1: 2012/08/25(土) 09:37:04.59 ID:BKtnl7Sp0
雨の降りしきるインハイ6日目の夜
午後5時30分
清澄高校宿泊ホテル最寄りの駅

京太郎「…ふいー。雨つえーなー」

優希「…ん。すまんな。こんな中で連れ出してしまって」

京太郎「別にお前の我侭に付き合うのなんか今更だし別に構わねーけど…どこ行きてーんだよ」

優希「ん…」

京太郎「タコスか?」

優希「…ハズレ」

京太郎「…?」

優希「…インハイの、会場見に行きたい」

30: 2012/08/25(土) 10:01:15.22 ID:BKtnl7Sp0
咲-Saki- 25巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)
6: 2012/08/25(土) 09:41:21.68 ID:BKtnl7Sp0
同日午後6時
BAR『君と僕』

晴絵「おっ。来たね?すこやん」

健夜「ごめんね。ハルちゃん。ちょっとインハイの解説の打ち合わせで…」

晴絵「いいっていいって。私とすこやんの仲なんだし」

健夜「うん。ありがとう。ところで、どうしたの?確か3部屋合同オフ会は此処じゃなくて、『真夏の夜の夢』っていう居酒屋で、8時からだったと思うけど…」

晴絵「ん?ああ、いや…ね」

健夜「?」

晴絵「…ちょっと、相談に乗って欲しくって」

9: 2012/08/25(土) 09:42:21.33 ID:BKtnl7Sp0
同日午後6時30分
カフェ『ゆるゆり』

照「やっ」

怜「よっ」

照「…作戦会議」

怜「ん」

照「ちょっと早いけど」

怜「うん」

照「絶対、あいつらなんか企んでるし」

怜「わかっとる」

照「…」

怜「…店、入ろか」

照「…うん」

17: 2012/08/25(土) 09:48:31.28 ID:BKtnl7Sp0
同日午後7時
読書喫茶『Aチャンネル』玄関前

ゆみ「此処だ。ここに連れてきたかったんだ」

咲「うわぁ…お店の外からでもわかる。古書がいっぱい…」

ゆみ「ふふ。咲は文学少女だと知ったからね。一回連れてきてあげたかったんだ」

咲「ありがとうございます、ゆみさん!」

ゆみ「ふふ…」

咲「…ゆみさん?」

ゆみ「…いや。なんでもない。さあ、入ろうか」

咲「はいっ!」

ゆみ「」ガチャッ

カラン♪

パタン


  「…」ユラリ


モモ「…」

27: 2012/08/25(土) 09:57:18.07 ID:BKtnl7Sp0
モモ「…妙にそわそわしてたから気になって後を追けてみれば」

モモ「なんで先輩とリンシャンさんが一緒にこんなオシャレな店に連れ立って入ってるっすか…!」

モモ「思えば、最近妙に仲が良かったっす」

モモ「聞けば一緒にお泊りまでしてたらしいっすね。しかも、お互いの家で」

モモ「…怪しい」

モモ「先輩、裏切りは許さないっすよ」

モモ「私に対してもそうだけど…」

モモ「それ以上に、リンシャンさんは私の同志、おっOいさんのモノっす」

モモ「それを横から掻っ攫うとか…それは畜生の所業っす」

モモ「もし…もし先輩がその気だったら……私は、先輩と対決しなきゃいけなくなるっす」

モモ「願わくは、思い止まってください」

ピピピ

モモ「…今は、こちらに費やしている時間は無い…っすか」

モモ「腐部屋殲滅作戦。その、作戦会議の時間っす」クルッ

モモ「…いざ、『真夏の夜の夢』へ」ユラリ

37: 2012/08/25(土) 10:09:30.71 ID:BKtnl7Sp0
咲「うわあ…凄いですね。このお店。年代物の、凄い古い文庫本が読み放題なんて…」

ゆみ「そうだろう?ふふふ。喜んでもらえているようでなによりだよ」

咲「けど、どうしていきなり、こんな?」

ゆみ「いや、なに。君と少し話をしたくてね」

咲「?」

ゆみ「…ふふ。キョトンとしているね。訳がわからない?」

咲「…え、ええ。まあ」

ゆみ「この後、ちょっと重要な用事があるんだ。それがこの近くなんだよ」

咲「はあ…」

ゆみ「大体8時頃かな?それで、君に、ここで私の帰りを待っていて欲しいんだ」

咲「帰りを?」

ゆみ「…ああ。帰りを、だ」

咲「それは別に構いませんけど…」

ゆみ「それまで時間があるだろう?なに。それまでの本の暇つぶし役をお願いしたいんだ」

咲「…ゆみさん?なんだか、今日はちょっとおかしいです…」

41: 2012/08/25(土) 10:14:07.61 ID:BKtnl7Sp0
ゆみ「…」

咲「なんだか、いつもの理路整然としたゆみさんじゃなくって、少し、逸っているような…」

ゆみ「…敏いな。君は」

咲「…」

ゆみ「だが、だからと言って話せる内容ではない。…そう心配そうな顔をするな。別に氏にに行くわけじゃない」

咲「じゃあ、どうして」

ゆみ「それは話せないと言ったろう?」

咲「…」

ゆみ(…ふふ。この様子だとやはり知らないようだ。あの時も、その前も、彼女は現場に居なかったからな。呼び出される理由も、無い)

咲「だったら」

ゆみ「…うん?」

咲「だったら、なんで私を此処に連れてきたんですか?」

ゆみ「…」

咲「それが、私には分らないんです」

ゆみ「…」

43: 2012/08/25(土) 10:18:33.51 ID:BKtnl7Sp0
咲「せめてそれを教えてくれないと、納得行きません」

ゆみ「…ふう」

咲「…」ジッ

ゆみ「…わかったよ」

咲「…っ」

ゆみ「少しだけ話す」

咲「…お願いします」

ゆみ「大事な場所を、守りに行くんだ」

咲「…?」

ゆみ「それ以上は言えない」

ゆみ(そうだ。言えるものか。ネクターは、私に言った。オフ会に来なければ、腐部屋を自作の百合小説で埋め尽くす、と)

ゆみ(クソレOめ。私達の居場所を、みすみす穢させて堪るものか。直接引導を渡してやる)

咲「ゆみさん?」

ゆみ「…ああ、すまない」

咲「大切な場所って…」

45: 2012/08/25(土) 10:24:21.78 ID:BKtnl7Sp0
ゆみ「それも言えない」

咲「…」

ゆみ「…ふふ。けど、少しばかり重労働になりそうでね。その前に、確認しておきたかったんだ」

咲「確認」

ゆみ「ああ」

咲「…」

ゆみ(大切な居場所の、大切な友人。その、愛おしい顔を、ね)

ゆみ「…ああ、悪い。少しナイーブになっていたようだ。心配しないでもすぐ戻るさ。そうだな、用事は8時からだから…9時には全て終わるだろう」

ゆみ「それまで、待っていて欲しい。…弱い私に、帰るべき場所を、理由をくれ」

咲「ゆみさん」

ゆみ「…さあ、辛気臭い話はここまでだ。この店は好きな本を読めるんだぞ。この間調べたんだ。好きだろう?こういうの。ほら、遠慮するな」

咲「…」

ゆみ「…どうした?咲」

咲「…本も好きですけど」

咲「今は、ゆみさんとお話したい。…なんとなく、そう思うんです。…まだ、時間ありますよね?」

49: 2012/08/25(土) 10:33:44.93 ID:BKtnl7Sp0
ゆみ「ああ。そうだな。まだ時間に余裕はある…」

咲「じゃあじゃあ!」

ゆみ「おおっ!?」ビクッ

咲「生きのいい最新ネタがあるんです!聞いてください!!」ズイッ

ゆみ「お、おお…」タジッ

咲「カッサーノがインテルに決まりました!!」

ゆみ「…」

咲「カッサーノです!カッサーノですよ!?あの悪童カッサーノです!!バティストゥータの家にパーティーで呼ばれた際に家庭菜園のプチトマトを全部食べちゃうくらいの悪童カッサーノ!!」

ゆみ「はい」

咲「しかも、初日でいきなり長友に絡みました!クッソ濃厚に!!」

咲「これは大変な事態ですよ!?」

咲「まず起こるのは、悪童ぶりを発揮し長友とスナイデルの鉄壁カップルの間に割り込むカッサーノという三角関係!!」

咲「そして、自然な流れとして、『王様』スナイデルの力で均整が取れていた筈のパワーバランスが崩壊!!」

咲「さらに自然な流れとして、それまでスナイデルに遠慮して長友に手を出せなかったガチムチ野郎どもが、此処ぞとばかりに長友というスクデットを取り合う大戦国時代!!」

咲「それとは(カッサーノ以外は)関係なしに崩壊するミラノ!」

59: 2012/08/25(土) 10:45:30.96 ID:BKtnl7Sp0
ゆみ「おい、最後。ミラニスタに怒られる」

咲「これはもう…きゅっふ…」

ゆみ「咲ー」

咲「きゅふ…イ、インテル全体を巻き込んだ大コパ・イタリアの始まりとしか…」

咲「そして最後、私の予想では長友を勝ち取るのはモラッティ会長なんですが…」

咲「ゆみさんは誰が最初に長友のラ・ステラを夏のメルカトーレで獲得するとトトカルチョ?」

ゆみ「…ふふ。相変わらずだね。君は」ナデナデ

咲「きゅふふふ♪」

ゆみ「本当、君の話を聞いていると、とても温かい気持ちになるよ」

咲「…ゆみさん?」

ゆみ「私はあまり、そういうのを想像するのが上手くないものでね」

ゆみ「君のそういう想像力、というのかな。そういうのに、とてもお世話になっているんだ」

咲「ゆみさん」

ゆみ「だから、これからも変わらない君で居てくれ。…もう少し時間があるな。聞かせてくれよ」

咲「じゃあ、次の話は…」

60: 2012/08/25(土) 10:48:10.30 ID:BKtnl7Sp0
照「指定の時間まで、あと1時間…だね」

怜「…せやな」

照「百合豚共との最終決着…絶対に、根絶やしにしてやらなきゃ」

怜「…せやな」

照「腕が鳴るよ。…あ、ちなみに私の場合、本当に鳴るんだ。ほら、見て。腕クルクル」ギュイーーーーン

怜「…せやな」

照「…もう。ちょっと反応して欲しかった。折角ビックリさせようと思って袖に仕込んだ光る、回る、音まで出る玩具なのに」ショボン

怜「…ん。ごめんな」

照「ううん。私の方こそ、つまんないボケしてごめんね?関西の人にはレベル低かったかな」

怜「…そうじゃない」

照「?」

怜「…そうじゃ、無いんや」ブルブル

照「…怜」

怜「…怖い」ボソッ

照「…」

61: 2012/08/25(土) 10:52:18.96 ID:BKtnl7Sp0
怜「…アンタも、覚えとるやろ?あの百合薔薇末期の、どらごんの姿…」

照「…」

怜「気張って口喧嘩した。挑発もした。っていうか、エスカレートして頭に血昇った勢いでリアルファイト一歩寸前までも行ってもうた」

照「…うん。覚えてる」

怜「けど、後で冷静になって考えたんや。アイツ、ほんまモンのヤンキーやないんかって」

照「…」

怜「アンタも、思い当たる節ない?アイツ、最初は温厚やったんや。けど、豹変した」

照「…」

怜「まるで本性を隠すように。ここでは所謂バンピーの真似事でもして遊んでよう、みたいな感じ」

照「…けど、キレた」

怜「うん。それで、始まったんや。本気でウチを潰しに来た。一発でウチが病弱って看破してきよったし」

照「…確かに『お前リアルじゃヒョロいんか』って…」

怜「あんな短期間の会話で見破られたの初めてや。まるで近くにそんな人間が居るかのような…」

照「…あれは凄かった。私だって、怜と口喧嘩しててもそうと識るまで時間がかかったのに…」

怜「しかも、家が近いってのも」

63: 2012/08/25(土) 10:56:49.77 ID:BKtnl7Sp0
怜「…方言が似てるから、だとは思うけど…」

照「…」

怜「それでも、使ってる駅まで一緒だとは思わなかった」

照「千里山駅…」

怜「…てるてる。ウチ、怖い」

照「…」

怜「…きっと、アイツ、ウチが今日来るって知って、特定できるチャンスだからって、わざわざ東京まで来たんや」

照「言われてみれば確かに!な、なんてネチっこい奴!」

怜「だとしたら、例え今日なんとかなっても、地元に帰ったらやられる…本当にボコボコにされて裸で千里山駅に捨てられるかもしれへん」

照「…怜」

怜「…そう考えたら、ウチ、身体の震えが止まん…ヒッ…な、く…ヒック…なっ、て…っ!」ガタガタ

照「…怜」スッ

怜「…っ!」

照「…怖いなら、無理しなくて良いんだよ」ギュッ

怜「…」

66: 2012/08/25(土) 10:59:09.31 ID:BKtnl7Sp0
照「怖いなら、わざわざアイツに会いに、オフ会なんて行くこと無い」ギューッ

怜「…けど、今回のオフ会は、ウチらの面子もかかってるんやろ?」

照「…」

怜「確かに、ネト麻5大危険生物だかってのに認定されとるのは、ウチとアンタと、あとアラサーの3人に対して百合部屋はどらごん一匹やけど」

怜「…けどあの戦争の敗者はウチらや」

怜「最後、ウチらがビビって逃げて、百合部屋のネクターとマグマが残った。それが世間の見解」

怜「だから、戦争の名前も『百合薔薇』戦争。…一般には、乙女部屋を荒らした腐部屋を百合部屋が駆逐したって話。ウチらが悪で、百合が正義」

怜「今更世間の目とか、そんなのは屁でも無いけど…ウチらの唯一の拠り所は強さだったのに」

怜「アンタと二人、腐部屋黎明期から築いて来た、どんな荒らしにも負けない、敵は叩き潰してきた。そんな絶対たる力やったのに」

怜「腐女子だからって、ネット世界でもいっぱい虐められて来た。それでも戦って戦って、闘い抜いてやっと勝ち取った、安息の居場所やったのに…!」

怜「…ウチと、アンタの、絆の生まれた場所やのに」

照「…」

怜「…無くしたくないよ」

照「…大事なのは、リアル。そうでしょ?」

怜「…」

69: 2012/08/25(土) 11:01:54.52 ID:BKtnl7Sp0
怜「…てるてるは、どうするん?」

照「…私は、行くよ。会わなきゃ…ううん。やっつけなきゃいけない奴が居るから」

怜「…のどっち」

照「うん」

怜「ネト麻界の伝説にして、百合部屋のリーダー」

照「そして、私と園城寺さんの関係を、てるてる姫とアミバの居場所を冒涜する畜生」

怜「…来なきゃ私等がレOる小説で腐部屋を埋め尽くす…だったか」

照「私は、許せない。許さない。絶対に」

怜「…」

照「園城寺さんがあの場所を大切に思ってくれてるように、私もあの場所が大切。大好き。愛してるといっても良い」

照「アミバに、カンちゃんに、シャイニングに、ゆみ。LEGENDとすこニャー。みんな、大切な友達なんだ」

怜「…」

照「だからこそ、あの場所をみすみす侵させるわけにはいかない」

照「だから、その前に潰す…!」

怜「…けど、どらごんが…ううん。もしかしたら、もっとヤバイのだって来るかも…」

71: 2012/08/25(土) 11:05:40.85 ID:BKtnl7Sp0
照「負けない」

怜「アホ抜かせ!アンタ、運動音痴や。万が一喧嘩にでもなったら、敵う訳あらへん!」

照「大丈夫。秘策がある。それに、ゆみや大人達と合流する手筈になってる」

怜「…」

照「特に、ゆみは只者じゃない気配がするんだ。こと荒事になったら、多分結構なやり手だと思う。…一応大人も居るし。一応。本当に一応。いざ秘策も不発だったら、最悪すこニャーに酒飲ます」

怜「てるてる…」

照「だから、行くよ」

怜「…」

照「園城寺さんは、もう帰ったほうが良い。病弱なんだし、夏とは言っても夜の空気は毒だよ」

怜「…」

照「…」 

怜「…はあ」

怜「…アホ抜かせ」

照「…」

怜「そんな事言われて、おめおめ引き下がれるか。女が廃るわ」

77: 2012/08/25(土) 11:10:36.98 ID:BKtnl7Sp0
照「園城寺さん!」

怜「ウチも行く」

照「…駄目」

怜「どうして」

照「だって…どらごんは地元のヤンキーかもって…!」

怜「…ま、もしかしたらアイツもウチみたいに口だけかもやし」

照「わかんないんだよ!それに、他の奴らもどんな奴か得体が知れないし…」

怜「それは、お互い様」

照「…」

怜「第一、忘れたんか?ウチのがリアルファイト強いって」

照「っ!」ビクッ

怜「その顔、覚えとるよね?ええわ。でも最初から説明したる」

照「ちょ、待って、それは…」

怜「3日前、のどっちに挑発された後の事。口論なったよね?『確かに言われてみれば本当の所、どっちが強いんだろね』って」

照「あ、あれは…や、やめてよ。今蒸し返さないでも」

79: 2012/08/25(土) 11:15:48.31 ID:BKtnl7Sp0
怜「まあ、最初は変な空気打ち払うため無理やりいつもの空気にするために話題作った感じだったとは思うけど」

照「そ、その話はちょっと…ねえ、もうやめようよ」

怜「なんやヒートアップして、実際どっちが取っ組み合い強いかやってみることになって」

照「園城寺さーん…」

怜「叩かれるのは痛いし怖いからって、ベッドの上でレスリングで勝負したもんな」

照「…」

怜「で、その結果。どっちが勝ったっけ?ん?」

照「…覚えてない」

※地文付きで二人の濃厚なレスリングの回想が入る予定でしたが、尺の都合とレスリング厨はNGなので染谷先輩がキングクリムゾンをして下さいました

怜「…ま、ええけど。けど、アイツらに会いに行くならやっぱウチも居た方がええって。むしろアンタが帰った方がええんとちゃう?大会中のチャンピオンが謎の怪我とか洒落にならへんよ。喧嘩になるとは限らんけど」

