を・・・」

バラオム「そのまさかだ。nのフィールドとあの依り代を繋ぐための標として、海の石を使った」

バラオム「今の俺は大神官バラオムではない!大怪人バラオムだ!」

ダロム「貴様、大神官としての能力を捨ててまで・・・」

22: 2009/06/09(火) 23:25:59.06 ID:4Uj8cQ3W0

ガシャン ガシャン

JUM「何の音だ?」

バラオム「紹介させてもらうとしよう。俺の新しい相棒だ」

???「ごきげんよう・・・」

JUM「か・・・仮面ライダー!?」

バラオム「その名を口にするな!!!」

バババババ

JUM「うわあ!!!」

バラオム「今のは警告だ。その忌々しい名を口にしたら、今度こそ当てる」

紅「さがっていて、JUM。衝撃光波の威力が上がっているわ」

24: 2009/06/09(火) 23:30:44.45 ID:4Uj8cQ3W0

バラオム「改めて紹介しよう。世紀王・雪華綺晶だ」

雪「お久しぶりですわ、お姉さま方」

翠「なんだか見た目としゃべり方に物凄い違和感があるですぅ・・・」

銀「メタリックな銀色の身体に緑色したまん丸の眼。人間サイズで男性型」

銀「よくそんなのに入ろうと思ったわねぇ」

雪「ふふふ、お二方とも強がりはおやめになってください」

雪「感じ取っているのでしょう?私の体からあふれる、キングストーンの力を」

25: 2009/06/09(火) 23:36:15.65 ID:4Uj8cQ3W0

雪「アリスとなるためなら、私は何でもいたします」

バラオム「だそうだ」

紅「そんな・・・貴女に薔薇乙女としての誇りはないの!?」

雪「私は薔薇乙女としての自分を捨てました。けれど、究極の少女となるために作られた、その意志は残る」

雪「今の私はローゼンメイデン第七ドール・雪華綺晶ではありません」

雪「世紀王・雪華綺晶として、究極の少女、アリスとなってみせます」

金「話し合いは無意味かしら!攻撃のワルツ!」

ドオーン!

バラオム「むう、前が見えん」

金「今のうちに撤退かしら!逃げるんじゃなくて、戦略的撤退かしら!」

26: 2009/06/09(火) 23:39:10.48 ID:4Uj8cQ3W0

バラオム「ちっ、逃がしたか」

雪「いいではありませんか。彼らの拠点はいつでも割り出せます」

バラオム「それもそうだな。くくく・・・ははははは!!!」

雪「この身体にこの力・・・うふふ・・・」カシャリ


~桜田家・居間

翠「ううう、とんでもねぇことになったですぅ」

紅「・・・ダロム。バラオムのあの姿は一体なんなの?」

ダロム「あれが、われわれ三神官の本来の姿です」

JUM「ええっ?ということは、あなたも・・・」

ダロム「はい。三神官といっても元は普通の怪人です。たまたま他の怪人よりも能力が高かっただけの・・・」

ダロム「この胸に輝く石が、大神官としての力の源です。コレを失えば元の怪人に逆戻りです」

27: 2009/06/09(火) 23:41:09.88 ID:4Uj8cQ3W0

銀「ちょっと待ちなさいよぉ。力の源が無いのにビームの威力が上がってたのはどういうわけぇ?」

ダロム「それは・・・大神官よりも怪人のほうが戦闘向きですから」

ダロム「幹部クラスは直接戦ったりしませんし」

蒼「それはそうだね」

29: 2009/06/09(火) 23:47:22.53 ID:4Uj8cQ3W0

金「とにかく、あのバラオムっていうのは人類滅亡を狙ってるかしら」

紅「さっきは態勢が整ってなかったから一時撤退したけれど、次にあったときには倒しておかないと」

紅「人類の危険が危ないのだわ」

蒼「それじゃ、ダロムさんと水銀燈あたりにバラオムをやっつけてもらう」

蒼「あとの五人で雪華綺晶にかかればいいんじゃないかな」

紅「そうね、それでいきましょう」

ダロム「それではダメです!!!」

一同『!!?』

30: 2009/06/09(火) 23:48:33.79 ID:4Uj8cQ3W0

ダロム「バラオムは、確かに私と水銀燈さんでかかれば倒せるかもしれません」

ダロム「しかし・・・雪華綺晶の依り代は普通のものではありません」

ダロム「たとえ全員でかかっても倒せるかどうか・・・」

金「普通のものじゃないって、どういうことかしらー?」

31: 2009/06/09(火) 23:54:01.06 ID:4Uj8cQ3W0

ダロム「あの依り代は先代の世紀王、シャドームーン様のボディをベースに改良したものです」

ダロム「キングストーンの力を100パーセント引き出せるよう作った、いわば世紀王専用の身体」

ダロム「対して、皆様にはキングストーンの力に耐えられるよう、ギリギリの改造しか施しておりません」

ダロム「100%の力で攻撃すれば、自壊するは必定・・・かと」

蒼「つまり・・・出力で完全に負けるということか」

ダロム「」コクリ

ダロム「さらに、あの依り代の強化皮膚は、リプラスフォームよりもさらに硬度の高い、シルバーガード」

ダロム「皆様に施した改造程度では、破壊することは不可能・・・」

33: 2009/06/09(火) 23:57:28.75 ID:4Uj8cQ3W0

紅「・・・ダロム」

ダロム「はい、なんでしょう」

バシーンッ!!!

