1: 2009/03/13(金) 03:39:34.03 ID:KyjoynDFO
真紅「ふぅ、くんくんはやっぱり最高なのだわ」
雛苺「面白かったの~」

翠星石「ですぅ~」

真紅「さてと、くんくんも終わったことだし、他の番組でも見るかしら」
ローゼンメイデン愛蔵版 1 (愛蔵版コミックス)
4: 2009/03/13(金) 03:44:15.59 ID:KyjoynDFO
いてくれたのか

お姉さん『みんなー、お姉さんだよー』

ニャンちゅう『みなさん、くぉんに゛ちわぁ、ニャァンちゅうでぇす』

真紅「耳がおかしくなったのかしら、この猫だかネズミ
だか分からないのとくんくんの声がすごく似てるように感じるわ」

JUM「ああ、中の人が同じだからな」

真紅「中の人……?」


5: 2009/03/13(金) 03:46:06.64 ID:KyjoynDFO
翠星石「ああ、このニャンちゅうって言うのくんくんと同じ声の人何ですか」

真紅「何を言ってるの、翠星石?くんくんはくんくんなのだわ、同じ声とか意味がわからないのだわ」

雛苺「真紅……、分かってないのね」プクク

JUM「そういえば、明日、この人の握手会が市民ホールでやるらしいぞ」

雛苺「ヒナ、行きたいのー!!」

翠星石「チビ人間、連れてくですぅ」

JUM「しょうがないなあ、真紅も行くだろ?」

真紅「よく分からないけど、本物のくんくんと握手できるってことかしら?」

JUM「大体そんな感じだ」

真紅「なら、私も行くのだわ」

6: 2009/03/13(金) 03:47:34.33 ID:KyjoynDFO
ー翌日ー

真紅「くんくんは?くんくんはどこなの?」

JUM「まあ、慌てるなよ、ちゃんと列に並べば会えるさ」

真紅「楽しみなのだわ!!早く会いたいのだわ!!」ワクワク

翠星石「真紅、ちょっと静かにするですぅ」

7: 2009/03/13(金) 03:49:06.23 ID:KyjoynDFO
JUM「おっ、そろそろ順番だぞ、ほら、あの人だよ」

翠星石「へぇー、あの人ですか」

真紅「? どこにくんくんがいるのだわ?」

JUM「あのイスに座ってる人だよ、握手してるだろ」

真紅「あれは人間じゃない」

JUM「だから、くんくんは人形劇だろ、そのくんくんの声を当ててるのがあの人なんだよ」

真紅「えっ!?」

雛苺「マジバカwwwwくんくんが生きてると思ってるとかwwww」

真紅「くんくんが……作り物」

8: 2009/03/13(金) 03:51:30.34 ID:KyjoynDFO
翠星石「順番がきたですぅ」

中の人「こんにちわ、お嬢ちゃんたち」

翠星石「わぁ、くんくんの声ですぅ」

雛苺「同じなのー」

真紅「  」プルプル

中の人「これからもくんくんを応援してね、んーくんくん」

真紅「いや……イヤなのだわ」

中の人「どうしたんだい?」

真紅「アナタがくんくんだなんて……、認めないのだわ!!!」ダッ

JUM「お、おい!!真紅、待てよ!!」

中の人「……」


10: 2009/03/13(金) 03:53:41.31 ID:KyjoynDFO
JUM「はぁはぁ、何て足の速さだ!引きこもりの体力では追いつけない」ゼェゼェ

雛苺「放っとけばいいの、お腹が空いたら戻ってくるのよ」

翠星石「そうですぅ」

ビュオッ

翠星石「キャア」

JUM「な、何だ今のは?」

雛苺「スゴい風なのー」

13: 2009/03/13(金) 03:54:55.98 ID:KyjoynDFO
真紅「くんくんが……作り物だったなんて」クスンクスン

ビュオ

真紅「キャ、な、何なのだわ!?」

中の人「見つけたよ、お嬢ちゃん」

真紅「アナタはさっきの!!」

中の人「君は……、くんくんが大好きなんだね、君の名前は?」

真紅「……真紅なのだわ」

15: 2009/03/13(金) 03:56:09.90 ID:KyjoynDFO
中の人「そうか、ところで実はこの姿は仮の姿なんだ、
すまないがこれを開けてもらえないかな?」

真紅「背中にチャック?」

ジー

パラリ

くんくん「やあ、くんくんだよ」

真紅「……」

くんくん「どうしたんだい?」

真紅「驚きの余り……、お口チャックマンなのだわ……」

17: 2009/03/13(金) 03:57:59.19 ID:KyjoynDFO

くんくん「驚くのも無理は無い、人間の中に人形が入っていたのだからね」

くんくん「因みに、この事は秘密だよ」

真紅「何でそんな大事なことを私に?」

くんくん「君に一目惚れしてしまったのさ」

真紅「えっ…///」ポッ

真紅「でも、それにしても節操がないんじゃない///」


23: 2009/03/13(金) 04:00:09.96 ID:KyjoynDFO
くんくん「ん~~~、僕はこう思ってるんです。人々の
出会いは先手必勝だと。どんな魅力的な女性でも、出会い
が遅ければほかの男と仲良くなっている可能性もある。
なら出会った瞬間に自分が相手に興味があることを即座
に伝えたほうがいい、速さは力です。興味をもった女性
には近付く、好きな女性には好きと言う。相手に自分を
知ってもらうことから人間関係は成立するのですから。
時にそれが寂しい結果を招くこともあるでしょう、しかし
次の出会いがいつまた来るかもしれません!だから、
僕は思ったことを直ぐに言うようにしているのです、インクさん!」