照「それは…出来ない」

怜「どうして」

照「多分、園城寺さんと同じ」

照「…部活のみんなも大事だけど」

照「今の私にとっては、園城寺さんとの居場所がそれと同じくらいに大切だから」

86: 2012/08/25(土) 11:19:59.14 ID:BKtnl7Sp0
怜「…わかっとるやない」

照「け、けど、私は園城寺さんに傷付いて欲しくないし…」

怜「…なあ、てるてる」

怜「ウチ、アンタと一緒に喧嘩するの楽しみやねん」

照「…」

怜「ネットで暴れるのも好きや。けど、だから、リアルでアンタと好きに暴れられるんなら、それも素敵や。命すら掛け甲斐がある」

照「…お、大袈裟だよ」

怜「それに、な?てるてる」

照「…」

怜「アンタと二人なら、頭下げるのも悪うない」

照「…」

怜「…8時や。行こか」

照「…うん」

怜「…ま、ちょっと怖いけどね。…現地まで、手、握ってくれへん?」

照「…うん」ギュッ

93: 2012/08/25(土) 11:27:41.55 ID:BKtnl7Sp0
健夜「…ふんふむ。それで教え子達にきつく当たっちゃっと」

晴絵「そうなんだよー。うえー。やっちまっただー」グダー

健夜「やっちゃったねー」

晴絵「本当だよもー。次準決勝だからさー。すこやんにがっつりやられちゃった準決勝だからさー。ナイーブなっちゃってー」

健夜「あはは…」

晴絵「笑い事じゃねーよー」

健夜「…ごめんごめん。けど、あの時のアレ。そんなに堪えてたんだ」

晴絵「そらもう、虎と馬が数えきれないくらい何回も夢に出るほど」

健夜「ごめんねー?けど、私も跳満以上喰らったのアレっきりなくらいだし、お互い様って事にならないかなー」

晴絵「…解説聞いててもたまに思うんだけど、そういう自虐風自慢、止めたほうが良いよ。無意識っぽいけど」

健夜「え?え?え!?」

晴絵「…ほんとうに素かよ。この子怖いわー」

健夜「えっと…ご、ごめんね…?」

晴絵「…ま、いいわ。トラウマ作った本人に慰めて貰ってトラウマ回復とか格好悪いしー」

健夜「あう」

95: 2012/08/25(土) 11:30:52.93 ID:BKtnl7Sp0
晴絵「…プロにさー。誘われちったんだよー」

健夜「…」

晴絵「どーすっかなーって」

健夜「…」

晴絵「またアイツら置いてけぼりにすんのもなー…」

健夜「…」

晴絵「…すこやんはどー思う?」

健夜「まずバックグラウンドが見えないんだけど…」

晴絵「おー」

健夜「私は…ハルちゃんとまた麻雀打てたら、すっごく嬉しいかも」

晴絵「…」

健夜「…って、感じっすけど」

晴絵「…ま、参考にしとく」

健夜「…はあ」

晴絵「…はあ」

98: 2012/08/25(土) 11:37:54.83 ID:BKtnl7Sp0
健夜「なんかさー」

晴絵「んー?」

健夜「こういう時にビシーっと格好良い台詞言えたら、大人っぽいんだけどねー」

晴絵「わかる」

健夜「思うように理想の大人になれていない、今の私」

晴絵「わかる」

健夜「今頃この趣味に理解ある優しくて格好良い男の人と結婚してる予定だったんだけどなー」

晴絵「腐女子が何を烏滸がましい」

健夜「思うようにならないよ。ホント。麻雀だって結局銀メダルだったし」

晴絵「スカッとしたわ。アンタ負けたの見て」

健夜「なんだとう」

晴絵「へっへーん。ぷー」

健夜「…子供っぽい」

晴絵「アンタより年下だし」

健夜「ぐう…」

102: 2012/08/25(土) 11:43:29.39 ID:BKtnl7Sp0
晴絵「やーい、アラサー」

健夜「ハルちゃんだってもうすぐだからね。その時今言った言葉後悔しても知らないんだからね」

晴絵「はいはい。…そろそろ行く?」

健夜「まったく。…ん。そうだね。行こうか」

晴絵「ゆみちゃんすら喧嘩腰だったからなぁ」

健夜「大人二人で宥めませんと」

晴絵「諸悪の根源のくせに」

健夜「反省してます」

晴絵「最悪人身御供だな」

健夜「…私、なんでこうも弄られ体質なんだろう。お祓いでも行こうかな」

晴絵「そりゃ神様がお腹下すから止めたほうが良い」

健夜「ちょ、それどういう…」

晴絵「あはは。じゃ、出るよ。ここの払いは任せた。お・ね・え・さ・ん」カラン

健夜「…もうっ」

105: 2012/08/25(土) 11:50:40.29 ID:BKtnl7Sp0
京太郎「…ふいー。雨つえーなー」

優希「…ん。すまんな。こんな中で連れ出してしまって」

京太郎「別にお前の我侭に付き合うのなんか今更だし別に構わねーけど…結局何が目的なんだよ」

優希「ん…ちょっと」

京太郎「タコスか?昼間に道中でなんか美味そうな店見つけたとか」

優希「…ハズレ。だから、会場を見に行きたいって言ったろ」

京太郎「昼も行ってたのに、マジわかんねー」

優希「…なあ、京太郎」

京太郎「あん?」

優希「…ちょっと前の約束、覚えてるか?」

京太郎「…約束?」

優希「ああ」

京太郎「えっと…なんか、したっけ?俺ら」

優希「…」

京太郎「あ、わ、わりい。今思い出すから~…」

106: 2012/08/25(土) 11:56:07.97 ID:BKtnl7Sp0
優希「ハギヨシさんちにプレゼント持ってった日の約束」

京太郎「…ああ!」

優希「思い出してくれた?」

京太郎「おーおー。覚えてる覚えてる。全国優勝したらお前にラーメン奢ってやるってやつな!」

優希「覚えてるんならいいじょ」

京太郎「それがなんだってんだよ」

優希「確認したかっただけだ」

京太郎「確認って、卑しいやつだなお前。大丈夫だって。なんだって頼んで良いから」

優希「…」

京太郎「…?」

優希「いや、なに。モチベアップの為だしな」

京太郎「…」

優希「…一回、現地をもう一回、その…お…おま…」

優希「…奢ってくれるお前と、確認したかったんだじょ」

京太郎「…なんだそりゃ」

109: 2012/08/25(土) 11:59:51.10 ID:BKtnl7Sp0
優希「…すまん」

京太郎「…?なんでそこで謝るんだ?お前、ホント今日なんか変だな」

優希「…」

京太郎「…ま、いいけどよ」

優希「…」

京太郎「…」

優希「…今日、みんなの役に立てなかった」

京太郎「…」

優希「染谷先輩がカバーしてくれたけど…私…ちょっと怖くなっちゃったじょ」

京太郎「…」

優希「…この先、私の力が通用するのかって」

京太郎「…」

優希「ま、また…ま、また…な、長野の、け、決勝みたいに…みんなの足、引っ張るんじゃないかって…!」

京太郎「…」

優希「な、長野や、今回は何とかなったけど…!」

111: 2012/08/25(土) 12:04:17.88 ID:BKtnl7Sp0
京太郎「…」

優希「もし私のせいで負け… 「ほい」ポンッ …?」

優希「…?」

京太郎「うりうり」ポンポン

優希「…なにしてるじょ?京太郎」

京太郎「頭叩いてんだよ」ポンポン

優希「…」

京太郎「…お前は十分すげーよ」ポンポン

優希「…」

京太郎「タコス食えばパワーアップとか訳分かんねーけどさ」ポスッ

京太郎「それでも、全国の俺なんかじゃ相手にもなんねーような強豪相手にすげー活躍してたじゃん」

優希「けど…」

京太郎「あの神代小蒔にだって互角に渡り合ってた。ま、最後のは向こうの意地だな。運悪かったよ」

優希「けど、この先はもっと手強い…!」

京太郎「待ってな。準決じゃもっと美味いタコス食わせてやるから」

114: 2012/08/25(土) 12:07:57.24 ID:BKtnl7Sp0
優希「…」

京太郎「んで、決勝はもっと美味いタコスだ。先勝ち進んで敵がインフレしても、お前のタコス力も同じくらいインフレすると思え」

京太郎「お前の雀力と俺のタコス作りの腕じゃ、まだ始めたばかりな上に師匠が最強な俺の方が伸び代も勢いもあるだろうしな」

優希「…ばか」

京太郎「姿あんま見かけなくなったと思ったら、それはタコス作る練習してるかレシピの勉強してると思えよ。対局してるお前より時間はあるけど、なるべく頑張るから」

優希「…」

京太郎「…だから、まあ、なんだ。頑張れ。今日のは、俺の練習不足のせいだ。次は大丈夫だから」

優希「…ありがと」ボソッ

京太郎「ん?」

優希「…なんでもない」

京太郎「…そっか」

優希「……行こう。京太郎」

京太郎「ん」

優希「なあ、京太郎」

京太郎「おう」

115: 2012/08/25(土) 12:13:09.10 ID:BKtnl7Sp0
優希「私…」

優希「私……」

優希「私………!」

優希「…私、タコス期待してるじょ」

京太郎「ん」

優希「…」

京太郎「…腹減ったな。途中でなんか食ってくか?」

優希「そうだな」

京太郎「今日は奢んねーぞ」

優希「わかった」

京太郎「…チョーシ狂うわ…」ブツブツ

優希(…そうだじょ。まだだ。まだ、早い。…何を逸ってるんだ、私は)

優希(…もう少し。もう少しだけ、このままで…)

京太郎「優希?」

優希「今行くじょ」タタタタ

125: 2012/08/25(土) 12:50:34.75 ID:BKtnl7Sp0
同午後7時
居酒屋『真夏の夜の夢』

和「と、言うわけで。まずは、百合部屋と乙女部屋の皆様、それぞれの初顔合わせを祝して、乾杯といきましょう!」

華菜「いえーーーーーーーー!!」

竜華「いえーーーーー!!…と言っても、ジュースやけどな」

美幸「わーーーー!」パチパチ

灼「すごい人数…っていうか、玄…」

玄「あははは…ま、まさかチームメイトに百合部屋の子が居たとは…」

灼「みんなにはナイショだよ?」

玄「う、うん…」

美穂子「みなさん、飲み物は揃いました?はい、お箸ですよ」

玄「あ、す、すみません。3年生にさせちゃって…」

美穂子「いえいえ。好きですから。こういうの」

モモ「すみません。遅れたっす」

和「あ、東横さん。ナイスタイミングです。そろそろ始めようかと思っていました」

モモ「…随分知り合い率が高いオフ会になったっすね」

129: 2012/08/25(土) 13:01:50.83 ID:BKtnl7Sp0
和「これは完全に予想外でした」

玄「…」コソコソ

和「まさか、玄さんが来るとは。随分とアレでソレな再開になりましたね」

玄「」ビクッ

和「…なぜコソコソされるんです?」

玄「いや…だって…」

灼「気持ちはわかる」

和「しかもマグマさんがお知り合い」

玄(あ、灼ちゃんマグマさんだったんだ。良かった。ネクターさん、のどっちさん、どらごんさんのどれかじゃなくて)ホッ

和「そして申し遅れました。私がのどっちです。本名は原村和です」

玄(和ちゃんが一番怖い人だった!!)ガーーン

灼「そういえば、自己紹介してなかったね。マグマです。鷺森灼です」

モモ「東横桃子っす。影薄いって言われるんでちょっと自己主張で踊りながら自己紹介っす。あ、ネクターっす」クネクネ

竜華「清水谷竜華言いますー。あ、あとね。ハンドルネームはどらごんや」

玄(そして何回か面識有るこの人が次に怖い人!?)ガーーン

132: 2012/08/25(土) 13:07:30.10 ID:BKtnl7Sp0
竜華「そしてクロちゃーん!君やったんかー」ガバッ

玄「ひょぅえぁ!?」

竜華「もー。嬉しいわー。まさかこんなとこでクロちゃんに会えるなんて、これ、ホンマ奇跡みたいな偶然やなー。それとも運命?」スリスリ

玄「あわわわ…」オドオド

竜華「おりょ?なんで震えとるん?」

灼「アンタが怖いんじゃないの」

竜華「なにゆえ!?」

玄「」カチコチ

灼「ほら、蛇に絡みつかれた蛙みたいになってるし…」

竜華「む」

和「しかし意外でしたね。まさか玄さんが乙女部屋の住人になっているとは」

竜華「え?どういうこと?」

和「私はてっきり、玄さんはこっちの住民だと」

灼「あーー」

玄「え?え?え?」キョロキョロ

135: 2012/08/25(土) 13:14:00.02 ID:BKtnl7Sp0
玄「…どういうこと?」

灼「宥さん」

和「ええ。大好きでしょう?」

玄「そりゃあ、私の一番好きな人だけど…」

竜華「えー?そうやったん!?やっぱそっちの気あったん?クロちゃん!」

玄「…?…?」

和「…これは、どうやらそういった世界がある事すら知らない様子です」

灼「確かに、こういう知識は疎い…かも。才能はあると思うんだけどね。普段はナチュラルにイチャツイてるし」

竜華「ホンマ!?じゃあじゃあ、ウチが開花サせてあげよか?そういうの得意やねん。ね?ね?ええやろ?クロちゃん!」

玄「えーっと…よくわからないけど、才能を開花させれるのは凄く良い事だと思いますけど…」

竜華「そかそか。なら、ちょーっとこっちの端っこおいで。今から君の才能を開花させたるさかいにー」

玄「はあ…」

灼「まてまてまて。まだ自己紹介がまだ」

竜華「ぶー…」

灼「ほら、玄」

145: 2012/08/25(土) 13:21:29.91 ID:BKtnl7Sp0
玄「あ、そ、そうだった。えっと、松実玄です。玄米(くろこめ)茶です」ペコリ

美幸「なら次私だねー。もももももだよ。椿野美幸です。3年生です。…そこの玄ちゃんとこの高校に負けて、明日帰ります」ジトー

玄「ええええ!?わ、私のせいみたいに言わないで下さいよ!」

美幸「…あはは。冗談だよ、もー。次も頑張ってね」

玄「…はい」

美幸「いい子だねー。いつもみたいにタメ口でも良いんだよー?」ナデナデ

玄「…みゅー」

華菜「池田華菜だし!イケニャーだし!で、こっちが…」

美穂子「福路美穂子です。百合部屋の皆さん、いつもお世話になっております。そして乙女部屋の皆さん、いつもうちの華菜がお世話になっております」ペコリ

玄(お母さんみたい)

モモ(お母さんみたいっす)

和(お母さんみたいです)

竜華(お母さんや)

灼(おかあさん…)

美幸(おかーさんだ)

146: 2012/08/25(土) 13:22:15.02 ID:BKtnl7Sp0
たしかにスレタイやっちまった感があるわ。ごめんなさい

155: 2012/08/25(土) 13:30:46.34 ID:BKtnl7Sp0
竜華「さて、自己紹介も終わったしクロちゃんちょっとこっちへ」チョイチョイ

玄「あ、はい…」テクテク

灼「しつこい!」

竜華「ぶー…」

和「しかし、まさかこんなに出席率が高いとは」

美幸「ほぼ全員全国出場者だもんね。…イケニャーはたまたまだけど」

華菜「うっさいもーちゃん!」

美幸「ごめんごめん」

華菜「ったく…けど、このオフ会は私のお陰で開けたようなもんなんだぞ?」

モモ「そーいえば、私達に話持ってきたの、イケニャーさんでしたっすね」

華菜「うむ。頑張った」

和「頭が下がる思いです。それに、協力して腐女子共を一網打尽にする作戦の立案まで…」

華菜「あー…それは、私の案じゃないんだけどねー」

和「?」

華菜「っていうか、実働は私だけど、作戦もオフ会の提案も全部タコちゃんからで、しかもそれすら又聞きで、元はハナちゃんのものだし」

159: 2012/08/25(土) 13:41:09.13 ID:BKtnl7Sp0
美幸「え…」

玄「ハナちゃ…」

和「…そこまでっ!」

玄「…え?」

和「静かに。…どうやら、誰か来たようです」

玄「誰か…?」

和「…ええ。扉の向こう、誰か居ます。入るのに逡巡してる。…一人ですね」

灼「…誰だろう」

和「時計は…午後7時30分。…ふふ。どうやら、計画通りのようです」ニヤリ

「すみませ…ん。こちら、百合及び乙女の皆様のオフ会会場でございましょうか。この度はすばらな謝罪の機会を設けて頂き、誠に感謝致します。わたくし、腐部屋のシャイニングと申します」

モモ「ふふ。来たっすね?犠牲者第一号」

灼「見せしめのために、一人だけ30分早く呼んだんだよね?」

竜華「一番穏健派やったからイジメんの可哀想な気もするけど、まあ、相手本気にさすには仕方ないな。また犠牲になって貰おか」

和(あら?この声、どこかで聞いたことのあるような…)

「世間に顔見世出来ない恥ずかしい趣味を持って申し訳ありません。生まれてきてすみません。あの人達を止められなくてすみません。ご指定の時間ですので、恥を偲んでやって参りました。入ってもよろしいでしょうか?」

167: 2012/08/25(土) 13:52:46.44 ID:BKtnl7Sp0
和(…まあ、考え過ぎですよね)

和「…どうぞ。お入り下さい、シャイニングさん」

和「…」チラッ

竜華「」コクン

竜華(戸を開けた瞬間に襲いかかって、拘束。後にくすぐり倒して、トバす…!)

モモ(テクニックには自信あるっす!)

灼(4人がかりだもんね。一瞬で片付く)

玄「ところで、これから私達、何すれば良いのかな?」

美幸「最初はあの人達のやること見ておけだって。次に来た人達相手には、私達も参加するんだって」

華菜「あのアラサー、殺ってやるし…!!」

美穂子「みなさん、何か食べますか?追加でお茶も頼みますね。あと、私、このフライドポテト注文してもいいかしら」

「では、失礼して…本当、誠に申し訳なく、なんと謝罪したら良いものか…」ゴソゴソ

和(今靴を脱ぎましたね?…来る!)