ダロム「な、なんですかいきなり!」

紅「おだまりなさい」

ダロム「っ!」

紅「あの依り代がいくら凄かろうと、戦うのは私たち薔薇乙女」

紅「そうである以上、これはアリスゲームなの」

ダロム「・・・」

紅「ダロム」

紅「勝つ、負けるではないのだわ。『闘う』のだわ」

34: 2009/06/10(水) 00:00:00.56 ID:fJiHLFgj0

ダロム「・・・すいません。少し一人にしてもらえますか」

JUM「あ、それじゃあ僕の部屋に。案内します」

ダロム「ありがとうございます・・・」

紅「・・・・・・」

紅「・・・まだ、覚悟できていないようね」



~桜田家・階段

JUM「・・・ダロムさん、一人になりたいところすいません」

ダロム「?」

JUM「ひとつ、お願いが・・・」

35: 2009/06/10(水) 00:02:08.91 ID:fJiHLFgj0

~桜田家・居間

銀「どうしようかしらねぇ」

紅「ええ・・・。ダロムはあの有様だし、雛苺は暴走の危険がある」

紅「実質、こちらの戦力は五人だけ・・・」

銀「そういうことじゃないのよ」

紅「え?」

銀「雪華綺晶はそもそも身体を持たないドール。依り代を壊してしまえばそれで元通り」

銀「けど、バラオムのほうはそうもいかない」

36: 2009/06/10(水) 00:10:34.27 ID:fJiHLFgj0

銀「人類滅亡を企んでいるのは間違いない。だからといって、真の意志も確かめずに成敗なんて、ダメよ」

雛「そんな必要ないのよ!あいつは悪人なの!人類の敵なの!」

銀「雛苺!」

雛「っ!」

銀「あいつは確かに怪人よ。でも、忘れちゃダメ。私たちも、人形」

銀「人間ではない」

37: 2009/06/10(水) 00:13:34.57 ID:fJiHLFgj0

銀「人間も、怪人も、人形も。それぞれにそれぞれの正義がある」

銀「そしてその正義はけして重なることは無い」

銀「絶対の正義は・・・存在しないわ」

雛「・・・うゆ」

銀「それにね、雛苺」

雛「うい?」

銀「問答無用でフルボッコなんて、乙女として優雅ではないでしょう?」ニコリ

金「・・・笑顔の裏に何かありそうで怖いかしらー」

38: 2009/06/10(水) 00:24:11.63 ID:fJiHLFgj0

銀「ちょっとぉ!」

蒼「だめだよ金糸雀。せっかくおねぇちゃんがいいこと言ってるのに」

銀「蒼星石ぃ!」

蒼「どうしたんだい?お・ね・ぇ・ちゃん?」

銀「ああああ!いっそ頃してぇ!」

40: 2009/06/10(水) 00:31:41.18 ID:fJiHLFgj0

JUM「盛り上がってるところ悪いんだけどな」

翠「あ、JUM。どうしたですぅ?」

JUM「お前らじゃ、雪華綺晶どころかバラオムにも勝てないかも知れないぞ」

翠「なんですかJUM、いきなり。寝言は寝て言え、ですぅ」

紅「ちょっと黙って、翠星石。JUM、それはどういうこと?」

JUM「20年くらい前、ゴルゴムが『仮面ライダー』に壊滅させられたっていうのは聞いたよな」

紅「ええ」

41: 2009/06/10(水) 00:35:22.26 ID:fJiHLFgj0

JUM「雪華綺晶のボディは、その、仮面ライダーっていうのとそっくりなんだよ」

金「そういえば、そんなこと言ってたかしら」

JUM「もうひとつ言うなら、あの大怪人はその仮面ライダーと近い戦闘力を持ってる」

JUM「お前らの中途半端な改造じゃ、勝てないんだ」

紅「・・・JUM。勝てる、勝てないじゃないのだわ」

JUM「『闘う』しかないんだろ?」

42: 2009/06/10(水) 00:37:32.81 ID:fJiHLFgj0

JUM「だったら、僕も闘う」

翠「JUM・・・」

蒼「JUM君・・・」

JUM「みんな、俺と契約してくれ」

ドールズ『ええぇっ!!?』

43: 2009/06/10(水) 00:41:05.37 ID:fJiHLFgj0

JUM「金糸雀と蒼星石は、今のマスターとの契約を解除してくれ。水銀燈は、まだめぐさんとは契約してないよな?」

蒼「ちょちょちょ、ちょっと待ってよJUM君!」

金「いきなり過ぎるかしら!!!」

JUM「いいからいいから」

銀「よくないわよ!理由を言いなさい、理由を!」

JUM「・・・僕だって、男だぞ?」

JUM「こういう場面でカッコいい行動のひとつもとれないとな」

紅「貴方、そんな理由で・・・」

44: 2009/06/10(水) 00:42:56.85 ID:fJiHLFgj0

JUM「もしバラオムと雪華綺晶が街中に現れたらどうなる?決まってる。大混乱だ」

JUM「それに、あんなむちゃくちゃなやつらが暴れたら、物凄い被害がでる」

JUM「闘うとしたら、nのフィールドに引き込んでってことになる。まあ、あいつらがそんなこと気遣うとも思えないけどな」

JUM「だいたい、お年寄りや女性を連れて戦いに行くわけにはいかないだろ?」

