1: 2011/10/13(木) 02:22:53.28 ID:I6vvRRTG0

ガタン

大きな物音がして目を開いた。辺りは真っ暗で何も見えなくて、凄くほこりっぽい。普通暗くても少し経てば夜目が効くはずなのにまったく慣れない。光が全くないようだ。

どうして私はこんな所に居るんだ…?

周りだけでも確認しようと恐る恐る手を延ばした。

ガタン
ひぃっ…

何かを落としたと同時に、近くで怯えた声がした。

結衣「だ、誰だ?」
ゆるゆり: 23【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)
3: 2011/10/13(木) 02:24:27.15 ID:IPnqbitv0

?「ひっ…ゆ、結衣…?」

結衣「京子か…?」
京子「うん…結衣、どこ?」ガサガサ

結衣「こっちだ、気を付けろよ」

京子「ひゃっ」

結衣「どうした!?」

京子「何か温かいもの触った…」サワサワ

?「ん…」

京子「な、なんだろ…」サワサワ

結衣「おい、下手にいじらないほうが…」

?「んっ……あぁっ……」ピクッ

5: 2011/10/13(木) 02:26:03.31 ID:IPnqbitv0

?「ちょっ…何…真っ暗じゃ…ってきゃあああああああああ!誰?誰?!」

京子「…ちなつちゃん?」

ちなつ「えっ…京子先輩?」

結衣「ちなつちゃん、居るの?」

ちなつ「結衣先輩!?どこですか!?」ガタッ ゴッ

京子「わ、ちょっ!急に動いたら危なーー」


ドサドサドサドサ!

大きな物音と同時に目に何かが入り、息苦しさに襲われた。

6: 2011/10/13(木) 02:29:42.04 ID:IPnqbitv0


ちなつ「けほっけほっ…す、すみませ……ごほっ…」

結衣「いや…ごほっ………2人とも大丈夫か?」

ちなつ「私はなんとか…」

ちなつ「京子先輩?」

結衣「京子?」


8: 2011/10/13(木) 02:30:35.40 ID:IPnqbitv0


返事がない。


結衣「ちょ…京子?京子!」

ちなつ「き、京子先輩!どこっ?どこですか!?」

結衣「ち、ちなつちゃん!近くに京子いたんでしょ!?ちょっと手探りで探して!」

ちなつ「は、はいっ!」


ガサガサと音がする。ちなつちゃんが立った時に物が落ちたか倒れたかしたようだ。

まさか、下敷きに--…

結衣「(くそっ…)」ギリ

見えない恐怖と、不安に煽られて心臓が暴れて収まらない。何より京子が心配だ。本当なら掛けより私も探すべきだが、状況を悪化させる可能性がゼロではない。もどかしい。せめて明かりさえ点けば…。