真紅「と、とりあえず、インクじゃなくて真紅なのだわ」(思ってたよりも饒舌なのだわ)

くんくん「あ~、すいません、ところでこれからお食事をご一緒しませんか?」

真紅「じゃあ、お言葉に甘えるのだわ」

くんくん「では参りましょう、向こうに車を停めてあります」

25: 2009/03/13(金) 04:02:40.13 ID:KyjoynDFO
くんくん「これが僕の車です」

真紅「コレって………人力車なのだわ!!」

くんくん「一種のエコカーってヤツですよ、ハッハッハッ」

真紅「………」

くんくん「スピードも他の一般車両なんぞに負けません!
探偵の基本は聞き込みです!聞き込みは足です!つまり、
探偵に最も大事なのは脚力、スピードです!一流の探偵
なら他の人が一つ聞く間に十のことを聞けます!そして、
直ぐに事件を解決に導きます!僕の信条として事件を解決
するのは30分以内と決めてあるんですよ!まぁ、
時には力及ばず、それ以上の時間を費やすこともあると
言えばあるんですが、沢山の事件を解決するには多少の
イレギュラーは仕方ないことです!ですが、いずれ、事件が
起こって3分以内に解決するようになります!じっちゃんの
名に賭けて言います!まあ、僕のおじいさんは事務 真紅「わ、分かったのだわ!それより早く出発しましょう!」

くんくん「おーっと、僕としたことが、出発を遅らせるとは、
分かりました、しっかり掴まってて下さい!飛ばしますよ!」

ビュオッ


26: 2009/03/13(金) 04:04:52.31 ID:KyjoynDFO
くんくん「乗り心地はどうですか?タンクさーん!」

真紅(ふ、風圧で…息ができないのだわ、それにひどい揺れ、気持ち悪いのだわ)

くんくん「この世の理は即ち速さだとは思いませんか?
物事を早く成し遂げればその分時間が有効に使えます。
遅いことなら誰でも出来る。二十年掛ければバカでも
傑作小説が書ける。有能なのは月刊漫画家よりも週刊
漫画家 週刊よりも日刊です。つまり速さこそ有能な
のが文化の基本法則、そしてオレの持論です!とうちゃあぁ~く
……2分20秒……また2秒世界を縮めた……」

真紅「ゲロゲロゲー」

くんくん「さあ、食事にしましょう!シンピさん」

真紅「シ、シンクなのだわ」

27: 2009/03/13(金) 04:06:37.16 ID:KyjoynDFO
くんくん「どうです?なかなか良い店でしょう?」

真紅「こんな美味しいもの生まれて初めて食べたのだわ」

くんくん「アナタに喜んで貰えて僕も嬉しいです」

真紅「ふふっ、そういえば食事はゆっくり食べるのね」

くんくん「食事は人の心を豊かにし、エネルギーと
明日への活力を生み出してくれます。ここに速さは
必要ありません。味を堪能しながら歯で噛み砕いて
食べ物を胃へと流し込むそして 真紅「わ、分かったのだわ」

くんくん「では、食事も終わったことですし、このまま海にでも行きましょうか」

28: 2009/03/13(金) 04:08:29.45 ID:KyjoynDFO
くんくん「では、車を手配したので、それに乗りましょう」

真紅「さっきの人力車は?」

くんくん「タイヤが焼け焦げました」

真紅「……」

くんくん「それに、食べた後ですぐ走るのは胃に悪いですから
では、参りましょう」

31: 2009/03/13(金) 04:13:24.29 ID:KyjoynDFO
くんくん「ムンクさん俺はこう思ってるんです。旅は
素晴らしいものだと!その土地にある「名産」「遺跡」
「暮らしてる人々とのふれあい」新しい体験が人生の
経験になり、得がたい知識へと昇華する!しかし目的地
までの移動時間は正直面倒です。その行程を僕なら
破壊的なまでに短縮できる!だからオレは旅が大好き
なんです!聞いてますか?ムンクさ~んムンクさぁ~ん!」

真紅(な、何でこの人の車に乗ってしまったのかしら)