銀「だからあなた一人が、私たち全員に力を供給しようってわけ?」

雛「無茶なのよ」

紅「その案は却下なのだわ」

JUM「なんでだ?多少の無茶は覚悟のうえだぞ」

紅「多少どころではないわ。あなたへの負担が、大きすぎるのだわ」

46: 2009/06/10(水) 00:49:45.22 ID:fJiHLFgj0

JUM「いいからいいから」

紅「よくないのだわ。それに、マスターからの力の供給が無くても、キングストーンがある」

紅「だから・・・」

JUM「・・・わかった。もうこれ以上の無理は言わない」

JUM「だけど、やつらと戦うときには僕もついていく。これだけは譲れない」

紅「それは・・・」

ジジジ ヴンッ

TV『寸劇の途中にすまんな』

蒼「バッ、バラオム!」

47: 2009/06/10(水) 00:53:37.78 ID:fJiHLFgj0

TV『こちらとしてはお前たちなど無視して世界征服を始めても良いんだが、相棒がな』

TV『できればお前たちと決着をつけておきたい、と言っているのでな』

紅「望むところなのだわ」

TV『くくく、しっぽを巻いて逃げたヤツのセリフとは思えんな』

紅「なんとでも言うがいいわ」

金「あれは戦略的撤退かしらー」

TV『それでは今から30分以内にnのフィールドの第5656世界に来るがいい』

バラオム『刻限を過ぎてもお前たちが来なかった場合、街に出て破壊活動を始める』

銀「それは脅迫のつもり?」

TV『好きに受け取ってもらって結構だ』

48: 2009/06/10(水) 00:55:28.04 ID:fJiHLFgj0

TV『ところで、ダロムはどうしている?』

JUM「僕の部屋で休んでる」

TV『ふん、やはりな。ただ頭が回るだけの男など、非常事態には脆いものよ・・・』

JUM「お前っ、自分の仲間に向かって・・・!」

TV『では今から30分だ。nのフィールドで待っている』

ブヅン

金「・・・正直、なんの作戦も立てられてないかしらー」

49: 2009/06/10(水) 00:57:10.93 ID:fJiHLFgj0

紅「しかたがないのだわ。それに、どのみち小細工が通用する相手でもないのだわ」

紅「とりあえず、ダロムを呼びに行くわよ」



~JUMの部屋の前

紅「ダロム!出てくるのだわ!」ドンドン

翠「バラオムの野郎が宣戦布告してきやがったですぅ!シバきに行くから、出て来いですぅ!」ドンドン

蒼「・・・反応が無いね」

翠「ぶちやぶるですか?」

JUM「おい・・・僕の部屋、壊すなよ?」

50: 2009/06/10(水) 01:01:29.99 ID:fJiHLFgj0

キィー

翠「あ、開いた・・・えっ?」

紅「ダロム・・・その姿は・・・」

ダロム「お待たせしました、真紅様。ようやく・・・覚悟が決まり申した」

ダロム「友の・・・命を奪う覚悟が」

蒼「その姿が大怪人としての姿なんですね。おそらく、三葉虫・・・」

ダロム「はい、その通りにございます」

紅「それじゃあ、nのフィールドに向かうのだわ」

ダロム「ええ、参りましょうぞ。彼奴めを討ち果たすために」

金「変身したらキャラが変わるのは、仕様なのかしらー?」

51: 2009/06/10(水) 01:05:06.78 ID:fJiHLFgj0

~大鏡の前

紅「・・・準備はいいかしら?」

銀「問題ないわ。いくわよぉ」トプン

翠「ほら、ついてくるです」トプン

ダロム「おお、ありがとうございます」トプン

JUM「よし、行くぞ」

紅「・・・・・・・・・」




ドンッ


JUM「えっ?」ドスン

53: 2009/06/10(水) 01:11:46.19 ID:fJiHLFgj0

紅「ごめんなさい、JUM。あなたはここで待ってて」

JUM「なっ・・・!馬鹿野郎!」ダッ

紅「美味しい紅茶を入れておいて頂戴。・・・行ってくるのだわ」トプン

JUM「ああ・・・あああ!」ガシッ

JUM「真紅ぅ!!!」

54: 2009/06/10(水) 01:15:18.77 ID:fJiHLFgj0

~nのフィールド

雪「お待ちしてました、お姉さま方」

紅「ひとつ確認しておくわ、雪華綺晶。これはアリスゲーム、と思っても?」

雪「構いませんわ」

バラオム「ダロム、お前はこっちだ。最後のゴルゴムとして決着をつけよう」

ダロム「望むところじゃ。真紅様、そちらのほうはよろしくお願いいたしますぞ」

雪「これでこの場にいるのは私とお姉さまたちだけ」

紅「邪魔は入らないわね」

55: 2009/06/10(水) 01:20:07.90 ID:fJiHLFgj0

雪「早速ですけど、お姉さま方。ちゃんと本気で闘ってくださるのでしょうね?」

紅「あたりまえなのだわ」

紅「変、身!」カッ

銀「変っ身っ!」カッ

金「へんし~ん!」カッ

翠「変身!」カッ

蒼「・・・変身」カッ

苺「へんしんなの~」カッ

バサァッ シュルシュルシュル プシュー