煌「それでは、お邪魔致し…」ガラッ

和「今です!!」ガバッ

173: 2012/08/25(土) 13:56:51.59 ID:BKtnl7Sp0
煌「へ…」

竜華「おりゃあああああ!」ガバッ

煌「ちょ…」

モモ「左足獲ったっす!」

灼「右足も!」

煌「ひゃっ!?」ステン

和「処刑開始ーーーーーーー!!」

煌「え?のど…」

竜華「こちょこちょー」コショコショ

煌「ずばら゙っ゙!!?」ビクッ

モモ「足の裏もこしょこしょー」コショコショ

煌「ひうぃ!?」

灼「こちょー」コチョコチョ

煌「うひっ!?」

和「こちょこちょこちょー」サワサワ

177: 2012/08/25(土) 14:04:31.92 ID:BKtnl7Sp0
煌「ひああああああっ!?」

和「みなさん!効いてます!効いてますよ!あと一息です!」

竜華「うっしゃー。もっとやったるわー」コチョ…クリッ

煌「くうんっ!?」ビクッ

モモ「…」ツツーッ

煌「はあっ!?何も無いところから急に背筋が!?」ゾワゾワッ

灼「…ふーっ」

煌「ふあああああっ!?や、やめて下さい!み、耳に息吹きかけないで!?」

灼「…ここ、弱点っぽい。ふーっ。ふーっ」

煌「あっ!?ああっ!あっ!ちょっ!ああああああああっ!!!」

灼「すっごい効いてる。私ここずっと責める。ふーっ」

煌「あっ!あっ!あっ!ああああ…」

和「ふふ。仰け反り過ぎて顔が見えないくらいです。随分敏感ですね?腐女子に飽きたらず、貴女マゾの才能もあるんじゃないですか?」

煌「ふうううっ!?」ビクビクッ

和「あははは!反応した!こんな責め句に反応しましたね?淫乱ドM豚が!」

181: 2012/08/25(土) 14:10:56.91 ID:BKtnl7Sp0
煌「あっあっ!や、やめ、やめてくだ…こ、ここ、これ以上は…の、のど…のどっ!」

和「トドメです!」

煌「のどかっ!?」

和「…」クリッ

煌「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」

煌「…」ドサッ

和「…ふう。トビ終了です」

竜華「殺ったか。瞬殺やね」

灼「敏感な奴だったね」

モモ「楽勝っす」

和「ふふ。さあ、後はその辺に縛り付けて転がしておきましょう。本隊の連中にも見せつけてやるんです」

竜華「そういえば、この子どんな顔やったんかな」

モモ「そういえば、顔も見る暇なかったっすね」

灼「私は見たけどね。今度当たる高校の先鋒…」

和「そうなんですか?そう言われると興味湧いて来ました。どんな人…」チラッ

184: 2012/08/25(土) 14:13:41.18 ID:BKtnl7Sp0
和「…」

和「…」

和「…」

和「…」

和「…」

和「…」タラリ

和「…花田先輩?」ボソッ

灼「え?なんか言った?のどっち」グルグル

竜華「ほれ、ぐーるぐーる」マキマキ

煌「」チーーン

和「…」

和「…えっと」

和「…」

和「…」

和(…どうしよう)

187: 2012/08/25(土) 14:22:58.46 ID:BKtnl7Sp0
竜華「ほい、拘束完了」

モモ「怪我したら大変だから、ちゃんとタオルで接触する場所カバーしておいたっすよ」

灼「もはやここまでやっておいてこの気遣いはなんか違う気もするけど…」

和「…」

竜華「のどっち?」

モモ「どうしたっすか」

灼「なんか、すごい汗っすよ」

和「い、いえ…」

和(…もしかして、見られたでしょうか)

和(…っていうか、この間の時点で既にやっちゃってました)

和(完膚なきまでに叩き潰してました。和平を申し出た平和の使者を)

和(ガンジーに蹴り入れてゲルニカに空襲かけて聖火で鳩焼き頃してました)

和(…リアル聖人に偽善者、とか言いながら心折れるまで罵詈雑言の数々を…)

和「…」チラッ

煌「…」

194: 2012/08/25(土) 14:32:58.43 ID:BKtnl7Sp0
和「…」

和(…申し訳ありません。花田先輩)

和「…みなさん。よくやりました。作戦は成功です」

和(全て終わったら土下座でもなんでもしますんで)

和「次は、本隊…酒飲み2匹と、狂犬2匹。そして…」

モモ「ゴリ子さんっす」

竜華「アミバとか言う不細工、〆る」

和(…取り敢えず、今は聖戦の礎になっていて下さい。あとでなんでもしますから)

玄「な、なんか、すご…」ビクビク

華菜「お、おお…これが百合部屋の底力か」

美幸「が、頑張る。私達が応報しなきゃいけないんだもんね。ハナちゃんの仇を取らなきゃだもんね!」

美穂子「凄いですね。こういうの、なんだかドキドキします。けど、ちょっとイタズラにしては過激じゃないかしら?」

和「…良いんですよ。大人も来るので、今日は大人向け仕様です」

美穂子「まあ!今日は大人向けなのね?凄いわ。なんか緊張しちゃう」ポン

和「…も、もうすぐ8時です。来ますよ。今度は正々堂々と真正面から叩き潰しに行きます。一旦席に戻りましょうか」

205: 2012/08/25(土) 14:44:53.76 ID:BKtnl7Sp0
和「…応報、ですか」

美幸「へ?」

和「素敵な言葉です。流石最上級生」

美幸「えっと…」

和「そうです。応報です。これは、応報なんです」

美幸「あのー…」

和「貴女達の、貴女達による、応報。そう。応じ、報いるのです。奴らの暴虐に」

華菜「…」

和「辛い思いをしたのでしょう?苦い思いをしたのでしょう?居場所を踏みにじられ、侵され、友を奪われたのでしょう?」

玄「…」

和「報いねばなりません。応えねばなりません。目には目を、です」

和「暴虐に報いを。悪徳には制裁を。暴力に刃を、悪言に毒を。私達は、その為に、貴女達のその目的の助太刀の為に、此処に居ます」

和「しからば、私達は、代行者足りえません。応報は、貴女達の手で。そう、貴女達の手で下さねばなりません。そうあるべきなのです」

和「私達がするのは、貴方達の応報の、復讐の、仕返しの、手助け」

和「…勿論、我々個々人の因縁を断ち切るためのアクションは、その責任の一切合切自前で払うつもりではありますが…貴女達は、その大義を夢々忘れなきよう」

210: 2012/08/25(土) 14:57:43.53 ID:BKtnl7Sp0
モモ「ゆみとか言うゴリ子さんは私が貰って良いっすよね?アイツ、小賢しくも乙女のみんなには手出して無かったっすから」

和「ご自由に。ご武運を」

灼「ならLEGENDは私が担当するよ。2回言い負かしてるし、もう何で勝負したって負ける気がしない」

和「頼もしい限りです」

華菜「…すこニャーは、私が倒す。…すまないけど、みんなは手を出さないで欲しいし」

和「…ええ。彼女は、全ての元凶。この場をセッティングした最大の功労者である池田…イケニャーさんにその権利があります」

美幸「じゃ、じゃあ、私は…アミバを」

玄「うぇ!?じゃ、じゃあ、私はてるてる姫…」

和「奴らは恐らく、タッグを組んで来るでしょう。そういう奴らです。我々がそれぞれサポートに回りましょう」

美幸「いいの?でもそれだと2対1が2つで、実質4対2だよ?ずるくない?」

和「戦争に狡いも何も無いですよ。頭数を揃えられなかった方が悪いんです」

竜華「大丈夫やよークロちゃん。ウチが守ってやるから、安心しててるてる姫やっつけー」ギューッ

玄「は、はいぃ…」

和「まあ、アミバも同時になんとかしないといけませんが…まずは、それぞれが何者かを特定するところから始めなければいけませんね」

モモ「最初は穏やかな感じを演出して、相手の油断を誘いつつ特定してくっす!」

213: 2012/08/25(土) 15:03:50.68 ID:BKtnl7Sp0
美穂子「あの…私は何をすれば良いんでしょう」

和「救護班で」

竜華「よろしゅう」

灼「怪我人が出ないか、問題事にならないか、全部貴女にかかってるんで」

モモ「頼りにしてるっす!」

美穂子「はあ…」

玄「凄い信頼だなぁ。流石私達の恩人」

美幸「凄いよねー。まさか同い年だとはもわなかったよ。もー」

華菜「そーだろーそーだろー」エッヘン

和「…8時!」

竜華「っ!そろそろ来る!!」

灼「みんな、気を付けて!」

モモ「いつでも来いっす!!」

219: 2012/08/25(土) 15:11:39.48 ID:BKtnl7Sp0
ゆみ「こんばんわ」ガラッ

晴絵「いや、ごめんねー。わざわざこんな会場までセッティングしてもらっちゃって」ガラッ

照怜「「おじゃまします」」ガラッ

健夜「お、おじゃましまーす…」カラカラ

池田「全員違う入り口から来たーーーーー!?」

灼「ハルちゃん!!?」

晴絵「うえっ!?灼!?」

玄「ええええー!」

晴絵「クロまで!!」

モモ「せ、せんぱ…」

モモ「…」スーッ

ゆみ「ん?」

モモ「…」ドキドキ

ゆみ「…気のせいか?」

モモ(なんで先輩がここに!?わっけわかんねーっす!腐部屋に先輩のハンドルネーム『かじゅ』さんは居なかった筈!!)

236: 2012/08/25(土) 15:25:04.40 ID:BKtnl7Sp0
ゆみ(気のせいか?モモの声が聞こえた気がしたんだが…)キョロキョロ

モモ(ひーん!なんでなんでなんでっすかー!?)ビクビク

照「あれ?最初に見た時より一人少ないような…」

玄「ええええええええ!?ちゃ、チャンピオンーーーーー!!?

怜「てるてるも?うちもそう見えた」

竜華「」

玄「ひいいいいいいいい!!?この人はあああああああ!!」ダキッ

美幸「ぎゃああああああ!悪魔だあああああああ!怪物だああああああ!園城寺怜だあああああああああ!やだこれもおおおおおおおおおお!!」ダキッ

怜「む。失礼な…って、あら、この間の先鋒戦の二人やない」

照「そうなの?」ギュッ

怜「うん。そう。だいぶ稼がせてもろた」ギュッ

照「怜は強いな。私も気を引き締めないと」ギュー

怜「おだてないでや。イッパイイッパイや」ギュー

玄「なんで恋人繋ぎしてるの!?まさか準決勝で結託とかしてるのおおおおお!?」

美幸「ふぎゃあああああああああああ!!」

253: 2012/08/25(土) 15:37:24.75 ID:BKtnl7Sp0
照「むっ。失礼な。そんな事しないよ」

怜「せや。むしろ、コイツにだけは負けたくないし」

照「私だって、負けないよ」

怜「ふふ…」

華菜「なんかイチャイチャオーラが出てるし。恋愛マスター(ゲーム)華菜ちゃんに言わせると、この会話はもう事後のピロートーククラスの…うごごごご…馬鹿な、何故コイツらが…腐女子とは一体…」

竜華「…」ポカーーーーーン

怜「あ、竜華や」

照「え?…ああ、確か千里山の清水谷竜華さんだっけ。はじめまして、宮永照です。この子の友達です。病弱なのにヤンチャで、結構大変な子ですね、この子。部長だと気苦労とかいっぱいするでしょう」

怜「そこっ!保護者面すんなや!方向音痴でここまで来るんにも私に頼りっぱだったくせにー」

照「む。ほら、最近ようやくリアルで会ったばかりの私にまでこんな態度。酷い。本当、この子の面倒見てきて、尊敬します」

怜「だーかーらー」

照「うるさいよ」ピトッ

怜「むぐー!ひょら!ひゃへっへるほきにくひにてかぶへんなー(訳:むぐー!こら!喋ってる時に口に手被せんなー)」

照「本当、この子の扱い方教えて欲しい。ふー…」

竜華「…」

262: 2012/08/25(土) 15:46:51.05 ID:BKtnl7Sp0
怜「あれ?竜華ー?」ヒラヒラ

照「あれ?」

和(これは…マズイです。何がなんだかよくわからないですが、とにかくマズイのだは雰囲気でわかります。…くっ。兎に角、話を進めるためにも向こうの人物特定をしなければ…)

和「…え、えーっと…皆さん、遠路はるばるご苦労様でした。と、取り敢えず空いている好きに適当にお座りください」

竜華「…はっ!せ、せやね。な、なあ怜。そしたらウチの隣に…」

怜「てるてる。どこ座る?」イチャイチャ

照「どこでもいいや。…ああ、やっぱり、向こうのちょっと上座の方に行こう。あんまり人通りのない方が身体にも良さそう」イチャイチャ

怜「ん。ありがとな」イチャイチャ

照「別にお礼言われるほどじゃないよ」イチャイチャ

竜華「…」

照「はい、怜。座布団敷いたよ」イチャイチャ

怜「もう、そこまでせんでもええのに。…ありがとな。じゃ、ウチもお返し。これ使ってや」イチャイチャ

照「うん。ありがとう」イチャイチャ

竜華(…そっか)

竜華(ウチ、わかっちゃった)

267: 2012/08/25(土) 15:55:13.73 ID:BKtnl7Sp0
竜華(宮永照)

竜華(コイツがアミバかー)ニコニコ

和「…どらごんさん?清水谷さん?…竜華さーーん」

竜華(どさくさに紛れて殺ろう。砕こう。折ろう。消そう。潰そう。あと…うん。全部)パアアア

和(後光が差したような笑顔。…取り敢えずどらごんさんは大丈夫そうです)ホッ

和(次は…)

玄「」ガタガタ

美幸「」ブルブル

和(この二人をどうしましょうか)ハァ


晴絵「うーん。好きなトコに座ってってもなー。まさか教え子が二人も居るとは…やりにくいなぁ」

健夜「ああ。そういえばさっき言ってた…ふっふっふ。苦難ですなぁ。私にコーヒー代払わせるからこんなバチが当たったんだよ」

晴絵「根に持つなぁ。すこやん私よりしつこい。あそこは年上らしく気持良く持ってよ」

健夜「しりませーん」ツーン

灼「…ねえ、ハルちゃん」ムカムカ

灼(なんで小鍛治健夜とそんな仲良さそうなの。トラウマの元凶なのに…!!)プクーーーッ

276: 2012/08/25(土) 16:03:13.52 ID:BKtnl7Sp0
晴絵「ああ。灼。うーーん、そんな怖い顔しないでよ。まあ、なんとなく言いたいことわかるけど…」

灼「なんで小鍛治プロと仲良さげなの」

晴絵「うん。やっぱり来たね」

灼「私達に厳しく当たったと思ったらどっか出かけて。それで、何?なんで宿敵と仲良さげにしてるの」

晴絵「うん。これにはね。ちょーっち複雑な事情がだね」

灼「私達の事馬鹿にしてるの」

晴絵「し、してないしてない!聞いてよ灼!」

灼「…」

晴絵「な、なんだかんだあって友だちになっちゃって…」

灼「それで腐部屋!?」ダンッ!!

晴絵「ヒイイイッ!!」

灼「ってことは、あれ!?年代的に、貴女達のどっちかがレジェンドで、どっちかがすこニャー!?なにそれ!最低じゃない!!」

晴絵「うお…こ、言葉もありません…」

健夜「ね、ねえ、ハルちゃん。この子ちゃっと怖い…」

灼「    ハ    ル    ち    ゃ    ん    ?    」

283: 2012/08/25(土) 16:09:55.27 ID:BKtnl7Sp0
健夜「ひいっ!?」

灼「…ハルちゃん」

灼「…今、お前、ハルちゃんって言ったな」

健夜「え…」

灼「ハルちゃんって、言ったな」

健夜「あ、あの…私、一応年上…」

灼「あ?」

健夜「…なんでも御座いません」シュン

晴絵(弱っ!)

灼(ハルちゃんって…私だけが呼んでたのに…!)ジワッ

晴絵「おい、ちょっと、灼!アンタねえ!流石に初対面の年上にそれは…」

灼「」ブチッ

灼「…か」

晴絵「は!?」

灼「……ち……の…か…」

292: 2012/08/25(土) 16:17:40.17 ID:BKtnl7Sp0
晴絵「何を…」

灼「ハルちゃんの馬鹿ああああああああああああああああ!!」ガバッ

晴絵「うおおおおおおおおお!?」

和「普段割りと(比較的)穏健なマグマさんからキレたーーーーーーーーー!!?」

晴絵「え!?え!?マグマ!?灼が!?うそっ!」

灼「うわああああああん!信じたくなかったけど、その反応はやっぱりハルちゃんがLEGENDだったーーーーーー!!」

晴絵「し、しまった!なんとなくはぐらかして全て有耶無耶にする作戦が!」

健夜「それ言っちゃ駄目ーーーーーー!!」

照「しまった!まさか向こうから仕掛けてくるとは!」スクッ

怜「くっ!やられた!始め和平装って特定の敵だけ炙りだして倒す作戦が!」

モモ(向こうも同じ作戦レベルだったっす…)

池田「って事は、お前がすこニャーか…」

健夜「え?いや、その…あれ?」

池田「イケニャーだし。いつぞやといつぞやは大変お世話に成りまして。小鍛治プロ」ニイイイイ

健夜「あの…い、イケニャーさん…でございましたか…」

297: 2012/08/25(土) 16:28:08.35 ID:BKtnl7Sp0
華菜「しーっしっしっしっし」ニヤニヤ

健夜「…あ、あのぉ…なんだかとってもアレでソレな笑顔だけど…えっとね?暴力はいけないと、お姉さん、思うの」タジタジ

華菜「猫キャラは一人で良いって言ってませんでした?んー?」ジリジリ

健夜「あの…」

華菜「ならばお望み通り決着を付けてやるし。負けた方は猫キャラ引退。いやさ。むしろ私が勝ったら今度からのインハイラジオ収録時はネコミミ必携を義務付けるし」ジリジリ

健夜「ちょ、こ、来ないで…」タジタジ

華菜「フーーーーーーッ!!」

健夜「や、やめ…」トン

健夜「!!」

華菜「そこは部屋のカド…追い詰めたし…」

健夜「あわわわわ…」

華菜「フギャアアアアアアアアアアア!!」

健夜「いやあああああああああああ!!」

華菜「ほーれ、まずは泡吹くまでくすぐり倒してやるし~」コチョコチョ

健夜「…うひゃはひゃれほひゃ!!」ジタバタ

300: 2012/08/25(土) 16:38:13.22 ID:BKtnl7Sp0
モモ(あわわわ。なんだか大変なことになってきたっすー。(比較的)冷静なマグマさんが一番にキレて、次にまさかのイケニャーさんがチョッパヤでラスボス潰しに行ったっすー)

モモ(それよりも何よりも、一番ヤバイのは…)

ゆみ「…」

モモ(…冷静になって考えたら、あと腐部屋で残ってるのが、狂犬二匹とゆみさんしか居ないってことっす!)

ゆみ「どいつだ…どいつがあのクソレOだ。あのネクターとか言う濃縮還元野郎はどいつだ…」ブツブツ

モモ(間違い無いっす!!ゆみさんがゆみさんだったっす!!)ガビーーン

モモ(…こ、ここは、みんなには申し訳ないっすけど、フェードアウトさせてもらって…)ソロソロ

ゆみ「…おい。モモ」

モモ「」ビックーン

ゆみ「居るんだろ?隠れてないで出てこい。今なら怒らないでやるから」

モモ(…そんな、先生から連絡有ったんだけど、隠した0点のテスト出しなさい?並の信憑性のない『怒らないから』、リアルで初めて聞いたんっすけど…)

ゆみ「おい。モモ。私をこれ以上怒らせるなよ」

モモ(…あ。これもう駄目っす。完璧にバレてるっす…なんとか言い訳考えないと…あ、そうだ)

モモ「…すみません、加治木先輩」スーッ

ゆみ「…ああ。やっぱり居たのかモモ。完全に当てずっぽうだったが、言ってみるもんだな」

302: 2012/08/25(土) 16:41:32.19 ID:BKtnl7Sp0
モモ(…やられた)

ゆみ「…なあ、ちょっと聞きたい事があるんだ」

モモ「な…なんっすか」

ゆみ「…お前、どっちだ」

モモ「…ど、どっちって言うと…」ヒクッ

ゆみ「レOか、乙女の皆さんの方か」

モモ「…」

ゆみ「怒らないから、正直に言ってみなさい」

モモ「…えっと」

ゆみ「ああ」

モモ「お、乙女部屋の、もももももです。ほら、モモもモモ、っていう意味で…」

ゆみ「…」

モモ「…なんっすけど…」

ゆみ「…」

モモ「…」

304: 2012/08/25(土) 16:45:01.95 ID:BKtnl7Sp0
ゆみ「…」

モモ「…し、信じて貰え…」

ゆみ「乙女部屋のもももももさーーーーーん!!」

美幸「は、はい!?わ、私ですが!」ビクッ

モモ「…」

ゆみ「…」

モモ「…」

ゆみ「…で?」

モモ「ゆ、百合部屋のネクターと申す者でございまするっす…」

ゆみ「はじめまして」

モモ「…」

ゆみ「腐部屋の」

モモ「…」

ゆみ「ゴリ子だ」

モモ「…」

319: 2012/08/25(土) 16:52:39.58 ID:BKtnl7Sp0
ゆみ「ちょっとそこ座ろうか」

モモ「あの…」

ゆみ「座ろうか」

モモ「…はい」ペタン

ゆみ「よし」ドカッ

モモ「…」ダラダラ

ゆみ「はっはっは」ナデナデ

モモ「…」

ゆみ「なあ、モモ」ポンポン

モモ「…はい」

ゆみ「お前は可愛い後輩だなぁ」ナデナデ

モモ「…」

ゆみ「思わず抱き締めてやりたくなってしまうよ」ニッコニッコ

ゆみ「あ、すまん。ゴリラに抱き締められたら人間は氏んでしまうな」パッ

モモ(さあ、私の明日はどっちっすか…!!)

