七森中学校
　生徒会室

京子「こんちはー」ｶﾞﾁｬｯ

綾乃「とっ、とっ、と、歳納京子ーッ！？」ｶﾞﾀｯ

綾乃「な、何か用！？今仕事で忙しいんだけど…特別に相手してあげない事もないないナイアガラよ！？」

京子「あ、今日用があるのは綾乃じゃないんだ」

綾乃「………」

京子「おーい、ちっぱいちゃーん」

櫻子「あぁ！？」ｶﾞﾀﾝｯ

京子「ひいっ！？」ﾋﾞｸｯ

櫻子「ちっぱいじゃねーし！！ちょっとあるし！！歳納先輩と同じくらいはあるし！！！」

向日葵「お、落ち着いて櫻子！！なんか花子ちゃんみたいになってますわ！」

櫻子「……すいません、取り乱しました」

櫻子「で、なんですか？」

京子「お…大室ちゃんはゆるゆりの主人公って誰だと思う？」

櫻子「>>10」

櫻子「主人公！私です！！」

向日葵「ちょっと櫻子！？」

櫻子「だって、元気キャラって主人公っぽいじゃん！」

櫻子「それに生徒会ってのもなんかそれっぽいし！副会長を目指しているー、とかもう完全に主人公だよ！！」

京子（言われてみれば学園漫画の主人公っぽい…かも？）

向日葵「それだったら私だって主人公ですわ！」

櫻子「向日葵はだめー！知的キャラは主人公にはなれないって決まってるの！」

向日葵「…フン！そうですわね、櫻子はおばかだから主人公っぽいかもしれませんわ！」

櫻子「ばか言うなぁー！！」

京子「これで、大室ちゃんが主人公だという可能性まで浮上してしまった…」

千歳「あれー？なんかにぎやかやなぁ」ｶﾞﾁｬｯ

京子「あっ、千歳」

京子「千歳にも聞いておこう、ゆるゆりの主人公って誰だと思う？」

千歳「主人公…？それやったら>>15さんやと思うわぁ」

千歳「やっぱり赤座さんやと思うわぁ」

千歳「ええ子やし、よく気が付くええ子やし、あとええ子やし主人公の器やとおもうんよ」

京子「そっか、千歳はあかり派かぁ」

櫻子（えっ、あかりちゃんって主人公だったの！？）ﾋﾞｸｯ

綾乃「ちょ、ちょっと歳納京子？一体さっきからなんの話なの？」

京子「ゆるゆりの主人公は誰かって話だよ」

京子「私はさぁーやっぱりごらく部部長であり二年生組の中心人物である歳納京子ちゃんが主役だと思うんだよね」

京子「でも結衣は１巻で主人公っぽい登場をしたあかりが主人公だっていうし」

千歳「あと赤座さんええ子やもんね」

京子「大室ちゃんは私が主人公だ！！って言い出すし」

櫻子「生徒会期待の新星！明るく元気なハイテンションガール大室櫻子が福会長と主人公の座を狙います！」ﾋﾞｼｯ

向日葵「…明るくおばかなノーバストガール？」

櫻子「表にでろおおおおお」

京子「綾乃は誰が主人公だと思う？」

綾乃「そうね…>>20さん、じゃないかしら」

綾乃「やっぱり歳納京子だと思うわ…」

京子「おおっ！やっとここで賛同者が！ひゃっほーい！」ﾀﾞｷｯ

綾乃「べ、別にっ…歳納京子のためなんかじゃないんだからね！勘違いしないでよ！」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

綾乃「その三人なら消去法で歳納京子だ、って思っただけなんだから！！」

千歳「綾乃ちゃん何気にものすごいひどい事言ってるで」

京子「ふむ…！これは三つ巴の戦いになりそうだな」

京子「主人公の座を賭けた、私・あかり・大室ちゃんの七森三国志！！」

綾乃「た、戦い…？争いはよくないないナイアガラよ」

京子「じゃあ、主人公選挙だ！」

京子「誰が一番主人公にふさわしいか…！選挙で決定する！」

京子「一番票を集めることができた人が明日からゆるゆり主人公！！」

京子「これは忙しくなってきたぞー！！」

第一回ゆるゆり主人公決定総選挙候補者一覧


【歳納京子】
2年5組　ごらく部部長
「私が主人公になった暁には！月一回給食のデザートにラムレーズンをつける事をここに約束する！！」
・主な支持者
　杉浦綾乃
　松本りせ
　まりちゃん
　
【赤座あかり】　
1年2組　いいこ
「選挙とかよく分からないけどあかり一生懸命がんばるよぉ～」
・主な支持者
　船見結衣
　吉川ちなつ
　吉川ともこ
　池田千歳
　赤座あかね