56: 2009/06/10(水) 01:22:15.46 ID:fJiHLFgj0

雪「あらあら、面白いお姿」

翠「てめえに言われる筋合いはねぇですぅ」

銀「六対一っていうのは少し気が引けるけど、まあいいわよねぇ」

雪「うふふ、性能の違い、というものを見せて差し上げますわ」チャキッ

蒼「いくぞぉっ!」シュッ

雛「サポートするの!」バァッ

雪「ふふふ・・・」

57: 2009/06/10(水) 01:27:13.23 ID:fJiHLFgj0

ダロム「バラオムよ・・・もう、後戻りはできぬぞ」

バラオム「もとより覚悟のうえだ」

バラオム「たとえ再び氏ぬことになろうとも、こうせねば・・・」

バラオム「21年前、無残に命の華を散らしたほかの怪人どもに、地獄で申し開きもできんわ」

ダロム「バラオム・・・」

ダロム「わしもそうじゃ。やつらの墓に供えるためにも、今度こそ世界を征服せねばと・・・」

ダロム「どこで道を違えたかのう」

バラオム「・・・そろそろおしゃべりは終わりにしようか」チャキッ

ダロム「・・・そうじゃの」ヒュンッ

58: 2009/06/10(水) 01:32:20.44 ID:fJiHLFgj0

ドゴーン

ダロム「はははっ!相変わらずの剛腕じゃのう!」ヒュンッ

パシッ

バラオム「貴様のムチの腕も衰えてないようだな!」ブンッ

ダロム「流石はサーベルタイガー。丈夫な牙の剣じゃな」ヒョイ

バラオム「スミロドンと言え!!!」ブンブンブン

チッ

バラオム「むう、かすったか」ヒュンヒュンヒュン

ピシッ

バラオム「ちっ、当たったか。だが効かん!」

60: 2009/06/10(水) 01:35:26.47 ID:fJiHLFgj0

蒼「くそっ、庭師の鋏が通じない。なんなんだあの剣は?」

雪「サタンサーベル。創世王だけが扱うことを許された剣ですわ」

金「ダロムも言ってたけど、あの身体硬すぎるかしらー」

翠「蔦も、剣を使わずに簡単に引きちぎっちまいやがったですぅ」

雛「なの!」

雪「お姉さま方、それで本気ですか?」

銀「ちっ、喰らいなさい!」シュババババッ

カインッ パサパサパサッ

雪「その程度、よけるまでもありませんわね」

銀「嘘でしょ・・・これでも、羽の威力はけっこう上がってるのよ!?」

61: 2009/06/10(水) 01:38:48.93 ID:fJiHLFgj0

雪「もうあきらめて、ローザミスティカをお渡しくださいな」

蒼「断る!」

雪「ふふふ、強がりもそこまで・・・」スッ

バババババババ

金「きゃーっ!ビームが出せるなんて聞いてないかしらー!?」

雪「これも、キングストーンの力を100%引き出しているからこそ出来る芸当。お姉さま方とは違うのですわ」

62: 2009/06/10(水) 01:41:43.54 ID:fJiHLFgj0

紅「・・・わかったのだわ」

雪「ようやくおわかりになりまして?」

紅「ええ。貴女がすでに、アリスとなる資格を失ったことが、ね」

紅「貴女は、力に溺れた哀れなお人形」

雪「・・・ふん」バババババ

紅「」ヒョイッ

紅「そんな大道芸では、アリスゲームに勝ち残ることは出来ないのだわ」

63: 2009/06/10(水) 01:45:30.37 ID:fJiHLFgj0

紅「本当の、芸ではない、技というものを見せてあげるのだわ」

紅「みんな・・・アレをやるわよ」

銀「ダロムから教わった、アレねぇ」

金「了解かしらー」

『バイタルチャージッ!!!』カッッ

64: 2009/06/10(水) 01:48:35.35 ID:fJiHLFgj0

雪「なるほど、キングストーンの力を一時的に解放して攻撃力をあげる、というわけですか」

紅「勘違いしないで頂戴。見せてあげる技はこれではないのだわ」

雪「ふふ、それは楽しみですわ」

紅「(あの強化皮膚は厄介ね・・・こちらの攻撃が通じない)」

紅「(けれど、穴はある)」

紅「(水銀燈の羽をよけるまでもない、と言いながら、それまでは全て防御していた)」

紅「(おそらく突破口はそこにあるのだわ)」

紅「」チラリ

金・銀「」コクリ

紅「」チラリ

翠・蒼・雛「」コクリ

65: 2009/06/10(水) 01:50:48.16 ID:fJiHLFgj0

銀「いくわよぉ!」シュババッ

金「かしらー!攻撃のワルツ!」

翠「」バッ

雛「」ババッ

雪「あら、性懲りも無く一斉攻撃ですか?」

紅「(まずは、水銀燈と金糸雀による広範囲攻撃。かつ、水銀燈の羽で視界を奪う。そして・・・)」

66: 2009/06/10(水) 01:55:37.19 ID:fJiHLFgj0

蒼「くらえっ!」シャッ

雪「不意討ちくらい、警戒していますわ」ブンッ

紅「(予想通り、雪華綺晶はサタンサーベルで鋏をはじき、返す刀で蒼星石の胴を薙ごうとする)」

翠「今ですっ、雛苺!」シュバッ

雛「あい!」シュルルル

雪「なっ!?」

