ハゲ経理部長「僕くんは数年ぶりの新人だ、期待してるよ」

経理僕「はい！がんばります！」（あばばばばばばば）

デブ経理課長「とりあえず今はこれ読んでおいて、内容はわかるでしょ？」経営財務ﾄﾞｻｧ

経理僕「はい！」（やだよおおおお）ｼﾞｮﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞ

会社「定時やぞ」ﾘﾝｺﾞﾝ

僕（１日本読んでた・・・）

デブ経理課長「さて・・・」

僕（！とうとう仕事かな、それとも飲み？）

デブ経理課長「僕君、今日は上がっておきなさい」

僕「は、はい！」（はぁ？？？）

メガネ経理係長「おっいいなぁ。うまいもんくってかえろよ」

僕「はい！」（あぁぁぁぁぁぁぁぁ）ｼﾞｮﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞ

三日後

僕「課長！」

デブ経理課長「どうした？」電卓ｶﾀｶﾀｶﾀ

僕「経営財務、一通り読み終わったのですが・・・」

デブ経理課長「そうか、早いな」

僕「ありがとうございます！そしたらそろそろ・・・」

デブ経理課長「ほい」税務通信ﾄﾞｻｧ

僕「」（あぁぁぁぁぁぁぁぁ）ｼﾞｮﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞ

１ヶ月後
僕（経理部門に１ヶ月いたけど、みんな遅くまで残って決算をしてる）

僕（僕がなにをしたかって、本読んで、時々雑談付き合うくらいで定時上がり）

僕（最初は申し訳なかった定時上がりも、最近は罪悪感すら起きない）

僕（僕は・・・）

デブ経理課長「部長、決算発表出ました」

ハゲ経理部長「お疲れ様でした、課長。あとは株主総会だね。」

デブ経理課長「ははは、そこは総務に任そうと思ってます」

ハゲ経理部長「ははは」

デブ経理課長「さて、僕くん。」

僕「！！！はい！」

デブ経理課長「しばらく歓迎会もできず申し訳なかったね」

ハゲ経理部長「見てのとおり、経理部は人手不足でね。決算時期にはみんなてんてこ舞いで、なかなか相手も出来なかったこと、申し訳なく思ってるよ」

僕「そんな・・・」

デブ経理課長「僕くん、君が思うこの部門の問題点はなんだい？」

僕「え、そんな問題点なんて・・・」

デブ経理課長「君、本読みながら人の仕事じっと見てただろう？何となく、なにをやってるのはわかっただろう？」

僕「でも、簿記の勉強と違いすぎて・・・」

ハゲ経理部長「根っこの理論は一緒だよ。」

僕「うーん・・・」

僕「エクセルの使い方、くらいしか思い浮かばないです・・・」

デブ経理課長「ほう？というと？」

僕「みなさんエクセルに数字を入力して、そこから表に作り直してらっしゃいましたよね？」

デブ経理課長「そうだな、このあたりはルーチン化されているよ」

僕「僕なら、入力シートと作表シートを分けます。」

デブ経理課長「ほう」

僕「基本勘定科目ってある程度決まってますよね？だから、勘定科目コードで集計をくくる形で作表シートをあらかじめ仕込んでおくんです」

デブ経理課長「・・・なるほど」

ハゲ経理部長「ははは、なるほど」

僕「すみません、こんなもんしか・・・」

デブ経理課長「なるほどな、確かにそうだ」

デブ経理課長「でも、一つ思い違いがあるのも事実だね」

僕「え？」

デブ経理課長「たとえばこれ、みてごらん」

僕「勘定科目表、ですよね」

デブ経理課長「更新日のところをみてみよう」

僕「・・・年に何度も更新している？」

デブ経理課長「そう、勘定科目は常に変化しているんだ」

僕「・・・」（習ってないよおおお）

ハゲ経理部長「税務通信をみていたね？最近のトピックは何だった？」

僕「えっと、気になったのは、、消費税増税でしょうか？」

ハゲ経理部長「お、ちゃんと読んでるじゃないか」

デブ経理課長「あれはどういう内容だった？」

僕「ええと、消費税は10パーセントに上がって、でも一部の品は８％に据え置きされて・・・」

デブ経理課長「そうだね、品目は覚えてるかい？」

僕「ええと、テイクアウトの食品と、新聞？でしたっけ」

デブ経理課長「そうそう、それに会社としてはどう対応することになるとおもう？」

僕「ええと、、」

デブ経理課長「いきなりは難しいね、すまない」

僕「対象の科目を分けておく、ですか？」

デブ経理課長「ほう？どうしてそう思った？」

僕「僕が集計する立場なら、そういう特殊な税率を持つ科目は独立させておきたいから・・・あ。」

デブ経理課長「わかったかい？」

ハゲ経理部長「勘定科目はあるいみ、我々にとっての最後のヒントだからね。増やしすぎは良くないが、留めておく理由もない」

僕「なるほど・・・」

僕「難しいです・・・習ってきた内容とちがうので・・・」

デブ経理課長「ははは　そりゃ、学生に出来てしまったら僕らの仕事はなくなるさ」

ハゲ経理部長「でも視点は本当によかった。やっぱり君は経理向きだよ。」

僕「ありがとうございます・・・」

ハゲ経理部長「期待してるよ」

僕「・・・はい！」

半年後
僕（だいぶ仕事になれてきた）

僕（元々簿記はあるし、貸借はわかるのが助かる）

僕（でも、経理って一番しんどいのが・・・）

営業課長「僕くん、ちょっといいかな？」

僕「はい！なんでしょうか！」

営業課長「ちょっとここの会計処理、教えてもらえない？」

僕「ええと、ああ・・・飲み会の・・・」

営業課長「これさ、なんとか雑費にならないかな？事務の女性が交際費じゃないかってうるさいんだよ。」

僕「えぇと・・・証憑書類をみせてもらっていいですか？」

営業課長「これなんだけどね」

僕（金額基準は、、ぎりぎり5000円未満か・・・でも参加者は社内の人しかいないし・・・）
僕（あれ、この名前・・・）

僕「この方、社外取締役の方ですよね？」

営業課長「そうなんだよね、事務の子はこれが関係者としてみるべきじゃないかって」

僕「それならいけるかもしれないです。ちょっと考えてみますね。」

僕（来る人が軒並み課長以上なんだよなぁ・・・）

僕（この人たちは僕を頼ってる訳じゃなくて、僕の肩書きを頼ってるんだよなぁ）

僕（なんか複雑な気持ちだや）

ハゲ経理部長「どうした？元気ないな」

僕「大丈夫です！」

ハゲ経理部長「そうか？今日は早めに帰りなよ。」

僕「いけます！残業代稼がせてください！」

ハゲ経理部長「こらこら」

僕「ははは」（はぁ）

おわり