1: 2009/03/23(月) 17:46:34.43 ID:/cWEjeru0
金糸雀「黄色くて可愛いかしら」

金糸雀「もうすっかり春かしら」

蒼星石「こんにちは、金糸雀」

金糸雀「あ、蒼星石!」
ローゼンメイデン 愛蔵版 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
5: 2009/03/23(月) 17:48:16.45 ID:/cWEjeru0
蒼星石「こんなところでどうしたんだい?」

金糸雀「お散歩かしら。蒼星石は?」

蒼星石「僕も散歩だよ」

金糸雀「なんだ、じゃあ一緒に行くかしら」

蒼星石「うん」

7: 2009/03/23(月) 17:49:17.65 ID:/cWEjeru0
金糸雀「最近、ぽかぽかして、すっかり暖かくなってきたかしら」

蒼星石「そうだね」

金糸雀「小春日和ってやつかしら」

蒼星石「金糸雀…、それは秋から冬になるときの言葉だよ」

金糸雀「え?」

蒼星石「知らなかった?」

金糸雀「も、もちろん知ってたかしら!」

蒼星石「本当に?」

金糸雀「本当かしら!カナはローゼンメイデン一の頭脳派かしら!」

金糸雀「知らない訳がないかしら!」

蒼星石「ふふ、そういうことにしとこうか」

金糸雀「むー、なんか引っかかる言い方かしら」

9: 2009/03/23(月) 17:50:02.01 ID:/cWEjeru0
金糸雀「最近、朝起きるのが面倒くさいかしら」

蒼星石「春だからね。ついつい寝坊しそうになるよね」

金糸雀「へぇ、蒼星石でも寝坊とかすることあるのかしら?」

蒼星石「まぁ、たまにはね。春眠暁を覚えずってやつさ」

金糸雀「意外かしら」

11: 2009/03/23(月) 17:51:41.42 ID:/cWEjeru0
金糸雀「川にもお魚がたくさん来るようになったかしら」

蒼星石「河原に菜の花がいっぱい咲いてるね」

金糸雀「うわぁ、きれいかしら」

蒼星石「あ、あそこにいるのJUM君じゃないかな」

金糸雀「ホントかしら。一人であんなとこで何をしているのかしら?」


12: 2009/03/23(月) 17:53:29.71 ID:/cWEjeru0
JUM「……」ぽちゃん

蒼星石「なんか体育座りで黙々と石を投げているね…」

金糸雀「不思議な人かしら」

JUM「……」クル

蒼星石「こっちの方を見たね」

金糸雀「目が会っちゃったかしら…」

JUM「……」ぽちゃん

蒼星石「また、石を投げ始めたね」

金糸雀「も、もう行こうかしら。すこし恐いかしら」

13: 2009/03/23(月) 17:56:06.25 ID:/cWEjeru0
JUM「……」ちら

蒼星石「ちらちらこっちの方を見てくるよ」

金糸雀「は、走るかしら」ダッ

JUM「……」

JUM「……」ぽちゃん

16: 2009/03/23(月) 17:58:23.70 ID:/cWEjeru0
金糸雀「なんか林のほうに来ちゃったかしら」

蒼星石「うわ、あの木の上の方にあるのって蜂の巣じゃない?」

金糸雀「そうかしら」

蒼星石「恐いから早くどっか行こうよ」

金糸雀「別にそんなに怖がらなくても、なにもしなければ大丈夫かしら」


18: 2009/03/23(月) 18:00:19.82 ID:/cWEjeru0
蒼星石「あ、林を抜けたら病院があるね」

金糸雀「窓から誰かの話声が聞こえるかしら」

水銀燈「うれしいわぁ、うれしいわぁ」

めぐ「どうしたの?浮かれちゃって」