紅「(視界が悪くても、私たちは互いの位置を、アラートポイントで知ることができる)」

紅「(翠星石と雛苺の蔓で、雪華綺晶の両手の自由を奪う)」

67: 2009/06/10(水) 02:03:25.01 ID:fJiHLFgj0

雪「こんなものっ!」ブヂブヂブヂ

紅「(バイタルチャージで強化しているのに、一瞬しか時間稼ぎにならない・・・けれど)」

蒼「一瞬で十分!!!」ザンッ

雪「うっ!」

蒼「くそっ、限界ギリギリの力でも小さな傷しかつかないなんて!」

雪「やあああ!」ブゥンッ

蒼「うおっ!」トーンッ

紅「(逆上した雪華綺晶の攻撃は横薙ぎになることが多い。蒼星石はそれを上に跳んで回避・・・)」

68: 2009/06/10(水) 02:08:11.07 ID:fJiHLFgj0

雪「くっ・・・」

雪「っ!!?」

紅「(雪華綺晶はそれを目で追おうとして・・・蒼星石の陰に隠れて近づいた私に気付く)」

紅「(間合いへの進入を許したことに狼狽、プラス、攻撃動作直後の体勢の崩れ)」

紅「(大きな、隙ができる)」

紅「これが技というものよ、雪華綺晶!!!」

雪「くぅっ!」スッ

紅「絆パンチ!!!」

ドゴーン

雪「あああああ!!!」

69: 2009/06/10(水) 02:15:19.54 ID:fJiHLFgj0

パキーン

ボトリ

雪「小さな傷をつけ、そこに大きな衝撃を与えることで破壊・・・」

雪「・・・流石ですわね、紅薔薇のお姉さま」ジジッ バチバチッ

紅「お褒めに預かり光栄だわね。もっとも、バイタルチャージの反動で変身が解けてしまったけれど」

紅「それに・・・私の右腕も吹っ飛んでしまったわ」

蒼「真紅!大丈夫かい!?」

紅「ええ」

70: 2009/06/10(水) 02:22:30.13 ID:fJiHLFgj0

翠「やったですぅ!剣をへし折ってやったですぅ!」

金「左腕ももげてるかしらー!」

紅「小さなダメージも、重ねれば大きな傷となる」

紅「私の右腕ひとつなら、安い代償ね」

雪「けれど、もう今のような手が通じるとはお思いにならないでくださいな」

銀「ふん、何度でも出し抜いてやるわぁ。あんたが動けなくなるまでねぇ」

72: 2009/06/10(水) 02:28:02.27 ID:fJiHLFgj0

雪「ふう・・・」

雪「まだ、力の差がわかってないようですわね、黒薔薇のお姉さま」

銀「なにを強がり・・・」

雪「バイタルチャージ」カッ

紅「なっ・・・!?」

雪「お姉さま方が出来ることは、私にだって出来るんですのよ」シュンッ

ガシッ

雛「ああっ!」

金「雛苺!」

銀「は、速い!」

雪「隻腕とはいえ、それでも力の差は天と地ほども開いていますわ」

73: 2009/06/10(水) 02:33:02.89 ID:fJiHLFgj0

雛「やー!なんか眼が光ってるのー!怖いのー!!!」

翠「雛苺!振りほどくですぅ!」

雪「まずは桃薔薇のお姉さまに消えていただくとしましょう」

雪「ローザミスティカも持たずにアリスゲームに参加している、屑人形から、ね・・・」


カッッッ!!!

74: 2009/06/10(水) 02:38:37.15 ID:fJiHLFgj0

ダロム「かはっ」

バラオム「ふん。頭脳だけで三神官のリーダーとなったお前に、俺が負けるわけなかろうが」

ダロム「おのれ・・・」ヨロリ

バラオム「脚の腱を切った。無茶をするな」

ダロム「なぜ一思いにとどめを刺さぬ」

バラオム「決まっているだろう。キングストーンのためだ」

75: 2009/06/10(水) 02:40:15.91 ID:fJiHLFgj0

バラオム「お前が持っている最後のキングストーン、『海王星の石』を渡せ」

バラオム「それを使って、俺は創世王となる」

ダロム「貴様・・・」

バラオム「俺たちほどの力があれば、世紀王となる資格は十二分にあったはず」

バラオム「悔しいとは思わんか?生まれるタイミングが少しずれただけで、俺たちは大神官となった」

ダロム「今のわしには、そんな考えは湧いてこぬよ」

バラオム「枯れたな・・・」

76: 2009/06/10(水) 02:45:13.82 ID:fJiHLFgj0

バラオム「さあ、キングストーンを渡してもらおうか」

バラオム「そうすれば、命まで取るような真似はせん」

ダロム「断る」

ブスリ

ダロム「ぐああああああ!!!」

バラオム「聞こえなかったか?キングストーンを渡してもらおう」

77: 2009/06/10(水) 02:53:25.81 ID:fJiHLFgj0

ダロム「無理じゃ。持っていないものを渡すなど、な」

バラオム「小癪な。どこかに隠したか」

ダロム「見つけられはせんよ」

バラオム「ちっ。どうあっても口は割らんつもりか」

ダロム「無論じゃ。さらに言うなら、貴様を頃すことをわしはまだ諦めておらんよ」

バラオム「笑わせるな。そんなざまで何ができる!」ブンッ



カッッッ!!!