【大室櫻子】
1年2組　生徒会役員
「私が主人公になったら特になんにも考えていない！よろしくっ！」
・主な支持者
　古谷向日葵
　古谷楓
　大室撫子
　大室花子
　池田千鶴

七森中学校
　講堂

りせ「…………」

先生「『それではこれから、候補者の支持者の方による応援演説をはじめます』と言っている」

りせ「…………」

先生「『演説中は私語を慎み、真面目に聞いてください』と言っている」

りせ「……………」

先生「『奈々さん大好き☆結婚してぇ』と言っている」

りせ「…………」

先生「『言っていない』と言っている」

りせ「…………」

先生「『それでは一人目の方、お願いします』と言っている」

一人目「はーい」

先生「それでは>>28、演説をお願いしよう」

先生「じゃあ一人目、赤座あかりの支持者である赤座あかねに演説をお願いしよう」

あかね「はーい！はじめましてみなさん、あかりの姉の赤座あかねです☆」

綾乃「あ、あれは…！あの人は！」

りせ「………」

先生「『伝説の七森中元生徒会長…！』と言っている」

あかり「お姉ちゃんって生徒会長だったんだ～」

ともこ「きゃー！あかねちゃんこっち向いてー！表情ちょうだいー！」ｶｼｬｶｼｬｶｼｬ

あかね「さて、ゆるゆりの主人公が誰か？という話ですが…」

あかね「私は絶対にあかりだと思います！！なぜなら…」

あかね「ゆるゆりは百合漫画なのに…あかりの百合要素が薄い！！から！！」

あかね「薄いんじゃだめじゃないか！と思う方もいらっしゃるでしょうが」

あかね「あくまで薄いのは、あかり自身が外に向けている矢印の数！」

あかね「あかりに向けられている矢印の数は、実は多いんです！！」

あかね「あかあか、ちなあか、ちとあか、さくあか、ともあか…」

あかね「この可能性の数はまさしく主人公と言える数です！！」

あかね「人から寄せられている思いの数は多いが、自分から誰かに寄せている思いは皆無…」

あかね「そう、あかりは最近よくある『鈍感系主人公』なのよ！」

京子「な、なんだってー！！？」

あかね「これは主人公と呼ぶのにふさわしいキャラじゃないかしら」

あかね「賛同していただける方は是非赤座あかりに清き一票を！」

あかね「最後に…あかりー！聞いてるー！？大好きよー！！きゃー言っちゃったー！」

先生「はい、赤座あかねの応援演説でしたー」

先生「続いての応援演説は…>>34にお願いしよう」

二人目「はいー」

あかり「ふぅー、すっきりしたー」ｽﾀｽﾀ

ちなつ「あれ、あかりちゃんどこ行ってたの」

あかり「ちょっとトイレに…」

先生「次は大室櫻子の支持者、古谷向日葵にお願いしよう」

向日葵「はいですわ」ｽﾀｽﾀ

綾乃「なんで古谷さん、大室さんの支持者になったのかしら」

結衣「あの二人ってあんまり仲がいい風に見えないんだけど…」

ちなつ「なに言ってるんですか先輩達」

ちなつ「あの二人の仲の良さは…尋常じゃないですよ！！」

向日葵「…大室櫻子の支持者、古谷向日葵ですわ」

向日葵「今日はみなさんに、大室櫻子と言う子がどのような人間なのか…そこからお話させて頂きます」

向日葵「まず簡単に言うと櫻子はおばかですわ」

櫻子「！？」

向日葵「生徒会の仕事もいつも私が手伝っていますし、宿題も一人じゃ出来ない子ですの」

向日葵「なのに生徒会副会長になるなどと…叶いそうもないことばかり口にしますの」

櫻子「おい向日葵こらー！！？」ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ

向日葵「そんな子ですが、誤解のないようにに言っておきます」ｷﾘｯ

向日葵「櫻子はおばかですが…決して不真面目ではありません」