明かり…

結衣「そうだ、あかりは…?」



ちなつ「あ」

12: 2011/10/13(木) 02:38:24.47 ID:IPnqbitv0



ちなつ「結衣先輩!居ました!多分京子先輩です!」

結衣「よ、よかった・・」



京子はどうやら気絶してるようだった。
だけど状況は変わらない、真っ暗で身動きが取れないからどうしようもなかった。


結衣「これからどうしよう・・」コツン


後ろによりかかると、なにかが頭に触れた。

14: 2011/10/13(木) 02:42:35.01 ID:IPnqbitv0


結衣「これは・・紐?」



ガチャン


何かが動いたと思った瞬間、視界が真っ白になった。


ちなつ「何?まぶし・・・」


真っ暗な中、急に明かりが付いたようだった。
目が慣れるのに時間がかかり、視界がさらに暗転する。頭が痛く、目が回る。

ようやく慣れてきたと思うと、見慣れない光景が目に入った。


結衣「真っ白だ・・・」



15: 2011/10/13(木) 02:47:52.17 ID:IPnqbitv0

壁も床も純白。
まるで箱の中に閉じ込められたかのような気分だった。

結衣「(いや・・・)」

この部屋には窓も扉もない。
実際閉じ込められているみたいだけど、どうやってこの部屋に入れられたんだろう。


ちなつ「なんですか・・ここ・・・」

結衣「わからない・・ちなつちゃん、とりあえず京子を起こして」


京子はどうやらちなつちゃんの横にあったダンボールの山に埋もれたらしい。でも、どうやって立っただけでそれが倒れたんだろう・・。


ちなつ「京子先輩、京子先輩」ユサユサ


17: 2011/10/13(木) 02:50:25.44 ID:IPnqbitv0

京子「ん・・あれ、明るい」パチ

結衣「大丈夫か?」

京子「ここは・・・?」



ビーーーーーーーーーーー



警報のようなサイレンが鳴り響いた。


20: 2011/10/13(木) 02:58:09.88 ID:IPnqbitv0

3人「!?」ビクッ


ザッ・・・・ザザザッ・・・・・・


?『目が覚めたみたいだな』

?『ここが何所か教えてやりたい所だが、まだそのタイミングではない。』

?『お前等にはここから出る為、そして自分らの人生の為、これから互いの生氏を決め合ってもらう』


京子「・・・・なんだそれ」

ちなつ「・・・」ゴクリ

結衣「意味がわからない・・」


ノイズの後に聞こえた声は何者かわからない。
変声機に当てたような音で私たちに語りかける。

生氏を決める・・・

良い予感がしない。

24: 2011/10/13(木) 03:05:15.65 ID:IPnqbitv0

?『何故脱出の為にそんな事を?そう思うだろう』

?『お前たち、自分の服を見てみろ』


京子「白いワンピース・・」


?『それが鍵だ』

?『4人のうち、2人だ。2人分の赤いワンピースが鍵となる。』

?『2時間の内に2人分のワンピースを赤く染める事が出来れば、扉が現れる。できなければ、全員に待つのは氏だ。』


結衣「そんな・・」ブルッ


?『2時間後には毒物性のガスが部屋に充満するようになっている。つまり、生きるも氏ぬもお前たち次第だ。』


27: 2011/10/13(木) 03:11:35.98 ID:IPnqbitv0

結衣「ふ、ふざけるな!なんでそんな・・」ガシャッ ドサッ

京子・ちなつ「ゆ、結衣(先輩)!?」

結衣「いてて・・・なんだこれ・・」


何かに引っかかり床に倒れ込む。
痛みのする方を見ると左足には足枷が付いていた。
しかもそれは近くにあるポールに結び付けられていて、大きく身動きができない。


結衣「なんだよこれ・・」


?『言い忘れていたな』

?『お前たち2人の足に付いてる枷の鍵は、4人のうちの1人が持っている』

?『もう説明はいらないな、ゲームスタートだ』


カチッ


結衣「あ、ちょっ・・!」

京子「なんだよ・・ゲームって・・・」

30: 2011/10/13(木) 03:19:56.25 ID:IPnqbitv0
ちなつ「とにかく状況把握でs・・・・あ、私の足にも枷が・・」シャラ

結衣「(物が崩れたのはそのせいか・・?)」

京子「あれ、私にはなにもついてないぞ」スクッ

結衣「鍵は全員のうち1人って言ってたな・・。」ゴソゴソ


枷をしてる本人らが持ってるとは考えられない。
持ってるとしたら、自由な奴なんじゃないか。


結衣「2人とも、鍵を探そう」

ちなつ「は、はい」ゴソゴソ

