あ、需要無いか

～ごらく部～

あかり「って会話を廊下で聞いちゃったんだよねー」

ちなつ「」

結衣「」

京子「ほほう」

あかり「えっ、何で京子ちゃん以外無言なの？」

結衣「あかり、それは本当か？」ｽﾞｲｯ

あかり「えっ？」

ちなつ「聞き間違いは無い？」ｽﾞｽﾞｲｯ

あかり「た、多分…」

結衣「多分じゃダメ！！」ﾊﾞﾝｯ

あかり「ひいっ！結衣ちゃん怖いよ！！」

ちなつ「私達は正確な情報が欲しいのよ…あかりちゃん」

あかり「ほ、本当だよ…私の聞き間違いが無ければ…」

結衣「」

京子「ふーむ」

ちなつ「」

あかり「えっ、ちょ、三人ともどうしたの？」

「「「ちょっと用事思い出した」」」

ﾋﾟｼｬﾝ

あかり「三人とも行っちゃった……」

あかり「やっぱり薬が目当てなのかなあ」

あかり「まあ、普通そうだよね」

あかり「京子ちゃん、上手くやってくれるかな…」

～生徒会室～

千歳「って会話を理科室の前で聞いてもうてな」

綾乃「なっ、それと私に何の関係があるって言うの！？」

櫻子「」

向日葵「」

千歳「考えてみてな綾乃ちゃん」

千歳「これはかなり危険やけど、歳納さんとの子供を手に入れる最初で最後のチャンスかもしれへんのやで」

綾乃「とと、歳納京子との…子供……」ｶｱｱｱｱ

千歳「粉薬もシロップも、調達済みや」ｽｯ

千歳「さあ、どうするん？綾乃ちゃん」

綾乃「う～ん…」

千歳「因みに大室さんと古谷さんは二人ともうちから薬もらってどこかに行ってもうたで」

綾乃「えっ、何時の間に！？」

～校舎裏～

櫻子「向日葵が粉薬だよ！」

向日葵「何を言ってるんですの、私がシロップに決まってますわ」

櫻子「ふざけんなー！私が向日葵の子供をゲットするんだ！！」

向日葵「どうせあなた、妊娠すれば学校行かなくても良いとか考えてるんでしょう？」

櫻子「そ、そんなことないもん」ｷﾞｸｯ

向日葵「図星ですわね」

櫻子「で、でも私は向日葵の子供が欲しいんだって！」

向日葵「はいはい、ここは無難に私がシロップですわね」

櫻子「何が無難だー！絶対ひまわ……あっ」

向日葵「どうしましたの？」

櫻子「二人とも粉薬とシロップ飲めばいいんじゃね？」

向日葵「ああ、なるほど」ﾎﾟﾝ

櫻子「なーんだ、最初からこうすればよかったんじゃん」ｺﾞｸｺﾞｸ

向日葵「櫻子にしては妙案ですわね」ｺﾞｸｺﾞｸ

櫻子「ふふーん、もっと私を褒め称えろー」ｷｭｯﾌﾟｲ

向日葵「はいはい、えらいえらい」ｷｭｯﾌﾟｲ

櫻子「それじゃあ早速」ｶﾞｼｯ

向日葵「えっ、まだ心の準備が」

ﾁｭｯ

～生徒会室～

綾乃「むう…行動が早いわね…」

千歳「綾乃ちゃんもうかうかしてると、歳納さん取られてまうで？」

綾乃「で、でもごらく部のみんながこの薬のことを知ってるとは限らないし…」

千歳「いや、多分知ってるで？」

綾乃「えっ、何で？」

千歳「理科室の前で西垣先生の話を聞いていたのはうちだけやないんや」

綾乃「えっ？」

千歳「あかりちゃんも一緒に話を聞いててん」

綾乃「えっ」

千歳「それで、話を聞いた直後に薬を拝借して試してみたんやけど、見事に陽性だったんや」

綾乃「えっ、えっ？」

千歳「今、あかりちゃんのお腹にはうちの子供がおるんや」