向日葵「いつもいつも私に頼りながら…途中で投げ出すなんてことは今まで一度もなかったですわ」

向日葵「決してあきらめない責任感、人とすぐ打ち解ける事のできる性格、たりない頭」

向日葵「…どれも、漫画の主人公みたいなキャラですわ」ｸｽｯ

向日葵「是非大室櫻子に清き一票を…お願いいたします」ﾍﾟｺｯ

向日葵「私の演説は以上で終わりですわ」

先生「はい、古谷の応援演説でした」

櫻子「…………おい、向日葵」

向日葵「あら櫻子…なにか？」

櫻子「…ありがと」

向日葵「いいですわ、貴女と私の仲でしょう？」

櫻子「…へへっ！」

先生「最後に歳納京子の応援演説を…>>41にお願いしよう」

先生「赤座あかりにお願いしよう」

あかり「えぇっ！？」ﾋﾞｸｯ

あかり「な、なんであかりなんですか！？京子ちゃんの支持者の人は…！」

綾乃「と、歳納京子の応援なんて…！恥ずかしくてできないないナイアガラよ…っ！」

りせ「……………」

先生「『キャラ的に無理』と言っている」

まりちゃん「えんがわ？えんがわよりうにくいてえ！」

あかり（駄目だ、これは）

先生「と言う事で歳納と仲が良くて、誰の支持者でもない赤座に…」

あかり「あかり、たしかに支持者じゃないけど…立候補者なのにー！！」

…

あかり「え、えーと…京子ちゃんの応援演説をする事になった赤座あかりです…」

結衣「えっ」

あかね「あかり！？」

あかり「えっと、京子ちゃんは友達もいっぱいいるし…」

あかり「それにとってもお喋りも上手で主人公に向いていると思います…」

櫻子「え、なんであかりちゃんが歳納先輩の演説してんの…？」

向日葵「ちょっとわけが分かりませんわ」

あかり「だから京子ちゃんに投票お願いします…」ﾍﾟｺｯ

あかり「あ、でもあかりも主人公になりたいので投票お願いします」ﾍﾟｺｯ

千鶴（頭まで下げた…）

千歳「綾乃ちゃんは何しとるん！？」

あかり「い、以上です」

ともこ「お、終わったわ…」

ちなつ「えぇー…なにこれ…」

…

先生「さて…投票がおわったようだ！開票結果もすぐに出るぞ、私の作った票数えマシーンの力で…！」ﾄﾞｶｰﾝ

綾乃「先生！マシーンが爆発しました！」

先生「気にするな！！１位は…>>48だ！！」

先生「開票結果…！１位は赤座あかりだーっ！！」

京子「なっ…！？」

櫻子「えぇーっ！！」

先生「なんと一人で半分を超える票を獲得…これはすごいな」

先生「『お姉さんの演説から、愛されてるのが伝わってきたのがよかった』」

先生「『他の候補者の演説までこなすとは、納得のいい子』」

先生「…など、数々のコメントが寄せられている」

あかり「あ、あかりが主人公なの…！？あかり、ゆるゆりの主人公なの！？」

結衣「そうだよ、あかりが主人公だ！」

あかね「明日から大手を振って主人公って言っていいのよ、あかり！！」

あかり「み、みんなありがとー！！」

先生「それでは、正式に主人公となった赤座あかりにコメントをいただこう」

先生「さぁ赤座、マイクを持って壇上に…」

あかり「は、はいっ！」ｽﾀｽﾀ

ﾜｰﾜｰ　ｼｭｼﾞﾝｺｳｰ　　ｵﾒﾃﾞﾄｰ　　ｱｯｶﾘｰﾝ

あかり「え、えーっと…」

あかり（よし！ここは主人公らしく明るく面白いコメントで…！）

あかり「み、みんなのハートにどっきゅーん！真主人公赤座あかりだぴょーん！！」

……ｼｰﾝ

あかり「あ、あれ…」

京子「……それはねえわあ」

結衣「あかり…ごめん」

ちなつ「やっぱあかりちゃんはあかりちゃんですねえ」

あかり「あ、あれ！？これだめぇ！？かわいいと思ったんだけど…！」

あかり「うわーん！！みんな何か反応してえーーっ！！！」


真主人公あかりの戦いはまだはじまったばかりだ！！

おしまい

乙