323: 2012/08/25(土) 16:55:51.72 ID:BKtnl7Sp0
ゆみ「モモ」

モモ「はい」

ゆみ「私は怒ってる」

モモ「はい」

ゆみ「北極在住の女が、なんで長野に住んでいるのかも疑問だ」

モモ「はい」

ゆみ「だが許す」

モモ「…」

ゆみ「私と知っての発言では無かったからな」

モモ「…」

ゆみ「何処かの見知らぬ誰かへの発言だったからな」

モモ「あの…」

ゆみ「嘘だ」

モモ「…」

ゆみ「だが、本当に許しても良い」

327: 2012/08/25(土) 17:04:05.67 ID:BKtnl7Sp0
モモ(私のライフはもうだいぶ前から0なんっすけど…いつまで続くっすかコレ)

ゆみ「喧嘩するか?」

モモ「…」

ゆみ「お互い言いたい事も随分溜まっていたようだし」

モモ「…」

ゆみ「すまんな。私の至らぬばっかりに、言いたいことも言わせずにここまで来て」

モモ「…いやぁ。その…」

ゆみ「さあ、かかってこいコラアアアアアアアア!!」グリグリグリ

モモ「あいたたたたたた!す、すみませんっす先輩!私が、私が悪かったっすって!」

ゆみ「あっはっはっは!私は凄く楽しいゾーーーーー!」ギリギリギリ

モモ「だ、だいたい!なんでゆみ先輩が腐部屋なんかにいるっすか!其処がまずわけわかんないっす!」

ゆみ「いいだろ!別に誰にも迷惑かけてないんだ!人の趣味にケチつけるな!」

モモ「かけてるっす!かけまくってるっす!それに、リ、リンシャンさん連れてデートしてた癖に!」

ゆみ「は!?」

和「…今、なんと?」ユラリ

331: 2012/08/25(土) 17:14:08.08 ID:BKtnl7Sp0
ゆみ「なんでそこで咲が出てくるんだ」

和「『咲』?名前呼び?しかも呼び捨て?」ピクピクッ

モモ「だ、だって!見たっすもん!さっき先輩がリンシャンさん連れてお洒落なカフェに入ってくトコ!」

ゆみ「い、いや…それは…み、見てたのか!?」

和「『見てた』?」ピクピクッ

モモ「ほら!動揺した!」

ゆみ「な、何を馬鹿な事を…さ、咲とは別に…」

ゆみ(…参ったな。ここでアイツを巻き込むわけにもいかないし、どう説明したものか)

ゆみ「…た、ただの友人だ」

モモ「怪しいーっすーーー!ただの友人の家に交互に泊まったり密に連絡取り合ったり、いきなり名前で呼び合ったりし始めたりするんっすかーーー!!」

ゆみ「そ、それは…い、いいだろう!仲良くなったんだから!!」

モモ「だいたい、お互い家でどんな遊びしてるんっすか!先輩とリンシャンさんの共通項が見当たんないっす!キャラ的に!」

ゆみ「何って…一緒に料理作ったり、風呂入ったり、ゲームしたり、会話したり…あと、自作の小説読ませて貰って批評したり…。普通だろ。…普通だよな?」

モモ「ラブラブじゃないっすか!!」

和「…うふ♪」

334: 2012/08/25(土) 17:20:21.50 ID:BKtnl7Sp0
ゆみ「な、何言って…だから私とアイツはそんなんじゃ…そ、そうだ。アイツはな。妹だ。妹みたいな感じなんだ」

モモ「はあ!?ラブラブに飽きたらず遂には姉妹プレイっすか!どんだけ倒錯的っすか!」

ゆみ「だ、だから!ああもうっ!モモ!変なこと言うな!なんか変な気分になるだろ!」

モモ「あああああ!もうっ!だからそういう事を素で言うから先輩は…」

和「…もう良いです。東横さん」

モモ「…おっOいさん?」

和「ふふ。ええ。もう、十分です。コレ以上は言わないであげてください」

モモ「えっと…はい」

ゆみ「…ふう。助かったよ。ありがとう、原村」

和「いえ。…ところで加治木さん」

ゆみ「ん?」

和「ギルティ」ニコッ

ゆみ「へ…」

和「えいっ」キュッ

ゆみ「」カクン

339: 2012/08/25(土) 17:28:35.80 ID:BKtnl7Sp0
和「福路さん。この人をお願いします。リタイアです」

美穂子「わ、わかりました…こういうのなのね…怖い…」ズリズリ

モモ「…」

和「クスクスクス」

モモ「あの…」

和「大丈夫です。気絶させただけです」

モモ「…」

和「これで、離脱者は2人目ですね。腐った部屋ばかり。さあ、あとはどうなるものか…」

モモ「…」

和「もう、こうなったらとことん争いましょう。ええ、盛大に。全て滅びれば良いんです」

モモ「おっぱ…」

和「私達は、ここで休憩です。高みの見物です。その後、弱ったところから潰しにかかりましょう」

モモ「…」

和「…おや、マグマさんの動きが鈍くなってきましたね」クスクスクス

モモ(…先輩。どう収集付ければ良いっすか。これ。もう、デウス・エクス・マキナ来いって感じっす…)

341: 2012/08/25(土) 17:39:40.35 ID:BKtnl7Sp0
灼「うええええええええん!ハルちゃん、やっぱり私達の事なんかどうでも良いんだぁあああああああ!!」

晴絵「ばっ、だ、だから!灼!そんなわけないって!」

灼「そんな事言って!本当は私みたいな年下のチンチクリンより年上のチンチクリンの方が良いんだ!酷い!ハルちゃんがババコンだったなんて!」

晴絵「シリアスな泣き落としの合間合間に訳のわからないことを…」

灼「そんなにあのトラウマ製造機が好きなの!」

晴絵「好きださ!友人として!あと、トラウマ製造機言ってやるな!私も作られた側だけど!」

灼「そうやって庇って!いやらしい!」

晴絵「どないせーっちゅーんじゃあああああ!!」

灼「一緒にあのアラサーをやっつけよう!お腹のお肉掴んでたっぷんたっぷんやってやろう!」

晴絵「あの子スタイルいいからちょっとそれは、私にもダメージが来そうで…」

灼「ハルちゃんの馬鹿!意気地なし!そんなんだから現実を受け止めれなくって腐女子になるんだ!」

晴絵「いや…灼ちゃ-ん?」

灼「私の想いも知らないで一人暮らしの家でクッソ汚い妄想に毎晩耽るハルちゃんだなんて、そんな…そんな…」ブルブル

灼「有りだ!!」

晴絵「有りなの!!?」

345: 2012/08/25(土) 17:43:54.80 ID:BKtnl7Sp0
灼「…ハルちゃん」

晴絵「あー。はいはい」

灼「…私、ハルちゃんが好き」

晴絵「はいはい、知ってるって。私だってアンタラのことは大切だよ。信頼もしてるし、大好きだ」

灼「そういう好きじゃなくて…」

晴絵「…ふう」

灼「れんあ…モゴッ」

晴絵「はいストップー」

灼「…モゴモゴ」

晴絵「私はあんまそういうの得意じゃないかなー」

灼「…」

晴絵「それ言われちゃうと、ちょい今までみたくは付き合っていけなくなちゃうかも。良かれ、悪かれ」

灼「…」

晴絵「まずは、師弟関係としてのコミュをMAXにしなさい」

灼「…なにそれ」

347: 2012/08/25(土) 17:51:04.49 ID:BKtnl7Sp0
晴絵「で、それが終わったら、私の趣味に付き合ってみるか?」

灼「…趣味って。…腐女子?やだよ。キモい」

晴絵「なら、それまでだーねー」

灼「…」

晴絵「気持ち悪かろうとなんだろうと、これももうとっくに私の一部だしー?私の綺麗で格好良い部分だけ見て惚れた腫れただはフェアじゃない」

灼「…」

晴絵「本当に人を好きになるって、良いとこも悪いとこも、全部丸ごと愛して受け入れてあげれる事だよ」

灼「…」

晴絵「それが出来たら、もしかしたらアンタみたいな年下チンチクリンの同性でも、お気に入りのくらいには見てあげれるかも」

灼「…ハルちゃん」

晴絵「ん」

灼「…経験談?それ」

晴絵「…さーね?」

晴絵「昔、好きな男出来たんだけどさ。私が腐女子だって知られたら、引かれちゃった。で、それっきりで終わり」

晴絵「…みたいのが有るかもだし、無いかもだし」

351: 2012/08/25(土) 17:54:12.69 ID:BKtnl7Sp0
灼「…」

晴絵「…おっ。落ち着いたか」

灼「人に歴史有り?」

晴絵「じょ、冗談だからな」

灼「わかった、信じる」

晴絵「…」

灼「…敵わないなぁ」

晴絵「まあね。年の功だ」

灼「…はあ」

晴絵「いひ」

灼「…」

晴絵「…」ナデナデ

灼「…負けました。赤土先生」

晴絵「よし」

352: 2012/08/25(土) 17:57:36.26 ID:BKtnl7Sp0
晴絵(同志Fish on)

晴絵(祝福しよう)

晴絵(NEXT LEGENDは君だ!!)











晴絵(…ま、こっそりとな。誰にもバレないように、二人で。今の時代はAmazon様が居らっしゃるから…)

359: 2012/08/25(土) 18:09:05.94 ID:BKtnl7Sp0
和「…まさか、我軍から裏切り者が出るとは…」ユラリ

モモ「お、おおおお落ち着くっす!あれは相打ちみたいなもんっすから!」

和「…」

モモ「ま、マグマさんは十分やったす!だからここは一つ温情を…」

和「…」

モモ「そ、それより!イケニャーさんがラスボスを追い詰めてますよ!」

和「…」チラッ

華菜「ほーれほーれー。こんなもんかトッププロの実力はー」ユッサユッサ

健夜「はぁ…はぁ…こ、この子…体力…異常…はぁ…ぜぇ…」

和「…パロスペシャルをかけてますね」

モモ「もう、あのアラサー足腰フラフラっす」

華菜「ふはははは。毎日三つ子のちびっ子相手に世話したり家事したりで鍛えたこの体力。ちょっとしたもんだと自負してるし」ギシギシ

健夜「はあああ…ひぎゃああああああああああ!!のーのー!ロープロープ!」ジタバタ

和「今度はコブラツイストですか」

モモ「あ、今卍固めに移行したっす」

368: 2012/08/25(土) 18:19:25.05 ID:BKtnl7Sp0
華菜「悪いアラサーにはお仕置きだしー」ペシーンペッシーン

健夜「いやああああ!この年になっておしりペンペンは恥ずかしいいい!しかも10だかは年下のJK相手に為す術もなく!!?」

華菜「ほれ、ぺっちーん。ぺっちーん」ペッチーンペッチーン

和「うわぁ…」

モモ「うわぁ…」

健夜「へ、へるぷっみー!誰か!誰でも良いからだれかー!」

華菜「許さないし。お前はもう、おしりの激痛でおもらしをしてしまうまでこのスパンキング地獄から逃げられないのだし!これは応報だし!」ペッチーンペッチーン

健夜「うわああああああああん!悔しすぎるぅうううううううう!!」

華菜「ふはははは」

健夜「か、かくなる上は…」ゴソゴソ

華菜「…ん?なんだ?コイツ。上着を漁って…」

健夜「ぺけぺけん!ワンカップー♪」

華菜「なんだし、その珍妙なリズム」

健夜「今のJKはのぶ代ボイス知らないって本当ですかーーーーーー!!」

健夜「…もうこうなったら、いざという時の護身用にってお母さんが持たせてくれたお酒飲んじゃうから」パカッ

375: 2012/08/25(土) 18:23:36.93 ID:BKtnl7Sp0
和「あ」

モモ「やば」

健夜「ごっくごっく」

華菜「…へ?」

健夜「…ぷっはーーーーーー!!」

モモ「ジャッキー・チェンっすかアイツは」

華菜「くっ…な、なんかヤバイ…!?」

健夜「ふはははは」

華菜「…くっ…こ、このまま卍固めで落とす!」グググ

健夜「…」

華菜「効いてない!?」

健夜「…」

華菜「くっ…まさか、痛覚を任意で遮断できるのか!?コイツ、マジで危険な…」

健夜「…すみません。気持ち悪いです」

華菜「…へ?」

379: 2012/08/25(土) 18:27:18.49 ID:BKtnl7Sp0
健夜「ちょっと真剣に危険が危ないので技を解いて頂けないでしょうか」

華菜「えっと…」

健夜「氏ぬ」

華菜「…」

健夜「助け…ウップ」

華菜「…なんかごめんだし」スッ

健夜「はぁはぁ…」

健夜「うっ…!げっほ!ごっほ!」

華菜「…」サスサス

健夜「すみません。助かりますゥップッ!」

華菜「…いえ。なんかこっちこそすみません」サスサス

健夜「…はぁ…はぁ…はぁ…ふー…」

華菜「…水飲みません?」スッ

健夜「いただきます」

健夜「…こく…こく…………ふう」

384: 2012/08/25(土) 18:35:11.23 ID:BKtnl7Sp0
健夜「…はー」

華菜「…」

健夜「…ふー」

華菜「…」

健夜「…」トントントン

健夜「うん。ありがとう。大分気分良くなった」

華菜「えっと…」

健夜「そして隙を突いてどーーーーーーん!!!」ドサァアアア!!

華菜「うおおおおおおお!?この大人、大人気ねええええええええ!!」

健夜「うっはっはっはぁ!これで形勢逆転だし!すこやんののしかかり攻撃!うりうり、どうだー。動けまい~…ヒック」ウネウネ

華菜「ぐおおおおお…腕から足からタコみたいに密着させやがって、この…!」ジタバタ

健夜「無駄無駄無駄ァだし!もはやお主は逃げられないニャー!」ウジュルウジュル

華菜「キャラパクるんだかなんだか知らんけど、せめて安定させろし!」

健夜「このまま安らかに永久に眠るが良い!」ムッハー

華菜「酒臭せーーーーーーーーーーーー!!」

391: 2012/08/25(土) 18:45:26.80 ID:BKtnl7Sp0
健夜「ちゅっちゅっちゅー」チュッチュッムッチュー

華菜「うおっ!やっべ!しかもキス魔だしコイツ!」サッサッサッ

健夜「ほうほう。私の攻撃を全てかわすとは、中々やりおる…」

華菜「おい!外野!なんで助けに来ない!そっか、私が手出し無用って言ったんだった!ちっくしょーーーー!女に二言は無いし!やってやる!ガチで殺ってやるしぃいいいいい!!」

健夜「そんなすばしっこい君には、こんなキスマーク」サササ

華菜「ひっ!な、何する気だ!」

健夜「首・筋・に・キ・ス」

健夜「…チロリッ♪」

華菜「ぎにゃああああああああああ!!」

健夜「ちゅーーーーーーーーーーーーーーーーーっ」

華菜「ふああああああああああああああああああああああああああ!!!」

和「…終わりました、か」

モモ「終わったっすね」


健夜「ごち」バ――――z_____ン!!

華菜「…また、勝てなかったし…」グスグス (←首筋をヒルの大群に襲われたみたく真っ赤にしてさめざめと泣きながら)

434: 2012/08/25(土) 20:05:21.20 ID:BKtnl7Sp0
モモ「やっぱ、あの酒飲みだけはヤバイっす」

和「ふん。ですが、酒飲みは酒飲みです。こうして遠巻きに見てれば…」

健夜「…ふあ」

モモ「…なるほど。勝手に眠りに着くっすか」

和「起きて酔いが冷めたところを狙いましょう」

モモ「流石っす。大将」

和「ふふふ…」

モモ「…で、残るは問題の二人っすけど…」チラッ

和「…照照姫…ですか」

モモ「やぱそうっすよねー」

和「まさか、あのチャンピオンがそうだったとは。ふふ、この私を一度地に伏したのは伊達ではありませんでしたか」

モモ「関係ないと思うんっすけど…」

和「どらごんさんが放心状態です。が、あの二人、何もしてきませんね。二人で仲良さそうに食べ物を食べさせあって…」

照「園城寺さん、これ、美味しいよ。はい、あーん」イチャイチャ

怜「ぱくっ。…うん、ホンマや。はい、てるてる。お返しや。あーん」イチャイチャ

440: 2012/08/25(土) 20:13:23.20 ID:BKtnl7Sp0
和「…わかりません。奴らの意図が。まさか、私の小説で百合に目覚めたとか?」

モモ「…なんか、悪意みたいのも感じるんっすけどねー」

照「園城寺さん…」イチャイチャ

怜「てるてる…」イチャイチャ

竜華「あうあう…」

照怜「「」」ニヤリ

モモ「あ、今確かに笑った」

和「!!?」

照「…ふふふ。園城寺さん。ほら、ほっぺにソース着いてるよ」

怜「え?うそ、ホンマ?敵わんわー。てるてる、早く取って」

照「うん。待っててね」フキフキ

照「うん。綺麗になったよ」

怜「ありがとな。てるてる」

怜「…ククク」チラッ

モモ「敵対したら味方にも容赦無いんっすね、連中…」

454: 2012/08/25(土) 20:26:18.79 ID:BKtnl7Sp0
和「…うん。決めました。やはり連中こそが新の邪悪です」

モモ「異論はないっすけど…」

和「特にあの園城寺怜。相対して初めて理解りました。あれは、もともと百合っ気も結構合ったタイプです。間違いありません。しかも相当の小悪魔タイプ」

モモ「小悪魔って…」

和「相手が己に好意を持って居る事を知りつつも尚、弄ぶ事を至上の喜びとする。しかもそれが愛…そんなタイプです。しかも釣ったエサにはきっちり適正量適正栄養価のエサをやって完全に管理する能力が有る」