綾乃「」

～回想中～

あかり「…聞きました？千歳先輩」

千歳「うん、聞いたで」

ｶﾞﾗﾗｯ

あかり「…西垣先生完全に目が虚ろですね」

千歳「会長もかなり激しいキスするんやなあ」

りせ「………」ﾄﾞﾔｯ

あかり「えーっと、薬は…これかな？」ｺﾞｸｺﾞｸ

千歳「赤座さん！？」

あかり「千歳先輩、粉薬飲んで頂けますか？」

千歳「えっ…」

あかり「あかり、千歳先輩との子供が欲しいな、なーんて…」ﾎﾟｯ

あかり「あっ、嫌だったら良いんですよ？その、千歳先輩がいいんだったら…」ｱﾀﾌﾀ

千歳「…ええで、あかりちゃん」

あかり「先輩……」

あかり「……私、前から千歳先輩のこと好きでした」

千歳「うちは…」ｺﾞｸｺﾞｸ

千歳「……言わなくても分かるし、ええかな？」

ﾁｭｯ

～回想終わり～

綾乃「……一つ聞いていい？」

千歳「何や？」

綾乃「陽性って分かったってことは、妊娠検査薬持ってたのよね？」

千歳「せやけど…？」

綾乃「何でその時検査薬持ってたの？」

千歳「いや、持ち歩かへん？普通」

綾乃「持ち歩くか！」

ｶﾞﾗｯ

京子「綾乃ー！いるかー？」

綾乃「！！！！」

綾乃「とととと歳納ききききききききょきょきょきょうｋｋｋｋ」

京子「落ち着け」

綾乃「……はい」

京子「西垣ちゃんの発明した薬の話は知ってる？」

綾乃「あ、ええ、うん…千歳から聞いたわ」

京子「そっか、なら話が早いね」

京子「粉薬とシロップ、綾乃はどっちがいい？」

千歳「え゛っふ！！ん゛え゛っふ！！」ﾌﾞｼｮｱｱｱｱ

綾乃「ちょ、千歳ー！？」

京子「大丈夫か？」

千歳「こ、根拠は無いけど…大丈夫…」ｸﾞｯ

綾乃「こんなところでボケなくていいから！」

京子「…んで、綾乃はどっち？」

綾乃「ふえっ！？わ、私は…」

京子「私は綾乃とならどっちでもオッケーだけど」

綾乃「……シロップ」

京子「うし、決定！」ｺﾞｸｺﾞｸ

綾乃「わ、分かったわ…飲むわよ…っ」ｺﾞｸｺﾞｸ

京子「綾乃、キスの前に一ついい？」

綾乃「…何？」

京子「…大好き」

綾乃「…私も」

ﾁｭｯ

～生徒会室前～

結衣「はあ…はあ…やっとたどり着いた」

結衣「粉薬はもう飲んだし、あとはこのシロップを京子に飲ませるだけ…」

結衣「ふふっ、待ってろよ京子…」

千歳「それはどうかな、船見さん！」

結衣「千歳…？」

千歳「歳納さんはこの中やけど、綾乃ちゃんも一緒やで？この意味は分かるな？」

結衣「なっ…ならば口移しででも…！」

千歳「もう遅いで…歳納さんと綾乃ちゃんは結ばれたばっかりや、誰も二人を止めることは出来へん…うちがいる限りはな！！」

千歳「この中に入りたければ、うちを倒して行くんやな！」ﾄﾞﾝｯ

結衣「くっ…！」

千歳「諦めるんや、船見さんも女やろ？」

結衣「……ああ、京子の気持ちも分かった、潔く諦めるよ」

千歳「……それでこそ、百合の道を進む者たる正しい姿や」

～廊下～

結衣「ははっ、京子にこんな形でフられるなんてな……」ﾌﾗﾌﾗ

結衣「折角粉薬飲んだのにな……ははっ」

結衣「……さっきからははっ、しか言ってないな………ははっ」

ちなつ「ゆーいーせーんーぱーい！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