くんくん「とうちゃーく、1時間50分38秒……また5秒世界を縮めた……」

くんくん「海は良いですね~、心が洗われるかのようだ
おや、シルクさんの顔も海のように真っ青ですよ」

真紅「……」

くんくん「……氏んでる」

ーfinー

36: 2009/03/13(金) 04:17:16.72 ID:KyjoynDFO


真紅「イヤな冗談はやめて欲しいのだわ、それから
私の名前はシンクなのだわ」

くんくん「すいません、そういえば知ってますか?
アソコに見える鳥は天然記念物らしいですよ」

ババッ
突如、黒い網が投げられ、鳥は捕まった

?「この天然記念物の鳥は頂いた」

くんくん「お、お前は怪盗キャット!!」

怪盗「お、お前はくんくん!!なぜ、ここに!?」



39: 2009/03/13(金) 04:21:55.94 ID:KyjoynDFO
くんくん「そんなことはどうでもいい!!その鳥を放して貰おうか!!」

怪盗「ふん、ならば私を倒してみせるが良い」
地面が隆起し巨大なロボットが現れる

真紅(……)

くんくん「ウォォーーー!!!」

目にも止まらぬくんくんの蹴りがロボットに当たる

怪盗「効かん!!絶大なるドイツの科学力によって作られた
このスーパーピンチには貴様の攻撃など無に等しいわ!!」

40: 2009/03/13(金) 04:23:35.44 ID:KyjoynDFO
くんくん「そーかい!これがドイツの科学力を得たお前の力か
だが、まだ足りない!足ァりないぞ!お前に足りないもの、
それは!情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!
そしてェなによりも-------」

怪盗「消えた!?どこに!?」

くんくん「速さが足りない!!!!」

くんくんの蹴りでロボットの右腕が吹き飛ぶ

怪盗「ぐっ!!だが」

空中で不安定となったくんくんにピンチのパンチが当たる

真紅「くんくん!?」

42: 2009/03/13(金) 04:24:51.67 ID:KyjoynDFO
怪盗「くんくんよ、貴様はここで朽ち果てる運命なのだ」

くんくん「運命?ハッ!!他人に運命を左右されるとは意志を譲った
ということだ!意志なきものは文化なし、文化なくして
僕はなし、僕なくして僕じゃないのは当たり前!
だから!!僕はやるのだ!シンサさ~~~~ん」

真紅「シンクなのだわ!!」

44: 2009/03/13(金) 04:26:50.38 ID:KyjoynDFO
くんくん「この一撃に全てをかける」

怪盗「良かろう!!ならば我も全霊を持って、それに応えよう!!」

くんくん「その前にシンクさぁ~ん!!!」

真紅「シンクなのだわ!!ハッ!?」

くんくん「あってるでしょう?」

くんくん「もし、コイツに僕が勝ったら結婚をして頂きたい!!」

真紅「!!?」

くんくん「ふふっ、いいんですよ。イヤならイヤといってくれれば。
思えば、今日、一日僕はアナタを楽しませることはできませんでしたからね。
因みに僕はこう考えているんです。
人間は自由だと無理な仕事の発注には拒否権を発動する
ことができる。嫌なことは嫌だと言い切る。悩んでいる
時間は無駄以外の何ものでもありません即決即納即効
即急即時即座即答!それが残りの時間を有意義に 真紅「いいわ」

くんくん「!!?」

45: 2009/03/13(金) 04:28:47.64 ID:KyjoynDFO
真紅「アナタがアイツに勝ったら結婚しても」

怪盗(……)

くんくん「分かりました。ウッヒョーーーー」

くんくん「改めて、この一撃に全てをかける!!」

怪盗「……来い!!」

くんくん「ウォォーーー!!大は小を兼ねるのか?速さは
質量に勝てないのか?いやいやそんなことはない速さを
一点に集中させて突破すればどんな分厚い塊であろうと…」

怪盗「ぐぉぉおー!!」

くんくん「 砕 け 散 る ! 」

くんくんがスーパーピンチの胴体を貫いた

怪盗「こうなれば、貴様も道連れに……」

左手でくんくんを捕らえる

くんくん「しまっ…」

スーパーピンチが轟音と共に爆発した

真紅「くんくーーん!!」

46: 2009/03/13(金) 04:30:34.18 ID:KyjoynDFO
後にはスーパーピンチの残骸だけが残りくんくんの姿は無かった


JUM「真紅、ずっと塞ぎっぱなしだな」

翠星石「無理もないですぅ」

雛苺「可哀想なのー」

真紅「……くんくん」ポロポロ

47: 2009/03/13(金) 04:31:48.23 ID:KyjoynDFO
?「シンプさんのお宅ですか?」

真紅「私は……しんく…なの…だわ」

?「いいや」

真紅「!!」

くんくん「あってるでしょう?私は約束を守る男ですよ」

ーfinー

48: 2009/03/13(金) 04:33:07.54 ID:th7Ikfq/0
乙なのだわ

50: 2009/03/13(金) 04:33:54.63 ID:KyjoynDFO
見ててくれた人有難う
20分で終わるとか言いながら1時間近くかかってしまった
まだまだ、最速の男にはなれないか

引用: 真紅「イヤ……いやなのだわ」