モモ「それもう小悪魔ってレベルじゃねーっす。陰謀論まんまのユダヤ人っす」

和「実に恐ろしい」

モモ「どらごんさんが可哀想。おたくんとこの部長にツモられる牌並に」

和「しかも、それだけじゃありません」

モモ「まだあるんっすか!」

和「宮永照。あれも結構な百合適正持ちです」

モモ「…なんか、業が深すぎっす奴ら」

和「薔薇好きにして百合…これはもう、この世の法則に反逆する、新世代のハイブリッドとしか…」

モモ「…はあ」

和「これが奴らの強さ…」

456: 2012/08/25(土) 20:32:56.62 ID:BKtnl7Sp0
モモ「…で、どうするんっすか。多分ってか、間違いなくどらごんさんの想い人はあの園城寺・畜生・怜で、狂犬二匹はそれを理解してるってことっすよね?」

和「然りです」

モモ「もう(勝ち目)ないじゃん…っす」

和「いえ。まだ希望はあります」

モモ「…と言うと?」

和「玄さん」

モモ「ああ、さっきから、あのもーちゃんさんと一緒に抱き合ってるドラの人」

和「あの人は、何故かどらごんさんに異常に好かれています。なら、奴らの外道を暴き、あの人が連中に立ち向かうを見せれば…」

モモ「…親友対決仕向ける気っすか」

和「興味ありません?」ニコッ

モモ「悪趣味っすよ」

和「でもありません?」ニコッ

モモ「鬼っすかおっOいさんは」

和「けどあるでしょう?」ニコッ

モモ「…あるに決まってんじゃないっすか」

462: 2012/08/25(土) 20:42:12.62 ID:BKtnl7Sp0
和「…では。早速」

モモ「…具体的にはどう仕向けるっすかアネゴ」

和「…コホン」

和「…玄さんと、椿野さんをまず正気に戻します」

モモ「…どうやって」

和「…忘れてました。池田さんから、乙女部屋に万が一のことがあったら、と、預っていた物があったんです」

モモ「…はあ」

和「…よいっしょ」ゴソゴソ

モモ「…なんっすかそれ」

和「プロジェクターのリモコンです。これで予め用意しておいたパソコンの、ある動画を見ます」

モモ「…はぁ?」

和「なんでも、これを見れば、体力が残ってさえいれば、どんなに精神をやられていても乙女部屋は完全復活できる…とか」

モモ「なんっすかそれ」

和「さあ。私も中身を確認しておりませんので。…まあ、取り敢えず。スイッチ・オン」ピッ

モモ「?」

465: 2012/08/25(土) 20:50:02.95 ID:BKtnl7Sp0
パッ

モモ「あ、写った」

『えーっと…こんな感じでセットしてー…お、良いかな?うん。良い感じだじょ』

和「…あれ、この声」

『えーっ。マイク、てすてす。うん。基本だしやってみたかった。もうとっくに確認済みだじょ。良し、行くぞ』

優希『おーっす!乙女部屋のみんな~。それと、百合部屋のみんなー。特にのどちゃん。元気してるかー。あと、腐部屋は氏ね』

和「…優希だ」

モモ「おお、タコスの人」

優希「いっつもお世話になってます。片岡優希だじょ。あ、ドン・タコスとも言う。うはははは」

玄「え…」ピクッ

美幸「…タコ…ちゃん?」ピクッ

優希「今日は、ごめんな?みんな。折角のオフ会に行けなくって。けど、どうしても今日、おそらくはこの瞬間か、それに近い時間帯でやらなきゃいない、氏ぬほど大事な用事が出来ちゃったんだじょ」

玄「大事な用事って…」

美幸「それでタコちゃん、来れなかったんだ?」

優希「みんな、私が居なくて寂しいかー?私もみんなと美味しい御飯食べれなくって寂しいじょ。けど、それ以上にワクワクもしてる。あと、それ以上に…怖い」

468: 2012/08/25(土) 20:57:45.13 ID:BKtnl7Sp0
玄「わくわく…?」

美幸「怖い…?」

優希『あ、そうだ。あとな。この動画は、池田。イケニャーに託した。リアルバレする前から実は戦友でった、心強き友よ。ありがとな』

玄「…そういえば、イケちゃんもタコちゃんも長野って…」

美幸「なんか、世間って意外と狭いんだなー、もー」

優希『意外と世間って狭いよなー』

美幸「…」

『早く本題言えし!』

優希『おっ、すまんすまんカメラマンに怒られた。えっとな。私がこのビデオレターを企画したのにはな。大きく分けて、3つの目的があったんだ』

玄「3つの目的…」

優希「1つ目は、オフ会に集まったみんなに、せめてもの挨拶と顔見世をしたかっから。これはストレートだじょ。いつか出会えたら、顔見かけたら声かけてくれ」

美幸「…」

優希「で、2つ目。これが私的には超最高にすっげーヘヴィーなんだが…」

優希「…私は、みんながこの映像を見てる今日、この日」

優希「…………京太郎。…ああ、私がいつも言っている『アイツ』の事だ…に、告白しようと思う。その、報告だ」

472: 2012/08/25(土) 21:03:23.95 ID:BKtnl7Sp0
和「!!」ガタッ

モモ「!!」ガタッ

玄「!!」ガタッ

美幸「!!」ガタッ

竜華「…え?」パチクリ

照「…ん?京太郎…?」チラッ

怜「…どうした?てるてる」

照「…いや。聞いたような名前だと一瞬…勘違いかな」

怜「ふむ…」

優希『…』

『黙るな!言っちまえ!』

優希『…あ、ああ。それでな。その…も、もし良かったら、その…みんなにも、それを応援して欲しい言うか…その…』

優希「…ゆ、勇気…くれ。…優希だけに。うははは…は…」

『つまんねーし!ギャグで逃げんな!』ダンダン

優希『ご、ごめんってイケちゃん…』

479: 2012/08/25(土) 21:13:27.73 ID:BKtnl7Sp0
優希『…そ、それで、だ。いや、特に何をって訳じゃあ無いんだけど…その…』

優希『…し、失敗するかもしれんし、成功するかもしれんし』

優希『…わ、わかんないけど、勇気、出すんだ』

優希『私のために。…で、でも、私一人、自分一人のため、だと、私は臆病者だから、まだ、踏み切れないかもしれん』

優希『で…い、いざとなった時に、最後の一歩踏み出せんかも…しれん…のだじょ』

優希『…だから、私の背中を後押しする理由、くれ』

優希『その…じ、自分勝手だと、思うし、こんな恥ずかしいこと、親友ののどちゃんか、こういう集まりのみんなくらいにしか、言えんし…』

優希『だ、だから…くれ。理由』

優希『…勇気を。私に下さい』

優希『一緒に戦って下さい』

優希『なんでも良いから。ネトマでも、じゃんけんでも、早食い競争でも。私が戦い始める時に、一緒に、戦って欲しいんだ』

優希『きっかけっつーか…勇気を絞り出すための言い訳っていうか…そう云うののために』

優希『同じ時間に、戦ってて欲しいんだ』

優希『そう信じられれば、私は戦える気がするから。…だから。このビデオ、イケちゃんに、預けた。んだ、じょ』

優希『そしたら、それだけでも、みんなが一緒に戦っててくれるって、信じれるから』

483: 2012/08/25(土) 21:20:36.74 ID:BKtnl7Sp0
優希『そ、そんだけっ!あ、あとな。告白は9時に始める予定だじょ!』

『あははは!顔真っ赤だし、タコちゃん!』

優希『あわわわ!っみ、見るなっ!もう!頼むっ!武士の情けがあればこれ以上もう見ないでくれ~…』

和「…ふう」プツッ

玄「…」

美幸「…」

和「…との、事でした。彼女は、私と同じ長野県代表、清澄高校1年の片岡優希ですね。…私の親友です」

和「…毒気が抜けちゃいました」

玄「タコちゃん…」

美幸「そっか…タコちゃん、頑張るんだ」

玄「…和ちゃん」

和「はい」

玄「今、何時かわかる?」

和「えっと…9時50分と言ったところですか」

美幸「…そっかぁ」

492: 2012/08/25(土) 21:31:02.90 ID:BKtnl7Sp0
玄「まさかこんなに遅れるとは…」

美幸「しまんないなーもー」

玄「タコちゃん、大丈夫だったでしょうか」

美幸「泣きたい」

玄「どうします?」

美幸「ロスタイムを希望します。ファギータイムって知ってますか?…何故か時間が経たないんです」

玄「ブラック」

モモ「いや、それ、モレノもビックリっすから」

玄「駄目だったかなぁ…」

美幸「駄目だったら私等、切腹モノだよね」

玄「こんなに暴れたい気分は初めてです」

美幸「暴れようか。玄ちゃん」ゴゴゴゴゴ

玄「そうですね。じゃあ、頑張りましょうか。もーちゃん」ゴゴゴゴゴ

美幸「うん。…ってか、よく見たら、結構相手ひょろいし、私達だけでもなんとかなるかも」ジリッ

照「…へ?」

499: 2012/08/25(土) 21:38:49.30 ID:BKtnl7Sp0
玄「私もこう見えて、結構力、あるんですよ。実家の旅館のお手伝い、力仕事多いんです」ジリッ

美幸「お嬢様学校って、意外と文武両道なんだよー」ニコニコ

怜「え…」

玄「あははは。お布団みたく畳んじゃいましょうかー」ニコニコ

照「ちょ…それ、八つ当たり…」

美幸「それとも、いつかみたいに私の真似してもーもー言わせようかなー。もー」ニコニコ

怜「ひっ…」

玄「あ、でも、折角ですので。清水谷さん。清水谷さん。そろそろ良い頃合いだと思うんですけど」ユサユサ

竜華「あれ、クロちゃん…」

玄「往きましょう。あの子達。やっつけますよー」ニコッ

竜華「…」

竜華「…うん。やっつける」スクッ

モモ「明らかになんだかおかしい不穏当か空気っすけど、これ計画通りっすか!」

和「絶対違います!!」

玄「がるるる…」

510: 2012/08/25(土) 21:46:20.14 ID:BKtnl7Sp0
照「ね、ねえ、なんかこれちょっと…」

怜「勝てない空気やぞこれは…」

照「くっ…」

怜「ど、どないすんのてるてる!この状況!」

照「けど、追い詰められてて逃げ場ないし…」

怜「くっ!氏なばもろともや!こうなったらヤラれる前に全員ヤったる…」

玄「」ガシッ

竜華「」ボカッ

美幸「」ポカポカ

怜「」チーーーン

照「お、園城寺さーーーーん!!」

竜華「ハッハッハッハ…」モソモソ

玄「こらそこ!めっ!駄目です、気絶した子のスカートめくろうとしたら!めっ!お預け!」

竜華「キューーン…ピスピス」

照「な、なんなのコイツら…」

519: 2012/08/25(土) 21:52:30.36 ID:BKtnl7Sp0
照「く、くそ…お前ら、よくも園城寺さんを…」

和「ああー。もう滅茶苦茶です…」

モモ「参りましたっすねえ…」

玄「さあ、覚悟して下さい…!」

美幸「もーもー言わせてやる」

竜華「あ、なんか記憶が錯乱してて今日起きてから1秒前までのこと綺麗サッパリ忘れてもうたけど、取り敢えず目の前の奴倒せばええのはわかるわ」

照「くっ…」

玄「さあ!覚悟するのです!」

照「…」

照「…やむを得ない」

美幸「…へ?」

照「…これだけは使いたくなかったが…」

和(何をするつもりでしょう…?)

照「…お前たちが悪いんだ。後悔しても知らない」

照「お前たちが悪いんだ。私に、この手段を使わせた、お前たちが。謝っても、もう遅い…」ゴゴゴゴゴ

527: 2012/08/25(土) 22:03:09.08 ID:BKtnl7Sp0
和(なんです?あの自信に溢れた目は。これほどまでに追い詰められて、それでも尚、勝利を確信したような目は?)

照「お前たちに、良い事を教えてやろう」スッ

和(携帯?)

照「これは私も今朝方偶然知ったことだが」

照「この居酒屋では、我々のオフ会以外に、今現在、もう一つのネト麻部屋のオフ会が行われている、らしい」ピッポッ

和「!?」

和(は、初耳です!)

照「そして、その部屋に、一人、私の親友がいる。…これも、今朝方初めて本人にカミングアウトされた話だ」

和(な、寒気!?)ゾッ

照「ソイツは、凄いヤツだ。お前達なんて束になってかかっても一網打尽だ」

モモ(なんでチャンピオン、こんな小物臭い発言連発してるんっすかねー)

照「そして、私が呼べば、きっとすぐに来てくれる。なぜなら、この間欲しそうにしていたカード付きのウエハースを代わりに買ってやった恩があるからだ」ゴゴゴゴゴ

玄「はあ…」

照「そして、もう、呼んだ。アイツを…私の知る限り、最強の女を」

美幸「へ… 「ロン(開扉)」ガラッ 」

544: 2012/08/25(土) 22:24:02.40 ID:BKtnl7Sp0
菫「こんばんわ。甘いもの食べたいおなか減ったよ部屋常駐住民の、『すみすみ』こと弘世菫だ」

玄「…」

菫「好きなお菓子はガトー・ショコラ。生命力が強い大輪の花よりも、儚げな優しい風合いの花が隙。例えば、コスモスとか。あと、動物だとネコは当然として、ハムスターとかセキセイインコが好きだ」

美幸「…」

菫「最近の悩みは、学校の帰りにあるお洒落なアンティークショップで、可愛い子猫のコーヒーカップがあるのだが、それが少々高くて手が中々伸びない事」

竜華「…」

菫「お菓子を3日断てばなんとか捻出できるのだがな。だが、3日もお菓子を断つというのは、私には拷問に近い。これでも結構悩み多き者なのだよ」

和「…」

菫「ああ、それと、コーヒーは苦くて駄目だな。あれは飲み物じゃない。やはり、紅茶だ。砂糖とミルクをたっぷり淹れたアッサム・ティーこそ至高だな。まあ、緑茶も嫌いではないが」

モモ「…」

菫「愛読書はスイミーだ。団結の強さを教えてくれる。もし読んだことが無ければ、読んでみると良い。お薦めだ。雑誌だとcancanと、猫びよりと猫生活かな。発売日に必ず購読するのは」

和「えっと…」

菫「好きな言葉は『蹂躙』。趣味は屈服させること。特技は調教」

菫「…まあ、それほど取り立てて特徴だった点は無い、ごく普通の女子高生だが…一応、以後お見知りおきを頼む」

モモ「いやいやいや。4行上。いやいや。いやいやいや。いやいやいやいやいや」

557: 2012/08/25(土) 22:33:39.40 ID:BKtnl7Sp0
照「菫」サササ

菫「なんだ、照。私だってオフ会があると言っただろう?たまたま同じ会場だったからって、なんでわざわざ電話で呼び出しなんて…」

照「アイツら、怖い。園城寺さんがやられた」

菫「…なんだ今度は何をやらかした」ハァ

照「え…」

菫「お前、私が知らないとでも思ってるのか?たまに学校でもコソコソネト麻に繋いでなんだか色々やってるんだ。私が調べないほうがおかしいと思えよ」

照「え、それって…」

菫「5大危険生物だか生物兵器だか知らんが、なってるんだろ」

照「そ、それは…」

菫「あまり面倒を引き起こすな。いつか敵を増やしすぎてとんでもないことになるぞ。…例えば、今とか」

美幸「おお!なんか登場と自己紹介のアレさと違って結構常識人的発想!?」

照「…」

菫「まあ、それはそれとして蹂躙はしようか」クルッ

玄「ひいいいいい!?」

美幸「やっぱ駄目だ!白糸台!!」

561: 2012/08/25(土) 22:44:13.39 ID:BKtnl7Sp0
菫「誰から蹂躙し・よ・う・か・な。か・み・さ・ま・の・言・う・と・お・り」

モモ「バトル漫画の急に出てきた凶悪で恐ろしい敵みたいな真似を…」

菫「うーん…迷うなぁ。チーズケーキとモンブランとピーチタルト、どれにするかくらい迷う」

照「相変わらず菫は例えがメルヘンだなぁ」

菫「よせ。照れる」

美幸「なんなのこれもー!」

照「さあ、これで形勢逆転」

和「くっ…な、なんだか別に戦っても居ないのに負けた気分になって来ました…」

菫「…ところで照。一つ聞きたいんだが」

照「うん?」

菫「あの、縄抜けでもした後のような見事なも抜けの殻は、何があったんだろうか」

照「へ…」

モモ「…え?」

和「…あ、あれ?」キョロキョロ

和「…花田先輩が居ない!!?」

571: 2012/08/25(土) 22:48:52.48 ID:BKtnl7Sp0
同居酒屋、最後のオフ会開催部屋

霞「さあ、あっこちゃん。貴女が音頭をとって頂戴」

憧「ええー・・・け、けど、この場じゃ私どう考えても最年少…1年生だし…」

霞「だから逆にいいのよ。ほら、ね?お願い」

豊音「頑張れあっこちゃーん」ニコニコ

憧「ううう…」

恒子「そーそー。こういうのは経験だー。若い内にやっとくと後々楽だぞー。上手くやったらおねーさんがキスしたげる!」

憧「それはパス」

恒子「即答!?…ぶー。いけずぅ…」

豊音「ほらほら、早くー。お腹すいちゃったよー」

憧「ううー。…じゃ、じゃあ…」

霞「ええ」

憧「…え、えっと…こ、このたびは、みなさま遠路はるばる、当オフ会のために御足労頂き…」

霞「みんなたまたま全国選手だっただけだけどね。あと、残りの一人はアナウンサー」

豊音「あははははは!」

575: 2012/08/25(土) 22:50:23.93 ID:BKtnl7Sp0
恒子「校長先生の訓示かっつーのー!」

憧「う、うるさい!水挿すなお前ら!」

霞豊音恒子 「「「「はーい」」」」

憧「…こ、こうしてみんなで集まれるとは思ってなかったからさ。じ、実のとこ、すっごく嬉しいんだ」

霞「…」

憧「そ、そりゃあ、いつもはアンタ等に振り回されっぱなしだし、ムカツク事もいっぱい有るけど、そ、それでもなんだかんだであの部屋から出てけなかったのは、あそこが居心地良かったからだし…」