水銀燈「だってぇ春休みなんだもの。遊び放題じゃない」

めぐ「水銀燈は毎日が休みじゃない」

水銀燈「どこに行こうかなぁ。遊園地もいいなぁ、水族館とかもいいなぁ」

水銀燈「あっ。ちゃんとめぐにもおみやげ買ってきてあげるからね」


21: 2009/03/23(月) 18:15:57.60 ID:/cWEjeru0
めぐ「ところでちょっと聞きたいんだけど」

水銀燈「なぁに?」

めぐ「あなた、誰と遊びに行くつもり?」

水銀燈「えっ…?」

めぐ「私以外に友達なんていたかしら?」

水銀燈「……」

蒼星石「……」

金糸雀「……」

蒼星石「嫌なことを聞いちゃったね…」

金糸雀「今度、水銀燈ともどこか遊びに行くかしら」

蒼星石「そうしよう」

22: 2009/03/23(月) 18:16:47.37 ID:/cWEjeru0
金糸雀「あ、ここの桜、もう咲いてるかしら」

蒼星石「ああ、彼岸桜だね」

雪華綺晶「ふふ、きれいですよね」

金糸雀「わぁ!」

蒼星石「き、雪華綺晶」

雪華綺晶「ふふ、こんにちは。お姉様たち」

金糸雀「い、いきなり現れないで欲しいかしら!心臓に悪いかしら」

雪華綺晶「ふふ、最初からいました」

蒼星石「あ、そうなんだ」

雪華綺晶「うふふふふ」

24: 2009/03/23(月) 18:21:40.20 ID:/cWEjeru0
雪華綺晶「ところで綺麗な桜の下には氏体が埋めてあるっていいますよね」

蒼星石「そうだね」

金糸雀「ま、まさかこの桜の根元には氏体が…」

雪華綺晶「いえ、そういうことはなかったです」

金糸雀「驚かさないで欲しいかしら!」

蒼星石「『そういうことはなかった』って何で過去形なの?」

雪華綺晶「ふふ、掘って調べたからです」

蒼星石「……」

26: 2009/03/23(月) 18:23:53.94 ID:/cWEjeru0
雪華綺晶「ふと思いついたんですが…」

金糸雀「なにかしら?」

雪華綺晶「綺麗な桜の下に氏体を埋めたら、もっと綺麗になるんでしょうかね?」

金糸雀「その冗談は笑えないかしら…」

雪華綺晶「ふふふ」


28: 2009/03/23(月) 18:26:47.40 ID:/cWEjeru0
蒼星石「ところで雪華綺晶はここでなにをしているんだい?」

雪華綺晶「ただ桜を眺めていただけです」

金糸雀「じゃあ、カナたちと一緒にお散歩するかしら」

雪華綺晶「せっかくのお誘いですが遠慮させて頂きます。もう少し桜を愛でていたいので」

金糸雀「わかったかしら。じゃあ、バイバイかしら」

蒼星石「じゃあね」

雪華綺晶「ええ、さようなら」

30: 2009/03/23(月) 18:28:52.46 ID:/cWEjeru0
翠星石「おーい、チビ人間ー!どこにいるですかー?」

真紅「まったく世話の焼ける下僕なのだわ」

雛苺「JUMーー!ヒナが悪かったのー!謝るからお家に帰ってきて欲しいのー!」

金糸雀「あれ?3人ともどうしたのかしら?」

蒼星石「JUM君の名前を叫んでいたけど、JUM君を捜しているのかい?」

翠星石「ああ、二人とも。そうなんです。チビ人間のやつ家出しちまったんです」

金糸雀「家出?」

雛苺「ヒナが悪かったの!JUM、ごめんなさいなの!」

蒼星石「雛苺が何かしたのかい?」

33: 2009/03/23(月) 18:30:51.88 ID:/cWEjeru0
真紅「ふん!下らないことなのだわ。雛苺がJUMの分の花丸ハンバーグを食べてしまっただけなのだわ」