京子「持つっていっても・・この服ポケットがないぞ・・」パッパッ

ちなつ「私は持ってないです・・すみません」

結衣「うーん・・」


早くも手詰まりだ。




小さくシュー・・と音がした気がした。

32: 2011/10/13(木) 03:34:35.71 ID:IPnqbitv0

とにかく行動しなきゃいけない。
この中で自由に動けるのは私だけのようだった。
さっきの放送だと、4人のうちの1人が鍵を持っているらしい。


京子「ねぇ、4人ってあと1人誰だ?」


2人ともハッと私に目を合わせてきた。


ちなつ「あかりちゃん・・」

結衣「この面子だったら、あかりしかない・・よな?」

ちなつ「探しましょう!」

京子「でも、いるとしたらこの部屋にいるんでしょ?」

ちなつ「あ・・・」


この部屋は驚くくらいに殺風景。
あかりが居ればすぐ気付く・・・はず。

部屋にあるのはダンボール箱やら監視カメラっぽいのやら。
あとは、残り時間を示してるっぽい時計が一つ。

残り時間は、1時間40分。

33: 2011/10/13(木) 03:37:44.77 ID:IPnqbitv0
>>30>>32で視点が結衣→京子に変わってます。

~~~~~~

ってやつ入れ忘れた

38: 2011/10/13(木) 03:50:14.64 ID:IPnqbitv0


結衣「京子、とりあえずヒントになりそうな物はなんでもいいからいじるんだ!」

ちなつ「そうです!時間がありません!」

京子「お、おう!」


とりあえず近くにあったダンボールの山に目をつけた。
箱を開けると何かいろいろ入ってるのがわかる。
善は急げ だよな。

ガシャガシャガシャガシャ

箱をひっくり返すと出てきたものは場の空気を凍らせた。

39: 2011/10/13(木) 03:57:50.66 ID:IPnqbitv0

京子「缶詰、布に・・それと・・・」ガサガサ

結衣「いや、いいよ 京子」

京子「うん・・・」

ちなつ「・・・・」キュ

京子「(あ、パンツ見えた)」


40: 2011/10/13(木) 04:06:47.87 ID:IPnqbitv0

ちなつちゃんは体育座りして、顔を伏せてしまった。

ダンボールから出てきたもの。
缶詰、布。
そしてのこぎり、鉈、ナイフ、あとは名前のよくわからない金属でできたもの。
缶詰は振っても音がしない。
コンビーフみたいなものでも入ってるんだろう。


京子「あれ、手紙も入ってるぞ」

京子「どれどれ・・」カサッ


京子「『アッカリーン☆』」


結衣「京子、ふざけるなよ・・」

京子「いや、そう書いてあるんだって」ピラッ

結衣「馬鹿にされてるなあ・・私たちも」


ヒントにしては意味不明すぎた。
あかりがヒント・・なのか?

あかり・・どこにいるんだよぉ

42: 2011/10/13(木) 04:16:57.72 ID:IPnqbitv0


しばらくの間、沈黙が続いた。
何時間も経ったような気がしたけど、時計を見たらあれから10分しか経ってなかった。
残り時間は1時間30分


ちなつ「・・・・あ」ガバッ

結衣「ちなつちゃん・・?」

ちなつ「結衣先輩、さっきの紐ってまだありますか・・?」

結衣「・・・これ?」

ちなつ「それ、引っ張ってみてください」


ちなつちゃんが何かひらめいたみたい。
結衣は言われるがまま、紐を引っ張る。


辺りが真っ暗になった。


43: 2011/10/13(木) 04:30:00.94 ID:IPnqbitv0

ちなつ「京子先輩!あの壁!」


暗くてどこかわからないっつーの・・。
見回すと一箇所だけ、ぼんやりと明るくなっているところがあった。


京子「星マーク・・」

結衣「電気、付けるぞ」カチ


急に明るくなるとこの部屋では目に染みた。


44: 2011/10/13(木) 04:41:07.70 ID:IPnqbitv0


忘れないうちにマークの元へ駆け寄った。
壁に触れるとその部分だけ柔らかかった。
壁紙をそこだけ一枚上から張り付けたみたいな、グッと押し込むと穴があいた。

無我夢中に紙を破る。

壁紙に隠れてそこだけスペースが開いていた。


そこには。


48: 2011/10/13(木) 04:51:19.77 ID:IPnqbitv0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

京子「い・・・いやぁあああああああああああああああああ!!!!!!」ドサッ

結衣「京子!?」

ちなつ「ど・・・どうし・・・・・・」