憧「かすみんが提案してきてくれて、みんな、誰も欠けること無く集まれたのは、凄く素敵なことだと…思う…し」

憧「ま、まあ…こうして顔を合わせたのを気に、もう少し落ち着いてくれたら私はもっと嬉しいけど…」

霞「それ無理ね」

恒子「無理だなー」

豊音「んだべなー」

憧「ですよねー…って、おい!ノッポ!アンタまで便乗して返事すんな!!」

豊音「なんだとー?いちねんのくせに生意気だ!やっつけるぞ、がおー!」グリグリ

憧「いててて!アンタ、無駄に図体でっかいんだから加減しろ!」

豊音「しょっく!」ガーーン

579: 2012/08/25(土) 22:55:11.71 ID:BKtnl7Sp0
恒子「あはははは!」

霞「確かに、ノッポさんといってもこんなに大きい子だとは思わなかったわ。驚いたもの。でも可愛い。…ふふ。そして、まさか対局するとも思わなかった。手強かったわ」

豊音「ありがとうござます!でもでも、かすみんさんが永水の人だって知った時は私も驚いたよー。あ、神代さんのサインありがとうねー。家宝にするよー」

霞「いいのよ。私達の仲だもの。むしろ、最初から貴女がノッポちゃんだって知ってたら、もっと良い物用意してあげたのに。さっき小蒔ちゃんが来てた袴とか、サラシとか」

憧「いやいや。それはマズいだろ。色々」

豊音「そういうのはあんまり興味ないなー」

憧「さらっと拒否!?」

恒子「あ、そうだ!それで思い出した!ノッポちゃん、テレビっ子だったっけ!ねーねー。それじゃあ、私と会った時、びっくりしたでしょ!」

豊音「あ、はい!本当にびっくりしたよー。まさかテレビで見てたこーこちゃんがこうして目の前に居るとは」

恒子「だよねー。まさかいつもネットでじゃれ合ってる友人が、あのスーパーアナウンサー福与恒子さんだとは夢にも思わないわなー!」

豊音「本当だよー」

恒子「ふっふっふー。…ねえ、ノッポちゃん」

豊音「はい?」

恒子「本当はプライベートでこういう事はあんまり良くないんだけどさー。…サイン。あげよっか」ニヤッ

豊音「え?」

581: 2012/08/25(土) 22:57:34.10 ID:BKtnl7Sp0
恒子「将来日本テレビ史に名を残す(予定)の伝説の大アナウンサーだし、さ。私。ほとんどサインなんて書かないから希少価値めっちゃあるぞー」

豊音「え…別に…どうせなら針生アナの方が…」ボソッ

恒子「ぎゃあああああ!ツイートレベルの小声なのに絶妙に耳に入る音量で聞かせてしてきやがるこの大小動物娘!!」

憧「意外と黒いぞこのノッポ!服装だけじゃ無しに!!」

豊音「ふっふっふー。かすみん先生の腹黒指導。いっつも勉強させていただいてます。オッスオッス!師匠!」

霞「あらあら」クスクス

ガラッ

霞「…?」ピクッ

煌「…」

憧「ん?誰?知り合い?かすみん」

霞「…貴女は」

煌「…」ボソボソ

霞「…!」

豊音「どしたのどしたのー」ドタドタ

霞「…ごめんなさい、みんな」スクッ

593: 2012/08/25(土) 23:11:08.27 ID:BKtnl7Sp0
霞「ちょっと、『躾』をしてくるわ」ニコリ

憧「…?」

ピシャッ

恒子「躾って…」

豊音「なんだろー…」


煌「…こっちです…かすみんさん」

霞「何故私の名を?」

煌「…聞いたんです」

霞「誰から?」

煌「…」

霞「…わからない。か」

煌「…すみません。ただ、困ったことがあったら『かすみん』を頼れ、と。さっきの貴女方の居た部屋までの地図のPDFを添付されて、ネト麻の私宛の専用ボックスにメールがあって」

霞「…私も情報だけは受け取っていたわ。名前の無いメールでね。もしこの日にオフ会をするのなら、費用を全て持つ。その代わり貴女みたいな人が来たら、協力してあげて欲しいって」

煌「…」

霞「…うふふ。きな臭ぁい♪」

602: 2012/08/25(土) 23:15:56.11 ID:BKtnl7Sp0
煌「…」

霞「まあ、良いわ。それでお金が浮くんなら、喜んで」

煌「…すばらです」

霞「貴女も、ね」

煌「…」

霞「…この損な役回りの、貴女への、対価は何?」

煌「…百合薔薇戦争における狂犬二匹とすこニャー、そしてどらごんのアカウント停止を、免除する、と…」

霞「ふうん」クスクスクス

煌「…」

霞「…ふんふむ。ふんふむ、ふんふむ~」

煌「…なんですか、それ」

霞「なんとなく、理解っちゃったから」

煌「…」

霞「最近このネト麻運営が買収されたって聞いたけど。どこだったかしらねー」

煌「…龍門渕」

607: 2012/08/25(土) 23:22:07.80 ID:BKtnl7Sp0
霞「まあ、私には関係ないことだけどね」

煌「…貴女には、どうでも良い話?」

霞「ええ。あのサイト上じゃ、適当にネト麻出来て、たまに生贄の子弄り倒せたらそれで十分だもの」

煌「…」

霞「それでも今、オフ会費用なんかのはした金で動いてあげてるのはぁ…」

霞「其処に行けば、私と対等に遊べる子が居るかもしれないからって言われたから♪」

煌(…あの場所に、災害指定級が居る?)

霞「まったく…『すみ』って付いたら強くなれるとか、あるのかしらねー」クスクスクス

614: 2012/08/25(土) 23:28:53.84 ID:BKtnl7Sp0
和「あれ…おかしいです。変です。不思議です。花田先輩、いつの間に…」キョロキョロ…

照「うーん。確かにさっきまでは居たと思ったんだけど…」

煌「すばらっ!」ガラッ

和「っ!!」ビックーン

煌「みなさん、お揃いで!実にすばらです!」

和「あ…えーっと…」

煌「おやおや。これはこれは、原村和さん。どうもどうもお久しぶりで」ニコニコ

和「あ、あのぉ…」

煌「はい!」

和「その…さっきは…その…」

煌「はい!」

和「す、すみませんでしたああああああ!!」ペコリン

煌「…」

和「…」

煌「顔を上げて下さい。原村さん」

618: 2012/08/25(土) 23:35:09.88 ID:BKtnl7Sp0
和「…」

煌「反省の心はありますね?」

和「はい!勿論です!」

煌「ならば、許します!」

和「!!」パアア

煌「けど、気を付けなければいけませんよ?」

和「…っ!」

煌「私がたまたま貴女の先輩で、貴女がたまたま私の後輩だったんです。世の中には、そうやって謝っただけでは簡単に許されないような罪も、許してくれない人も、たくさんいるんです」

和「はい…」

煌「大切なのは、過ちを繰り返さないこと。今回、貴女がその身に刻み、心に焼き付けた後悔は、今後貴女の大切な糧となるでしょう。どうか、二度と利己に走ったり、勢いで行動を起こさないこと。良いですね?」

和「はい…肝に命じて起きます…!」

煌「ん!すばらな良い返事です!実にすばら!」

和「先輩…」ジーーーン

煌「…さて」

煌「それはそれとして、取り敢えず仕返し、いっときますね」

628: 2012/08/25(土) 23:42:43.78 ID:BKtnl7Sp0
和「え…」

煌「すばらああああああ!!」モニュモニョーーーン

和「きゃあああああああ!!?」

煌「うえっへっへっへー。ここかー?ここがすばらなんかーん?えー?おーっほっほっほっへ」モゾモゾ

和「ちょ、花田せんぱ…や、やめ…助け…うあああああああっあっあっあっ!?」

煌「すばららららっらっらららららららるるるおらぁああああ!!」サスサスサスサスサスサスサスサス

和「いやああああああああああああああ!!!」

煌「…ふう」ツヤツヤ

和「あ…あ…あ…が…」ピク…ピク…

煌「…じゃあ、後お願いします」

霞「良いの?好きにやっちゃって」

煌「ええ。好きにやっちゃって」

霞「…知らないわよ?」

煌「天災は、好きに暴れてこその天災でしょう?」

煌「…ま、ちょっといや結構個人的な恨みも有ったりするんですが…」ブツブツ

670: 2012/08/26(日) 00:38:57.91 ID:tnkcsrmk0
時間を遡って、午後9時30分
喫茶店にて

カッチ…コッチ…

咲「…」ペラ…ペラ…

咲「…」チラッ

咲「…」

咲(…もう、9時半になる)

咲(ゆみさん、おそいなぁ…)

咲「…」

咲(…も、もしかして、何かあったんじゃ?)

咲(そんな、まさかゆみさんに限って)

咲(…けど、心配だなぁ)

咲(何処に行ったのか、せめてそれだけでもわかれば…)

咲(…)

咲「…!!」

咲(…もしかして…スマフォで掲示板を覗けば…!)カチカチッ

675: 2012/08/26(日) 00:47:46.54 ID:tnkcsrmk0
腐部屋

咲「…やっぱり変だ。今日一日誰も部屋に入ってない。いつもなら誰かは必ず居るのに…」カチカチ

咲「こんなの、普通じゃ無い…過去ログを見よう」カチッ

咲(…数日前のログ。…てるてる姫さんだけログインしてる。でも、この人達…誰?のどっちさんに…どらごんさん?)

咲(なんでこんな喧嘩腰なの!?っていうか、なにこの小説!てるてる姫さんとアミバさんがエOチしてる…?てるてる姫さん、凄く嫌がってるし…)

咲(…これが、荒らしっていう人達?けど、どんな目的で…)カチカチ

咲「…っ!」

咲「有った…!下北沢の居酒屋、『真夏の世の夢』でのオフ会…」

咲(腐部屋みんなを招待?けど、おかしい。私はそんなのに招待されてない…)

咲(…まさか)

咲(ゆみさんの言う、大切な場所を守りに行く…って!)

咲「ゆみさん!!」ガタッ

咲「店員さん!これ…お勘定です!!」

店員「あ、はあ…」

咲「それじゃあ、急いでるのでこれで!!」タタタタタ

681: 2012/08/26(日) 00:54:00.08 ID:tnkcsrmk0
咲「…って、急いで店を飛び出したけど…真夏の世の夢ってどこ!!?」タタタタ

咲「うううう…こんな事してる場合じゃないのに…」

咲「っ!泣き言言っても仕方ない!兎に角それらしい場所を…」ドンッ

咲「うわっ!?」フラッ

「うわぁ!?」バシャッ

咲「あ、す、すみません…!」

衣「あいたたた…」

咲「…えっ?」

衣「す、すまない、少々よそ見をしていたもので…」

咲「衣…さん?」

衣「…咲?お前、咲!!」

咲「どうして此処に…」

衣「っ!僥倖だ。頼みがある。咲」

咲「は、はい…!!」

衣「…衣を、ハギヨシに会わせてくれ」

687: 2012/08/26(日) 01:01:45.87 ID:tnkcsrmk0
咲「ハギヨシさんって…」

衣「頼む。一度ホテルまで行ったのだが、今は全員出かけていたようで誰にも会えなかったのだ。今の衣には…ハギヨシに出会う術が…無い…」

咲「…けど、ハギヨシさんは…」

衣「…わかってる。衣が悪いのだ。人参がどうのという巫山戯た理由で彼奴を首にした。悔やんでも悔やみきれんほどの愚行だ。だが、今は一刻の猶予を争うのだ。頼む。この通りだ」ペコッ

咲「あ、合わせてあげたいのはやまやまなんですけど、私にも行きたい場所があるし、第一どうやってハギヨシさんに連絡を取れば良いのか…」

衣「なんだ、そうなのか…咲はケータイも持ってないのか?」

咲「はい、私、機械は苦手で…」

咲「…あっ!!持ってる!!」

衣「おお!!」

咲「あ、でも、電話の掛け方が…」

衣「仕方ないなぁ、衣が掛けてやるから。お、ちゃんと主要人物の番号も登録もされているじゃないか」ピポパポ

咲「ううう…」

衣「…ほら、掛かったぞ」スッ

咲「あ…」

衣「衣は…まあ、なんだ。ちょっと出にくいから」

691: 2012/08/26(日) 01:06:04.75 ID:tnkcsrmk0
咲「…あの…ハギヨシ…さん?」

ハギヨシ『はい。萩原でございますが。如何いたされました?宮永さん』

咲「えっと…ちょっと、迷子になちゃって」

ハギヨシ『左様でございますか。今は、どちらにおいでで?』

咲「…下北沢なんですけど…」

ハギヨシ『それは奇遇でございますね。我々…ああ、竹井部長や染谷副部長もおいででございます』

咲「そうなんだ…」

ハギヨシ『ええ』

咲「…それで、お願いがあるんですけど」

ハギヨシ『なんなりと』

咲「お迎え…お願いできませんか?申し訳ないんですけど」

ハギヨシ『畏まりました』

咲「…」チラッ

衣「衣が居るのは、秘密だ!ハギヨシもきっと、困る!」ヒソヒソ

咲「…」コクン

693: 2012/08/26(日) 01:12:40.74 ID:tnkcsrmk0
ハギヨシ『宮永様?』

咲「あ、ご、ごめんなさい」

ハギヨシ『では、今よりGPSを使用して、そちらへ向かいますので…ああ、補足いたしました。少々距離がございますね。竹井部長達を置いて行く訳にも参りませんので、お時間を頂けますでしょうか』

咲「はい。すみません、お願いします」

ハギヨシ『それでは…』

咲「あっ!すみません!あと!」

ハギヨシ『…はい』

咲「…真夏の夜の夢って居酒屋、私の近くにありませんでしょうか」

ハギヨシ「…ええ、ありましたが」

咲「…教えてくれませんか」

ハギヨシ「そこから、北へ…ああ、周囲をぐるりと見回して、一番背の高いビルの方角へ、300m。そこでコンビニを左に曲がって、突き当り」

咲「ありがとうございます。そしたら、そこで待ってますんで…!」

ハギヨシ「あの…」

咲「すみません!本当にすみません!ちょっと急ぎます!待ってます!!」ガチャッ

咲「…行こう。衣さん」

699: 2012/08/26(日) 01:30:43.66 ID:tnkcsrmk0
咲と衣が再会してた頃
再び居酒屋

煌(…たっはー)

煌(参りました。いやあ、参りました。参りました。こりゃすばら。すばらの大すばら)

煌(かんっぜんに予想外の展開です)

煌(まあ、途中まではぜ~んぶ予定通り…って言うか、流石災害って感じでしたけど)

煌(…ってか残った乙女部屋2名(玄、美幸)、百合部屋1名(竜華)、腐部屋1名(照)、ものの15分でヘヴン状態でアヘ顔ダブルピース晒して完全沈黙って、あり得ないんですが…)

煌(まさか、それが…)

煌(…)

煌(まさか、それが、ここに来て)チラッ


霞「うふふふふふ♪貴女、素敵だわぁ。その頃し屋みたいに鋭い目、ぐしゃぐしゃに歪ませてあげたい」

菫「お前こそ随分屈服させ甲斐のありそうな澄まし顔じゃないか。こんなに這い蹲らせてつま先を舐めさせてやりたい女は初めてだ」

霞「言うわねぇ。けど、その強気な発言が弱音と許しを請う童女のわめき声に変わるまで、何分持つかしら」

菫「そうだな。お前がその足腰をガクガクと震わせながら豚のようにブヒブヒ泣き喚いた頃…かな」


煌(なんでHELLSINGのアーカードとアンデルセンみたいな関係になってるんですかこの二人はぁあああああああああああ!!!?)

708: 2012/08/26(日) 01:48:07.53 ID:tnkcsrmk0
煌(ってか、この弘世菫さん、明らかに宮永さんがかすみんさんに陵辱されるの黙って見てましたよね!?それもちょっと嬉しそうに見てましたよね!?)

煌(で、逃げ惑う乙女二人と百合一人を嬉しそうーに追いかけてるかすみん見ながら、この人、隅っこに隠れてたLEGENDさんとマグマさんを引きずり出して来て、2秒でダウン!)

煌(LEGENDさんに指をすいーっと伸ばしたかと思ったら、LEGENDさんが『エンッ!!』って叫んでそのまま失神。驚いたマグマさんの傍に顔を近づいて息を一息。マグマさん白目向いて失神)

煌(その頃には乙女二人も秘孔だかなんだかっぽいの突かれて失神してやがってました。そして、レO…コホン、百合のはずのどらごんさんが壁の隅っこに追い詰められて泣きながら命乞いを…)

煌(無常にも一切の躊躇無く、どらごんさんに襲いかかるかすみんの魔の手)

煌(逃げられないと見て、果敢にも逆に襲いかるどらごん)

煌(カウンターで胸を揉みしだかれ、一瞬で轟沈)

煌(その上に跨り、獣が屍肉を貪るかのような陵辱…)ガタガタ

煌(その頃、遅まきながらに目覚めるアラサー)

煌(「ロン」されるアラサー)

煌(10歳くらい年下の娘に、為す術もなく蹂躙されるアラサー)

煌(10歳くらい年下の娘に、陸の上に上がった鯖みたいに跳ね回させられるアラサー…)

煌(気絶するアラサー)

煌(獲物を求め、対峙する怪物二人)

煌(これは確かに、災害指定されるのはわかると、言うか、私は新たな災害の誕生と二つの災害の激突を目撃した初めての人間なのでは…氏んでも見たくありませんでしたけど)

716: 2012/08/26(日) 02:01:27.87 ID:tnkcsrmk0
霞「…」ゴッ ゴッ

菫「…」ガッ ガッ

煌(無言でおでこをぶつけ合い始めたぁああああ!!)

菫「ふん。チビめ」ガッ ガッ

霞「あら、貧Oが何か言ってるわ」ゴッ ゴッ

菫「お前のはデカすぎるんだ。垂れ乳」ガッ ガッ

霞「面白い事言うわ。じゃあ、垂れてるか確かめてみる?…顔に被せて、そのままチアノーゼになるまで退いてあげる気は無いけど」

菫「必要ないな。搾乳して通常サイズにしてやる。感謝しろ、ボランティアだ」

霞「じゃあ、私はその無駄に偉そうに張った背筋を矯正して謙虚な感じにへし折ってやろうかしら」

菫「…」ゴッ ゴッ

霞「…」ガッ ガッ

煌(ああ、私やっとわかりました。てるてる姫とアミバの掛け合いに足りなかったのって、これなんですね。殺気って奴です)

煌(これさえあれば、どんな腑抜けた喧嘩も、白米に対するふりかけの如く殺伐!すばら!!)

煌(…しくないです。なんで今こんな修羅場に…はっ!)

煌(しゅらばっ!)ペカー!!