結衣「ちなつちゃ…むぐっ！！？」

ちなつ「んっ…れろっ…ぷはぁっ」

結衣「なな、ちなつちゃん！？」

ちなつ「結衣先輩、私でよければ、結婚を前提にお付き合いして下さい！」

結衣「え、ええっ！？」

ちなつ「本当はもっと早く言っておくべきでしたが…状況が状況なのでこんな形になっちゃいましたけど」

ちなつ「でも、私の気持ちは真剣なんです！」

ちなつ「大好きです、結衣先輩っ！！」

結衣(……何だろう、正直…気圧された感じはあるけど)

結衣「……いいよ」

結衣(今、心の底から、あったかいものを感じる)

結衣「凄く伝わった、ちなつちゃんの気持ち」

ちなつ「ほ、本当ですか！？」

結衣「うん、これからよろしくね、ちなつちゃん」ﾆｺｯ

ちなつ「は、はいっ！」

結衣「…因みにちなつちゃん、薬飲んだ？」

ちなつ「はい、シロップ飲んでますよ！」

結衣(……だろうと思った)

～14年後～

京子「いやー、三十路前になるとみんなもうオバサンだなー」

結衣「そういうことを言うな」

綾乃「そうよ、京子はいつまでたっても変わってないんだから」

京子「…それ褒めてるの？」

綾乃「ふふっ、どうかしらね」

あかり「それにしてもまたこのメンバーで集まれるとは思わなかったよー」

ちなつ「と言っても、中学校の父母会の集まりですけどね」

あかり「父母会って…女性ばっかりだけど」

千歳「時代も変わったものやね、同性婚が日本で一般化するなんて思わなかったわあ」

あかり「あれから西垣先生、どうなったんだっけ？誰か知ってる？」

綾乃「厚生労働省かどこかに目を付けられて、しばらく逃亡してたけど捕まったみたいよ…例の薬の作り方を無理矢理聞き出されたみたい」

千歳「そのおかげで同性婚が法律で認められるようになったようなもんなんや、西垣先生には感謝やで」

あかり「そうだったんですか…」

結衣「まあ、国の機関が黙っているとは思ってなかったけどね…だいぶ危険な薬だったし、いろんな意味で」

綾乃「みんなの家の子供はどの部活に入るの？」

京子「因みにうちは綾乃が生徒会に入れるってうるさいんだよね…ごらく部立て直せば良いのに」

結衣「あんな部活立ち上げるのは後にも先にも京子ぐらいのもんだぞ」

ちなつ「家は茶道部に入れる予定です」

あかり「えっ、確か茶道部は去年あたりに廃部になったって聞いたんだけど…」

京子「おおっ、ごらく部再建のフラグか？」

千歳「流石にそれは無いと思うで…」

ちなつ「茶道部ってそんなに人気無いのかな…私達の卒業後に再建したって聞いたのに…」ｼｭﾝ

結衣「さて、茶道部になるか、ごらく部になるのか…どっちなんだろうな」

とりあえずこれで終わりです

正直14年後が書きたかっただけだったけど…読んでくれた人ありがとう、そしてこんなオチでごめんなさい

乙☆

おまけinPTA総会

櫻子「むぐぐぐぐ…」

向日葵「ふぎぎぎぎ…」

櫻子「時期PTA副会長はこの櫻子です！異論は？無いですね？」

向日葵「何を言ってるんですの！次期副会長は私、向日葵に決まっていますわ！」

りせ「………」

綾乃「はあ……あの二人、まったく変わってないわね……」

千歳「でも、これはこれで安心するなあ」

綾乃「まっ、そうね……」

乙