京子先輩が倒れて、見えた。
白い、足だ。
誰の足?なんであんな所に足が?
ここからじゃよくわからないのが凄くもどかしい。


ちなつ「だ・・・誰がいるんですか?その・・・足・・誰なんですか・・!?」

結衣「・・・・?」


結衣先輩の位置からは見えてないみたいだった。
京子先輩は肩で息をして小さく震えている。
もしかして、その足は・・。
嫌な想像ばかり浮かぶ。


京子「・・・・・・・・・」スゥッ

京子「鍵、あったぞ」

50: 2011/10/13(木) 04:56:37.83 ID:IPnqbitv0

京子先輩は黙って結衣先輩、私と近寄り鍵を渡した。
質問には答えてくれない。
自分で確認するしかないわね・・。

すぐさま鍵を使い、枷を外した。
少し痣になってるけど気にしてる場合じゃなかった。
さっきのスペースが気になる。

少し胸騒ぎがした。


結衣「ちょ・・嘘だろ・・・」ガクガク

ちなつ「あ・・あかりちゃん・・・」


52: 2011/10/13(木) 05:02:57.81 ID:IPnqbitv0


そこに居た人は、あかりちゃんだった。
いつもの笑顔はなくて、唇を赤く染めて眠っていた。
--服を、赤く染めて。


結衣「嘘だ・・・うそ、いや・・いやだぁああ・・・」ポロポロ

ちなつ「結衣先輩・・向こうに行きましょう?」


あの凛々しい先輩がとても弱々しくて、子供みたいに涙を流していた。
私自身の頬もあったかい。涙が流れた。


54: 2011/10/13(木) 05:08:26.79 ID:IPnqbitv0

京子「・・・・・・・・・」

結衣「うっ・・・・ひっく・・・・・」グスッ

ちなつ「(残り、40分 か)」


体が少し痺れてきた気がする。
眩暈がして立ってられなかった。
あれから結衣先輩は泣き続けている。
本当は傍から離れたくないけど、結衣先輩も情けない姿を見せたくないみたい。
少し離れてて、だって。

頼られてない・・・のね。

京子先輩はその言葉を無視して結衣先輩を抱きしめていた。
小さな胸で包んで、頭を撫でていた。

私は・・私じゃ、駄目なのね。




・・・・・京子先輩、このガスで先に氏んでくれないかなぁ。



55: 2011/10/13(木) 05:11:47.54 ID:IPnqbitv0

そうよ、京子先輩がいるから結衣先輩は私を頼ってくれない、選んでくれないんじゃない。
京子先輩が居なければ。
京子先輩さえ消えてしまえば。


ちなつ「・・・・・・はぁ」トサッ


何考えてんのよ、私。


でも事実、あかりちゃんがもう・・・だからあと1人氏ねば・・・。

結衣先輩?それとも京子先輩?

・・・考えては駄目よ、チーナ!


57: 2011/10/13(木) 05:15:33.86 ID:IPnqbitv0




まだ何かあるはずだ。
そうだ、あのダンボール・・。

ただ中身を出しただけのあのダンボール。
もしかしたら、見落としてることがあるかも。
助かる手段はまだ諦めちゃいけないんだ。


ちなつ「この缶詰・・何が入ってるんだろ・・?」ゴソ

ちなつ「(少し・・水音がする・・食べ物なのかな?)」フリフリ


もしかして・・いや、それは・・・。

フッ と影が掛かった。


59: 2011/10/13(木) 05:29:14.53 ID:IPnqbitv0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「「いやぁあああああああああああああああああ!!!!」」

悲鳴が聞こえた。
いつから私は気絶していたんだろう。
目が熱くて少し痛み、視界がぼぉっとする。

ちなつ「や、やめてください!京子先輩・・!」

ちなつちゃんの声がする方をぱっと見た。

・・・京子?

何してるんだ?
なんで腕を上げたり下げたりしてるんだ?


ちなつ「い・・・いだああああああああ・・・・・な、なに・・・・・」ブシュッ

京子「・・・・・・・」ヒュッ

ちなつ「っ・・・あああああああああああああああああ!!!!」


京子が腕を降ろす度にちなつちゃんが叫ぶ。

視界が晴れたとき、また京子が腕を振り下ろした。

62: 2011/10/13(木) 05:36:06.26 ID:IPnqbitv0



結衣「京子・・・なにして・・・・」


京子は返事をしない。
そしてまた腕を振り上げた。

右手にはナイフが握られていた。

64: 2011/10/13(木) 05:41:13.62 ID:IPnqbitv0
右手はそのまままたちなつちゃんへ降ろされる。
何度も、何度も。