725: 2012/08/26(日) 02:09:02.04 ID:tnkcsrmk0
煌(と、とにかく、此処は私がなんとか丸く収めないと…)

煌「…」

煌(…ヤバ過ぎます。全く方法が思いつきません)

煌(いや、しかしここで諦めたら一体何が始まるんです?とても口では言えないようなファイトが勃発してしまう)

煌(なにか、なにか探すんです。なにか、なにか方法は…)

ガラッ

煌「!!?」

菫「ん?」

霞「…あら?」

煌「へ…」

咲「あ…」

衣「おお?」

霞「…貴女は」

咲「あ、あれ、貴女は…」

霞「…宮永咲ちゃん」

733: 2012/08/26(日) 02:15:23.99 ID:tnkcsrmk0
菫「…ん?宮永…」ピクッ

咲「えっと、確か永水女子の…石戸…」

霞「石戸霞よ。覚えててくれたのね」ニコッ

咲「あ、は、はい。あの…先程はお世話になりまして…」ペコリン

霞「あら、礼儀正しい子。こちらこそ、大将戦ではお世話になりました。…ふふ。負けちゃって、ちょっと悔しいけどね」

咲「あ、す、すいませ…」オロオロ

霞「良いの良いの。それより、どうして此処へ?」

咲「えっと…」

煌(あわわわわ)オロオロ

咲「ここ、オフ会の、会場…です、よ、ね?」

霞「ええ」ニコッ

咲「あの…私、カンちゃん…って言うんですけど…」

霞「…?はあ」

菫「…ここの住民か?…ああ、思い出した。確かそこで伸びてるウチの先鋒の部屋の、昼間にしか出ないレアキャラ」

霞「ふーん」

740: 2012/08/26(日) 02:24:58.21 ID:tnkcsrmk0
咲「」オロオロ

衣「なあ、咲。そういえばそろそろハギヨシも来るんだっけ?」

咲「あ、は、はい…」

衣「そっかー」

霞「そっちの子は…天江衣…凄いわね。魔物揃い踏みって感じじゃない。小蒔ちゃんも連れてくれば良かったかしら?」

菫「淡は…どうだろうな、この現状への対応力。一回試してみても面白そうだが、ふむ…」

霞「ところで、どうする?続ける?」

菫「まさか。小さなこの前じゃ私は優しいお姉さんだ。基本だ」

霞「…あっそ。まあ良いわ。私も興が削がれちゃったし」

菫「なら、今日はこれで止めだ。だが、石戸霞…その名、覚えた。そして、かすみんのハンドルネームもな」

霞「あら。光栄だわぁ。わざわざ獲物から懐に潜り込んできてくれるなんて♪弘世菫。すみすみね。忘れないわ。貴女はもう、私のモノだから」

菫「ちっ…じゃあ、甘いもの食べたいおなか減ったよ部屋のオフ会に戻る」

霞「えっ!?ちょっと、なにそのすっごい素敵な部屋!初めて聞いたわ!ねえねえ、どんな話してるの!?」

菫「お前も興味有るのか。なら後でそっちの部屋と住民交流やってみるか?」スタスタ

霞「是非是非!楽しそうだわ!」ピョンピョン

747: 2012/08/26(日) 02:29:59.16 ID:tnkcsrmk0
咲「行っちゃった」ポツーン

衣「だなー」ポツーン

煌「えっと…」

咲「ここ、違うお部屋なのかなぁ?なんだかちょっと雰囲気が違う気がしたし…」

衣「衣はよくわかんないけどなー」

煌「あ、あのー…」

咲「あ、は、はい!すみません、気付かないで!」

煌「あ、い、いえいえ…」

咲「どうかされたんですか?」

煌「え?あー…えっと、まず何から話したら良いものかー…」

咲「はあ…」

煌「カンちゃん…ですよね」

咲「はい」

衣「あ、すみません店員さん。衣、これ注文したい!うん。お願い!」

煌「…どうも。シャイニングです」

749: 2012/08/26(日) 02:35:01.88 ID:tnkcsrmk0
咲「え…」

煌「…シャイニングです」

咲「…」ポカーン

煌「…」

咲「…」ブルッ

煌「…シャイニングです」

咲「…」パアアア

煌「…シャイニ…」

咲「凄い凄い凄い!!」ガバッ

煌「すばらあぁぁぁぁっ!?」

咲「シャイニングさんなんですか!!?」

煌「…あ、はい。どうも、シャイニングです」

咲「本当にシャイニングさん!?」

煌「あ、はい。そうです。シャイニングです。はい」

咲「本当に本当に本当にシャイニン… 「しつこいですよっ!」 …あはは」

752: 2012/08/26(日) 02:41:33.59 ID:tnkcsrmk0
咲「すごい…まさか、本当に本物のシャイニングさんに会えるなんて…」

煌「う…なんか、連呼してたらちょっと恥ずかしくなって来ました。なんなんでしょうこれ…」カアア

咲「嬉しい…」

煌「あ、あはは…私も嬉しいです。正直、私は貴女に一番会いたかったですから」

咲「ありがとうございます!…あれ?と、言う事はもしかして他のみんなも…」

煌「ああ、勿論来てい…ま、す…?」

咲「あ、もしかしてこっちに…」ヒョイッ

煌(あ。ヤバ)

咲「…え?」

氏屍累々

咲「…」

煌「あー…」

咲「…」

美穂子「大丈夫ですかー。意識ありますかー。辛かったら言って下さいねー」

怜「ういー…なんとかー…ゲッホゴホ…」

755: 2012/08/26(日) 02:46:47.31 ID:tnkcsrmk0
咲「…あのぉ」オソルオソル

煌「…はい」

咲「お、オフ会って、こんな凄いものなんですか…!」

煌「いやいやいや…」

煌(…とは言ったものの…本当に、なんなんでしょうねこれ)

煌(あ、そう言えば、ゆみさんは既に知り合いなんでしたっけ?だったらなんとか早めに起きてもらって…)

咲「え、和ちゃん!?」

和「あれ…私…」フラフラ

煌「…え?」

咲「えっ!?えっ!?えっ!?どうしたの!?和ちゃん!?なんで和ちゃんが此処に…」

和「え、あれ?なんで咲さんが此処に…」

和「…ええええええ!?」ガバッ

咲「うわっ!」ビクッ

咲「び、びっくりした…」ドキドキ

和「あ、す、すみません…」

758: 2012/08/26(日) 02:53:15.97 ID:tnkcsrmk0
煌()ゾクッ

煌「…?」

煌(…今、何か変な感じが…)

咲「びっくりしたなー。まさか、和ちゃんが腐部屋の住人だったなんて」

和「えー…?」

和(咲さん?何を言ってるんでしょう。すみません、寝起きで頭が働かないのか、あんまりよくわからないです…)フラフラ

咲「びっくりしたなー。びっくりしたなー。けど、嬉しいな。私もね?和ちゃんと同じだったんだよ!」

和「同じ?」

咲「うん!そう!私、カンちゃん!和ちゃんはなんて言う名前なの?」

和(嵌張?)

和「麻雀のですか?」

咲「うん、そう!麻雀の名前!」

和「そうですねー。私の麻雀の名前は…」

和(のどっちです…って…あれ?あれれ?)

和「…あれ?エトペン…どこ…」ボソッ

761: 2012/08/26(日) 02:59:47.07 ID:tnkcsrmk0
和「……ペン…こ?」ブツブツ

咲「和ちゃん?大丈夫?」

和「あ、す、すみません…ちょっとボーっとしてしまって…」

和(さっきからなんだか身体が熱いんです…っていうか、ムズムズするんです)

和(って、あ、そうだ。なにか咲さんに聞かれてるんでした。答え、言わないと…)

咲「…和ちゃん?」

和(あれ…なんでしたっけ?私、何聞かれて…えっと…確か…エトペンが関係してて…)

和「麻雀の…」ブツブツ

和「まーじゃんの…なまえ…え…ぺん…関係…」

和(えっと…えっと…なんでしたっけ、なんでしたっけ…麻雀。エトペン。名前。まーじゃん。嵌張…かんちゃん、かんちゃん…)

和(…あ、そっか)

和「私は、辺張です」

咲「ええ!?そうなんだ!?私とそっくりだ!凄い凄い!!」

和「凄いですか?」

咲「うん、凄いよ!!」

762: 2012/08/26(日) 03:00:41.31 ID:tnkcsrmk0



咲「和ちゃんのハンドルネームは、ペンちゃんって言うんだね!!」



768: 2012/08/26(日) 03:06:18.66 ID:tnkcsrmk0
和「…へ?」

和「…ペンちゃん?ハンドルネームが?」

咲「うん!!」

和「えっと…」

咲「すっごい偶然。同じ腐部屋の住民で、私はカンちゃん、和ちゃんはペンちゃん!別に示し合わせてた訳でもないのにこれって…」

和「…ああ」

咲「凄い奇跡だよ!!もう、偶然じゃ片付けられないレベル!!」

和(成る程)

咲「これってもう、運命だよ!!」

和(全部、わかっちゃいました)

咲「和ちゃん最高!!」ギューッ

和「…」ギューッ

和(…なんか、冷水掛けられたみたいに一気に頭が冴えてきました)

和(なるほどね。咲さん、本物の腐女子だったわけですか)

和(はあ~…)

771: 2012/08/26(日) 03:13:26.00 ID:tnkcsrmk0
咲「…和ちゃん」

和(参りましたねー。こりゃあ、色々と私の考えていたのと変わっちゃいます。信じられないくらい滅茶苦茶です。もう、嫌になっちゃうくらい)

咲「和ちゃーん。…まだ辛いのかな?」

和(どうしたものか。この感じ。咲さんが本物とか…今まで私が信じて積み上げてきたものが全部崩壊です)

和(こんなにも愛してるのに)

和(こんなにも身近に感じているのに)

和(貴女が、遠い)

和(相容れない者同士だったなんて…)

和(希望が…断たれました)

和(もう貴女と愛を紡ぐ未来は、私には永劫訪れないというのですね…)

和(腐女子と百合少女は、相容れない存在で…)

和「…!!?」ビクッ

咲「和ちゃん?」

照「…」コソコソ

和(何故逃げようとしてるのですか!?チャンピオン!!)

776: 2012/08/26(日) 03:19:14.84 ID:tnkcsrmk0
咲「どうしたの?和ちゃん」

和「」チラッ

照「」ブンブンブン!!

照「」×!!

和「あ、い、いえ…なんでもないです」

和(咲さんに振り返らせるな…と言いたいのでしょうか?何を考えているんでしょう。あの人は)

咲「?」

照「…」コソコソ

照「」ソーッ…チョンッ ソーッ…チョンッ

怜「おい、てるてる!なんでコソコソしとるん!?」ヒソヒソ

照「しっ!静かにして!」ヒソヒソ

怜「はあ?」

照「あ、あいつにバレるのだけはマズイんだ…」ヒソヒソ

怜「なんでや!」ヒソヒソ

照「その…」ヒソッ

781: 2012/08/26(日) 03:32:32.26 ID:tnkcsrmk0
怜「おう」ヒソッ

照「…む、昔、カップリングの論争で大喧嘩したことがあって…」ヒソヒソ

怜「…やっぱ妹さんかい。似てる思うたけど」ヒソヒソ

照「アイツ、昔から近所の幼馴染の子をメインに持ってくるのが好きで。私がリアルの子使ったら、バレた時に凄いドン引きされるよって窘めた事が何度かあるんだけど」ヒソヒソ

怜「…」

照「ある日カッとなって勢いで結構な勢いで叩いちゃったら。そしたらあの子激怒して、私の妄想ノートをクレヨンでグジャグジャにして…」ヒソヒソ

怜「…」

照「折角2年も掛けて一杯書いて時々読み返してたのに…って」ヒソヒソ

怜「…」

照「しかも、アイツには才能があったんだ。私が一生努力しても追い付かないような、カプリング構想の才能が…」ヒソヒソ

怜「…」

照「私はあんなにポンポン色々出てこないもん。あの子との才能を比較したら、私なんて凡骨だ」シクシクシク

怜「…」

照「私が2年掛けてようやく書き溜めたノートの倍の文章量と密度のを2ヶ月で書いて持ってきて『お姉ちゃん、この間のお詫び』って、しかも私より凄いのばっかり持ってこられたら、流石に殺意が沸いちゃって…」メソメソメソ

怜「…ま、ウチが言うのもアレやけど、アンタら姉妹、親御さんに一回謝っといたほうがええで。気付かれんように」ナデナデ

788: 2012/08/26(日) 03:49:49.72 ID:tnkcsrmk0
煌(福路さんの介護が効果的なのか単に回復力の問題なのか、続々みなさん回復してきてますねー)チラッ

竜華「うーーんうーーーん…怜ー。怜ー。ウチは認めへんからなー。絶対ソコのアミバの化けの皮剥がして、アンタの目醒まさせたるからなー」メソメソ

煌(うーん。今日の最不幸大賞はこの人にあげても良い気がしてきました)

ゆみ「ううん…」

煌(そして、起きましたね?今日の裏MVP。期待してた分貴女への今日の評価は低いですよ。普段のポテンシャルなら私と同じく事を納めてくれる方向に働く仲間なのに…)

煌(何故今日に限って大暴れしてくれちゃったのか)ワナワナ

ゆみ「…く、う…なんだ…何故私は…いつの間に倒れたんだ…」

煌(…ある意味一番幸せなのこの人かもしれません)

美幸「あれ…私…もー…なんなのこれ…」

玄「はわわわわ…怖い怖い巫女さん怖い巫女さん怖い…え?って言うことは、憧ちゃんも怖い?あわわわわ」ガタガタガタ

煌(被害者二人…ただただ可哀想に…)

灼「あ…ハルちゃん」

晴絵「よっ。やっと起きたか?」

灼「やっと起きたかって…え?今私…あ、あわわわ、膝枕!?」

煌(やり手ですねー。LEGENDさん)

791: 2012/08/26(日) 03:59:12.98 ID:tnkcsrmk0
華菜「あれ…私…」

美穂子「あ、起きた。お早う。華菜」

華菜「私は…あ、そうか。あのアラサーに…」

美穂子「大丈夫よ。貴女は一生懸命戦ったから」

華菜「キャプテン…」

美穂子「けど、プロレスだからってやり過ぎちゃ駄目よ?小鍛治プロもお酒なんて飲んで…怪我したらどうするの」プンプン

煌(そしてあの人はズレていて…)

煌(あとは…)

健夜「あふ…は…ふぁ…」ビクビク

煌「…何も言いますまい」スッ

煌(さて、これであとは小鍛治プロ以外倒れてる人は居ないようですし、そろそろ解散に…)

煌「…ん?」

ハギヨシ「すみません」

煌「…はあ」

ハギヨシ「こちらに、宮永咲さんは居らっしゃいますでしょうか」

798: 2012/08/26(日) 04:06:38.57 ID:tnkcsrmk0
煌(…まだまだ終らない…か)ハァ

咲「あ、ハギヨシさん」

ハギヨシ「遅くなりました」

咲「いえ、私もそんなにこっちに来て色々確認したいことがあったので…」

久「私も来たよー」

美穂子「あっ…!!」パアアア

まこ「わしもじゃ。ついでじゃがな」

未春「ついでのついでです」

智美「そのさらにおまけだ。ワハハ。…うん?モモの匂いがしないな…」クンクン

衣「ハギヨシィイイイイ!!」

ハギヨシ「え…」

衣「うわあああああああああああああああん!!」ガバッ

ハギヨシ「こ、衣様…」

衣「会いたかった!会いたかったごめんね、ごめんねハギヨシ!衣が馬鹿だった!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!うえええええええええ!!」グスグス

ハギヨシ「…」ギュッ

804: 2012/08/26(日) 04:15:00.42 ID:tnkcsrmk0
照「なんだあのイケメン(驚愕)」

怜「ホンマや。小さい子抱いてるのに犯罪っぽく無い。イケメンや(驚愕)」

煌「みなさん、なんだかかんだか、聞いたことのある背格好の殿方だと思いませんか?」

晴絵「確かに…」

健夜「ふえっ!?」ガバッ

池田「龍門渕の…執事」

美幸「へ?」

照「えっ!?」

怜「執事って…じゃあ、やっぱあの人がカンちゃんが言っとった…」

煌「至高のすばらカップリングの片割れ…!!」キラキラ

812: 2012/08/26(日) 04:31:52.11 ID:tnkcsrmk0
玄「凄い格好良い人…私、ああいう大人の人と付き合ってみたいかも…」ポーッ

照「…はっ!?(威圧)」

煌「なんで付き合う必要が有るんですか(正論)」

怜「この発言は、とんでもないことやと思うよ。これは教育やろなぁ…(怒り)」

照「なお、まにあわんもよう」

煌「やってしまいましたなぁ…」

照「おかしい。(至高のカップリングに割り込もうとする女が出てくるなんて)こんな事は許されない」

怜「おもんねーわ。大問題児と言わざるをえない」

照「ファッキューカッス。タフィーも呆れとったわ」

煌「阿知賀がそんな高校だとは思いませんでした。幻滅しました。晩成高校のファンになります」

玄「ちょ、あなた達、一体何を言ってるんです…」ガタガタ

怜「わからんか?…まあ、ええわ」ポンポン

煌「まあまあ…なんにせよ…それ以上面白い事は言われないほうが、すばらかと」ポンポン

照「うんうん。まあ、個人の心情の自由には任せるけどね」ポンポン

玄「こ、この人達、なんか怖いよおねえちゃ~~~ん…」ガタガタガタ

813: 2012/08/26(日) 04:35:05.69 ID:tnkcsrmk0
(アカン)

ちょっとだけ寝かして。8時までには起きる

867: 2012/08/26(日) 11:34:02.64 ID:tnkcsrmk0
ハギヨシ「衣様…お久しゅうございます」

衣「うん…うん…!」

ハギヨシ「あれから、一切の連絡を龍門渕へ寄越さなかった事、誠に申し訳ございません」

衣「良い…許す…!」

ハギヨシ「そんなに服を汚し、傷付き…何があったかは存じませぬが、ハギヨシは心が痛うございます。やはり衣様の下を離れるべきでは無かった。私は、許されない」

衣「それは違う。ハギヨシ。衣が子供だったんだ。幼少の頃より世話になり続けたお前を、たかがあの程度の理由で追い出そうとした私に責がある」

ハギヨシ「衣様…」

衣「なあ、ハギヨシ。事態は切迫している。早い内に、伝えなくてはいけない話がある。透華の事だ」

ハギヨシ「透華お嬢様?」

衣「だが、敢えて、その前に少しだけ時間をくれ。衣、まだ、ハギヨシに伝えてない言葉が有ったんだ。ハギヨシに言わなきゃいけない言葉が有るんだ」

ハギヨシ「…」

衣「あの日、お前を追い出した後から、衣の時間は止まったままだ。だから、衣は、時計の針を進めたいと思う」

ハギヨシ「衣様」

衣「いっぱいお世話になって、助けて貰って、いつも美味しいごはんを作ってくれてありがとう、っていう言葉」

ハギヨシ「…」

869: 2012/08/26(日) 11:42:59.97 ID:tnkcsrmk0
衣「美味しかったっていう、言葉」

ハギヨシ「衣様」

衣「感謝の気持ちを伝え、命にありがとうを伝える言葉」

衣「お前のお陰で私は今日も生きられる、と」

衣「お前に与えられた命だから、私は今日も元気に生きられる、と」

衣「ありがとう、生まれてくれて、と。そしてありがとう、生命をくれて、と」

衣「いつも、お世話になってます、と」

衣「そんな、とても美しい言葉を、お前に贈ろう」

ハギヨシ「…」

衣「『ごちそうさま』」

衣「ハンバーグ、美味しかったよ。ハギヨシ」

衣「ニンジンケーキも美味しかった」

衣「もうニンジンもピーマンもしいたけもセ口リもワカメも…なんだって残さず食べるから…」

衣「『また、作って』」

衣「…帰ってきて。ハギヨシ」

872: 2012/08/26(日) 11:50:39.77 ID:tnkcsrmk0
ハギヨシ「…衣様」

衣「ハギヨシが居ないと、嫌だ」

ハギヨシ「…」

衣「透華も、純も、一も、智紀も、みんなが居ても、それだけじゃ嫌だ。私の世界にはハギヨシも居てくれないと駄目なんだ」

ハギヨシ「…」

衣「頼むよ…お願いだから」

ハギヨシ「それは…」

久「何、悩んでるのよ」

ハギヨシ「…」

久「本当は、帰りたいんでしょ?」

ハギヨシ「竹井さん…」

久「そんな泣きそうな顔のハギヨシさん、初めて見た。貴重なもん見れたわ。ラッキー」

ハギヨシ「…」

久「…ま、大会終わるまでは、手、貸して貰いたいけどさ」

久「やりたいこと、やっちゃえば良いじゃん。好きに。ハギヨシさん、まだ若いんだし」

875: 2012/08/26(日) 11:58:18.97 ID:tnkcsrmk0
ハギヨシ「ですが、私にはまだ用務員の任期が…」

久「クビになっちゃえ」

ハギヨシ「…」

久「なんて…ふふ。ま、それは冗談。身の振りはお任せするけど、どうせ数ヶ月の契約でしょ?」

ハギヨシ「…ええ」

久「大した違いはどうせ無いわよ。ハギヨシさんが来てうちの部は色々助かったけど、それでも、別に貴方が居なくても部が潰れるわけじゃないし…インハイも終わるしね」

ハギヨシ「…」

久「だから、お役ごめーん。責任とか、そういうのは、気にしないで良いわよ。あ、それとも保護者体質だから気になっちゃう?うちの部も。ほら、うち、私が引退したらまこが部長で頼りないし」