金糸雀「は、花丸ハンバーグ?」

翠星石「チビ苺がJUMの昼飯を横取りしたんですよ」

雛苺「そしたら、JUMが家を出てったのー」

金糸雀「……」

蒼星石「……」

34: 2009/03/23(月) 18:31:42.48 ID:/cWEjeru0
翠星石「二人はチビ人間を見なかったですか?」

金糸雀「さっき河原の方で一人でいたかしらー」

雛苺「ま、まさかJUMは身投げをしようと…」

蒼星石「ただ、いじけてただけに見えたけどね」

翠星石「うおお!チビ人間待ってろですぅ!今、翠星石が行くですよ!」だっ

雛苺「ヒナも!」だっ

真紅「ちょ、ちょっと待ちなさい。じゃあ、二人ともさよならなのだわ」だっ

蒼星石「あ、うん」

金糸雀「……」

37: 2009/03/23(月) 18:34:24.10 ID:/cWEjeru0
金糸雀「それにしても今日は風が強いかしら」

蒼星石「うん。春一番ってやつだね」

びゅお

蒼星石「あっ」

金糸雀「蒼星石の帽子が飛んでいっちゃったかしら!」


38: 2009/03/23(月) 18:40:57.94 ID:/cWEjeru0
金糸雀「カナに任せるかしら!」だっ

蒼星石「あ、金糸雀」

かっ
金糸雀「あっ」

金糸雀「ふぎゃ」どて

蒼星石「だ、大丈夫かい?」

金糸雀「えへへ、転んじゃった…、恥ずかしいかしら」

蒼星石「ほら、ドレスに土が着いてるよ。払ってあげる」ぱんぱん

金糸雀「ありがとうかしら」

40: 2009/03/23(月) 18:45:07.67 ID:/cWEjeru0
金糸雀「ありがとうかしら」

金糸雀「あれ、帽子はどこ行ったかしら?」

蒼星石「あ、木の枝にひっかかってる」

金糸雀「ちょっと高いところにあるかしら」

蒼星石「どうしよう…」

金糸雀「今度こそカナに任せるかしら」

蒼星石「どうするの?」

金糸雀「登ってみるかしら」

蒼星石「ええ!落ちたらどうするの!?」

金糸雀「大丈夫かしら。カナはローゼンメイデン一の木登り名人かしら」

蒼星石「そんなの初耳だよ」

42: 2009/03/23(月) 18:51:17.61 ID:/cWEjeru0
金糸雀「なぁーに。こんな木、登るくらいカナにとってはお茶の子さいさいかしら」よじよじ

蒼星石「あわわ…」

金糸雀「んしょんしょ」よじよじ

金糸雀「取ったかしら!」

蒼星石「き、気をつけて降りてきてね?」

金糸雀「ほいほい」よじよじ

たん

金糸雀「はい、どうぞ、帽子かしら」

蒼星石「あ、ありがとう」

金糸雀「どういたしましてかしら」

蒼星石「でも、随分肝を冷えされたよ」

金糸雀「あはは。蒼星石は意外と小心者かしら」

蒼星石「ふふ、確かにそうかもね」

49: 2009/03/23(月) 19:05:48.25 ID:/cWEjeru0
蒼星石「それにしても君にたんぽぽはよく似合うね」

金糸雀「あはは。たんぽぽもカナも黄色いから?」

蒼星石「うん。それもあるけどたんぽぽの花言葉って知ってる?」

金糸雀「花言葉?」


蒼星石「たんぽぽの花言葉はね、飾り気のなさ…」

金糸雀「うーん、そうかしら?」

蒼星石「それに真心の愛なんだって。君にぴったりだよね」

金糸雀「真心の愛って…。なんだか照れるかしら」

蒼星石「でもそうだろう?」

金糸雀「んー…?」

蒼星石「まぁ、いいさ。勝手に僕がそう思っただけだから」

蒼星石「じゃあ、暗くなってきたからそろそろ僕は帰るよ。またね」

金糸雀「バイバイかしら」

50: 2009/03/23(月) 19:07:58.29 ID:/cWEjeru0
もう終わります。
支援ありがとうございました。

52: 2009/03/23(月) 19:09:43.29 ID:N4for78YO
カナ可愛すぎる

53: 2009/03/23(月) 19:24:22.26 ID:KAkx6obnO
乙ん

55: 2009/03/23(月) 19:47:17.55 ID:10BJKMgm0
特に事件とか起こるんじゃなくて何事もない日常をほのぼの描いてるのが読みたいかな
このスレも良かったけど少し短くて残念だった

引用: 金糸雀「たんぽぽかしら」