ちなつ「ゲェッ・・・・き・・きょう・・・・・せんぱ・・・」ビクンビクン

ザクッ

ちなつ「んぁああああああああああ゙!!!」

ザクッ


65: 2011/10/13(木) 05:41:48.70 ID:IPnqbitv0
ちなつ「も・・・やめで・・・・・・」ズッ

ザクッ

痛いです、京子先輩・・

ザクッ

痛い・・

ザクッ

痛いです・・

ザクッ

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


結衣「きょ・・・こ・・・・やめ・・やめろ・・・・やめろよ・・・」


ザクッ

ちなつ「あああああああああああああ゙!!!!!」ゴボッ

ザクッ

ザクッ・・・

68: 2011/10/13(木) 05:49:42.32 ID:IPnqbitv0

結衣「いや・・・・・・いやぁ・・・・」ガチガチ

カラン、と音がした。
足音とヒューヒューと掠れた呼吸音しかしなくなった。
京子はまたちなつちゃんに近づいている。

大きな鉈を引きずって。

ちなつ「あ・・・・・・・・あぁ゙・・・・・・・・・」ジョボボ

京子「・・・・・・・・ぃ」

ちなつ「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

京子「・・」ヒュッ


バキッ






ぷつん。

結衣「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ゙!!!!」


69: 2011/10/13(木) 05:56:23.41 ID:IPnqbitv0

残り時間、10分。
目に入ったのはそれと、京子だった。

京子は笑っていた。
目に光がない、口元だけの笑みだった。

ああ、京子が笑ってるなら今は幸せなんだ。
もう終わるんだ。
あれ、あの赤い布、出っ張ってるけど何か下にあるのか?

なにもないよなあれはさいしょからあったんだもんな。

結衣「きょう・・・ゴホッ」ゴパッ

ああ、体が痺れてる。
もう動くのがしんどいな。

京子「ゆい、たって」グイ

結衣「うん」ガクガク

膝が笑ってる、そんなにおもしろいか。
まだ歩けそうだ、強固が一緒だから私は平気だ。


いつのまにか壁に穴が開いている。

ああ、ここから出れるんだな。

71: 2011/10/13(木) 05:59:25.86 ID:IPnqbitv0

穴の先は通路だった。
どこまで続いてるのかわからない、果てしなく長い通路だ。
私と京子は進んだ。
出口を見つけて、出て、家に帰る。
そしてまたごらく部でみんな一緒になるんだ。

結衣「みんな・・・?」

結衣「きょうこ、みんなって・・・だれだっけ」

結衣「ごらくぶって・・なんだっけ」

京子「ゆい、あたまおかしくなったのか?」

京子「わたしたちは、さいしょから2人だけだろ」

ああ、京子がそう言うんなら勘違いか。
夢でも見てたんだな。


73: 2011/10/13(木) 06:01:49.05 ID:IPnqbitv0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


京子「とびら・・」ピタ

行き止まりだ。
扉を押しても開かない。
どうすればいいんだろう。

結衣「・・・・・・・・」ヒューヒュー

結衣、大丈夫かな。
息の仕方変だよ。

早く出なきゃ。

早く。



74: 2011/10/13(木) 06:02:48.20 ID:IPnqbitv0

?『そこは出口じゃないよぉ?』


後ろから声がした。


77: 2011/10/13(木) 06:05:46.84 ID:IPnqbitv0


?『ああ、これを外さないとわからないね』エヘヘ


マスクを被った人はそれを外した。

見覚えのある、お団子。
見覚えのある、笑顔。

京子「あ・・・・あああああ・・・・・・・・」ドサッ


京子「あか・・・り・・・・・・」



79: 2011/10/13(木) 06:13:41.05 ID:IPnqbitv0

京子「なん・・・・だって・・・あかりは・・・」ガクガク

あかり「氏んだと思った?」

京子「」ガチガチ

あかり「あれ、お人形だよぉ?」


あかり「すごかったなあ、京子ちゃん。」

あかり「ちなつちゃんを一発でやらないで、ナイフで何度も刺してから頭を割るなんて・・なかなかできないよぉ」クスクス

あかり「あのナイフ、刃渡りそんな長くないから何度刺してもすぐには人は殺せないの。最後の鉈は大正解だよ、京子ちゃん」パチパチ

京子「」ガチガチガチガチ