まこ「ぬかせ」

ハギヨシ「…ふふ」

久「…」

ハギヨシ「そうですね。…任期後の身の振りは、インターハイが終わった後にでもゆっくり考えさせて頂きましょうか」

久「…」

ハギヨシ「…ありがとうございます。竹井さん」ポン

久「あ…」

876: 2012/08/26(日) 12:03:08.70 ID:tnkcsrmk0
ハギヨシ「衣様」

衣「…うん」

ハギヨシ「龍門渕で、執事の求人が始まりましたら、お教え下さい」

衣「…」

ハギヨシ「すぐに馳せ参じましょう」

衣「…透華に言っておく」

ハギヨシ「ありがとうございます」ニコッ

久「…」

久(初めて、頭撫でられちゃったな)

久「…」

久(…はぁ)

ハギヨシ「ところで、緊急の要件が有ったと思うのですが…」

衣「あ。そうだった。ハギヨシ、大変な事が…!」

ハギヨシ「はあ…」

衣「その透華がおかしいんだ!!」

881: 2012/08/26(日) 12:18:33.78 ID:tnkcsrmk0
衣「事のはじめは、私がお前を追い出す何日も前だった」

衣「時たま、彼奴の挙動に不審があった」

衣「だが、異変はなかった」

衣「本格的におかしくなったのは、お前が居なくなってからだ」

衣「最初は単に落ち込んでいるだけだと思ったが、ある日を境に豹変した」

衣「食事も喉を通らなかった筈が、いつも以上に明るい。空元気でもない。本気で水を得た魚の如く躍動し始めた」

衣「何より、趣味が一変した」

衣「…」

衣「…男同士が絡み合う奇怪奇天烈至極な本を読む事を好しとし、動画を見、遂には自分で執筆までするようになった」

衣「衣も、それに付き合わされた。嫌がる衣に無理やり趣味本を押し付け、読ませ、話を聞かせるようになった」

衣「耐えかね、何度も逃げ出した。結果、私は監視を付けられ、軟禁状態にまで陥った」

衣「…私には理解できない。あの透華が。あの優しかった透華が、あんな、暴力的なまでの独善に動き、あまつさえ自分の趣味の押し付けまでするとは…!」

衣「…私は、その原因が知りたい。何が透華を変えたのかを」

衣「しかも、恐ろしい計画まで…」

衣「あ、あんな…あんなに恐ろしい計画まで立てて…!!」ガタガタ

885: 2012/08/26(日) 12:31:17.97 ID:tnkcsrmk0
まこ「恐ろしい計画?」

久「どんなのかしら」

未春「知りたいけど知りたくないような…」

ハギヨシ「…伺ってもよろしいですか?衣様」

衣「…龍門渕が、最近あるネット麻雀の運営会社を買収したことは知っているか?」

ゆみ「あ、ああ。それなら私も聞いたことがある」

煌「ゆみさん」

衣「透華は、それに直接関わっている」

衣「情報の管理、運営、悪行への断罪、罰則の執行…その他、諸々だ」

美穂子「難しそうだわ」

玄「けど、最近の運営は凄く頑張ってるって巷じゃ話題ですよ!運営が変わってから凄く快適だって」

美幸「確か、それで利用者数も鰻登りで数百万人を突破したんだっけ?」

衣「…それが、狙いだ」

久「狙い?」

衣「…サブリミナル効果、を知っているか」

889: 2012/08/26(日) 12:46:02.92 ID:tnkcsrmk0
ハギヨシ「…まさか…!!」

衣「…既に、計画は進行している」

未春「名前はよく聞くけど…」

ハギヨシ「簡単に言えば、人類が近く出来る閾値以下の短い刺激を与え、潜在意識に訴えかけ、生体に何らかの影響がある…この場合は、恐らくコマーシャルのようなものかと」

ハギヨシ「…1957年9月から6週間にわたり、市場調査業者のジェームズ・ヴィカリがニュージャージー州フォートリーの映画館で映画「ピクニック」の上映中に"実験"を行なったとされています」

ハギヨシ「ヴィカリによると、映画が映写されているスクリーンの上に、「コカコーラを飲め」「ポップコーンを食べろ」というメッセージが書かれたスライドを1/3000秒ずつ5分ごとに繰り返し二重映写し」

ハギヨシ「その結果、コカコーラについては18.1%、ポップコーンについては57.5%の売上の増加がみられたとのことです」

未春「…」

ハギヨシ「現状、この国では禁止されている手法でもあります…!」

衣「透華は、使ったのだ。その禁忌の手段を」

衣「彼奴は言っていたよ。まずは、僅かな時間、特定の部屋で実験を行うと。『日記』を無意識の内に読ませ、その意識に浸透させていくと」

衣「僅かな時間…膨大な部屋、綿密な管理…調べても、尻尾を掴まれることは無いだろう。だが、確実に…計画は進行している…!」

衣「そうして効果を確認し、詳細なデータを掻き集めた後、一転攻勢に出る。メディアを広げ、インターネットを越え、テレビやラジオにまで波及を広げ…そして最終的には…」

衣「1億総ホ〇計画…!!」

未春「人類史上最低の計画だ!!」

895: 2012/08/26(日) 12:54:02.62 ID:tnkcsrmk0
久「ちょ、タンマ!」

衣「ん?」

久「あ、アンタ、今特定の部屋で既に実験を行うって…」

衣「…ああ」

衣「そうだ。とっくに何度かの実験は繰り返されている」

衣「それも、一番効果が顕著で、わかりやすい部屋で」

衣「まだ回数も少ないし、効果のある人間はそうそう現れないだろうが…」

衣「…もしかしたら、根が素直な人間ならそろそろ目覚めていてもおかしくないかも…」

煌「…一番効果が顕著で、わかりやすい部屋?」

煌「根が素直な…人間…?」

煌「そ、それって、まさか…!!」

煌「!!」クルッ

煌「…!!」

晴絵「ん?どうした?シャイニングちゃん…」

煌「げええええええええええ!!のどっちとカンちゃんが居ないいいいいいいいいいいぃいぃぃぃぃぃいいい!!!?」

900: 2012/08/26(日) 13:03:47.78 ID:tnkcsrmk0
遡り
午後9時5分前
インターハイ会場前

優希「…」

京太郎「…」

優希「…」

京太郎「…」

優希「…」

京太郎「なあ、優希?」

優希「…っ!お、おお!!」ビクッ

京太郎「いつまでこうしてる気だよ」

優希「…」

京太郎「もうそろそろ帰んねーと、明日が辛いぞ?」

優希「…も、もうちょっとだけ、もうちょっとだけ待っててくれるか?」

京太郎「まあ良いけどよ。こうして会場見上げてるだけってのも、疲れるわ」

優希「す、すまん…な」

902: 2012/08/26(日) 13:07:53.08 ID:tnkcsrmk0
京太郎「いや、謝んねーでも良いけど…」

優希「…」モジモジ

京太郎「…なんか悩みでもあるのか?」

優希「いや、その…」

京太郎「乗れる相談なら乗るけど」

優希「…」

京太郎「…」

優希「…」チラッ

京太郎「…」

優希(…9時、だ)

京太郎「…」

優希「…な、なあ、京太郎」

京太郎「ん?」

優希「え、えっと…な」

優希「…話がある」

908: 2012/08/26(日) 13:12:55.27 ID:tnkcsrmk0
京太郎「…おう」

優希「…」

京太郎「?」

優希「…」モジモジ

京太郎「…」

優希「あ…の…」

京太郎「おう」

優希「…えっと…」

京太郎「…」

優希「その…」

京太郎「…」

優希「…」

京太郎「?」

優希「…」

優希「…」

911: 2012/08/26(日) 13:18:27.61 ID:tnkcsrmk0
優希「…」

京太郎「優希?」

優希「…」

優希「…」

優希「えっと、な…」

京太郎「おう」

優希「…」

優希(…駄目だ。言えない…)

優希「…」

優希(勇気が…出ない…)

優希(…いや、弱音を言うな、片岡優希。私は、みんなにも言ったんだろう?戦ってくるって。頑張ってくるって。勇気出すって!)

優希(…一緒に戦ってくれ、って)

優希(それで肝心の私がこんなところで足踏みしてたら、みんなに顔向け出来ないじょ。わざわざオフ会欠席してまで)

優希(そして、3つ目の目的のためにも…)

優希(…私は、告白しなくちゃならないんだ…!!)キッ

913: 2012/08/26(日) 13:23:07.01 ID:tnkcsrmk0
優希「きょ、京太郎!」

京太郎「お、おう」

優希「お、おまえ、に、言いたい事が、あるっ!」

京太郎「な、なんだよ」

優希「その、な」

京太郎「…」

優希「えっと…な」

京太郎「…」

優希「わ、私、な」

京太郎「…」

優希「えっと…」

優希「…ず、ずっと前から…」

優希「お、お前、おま、お前の事…が…」

優希「好…」

「そこまでですわ」

919: 2012/08/26(日) 13:31:11.81 ID:tnkcsrmk0
透華「ふふふ…そうと知りつつリアルでお会いするのはこれが初めてですわよね?ドン・タコス…いえ、片岡優希さん」

京太郎「あれ?アンタ、確か龍門渕の…」

透華「そして、須賀京太郎さん」

京太郎「どうして俺の名前を…」

透華「ふふふ…大切な名前ですもの…そう、非常に大切な…ね」

京太郎「は?」

優希「…ハナちゃん」

透華「ええ。ご機嫌麗しゅう。まあもっとも、今はどちらかと言うと龍門渕透華…を名乗った方が順当ではありますが」

優希「何をしに来た?」

透華「主賓をお迎えに」

優希「お迎えに…って」

透華「須賀京太郎さんの事ですわ」

優希「!!」

京太郎「え?俺?」

透華「ええ。やはり、文章だけによる洗脳には限界を感じていたところですので…」

922: 2012/08/26(日) 13:41:26.43 ID:tnkcsrmk0
京太郎「さっぱり意味がわかんねー」

優希「やはり…そうだったのか。この間言っていた言葉。もう恋は諦めたから、薔薇に走るって」

透華「…」

優希「それがハナちゃんの本音なのか?」

透華「…ええ」

優希「嘘だ!!」

透華「嘘なんかじゃありませんわ。叶わぬ恋なら、いっそ粉々に打ち砕いて見せましょう。そして、その想いすら永久の黄泉路の彼方へと葬るのです」

優希「そんなの、おかしいじぇ!」

透華「おかしくありません。私は龍門渕の次期当主。ハギヨシは一介の使用人。互いに結ばれぬ運命ならば、せめて私の決して手の届かぬ階梯へ」

優希「その果てが、日本中巻き込んだホ〇だってのか!!」

京太郎「え、なにそれは(ドン引き)」

透華「然り。マイノリティは苦しい。なら、マイノリティでなくしてしまえば良いのです。簡単なことですわ」

優希「優しいハナちゃんがそんな畜生みたいな発想するなんて、信じられないじぇ。何か裏があるんじゃないか?」

透華「ありませんわ。これは、私の純粋から出た発想ですの。もう、止めることなど能わない」

優希「止めてみせる!」

926: 2012/08/26(日) 13:48:39.98 ID:tnkcsrmk0
透華「いいえ。それは不可能」スッ

優希「え…」クラッ

透華「おやすみなさい」

優希「…」ドサッ

京太郎「お、おい、ゆうk…」

京太郎「…」ドサッ

透華「ご苦労」

モモ「…これで、先輩との仲を取り持ってくれるっすね」

透華「考えておきましょう(やるとは言ってない)」

モモ「…すみません。タコスの人。金髪小僧」

透華「大丈夫です。その薬品、刺激臭は強いですが、後遺症は残りませんわ」

モモ「…」

透華「さあ、運びましょうか」

透華「衣という使いは出した。あとは、ハギヨシなら自力でここを突き止め、やって来るでしょう」

透華「その時が…計画の最終段階の始まりですわ」

932: 2012/08/26(日) 13:55:29.21 ID:tnkcsrmk0
カチッ

『えーっと…こんな感じでセットしてー…お、良いかな?うん。良い感じだじょ』

『えーっ。マイク、てすてす。うん。基本だしやってみたかった。もうとっくに確認済みだじょ。良し、行くぞ』

優希『おーっす!乙女部屋のみんな~。それと、百合部屋のみんなー。特にのどちゃん。元気してるかー。あと、腐部屋は氏ね』

優希『いっつもお世話になってます。片岡優希だじょ。あ、ドン・タコスとも言う。うはははは』

優希『今日は、ごめんな?みんな。折角のオフ会に行けなくって。けど、どうしても今日、おそらくはこの瞬間か、それに近い時間帯でやらなきゃいない、氏ぬほど大事な用事が出来ちゃったんだじょ』

優希『みんな、私が居なくて寂しいかー?私もみんなと美味しい御飯食べれなくって寂しいじょ。けど、それ以上にワクワクもしてる。あと、それ以上に…怖い』

優希『あ、そうだ。あとな。この動画は、池田。イケニャーに託した。リアルバレする前から実は戦友でった、心強き友よ。ありがとな』

優希『意外と世間って狭いよなー』

『早く本題言えし!』

優希『おっ、すまんすまんカメラマンに怒られた。えっとな。私がこのビデオレターを企画したのにはな。大きく分けて、3つの目的があったんだ』

優希『1つ目は、オフ会に集まったみんなに、せめてもの挨拶と顔見世をしたかっから。これはストレートだじょ。いつか出会えたら、顔見かけたら声かけてくれ』

優希『で、2つ目。これが私的には超最高にすっげーヘヴィーなんだが…』

優希『…私は、みんながこの映像を見てる今日、この日』

優希『…………京太郎。…ああ、私がいつも言っている『アイツ』の事だ…に、告白しようと思う。その、報告だ』

933: 2012/08/26(日) 13:57:25.82 ID:tnkcsrmk0
優希『…』

『黙るな!言っちまえ!』

優希『…あ、ああ。それでな。その…も、もし良かったら、その…みんなにも、それを応援して欲しい言うか…その…』

優希『…ゆ、勇気…くれ。…優希だけに。うははは…は…』

『つまんねーし!ギャグで逃げんな!』ダンダン

優希『ご、ごめんってイケちゃん…』

優希『…そ、それで、だ。いや、特に何をって訳じゃあ無いんだけど…その…』

優希『…し、失敗するかもしれんし、成功するかもしれんし』

優希『…わ、わかんないけど、勇気、出すんだ』

優希『私のために。…で、でも、私一人、自分一人のため、だと、私は臆病者だから、まだ、踏み切れないかもしれん』

優希『で…い、いざとなった時に、最後の一歩踏み出せんかも…しれん…のだじょ』

優希『…だから、私の背中を後押しする理由、くれ』

優希『その…じ、自分勝手だと、思うし、こんな恥ずかしいこと、親友ののどちゃんか、こういう集まりのみんなくらいにしか、言えんし…』

優希『だ、だから…くれ。理由』

優希『…勇気を。私に下さい』

935: 2012/08/26(日) 13:59:31.43 ID:tnkcsrmk0
優希『一緒に戦って下さい』

優希『なんでも良いから。ネトマでも、じゃんけんでも、早食い競争でも。私が戦い始める時に、一緒に、戦って欲しいんだ』

優希『きっかけっつーか…勇気を絞り出すための言い訳っていうか…そう云うののために』

優希『同じ時間に、戦ってて欲しいんだ』

優希『そう信じられれば、私は戦える気がするから。…だから。このビデオ、イケちゃんに、預けた。んだ、じょ』

優希『そしたら、それだけでも、みんなが一緒に戦っててくれるって、信じれるから』

優希『そ、そんだけっ!あ、あとな。告白は9時に始める予定だじょ!』

『あははは!顔真っ赤だし、タコちゃん!』

優希『あわわわ!っみ、見るなっ!もう!頼むっ!武士の情けがあればこれ以上もう見ないでくれ~…』

『…』

優希『って、なんでまだ撮ってるじょ、イケちゃん』

『お前アホだし。まだ3つ目言ってないし』

優希『…おお』

『なんだよ3つ目の目的。言ってみろ』

優希『…そうであったな。うん。えっと、3つ目。3つ目の目的は、な』

939: 2012/08/26(日) 14:07:24.04 ID:tnkcsrmk0
優希『…ハナちゃんに、勇気をあげたいんだ。ハナちゃん、今きっと凄く臆病になってる。なんか変なことも言い出しててヤケになってるみたいな感じだし』

優希『おかしいよな?身分とか、立場とか、年齢とか、好きなのに、その人が好きで好きで堪らない筈なのに、そんな形のないものに縛られて、想いを伝えることすら出来ないなんて』

優希『ハナちゃんだって、それ、わかってるはずなんだ。だけど、怖くて、遠慮して、それで、自分の想いに蓋をして…それって、結局逃げてるだけなんだじぇ』

優希『振られても良い。引かれても良い。今の関係が壊れてしまったって、それでも構わない。踏み出す勇気がなきゃ、現状は変わらないんだって、ハナちゃんに、伝えたい』

優希『だから、私は京太郎に告白する。で、その結果を伝える。ハナちゃんに『私が頑張ったんだから、ハナちゃんも頑張れ』って、伝えれるように』

優希『…余計なお世話かもしれないけど…』

優希『もしかしたらウザがられちゃうだけかもしれないけど』

優希『私はそれがハナちゃんの為にもなるって、信じてるから』

優希『以上!』

プツッ

941: 2012/08/26(日) 14:12:25.49 ID:tnkcsrmk0
疲れ果てた
終わり

こら、次最終回ですわ。最後だし書き溜めて投下しますわ。きっとそんなに長引かない筈

946: 2012/08/26(日) 14:15:01.04 ID:cOhASaBq0
乙やで~

引用: 咲「真夏の夜の淫夢」