78: 2009/06/10(水) 03:00:29.06 ID:fJiHLFgj0

バラオム「な、なんだあの光は!?」

ヒュンッ パシッ

バラオム「うわっ、剣を!」

ヒュンヒュンヒュン

バラオム「か、体が!」

ダロム「隙あり、じゃよ」

79: 2009/06/10(水) 03:03:55.76 ID:fJiHLFgj0

ダロム「わしの手には、貴様から奪った剣がある。わかるな?」

バラオム「だが、この体勢では打つ手は無かろう」

ダロム「ひとつだけあるじゃろうが。思いつかぬか」

バラオム「ま・・・まさか」

ダロム「そのまさかじゃよ。ふんっ!」ドスッ グリグリグリ

バラオム「ぐあああ!貴様、自分ごと!?」

バラオム「・・・そうか、背中合わせに体を縛り付けたのはこのためか!」

ダロム「ぐぅっ・・・そうじゃ。今のわしは動けぬのでな。万に一つも貴様の攻撃が届かぬ位置に体を固定せぬと、な」

バラオム「氏ぬつもりか!」ガハッ

ダロム「この姿になった時から、生き残ろうとは思っとらんよ」ゴフッ

80: 2009/06/10(水) 03:08:21.38 ID:fJiHLFgj0

ダロム「・・・ともに地獄に堕ちようぞ、バラオムよ」

バラオム「・・・怪人どもが納得する言い訳を、考えておかんとな」

ダロム「ふふふ・・・ふ・・・・・・」

バラオム「ははは・・・は・・・・・・」

ダロム「・・・」

バラオム「・・・」

カツカツカツ

???「回る廻る、運命の歯車糸車。この二人にとって復活したことは、不幸だったのでしょうか・・・」

???「それは誰にもワカラナイ。全ては闇の夢の中・・・」

カツカツカツ

81: 2009/06/10(水) 03:14:32.59 ID:fJiHLFgj0

雪「・・・ダロムとバラオムの生命反応が消えました」

紅「ええ」

蒼「だけど、アリスゲームは変わらず続く・・・だろう?」

雪「そうですわね、蒼薔薇のお姉さま」

雪「変わらず、七体のドールで、ね」チラリ

雛「・・・うゆ?ヒナ、助かったの?」

紅「あなた・・・いったいどうやってここに?」チラリ

紅「JUM」

82: 2009/06/10(水) 03:21:39.45 ID:fJiHLFgj0

JUM「僕も覚悟を決めてきた、ってことだよ」スッ

雛「JUMがヒナを助けてくれたの?」

JUM「ああ、ギリギリだったけどなんとかね」

翠「でも、どうやってnのフィールドに入ったですか?」

金「ひょっとして、ラプラスの魔の悪ふざけかしら?」

JUM「違うよ。こういうことさ」

JUM「変・・・身っ!!!」パアッ

83: 2009/06/10(水) 03:29:52.37 ID:fJiHLFgj0

プシュー

紅「そんな・・・JUM、あなたまで改造手術を!?」

JUM「21年前ゴルゴムを壊滅させた『仮面ライダー』と、まったく同じに改造してもらった」

JUM「僕が知ってるライダーとは、ぜんぜん違ったけどな」

JUM「僕の腹には、『海王星の石』が埋め込まれてる」

蒼「つまりさっきの光は・・・」

JUM「キングストーンの閃光を、眼くらましにさせてもらった」

JUM「そうだ、真紅。ちょっと右手を見せてみろ」

紅「ええ」

JUM「キングストーンフラッシュ・・・」パアッ

紅「ああっ、右手が直った!」

JUM「ついでにちょっと強化しておいた。全力で殴っても、もう右手は壊れないよ。右手はね」

84: 2009/06/10(水) 03:36:55.88 ID:fJiHLFgj0

雪「邪魔しないでくださいな」ブンッ

パシッ

雪「なっ!?片手で受け止め・・・」

JUM「ライダーパンチ!!!」

ドンッ

雪「あああっ!」

翠「凄いですぅ!JUM、そのまま一気にやっちますですぅ!」

85: 2009/06/10(水) 03:41:16.21 ID:fJiHLFgj0

紅「馬鹿言うんじゃないの、翠星石。決着は私たちでつけるわよ」

翠「うう・・・ちょっとした冗談ですよ・・・」

JUM「なあ、お前たち。覚えてるか、ここに来る前に僕が言ってたこと」

銀「・・・・・・」

JUM「もう一度言う。今のマスターとの契約を解除して、僕と契約してくれ」

JUM「今の僕なら自分の身は自分で護れる。体への負担だって耐えられる」

JUM「もちろん、力の供給だっていくらでもできる。こいつのおかげでな」ポンポン

蒼「JUM君・・・君はずるいよ」

金「この状況で、断れるわけないかしらー」

銀「・・・・・・」

86: 2009/06/10(水) 03:47:49.77 ID:fJiHLFgj0

バババババババ

JUM「!?危ない!」バッ

バンッ

JUM「ぐはっ!」

紅「JUM!」

JUM「大丈夫だ。けがは無い」

雪「人間如きが邪魔をしないでくださるかしら」

JUM「今は作戦タイムだ。待ってろ」

雪「待てといわれて待つ馬鹿はおりませんわよ!」バッ

JUM「くそっ。お前たち、僕が時間稼ぎしてる間に考えをまとめとけ!」ババッ

87: 2009/06/10(水) 03:52:47.29 ID:fJiHLFgj0

蒼「やっぱり・・・JUM君と再契約したほうがいいみたいだね」

金「かしら。今のままじゃかすり傷をつけるだけで精一杯かしら」

蒼「水銀燈、君はどうする・・・」

銀「・・・」スッ

トンッ トンッ

蒼「え?」

金「あれ?」

銀「心臓徹し!」ドドンッ

蒼「かはっ・・・」トサッ

金「かしら~・・・」トサッ

フヨフヨフヨ パシッ

銀「ローザミスティカ、ゲットよぉ」

88: 2009/06/10(水) 03:57:10.36 ID:fJiHLFgj0

翠「すすすす水銀燈!いきなり何を・・・」

トンッ

翠「え・・・真紅?」

グイン

紅「心臓徹しっ」ドンッ

翠「こふっ・・・」トサッ

フヨフヨフヨ パシッ

銀「ゲット。真紅、あなた・・・」