あかり「・・・・・」クスッ

あかりは静かに近寄ってきた。
逃げなきゃ、逃げなきゃ。
逃げなきゃいけない気がする。

京子「結衣、結衣ぃ・・・・」グイグイ

あかりは笑いながら近づいてくる。
顔が、目の前に来た。

81: 2011/10/13(木) 06:16:22.01 ID:IPnqbitv0

あかり「この、人頃し」

耳元で囁かれ、脳まで響いた。

京子「うわああああああああああああ!!結衣!結衣結衣結衣結衣ぃぃぃいい!!!」ユサユサユサユサ

京子「結衣!起きて!起きてよぉおお!!!」ユサユサユサ

あかり「・・・・・ぷっ あはははははは!!!」


笑いながらあかりは私の背後へ移動した。
ピッという音がして、扉が開く。

開くと同時に、辺りが真っ暗になった。


83: 2011/10/13(木) 06:21:16.59 ID:IPnqbitv0

あかりの体が逆光に照らされる。
私はただ見る事しかできない。

結衣、なんで起きてくれないの、結衣。

体を揺らし続ける。
結衣は眠ったまま起きない。

起きろ、起きてよ、起きて。


あかり「京子ちゃん」

京子「結衣、結衣ぃ・・・・」ユサユサ

あかり「聞いてないか、まあいいや。勝手に話すね」

85: 2011/10/13(木) 06:26:01.04 ID:IPnqbitv0

あかり「まず、この場所。ここは工場跡地なの。山奥。もう人は来ない、そして京子ちゃんたちはもう助からない。」

あかり「だって、あかりが扉を締めちゃうもん」

あかり「もう一つはこのゲームの理由。」

あかり「最初は、あかりを探してもらうことだけが理由だった。でも、電気が着いた時点で私の事を気にかけてくれる人がいなかった。気付いてくれる人がいたら、あのあかりの人形の様子も変わってた」

あかり「氏体偽装しなかったってことだよ」

あかり「あかりがあの場に入って、缶詰を開け、中のトマトソースをあかりと、誰かの服にかけて扉を開けた。」

あかり「あかり、頃し合えなんて言ってないんだよ?」

京子「」ピクッ

86: 2011/10/13(木) 06:31:13.43 ID:IPnqbitv0

あかり「『赤いワンピースが鍵』そう・・言ったよね」

京子「あ・・・・・あ・・・・・」


じゃあ、わたしがころしたちなつちゃんは


87: 2011/10/13(木) 06:31:57.06 ID:IPnqbitv0

京子「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」ジョボボボ

あかり「失禁しちゃったねえ・・結衣ちゃんにかかってるよぉ」

あかり「ま、一人でもかけたらどっちにしろみんな脱出させてあげるつもりはなかったんだぁ」

あかり「あかりにだけ見える溝として、ずっと残るもの」

あかり「じゃあ、ばいばい。京子ちゃん」ギッ

あかり「結衣ちゃんの所に早く逝ってあげてね。」

あかり「(ガスがもうすぐ充満するから、ね)」

京子「うぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ゙!!」ビクンビクン



あかり「ゲームオーバー だよぉ」




ガシャン



90: 2011/10/13(木) 06:39:43.57 ID:IPnqbitv0

~~~~~~~~~~~~~~

女子中学生3人が行方不明になってから数ヶ月後、一つのニュースが報道された。

山奥の廃墟で火事が発生。
氏体は3つ上がっており、それぞれ不可解なものである事がわかった。
一つは部屋に横たわった、頭蓋骨が割れて焦げた肉がボロボロの女性。
残りの二つは工場入り口に横たわる2つの遺体。それぞれ女性であることがわかった。

火災があった工場は数年前より近寄る者もおらず、廃墟と化していた。なのになぜ、中に人がいたのか。何故、頃し合ったのか。何故火災は起きたのか。
現在調査中である。

尚、現在警察は犯人も無理心中を計ったのではないか、という線で調査を進め、それがはっきりし次第調査を打ち切る方針でいるとのことだ。









おわり。

92: 2011/10/13(木) 06:42:28.58 ID:IPnqbitv0
支援等ありがとうございました。
長時間、お付き合いありがとうございました。
また話思いついたらスレ立てたいと思ってます。
見かけたら またお前か とか思いながら見てやってね、てへ☆

ちなみに>>46の件
S●Wを見てたらなんか書きたくなっちゃったので若干のパロディです。

引用: あかり「みんな…みんなぁ…」