紅「貴女の考えくらい、お見通しなのだわ」

89: 2009/06/10(水) 04:00:48.44 ID:fJiHLFgj0

紅「雪華綺晶との実力差は、いまさらそれぞれの力が多少上がった程度じゃどうしようもないくらい、開いているのだわ」

紅「だから貴女が、全員の魂を背負って雪華綺晶と闘うつもりでしょう?」

紅「貴女なら、契約を結ばなくてもJUMから力を吸い取ることができるから」

銀「ふふ、そういうことよ」

紅「後でちゃんと説明しないと、恨まれるわよ」

銀「憎まれ役は慣れてるわよ」

銀「っていうか、翠星石はあなたを恨むんじゃないかしらぁ」

蒼「あつつ・・・そういうことか」

金「かしらー」

90: 2009/06/10(水) 04:07:57.01 ID:fJiHLFgj0

銀「あら、もう起きちゃった?」

蒼「水銀燈、君は手加減が過ぎるよ」

金「かしらー」

銀「ってことは、翠星石も・・・」

銀「あれ?」

蒼「ちょっと真紅、君は本気出しすぎだよ!起きて、翠星石!」ユサユサユサ

金「かしらー!」

92: 2009/06/10(水) 04:10:47.57 ID:fJiHLFgj0

銀「まあいいわ。みんなの命、私に預けてくれるわよね?」

蒼「いやだと言っても持っていくんだろう?」

翠「ふ、ふん!どーしてもと言うんならしゃーねえです!」

金「かしらー」

雛「いいの!ヒナのローザミスティカ、水銀燈にあげるの!」

紅「・・・だそうよ。ほらこれ、私と雛苺の分よ」

銀「ありがとう、あなたたち」

紅「頼むのだわ・・・おねぇちゃん」

93: 2009/06/10(水) 04:12:06.76 ID:fJiHLFgj0

JUM「・・・あいつら何してんだ」

雪「余所見とは随分な余裕ですこと」

JUM「うわっと!」

JUM「くそ、改造したからって別に武術の達人になるわけじゃないんだよな」

雪「その割にはお上手に避けますわね」

JUM「引きこもりなめんなよ!」

94: 2009/06/10(水) 04:13:04.34 ID:fJiHLFgj0

銀「JUMくぅん、頭下げて!」

JUM「え?ええ?」ヒョイ

シュバッ ガイン

雪「あああああ!!!」

JUM「雪華綺晶の額に黒い羽・・・水銀燈か!?」

銀「JUMくぅん、後は私に任せて、あの子たちを護ってあげてて」

JUM「ああ、わかった」ダッ

95: 2009/06/10(水) 04:15:40.65 ID:fJiHLFgj0

雪「黒薔薇のお姉さま。あなた一人で私に勝てるとでもお思いで?」

銀「あら、現にあなた、羽を避けられなかったじゃなぁい?」

銀「変身もしてない、私の羽を」

銀「周囲にちゃんと気を配ってないから、そんなことになるのよぉ♪」

雪「・・・・・・」

銀「(まずは挑発・・・乗ってこなかった時は他の手を考えるまで)」

雪「その口・・・塞いで差し上げますわ!」

銀「(乗ってきた!)」

96: 2009/06/10(水) 04:18:10.36 ID:fJiHLFgj0

銀「変っ身っ!」バサァッ

雪「くっ・・・羽で視界が・・・」

銀「どこ見てるの?上よぉ!」バサァッ

雪「なっ・・・羽が三対!?」

雪「まさかローザミスティカを!?」

銀「そのまさかよぉ!」ゴォッ

雪「速っ・・・」

97: 2009/06/10(水) 04:24:15.67 ID:fJiHLFgj0

銀「兇叉!!!」ドンドンドンッ

カシャーン

雪「がはぁっ・・・」

雪「あ・・・あああ・・・」

銀「あなたのキングストーン、壊させてもらったわぁ」

銀「とっとと、そのマネキン人形から出てきなさい!!!」

98: 2009/06/10(水) 04:27:11.02 ID:fJiHLFgj0

雪「不覚・・・」

雪「でもまだ、ローザミスティカが残っています!」

銀「聞こえなかったのかしら」

銀「その木偶から出てきなさいと言ってるのよ」トンッ

雪「くっ・・・」

グインッ

銀「心臓徹し!!!」ドンッ

99: 2009/06/10(水) 04:29:26.30 ID:fJiHLFgj0

金「あー、雪華綺晶の本体が背中から飛び出したかしらー」

紅「あら本当。私も試しておけばよかったのだわ、心臓徹し」

JUM「のんびりしゃべってないで、お前らも飛んできた破片くらい避けてくれよ!」パシッ パシッ

JUM「全部僕がはたき落としてるんだぞ!」

翠「あとでスコーンを焼いてやるから、おとなしく盾になってろですぅ」

蒼「・・・JUM君、ご苦労様」

100: 2009/06/10(水) 04:36:38.97 ID:fJiHLFgj0

雪「ふふふ、墓穴を掘りましたわね、黒薔薇のお姉さま」

銀「どういう意味かしら?」

雪「私は、体が無いのが普通の状態。つまり、ただ元通りの姿になっただけ」

雪「それに、先ほどまでの戦闘にはキングストーンの力を使っていた」

雪「まだ、ローザミスティカの力は完全に残っていますわ」

雪「つまり今の私は、完全回復状態!」

銀「でもあなた・・・」

銀「ローザミスティカ、飛び出てるわよ?」

雪「え?あれ?」

フヨフヨ パシッ

銀「ゲット」

101: 2009/06/10(水) 04:41:33.87 ID:fJiHLFgj0

銀「雪華綺晶。あなたは薔薇乙女としての誇りを捨てて、世紀王を名乗った」

銀「ローザミスティカに愛想つかされて当然よぉ」

雪「そんな・・・」

銀「もっとも、ローザミスティカはもともとひとつの塊」

銀「ただ、小さな欠片が大きな力に引かれただけのことかも知れないけれど」

銀「おやすみなさい、雪華綺晶」

雪「そん・・・な・・・」トサッ

103: 2009/06/10(水) 05:02:21.90 ID:fJiHLFgj0
???「ブラボー、おおブラボー!」

紅「ラプラスの魔!」

魔「血で血を洗う姉妹の争いのはずが、気付いてみれば被害者は一人」

魔「結果的に水銀燈が、すべてのローザミスティカを平和的に集めることに成功したようですね」

魔「それではこちらをご覧ください」

金「扉?」

魔「いぐざくとりー」

魔「この扉の向こうで、ローゼンが待っています」

蒼「なんと!」

104: 2009/06/10(水) 05:04:36.24 ID:fJiHLFgj0

魔「言うまでもないかもしれませんが、入っていいのは水銀燈だけですからね」

紅「ぐっ・・・なし崩しに入ってやろうと思ったのに、先手を打たれたのだわ」

魔「さあ、水銀燈」

銀「やめておくわぁ」

魔「・・・・・・へ?」

105: 2009/06/10(水) 05:11:29.05 ID:fJiHLFgj0

銀「私がローザミスティカを全て集められたのは、たまたまよ」

銀「それにこれはアリスゲームじゃなかった」

魔「んなアホな!確かにアリスゲームだと言ってるのを聞きましたよ!」

銀「そこの赤いのが勝手に言ってたことよ」

銀「ただ、雪華綺晶におしおきしてただけ」

紅「・・・水銀燈、あとで覚えておくのだわ」

銀「うっ・・・」

106: 2009/06/10(水) 05:17:33.36 ID:fJiHLFgj0

銀「ま、まあ、なんにしても、他の子たちが許すはずないわぁ」

金「カナは別に気にしないかしら。真紅じゃないなら」

翠「翠星石も別にいいですよ。真紅じゃなければ」

蒼「僕も、水銀燈なら構わないよ。真紅はイヤだけど」

雛「ヒナもヒナも!真紅はアレだけど」

銀「あなたたち・・・」ジワ

銀「うっ」ゴシゴシ

紅「え、なにこの流れ」

107: 2009/06/10(水) 05:26:18.69 ID:fJiHLFgj0

銀「けどやっぱり、ローザミスティカはみんなに返すわぁ」

フヨフヨフヨ

翠「雪華綺晶の分はどうするですか?」パシッ

蒼「このまま水銀燈が持っていたほうがいいと思うよ」パシッ

紅「じゃあ雛苺の分は私が引き続き・・・」パシッ

紅以外『それは返せ』

紅「ひっ!だからなんなのこの流れ」

108: 2009/06/10(水) 05:32:43.64 ID:fJiHLFgj0

銀「雪華綺晶のローザミスティカも、ちゃんと返すわよ」

金「ええ!?それは危険かしら!」

翠「そうですぅ!このまま眠らせといたほうがいいですぅ!」

銀「お馬鹿さぁん。それでも薔薇乙女?」

銀「雪華綺晶だって、私『たち』の妹なのよ?」

蒼「それは・・・そうだけど」

銀「妹が何か悪いことをしたら、叱ってあげるのがおねぇちゃんの役目よ」

銀「あなたたちだって、おねぇちゃんなんですからね」スッ

雪「うう・・・」

銀「お目覚め?」

雪「はっ!?」ババッ

銀「あらあら、あんなに距離をとって。嫌われちゃったわねぇ・・・」

110: 2009/06/10(水) 05:40:39.32 ID:fJiHLFgj0

紅「やっぱり、返さなくてもよかったんじゃなくって?」

銀「いいのよ。亀の歩みでも仲良くなっていけば」

銀「私たちはもう帰るわ。また遊びにいらっしゃいな、白薔薇」

雪「え?あ・・・」ダダダダダ

銀「あら、逃げちゃった」

魔「あの・・・扉・・・」

銀「まだいたの?帰っていいわよ」

魔「あ・・・はい、すいません・・・」トボトボ

111: 2009/06/10(水) 05:48:41.66 ID:fJiHLFgj0

JUM「(可哀相に・・・)」

JUM「それじゃ帰ろうか」

紅「ええ、そうね」

銀「そうだ。JUMくぅん、晩御飯食べていってもいいかしらぁ?」

JUM「え?いいと思うけど、一応姉ちゃんに訊いてみるよ」

翠「ちょっと水銀燈、どういうつもりですぅ!?」

銀「あら、なんのことかしら?」

紅「とぼけても無駄なのだわ。今の『JUMくぅん』は、いつもより鼻にかかっていたのだわ」

銀「ふふふ、さあどういう意味かしらねぇ。おねぇちゃん、わかんな~い」バサバサバサッ

翠「ああっ、待つです水銀燈!」

112: 2009/06/10(水) 05:51:27.39 ID:fJiHLFgj0

クイクイ

金「ちょっといいかしら、JUM」

JUM「ん、なんだ?」

金「私たちのために生身の体を捨てるなんて、男気あふれてて素敵かしら」

金「是非ともみっちゃんとお付き合いして欲しいかしら」

雛「ダメなの!JUMはトゥモエと突き合わせるの!」

蒼「JUM君。実は僕、マスターの衆道の相手を探してるんだけど・・・」

JUM「ちょ、ちょっと待て、落ち着け!」

コウモリ「キィー!キィー!(好きです桜田さん!僕と結婚してください!)」

JUM「ちょ、お前どっから湧いた!?」

113: 2009/06/10(水) 05:55:03.47 ID:fJiHLFgj0

紅「よかったじゃないの、JUM。ちょっとしたハーレムだわ」

JUM「じいさんとコウモリがいるハーレムなんて認めん!!」

金雛蒼コ『さあさあさあキィー』

JUM「毎日こいつらの相手するくらいなら、明日から学校に行くよ・・・」ハァ

紅「あら、それはよかった。めでたしめでたしだわ」

JUM「よくないっ!」

114: 2009/06/10(水) 06:01:24.94 ID:fJiHLFgj0

~一週間後・桜田家

のり「ねえ、JUM君・・・JUM君が学校に行くって言ってくれて、お姉ちゃん本当に嬉しかったのよ?」

のり「けどもう一週間も経つのに、一向に学校に行く素振りも見せてくれない」

のり「どういうことなの?」チャッ

JUM「姉ちゃん、とりあえず包丁しまってくれ!」

JUM「僕だって、一度行くって言った以上行きたいよ!」

JUM「でも・・・」

のり「でも・・・?」

JUM「変身が解けないんだからしょうがないじゃないかあああ!!!」


~終わり~

引用: 真紅「悪の秘密結社を壊滅させたのだわ」・後編